JP2024097602A - 塗料組成物及び塗膜 - Google Patents

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きらら 小枝
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Abstract

【課題】塗膜伸度に優れる塗膜を製造できる塗料組成物、及び前記塗料組成物を用いた塗膜の提供。【解決手段】ポリアスパラティック主剤と、ポリイソシアネート組成物と、を含む塗料組成物であって、 前記ポリイソシアネート組成物は、(A)と(B)とから誘導され、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基を含有するポリイソシアネートを含み、[c/b]が0.06以上5.50以下であり、(A)は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種類のジイソシアネートであり、(B)は、Mn400-10000のオキシプロピレン基を有するポリエーテル系ポリオール、Mn250-4000のポリエステル系ポリオール、Mn500-4000のポリカーボネート基を有するカーボネート系ポリオールからなる群より選択される少なくとも1種である、塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物及び塗膜に関する。
ポリウレア塗料組成物のうち脂肪族系であるポリアスパラティック塗料組成物は、アミノ基を含有するアスパラギン酸エステル化合物並びにイソシアネート基を含有する脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネート組成物から形成される。芳香族系ポリウレア塗料組成物の欠点である紫外線暴露で塗膜黄変することが大きく低減されて、従来から各種塗料、床材、防水材等の広範囲な用途で利用されている。
アスパラギン酸エステル化合物は、ポリウレタン塗料組成物の主剤ポリオールと比較して粘度が低く、ポリアスパラティック塗料組成物中の希釈溶剤を大幅に低減させられるために、ハイソリッド処方や無溶剤処方とすることが可能である。また、アスパラギン酸エステル化合物のアミノ基と脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネートのイソシアネート基との反応性が速いために、ポリアスパラティック塗料組成物はポリウレタン塗料組成物と比較して室温下でも硬化速度が速く、機械強度に優れているという特長を有している。
例えば、特許文献1には、アスパラギン酸エステル骨格を有する第二級アミノ基を含有するポリアミン成分と、脂肪族ポリイソシアネート組成物でイソシアネート基を含有するポリイソシアネート成分とからなる、脂肪族系ポリウレア塗料組成物であるポリアスパラティック塗料組成物が開示されている。当該塗料組成物は比較的にポットライフが長く、塗膜硬度が高いことから高圧衝突混合スプレー機を使用せずに施工可能であるという特徴を有している。
特開平3-43472号公報
特許文献1に開示された方法では、得られる塗膜において、塗膜伸度が不足する場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、塗膜伸度に優れる塗膜を製造できる塗料組成物、及び前記塗料組成物を用いた塗膜を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]ポリアスパラティック主剤と、ポリイソシアネート組成物と、を含む塗料組成物であって、前記ポリイソシアネート組成物は、(A)と(B)とから誘導され、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基を含有するポリイソシアネートを含み、前記ポリイソシアネート組成物は、[c/b(cはウレタン基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数である)]が0.06以上5.50以下であり、前記(A)は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種類のジイソシアネートであり、前記(B)は、数平均分子量が400以上10000以下のオキシプロピレン基を有するポリエーテル系ポリオール、数平均分子量が250以上4000以下のポリエステル系ポリオール、数平均分子量が500以上4000未満のポリカーボネート基を有するカーボネート系ポリオールからなる群より選択される少なくとも1種である、塗料組成物。
[2]前記(B)は、前記ポリエーテル系ポリオールであり、前記ポリイソシアネートのイソシアネート平均官能基数が2.6以上10.0以下であり、前記ポリイソシアネート組成物は[a/b(aはアロファネート基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数である)]が0.10以上2.50以下である、[1]に記載の塗料組成物。
[3]前記(B)は、2価以上3価以下のアルコールと、ε-カプロラクトンから誘導される、数平均分子量が250以上4000以下のポリエステル系ポリオールであり、下記(α)及び(β)を満たす、[1]又は[2]に記載の塗料組成物。
0.45≦c/(a+c)≦0.99 ・・・(α)
0.40≦b/(a+b+c)≦0.90 ・・・(β)
(上記(α)、(β)中、aはアロファネート基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数であり、cはウレタン基のモル数である。)
[4]金属又はプラスチックの塗装に用いられる、[1]~[3]のいずれか1つに記載の塗料組成物。
[5]建築構造物、自動車車体、自動車用金属部品、自動車用プラスチック部品、情報家電製品用金属部品又は情報家電製品用プラスチック部品のトップクリアー塗料として用いられる、[1]~[4]のいずれか1つに記載の塗料組成物。
[6][1]~[5]のいずれか1つに記載の塗料組成物を硬化させた塗膜。
本発明によれば、塗膜伸度に優れる塗膜を製造できる塗料組成物、及び前記塗料組成物を用いた塗膜を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、一分子中に2つ以上のヒドロキシ基(-OH)を有する化合物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(-NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
また、本明細書において、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」は、メタクリルとアクリルとを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートとを包含するものとする。
<塗料組成物>
本実施形態の塗料組成物は、ポリアスパラティック主剤と、ポリイソシアネート組成物と、を含む。
以下、各成分について説明する。
≪ポリアスパラティック主剤≫
ポリアスパラティック主剤は、下記式(I)で表されるアスパラギン酸エステル化合物である。
Figure 2024097602000001
〔式(I)中、Xはn価のポリアミンの第一級アミノ基を除去することによって得られたn価の有機基であり、R及びRは反応条件下でイソシアネート基に対して不活性である同じ又は異なった有機基であり、nは2以上の整数である。〕
(X)
一般式(I)において、Xは、n価の有機基である。
n価の有機基としては、脂肪族基であってもよく、芳香族基であってもよい。前記脂肪族基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。また、nは後述のとおり、2以上の整数である。
前記直鎖状又は分岐状の脂肪族基としては、例えば、アルカンジイル基(アルキレン基)、アルキリデン基、アルキリジン基等が挙げられる。
前記環状の脂肪族基としては、例えば、シクロアルキレン基等が挙げられる。
前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。
Xとしてより具体的には、本実施形態のポリアスパラティック塗料組成物の耐黄変性の観点から、炭素数2以上20以下の直鎖状、分岐状又は環状の2価の脂肪族基であることが好ましい。前記炭素数2以上20以下の直鎖状、分岐状又は環状の2価の脂肪族基としては、例えば、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、2,2,4-トリメチルヘキサメチレン基、2,4,4-トリメチルヘキサメチレン基、3,3,5-トリメチル-5-メチルシクロヘキシレン基、ジシクロヘキシルメチレン基、3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメチレン基等が挙げられる。
(R及びR
一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立に、反応条件下でイソシアネート基に対して不活性である有機基である。
なお、本明細書において、「反応条件下でイソシアネート基に対して不活性」とは、R及びRが、水酸基、アミノ基、又はチオール基のようなツェレビチノフ活性水素含有基(CH酸性化合物)を有さないことを意味する。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であることがより好ましい。
及びRは、同一であってもよく異なっていてもよい。
(n)
一般式(I)において、nは2以上の整数である。
中でも、nは、2以上6以下の整数であることが好ましく、2以上4以下の整数であることがより好ましく、2又は3であることがさらに好ましく、2が特に好ましい。
≪式(I)で表されるアスパラギン酸エステル化合物の製造方法≫
式(I)で表されるアスパラギン酸エステル化合物は、国際公開第2018/163959号に記載の方法により製造できる。
≪ポリイソシアネート組成物≫
本実施形態の塗料組成物は、ポリイソシアネート組成物を含む。ポリイソシアネート組成物は、塗料組成物の硬化剤として作用する。
本実施形態に用いるポリイソシアネート組成物は、(A)と(B)とから誘導され、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基を含有するポリイソシアネートを含む。即ち、ポリイソシアネートは(A)と(B)との反応物である。
(A)は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種類のジイソシアネートである。
(B)は、数平均分子量が400以上10000以下のオキシプロピレン基を有するポリエーテル系ポリオール、数平均分子量が250以上4000以下のポリエステル系ポリオール、数平均分子量が500以上4000未満のポリカーボネート基を有するカーボネート系ポリオールからなる群より選択される少なくとも1種である。
以降において、数平均分子量が400以上10000以下のオキシプロピレン基を有するポリエーテル系ポリオールを「(B1)」と記載する場合がある。
数平均分子量が250以上4000以下のポリエステル系ポリオールを「(B2)」と記載する場合がある。
数平均分子量が500以上4000未満のポリカーボネート基を有するカーボネート系ポリオールを「(B3)」と記載する場合がある。
また、ポリイソシアネート組成物は、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基を含む。
本発明の一態様において、ポリイソシアネート組成物は、これらの官能基全てが1つのポリイソシアネート中に含まれている。
本発明の一態様において、ポリイソシアネート組成物は、これらの官能基のうち少なくとも1つを含むポリイソシアネートの混合物である。
ポリイソシアネート組成物において、アロファネート基のモル数をa、イソシアヌレート基のモル数をb、ウレタン基のモル数をcとした場合に、c/bは0.06以上5.50以下であり、0.08以上4.50以下が好ましく、0.09以上2.00以下がより好ましく、0.10以上1.50以下がさらに好ましい。
c/bが上記下限値以上であることにより、塗膜としたときの塗膜伸度をより向上させることができる。
なお、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の各モル比率は、後述する実施例に記載のとおり、13C-NMR測定により求めることができる。
ポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネートが、(A)と(B1)とから得られるポリイソシアネートである場合、イソシアネート平均官能基数は、ポリイソシアネート組成物を酢酸n-ブチル等の溶剤で希釈しない状態で、2.6以上10.0以下であることが好ましく、2.7以上9.0以下がより好ましく、2.8以上8.5以下がさらに好ましく、2.9以上8.0以下が特に好ましい。
イソシアネート平均官能基数が上記下限値以上であることにより、塗膜としたときの耐酸性をより向上させることができる。一方、上記上限値以下であることにより、粘度の過度な上昇をより効果的に抑制することができる。
なお、イソシアネート平均官能基数(以下、「平均イソシアネート(NCO)数」または「数平均官能基数(fn)」と称する場合がある)は、後述する実施例に記載のとおり、下記式を用いて算出することができる。式中、「NCO%」は、イソシアネート基含有率を表し、「Mn」は、数平均分子量を表す。
平均イソシアネート(NCO)数=(Mn×NCO%×0.01)/42
また、本発明の一態様において、ポリイソシアネートは(A)と(B1)とから得られ、イソシアネート平均官能基数が2.6以上10.0以下のポリイソシアネートであることが好ましい。
この場合、ポリイソシアネート組成物は、a/bは0.10以上2.50以下を満たすことが好ましく、0.35以上1.90以下がさらに好ましい。
a/bが上記下限値以上であることにより、塗膜としたときの密着性をより向上させることができ、一方、上記上限値以下であることにより、塗膜としたときの耐酸性をより向上させることができる。
ポリイソシアネート組成物が上記構成を有することで、塗膜伸度と耐酸性に優れる塗膜を製造できる。
また、本発明の一態様において、ポリイソシアネートは(A)と(B2)とから得られる。
(A)と(B2)とから得られるポリイソシアネートである場合、下記(α)及び(β)を満たす、ことが好ましい。
0.45≦c/(a+c)≦0.99 ・・・(α)
0.40≦b/(a+b+c)≦0.90 ・・・(β)
(上記(α)、(β)中、aはアロファネート基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数であり、cはウレタン基のモル数である。)
c/(a+c)は、0.50以上0.98以下がより好ましく、0.57以上0.97以下がさらに好ましく、0.70以上0.97以下がさらに好ましく、0.80以上0.96以下が特に好ましい。
c/(a+c)が上記下限値以上であることにより、塗膜の耐水性及び伸展性をより向上させることができる。
また、b/(a+b+c)は、0.40以上0.85以下がより好ましく、0.50以上0.85以下がさらに好ましく、0.60以上0.85以下がさらに好ましく、0.72以上0.85以下が特に好ましい。b/(a+b+c)が上記下限値以上であることにより、耐候性及び耐水性をより向上させることができ、一方、上記上限値以下であることにより、塗膜の伸展性をより向上させることができる。
ポリイソシアネート組成物が上記構成を有することで、塗膜伸度と耐酸性に優れる塗膜を製造できる。
次いで、本実施形態のポリイソシアネート組成物の各構成成分について、以下に詳細を説明する。
[(A)ジイソシアネート]
(A)ジイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネートである。
脂肪族ジイソシアネートとは分子中に飽和脂肪族基を有する化合物である。一方、脂環式ジイソシアネートとは、分子中に環状脂肪族基を有する化合物である。脂肪族ジイソシアネートを用いると、得られるポリイソシアネート組成物が低粘度となるので、好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとして、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネート)等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、5-イソシアナト-1-イソシアナトメチル-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;以下、「IPDI」と略記する場合がある)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン等が挙げられる。
これらジイソシアネートは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、(A)ジイソシアネートとしては、工業的に入手し易いため、HDI、IPDI、水添キシリレンジイソシアネート又は水添ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。また、耐候性及び塗膜の柔軟性が非常に優れていることから、HDIが特に好ましい。
以下、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートを総称してジイソシアネートという場合がある。
[(B1)ポリエーテル系ポリオール]
(B1)ポリエーテル系ポリオールは、数平均分子量が400以上10000以下であり、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールである。ここでいう、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールとは、分子鎖の中に、オキシプロピレン基を有するポリエーテルポリオールである。この場合、オキシアルキレン繰り返し単位に、その他のオキシアルキレン基、具体的にはオキシエチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基又はオキシスチレン基等を含有していてもよい。
オキシアルキレン繰り返し単位の総モル量に対して、側鎖を有するオキシプロピレン基の含有量は60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
(B1)の数平均分子量は、10000以下であり、7000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3500以下がさらに好ましい。一方、数平均分子量は、400以上であり、450以上が好ましく、500以上がより好ましい。
すなわち、(B1)の数平均分子量は、400以上10000以下であり、450以上7000以下が好ましく、500以上5000以下がより好ましく、500以上3500以下がさらに好ましい。
(B1)の数平均分子量が上記範囲内であることで、塗膜としたときの屈曲性がより十分なものとなり、且つ、塗膜の硬化性もより十分となる。
なお、ポリエーテル系ポリオールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と略記する場合がある)測定により得ることができる。
(B1)として具体的には、例えば、ポリプロピレングリコール若しくはトリオール、又はポリプロピレングリコールの末端にエチレンオキサイドを付加重合させた所謂プルロニック(登録商標)タイプのポリプロピレングリコール若しくはトリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンコポリマージオール若しくはトリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマージオール若しくはトリオール、ポリテトラメチレングリコール若しくはトリオール、ポリオキシジメチルプロピレンポリオキシブチレンコポリマージオール若しくはトリオール、ポリオキシジメチルプロピレンポリオキシブチレンブロックポリマージオール若しくはトリオール、ポリオキシシクロヘキサンジオール等が挙げられる。中でも、(B1)としては、ポリプロピレングリコール若しくはトリオール、又はポリプロピレングリコールの末端にエチレンオキサイドを付加重合させた所謂プルロニック(登録商標)タイプのポリプロピレングリコール若しくはトリオールが好ましい。また、中でも、(B1)としては、反応性が優れていることから、ポリプロピレングリコールの末端にエチレンオキサイドを付加重合させた所謂プルロニック(登録商標)タイプのポリプロピレングリコール若しくはトリオールがより好ましい。
これら(B1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(B1)の市販品としては、例えば、エクセノール840(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレントリオール、数平均分子量6500)、エクセノール510(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量4000)、エクセノール230(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレントリオール、数平均分子量3000)、エクセノール2020(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量2000)、エクセノール1030(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレントリオール、数平均分子量1000)、エクセノール1020(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量1000)、プレミノール7012(商品名、AGC株式会社製、ポリプロピレントリオール、数平均分子量10000)、PTG1000SN(商品名、保土谷化学株式会社製、ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量1000)等が挙げられる。
(B1)の製造方法としては、多価アルコール、多価フェノール、ポリアミン、アルカノールアミン等の単独又は混合物に、触媒を使用して、プロピレンオキサイド(及び必要に応じてその他アルキレンオキサイドの単独又は混合物)を付加する製造方法や、多価アルコールを脱水縮合する製造方法等が挙げられる。
多価アルコールとしては、2価のアルコールであってもよく、3価のアルコールであってもよい。2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。3価のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン等のジアミン等が挙げられる。
触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物;アルコラート、アルキルアミン等の強塩基性触媒;金属ポルフィリン;複合金属シアン化合物錯体;金属と3座配位以上のキレート化剤との錯体;ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体等の複合金属錯体等が挙げられる。
その他アルキレンオキサイドとしては、例えば、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
[(B2)ポリエステル系ポリオール]
ポリエステル系ポリオールとは、原料となる二塩基酸、及び/または多価アルコールに側鎖を有するポリエステルポリオールである。ここでの側鎖は、ポリオールの数平均分子量が250~4000である限りは、特に限定されない。このような化合物として、例えば、ε-カプロラクトン、ダイマー酸(必要に応じてアジピン酸やイソフタル酸)とエチレングリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマー酸を還元して得られたダイマージオールから選ばれるジオールから得られるポリエステルポリオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールあるいは2-メチル-1,8-オクタンジオールと、アジピン酸から得られるポリエステルポリオールが挙げられる。このようなポリエステルポリオールとして、例えば、クラレポリオールP-4010(商品名、株式会社クラレ製、3-メチル-1,5-ペンタンジオールを用いたポリエステルポリオール、数平均分子量4000)、OD-X2027(商品名、DIC株式会社製、アジピン酸、ジエチレングリコールを用いたポリエステルポリオール、数平均分子量2000)などが挙げられる。
上記のなかでも、ε-カプロラクトンは、環状エステル及びラクトンの1種であり、化学式:(CH2)5CO2で表される、七員環化合物である。ε-カプロラクトンを開環重合させることで、ポリエステル系重合体であるポリカプロラクトンが得られる。
(C)は、ε-カプロラクトンから誘導されるカプロラクトンポリオールであることが好ましい。
このようなカプロラクトンポリオールとして、例えば、OD-X2542C(商品名、DIC株式会社製、ε-カプロラクトンを用いたポリエステルポリオール、数平均分子量850)、OD-X2722(商品名、DIC株式会社製、ε-カプロラクトンを用いたポリエステルポリオール、数平均分子量2000)などが挙げられる。
(B2)は、2価以上3価以下のアルコール及びε-カプロラクトンから誘導されたもの、すなわち、2価以上3価以下のアルコール及びε-カプロラクトンの反応物が好ましい。ε-カプロラクトンは、環状エステル及びラクトンの1種であり、化学式:(CHCOで表される、七員環化合物である。ε-カプロラクトンを開環重合させることで、ポリエステル系重合体であるポリカプロラクトンが得られる。
2価以上3価以下のアルコールとしては、例えば、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸エステル、2-メチル-1,3プロパンジオール、2,3,5-トリメチルペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-プチレンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,1,7-トリメチロールヘプタン、1,2,7-トリメチロールヘプタン等が挙げられる。これら2価以上3価以下のアルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(B2)の数平均分子量は、4000以下であり、3000以下が好ましく、2500以下がより好ましい。一方、(B2)の数平均分子量は、250以上である。
すなわち、(B2)の数平均分子量は、250以上4000以下であり、250以上3000以下が好ましく、250以上2500以下がより好ましい。
(B2)の数平均分子量が上記範囲であることで、塗膜としたときの伸展性がより十分なものとなり、得られる塗液の粘度の過度な上昇をより効果的に抑制することができる。
なお、ポリエステル系ポリオールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と略記する場合がある)測定により得ることができる。
(B2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
[(B3)ポリカーボネート系ポリオール]
(B3)は、ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、炭素数2~20のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオール(以下、単に「2種のジオール」ともいう。)
と、カーボネート化合物と、を共重合したものが好ましい。
上記2種のジオールとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジオール及び芳香族ジオールからなる群より選ばれるジオールが挙げられる。このなかでも、水酸基を2つ有する、炭素数が2~20のアルキレングリコールが好ましい。このようなジオールを用いることにより、ポリイソシアネート組成物を用いて得られる塗膜の耐候性及び耐薬品性がより優れる傾向にある。ここで「アルキレン基」とは、分岐を有してもよく、かつ脂環構造を含んでもよい。これらの2官能アルコールは、単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
上記ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、p-キシリレンジオール、p-テトラクロロキシリレンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサン、ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフラン、ジ(2-ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2,6’-ジヒドロキシエチルヘキシルエーテル、2,4’-ジヒドロキシエチルブチルエーテル、2,5’-ジヒドロキシエチルペンチルエーテル、2,3’-ジヒドロキシ-2’,2’-ジメチルエチルプロピルエーテル、チオグリコール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のデュラノールT5650E(数平均分子量500)、T5650J(数平均分子量800)、T5651(数平均分子量1000)、T5652(数平均分子量2000)等が挙げられる。
(B3)の数平均分子量は、4000未満であり、3000以下が好ましく、2500以下がより好ましい。一方、(B3)の数平均分子量は、500以上である。
すなわち、(B3)の数平均分子量は、500以上4000未満であり、500以上3000以下が好ましく、500以上2500以下がより好ましい。
(B3)の数平均分子量が上記範囲であることで、塗膜としたときの伸展性がより十分なものとなり、得られる塗液の粘度の過度な上昇をより効果的に抑制することができる。
なお、ポリエステル系ポリオールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と略記する場合がある)測定により得ることができる。
(B3)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(ポリイソシアネート組成物の製造方法)
ポリイソシアネート組成物を製造する工程では、原料として、少なくともHDIを用いることが好ましい。
本実施形態に用いるポリイソシアネート組成物は、例えば、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応及びウレタン化反応は、それぞれ逐次又はそのいくつかを並行して行うことができ、これらの反応を過剰のジイソシアネートモノマーとポリエーテル系ポリオール又はポリエステル系ポリオールとの存在下で行い、反応終了後、未反応のジイソシアネートモノマーを除去することにより、得られる。また、上記の3反応を別々に実施させたものを混合することによってもポリイソシアネート組成物は得られる。
さらに、ポリイソシアネート組成物の製造方法では、副原料として、アルキルモノアルコール、アルキルジオール等のアルコール等も併用することができる。ここで、アルコールを用いる場合には、上述したように、本実施形態に用いるポリイソシアネート組成物のa/b、c/b、c/(a+c)及びb/(a+b+c)が上記範囲となる割合で用いることが好ましい。
或いは、本実施形態に用いるポリイソシアネート組成物は、例えば、ジイソシアネートを、イソシアヌレート化反応及びアロファネート化反応をさせた後に、得られた反応物と、ポリエーテル系ポリオール又はポリエステル系ポリオールと、をウレタン化反応させることで得られる。このとき、ポリエステル系ポリオールの水酸基に対する反応物中のイソシアネート基のモル比は、2/1以上40/1以下が好ましく、3/1以上30/1以下がより好ましく、4/1以上20/1以下がさらに好ましい。
次いで、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応及びウレタン化反応の各反応について、以下に詳細を説明する。
[イソシアヌレート化反応]
ジイソシアネートモノマーからイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを誘導する場合は、通常、イソシアヌレート化反応触媒を用いる。
イソシアヌレート化反応触媒としては、塩基性を有するものが好ましい。このようなイソシアヌレート化反応触媒としては、例えば、以下の1)~7)に示すもの等が挙げられる。1)テトラアルキルアンモニウムのヒドロオキシド又は有機弱酸塩;2)ヒドロキシアルキルアンモニウムのヒドロオキシド又は有機弱酸塩;3)アルキルカルボン酸の金属塩;4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート;5)ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物;6)マンニッヒ塩基類;7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用。
テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。
有機弱酸としては、例えば、酢酸、カプリン酸等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアンモニウムとしては、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
金属塩を構成する金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
中でも、イソシアヌレート化反応触媒としては、触媒効率の観点から、上記1)、2)、3)、4)又は5)が好ましく、1)の有機弱酸塩がより好ましい。
イソシアヌレート化反応触媒の添加量は、仕込んだジイソシアネートの質量に対して、10ppm以上1000ppm以下が好ましく、10ppm以上500ppm以下がより好ましく、10ppm以上100ppm以下がさらに好ましい。
イソシアヌレート化反応温度の下限値は、50℃が好ましく、54℃がより好ましく、57℃がさらに好ましく、60℃が特に好ましい。一方、イソシアヌレート化反応温度の上限値は、120℃が好ましく、100℃がより好ましく、90℃がさらに好ましく、80℃が特に好ましい。
すなわち、イソシアヌレート化反応温度は、50℃以上120℃以下が好ましく、54℃以上100℃以下がより好ましく、57℃以上90℃以下がさらに好ましく、60℃以上80℃以下が特に好ましい。
イソシアヌレート化反応温度が上記上限値以下であることにより、着色等の特性変化がより効果的に防止できる。
[アロファネート化反応]
アロファネート基含有ポリイソシアネートは、ジイソシアネートにアルコールを添加し、アロファネート化反応触媒を用いることにより得られる。用いられるアルコールとは、分子内にエーテル基や、エステル基、カルボニル基を含んでもよいが、飽和炭化水素基と水酸基とからなるモノアルコールが好ましく、分岐を有しているモノアルコールがより好ましい。このようなモノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、イソアミルアルコール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、3,3,5-トリメチル-1-ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。中でも、モノアルコールとしては、イソブタノール、1-ブタノール、イソアミルアルコール、1-ヘキサノール、1-へプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール又は1,3,5-トリメチルシクロヘキサノールが好ましい。また、粘度がより低くなるため、1-プロパノール、イソブタノール、1-ブタノール、イソアミルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-エチル-ヘキシルアルコール又は3,3,5-トリメチル-1-ヘキサノールが好ましい。また、イソブタノール、2-ヘキサノール、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール又は3,3,5-トリメチル-1-ヘキサノールがより好ましい。
アルコールの添加量は、以下に限定されないが、アルコールの水酸基に対するジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が10/1以上1000/1以下となるような添加量が好ましく、100/1以上1000/1以下となるような添加量がより好ましい。アルコールの水酸基に対するジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が上記下限値以上であることで、得られるポリイソシアネートにおいて、イソシアネート基平均数をより適切な数確保することができる。
アロファネート化反応触媒としては、以下に限定されないが、例えば、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニル等のアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
錫のアルキルカルボン酸塩(有機錫化合物)としては、例えば、2-エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
鉛のアルキルカルボン酸塩(有機鉛化合物)としては、例えば、2-エチルヘキサン酸鉛等が挙げられる。
亜鉛のアルキルカルボン酸塩(有機亜鉛化合物)としては、例えば、2-エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
ビスマスのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ビスマス等が挙げられる。
ジルコニウムのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ジルコニウム等が挙げられる。
ジルコニルのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ジルコニル等が挙げられる。
所望の収率となった時点で、リン酸、パラトルエンスルホン酸メチル等のアロファネート化反応触媒の失活剤を添加して、アロファネート化反応を停止することができる。
上記アロファネート化反応触媒の使用量は、原料であるジイソシアネートに対して、質量比で、10ppm以上10000ppm以下が好ましく、10ppm以上1000ppm以下がより好ましく、10ppm以上500ppm以下がさらに好ましい。
アロファネート化の反応温度は、60℃以上160℃以下が好ましく、70℃以上155℃以下がより好ましく、80℃以上150℃以下がさらに好ましく、90℃以上145℃以下が特に好ましい。
アロファネート化反応温度が上記上限値以下であることにより、得られるポリイソシアネートの着色等の特性変化をより効果的に防止できる。
アロファネート化の反応時間は0.2時間以上8時間以下が好ましく、0.4時間以上6時間以下がより好ましく、0.6時間以上4時間以下がさらに好ましく、0.8時間以上3時間以下が特に好ましく、1.0時間以上2時間以下が最も好ましい。
アロファネート化の反応時間を上記下限値以上とすることで、より低粘度とすることができ、上記上限値以下とすることで、ポリイソシアネート自体の着色をより抑制することができる。
また、上記イソシアヌレート化反応触媒をアロファネート化反応触媒として用いることができる。上記イソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応を行う場合、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも同時に生成させる。中でも、経済面から生産性を向上できる観点から、アロファネート化反応触媒として、上記イソシアヌレート化反応触媒を用い、アロファネート化反応とイソシアヌレート化反応とを行うことが好ましい。
[ウレタン化反応]
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法において、ウレタン化反応は、イソシアヌレート化反応及びアロファネート化反応の後に行うことが好ましく、具体的には、イソシアヌレート化反応及びアロファネート化反応をそれぞれ逐次又は並行して行い、イソシアヌレート基及びアロファネート基を含有するポリイソシアネートを得た後、得られた当該ポリイソシアネートと、ポリエーテル系ポリオール又はポリエステル系ポリオールとをウレタン化反応させることが好ましい。
ウレタン化反応温度の下限値は、80℃が好ましく、100℃がより好ましい。一方、反応温度の上限値は、150℃が好ましく、130℃がより好ましい。
すなわち、ウレタン化反応温度は80℃以上150℃以下が好ましく、100℃以上130℃以下がより好ましい。
上記イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応及びウレタン化反応の重合反応が所望の重合度に達した時点で、重合反応を停止させる。重合反応の停止は、以下に限定されないが、例えば、酸性化合物を反応液に添加することで、重合反応触媒を中和させる、又は、熱分解、化学分解等により不活性化させることで達成できる。酸性化合物としては、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル、硫酸、塩酸、スルホン酸化合物等が挙げられる。反応停止後、必要があれば、濾過を行う。
反応停止直後の反応液は、通常、未反応のジイソシアネートモノマーを含むため、これを薄膜蒸発缶、抽出等で除去することが好ましい。このような後処理を行うことで、ポリイソシアネート組成物に含有されるジイソシアネートモノマー濃度を1質量%以下に制御することが好ましい。
ジイソシアネートモノマー濃度は、例えばジイソシアネートモノマーがHDIである場合、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
(ポリイソシアネート組成物の物性)
[粘度]
(A)と(B1)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物を酢酸ブチルで希釈し、固形分75質量%に調整した際の25℃における粘度は、特に制限されないが、有機溶剤量や官能基数の面から、100mPa・s以上5000mPa・s以下が好ましく、120mPa・s以上4500mPa・s以下がより好ましく、130mPa・s以上4000mPa・s以下がさらに好ましい。粘度が上記下限値以上であれば、官能基数をより十分多くすることができ、一方、上記上限値以下であれば有機溶剤量をより少なくできる。
(A)と(B2)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物を酢酸ブチルで希釈し、固形分64質量%に調整した際の25℃における粘度は、特に制限されないが、有機溶剤量や官能基数の面から、100mPa・s以上2000mPa・s以下が好ましく、150mPa・s以上1500mPa・s以下がより好ましく、300mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましい。粘度が上記下限値以上であれば、官能基数をより十分多くすることができ、一方、上記上限値以下であれば有機溶剤量をより少なくできる。
(A)と(B3)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物を酢酸ブチルで希釈し、固形分64質量%に調整した際の25℃における粘度は、特に制限されないが、有機溶剤量や官能基数の面から、100mPa・s以上2000mPa・s以下が好ましく、150mPa・s以上1500mPa・s以下がより好ましく、300mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましい。粘度が上記下限値以上であれば、官能基数をより十分多くすることができ、一方、上記上限値以下であれば有機溶剤量をより少なくできる。
ポリイソシアネート組成物の粘度は、後述する実施例に記載のとおり、E型粘度計(株式会社トキメック社製)を用いて25℃で測定された値を採用できる。
[イソシアネート基含有率(NCO%)]
(A)と(B1)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有率(NCO%)は、当該ポリイソシアネート組成物を酢酸ブチルで希釈し、固形分75質量%に調整した場合において、塗膜にした際の性能の面から、3.0質量%以上20.0質量%以下が好ましく、3.3質量%以上19.0質量%以下がより好ましく、3.6質量%以上18.0質量%以下がさらに好ましい。NCO%が上記下限値以上であれば塗膜にした際の性能はより良好であり、一方、上記上限値以下であれば架橋密度がより高くなりすぎず、より割れにくい塗膜を形成する。
NCO%は、後述する実施例に記載のとおり、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めることができる。
(A)と(B2)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有率(NCO%)は、当該ポリイソシアネート組成物を酢酸ブチルで希釈し、固形分64質量%に調整した場合において、塗膜にした際の性能の面から、3.0%以上20.0%以下が好ましく、3.5%以上17.0%以下がより好ましく、4.0%以上14.0%以下がさらに好ましく、4.5%以上11.0%以下が特に好ましい。NCO%が上記下限値以上であれば塗膜にした際の性能はより良好であり、一方、上記上限値以下であれば架橋密度がより高くなりすぎず、より割れにくい塗膜を形成する。
(A)と(B3)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有率(NCO%)は、当該ポリイソシアネート組成物を酢酸ブチルで希釈し、固形分64質量%に調整した場合において、塗膜にした際の性能の面から、3.0%以上20.0%以下が好ましく、3.5%以上17.0%以下がより好ましく、4.0%以上14.0%以下がさらに好ましく、4.5%以上11.0%以下が特に好ましい。NCO%が上記下限値以上であれば塗膜にした際の性能はより良好であり、一方、上記上限値以下であれば架橋密度がより高くなりすぎず、より割れにくい塗膜を形成する。
[数平均官能基数(fn)]
(A)と(B1)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基の数平均官能基数(以下、「fn」と略記する場合がある)は、特に制限されないが、硬化性及び粘度の面から3.0以上10.0以下が好ましく、3.2以上9.0以下がより好ましく、3.4以上8.0以下がさらに好ましく、3.6以上7.0以下が特に好ましい。fnが上記下限値以上であれば、より充分な硬化性が得られ、上記上限値以下であれば、粘度がより高くなりすぎない。
(A)と(B2)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基の数平均官能基数(以下、「fn」と略記する場合がある)は、特に制限されないが、硬化性及び粘度の面から3.0以上10.0以下が好ましく、3.2以上9.0以下がより好ましく、3.4以上8.0以下がさらに好ましく、3.6以上7.0以下が特に好ましい。fnが上記下限値以上であれば、より充分な硬化性が得られ、上記上限値以下であれば、粘度がより高くなりすぎない。
(A)と(B3)とから得られるポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基の数平均官能基数(以下、「fn」と略記する場合がある)は、特に制限されないが、硬化性及び粘度の面から3.0以上10.0以下が好ましく、3.2以上9.0以下がより好ましく、3.4以上8.0以下がさらに好ましく、3.6以上7.0以下が特に好ましい。fnが上記下限値以上であれば、より充分な硬化性が得られ、上記上限値以下であれば、粘度がより高くなりすぎない。
(各種添加剤)
本実施形態の塗料組成物は、ポリアスパラティック主剤と、ポリイソシアネート組成物に加えて、目的及び用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、着色顔料、染料、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤、光安定剤、つや消し剤、塗膜表面親水化剤、硬化促進用の触媒、乾燥性改良剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を含んでもよい。
[酸化防止剤]
本実施形態の塗料組成物は、上記ポリイソシアネート組成物、上記主剤に加えて、更に、酸化防止剤を含有していてもよい。なお、酸化防止剤は、塗料組成物を製造する段階で添加してもよく、予めポリイソシアネート組成物に添加しておいてもよい。また、酸化防止剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、耐光安定剤、耐熱安定剤等として用いられている酸化防止作用を有する物質が挙げられる。
耐光安定剤として用いられている酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系酸化防止剤、トリアジン系酸化防止剤、シアノアクリレート系酸化防止剤等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アデカスタブLA-52(商品名)、アデカスタブLA-68(商品名)、アデカスタブLA-77Y(商品名)(それぞれ株式会社アデカ製)、チヌビン(Tinuvin)622(商品名)、チヌビン765(商品名)、チヌビン770(商品名)、チヌビン791(商品名)(それぞれBASF社製)等が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、Chimassorb81(商品名)(BASF社製)等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、チヌビンP(商品名)、チヌビン234(商品名)(それぞれBASF社製)等が挙げられる。
トリアジン系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、チヌビン1577ED(商品名)(BASF社製)等が挙げられる。
シアノアクリレート系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、Uvinul3035(商品名)(BASF社製)等が挙げられる。
耐熱安定剤として用いられている酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン含有系酸化防止剤、硫黄含有系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、ヒドロキシアミン系酸化防止剤等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(以下、「BHT」と略記する場合がある)、イルガノックス1010(商品名)、イルガノックス1135(商品名)、イルガノックス1330(商品名)、イルガノックス3114(商品名)、イルガノックス565(商品名)、イルガノックス1520L(商品名)(それぞれBASF社製)、アデカスタブAO-20(商品名)、アデカスタブAO-30(商品名)、アデカスタブAO-50(商品名)、アデカスタブAO-60(商品名)、アデカスタブAO-80(商品名)(それぞれ株式会社アデカ製)等が挙げられる。
リン含有系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アデカスタブPEP-8(商品名)、アデカスタブHP-10(商品名)、アデカスタブ1178(商品名)、アデカスタブC(商品名)(それぞれ株式会社アデカ製)、イルガフォス168、イルガフォス38(商品名)(BASF社製)、スミライザーGP(商品名)(住友化学株式会社製)等が挙げられる。
硫黄含有系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、イルガノックスPS800FL(商品名)(BASF社製)等が挙げられる。
ビタミンE系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、イルガノックスE201(商品名)(BASF社製)等が挙げられる。
ヒドロキシアミン系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、イルガスタブFS042(商品名)(BASF社製)等が挙げられる。
中でも、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダートアミン系酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、及び、リン含有酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、酸化防止剤としては、チヌビン765(商品名)、BHT、イルガノックス565(商品名)、アデカスタブC(商品名)、及び、スミライザーGP(商品名)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
[着色顔料]
着色顔料としては、無機顔料であってもよく、有機顔料であってもよい。無機顔料としては、例えば、耐候性のよいカーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、インダンスレンオレンジ、イソインドリノン系イエロー等が挙げられる。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
[光安定剤]
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、具体的な市販品として、例えば、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(商品名、全てアデカアーガス化学社製)、チヌビン292、チヌビン144、チヌビン123、チヌビン440(商品名、全てチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS765(商品名、三共ライフテック株式会社製)等が挙げられる。
[つや消し剤]
つや消し剤としては、例えば、超微粉合成シリカ等が挙げられ、つや消し剤を使用した場合、優雅な半光沢、つや消し仕上げの塗膜を形成できる。
[塗膜表面親水化剤]
塗膜表面親水化剤としては、シリケート化合物が好ましい。シリケート化合物を含有することによって、本実施形態の塗料組成物を用いて塗膜を作製した場合に、塗膜表面を親水性にし、耐雨筋汚染性が発現する。シリケート化合物は、水酸基と反応するため、予め混合する場合には、硬化剤成分であるポリイソシアネート組成物に添加するのが好ましい。あるいは、主剤成分であるポリオール及び硬化剤成分であるポリイソシアネート組成物を混合する際に、同時に混合してもよい。
シリケート化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、テトラフェノキシシラン、及びこれらの縮合物等が挙げられる。中でも、シリケート化合物としては、塗膜を作製した場合、塗膜表面が親水性になり易いことから、テトラメトキシシランの縮合物又はテトラエトキシシランの縮合物が好ましい。
[硬化促進剤]
硬化促進用の触媒としては、以下に限定されないが、例えば、金属塩、3級アミン類等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、2-エチルヘキサン酸スズ、2-エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩等が挙げられる。
3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’-エンドエチレンピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン等が挙げられる。
[乾燥性改良剤]
乾燥性改良剤としては、CAB(セルロースアセテートブトレート)、NC(ニトロセルロース)等が挙げられる。
[レベリング剤]
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン、エアロジル、ワックス、ステアリン酸塩、ポリシロキサン等が挙げられる。
[可塑剤]
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、燐酸エステル類、脂肪酸エステル類、ピロメリット酸エステル、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、液状ゴム、非芳香族系パラフィンオイル等が挙げられる。
フタル酸エステル類としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレート等が挙げられる。
燐酸エステル類としては、例えば、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェート、トリメチルヘキシルホスフェート、トリス-クロロエチルホスフェート、トリス-ジクロロプロピルホスフェート等が挙げられる。
脂肪酸エステル類としては、例えば、トリメリット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエステル類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペート、ジ-2-エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノケート等が挙げられる。トリメリット酸エステル類としては、例えば、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル等が挙げられる。
ピロメリット酸エステルとしては、例えば、ピロメリット酸オクチルエステル等が挙げられる。
エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。
ポリエーテル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸エーテルエステル、ポリエーテル等が挙げられる。
液状ゴムとしては、例えば、液状NBR、液状アクリルゴム、液状ポリブタジエン等が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
≪塗料組成物の製造方法≫
本実施形態の塗料組成物は、溶剤塗料組成物で有用であり、以下に示す製造方法により得られる。
本実施形態の塗料組成物が溶剤ベースの塗料組成物である場合には、例えば、まず、ポリアスパラティック主剤又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、各種添加剤を加えたものに、上記ポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加する。次いで、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、溶剤ベースの塗料組成物を得ることができる。
また、ポリアスパラティック主剤を主成分とする主剤成分と、上記ポリイソシアネート組成物を主成分とする硬化剤成分と、上記各種添加剤の混合順序は特に限定されず、例えば、以下の順番で混合することができる。
1)各種添加剤を予め混合した主剤成分に、塗装現場において硬化剤成分を混合する。
2)塗装現場において主剤成分及び硬化剤成分を混合した後に、各種添加剤を混合する。
3)各種添加剤を予め混合した主剤成分に、塗装現場において各種添加剤を予め混合した硬化剤成分を混合する。
<塗料組成物の使用用途>
本実施形態の塗料組成物は、以下に限定されないが、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法による塗装、ロール塗装、カーテンフロー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として用いることができる。
また、本実施形態の塗料組成物は、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材から構成される成形品に対する塗料としても有用であり、金属又はプラスチックに対する塗料として特に好適である。
また、本実施形態の塗料組成物は、例えば、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、情報家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に好適であり、建築構造物、自動車車体、自動車用金属部品、自動車用プラスチック部品、情報家電製品用金属部品又は情報家電製品用プラスチック部品のトップクリアー塗料として特に好適である。
≪塗膜≫
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を硬化させてなるものであり、常に、安定した品質を発現し、且つ、耐水性、耐候性、屈曲性及び密着性に優れる。
また、本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を硬化させてなるものであり、常に、安定した品質を発現し、且つ、耐酸性及び塗膜伸度に優れる。
<塗膜の製造方法>
本実施形態の塗膜の製造方法は、上記塗料組成物を硬化させる工程を含む方法である。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法による塗装、ロール塗装、カーテンフロー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の塗装方法を用いて、被塗物上に塗装した後に硬化させることで製造することができる。
被塗物としては、上記「<塗料組成物の使用用途>」において例示された素材から構成される成形品と同様のものが挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における、ポリイソシアネート組成物の物性及び評価は、以下のとおり測定及び評価を行なった。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
[物性1](a/b、c/b、c/(a+c)及びb/(a+b+c))
得られたポリイソシアネート組成物について、Bruker社製Biospin Avance600(商品名)を用いた、13C-NMRの測定を行った。具体的な測定条件は、以下のとおりとした。
(測定条件)
13C-NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
CryoProbe(登録商標)
CPDUL
600S3-C/H-D-05Z
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl(77ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法、待ち時間2sec)
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除して、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の各モル比率を求めた。次いで、アロファネート基のモル数をA、イソシアヌレート基のモル数をB、ウレタン基のモル数をCとした場合のA/B、C/B、C/(A+C)及びB/(A+B+C)を算出した。
イソシアヌレート基:(148.6ppm付近の積分値)÷3
ウレタン基:(156.5ppm付近の積分値)÷1
アロファネート基:(154ppm付近の積分値)÷1
[物性2](イソシアネート平均官能基数(平均NCO数))
酢酸n-ブチル添加前のポリイソシアネート組成物を試料として、下記式によりイソシアネート平均官能基数(平均NCO数)を求めた。
平均イソシアネート(NCO)数=(Mn×NCO%×0.01)/42
式中、「NCO%」は、イソシアネート基含有率を表し、後述する「物性4」で得られた値を用いた。また、「Mn」は、数平均分子量を表し、以下に示す測定条件にてGPC測定を行い、ポリスチレン基準の分子量として求めた。
(測定条件)
装置:HLC-8320GPC(TOSOH)
カラム:TSKgelSuperH2500×1本(TOSOH)
TSKgelSuperH4000×1本(TOSOH)
TSKgelSuperH5000×1本(TOSOH)
TSKgelSuperH6000×1本(TOSOH)
キャリアー:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/分
試料濃度:1.0質量%
注入量:20μL
温度:40℃
検出方法:示差屈折計
[物性3](25℃における粘度)
粘度はE型粘度計(株式会社トキメック社製)により25℃で測定した。標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりである。
(回転数)
100r.p.m. (128mPa・s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20r.p.m. (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10r.p.m. (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m. (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m. (2560mPa・s以上5120mPa・s未満の場合)
1r.p.m. (5120mPa・s以上10240mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m. (10240mPa・s以上20480mPa・s未満の場合)
[物性4](イソシアネート基含有率(NCO%))
NCO%は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
[物性5](HDIモノマー濃度)
上記「物性2」に示す測定条件のGPC測定により、ポリスチレン基準の数平均分子量を測定した。次いで、未反応のHDIモノマー相当の分子量(168)のピーク面積%をHDIモノマー濃度として算出した。
<塗膜の評価方法>
各ポリイソシアネート組成物を用いて、以下のとおり塗料組成物を製造し、評価を実施した。
[製造例1](塗料組成物の製造)
主剤として、「Desmophen1420」(アスパラギン酸エステル化合物、Covest ro社製の商品名、アミン価201mgKOH/樹脂g)を使用した。表2中、アスパラギン酸エステル化合物を「PAE」と記載する。
硬化剤として、上記で得たポリイソシアネート組成物を使用した。具体的な材料を表2に示す。
主剤と硬化剤とを、NCO/NH=1.1となる割合で配合し、酢酸nーブチルで塗料固形分=75質量%となるよう調整して、塗料組成物を得た。
[評価1]
評価1として、塗膜の耐酸性を評価した。
各塗料組成物をアプリケーターにて乾燥後膜厚50μmとなるよう塗布した。塗布後、23℃、湿度50%の条件で、7日間硬化させて各塗膜を得た。この塗膜に塩酸10%水溶液を垂らし、23℃で24時間放置した。放置後に蒸留水で塩酸10%水溶液を洗い流し、外観変化を目視で観察した。
(評価基準)
◎:傷がほとんどない。
〇:やや傷がある。
×:傷がある。
[評価2]
評価2として、塗膜の塗膜伸度を評価した。
各塗料組成物をアプリケーターにて乾燥後膜厚50μmとなるよう塗布した。塗布後、23℃、湿度50%の条件で、7日間硬化させて各塗膜を得た。得られた塗膜を用いて引張り試験を行った。塗膜の伸度は、温度23℃、湿度50%の条件と、温度-20℃の条件で引張り試験器(島津製作所製、AGS 500G)を用いて、引張り速度20mm/分、掴み間隔20mmで測定した。以下に示す評価基準に従い、各塗膜の塗膜伸度を評価した。
(評価基準)
◎:塗膜伸度が200%以上。
〇:塗膜伸度が100%以上200%未満。
×:塗膜伸度が0%以上100%未満。
<ポリイソシアネートの合成>
[合成例1-1](ポリイソシアネートA1-1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000gと2-エチルヘキサノール:100gとを仕込み、撹拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.015となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液の濾過後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、ポリイソシアネートA1-1を得た。得られたポリイソシアネートA1-1は、粘度400mPa・s(25℃)、NCO含有率17.7質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例1-2](ポリイソシアネートA1-2の合成)
合成例1-1と同様の装置に、HDI:1000gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.012となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液を濾過後、合成例1-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA1-2を得た。得られたポリイソシアネートA1-2は、粘度1300mPa・s(25℃)、NCO含有率23.1質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例1-3](ポリイソシアネートA1-3の合成)
合成例1-1と同様の装置に、HDI:1000gと2-エチルヘキサノール:30gとを仕込み、撹拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.012となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液の濾過後、合成例1-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA1-3を得た。得られたポリイソシアネートA1-3は、粘度500mPa・s(25℃)、NCO含有率20.6質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例1-4](ポリイソシアネートA1-4の合成)
合成例1-1と同様の装置に、HDI:1000gと2-エチルヘキサノール:30gとを仕込み、撹拌下80℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.008となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液の濾過後、合成例1-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA1-4を得た。得られたポリイソシアネートA1-4は、粘度400mPa・s(25℃)、NCO含有率20.4質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例1-5](ポリイソシアネートA1-5の合成)
合成例1-1と同様の装置に、HDI:1000gと2-エチルヘキサノール:78gとを仕込み、撹拌下130℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として、2-エチルヘキサン酸ジルコニルの20%ミネラルスピリット溶液:0.35gを加えた。60分後、反応液の屈折率の上昇が0.0055となった時点で、ピロリン酸の固形分39%エタノール溶液(太平化学産業製、商品名「リン酸(105%)」):0.47gを加え、反応を停止した。次いで、合成例1-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA1-5を得た。得られたポリイソシアネートA1-5は、粘度100mPa.s(25℃)、NCO含有率17.4%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例1-6](ポリイソシアネートA1-6の合成)
合成例1-1と同様の装置に、HDI:1000gと1.4-ブタンジオール:44gとを仕込み、撹拌下反応器内温度160℃で、1時間保持した。その後、反応液を濾過後、合成例1-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA1-6を得た。得られたポリイソシアネートA1-6は、粘度600mPa・s(25℃)、NCO含有率19.2質量%、HDIモノマー濃度0.2質量%であった。
<ポリイソシアネート組成物の製造>
(ポリイソシアネート組成物P1-a1の製造)
合成例1-1と同様の装置に、合成例1-3で得られたポリイソシアネートA1-3:50g、ポリエーテルポリオールB1-2(AGC株式会社製、「エクセノール230」(商品名)、分子量3000):50g、及び、リン酸2-エチルヘキシルエステル(城北化学工業株式会社製、商品名「JP-508」):0.01gを加えた。次いで、混合液について撹拌下120℃で4時間ウレタン化反応を行った後に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「Tinuvin765」:0.1g、希釈溶剤として酢酸n-ブチル:33gを添加し、ポリイソシアネート組成物P1-a1を得た。得られたポリイソシアネート組成物P1-a1は、透明の液体であり、粘度700mPa・s(25℃)、NCO含有率6.2質量%であった。
(ポリイソシアネート組成物P1-a2~P1-a19及びP1-b1~P1-b4、P1-b6の製造)
表1~3に記載の配合とした以外は、ポリイソシアネート組成物P1-a1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P1-a2~P1-a19及びP1-b1~P1-b4、P1-b6を得た。
なお、表1~3において、各ポリエーテルポリオールは、以下のとおりである。
B1-1:AGC株式会社製、「エクセノール840」(商品名)、数平均分子量6500
B1-2:AGC株式会社製、「エクセノール230」(商品名)、数平均分子量3000
B1-3:AGC株式会社製、「エクセノール1030」(商品名)、数平均分子量1000
B1-4:AGC株式会社製、「エクセノール1020」(商品名)、数平均分子量1000
B1-5:保土谷化学株式会社製、「PTG1000SN」(商品名)、数平均分子量1000
[比較例1-5]ポリイソシアネート組成物P1-b5の製造
合成例1-1と同様の装置に、HDI:500gとポリエーテルポリオールB1-1(AGC株式会社製、「エクセノール840」(商品名)、分子量6500):150gとを仕込み、撹拌下90℃で2時間ウレタン化反応を行った。90℃でイソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエート:0.02gを加えた。4時間後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸:0.1gを加え反応を停止した。薄膜蒸発缶を用いて、150℃、2Torrの条件で2回精製し、ポリイソシアネート組成物P1-b5を得た。得られたポリイソシアネート組成物P1-b5は、粘度200mPa・s(25℃)、NCO含有率11.4質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
<塗料組成物の製造>
主剤として、「Desmophen1420」(アスパラギン酸エステル化合物、Covest ro社製の商品名、アミン価201mgKOH/樹脂g)を使用した。表1~3中、アスパラギン酸エステル化合物を「PAE」と記載する。
硬化剤として、上記で得たポリイソシアネート組成物P1-a2~P1-a19及びP1-b1~P1-b6を使用した。
主剤と硬化剤とを、NCO/NH=1.1となる割合で配合し、酢酸nーブチルで塗料固形分=90質量%となるよう調整して、実施例1~19、比較例1~6の塗料組成物をそれぞれ得た。
また、得られた各塗料組成物を用いて、上記に記載の方法により、耐酸性、塗膜伸度を評価した。結果を表1~3に示す。
Figure 2024097602000002
Figure 2024097602000003
Figure 2024097602000004
<ポリイソシアネートの合成>
[合成例2-1]ポリイソシアネートA2-1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.012となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液を濾過後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、ポリイソシアネートA2-1を得た。得られたポリイソシアネートA2-1は、粘度1300mPa・s(25℃)、NCO含有率23.1質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例2-2]ポリイソシアネートA2-2の合成
合成例2-1と同様の装置に、HDI:1000gと2-エチルヘキサノール:30gとを仕込み、撹拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:1gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液の屈折率の上昇が0.012となった時点で、リン酸を添加し反応を停止した。反応液の濾過後、合成例2-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA2-2を得た。得られたポリイソシアネートA2-2は、粘度500mPa・s(25℃)、NCO含有率20.6質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
[合成例2-3]ポリイソシアネートA2-3の合成
合成例2-1と同様の装置に、HDI:1000gと2-エチルヘキサノール:78gとを仕込み、撹拌下130℃で1時間ウレタン化反応を行った。アロファネート化触媒として、2-エチルヘキサン酸ジルコニルの20%ミネラルスピリット溶液:0.35gを加えた。60分後、反応液の屈折率の上昇が0.0055となった時点で、ピロリン酸の固形分39%エタノール溶液(太平化学産業製、商品名「リン酸(105%)」):0.47gを加え、反応を停止した。次いで、合成例2-1と同様の方法で未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートA2-3を得た。得られたポリイソシアネートA2-3は透明の液体であり、粘度100mPa.s、NCO含有率17.4%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
<ポリイソシアネート組成物の製造>
ポリイソシアネート組成物P2-a1の製造
合成例2-1と同様の装置に、合成例2-1で得られたポリイソシアネートA2-1:100g、ポリエステルポリオールB2-1(DIC株式会社製、「ポリライトOD-X-2722」(商品名)、分子量2000):60g、及び、リン酸2-エチルヘキシルエステル(城北化学工業株式会社製、商品名「JP-508」):0.01gを加えた。次いで、混合液について撹拌下110℃で4時間ウレタン化反応を行った後に、希釈溶剤として酢酸n-ブチル:90gを添加し、ポリイソシアネート組成物P2-a1を得た。得られたポリイソシアネート組成物P2-a1は、透明の液体であり、粘度650mPa・s、NCO含有率8.3%であった。
ポリイソシアネート組成物P2-a2~P2-a10及びP2-b1~P2-b4、P2-b6の製造
表4~5に記載の配合とした以外は、ポリイソシアネート組成物P2-a1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P2-a2~P2-a10及びP2-b1~P2-b4、P2-b6を得た。なお、表2-1において、「ポリエステルポリオールB2-2」、「ポリエステルポリオールB2-3」、「ポリエステルポリオールB2-4」、ポリエステルポリオールB3-1とは以下の市販品を示す。
ポリエステルポリオールB2-2:DIC株式会社製、「ポリライトOD-X-2542C」(商品名)、分子量850
ポリエステルポリオールB2-4:DIC株式会社製、「ポリライトOD-X-2027」(商品名)、分子量2000
ポリカーボネートポリオールB3-1:旭化成株式会社製「デュラノールT5652」(商品名)分子量2000
[比較例2-5]ポリイソシアネート組成物P2-b5の製造
合成例2-1と同様の装置に、HDI:562gとポリエステルポリオールB2-3(ポリカプロラクトンポリオール、株式会社ダイセル製、「プラクセル305」(商品名)、分子量550):115gとを仕込み、撹拌下100℃で1時間ウレタン化反応を行った。次いで、合成例2-1と同様の方法で未反応のHDIを除去した後に、希釈溶剤として酢酸n-ブチル:90gを添加し、ポリイソシアネート組成物P2-b5を得た(組成(単位g):HDI/ポリエステルポリオールB2-3/酢酸n-ブチル=45/115/90)。得られたポリイソシアネート組成物P2-b5は透明の液体であり、粘度100mPa・s、NCO含有率7.4%であった。
<塗料組成物の製造>
主剤として、「Desmophen1420」(アスパラギン酸エステル化合物、Covest ro社製の商品名、アミン価201mgKOH/樹脂g)を使用した。表4~5中、アスパラギン酸エステル化合物を「PAE」と記載する。
硬化剤として、上記で得たポリイソシアネート組成物P2-a1~P2-a10及びP2-b1~P2-b6をそれぞれ使用した。
主剤と硬化剤とを、NCO/NH=1.1となる割合で配合し、酢酸nーブチルで塗料固形分=65質量%となるよう調整して、実施例20~29、比較例7~12の塗料組成物をそれぞれ得た。
また、得られた各塗料組成物を用いて、上記に記載の方法により、耐酸性、塗膜伸度を評価した。結果を表4~5に示す。
Figure 2024097602000005
Figure 2024097602000006
本実施形態によれば、塗膜としたとき耐酸性及び塗膜伸度に優れる塗料組成物を提供することができる。また、本実施形態の塗料組成物は、塗料、インキ、接着剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック材料の原料として使用することができる。本実施形態の塗料組成物は、建築用塗料、重防食用塗料、自動車用塗料、情報家電用塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用塗料に好適である。

Claims (6)

  1. ポリアスパラティック主剤と、ポリイソシアネート組成物と、を含む塗料組成物であって、
    前記ポリイソシアネート組成物は、(A)と(B)とから誘導され、アロファネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基を含有するポリイソシアネートを含み、
    前記ポリイソシアネート組成物は、[c/b(cはウレタン基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数である)]が0.06以上5.50以下であり、
    前記(A)は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種類のジイソシアネートであり、
    前記(B)は、数平均分子量が400以上10000以下のオキシプロピレン基を有するポリエーテル系ポリオール、数平均分子量が250以上4000以下のポリエステル系ポリオール、数平均分子量が500以上4000未満のポリカーボネート基を有するカーボネート系ポリオールからなる群より選択される少なくとも1種である、塗料組成物。
  2. 前記(B)は、前記ポリエーテル系ポリオールであり、
    前記ポリイソシアネートのイソシアネート平均官能基数が2.6以上10.0以下であり、
    前記ポリイソシアネート組成物は[a/b(aはアロファネート基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数である)]が0.10以上2.50以下である、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記(B)は、2価以上3価以下のアルコールと、ε-カプロラクトンから誘導される、数平均分子量が250以上4000以下のポリエステル系ポリオールであり、
    下記(α)及び(β)を満たす、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
    0.45≦c/(a+c)≦0.99 ・・・(α)
    0.40≦b/(a+b+c)≦0.90 ・・・(β)
    (上記(α)、(β)中、aはアロファネート基のモル数であり、bはイソシアヌレート基のモル数であり、cはウレタン基のモル数である。)
  4. 金属又はプラスチックの塗装に用いられる、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  5. 建築構造物、自動車車体、自動車用金属部品、自動車用プラスチック部品、情報家電製品用金属部品又は情報家電製品用プラスチック部品のトップクリアー塗料として用いられる、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  6. 請求項1又は2に記載の塗料組成物を硬化させた塗膜。
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