JP2525624Y2 - 眼鏡用レンズおよび眼鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、眼鏡用レンズおよび眼鏡に関する。

〔従来の技術〕

従来より、眼鏡用レンズとしては、凹もしくは凸レン
ズが使用されているので、レンズの厚さが均質でない。
例えば近視用レンズ１は第5,6図に示すような形状をし
ているが、この近視用レンズ１は、その端の部分が厚
く、中央部部分が薄い。また、眼鏡用フレームへの装着
を考慮して、レンズの厚み方向に延在するレンズ立壁面
としてのレンズ周壁面11にカット処理を施しているの
で、レンズ周壁面11にエッジ部部11A,11B,11Cが生じ
る。

このように、眼鏡用レンズにおいては、レンズ厚が均
質でなく、レンズ周壁面にエッジ部11A,11B,11Cが生じ
ているので、特に重度の（度の強い）近視用レンズにお
いては、このレンズ周壁面を通じて入射される光によっ
て、レンズに渦巻現象（レンズの外から見ると、見る角
度によっては、レンズ内側に渦が巻いているように見え
る現象）が生じることは周知である。

〔考案が解決しようとする課題〕 ところで、眼鏡を使用するに際し、上記のような渦巻
現象の生じるレンズ付きの眼鏡を掛けることを敬遠する
者は多い。

そこで、レンズ厚を全体に薄くするような工夫を施し
て、渦巻を目立たないようにすることも提案されている
が、この場合でも、レンズ外輪部は相変わらず厚く、こ
のため渦巻現象の顕著な軽減効果は得られない。

本考案は、このような状況下において創案されたもの
で、度の強いレンズに表われる渦巻現象を大幅に軽減で
きるようにした、眼鏡用レンズおよび眼鏡を提供するこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案の眼鏡用レンズ
は、レンズの厚み方向に延在するとともにカット処理の
施されたレンズ立壁面にのみ、その全周に亘り有色塗料
が塗布されていることを特徴としている。

また、本考案の眼鏡は、厚み方向に延在するとともに
カット処理を施されたレンズ立壁面にのみ、その全周に
亘り有色塗料を塗布されたレンズが眼鏡フレームに装着
されてなることを特徴としている。

〔作用〕

上述の本考案の眼鏡用レンズおよび眼鏡では、レンズ
の厚み方向に延在するとともにカット処理の施されたレ
ンズ立壁面にのみ、その全周に亘り塗布された有色塗料
の作用により、このレンズ立壁面を通じて入射される光
が弱められ、これにより渦巻現象自体が軽減され、さら
にレンズの色が上記有色塗料に応じた色になり、渦巻現
象が軽減される。

〔実施例〕

以下、図面に用いて、本考案の実施例について説明す
る。

まず、第１図は本レンズの正面図、第２図は本レンズ
の平面図、第３図は第２図のIII−III矢視線に沿う部分
拡大断面図であるが、これら第１〜３図に示すように、
この実施例にかかる眼鏡用レンズ１においては、カット
処理を施されて３条のエッジ部11A〜11Cを形成された周
壁面（レンズ立壁面）11の全周に亘って、有色塗料（白
色塗料，灰色塗料，黒色塗料を含む）が塗布されてい
る。すなわち、眼鏡用レンズ１において、その厚み方向
に延在するとともにカット処理の施されたレンズ立壁面
としてのレンズ周壁面11にのみ、その全周に亘って、有
色塗料装着２が形成されている（第1,2図のハッチ・ド
ット部分，第３図のハッチ部分参照）。

そして、このようにしてレンズ周壁面11にのみ、その
全周に亘り有色塗料層２を形成されたレンズ１が、第４
図に示すように、眼鏡フレーム３に装着されている。

ここで、有色塗料の色については、例えば眼鏡フレー
ム３と同系の色にするのが好ましいが、その他の色にし
てもよいことはもちろんである。

このように本レンズによれば、レンズ周壁面にのみ、
その全周に亘り塗布された有色塗料の作用により、この
レンズ周壁面の全周を通じて入射される光が弱められる
ので、渦巻現象自体が軽減され、更にレンズが上記塗料
色に応じた色になることにより、渦巻現象が大幅に軽減
される。このため重度の近視の者が上記渦巻現象に悩ま
されることもなくなるのである。

また、上述のように、レンズ周壁面にのみ、その全周
に亘り有色塗料が塗布されているので、レンズを正面か
ら見ても、一見しただけでは有色塗料の塗布箇所が分か
らない。従って、レンズ立壁面以外の部分に有色塗料を
塗布すると見栄えやファッション性が損なわれる可能性
がある眼鏡にも有効に適用できるようになるのである。

なお、凸レンズを使用した遠視用レンズあるいは凹レ
ンズおよび凸レンズを組み合わせた遠近両用レンズに
も、本考案を同様にして適用することができる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案の眼鏡用レンズおよび眼
鏡によれば、レンズの厚み方向に延在するとともにカッ
ト処理の施されたレンズ立壁面にのみ、その全周に亘り
有色塗料が塗布されているので、このレンズ立壁面を通
じて入射される光が弱められ、これにより渦巻現象自体
が軽減され、さらにレンズの色が上記有色塗料に応じた
色になるので、渦巻現象が大幅に軽減されるという利点
がある。

また、本考案の眼鏡用レンズおよび眼鏡によれば、レ
ンズの厚み方向に延在するとともにカット処理の施され
たレンズ立壁面にのみ、その全周に亘り有色塗料が塗布
されているので、一見しただけでは有色塗料の塗布箇所
が分からない。従って、レンズ立壁面以外に部分に有色
塗料を塗布すると見栄えやファッション性が損なわれて
しまう可能性がある眼鏡にも有効に適用できるといし利
点もある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の一実施例としての眼鏡用レンズを
示すもので、第１図はその正面図、第２図はその平面
図、第３図は第２図のIII−III矢視線に沿う部分拡大断
面図であり、第４図は本レンズを装着された眼鏡を示す
斜視図であり、第5,6図は一般的な眼鏡用レンズを示す
もので、第５図はその正面図、第６図はその平面図であ
る。 １……眼鏡用レンズ、２……有色塗料層、３……眼鏡フ
レーム、11……レンズ立壁面としてのレンズ周壁面、11
A〜11C……エッジ部。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】眼鏡用レンズにおいて、該レンズの厚み方
   向に延在するとともにカット処理を施されたレンズ立壁
   面にのみ、その全周に亘り有色塗料が塗布されているこ
   とを特徴とする、眼鏡用レンズ。
2. 【請求項２】厚み方向に延在するとともにカット処理を
   施されたレンズ立壁面にのみ、その全周に亘り有色塗料
   を塗布されたレンズが眼鏡フレームに装着されてなるこ
   とを特徴とする、眼鏡。