JP2508211B2 - 高圧トランス保護回路 - Google Patents

高圧トランス保護回路

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JP2508211B2 JP63208931A JP20893188A JP2508211B2 JP 2508211 B2 JP2508211 B2 JP 2508211B2 JP 63208931 A JP63208931 A JP 63208931A JP 20893188 A JP20893188 A JP 20893188A JP 2508211 B2 JP2508211 B2 JP 2508211B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、高圧トランス保護回路、特に高圧トラン
ス自体又はこの高圧トランスの二次側出力が供給される
二次側回路において異常が発生したときにおける電流停
止に関する。
[従来の技術] 従来から高電圧発生のためにフライバックトランスな
どの高圧トランスが広く利用されている。例えば、テレ
ビジョン受像器等のCRT(陰極線管)の高圧電極への電
圧供給には、このような高圧トランスが必須である。ま
た、コンピュータ機器の発達に伴うディスプレイ装置と
してのCRTの需要増大に応じ、高圧トランスの重要性も
ますます増大してきている。
ここで、このような高圧トランスの一例について、第
2図を用いて説明する。高圧トランス10は、一対のU形
コアを組合せたコア脚に一次側コイル及び二次側コイル
が同心円状に装着されており、その断面形状は軸を中心
に対称となるため、第2図においては一方側のみを示し
てある。
コア脚12の周囲には筒状の一次側ボビン14が配置され
ており、この一次側ボビン14に低圧コイルである一次側
コイルN1が巻回されている。また、一次側ボビン14の端
面に形成した端子部に固定された端子ピン16は例えば一
次側コイルN1に電力を供給するためのものである。
そして、一次側ボビン14の周囲には所定距離隔てて同
じく筒状の二次側ボビン18が配置されている。この二次
側ボビン18の周囲には高圧コイルを形成する多巻数の二
次側コイルNHが巻回されている。
ここで、この例においては、二次側コイルNHは、第1
層NH1から第6層NH6までの6層構造となっている。そし
て、二次側コイルNHの各層間には、絶縁性のポリエチレ
ンテレフタレート等のシートからなる層間紙20が介在さ
れている。また、二次側コイルNH1からNH6は、それぞれ
高圧整流ダイオードDHを介して直列に接続されている。
次に、このような高圧トランスを用いた回路の一例に
ついて第3図に基づいて説明する。
この回路は、CRTに用いられる偏向装置の一般的な回
路であり、水平偏向出力回路30と、高圧トランス10を有
している。そして、この高圧トランス10からの出力をCR
T32に供給する。
水平偏向出力回路30は、水平出力トランジスタT
R1と、ダンパーダイオードD1、共振コンデンサC1、水平
偏向コイルLH及びS字補正コンデンサCSとから成ってい
る。そして、水平出力トランジスタTR1は、水平ドライ
ブ回路(図示せず)から送られてくる電圧パルス信号を
受け入れ、所定のスイッチング動作を行う。この水平出
力トランジスタTR1のスイッチングと、ダンパーダイオ
ードD1の協働によって水平偏向コイルLHにのこぎり刃状
の電流を加える。また、この水平偏向コイルLHと共振コ
ンデンサC1はその共振作用によってフライバックパルス
を発生させ、これが高圧トランス10に加えられる。
高圧トランス10は、上述のような構成をしており、高
圧トランス10の一次側コイルN1の一方側の端子はダンパ
ーダイオードD1のカソード、水平偏向コイルLH及び共振
コンデンサC1の共通端に接続されており、他端側端子は
入力電源EBに接続されている。一方、高圧トランス10の
二次側コイルNHの高圧側端子は高圧整流ダイオードDH1
〜DH6を介し、CRT(陰極線管)32の高圧電極(アノー
ド)34に接続されている。
また、二次側コイルNH1〜NH6の出力端からCRT32のア
ノード34に至る二次側回路にはフォーカスパックFP、平
滑用コンデンサCHが接続されている。このフォーカスパ
ックFPは直列接続された複数の抵抗R7、R8、Rv1、Rv2
ら成っており、CRT32のスクリーン電極、フォーカス電
極に所定の電圧を供給するためのものである。
このような構成において、高圧トランス10は前述の水
平偏向出力回路30から加えられるフライバックパルスを
昇圧し、更に高圧整流ダイオードDHによって整流を行
い、その整流出力である高電圧EHをアノード34に加える
のである。尚、平滑用コンデンサCHはこの高電圧EHを平
滑するためのものである。
このような高圧トランス10において、何らかの原因に
よって、二次側コイルNHにおいて短絡が発生すると、こ
こにおいて電流量が増大し、発火発煙等の事故にも繋が
る。
このため、従来の装置においても、このような発火発
煙を防止するための手段が講じられている。そこで、従
来の保護回路について第4図に基づいて説明する。
この例においては、第3図における電源EBで過大電流
を検出し、電流供給を制限するようになっている。これ
は、二次側コイルNHにおいて短絡が発生すると一次側電
流IBもそれに応じて増大するからである。
すなわち、この例において電源EBは次のような構成を
有している。入力端Pは、電力の入力端であって、通常
交流の100Vの電源に接続される。そして、この入力端P
はブリッジ結合された4つのダイオードD21,D22,D23,D
24からなる整流回路42に接続されている。また、この整
流回路42の出力側には、電圧安定化回路44が接続され、
所定の直流電力を高圧トランス10に供給するようになっ
ている。すなわち、出力端46が第3図における一次側コ
イルN1の一端T1に接続されている。なお、コンデンサC
21は電圧を平滑させるためのものである。
電圧安定化回路44は、トランジスタTR21、抵抗R20
び制御回路48からなっている。そして、制御回路48に
は、電圧安定化回路44の出力側の電圧が入力され、制御
回路48はこの電圧が所定の一定値になるようにトランジ
スタTR21のベース電圧を制御する。従って、電圧安定化
回路44から出力される電圧はほぼ一定値に制御され、出
力端46における電圧EBもほぼ一定値となる。なお、コン
デンサC23は、電圧平滑、特に過渡応答改善のためのも
のである。
更に、この例においては、電圧安定化回路44と出力端
46の間に異常電流検出回路50を設け、これに流れる電流
IBを監視するようになっている。この異常電流検出回路
50は、電圧安定化回路44と出力端46の間に挿入配置され
た抵抗R22の両端電圧を検出し、この両端電圧が所定値
以上になった際に、トランジスタTR22をオンすることに
よって、異常電流を検出するものである。
このため、抵抗R22の上流側端にはトランジスタTR22
のエミッタが接続され、抵抗R22の下流側端には抵抗R23
を介してトランジスタTR22のベースが接続されている。
なお、コンデンサC22は電流IBの微小時間における変化
を吸収するためのものである。
このような構成において、電流IBが増加し、抵抗R22
の両端の電位差が所定値を越えると、トランジスタTR22
のベース・エミッタ間の電位差が所定値を越え、トラン
ジスタTR22が導通される。ここで、このTR22のコレクタ
は抵抗R24及びR25を介しアースされている。そこで、T
R22が導通され、ここに電流が流れると、抵抗R24とR25
の接続点の電位は、抵抗R25の電圧降下分だけ上昇する
ことになる。なお、コンデンサC24は、抵抗R24とR25
接続点における交流成分を除去するためのものである。
一方、抵抗R24とR25の接続点はトランジスタTR23のベ
ースに接続されている。そして、このトランジスタTR23
のコレクタにはフォトカプラ52の入力端の一端側が接続
され、トランジスタTR23のエミッタはアースされてい
る。また、フォトカプラ52の入力端の他端側には抵抗R
26を介し電源EC21が接続されている。このため、トラン
ジスタTR23がオンされると、フォトカプラ52の入力端に
接続された発光ダイオード52aがオンされる。また、フ
ォトカプラ52の受光側のトランジスタ52bのベースは抵
抗R27を介しアースに接続され、コレクタは電源EC22
接続され、エミッタは水平発振回路54に接続されてい
る。
そこで、フォトカプラ52の発光ダイオード52aの発光
によりトランジスタ52bがオンすると水平発振回路54に
発振停止信号が入力される。そして、水平発振回路54は
発振停止信号を受け入れたときに発振を停止する。この
水平発振回路からの発振パルスは、第4図におけるドラ
イブ回路30の入力端子に入力されるものなので、これが
停止されることによってドライブ回路30の動作が停止さ
れる。これによって高圧トランス10にはフライバック・
パルスが発生しない。そこで、高圧トランス10の発火、
発煙などを防止することができる。
[発明が解決しようとする課題] 上述のように従来の高圧トランス保護回路において理
論的には高圧トランスの発火、発煙の防止することがで
きる。しかし、このような保護回路を有するにも拘ら
ず、高圧トランスが発火、発煙を起こす場合もある。そ
こで、これについて詳細に検討したところ高圧トランス
の二次側コイルNHのショート(レアショート)につい
て、次のようなことが明らかとなった。
すなわち、何らかの原因により、二次側コイルNHの一
つの層、例えば一層目NH1の中間の一巻回がショートす
ると、この部分において短絡電流に起因する発熱が起こ
る。二次側より数十W(20W〜50W)程度の電力を出力す
る場合において、二次側コイルNHの一巻において2W程度
の電力を消費することになる。すると、第2図において
斜線で示すようにこの熱によって両隣の巻回NHもショー
ト状態になり、更に発熱が増加する。そして、このよう
な発熱状態は、ショート領域が広がるにつれ更に大きく
なり、二次側コイルNHの一層目における5、6巻回のシ
ョートによって約10W程度の発熱エネルギーが生じる。
この程度の発熱が起こると、一層目と二層目の二次側
コイルNH1とNH2を絶縁している層間紙20の溶解も始ま
る。すなわち、この層間紙20には通常の場合ポリエチレ
ン系の材料が用いられており、その融点は250℃程度で
ある。そこで、一層目内のショートによって発熱量が増
加すると、この層間紙20が溶け、一層目と二層目のコイ
ル同士の短絡も生じることになる。
一方、高圧トランス10の二次側コイルは6つの二次側
コイルNH1からNH6の直列接続からなっている。このた
め、NH1とNH2の間には出力電圧EHの6分の1の直流電圧
がかかっていることになる。そして、通常のCRT32の高
圧電極34に印加する電圧が30kV程度なので、一層目の二
次側コイルNH1と二次側コイルNH2の間には5kV近くの電
圧がかかっていることになる。
そこで、層間紙20が溶け、層間のショートが発生する
ということは、5kVもの高電圧におけるショートとな
り、このときに消費される電力は非常に大きなものとな
ってしまう。従って、高圧トランス10において、このよ
うな状態が生起されると、その瞬間に大電流が流れてし
まい、発火、発煙が生じ、その後電流が停止されても臭
い、煙等の発生を十分に防止することはできなかった。
この短絡時の一時側電流IBの一態様を第5図に示して
おり、図中t1において第1層における最初の短絡が起こ
り、時間t2まで徐々に層内における短絡が進んでいく。
そして、時間t2において層間の短絡が起こるとその電流
値は直線的に上昇し発火発煙等の危険を生じるのであ
る。このように、従来の高圧トランス保護回路において
は、短絡が起こった際に十分な対処が行われないという
問題点があった。
これは、高圧トランス10の一次側に供給する電流I
Bは、一定値ではないことによる。すなわち、第6図に
示すようにCRT32における明るさ調整(輝度調整)等に
よって電流IBはかなり大きく変化する。これは、CRT32
の輝度の変化に応じて二次側電流(高圧電流)IHが変化
し、一次側電流IBが変化するからである。そして、この
変化量は高圧一次側電流IBの値に対してかなり大きなも
のとなっている。
従って、異常電流検出回路50おけるトランジスタTR22
の動作するタイミングは、一次側電流IBがかなり上昇し
たときになってしまう。そこで、一次側電流IBが層内の
短絡により上昇してもこれを検知し、一次側電流を遮断
することができない場合が多い。このため、従来の高圧
トランス保護回路は十分な機能を発揮できない場合があ
った。
更に、従来の高圧トランス保護回路によれば、一度フ
ォトカプラ52が動作し水平発振回路54が停止しても、主
電源をオフしその後にもう一度電源を投入した際に、再
度フォトカプラ52が動作するまで電流IBが流れてしまう
という問題点もあった。
また、高圧トランス10に温度ヒューズを埋め込めば、
温度が上昇した時にこのヒューズの溶断によって高圧ト
ランス10への電流を遮断することができる。しかし、高
圧トランス10の駆動周波数が一般に15.75kHZ〜130kHzと
高く、温度ヒューズのような形状の大きいものを配設す
るとその電磁結合度が低くなり、高圧トランス10の基本
的性能が害されてしまうという問題点があった。
関連技術 このような問題点を解決するため、本出願人は特願昭
62−285056号において、高圧トランスのレアショートを
初期の段階で検出できる高圧トランス保護回路について
提案した。この提案に係る高圧トランス保護回路におい
ては、高圧トランスの二次側電流を検出し、二次側電流
を基準として一次側電流が所定以上上昇した時に異常と
判定する。
これは、上述のようにCRTの輝度調整等により一次側
電流が上昇する場合には、二次側電流も上昇するのに対
し、高圧トランスにおいてレアショートが発生した場合
には、二次側電流に比べ一次側電流のみが急増するから
である。従って、この提案の高圧トランス保護回路にお
いては、CRTの輝度調整等に起因する一次電流変化を除
外して異常判定を行える。このため、レアショートの初
期の段階での効果的な高圧トランスに異常検出が行え
る。
一方、高圧トランスの二次側の高圧出力はCRTのアノ
ードに接続されるのであるが、この二次側回路にはCRT
のフォーカス電極、スクリーン電極への電圧印加用のフ
ォーカスパックFPや高圧出力の平滑用のコンデンサCH
が設けられている。そして、このこれらのフォーカスパ
ックFPやコンデンサCHの破壊等の事故によって短絡を生
じた場合には、ここに大電流を生じる。
そして、このようなときこの提案に係る高圧トランス
保護回路では、異常の判定が行えないという問題点があ
る。すなわち、先に提案の保護回路においては、一次側
電流が二次側電流に比べ急激に上昇した時のみに異常と
判定する。そして、フォーカスパック等の高圧出力側の
回路における異常の場合には、二次側電流の増加に応じ
て一次側電流も増加するため、異常とは判定されないの
である。
そこで、このような原因の電流増加の場合にも、高圧
トランス10に過大な電流が流れ、高圧トランスの発熱、
発煙等を生じることになる。
従って、高圧トランスの二次側回路における自己の起
因する高圧トランスへの過大電流供給を防止する必要が
ある。
発明の目的 この発明は、上述のような問題点を解決することを課
題として為されたものであり、高圧トランスにおけるレ
アショート等の異常のみならず、二次側回路における事
故に起因する異常が発生した場合にも効果的な電流遮断
が行える高圧トランス保護回路を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は、一次側に低電
圧を供給し、二次側から高電圧を取り出す高圧トランス
における過大電流を防止する高圧トランス保護回路にお
いて、上記高圧トランスの一次側に供給される電流値を
検出する一次側電流検出回路と、上記高圧トランスの二
次側電流を検出する二次側電流検出回路と、上記一次側
電流検出回路及び二次側電流検出回路の両方の検出値が
入力され、検出した一次側電流と二次側電流との相対的
な大小関係の状態を判定することにより、二次側電流の
上昇を伴わずに一次側電流が所定以上上昇したときに高
圧トランスの異常を検出する高圧トランス異常検出回路
と、上記二次側電流検出回路の検出値が入力され、この
二次側電流検出回路の検出値が所定値を上回った場合に
二次側回路における異常を検出する二次側回路異常検出
回路と、上記高圧トランス異常検出回路又は二次側回路
異常検出回路のどちらか一方において異常を検出したと
きに高圧トランスへの電流供給を停止する電流供給停止
回路と、を有し、高圧トランス及び高圧トランスの出力
側の回路において異常が発生した際に確実に高圧トラン
スへの電流供給を停止することを特徴する。
[作用] この発明においては、高圧トランスの一次側コイルに
供給する電流値を一次側電流検出回路によって検出し、
二次側電流を二次側電流検出回路よって検出する。
そして、高圧トランス内部におけるショートなどに起
因して高圧トランスの一次側電流が二次側電流を基準と
して所定以上上昇した場合は、高圧トランス異常検出回
路によってこれを検出する。
一方、フォーカスパックの不良などにより二次側回路
に事故が発生し、二次側電流が所定以上となった場合に
は、二次側回路異常検出回路によってこれを検出する。
そして2つの異常検出回路のどちらか一方でも異常を
検出した場合には、高圧トランスへの電流供給を停止す
る。
このため、異常発生時に高圧トランスへの電流供給を
確実に停止することができ、高圧トランスの異常発熱、
発煙等の発生を効果的に防止することができる。
[実施例] 次に、この発明に係る高圧トランス保護回路の一実施
例について図面に基づいて説明する。第1図は、実施例
の回路図である。
図において、水平ドライブ回路(図示せず)、水平偏
向出力回路30、高圧トランス10は第3図に示した従来例
の構成及び作用と同様であり、説明を省略する。
そして、この実施例においては、保護回路60を有して
いる。
この保護回路60は、異常発生時に高圧トランス10への
電流供給を停止するものであり、次のような構成を有し
ている。
電源EBから一次側コイルN1の始端T1への電流供給回路
には、一次側電流IB検出用の抵抗R1と、電流遮断用のヒ
ューズF1が挿入配置されている。
また、一次側コイルN1にはその中間点に中間タップT2
が設けられ、始端側コイルN11と終端側コイルN12の2つ
のコイルに分割できるようになっている。そして、この
中間タップT2には逆流防止用のダイオードD2のアノード
側が接続されている。このダイオードD2のカソード側に
はサイリスタSCRのアノードが接続され、このサイリス
タSCRのカソードはヒューズF1と抵抗R1の接続点に接続
されている。従って、サイリスタSCRがオンされた場合
には始端側コイルN11及びヒューズF1を含む閉回路が形
成されることになる。なお、サイリスタSCRと並列に配
設されているコンデンサC2は平滑用のものであり、適宜
省略することも可能である。また、サイリスタSCRのカ
ソード、ゲート間に接続されたコンデンサC3は電圧平滑
及びノイズ除去のためのものである。
一方、二次側コイルNHの入力側端T4は、電流検出用抵
抗R2、抵抗R3、バイアス電源ESを介し電源EBの出力側に
接続されている。そして、抵抗R2によって二次側コイル
NHに流れる高圧電流IHを検出することができる。なお、
抵抗R3の一端側に接続され他端がアースされているコン
デンサC5は高圧電流IHの交流成分を除去するためのもの
である。また、抵抗R2と抵抗R3の接続部はABL(Automat
ic Briteness Limitter)側に通じている。
そして、この抵抗R2と抵抗R3の接続部がサイリスタSC
Rのゲートに接続されているため、サイリスタSCRのゲー
ト電位は抵抗R2における電圧降下、すなわち高圧電流IH
の大きさに応じて変化することになり、オンオフされる
ことになる。
さらに、抵抗R2とバイアス電源ESの接続部はツェナー
ダイオードZD1のカソードに接続されている。そして、
ツェナーダイオードZD1のアノードは抵抗R5を介しサイ
リスタSCRのゲートに接続されている。従って、抵抗R2
における電圧降下が所定値以上となった時にこのツェナ
ーダイオードZD1がオンされることになる。
なお、コンデンサC4はトランジスタTR2のベースに発
生する信号成分の交流分やノイズ成分を接地するための
ものである。
また、ツェナーダイオードZD1と抵抗R5の接続部はト
ランジスタTR2のベースに接続されている。そして、こ
のトランジスタTR2のコレクタ側は抵抗R6、補助電源EC
を介し、電源EBの出力側に接続されており、エミッタ側
はサイリスタSCRのゲートに接続されている。従って、
ツェナーダイオードZD1がオンするとトランジスタTR2
オンし、補助電源ECの電圧がサイリスタSCRのゲートに
印加されることになる。なお、抵抗R6はトランジスタT
R2に対する電流制限用の抵抗である。
レアショート発生の場合 高圧トランス10内部においてレアショートが発生した
場合には、一次側電流IBと二次側電流IHの相対的な大小
関係の状態の判定によってこれを検出し、一次側電流IB
を停止する。
ここで、この電流停止は、サイリスタSCRをオンする
ことによって行うのであるが、このための回路の抵抗
R1、R2、バイアス電流ESの設定等について説明する。
まず、一次側電流IBはCRT32の輝度調整によって第6
図のように変化する。このように、この一次側電流IB
輝度調整等の二次側電流IHによらない定数部分と、輝度
調整等による二次側電流IHによるに比例する部分に分け
られ、次のように表すことができる。
IB=A×IH+IB0 …(1) ここで、Aは回路から決定される定数であり、IB0はC
RTの輝度調整等によって変動しない定数部分である。
また、バイアス電源ES、抵抗R2を介しサイリスタSCR
のゲートに印加される電圧eHは、次のように表される。
−eH=IH×R2+ES …(2) ここで、この電圧は、電源EBの+側を基準として表し
てある。
さらに、抵抗R1における電圧降下eBは次のように表す
ことができる。
−eB=IB×R1 …(3) ここで、この電圧は、上述の場合と同様に電源EBの+
側を基準として表してある。
そして、(1)式を(3)式に代入することによって
抵抗R1における電圧降下eBは次のように表されることに
なる。
−eB=A×IH×R1+IB0×R1 …(4) 一方、正常動作時においては、サイリスタSCRのゲー
トの電位は、カソードと同電位とし、遮断状態とするた
め、両者は等しくなるように設定することが望ましい。
従って、eB=eHとなるようにESを設定する必要がある。
そこで、(4)式と(2)式の右辺同士は等しくな
り、 IH×R2+ES=A×IH×R1+IB0×R1 となる。
そして、この式における変数部分同士、定数部分同士
は等しいため、 IH×R2=A×IH×R1 であり、 R2=IB0×R1 となる。
ここで、ESの値を先に決定するとR1、R2はそれぞれ次
のように決定される。
R1=ES/IB0 R2=A×ES/IB0 このようにして、求まった値に対し回路のバラツキ等
を考慮して、この分ESの値を大きめに設定すれば、サイ
リスタSCRの正常時にゲート電位がカソード電位に比べ
高くなることはなく、常にオフされることになる。
そして、高圧トランス中でレアーショート等が発生す
ると、上述のようにそのショート部において大量のエネ
ルギーが消費され、そのエネルギー消費Pに対応して電
流ΔIBが一次側電流に加算される。
ΔIB=P/EB 通常の場合高圧トランスが発火に至るようなショート
であれば、この電流増加分ΔIBは第6図におけるΔIB
2倍以上となる。従って、抵抗R1における電圧降下は非
常に大きくなり、サイリスタSCRのカソードの電位がゲ
ート電位に比較して充分低くなり、サイリスタSCRがオ
ンされる。なお、このショートは高圧トランス内部の二
次側コイルNHにおけるものであり、その時の二次側電流
IHはほとんど変化しない。
このようにしてサイリスタSCRがオンすると、サイリ
スタSCRは一次側コイルN1の中間タップT2に発生するパ
ルス電圧を非常に低いインピーダンスで流すことにな
り、この電流によってヒューズF1は溶断される。
そして、ヒューズF1を溶断することによって、高圧ト
ランスの一次側コイルN1に対する電流供給を停止するこ
とができる。
なお、このような動作の場合には、ツェナーダイオー
ドZD1はオンしないようにツェナーダイオードZD1の降伏
電圧EZが設定してある(eH<EZ)。
二次側回路における異常の場合 高圧トランス10の二次側の高圧出力側に接続されたフ
ォーカスパックFP、平滑用コンデンサCH等に破壊短絡が
発生した場合について、フォーカスパックFP内の抵抗R7
がショートした場合を例として説明する。
二次側電流EHを一定とすると、アノード34に対する電
流は同一なので、フォーカスパックFPに流れる電流の増
加分だけ二次側電流IHが増加する。
そこで、この増加分ΔIHは、 ΔIH=EH/(R8+Rv1+Rv2)−EH/(R7+R8+Rv1+Rv2) となる。ここで、この右辺第2項は通常非常に小さいた
め、0とおいて問題ない。このため、増加分ΔIHは、 ΔIH=EH/(R8+Rv1+Rv2) となる。
そして、この増加分ΔIHに応じて一次側電流IBも増加
するため、その増加分ΔIBは、 ΔIB=EH×ΔIH/EB となる。
すなわち、フォーカスパックにおける短絡は、二次側
電流と一次側電流の関係においては、CRTへの電流増加
と同様のものとなり、上述の異常検出手段によっては異
常の検出ができない事が理解される。
ところが、この発明においては、ツェナーダイオード
ZD1を有している。従って、このツェナーダイオードZD1
の降伏電圧EZをここにかかる電圧R2×IHに対し所定の
値、すなわち上述の輝度調整におけるIBの最大値IHM
対応する電圧より少し大きな値に設定しておけば、二次
側電流IBの異常に対し、所定の電流停止が行える。通
常、輝度調整における一次側電流IBの増加に対しフォー
カスパックFP等の短絡による電流増加はかなり大きいた
め、異常検出を充分行うことができる。
すなわち、抵抗R2の両端の電圧R2×IHがツェナーダイ
オードZD1の降伏電圧EZを越えたとき、このツェナーダ
イオードZD1がオンされる。
そして、このツェナーダイオードZD1がオンすると抵
抗R5に電流が流れ、トランジスタTR2のベース電位が上
昇し、このトランジスタTR2がオンする。このトランジ
スタTR2がオンすると、補助電源ECと抵抗R6の値に応じ
てサイリスタSCRのゲートの電位が上昇する。そして、
これによってサイリスタSCRがオンされ、上述の場合と
同様にヒューズF1が溶解され、高圧トランス10への電流
供給が停止される。
なお、所定の条件下では、ツェナーダイオードZD1
省略し、二次側電流IHの変化によって、トランジスタT
R2を直接オンオフすることも可能である。
このように、この実施例によれば、簡単な回路の付加
によって、異常発生時の電流供給を確実に停止できる。
従って、温度ヒューズ埋込みの場合のような高圧トラン
スの性能悪化の問題がない。更に、このような保護回路
を高圧トランスに追加しても、高圧トランスブロックと
しての出力及び入力端子数は変更する必要なく、ブロッ
ク化しやすい。
また、ヒューズF1を切断するため、主電源を再投入し
ても、高圧トランスに電流が流れることはない。なお、
電流の遮断は、ヒューズに限らず、半導体、各種導体な
どが適宜採用可能である。異常検出時に動作するサイリ
スタSCRに替え、各種の半導体素子等を採用してもよ
い。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明に係る高圧トランス保
護回路によれば、高圧トランス自体の異常のみならず二
次側回路における異常についても効果的に電流供給の停
止が行え、高圧トランスの発熱、発火等の発生を確実に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る高圧トランス保護回路の一実施
例を示す回路図、 第2図は高圧トランスの内部構造を示す構成図、 第3図は高圧トランスの使用例を示す構成図、 第4図は従来の高圧トランス保護回路を説明するための
回路図、 第5図は高圧トランスの異常発生時における電流の変化
を示す特性図、 第6図はCRT32の輝度調整に対応する二次側電流IHと一
次側電流の関係を示す特性図である。 10……高圧トランス 60……保護回路 F1……ヒューズ(停止手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次側に低電圧を供給し、二次側から高電
    圧を取り出す高圧トランスにおける過大電流を防止する
    高圧トランス保護回路において、 上記高圧トランスの一次側に供給される電流値を検出す
    る一次側電流検出回路と、 上記高圧トランスの二次側電流を検出する二次側電流検
    出回路と、 上記一次側電流検出回路及び二次側電流検出回路の両方
    の検出値が入力され、検出した一次側電流と二次側電流
    との相対的な大小関係の状態を判定することにより、二
    次側電流の上昇を伴わずに一次側電流が所定以上上昇し
    たときに高圧トランスの異常を検出する高圧トランス異
    常検出回路と、 上記二次側電流検出回路の検出値が入力され、この二次
    側電流検出回路の検出値が所定値を上回った場合に二次
    側回路における異常を検出する二次側回路異常検出回路
    と、 上記高圧トランス異常検出回路又は二次側回路異常検出
    回路のどちらか一方において異常を検出したときに高圧
    トランスへの電流供給を停止する電流供給停止回路と、 を有し、 高圧トランス及び高圧トランスの出力側の回路において
    異常が発生した際に確実に高圧トランスへの電流供給を
    停止することを特徴する高圧トランス保護回路。
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