JP2025073612A - ホウ素ドープダイヤモンドmosfetおよびその製造方法 - Google Patents

ホウ素ドープダイヤモンドmosfetおよびその製造方法 Download PDF

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江偉 劉
jiang-wei Liu
徳之 寺地
Tokuyuki Terachi
康夫 小出
Yasuo Koide
ボ ダ
Bo Dae
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Abstract

【課題】
300℃というような高温環境で、ドレイン電流I、相互コンダクタンスgおよびON/OFF比特性などのトランジスタとしての電気特性が優れる単結晶ダイヤモンドp型MOSFETを提供すること。
【解決手段】
単結晶ダイヤモンド基板の第1主表面に接してホウ素(B)がドープされたダイヤモンド単結晶からなる半導体層が形成されており半導体層上にソース電極とドレイン電極が形成されており、ソース電極とドレイン電極以外の半導体層の第1主表面は絶縁膜で覆われており、絶縁膜上の前記ソース電極とドレイン電極で挟まれ、かつ前記ソース電極とドレイン電極と電気的に接触しない領域の一部の場所にゲート電極が形成され、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極の各端部、並びに露出している絶縁膜の表面を覆う酸化膜が形成されているホウ素ドープダイヤモンドMOSFETとする。
【選択図】図1

Description

本発明はホウ素ドープダイヤモンドMOSFETおよびその製造方法に関する。
単結晶半導体ダイヤモンドは、広いバンドギャップエネルギー(5.47eV)、低い比誘電率(5.7)、高い絶縁破壊電界強度(10MV・cm-1)、高いキャリア飽和速度(電子および正孔についてそれぞれ1.5~2.7×10cm・s-1および0.85~1.2×10cm・s-1)、高い熱伝導率(22W・cm-1・K-1)および高いキャリア移動度(電子および正孔についてそれぞれ4500cm・V-1・s-1および3800cm・V-1・s-1)といったいくつかの際立った物理的特性を有している。ここで、上記の特性値は室温での値である。
このため、半導体として単結晶ダイヤモンドを用いた電子デバイスは、大電力動作、高速・高周波動作、高耐圧および高い熱限界を示すものとして期待されている。
特に、単結晶ダイヤモンドを半導体として用いたMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Efect Transistor)半導体装置は、高性能インバーターや高出力高周波増幅器を構成する上でのコア素子として、また、耐高温、耐放射線などの耐過酷環境対応素子として大いに期待されている。
このような背景から、単結晶ダイヤモンド半導体を用いたMOSFETの開発が、特に優れた電気特性を引き出しやすい空孔(ホール)をキャリアとするp型MOSFETを中心に進められている。その開示としては、例えば、非特許文献1および2がある。
単結晶ダイヤモンド半導体を用いたp型MOSFETとしては、水素終端されたダイヤモンド半導体層を用いたMOSFETと、ホウ素(B)またはアルミニウム(Al)などの不純物が単結晶ダイヤモンド半導体層にドーピングされたMOSFETの2つの流れがある。
水素終端ダイヤモンド半導体層を用いたMOSFETは、常温付近でのドレイン電流I、相互コンダクタンスgおよびON/OFF比特性に優れるものの、表面吸着物の熱安定性が低いため耐熱能力が十分ではなく、ダイヤモンド材料がもつ高い熱限界特性を十分引き出しきれないという問題がある。
一方、ホウ素などの不純物が単結晶ダイヤモンド半導体層にドーピングされたMOSFETは、ホール密度が非常に低く、ドレイン電流I、相互コンダクタンスgおよびON/OFF比特性などのトランジスタ特性を十分引き出せていないという問題があった。
K.Kudara, et al.,IEEE Transactions on Electron Devices,Vol.68,p.p.3942-3949(2021) T.T.Pham et al.,IEEE Electron Letters,Vol.38,No.11,p.p.1571-1574(2017) T.T.Pham et al.,Appl.Phys.Lett.,Vol.111,No.17,p.173503(2017) J.Liu et al.,IEEE Trans.Electron Dev.,Vol.68,No.8,p.p.3963-3967(2021) J.Liu et al.,IEEE Trans.Electron Dev.,Vol.70,No.5,p.p.2199-2203(2023)
本発明が解決しようとしている課題は、300℃というような高温環境で、ドレイン電流I、相互コンダクタンスgおよびON/OFF比特性などのトランジスタとしての電気特性が優れる、p型の単結晶ダイヤモンドMOSFET(ダイヤモンドMOSFETとも称す)およびその製造方法を提供することである。
上記課題を解決する本発明の構成を下記に示す。
(構成1)
単結晶ダイヤモンド基板の第1主表面に接してホウ素(B)がドープされたダイヤモンド単結晶からなる半導体層が形成されており、
前記半導体層上にソース電極とドレイン電極が形成されており、
前記ソース電極とドレイン電極以外の前記半導体層の第1主表面は絶縁膜で覆われており、
前記絶縁膜上の前記ソース電極とドレイン電極で挟まれ、かつ前記ソース電極とドレイン電極と電気的に接触しない領域の一部の場所にゲート電極が形成され、
前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部、並びに露出している前記絶縁膜の表面を覆う酸化膜が形成されている、ホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成2)
前記酸化膜は、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上からなる、構成1記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成3)
前記酸化膜は、ALD-Al膜からなる、構成2記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成4)
前記酸化膜の厚さは、10nm以上50nm以下である、構成1から3の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成5)
前記絶縁膜は、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ホウ素(BN)、二フッ化カルシウム(CaF)、二フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上からなる、構成1から4の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成6)
前記絶縁膜は、ALD-Al膜からなる、構成5記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成7)
前記絶縁膜の厚さは、10nm以上50nm以下である、構成1から6の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成8)
前記ゲート電極の材料は、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、タングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、炭素(C)、珪素(Si)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれる1以上を含む、構成1から7の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成9)
前記半導体層と接するソース電極および前記ドレイン電極の材料は、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)/金(Au)二重層およびチタン(Ti)/白金(Pt)二重層からなる群より選ばれる1を含む、構成8記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
(構成10)
少なくとも表面の一部に単結晶ダイヤモンド層が形成された基板を準備することと、
前記基板の前記単結晶ダイヤモンド層が形成された面上にホウ素(B)がドープされた半導体層を形成することと、
前記半導体層上にオーミック接触のでソース電極およびドレイン電極を形成することと、
ゲート絶縁膜を形成することと、
前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を前記ソース電極および前記ドレイン電極と電気的に非接触状態で形成することと、
前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部、並びに前記ゲート絶縁膜露出表面を覆う酸化膜を形成することを含む、ホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
(構成11)
前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部、並びに前記絶縁膜露出表面を覆う酸化膜の形成方法は、酸化膜を形成することと、前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の端部を含まない前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極上の一部の領域の前記酸化膜をエッチングすることからなる、構成10記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
(構成12)
前記酸化膜は、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上からなる、構成10または11記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
(構成13)
前記酸化膜は、Al(CHとオゾンを前駆体として使用して原子層堆積法(ALD法)により作製されたアルミナ(Al)膜である、構成12記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
(構成14)
前記ゲート絶縁膜は、Al(CHとオゾンを前駆体として使用して原子層堆積法(ALD法)により作製されたアルミナ(Al)膜である、構成10から13の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
(構成15)
前記半導体層を形成した後、前記絶縁膜、および前記ソース電極と前記ドレイン電極の形成前に、前記半導体層の少なくとも第1主表面を酸性溶液で洗浄する、構成10から14の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
(構成16)
前記酸性溶液は、硫酸1に対する硝酸の体積比率が3である硫酸と硝酸からなる混酸である、構成15記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
本発明によれば、300℃というような高温環境で、ドレイン電流I、相互コンダクタンスgおよびON/OFF比特性などのトランジスタとしての電気特性が優れる、p型の単結晶ダイヤモンドMOSFETおよびその製造方法が提供される。
本発明のMOSFETの要部の構造を示した断面図である。 本発明のMOSFETの製造工程を上面視図を用いて説明した説明図である。 本発明のMOSFETの製造工程を示したフローチャート図である。 本発明のMOSFETの製造工程を示す要部断面図である。 本発明のMOSFETの製造工程を示す要部断面図である。 実施例で試作した素子を上面から観察したSEM写真である。 実施例で試作した素子の要部断面図である。 実施例で試作した素子の単結晶ダイヤモンド半導体層のホウ素濃度分布を示す特性図である。 実施例で試作した素子のC-2-V特性を示す特性図である。 実施例で試作した素子のI-V特性を示す特性図で、(a)は室温、(b)は300℃の場合を示す。 実施例で試作した素子のI-VGS特性を示す特性図で、(a)は室温、(b)は300℃の場合を示す。 実施例で試作した素子のg特性を示す特性図で、(a)は室温、(b)は300℃の場合を示す。
<素子の構造>
本発明のp型MOSFET(101)は、図1に示すように、単結晶ダイヤモンドからなる基板11、p型単結晶ダイヤモンドからなる半導体層12、ドレイン電極13,ソース電極14、ゲート絶縁膜機能をもつ絶縁膜15、ゲート電極16および酸化膜17を具備する。
p型MOSFET(101)は、単結晶ダイヤモンド基板11の第1主表面に接してホウ素(B)がドープされたダイヤモンド単結晶からなる半導体層12が形成されており、半導体層12上にドレイン電極13とソース電極14が形成されており、ドレイン電極13とソース電極14以外の半導体層12の第1主表面は絶縁膜15で覆われており、絶縁膜15上のドレイン電極13とソース電極14で挟まれ、かつドレイン電極13とソース電極14と電気的に接触しない領域の一部の場所にゲート電極16が形成され、ゲート電極16、ドレイン電極13、およびソース電極14の各端部、並びに露出している絶縁膜15の表面を覆う酸化膜17が形成されている構造からなる。
単結晶ダイヤモンド基板11としては、単結晶ダイヤモンド基板に加え、第1主表面が単結晶ダイヤモンドからなる基板を挙げることができる。第1主表面が単結晶ダイヤモンドからなる基板としては、単結晶ダイヤモンド基板上に単結晶ダイヤモンド層がエピタキシャル形成された基板、およびSiウェハ、アルミニウム基板などの金属基板、合成石英基板などのガラス基板など、剛性を有する基体上に劈開などで切り出された単結晶ダイヤモンド膜が貼り合わされた基板などを挙げることができる。
ここで、単結晶ダイヤモンド基板としては、ホウ素(B)かアルミニウム(Al)が含有されたp型単結晶ダイヤモンド基板、またはリン(P)あるいは窒素(N)が含有されたn型単結晶ダイヤモンド基板、その基板面の面方位としては、(100)、(111)および(110)からなる群より選ばれる一の基板を好んで用いることができる。この基板およびこの基板面方位を用いると、その上に形成される半導体層12であるホウ素ドープ単結晶ダイヤモンドが結晶欠陥の少ない高品質なものになりやすい。
半導体層12は、ホウ素がドープされた単結晶ダイヤモンド半導体からなり、エピタキシャル形成法で形成することができる。具体的には、マイクロ波プラズマ気相成長法(MPCVD)、直流プラズマ気相成長法(DCPCVD)、熱フィラメント気相成長法(HFCVD)および燃焼炎法よりなる群から選ばれる1を挙げることができ、特に結晶欠陥や意図しない準位を形成しにくいマイクロ波プラズマ気相成長法を好んで使用することができる。ホウ素のドープ量は、特に限定はないが、例えば1015cm-3以上1021cm-3以下を挙げることができる。半導体層12の厚さも特に限定はないが、例えば50nm以上5μm以下を挙げることができる。
ドレイン電極13およびソース電極14としては、電極としての十分な導電率を備え、半導体層12とオーミック接触が可能な金属または金属含有物を用いることができる。具体的には、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)パラジウム(Pd)、チタン(Ti)/金(Au)二重層およびチタン(Ti)/白金(Pt)二重層からなる群より選ばれる1を含む材料を好んで用いることができる。膜の形態としては単層膜でも積層膜でもよい。ドレイン電極13およびソース電極14の厚さは、特に限定はないが、例えば50nm以上1000nm以下を挙げることができる。
絶縁膜15は、ゲート絶縁膜としての機能を備える誘電率とリーク電流の少ない稠密な絶縁膜であり、具体的には、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ホウ素(BN)、二フッ化カルシウム(CaF)、二フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上を好んで挙げることができる。この中でも特にトランジスタとして良好な電気特性が得られる絶縁膜15として、ALD-Al(Atomic Layer Deposition-Al)膜を挙げることができる。欠陥や不純物準位の発生が少なく、好んで用いることができる。
絶縁膜15の厚さは、ゲート絶縁膜として機能する厚さであれば特に限定はないが、10nm以上50nm以下が良好な電気特性が得られる厚さとして好んで使用することができる。
ゲート電極16は、仕事関数と導電率から、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、タングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、炭素(C)、珪素(Si)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれる1以上を含む材料を好んで用いることができる。
酸化膜17としては、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上を好んで用いることができる。
特に、トランジスタとして良好な電気特性が得られる酸化膜17として、ALD-Al膜を挙げることができる。ALD-Alは、その被覆性がコンフォーマルで、ゲート電極16、ドレイン電極13およびソース電極14の側面およびそれらが基板面と接するエッジ部にも隙間なく欠陥も不純物も少ない酸化膜で覆うことができ、作製されるp型ダイヤモンドMOSFET(101)の信頼性とトランジスタ特性が向上する。
酸化膜17の厚さは、10nm以上50nm以下が好ましく、10nm以上35nm以下がより好ましく、12nm以上30nm以下がさらに一層好ましい。酸化膜17の厚さがこれらの範囲に入っていると、トランジスタとして良好な電気特性が得られる。
上記構造によるp型MOSFET(101)は、実施例でその効果が示されるように、ゲート電極16、ドレイン電極13、およびソース電極14の各端部、並びに露出している絶縁膜(ゲート絶縁膜)15の表面を覆う酸化膜17によって、300℃というような高温環境で、ドレイン電流Iや相互コンダクタンスgなどのトランジスタとしての電気特性が初期特性から優れる。
<製造方法>
以下、本発明のp型MOSFET(101)の製造方法について、図2から図5を引用しながら説明する。
最初に、少なくとも表面の一部に単結晶ダイヤモンド層が形成された基板11を準備する(ステップS11)。
基板(11)としては、単結晶ダイヤモンド基板、単結晶ダイヤモンド基板上に単結晶ダイヤモンド層がエピタキシャル形成された基板、およびSiウェハ、アルミニウム基板などの金属基板、合成石英基板などのガラス基板など、剛性を有する基体上に劈開などで切り出された単結晶ダイヤモンド膜が貼り合わされた基板などを挙げることができる。
単結晶ダイヤモンド層としては、ノンドープの単結晶ダイヤモンドに加え、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、リン(P)および窒素(N)などを添加したドープド単結晶ダイヤモンドを使用することもできる。単結晶ダイヤモンドの型としては、例えば、Ib型、IIa型を挙げることができる。また、単結晶ダイヤモンド層の面方位としては、(100)面のほか、(111)面や(110)面などの面を用いることができる。
基板11を準備したら、基板表面を硫酸1に対する硝酸の体積比率が3である硫酸と硝酸からなる混酸で50℃以上400℃以下の温度で3時間処理した後、アセトン、エタノールと純水の順で超音波5分ずつによって洗浄する(図2(a))。
次に、基板11の単結晶ダイヤモンド層が形成された面上に、ホウ素がドーピングされたp型ダイヤモンド単結晶からなる半導体層12(ステップS12、図2(b)、図4(a))を形成する。
半導体層12の成膜方法としては、マイクロ波プラズマ気相成長法(MPCVD)、直流プラズマ気相成長法(DCPCVD)、熱フィラメント気相成長法(HFCVD)および燃焼炎法よりなる群から選ばれる1を挙げることができ、特に結晶欠陥や意図しない準位を形成しにくいマイクロ波プラズマ気相成長法を好んで使用することができる。
その後、半導体層12の表面を酸性溶液を用いて洗浄して、単結晶ダイヤモンドからなる半導体層12の表面を清浄な状態にするとともに単結晶ダイヤモンド表面を酸素終端する(図2(c))。
ここで、酸性溶液は50℃以上400℃以下の温度で加温されていることが、効率よく、洗浄効果を高め、稠密に酸素終端させる上で好ましい。前記酸性溶液としては、洗浄液として汎用に使用され、洗浄を含めて安定な処理が可能な硫酸1に対する硝酸の体積比率が3である硫酸と硝酸からなる混酸を好んで用いることができる。
しかる後、半導体層12の上にドレイン電極13およびソース電極14を形成する(ステップS13、図2(d)、図4(b))。
ドレイン電極13およびソース電極14は、単層膜でも多層膜からなってもよく、その材料としては、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)パラジウム(Pd)、チタン(Ti)/金(Au)二重層およびチタン(Ti)/白金(Pt)二重層からなる群より選ばれる1を含む材料が好んで用いられる。
ドレイン電極13およびソース電極14の形成方法としては、成膜、リソグラフィおよびエッチングを組み合わせる成膜・エッチング法、リフトオフ法、およびマスキング蒸着法を挙げることができる。ドレインおよびソース電極材料の成膜方法としては、スパッタリング法、熱および電子線蒸着法および原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)よりなる群から選ばれる1以上を挙げることができる。
その後、熱処理(アニーリング)を行って、ドレイン電極13およびソース電極14は
半導体層12にオーミック接触になる(図2(e))。熱処理はアルゴン下または低真空(0.1Pa-100Pa)下で行い、その温度としては、400℃以上600℃以下が好ましい。
次に、ゲート絶縁膜になる絶縁膜15aを堆積させる(ステップS14,図2(f)、図4(c))。堆積方法としては、ALD(Atomic Layer Deposition)法、CVD(Chemical Vapour Deposition)法、スパッタリング法および塗布形成法を挙げることができる。ゲート絶縁膜の材料としては、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ホウ素(BN)、二フッ化カルシウム(CaF)、二フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上を好んで挙げることができる。この中でも、ALD法によるAl膜が品質が高く、好ましい。
しかる後、ゲート電極16を形成する(ステップS15、図2(g)、図5(a))。
ゲート電極16の形成方法としては、成膜、リソグラフィおよびエッチングを組み合わせる成膜・エッチング法、リフトオフ法、およびパターン化蒸着法を挙げることができる。ゲート電極材料の成膜方法としては、スパッタリング法、熱および電子線蒸着法および原子層堆積法(ALD)よりなる群から選ばれる1以上を挙げることができる。
ゲート電極16は、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、タングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、炭素(C)、珪素(Si)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれる1以上を含む材料を好んで用いることができる。
その後、酸化膜17aを堆積させる(ステップS16,図2(h)、図5(b))。堆積方法としては、ALD(Atomic Layer Deposition)法、CVD(Chemical Vapour Deposition)法、スパッタリング法および塗布形成法を挙げることができる。
酸化膜17aの材料としては、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上を好んで用いることができる。この中でも、Al(CHとオゾンを前駆体として使用したALD法によるAl膜が品質が高く、好ましい。
最後に、配線取り回し用(ビアホール用)の開口を絶縁膜15aおよび酸化膜17aに開けて、各々ゲート絶縁膜15および酸化膜17としてp型MOSFET(101)を得る(ステップS17,図2(i)、図5(c))。
上記製造方法によって、実施例でその効果が示されるように、300℃というような高温環境でもドレイン電流Iや相互コンダクタンスgなどの電気特性が初期特性から優れるp型MOSFET(101)を提供することが可能になる。
実施例では、実施の形態で説明したホウ素ドープダイヤモンド半導体層を用いたp型MOSFET(101)を試作し、その電気特性を評価した。
<試作素子の構造>
試作したp型MOSFET(101)を上面から観察したSEM(Scanning Electron Microscope)写真を図6に示す。ここで、(a)は観察倍率を低倍率、(b)は中倍率、そして(c)は高倍率にして取得したSEM画像である。
p型MOSFET(101)は、直径が299.6μmの円形状のドレイン電極13と、ドレイン電極13から4.6μmの間隔を空けて配置されたゲート長Lが2.6μmの円周状のゲート電極16と、ゲート電極16の外側にゲート電極16と5.8μmの間隔を空けて配置されたソース電極14を有する。ゲート幅Wは、円周長計算から、940.7nmである。
試作したp型MOSFET(101)の構造と、代表的な寸法を図7に示す。
基板11としては、大きさが3mm×3mmで、厚さが0.5mmのIb型(100)配向の高圧高温(HPHT)合成単結晶ダイヤモンド基板(住友電工製)を用いた。
ホウ素がドープされた単結晶ダイヤモンドからなるエピタキシャル形成半導体層12の厚さは2650nmである。ドープされたホウ素の濃度は、測定結果を後に示すが、略1015~1016cm-3、後述するC-2-V測定と計算によって求めたサセプターの濃度は、6.0×1014cm-3である。
ドレイン電極13およびソース電極14は、下からチタン(Ti)、金(Au)が積層された二層膜からなる。ここで、半導体層12との密着機能をもつTi層の厚さは10nmで、導電性の高い主に導電膜としての機能をもつAu層の厚さは200nmである。
ゲート電極16は、下からチタン(Ti)、金(Au)が積層された二層膜からなる。ここで、Ti層の厚さは10nmで、ドレイン電極13およびソース電極14の場合と同様に、半導体層12との密着機能をもつ。主に導電膜としての機能をもつAu層の厚さは150nmである。
絶縁膜15および酸化膜17は、ともに原子層堆積法(ALD)によるアルミナ(Al)膜からなり、その膜厚はともに26nmである。
<試料の作製>
最初に、Ib型(100)配向の高圧高温(HPHT)合成単結晶ダイヤモンド基板11を準備し(工程S11)、その基板の表面を硝酸(HNO)および硫酸(HSO)からなる混合溶液を用いて清浄化した。ここで、硫酸と硝酸の体積比率は硫酸1に対して硝酸3とし、温度300℃の沸騰下で3時間処理した。
その後、ホウ素がドープされた単結晶ダイヤモンドからなる半導体層12を、マイクロ波プラズマ化学気相成長法(MPCVD)により基板11上に2650nmの膜厚で形成した(図4(a)、工程S12)。ここで、装置としてはマイクロ波プラズマ化学気相成長システム(自家製)を用い、マイクロ波出力、温度、チャンバー圧力は、それぞれ1.4kW、1000℃および18.6kPaとした。ホウ素源は、直前に実施したホウ素ドープ実験によるチャンバー内の残留ホウ素とし、ソースガスであるHおよびCHのガス流量は、それぞれ49sccmおよび1sccmとした。成膜中の基板温度は960±10℃である。
作製した半導体層12のホウ素ドープ濃度分布を、同様に作製した試料を用いてSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により測定した。その結果を図8に示す。ドープされたホウ素の濃度は、表面側が1015cm-3で、基板側が1016cm-3であった。なお、SIMS装置としてはCAMECA IMS-7f(アメテック株式会社製)を用い、イオン種がCs、加速電圧が150kVの条件で測定した。
その後、硝酸と硫酸からなる混酸の沸騰させた洗浄液(300℃)で、半導体層12の表面の汚染を除去するとともに、半導体層12の表面を酸化(酸素終端化)した。ここで、硝酸と硫酸の比は、体積比で1:3である。
しかる後、厚さ10nmのチタン(Ti)および厚さ150nmの金(Au)が順次積層された金属2層膜からなるドレイン電極13およびソース電極14を半導体層12の上に形成した(図4(b)、工程S13)。Tiを下層に用いることにより、ドレイン電極13およびソース電極14の半導体層12への密着性が向上する。
ドレイン電極13およびソース電極14の形成に当たっては、電子銃蒸着システム(ADS―RDEB、アールデック製)を用い、加えて、半導体層12とオーム接触するように急速アニールシステム(RTP-6、アドバンス理工製)を使用した。ここで、蒸着時のチャンバー内圧力は10-6Paとし、蒸着速度は0.05nm/sとした。アニールは、圧力5Paのアルゴン(Ar)ガス雰囲気中で550℃20分の条件で行った。
しかる後、Alからなる絶縁膜15a(ゲート絶縁膜)を、原子層堆積法(ALD)によって試料表面に26nmの膜厚で形成した(図4(c)、工程S14)。具体的には、Al(CH前駆体とオゾンを用い、200℃の環境で堆積させた。
次に、絶縁膜15aの上にゲート電極16をソース電極14およびドレイン電極13と電気的に非接触状態で形成した(図5(a)、工程S15)。
ゲート電極16は、厚さ10nmのチタン(Ti)とその上に形成された厚さ200nmの金(Au)からなる2層膜であり、ドレイン電極13およびソース電極14と同様に電子銃蒸着システム(ADS―RDEB、アールデック製)を用いて製膜した。蒸着時のチャンバー内圧力は10-6Paとし、蒸着速度は0.05nm/sとした。ゲート電極16の断面の形状は、絶縁膜15aとの接触面に極僅かな窪みが認められる垂直な側壁をもつ矩形状であった。
その後、試料全体をコンフォーマルに覆うように、工程S14と同様のプロセスを用いてAlからなる酸化膜17aを試料表面に26nmの膜厚で形成した(図5(b))。ALD法によるAl膜は、コンフォーマル性に優れ、作製されるMOSFETのトランジスタ特性の向上に寄与する。
しかる後、リソグラフィとドライエッチングにより、酸化膜17aおよび絶縁膜15aからなる積層膜の所望の場所に電極配線取り回し用の開口を開け、ゲート電極16、ソース電極14、ドレイン電極13の端部、およびゲート絶縁膜15の露出表面を覆う酸化膜17が形成されたp型MOSFET(101)を作製した(図5(c)、工程S16)。そのエッチングに用いたガスはCHFとArであり、プラズマ電力、チャンバー圧力、CHF流量、およびAr流量は、それぞれ、100W、3.0Pa、10sccm、および40sccmとした。
<半導体層評価>
ホウ素がドープされた半導体層12の評価の一環として、半導体層12のアクセプター濃度を、試作したMOSコンデンサのC-2-V特性評価を基に推定した。測定されたC-2-V特性を図9に示す。曲線の傾き(dC-2/dV)は41368cm/μFVであり、そこから半導体層12のアクセプター濃度は6.0×1014と算出された。ここで、電気特性は、Grail 10-5-LV-HTVプローバーシステムを使用して、室温(25℃)と300℃の環境で測定した。以後の電気測定もこのプローバーシステムを使用して測定した。
<電気特性評価>
<<I-V特性>>
ドレイン電流(I)のドレインーゲート間電圧(V)依存性を示すI-V特性を、室温(25℃)および300℃環境下で測定した。具体的には、試料を室温または300℃の環境に置いて1時間動作させた上で、ゲート-ソース間電圧(VGS)を-20Vから78Vまで2Vステップで振って、V-I特性を測定した。
その結果を図10に示す。同図の(a)は室温、(b)は300℃の結果である。最下段がVGS=-20V測定で、上に上がるほど2V刻みでVGSが大きくなり、最上段がVGS=78VのときのV-I特性を示す。
ドレイン電流の最大値(ID,max)は、室温下で-1.2mA/mm、300℃環境下で-10.9mA/mmと高いものであった。特に、動作温度300℃下では、高温でのホウ素ドーパントの活性化により、室温動作に比べ約1桁高いID,maxが得られた。
<<I-VGS特性>>
図11(a)に室温動作時のVGS-I特性、同図(b)に300℃動作時のVGS-I特性を示す。この測定結果を基に閾値電圧VTHを求めると、室温動作時が63.8V、300℃動作時が31.2Vであった。ON/OFF比は、室温動作、300℃動作共に10という高い値が得られた。サブスレッショルド電圧(SS)は、室温動作時が315mV/dec、300℃動作時が570mV/decであった。
<<g特性>>
相互コンダクタンスgのVGS依存性の室温動作結果を図12(a)、300℃動作結果を図12(b)に示す。gの最大値gm,maxは、室温動作が29.0μS/mm、300℃動作が215.7μS/mmと高いものであった。
以上の測定データを表1にまとめた。同表には、非特許文献2-5の公表値も参考までに掲載している。特に、非特許文献5は本願発明者によるもので、非特許文献5と本願との構造および作製上の差は、下記の点に限られた比較例になっている。
本願は、非特許文献5に対して、工程S16のゲート電極16、ドレイン電極13、およびソース電極14の各端部、並びにゲート絶縁膜12の露出表面を覆う酸化膜17を形成する工程S16を追加したこと、ソース電極14の面積を4.5×10μmから1.9×10μmに拡大したこと、および半導体層12のアクセプター濃度が本願の方が約1桁低いことのみが異なっている。一般的に、アクセプターの濃度が高いほどgm,maxやID,maxを高めやすい。このことから、工程S16を含む製造方法、および酸化膜17を有する素子構造により、初期特性から良好な電気特性を有するホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド半導体層を用いたMOSFETが提供できること、特に室温動作に限らず300℃動作においても初期特性から良好な電気特性を有するホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド半導体層を用いたp型MOSFETが提供できることが実証された。
本発明によれば、300℃という高温下でも安定に動作し、トランジスタ電気特性が優れた単結晶ダイヤモンドを半導体層に用いたp型MOSFETおよびその製造方法が提供される。
単結晶ダイヤモンドは、広いバンドギャップエネルギー、低い比誘電率、高い絶縁破壊電界強度、高いキャリア飽和速度、高い熱伝導率および高いキャリア移動度といった際立った物性を有している。このため、本発明により、高性能で高耐過酷環境対応性に優れたp型MOSFETを提供することが可能になる。したがって、本発明は、産業上大いに利用される可能性を秘めている。
11:基板、単結晶ダイヤモンド基板
12:半導体層、ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド
13:ドレイン、ドレイン電極、Ti/Au膜
14:ソース、ソース電極、Ti/Au膜
15:絶縁膜、ゲート絶縁膜、Al
15a:絶縁膜、Al
16:ゲート、ゲート電極、Ti/Au膜
17:酸化膜、Al
17a:酸化膜、Al
101:p型MOSFET(ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンドp型MOSFET)

Claims (16)

  1. 単結晶ダイヤモンド基板の第1主表面に接してホウ素(B)がドープされたダイヤモンド単結晶からなる半導体層が形成されており、
    前記半導体層上にソース電極とドレイン電極が形成されており、
    前記ソース電極とドレイン電極以外の前記半導体層の第1主表面は絶縁膜で覆われており、
    前記絶縁膜上の前記ソース電極とドレイン電極で挟まれ、かつ前記ソース電極とドレイン電極と電気的に接触しない領域の一部の場所にゲート電極が形成され、
    前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部、並びに露出している前記絶縁膜の表面を覆う酸化膜が形成されている、ホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  2. 前記酸化膜は、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上からなる、請求項1記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  3. 前記酸化膜は、ALD-Al膜からなる、請求項2記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  4. 前記酸化膜の厚さは、10nm以上50nm以下である、請求項1から3の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  5. 前記絶縁膜は、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ホウ素(BN)、二フッ化カルシウム(CaF)、二フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上からなる、請求項1から4の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  6. 前記絶縁膜は、ALD-Al膜からなる、請求項5記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  7. 前記絶縁膜の厚さは、10nm以上50nm以下である、請求項1から6の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  8. 前記ゲート電極の材料は、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、タングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、炭素(C)、珪素(Si)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれる1以上を含む、請求項1から7の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  9. 前記半導体層と接するソース電極および前記ドレイン電極の材料は、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)/金(Au)二重層およびチタン(Ti)/白金(Pt)二重層からなる群より選ばれる1を含む、請求項8記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFET。
  10. 少なくとも表面の一部に単結晶ダイヤモンド層が形成された基板を準備することと、
    前記基板の前記単結晶ダイヤモンド層が形成された面上にホウ素(B)がドープされた半導体層を形成することと、
    前記半導体層上にオーミック接触のでソース電極およびドレイン電極を形成することと、
    ゲート絶縁膜を形成することと、
    前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を前記ソース電極および前記ドレイン電極と電気的に非接触状態で形成することと、
    前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部、並びに前記ゲート絶縁膜露出表面を覆う酸化膜を形成することを含む、ホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
  11. 前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部、並びに前記絶縁膜露出表面を覆う酸化膜の形成方法は、酸化膜を形成することと、前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極の各端部を含まない前記ゲート電極、前記ソース電極、および前記ドレイン電極上の一部の領域の前記酸化膜をエッチングすることからなる、請求項10記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
  12. 前記酸化膜は、アルミナ(Al)、二酸化ハフニウム(HfO)、二酸化ハフニウム珪素(HfSiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化ケイ素(SiON)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、三酸化ランタンアルミニウム(LaAlO)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)および酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選ばれる1以上からなる、請求項10または11記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
  13. 前記酸化膜は、Al(CHとオゾンを前駆体として使用して原子層堆積法(ALD法)により作製されたアルミナ(Al)膜である、請求項12記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
  14. 前記ゲート絶縁膜は、Al(CHとオゾンを前駆体として使用して原子層堆積法(ALD法)により作製されたアルミナ(Al)膜である、請求項10から13の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
  15. 前記半導体層を形成した後、前記絶縁膜、および前記ソース電極と前記ドレイン電極の形成前に、前記半導体層の少なくとも第1主表面を酸性溶液で洗浄する、請求項10から14の何れか一項記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
  16. 前記酸性溶液は、硫酸1に対する硝酸の体積比率が3である硫酸と硝酸からなる混酸である、請求項15記載のホウ素ドープダイヤモンドMOSFETの製造方法。
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