JP2026074767A - 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 - Google Patents
磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器Info
- Publication number
- JP2026074767A JP2026074767A JP2024185298A JP2024185298A JP2026074767A JP 2026074767 A JP2026074767 A JP 2026074767A JP 2024185298 A JP2024185298 A JP 2024185298A JP 2024185298 A JP2024185298 A JP 2024185298A JP 2026074767 A JP2026074767 A JP 2026074767A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic layer
- magnetic
- layer
- magnetoresistive element
- magnetization direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
- Hall/Mr Elements (AREA)
Abstract
【課題】広範囲の磁界に応答可能な磁気抵抗素子等を提供する。
【解決手段】磁気抵抗素子100は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13と、第1磁性層11と第2磁性層12との間に位置する誘電体層20と、第1磁性層11と第3磁性層13との間に位置する第1非磁性層31と、を備える。第1磁性層11は、第2磁性層12と第3磁性層13との間に位置する。第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。第1磁性層11の磁化方向D1と第3磁性層13の磁化方向D3とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。
【選択図】図1
【解決手段】磁気抵抗素子100は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13と、第1磁性層11と第2磁性層12との間に位置する誘電体層20と、第1磁性層11と第3磁性層13との間に位置する第1非磁性層31と、を備える。第1磁性層11は、第2磁性層12と第3磁性層13との間に位置する。第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。第1磁性層11の磁化方向D1と第3磁性層13の磁化方向D3とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。
【選択図】図1
Description
本開示は、磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器に関する。
TMR(Tunnel MagnetoResistance)構造を利用した磁気センサが知られている。特許文献1には、TMR構造として磁性材料からなる2つの自由層と、トンネル障壁層とを有する磁気センサが記載されている。特許文献1に記載されたTMR構造において、2つの自由層の磁化方向は、外部磁界が印加されていない状態で互いに反平行配置が安定である。外部磁界強度が大きくなるにつれ、2つの自由層の磁化方向は外部磁界の方向に近づく。
特許文献1に記載された磁気センサは、外部磁界の大きさに応じて電気抵抗が変化することを利用してセンサとして機能する。特許文献1に記載された磁気センサにおいて、抵抗変化のほとんどは、外部磁界が-10mTから10mTの範囲で生じるため、当該範囲を超える絶対値の大きい外部磁界の変化によっては抵抗変化が生じず、センサとして使用できない。
そこで、本開示では、広範囲の磁界に応答可能な磁気抵抗素子等を提供する。
本開示の一態様に係る磁気抵抗素子は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層であって、前記第1磁性層が、前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に位置するように積層された第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に位置する誘電体層と、前記第1磁性層と前記第3磁性層との間に位置する第1非磁性層と、を備え、前記第1磁性層の磁化方向と前記第2磁性層の磁化方向とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化し、前記第1磁性層の磁化方向と前記第3磁性層の磁化方向とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。
本開示の一態様に係る磁気抵抗素子は、第1反強磁性層と、第4磁性層と、第2非磁性層と、第3磁性層と、第1非磁性層と、第1磁性層と、誘電体層と、第2磁性層と、第3非磁性層と、第5磁性層と、第2反強磁性層と、がこの順に積層された積層構造を有し、前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第3磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている。
本開示の一態様に係る磁気センサは、上記磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子の一端に電気的に接続された第1電極と、前記磁気抵抗素子の他端に電気的に接続された第2電極と、を備える。
本開示の一態様に係る検出器は、上記磁気センサと、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化を検出する。
本開示の一態様に係る検出器は、上記磁気センサと、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化の速度を検出する。
本開示の一態様に係る検出器は、上記磁気センサと、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化の加速度を検出する。
本開示によれば、広範囲の磁界に応答可能な磁気抵抗素子等を提供できる。
(本開示の概要)
本開示の概要として、本開示に係る磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器の例を以下に示す。
本開示の概要として、本開示に係る磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器の例を以下に示す。
例えば、本開示の第1態様に係る磁気抵抗素子は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層であって、前記第1磁性層が、前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に位置するように積層された第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に位置する誘電体層と、前記第1磁性層と前記第3磁性層との間に位置する第1非磁性層と、を備え、前記第1磁性層の磁化方向と前記第2磁性層の磁化方向とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化し、前記第1磁性層の磁化方向と前記第3磁性層の磁化方向とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。
これにより、磁気抵抗素子に外部磁界が印加されることによる第1磁性層11の磁化方向の回転角度は、第3磁性層の磁化方向を基準とする角度になる。ここで、外部磁界が印加されていないときに第1磁性層の磁化方向と第3磁性層の磁化方向とは、反平行状態であるため、磁気抵抗素子に外部磁界が印加されると、第3磁性層の磁化方向は、第1磁性層の磁化方向の回転を打ち消す方向に回転する。そのため、外部磁界によって第1磁性層の磁化方向が回転しにくくなり、本態様に係る磁気抵抗素子では、外部磁界が大きい領域で外部磁界の大きさが変化しても抵抗変化が得られるようになる。よって、本態様に係る磁気抵抗素子は、広範囲の磁界に応答できる。
また、例えば、本開示の第2態様に係る磁気抵抗素子は、第1態様に係る磁気抵抗素子であって、前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第3磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY(Ruderman,Kittel,Kasuya,Yosida)相互作用を発現するように形成されている。
これにより、磁気抵抗素子の応答可能な磁界の範囲を効果的に広げることができる。
また、例えば、本開示の第3態様に係る磁気抵抗素子は、第1態様または第2態様に係る磁気抵抗素子であって、前記第1非磁性層は、ルテニウムを主成分として含み、前記第1非磁性層の厚さは、1.0nm以上5.0nm以下である。
これにより、磁気抵抗素子の応答可能な磁界の範囲を効果的に広げることができる。
また、例えば、本開示の第4態様に係る磁気抵抗素子は、第1態様から第3態様のいずれか1つに係る磁気抵抗素子であって、前記誘電体層は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムアルミニウムを主成分として含む。
これにより、磁気抵抗素子のTMR特性を高めることができる。
また、例えば、本開示の第5態様に係る磁気抵抗素子は、第1態様から第4態様のいずれか1つに係る磁気抵抗素子であって、前記第1磁性層および前記第2磁性層のそれぞれは、コバルト、鉄およびホウ素からなる合金を主成分として含む合金層を有する。
これにより、磁気抵抗素子のTMR特性を高めることができる。
また、例えば、本開示の第6態様に係る磁気抵抗素子は、第1態様から第5態様のいずれか1つに係る磁気抵抗素子であって、磁化方向が1方向に固定された第4磁性層および第5磁性層と、前記第3磁性層を介して前記第1非磁性層に対向する第2非磁性層と、前記第2磁性層を介して前記誘電体層に対向する第3非磁性層と、をさらに備え、前記第4磁性層は、前記第2非磁性層を介して前記第3磁性層に対向し、前記第5磁性層は、前記第3非磁性層を介して前記第2磁性層に対向する。
これにより、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層の磁化方向を容易に規定することができる。
また、例えば、本開示の第7態様に係る磁気抵抗素子は、第6態様に係る磁気抵抗素子であって、前記第2非磁性層は、前記第3磁性層と前記第4磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されており、前記第3磁性層は、前記第2磁性層と前記第5磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている。
これにより、第2磁性層および第3磁性層に対する反強磁性的な交換結合が強くなりすぎず、磁気抵抗素子のTMR特性を高めることができる。
また、例えば、本開示の第8態様に係る磁気抵抗素子は、第6態様または第7態様に係る磁気抵抗素子であって、前記第4磁性層を介して前記第3磁性層に対向する第1反強磁性層と、前記第5磁性層を介して前記第2磁性層に対向する第2反強磁性層と、をさらに備える。
これにより、第4磁性層および第5磁性層の磁化方向を容易に固定することができる。
また、例えば、本開示の第9態様に係る磁気抵抗素子は、第8態様に係る磁気抵抗素子であって、前記第1反強磁性層および前記第2反強磁性層のそれぞれは、マンガンイリジウム合金、マンガンプラチナ合金またはマンガンニッケル合金を主成分として含む。
これにより、第1反強磁性層と第4磁性層との間、および、第2反強磁性層と第5磁性層との間に強固な交換バイアス磁界を生じさせることができる。
また、例えば、本開示の第10態様に係る磁気抵抗素子は、第1反強磁性層と、第4磁性層と、第2非磁性層と、第3磁性層と、第1非磁性層と、第1磁性層と、誘電体層と、第2磁性層と、第3非磁性層と、第5磁性層と、第2反強磁性層と、がこの順に積層された積層構造を有し、前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第3磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている。
これにより、磁気抵抗素子に外部磁界が印加されることによる第1磁性層11の磁化方向の回転角度は、第3磁性層の磁化方向を基準とする角度になる。ここで、第1磁性層と第3磁性層とは反強磁性的に交換結合するので、外部磁界が印加されていないときに第1磁性層の磁化方向と第3磁性層の磁化方向とは、反平行状態となる。その結果、磁気抵抗素子に外部磁界が印加されると、第3磁性層の磁化方向は、第1磁性層の磁化方向の回転を打ち消す方向に回転する。そのため、外部磁界によって第1磁性層の磁化方向が回転しにくくなり、本態様に係る磁気抵抗素子では、外部磁界が大きい領域で外部磁界の大きさが変化しても抵抗変化が得られるようになる。よって、本態様に係る磁気抵抗素子は、広範囲の磁界に応答できる。
また、例えば、本開示の第11態様に係る磁気センサは、第1態様から第10態様のいずれか1つに係る磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子の一端に電気的に接続された第1電極と、前記磁気抵抗素子の他端に電気的に接続された第2電極と、を備える。
これにより、広範囲の磁界に応答できる上記の磁気抵抗素子を用いて磁界を検出できる。
また、例えば、本開示の第12態様に係る磁気センサは、第11態様に係る磁気センサであって、外部磁界が印加されていないときの前記第1磁性層の磁化方向および前記第2磁性層の磁化方向とは異なる方向の磁界成分を検出する。
これにより、磁界成分の検出精度を高めることができる。
また、例えば、本開示の第13態様に係る磁気センサは、第11態様または第12態様に係る磁気センサであって、前記磁気抵抗素子を複数備え、前記複数の磁気抵抗素子は、直列および並列の少なくとも1つの形態で互いに電気的に接続されている。
これにより、磁気抵抗素子の電気抵抗の測定時に磁気抵抗素子に加わる電圧を分散させることができる。
また、例えば、本開示の第14態様に係る検出器は、第11態様から第13態様のいずれか1つに係る磁気センサと、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化を検出する。
これにより、広範囲の磁界に応答できる上記の磁気抵抗素子を備える磁気センサを用いて磁気センサと磁気スケールとの位置変化を検出できる。
また、例えば、本開示の第15態様に係る検出器は、第11態様から第13態様のいずれか1つに係る磁気センサと、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化の速度を検出する。
これにより、広範囲の磁界に応答できる上記の磁気抵抗素子を備える磁気センサを用いて磁気センサと磁気スケールとの位置変化の速度を検出できる。
また、例えば、本開示の第16態様に係る検出器は、第11態様から第13態様のいずれか1つに係る磁気センサと、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化の加速度を検出する。
これにより、広範囲の磁界に応答できる上記の磁気抵抗素子を備える磁気センサを用いて磁気センサと磁気スケールとの位置変化の加速度を検出できる。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
また、図面に示す各種の要素は、本開示の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比および外観などは実物と異なり得る。つまり、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。
また、本明細書において、平行または一致などの要素間の関係性を示す用語、および、円形などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において、「上方」および「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)および下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。「上方」および「下方」などの用語は、あくまでも構成要素間の相互の配置を指定するために用いており、磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器の使用時における姿勢を限定する意図ではない。「下面」および「上面」という用語も同様であり、絶対的な空間認識における上側の面および下側の面を指すものではない。また、「上方」および「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
また、本明細書および図面において、X軸、Y軸およびZ軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。以下では、Z軸の負側を「下方」とし、Z軸の正側を「上方」としている。また、Z軸の負側の面を「下面」とし、Z軸の正側の面を「上面」としている。また、Z軸方向は、磁気抵抗素子における各層の厚さ方向である。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る磁気抵抗素子が説明される。実施の形態1に係る磁気抵抗素子は、例えば、磁気センサに用いられる。
以下、実施の形態1に係る磁気抵抗素子が説明される。実施の形態1に係る磁気抵抗素子は、例えば、磁気センサに用いられる。
[構成]
まず、本実施の形態に係る磁気抵抗素子の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気抵抗素子を示す断面図である。図2は、本実施の形態に係る磁気抵抗素子を示す上面視図である。図1では、図2のI-I線で示される位置での断面が示されている。また、図1では、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3が破線の矢印で模式的に示されている。なお、図1では、見やすさのため、厚さ方向の長さを誇張して図示している。
まず、本実施の形態に係る磁気抵抗素子の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気抵抗素子を示す断面図である。図2は、本実施の形態に係る磁気抵抗素子を示す上面視図である。図1では、図2のI-I線で示される位置での断面が示されている。また、図1では、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3が破線の矢印で模式的に示されている。なお、図1では、見やすさのため、厚さ方向の長さを誇張して図示している。
図1に示されるように、本実施の形態に係る磁気抵抗素子100は、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13と、誘電体層20と、第1非磁性層31と、を備える。第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13、誘電体層20および第1非磁性層31は、それぞれ、薄膜構造である。磁気抵抗素子100は、第3磁性層13と、第1非磁性層31と、第1磁性層11と、誘電体層20と、第2磁性層12と、が下側からZ軸に沿ってこの順で積層された積層構造を有する。磁気抵抗素子100において、上記積層構造の各層の間には別の層は配置されていないが、TMR特性を大きく低下させない範囲で、別の層が配置されていてもよい。また、磁気抵抗素子100の上方または下方に、さらに別の層が積層されてもよい。
図2で示される例では、上方から見た場合の磁気抵抗素子100の平面視形状は、円形である。磁気抵抗素子100の平面視形状は、特に制限されず、楕円形または多角形であってもよい。磁気抵抗素子100の平面視形状における最大幅(平面視形状が円形である場合には直径)は、例えば、0.01μm以上100μm以下である。
磁気抵抗素子100において、第1磁性層11と誘電体層20と第2磁性層12とが積層された部分は磁気トンネル接合構造である。第1磁性層11および第2磁性層12は、誘電体層20に接合され、誘電体層20に接している。第1磁性層11は、第2磁性層12と第3磁性層13との間に位置する。
第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3は、外部磁界に応じて変化する。また、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。外部磁界は、磁気抵抗素子100を利用した磁気センサによる検出の対象となる磁界であり、磁気センサの使用時に、外部磁界から磁気抵抗素子100が受ける磁界の大きさが変化する。第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは、検出対象となる外部磁界とは別で磁気抵抗素子100に印加される一定の磁場によって反平行状態で安定化してもよく、後述するような別の磁性層が磁気抵抗素子100に積層されることにより反平行状態で安定化してもよい。
また、第1磁性層11の磁化方向D1と第3磁性層13の磁化方向D3とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する。第1磁性層11と第3磁性層13とは反強磁性的に交換結合している。
図1で示される例では、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3は、X軸に平行である。また、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3は、磁気抵抗素子100の上面および下面に平行である。
第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれは、単一の材料で構成される層であってもよく、互いに異なる材料で構成される2以上の層を含む複数の層の積層構造を有していてもよい。第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれは、少なくとも強磁性材料で構成される層を含む。第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれは、非磁性材料(例えば、常磁性材料)で構成される層を含んでいてもよい。第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13が複数の層の積層構造を有する場合でも、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13における磁化方向は1つに決まる。本明細書において、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13等の磁性層は、自身に含まれる強磁性材料で構成される1以上の層の磁化方向が統一されている層である。第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれにおいて、自身に含まれる強磁性材料で構成される1以上の層の磁化方向は、外部磁界に応じて同じ方向に変化する。例えば、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13等の磁性層は、非磁性材料で構成される層を含む場合であっても、当該層の厚さは、後述するような第1次の反強磁性的RKKY相互作用が発現するような厚さよりも薄い。
第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれは、全体として強磁性材料を主成分として含む。第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれは、例えば、鉄、コバルトおよびニッケルのうちの少なくとも1つを含む。第1磁性層11および第2磁性層12のそれぞれは、例えば、磁性材料として、鉄、コバルトおよびホウ素からなる合金を主成分として含む合金層を有する。これにより、磁気抵抗素子100のTMR特性を高めることができる。鉄、コバルトおよびホウ素からなる合金を主成分として含む合金層は、例えば、最も誘電体層20に近い位置に配置される。鉄、コバルトおよびホウ素からなる合金の組成比の一例としては、Co:Fe:B=40:40:20である。
第3磁性層13は、例えば、鉄およびコバルトからなる合金を主成分として含む合金層を有する。第1磁性層11および第2磁性層12が、鉄およびコバルトからなる合金を主成分として含む合金層を有していてもよい。鉄およびコバルトからなる合金の組成比の一例としては、Co:Fe=50:50である。
また、第1磁性層11および第2磁性層12に含まれる非磁性材料としては、タンタルもしくはルテニウムまたはタンタルもしくはルテニウムを含む合金等が挙げられる。また、第3磁性層13は、例えば、非磁性材料で構成される層を含まないが、非磁性材料で構成される層を含んでいてもよい。
本明細書において、「主成分」とは、対象となる材料の含有率が50mass%より多いことを意味する。主成分の材料の含有率は、90mass%以上であってもよく、95mass%以上であってもよく、99mass%以上であってもよい。主成分の材料の含有率は、実質的に100%であってもよい。この場合、当該主成分の材料は、不可避の不純物を含みうる。
第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれの厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下である。第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれの厚さは、1nm以上であってもよい。また、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13のそれぞれの厚さは、10nm以下であってもよい。
誘電体層20は、第1磁性層11と第2磁性層12との間に位置する。誘電体層20は、誘電体材料を主成分として含む。誘電体層20は、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムアルミニウムを主成分として含む。酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムアルミニウムの組成式はそれぞれ、MgO、Al2O3およびMgAl2O4である。
誘電体層20の厚さは、例えば、0.1nm以上10nm以下である。
第1非磁性層31は、第1磁性層11と第3磁性層13との間に位置する。第1非磁性層31は、例えば、非磁性材料(例えば、常磁性材料)を主成分として含む。第1非磁性層31に含まれる非磁性材料は、例えば、非磁性金属である。第1非磁性層31は、例えば、ルテニウムを主成分として含む。第1非磁性層31の厚さについては後述する。
[磁気抵抗素子の抵抗変化特性]
次に、本実施の形態に係る磁気抵抗素子100の抵抗変化特性について説明する。
次に、本実施の形態に係る磁気抵抗素子100の抵抗変化特性について説明する。
本実施の形態に係る磁気抵抗素子100では、使用時に、第3磁性層13と第2磁性層12との間の電気抵抗が測定される。電気抵抗の測定方法は、直流測定でもよく、交流測定でもよい。直流測定の場合、電気抵抗の測定方法は、定電圧印加測定でもよく、定電流印加測定でもよい。
第1磁性層11と誘電体層20と第2磁性層12とが積層された構造は、TMR構造または磁気トンネル接合構造と呼ばれる。誘電体層20は、トンネル障壁となる障壁層である。第1磁性層11および第2磁性層12のそれぞれは、外部磁界によって磁化方向が変化する自由層である。
図3は、磁気トンネル接合構造における磁化方向の一例を示す図である。図3では、磁気抵抗素子100を上面視した場合の第1磁性層11の磁化方向D1および第2磁性層12の磁化方向D2が示されている。磁気トンネル接合構造においては、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが成す角度θに応じて、第1磁性層11と第2磁性層12との間の抵抗値が決まる。理想的には抵抗値は1/cosθに依存して決まる。具体的には、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが平行状態(つまり、θが0度)のときに抵抗値は最小となる。また、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが反平行状態(つまり、θが180度)のときに抵抗値は最大となる。
本実施の形態に係る磁気抵抗素子100では、外部磁界が印加されることによって各層の磁化方向が変化する。外部磁界によって第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが成す角度θが変化すると、磁気抵抗素子100の抵抗値が変化する。
図4は、外部磁界による磁気抵抗素子100の抵抗変化を説明するための図である。図4において、縦軸は、磁気抵抗素子100の抵抗を示し、横軸は、磁気抵抗素子100に印加される外部磁界を示す。図4に示されるように、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは、外部磁界に応じて変化する。具体的には、外部磁界の方向が一定で外部磁界の強度が変化したとき、外部磁界が大きくなるにつれて、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは外部磁界の方向に近づき、角度θが小さくなる。
図4の(a)に示されているように、外部磁界が印加されていないとき、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは反平行状態で安定化しているので、磁気抵抗素子100の抵抗値は最大抵抗値Rmaxである。外部磁界が印加され、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが外部磁界の方向に近づくと、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが平行状態に近づくため、磁気抵抗素子100の抵抗値は減少する。つまり、磁気抵抗素子100は、外部磁界が印加されることで、抵抗値が減少する挙動を示す。図4の(b)および(c)に示されるように、外部磁界が大きくなり、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが外部磁界の方向と一致すると、第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは平行状態になるので、磁気抵抗素子100の抵抗値は最小抵抗値Rminとなる。
ここで、磁気抵抗素子100の抵抗変化率の最大値MRは、MR=(Rmax-Rmin)/Rmaxで表すことができ、抵抗変化率の最大値MRが大きいほど、磁気抵抗素子100を用いて高精度な磁界検出が可能になる。磁気抵抗素子100の抵抗変化率の最大値MRは、例えば、50%以上である。磁気抵抗素子100の抵抗変化率の最大値MRは、55%以上であってもよい。磁気抵抗素子100の抵抗変化率の最大値MRの上限は特に制限されないが、磁気抵抗素子100の抵抗変化率の最大値MRは、例えば、80%以下である。
外部磁界の方向によらず、上記の挙動が起こるので、磁気抵抗素子100では、横軸に磁界、縦軸に抵抗をとると釣り鐘状の偶関数的な抵抗変化曲線が得られる。また、図4に示されるように、抵抗変化曲線の頂点(つまり、最大抵抗値Rmax)から引いた抵抗変化曲線の内側の接線が最小抵抗値Rminとなる磁界強度Hkは、磁気抵抗素子100が応答可能な磁界の程度を表す指標として用いることができる。磁界強度Hkが大きいほど、広範囲の磁界に応答可能であると言える。磁気抵抗素子100においては、磁界強度Hkを大きくすることが可能であり、磁気抵抗素子100の磁界強度Hkは、例えば、15mT以上である。磁気抵抗素子100の磁界強度Hkは、20mT以上であってもよい。磁気抵抗素子100の磁界強度Hkの上限は、特に制限されないが、磁気抵抗素子100の磁界強度Hkは、例えば、80mT以下である。
以下、磁気抵抗素子100が広範囲の磁界に応答可能である理由について説明する。
上記のように、磁気抵抗素子100の抵抗値は第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とが成す角度θに応じて決まる。そのため、外部磁界の大きさに対する磁気抵抗素子100の抵抗の変化の仕方は、第1磁性層11の磁化方向D1および第2磁性層12の磁化方向D2の回転の仕方によって決まる。磁気抵抗素子100では、第3磁性層13が存在することで第1磁性層11の磁化方向D1が、外部磁界によって変化しにくいため、外部磁界によって抵抗が変化しにくく、応答可能な磁界の範囲を広げることができる。この点について、図5および図6を用いて説明する。
図5は、第3磁性層13の磁化方向が外部磁界によって変化しない場合の第1磁性層11の磁化方向D1の変化を説明するための図である。図6は、第3磁性層13の磁化方向D3が外部磁界によって変化する場合の第1磁性層11の磁化方向D1の変化を説明するための図である。図5では、磁気抵抗素子100xを上面視した場合の第1磁性層11の磁化方向D1および第3磁性層13の磁化方向D3xが示されている。図6では、磁気抵抗素子100を上面視した場合の第1磁性層11の磁化方向D1および第3磁性層13の磁化方向D3が示されている。また、図6では、外部磁界によって回転する前の第1磁性層11の磁化方向D1が破線の矢印で示されている。また、図5および図6では、外部磁界が印加されていないときの磁化方向D1、D3およびD3xがX軸に平行である磁気抵抗素子100および100xに対して、Y軸方向正側に向く外部磁界が印加された場合が示されている。
外部磁界が印加されると、第1磁性層11の磁化方向D1は、外部磁界の方向に近づくように回転する。ここで、ある大きさの外部磁界が印加されたときの第1磁性層11の磁化方向D1の回転角度は、第3磁性層13の磁化方向D3またはD3xを基準とする角度となり、磁化方向D1は、磁化方向D3またはD3xに対して、角度θ1を成す。図5に示されるように、第3磁性層13の磁化方向D3xが外部磁界によって変化しない場合には、外部磁界が印加されることによる第1磁性層11の磁化方向D1の角度変化量Δθは、角度θ1と等しくなる。角度変化量Δθは、外部磁界が印加される前の磁化方向D1と外部磁界が印加された後の磁化方向D1とが成す角度である。
図6に示されるように、磁気抵抗素子100では、外部磁界が印加されていない状態で第1磁性層11の磁化方向D1と反平行状態で安定化している第3磁性層13の磁化方向D3は、外部磁界によって磁化方向D1の回転を打ち消す方向に回転する。これにより、外部磁界が印加されることによる第1磁性層11の磁化方向D1の角度変化量Δθがみかけ上、磁化方向D1が磁化方向D3に対して成す角度θ1よりも小さくなる。このため、外部磁界が大きくなっても、第1磁性層11の磁化方向D1が外部磁界の方向と平行になりにくくなり、その結果、外部磁界が大きくなることによる磁気抵抗素子100の抵抗変化も継続する。これにより、磁気抵抗素子100では、外部磁界が大きい領域で外部磁界の大きさが変化しても抵抗変化が得られる。そのため、外部磁界が強い環境においても磁気抵抗素子100を用いることができ、例えば、検出対象となる外部磁界の発生源との距離を近づけることができるため、磁気抵抗素子100を用いた装置またはシステム等を小型化できる。また、第3磁性層13を用いずに、第1磁性層11を薄くして、第1磁性層11の磁気モーメントを小さくすることでも、外部磁界によって第1磁性層11の磁化方向D1を回転しにくくすることも可能であるが、この場合には、抵抗変化率の最大値MRが小さくなる。磁気抵抗素子100では、第1磁性層11の厚さとは関係なく、第1磁性層11の磁化方向D1が回転しにくくなるため、抵抗変化率の最大値MRを高めることも可能である。
ここで、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3がどのように回転するかは、第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13に隣接する磁性層との交換結合の強さによって変化する。交換結合が強ければ磁性層の磁化方向はあまり回転しないが、交換結合が弱ければ磁性層の磁化方向はより大きく回転する。第1磁性層11と第3磁性層13との交換結合の強さは、第1磁性層11と第3磁性層13との間に存在する第1非磁性層31の厚さによって決まる。第1非磁性層31の厚さは、例えば、1.0nm以上5.0nm以下である。これにより、磁気抵抗素子100の応答可能な磁界の範囲を効果的に広げることができる。
第1磁性層11と第3磁性層13との交換結合は、第1非磁性層31を介した反強磁性的なRKKY(Ruderman,Kittel,Kasuya,Yosida)相互作用によるものであってもよい。図7は、RKKY相互作用による交換結合エネルギの強さの、非磁性層の厚さに対する依存性の概念図である。図7において、縦軸は、磁性層と非磁性層と磁性層との積層構造における磁性層同士の交換結合の交換結合エネルギを示す。図7において、横軸は、非磁性層の厚さを示す。
図7に示されるように、交換結合エネルギは、非磁性層の厚さの増加と共に減衰振動する。非磁性層の厚さがある範囲においては、磁性層同士に反強磁性的な相互作用が発現し、非磁性層の厚さがある範囲とは別の範囲においては磁性層同士に強磁性的な相互作用が発現する。交換結合エネルギは、非磁性層の厚さに対する依存性において、反強磁性結合および強磁性結合のそれぞれのエネルギにおいて複数のピークを示す。複数のピークのうち、非磁性層の厚さが最も小さい位置のピークは、第1次ピークと称され、非磁性層の厚さが大きくなる順で、ピークの次数が増加する。反強磁性結合のエネルギの第N次ピークに対応する反強磁性的な相互作用は、第N次の反強磁性的RKKY相互作用とも称される。また、強磁性結合のエネルギの第M次ピークに対応する強磁性的な相互作用は、第M次の強磁性的RKKY相互作用とも称される。ここで、NおよびMは、それぞれ、1以上の整数である。
本実施の形態に係る磁気抵抗素子100では、第1非磁性層31は、例えば、第1磁性層11と第3磁性層13とが第2次または第2次よりも高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている。第1非磁性層31は、第1磁性層11と第3磁性層13とが第2次または第3次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されていてもよい。第1磁性層11と第3磁性層13とに第2次または第2次よりも高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現させるための第1非磁性層31の厚さは、第1非磁性層31を構成する非磁性金属の種類によって異なる。例えば、ルテニウムを非磁性金属として用いる場合、1.0nm以上の層の厚さにおいて、第2次または第2次よりも高次の反強磁性的なRKKY相互作用が得られる。
[変形例]
以下、実施の形態1の変形例に係る磁気抵抗素子が説明される。以下の変形例の説明では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
以下、実施の形態1の変形例に係る磁気抵抗素子が説明される。以下の変形例の説明では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図8は、本変形例に係る磁気抵抗素子を示す断面図である。図8では、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3が破線の矢印で模式的に示されている。また、図8では、第4磁性層14および第5磁性層15の磁化方向D4およびD5が実線の矢印で模式的に示されている。なお、図8では、見やすさのため、厚さ方向の長さを誇張して図示している。
図8に示されるように、本変形例に係る磁気抵抗素子101は、実施の形態1に係る磁気抵抗素子100と比較して、第4磁性層14、第5磁性層15、第2非磁性層32、第3非磁性層33、第1反強磁性層41および第2反強磁性層42をさらに備える点で主に相違する。第4磁性層14、第5磁性層15、第2非磁性層32、第3非磁性層33、第1反強磁性層41および第2反強磁性層42のそれぞれは、薄膜構造である。
磁気抵抗素子101は、第1反強磁性層41と、第4磁性層14と、第2非磁性層32と、第3磁性層13と、第1非磁性層31と、第1磁性層11と、誘電体層20と、第2磁性層12と、第3非磁性層33と、第5磁性層15と、第2反強磁性層42と、が下側からZ軸に沿ってこの順で積層された積層構造を有する。第3磁性層13と、第1非磁性層31と、第1磁性層11と、誘電体層20と、第2磁性層12とが積層された部分は、実施の形態1に係る磁気抵抗素子100と同じである。磁気抵抗素子101において、上記積層構造の各層の間には別の層は配置されていないが、TMR特性を大きく低下させない範囲で、別の層が配置されていてもよい。また、磁気抵抗素子101の上方または下方に、さらに別の層が積層されてもよい。
第4磁性層14は、第2非磁性層32を介して第3磁性層13に対向する。第3磁性層13と第4磁性層14とは、第2非磁性層32を介して反強磁性的に交換結合している。また、第4磁性層14は、第3磁性層13を介して第1非磁性層31に対向する。第5磁性層15は、第3非磁性層33を介して第2磁性層12に対向する。第2磁性層12と第5磁性層15とは、第3非磁性層33を介して反強磁性的に交換結合している。また、第5磁性層15は、第2磁性層12を介して誘電体層20に対向する。なお、第3磁性層13と第4磁性層14との交換結合、および、第2磁性層12と第5磁性層15との交換結合は、反強磁性的ではなく、強磁性的であってもよい。
第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれは、単一の材料で構成される層であってもよく、互いに異なる材料で構成される複数の層の積層構造を有していてもよい。第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれは、少なくとも強磁性材料で構成される層を含む。第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれは、非磁性材料(例えば、常磁性材料)で構成される層を含んでいてもよい。第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれは、全体として強磁性材料を主成分として含む。第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれは、例えば、鉄およびコバルトからなる合金を主成分として含む合金層を有する。
第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれの厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下である。第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれの厚さは、1nm以上であってもよい。また、第4磁性層14および第5磁性層15のそれぞれの厚さは、10nm以下であってもよい。
第4磁性層14の磁化方向D4および第5磁性層15の磁化方向D5のそれぞれは、1方向に固定されている。本明細書において、磁化方向が1方向に固定されているとは、実質的に固定されていることを意味し、磁気抵抗素子101が用いられる環境において印加される磁界によって磁化方向が変化しないことを示す。第4磁性層14の磁化方向D4および第5磁性層15の磁化方向D5は、例えば、-100mTから100mTの大きさの外部磁界が印加されたときに磁化方向が変化しない。磁気抵抗素子101は、第4磁性層14および第5磁性層15を備えることにより、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11、第2磁性層12および第3磁性層13の磁化方向D1、D2およびD3を容易に規定することができる。
図8で示される例では、第4磁性層14および第5磁性層15の磁化方向D4およびD5は、X軸に平行である。また、第4磁性層14および第5磁性層15の磁化方向D4およびD5は、磁気抵抗素子101の上面および下面に平行である。また、第4磁性層14の磁化方向D4と第5磁性層15の磁化方向D5とは同じ(平行)である。
第4磁性層14および第5磁性層15の磁化方向D4およびD5を固定する方法としては、例えば、第4磁性層14と第1反強磁性層41との間、および、第5磁性層15と第2反強磁性層42との間に生じる交換バイアス磁界を用いて固定する方法が挙げられる。
1方向の交換バイアス磁界を発生させるため、1方向に外部磁界を印加した状態で熱処理を行う処理が行われてもよい。熱処理中の外部磁界の大きさは、例えば、100mT以上1000mT以下である。また、熱処理の温度は、例えば、摂氏300度以上400度以下である。
第1反強磁性層41は、第4磁性層14を介して第3磁性層13に対向する。第2反強磁性層42は、第5磁性層15を介して第2磁性層12に対向する。第1反強磁性層41および第2反強磁性層42のそれぞれは、反強磁性材料を主成分として含む。第1反強磁性層41および第2反強磁性層42のそれぞれは、例えば、マンガンイリジウム合金、マンガンプラチナ合金またはマンガンニッケル合金を主成分として含む。なお、第4磁性層14の磁化方向D4および第5磁性層15の磁化方向D5が1方向に固定されていれば、磁気抵抗素子101は、第1反強磁性層41および第2反強磁性層42を備えていなくてもよい。
第1反強磁性層41および第2反強磁性層42のそれぞれの厚さは、例えば、1nm以上100nm以下である。
第2非磁性層32は、第3磁性層13を介して第1非磁性層31に対向する。第2非磁性層32は、第3磁性層13と第4磁性層14との間に位置する。第3非磁性層33は、第2磁性層12を介して誘電体層20に対向する。第3非磁性層33は、第2磁性層12と第5磁性層15との間に位置する。第2非磁性層32および第3非磁性層33のそれぞれは、例えば、非磁性材料(例えば、常磁性材料)を主成分として含む。第2非磁性層32および第3非磁性層33のそれぞれに含まれる非磁性材料は、例えば、非磁性金属である。第2非磁性層32および第3非磁性層33のそれぞれは、例えば、ルテニウムを主成分として含む。
第2非磁性層32および第3非磁性層33のそれぞれの厚さは、例えば、1.0nm以上5.0mm以下である。
第2非磁性層32は、例えば、第3磁性層13と第4磁性層14とが第2次または第2次よりも高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている。第3非磁性層33は、例えば、第2磁性層12と第5磁性層15とが第2次または第2次よりも高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている。これにより、第2磁性層12および第3磁性層13に対する反強磁性的な交換結合が強くなりすぎず、磁気抵抗素子101のTMR特性を高めることができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る磁気センサが説明される。具体的には、実施の形態2では、本開示に係る磁気抵抗素子を備える磁気センサが説明される。
以下、実施の形態2に係る磁気センサが説明される。具体的には、実施の形態2では、本開示に係る磁気抵抗素子を備える磁気センサが説明される。
図9は、本実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。図9では、磁気抵抗素子110における誘電体層20の位置が破線で示されている。また、磁気抵抗素子110における外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11(図9において不図示)および第2磁性層12(図9において不図示)の磁化方向D1およびD2が破線の矢印で示されている。
図9に示されるように、本実施の形態に係る磁気センサ200は、磁気抵抗素子110と、下部電極121と、上部電極122と、を備える。磁気抵抗素子110は、例えば、上記の実施の形態1の変形例に係る磁気抵抗素子101であるが、実施の形態1に係る磁気抵抗素子100の構造を含む磁気抵抗素子であれば特に制限されない。
磁気センサ200は、検出対象外部磁場の磁界成分を検出する。検出対象外部磁場の磁界成分は、例えば、磁気抵抗素子110の電気抵抗を示す信号として検出される。図9で示される例では、磁気センサ200が検出する検出対象外部磁場の磁界成分の方向は、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11の磁化方向D1と第2磁性層12の磁化方向D2とは異なる方向である。これにより、磁界成分の検出精度を高めることができる。
例えば、磁気センサ200が検出する検出対象外部磁場の磁界成分の方向は、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11の磁化方向D1および第2磁性層12の磁化方向D2のそれぞれに対して直交する方向であってもよい。
下部電極121および上部電極122のそれぞれは、例えば、薄膜構造である。磁気センサ200では、下部電極121と上部電極122との間に電流を流すことで、磁気抵抗素子110の電気抵抗を測定する。つまり、下部電極121および上部電極122は磁気抵抗素子110の電気抵抗測定用の電極として用いられる。磁気抵抗素子110の電気抵抗を示す信号は、例えば、下部電極121および上部電極122を介して電圧信号または電流信号として出力される。
下部電極121は、第1電極の一例であり、磁気抵抗素子110の一端に電気的に接続される。図9で示される例では、下部電極121は、磁気抵抗素子110の下面に接合されている。上部電極122は、第2電極の一例であり、磁気抵抗素子110の他端に電気的に接続される。図9で示される例では、上部電極122は、磁気抵抗素子110の上面に接合されている。下部電極121および上部電極122の平面視形状は、例えば、磁気抵抗素子110の平面視形状と同じであるが、磁気抵抗素子110の平面視形状と異なっていてもよい。
下部電極121および上部電極122のそれぞれは、例えば、金属層または半導体層である。下部電極121および上部電極122のそれぞれは、単一の材料で構成される層であってもよく、互いに異なる材料で構成される複数の層の積層構造を有していてもよい。また、下部電極121および上部電極122は、板状の電極または基板上に形成された薄膜状の電極であってもよい。
[変形例]
以下、実施の形態2の変形例に係る磁気センサが説明される。以下の変形例の説明では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
以下、実施の形態2の変形例に係る磁気センサが説明される。以下の変形例の説明では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図10は、本変形例に係る磁気センサの第1例を示す斜視図である。図11は、本変形例に係る磁気センサの第2例を示す斜視図である。図12は、本変形例に係る磁気センサの第3例を示す斜視図である。
図10から図12に示されるように、本変形例に係る磁気センサ201A、201Bおよび201Cは、実施の形態2に係る磁気センサ200と比較して、磁気抵抗素子110を複数備える点、および、下部電極121および上部電極122の代わりに下部電極125および上部電極126を備える点で主に相違する。磁気センサ201A、201Bおよび201Cでは、下部電極125と上部電極126との間に電流を流すことで、磁気抵抗素子110の電気抵抗を測定する。
図10から図12に示されるように、磁気センサ201A、201Bおよび201Cでは、複数の磁気抵抗素子110は、1以上の下部電極125および1以上の上部電極126によって、直列および並列の少なくとも1つの形態で互いに電気的に接続されている。これにより、磁気抵抗素子110の電気抵抗の測定時に磁気抵抗素子110に加わる電圧を分散させることができる。
具体的には、磁気センサ201Aでは、複数の磁気抵抗素子110は、下部電極125および上部電極126によって、全てが直列で互いに電気的に接続されている。また、磁気センサ201Bおよび201Cでは、複数の磁気抵抗素子110は、下部電極125および上部電極126によって、直列と並列との組み合わせで互いに電気的に接続されている。なお、複数の磁気抵抗素子110は、全てが並列で互いに電気的に接続されていてもよい。例えば、磁気センサ201Bにおいて、下部電極125同士が電気的に接続されることにより、複数の磁気抵抗素子110の全てが、並列で互いに電気的に接続されていてもよい。
複数の磁気抵抗素子110は、例えば、同一平面(図10から図12ではXY平面)上に配置される。複数の磁気抵抗素子110は、磁気センサ201Aのように、1列に並んでもよく、磁気センサ201Bおよび201Cのように、アレイ状に並んでいてもよい。また、複数の磁気抵抗素子110は、例えば、外部磁界が印加されていないときの、第1磁性層11の磁化方向D1同士および第2磁性層12の磁化方向D2同士が同じになるように配置される。
下部電極125は、第1電極の一例であり、少なくとも1つの磁気抵抗素子110の一端に接続される。図10から図12で示される例では、下部電極125は、少なくとも1つの磁気抵抗素子110の下面に接合されている。上部電極126は、第2電極の一例であり、少なくとも1つの磁気抵抗素子110の他端に接続される。図10から図12で示される例では、上部電極126は、少なくとも1つの磁気抵抗素子110の上面に接合されている。磁気センサ201A、201Bおよび201Cでは、下部電極125および上部電極126の少なくとも一方は、2以上の磁気抵抗素子110を接続している。
下部電極125および上部電極126のそれぞれは、例えば、板状また箔状の導電部材である。下部電極125および上部電極126のそれぞれは、導電性の金属材料または半導体材料を用いて形成される。なお、下部電極125および上部電極126の少なくとも一方は、全体が導電性の材料で形成されていなくてもよく、磁気抵抗素子110に接合される部分が導電性の材料で形成されていればよい。
また、磁気センサ201A、201Bおよび201Cは、上記の磁気センサ200のように、下部電極121および上部電極122の少なくとも一方をさらに備えていてもよく、この場合、下部電極121は、磁気抵抗素子110と下部電極125との間に配置されてもよく、上部電極122は、磁気抵抗素子110と上部電極126との間に配置されてもよい。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3に係る検出器が説明される。具体的には、実施の形態3では、本開示に係る磁気センサを備える検出器が説明される。
以下、実施の形態3に係る検出器が説明される。具体的には、実施の形態3では、本開示に係る磁気センサを備える検出器が説明される。
図13は、本実施の形態に係る検出器を示す斜視図である。図13では、わかりやすさのため、磁気スケール220におけるS極にドットの模様が付されている。また、図13では、磁気センサ210が直方体で模式的に示されている。
図13に示されるように、本実施の形態に係る検出器300は、磁気センサ210と、磁気スケール220と、を備える。磁気センサ210は、例えば、上記の磁気センサ200、201A、201Bまたは201Cであるが、実施の形態1に係る磁気抵抗素子100の構造を含む磁気センサであれば特に制限されない。
磁気スケール220は、磁気センサ210が検出する検出対象外部磁場を発生させる。広範囲の磁界に応答できる磁気抵抗素子100の構造を含む磁気センサ210が検出器300に備えられることで、磁気センサ210と磁気スケール220との距離を短くすることが可能になり、検出器300が設置される装置またはシステム等を小型化できる。
磁気スケール220は、少なくとも1つのN極とS極とが並んだ構造を有する永久磁石で構成される。図13で示される例では、磁気スケール220は、複数のN極とS極とが並んでいる。また、図13で示される例では、Y軸に沿ってN極とS極とは直線状に並んでいる。また、図13では図示されていないが、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11の磁化方向D1および第2磁性層12の磁化方向D2は、例えば、X軸に平行である。つまり、図13で示される例では、外部磁界が印加されていないときの第1磁性層11の磁化方向D1および第2磁性層12の磁化方向D2は、N極とS極とが並ぶ方向に対して直交する。N極とS極とは、曲線状に並んでいてもよく、例えば、円環状に並んでいてもよい。図13で示される例では、磁気スケール220は、磁気センサ210の下方に位置する。
磁気センサ210は、磁気スケール220に対して相対的に移動する。磁気センサ210および磁気スケール220のうち、磁気センサ210のみが動いてもよく、磁気スケール220のみが動いてもよく、磁気センサ210および磁気スケール220の両方が動いてもよい。磁気センサ210の磁気スケール220に対する相対的な移動方向Dmは、磁気スケール220においてN極とS極とが並ぶ方向に平行である。つまり、磁気センサ210は、磁気スケール220においてN極とS極とが並ぶ方向に沿って、磁気スケール220に対して相対的に移動する。磁気センサ210および磁気スケール220の少なくとも一方は、例えば、不図示の駆動機構によって駆動される。駆動機構は、例えば、モータまたはアクチュエータ等である。
検出器300は、磁気センサ210と磁気スケール220との、位置変化、位置変化の速度および位置変化の加速度のうちの少なくとも1つを検出する。検出器300は、例えば、不図示の検出回路を備え、検出回路によって磁気センサ210(磁気センサ210が備える磁気抵抗素子110)の電気抵抗を示す信号を取得する。磁気センサ210は、磁気スケール220においてN極とS極とが並ぶ方向に沿って磁気スケール220に対して相対的に移動する。そのため、磁気センサ210に印加される磁気スケール220による外部磁界の大きさが振動し、上記信号も振動する。
検出器300は、磁気センサ210と磁気スケール220との位置変化を検出する場合には、例えば、上記信号の振動の回数を検出することで位置変化を検出する。また、磁気スケール220が円環状であり、磁気センサ210または磁気スケール220がモータによって回転される場合には、検出器300は、モータの回転位置を検出することも可能である。
また、検出器300は、磁気センサ210と磁気スケール220との位置変化の速度を検出する場合には、例えば、上記信号の振動の頻度(上記信号の周波数または周期)を検出することで位置変化の速度を検出する。
また、検出器300は、磁気センサ210と磁気スケール220との位置変化の加速度を検出する場合には、例えば、上記信号の振動の頻度の変化量(上記信号の周波数または周期の変化量)を検出することで位置変化の加速度を検出する。
(実施例)
以下、本開示が、以下の実施例を参照しながらより詳細に説明される。実施例では、磁気抵抗素子を備える磁気センサが作製され、その特性が評価された。
以下、本開示が、以下の実施例を参照しながらより詳細に説明される。実施例では、磁気抵抗素子を備える磁気センサが作製され、その特性が評価された。
[磁気センサの作製]
以下の説明のようにして、実施例および比較例における磁気抵抗素子を備える磁気センサを作製した。
以下の説明のようにして、実施例および比較例における磁気抵抗素子を備える磁気センサを作製した。
(1)実施例1
基板上に、Ta(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)/IrMn(6)/CoFe(4)/Ru(1.7)/CoFe(4)/Ru(1.7)/CoFe(0.7)/CoFeB(0.5)/Ta(0.2)/CoFeB(2)/MgO(1.8)/CoFeB(2)/Ta(0.2)/CoFeB(0.5)/CoFe(0.7)/Ru(1.7)/CoFe(2.5)/IrMn(8)/Ru(8)構造をスパッタリングによって形成した。「/」は、「/」の左右に記載された材料の層が互いに隣接して積層されていることを示す。また、層の材料は、元素記号で示されている。また、IrMnのように2種類以上の元素記号が並んで表記されている場合には、当該2種類以上の元素記号の元素からなる合金であることを示している。また、元素記号の横の括弧内は、nm単位で示す層の厚さである。これらは、以降の説明においても同様である。
基板上に、Ta(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)/IrMn(6)/CoFe(4)/Ru(1.7)/CoFe(4)/Ru(1.7)/CoFe(0.7)/CoFeB(0.5)/Ta(0.2)/CoFeB(2)/MgO(1.8)/CoFeB(2)/Ta(0.2)/CoFeB(0.5)/CoFe(0.7)/Ru(1.7)/CoFe(2.5)/IrMn(8)/Ru(8)構造をスパッタリングによって形成した。「/」は、「/」の左右に記載された材料の層が互いに隣接して積層されていることを示す。また、層の材料は、元素記号で示されている。また、IrMnのように2種類以上の元素記号が並んで表記されている場合には、当該2種類以上の元素記号の元素からなる合金であることを示している。また、元素記号の横の括弧内は、nm単位で示す層の厚さである。これらは、以降の説明においても同様である。
上記の各層を積層した後に、フォトリソグラフィなどで所定の形状に加工した。その後、上記の積層構造上にTa(5)/Au(100)構造をスパッタリングによって形成し、フォトリソグラフィなどで所定の形状に加工した。さらに、磁場中熱処理として、1方向に700mTの外部磁界を印加した状態で摂氏350度に加熱することで、実施例1における磁気センサを得た。
図14は、実施例1における磁気センサの積層構造を模式的に示す図である。基板上のTa(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)は信号取出し用の下部電極である。その上のIrMn(6)は第1反強磁性層である。その上のCoFe(4)は第4磁性層である。その上のRu(1.7)は第2非磁性層である。その上のCoFe(4)は第3磁性層である。その上のRu(1.7)は第1非磁性層である。その上の、CoFe(0.7)/CoFeB(0.5)/Ta(0.2)/CoFeB(2)は第1磁性層である。その上のMgO(1.8)は誘電体層である。その上のCoFeB(2)/Ta(0.2)/CoFeB(0.5)/CoFe(0.7)は第2磁性層である。その上のRu(1.7)は第3非磁性層である。その上のCoFe(2.5)は第5磁性層である。その上のIrMn(8)は第2反強磁性層である。その上のRu(8)はキャップ層である。その上のTa(5)/Au(100)は信号取出し用の上部電極である。
(2)比較例1
基板上に、Ta(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)/IrMn(6)/CoFe(2)/Ru(2.6)/CoFe(1)/CoFeB(4)/Ta(0.3)/CoFeB(2)/MgO(1.8)/CoFeB(2)/Ta(0.3)/CoFeB(4)/CoFe(1)/Ru(1.7)/CoFe(2)/IrMn(8)/Ru(8)構造をスパッタリングによって形成した。
基板上に、Ta(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)/IrMn(6)/CoFe(2)/Ru(2.6)/CoFe(1)/CoFeB(4)/Ta(0.3)/CoFeB(2)/MgO(1.8)/CoFeB(2)/Ta(0.3)/CoFeB(4)/CoFe(1)/Ru(1.7)/CoFe(2)/IrMn(8)/Ru(8)構造をスパッタリングによって形成した。
上記の各層を積層した後に、フォトリソグラフィなどで所定の形状に加工した。その後、上記の積層構造上にTa(5)/Au(100)構造をスパッタリングによって形成し、フォトリソグラフィなどで所定の形状に加工した。さらに、磁場中熱処理として、1方向に700mTの外部磁界を印加した状態で摂氏350度に加熱することで、比較例1における磁気センサを得た。
図15は、比較例1における磁気センサの積層構造を模式的に示す図である。基板上のTa(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)は信号取出し用の下部電極である。IrMn(6)は第1反強磁性層である。その上のCoFe(2)は第4磁性層である。その上のRu(2.6)は非磁性層である。その上のCoFe(1)/CoFeB(4)/Ta(0.3)/CoFeB(2)が第1磁性層である。その上のMgO(1.8)は誘電体層である。その上のCoFeB(2)/Ta(0.3)/CoFeB(4)/CoFe(1)は第2磁性層である。その上のRu(1.7)は第3非磁性層である。その上のCoFe(2)は第5磁性層である。その上のIrMn(8)は第2反強磁性層である。その上のRu(8)はキャップ層である。その上のTa(5)/Au(100)は信号取出し用の上部電極である。比較例1における磁気センサは、実施例1における磁気センサの第1非磁性層、第3磁性層および第2非磁性層をRu(2.6)の非磁性層に置き換えた積層構造を有する。
(3)比較例2
基板上に、Ta(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)/IrMn(6)/CoFe(4)/Ru(0.8)/CoFe(4)/Ru(1.7)/CoFe(0.7)/CoFeB(0.5)/Ta(0.2)/CoFeB(2)/MgO(1.8)/CoFeB(2)/Ta(0.2)/CoFeB(0.5)/CoFe(0.7)/Ru(1.7)/CoFe(2.5)/IrMn(8)/Ru(8)構造をスパッタリングによって形成した。
基板上に、Ta(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)/IrMn(6)/CoFe(4)/Ru(0.8)/CoFe(4)/Ru(1.7)/CoFe(0.7)/CoFeB(0.5)/Ta(0.2)/CoFeB(2)/MgO(1.8)/CoFeB(2)/Ta(0.2)/CoFeB(0.5)/CoFe(0.7)/Ru(1.7)/CoFe(2.5)/IrMn(8)/Ru(8)構造をスパッタリングによって形成した。
上記の各層を積層した後に、フォトリソグラフィなどで所定の形状に加工した。その後、上記の積層構造上にTa(5)/Au(100)構造をスパッタリングによって形成し、フォトリソグラフィなどで所定の形状に加工した。さらに、磁場中熱処理として、1方向に700mTの外部磁界を印加した状態で摂氏350度に加熱することで、比較例2における磁気センサを得た。
図16は、比較例2における磁気センサの積層構造を模式的に示す図である。基板上のTa(2)/Ru(20)/Ta(2)/Ru(2)は信号取出し用の下部電極である。その上のIrMn(6)は第1反強磁性層である。その上のCoFe(4)は第4磁性層である。その上のRu(0.8)は第2非磁性層である。その上のCoFe(4)は第3非磁性層である。その上のRu(1.7)は第1非磁性層である。その上のCoFe(0.7)/CoFeB(0.5)/Ta(0.2)/CoFeB(2)が第1磁性層である。その上のMgO(1.8)は誘電体層である。その上のCoFeB(2)/Ta(0.2)/CoFeB(0.5)/CoFe(0.7)は第2磁性層である。その上のRu(1.7)は第3非磁性層である。その上のCoFe(2.5)は第5磁性層である。その上のIrMn(8)は第2反強磁性層である。その上のRu(8)はキャップ層である。その上のTa(5)/Au(100)は信号取出し用の上部電極である。比較例2における磁気センサは、実施例1における磁気センサの第2非磁性層の厚さを1.7nmから0.8nmに変更した構成を有する。
[磁気センサにおける磁化方向]
図17は、RKKY相互作用による交換結合エネルギと非磁性層の厚さとの関係を示す図である。図17では、CoFe/Ru/CoFe構造(非磁性層にルテニウムを用いた磁性層の交換結合構造)におけるRKKY相互作用による交換結合エネルギを、ルテニウム層の厚さに対してプロットした結果が示されている。交換結合エネルギが負の場合は、CoFe/Ru/CoFe構造のCoFe層同士が反強磁性結合する。つまり、2つのCoFeの磁化方向が反平行状態であることが安定である。交換結合エネルギが正の場合は、CoFe/Ru/CoFe構造のCoFe層同士が強磁性結合する。つまり、2つのCoFeの磁化方向が平行状態であることが安定である。例えば、交換結合エネルギが負の場合の交換結合エネルギの大きさは以下の様にして求めることができる。例えば、CoFe/Ru/CoFe構造の2つのCoFe層の磁化方向は、外部磁界が印加されていないときには安定状態である反平行状態であるが、印加する外部磁界を大きくすると外部磁界によるエネルギにより2つのCoFe層の磁化方向が平行状態になる。2つのCoFe層の磁化方向が平行状態となったかどうかは磁化測定を行うことで判別できる。平行状態となったときの磁場の大きさをCoFe層の磁気モーメントで割ることで交換結合エネルギを得ることができる。
図17は、RKKY相互作用による交換結合エネルギと非磁性層の厚さとの関係を示す図である。図17では、CoFe/Ru/CoFe構造(非磁性層にルテニウムを用いた磁性層の交換結合構造)におけるRKKY相互作用による交換結合エネルギを、ルテニウム層の厚さに対してプロットした結果が示されている。交換結合エネルギが負の場合は、CoFe/Ru/CoFe構造のCoFe層同士が反強磁性結合する。つまり、2つのCoFeの磁化方向が反平行状態であることが安定である。交換結合エネルギが正の場合は、CoFe/Ru/CoFe構造のCoFe層同士が強磁性結合する。つまり、2つのCoFeの磁化方向が平行状態であることが安定である。例えば、交換結合エネルギが負の場合の交換結合エネルギの大きさは以下の様にして求めることができる。例えば、CoFe/Ru/CoFe構造の2つのCoFe層の磁化方向は、外部磁界が印加されていないときには安定状態である反平行状態であるが、印加する外部磁界を大きくすると外部磁界によるエネルギにより2つのCoFe層の磁化方向が平行状態になる。2つのCoFe層の磁化方向が平行状態となったかどうかは磁化測定を行うことで判別できる。平行状態となったときの磁場の大きさをCoFe層の磁気モーメントで割ることで交換結合エネルギを得ることができる。
図17に示されるように、ルテニウム層の厚さが0.8nmの場合は強い反強磁性結合(第1次の反強磁性的RKKY相互作用)となる。また、ルテニウム層の厚さが1.7nmの場合、弱い反強磁性結合(第2次の反強磁性的RKKY相互作用)となる。また、ルテニウム層の厚さが2.6nmのときは弱い強磁性結合(第2次の強磁性的RKKY相互作用)となる。そのため、実施例1における磁気センサでは、第1非磁性層、第2非磁性層および第3非磁性層はいずれも、弱い反強磁性結合を発現させるように設計されている。また、比較例1における磁気センサでは、第3非磁性層は弱い反強磁性結合を発現させるように設計され、非磁性層は弱い強磁性結合を発現させるように設計されている。また、比較例2における磁気センサでは、第1非磁性層および第3非磁性層は弱い反強磁性結合を発現させるように設計され、第2非磁性層は強い反強磁性結合を発現させるように設計されている。
上記のようにルテニウム層の厚さが設定され、第4磁性層と第1反強磁性層との間、および、第5磁性層と第2反強磁性層との間に交換バイアス磁界が生じることによって、外部磁界が印加されていないときの各磁性層の磁化方向は、図14から図16において矢印で示される方向となる。
[磁気抵抗特性の評価]
上記で得られた磁気センサの上部電極と下部電極との間に30mVの定電圧を印加して抵抗を測定した。抵抗の測定では、磁場中熱処理時の磁界印加方向と直交する方向に電磁石を用いて印加する一様磁場の大きさを変化させながら、測定を行った。図18に、測定した磁気抵抗特性(抵抗-磁界特性)を示す。図18において、縦軸は、抵抗変化率を示し、横軸は、磁気センサに印加される磁界を示す。ここで、抵抗変化率は、(Rmax-R)/Rmaxにより算出される。Rmaxは、図4を用いて説明した最大抵抗値Rmaxであり、Rは抵抗の測定値である。また、測定した磁気抵抗特性から、磁気センサの磁気抵抗素子が応答可能な磁界の程度を表す指標として図4を用いて説明した磁界強度Hkも決定した。実施例1、比較例1および比較例2における磁界強度Hkを表1に示す。表1には、磁界強度Hkに加えて、第3磁性層の有無、第1非磁性層の厚さおよび第2非磁性層の厚さも示されている。
上記で得られた磁気センサの上部電極と下部電極との間に30mVの定電圧を印加して抵抗を測定した。抵抗の測定では、磁場中熱処理時の磁界印加方向と直交する方向に電磁石を用いて印加する一様磁場の大きさを変化させながら、測定を行った。図18に、測定した磁気抵抗特性(抵抗-磁界特性)を示す。図18において、縦軸は、抵抗変化率を示し、横軸は、磁気センサに印加される磁界を示す。ここで、抵抗変化率は、(Rmax-R)/Rmaxにより算出される。Rmaxは、図4を用いて説明した最大抵抗値Rmaxであり、Rは抵抗の測定値である。また、測定した磁気抵抗特性から、磁気センサの磁気抵抗素子が応答可能な磁界の程度を表す指標として図4を用いて説明した磁界強度Hkも決定した。実施例1、比較例1および比較例2における磁界強度Hkを表1に示す。表1には、磁界強度Hkに加えて、第3磁性層の有無、第1非磁性層の厚さおよび第2非磁性層の厚さも示されている。
図18および表1に示されるように、比較例1における磁気センサの磁気抵抗素子の抵抗変化のほとんどは、-10mTから10mTの磁界の範囲で生じており、Hkは8mTである。また、比較例2における磁気センサの磁気抵抗素子の抵抗変化のほとんどは、-25mTから25mTの磁界の範囲で生じており、Hkは14mTである。一方、実施例1における磁気センサの磁気抵抗素子の抵抗変化のほとんどは-50mTから50mTの磁界の範囲で生じており、Hkは24mTである。よって、実施例1における磁気センサでは比較例1および比較例2における磁気センサよりも広い範囲の磁界で抵抗変化が得られるため、広範囲の磁界に応答可能である。これは、上記でも説明したように、実施例1における磁気センサでは、外部磁界による第1磁性層の磁化方向の回転を打ち消すように第3磁性層の磁化方向が回転するためである。一方で、比較例1における磁気センサでは第3磁性層が無いため、実施例1における磁気センサよりも外部磁界によって第1磁性層の磁化方向が回転しやすく、外部磁界によって抵抗が変化しやすかったと考えられる。また、比較例2における磁気センサでは、第2非磁性層の厚さが0.8nmであることによって、第3磁性層が第4磁性層と強く反強磁性結合しているため、第3磁性層が外部磁界によって回転せず、実施例1における磁気センサのような効果が得られなかったと考えられる。
(他の実施の形態)
以上、本開示に係る磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器について、実施の形態(変形例を含む)および実施例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態および実施例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したもの、ならびに、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
以上、本開示に係る磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器について、実施の形態(変形例を含む)および実施例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態および実施例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したもの、ならびに、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る磁気抵抗素子は、磁気センサ等の磁界を検出する種々の用途に利用可能である。
11 第1磁性層
12 第2磁性層
13 第3磁性層
14 第4磁性層
15 第5磁性層
20 誘電体層
31 第1非磁性層
32 第2非磁性層
33 第3非磁性層
41 第1反強磁性層
42 第2反強磁性層
100、101、110 磁気抵抗素子
121、125 下部電極
122、126 上部電極
200、201A、201B、201C、210 磁気センサ
220 磁気スケール
300 検出器
D1、D2、D3、D4、D5 磁化方向
12 第2磁性層
13 第3磁性層
14 第4磁性層
15 第5磁性層
20 誘電体層
31 第1非磁性層
32 第2非磁性層
33 第3非磁性層
41 第1反強磁性層
42 第2反強磁性層
100、101、110 磁気抵抗素子
121、125 下部電極
122、126 上部電極
200、201A、201B、201C、210 磁気センサ
220 磁気スケール
300 検出器
D1、D2、D3、D4、D5 磁化方向
Claims (16)
- 外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層であって、前記第1磁性層が、前記第2磁性層と前記第3磁性層との間に位置するように積層された第1磁性層、第2磁性層および第3磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に位置する誘電体層と、
前記第1磁性層と前記第3磁性層との間に位置する第1非磁性層と、を備え、
前記第1磁性層の磁化方向と前記第2磁性層の磁化方向とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化し、
前記第1磁性層の磁化方向と前記第3磁性層の磁化方向とは、外部磁界が印加されていないときに反平行状態で安定化する、
磁気抵抗素子。 - 前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第3磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY(Ruderman,Kittel,Kasuya,Yosida)相互作用を発現するように形成されている、
請求項1に記載の磁気抵抗素子。 - 前記第1非磁性層は、ルテニウムを主成分として含み、
前記第1非磁性層の厚さは、1.0nm以上5.0nm以下である、
請求項1に記載の磁気抵抗素子。 - 前記誘電体層は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムアルミニウムからなる合金を主成分として含む、
請求項1に記載の磁気抵抗素子。 - 前記第1磁性層および前記第2磁性層のそれぞれは、コバルト、鉄およびホウ素を主成分として含む合金層を有する、
請求項1に記載の磁気抵抗素子。 - 磁化方向が1方向に固定された第4磁性層および第5磁性層と、
前記第3磁性層を介して前記第1非磁性層に対向する第2非磁性層と、
前記第2磁性層を介して前記誘電体層に対向する第3非磁性層と、をさらに備え、
前記第4磁性層は、前記第2非磁性層を介して前記第3磁性層に対向し、
前記第5磁性層は、前記第3非磁性層を介して前記第2磁性層に対向する、
請求項1に記載の磁気抵抗素子。 - 前記第2非磁性層は、前記第3磁性層と前記第4磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されており、
前記第3磁性層は、前記第2磁性層と前記第5磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている、
請求項6に記載の磁気抵抗素子。 - 前記第4磁性層を介して前記第3磁性層に対向する第1反強磁性層と、
前記第5磁性層を介して前記第2磁性層に対向する第2反強磁性層と、をさらに備える、
請求項6に記載の磁気抵抗素子。 - 前記第1反強磁性層および前記第2反強磁性層のそれぞれは、マンガンイリジウム合金、マンガンプラチナ合金またはマンガンニッケル合金を主成分として含む、
請求項8に記載の磁気抵抗素子。 - 第1反強磁性層と、
第4磁性層と、
第2非磁性層と、
第3磁性層と、
第1非磁性層と、
第1磁性層と、
誘電体層と、
第2磁性層と、
第3非磁性層と、
第5磁性層と、
第2反強磁性層と、がこの順に積層された積層構造を有し、
前記第1非磁性層は、前記第1磁性層と前記第3磁性層とが第2次または第2次より高次の反強磁性的RKKY相互作用を発現するように形成されている、
磁気抵抗素子。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子と、
前記磁気抵抗素子の一端に電気的に接続された第1電極と、
前記磁気抵抗素子の他端に電気的に接続された第2電極と、を備える、
磁気センサ。 - 外部磁界が印加されていないときの前記第1磁性層の磁化方向および前記第2磁性層の磁化方向とは異なる方向の磁界成分を検出する、
請求項11に記載の磁気センサ。 - 前記磁気抵抗素子を複数備え、
前記複数の磁気抵抗素子は、直列および並列の少なくとも1つの形態で互いに電気的に接続されている、
請求項11に記載の磁気センサ。 - 請求項11に記載の磁気センサと、
少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、
前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化を検出する、
検出器。 - 請求項11に記載の磁気センサと、
少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、
前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化の速度を検出する、
検出器。 - 請求項11に記載の磁気センサと、
少なくとも1つのN極とS極とが並んだ磁気スケールとを備え、
前記磁気センサと前記磁気スケールとの位置変化の加速度を検出する、
検出器。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024185298A JP2026074767A (ja) | 2024-10-21 | 2024-10-21 | 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 |
| PCT/JP2025/033309 WO2026088674A1 (ja) | 2024-10-21 | 2025-09-22 | 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024185298A JP2026074767A (ja) | 2024-10-21 | 2024-10-21 | 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2026074767A true JP2026074767A (ja) | 2026-05-07 |
Family
ID=99596018
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2024185298A Pending JP2026074767A (ja) | 2024-10-21 | 2024-10-21 | 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2026074767A (ja) |
| WO (1) | WO2026088674A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004039869A (ja) * | 2002-07-03 | 2004-02-05 | Hitachi Ltd | 磁気抵抗センサ、磁気ヘッド、ならびに磁気記録装置 |
| US8049997B2 (en) * | 2008-09-29 | 2011-11-01 | Tdk Corporation | Magnetoresistive element including a pair of free layers coupled to a pair of shield layers |
| JP6967259B2 (ja) * | 2016-12-09 | 2021-11-17 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 高感度面直通電巨大磁気抵抗素子、及びその用途 |
| JPWO2024135038A1 (ja) * | 2022-12-21 | 2024-06-27 |
-
2024
- 2024-10-21 JP JP2024185298A patent/JP2026074767A/ja active Pending
-
2025
- 2025-09-22 WO PCT/JP2025/033309 patent/WO2026088674A1/ja active Pending
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| WO2026088674A1 (ja) | 2026-04-30 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US9644994B2 (en) | Magnetic sensor | |
| JP6189426B2 (ja) | 磁気抵抗歯車センサ | |
| CN1924603B (zh) | 磁场检测装置以及对其进行调整的方法 | |
| CN102741661B (zh) | 磁式位置检测装置 | |
| EP3199964B1 (en) | Magnetic field sensor with permanent magnet biasing technical field of the invention | |
| JP5532166B1 (ja) | 磁気センサおよび磁気センサシステム | |
| US7508196B2 (en) | Magnetic sensor for pointing device | |
| EP3229035B1 (en) | Magnetic field sensor with permanent magnet biasing | |
| EP3199963B1 (en) | Magnetic field sensor with multiple sense layer magnetization orientations | |
| EP3223028B1 (en) | Multiple axis magnetic sensor | |
| JPWO2015033464A1 (ja) | 磁気センサ素子 | |
| US8633555B2 (en) | Magnetic sensor | |
| JP5843079B2 (ja) | 磁気センサおよび磁気センサシステム | |
| JP2016176911A (ja) | 磁気センサ | |
| JP6233722B2 (ja) | 磁界発生体、磁気センサシステムおよび磁気センサ | |
| US10254305B2 (en) | Inertial sensor | |
| JP2018179776A (ja) | 薄膜磁気センサ | |
| EP3236276B1 (en) | Magnetic field sensor with multiple axis sense capability | |
| JP4285695B2 (ja) | 薄膜磁気センサ及び回転センサ | |
| WO2026088674A1 (ja) | 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 | |
| JP2026074774A (ja) | 磁気抵抗素子、磁気センサおよび検出器 | |
| JP5184380B2 (ja) | 磁気検出装置 | |
| JP4874781B2 (ja) | 磁気センサ及びそれを用いた磁気エンコーダ | |
| JP2013047610A (ja) | 磁気平衡式電流センサ | |
| JP5630247B2 (ja) | 回転角センサ |