JP2529620B2 - 静電塗装用機器の漏電防止構造 - Google Patents

静電塗装用機器の漏電防止構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性塗料に電圧を印
加して静電塗装を行う塗装装置に用いられる弁、中間貯
留槽等の機器の漏電防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、導電性塗料に高電圧を印加し
て自動車車体等の被塗装物に静電塗装を施す塗装装置と
して、例えば特開平2−2885号公報に開示されてい
る塗料色替えシステムが知られている。
【0003】この従来技術では、導電性塗料が、接地電
位から絶縁されている中間貯留槽(リザーバ)に一旦導
入された後、この中間貯留槽から被塗装物に供給される
ことにより静電塗装作業が行われており、この中間貯留
槽の他、導電性塗料と洗浄液とエアとの切り換え等を選
択的に行うために種々の弁が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
技術において、中間貯留槽までは相当に高い電圧が印加
された状態となるため、この中間貯留槽や各種弁等の機
器を、絶縁材料で構成する必要がある。しかしながら、
絶縁材料で構成された機器では、精度や強度において問
題があり、また、製造コストが高騰するという不都合が
ある。
【0005】さらに、前記機器には、管体が継手を介し
て接続されており、この継手から漏電が生じ易く、人等
の導電体が接近すると、絶縁破壊により放電が発生して
しまうという問題が指摘される。この結果、各種機器を
塗装ブース内や導電体の近くに配置させることができ
ず、塗装ガンまでの管体の長さが長尺化してしまい、色
替え時に多量にむだな塗料が発生したり、洗浄時間およ
び洗浄液の使用が増大してしまう。
【0006】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、弁や中間貯留槽等の機器から漏電することを有効
に阻止することができるとともに、この機器に接続され
る管体を容易に短尺化することが可能な静電塗装用機器
の漏電防止構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、導電性塗料に電圧を印加して静電塗装
を行う塗装装置に用いられる弁、中間貯留槽等の導電材
料製機器と、前記機器を内包するとともに、前記機器に
連通自在な塗料通路が形成される絶縁材料製容器と、前
記容器を内包するカバー部材とを備え、前記容器とカバ
ー部材とで構成される沿面距離が、漏電を防止し得る必
要沿面長さ以上に選択されることを特徴とする。
【0008】さらに、本発明は、導電性塗料に電圧を印
加して静電塗装を行う塗装装置に用いられる弁、中間貯
留槽等の導電材料製機器と、前記機器を内包するととも
に、前記機器に連通自在な塗料通路が形成される絶縁材
料製容器と、前記容器を内包するカバー部材と、前記容
器とカバー部材との間に配置される絶縁性シール部材と
を備え、前記容器とカバー部材とで構成される沿面距離
が、漏電を防止し得る必要沿面長さ以下に選択されるこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】上記の本発明に係る静電塗装用機器の漏電防止
構造では、弁、中間貯留槽等の機器が、導電材料で構成
されるため、所望の精度および強度を確保することがで
きる。そして、この機器が、絶縁材料製容器とカバー部
材とにより覆われるとともに、前記容器とカバー部材と
で構成される沿面距離が、漏電を防止し得る必要沿面長
さ以上に選択されるため、機器に高電圧が印加されて
も、漏電することを有効に阻止することができる。
【0010】さらに、容器とカバー部材とで構成される
沿面距離が、漏電を防止し得る必要沿面長さ以下に選択
されていても、絶縁性シール部材のシール効果により、
高電圧の印加によって漏電が発生することを有効に阻止
することができる。
【0011】
【実施例】本発明に係る静電塗装用漏電防止構造につい
て実施例を挙げ、添付の図面を参照して以下に説明す
る。
【0012】図2において、参照符号10は、第1の実
施例に係る静電塗装用漏電防止構造を組み込む塗装装置
を示す。この塗装装置10は、色替弁機構12を備え、
この色替弁機構12には、エア(A)、水(W)および
洗浄液(S)等の供給を制御する第1洗浄弁14と、異
なる塗料を供給することが可能な複数の塗料弁16a乃
至16cとが備えられている。この色替弁機構12に
は、少なくとも一部に電気絶縁性の管路を有しこの電気
絶縁性の管路を含むブロック弁機構18が配置された供
給路20が接続される。
【0013】このブロック弁機構18は、切換弁22
a、22bを備え、入口側の前記切換弁22aによって
前記色替弁機構12と、エア(A)、水(W)および洗
浄液(S)等の供給を制御する第2洗浄弁24とが切り
換えられ、供給路20を介して中間貯留槽26に接続さ
れる。この中間貯留槽26は、ピストン28を介して分
割される塗料および洗浄液の注入用第1シリンダ室30
と、エア供給用第2シリンダ室32とを備え、この第2
シリンダ室32に、空気供給源34が流量調整弁36、
開閉弁38を介して連通する。この空気供給源34は、
ブースタ40を経由してエア圧を調節するための塗料の
流量調節器42に接続され、この流量調節器42により
塗料の吐出量の制御が図られる。切換弁22bは、排出
路44を経由して廃液槽46に接続されている。
【0014】中間貯留槽26の第1シリンダ室30に
は、送出路48aを介して四方切換弁50が接続され、
この四方切換弁50が送出路48bを介して流量調節器
42と塗装ガン52とに接続される。この四方切換弁5
0に、エア(A)、水(W)および洗浄液(S)等の供
給を制御する第3洗浄弁54と、排出路56を経由して
廃液槽58とが接続され、前記塗装ガン52は、ダンプ
弁60とトリガ弁62とを備えるとともに、図示しない
高電圧印加手段に接続されている。
【0015】このように構成される塗装装置10におい
て、四方切換弁50に本実施例に係る漏電防止構造70
が設けられる。
【0016】図1に示すように、この漏電防止構造70
は、前述した四方切換弁50を導電材料で構成するとと
もに、この四方切換弁50を内包する絶縁材料製容器7
2と、この容器72を内包するカバー部材74とを備え
る。この容器72は、ポリアセタール等の樹脂系材料で
形成されるとともに、送出路48aと四方切換弁50と
を連通する第1通路(図示せず)と、この四方切換弁5
0と排出路56とを連通する第2通路78とを有する。
容器72の壁部72aには、四方切換弁50と送出路4
8bとを連結するための接続手段80が設けられる。こ
の接続手段80は、壁部72aにねじ込まれる継手部材
82と、この継手部材82に送出路48bを接続させて
この送出路48bを前記継手部材82内の通路84に連
通させるためのナット部材86と、継手部材82および
ナット部材86を覆う管部材88とを備える。
【0017】カバー部材74は、ポリアセタール等の樹
脂系材料で形成されるとともに、一端が閉塞された略円
筒状を有しており、このカバー部材74は、ねじ部90
により容器72に固定される。このカバー部材74と容
器72とが直接接している沿面距離Lが、漏電を防止し
得る必要沿面長さ以上に選択され、具体的には、−60
kVの電圧が印加される際に、沿面距離Lは200mm
以上に選択される。容器72には、四方切換弁50を切
り換えるための駆動エアを供給する通路76が形成さ
れ、この通路76の端部がエア供給経路(図示せず)に
接続される。
【0018】次に、このように構成される漏電防止構造
70の動作について説明する。まず塗装装置10による
静電塗装に際して、図2に示すように、色替弁機構12
の塗料弁16aから所定の色の塗料が圧送され、供給路
20を介して中間貯留槽26の第1シリンダ室30に充
填され、さらに送出路48a、四方切換弁50および送
出路48bを経由して塗装ガン52まで充填される。こ
の充填時には、トリガ弁62は閉塞され、一方、ダンプ
弁60は開放され、充填後、前記ダンプ弁60は閉成さ
れる。
【0019】そこで、ブロック弁機構18の切換弁22
a、22bの切換動作が行われると、第2洗浄弁24の
駆動作用下に前記ブロック弁機構18は洗浄され、この
洗浄に用いられた洗浄液が、排出路44を経由して廃液
槽46に排出される。そして、ブロック弁機構18が乾
燥され、これにより色替弁機構12と中間貯留槽26と
は、電気的に絶縁される。
【0020】次に、空気供給源34から流量調整弁36
および開閉弁38を介して中間貯留槽26の第2シリン
ダ室32に駆動用エアが供給され、ピストン28が第1
シリンダ室30側に変位して、高電圧が印加された状態
でトリガ弁62の開成作用下に、塗料が図示しないワー
クに塗布される。
【0021】この場合、本実施例では、四方切換弁50
が導電材料で構成されるため、塗料に高電位が印加され
る際にこの四方切換弁50の強度を好適に確保すること
ができるとともに、精度を維持しかつ製造コストを安価
にし得るという利点が得られる一方、漏電や絶縁破壊に
よる放電が発生し易くなるが、前記四方切換弁50を絶
縁材料製の容器72で内包し、この容器72を絶縁材料
製のカバー部材74で内包するとともに、この容器72
とカバー部材74とが直接接している沿面距離Lが、漏
電を防止し得る必要沿面長さ以上(例えば、−60kV
の印加状態で200mm程度)に選択されている。これ
により、導電材料で構成された四方切換弁50側に高電
圧が印加されても、電流のリークによる放電が生じるこ
とがなく、所望の電圧を維持して塗布作業を効率的に遂
行することができるという効果が得られる。
【0022】しかも、漏電防止構造70が設けられるこ
とにより、容器72に接続される接続手段80に漏電を
防止するために特別な構造を採用する必要がなく、この
接続手段80の製造コストが高騰することを阻止するこ
とが可能になる。
【0023】さらに、ロボットアーム等の導電体が四方
切換弁50に近づいてもこの四方切換弁50から放電が
発生することがないため、前記四方切換弁50を導電体
に近接した位置や塗装ブース内に配置させることができ
る。この結果、中間貯留槽26から塗装ガン52までの
送出路48a、48bの長さを可及的に短尺化させるこ
とができ、特に塗料の色替え時に排出されるむだな塗料
を一挙に減少させることが可能になるとともに、洗浄時
間および洗浄液の使用量を削減し得るという効果があ
る。
【0024】次に、本発明の第2の実施例に係る静電塗
装用機器の漏電防止構造について図3を参照しながら説
明する。なお、第1の実施例に係る漏電防止構造70と
同一の参照符号は同一の構成要素を示し、その詳細な説
明は省略する。
【0025】この第2の実施例の漏電防止構造100
は、容器102とカバー部材104とを備えるととも
に、この容器102およびカバー部材104には、互い
に接合する部分にフランジ部102a、104aが形成
され、このフランジ部102aと104aとの間に絶縁
性シール部材106が配置される。この場合、カバー部
材104と容器102とが直接接している沿面距離L1
が、漏電を防止し得る必要沿面長さ以下に選択されてい
る。
【0026】この第2の実施例によれば、カバー部材1
04と容器102とが直接接している沿面の端部に絶縁
性シール部材106が設けられることにより、沿面距離
L1がさらに短縮されることになる。具体的には、−6
0kVの電圧が印加される際、四ふっ化エチレン樹脂製
のシール部材106が使用されると、このシール部材1
06の絶縁破壊電圧が20kV/mm程度であるために
そのシール面が2mmであれば、40kVの電圧をシー
ルすることができる。従って、残り20kVの電圧をシ
ールし得る程度の沿面距離を確保すればよく、実際、5
0mm程度の沿面距離でよい。これは、絶縁性シール部
材106を設けない場合の沿面距離が200mm程度で
あるのに比べ、1/4程度に短縮することが可能にな
る。
【0027】なお、本実施例では、漏電防止構造70を
四方切換弁50に採用する場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、例えば中間貯留槽26や
他の種々の弁に用いることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る静電塗装用機器の漏電防止
構造によれば、以下の効果が得られる。
【0029】弁、中間貯留槽等の機器が、導電材料で構
成されるため、所望の精度および強度を確保することが
できる。そして、この機器が、絶縁材料製容器とカバー
部材とにより覆われるとともに、前記容器とカバー部材
とで構成される沿面距離が、漏電を防止し得る必要沿面
長さ以上に選択されるため、機器に高電圧が印加されて
も、漏電することを有効に阻止することが可能になる。
これにより、導電材料製機器を塗装ブース等から離間さ
せる必要がなく、塗料経路を可及的に短尺化し得るとと
もに、色替え時のむだな塗料、洗浄時間および洗浄液を
一挙に削減することができる。
【0030】さらにまた、本発明によれば、容器とカバ
ー部材とで構成される沿面距離が、漏電を防止し得る必
要沿面長さ以下に選択されていても絶縁性シール部材の
シール効果により、高電圧の印加時に漏電が発生するこ
とを有効に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る静電塗装用機器の
漏電防止構造の縦断説明図である。
【図2】前記漏電防止構造を組み込む塗装装置の概略構
成図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る静電塗装用機器の
漏電防止構造の縦断説明図である。
【符号の説明】
10…塗装装置 12…色替弁機構 26…中間貯留槽 48a、48b…送出路 50…四方切換弁 52…塗装ガン 70…漏電防止構造 72…容器 74…カバー部材 76、78…通路 80…接続手段 100…漏電防止構造 102…容器 104…カバー部材 102a、104a…フランジ部 106…絶縁性シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 昭晃 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダ エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−293064(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性塗料に電圧を印加して静電塗装を行
    う塗装装置に用いられる弁、中間貯留槽等の導電材料製
    機器と、前記機器を内包するとともに、前記機器に連通
    自在な塗料通路が形成される絶縁材料製容器と、前記容
    器を内包するカバー部材とを備え、前記容器とカバー部
    材とで構成される沿面距離が、漏電を防止し得る必要沿
    面長さ以上に選択されることを特徴とする静電塗装用機
    器の漏電防止構造。
  2. 【請求項2】導電性塗料に電圧を印加して静電塗装を行
    う塗装装置に用いられる弁、中間貯留槽等の導電材料製
    機器と、前記機器を内包するとともに、前記機器に連通
    自在な塗料通路が形成される絶縁材料製容器と、前記容
    器を内包するカバー部材と、前記容器とカバー部材との
    間に配置される絶縁性シール部材とを備え、前記容器と
    カバー部材とで構成される沿面距離が、漏電を防止し得
    る必要沿面長さ以下に選択されることを特徴とする静電
    塗装用機器の漏電防止構造。
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