JP2528549Y2 - 被服用ハンガー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、被服用ハンガーに関し、特にスカート、ズ
ボン、タオルなどを挾持した状態で吊り下げることがで
きる被服用ハンガーに関する。

「従来の技術」 従来、この種の被服用ハンガーは、たとえばスカート
のウエストサイズに対応して用いることができるように
所定寸法のものが何種類が製作されていた。

しかして、従来のスカート用ハンガーは、スカートの
ウエスト部にハンガーの水平支持杆を嵌め込み、この水
平支持杆の両端部の支持により所定寸法のスカートを吊
り下げることはできるが、吊り下げようとするスカート
のウエストサイズが異なると、別の適合するハンガーと
取り換えなければならないと言う欠点があった。

そこで、上記スカート用ハンガーの欠点を解消するた
め、略中央部にフツクが取付けられたハンガー本体と、
このハンガー本体の両端部よりそれぞれ伸縮可能に取付
けられた一対の伸縮バーと、この一対の伸縮バーの先端
部に取付けたクリップとからなることを特徴とするハン
ガーが提案されている（実開昭57-172660号）。

しかして、該ハンガーにあっては、スカートのウエス
ト部を全体的に挾持することができない、スカートを簡
単に挾持及び取り外しすることができないなどの問題点
があった。

「本考案が解決しようとする問題点」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、スカート、
ズボンなどのウエスト部を全体的に挾持して吊り下げる
ことができ、またスカート、ズボン等の被服を簡単に挾
持及び取り外しすることができる被服用ハンガーを得る
にある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の被服用ハンガーは、枢支板３に起立状態に設
けられたフック４と、中央部が前記枢支板の両端部に形
成された枢支部3a、3aに直接枢支され、かつ、脚部5a、
6aの下端部に水平方向に挾持杆７、８を有する一対の対
向する開閉脚５、６と、前記挾持杆の両端部に嵌め込ま
れ、かつ、外周部に複数個の横溝を有する筒状滑り止め
部材９と、前記開閉脚が対向している時は互いに離脱し
ないように一方の開閉脚の脚部に固定的に設けられた係
止片10とから成り、前記フックを他方の開閉脚側へ回転
傾倒させることにより、他方の開閉脚５を一方の開閉脚
６と重なり合うように下動移行させ、かつ、同時に前記
係止片10から係合解除させることを特徴とする。

「実施例」 以下、図面に基づいて考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図ないし第８図に示す一実施例において、１は主
としてスカート、ズボンなどの被服２を吊り下げるため
に用いられた被服用ハンガーで、このハンガー１は合成
樹脂あるいは金属で形成されている。

３は両端部に枢支部3a、3aを有する枢支板で、この枢
支板３の上面中央部にはフック４の下端部が固定的に設
けられている。

５、６は中央部が枢支板３の各枢支部3a、3aにそれぞ
れ枢支され、かつ、下端部に水平方向に挾持杆７、８を
有する１対の対向する開閉脚で、これらの開閉脚５、６
は全体として逆Ｕ字型に形成されている。

前記支持杆７、８は、本実施例では各開閉脚５、６に
突出して交差状に設けられ、その突出する両端部には外
周部に滑り止め用の複数個の横溝を有する長筒状のゴム
性滑り止め部材９が嵌め込まれている。

10は両方の開閉脚、第１図を基準とした場合には前方
の開閉脚５と後方の開閉脚６とが、対向している時互い
に離脱しないように一方（後方）の開閉脚６の適宜箇所
に固定的に設けられた係止片である。この係止片10は、
本実施例ではその両端部が開閉脚６の左右の脚部6a、6a
にそれぞれ固定的に取付けられ、中央部は他方（前方）
の開閉脚５の左右の脚部5a、5aに横架された係合杆11に
臨むように水平状態に伸び、かつその先端部には下方に
折曲する係止部10aが設けられている。

「作用」 上記構成にあっては、第１図で示すようにスカートな
どの被服２のウエスト部を滑り止め部材９を介して挾持
杆７、８で挾持している時は、フック４は垂直状態であ
り、かつ前後の開閉脚５、６は位置がずれることなく互
いに対向している。この時後方の開閉脚６の係止片10の
係止部10aは前方の開閉脚５の係合杆11と確実に係合
し、両者の開閉脚５、６は被服２を挾持している間は互
いに開放しないように強制的に規制されている。

しかして、ハンガー１から被服２を取り外す時は、第
７図で示すようにフック４を他方（前方）の開閉脚５側
へ回転傾倒させ、他方（前方）の開閉脚５を下動移行さ
せる。そうすると、前方の開閉脚５の係合杆11は後方の
開閉脚６の係止片10から離れ、それと同時に少なくとも
前方の開閉脚５は開放自由となり、その結果、被服２を
ハンガーから簡単に取り外すことができる。

次に被服２をハンガー１に挾持させる時は、たとえば
第８図で示すように前方の開閉脚５を実線の位置まで大
きく開き、その状態で前後の開閉脚５、６の挾持片７、
８の間に被服のウエスト部を位置付け、前方の開閉脚５
を仮想線の示す方向に閉じる。しかる後にフック４を第
７図で示す仮想線の位置まで回転させて垂直状態に起立
させると、前方の開閉脚５の係合杆11が後方の開閉脚６
の係止片10と係合し、第１図で示すように両方の開閉脚
５、６は互いに対向して閉じた状態となる。

「異なる実施例」 次に本考案の異なる実施例につき説明する。

なお、前記本考案の実施例と同一部分には同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。

第９図ないし第14図に示すハンガー1Bに於いて、前記
実施例と共に異なる点は係止片10Bである。

すなわち、第９図を基準とした場合、係止片10Bの両
端部には後方開放脚6Bの左右両斜辺部6b、6bの近傍部位
から前方へ突出するリング状の係止部10b、10bを設け、
これらの係止部10b、10bと前方開閉脚5Bの左右両斜辺部
5b、5bの近傍部位とが係脱するように構成してある。

このように構成しても、第14図で示すようにフック4B
を前方の開閉脚5B側へ回転傾斜倒させると、前方の開閉
脚は後方の開閉脚6Bに対して下動移行し、それと同時に
前方の開閉脚5Bの左右の脚部は後方の開閉脚6Bの係止片
10Bから係合解除され、その結果、前方の開閉脚5Bは開
閉自由となり、仮想線で示すように大きく開くことがで
きるなど前記実施例と同様の作用・効果がある。

なお、前記実施例に於いて各開閉脚５（5B）、６（6
B）の下部に設けた挾持杆７、８は棒状であることを図
示してあるが、挾持杆７、８の形態は要旨を変更しない
限り色々と変えることができる。また挾持杆７、８には
必ずしも滑り止め部材９を設ける必要がない。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように本考案にあっては、次
に列挙するような効果がある。

（１） １対の対向する開閉脚の下端部には水平方向に
挾持杆が設けられているので、スカート、ズボンなどの
ウエスト部を全体的に挾持して吊り下げることができ
る。

従って、スカート等の被服を全くシワがかからないよ
うに吊り下げることができる。

（２） 枢支板に設けられたフックを他方（前方）の開
閉脚側へ回転傾倒させることにより、他方の開閉脚を一
方（後方）の開閉脚に対して下動移行させ、かつ一方
（後方）の開閉脚の係止片から自動的に係合解除させる
ことができるので、スカート、ズボン等の被服をハンガ
ーから簡単に取り外しすることができる。

（３） フックを有する枢支板に枢支された一方の開閉
脚の適宜箇所に係止片が固定的に設けられているので、
各開閉脚の挾持杆の間にスカート、ズボンなどのウエス
ト部を位置付けた状態で、そのままフックを垂直状態に
回転起倒させると、ワンタッチで被服を簡単に挾持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第８図は本考案の一実施例を示す各説明図
である。詳しくは第１図は斜視図、第２図は正面図、第
３図は背面図、第４図は左側面図、第５図は平面図、第
６図は第２図の６−６線断面図、第７図および第８図は
開閉脚の開閉状態を示す各説明図である。 第９図ないし第14図は本考案の異なる一実施例を示す各
説明図である。詳しくは第９図は斜視図、第10図は正面
図、第11図は背面図、第12図は左側面図、第13図は第10
図の13-13線断面図、第14図は、開閉脚の開く状態を示
す説明図である。 １、1B……ハンガー、２……被服、３……枢支板、４、
4B……フック、５、６、5B、6B……開閉脚、７、８……
挾持杆、10、10B……係止片、11……係合杆、10a、10b
……係止部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】枢支板３に起立状態に設けられたフック４
   と、中央部が前記枢支板の両端部に形成された枢支部3
   a、3aに直接枢支され、かつ、脚部5a、6aの下端部に水
   平方向に挾持杆７、８を有する一対の対向する開閉脚
   ５、６と、前記挾持杆の両端部に嵌め込まれ、かつ、外
   周部に複数個の横溝を有する筒状滑り止め部材９と、前
   記開閉脚が対向している時は互いに離脱しないように一
   方の開閉脚の脚部に固定的に設けられた係止片10とから
   成り、前記フック４を他方の開閉脚５側へ回転傾倒させ
   ることにより、他方の開閉脚５を一方の開閉脚６と重な
   り合うように下動移行させ、かつ、同時に前記係止片10
   から係合解除させることを特徴とする被服用ハンガー。