JP2025045909A - ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、移動架台、移動架台の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、移動架台、移動架台の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体に関する。
例えば少量生産を行う工場等では、生産を行うロボット装置を床に設置してしまうと、製造ラインで複数のロボット装置が必要となり、かつそれらのロボット装置の稼働時間が短いものになるという問題がある。そのため、ロボット装置を移動可能にして、各所で作業を行うことで稼働時間を増やし、かつロボット装置の台数を減じて、コストダウンを図ることが望まれる。しかしながら、ロボット装置を移動する場合は、移動した先でロボット装置を安定させないと、高精度の作業が実行できないという問題がある。そこで、移動可能なロボット装置にあって、ロボット装置を搭載した架台を安定させるための構造が種々提案されている(特許文献1,2,3参照)。
即ち、上記特許文献1では、ロボット本体を搭載した架台に、キャスタを備えた伸縮可能なアジャスタアームを有するものが提案されている。また、上記特許文献2では、床に固定された作業机にクランプを用いて架台を固定するものが提案されている。また、上記特許文献3では、床に差し込み孔を設けて置き、その差し込み孔に位置決めピンを差し込むことで架台を固定するものが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1のようにアジャスタを手動で調整して架台を固定するものは、その固定に時間がかかり、ロボット装置の設置に時間がかかるという問題がある。また、特許文献2のように作業机に対してクランプで手動により架台を固定するものも、その固定に時間がかかり、ロボット装置の設置に時間がかかるという問題がある。また、特許文献3のように差し込み孔にピンを差し込んで架台を固定するものも、架台と差し込み孔との高精度な位置合わせに時間がかかり、ロボット装置の設置に時間がかかるという問題がある。そして、これらの特許文献1~3のものでは、架台を床に対して強固に固定しようとしているが、ロボット本体を床に固定するほどに強固には固定できず、ロボットアームの動作で架台に振動が発生してしまう。そのため、ロボット装置により高精度な作業を行うためには、設置してから作業の教示等にも時間をかける必要が生じてしまうという問題がある。
そこで本発明は、移動を行った場合にあって作業開始までの時間短縮を図ることが可能なロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、移動架台、移動架台の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ロボットと、床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、を備え、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、ことを特徴とするロボットシステムである。
本発明の一態様は、ロボットと、床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、制御部と、を備え、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、ロボットシステムの制御方法において、前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、ことを特徴とするロボットシステムの制御方法である。
本発明の一態様は、ロボットが設置され、かつ床または地面に対して移動可能な移動架台であって、床または地面に接地可能な複数の脚を備え、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、ことを特徴とする移動架台である。
本発明の一態様は、床または地面に接地可能な複数の脚と、ロボットが設置される設置部と、を備え、床または地面に対して移動可能であり、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有し、制御部によって制御される移動架台の制御方法において、前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、ことを特徴とする移動架台の制御方法である。
本発明によると、移動を行った場合にあって作業開始までの時間短縮を図ることができる。
<第1実施形態>
以下、本発明を実施するための第1実施形態について、図1乃至図11を用いて説明する。
以下、本発明を実施するための第1実施形態について、図1乃至図11を用いて説明する。
[ロボットシステムの概略構成]
まず、本第1実施形態に係る移動式のロボットシステムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る移動式のロボットシステムを示す図である。なお、ロボットシステム1において、ロボットアーム10Aの先端が向く方向が前方であり、X方向は左右方向、Y方向はX方向に直交する前後方向、Z方向はX方向及びY方向に直交する上下方向である。これらX方向、Y方向、Z方向は、ロボットシステム1の座標系であり、つまりロボットシステム1の移動と一体に移動する方向である。従って、床2が水平平面であれば、ロボットシステム1が移動しても、Z方向が上下方向のままである。なお、床2は地面であっても構わない。
まず、本第1実施形態に係る移動式のロボットシステムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る移動式のロボットシステムを示す図である。なお、ロボットシステム1において、ロボットアーム10Aの先端が向く方向が前方であり、X方向は左右方向、Y方向はX方向に直交する前後方向、Z方向はX方向及びY方向に直交する上下方向である。これらX方向、Y方向、Z方向は、ロボットシステム1の座標系であり、つまりロボットシステム1の移動と一体に移動する方向である。従って、床2が水平平面であれば、ロボットシステム1が移動しても、Z方向が上下方向のままである。なお、床2は地面であっても構わない。
図1に示すように、移動式のロボットシステム1は、大まかに、キャスタ191等を有する移動架台100と、その移動架台100に設置されて搭載されたロボット装置10とを備えている。ロボット装置10は、移動架台100の設置部101に設置された台座11と、その台座11に支持されて設置されたロボット本体(または単にロボット)としてのロボットアーム10Aと、を有している。本実施形態のロボットアーム10Aは、例えば6軸多関節のマニピュレータである。このロボットアーム10Aの先端のリンク12には、エンドエフェクタとしてのロボットハンド19(図2参照)が取付け可能に構成されている。
また、ロボットシステム1は、ロボット装置10を制御するロボットコントローラ200と、ロボットハンド19を制御すハンドコントローラ210と、ロボットハンド19に取付けられた不図示のカメラを制御するビジョンコントローラ220を備えている。これらのコントローラは、移動架台100の内部に格納されて搭載されている。なお、移動架台100には、不図示のPLCやUPS等も搭載されている。
ロボットコントローラ200は、マイクロプロセッサ素子などを用いたコンピュータにより構成され、ロボット装置10や移動架台100の各部を制御することができる。ロボットコントローラ200を構成するコンピュータは、例えば、制御部としてのCPU201、各部を制御するためのプログラムを記憶するROM202、RAM203、通信インターフェース(図中ではI/F)204などから構成される。このうち、RAM203は例えば不図示のティーチングペンダント等の操作による教示点や制御指令などのデータの一時記憶に用いられる。なお、各部を制御するためのプログラムは、記録媒体に記録されたものをROM202にインストールすることが可能であり、記録媒体から通信インターフェース204を介してROMO202に読込むようにしてもよい。また、通信インターフェース204には、ロボットプログラムを編集可能な他のコンピュータ装置(PCやサーバ)も接続可能である。
CPU201は、例えばティーチングペンダント等で入力された教示点データを通信インターフェース204から受信する。そして、CPU201は、入力された教示点データに基づきロボット装置10の各軸(各リンク)の軌道を生成し、通信インターフェース204を介して制御目標値としてロボット装置10に送信することができる。これにより、ロボット装置10は、ロボットアーム10Aの先端に装着されたロボットハンド19によって、操作対象物であるワークに対する作業を行うことができる。
一方、移動架台100は、詳しくは後述するように昇降可能に構成されたキャスタ191により、床2を転動して任意の場所に移動可能に構成されている。また、移動架台100は、内部にフレーム部100F(図6参照)を有しており、そのフレーム部100Fに対し、上記台座11を設置する設置部101が設けられている。さらに、フレーム部100Fに対しては、複数(第1実施形態においては3本)の固定脚110が固定されており、これら固定脚110は、フレーム部100Fに対して上下方向の長さが不変となっている。さらに、移動架台100は、フレーム部100Fに取付けられると共に、フレーム部100Fに対して上下方向の長さが可変な複数(第1実施形態においては2本)の可動脚120を備えている。詳しくは後述するように、これら固定脚110及び可動脚120は、キャスタ191の昇降に応じて床2に接地可能に構成されている。
また、移動架台100の上部には、詳しくは後述する昇降機構195を制御してキャスタ191の上下方向の高さを切換える昇降スイッチ301が備えられている。また、移動架台100の上部には、操作者が掴んで移動架台100を移動させるためのハンドル350が備えられている。また、移動架台100の上部には、異常時にロボットアーム10Aの動作を停止させる非常停止ボタン302が備えられている。
さらに、移動架台100の上部には、周辺環境を認識するエリアセンサ403が備えられている。エリアセンサ403は、ロボットコントローラ200に接続されており、CPU201がエリアセンサ403の検知により移動中に周辺物に接近して衝突しそうなことを判定すると、不図示のブレーキを差動させて移動架台100の衝突を回避する。また、CPU201は、ロボットシステム1の近くに人がいることをエリアセンサ403が検知すると、ロボットアーム10Aの動作スピードの上限を下げるように制御する。つまり、ロボットアーム10Aが単体で作業をするときは最大スピードで動作し、人と近い距離で協働作業をする場合は、安全を考慮してスピードを落として動作をする。
[ロボットシステムの作業]
ついで、本第1実施形態に係るロボットシステム1による作業について、図2及び図7を用いて説明する。図2は第1実施形態に係る移動式のロボットシステムを作業位置に移動した状態を示す図である。図7は第1実施形態に係る移動架台の移動について説明する図である。
ついで、本第1実施形態に係るロボットシステム1による作業について、図2及び図7を用いて説明する。図2は第1実施形態に係る移動式のロボットシステムを作業位置に移動した状態を示す図である。図7は第1実施形態に係る移動架台の移動について説明する図である。
図2及び図7に示すように、例えば床2には固定架台400が固定されており、ロボットシステム1は、その固定架台400の手前に移動して第1作業としての組立作業を行うことができる。図7に示すように、固定架台400の作業台401の上には、例えば図示を省略したコネクタ、コネクタを差し込んで組付けるワークとしての基板W1、コネクタの組付作業を実行するロボットハンド19-1等が配置されている。即ち、ロボットシステム1は、移動架台100が固定架台400の手前に移動されて位置決めされた状態で、ロボット装置10によるコネクタの組付作業を実行することができる。
コネクタの組付作業では、まずロボットアーム10Aの先端のリンク12(図1参照)に、図示を省略したハンド交換台に載置されたロボットハンド19-1を取付ける。続いて、そのロボットハンド19-1を移動させてコネクタを把持し、コネクタを把持したロボットハンド19-1を、固定治具で作業台401の固定された基板W1の上方に移動させる。そして、その基板W1に把持したコネクタを差し込んで組付ける。これらの動作を繰り返し、複数のコネクタを基板W1に組付けることで組付作業を完了すると、つまり物品が製造されたことになる。また、コネクタの組付作業が完了すると、ロボットハンド19-1をハンド交換台に戻してロボットアーム10Aから取外し、ロボットアーム10Aを移動架台100の中央に移動させて、ロボットシステム1の移動に備える。
なお、ロボットハンド19-1には図示を省略したカメラが備えられており、ビジョンコントローラ220によって撮像された画像を用いて、ロボットコントローラ200がロボットアーム10Aをビジュアルサーボ制御することで位置合わせを行う。即ち、このビジュアルサーボ制御によって、ロボットハンド19-1の位置、コネクタの位置、基板W1の位置等を把握しつつロボットアーム10Aの位置や姿勢を制御する。これにより、ロボットシステム1を移動した際に、移動架台100(ロボットアーム10A)と固定架台400との位置を精度良く位置合わせしなくても、ロボットハンド19が自動的に位置合わせしつつコネクタの組付作業を行うことを可能としている。
また、固定架台400とは別の場所において、例えば床2には固定架台500が固定されており、ロボットシステム1は、その固定架台500の手前に移動して第2作業としての組立作業を行うことができる。固定架台500の作業台501の上には、部品(パーツ)としての不図示のピンが載置されたピン置台Pa2、ピンを不図示の穴部に挿入して組付けるワークとしての組付ワークW2、ピンの組付作業を実行するロボットハンド19-2等が配置されている。即ち、ロボットシステム1は、移動架台100が固定架台500の手前に移動されて位置決めされた状態で、ロボット装置10によるピンの組付作業を実行することができる。
ピンの組付作業では、まずロボットアーム10Aの先端のリンク12(図1参照)に、図示を省略したハンド交換台に載置されたロボットハンド19-2を取付ける。続いて、そのロボットハンド19-2を移動させてピンをワーク供給部としてのピン置台から把持し、ピンを把持したロボットハンド19-2を、固定治具で作業台501に固定された組付ワークW2の上方に移動させる。そして、その組付ワークW2の穴部に把持したピンを差し込んで組付ける。これらの動作を繰り返し、複数のピンを組付ワークW2に組付けることで組付作業を完了すると、つまり物品が製造されたことになる。また、ピンの組付作業が完了すると、ロボットハンド19-2をハンド交換台に戻してロボットアーム10Aから取外し、ロボットアーム10Aを移動架台100の中央に移動させて、ロボットシステム1の移動に備える。
なお、同様にロボットハンド19-2にも図示を省略したカメラが備えられており、ビジョンコントローラ220によって撮像された画像を用いて、ロボットコントローラ200がロボットアーム10Aをビジュアルサーボ制御することで位置合わせを行う。即ち、このビジュアルサーボ制御によって、ロボットハンド19-2の位置、ピンの位置、組付ワークW2の位置等を把握しつつロボットアーム10Aの位置や姿勢を制御する。これにより、ロボットシステム1を移動した際に、移動架台100(ロボットアーム10A)と固定架台400との位置を精度良く位置合わせしなくても、ロボットハンド19が自動的に位置合わせしつつピンの組付作業を行うことを可能としている。
以上のようにロボットシステム1は、複数の異なる作業を、それぞれの場所に移動することで実行することができる。図7に示すように、ロボットシステム1を移動する際は、詳しくは後述する昇降機構195によりキャスタ191を、固定脚110及び可動脚120(図2参照)よりも下方に突出するように下降させて床2に接地させる。これにより、作業者はハンドル350を操作しつつ移動架台100を移動させることが可能となる。また、例えば図2に示すように、移動架台100を、作業を行う固定架台400の手前に移動し、その位置で位置決めする。この際には、後述の昇降機構195によりキャスタ191を、固定脚110及び可動脚120よりも上方に退避するように上昇させることで、固定脚110及び可動脚120を床2に接地させる。これにより、移動架台100の床2における位置が、固定架台400に対して位置決め固定される。
[固定脚、可動脚、キャスタの構成]
続いて、第1実施形態に係る移動架台100における固定脚110及び可動脚120の構成について図3、図4、図5を用いて説明する。図3は第1実施形態に係る移動架台を示す下方斜視図である。図4(a)は第1実施形態に係る移動架台における固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図4(b)は第1実施形態に係るロボットシステムを示す上方視図である。図5は第1実施形態に係る可動脚を示す斜視図である。図6は第1実施形態に係る移動架台におけるキャスタ及びその昇降機構を示す斜視図である。
続いて、第1実施形態に係る移動架台100における固定脚110及び可動脚120の構成について図3、図4、図5を用いて説明する。図3は第1実施形態に係る移動架台を示す下方斜視図である。図4(a)は第1実施形態に係る移動架台における固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図4(b)は第1実施形態に係るロボットシステムを示す上方視図である。図5は第1実施形態に係る可動脚を示す斜視図である。図6は第1実施形態に係る移動架台におけるキャスタ及びその昇降機構を示す斜視図である。
図3に示すように、移動架台100の下部には、昇降する4つのキャスタ191、フレーム部100Fに対して上下方向の高さが固定された3つの固定脚110、及び上下方向の高さが可変な2つの可動脚120が配置されている。即ち、本第1実施形態においては、複数の脚として、3つの固定脚110及び2つの可動脚120を備えて、3以上の合計5つが配置されている。
図4(a)に示すように、3つの固定脚110は、移動架台100の前後方向であるY方向において、一方側の中央に1つ、他方側の両端に2つ配置されている。これら固定脚110を頂点として線で結んだ図形900は三角形からなる。図4(b)に示すように、ロボットアーム10A(設置部101(図1参照))は、移動架台100の前後方向及び横方向において略中央に配置されており、図4(a)に示すようにロボットアーム10Aの重心Gは図形900の内側にある。そして、2つの可動脚120は、その図形900の外側に配置されており、詳しくは後述するようにロボットアーム10Aの位置及び姿勢の変更に伴い重心Gが図形900の外側に移動した場合に、可動脚120で荷重を受けることになる。
(可動脚の構成)
次に、可動脚120の詳細な構成について説明する。図5に示すように、可動脚120は、移動架台100の内部に設けられたフレーム部100F(図3参照)に固定されたブラケット100Bに対して取付けられている。可動脚120は、内部に不図示の無給油ブッシュを有するガイド121と、シャフト123と、ブレーキユニット122と、保持力変更部としてのエア吸着部125と、を有して構成されている。シャフト123は、ガイド121の無給油ブッシュによって軸方向(上下方向)に移動自在に支持されている。ブレーキユニット122は、例えばリニアクランパ・ズィー等で構成され、エア接手122aから供給されるエアの圧力により、シャフト123をクランプ可能に構成されている。そして、シャフト123の下部には、床2に吸着すると共に吸着力を変更可能なエア吸着部125が配置されている。エア吸着部125は、エア接手125aからレギュレータ800(図10参照)に接続されて圧力を調整可能に制御する圧力制御弁126と、その圧力制御弁126により内部の圧力が調整される吸盤127とを有して構成されている。
次に、可動脚120の詳細な構成について説明する。図5に示すように、可動脚120は、移動架台100の内部に設けられたフレーム部100F(図3参照)に固定されたブラケット100Bに対して取付けられている。可動脚120は、内部に不図示の無給油ブッシュを有するガイド121と、シャフト123と、ブレーキユニット122と、保持力変更部としてのエア吸着部125と、を有して構成されている。シャフト123は、ガイド121の無給油ブッシュによって軸方向(上下方向)に移動自在に支持されている。ブレーキユニット122は、例えばリニアクランパ・ズィー等で構成され、エア接手122aから供給されるエアの圧力により、シャフト123をクランプ可能に構成されている。そして、シャフト123の下部には、床2に吸着すると共に吸着力を変更可能なエア吸着部125が配置されている。エア吸着部125は、エア接手125aからレギュレータ800(図10参照)に接続されて圧力を調整可能に制御する圧力制御弁126と、その圧力制御弁126により内部の圧力が調整される吸盤127とを有して構成されている。
ここで、可動脚120の長さの調整動作について説明する。例えば可動脚120のシャフト123は、固定脚110が床面に接地した後、自重により落下して床2の床面に接触する。接触後、ロボットコントローラ200のCPU201は、ブレーキユニット122のエア接手122aに不図示の電磁弁を介してエアを供給し、シャフト123をブレーキユニット122によってクランプ(長さを固定)する。なお、可動脚120の長さ調整は、シャフト123及びブレーキユニット122による構成に限らず、例えばエアシリンダやボールねじを用いた構成であっても構わない。
次に、エア吸着部125による可動脚120と床2との吸着動作について説明する。エア吸着部125による床2の吸着を行う場合には、エア接手125aに比例電磁弁である圧力制御弁126を介してレギュレータ800(図10参照)からの圧力(負圧)を印加する。即ち、圧力制御弁126の開口の連通量を調整制御することにより、吸盤127の内部の圧力を変えることで、吸盤127と床2との吸着力(固定保持力)を可変可能に調整する。なお、圧力制御弁126は、比例電磁弁を比例制御(デューティ制御)するものに限らず、ON/OFF電磁弁をPWM制御するものでも構わない。
以上説明したように、可動脚120は、自動的に上下方向の長さの調整を行うことができる。例えば特開2022-91213号公報に記載されたキャスタとアジャスタとを用いた移動架台では、4つのキャスタの近傍に配置されたアジャスタを、設置場所で作業者がそれぞれ調整するため、移動架台の設置において調整時間がかかる。それに対して、本実施形態に係る移動架台100では、3つの固定脚110と自動で長さが変わる2個の可動脚120とを用いているため、短時間で移動架台100の姿勢を安定させることができる。
(キャスタ機構)
ついで、キャスタ191を昇降させるキャスタ機構190について説明する。図7に示すように、キャスタ機構190は、例えば移動架台100の前方側と後方側との2箇所に設けられており、移動架台100の内部に設けられたフレーム部100Fに固定された2箇所のブラケット100Bに対して取付けられている。
ついで、キャスタ191を昇降させるキャスタ機構190について説明する。図7に示すように、キャスタ機構190は、例えば移動架台100の前方側と後方側との2箇所に設けられており、移動架台100の内部に設けられたフレーム部100Fに固定された2箇所のブラケット100Bに対して取付けられている。
詳細には、キャスタ機構190は、2つのキャスタ191が取付けられたキャスタベース198と、キャスタベース198を上下方向に移動自在に支持するガイド部192と、キャスタベース198を上下方向に昇降する昇降機構195と、を有している。ガイド部192は、ブラケット100Bのそれぞれに取付けられた軸受部194と、その軸受部194により上下方向に移動自在に案内されるガイドシャフト193と、を有している。そして、そのガイドシャフト193に上記キャスタベース198が固定支持されている。
一方、切換機構としての昇降機構195は、2箇所のブラケット100Bに水平方向に移動可能に支持された駆動ステージ199を有する。また、昇降機構195は、駆動ステージ199に固定支持されたカムフォロア197と、カムフォロア197が案内溝196aに係合されたカムプレート196とを有する。駆動ステージ199には不図示の駆動モータが備えられており、上記昇降スイッチ301(図1参照)の操作により駆動モータが駆動されることで、駆動ステージ199が水平方向に移動駆動される。駆動ステージ199と共にカムフォロア197が水平方向に移動すると、案内溝196aをカムフォロア197が押圧する形で、キャスタベース198に固定されたカムプレート196を上下方向に移動駆動する。これにより、2つのキャスタ191と共にキャスタベース198が上下方向に昇降される。従って、昇降機構195は、キャスタ191が固定脚110よりも下方に進出させた進出位置と、キャスタ191を固定脚110よりも上方に退避させた退避位置とに切換え可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、キャスタ機構190を用いてキャスタ191の昇降を行うものを説明したが、これに限らず、例えばエアシリンダ等の他の駆動源を用いてキャスタベース或いはキャスタそのものを昇降するような構成でもよい。
(移動架台の移動及び床との接地)
以上のように構成された移動架台100は、図7に示すように、キャスタ191が接地して床2を転動することで操作者によって移動可能に構成されている。そして、移動架台100を移動先で作業場所に設置する場合には、まず、上記キャスタ機構190によってキャスタ191が上昇される。すると、基本的に3つの固定脚110によって移動架台100が床2に対して接地され、固定脚110が3つであることで移動架台100の接地平面が1つに定まる。即ち、床2の表面(つまり床面)が略平面であれば3つの固定脚110が設置することで移動架台100の姿勢は安定する。
以上のように構成された移動架台100は、図7に示すように、キャスタ191が接地して床2を転動することで操作者によって移動可能に構成されている。そして、移動架台100を移動先で作業場所に設置する場合には、まず、上記キャスタ機構190によってキャスタ191が上昇される。すると、基本的に3つの固定脚110によって移動架台100が床2に対して接地され、固定脚110が3つであることで移動架台100の接地平面が1つに定まる。即ち、床2の表面(つまり床面)が略平面であれば3つの固定脚110が設置することで移動架台100の姿勢は安定する。
ここで、床面が平面ではなく凹凸がある場合、3つの固定脚110が全て接地する前に、可動脚120のどちらかが3つの固定脚110の何れかよりも先に接地することもある。つまり、長さが調整できる可動脚120の長さを調整することで固定脚110と合わせて床面と3点以上で接地することができ、移動架台100の姿勢を安定させることができる。
また、床面が傾斜した傾斜面である場合、3つの固定脚110が全て接地したとしても、移動架台100の重力方向が固定脚110の軸方向と一致しないので、移動架台100の姿勢は安定しない。そこで、長さを調整できる可動脚120の長さを調整すること(傾斜面に倣わせること)で固定脚110と合わせて床面と3点以上で接地することができ、移動架台100の姿勢は安定させることができる。
[ロボットアームの駆動による重心移動と可動脚による固定保持力の変更]
続いて、ロボットアーム10Aを駆動して位置及び姿勢が変化したことによる重心の移動と、可動脚120による床2との固定保持力の変更について図8を用いて説明する。図8(a)は第1実施形態に係るロボットアームを移動架台の中央に位置させた状態のロボットシステムを示す下方視図である。図8(b)は第1実施形態に係るロボットアームを移動架台の中央からX1方向に移動させた状態のロボットシステムを示す下方視図である。図8(c)は第1実施形態に係るロボットアームを移動架台の中央からX2方向に移動させた状態のロボットシステムを示す下方視図である。
続いて、ロボットアーム10Aを駆動して位置及び姿勢が変化したことによる重心の移動と、可動脚120による床2との固定保持力の変更について図8を用いて説明する。図8(a)は第1実施形態に係るロボットアームを移動架台の中央に位置させた状態のロボットシステムを示す下方視図である。図8(b)は第1実施形態に係るロボットアームを移動架台の中央からX1方向に移動させた状態のロボットシステムを示す下方視図である。図8(c)は第1実施形態に係るロボットアームを移動架台の中央からX2方向に移動させた状態のロボットシステムを示す下方視図である。
図8(a)に示すように、例えば移動架台100によりロボットシステム1を移動させる際には、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢を初期位置(ホームポジション)となるように制御する。このため、ロボットシステム1を移動し、キャスタ191を上昇させて3つの固定脚110、可動脚120A及び可動脚120Bを床2に接地させた直後の状態では、ロボットアーム10Aの重心Gが2つの固定脚110を線で結んだ図形900の内側にある。このため、ロボットシステム1は、3つの固定脚110に支えられて転倒する虞は小さい。また、この状態において可動脚120A,120Bには、5つの脚で分散した概略自重分の垂直抗力がかかっていることになる。
次に、図8(b)に示すように、ロボットシステム1が上述したような作業を開始すると、ロボットアーム10Aが駆動制御されてロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変わり、例えば重心Gの位置が中央よりX1方向に移動して、図形900の外側となる。すると、図形900の外側に重心Gが位置するため、ロボットシステム1が転倒する虞が生じる。しかしながら、重心GがX1方向に移動した際、可動脚120Bには上記垂直抗力に加えて力βが下方に加わり(β:重心位置がずれることにより可動脚120Bに加わる力、>0)、床2に対する固定保持力が上がる。そのため、ロボットシステム1の転倒を防止することが可能となる。さらに、可動脚120Aには上記垂直抗力に加えて力αが上方に加わる(α:重心位置がずれることにより可動脚120Aに加わる力、<0)ため、可動脚120Aは床2から浮いてしまうことになる。しかしながら、可動脚120Aのエア吸着部125によって可動脚120Aと床2とを吸着させて固定させることで、重心Gの移動によるモーメントに抗う固定保持力を発生させ、さらなる転倒の防止を図ることができる。
また、図8(c)に示すように、さらにロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変わり、重心Gの位置が中央よりX2方向に移動して、図形900の外側となる。この場合は、可動脚120Aのエア吸着部125の吸着を停止或いは吸着力を低下させ、反対に可動脚120Bのエア吸着部125によって可動脚120Bと床2との吸着力を上昇させる。これにより、重心Gの位置の移動によるモーメントに抗う固定保持力を発生させ、転倒の防止を図ることができる。
このようにロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して重心Gの位置が横方向であるX方向に入れ替わるように移動することに応じて、可動脚120Aのエア吸着部125と可動脚120Bのエア吸着部125との吸着力の大きさを切換える。これにより、ロボットシステム1の転倒を防止するだけでなく、重心Gの移動に合わせ可動脚120Aと可動脚120Bとの吸着による床2に対する固定保持力を変更することで、ロボットシステム1の特に横方向の振動の抑制を図ることが可能となる。特に、可動脚120Aと可動脚120Bとの固定保持力を最大にして固定しようとした場合、ロボットシステム1の転倒を防止できたとしても、振動の抑制は図ることが難しい。本実施形態では、重心Gの移動に合わせて可動脚120Aと可動脚120Bとの固定保持力を変更させるので、振動の抑制を図りつつ、固定保持力を最大する場合よりも、固定保持力の発生に必要なエネルギーを必要最低限に低減することができる。
なお、本第1実施形態においては、可動脚120にエア吸着部125を設けて、床2に対してエアによる吸着力(固定保持力)を変更するものを説明した。しかしながら、これに限らず、例えば床2が磁性体である場合には電磁力等によって床2に対する吸着力(固定保持力)を変更するものでも構わず、さらには、電磁力に限らず、吸着力(固定保持力)を変更できるものであれば、どのようなものでも構わない。
[固定脚及び可動脚の配置パターンの変形例]
ついで、ロボットシステム1の移動架台100に設ける固定脚及び可動脚の配置パターンの変形例について、図9を用いて説明する。図9(a)は第1パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(b)は第2パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(c)は第3パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(d)は第4パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(e)は第5パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(f)は第6パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。
ついで、ロボットシステム1の移動架台100に設ける固定脚及び可動脚の配置パターンの変形例について、図9を用いて説明する。図9(a)は第1パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(b)は第2パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(c)は第3パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(d)は第4パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(e)は第5パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。図9(f)は第6パターンとしての固定脚と可動脚との配置位置を示す図である。
図9(a)では、第1パターンとしての固定脚110及び可動脚120の配置パターンを有する移動架台100-1を示している。この第1パターンは、上記第1実施形態として説明した配置パターンである。即ち、3つの固定脚110は、移動架台100の前後方向であるY方向における一方側でX方向の中央に1つ、Y方向における他方側でX方向の両端付近に2つ配置されている。また、2つの可動脚120は、Y方向における一方側にある固定脚110を挟んで、X方向の両端付近に2つ配置されている。従って、2つの可動脚120は、3つの固定脚110を線で結んだ図形900-1の外側に配置されている。このような第1パターンの配置パターンでは、3つの固定脚110及び2つの可動脚120によって外縁をなす図形901-1の範囲が、重心Gが移動してもロボットシステム1の転倒を防止できる範囲となる。また、2つの可動脚120がX方向に並んで配置されるため、2つの可動脚120による床2との固定保持力の入換えるように変更することによって、X方向の振動の低減が図り易い配置である。また、2つの可動脚120による床2との固定保持力を同期させて変更させることで、Y方向の振動及びZ方向の振動の低減も可能な配置である。なお、この移動架台100-1を有するロボットシステム1では、Y方向の一方側(図中上方側)にロボットアーム10Aが作業する作業位置があるようにロボットシステム1を配置することが好ましい。これにより、ロボットアーム10AのX方向の移動に対するX方向の振動抑制の効果が得られ易い。
図9(b)では、第2パターンとしての固定脚110及び可動脚120の配置パターンを有する移動架台100-2を示している。この第2パターンは、第1パターンに対して可動脚120を1つ追加した配置パターンである。即ち、3つの固定脚110は、移動架台100の前後方向であるY方向における一方側でX方向の中央に1つ、Y方向における他方側でX方向の両端付近に2つ配置されている。また、3つの可動脚120は、Y方向の一方側にある固定脚110を挟んでX方向の両側において、X方向の両端付近に2つ配置され、Y方向の他方側にある2つ固定脚110の間において、X方向の中央付近に1つ配置されている。従って、3つの可動脚120は、3つの固定脚110を線で結んだ図形900-2の外側に配置されている。このような第2パターンの配置パターンでは、3つの固定脚110及び3つの可動脚120によって外縁をなす図形901-2の範囲が、上記図形901-1よりも広く、重心Gが移動してもロボットシステム1の転倒を防止できる範囲が広範囲となる。また、3つの可動脚120がX方向及びY方向に三角形状に並んで配置されるため、3つの可動脚120による床2との固定保持力の入換えるように変更することによって、X方向及びY方向の振動の低減が図り易い配置である。また、3つの可動脚120による床2との固定保持力を同期させて変更させることで、Z方向の振動の低減も可能な配置である。なお、この移動架台100-1を有するロボットシステム1では、比較的どの方向にロボットアーム10Aが作業する作業位置があっても、振動抑制の効果が得られる。
なお、図9(a)及び図9(b)に示す第1パターン及び第2パターンにおける固定脚110及び可動脚120の配置パターンのように、固定脚110を3以上含み、可動脚120を2以上含んでいる構成では、以下のように構成すると好ましい。つまり、3以上の固定脚110を頂点として線で結んだ図形900の内側に設置部(ロボットアーム10A)を配置し、2以上の可動脚120を図形900の外側に配置するように構成する。これにより、転倒の防止効果、振動抑制の効果が得られ易い構成とすることができる。
図9(c)では、第3パターンとしての固定脚110及び可動脚120の配置パターンを有する移動架台100-3を示している。この第3パターンは、2つの固定脚110と1つの可動脚120とを配置した配置パターンである。即ち、1つの可動脚120は、Y方向における一方側でX方向の中央付近に配置され、2つの固定脚110は、Y方向における他方側でX方向の両端付近に2つ配置されている。従って、1つの可動脚120と2つの固定脚110とを線で結んだ図形900-3が、1つの可動脚120と2つの固定脚110とで外縁をなす図形となる。そして、この図形900-3の範囲が、重心Gが移動してもロボットシステム1の転倒を防止できる範囲となる。また、1つの可動脚120がY方向の一方側に配置されるため、Y方向及びZ方向の振動の低減が図り易い配置である。なお、この移動架台100-3を有するロボットシステム1では、Y方向の一方側(図中上方側)にロボットアーム10Aが作業する作業位置があるようにロボットシステム1を配置することが好ましい。これにより、ロボットアーム10AのY方向に移動に対するY方向の振動抑制の効果が得られ易い。
図9(d)では、第4パターンとしての固定脚110及び可動脚120の配置パターンを有する移動架台100-4を示している。この第4パターンは、1つの固定脚110と2つの可動脚120とを配置した配置パターンである。即ち、1つの固定脚110は、Y方向における一方側でX方向の中央付近に配置され、2つの可動脚120は、Y方向における他方側でX方向の両端付近に2つ配置されている。従って、2つの可動脚120と1つの固定脚110とを線で結んだ図形900-4が、2つの可動脚120と1つの固定脚110とで外縁をなす図形となる。そして、この図形900-4の範囲が、重心Gが移動してもロボットシステム1の転倒を防止できる範囲となる。また、2つの可動脚120がY方向の他方側に配置されるため、2つの可動脚120による床2との固定保持力の入換えるように変更することによって、X方向の振動の低減が図り易い配置である。また、2つの可動脚120による床2との固定保持力を同期させて変更させることで、Y方向及びZ方向の振動の低減も可能な配置である。なお、この移動架台100-4を有するロボットシステム1では、Y方向の他方側(図中下方側)にロボットアーム10Aが作業する作業位置があるようにロボットシステム1を配置することが好ましい。これにより、ロボットアーム10AのX方向の移動に対するX方向の振動抑制の効果が得られ易い。
図9(e)では、第5パターンとしての固定脚110及び可動脚120の配置パターンを有する移動架台100-5を示している。この第5パターンは、2つの固定脚110と2つの可動脚120とを配置した配置パターンである。即ち、2つの可動脚120は、Y方向における一方側でX方向の両端付近に配置され、2つの固定脚110は、Y方向における他方側でX方向の両端付近に2つ配置されている。従って、2つの可動脚120と2つの固定脚110とを線で結んだ図形900-5が、2つの可動脚120と2つの固定脚110とで外縁をなす図形となる。そして、この図形900-5の範囲が、重心Gが移動してもロボットシステム1の転倒を防止できる範囲となる。また、2つの可動脚120がY方向の一方側に配置されるため、2つの可動脚120による床2との固定保持力の入換えるように変更することによって、X方向の振動の低減が図り易い配置である。また、2つの可動脚120による床2との固定保持力を同期させて変更させることで、Y方向及びZ方向の振動の低減も可能な配置である。なお、この移動架台100-5を有するロボットシステム1では、Y方向の一方側(図中上方側)にロボットアーム10Aが作業する作業位置があるようにロボットシステム1を配置することが好ましい。これにより、ロボットアーム10AのX方向の移動に対するX方向の振動抑制の効果が得られ易い。
図9(f)では、第6パターンとしての固定脚110及び可動脚120の配置パターンを有する移動架台100-6を示している。この第6パターンは、2つの固定脚110と2つの可動脚120とを配置した配置パターンである。即ち、2つの可動脚120は、Y方向における一方側及び他方側でX方向の中央付近に配置され、2つの固定脚110は、Y方向における中央付近でX方向の両端付近に2つ配置されている。従って、2つの可動脚120と2つの固定脚110とを線で結んだ図形900-6が、2つの可動脚120と2つの固定脚110とで外縁をなす図形となる。そして、この図形900-6の範囲が、重心Gが移動してもロボットシステム1の転倒を防止できる範囲となる。また、2つの可動脚120がY方向の一方側及び他方側に配置されるため、2つの可動脚120による床2との固定保持力の入換えるように変更することによって、Y方向の振動の低減が図り易い配置である。また、2つの可動脚120による床2との固定保持力を同期させて変更させることで、Z方向の振動の低減も可能な配置である。なお、この移動架台100-6を有するロボットシステム1では、X方向のどちらか(図中左右のどちらか)にロボットアーム10Aが作業する作業位置があるようにロボットシステム1を配置することが好ましい。これにより、ロボットアーム10AのY方向に移動に対するY方向の振動抑制の効果が得られ易い。
[第1実施形態に係る姿勢制御]
ついで、第1実施形態に係る移動架台100の姿勢を制御する姿勢制御について、図10及び図11を用いて説明する。図10(a)は第1実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図10(b)は第1実施形態における第1可動脚と第2可動脚とにおける構造を示すブロック図である。図10(c)は第1実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図11は第1実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
ついで、第1実施形態に係る移動架台100の姿勢を制御する姿勢制御について、図10及び図11を用いて説明する。図10(a)は第1実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図10(b)は第1実施形態における第1可動脚と第2可動脚とにおける構造を示すブロック図である。図10(c)は第1実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図11は第1実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
(移動架台の制御構成)
まず、本第1実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A及び第2可動脚120Bの構成について説明する。図10(a)に示すように、移動架台100-1(以下、単に「移動架台100」という)は、2つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第1パターンの配置パターンで配置されて構成されている。なお、2つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A及び第2可動脚120Bという。
まず、本第1実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A及び第2可動脚120Bの構成について説明する。図10(a)に示すように、移動架台100-1(以下、単に「移動架台100」という)は、2つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第1パターンの配置パターンで配置されて構成されている。なお、2つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A及び第2可動脚120Bという。
移動架台100の上部には、ロボットアームの位置及び姿勢に応じて変化する移動架台100の状態変化を検知する検知部として、第1ジャイロセンサ600A及び第2ジャイロセンサ600Bが配置されている。詳細には、上下方向から視て第1可動脚120Aの近傍に第1ジャイロセンサ600Aが配置されており、上下方向から視て第2可動脚120Bの近傍に第2ジャイロセンサ600Bが配置されている。これら第1ジャイロセンサ600A及び第2ジャイロセンサ600Bは、移動架台100に生じる振動による傾きで生じる角速度を検知して、上記ロボットコントローラ200に出力する。
図10(b)に示すように、第1可動脚120Aは、上述した圧力制御弁としての第1圧力制御弁126Aと、その第1圧力制御弁126Aによりエアの圧力が調整される第1吸盤127Aとを有している(図5参照)。また、第1圧力制御弁126Aは、エア接手125a(図5参照)を介して、移動架台100の内部に配置された圧力レギュレータである第1レギュレータ800Aに連通されている。即ち、第1レギュレータ800Aにより負圧が生成され、第1圧力制御弁126Aが調圧することで、第1吸盤127Aの内部のエアが調圧され、第1可動脚120Aと床2との吸着力が調整されて、つまり固定保持力が変更される。
同様に、第2可動脚120Bも、第2圧力制御弁126Bと、その第2圧力制御弁126Bによりエアの圧力が調整される第2吸盤127Bとを有しており、第2圧力制御弁126Aは、第2レギュレータ800Bに連通されている。即ち、第2レギュレータ800Bにより負圧が生成され、第2圧力制御弁126Bが調圧することで、第2吸盤127Bの内部のエアが調圧され、第2可動脚120Bと床2との吸着力が調整されて、つまり固定保持力が変更される。
図10(c)に示すように、第1ジャイロセンサ600A及び第2ジャイロセンサ600Bは、ロボットコントローラ200のCPU201に検知した角速度を出力可能に接続されている。また、CPU201は、第1可動脚120Aの第1圧力制御弁126Aと、第2可動脚120Bの第2圧力制御弁126Bとに、圧力を調圧する指令を出力可能に接続されている。
(姿勢制御)
ついで、第1実施形態に係る姿勢制御について説明する。上述したようにキャスタ191を上昇させ、固定脚110や可動脚120を床2に接地させただけであると、水平方向にはロボットシステム1の重量による床2と各脚との摩擦だけで固定された状態である。また、上下方向(重力方向)には、床2に各脚からロボットシステム1の重量だけがかかっている状態である。仮に、この状態で、数十キログラムの重量を有するロボットアーム10Aが動作を行うと、重心Gの移動や慣性により床2と各脚とが浮いて離れたりする虞がある。そこで、本第1実施形態に係る姿勢制御を以下のように実行する。
ついで、第1実施形態に係る姿勢制御について説明する。上述したようにキャスタ191を上昇させ、固定脚110や可動脚120を床2に接地させただけであると、水平方向にはロボットシステム1の重量による床2と各脚との摩擦だけで固定された状態である。また、上下方向(重力方向)には、床2に各脚からロボットシステム1の重量だけがかかっている状態である。仮に、この状態で、数十キログラムの重量を有するロボットアーム10Aが動作を行うと、重心Gの移動や慣性により床2と各脚とが浮いて離れたりする虞がある。そこで、本第1実施形態に係る姿勢制御を以下のように実行する。
図11に示すように、CPU201は、本姿勢制御を開始すると、まず、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bのキャリブレーションを行う(S101)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1及び第2圧力制御弁126A,126Bの設定を無圧の状態に設定し(S102)、つまり第1及び第2圧力制御弁126A,126Bの初期設定を行う。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機し(S103のN)、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定すると(S103のY)、ステップS104に進む。
CPU201は姿勢制御の実働を開始すると、まず、第1及び第2圧力制御弁126A,126Bの設定を低圧の状態に制御し(S104)、つまり第1及び第2吸盤127A,127Bの吸着を開始する。続いて、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bが検知している値を読み込み(S105)、移動架台100の傾き(姿勢)を算出する。そして、CPU201は、その算出した姿勢から、移動架台100におけるX方向に関して第1可動脚120Aの側の高さと、第2可動脚120Bの側の高さを算出する。
ついで、CPU201は、移動架台100において、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bの検知に基づき、第1可動脚120Aの側が低いか否かを判定する(S106)。第1可動脚120Aの側が低くない場合は(S106のN)、続けて第2可動脚120Bの側が低いか否かを判定する(S108)。ここで、第2可動脚120Bの側も低くない場合は(S108のN)、つまり移動架台100が傾斜していないので、ステップS110に進む。そして、姿勢制御を終了するか否か判定し(S110)、つまりロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したか否かを判定して、ロボットアーム10Aが駆動中であれば姿勢制御の継続を判定して(S110のN)、ステップS105に戻る。
ここで、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために、X方向における第1可動脚120Aの側に先端を移動させると(例えば図8(c)参照)、移動架台100における第1可動脚120Aの側が低くなる。そして、CPU201は、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bがそれらの各速度から移動架台100における第1可動脚120Aの側が低くなったことを判定する(S106のY)。この場合、CPU201は、第2圧力制御弁126Bに第2吸盤127Bの吸着力が上昇(アップ)する指令を行うと共に、第1圧力制御弁126Aに第1吸盤127Aの吸着力が下降(ダウン)する指令を行う(S107)(保持力変更工程)。つまり、移動架台100は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して重心が第1可動脚120Aの側に移動したことを検出する。そして、それとは反対の第2可動脚120Bの床2に対する吸着力(固定保持力)を大きくする共に、第1可動脚120Aの床2に対する吸着力(固定保持力)を小さくすることで、移動架台100の傾斜を抑制する。これにより、ロボットシステム1の転倒の防止が図られる。
また、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために、X方向における第2可動脚120Bの側に先端を移動させると(例えば図8(b)参照)、移動架台100における第2可動脚120Bの側が低くなる。そして、CPU201は、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bがそれらの各速度から移動架台100における第2可動脚120Bの側が低くなったことを判定する(S106のN、S108のY)。この場合、CPU201は、第1圧力制御弁126Aに第1吸盤127Aの吸着力が上昇(アップ)する指令を行うと共に、第2圧力制御弁126Bに第2吸盤127Bの吸着力が下降(ダウン)する指令を行う(S109)(保持力変更工程)。つまり、移動架台100は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して重心が第2可動脚120Bの側に移動したことを検出する。そして、それとは反対の第1可動脚120Aの床2に対する吸着力(固定保持力)を大きくする共に、第2可動脚120Bの床2に対する吸着力(固定保持力)を小さくすることで、移動架台100の傾斜を抑制する。これにより、ロボットシステム1の転倒の防止が図られる。
このように、移動架台100の傾斜が検知される度に、それを抑制するように第1及び第2可動脚120A,120Bの床2に対する吸着力(固定保持力)を制御し、移動架台100の傾斜を抑制することを繰り返す。これにより、ロボットアーム10Aが移動することにより発生する移動架台100の振動に対しても、それを抑制するように第1及び第2可動脚120A,120Bの床2に対する吸着力(固定保持力)が生じる。従って、移動架台100の特にX方向に対する振動を抑制することができる。
なお、その後、ロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したことが判定されると、姿勢制御を終了することが判定され(S110のY)、以上で本実施形態に係る姿勢制御が終了される。
[第1実施形態のまとめ]
以上説明したように、本第1実施形態に係るロボットシステム1では、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能なエア吸着部125を設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の転倒の防止や振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。即ち、可動脚や固定脚を床2に対してアンカー等の機械部品で締結すれば、固定力は強固になるが、固定力が変更できないため、特に振動の抑制等について効果を発揮できない。さらに、アンカー等の機械部品による締結の作業は、ロボットシステム1の移動先での設置作業として時間がかかる。従って、本実施形態では、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。また、このように移動架台100の振動の抑制が可能となることで、ロボットシステム1の作業によって組立てられる部品における組付不良の発生も低減することができる。
以上説明したように、本第1実施形態に係るロボットシステム1では、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能なエア吸着部125を設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の転倒の防止や振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。即ち、可動脚や固定脚を床2に対してアンカー等の機械部品で締結すれば、固定力は強固になるが、固定力が変更できないため、特に振動の抑制等について効果を発揮できない。さらに、アンカー等の機械部品による締結の作業は、ロボットシステム1の移動先での設置作業として時間がかかる。従って、本実施形態では、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。また、このように移動架台100の振動の抑制が可能となることで、ロボットシステム1の作業によって組立てられる部品における組付不良の発生も低減することができる。
また、本ロボットシステム1においては、キャスタ191を上昇させて複数の脚を接地させる場合に、3つの固定脚110を床2に倣わせてから2つの可動脚120を床2に倣わす。このため、例えば床2の表面に凹凸があったとしても、複数の脚を床2に倣わして接地させることができ、移動架台100を安定的に設置することができる。
また、本ロボットシステム1においては、3つの固定脚110を結んだ線で形成される図形900の外側に2つの可動脚120を配置していることで、重心Gが移動した場合における可動脚120により重心Gを支える範囲を大きくできる。これによりロボットシステム1の転倒の防止を図ることができ、また、移動架台100の傾斜も抑制することができる。さらに、これら2つの可動脚120にエア吸着部125を備えて、床2との吸着力(固定保持力)を変更可能に構成している。そして、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bによる検知結果に応じてエア吸着部125における固定保持力の大きさを制御する姿勢制御を実行することで、移動架台100の姿勢の安定化を図ることができ、振動の抑制も図ることができる。
なお、ロボットシステム1が設置される床2は、他の工作機械やロボットシステムによって、床2自体が振動していることがある。例えばロボットアーム10Aの動作による振動が1Hz~10Hz程度であるとすると、床2は10Hz以上の細かい振動となる。本実施形態では、このような床2の振動も、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bが、固定脚110や可動脚120を介して検知することが可能である。そのため、上記の姿勢制御を行うことで、ロボットアーム10Aに伝達される床2の振動も低減することができる。なお、移動架台100の設置部とロボットアーム10Aとの間に、防振機構、除震機構、又は制振機構を備えて、床2の振動がロボットアーム10Aに伝わり難くするようにしても構わない。このような防振機構、除震機構、又は制振機構としては、例えばゲル状の防振シート等が介在された機構が考えられる。
<第2実施形態>
次に、上記第1実施形態を一部変更した第2実施形態について図12及び図13を用いて説明する。図12(a)は第2実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図12(b)は第2実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図13は第2実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
次に、上記第1実施形態を一部変更した第2実施形態について図12及び図13を用いて説明する。図12(a)は第2実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図12(b)は第2実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図13は第2実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
本第2実施形態は、上記第1実施形態のエア吸着部125に代えて磁力吸着部としてのソレノイドを備え、そのソレノイドで発生する磁力によって可動脚120と床2とを磁着する磁力を変更することでその可動脚120の固定保持力を変更するものである。なお、本第2実施形態においては、床2が磁性体であって、磁力で床2と可動脚120とが磁着することを前提としている。以下、本第2実施形態に係る制御構成と姿勢制御について説明する。
(移動架台の制御構成)
まず、本第2実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A及び第2可動脚120Bの構成について説明する。図12(a)に示すように、移動架台100-1(以下、単に「移動架台100」という)は、第1実施形態と同様に、2つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第1パターンの配置パターンで配置されて構成されている。なお、2つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A及び第2可動脚120Bという。
まず、本第2実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A及び第2可動脚120Bの構成について説明する。図12(a)に示すように、移動架台100-1(以下、単に「移動架台100」という)は、第1実施形態と同様に、2つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第1パターンの配置パターンで配置されて構成されている。なお、2つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A及び第2可動脚120Bという。
移動架台100の上部には、第1実施形態と同様に、第1ジャイロセンサ600A及び第2ジャイロセンサ600Bが配置されている。詳細には、上下方向から視て第1可動脚120Aの近傍に第1ジャイロセンサ600Aが配置されており、上下方向から視て第2可動脚120Bの近傍に第2ジャイロセンサ600Bが配置されている。これら第1ジャイロセンサ600A及び第2ジャイロセンサ600Bは、移動架台100に生じる振動による傾きで生じる角速度を検知して、上記ロボットコントローラ200に出力する。
図12(b)に示すように、第1可動脚120Aは、磁力吸着部或いは保持力変更部として、磁力を発生させる不図示のコイルを有する第1可動脚ソレノイド1126Aを備えている。同様に、第2可動脚120Bは、磁力吸着部或いは保持力変更部として、磁力を発生させる不図示のコイルを有する第2可動脚ソレノイド1126Bを備えている。また、移動架台100の内部には、第1可動脚ソレノイド1126Aに印加する電力を制御する第1ソレノイドドライバ230Aと、第2可動脚ソレノイド1126Bに印加する電力を制御する第2ソレノイドドライバ230Bと、を備えている。これらソレノイドドライバは、一般的な駆動回路であるので、その説明は省略する。
そして、第1実施形態と同様に、第1ジャイロセンサ600A及び第2ジャイロセンサ600Bは、ロボットコントローラ200のCPU201に検知した角速度を出力可能に接続されている。また、CPU201は、第1ソレノイドドライバ230Aと、第2ソレノイドドライバ230Bとに、PWM制御の信号指令(パルス幅の信号)を出力可能に接続されている。
このような第1可動脚120A及び第2可動脚120Bでは、CPU201が第1ソレノイドドライバ230A或いは第2ソレノイドドライバ230Bに指令することで、第1可動脚ソレノイド1126A或いは第2可動脚ソレノイド1126Bを駆動する。すると、第1可動脚120A或いは第2可動脚120Bの磁力が変更され、それらと床2との磁着力が変化することで固定保持力が変化することになる。
(姿勢制御)
図13に示すように、CPU201は、本姿勢制御を開始すると、まず、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bのキャリブレーションを行う(S201)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bに指令するPWM制御をOFFし(S202)、つまり第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bの初期設定を行う。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機し(S203のN)、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定すると(S203のY)、ステップS204に進む。
図13に示すように、CPU201は、本姿勢制御を開始すると、まず、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bのキャリブレーションを行う(S201)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bに指令するPWM制御をOFFし(S202)、つまり第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bの初期設定を行う。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機し(S203のN)、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定すると(S203のY)、ステップS204に進む。
CPU201は姿勢制御の実働を開始すると、まず、第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126BのPWM制御を開始し(S204)、つまり第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bで磁力を発生可能な状態にする。続いて、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bが検知している値を読み込み(S205)、移動架台100の傾き(姿勢)を算出する。そして、CPU201は、その算出した姿勢から、移動架台100におけるX方向に関して第1可動脚120Aの側の高さと、第2可動脚120Bの側の高さを算出する。
ついで、CPU201は、移動架台100において、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bの検知に基づき、第1可動脚120Aの側が低いか否かを判定する(S206)。第1可動脚120Aの側が低くない場合は(S206のN)、続けて第2可動脚120Bの側が低いか否かを判定する(S208)。ここで、第2可動脚120Bの側も低くない場合は(S208のN)、つまり移動架台100が傾斜していないので、ステップS210に進む。そして、姿勢制御を終了するか否か判定し(S210)、つまりロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したか否かを判定して、ロボットアーム10Aが駆動中であれば姿勢制御の継続を判定して(S210のN)、ステップS205に戻る。
ここで、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために、X方向における第1可動脚120Aの側に先端を移動させると(例えば図8(c)参照)、移動架台100における第1可動脚120Aの側が低くなる。そして、CPU201は、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bがそれらの各速度から移動架台100における第1可動脚120Aの側が低くなったことを判定する(S206のY)。この場合、CPU201は、第2可動脚ソレノイド1126Bに指令するPWM制御のパルス幅を増加させることで、第2可動脚120Bの磁着力が上昇する指令を行う。それと共に、第1可動脚ソレノイド1126Aに指令するPWM制御のパルス幅を減少させることで、第1可動脚120Aの磁着力が減少する指令を行う(S207)(保持力変更工程)。つまり、移動架台100は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して重心が第1可動脚120Aの側に移動したことを検出する。そして、それとは反対の第2可動脚120Bの床2に対する磁着力(固定保持力)を大きくする共に、第1可動脚120Aの床2に対する磁着力(固定保持力)を小さくすることで、移動架台100の傾斜を抑制する。これにより、ロボットシステム1の転倒の防止が図られる。
また、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために、X方向における第2可動脚120Bの側に先端を移動させると(例えば図8(b)参照)、移動架台100における第2可動脚120Bの側が低くなる。そして、CPU201は、第1及び第2ジャイロセンサ600A,600Bがそれらの各速度から移動架台100における第2可動脚120Bの側が低くなったことを判定する(S206のN、S208のY)。CPU201は、第1可動脚ソレノイド1126Aに指令するPWM制御のパルス幅を増加させることで、第1可動脚120Aの磁着力が上昇する指令を行う。それと共に、第2可動脚ソレノイド1126Bに指令するPWM制御のパルス幅を減少させることで、第2可動脚120Bの磁着力が減少する指令を行う(S209)(保持力変更工程)。つまり、移動架台100は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して重心が第2可動脚120Bの側に移動したことを検出する。そして、それとは反対の第1可動脚120Aの床2に対する磁着力(固定保持力)を大きくする共に、第2可動脚120Bの床2に対する磁着力(固定保持力)を小さくすることで、移動架台100の傾斜を抑制する。これにより、ロボットシステム1の転倒の防止が図られる。
このように、移動架台100の傾斜が検知される度に、それを抑制するように第1及び第2可動脚120A,120Bの床2に対する磁着力(固定保持力)を制御し、移動架台100の傾斜を抑制することを繰り返す。これにより、ロボットアーム10Aが移動することにより発生する移動架台100の振動に対しても、それを抑制するように第1及び第2可動脚120A,120Bの床2に対する磁着力(固定保持力)が生じる。従って、移動架台100の特にX方向に対する振動を抑制することができる。
なお、その後、ロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したことが判定されると、姿勢制御を終了することが判定され(S210のY)、以上で本実施形態に係る姿勢制御が終了される。
[第2実施形態のまとめ]
以上説明したように、本第2実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の転倒の防止や振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
以上説明したように、本第2実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の転倒の防止や振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
また、本第2実施形態においては、第1及び第2可動脚ソレノイド1126A,1126Bで発生させる磁力を電気的に制御できるため、第1実施形態のエア吸着部125よりもレスポンスとして優れたものとすることができる。これにより、ロボットシステム1の転倒の防止、傾斜の抑制、振動の抑制等の効果をより安定的に得ることができる。
なお、以上説明した第2実施形態における、他の構成、作用、及び効果は、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第3実施形態>
次に、上記第2実施形態を一部変更した第3実施形態について図14及び図15を用いて説明する。図14(a)は第3実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図14(b)は第3実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図15は第3実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
次に、上記第2実施形態を一部変更した第3実施形態について図14及び図15を用いて説明する。図14(a)は第3実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図14(b)は第3実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図15は第3実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
本第3実施形態は、上記第2実施形態に比して、磁力吸着部としてのソレノイドを有する可動脚120を3つ備えたものである。そして、そのソレノイドで発生する磁力によって可動脚120と床2とを磁着する磁力を変更することでその可動脚120の固定保持力を変更し、移動架台100の上下方向の振動を抑制するものである。なお、本第3実施形態においても、床2が磁性体であって、磁力で床2と可動脚120とが磁着することを前提としている。以下、本第3実施形態に係る制御構成と姿勢制御について説明する。
(移動架台の制御構成)
まず、本第3実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cの構成について説明する。図14(a)に示すように、移動架台100-2(以下、単に「移動架台100」という)は、3つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第2パターンの配置パターンで配置されて構成されている(図9(b)参照)。なお、3つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A、第2可動脚12B、及び第3可動脚120Cという。
まず、本第3実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cの構成について説明する。図14(a)に示すように、移動架台100-2(以下、単に「移動架台100」という)は、3つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第2パターンの配置パターンで配置されて構成されている(図9(b)参照)。なお、3つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A、第2可動脚12B、及び第3可動脚120Cという。
移動架台100の上部には、X方向及びY方向の中央付近に、1つのジャイロセンサ600Zが配置されている。ジャイロセンサ600Zは、移動架台100に生じる上下方向の振動で生じる角速度を検知して、上記ロボットコントローラ200に出力する。
図14(b)に示すように、第1可動脚120Aは、磁力吸着部として、磁力を発生させる不図示のコイルを有する第1可動脚ソレノイド1126Aを備えている。同様に、第2可動脚120Bは、磁力吸着部として、磁力を発生させる不図示のコイルを有する第2可動脚ソレノイド1126Bを備えている。さらに同様に、第3可動脚120Cは、磁力吸着部として、磁力を発生させる不図示のコイルを有する第3可動脚ソレノイド1126Cを備えている。また、移動架台100の内部には、第1可動脚ソレノイド1126Aに印加する電力を制御する第1ソレノイドドライバ230Aを備えている。同様に、移動架台100の内部には、第2可動脚ソレノイド1126Bに印加する電力を制御する第2ソレノイドドライバ230Bを備えている。さらに同様に、移動架台100の内部には、第3可動脚ソレノイド1126Cに印加する電力を制御する第3ソレノイドドライバ230Cを備えている。これらソレノイドドライバは、一般的な駆動回路であるので、その説明は省略する。
そして、ジャイロセンサ600Zは、ロボットコントローラ200のCPU201に検知した角速度を出力可能に接続されている。また、CPU201は、第1ソレノイドドライバ230Aと、第2ソレノイドドライバ230Bと、第3ソレノイドドライバ230Cとに、PWM制御の信号指令(パルス幅の信号)を出力可能に接続されている。
このような第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cでは、CPU201が第1ソレノイドドライバ230A或いは第2ソレノイドドライバ230B或いは第3ソレノイドドライバ230Cに指令する。すると、第1可動脚ソレノイド1126A或いは第2可動脚ソレノイド1126B或いは第3可動脚ソレノイド1126Cを駆動し、第1可動脚120A或いは第2可動脚120B或いは第3可動脚120Cの磁力が変更される。従って、それら可動脚120と床2との磁着力が変化することで固定保持力が変化することになる。
(姿勢制御)
図15に示すように、CPU201は、本姿勢制御(本第3実施形態では振動抑制制御でもある)を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S301)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御をOFFし(S302)、つまり第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの初期設定を行う。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機し(S303のN)、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定すると(S303のY)、ステップS304に進む。
図15に示すように、CPU201は、本姿勢制御(本第3実施形態では振動抑制制御でもある)を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S301)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御をOFFし(S302)、つまり第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの初期設定を行う。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機し(S303のN)、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定すると(S303のY)、ステップS304に進む。
CPU201は姿勢制御の実働を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zが検知している値を読み込み(S304)、移動架台100のZ座標(上下方向の位置)を算出する。
ついで、CPU201は、移動架台100にて、ジャイロセンサ600Zの検知に基づき、移動架台100全体が、キャリブレーションした位置、つまり上記ステップS301で初期設定した位置より上下方向(Z座標)が低い否かを判定する(S305)。移動架台100が低くなっていない場合は(S305のN)、続けて移動架台100が高くなっているか否かを判定する(S307)。ここで、移動架台100が高くなっていない場合は(S307のN)、つまり移動架台100が上下に移動していないので、ステップS309に進む。そして、姿勢制御を終了するか否か判定し(S309)、つまりロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したか否かを判定して、ロボットアーム10Aが駆動中であれば姿勢制御の継続を判定して(S309のN)、ステップS304に戻る。
ここで、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために駆動され、移動架台100全体が低くなったとする。すると、CPU201は、ジャイロセンサ600Zの各速度から移動架台100が低くなったことを判定する(S305のY)。この場合、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御のパルス幅を減少させることで、第1~第3可動脚120A,120B,120Cの磁着力が減少する指令を行う(S306)(保持力変更工程)。つまり、CPU201は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して、移動架台100が下方に移動したことを検出する。そして、それとは反対となるように、第1~第3可動脚120A,120B,120Cの磁着力を小さくすることで、移動架台100の下方への力を減少させる。これにより、ロボットシステム1の下方への移動の抑制が図られる。
ここで、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために駆動され、移動架台100全体が高くなったとする。すると、CPU201は、ジャイロセンサ600Zの各速度から移動架台100が高くなったことを判定する(S307のY)。この場合、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御のパルス幅を増加させることで、第1~第3可動脚120A,120B,120Cの磁着力が増加する指令を行う(S308)(保持力変更工程)。つまり、CPU201は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して、移動架台100が上方に移動したことを検出する。そして、それとは反対となるように、第1~第3可動脚120A,120B,120Cの磁着力を大きくすることで、移動架台100の上方への力を減少させる。これにより、ロボットシステム1の上方への移動の抑制が図られる。
このように、移動架台100の上下の移動が検知される度に、それを抑制するように第1~第3可動脚120A,120B,120Cの床2に対する磁着力(固定保持力)を制御し、移動架台100の上下方向の移動を抑制することを繰り返す。これにより、ロボットアーム10Aが移動することにより発生する移動架台100の上下方向の振動に対しても、それを抑制するように第1~第3可動脚120A,120B,120Cの床2に対する磁着力(固定保持力)が生じる。従って、移動架台100の特にZ方向に対する振動を抑制することができる。
なお、その後、ロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したことが判定されると、姿勢制御を終了することが判定され(S309のY)、以上で本実施形態に係る姿勢制御が終了される。
[第3実施形態のまとめ]
以上説明したように、本第3実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
以上説明したように、本第3実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
なお、以上説明した第3実施形態における、他の構成、作用、及び効果は、上記第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第4実施形態>
次に、上記第3実施形態を一部変更した第4実施形態について図16、図17、及び図18を用いて説明する。図16(a)は第4実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図16(b)は第4実施形態における第1可動脚と第2可動脚と第3可動脚とにおける構造を示すブロック図である。図17は第4実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図18は第4実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
次に、上記第3実施形態を一部変更した第4実施形態について図16、図17、及び図18を用いて説明する。図16(a)は第4実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図16(b)は第4実施形態における第1可動脚と第2可動脚と第3可動脚とにおける構造を示すブロック図である。図17は第4実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図18は第4実施形態に係る姿勢制御を示すフローチャートである。
本第4実施形態は、上記第3実施形態に比して、保持力変更部としてのエアシリンダ2128を有する可動脚120を3つ備えたものである。そして、そのエアシリンダによって可動脚120の剛性を変更することで、その可動脚120の床2に対する固定保持力を変更し、移動架台100の上下方向の振動を抑制するものである。即ち、可動脚120の剛性を大きくすると、荷重を受けても下降し難くなり、可動脚120の剛性を小さくすると荷重が軽くなった脚の浮きも防止でき、つまり床2に追従する固定保持力が変更されることになる。また、移動架台100が傾斜したとしても、複数の脚の全体バランスとしても床2に対する固定保持力が大きくなる。以下、本第4実施形態に係る制御構成と姿勢制御について説明する。
(移動架台の制御構成)
まず、本第4実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cの構成について説明する。図16(a)に示すように、移動架台100-2(以下、単に「移動架台100」という)は、3つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第2パターンの配置パターンで配置されて構成されている(図9(b)参照)。なお、3つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A、第2可動脚12B、及び第3可動脚120Cという。
まず、本第4実施形態に係る姿勢制御を実行するための移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cの構成について説明する。図16(a)に示すように、移動架台100-2(以下、単に「移動架台100」という)は、3つの可動脚120及び3つの固定脚が上述した第2パターンの配置パターンで配置されて構成されている(図9(b)参照)。なお、3つの可動脚120は、それら区別するために第1可動脚120A、第2可動脚12B、及び第3可動脚120Cという。
移動架台100の上部には、X方向及びY方向の中央付近に、検知部として1つのジャイロセンサ600Zが配置されている。ジャイロセンサ600Zは、移動架台100に生じる上下方向の振動で生じる角速度を検知して、上記ロボットコントローラ200に出力する。
図16(b)に示すように、第1可動脚120Aは、移動架台100の内部に備えられた第1レギュレータ800Aに接続されて空気圧が供給される第1可動脚方向制御弁2126Aを備えている。また、第1可動脚120Aは、その第1可動脚方向制御弁2126Aからの空気圧を調圧して第1エアシリンダ2128Aの第1室2128Aaに供給する第1室圧力制御弁2127Aaを備えている。さらに、第1可動脚120Aは、その第1可動脚方向制御弁2126Aからの空気圧を調圧して第1エアシリンダ2128Aの第2室2128Abに供給する第2室圧力制御弁2127Abを備えている。第1エアシリンダ2128Aは、第1室2128Aaと第2室2128Abとそれらの間に配置される第1ピストン2128Apとを有している。そして、第1ピストン2128Apに連結された不図示のロッドが第1可動脚120Aの不図示の接地部に駆動連結されており、つまり第1ピストン2128Apにより第1エアシリンダ2128Aが床2に荷重を伝達している状態である。このように構成された第1エアシリンダ2128Aは、第1室2128Aa及び第2室2128Abで対向する空気圧が大きくなると剛性が大きくなり、それらの空気圧が小さくなると剛性が小さくなる。
同様に、第2可動脚120Bは、移動架台100の内部に備えられた第2レギュレータ800Bに接続されて空気圧が供給される第2可動脚方向制御弁2126Bを備えている。また、第2可動脚120Bは、その第2可動脚方向制御弁2126Bからの空気圧を調圧して第2エアシリンダ2128Bの第1室2128Baに供給する第1室圧力制御弁2127Baを備えている。さらに、第2可動脚120Bは、その第2可動脚方向制御弁2126Bからの空気圧を調圧して第2エアシリンダ2128Bの第2室2128Bbに供給する第2室圧力制御弁2127Bbを備えている。第2エアシリンダ2128Bは、第1室2128Baと第2室2128Bbとそれらの間に配置される第2ピストン2128Bpとを有している。そして、第2ピストン2128Bpに連結された不図示のロッドが第2可動脚120Bの不図示の接地部に駆動連結されており、つまり第2ピストン2128Bpにより第2エアシリンダ2128Bが床2に荷重を伝達している状態である。このように構成された第2エアシリンダ2128Bは、第1室2128Ba及び第2室2128Bbで対向する空気圧が大きくなると剛性が大きくなり、それらの空気圧が小さくなると剛性が小さくなる。
同様に、第3可動脚120Cは、移動架台100の内部に備えられた第3レギュレータ800Cに接続されて空気圧が供給される第3可動脚方向制御弁2126Cを備えている。また、第3可動脚120Cは、その第3可動脚方向制御弁2126Cからの空気圧を調圧して第3エアシリンダ2128Cの第1室2128Caに供給する第1室圧力制御弁2127Caを備えている。さらに、第3可動脚120Cは、その第3可動脚方向制御弁2126Cからの空気圧を調圧して第3エアシリンダ2128Cの第2室2128Cbに供給する第2室圧力制御弁2127Cbを備えている。第3エアシリンダ2128Cは、第1室2128Caと第2室2128Cbとそれらの間に配置される第3ピストン2128Cpとを有している。そして、第3ピストン2128Cpに連結された不図示のロッドが第3可動脚120Cの不図示の接地部に駆動連結されており、つまり第3ピストン2128Cpにより第3エアシリンダ2128Cが床2に荷重を伝達している状態である。このように構成された第#エアシリンダ2128Cは、第1室2128Ca及び第2室2128Cbで対向する空気圧が大きくなると剛性が大きくなり、それらの空気圧が小さくなると剛性が小さくなる。
そして、図17に示すように、ジャイロセンサ600Zは、ロボットコントローラ200のCPU201に検知した角速度を出力可能に接続されている。また、CPU201は、第1可動脚方向制御弁2126Aと、第2可動脚方向制御弁2126Bと、第3可動脚方向制御弁2126Cとに指令信号を出力可能に接続されている。また、CPU201は、第1可動脚用の第1室圧力制御弁2127Aa及び第2室圧力制御弁2127Abにも指令信号を出力可能に接続されている。また、CPU201は、第2可動脚用の第1室圧力制御弁2127Ba及び第2室圧力制御弁2127Bbにも指令信号を出力可能に接続されている。さらに、CPU201は、第3可動脚用の第1室圧力制御弁2127Ca及び第2室圧力制御弁2127Cbにも指令信号を出力可能に接続されている。
このような第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cでは、CPU201がそれぞれの方向制御弁、第1室圧力制御弁、第2室圧力制御弁に指令する。すると、それぞれ第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cによる剛性が変更される。従って、それら可動脚120の剛性が変化することで床2に対する固定保持力が変化することになる。
(姿勢制御)
図18に示すように、CPU201は、本姿勢制御(本第4実施形態では振動抑制制御でもある)を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S401)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cを、第1~第3可動脚120A,120B,120Cが押圧力を出力しない側(非保持側)に制御する。これにより、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cの初期設定を行う(S402)。また、第1~第3可動脚120A,120B,120Cにおける第2室圧力制御弁2127Ab,2127Bb,2127Cbを制御する。即ち、第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cの第2室2128Ab,2128Bb,2128Cbに初期圧として中圧を設定する(S403)。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機する(S404のN)。その後、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定する(S404のY)。
図18に示すように、CPU201は、本姿勢制御(本第4実施形態では振動抑制制御でもある)を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S401)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cを、第1~第3可動脚120A,120B,120Cが押圧力を出力しない側(非保持側)に制御する。これにより、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cの初期設定を行う(S402)。また、第1~第3可動脚120A,120B,120Cにおける第2室圧力制御弁2127Ab,2127Bb,2127Cbを制御する。即ち、第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cの第2室2128Ab,2128Bb,2128Cbに初期圧として中圧を設定する(S403)。そして、姿勢制御の開始が判断されるまで待機する(S404のN)。その後、例えばロボットアーム10Aの駆動開始等を判定したことに基づき、姿勢制御の実働の開始を判定する(S404のY)。
すると、まず、第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cの第2室2128Ab,2128Bb,2128Cbにおける圧力を低圧に設定する(S405)。さらに、第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cの第1室2128Aa,2128Ba,2128Caにおける圧力も低圧に設定する(S406)。そして、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cを、第1~第3可動脚120A,120B,120Cが押圧力を出力する側(保持力大側)に制御する(S407)。これにより、第1~第3可動脚120A,120B,120Cは、床2に対する剛性が小さい状態で準備が完了する。続いて、CPU201は、ジャイロセンサ600Zが検知している値を読み込み(S408)、移動架台100のZ座標(上下方向の位置)を算出する。
ついで、CPU201は、移動架台100にて、ジャイロセンサ600Zの検知に基づき、移動架台100全体が、キャリブレーションした位置、つまり上記ステップS401で初期設定した位置より上下方向(Z座標)が低い否かを判定する(S409)。移動架台100が低くなっていない場合は(S409のN)、続けて移動架台100が高くなっているか否かを判定する(S412)。ここで、移動架台100が高くなっていない場合は(S412のN)、つまり移動架台100が上下に移動していないので、ステップS415に進む。そして、姿勢制御を終了するか否か判定し(S415)、つまりロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したか否かを判定して、ロボットアーム10Aが駆動中であれば姿勢制御の継続を判定して(S415のN)、ステップS408に戻る。
ここで、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために駆動され、移動架台100全体が低くなったとする。すると、CPU201は、ジャイロセンサ600Zの各速度から移動架台100が低くなったことを判定する(S409のY)。この場合、まず、CPU201は、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cに指令し、第1~第3可動脚120A,120B,120Cが剛性を増大する側(保持力大側)に制御する(S410)。続いて、第1~第3可動脚120A,120B,120Cにおける第1室圧力制御弁2127Aa,2127Ba,2127Caを制御する。即ち、第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cの第1室2128Aa,2128Ba,2128Caの圧力を上昇(アップ)する(S411)(保持力変更工程)。つまり、CPU201は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して、移動架台100が下方に移動したことを検出する。そして、それとは反対に下方への移動を妨げるように、第1~第3可動脚120A,120B,120Cの剛性を大きくすることで、移動架台100の下方への力を減少させる。これにより、ロボットシステム1の下方への移動の抑制が図られる。
また、例えばロボットアーム10Aが作業を行うために駆動され、移動架台100全体が高くなったとする。すると、CPU201は、ジャイロセンサ600Zの各速度から移動架台100が高くなったことを判定する(S412のY)。この場合、まず、CPU201は、第1~第3可動脚方向制御弁2126A,2126B,2126Cに指令し、第1~第3可動脚120A,120B,120Cが剛性を低減する側(保持力小側)に制御する(S413)。続いて、第1~第3可動脚120A,120B,120Cにおける第2室圧力制御弁2127Ab,2127Bb,2127Cbを制御する。即ち、第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cの第1室2128Ab,2128Bb,2128Cbの圧力を上昇(アップ)する(S414)(保持力変更工程)。つまり、CPU201は、ロボットアーム10Aの位置及び姿勢が変化して、移動架台100が上方に移動したことを検出する。そして、それとは反対に上方への移動を妨げるように、第1~第3可動脚120A,120B,120Cの剛性を小さくすることで、移動架台100の上方への力を減少させる。つまり、第1~第3可動脚120A,120B,120Cを床2より浮き難くする。これにより、ロボットシステム1の上方への移動の抑制が図られる。
このように、移動架台100の上下の移動が検知される度に、それを抑制するように第1~第3可動脚120A,120B,120Cの剛性を制御して床2に対する固定保持力を制御し、移動架台100の上下方向の移動を抑制することを繰り返す。これにより、ロボットアーム10Aが移動することにより発生する移動架台100の上下方向の振動に対しても、それを抑制するように第1~第3可動脚120A,120B,120Cの床2に対する固定保持力が生じる。従って、移動架台100の特にZ方向に対する振動を抑制することができる。
なお、その後、ロボットアーム10Aの駆動(作業)が完了したことが判定されると、姿勢制御を終了することが判定され(S415のY)、以上で本実施形態に係る姿勢制御が終了される。
[第4実施形態のまとめ]
以上説明したように、本第4実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
以上説明したように、本第4実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1~第3エアシリンダ2128A,2128B,2128Cを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の振動の抑制が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
なお、以上説明した第4実施形態における、他の構成、作用、及び効果は、上記第3実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第5実施形態>
次に、上記第3実施形態を一部変更した第5実施形態について図19及び図20を用いて説明する。図19(a)は第5実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図19(b)は第5実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図20は第5実施形態に係る初期設定制御及び補正制御を示すフローチャートである。
次に、上記第3実施形態を一部変更した第5実施形態について図19及び図20を用いて説明する。図19(a)は第5実施形態における固定脚と可動脚とジャイロセンサとの配置位置を示す図である。図19(b)は第5実施形態における可動脚の制御系を示すブロック図である。図20は第5実施形態に係る初期設定制御及び補正制御を示すフローチャートである。
本第5実施形態は、ロボットアーム10Aのテスト動作によって生じる移動架台100の変化量を測定して記憶し、その記憶した変化量に応じて可動脚120の固定保持力の大きさを制御するものである。第5実施形態における可動脚120の固定保持力の大きさの変更は、第3実施形態と同様に、ソレノイドによって発生させる磁力で変更するものである。そして、そのソレノイドで発生する磁力を変更することでその可動脚120の固定保持力を変更し、移動架台100の上下方向の振動を抑制するものである。なお、本第5実施形態においても、床2が磁性体であって、磁力で床2と可動脚120とが磁着することを前提としている。以下、本第5実施形態に係る初期設定制御及び補正制御について説明する。
(移動架台の制御構成)
図19(a)及び図19(b)に示すように、本第5実施形態に係る移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cの構成は、基本的に上述した第3実施形態と同様のものである。また、図19(b)に示すように、CPU201には、ロボットアーム10Aの各関節に配置された検知部としてのトルクセンサ15が接続されている。また、ジャイロセンサ600Zで検知した値によってCPU201で算出した移動架台100の変化量は、RAM203に記憶することが可能となっている。
図19(a)及び図19(b)に示すように、本第5実施形態に係る移動架台100及びそれに備えられた第1可動脚120A、第2可動脚120B、及び第3可動脚120Cの構成は、基本的に上述した第3実施形態と同様のものである。また、図19(b)に示すように、CPU201には、ロボットアーム10Aの各関節に配置された検知部としてのトルクセンサ15が接続されている。また、ジャイロセンサ600Zで検知した値によってCPU201で算出した移動架台100の変化量は、RAM203に記憶することが可能となっている。
(初期設定制御)
図20に示すように、CPU201は、本制御を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S501)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御をOFFし(S502)、つまり第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの初期設定を行う。そして、ロボットアーム10A(ロボット)を起動し(S503)、その起動がテスト動作であって記録モードであるか、通常の作業よる動作であって記録モードではないかを判定する(S504)。ここで、ロボットアーム10Aの起動がテスト動作である場合は、記録モードであるとして(S504のY)、ステップS505に進み、つまりステップS505からステップS507までの初期設定制御(記録モードの制御)を行う。
図20に示すように、CPU201は、本制御を開始すると、まず、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S501)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御をOFFし(S502)、つまり第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの初期設定を行う。そして、ロボットアーム10A(ロボット)を起動し(S503)、その起動がテスト動作であって記録モードであるか、通常の作業よる動作であって記録モードではないかを判定する(S504)。ここで、ロボットアーム10Aの起動がテスト動作である場合は、記録モードであるとして(S504のY)、ステップS505に進み、つまりステップS505からステップS507までの初期設定制御(記録モードの制御)を行う。
即ち、CPU201は、ロボットアーム10Aを通常作業の動作と同様の軌道や姿勢で駆動するが、ワークに対する作業だけ行わないテスト動作を実行している。そこで、CPU201は、ジャイロセンサ600Zの検知結果をロボットアーム10Aの教示点の情報と関連付けて読み込む(S505)。即ち、ロボットアーム10Aの軌道や姿勢に応じて移動架台100に生じる振動、反力、重心位置の変化を検出する値を読み込む。なお、教示点の情報とは、ロボットアーム10Aの作業を行うための軌道や姿勢をティーチングペンダント等で教示したときにロボットアーム10Aの通過点に対応して記憶させた座標等の情報である。
即ち、CPU201は、ジャイロセンサ600Zの検知結果から移動架台100に生じる振動、反力、重心位置を算出すると共に、それらの値をロボットアーム10Aの軌道や姿勢に関連付けて変化量としてRAM203(メモリ)に記録する(S506)。そして、ロボットアーム10Aのテスト動作における工程が終了したか否かを判定し(S507)、終了するまで上記の記録を継続する(S507のN)。その後、ロボットアーム10Aのテスト動作における工程が終了すると(S507のY)、以上で上記の記録を終了し、つまり初期設定制御(記録モードの制御)を終了する。
(補正制御)
ついで、テスト動作ではなく、ロボットアーム10Aにより実際の作業を行う場合の補正制御について説明する。図20に示すように、CPU201は、本制御を開始すると、上述と同様に、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S501)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御をOFFし(S502)、つまり第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの初期設定を行う。そして、ロボットアーム10A(ロボット)を起動し(S503)、その起動がテスト動作であって記録モードであるか、通常の作業よる動作であって記録モードではないかを判定する(S504)。ここで、ロボットアーム10Aの起動がテスト動作ではなく、実際の作業の動作である場合は、記録モードではないとして(S504のN)、ステップS508に進み、つまりステップS508からステップS511までの補正制御を行う。
ついで、テスト動作ではなく、ロボットアーム10Aにより実際の作業を行う場合の補正制御について説明する。図20に示すように、CPU201は、本制御を開始すると、上述と同様に、ジャイロセンサ600Zのキャリブレーションを行う(S501)。即ち、ロボットアーム10Aが初期位置にある状態で、移動架台100の傾きが初期位置であるとして初期設定を行う。ついで、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cに指令するPWM制御をOFFし(S502)、つまり第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの初期設定を行う。そして、ロボットアーム10A(ロボット)を起動し(S503)、その起動がテスト動作であって記録モードであるか、通常の作業よる動作であって記録モードではないかを判定する(S504)。ここで、ロボットアーム10Aの起動がテスト動作ではなく、実際の作業の動作である場合は、記録モードではないとして(S504のN)、ステップS508に進み、つまりステップS508からステップS511までの補正制御を行う。
補正制御では、まず、CPU201は、上述した教示点の情報をRAM203等から読み込む(S508)。続いて、上記ステップS506においてテスト動作で記憶した、ロボットアーム10Aの動作(教示点)に合わせた振動、反力、重心位置の変化量を読み込む(S509)。そして、ロボットアーム10Aの動作のタイミング(教示点を通るタイミング)に合わせて、第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cを制御する。即ち、ロボットアーム10Aの動作のタイミングに合わせて、上記変化量(変化情報)を打ち消す方向(逆方向)となるように第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cの磁着力の出力を制御する(S510)(保持力変更工程)。そして、ロボットアーム10Aの作業の動作における工程が終了したか否かを判定し(S511)、終了するまで上記の記録を継続する(S511のN)。その後、ロボットアーム10Aの作業の動作における工程が終了すると(S511のY)、以上で補正制御を終了する。
[第5実施形態のまとめ]
以上説明したように、本第5実施形態に係るロボットシステム1では、テスト動作で記憶した変化量に基づき、フィードフォワード制御で第1~第3可動脚120A,120B,120Cの固定保持力を制御できる。即ち、第1~第4実施形態のようにジャイロセンサによって検出される検知結果に応じてフィードバック制御を行う場合よりも、移動架台100に生じる振動、反動、重心移動を打ち消す効果をより良く発揮することができる。なお、勿論であるが、フィードフォワード制御にフィードバック制御を組合わせても構わない。
以上説明したように、本第5実施形態に係るロボットシステム1では、テスト動作で記憶した変化量に基づき、フィードフォワード制御で第1~第3可動脚120A,120B,120Cの固定保持力を制御できる。即ち、第1~第4実施形態のようにジャイロセンサによって検出される検知結果に応じてフィードバック制御を行う場合よりも、移動架台100に生じる振動、反動、重心移動を打ち消す効果をより良く発揮することができる。なお、勿論であるが、フィードフォワード制御にフィードバック制御を組合わせても構わない。
そして、本第5実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力を変更可能な第1~第3可動脚ソレノイド1126A,1126B,1126Cを設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の振動の抑制、傾斜の抑制、転倒の防止等が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
なお、以上説明した第5実施形態における、他の構成、作用、及び効果は、上記第3実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第6実施形態>
次に、上記第1~第5実施形態を一部変更した第6実施形態について説明する。本第6実施形態においては、可動脚120に能動的に固定保持力を変更する構成(エア吸着部、ソレノイド、エアシリンダ等)を設けるのではなく、受動的に固定保持力を変更する構成を設けるものである。
次に、上記第1~第5実施形態を一部変更した第6実施形態について説明する。本第6実施形態においては、可動脚120に能動的に固定保持力を変更する構成(エア吸着部、ソレノイド、エアシリンダ等)を設けるのではなく、受動的に固定保持力を変更する構成を設けるものである。
即ち、例えば生産ラインに組み込まれて移動をさせないロボットを生産ラインの上に固定する場合、強度の高い金属製の板を間座として剛体で固定することが多い。しかし、移動架台100に搭載したロボットアーム10Aの場合、移動架台100とロボットアーム10Aが強固に固定されている。このため、移動時にキャスタ191が段差を乗り越えるときの振動の衝撃がロボットアーム10Aに直接伝わって、ロボットアーム10Aの各関節にダメージを生じてしまう虞がある。また、第1~第3及び第5実施形態のように、エア吸着や磁力によって床2に対する固定力を発生させるものでは、アンカー等の機械的な締結に比べて固定力が劣るため、ロボットアーム10Aが揺れ易いという問題もある。
そこで、本第6実施形態においては、可動脚120に、図示を省略した防振、除震、制振の機能を有するダンパ部材(ダンパ機構)を設けることで、ロボットアーム10Aの動作(組立動作)による移動架台100の振動の抑制を図るものである。即ち、ダンパ部材は、可動脚120に生じる荷重の印加速度に応じて減衰力を変更することで固定保持力の大きさを変更する。また、このようなダンパ部材を設けることで、移動架台100の移動中に段差によって衝撃が生じても、その衝撃を緩和する効果を得ることができる。なお、このようダンパ部材としては、例えばゲル状の防振材のシート等が考えられる。
そして、このような本第6実施形態に係るロボットシステム1でも、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合に、キャスタ191を上昇して固定脚110と可動脚120とを床2に接地させるだけで、ロボットシステム1の設置を行える。即ち、可動脚120に床2との固定保持力が変更可能なダンパ部材を設けたので、ロボットアーム10Aの動作によってロボットシステム1の振動の抑制、傾斜の抑制、転倒の防止等が可能となる。そのため、設置先でロボットシステム1(特にロボットアーム10A)を安定させることができ、床2に強固に固定することを不要とすることができる。従って、ロボットシステム1(移動架台100)を移動した場合にあって、設置先に簡易に設置することが可能となり、作業開始までの時間短縮を図ることができる。
なお、以上説明した第6実施形態における、他の構成、作用、及び効果は、上記第1~第5実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
<他の実施形態の可能性>
なお、以上説明した本第1及び第2実施形態においては、ジャイロセンサの検知結果からCPU201が移動架台100の傾斜を算出するものを説明した。しかしながら、これに限らず、ジャイロセンサが重心Gを検知するために角速度を検知し、CPU201が例えば重心Gの位置を算出し、その重心Gの位置に応じて可動脚における固定保持力の大きさを制御してもよい。さらに、第1及び第2実施形態に第3乃至第5実施形態を組合せてもよく、つまり傾斜を検知するジャイロセンサが振動も検知するものでもよい。具体的には、CPU201がジャイロセンサの検出値から、例えば移動架台100の傾斜及び振動を算出し、その傾斜及び振動に応じて可動脚における固定保持力の大きさを制御してもよい。
なお、以上説明した本第1及び第2実施形態においては、ジャイロセンサの検知結果からCPU201が移動架台100の傾斜を算出するものを説明した。しかしながら、これに限らず、ジャイロセンサが重心Gを検知するために角速度を検知し、CPU201が例えば重心Gの位置を算出し、その重心Gの位置に応じて可動脚における固定保持力の大きさを制御してもよい。さらに、第1及び第2実施形態に第3乃至第5実施形態を組合せてもよく、つまり傾斜を検知するジャイロセンサが振動も検知するものでもよい。具体的には、CPU201がジャイロセンサの検出値から、例えば移動架台100の傾斜及び振動を算出し、その傾斜及び振動に応じて可動脚における固定保持力の大きさを制御してもよい。
また、本第1乃至第5実施形態では、傾斜や振動を検出するセンサとして、ジャイロセンサを一例に説明したが、これに限らず、傾斜、重心、或いは振動を検知するために他のセンサを用いても構わない。例えば、ロボットアーム10Aの各関節に配置されたトルクセンサの値を用いても構わない。さらに、移動架台100に、移動架台100の速度を検知する速度センサ、移動架台100の加速度を検知する加速度センサ、又は移動架台100の変動(振動)に応じて変化する電流を検知する電流検知素子等、を配置したものでも構わない。
また、本第1乃至第4実施形態では、ジャイロセンサ等のセンサの検知結果から、移動架台100の傾斜、ロボットアーム10Aの重心、移動架台100の振動等を検知するものを説明した。しかしながら、これに限らず、例えばロボットアーム10Aの作業に応じて決まっているロボットアーム10Aの軌道や姿勢(教示点の情報)から、上記の傾斜、重心、振動等を算出するものであっても構わない。つまり、この場合、移動架台100にセンサ等を設けずに、ロボットコントローラ200の演算だけで、可動脚の固定保持力を変更するものも含むことになる。
また、第1乃至第6実施形態においては、固定保持力を変更するエア吸着部、ソレノイド、エアシリンダ、防振材等の保持力変更部を可動脚120に設けたものを説明した。しかしながら、可動脚120に限らず、固定脚110に設けても構わず、つまり複数の脚の少なくとも1つに保持力変更部を備えていればよい。特にこの場合は、複数の脚の全てが固定脚、或いは可動脚であっても構わない。
また、第1及び第4実施形態においては、レギュレータからの空気圧を圧力制御弁に供給するものを説明したが、これらの間にアキュムレータを設けて、圧力供給の応答性を向上するように構成しても構わない。
また、第1乃至第6実施形態において、ロボットシステム1が作業として、ピンを組付ワークに組付けたり、コネクタを基板に組付けたりする作業を一例として説明したが、これらの作業に限らず、どのような作業を行うものでも構わない。
また、本開示は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、実施形態は、本開示の技術的思想内で多くの変形が可能である。例えば、上述した複数の実施形態及び複数の変形例のうち、少なくとも2つを組み合わせてもよい。また、本実施形態に記載された効果は、本開示の実施形態から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本開示の実施形態による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
また、上述の第1乃至第6実施形態では、ロボット本体(または単にロボット)が垂直多関節のロボットの場合について説明したが、これに限定するものではない。ロボット本体(または単にロボット)が、例えば、水平多関節のロボット、パラレルリンクのロボット、直交ロボットであってもよい。また、上述の実施形態は、制御装置に設けられる記憶装置の情報に基づき、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械に適用可能である。
本開示は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
<本実施形態の開示>
[構成1]
ロボットと、
床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、
ことを特徴とするロボットシステム。
[構成2]
前記移動架台は、前記複数の脚を支持するフレーム部を有し、
前記複数の脚は、前記フレーム部に対して上下方向の長さが不変な固定脚と、前記フレーム部に対して前記上下方向の長さが可変な可動脚と、を含む、
ことを特徴とする構成1に記載のロボットシステム。
[構成3]
前記保持力変更部は、前記可動脚に設けられた、
ことを特徴とする構成2に記載のロボットシステム。
[構成4]
前記複数の脚は、前記固定脚を3以上含み、かつ前記可動脚を2以上含み、
前記上下方向からみて、3以上の前記固定脚を頂点として線で結んだ図形の内側に前記設置部が配置され、
2以上の前記可動脚は、前記図形の外側に配置された、
ことを特徴とする構成3に記載のロボットシステム。
[構成5]
前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する制御部を備える、
ことを特徴とする構成1乃至4の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成6]
前記保持力変更部は、エアにより床または地面に対する吸着力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するエア吸着部である、
ことを特徴とする構成5に記載のロボットシステム。
[構成7]
前記保持力変更部は、磁力により床または地面に対する吸着力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更する磁力吸着部である、
ことを特徴とする構成5に記載のロボットシステム。
[構成8]
前記保持力変更部は、剛性を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するエアシリンダである、
ことを特徴とする構成5に記載のロボットシステム。
[構成9]
前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台の状態変化を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記検知部による検知結果に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成6乃至8の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成10]
前記検知部は、前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台における重心位置を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知される前記重心位置の変化に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成9に記載のロボットシステム。
[構成11]
前記検知部は、前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台における振動を検知し、
前記制御部は、前記検知部による検知される前記振動に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成9又は10に記載のロボットシステム。
[構成12]
前記検知部は、前記ロボットの関節に配置されたトルクセンサ、前記移動架台に配置されたジャイロセンサ、前記移動架台に配置された速度センサ、前記移動架台に配置された加速度センサ、又は前記移動架台に配置され前記移動架台の変動に応じて変化する電流を検知する電流検知素子である、
ことを特徴とする構成9乃至11の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成13]
前記制御部は、前記ロボットに作業のテスト動作を実行させた場合における前記移動架台に生じる状態の変化量を記憶し、前記ロボットの作業を実行させた場合に、記憶した前記変化量に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成5乃至12の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成14]
前記保持力変更部は、前記脚に生じる荷重の印加速度に応じて減衰力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するダンパ部材である、
ことを特徴とする構成1乃至4の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成15]
前記移動架台の前記設置部と前記ロボットとの間に、防振機構、除震機構、又は制振機構を備える、
ことを特徴とする構成1乃至14の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成16]
前記移動架台は、
転動することで前記移動架台の移動を可能にするキャスタと、
前記キャスタを前記脚よりも下方に進出させた進出位置と、前記キャスタを前記脚よりも上方に退避させた退避位置と、に切換え可能な切換機構と、を備える、
ことを特徴とする構成1乃至15の何れか1つに記載のロボットシステム。
[方法17]
ロボットと、
床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、
制御部と、を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、ロボットシステムの制御方法において、
前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、
ことを特徴とするロボットシステムの制御方法。
[構成18]
ロボットが設置され、かつ床または地面に対して移動可能な移動架台であって、
床または地面に接地可能な複数の脚を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、
ことを特徴とする移動架台。
[方法19]
床または地面に接地可能な複数の脚と、ロボットが設置される設置部と、を備え、床または地面に対して移動可能であり、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有し、制御部によって制御される移動架台の制御方法において、
前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、
ことを特徴とする移動架台の制御方法。
[構成20]
構成1乃至16の何れか1つに記載のロボットシステムを用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
[構成21]
方法17に記載のロボットシステムの制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
[構成22]
構成21に記載のプログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
[構成1]
ロボットと、
床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、
ことを特徴とするロボットシステム。
[構成2]
前記移動架台は、前記複数の脚を支持するフレーム部を有し、
前記複数の脚は、前記フレーム部に対して上下方向の長さが不変な固定脚と、前記フレーム部に対して前記上下方向の長さが可変な可動脚と、を含む、
ことを特徴とする構成1に記載のロボットシステム。
[構成3]
前記保持力変更部は、前記可動脚に設けられた、
ことを特徴とする構成2に記載のロボットシステム。
[構成4]
前記複数の脚は、前記固定脚を3以上含み、かつ前記可動脚を2以上含み、
前記上下方向からみて、3以上の前記固定脚を頂点として線で結んだ図形の内側に前記設置部が配置され、
2以上の前記可動脚は、前記図形の外側に配置された、
ことを特徴とする構成3に記載のロボットシステム。
[構成5]
前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する制御部を備える、
ことを特徴とする構成1乃至4の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成6]
前記保持力変更部は、エアにより床または地面に対する吸着力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するエア吸着部である、
ことを特徴とする構成5に記載のロボットシステム。
[構成7]
前記保持力変更部は、磁力により床または地面に対する吸着力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更する磁力吸着部である、
ことを特徴とする構成5に記載のロボットシステム。
[構成8]
前記保持力変更部は、剛性を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するエアシリンダである、
ことを特徴とする構成5に記載のロボットシステム。
[構成9]
前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台の状態変化を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記検知部による検知結果に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成6乃至8の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成10]
前記検知部は、前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台における重心位置を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知される前記重心位置の変化に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成9に記載のロボットシステム。
[構成11]
前記検知部は、前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台における振動を検知し、
前記制御部は、前記検知部による検知される前記振動に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成9又は10に記載のロボットシステム。
[構成12]
前記検知部は、前記ロボットの関節に配置されたトルクセンサ、前記移動架台に配置されたジャイロセンサ、前記移動架台に配置された速度センサ、前記移動架台に配置された加速度センサ、又は前記移動架台に配置され前記移動架台の変動に応じて変化する電流を検知する電流検知素子である、
ことを特徴とする構成9乃至11の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成13]
前記制御部は、前記ロボットに作業のテスト動作を実行させた場合における前記移動架台に生じる状態の変化量を記憶し、前記ロボットの作業を実行させた場合に、記憶した前記変化量に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする構成5乃至12の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成14]
前記保持力変更部は、前記脚に生じる荷重の印加速度に応じて減衰力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するダンパ部材である、
ことを特徴とする構成1乃至4の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成15]
前記移動架台の前記設置部と前記ロボットとの間に、防振機構、除震機構、又は制振機構を備える、
ことを特徴とする構成1乃至14の何れか1つに記載のロボットシステム。
[構成16]
前記移動架台は、
転動することで前記移動架台の移動を可能にするキャスタと、
前記キャスタを前記脚よりも下方に進出させた進出位置と、前記キャスタを前記脚よりも上方に退避させた退避位置と、に切換え可能な切換機構と、を備える、
ことを特徴とする構成1乃至15の何れか1つに記載のロボットシステム。
[方法17]
ロボットと、
床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、
制御部と、を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、ロボットシステムの制御方法において、
前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、
ことを特徴とするロボットシステムの制御方法。
[構成18]
ロボットが設置され、かつ床または地面に対して移動可能な移動架台であって、
床または地面に接地可能な複数の脚を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、
ことを特徴とする移動架台。
[方法19]
床または地面に接地可能な複数の脚と、ロボットが設置される設置部と、を備え、床または地面に対して移動可能であり、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有し、制御部によって制御される移動架台の制御方法において、
前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、
ことを特徴とする移動架台の制御方法。
[構成20]
構成1乃至16の何れか1つに記載のロボットシステムを用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
[構成21]
方法17に記載のロボットシステムの制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
[構成22]
構成21に記載のプログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
1…ロボットシステム/2…床/10A…ロボット(ロボットアーム)/15…トルクセンサ(検知部)/100…移動架台/101…設置部/110…固定脚(脚)/110F…フレーム部/120…可動脚(脚)/125…エア吸着部(保持力変更部)/191…キャスタ/195…昇降機構(切換機構)/201…CPU(制御部)/600…ジャイロセンサ(検知部)/900…図形/1126…ソレノイド(磁力吸着部、保持力変更部)/2128…エアシリンダ(保持力変更部)/G…重心位置
Claims (22)
- ロボットと、
床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、
ことを特徴とするロボットシステム。 - 前記移動架台は、前記複数の脚を支持するフレーム部を有し、
前記複数の脚は、前記フレーム部に対して上下方向の長さが不変な固定脚と、前記フレーム部に対して前記上下方向の長さが可変な可動脚と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。 - 前記保持力変更部は、前記可動脚に設けられた、
ことを特徴とする請求項2に記載のロボットシステム。 - 前記複数の脚は、前記固定脚を3以上含み、かつ前記可動脚を2以上含み、
前記上下方向からみて、3以上の前記固定脚を頂点として線で結んだ図形の内側に前記設置部が配置され、
2以上の前記可動脚は、前記図形の外側に配置された、
ことを特徴とする請求項3に記載のロボットシステム。 - 前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する制御部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。 - 前記保持力変更部は、エアにより床または地面に対する吸着力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するエア吸着部である、
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。 - 前記保持力変更部は、磁力により床または地面に対する吸着力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更する磁力吸着部である、
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。 - 前記保持力変更部は、剛性を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するエアシリンダである、
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。 - 前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台の状態変化を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記検知部による検知結果に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載のロボットシステム。 - 前記検知部は、前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台における重心位置を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知される前記重心位置の変化に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする請求項9に記載のロボットシステム。 - 前記検知部は、前記ロボットの位置及び姿勢に応じて変化する前記移動架台における振動を検知し、
前記制御部は、前記検知部による検知される前記振動に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする請求項9に記載のロボットシステム。 - 前記検知部は、前記ロボットの関節に配置されたトルクセンサ、前記移動架台に配置されたジャイロセンサ、前記移動架台に配置された速度センサ、前記移動架台に配置された加速度センサ、又は前記移動架台に配置され前記移動架台の変動に応じて変化する電流を検知する電流検知素子である、
ことを特徴とする請求項9に記載のロボットシステム。 - 前記制御部は、前記ロボットに作業のテスト動作を実行させた場合における前記移動架台に生じる状態の変化量を記憶し、前記ロボットの作業を実行させた場合に、記憶した前記変化量に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。 - 前記保持力変更部は、前記脚に生じる荷重の印加速度に応じて減衰力を変更することで前記固定保持力の大きさを変更するダンパ部材である、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。 - 前記移動架台の前記設置部と前記ロボットとの間に、防振機構、除震機構、又は制振機構を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。 - 前記移動架台は、
転動することで前記移動架台の移動を可能にするキャスタと、
前記キャスタを前記脚よりも下方に進出させた進出位置と、前記キャスタを前記脚よりも上方に退避させた退避位置と、に切換え可能な切換機構と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。 - ロボットと、
床または地面に接地可能な複数の脚と、前記ロボットが設置される設置部と、を有し、床または地面に対して移動可能な移動架台と、
制御部と、を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、ロボットシステムの制御方法において、
前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、
ことを特徴とするロボットシステムの制御方法。 - ロボットが設置され、かつ床または地面に対して移動可能な移動架台であって、
床または地面に接地可能な複数の脚を備え、
前記複数の脚のうちの少なくとも1つは、前記ロボットの状態に応じて前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有する、
ことを特徴とする移動架台。 - 床または地面に接地可能な複数の脚と、ロボットが設置される設置部と、を備え、床または地面に対して移動可能であり、前記複数の脚のうちの少なくとも1つは前記複数の脚と床または地面との間における固定保持力を変化させる保持力変更部を有し、制御部によって制御される移動架台の制御方法において、
前記制御部が、前記ロボットの状態に応じて前記保持力変更部における前記固定保持力の大きさを制御する保持力変更工程を備えた、
ことを特徴とする移動架台の制御方法。 - 請求項1に記載のロボットシステムを用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
- 請求項17に記載のロボットシステムの制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項21に記載のプログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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| JP2023153958A JP2025045909A (ja) | 2023-09-20 | 2023-09-20 | ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、移動架台、移動架台の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体 |
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