JP2523311B2

JP2523311B2 - 浴用剤

Info

Publication number: JP2523311B2
Application number: JP62065368A
Authority: JP
Inventors: 理牛尾; 孝信柏原; 潤一郎目崎; 昭西村
Original assignee: Earth Chemical Co Ltd
Current assignee: Earth Corp
Priority date: 1987-03-18
Filing date: 1987-03-18
Publication date: 1996-08-07
Anticipated expiration: 2011-08-07
Also published as: JPS63230624A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、モモ及び／又はノモモの抽出物を配合して
なる浴用剤に関する。

〔従来の技術〕

従来の浴用剤は、その効能効果として、あせも、荒れ
性等を緩和する効果が認められてはいるものの、内容成
分は温泉構成成分の一部を配合したものが多く、主とし
て保温効果を有するものである。又、特に液体浴用剤の
場合には、皮膚への感触をよくするために皮膚柔軟剤が
使用されているものがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の浴用剤では上記の皮膚に生ずる
諸症状を改善する効果は不充分であり、又液体浴用剤の
場合も皮膚柔軟剤の配合量に問題があり、使用量は限定
されている。しかも、乳化、可溶化のために多量の界面
活性剤を必要とする点も皮膚にとって良くない。

そこで、本発明者は、古くからモモの葉を浴湯に投じ
て入浴したり、モモの葉を煎じた煎汁で体を洗うと、あ
せも、ただれ、吹出物等の皮膚に生ずる諸症状を改善す
る効果があるとされている点に注目して研究を重ねた結
果、モモ及び／又はノモモのアミグダリン含有抽出物が
極めて有用であることを見出した。

〔問題点を解決するための手段〕すなわち、本発明の浴用剤は、モモ及び／又はノモモ
のアミグダリン含有抽出物を有効成分として浴用剤原料
に配合してなるものである。

本発明は、モモ（Prunus persica Batrsch）及び／又
はノモモ（Prunus persica BBatsch var.davidiana Max
imowich（Rosaceae））が使用され、その抽出物は、ア
ミグダリンが含有されておればよく、モモ及び／又はノ
モモの任意の部分から得ることができ、それらの抽出
液、該油出液から溶剤を除去した抽出エキス、該油出エ
キスを精製した精製粉末等である。

前記抽出液抽出エキス、精製粉末等は以下の操作によ
り調整することができる。

例えば、新鮮なモモ及び／又はノモモの葉を約３〜5c
mに細切し、原料とする。原料１に対し、20％1.3−ブチ
レングリコール溶液12部を加え、20〜25℃にて５〜10日
間浸漬した後遠心分離し、得られた抽出液をろ過し、1.
3−ブチレングリコール溶液による抽出液を得る。

又、水溶性溶媒、例えば水、又はメチルアルコール、
エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール等のアルコー
ル、及びこれらの含水アルコールに温浸し、濾過して得
られる抽出液を濃縮する。さらには、スプレードライ処
理により、乾燥エキスが得られる。

本発明のモモ及び／又はノモモのアミグダリン含有抽
出物の有効成分としての配合量は、浴用剤の重量中、乾
燥固型分として0.01〜10重量％、好ましくは0.1〜５重
量％である。

本発明の浴用剤原料としては、浴用剤をつくるために
用いられる原料をすべ用いることができる。例えば粉末
及び顆粒の場合には、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、硼
砂、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩、発泡性
の付与のためのクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピ
ン酸等の有機酸が、液体の場合には、精製水、エチルア
ルコール、多価アルコール類、その他必要に応じて油脂
類（例えばオリーブ油、ヒマシ油、ラノリン及びその誘
導体、ホホバ油など）、炭化水素（流動パラフィン、ス
クワランなど）、脂肪酸類、高級アルコール類、エステ
ル類、生薬エキス類、殺菌防腐剤、増粘剤、ビタミン
剤、香料、色素などがあげられ、これらの浴用剤原料
は、適当なものを選択し、組合わせて用いることができ
る。

〔作用〕

上記手段を施した結果、本発明ではモモ及び／又はノ
モモをそのまま配合するのではなく、そのアミグダリン
含有抽出物を配合しているので、モモの葉の投入等によ
る浴槽や風呂釜などの汚染はない。

又、あせも、ただれ、吹出物等の皮膚に生ずる諸症状
を緩和するのは、モモ及び／又はノモモの抽出物に含ま
れるアミグダリンが分解して生じるベンズアルデヒドシ
アンヒドリンからベンズアルデヒドを生じ、さらに酸化
して安息香酸になるので、その抗菌作用によるものであ
ると考えられる。

〔実施例〕

以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、こ
れは本発明の技術的範囲を限定するものではない。

実施例−１乾燥硫酸ナトリウム60部、炭酸水素ナトリウム37部、
モモの葉エキス１部、香料1.2部、黄色202号−（１）0.
3部、プロピレングリコール0.5部を順次に加え混合し、
均一として粉末浴用剤を得る。

実施例−２アジピン酸45部、炭酸水素ナトリウム35部、炭酸ナト
リウム10部、モモの葉乾燥エキス１部、乾燥硫酸ナトリ
ウム８部、香料0.5部、リボフラビン0.1部、無水ケイ酸
0.4部を順次に加え混合し、均一としてロータリー打錠
機にて直打し発泡錠剤浴用剤を得る。

実施例−３ポリオキシエチレンラノリンアルコール１部、エチル
アルコール50部を加え溶解した液に、香料４部、グリセ
リン30部、ピロリドンカルボン酸ナトリウム（50％水溶
液）３部、モモの葉軟エキス１部、精製水11部を順次加
え撹拌混合し、均一とした後濾過して液体浴用剤を得
る。

実施例−４ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ
ーテル５部、エタノール15部の混合液に、香料１部、グ
リセリン３部、スクワラン0.5部を加え溶解したもの
に、40％1.3−ブチレングリコール溶液によるモモの葉
の抽出液75.5部を加え撹拌混合し、均一とした後濾過し
て液体浴用剤を得る。

次に、本発明の浴用剤と従来の浴用剤を用い、官能検
査を実施した結果について述べる。

官能検査実施例乾燥硫酸ナトリウム64重量％、炭酸水素ナトリウム35
重量％、香料、色素の適量を配合した浴用剤をＡ（従来
品）とし、乾燥硫酸ナトリウム64重量％、炭酸水素ナト
リウム34.5重量％、香料、色素の適量、モモ葉乾燥エキ
ス0.5重量％を配合した浴用剤をＢ（本発明品）とし、
乾燥硫酸ナトリウム61重量％、炭酸水素ナトリウム33重
量％、香料、色素の適量、モモ葉乾燥エキス5.0重量％
を配合した浴用剤をＣ（本発明品）とし、乾燥硫酸ナト
リウム59重量％、炭酸水素ナトリウム30重量％、香料、
色素の適量、モモ葉乾燥エキス10.0重量％を配合した浴
用剤をＤ（本発明品）とする。

以上Ａ〜Ｄの浴用剤をパネラー40名に配布し、あせ
も、肌荒れ、にきびの改善効果、入浴時、入浴後の肌の
なめらかさを中心に評価を依頼した。パネラー40名はＩ
群〜IV群に分け、パネラーＩ群はＡ→Ｂ→Ｃ→Ｄと使用
し、パネラーII群はＢ→Ｃ→Ｄ→Ａと使用し、パネラー
III群はＣ→Ｄ→Ａ→Ｂと使用し、パネラーIV群はＤ→
Ａ→Ｂ→Ｃと使用することとした。各浴用剤１週間使用
毎にアンケート表を回収し、４週間終了後集計し、第１
表に示すような評価を得た。それぞれの数値は効果を認
知した割合を示す。

〔発明の効果〕本発明にしたがい、モモ及び／又はノモモのアミグダ
リン含有抽出物を浴用剤原料に配合して得た浴用剤は、
入浴時の気分を楽しくしたり、疲労回復などの効果に加
え、幼児から大人まで入浴により簡単に身体の一部にと
どまらず全身の皮膚を清浄化し、あせも、ただれ、吹出
物、ニキビ等の症状を改善するという効果を有する。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】モモ（Prunus persica Batsch）及び／又
はノモモ（Prunus persica Batsch var.davidi ana Max
imowich（Rosaceae））のアミグダリン含有抽出物を有
効成分として浴用剤原料に配合してなることを特徴とす
る浴用剤。