JP2512490B2 - 薄膜型磁気テ−プ - Google Patents

薄膜型磁気テ−プ

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JP2512490B2 JP21073387A JP21073387A JP2512490B2 JP 2512490 B2 JP2512490 B2 JP 2512490B2 JP 21073387 A JP21073387 A JP 21073387A JP 21073387 A JP21073387 A JP 21073387A JP 2512490 B2 JP2512490 B2 JP 2512490B2
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magnetic tape
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magnetic
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秀樹 ▲吉▼田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は薄膜型磁気テープに関するものである。
従来の技術 近年、磁気記録技術の進展はめざましいものがあり、
オーデイオ用のテープレコーダーだけでなく、家庭用の
ビデオテープレコーダーも広く普及しつつある。これら
磁気記録機器のめざましい普及を支えた最大の要因とし
ては、磁気テープ、磁気ヘツド、記録方式、信号処理な
どを含めた高密度磁気記録技術の進歩があげられる。磁
気記録の高密度化により、音質や画質が向上したり、長
時間記録が可能となつたり、機器の小型軽量化が進んだ
りしてオーデイオやビデオ用テープレコーダーとして広
く家庭内で使われるようになつた。今後に向けてもさら
に音質や画質の向上、機器の小型軽量化、デジタル化な
どのために高密度磁気記録の研究、開発が熱心に行われ
つつある。今後の高密度磁気記録の進展を考えると、磁
気ヘツドや記録方式、信号処理などの改善も必要である
が、最も問題となるのは高密度磁気記録の可能な磁気テ
ープの開発である。現在、最もよく用いられている磁気
テープはCo−γFe2O3系の塗布型テープであるが、メタ
ルテープのような高Hc,高Brの高密度化に適した磁気テ
ープも現われている。しかし塗布型磁気テープにおいて
は、いかに高Hc化,高Br化および表面性改良を行つても
厚み損失の影響は避けられず、磁性層を薄くすることが
高密度磁気記録には不可欠な要素である。このため薄膜
型磁気テープが将来の磁気テープとして注目を集めて次
第に実用化しつつあるが、従来の薄膜型磁気テープにお
いては保存により幅方向にカールが大きく変化し易く、
このカール変化を防ぐために高分子基板の両側に薄膜層
を形成するという複雑な構造が必要である。
以下、図面に基づいて、上述した従来の薄膜型磁気テ
ープの一例について説明する。第3図は従来の薄膜型磁
気テープの断面図を示すものである。第3図において、
11は高分子基板、12はこの高分子基板11の一方の面上に
形成される薄膜型磁性層、13は高分子基板11の他方の面
に形成される薄膜層である。磁気テープの基板材料とし
ては機械強度、寸法安定性、化学安定性、柔軟性、表面
性などの観点から高分子基板が最も優れていると考えら
れ、高分子基板11の材料としてポリエチレン,ポリスチ
レン,ポリアミド,ポリイミドなどの多くの材料が知ら
れている。一方、薄膜型磁性層12の材料としてはCo−Ni
−O,Co−O,Co−P,Co−P−O,Co−Cr,FeCoCr,γ−Fe2O3
などのさまざまな磁性材料が知られており、蒸着法,イ
オンプレーテイング,スパツタ法,メツキ法などの製法
により作られている。薄膜層13を形成する材料としては
金属,金属酸化物,金属窒化物などの材料が考えられ
る。
従来の磁気テープはテープ走行により長手方向に張力
が発生する際のダメージを極力小さくするために、特に
テープ全厚が薄いときはなるべく長手方向のヤング率を
高めており、結果として幅方向のヤング率は低い。
以上のように構成された従来の薄膜型磁気テープの特
性について説明する。高分子基板11と薄膜型磁性層12
は、温度,湿度に対する寸法安定性が異なり、特に高
温,高湿において、高分子基板11は薄膜型磁性層12より
もはるかに大きな不可逆変化をおこす。もしも薄膜層13
がなければ薄膜型磁気テープの幅方向のカールは大きく
変化し、テープの幅方向のカールが変化すると、磁気テ
ープと磁気ヘツドの接触が不安定となつて磁気による記
録再生が不可能となる。薄膜層13と薄膜型磁気層12でバ
ランスをとることによりカールの安定化を図つている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、高分子材料の両
面に薄膜層を形成するので、蒸着法,イオンプレーテイ
ング,スパツタ性,メツキ法などの高コストで生産性の
低い薄膜形成プロセスを2回行わねばならず、磁気テー
プの製造コストが高く、かつ生産性が低いという問題点
があつた。
本発明は上記問題点を解決するもので、高分子基板の
寸法安定性を向上させることにより、保存によるカール
変化を安定化させた保存性の優れた薄膜型磁気テープを
提供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の薄膜型磁気テー
プは、高分子基板上に薄膜磁性層を有せしめ、幅方向の
ヤング率が長手方向のヤング率より20%以上高く構成し
たものである。
作用 上記構成によつて磁気テープの強度が幅方向より長手
方向に対して弱くなつて幅方向に寸法変化を起こすより
長手方向に寸法変化を起こし易くなり、ストレスが発生
しても主に長手方向に変化することで上記ストレスが吸
収され、幅方向にはあまり寸法変化をおこさずにすむ。
すなわち、長手方向にはカール変化は大きくなるもの
の、磁気テープと磁気ヘツドの接触の主要問題となる幅
方向のカールを小さくできて磁気による記録、再生を安
定化できることとなる。
実施例 以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明の一実施例の薄膜型磁気テープの断面
図を示すものである。第1図において、1は高分子基
板、2は高分子基板1上に形成された薄膜型磁性層であ
る。この高分子基板1と薄膜型磁性層2からなる薄膜型
の磁気テープは、たとえば高分子基板1の仕様を変更す
ることにより、その幅方向のヤング率が長手方向のヤン
グ率より20%以上高く構成されている。これにより、従
来のように高分子基板上の両側に薄膜層を形成するとい
つた高コスト、低生産性の方法をとることなく、保存に
よるカールの変化量を十分に小さくでき、安定した磁気
記録,再生を可能にしている。
次に、具体例について説明する。高分子基板1の長手
方向、幅方向の強度を選択することにより、磁気テープ
の長手方向、幅方向のヤング率を変え、第1表に示すよ
うなサンプルA〜Jを得た。第1表に示したサンプルA
〜Jは高分子基板1としてポリエチレンナフタレートを
用い、イオンプレーテイング法により膜厚0.4μmのCo
−Cr薄膜層を形成したものである。薄膜型磁気テープの
長手方向、幅方向のヤング率は高分子基板1の強度によ
つて変化するが、途中の熱工程により複雑に変化するの
で、完成したテープ状態でのヤング率のみ示した。ま
た、ヤング率の測定は長さ20cmの試料を毎秒0.05%の割
合で引き伸ばし、0.5%変形時の応力から求めた。これ
らのサンプルA〜Jを8ミリ幅のテープ状にしてリール
に巻き取り、70℃の温度で1ケ月間放置してそれぞれの
カール変化量を測定した。第1表におけるカール変化量
は8ミリ幅のテープを平面上に置いたときのテープの最
大高さから読み取つたものである。許容されるカール変
化量はテープやデツキのインターフエース により多少の差があるが、500μm以上のカール変化量
となると、磁気記録,再生が安定にできなくなる。第1
表において、長手方向ヤング率に対する幅方向ヤング率
の比が1.2以下の比較例A〜Dにおいては500μm以上の
大きなカール変化量となつているのに対し、幅方向のヤ
ング率を長手方向のヤング率より20%以上高くした本実
施例E〜Hのものはカールの変化量を300μm以下に抑
えることができ、さらに幅方向のヤング率を長手方向の
ヤング率より40%以上高くした本実施例I,Jのものはカ
ールの変化量を100μm以下に抑えることができた。
なお、この実施例において、高分子基板1はポリエチ
レンナフタレートとしたが、ポリエチレンやポリエチレ
ンテレフタレート,ポリアミド,ポリイミドなどの高分
子材料を用いてもよいし、薄膜型磁性層2はCo−Crの他
にCo−Ni−O,Co−O,Co−Ni,Co−P,Co−P−O,Fe−Co−C
r,γ−Fe2O3,Fe3O4などの磁性材料を用いてもよい。
以下本発明の他の実施例について図面に基づいて説明
する。
第2図は本発明の他の実施例を示す薄膜型磁気テープ
の断面図である。第2図において、3は高分子基板、4
は薄膜型磁性層で、以上は第1図の構成と同様のもので
ある。第1図の構成と異なるのは、高分子基板3の薄膜
型磁性層4が形成される側に塗布される形状付与物5
と、高分子基板3の反対面に形成されるバツクコート層
6と、さらにその上に両面に形成される滑剤層7とを設
けた点である。その具体例としては、高分子基板3とし
て厚み10.3μmのポリエチレンテレフタレートを用い、
その上に形状付与物5として平均粒径120Åのシリカ粒
子を10〜30個/μm2の密度に塗布し、さらにその上に薄
膜型磁性層4として真空蒸着法により膜厚0.18μmのCo
−Ni−O層を形成した。また、走行性を改良するため、
バツクコート層6として膜厚0.6μmのウレタン樹脂を
塗布し、表面に滑剤層7を塗布した。この薄膜型磁気テ
ープの長手方向のヤング率は580kg/mm2,幅方向のヤング
率は780kg/mm2で、幅方向のヤング率が長手方向のヤン
グ率より約34%高い。
上記のように構成された薄膜型磁気テープの原反を用
い、磁気テープに切断される方向に切断されたサンプル
を用いて幅方向のカール変化量を測定し、同時に磁気テ
ープに切断されるべき方向と直交する方向に切断された
サンプルを用いて長手方向に相当するカール変化量を測
定した。測定は温度60℃、湿度80%の環境下での1ケ月
間保存によるカール変化量を測定した。幅方向のカール
変化量は50μmしか変化しなかつたのに対し、長手方向
のカール変化量は1100μmと非常に大きく変化した。こ
のように長手方向にカール変化させることにより幅方向
のカール変化を非常に小さくできて、従来のように高分
子基板の両側に薄膜層を形成するという高コスト,低生
産性の方法をとらなくても十分に安定に磁気テープと磁
気ヘツドが接触し、良好な電磁変換特性を得ることがで
きた。
また、この実施例では形状付与物5はシリカ粒子とし
たが、Fe粒子,α−Fe2O3粒子,Ti粒子などの無機粒子や
ポリスルホンなどの有機粒子を用いても良いし、バツク
コート層6としてウレタン樹脂の他にビニール系樹脂,
繊維系樹脂,エポキシ樹脂,フエノキシ樹脂などを用い
てもよい。
発明の効果 以上のように本発明によれば、幅方向のヤング率が長
手方向のヤング率より20%以上高くなるように構成した
ものであり、高分子基板の仕様を変更するだけで薄膜型
磁気テープの製造工程を変更することなく、かつ生産性
低下やコスト高なしに、高温や高湿での保存による薄膜
型磁気テープの幅方向のカールを小さい状態に安定で
き、安定した磁気記録,再生ができるといつたすぐれた
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す薄膜型磁気テープの断
面図、第2図は本発明の他の実施例を示す薄膜型磁気テ
ープの断面図、第3図は従来の薄膜型磁気テープの断面
図である。 1,3……高分子基板、2,4……薄膜型磁性層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子基板上に薄膜磁性層を有し、幅方向
    のヤング率が長手方向のヤング率より20%以上高い薄膜
    型磁気テープ。
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