JP2540338B2 - 粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料

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JP2540338B2
JP2540338B2 JP62196131A JP19613187A JP2540338B2 JP 2540338 B2 JP2540338 B2 JP 2540338B2 JP 62196131 A JP62196131 A JP 62196131A JP 19613187 A JP19613187 A JP 19613187A JP 2540338 B2 JP2540338 B2 JP 2540338B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は粉体塗料に関する。更に詳しくはシート状の
繊維強化樹脂成形用コンパウンド(以下SMCという)を
原料とする金型プレス成形品の表面を保護もしくは化粧
するための粉体塗料に関する。
(従来の技術) SMC成形品はその表面を保護もしくは化粧するために
通常塗装が施こされるが、塗装時にピンホールが発生し
たり、プライマーが付着しにくかったり、また塗装後表
面に波打ち現象が起こったりして成形品の美感を損ねる
という問題があった。このような塗装上の問題を解決す
る方法としてインモールドコーティング法(以下IMC法
という)、すなわち金型内被覆法が次第に採用されるよ
うになってきた。
従来のIMC法は主として液状塗料を用いるものであ
り、この方法は塗料の注入機の他、レベリングコントロ
ーラーが必要である。すなわち、成形時SMCがほぼ硬化
した段階で金型を僅かに(0.25〜1mm)開いて塗料を注
入するのであるが、上記レベリングローラーはプレス盤
面を平行に保持しながら正確に開くための装置であって
高い精度が要求され塗装の良否を左右する重要な要因の
一つとなっている。
一方、粉体塗料によるIMCにおいては、上記のような
複雑な装置は不要で、通常静電塗装機が一つあれば実施
が可能であり次第に採用されつつあるが、このための粉
体塗料が未完成であり広く行われるまでに至っていない
のが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) SMC成形品は一般に大型品であり、自動車や通信施設
のように専ら屋外で使用されるものや浴室、洗面所、厨
房等の水まわり設備の屋内用にもしばしば使用され、従
ってこれらSMC成形品は耐水性、耐湿性、耐煮沸性、耐
熱性、耐候性、寒熱繰返しに対する耐性、場合によって
は電気絶縁性、誘電特性等の電気特性、あるいは意匠性
などが要求されている。
このような要求に対応しうるSMC成形品のIMC用粉体塗
料としてジアリルフタレート又はその部分重合体と不飽
和ポリエステル樹脂、トリアリルイソシアヌレートの如
きアリル化合物やビニル化合物等を組合せた組成物が知
られている。しかしながら、ジアリルフタレート樹脂を
成分とする塗料は一般に硬く、可撓性に欠けるため、寒
熱繰返しや衝撃的な外力に対してクラックの発生やSMC
と塗膜の界面とその付近の剥離のような機械的な破壊を
生じることが多く、ジアリルフタレート樹脂の本来もつ
耐水性や耐熱性その他の特徴を十分に発揮しえないきら
いがあった。
(問題を解決するための手段) 本発明は従来のジアリルフタレート樹脂を成分とする
粉体塗料の上記欠点をなくし、SMC成形品の表面被覆材
として該樹脂と同等な性能をもつ粉体塗料を提供しよう
とするものである。
すなわち、本発明は、 (イ)下記式(1) で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルとアルキル
ベンゼン誘導体であって、ベンゼン環に直接結合する炭
素原子(以下この炭素原子の位置を「ベンジル位」とい
う)に少なくとも1個の水素原子を有する下記式(2) (但し式(2)中、R1及びR2は、それぞれ、水素原子及
び低級アルキル基よりなる群からえらばれた基を示し、
nは1〜3の整数を示す) で表わされる芳香族炭化水素とから導かれる重合体であ
って、下記式(3) で示され、該重合体の硬化に与るペンダントアリル基−
CH2−CH=CH2を有する単位及び下記式(4) で示され、該重合体が分岐構造を形成する際の分岐点と
なる基 を有する単位からなる繰り返し単位を有するテレフタル
酸ジアリルエステル共重合体であって、 (a)該式(1)モノマー単位の末端に該式(2)モノ
マー単位1個が、上記ベンジル位に於て該式(1)モノ
マー単位のアリル基と、その3C及び/又は3′Cと炭素
−炭素結合した構造を有し、 (b)該共重合体中の式(1)モノマー単位のアリル基
で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式(1)モ
ノマー単位の数が3〜11個であるテレフタル酸ジアリル
エステル共重合体を必須成分とする熱硬化性樹脂 100重
量部 (ロ)オレフィン系重合体 1〜30重量部 (ハ)平均粒径が100μm以下の粉末状充填材及び/又
は直径が平均30μm以下、長さが平均120μm以下であ
ってアスペクト比が100以下の繊維状充填材 10〜70重量
部 上記(イ)〜(ハ)成分よりなる混合物に(イ)成分
の硬化剤を配合した、常温で目の開きが104μmの篩を
通過する組成物からなることを特徴とする粉体塗料であ
る。
本発明における(イ)成分のテレフタル酸ジアリルエ
ステル共重合体を必須成分とする熱硬化性樹脂として
は、該共重合体単独でもよいし、該共重合体に更に該共
重合体と同じ硬化剤で硬化するジアリルオルソフタレー
トプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマ
ー、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹
脂の如きポリマーあるいは異なる硬化剤で硬化するポリ
マー、例えばエポキシ樹脂のように相互に硬化を妨害す
ることのないポリマーを混合したものでもよい。混合ポ
リマーの場合、テレフタル酸ジアリルエステル共重合体
の配合割合は、ブレンドするポリマーの種類やその他の
配合剤更には最終製品の要求性能によって左右されるの
で一概には定められないが、本発明の目的を達成するた
めには混合ポリマー中少なくとも5重量%、望ましくは
10重量%以上が必要である。
本発明に用いられる(イ)成分のテレフタル酸ジアリ
ルエステル共重合体は、下記式(1)で表わされるテレ
フタル酸ジアリルエステル と下記式(2)で表わされるベンジル位に少なくとも1
個の水素原子を有する芳香族炭化水素 (但し、上記式(2)中、R1及びR2は、それぞれ水素原
子及び低級アルキル基よりなる群から選ばれた基を示
し、nは1〜3の整数を示す) とから導かれた共重合体であって、(a)式(1)モノ
マー単位の末端に式(2)モノマー単位1個が、上記ベ
ンジル位において式(1)モノマー単位のアリル基とそ
3C及び/又は3′Cと炭素−炭素結合した構造を有す
る。更に(b)該共重合体の式(1)モノマー単位のア
リル基で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式
(1)モノマー単位の数が3〜11個、好ましくは3〜10
個であるという構造的特徴を有する共重合体である。
上記式(2)の芳香族炭化水素のR1及びR2は、それぞ
れ、水素原子及び低級アルキル基よりなる群から選ばれ
るが、上記低級アルキル基としてはC1〜C5のアルキル基
が例示できる。このような式(2)化合物の例として
は、たとえば、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピ
ルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼ
ン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、n−
アミルベンゼン、sec−アミルベンゼン、イソアミルベ
ンゼン、(2−メチルブチル)−ベンゼン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン、キシレン異性体混合
物、プソイドクメン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジ
エチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,2−ジプロ
ピルベンゼン、1,3−ジプロピルベンゼン、1,4−ジプロ
ピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン類、p−シメ
ン、1,2−ジブチルベンゼン、1,3−ジブチルベンゼン、
1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジイソアミルベンゼン、
1,3−ジイソアミルベンゼン、1,4−ジイソアミルベンゼ
ン、1,2,3−トリメチルベンゼンなどを例示することが
できる。
本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合体を製
造するにあたっては、原料モノマーである式(2)の芳
香族炭化水素と式(1)のテレフタル酸ジアリルエステ
ルとを有機過酸化物もしくはアゾ化合物触媒の存在下
に、好ましくは(a),(b)の構造及び下記(c)〜
(h)の諸性質をもつ共重合体を得るべく反応条件を設
定して共重合反応を行わしめることによって製造され
る。
本発明に用いるテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、以下に挙げるような諸性質をもつ共重合体が望ま
しい。
(c)ウイス(Wijs)法測定によるヨウ素価40〜85。
(d)25℃における真比重が1.20〜1.25 (e)軟化範囲約50〜約120℃。
(f)50%メチルエチルケトン溶液粘度80〜300センチ
ポイズ(30℃)。
(g)GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー)法で測定したポリスチレン換算数平均分子量(
n)が4,000〜10,000、重量平均分子量(w)が70,00
0〜200,000で、且つnとwとの比w/nで表わし
た分子量分布が10〜40。
(h)ブラベンダープラストグラフで測定したブラベン
ダー溶融粘度が250〜2600m・gで、プロセッシング時間
が5〜65分。
上記テレフタル酸ジアリルエステル共重合体について
は、本出願人の出願に係る特開昭59−80409号公報に詳
細に記載している。
本発明において、(イ)成分のテレフタル酸ジアリル
エステル共重合体と共に用いることのできる熱硬化性樹
脂としては、ジアリルオルソフタレートプレポリマー、
ジアリルイソフタレートプレポリマー、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシアクリレート樹脂などの上記共重合
体と同じ硬化剤で硬化する樹脂、あるいはエポキシ樹脂
の如く相互に硬化を妨害しない熱硬化性樹脂が挙げられ
る。
ジアリルオルソフタレートプレポリマー又はジアリル
イソフタレートプレポリマーとしては、当該モノマーで
あるオルソフタル酸ジアリルエステル又はイソフタル酸
ジアリルエステルをラジカル開始剤の存在下で溶液重合
又は塊状重合により製造された、ウイス(Wijs)法測定
によるヨウ素価が55〜95、メチルエチルケトン50重量%
溶液粘度(30℃)が50〜200センチポイズ及びGPC(ゲル
・パーミエーション・クロマトグラフィー)法で測定し
たポリスチレン換算数平均分子量(n)が1,000〜30,
000の後重合可能なプレポリマーが挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、マレイン酸,フマ
ル酸,イタコン酸等の多塩基性不飽和酸と無水フタル
酸,イソフタル酸,テレフタル酸,アジピン酸,コハク
酸等の多塩基性飽和酸との混合酸に、ジエチレングリコ
ール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ネオペンチルグリコール等の多価アルコールを反応
させて得られた酸価5〜100程度、常温で粘稠液状のも
の、あるいは軟化点150℃以下の固体状のものなどいず
れも使用できる。
エポキシアクリレート樹脂としては、エポキシ樹脂の
エポキシ基に対して当量のアクリル酸またはメタクリル
酸を反応させて得られた樹脂が用いられる。上記エポキ
シ樹脂としては、一分子当り少くとも平均2個以上のエ
ポキシ基を有するものが望ましく、このようなエポキシ
化合物としては、エチレングリコール,グリセリン,ト
リメチロールプロパンなどの多価アルコールとエピハロ
ヒドリンの反応によって得られるエーテル型エポキシ化
合物、レゾルシノール,ハイドロキノン,カテコール,
ビスフェノールA,ハロゲン化ビスフェノールAなどの多
価フェノールとエピハロヒドリンの反応によって得られ
るグリシジルエーテル型エポキシ化合物、フェノールノ
ボラック樹脂或いはクレゾールノボラック樹脂とエピハ
ロヒドリンの反応によって得られるノボラック型エポキ
シ化合物、脂肪族または脂環状オレフィンなどをエポキ
シ化して得られるエポキシ化合物、ポリブタジエンのエ
ポキシ化物などが挙げられる。
またエポキシ樹脂としては、上記エポキシアクリレー
ト樹脂の説明において挙げたエポキシ樹脂の中から選択
して用いることができる。
本発明において用いられる(ロ)成分のオレフィン系
重合体は、オレフィン重合体又はオレフィン共重合体あ
るいはこれらの変性重合体もしくは共重合体から導かれ
る熱可塑性樹脂又はゴム状重合体を総称し、具体例とし
てはポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体,エチレン−アクリル酸又はそのエステル
との共重合体、あるいはこれらの塩素化物等が例示でき
る。これら熱可塑性樹脂又はゴム状重合体の中から1種
又は2種以上を選択して(イ)成分の熱硬化性樹脂100
重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜20重量
部、特に好ましくは2〜15重量部の範囲で配合するのが
適当である。(ロ)成分の配合は、SMC成形品の寒熱繰
返し、耐クラック性、SMCとの密着性等の向上に効果が
あるが、配合量が1重量部未満ではその効果が乏しく、
また30重量部をこえると被膜強度が低下し、塗料自体も
ブロッキングを起こしやすくなって、塗膜の仕上りも悪
くなりSMC用塗装材として好ましいものとならない。
本発明において用いられる(ハ)成分の充填材として
は、天然又は合成された無機質の粉末状又は繊維状のも
のが挙げられる。粉末状充填材としては、平均粒径が10
0μm以下、好ましくは平均粒径0.3μm〜100μmの範
囲のものが用いられる。このような充填材の具体例とし
ては、シリカ,アルミナ,硫酸バリウム,硫酸カリウ
ム,酸化マグネシウム,クレー,ガラス粉,ガラス球等
がある。繊維状充填材としては、繊維の直径が平均30μ
m以下、好ましくは平均0.1〜20μm、長さが平均120μ
m以下、好ましくは平均0.2〜100μmのものであってア
スペクト比(繊維長/繊維径)が100以下のものが用い
られる。このような繊維状充填材の具体例としては、ガ
ラス短繊維,石膏繊維,チタン酸カリウムウィスカ等が
挙げられる。これら粉末状充填材又は繊維状充填材の中
から1種又は2種以上を選択して(イ)成分の熱硬化性
樹脂100重量部に対して10〜70重量部、好ましくは10〜6
0重量部の範囲で配合するのが適当である。(ハ)成分
の充填材の配合は塗膜の表面硬度の向上、成形収縮率や
線膨張係数の低減等に効果があるが、配合量が10重量部
未満では上記改善効果が乏しく、更には塗料自体がブロ
ッキングを生じやすく、寒熱繰返しや耐クラック性にも
悪影響を与えるようになる。また70重量部をこえると塗
膜外観が悪化すると共にSMCへの密着性も低下し、寒熱
繰返し、耐クラック性にも悪影響を生ずる。
上記粉末状充填材において、平均粒径が100μmをこ
えるものでは塗膜面の平滑性が損われる。すなわち柚子
肌が生じたり、滑らかさ、艶の低下、クレーターやピン
ホールの発生が見られるようになるので好ましくない。
また繊維状充填材において、繊維の直径が平均30μmを
超える場合は、上記と同様に塗膜面の平滑性が損われ
る。また繊維の長さが平均120μmを超える場合も同様
である。さらに上記の直径及び長さが本発明の範囲を超
える場合は塗装性が低下し、均一な塗膜厚が得られ難く
なる。繊維状充填材のアスペクト比が100を超えると塗
装性が低下すると共に、粉体塗料自体がブロッキングを
生じ、装置の目詰まりや塗膜面の不良の原因となる。従
って直径及び長さが上記範囲の繊維状充填材であっても
アスペクト比が100を超えるものの使用は避けるべきで
ある。
本発明において、(イ)成分の熱硬化性樹脂を硬化さ
せる硬化剤としては、通常ジアリルフタレート樹脂の硬
化剤として知られる過酸化ベンゾイル,過安息香酸第三
ブチル,過酸化ジクミル,過酸化ジ第三ブチルの如き有
機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ化
合物が適当である。エポキシ樹脂を用いる場合には、ジ
シアンジアミドの如き脂肪族ポリアミド、無水フタル
酸,メチルナジック酸無水物の如き有機酸無水物等が例
示できる。
上記硬化剤としては常温で反応が進行しないものが望
ましく、1種又は2種以上を組合せて使用することがで
きる。配合量は(イ)成分の熱硬化性樹脂100重量部に
対して1〜10重量部の範囲が適当である。
本発明の粉体塗料には、上記(イ)〜(ハ)成分及び
硬化剤の他に粉体の加熱や加圧時の流動性、硬化した塗
料の架橋密度や塗装面の平滑性を向上させる目的でビニ
ル基やアリル基を有し熱硬化性樹脂成分として寄与しう
る反応性のモノマー又は低分子量重合体を(イ)成分の
熱硬化性樹脂との合計量中5重量%以下の範囲で配合す
ることができる。このようなモノマー又は低分子量重合
体の例としては、テレフタル酸ジアリル,N−フェニルマ
レイミド,ジアセトンアクリルアミド,安息香酸アリ
ル,フタル酸水素アリル,ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート),アリルグリシジルエーテル及
びこれらアリル基、ビニル基又はエポキシ基に基いて導
かれる後硬化可能な低分子量重合体、ペンタエリスリト
ール又はジペンタエリスリトールあるいはトリメチロー
ルプロパンのそれぞれ(メタ)アクリル酸エステル等を
挙げることができる。
本発明の粉体塗料には上記成分の他に当該技術分野に
おいて通常使用される各種の配合剤、添加剤を本発明の
目的を損わない範囲で配合することができる。このよう
な配合剤、添加剤としては、重合禁止剤,重合促進剤,
内部離型剤,難燃剤,カップリング剤,粘度調整剤,収
縮防止剤,ブロッキング防止剤,顔料等が挙げられる。
本発明における粉体塗料の調製方法としては、上記各
成分を公知の混合機、例えば二本ロール,ニーダー,押
出機などを用いて混合分散させ、更に粉砕機により粉砕
した後、篩により分級して粉度が調整される。この際ブ
ロッキング防止のために疎水性微粉末シリカの如きブロ
ッキング防止剤を添加してもよい。
本発明の粉体塗料は、分級によって常温で目の開きが
104μm、好ましくは88μmの篩を通過するものが選ば
れる。また微粉末状のもの、例えば20μm以下、望まし
くは40μm以下のものは分級の際1重量%以下になるよ
うに除いておくのが好ましい。すなわち、本発明の粉体
塗料は粒径が常温で少なくとも99重量%が20μm〜104
μm、望ましくは40〜88μmの範囲にあるものが好まし
い。104μmを超える粒径のものが存在すると、塗装性
の低下、塗膜の平滑性不足、ピンホールやクレーターが
発生しやすくなるなどの問題が生じてくる。また粒径20
μm以下のものが1重量%を超えて存在すると塗装面へ
の付着が悪化するので好ましくない。
本発明の粉体塗料をSMCのインモールドコーティング
に使用するにあたっては、先ず加熱された金型のSMCの
コーティングを行う部分に静電塗装機等により塗料を吹
付け、次いでSMCをチャージし熱圧成形することによっ
て達成される。熱圧成形条件は、通常130〜170℃、40〜
200Kg/cm2でSMC成形品の厚さ3mm当り1.5〜6分間が適当
である。塗膜厚は200〜500μmの範囲が本発明の塗料の
性能を最もよく発揮できるので好ましい。
以下実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1〜5 比較例1〜8 第1表に示される各成分を前ロール95℃、後ロール65
℃の二本ロールで7分間混練した後、フェザーミルで粒
径2〜3mmに粗粉砕し、振動ミルで微粉砕した後、第1
表に示されるような目の開きの篩にパス及びオンする部
分の粉体塗料を得た。但し、実施例3においては、第1
表に示される各成分をスクリュー径29mmの二軸押出機に
て温度100℃、スクリュー回転数100rpm、押出量10Kg/hr
で混練して押出した後、カッテイングし、上記同様粗粉
砕及び微粉砕して粉体塗料とした。
比較例1は、(イ)成分の熱硬化性樹脂としてジアリ
ルオルソフタレート樹脂のみを用いた例、比較例2は、
(ロ)成分のオレフィン系重合体を欠いた例、比較例3
は、(ロ)成分のオレフィン系重合体の配合量が本発明
の範囲を超える例、比較例4は、(ハ)成分の充填材の
配合量が本発明の範囲より少ない例及び比較例5は、
(ハ)成分の充填材の配合量が本発明の範囲を超える例
である。
また比較例6及び7は、塗料の粒子径が本発明の範囲
を超える例であり、即ち目の開き104μmの篩オンの部
分(全重量に対して比較例6は22重量%、比較例7は15
重量%)が多かったので、目の開き246μmの篩パス、
且つ目の開き44μmの篩オンの部分を粉体塗料とした。
また比較例8は、上記比較例6,7と同様に塗料の粒子径
が本発明の範囲を超える例であり、即ち実施例1の微粉
砕物から目の開き175μmの篩パス(目の開き104μmの
篩オンの部分が全重量に対して11重量%)、且つ目の開
き44μmの篩オンの部分を粉体塗料とした。
上記得られた各粉体塗料を用いてSMCにインモールド
コーティングを行った。
直径150mmの圧縮成形用円板金型を150℃に加熱してお
き、静電塗装機を用いた上記粉体塗料を上型に0.5分間
吹付けた。1分間静尾後、下記組成の配合物をよく混合
して得たSMCを下型にチャージして型締めした後圧力80K
g/cm2で5分間成形して塗装されたSMCの円板(厚さ3.5m
m)を得た。
SMC組成 重量部 不飽和ポリエステル樹脂 90 両末端マレインポリブタジエン 10 炭酸カルシウム 100 ガラスチョップドストランド 90 ステアリン酸亜鉛 3 パーブチルZ 3 上記SMC組成中の不飽和ポリエステル樹脂は、無水フ
タル酸50モル、無水マレイン酸50モル、プロピレングリ
コール105モルを窒素気流中180〜210℃で6時間縮重合
させて得た生成物100重量部当りスチレン60重量部、ハ
イドロキノン0.02重量部を混合したものである。
上記得られた塗装SMC円板について第2表に示される
ような物性試験を行った。
試験方法 塗膜外観:塗膜の平滑性、艶、下地の隠蔽性等を目視で
観察した。
鉛筆硬度:鉛筆で線を描き、塗膜に傷の付かない芯の最
大硬さで示した。
ごばん目試験:1mm×1mm角100個のカットをNTカッターで
作製し、セロハンテープで剥離させてその個数で示し
た。
寒熱繰返し試験:(−20℃×30分間→100℃×30分間)
を1サイクルとして20サイクル行った後の塗膜の外観変
化で示した。
耐クラック性:水中500時間煮沸後1日置いて、−10℃
×168時間エージング後の外観変化で示した。
誘電率,誘電正接,表面抵抗及び耐アーク性等の電気特
性:JISK6911による。
第1表において、注釈番号(1)〜(21)は以下の通
りである。
(1)特開昭59−80409号公報記載の方法によって製造
された下記の物性をもつ共重合体(a)及び(b)を用
いた。
(2)日本ユピカ社製「#8524」 (3)武田薬品工業社製「プロミネートP−310」より
スチレンを留去したもの (4)メチルエチルケトン50重量%溶液粘度(30℃)77
cp、ウイス法によるヨウ素価83.0、GPC法による数平均
分子量4700のプレポリマー (5)メチルエチルケトン50重量%溶液粘度(30℃)9
6.5cp、ウイス法によるヨウ素価56.7、GPC法による数平
均分子量5100のプレポリマー (6)ダイソー社製「ダイソラックMR−104」塩素含量4
0重量% (7)ダイソー社製「ダイソラックH−135」塩素含量3
5重量% (8)ダイソー社製「ダイソラックUL−32」塩素含量32
重量% (9)製鉄化学工業社製「UF−20」 (10)日本油脂社製「ナイパーB」 (11)日本油脂社製「パーブチルZ」 (12)龍森社製「ヒューズレックスX」90〜95%が粒径
1〜5μm (13)粒径10〜250μm (14)三機工業社製「サンキライトY04」粒径45〜74μ
mに調製したもの (15)神島化学工業社製「スターマグS」平均粒径1.1
μm (16)林化成社製「フランクリンファイバー」直径2μ
m、平均繊維長60μm、アスペクト比30 (17)大塚化学社製「ティスモD」直径0.2〜0.5μm、
平均繊維長10〜20μm、アスペクト比20〜100 (18)林化成社製「エスファイバー」直径4μm、平均
繊維長1mm、アスペクト比250 (19)日本ユニカー社製「A−174」 (20)石原産業社製「R−820」 (21)デグッサ社製「シーペルナートD17」 第2表によって明らかなように、本発明の粉体塗料を
用いて被覆成形したSMC成形品は、塗装性,外観,表面
硬度及び電気特性において従来のジアリルフタレート樹
脂の性能を保持し、しかもSMCとの密着性,寒熱繰返
し、耐クラック性においても極めて優れた性能を有して
いる。
これに対して、(イ)成分の熱硬化性樹脂としてテレ
フタル酸ジアリルエステル共重合体を含まない樹脂を用
いた比較例1及び(ロ)成分のポリオレフィン系重合体
を欠いた比較例2は、共にSMCとの密着性,寒熱繰返
し,耐クラック性に問題があり、特に比較例2は比較例
1より性能低下の度合が大きい。(ロ)成分のポリオレ
フィン系重合体の配合量が過量の比較例3は塗膜が柔ら
かすぎ、塗膜外観も不良で、しかも塗装性が悪い。
(ハ)成分の充填材の配合量が僅量又は過量の比較例4
又は比較例5は塗膜外観,寒熱繰返し,耐クラック性に
問題があり、更に比較例4の場合、塗装性及び塗膜硬度
にも難点があり、また比較例5の場合、密着性にも難点
がある。(ハ)成分で特定する粒径,繊維長及びアスペ
クト比の範囲外の充填材を用い、更に得られた塗料が目
の開き104μmの篩を通過しない粒子を含む比較例6及
び比較例7では塗膜外観に難点があり、更に比較例6で
は寒熱繰返しと耐クラック性に欠陥があり、比較例7で
は塗装性に問題がある。また塗料の各成分は実施例1と
同じであるが、成分の粒径が目の開き104μmの篩オン
の部分を含む比較例8では塗膜外観が著しく悪い。
(発明の効果) 本発明の粉体塗料はジアリルフタレート樹脂の本来有
する耐熱性,耐候性,電気特性あるいは意匠性等の性能
を保持すると共に該樹脂の欠点とされていた寒熱繰返
し,耐クラック性及びSMCとの密着性が著しく向上して
おり、自動車部品、通信施設、バスタブ、厨房機器等の
SMC成形品の表面被覆材として大変優れている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)下記式(1) で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルとアルキル
    ベンゼン誘導体であって、ベンゼン環に直接結合する炭
    素原子に少なくとも1個の水素原子を有する下記式
    (2) (但し式(2)中、R1及びR2は、それぞれ、水素原子及
    び低級アルキル基よりなる群からえらばれた基を示し、
    nは1〜3の整数を示す) で表わされる芳香族炭化水素とから導かれる重合体であ
    って、下記式(3) で示され、該重合体の硬化に与るペンダントアリル基−
    CH2−CH=CH2を有する単位及び下記式(4) で示され、該重合体が分岐構造を形成する際の分岐点と
    なる基 を有する単位からなる繰り返し単位を有するテレフタル
    酸ジアリルエステル共重合体であって、 (a)該式(1)モノマー単位の末端に該式(2)モノ
    マー単位1個が、上記ベンゼン環に直接結合する炭素原
    子に於て該式(1)モノマー単位のアリル基と、その3C
    及び/又は3′Cと炭素−炭素結合した構造を有し、 (b)該共重合体中の式(1)モノマー単位のアリル基
    で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式(1)モ
    ノマー単位の数が3〜11個であるテレフタル酸ジアリル
    エステル共重合体を必須成分とする熱硬化性樹脂 100重量部 (ロ)オレフィン系重合体 1〜30重量部 (ハ)平均粒径が100μm以下の粉末状充填材及び/又
    は直径が平均30μm以下、長さが平均120μm以下であ
    ってアスペクト比が100以下の繊維状充填材 10〜70重量
    部 上記(イ)〜(ハ)成分よりなる混合物に(イ)成分の
    硬化剤を配合した、常温で目の開きが104μmの篩を通
    過する組成物からなることを特徴とする粉体塗料。
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