JP2535523Y2 - ファイルブック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はクリアーファイル、アル
バム等のファイルブック、特に、その表紙付けに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】従来、フ
ァイルブックとしては、例えば、重ね合わせた複数枚の
紙製台紙における綴じ代の端縁を表紙の背に熱可塑性接
着剤で接着することにより、無線綴じしたアルバムが知
られている。

【０００３】しかし、このアルバムは紙製台紙を使用し
ているため、折り曲げにくく、使い勝手が悪いという不
具合がある。このため、ポリプロピレン，ポリエチレ
ン，ナイロン等からなる袋状ホルダー内に紙製台紙を挿
入し、前記袋状ホルダーの綴じ代の端縁を無線綴じした
アルバムが考えられている。

【０００４】しかしながら、ポリプロピレン，ポリエチ
レン等からなる袋状ホルダーを表紙の背に接着剤で無線
綴じしても、前記袋状ホルダーは表紙の背に接着しにく
く、剥離しやすいという問題点がある。

【０００５】そこで、本考案は、前記問題点に鑑み、ポ
リプロピレン，ポリエチレン等からなる複数枚の袋状ホ
ルダーが表紙の背に接着しやすく、剥離しにくいファイ
ルブックを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案にかかるファイル
ブックは、前記目的を達成するため、合成樹脂フィルム
からなる袋状ホルダーに、上方部の下方側に位置する片
側縁部に段部を有する紙製台紙本体を、前記上方部が突
出するように挿入，固定して形成した複数枚の台紙を同
一方向に重ね合わせ、前記袋状ホルダーの綴じ代の端縁
を相互に溶着一体化して形成したぎざぎざを有する側端
面と、前記袋状ホルダーから突出する紙製台紙本体の上
方部の側端縁部とを、表紙の背に接着剤で接着一体化し
た構成としたものである。

【０００７】

【作用】したがって、本考案によれば、袋状ホルダーの
ぎざぎざを有する側端面と、袋状ホルダーから突出する
紙製台紙本体の上方部の側端縁部とに付着して固化した
接着剤を介して中冊子が表紙の背に接着一体化されるこ
とになる。

【０００８】

【実施例】次に、本考案にかかる実施例を図１ないし図
３の添付図面を参照して説明する。本実施例は、図１に
示すように、いわゆるパノラマサイズの写真を保存する
アルバムに適用した場合であり、中冊子１０および表紙
２０からなるものである。

【０００９】すなわち、図２および図３に示すように、
ポリプロピレン，ポリエチレン，ナイロン等の合成樹脂
フィルムからなる透明な袋状ホルダー１１にシール孔１
３を有する紙製台紙本体１４を挿入し、前記シール孔１
３を介して対向する合成樹脂フィルム同士を溶着して台
紙１５を形成し、ついで、この台紙１５を同一方向に複
数枚重ね合わせ、前記袋状ホルダー１１の綴じ代１１ａ
の端縁近傍を治具（図示せず）で挟み、その状態のまま
で刻み目を有する溶融金型に押し当てることにより、前
記袋状ホルダー１１の綴じ代１１ａの端縁を相互に溶着
一体化すると同時に、ぎざぎざを有する側端面１２を備
えた中冊子１０が完成する。

【００１０】なお、ぎざぎざを有する側端面１２を形成
する方法としては、重ね合わせた複数枚の袋状ホルダー
１１における綴じ代１１ａの端縁を溶融金型に押し当て
て平坦な側端面を形成した後、鋭利な刃物で前記側端面
に傷をつけて形成する方法がある。

【００１１】次に、図１に示すように、前記中冊子１０
の側端面１２を紙製表紙２０の背２１に接着剤２２で接
着一体化する。なお、ここで使用される接着剤２２は特
に限定するものではないが、熱可塑性樹脂が好ましく、
例えば、溶融温度８０℃〜１１０℃のウレタン系樹脂、
溶融温度１８０℃前後のエチレン酢酸ビニル系樹脂，ポ
リスチレン系樹脂の他、ポリプロピレン，ポリエチレン
や合成ゴムであってもよい。

【００１２】本実施例によれば、図３に示すように、紙
製台紙本体１４の上方部を袋状ホルダー１１からはみ出
させてメモ欄１６としてある。また、このメモ欄１６の
下方側に位置する左側縁部を切り欠いて形成した段部１
７を利用することにより、袋状ホルダー１１を溶着して
形成した側端面１２と前記メモ欄１６の左側縁部とを略
面一にしてある。このため、表紙２０の背２１に側端面
１２およびメモ欄１６の左側縁部を均一に接着一体化で
きるので、支持強度、特に、台紙１５の上方角部におけ
る支持強度を向上させることができるとともに、著しく
開きにくくなることを防止できるという利点がある。

【００１３】なお、台紙本体のメモ欄は必要に応じて設
ければよい。さらに、台紙本体に前述のようなメモ欄を
設ける場合でも、台紙本体に段部を必ずしも設ける必要
はない。

【００１４】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に係るファイルブックによれば、袋状ホルダーの綴じ代
の端縁を相互に溶着一体化して形成した中冊子にぎざぎ
ざの側端面を設けてあるので、接着面積が増大するだけ
でなく、ぎざぎざの反りに付着した接着剤が固化して係
止し、前記中冊子の側端面が表紙の背に接着しやすく、
剥離しにくくなる。また、合成樹脂フィルムよりも接着
性に優れた紙製台紙本体の上方部が前記袋状ホルダーか
ら突出し、その側端縁部が表紙の背に接着剤で接着一体
化されている。このため、台紙を開閉するたびに大きな
引張力が作用する台紙の上方角部における支持力が増大
し、前述の効果と相俟って台紙が表紙の背からより一層
剥離しにくくなり、耐久性が向上するという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案にかかるファイルブックの第１実施例
を示す要部拡大図である。

【図２】 本考案にかかるファイルブックの第１実施例
を示す袋状ホルダーの組立途中の正面図である。

【図３】 本考案にかかるファイルブックの第１実施例
を示す中冊子の組立後の正面図である。

【符号の説明】

１０…中冊子、１１…袋状ホルダー、１１ａ…綴じ代、
１２…側端面、１４…紙製台紙本体、１５…台紙、１６
…メモ欄、１７…段部、２０…表紙、２１…背、２２…
接着剤。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂フィルムからなる袋状ホルダー
   に、上方部の下方側に位置する片側縁部に段部を有する
   紙製台紙本体を、前記上方部が突出するように挿入，固
   定して形成した複数枚の台紙を同一方向に重ね合わせ、
   前記袋状ホルダーの綴じ代の端縁を相互に溶着一体化し
   て形成したぎざぎざを有する側端面と、前記袋状ホルダ
   ーから突出する紙製台紙本体の上方部の側端縁部とを、
   表紙の背に接着剤で接着一体化したことを特徴とするフ
   ァイルブック。