JP2505246Y2 - カ―ド搬送機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ 〈産業上の利用分野〉 本考案は、カードを搬送するための機構に関し、特
に、カードの搬送方向に互いに間隔をおいて設けられか
つカードの搬送面に対して直交する軸線回り及び斜めに
傾けられた軸線回りにそれぞれ回動自在に軸支された一
対のプーリ間に掛渡されたベルトと対向押し付け手段と
の間にカードを挾持して搬送するカード搬送機構に関す
る。

〈従来の技術〉 従来、例えば磁気的情報記憶手段としての磁気ストラ
イプを有するカードの読出し或いは書込みを行うための
カードリーダライタに於て、カードを搬送するための機
構としては種々の形式のものがある。例えば同一出願に
よる実願平1-92060号明細書に提案されているように、
一対のプーリ間に掛け渡されたベルトと対向押し付け手
段との間にカードを挾持して搬送するようにしたものが
ある。この搬送機構によると、カード搬送面に直交する
軸線回りに回転する駆動プーリと、カード搬送面に対し
て傾けて軸支された従動プーリとの間に丸ベルトを掛け
渡して、ベルトと対向するガイドローラとの間にカード
を挾持して搬送するようにされている。また、駆動手段
としてのモータにより駆動プーリを駆動して、搬送され
るカードの磁気ストライプに対して磁気ヘッドにより情
報の読出し／書込みを行う。

上記機構に用いられるベルトの材質には、例えばウレ
タンゴムが用いられていたが、上記したようにベルトが
ガイドローラと共働してカードを挟持して搬送するた
め、カードにベルトが接触していることになり、ウレタ
ンゴム製のベルトでは、温度特性、及び走行時のぶれ等
により発生する振動の減衰特性が悪く、情報の読出し／
書込みを行う際のジッタによる影響が大きくなり易いた
め、使用範囲が狭められるという問題があった。

〈考案が解決しようとする課題〉 このような従来技術の問題点に鑑み、本考案の主な目
的は、カード搬送方向に互いに間隔をおいて配設されか
つカードの搬送面に対して直交する軸線回り及び斜めに
傾けられた軸線回りにそれぞれ回動自在に軸支された一
対のプーリ間に掛け渡されたベルトを用いてカードを搬
送する形式のカードリーダライタの使用範囲をより一層
広範囲化し得るカード搬送機構を提供することにある。

［考案の構成］ 〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、本考案によれば、カードを二位置
間で搬送するためのカード搬送機構であって、前記カー
ドの搬送面に直交する軸線回りに回動自在に軸支された
第１のプーリと、前記カードの搬送面に対して斜めに傾
けられた軸線回りに回動自在に軸支された第２のプーリ
と、前記両プーリ間に掛け渡されたベルトと、前記ベル
トを長手方向に駆動する手段と、前記ベルトと共働して
前記カードを挟持して搬送するべく前記搬送面側の前記
ベルトに対向する対向ガイド手段とを有し、前記ベルト
がシリコンゴムからなることを特徴とするカード搬送機
構を提供することにより達成される。

〈作用〉 このようにすれば、扁平モータを用いてカード搬送装
置の薄型化を向上し得ると共に、ガイドローラと共働し
てカードを挟持して搬送するためのベルトの温度特性、
及び走行時のぶれ等により発生する振動の減衰特性が向
上し得るため、使用温度範囲をより一層広範囲化し得る
と共に、カードを搬送しつつ磁気ヘッドにより情報の読
出し／書込みを行う際のジッタの影響を減少することが
できる。

〈実施例〉 以下、本考案の好適実施例を添付の図面について詳し
く説明する。

第１図は、本考案に基づくカード搬送機構が適用され
たカードリーダライタのケーシング１の天板２を取除い
て示す平面図であり、第２図は第１図のII-II線に沿っ
て見た側断面図であり、第３図は、第１図のIII-III線
に沿って見た断面図である。ケーシング１は、偏平であ
って、しかも第１図に於ける左右方向に長い箱型を成
し、ケーシング１の図の右側の端壁には、例えば磁気カ
ード３を挿入するための挿入口４がねじ止めにより取付
けられていると共に、図の左側の後端面を開放されてい
る。挿入口４から挿入されるカード３の両側縁部が、ケ
ーシング１内にて互いに対向しかつ長手方向に沿って設
けられた左右一対のガイド部材５によりケーシング１の
長手方向にスライド自在に受容される。

ケーシング１内には、例えば互いに同一径を成す第１
のプーリとしての駆動プーリ６と第２のプーリとしての
従動プーリ７とが、長手方向であるカード３の搬送方向
に互いに間隔をおいて配置されている。ケーシング１内
の後端部近傍には、ケーシング１の第１図に於ける紙面
に沿うカード３の搬送面に平行する底壁1aに直交して固
設された枢軸により、駆動プーリ６が回動自在に軸支さ
れている。ケーシング１内の挿入口４近傍には、底壁1a
に開設された開口部を介して上面から下面に亘って傾斜
して設けられたブラケット８に固設された枢軸により、
カード搬送方向に直交しかつカード搬送面に対し傾けら
れた軸線回りに回動自在に、従動プーリ７が軸支されて
いる。これら両プーリ６、７間には、例えば円形断面形
状を有するシリコンゴム製のベルト９が掛け渡されてい
る。

駆動プーリ６の底壁1a側には大径ギヤ11が同軸的に固
着されており、大径ギヤ11には、駆動源としての偏平型
モータ13の小径の駆動ギヤ14が歯合している。尚、偏平
型モータ13は、底壁1aの下方に設けられた板状の支持ブ
ラケット12に固設されており、その出力軸に固着された
駆動ギヤ14が底壁1aの上方に臨むようにされている。従
って、図示されない制御回路によりモータ13を正逆転さ
せることにより、駆動プーリ６が駆動されると共にベル
ト９を介して従動プーリ７が駆動されるようになってい
る。

従動プーリ７の天板２側最接近部即ちカード搬送面に
対する最接近部が、駆動プーリ６に対してカード搬送面
に沿いかつカード搬送方向に沿う線に直交する向きに所
定量偏倚するように、両プーリ６、７が配設されてい
る。また、ベルト９の従動プーリ７の天板２側最接近部
と駆動プーリ６の対応する側のベルト巻回端との間の部
分であって、従動プーリ７近傍のベルト９周回路外側に
は、従動プーリ７の上記最接近部に於けるベルト９の周
回路内側から外側に向けてふくらむ変位を防止するため
の側方ガイドローラ15が、底壁1aに直交する軸線回りに
回動自在に軸支されている。また、ベルト９の側方ガイ
ドローラ15と駆動プーリ６との間の直線部分9aが、カー
ド搬送方向に沿うようにされている。

天板２には、基端部を固設された板ばねからなる支持
板22の遊端部により回動自在に支持された押付けローラ
21が、従動プーリ７の天板２側最接近部に対向して設け
られている。この押付けローラ21とベルト９との間にカ
ード３を挾持して、ベルト９を駆動することによりカー
ド３を搬送することができる。

底壁1aには、上記したベルト９の直線部分9aの駆動プ
ーリ６の近傍にＵ字状断面を有するブラケット16が固設
されており、ブラケット16の両突出遊端部間には押出し
ガイドローラ17が回動自在に支持されており、天板２に
は、押出しガイドローラ17に対向する押付けローラ18
が、上記と同様に基端部を天板２に固設された板ばねか
らなる支持板19の遊端部により回動自在に支持されかつ
ベルト９に向けて弾発付勢されている。この押出しガイ
ドローラ17によりベルト９の直線部分9aが、第２図に良
く示されるように底壁1aに対して上方に所定量持ち上げ
られており、押出しガイドローラ17により持ち上げられ
たベルト９と押付けローラ18との間にカードを挾持し
て、上記と同様にベルト９を駆動することによりカード
３を搬送することができる。

また、底壁1aには、側方ガイドローラ15の挿入口４と
は相反する側の近傍に、カードガイド部材23が例えばね
じ止めにより固設されている。このカードガイド部材23
は、薄板材からなり底壁1aから天板２に向けて立設する
ように延出された後、側方ガイドローラ15の突出端と概
ね同レベルの位置で挿入口４側とは相反する側の斜め下
方に向けて曲折されている。従って、ケーシング１の後
端側まで挿入されたカード３を排出する際に、カード３
の挿入口４側端部がカードガイド部材23の斜面部により
ガイドされるため、例えば曲がりのあるカード３の場合
でも、側方ガイドローラ15の突出端部にカード３の端部
が引掛ることを好適に防止できる。

尚、押出しガイドローラ17の側方には、第４図に示さ
れるように、カード３の第１図に於ける裏面に設けられ
た図示されない磁気ストライプに対して情報の読出し／
書込みを行うための磁気ヘッド24が上方に向けて支持さ
れて配設されている。天板２の磁気ヘッド24に対向する
部分には、例えば板ばね29により支持されかつ磁気ヘッ
ド24に向けて弾発付勢された押圧ローラ25が設けられて
いる。また、磁気ヘッド24と挿入口４との間には、パン
チユニット26が配設されており、例えばプリペイドカー
ドにその使用度数に応じた目安としての孔を穿孔するこ
とができる。

また、ケーシング１の挿入口４の近傍には、第１のカ
ード長検出用センサ27aと、モータ始動用センサ27bとが
カード挿入方向にこの順に配設されており、側方ガイド
ローラ15と、押出しガイドローラ17との間には、第２の
カード長検出用センサ27cが配設され、パンチユニット2
6のケーシング１後端側近傍にはパンチ位置検出用セン
サ27dが配設されている。

このようにして構成されたカード搬送機構にあって
は、挿入口４からケーシング１内にカード３が挿入され
ると、モータ始動用センサ27bが作動してモータ13が回
転し、駆動プーリ６が第１図の矢印Ａの向きに駆動され
る。従動プーリ７に巻回されたベルト９の天板２側最接
近部と対向押付けローラ21との間にカード３の先端部が
弾発的に挾持されて、カード３をケーシング１の後方に
向けて搬送することができる。そして、ベルト９の直線
部分9aと、押付けローラ21との間にカード３の先端部が
弾発的に挾持されて搬送される際に、押圧ローラ25によ
り磁気ヘッド24に対してカード３が付勢されて、カード
３の磁気ストライプに対して磁気ヘッド24により情報の
読出し／書込みを行う。

情報の読出し／書込みを行った後には、駆動プーリ６
を第１図の破線の矢印Ｂにより示される向きに駆動する
べくモータ13を上記とは逆向きに回転させることによ
り、挿入口４側に向けてカード３が戻されるため、カー
ド３を排出することができる。

前記したように、ベルト９がシリコンゴム製からなる
ことから、ウレタンゴム製のものに対して、低温時の硬
化や高温時のクリープ等の温度特性を向上し得るため、
より一層広い温度範囲での使用が可能になる。従って、
自動販売機や車載用等の環境条件の厳しい所でも、通常
使用時と同様の性能を確保してカードリーダライタを使
用することができる。また、振動の減衰特性も良好なた
め、カード３搬送中の磁気ヘッド24による読出し／書込
み時に於て、ベルト９駆動時の振動によるジッタの影響
を小さくすることができる。

［考案の効果］ このように本考案によれば、扁平モータを用いてカー
ド搬送装置の薄型化を向上し得ると共に、ガイドローラ
と共働してカードを挟持して搬送するためのベルトの温
度特性、及び走行時のぶれ等により発生する振動の減衰
特性が向上し得るため、カードリーダライタの使用温度
範囲をより一層広範囲化し得ると共に、カード搬送しつ
つ磁気ヘッドにより情報の読出し／書込みを行う際のジ
ッタの影響を減少することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に基づくカード搬送機構が適用された
カードリーダライタのケーシングの天板を取除いて示す
平面図である。 第２図は、第１図のII-II線に沿って見た側断面図であ
る。 第３図は、第１図のIII-III線に沿って見た断面図であ
る。 第４図は、第１図のIV線から見た要部断面図である。 １……ケーシング、1a……底壁 ２……天板、３……カード ４……挿入口、５……カイド部材 ６……駆動プーリ、７……従動プーリ ８……ブラケット、９……ベルト 9a……直線部分、11……大径ギヤ 12……支持ブラケット、14……駆動ギヤ 15……側方ガイドローラ 16……ブラケット、17……押出しガイドローラ 18……押付けローラ、19……支持板 21……押付けローラ、22……支持板 23……カードガイド部材 24……磁気ヘッド、25……押圧パッド 27a……第１のカード長検出用センサ 27b……モータ始動用検出センサ 27c……第２のカード長検出用センサ 27d……パンチ位置検出用センサ 29……板ばね

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−258565（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−78004（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−81308（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−81595（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−232941（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−183436（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−1156（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−13911（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−159457（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−144845（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カードを二位置間で搬送するためのカード
   搬送機構であって、 前記カードの搬送面に直交する軸線回りに回動自在に軸
   支された第１のプーリと、前記カードの搬送面に対して
   斜めに傾けられた軸線回りに回動自在に軸支された第２
   のプーリと、前記両プーリ間に掛け渡されたベルトと、
   前記ベルトを長手方向に駆動する手段と、前記ベルトと
   共働して前記カードを挟持して搬送するべく前記搬送面
   側の前記ベルトに対向する対向ガイド手段とを有し、前
   記ベルトがシリコンゴムからなることを特徴とするカー
   ド搬送機構。