JP2026000355A - 寿命予測方法、寿命予測装置、及び電気化学システム - Google Patents
寿命予測方法、寿命予測装置、及び電気化学システムInfo
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Abstract
【課題】時間をかけずに電極の寿命を予測すること。
【解決手段】電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得することと、第1の電極の活性部分の総量を時間の関数として表す第1の関数を引数に含む関数であって、電位差を時間の関数として表す第2の関数により、第1の期間の各時刻における電位差の推定値を算出することと、各時刻における測定値に推定値を近づけるデータ同化により第2の関数を修正することと、第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の電位差を、修正後の第2の関数を用いて推定することと、推定した電位差に基づいて第1の電極の寿命を予測することとを含む、寿命予測方法による。
【選択図】図5
【解決手段】電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得することと、第1の電極の活性部分の総量を時間の関数として表す第1の関数を引数に含む関数であって、電位差を時間の関数として表す第2の関数により、第1の期間の各時刻における電位差の推定値を算出することと、各時刻における測定値に推定値を近づけるデータ同化により第2の関数を修正することと、第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の電位差を、修正後の第2の関数を用いて推定することと、推定した電位差に基づいて第1の電極の寿命を予測することとを含む、寿命予測方法による。
【選択図】図5
Description
本発明は、寿命予測方法、寿命予測装置、及び電気化学システムに関する。
水の電気分解により陽極表面から酸素を発生させる酸素発生反応(OER: Oxygen Evolution Reaction)は、二酸化炭素の排出を伴わないグリーン水素を陰極表面から発生させることができるため、グリーン水素の量産技術として注目されている。グリーン水素を大量生産するためには、酸素発生反応により陽極が腐食・劣化するメカニズムを理解し、陽極の寿命を予測することが有用である。そのため、非特許文献1~3のように陽極等の電極の腐食メカニズムについて活発に議論がされているが、定量的に腐食・劣化を予測するのは極めて困難である。実際に実験で寿命を測定する方法も考えられるが、電極の活性が失われてその寿命が尽きるまでに数万時間も要する場合があり、非現実的である。また、OERに限らず、一般的な電気化学反応においても電極の寿命を予測したいという産業界のニーズがある。
F.-M. Li、他6名、"Corrosion chemistry of electrocatalysts"、Advanced Materials、第34巻、第2200840頁、2022年
M.Risch、"Upgrading the detection of electrocatalyst degradation during the oxygen evolution reaction"、Current Opinion in Electrochemistry、第38巻、第101247頁、2023年
Q. Wang、他7名、"Long-term stability challenges and opportunities in acidic oxygen evolution electrocatalysis"、Angewandte Chemie、第135巻、第e202216645頁、2023年
一つの側面では、本発明は、時間をかけずに電極の寿命を予測することを目的とする。
一側面によれば、寿命予測方法は、電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得することと、前記第1の電極の活性部分の総量を時間の関数として表す第1の関数を引数に含む関数であって、前記電位差を時間の関数として表す第2の関数により、前記第1の期間の各時刻における前記電位差の推定値を算出することと、各時刻における前記測定値に前記推定値を近づけるデータ同化により前記第2の関数を修正することと、前記第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の前記電位差を、修正後の前記第2の関数を用いて推定することと、推定した前記電位差に基づいて前記第1の電極の寿命を予測することとを含む。
上記の寿命予測方法において、前記寿命は、修正後の前記第2の関数を用いて推定された前記電位差が許容範囲を超えた第1の時刻と、前記第1の期間における第2の時刻との差でもよい。
上記の寿命予測方法において、前記許容範囲は、修正後の前記第2の関数を用いて推定された前記第1の時刻における前記電位差と、前記第2の時刻における前記電位差の前記測定値との差が閾値以内に収まる範囲でもよい。
上記の寿命予測方法において、前記第2の関数は、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる第1の電流と前記第1の関数とを含む項であって、前記電解液の溶液抵抗と前記第1の電極の電気抵抗とを加算した外部抵抗による電圧降下を前記電位差から減算した電圧を表す項を含んでもよい。
上記の寿命予測方法において、前記第1の電極は、導電性基板と、前記導電性基板の表面に設けられた電極触媒とを有し、前記項は、前記第1の電流と、前記導電性基板から前記電解液に漏れ出る第2の電流との差を含んでもよい。
上記の寿命予測方法において、前記電位差を修正後の前記第2の関数を用いて推定することは、前記第1の電流の値を固定して行われてもよい。
他の側面によれば、寿命予測装置は、電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得する取得部と、前記第1の電極の活性部分の総量ごとの前記電位差を示す関数であって、前記総量として各時刻における前記総量を示す第1の関数を使用した第2の関数により、前記第1の期間の各時刻における前記電位差の推定値を算出する算出部と、各時刻における前記測定値に前記推定値を近づけるデータ同化により前記第2の関数を修正するデータ同化部と、前記第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の前記電位差を、修正後の前記第2の関数を用いて推定する推定部と、推定した前記電位差に基づいて前記第1の電極の寿命を予測する予測部と、を含む。
別の側面によれば、電気化学システムは、電解液と、前記電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極とを備えた電解セルと、前記第1の電極の寿命を予測する寿命予測装置とを有し、前記寿命予測装置は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得する取得部と、前記第1の電極の活性部分の総量を時間の関数として表す第1の関数を引数に含む関数であって、前記電位差を時間の関数として表す第2の関数により、前記第1の期間の各時刻における前記電位差の推定値を算出する算出部と、各時刻における前記測定値に前記推定値を近づけるデータ同化により前記第2の関数を修正するデータ同化部と、前記第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の前記電位差を、修正後の前記第2の関数を用いて推定する推定部と、推定した前記電位差に基づいて前記第1の電極の寿命を予測する予測部と、を含む。
本発明によれば、時間をかけずに電極の寿命を予測することができる。
(本実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の符号を付し、その説明を省略する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の符号を付し、その説明を省略する。
まず、本実施形態の基礎となる事項について説明する。
図1は、本実施形態に係る電解セルの構成図である。電解セル1は、酸素発生反応(OER)、酸素還元反応、水素発生反応、二酸化炭素還元反応、及びアンモニア合成等の任意の電気化学反応を生じさせるセルである。この例では、電解セル1は、容器2、参照電極3、作用電極4、及びポテンショスタット5を備える。
図1は、本実施形態に係る電解セルの構成図である。電解セル1は、酸素発生反応(OER)、酸素還元反応、水素発生反応、二酸化炭素還元反応、及びアンモニア合成等の任意の電気化学反応を生じさせるセルである。この例では、電解セル1は、容器2、参照電極3、作用電極4、及びポテンショスタット5を備える。
容器2には、酸性、中性、及びアルカリ性の任意の液性の電解液6が溜められており、その電解液6中に参照電極3と作用電極4が浸漬される。
作用電極4は、第1の電極の一例であって、チタン基板等の導電性基板4bと、その表面に設けられた電極触媒4aとを備える。電極触媒4aの材料は特に限定されない。例えば、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化コバルト、及び酸化ルテニウム等の金属酸化物を電極触媒4aとして採用し得る。
一方、参照電極3は、第2の電極の一例であって、金属の表面を金属化合物で被覆した部材からなる。その部材を(金属)/(金属化合物)で表す場合、例えばAg/AgCl、Hg/Hg2SO4、及びHg/HgO等を参照電極3として使用し得る。更に、可逆水素電極を参照電極3として使用してもよい。
ポテンショスタット5は、各電極3、4の間を流れる電流Iを固定した状態で各電極3、4の間の電位差Eappを測定し、電位差Eappを含む測定信号Pを出力する。測定信号Pは、アナログ信号でもデジタル信号でもよい。ここでは、ポテンショスタット5は、CSV形式やテキスト形式等の任意のフォーマットのファイル形式にエンコードされた測定信号PをLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークに送信する。
ここで、参照電極3と作用電極4との間を流れる電流Iは、式(1)のBulter-Volmer方程式で記述できる。
式(1)におけるk0は、各電極3、4を電解液6に浸漬した時点における見かけ上の頻度因子である。また、cは、導電性基板4aから電解液6に漏れ出る電流であって、第2の電流の一例である。αは、次の式(2)で定義される電荷移動係数である。
式(2)におけるα0は透過係数であり、Fはファラデー定数である。また、Rは気体定数であり、Tは絶対温度である。そして、式(1)のS(t)は、電極触媒4aにおいてカソード反応に寄与する活性部分の時刻tでの総量であり、単位はmolである。更に、Eは、外部抵抗による電圧降下を前述の電位差Eappから減算した電圧である。外部抵抗は、電解液6の溶液抵抗と作用電極4の電気抵抗とを加算した抵抗である。式(1)を電圧Eについて解くと、次の式(3)が得られる。
電圧Eは次の式(3)のように分解できる。
式(4)において、Eappは、前述のように参照電極3と作用電極4との間の電位差である。また、Ruは、電解液6の溶液抵抗と作用電極4の電気抵抗とを合わせた外部抵抗である。
外部抵抗Ruは時間によって変化するが、ここでは次の式(5)のように時間tに対して線形に外部抵抗Ruが変化すると近似する。
式(5)において、R0は、t=0における外部抵抗の値である。また、rRWE,1は比例定数である。
式(4)、(5)を式(1)に代入すると、電位差Eappについて次の表式が得られる。
式(6)は、水素発生反応や酸素発生反応等の電気化学反応の種類や電解液の液性を問わずに成立し、引数の総量S(t)の時間変化に伴う電位差Eappの変化を記述する。本実施形態では、式(6)に基づいて各電極3、4の電位差の推定値を算出する。そのため、式(6)で得られた電位差Eappを推定値とも呼ぶ。また、式(6)の電位差Eappを時間tの関数と見る場合は、電位差Eappを関数Eappとも呼ぶ。関数Eappは、電位差を時間の関数として表す第2の関数の一例である。
また、式(6)の右辺第1項は、式(3)の電圧を表す。一方、右辺第2項は、電流Iと外部抵抗Ruとの積に等しく、外部抵抗Ruに起因した電圧降下を表す。
なお、関数Eappの形は式(6)に限定されない。引数として総量S(t)を含む関数であって、電位差の測定値を良好に再現できる任意の関数を関数Eappとして採用し得る。例えば、電位差の測定値と推定値との差を補正するための補正係数を式(6)に加算したり乗算したりしてもよい。
次に、式(6)のS(t)の具体的な形について説明する。
まず、図1の系の反応速度rを次の式(7)で表す。
但し、kdisは電極分解の反応速度定数であり、xは反応次数である。ここで、Bulter-Volmer方程式の描像に基づき、反応速度定数kdisを更に次の式(8)で表す。
式(8)中のEapp-IRuは、式(5)、(6)を用いて次の式(9)のように書ける。
式(9)を式(8)に代入すると、kdisを式(10)で表すことができる。
これを式(7)に代入すると、反応速度rを式(11)で表すことができる。
ここで、k’とx’を次の式(12)、(13)で定義する。
式(12)、(13)を式(11)に代入すると、反応速度rは式(14)の形となる。
一方、反応速度rは、活性部分の総量S(t)の負の時間微分として式(15)のように定義することもできる。
式(15)の微分方程式の初期条件を式(16)のようにおく。
この初期条件の下での微分方程式(15)の解は式(17)のようになる。
実際、式(17)の両辺をtで微分すると、
となる。
式(17)の関数S(t)は、活性部分の総量Sを時間の関数として表す第1の関数の一例である。式(17)の総量S(t)を式(6)に代入することで、式(6)の関数Eappのt依存性を露に書き下すことができる。
本願発明者は、式(6)の関数Eappによって各電極3、4の間の電位差の測定値をどの程度良好にフィッティングできるかを調査した。その結果を図2(a)~(c)に示す。
図2(a)~(c)は、式(6)の関数Eappで各電極3、4の間の電位差の測定値をフィッティングした結果を示すグラフである。そのグラフの横軸は、電解液6に各電極3、4を浸漬してからの経過時間を示す。また、縦軸は各電極3、4の電位差を示す。
この調査では、作用電極4の寿命が尽きた後も電位差の測定を継続し、その測定期間の全期間において、推定値が実測値に近づくように関数Eappに含まれる種々のパラメータを調節した。
また、電解液6の液性は、pH0の酸性(図2(a))、pH7の中性(図2(b))、及びpH14のアルカリ性(図2(c))とした。いずれの液性でも作用電極4の電極触媒4aとして酸化ルテニウムを使用し、導電性基板4bとしてチタン板を使用した。参照電極3については、酸性の場合(図2(a))はHg/Hg2SO4とし、中性の場合(図2(b))はAg/AgClとした。また、アルカリ性の場合(図2(c))はHg/HgOとした。
図2(a)~(c)において、点線が測定値を示し、実線が式(6)による推定値を示す。これらの図に示すように、電解液6の液性の如何を問わずに、式(6)の関数Eappで各電極3、4の間の電位差を良好にフィッティングできることが明らかとなった。
図2(a)~(c)の調査では、作用電極4の寿命が尽きた後もフィッティングを行ったが、これでは作用電極4の寿命が尽きる前にその寿命を予測することができない。そこで、本実施形態では、以下のようにして作用電極4の寿命が尽きる前の期間においてデータ同化で関数Eappの各パラメータを最適化し、最適化後の関数Eappを用いて作用電極4の寿命を予測する。
図3は、本実施形態に係る寿命予測装置の機能構成図である。
寿命予測装置10は、サーバやPC(Personal Computer)等の計算機であって、通信部11、制御部12、及び記憶部13を備える。
通信部11は、インターネットやLAN等のネットワークに寿命予測装置10を接続するためのインターフェースである。
制御部12は、寿命予測装置10の各部を制御する処理部である。一例として、制御部12は、取得部21、算出部22、データ同化部23、推定部24、予測部25、提示部26、及び入力受付部27を備える。
取得部21は、各電極2、4の電位差の時刻tごとの測定値ytを取得する。例えば、取得部21は、通信部11を介してポテンショスタット5の測定信号Pを1分~5分程度の間隔をおいて取得する。そして、取得部21は、時刻tごとの測定値ytを示す測定データ14を生成し、その測定データ14を記憶部13に格納する。
この例では、取得部21が電位差の測定値の取得を開始する開始時刻tstartは、電解液6に各電極3、4を浸漬した浸漬時刻t0に等しい。なお、浸漬時刻t0から2h以上40h以下の時間が経過した時刻を開始時刻tstartとしてもよい。
また、取得部21が電位差の取得を終了する終了時刻tendは、作用電極4の寿命が到来する前であれば特に限定されない。作用電極4の材料や電解液6の種類にもよるが、終了時刻tendは、例えば開始時刻tstartから1h以上150h以下の時間が経過した時刻である。開始時刻tstartから終了時刻tendに至る期間は、取得部21が電位差の測定値を取得する第1の期間T1の一例である。
算出部22は、式(6)に基づいて、第1の期間T1の各時刻tにおける電位差Eappを電極3、4間の電位差の推定値xtとして算出する。ここで、式(6)にはα、k0、I、c、R0、rRWE,1の各パラメータが含まれる。このうち、電流Iは、シミュレーション対象としてユーザが希望する値に設定する。また、cとR0については、予め実験で求めておいた値を採用する。更に、本願発明者が行った外部抵抗Ruの測定結果によれば、rRWE,1はゼロに近似できることが分かったため、この例ではrRWE,1をゼロに設定する。
一方、式(6)の総量S(t)には、式(17)におけるk’、x’、Smaxの各パラメータが含まれる。このうち、Smaxとしては、実験で予め求めておいた値を採用する。
上記した式(6)、(17)における各パラメータのうち、実験では決められないパラメータα、k0、k’、x’が、データ同化における最適化の対象となるパラメータである。これらのパラメータα、k0、k’、x’の初期値はモデルパラメータ15として記憶部13に格納される。これらの初期推定値は任意の値でもよいが、系の特性に合わせた値にユーザが設定するのが好ましい。
また、算出部22は、α、k0、k’、x’の各パラメータの初期推定値を用いて第1の期間T1の各時刻における電位差Eappを算出する。
データ同化部23は、データ同化により式(6)の関数Eappを修正する。例えば、データ同化部23は、第1の期間T1の各時刻tにおける測定値ytと推定値xtの各々を確率変数として扱い、測定値ytに推定値xtが近づくように各パラメータα、k0、k’、x’を最適化する。その後、データ同化部23は、モデルパラメータ15に含まれる各パラメータを最適化後の値に更新する。
なお、電流Iは、最適化の対象ではなく、モデル同化の最中はその値は固定される。また、パラメータα、k0、k’、x’の全てをデータ同化による最適化の対象とするのではなく、そのうちの一部は固定値としてもよい。
データ同化のアルゴリズムは特に限定されない。本実施形態では、以下の論文1に示されるDMC-TPE(Data assimilation method Minimizing a four-dimensional Cost function using Tree-structured Parzen Estimator)でデータ同化を行う。
(論文1) A.Ishii、他2名、“DMC-TPE:Tree-structured Parzen estimator-based efficient data assimilation method for phase-field simulation of solid-state sintering”、Science and Technology of Advanced Materials:Methods、第3巻、第2239133頁、2023年
DMC-TPEを適用するために、式(6)の電位差Eappをモデル作用素Mを使って次の式(19)のように書く。
xtは、式(6)から推定される電位差Eappの推定値であって、スカラ値である。なお、スカラ値のxtに代えて、xtと時間微分dEapp/dtとを要素にもつベクトルを採用してもよい。また、x0は、最適化対象のパラメータα、k0、k’、x’を要素とする状態ベクトルであって、次の式(20)のように書ける。
式(19)のモデル作用素Mは、状態ベクトルx0と時刻tとに対応した電位差xtを求める作用素である。DMC-TPEにおいて、xtがスカラ値である場合は、最尤推定法に基づき導出される次の式(21)のコスト関数Jが最小となるように状態ベクトルx0を決定する。
但し、x0
bは、各パラメータの初期推定値を要素とする補助ベクトルである。各パラメータの初期推定値をチルダ「~」を付して表すと、補助ベクトルx0
bは次の式(22)のように書ける。
また、式(21)のytは、時刻tにおける電位差の測定値である。Bは、各パラメータα、k0、k’、x’のバックグラウンド誤差からなる4行4列の共分散行列である。そして、Rtは、測定値ytに含まれる測定誤差である。
なお、データ同化の手法は論文1のDMC-TPEに限定されず、DMC-TPE以外のデータ同化手法も採用し得る。例えば、本実施形態で採用できる他の有力な候補として、3次元変分法や、以下の論文2に示されるDMC-BO(DMC using Bayesian Optimization)がある。
(論文2) A.Ishii、他3名、“Efficient estimation of material parameters using DMC-BO:Application to phase-field simulation of solid-state sintering”、Materials Today Communications、第30巻、第103089頁、2022年
推定部24は、第1の期間T1よりも後の第2の期間T2における各時刻tでの電極3、4間の電位差を、データ同化で修正した式(6)の関数Eappを用いて推定する。一例として、推定部24は、修正後の式(6)により、第2の期間T2の各時刻tにおける電位差Eappを電極3、4間の電位差の推定値ztとして算出する。
予測部25は、推定値ztに基づいて、作用電極4の寿命を予測する。例えば、予測部25は、電位差の推定値ztが許容範囲を超えた第1の時刻tlifeと、第1の期間T1における第2の時刻tbaseとの差(tlife-tbase)を寿命として予測する。なお、推定値ztの許容範囲は、第1の時刻tlifeにおける電位差の推定値ztと、第2の時刻tbaseにおける電位差の測定値ybaseとの差が閾値ΔVth以内に収まる範囲である。閾値ΔVthは特に限定されないが、例えば0.7Vである。
提示部26は、予測部25が予測した作用電極4の寿命をユーザに提示する。例えば、提示部26は、寿命予測装置10に接続された液晶ディスプレイ等の表示装置30に寿命を表示する。
入力受付部27は、寿命予測装置10に接続されたキーボードやマウス等の入力装置40に対してユーザが行った入力操作を受け付ける。例えば、ユーザは、前述の各パラメータc、R0、Smaxの各々の実験値と、補助ベクトルx0
b(式(22))の各要素であるα、k0、k’、x’の初期推定値と、シミュレーション希望の電流Iの値とを入力装置40に入力する。この入力操作を受けて、入力受付部27は、これらのパラメータの値を記憶部13にモデルパラメータ15として格納する。
なお、パラメータα、k0、k’、x’の全てをデータ同化による最適化の対象とせず、そのうちの一部のパラメータを固定する場合は、そのパラメータの固定値の入力を入力受付部27が受け付けてもよい。その場合、入力受付部27は、固定値を記憶部13に格納すると共に、当該固定値に係るパラメータを最適化の対象にはしない指示をユーザから受け付ける。
記憶部13は、前述の測定データ14とモデルパラメータ15とを記憶する。
次に、寿命予測装置10が行う処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態に係る寿命予測装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図4は、本実施形態に係る寿命予測装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。
この処理は、例えばユーザが入力装置40に対して行った処理開始の指示を入力受付部27が受け付けると開始する。
まず、入力受付部27は、各パラメータc、R0、Smaxの各々の実験値と、補助ベクトルx0
b(式(22))の各要素であるα、k0、k’、x’の初期推定値の入力を受け付け、これらをモデルパラメータ15として記憶部13に格納する(ステップS1)。
次に、入力受付部27は、シミュレーション希望の電流Iの値の入力を受け付け、これをモデルパラメータ15に含めて記憶部13に格納する(ステップS2)。
続いて、取得部21は、開始時刻tstartから終了時刻tendまでの第1の期間T1における時刻tごとの各電極2、4の電位差の測定値ytをポテンショメータ5から取得する(ステップS3)。なお、開始時刻tstart、終了時刻tend、及び測定値ytの取得間隔は、例えばユーザが入力装置40を操作して記憶部13に事前に格納する。
次に、算出部22は、式(6)に基づいて、第1の期間T1の各時刻tにおける電位差Eappを電極3、4間の電位差の推定値xtとして算出する(ステップS4)。このとき、式(6)に含まれるcとR0と、式(17)に含まれるSmaxとしては、ステップS1で取得した実験値が使用される。また、α、k0、k’、x’については、ステップS1で取得した初期推定値が使用される。そして、式(6)の電流Iとしては、ステップS2で取得したシミュレーション希望の値を使用する。
次いで、データ同化部23は、DMC-TPE等のデータ同化により式(6)の関数Eappを修正する(ステップS5)。例えば、データ同化部23は、前述の式(21)のコスト関数Jが最小となるようにパラメータα、k0、k’、x’を最適化することで、各時刻tにおける測定値ytに推定値xtを近づける。その後、データ同化部23は、モデルパラメータ15に含まれる各パラメータα、k0、k’、x’を最適化後の値に更新する。
続いて、推定部24は、第1の期間T1よりも後の第2の期間T2における各時刻tでの電極3、4間の電位差を、ステップS3で修正した式(6)の関数Eappを用いて推定する(ステップS6)。例えば、推定部24は、モデルパラメータ15に含まれる更新後のパラメータα、k0、k’、x’を記憶部13から読み出し、これらのパラメータを用いた修正後の式(6)を特定する。そして、推定部24は、特定した式(6)を用いて、第2の期間T2の各時刻tにおける電位差Eappを電極3、4間の電位差の推定値ztとして算出する。
次に、予測部25は、推定値ztに基づいて作用電極4の寿命を予測する(ステップS7)。例えば、予測部25は、修正後の式(6)の関数Eappを用いて推定した電位差の推定値ztが許容範囲を超えた第1の時刻tlifeと、第1の期間T1における第2の時刻tbaseとの差(tlife-tbase)を寿命として予測する。第2の時刻tbaseは、第1の期間T1における時刻であれば特に限定されない。この例では第2の時刻tbaseとして、取得部21が電位差の測定値を取得する開始時刻tstartを採用する。また、予測部25は、電位差の推定値ztと第2の時刻tbaseにおける測定値ybaseとの差が閾値ΔVthを超えた第1の時刻tlifeを算出して、上記の差(tlife-tbase)を寿命として予測する。閾値ΔVthは、前述のように例えば0.7Vである。
次いで、提示部26は、ステップS5で予測した寿命をユーザに提示する(ステップS8)。一例として、提示部26は、予測した寿命を表示装置30に表示する。
以上により、本実施形態に係る寿命予測装置が行う基本的な処理を終える。
次に、実施例について説明する。
図5は、実施例に係るグラフである。そのグラフの横軸は、各電極3、4の電位差の測定値の取得を開始する開始時刻tstartからの経過時間を示す。また、縦軸は各電極3、4の電位差を示す。
図5は、実施例に係るグラフである。そのグラフの横軸は、各電極3、4の電位差の測定値の取得を開始する開始時刻tstartからの経過時間を示す。また、縦軸は各電極3、4の電位差を示す。
この例では、pHが7でモル濃度が1MのKPi溶液を電解液6として使用した。また、参照電極3としてAg/AgClを使用した。更に、作用電極4の導電性基板4bとしてチタン板を使用し、電極触媒4aとして酸化ルテニウムを使用した。その電極触媒4bが電解液6と接する電極面積は0.1cm2以上0.5cm2以下とした。
この例では、開始時刻tstartを、各電極3、4を電解液6に浸漬した浸漬時刻t0から12hが経過した時刻とした。
また、各電極3、4間の電位差の測定とデータ同化とを行う第1の期間T1は150hとした。なお、この例では、比較のために、第1の期間T1を経過した後も各電極3、4間の電位差の測定を行った。図5ではその測定値を点線で示している。また、各電極3、4間の電位差の推定を行う第2の期間T2は180hとした。
更に、パラメータc、R0、Smaxの実験値として以下の値を採用した。
c=1×10-6A
R0=3.0775 Ω
Smax=1.25×10-6mol
c=1×10-6A
R0=3.0775 Ω
Smax=1.25×10-6mol
また、シミュレーション対象としてユーザが希望する電流Iは0.025Aに設定した。
このような系に対して図4のフローチャートに従って寿命予測装置10が処理を行った。また、式(6)、(17)の各パラメータα、k0、k’、x’のうち、ステップS5のデータ同化による最適化の対象はα、k0、k’とし、x’については最適化せずに0.1に固定した。その結果、ステップS5のデータ同化により各パラメータα、k0、k’の最適化後の値は次の通りとなった。
α=6.94547 V-1
k0=0.28954 A mol-1
k’=1.64427×10-8h-1
α=6.94547 V-1
k0=0.28954 A mol-1
k’=1.64427×10-8h-1
これらの最適化後のパラメータを用いて寿命予測装置10がステップS6を実行し、第2の期間T2における電位差の推定値ztを算出した。図5では、推定値ztを第2の期間T2における実線で示している。なお、第1の期間T1における実線は、ステップS4で算出した推定値xtを示す。
その後、寿命予測装置10がステップS7を実行し、作用電極4の寿命を予測した。予測の結果、電極3、4間の電位差の推定値ztと、第2の時刻tbase(=tstart=0h)における測定値ybaseとの差(zt-ybase)が閾値ΔVth(=0.7V)を超える第1の時刻tlifeは324hとなった。これにより作用電極4の寿命は、324h(=tlife-tbase)となった。この値は、点線で示す測定値を用いた場合と略同じである。
これにより、電位差を測定する第1の期間T1の長さが、予想される寿命(324h)の半分未満の150hであっても、高精度に寿命を予測することができることが分かった。
以上説明した本実施形態によれば、第1の期間T1において各電極3、4間の電位差の測定値ytを取得し、その測定値ytを利用したデータ同化で式(6)の関数Eappを修正する(ステップS5)。そのため、第1の期間T1以降に測定値ytを取得しなくても、修正後の式(6)の関数Eappに基づいて作用電極4の寿命を予測できる。その結果、作用電極4が実際に寿命を迎える前に、その寿命を時間をかけずに予測することができる。
これにより、例えばOERにおいては、電極触媒4aごとに寿命を予測することで、長期にわたってグリーン水素を生産できる電極触媒4aをユーザが探索することができ、ひいては二酸化炭素の排出を抑えた地球環境にやさしいグリーン水素を長期間にわたって生産できるという実用的な応用をもたらすことができる。
しかも、ステップS2で取得した値に電流Iを固定して寿命を予測するため、ユーザが希望する電流Iにおける寿命を予測することができる。
更に、式(6)の関数Eappの右辺第1項は、外部抵抗Ruによる電圧降下を電極3、4間の電位差から減算した電圧を表す項(式(3))である。そのため、外部抵抗Ruによる電圧降下を加味して寿命を予測することができる。
また、式(6)の関数Eappの右辺第1項は、電極3、4間を流れる電流Iと、導電性基板4bから電解液6に漏れ出る電流Cとの差(I-C)を含む。そのため、電極3、4間を流れる電流Iだけでなく、電解液6に漏れ出る電流Cを加味して寿命を予測することができる。
次に、比較例について説明する。
図6(a)、(b)は、比較例に係るグラフである。本実施形態とは異なり、比較例ではデータ同化を行わなかった。
図6(a)、(b)は、比較例に係るグラフである。本実施形態とは異なり、比較例ではデータ同化を行わなかった。
図6(a)は、データ同化を行わずに、フィッティングにより式(6)の関数Eappによる推定値を測定値ytに近づけた場合のグラフである。このグラフの横軸は電解液6に各電極3、4を浸漬してからの経過時間を示す。また、縦軸は、各電極3、4間の電位差を示す。
この例では、pHが7でモル濃度が1MのKPi溶液を電解液6として使用した。また、参照電極3の材料としてAg/AgClを使用した。更に、作用電極4の導電性基板4bとしてチタン板を使用し、電極触媒4aとして酸化ルテニウムを使用した。その電極触媒4bが電解液6と接する電極面積は0.25cm2とした。
更に、パラメータc、R0、Smaxの実験値として以下の値を採用した。
c=1×10-6±0A
R0=3.0775±0Ω
Smax=1.25×10-6±0mol
c=1×10-6±0A
R0=3.0775±0Ω
Smax=1.25×10-6±0mol
また、電流Iは0.025±0Aに設定した。これは100mAcm-2の電流密度に相当する。
測定値ytの取得期間は0h~330hとした。このうちの0~200hの期間で各パラメータα、k0、k’、x’のフィッティングを行った。フィッティングは、式(6)と式(17)を用いて、OriginLab Corporation社製のソフトウェア「Origin Pro」を用いて非線形フィッティング法で行った。なお、「Origin Pro」以外の他のソフトウェアを用いて非線形フィッティングを行っても同様の結果が得られる。フィッティング後の各パラメータの値は次のようになった。
α=6.3661±0 V-1
k0=0.75563±7.01485×10-4A mol-1
k’=2.33296×10-7±0 h-1
x’=0.29575±1.10144×10-4
k0=0.75563±7.01485×10-4A mol-1
k’=2.33296×10-7±0 h-1
x’=0.29575±1.10144×10-4
図6(b)は、図6(a)のフィッティングで得られたパラメータを使用して200h以降の期間の電位差の推定値を式(6)の関数Eappで算出して得られたグラフである。そのグラフの横軸と縦軸の意味は図6(a)における意味と同じである。
図6(b)に示すように、経過時間が300hを超えると電位差の推定値が測定値から大きく乖離している。
この結果により、データ同化に代えてフィッティングを用いたのでは将来の電位差の予測精度が著しく劣化し、本実施形態のように高精度に寿命を予測するのは困難であることが明らかとなった。
(その他の実施形態)
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態は上記に限定されない。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態は上記に限定されない。
例えば、図3の提示部26は、予測した寿命を表示装置30に提示するのではなく、寿命が書き込まれたファイル等の電子データを提示してもよいし、寿命が印刷された紙をプリントアウトすることでユーザに寿命を提示してもよい。
また、電流I、電解液6の種類、電解液6のモル濃度、電解液6のpH、電極触媒4aの種類、及び電極面積の各項目の組み合わせごとに寿命予測装置10が寿命を推定し、その組み合わせごとに提示部26が寿命を提示してもよい。
図7は、この場合の提示例を示す模式図である。このように複数の項目ごとに寿命を提示することで、作用電極4の長寿命化をもたらす項目についての知見をユーザが得ることができる。これにより、本実施形態の実用的な応用として、得られた知見に基づいて長寿命化された電解セル1を設計することができる。なお、図8では6個の項目の組み合わせごとに寿命を提示しているが、6個の項目の少なくとも一つごとに寿命予測装置10が寿命を予測し、提示部26がその寿命を提示してもよい。
更に、電解セル1と寿命予測装置10とで電気化学システムを構成してもよい。
図8は、その電気化学システムのシステム構成図である。この電気化学システム50は、電解セル1の作用電極4の寿命を寿命予測装置10が予測するシステムである。寿命予測装置10は、前述の図4に従って寿命を予測する処理を行う。
電解セル1は、試験用に試作したセルでもよいし、製品用のセルでもよい。製品用の電解セル1の場合、その電解セル1を駆動しながら寿命予測装置10が寿命を予測してもよい。この場合、取得部21が電位差の測定値の取得を開始する開始時刻tstartは、電解セル1の駆動を開始した時刻である。また、第1の期間T1の終期となる終了時刻tendは現在時刻となる。これによれば、現在までに取得されている電位差の測定値に基づいてリアルタイムにデータ同化を行うことができる。しかも、時間の進みに合わせて終了時刻tendが時々刻々と進んで第1の期間T1が長くなるため、電解セル1の駆動時間が長くなるほどデータ同化で使用する測定値の個数が多くなり、高精度に寿命を予測することができる。
<ハードウェア構成>
次に、寿命予測装置10のハードウェア構成について説明する。
次に、寿命予測装置10のハードウェア構成について説明する。
図9は、本実施形態に係る寿命予測装置10のハードウェア構成図の一例である。図9に示すように、寿命予測装置10は、記憶装置101、メモリ102、プロセッサ103、通信インターフェース104、及び媒体読取装置105を有する。これらの各部は、バス106により相互に接続される。
このうち、記憶装置101は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のストレージであって、本実施形態に係る寿命予測プログラム110を記憶する。
なお、寿命予測プログラム110をコンピュータが読み取り可能な記録媒体111に記録し、媒体読取装置105を介してプロセッサ103にその寿命予測プログラム110を読み取らせるようにしてもよい。
そのような記録媒体111としては、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の物理的な可搬型記録媒体がある。また、フラッシュメモリ等の半導体メモリやハードディスクドライブを記録媒体111として使用してもよい。これらの記録媒体111は、物理的な形態を持たない搬送波のような一時的な媒体ではない。
更に、公衆回線、インターネット、及びLAN等に接続された装置に寿命予測プログラム110を記憶させてもよい。その場合は、プロセッサ103がその寿命予測プログラム110を読み出して実行すればよい。
一方、メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のようにデータを一時的に記憶するハードウェアである。
プロセッサ103は、寿命予測装置10の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等のハードウェアである。また、プロセッサ103は、メモリ102と協働して寿命予測プログラム110を実行する。
このようにメモリ102とプロセッサ103とが協働して寿命予測プログラム110を実行することにより制御部12(図1参照)が実現される。
また、記憶部13(図1参照)は、記憶装置101とメモリ102によって実現される。
更に、通信インターフェース104は、寿命予測装置10をネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等のハードウェアである。その通信インターフェース104により通信部11(図3参照)が実現される。
媒体読取装置105は、記録媒体111を読み取るためのCDドライブ、DVDドライブ、及びUSBインターフェース等のハードウェアである。
1…電解セル、2…容器、3…参照電極、4…作用電極、4a…電極触媒、4b…導電性基板、5…ポテンショスタット、6…電解液、10…寿命予測装置、11…通信部、12…制御部、13…記憶部、14…測定データ、15…モデルパラメータ、21…取得部、22…算出部、23…データ同化部、24…推定部、25…予測部、26…提示部、27…入力受付部、30…表示装置、40…入力装置、50…電気化学システム、101…記憶装置、102…メモリ、103…プロセッサ、104…通信インターフェース、105…媒体読取装置、106…バス、111…記録媒体。
Claims (8)
- 電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得することと、
前記第1の電極の活性部分の総量を時間の関数として表す第1の関数を引数に含む関数であって、前記電位差を時間の関数として表す第2の関数により、前記第1の期間の各時刻における前記電位差の推定値を算出することと、
各時刻における前記測定値に前記推定値を近づけるデータ同化により前記第2の関数を修正することと、
前記第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の前記電位差を、修正後の前記第2の関数を用いて推定することと、
推定した前記電位差に基づいて前記第1の電極の寿命を予測することとを含む、
寿命予測方法。 - 前記寿命は、修正後の前記第2の関数を用いて推定された前記電位差が許容範囲を超えた第1の時刻と、前記第1の期間における第2の時刻との差である、
請求項1に記載の寿命予測方法。 - 前記許容範囲は、修正後の前記第2の関数を用いて推定された前記第1の時刻における前記電位差と、前記第2の時刻における前記電位差の前記測定値との差が閾値以内に収まる範囲である、
請求項2に記載の寿命予測方法。 - 前記第2の関数は、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる第1の電流と前記第1の関数とを含む項であって、前記電解液の溶液抵抗と前記第1の電極の電気抵抗とを加算した外部抵抗による電圧降下を前記電位差から減算した電圧を表す項を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の寿命予測方法。 - 前記第1の電極は、導電性基板と、前記導電性基板の表面に設けられた電極触媒とを有し、
前記項は、前記第1の電流と、前記導電性基板から前記電解液に漏れ出る第2の電流との差を含む、
請求項4に記載の寿命予測方法。 - 前記電位差を修正後の前記第2の関数を用いて推定することは、前記第1の電流の値を固定して行われる、
請求項4又は請求項5に記載の寿命予測方法。 - 電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得する取得部と、
前記第1の電極の活性部分の総量ごとの前記電位差を示す関数であって、前記総量として各時刻における前記総量を示す第1の関数を使用した第2の関数により、前記第1の期間の各時刻における前記電位差の推定値を算出する算出部と、
各時刻における前記測定値に前記推定値を近づけるデータ同化により前記第2の関数を修正するデータ同化部と、
前記第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の前記電位差を、修正後の前記第2の関数を用いて推定する推定部と、
推定した前記電位差に基づいて前記第1の電極の寿命を予測する予測部と、
を含む寿命予測装置。 - 電解液と、前記電解液に浸漬された第1の電極と第2の電極とを備えた電解セルと、
前記第1の電極の寿命を予測する寿命予測装置とを有し、
前記寿命予測装置は、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の電位差の第1の期間における時刻ごとの測定値を取得する取得部と、
前記第1の電極の活性部分の総量を時間の関数として表す第1の関数を引数に含む関数であって、前記電位差を時間の関数として表す第2の関数により、前記第1の期間の各時刻における前記電位差の推定値を算出する算出部と、
各時刻における前記測定値に前記推定値を近づけるデータ同化により前記第2の関数を修正するデータ同化部と、
前記第1の期間よりも後の第2の期間における各時刻の前記電位差を、修正後の前記第2の関数を用いて推定する推定部と、
推定した前記電位差に基づいて前記第1の電極の寿命を予測する予測部と、
を含む、
電気化学システム。
Priority Applications (1)
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| JP2024097657A JP2026000355A (ja) | 2024-06-17 | 2024-06-17 | 寿命予測方法、寿命予測装置、及び電気化学システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2024097657A JP2026000355A (ja) | 2024-06-17 | 2024-06-17 | 寿命予測方法、寿命予測装置、及び電気化学システム |
Publications (1)
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|---|---|
| JP2026000355A true JP2026000355A (ja) | 2026-01-05 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2024097657A Pending JP2026000355A (ja) | 2024-06-17 | 2024-06-17 | 寿命予測方法、寿命予測装置、及び電気化学システム |
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