JP2521276B2 - 車両用サスペンシヨンの制御装置 - Google Patents

車両用サスペンシヨンの制御装置

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JP2521276B2
JP2521276B2 JP62027843A JP2784387A JP2521276B2 JP 2521276 B2 JP2521276 B2 JP 2521276B2 JP 62027843 A JP62027843 A JP 62027843A JP 2784387 A JP2784387 A JP 2784387A JP 2521276 B2 JP2521276 B2 JP 2521276B2
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vehicle
front wheel
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洋介 赤津
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両用サスペンションの制御装置に係
り、特に、バネ定数を少なくとも高低2段階に変更可能
なバネ定数可変スプリング機構を少なくとも前輪又は後
輪毎に備えた車両用サスペンションに対し、バネ定数可
変スプリング機構のバネ定数を車速に応じて制御するよ
うにした車両用サスペンションの制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の車両用サスペンションの制御装置としては、例
えば、「MITSUBISHI新型車解説書GALANT ETERNA Σ」19
83年8月三菱自動車工業株式会社発行、第111〜137頁に
開示されたものが知られている。
この従来例は、バネ定数と減衰力とが、同一のアクチ
ュエータによって何れもソフト側とハード側の2段階に
変更可能に構成されていて、両者は同時にソフト側又は
ハード側に変更されるものである。そして、例えば車速
センサにより検出された車速が所定値以上の高車速状態
になると、バネ定数及び減衰力が同時にハード側に変更
されて、車両のバネ上振動を抑制するように制御されて
いた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記従来例にあっては、低車速状態で
バネ定数及び減衰力が共にソフト側に維持される等、車
速に応じて少なくともバネ定数を切換制御しているもの
の、車両の前後におけるバネ定数のバランスに関しては
何ら考慮された構成となっていなかった。このため、前
輪側のサスペンションのバネ定数(以下、これを前輪側
バネ定数という)が後輪側のサスペンションのバネ定数
(以下、これを後輪側バネ定数という)より高いと、低
速走行時に頻発する急制動時のダイブが小さくなり車体
の変化が少ないが、高速走行時のうねり路の入力によ
り、ピッチング現象が大きくなり、車両の安定性が大幅
に損なわれるという問題点があった。また、これとは反
対に、前輪側バネ定数が後輪側バネ定数より低いと、高
速走行時のピッチングは低減するが、低速走行時のダイ
ブが大きくなるという問題点があった。
そこで、この発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたもので、車速が所定値を越えたとき
に、前輪側バネ定数kFと後輪バネ定数kRとの差値kR−kF
を正の値とするピッチング優先抑制状態となるように各
バネ定数可変スプリング機構のバネ定数を設定し、これ
により、車速が所定値を上回る高速走行状態におけるピ
ッチング現象を低減させ、走行安定性及び乗心地向上を
図ることを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明は、第1図の基本
構成図に示すように、バネ定数を少なくとも高低2段階
に変更可能なバネ定数可変スプリング機構を少なくとも
前輪側及び後輪側の何れか一方に備えた車両用サスペン
ションにおいて、車速を検出する車速検出手段と、この
車速判定手段により車速が所定値を越えたと判定された
ときに、前記バネ定数可変スプリング機構のバネ定数
を、前輪側バネ定数kFと後輪側バネ定数kRとの差値kR
kFを正の値とするピッチング優先抑制状態に設定するバ
ネ定数設定手段とを装備したことを特徴としている。
〔作用〕
この発明においては、車速が車速検出手段によって検
出され、この車速が所定値を越えた高速走行状態か否か
が車速判定手段によって判定される。そして、車速判定
手段により高速走行状態であると判定されたときに、バ
ネ定数設定手段により、前輪側バネ定数kFと後輪バネ定
数kRとの差値kR−kFが正の値をとるように、少なくとも
前輪側及び後輪側の何れか一方に装備されたバネ定数可
変スプリング機構のバネ定数が設定される。このため、
高速走行状態における前輪の相対ストロークと後輪の相
対ストロークとの位相差が小さくなり、これによって、
ピッチング現象を抑制することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図乃至第6図は、この発明の一実施例を示す図で
ある。
第2図において、1は車体の一部を成す車体側部材を
示し、2は車輪(例えば前左車輪)を示し、3は車輪2
に連設された車輪側部材としてのサスペンションアーム
を示す。車体側部材1とサスペンションアーム3との間
には、車両用サスペンションの一部を成すサスペンショ
ン駆動部10が図示の如く介装されている。
このサスペンション駆動部10は、本実施例では、車体
側部材1とサスペンションアーム3との間のバネ定数を
可変可能なバネ定数可変スプリング機構11と、車体側部
材1とサスペンションアーム3との間の微振動を抑制す
るショックアブソーバ12とを含んで構成されている。
ここでは、サスペンション駆動部10は前後各車輪毎に
装備され、各別に振動抑制等を行うとともに、後述する
コントローラ20からの指令によってバネ定数が切換制御
されるようになっている。
前記バネ定数可変スプリング機構11は、車体側部材1
とショックアブソーバ12との間を上下方向に伸縮自在に
包囲してその内部に主空気室Fを形成するゴム等から成
る弾性体15と、固定容積の補助空気室Gを有する補助タ
ンク16と、主空気室Fと補助空気室Gとを接続する管路
17と、この管路17の途中所定位置に介挿され管路17を開
閉することにより、主空気室Fと補助空気室Gとを連通
状態又は遮断状態の何れか一方に切り換える切換バルブ
(電磁切換弁)18とを有して構成されている。このた
め、切換バルブ18の励磁コイルを後述するコントローラ
20からの励磁電流で励磁しバルブ18を「開」とすると、
主空気室Fと補助空気室Gとが連通状態となり、バネ定
数をソフト側に変更することができ、反対にバルブ18を
非励磁とし「閉」とすると、両空気室F,Gを遮断状態と
することにより、主空気室Fの容積のみによってバネ定
数が決定され、バネ定数をハード側に変更することがで
きるようになっている。
そして、本実施例では、前輪側の各バネ定数可変スプ
リング機構11のバネ定数kFはハード側のときkFH,ソフト
側のときkFL(kFL<kFH)をとり、また後輪側の各バネ
定数可変スプリング機構11のバネ定数kRはハード側のと
きkRH,ソフト側のときkRL(kRL<kRH)をとるように設
定され、全体としてはkRL<kFL<kRH<kFHとなるように
設定されている。
また、前記ショックアブソーバ12は、本実施例では、
油圧式のものが適用されており、その減衰力が一定に設
定され、前記バネ定数可変スプリング機構11の振動の減
衰を早めるように構成され配設されている。
一方、車体の所定位置には、車両用サスペンションの
一部を成す車速検出用の車速センサ22及び前述したコン
トローラ20が設けられている。この内、車速センサ22
は、本実施例では、変速機の出力軸の回転数を光学方式
にて検出し、これに対応した周期のパルス信号でなる車
速信号DVをコントローラ20に出力するようになってい
る。
また、コントローラ20は、第2図に示すように、制御
用のマイクロコンピュータ24と、このマイクロコンピュ
ータ24からのデジタル量の制御信号SCに応じてバネ定数
設定信号としての励磁電流Iを各バネ定数可変スプリン
グ機構11の切換バルブ18に各々出力する駆動回路26F、2
6Rとを有して構成されている。
この内、駆動回路26Fは、前輪(前左,前右車輪)側
バネ定数kFを設定するように、また駆動回路26Rは、後
輪(後左,後右車輪)側バネ定数kRを設定するように各
々介挿されている。そして、各駆動回路26F,26Rは、入
力する制御新郷SCが論理L(ロー)レベルのときには励
磁電流Iを出力せず、論理H(ハイ)レベルのときには
所定値の励磁電流Iを出力するようになっている。
この内、マイクロコンピュータ24は、少なくともイン
ターフェイス回路28と演算処理装置30とRAM,ROM等から
なる記憶装置32とを含んで構成され、インターフェイス
回路28はI/Oポート等から構成されている。
また、演算処理装置30は、インターフェイス回路28を
介して前述した車速信号DVを読み込み、これに対応した
車速Vを演算するとともに、このデータに基づいて後述
する演算その他の処理を行う。さらに、記憶装置32は、
演算処理装置30の実行に必要な所定のプログラム、固定
データ、及び記憶テーブル等を予め格納しているととも
に、演算処理装置30の処理結果等を逐次記憶可能になっ
ている。ここで、演算処理装置30は、所定のプログラム
によって、記憶装置32にセットされているバネ定数指令
値SF、SRが論理値「1」であるときに論理Hレベルの制
御信号SCを出力し、SF、SRが論理値「0」であるときに
論理Lレベルの制御信号SCを出力ようになっている。
次に、上記実施例の動作を説明する。
車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオン状
態になると、本装置による制御が開始される。即ち、車
速センサ20による検出が開始され、この検出信号DVがコ
ントローラ20に供給される。そして、コントローラ20の
マイクロコンピュータ24における演算処理装置30は、予
め記憶装置32の所定領域に格納していた第3図に示すメ
インプログラムを実行する。
まず、第3図のステップでは、演算処理装置30は、
記憶データの初期値設定を行う。この初期値設定は、記
憶装置32の車速値記憶領域の車速値Vをクリアするとも
に、前輪側バネ定数記憶領域の前輪側バネ定数指令値SF
及び後輪側バネ定数記憶領域の後輪側バネ定数指令値SR
に論理値「0」をセットすることにより行われる。
次いでステップにおいて、演算処理装置30は、入力
する車速信号DVを一定時間読み込み、この単位時間当た
りのパルス数又はパルス間隔を算出することによって車
速Vを演算し、これを記憶装置32の所定領域に更新記憶
する。
次いで、ステップに移行し、ステップで演算した
車速Vが予め設定した上限車速基準値Vr1(第4図参
照:例えば50km/h)に等しいか又はそれ以上であるかを
判断する。この判断は、所定の高速走行状態か否かを判
断するものであって、V<Vr1の場合は、未だ所定の高
速走行状態ではないとしてステップに移行する。
このステップでは、演算処理装置30は、いま設定さ
れている前輪側及び後輪側バネ定数指令値SF、SRが共に
論理値「0」であるため、インターフェイス回路28を介
して論理Lレベルの制御信号SCを駆動回路26F,26Rに出
力する。これによって、駆動回路26F,26Rは、四輪に対
応するバネ定数可変スプリング機構11の切換バルブ18の
各々に、励磁電流Iの供給を行わない。これにより、各
切換バルブ18は「閉」となり、主空気室Fと補助空気室
Gとが遮断状態となり、バネ定数kF、kRが主空気室Fの
容積によって決定される。したがって、各バネ定数は、
高いハード側の値kFH、kRH(kFH>kRH)をとり、これに
よってサスペンション制御が行われる。
次いで、再びステップ〜の処理を繰り返し、ステ
ップにおいて、V≧Vr1となるまで待機する。そし
て、ステップでV≧Vr1となった場合には、所定の高
速走行状態であるとして、次いでステップに移行す
る。
このステップでは、演算処理装置30は、前輪側バネ
定数kFのみを低いソフト側に設定するため、記憶装置32
の前輪側バネ定数領域に格納されている前輪側バネ定数
指令値SFに論理値「1」をセットし、ステップに移行
する。
このステップでは、演算処理装置30は、インターフ
ェイス回路28を介して駆動回路26Fに論理Hレベルの制
御信号SCを出力し、また駆動回路26Rに論理Lレベルの
制御信号SCを出力する。
これによって、駆動回路26Fは、前左側及び前右側の
バネ定数可変スプリング機構11の切換バルブ18の各々
に、所定値の励磁電流を供給する。これにより、各切換
バルブ8が「開」となり、主空気室Fと補助空気室Gと
が連通状態となり、各バネ定数kFが主空気室Fと補助空
気室Gとの容積を加算した容積によって決定されること
になるので、容積の増加分だけ低いソフト側のバネ定数
kFLとなる。そして、この状態ではkFL<kRHであり、こ
れによりサスペンション制御が行われる。
次いで、ステップに移行して、前述したステップ
と同様にして現時点の車速信号DVを読み込み、これに応
じた車速Vを演算し、これを更新記憶する。
次いで、ステップに移行して、車速Vが一旦前述し
た上限車速基準値Vr1となった高速走行状態から所定の
低速走行状態に戻ったか否かを判断するため、ステップ
で演算した車速Vを予め設定した下限車速基準値Vr2
(但し、Vr2<Vr1:Vr2は例えば40km/h)と比較する。こ
こで、Vr2<Vr1としてヒステリシス特性(第4図参照)
をもたせているのは、基準値近傍で車速Vが振動的に変
化した場合、切換バルブ18が開閉動作を繰り返すチャタ
リング現象を防止するためである。
そして、上記ステップにおいて、V>Vr2の場合
は、車速Vが未だVr2以下となる低速走行状態に戻って
いないとして、ステップに移行して、制御信号SCの出
力を行う。これにより、前輪側バネ定数kFが低い方の値
kFLに且つ後輪側バネ定数kRが高い方の値kFHに維持され
る。次いで、ステップ〜の処理を繰り返し、ステッ
プにおいてV≦Vr2となるまで待機する。
一方、このステップに判断において、V≦Vr2とな
った場合は、所定の低速走行状態に戻ったとして、次い
でステップに移行する。
このステップでは、演算処理装置30は、前輪側バネ
定数kFを所定の高い値に戻すため、記憶装置32内の前輪
側バネ定数指令値SFに論理値「0」をセットし、ステッ
プに移行する。
このステップでは、前輪側バネ定数指令値SF及び後
輪側バネ定数指令値SRの論理値「0」に基づき、再び前
述したステップと同様に制御信号SCが出力される。こ
のため、駆動回路26Fは、前輪側のバネ定数可変スプリ
ング機構11の切換バルブ18に対して励磁電流Iの供給を
再び停止する。これにより、各バネ定数kF及びkRが共に
主空気室Fのみの容積によって決定されることになるの
で、高い方の値kFH及びkRH(kRH<kFH)に切換される。
次いで、前記ステップに移行して、上述した処理を
電源オフとなるまで繰り返す。
次に、車両の走行状況に沿って、その作用を説明す
る。
いま、車両のイグニッションスイッチがオフ状態であ
り且つ停車状態であるとする。この状態では、コントロ
ーラ20の電源はオフであるから、駆動回路26F,26Rから
の励磁電流Iは当然に供給されず、各バネ定数可変スプ
リング機構11の切換バルブ18は「閉」である。従って、
前述したように、前輪側バネ定数kF及び後輪側バネ定数
kRは高い方の値kFH及びkRH(kFH>kRH)をとる。この状
態では、車体の姿勢変化を十分に抑制し、車両への人の
乗降等に伴う荷重変動に対応して発生する車体の揺れを
防止する。
この状態からイグニッションスイッチがオン状態とさ
れると、コントローラ20の電源オンとなり、前述した処
理が実施される。このとき、初期設定によりバネ定数指
令値SF、SRに論理値「0」が設定されているため、電源
オンで且つ停車状態では、バネ定数可変スプリング機構
11のバネ定数kF,kRの各々は、前述と同様にともに高い
値kFH、kRH(kFH>kRH)に設定され、これによって車両
へ作用する荷重の変動に伴う車体の揺れを防止する。
そして、この電源オンの状態から、エンジンを始動さ
せ、走行状態に入ると、これに応じた車速Vが前述した
ようにして検出される。そして、車速Vが上限車速基準
値Vr1未満となる低速走行状態では、前述した第3図の
ステップ〜の処理が繰り返され、ステップに移行
することがないため、駆動回路26F,20Rの制御信号SCは
論理Lレベルに維持され、前述のように前輪側バネ定数
kF及び後輪側のバネ定数kRはkFH及びkRH(kFH>kRH)に
維持される。従って、この低速車速状態では、急制動,
急発進に伴うノーズダイブ,スカットの抑制を優先して
制御が行われる。
さらに、この状態から加速され、車速Vが上限車速基
準値Vr1に達するか又はこれを越えると、前述した第3
図のステップ、の処理が実行される。これにより、
前述の如く、前輪側バネ定数kFのみが低い方の値kFL
直ちに切り換えられ、結局、バネ定数はkF(=kFL)<k
R(=kRH)となる。従って、上限車速基準値Vr1以上の
高速走行状態では、前輪側バネ定数kFを後輪側バネ定数
kRにより低下させてソフトとし、うねり路走行に伴うピ
ッチング現象を優先して抑制する。
この高速走行時のピッチング現象抑制の理由を第5図
乃至第6図に参照しながら説明する。
第5図は、うねり路通過後の自由振動時の前,後輪の
相対ストロークに対する時間変化を示す。同図におい
て、前輪の相対ストローク振動に対してはその角周波数
ω=(kF/mF1/2で、後輪の相対ストローク振動に対
してはその角周波数ω=(kR/mR1/2で表される。こ
こで、mFは前輪荷重であり、mRは後輪荷重である。そし
て、後輪の相対ストロークは、前輪の相対ストロークよ
り遅れて変化し、ピッチ角φは前輪ストロークと後輪ス
トロークとの差で表されるので、結局、ピッチ角φは、
角周波数ωの曲線と角周波数ωとの位相差が小さい
ほど小さくなる。
例えば、第5図中のは、バネ定数がkF>kRの場合を
示し、同図中のは、の場合よりkFを低下させた場合
を示している。このため、前輪側バネ定数kFを低くする
ほど、共振周波数が小さくなり、その周期が大きくなる
ことにより、前,後輪の相対ストローク間の位相が小と
なる。従って、ピッチングが抑制される。
第6図には、同図(1)に示すようなうねり路を通過
する際のピッチ角φの変化の一例を示す。同図(2)の
は前輪側バネ定数kF>後輪側バネ定数kRであり、は
kF=kRであり、はkF<kRである。これによると、前述
した如く、前輪側バネ定数kFが低下するにつれて、ピッ
チングが抑制されている。なお、同図(1)中で、CF
前輪側ショックアブソーバの減衰定数、CRは後輪側のシ
ョックアブソーバの減衰定数である。
ところで、前述した高速走行状態から減速される場合
は、車速Vが下限車速基準値V2を下回るまで第3図のス
テップ〜の処理が繰り返されるため、バネ定数は、
前述したkF<kRが維持され、ピッチング現象の抑制が図
られる。そして、車速Vが更に低下して、下限車速基準
値V2を下回った場合には、前述の如くステップ,
で、kF(=kFH)>kR(=kRH)の元の状態に直ちに切り
換えられる。これによって、低速走行時に多くみられる
急制動、急発進に伴うノーズダイブ、スカットがより有
効に小さくなるよう制御される。
一方、本実施例では、後輪側バネ定数kRを一定とし且
つ前輪側バネ定数kFを所定高速走行状態において低下さ
せて前述した制御を行う手法としているため、高速走行
状態におけるバネ定数の和「kF(=kFL)+kR(=
kRH)」を全体として下げることができ、これによっ
て、高速走行時の乗心地向上に寄与させることができ
る。
ここで、車速センサ22及び第3図のステップ,の
処理により車速検出手段が形成され、同図のステップ
,の処理により車速判定手段が形成され、同図のス
テップ〜,〜および駆動回路26F,26Rによりバ
ネ定数設定手段が形成されている。
なお、前述した実施例では、所定の高速走行状態にお
いて、後輪側バネ定数kRを固定し且つ前輪側バネ定数kF
を低下させてkF<kRとしたが、本発明は必ずしもこれに
限定されない。例えば、これとは反対に、前輪側バネ定
数kFを固定し、所定の高速走行状態において後輪側バネ
定数kRを増加させてkF<kRとなるようにしてもよい。ま
た、異なる容積の補助空気室を複数設けて、バネ定数可
変スプリング機構のバネ定数を3段階以上に切換可能な
もの、又は、主空気室に供給する空気の圧力を圧力調整
弁ですることにより、バネ定数可変スプリング機構のバ
ネ定数を無段階に調整可能なものであれば、所定高速走
行状態において前,後輪側バネ定数kF,kR共に下げて
(又は上げて)、相対的には前輪側を後輪側よりソフト
にするとしてもよい。
また、前記実施例では、前輪側及び後輪側共にバネ定
数を変更可能なスプリング機構を装備するとしたが、こ
れは必要に応じて何れか一方のみとし、他方には構成の
簡単化を図るためバネ定数が固定されたスプリング機構
を設けるという構成としてもよい。
またさらに、前記実施例においては、車速に応じたバ
ネ定数制御に加えて、車体に作用する横加速度を検出し
これに応じたロール抑制制御を合わせて行わせるとして
もよい。
またさらに、前記実施例における上限,下限車速基準
値並びに各前輪側バネ定数kFH、kFL及び各後輪側バネ定
数kRH、kRLの値の採り方は、前記各条件を満足させるも
のであれば任意であり、また必要に応じてkRL≦kFL<k
RH≦kFHとなるように設定してもよい。
またさらに、前記実施例では、バネ定数可変スプリン
グ機構の作動流体として、空気を適用した場合について
説明したが、必ずしもこれに限定されることなく、他の
気体又はオイル等の液体と気体とを併用したハイドロニ
ューマチック式のサスペンションについても適用可能で
ある。
またさらに、前記実施例では、コントローラとしてマ
イクロコンピュータを適用した場合について説明した
が、これは、比較回路、論理回路等の電子回路を組み合
わせて構成することもできる。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、車速が
所定値を越えたときに、前記バネ定数可変スプリング機
構のバネ定数を、前輪側バネ定数kFと後輪側バネ定数kR
との差値kR−kFを正の値とするピッチング優先抑制状態
に設定したため、車速が所定値を上回る高速走行状態に
おけるピッチング現象を著しく低減させ、これによって
高速走行時における走行安定性及び乗心地向上を図るこ
とができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概要を示す基本構成図、第2図はこ
の発明の一実施例を示す概略構成図、第3図は第2図の
実施例におけるコントローラによるバネ定数切換のため
の処理手順を示すフローチャート、第4図は車速と前輪
側バネ定数との関係を説明する説明図、第5図は前,後
輪のストロークとバネ定数との関係を説明するグラフ、
第6図(1)はうねり路を説明する説明図、第6図
(2)はバネ定数とピッチ角変化との関係を示すグラフ
である。 図中、11はバネ定数可変スプリング機構、20はコントロ
ーラ、22は車速センサ、24はマイクロコンピュータ、26
F,26Rは駆動回路である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バネ定数を少なくとも高低2段階に変更可
    能なバネ定数可変スプリング機構を少なくとも前輪側及
    び後輪側の何れか一方に備えた車両用サスペンションに
    おいて、 車速を検出する車速検出手段と、この車速検出手段によ
    る車速が所定値を越えたか否かを判定する車速判定手段
    と、この車速判定手段により車速が所定値を越えたと判
    定されたときに、前記バネ定数可変スプリング機構のバ
    ネ定数を、前輪側バネ定数kFと後輪側バネ定数kRとの差
    値kR−kFを正の値とするピッチング優先抑制状態に設定
    するバネ定数設定手段とを装備したことを特徴とする車
    両用サスペンションの制御装置。
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