JP2533516B2 - 排気ガス浄化用触媒およびその製造法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒およびその製造法

Info

Publication number
JP2533516B2
JP2533516B2 JP62031164A JP3116487A JP2533516B2 JP 2533516 B2 JP2533516 B2 JP 2533516B2 JP 62031164 A JP62031164 A JP 62031164A JP 3116487 A JP3116487 A JP 3116487A JP 2533516 B2 JP2533516 B2 JP 2533516B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
rhodium
catalyst
alumina layer
zirconia
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62031164A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63197546A (ja
Inventor
邦博 八木
英昭 栗田
昌子 八谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP62031164A priority Critical patent/JP2533516B2/ja
Publication of JPS63197546A publication Critical patent/JPS63197546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2533516B2 publication Critical patent/JP2533516B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、排気ガス浄化用触媒およびその製造法に関
し、例えば自動車の排気ガス浄化用としてエンジンから
排出される有害物質(HC,CO,NOx)を除去するために、
また一般の工業用の排気ガス浄化用としても利用される
ものの改良に関する。
(従来の技術) 従来、自動車の排気ガス浄化用触媒としては、排気ガ
ス中の有害物質である未燃焼炭化水素(HC),一酸化炭
素(CO)および窒素酸化物(NOx)を同時に浄化するい
わゆる三元触媒が一般に用いられている。この触媒は、
コーディライト製の触媒担体の表面に、触媒成分を担持
するアルミナ層が設けてなるものであり、触媒成分とし
ては、貴金属たる白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジ
ウム(Rh)が主に用いられている。このうち、ロジウム
は卓越した遷元性能を有し、三元触媒の必須成分である
が、その産出量は白金のそれと比べても1/15〜1/20程度
しかなく、資源量も少なく非常に稀少である。
このため、ロジウムを触媒成分として用いる三元触媒
においては、ロジウムを効率良く活用してその必要量を
可及的に少なくするとともに、浄化性能の劣化を抑制し
て耐久性を高めることが強く要請されている。
このような要請に答えるものとしては、例えば特開昭
60−232253号公報に開示されるように、触媒担体の表面
に設けられるアルミナ層を内外2層とし、該両アルミナ
層に触媒成分を適宜分離担持させ、特に外側のアルミナ
層に担持されたロジウムにより遷元反応を効率良く行わ
せるようにしたものが知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記2層のものは、ロジウムの効率的
活用に効果があるものの、ロジウムの劣化ひいては触媒
の浄化性能の劣化を抑制するのには充分な効果がない。
なぜなら、ロジウムの劣化の主な原因は、アルミナとの
反応による失活であるということが知られているが、2
層のものにおいても外側のアルミナ層に担持されたロジ
ウムは、高温雰囲気でアルミナと反応してアルミナ結晶
中に拡散され、失活するからである。
また一方、ロジウムのアルミナとの反応による失活を
防止するために、ロジウムを担持するアルミナ層にジル
コニア(ZrO2)の粒子(粒径が1μ以上のもの)を含有
せしめ、該ジルコニアの粒子上にロジウムを担持させる
ようにすることがあるが、充分な効果が得られないのが
実情である。
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、特に、粒径が極めて小さいいわ
ゆる超微粉金属の場合、比表面積が非常に大きく、また
表面活性が高いなどの特性を有することに着目し、この
特性を有効に利用したジルコニアでもって、ロジウムの
アルミナとの反応による失活を効果的に防止して、浄化
性能の劣化を抑制し得る排気ガス浄化用触媒を提供せん
とするものである。
さらに、本発明の目的は、気排気ガス浄化用触媒を製
造する場合、ジルコニアの粒子上にロジウムが確実に担
持されるようになし、浄化性能劣化の抑制効果を得る上
で有効な製造法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の解決手段は、排気
ガス浄化用触媒として、触媒担体上に、触媒成分として
ロジウム以外の貴金属を含有する第1アルミナ層と、触
媒成分として少なくともロジウムを含有しかつ上記第1
アルミナ層よりも先に排気ガスと接する第2アルミナ層
とが設けられ、該第2アルミナ層に、平均粒径が5000Å
以下のジルコニアの超微粉が10〜50重量%含有される構
成としたものである。
さらに、本発明は、上記排気ガス浄化用触媒の製造法
として、次のような構成とする。すなわち、先ず、触媒
担体に、ロジウム以外の貴金属を含有する第1アルミナ
層を形成した後、平均粒径が5000Å以下のジルコニウム
又はジルコニアの超微粉をロジウム水溶液に添加混合
し、加熱処理をしてジルコニア粒子にロジウムを担持せ
しめる。しかる後、このジルコニアの超微粉をアルミナ
スラリーに添加混合し、このアルミナスラリーに、上記
第1アルミナ層が形成された触媒担体を浸漬し、焼成を
することにより、上記第1アルミナ層が形成された触媒
担体上に、ジルコニアの超微粉が10〜50重量%含有され
た第2アルミナ層を形成する構成としたものである。
(作用) 上記の構成により、本発明では、触媒担体上に設けら
れるアルミナ層を、触媒成分が相違する内外2層構造と
し、外側の第2アルミナ層にロジウムを担持させるに当
り、予めジルコニアの超微粉粒子にロジウムを担持させ
た後、このジルコニア粒子を添加したアルミナスラリー
に、第1アルミナ層が形成された触媒担体を浸漬し焼成
をしているので、触媒担体上に形成された第2アルミナ
層においては、ロジウムがジルコニアの超微粉に確実に
担持された状態で含有される。そして、このロジウム
は、ジルコニアとの付着が該ジルコニアの超微粉として
の、比表面積が大きく表面活性が強いなどの特性に基づ
いて強固となるので、アルミナとの反応による失活が効
果的に防止され、ロジウムの劣化を抑制できることにな
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係る排気ガス浄化用触
媒の構造を示し、1はコーディライト製のハニカム型触
媒担体、2は該触媒担体1の表面に直接設けられた第1
アルミナ層であって、該第1アルミナ層2には、触媒成
分としての白金と助触媒としてのセリア(CeO2)とがア
ルミナにより担持して含有されている。また、3は上記
第1アルミナ層2をオーバコートして触媒担体1表面に
設けられた第2アルミナ層であって、該第2アルミナ層
3には、触媒成分としてのロジウムと平均粒径が500Å
のジルコニア(ZrO2)の超微粉とがアルミナにより担持
して含有されている。
次に、上記排気ガス浄化用触媒の製造法について説明
する。
先ず、γ−アルミナ50g、セリア20g、ベーマイト70
g、水200ccおよび濃硝酸1.6ccをホモミキサーにより5
時間混合撹拌してアルミナスラリーを調整する。このア
ルミナスラリーに容積1.0の触媒担体1を浸漬して引
き上げた後、余分のスラリーを高圧エアブローで除去
し、130℃で1時間乾燥し、さらに550℃で1.5時間焼成
をする。これにより、触媒担体1の表面にセリアを含有
する第1アルミナ層2が形成される。しかる後、この触
媒担体1を所定の濃度の塩化白金水溶液に浸漬して引き
上げた後、150℃で30分乾燥し、さらに550℃で1.5時間
焼成をする。この結果、第1アルミナ層2にセリアと共
に白金が担持される。
次いで、平均粒径が500Åのジルコニウム(Zr)の超
微粉10gを所定の濃度の塩化ロジウム(RhCl2)水溶液に
添加混合し、150℃で加熱処理をして、ジルコニム超微
粉の酸化反応によりジルコニア(ZrO2)の超微粉(平均
粒径はジルコニウムのそれとほとんど変わらず500Åで
ある)を生成し、かつ該ジルコニア超微粉の粒子にロジ
ウムを担持せしめる。しかる後、このロジウムを担持す
るジルコニア超微粉を、ベーマイト31.5g、水65ccおよ
び酢酸0.5ccと共にホモキミサーにより3時間混合撹拌
してアルミナスラリーを調整する。
そして、このアルミナスラリーに、先に第1アルミナ
層2を設けた触媒担体1を浸漬して引き上げた後、余分
のスラリーを高圧エアブローで除去し、150℃で30分乾
燥し、さらに500℃で1.5時間焼成をする。これにより、
ロジウムとジルコニアの超微粉とを含有する第2アルミ
ナ層3が触媒担体1の表面に第1アルミナ層2をオーバ
コートして形成される。以上のような方法で製造された
触媒における各成分の重量は、触媒担体1の1容積当
りで第1表に示す。また、第2アルミナ層3に含有され
たジルコニア超微粉の含有量は、第2アルミナ層3の全
重量に対して30重量%である。
また、本発明の第2および第3実施例に係る排気ガス
浄化用触媒およびその製造法は、上記第1実施例の製造
法において第2アルミナ層3用のアルミナスラリーを調
整するときにロジウムを担持するジルコニアの超微粉お
よびベーマイト等の添加量を変え、第2アルミナ層3に
おけるジルコニア超微粉とアルミナとの重量が第2表に
示す如く異なるようにしただけで、その他は同様な方法
で触媒を製造し、また触媒の他の成分の重量も同じにな
るようにしたものである。この場合、ジルコニア超微粉
の含有量は、第2アルミナ層3の全重量に対し、第2実
施例では10重量%であり、第3実施例では50重量%であ
る。
次に、上記第1〜第3実施例に係る触媒の効果を述べ
るに先立って、これらとの比較のための4つの触媒およ
びその製造法について述べる。
第1比較例に係る排気ガス浄化用触媒は、その製造に
使用する原料およびその使用量が上記第1実施例の触媒
の場合と同じであるが、触媒担体1表面の第1アルミナ
層2にロジウムとジルコニアの超微粉とが含有され、該
第1アルミナ層2にオーバコートした第2アルミナ層3
に白金とセリアとが含有されている。
すなわち、その製造法は、先ず、平均粒径が500Åの
ジルコニウムの超微粉10gを所定の濃度の塩化ロジウム
水溶液に添加混合し、150℃で加熱処理をしてジルコニ
ア粒子にロジウムを担持せしめた後、このロジウムを担
持するジルコニアの超微粉を、ベーマイト31.5g、水65c
cおよび酢酸0.5ccと共にホモミキサーにより3時間混合
撹拌する。このアルミナスラリーに容積1.0の触媒担
体1を浸漬して引き上げた後、余分のスラリーを高圧エ
アブローで除去し、130℃で30分乾燥し、さらに500℃で
1.5時間焼成をする。これにより、ロジウムとジルコニ
アの超微粉とを含有する第1アルミナ層2が触媒担体1
の表面に直接形成される。
次いで、γ−アルミナ50g、セリア20g、ベーマイト70
g、水200ccおよび濃硝酸1.6ccをホモミキサーにより5
時間混合撹拌し、このアルミナスラリーに、先に第1ア
ルミナ層2を設けた触媒担体1を浸漬して引き上げた
後、余分のスラリーを高圧エアブローで除去し、130℃
で1時間乾燥し、さらに550℃で1.5時間焼成をする。し
かる後、この触媒担体1を所定の濃度の塩化白金水溶液
に浸漬して引き上げた後、150℃で30分乾燥し、さらに5
50℃で1.5時間焼成をする。これにより、白金とセリア
とを含有する第2アルミナ層3が触媒担体1の表面に第
1アルミナ層2をオーバコートして形成される。
第2比較例に係る触媒およびその製造法は、上記第1
実施例の製造法において第2アルミナ層3用のアルミナ
スラリーを調整するときにジルコニウムの超微粉を全く
用いず、第2アルミナ層3にロジウムのみがアルミナに
より担持して含有されるようにしたものである。すなわ
ち、第2アルミナ層3用のアルミナスラリーは、ベーマ
イト31.5g、水65ccおよび酢酸0.5ccをホモミキサーによ
り3時間混合撹拌して調整し、このアルミナスラリー
に、先に第1実施例の場合と同様に第1アルミナ層2を
設けた触媒担体1を浸漬して引き上げた後、余分のスラ
リーを高圧エアブローで除去し、150℃で1時間乾燥
し、さらに550℃で1.5時間焼成をする。しかる後、この
触媒担体1を所定の濃度の塩化ロジウム水溶液に浸漬し
て引き上げた後、150℃で30分乾燥し、さらに550℃で1.
5時間焼成をする。この場合、第2アルミナ層3に含有
されたロジウムの含有量は、第1実施例の場合と同様触
媒担体1の1容積当り0.2gである。
また、第3比較例に係る触媒およびその製造法は、ロ
ジウムを担持させるジルコニウム(ロジウムの担持は詳
しくは酸化反応後のジルコニア)として、平均粒径が1
μ(10000Å)の通常のものを用いただけで、その他は
上記第1実施例の場合と同様な方法で触媒を製造し、ま
た触媒成分の重量も同じになるようにしたものである。
さらに、第4比較例に係る触媒およびその製造法は、
上記第1実施例の製造法において第2アルミナ層3用の
アルミナスラリーを調整するときにロジウムを担持する
ジルコニアの超微粉およびベーマイト等の添加量を変
え、第2アルミナ層3におけるジルコニア超微粉とアル
ミナとの重量が先に記載した第2表に示す如く異なるよ
うにしただけで、その他は同様な方法で触媒を製造し、
また触媒の他の成分の重量も同じになるようにしたもの
である。この場合、ジルコニア超微粉の含有量は、第2
アルミナ層3の全重量に対し55重量%である。
そして、上記第1〜第3実施例および第1〜第4比較
例の各触媒について、排気ガス発生装置を用い、以下の
条件でライトオフ性能試験および高温性能試験を行っ
た。ここで、ライトオフ性能試験としては、排気ガスの
温度を徐々に上昇(30℃/min)させ、排気ガスの浄化率
が50%になったときの温度を測定した。また、高温性能
試験としては、排気ガスの温度が400℃のときの浄化率
を測定した。
試験条件; 空燃比(空気量/燃料量) 14.7 振幅 ±0.9 周波数 1.0Hz 空間速度 60000hr-1 触媒体積 24.0cc ライトオフ性能試験の測定結果は第3表に示し、高温
性能試験の測定結果は第4表に示す。この第3表および
第4表中における「Fresh」の項は、電気炉を用いて550
℃で1時間加熱処理をした触媒についての測定結果であ
り、また「Aged」の項は、900℃で80時間加熱処理をし
た触媒についての測定結果である。
また、上記浄化性能試験とは別に、第1〜第3実施例
および第4比較例の各触媒について剥離試験を行った
が、この試験の測定結果は第2図のグラフに示す。ここ
で、剥離試験としては、直径3インチ、高さ3インチの
円筒形テストピースを600℃で30分間加熱し、次に25℃
の水中で冷却するという手順を3回繰り返した後、十分
乾燥し、剥離量を測定する方法を採用した。また、第2
図のグラフにおける縦軸の剥離率は、試験前のアルミナ
コート付着量と試験後のアルミナコート付着量との差を
試験前のアルミナコート付着量で除した値であり、横軸
のジルコニア超微粉の含有量は、アルミナコート層(第
2アルミナ層3)の全重量に対するジルコニア超微粉の
重量割合である。
第3表および第4表において、本発明の各実施例と第
2・第3比較例とを比較すると、本発明の各実施例の場
合には、触媒の浄化性能とりわけ[Aged」の項における
浄化性能がHC,CO,NOxのいずれについても比較例の場合
よりも大幅に向上し、耐久性の向上を効果的に図り得る
ことが判る。このように、本発明の各実施例の場合にお
いて触媒の耐久性の向上を図り得る理由としては、外側
のアルミナコート層である第2アルミナ層3においてロ
ジウムがジルコニアの超微粉に付着した状態で含有さ
れ、かつこのロジウムのジルコニア超微粉との付着力
は、ジルコニアの超微粉としての、比表面積が大きく表
面活性が強いなどの特性に基づいて強固なものとなって
いるので、高温雰囲気でもロジウムがアルミナと反応し
て失活するのを効果的に防止できることによるものと考
えられる。
そして、本発明の各実施例の製造法においては、触媒
担体1上に設けられるアルミナコート層を、触媒成分が
相違する2層構造とし、外側のアルミナコート層である
第2アルミナ層3にロジウムを担持させるに当り、予め
ロジウムをジルコニア超微粉に担持せしめた後、このジ
ルコニア超微粉をアルミナスラリーに添加混合し、この
アルミナスラリーを用いて、第1アルミナ層2が形成さ
れた触媒担体1の表面にジルコニア超微粉を含有する第
2アルミナ層3を形成するようにしているため、ロジウ
ムは第2アルミナ層3でジルコニア超微粉に確実に担持
された状態にあり、ジルコニア超微粉によるロジウムの
失活防止効果を効率良く発揮することができる。
また、第3表および第4表において、本発明の第1〜
第3実施例と第4比較例とを比較すると、第2実施例の
場合における「Aged」項の浄化性能は、他のそれよりも
劣ることが判る。一方、第2図のグラフから判るよう
に、アルミナコート層におけるジルコニア超微粉の含有
量が該アルミナコート層の全重量に対し50重量%以上に
なると、剥離率が急激に増加し10%以上となる。従っ
て、ジルコニア超微粉の含有量は、10〜50重量%にする
ことが好ましい。つまり、ジルコニア超微粉の含有量が
第2実施例の場合の10重量%以下であると、このジルコ
ニア超微粉によるロジウムの失活防止ひいては触媒の耐
久性の向上を十分に図れない。また、ジルコニア超微粉
の含有量が第3実施例の場合の50重量%以上である(第
3比較例の場合が相当する)と、アルミナコート層にお
けるアルミナとジルコニアとの熱膨張率の差異などから
クラックが発生して剥離が生じ易く、耐久性が却って損
われる。
さらに、第1比較例の場合、NOxに対する浄化性能が
本発明の第1〜第3実施例の場合のそれよりも劣る。こ
れは、NOxの浄化に特に関係する触媒成分であるロジウ
ムが触媒担体1表面の内側のアルミナコート層つまり第
1アルミナ層2に含有されていることによるものであ
る。
尚、本発明の各実施例の場合等において、ロジウムを
担持するアルミナ層とは別のアルミナ層にセリアを担持
されたのはロジウムのセリアとの合金反応による失活を
防止し得るようにしたものである。
次に、上記第1実施例の触媒のように、ロジウムが含
有されるアルミナコート層(第2アルミナ層3)にジル
コニアの超微粉を含有せしめる場合において、該ジルコ
ニア超微粉の平均粒径を如何に定めるべきかを検討する
ために、第4・第5実施例および第5比較例としてジル
コニア超微粒の平均粒径を種々変えた。すなわち、第4
実施例に係る触媒は、その製造法で平均粒径が1000Åの
ジルコニウム超微粉を使用し、第5実施例に係る触媒
は、その製造法で平均粒径が5000Åのジルコニウム超微
粉を使用した。一方、第5比較例に係る触媒は、その製
造法で平均粒径が7000Åのジルコニウム超微粉を使用し
た。尚、第4・第5実施例および第5比較例の製造法
は、使用するジルコニウム超微粉の平均粒径が異なる以
外は第1実施例の製造法と全く同じであり、また、これ
らの触媒における各成分の重量も第1表に示すのと同じ
である。
そして、上記第4・第5実施例および第5比較例の各
触媒について、上記第1実施例の触媒の場合と同様のラ
イトオフ性能試験および高温性能試験を行った。ライト
オフ性能試験の測定結果は第5表に示し、高温性能試験
の測定結果は第6表に示す。この第5表および第6表か
ら判るように、第4・第5実施例の場合「Aged」の項に
おける浄化性能は、第1実施例の場合のそれと同程度に
高められるが、第5比較例の場合「Aged」の項における
浄化性能は、実施例の場合のそれと比べてかなり低くな
る。従って、ロジウムが含有されるアルミナコート層に
ジルコニア超微粉を含有せしめる場合、該ジルコニア超
微粉の平均粒径は、本発明の実施例の如く5000Å以下に
することが好ましく、最適粒径は1000Å以下である。
第3図は本発明の各実施例との比較のための第6比較
例に係る排気ガス浄化用触媒の構造を示し、この触媒
は、触媒担体1の表面に単一のアルミナ層4が設けら
れ、該アルミナ層4には、触媒成分としての白金および
ロジウムと助触媒としてのセリアおよび平均粒径が1000
Åのジルコニアの超微粉とがアルミナにより担持して含
有されている。
次に、上記排気ガス浄化用触媒の製造法について説明
するに、先ず、平均粒径が1000Åのジルコニアの超微粉
30gを所定の濃度の塩化ロジウム水溶液に添加混合し、1
50℃で加熱処理をしてジルコニア超微粉の粒子にロジウ
ムを担持せしめる。しかる後、このロジウムを担持する
ジルコニア超微粉を、γ−アルミナ50g、セリア20g、ベ
ーマイト50g、水20ccおよび濃硝酸1.6ccと共にホモミキ
サーにより5時間混合撹拌してアルミナスラリーを調整
する。このアルミナスラリーに容積1.0の触媒担体1
を浸漬して引き上げた後、余分のスラリーを高圧エアブ
ローで除去し、150℃で30分乾燥し、さらに550℃で1.5
時間焼成をする。次いで、このアルミナコート(アルミ
ナ層4)を施した触媒担体1を所定の濃度の塩化白金水
溶液に浸漬して引き上げた後、150℃で30分乾燥し、さ
らに550℃で1.5時間焼成をする。そして、このような方
法で製造された第6比較例の触媒において、アルミナ層
4に含有されたジルコニア超微粉の含有量は、アルミナ
層4の全重量に対して21.4重量%である。また、白金お
よびロジウムの含有量は、それぞれ触媒担体1の1容
積当り1.0gおよび0.2gである。
また、第7比較例に係る触媒の製造法は、先ず、γ−
アルミナ50g、セリア22g、ベーマイト50g、平均粒径が
1μの通常のジルコニア20g、水20ccおよび濃硝酸1.6cc
をホモミキサーにより5時間混合撹拌し、このアルミナ
スラリーに容積1.0の触媒担体1を浸漬して引き上げ
た後、余分のスリーを高圧エアブローで除去し、130℃
で1時間乾燥し、さらに550℃で1.5時間焼成をする。し
かる後、このアルミナコートを施した触媒担体1を所定
の濃度の塩化白金および塩化ロジウムの混合水溶液に浸
漬して引き上げた後、150℃で30分乾燥し、さらに550℃
で1.5時間焼成をする。尚、このような方法で製造され
た第7比較例の触媒における白金およびロジウムの含有
量は、上記第6比較例の触媒の場合と同じで、白金が1.
0g/、ロジウムが0.2g/である。
そして、上記第6および第7比較例の各触媒につい
て、上記第1実施例の触媒の場合と同様のライトオフ性
能試験および高温性能試験を行った。ライトオフ性能試
験の測定結果は第7表に示し、高温性能試験の結果は第
8表に示す。
この試験結果からは、触媒性能は第6比較例の方が第
7比較例よりも優れているが、これらの触媒性能は、第
3表および第4表に示す本発明の第1〜第3実施例のそ
れと比較すると格段に劣ることが分かる。
(発明の効果) 以上の如く、本発明の排気ガス浄化用触媒によれば、
触媒担体上に設けられるアルミナ層を、触媒成分が相違
する内外2層構造とし、外側の第2アルミナ層にロジウ
ムがジルコニア超微粉により担持して含有されているの
で、このジルコニア超微粉の特性に基づいてロジウムと
アルミナとの反応による失活を効果的に防止することが
できるとともに、アルミナ層の剥離を防止することがで
き、浄化性能の劣化抑制ないし耐久性の向上を図ること
ができる。しかも、NOx浄化を高めることができ、高価
なロジウムを有効に活用することができるという効果を
奏するものである。
また、本発明における排気ガス浄化用触媒の製造法に
よれば、ロジウムがジルコニア超微粉に確実に担持され
るので、ロジウムの失活防止効果を効率良く発揮できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る排気ガス浄化用触媒の構
造を示す拡大断面図であり、第2図は剥離試験の測定結
果を示すグラフである。第3図は第6比較例の第1図相
当図である。 1……触媒担体 2……第1アルミナ層 3……第2アルミナ層 4……アルミナ層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒担体上に、触媒成分としてロジウム以
    外の貴金属を含有する第1アルミナ層と、触媒成分とし
    て少なくともロジウムを含有しかつ上記第1アルミナ層
    よりも先に排気ガスと接する第2アルミナ層とが設けら
    れ、該第2アルミナ層に、平均粒径が5000Å以下のジル
    コニアの超微粉が10〜50重量%含有されていることを特
    徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】触媒担体に、ロジウム以外の貴金属を含有
    する第1アルミナ層を形成した後、平均粒径が5000Å以
    下のジルコニウム又はジルコニアの超微粉をロジウム水
    溶液に添加混合し、加熱処理をしてジルコニア粒子にロ
    ジウムを担持せしめ、しかる後、このジルコニアの超微
    粉をアルミナスラリーに添加混合し、このアルミナスラ
    リーに、上記第1アルミナ層が形成された触媒担体を浸
    漬し、焼成をすることにより、上記第1アルミナ層が形
    成された触媒担体上に、ジルコニアの超微粉が10〜50重
    量%含有された第2アルミナ層を形成することを特徴と
    する排気ガス浄化用触媒の製造法。
JP62031164A 1987-02-13 1987-02-13 排気ガス浄化用触媒およびその製造法 Expired - Fee Related JP2533516B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62031164A JP2533516B2 (ja) 1987-02-13 1987-02-13 排気ガス浄化用触媒およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62031164A JP2533516B2 (ja) 1987-02-13 1987-02-13 排気ガス浄化用触媒およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63197546A JPS63197546A (ja) 1988-08-16
JP2533516B2 true JP2533516B2 (ja) 1996-09-11

Family

ID=12323796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62031164A Expired - Fee Related JP2533516B2 (ja) 1987-02-13 1987-02-13 排気ガス浄化用触媒およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2533516B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2848970B2 (ja) * 1990-12-21 1999-01-20 日本碍子株式会社 ハニカムヒーター及び触媒コンバーター
JP2008029970A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Toyota Motor Corp ガス浄化触媒

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63178847A (ja) * 1987-01-20 1988-07-22 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd 排気ガス浄化用触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63197546A (ja) 1988-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4454855B2 (ja) ロジウム、ジルコニアおよび希土類元素酸化物を含んでなる排ガス触媒
JP3956437B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH0338250A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH0653229B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3272019B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH01210032A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JPH08131830A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP3882627B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JPS59127649A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP2581872B2 (ja) 耐熱性に優れた内燃機関排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2533516B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒およびその製造法
JPH05200294A (ja) 排気ガス浄化用触媒およびこれを用いてなる浄化システム
JP3872153B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JPH06114264A (ja) 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP3335755B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH10165817A (ja) 排ガス浄化用触媒
JPS6031828A (ja) 排ガス浄化用触媒とその製造方法
JPH0622675B2 (ja) エンジンの排気ガス浄化用触媒
JPH05277370A (ja) エンジンの排気ガス浄化用触媒
JPS6271540A (ja) エンジンの排気ガス浄化用触媒
JPH0472577B2 (ja)
JPS6178438A (ja) 排気ガス浄化用モノリス触媒
JPS6320036A (ja) 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP2849408B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3264696B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒およびこれを用いてなる浄化システム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees