JP2024085509A - 作業者管理システム及び作業者管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、作業員の安全性を確保しつつ、管理者の負荷を低減できる方法がなかった。【解決手段】作業者及び環境に関するデータを計測する計測部10により計測されたデータを用いて、作業者の状態を推定する状態推定部51と、推定された作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定される要因となったデータに基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、作業者が使用する作業者端末に回答候補を提示する回答候補作成部52と、作業者端末100において回答候補の中から選択された回答を、異常判定の情報に付加して作業者を管理するための管理者端末300に出力する回答候補出力部53と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、作業者の体調状態及び行動状態を管理する作業者管理システム及び作業者管理方法に関する。
業務上災害の多くが不安全な行動に起因している。こうした不安全行動の要因の一つとして、ストレスや睡眠不足などの慢性的な体調不良に加え、暑さや寒さといった過酷な環境や肉体的・精神的負荷が高い作業等に起因した急性の体調不良により、判断力や思考力が低下することが挙げられる。安全な業務遂行のためには、作業者の体調状態を適切に観測し、管理することが重要である。例えば特許文献1には、作業者の体調状態に応じて体調に異常がみられると判定した際には管理者に通知を送信する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、作業者の体調不良、又は体調不良の予兆を検知した段階で管理者へ通知が送信される。しかし、例えば夏場の暑い作業場などでは多くの作業者に体調不良の予兆が検知され、管理者の確認作業が膨大になることが予想される。実際に重大な問題になることはごくわずかであるが、安全性を考えると管理者へ通知することが望ましい。
また一方で、体調不良の生じやすい作業においては、十分な水分補給や細かな休憩を想定した作業計画が立てられていることが多い。しかし、このような計画は現場ごとに決定されており、管理システムに計画が反映されておらず、不要な通知や確認を実施してしまうという問題がある。
上記の状況から、作業員の安全性を確保しつつ、管理者の負荷を低減する手法が要望されていた。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の作業者管理システムは、管理者端末に作業者を管理するための情報を提示する作業者管理システムであって、作業者及び環境に関するデータを計測する計測部により計測されたデータを用いて、作業者の状態を推定する状態推定部と、その状態推定部において推定された作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定される要因となったデータに基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、作業者が使用する作業者端末に回答候補を提示する回答候補作成部と、作業者端末において回答候補の中から選択された回答を、異常判定の情報に付加して管理者端末に出力する回答候補出力部と、を備える。
本発明の少なくとも一態様によれば、作業員の安全性を確保しつつ、管理者の負荷を低減することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において、同一の構成要素又は実質的に同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。本発明は、建設業、製造業、保守業、イベント運営業など広く展開可能である。
<第1の実施形態>
[作業者管理方法の概要]
まず、本発明の第1の実施形態に係る作業者管理システムによる作業者管理方法の概要について、図1を参照して説明する。
[作業者管理方法の概要]
まず、本発明の第1の実施形態に係る作業者管理システムによる作業者管理方法の概要について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る作業者管理システムによる作業者管理方法の概要を示す模式図である。概ね作業者管理方法は次のような流れである。
(1)作業者Aが使用する作業者端末(例えば、図2の作業者端末100)で作業者に関するデータを計測し、計測データを情報処理部(例えば、図2の情報処理部50)へ送る。
(2)情報処理部は、作業者の状態(体調状態、行動状態)を推定し、状態に異常がみられた場合には、異常に対する回答候補(状況の説明、対策など)を作業者端末に送る。回答候補の内容は、状況の説明や対策などである。
(3)情報処理部は、回答候補の送信と合わせて、異常な状態が続くことへの危険リスクや過去の事例等を、作業者端末へ送る。
(1)作業者Aが使用する作業者端末(例えば、図2の作業者端末100)で作業者に関するデータを計測し、計測データを情報処理部(例えば、図2の情報処理部50)へ送る。
(2)情報処理部は、作業者の状態(体調状態、行動状態)を推定し、状態に異常がみられた場合には、異常に対する回答候補(状況の説明、対策など)を作業者端末に送る。回答候補の内容は、状況の説明や対策などである。
(3)情報処理部は、回答候補の送信と合わせて、異常な状態が続くことへの危険リスクや過去の事例等を、作業者端末へ送る。
(4)作業者Aは、作業者端末に表示された回答候補の中から回答候補を選択し、回答として情報処理部へ送る。
(5)情報処理部は、作業者Aの異常の内容と作業者Aの回答とを含むアラート情報を、管理者が使用する管理者端末へ送信する。
(6)管理者は、作業者Aの異常の内容及び回答を確認する。管理者は状況を確認した上で必要があれば、情報処理部を介して作業者A(作業者端末)に対して追加の確認や休憩取得等の指示を行う。管理者は、現場監督者に確認を要請し、作業者Aの状況を確認してもらうようにしてもよい。また、作業者Aは、近距離にある作業者端末間で直接通信し、作業者Bに業務調整を依頼してもよい。
(5)情報処理部は、作業者Aの異常の内容と作業者Aの回答とを含むアラート情報を、管理者が使用する管理者端末へ送信する。
(6)管理者は、作業者Aの異常の内容及び回答を確認する。管理者は状況を確認した上で必要があれば、情報処理部を介して作業者A(作業者端末)に対して追加の確認や休憩取得等の指示を行う。管理者は、現場監督者に確認を要請し、作業者Aの状況を確認してもらうようにしてもよい。また、作業者Aは、近距離にある作業者端末間で直接通信し、作業者Bに業務調整を依頼してもよい。
[作業者管理システム及び作業者端末の構成]
次に、第1の実施形態に係る作業者管理システムの全体構成及び作業者端末の内部構成について、図2を参照して説明する。
次に、第1の実施形態に係る作業者管理システムの全体構成及び作業者端末の内部構成について、図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る作業者管理システム1の全体構成及び作業者端末100の内部構成の一例を示すブロック図である。作業者管理システム1は、作業者端末100と管理者端末300を備えて構成され、作業者端末100で計測された計測データを処理し、作業者を管理するための情報を管理者端末300に提示する。作業者端末100と管理者端末300は、サーバ200を介して、データを送信及び受信する。
[作業者端末]
作業者端末100は、主に作業者が現場で身に着けるために可搬型の情報処理装置を想定しており、例えばスマートフォンやタブレット端末である。ただし、作業者端末100に計測データを送る計測部10がウェアラブルデバイスである場合には、作業者端末100は据え置き型の情報処理装置であってもよい。作業者端末100は、計測部10、入力部20、出力部30、記憶部40、情報処理部50、及び送受信部60を備える。
作業者端末100は、主に作業者が現場で身に着けるために可搬型の情報処理装置を想定しており、例えばスマートフォンやタブレット端末である。ただし、作業者端末100に計測データを送る計測部10がウェアラブルデバイスである場合には、作業者端末100は据え置き型の情報処理装置であってもよい。作業者端末100は、計測部10、入力部20、出力部30、記憶部40、情報処理部50、及び送受信部60を備える。
計測部10は、作業に従事する作業者に関するデータ及び作業者の環境に関するデータを計測する。作業時、作業者は、計測部10を備えた作業者端末100を作業服等のポケットに入れたりヘルメットに装着したりして、身に着けている。また、計測部10は、各種計測装置又はカメラ(イメージセンサ)を備えたウェアラブルデバイスでもよい。データの計測方法は、計測装置による計測と問診による計測(情報収集)の2つに分けられる。計測するデータの種類は、4種類に大別される。本実施形態で計測するデータは、体調データ、生体データ、行動データ、及び環境データである。
体調データは、作業者への問診に対する返答として取得される。体調データとして、当日の作業開始時又は各作業場での作業開始時などに問診により、当日の作業者の体調、疲労の程度、ストレス状態、気分、睡眠時間等を計測(取得)する。また、心電計又は脈拍計などにより計測した心拍データに基づいて、自律神経機能指標を算出し、疲労及びストレス状態の指標として利用することができる。
作業者管理システム1が作業者の体調を問診する機能を備える場合、計測部10として、予め作業者端末100にインストールした問診用アプリケーションを使用してもよいし、問診専用のデバイスを作業者端末100に接続して使用してもよい。問診専用のデバイスでは、タッチパネルによる問診や、音声(スピーカーとマイクロフォン)による問診が考えられる。なお、問診による計測の場合は、計測部10の問診機能を状態推定部51が持つ構成としてもよい。あるいは、複数の作業員が共通で使用するタブレット端末(端末装置)を用意し、タブレット端末(この場合、計測部10に相当)上で作業者へ問診を行い作業者が問診に対して回答を入力する構成としてもよい。
生体データは、心拍計/心電計、体温計、血圧計などの、作業者の生体データを計測する装置によって取得される。
行動データは、加速度計、ジャイロ、気圧計(高度計)、エネルギー消費量計、歩数計、姿勢情報計測装置などの、作業者の行動や作業状態を計測する装置によって取得される。カメラ(赤外線カメラを含む)も、作業者の行動や作業状態を計測する装置の一例である。
姿勢情報は、人の姿勢(骨格位置)に関する情報である。姿勢情報計測装置を利用して、作業者が立って作業をしているのか、座っているのか、又は、かなり変則的な姿勢(寝そべっている、身を乗り出している)なのかを計測する。例えば、姿勢情報計測装置として、作業者の服などに貼りつけた、加速度計及びジャイロなどを組み合わせた位置センサを用いることができる。また、姿勢情報計測装置としてカメラを用いて、カメラによる骨格推定などが考えられる。姿勢情報は、計測装置やセンサを利用して得られる二次情報と言える。また、作業状態は、作業者の状態(上記の姿勢に相当)と、時間的な変化による作業内容の両方の情報が含まれる。
環境データは、温湿度計、気圧計、高度計、及び時計などの、作業者の環境を計測する装置によって取得される。作業する時間帯によって作業者の体調及び行動に影響があると考えられるため、時刻情報も環境データの一つである。
入力部20は、情報処理部50に情報を入力するデバイスであって、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン、カメラなどである。入力部20は、これらのデバイスの一部又は全部を備える。
出力部30は、情報処理部50が処理した情報を映像又は音声として出力するデバイスであって、例えばディスプレイ、スピーカーなどである。
記憶部40は、情報処理部50によって読み出される各種コンピュータプログラム、及び、情報処理部50が実行する各種処理において利用されるデータなどが格納されている記憶素子又は記憶装置である。また、記憶部40は、コンピュータプログラムなどを記憶する主記憶部(例えばRAM)と、情報処理部50が実行する各種処理において利用されるデータなどを記憶する補助記憶部に分かれていてもよい。補助記憶部としての記憶部40には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性ストレージの他、通信ネットワーク上の記憶装置(クラウド環境)などを用いることができる
情報処理部50は、作業者管理システム1で使用される作業者端末100が備える各機能の処理を実行するように制御する。情報処理部50は、CPUなどのプロセッサ(演算処理装置)により構成される。情報処理部50及び記憶部40は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアである。例えば、各処理ブロックの機能をソフトウェアにより実現する場合、情報処理部50(例えばCPU)が記憶部40(不揮発性ストレージ又は図示しないROM)に格納されたプログラムを実行することにより、情報処理部50の各処理ブロックの機能が実現される。
[情報処理部]
次に、情報処理部50についてより詳細に説明する。図2に示すように、情報処理部50は、状態推定部51、回答候補作成部52、アラート生成部53、及び状況確認部54の各機能を備える。
次に、情報処理部50についてより詳細に説明する。図2に示すように、情報処理部50は、状態推定部51、回答候補作成部52、アラート生成部53、及び状況確認部54の各機能を備える。
(状態推定部)
状態推定部51は、計測部10により計測されたデータを用いて作業者の状態(体調状態や行動状態)を推定し、作業者の状態の不良リスク及び異常リスクを判定する機能を有する。体調状態に対して“不良”という文言を用い、及び行動状態に対して“異常”という文言を用いているが、以下ではこれらを区別せずに“異常”と記載することもある。
状態推定部51は、計測部10により計測されたデータを用いて作業者の状態(体調状態や行動状態)を推定し、作業者の状態の不良リスク及び異常リスクを判定する機能を有する。体調状態に対して“不良”という文言を用い、及び行動状態に対して“異常”という文言を用いているが、以下ではこれらを区別せずに“異常”と記載することもある。
体調状態としては、「作業者の生体データ」だけでなく、「問診による体調情報、心拍データの解析による自律神経機能(疲労度、ストレス度)、睡眠状態(過去のものを含む)」、「行動、動作」、「環境データ」なども使用する。ここでは、「動作」は、計測部10の説明で言及した「作業状態」と同義であると考えてよい。
行動状態としては、危険な動作、行動についても判定する。危険な動作及び行動として、例えば、注意欠陥、マイクロスリープ、ふらつき、転倒(スリップ)などが挙げられる。加速度計、ジャイロ、気圧計(高度計)などの計測装置による計測データを解析することで、ふらつき、転倒、スリップ、落下などを検知することができる。また、行動状態を表すのに、一定時間における上記の危険な動作及び行動の回数などを指標として利用してもよい。
基本的には、各指標やデータに対して、予め閾値(第1の閾値)を設けることで、不良/異常リスクを判定する。状態推定部51では、体調状態又は行動状態を表す指標やデータが閾値よりも高い(正常範囲を超える)ときに、異常と判定する。例えば、問診の場合には、問診に対する返答内容を点数(体調の良し悪しを表す指標の一例)に換算し、点数を閾値と比較することで、異常を判定する。複数の問診を組み合わせたり、問診ごとに判定方法や閾値を変更したりすることが考えられる。本明細書では、体調不良又は行動異常が発生している状態を「異常」、及びその異常の状態であると判定することを「異常と判定する」とも記載する。また、指標やデータを「データ」又は「計測データ」と総称することがある。
閾値は、固定の値を用いてもよいし、数日程度の計測データの記録を用いて各指標の平均値や中央値、最頻値などから調整するようしてもよい。また、複数の計測データ又は指標を用いてリスク指標を算出することで、異常を判定するようしてもよい。例えば、熱中症リスクの判定については、作業場の気温及び湿度により算出されるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)などの暑さ指数と、作業者の当日の体調、睡眠時間、エネルギー消費量、歩数などの情報を重み付き加算する等のリスク指標を用いて、判定を行うことが考えられる。エネルギー消費量及び歩数は、一例として規定された一定時間(例えば5分)ごとに計測するものとする。
(回答候補作成部)
回答候補作成部52は、状態推定部51が不良/異常と判定するに至った経緯を踏まえて、複数の回答候補から作業者に提示する回答候補を作成する機能を有する。不良/異常判定に至った経緯とは、作業者の状態が不良/異常となった際の要因(主な理由、根拠)であって、より具体的には不良/異常と判定された際の指標又はデータの種別と言い換えられる。回答候補作成部52は、状態推定部51において推定された作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定されたデータ(要因)に基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、作業者端末100の出力部30に回答候補を提示する。
回答候補作成部52は、状態推定部51が不良/異常と判定するに至った経緯を踏まえて、複数の回答候補から作業者に提示する回答候補を作成する機能を有する。不良/異常判定に至った経緯とは、作業者の状態が不良/異常となった際の要因(主な理由、根拠)であって、より具体的には不良/異常と判定された際の指標又はデータの種別と言い換えられる。回答候補作成部52は、状態推定部51において推定された作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定されたデータ(要因)に基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、作業者端末100の出力部30に回答候補を提示する。
本実施形態では、回答候補作成部52は、計測したデータを用いて、作業者の状態に関する適切な状況説明、対策案の候補を作成し、作業者に提示することで、作業者の回答負荷と管理者の管理負荷を低減する。本実施形態の特徴としては、回答候補に作業者が次にとるべき対応を提示することや、実施する内容を含むことである。回答候補のより具体的な内容は、同一環境での残りの作業時間や、次回の休憩取得予定時間(時刻)、その他の不良リスク/異常リスク要因への対策実施状況などである。
(アラート生成部)
アラート生成部53(回答候補出力部の一例)は、作業者端末100において提示された回答候補の中から作業者により選択された回答を異常判定の情報に付加して、送受信部60を通じて管理者端末300に出力する機能を有する。アラート生成部53は、作業者の状態に異常があると判定された場合に管理者に通知するアラート情報を生成し、そのアラート情報に作業者が選択した回答を付与する。アラート情報とともに、体調状態の不良状態又は行動状態の異常状態が続いた場合の危険リスクについても、管理者端末及び作業者端末に表示するようしてもよい。
アラート生成部53(回答候補出力部の一例)は、作業者端末100において提示された回答候補の中から作業者により選択された回答を異常判定の情報に付加して、送受信部60を通じて管理者端末300に出力する機能を有する。アラート生成部53は、作業者の状態に異常があると判定された場合に管理者に通知するアラート情報を生成し、そのアラート情報に作業者が選択した回答を付与する。アラート情報とともに、体調状態の不良状態又は行動状態の異常状態が続いた場合の危険リスクについても、管理者端末及び作業者端末に表示するようしてもよい。
危険リスクは、具体的な症状、引き起こされる事故の具体例などである。例えば、熱中症であれば、重度の脱水症やけいれんなどの身体症状の他、注意欠陥により起こり得る考えられる事故や作業ミスなどについて言及してもよい。また、行動異常に関しても、つまずきや転倒リスクから引き起こされる事故の事例などを表示するようしてもよい。後述する図6において、作業者端末100の画面に過去の事例が表示されている。
(状況確認部)
状況確認部54は、作業者端末100で選択された回答の内容に一時作業や休憩取得が含まれる場合に、予定時間内に作業が終了したか又は休憩が取得されているかを確認する機能を有する。そして、状況確認部54は、予定時間内に作業が終了したこと又は休憩が取得されていることを確認できた場合には、管理者端末300に表示されるアラートを解除するための処理を実施する。
状況確認部54は、作業者端末100で選択された回答の内容に一時作業や休憩取得が含まれる場合に、予定時間内に作業が終了したか又は休憩が取得されているかを確認する機能を有する。そして、状況確認部54は、予定時間内に作業が終了したこと又は休憩が取得されていることを確認できた場合には、管理者端末300に表示されるアラートを解除するための処理を実施する。
作業者端末100の説明に戻る。送受信部60は、情報処理部50で処理された情報(例えば、アラート情報、管理者による追加の状況確認や指示等)を、インターネットなどの通信ネットワークを経由してサーバ200に送る。また、サーバ200を介して管理者端末300から送信される情報を受信する。アラート情報等は、サーバ200に一旦格納され、管理者端末300に送信される。送受信部60は、通信ネットワークを通じて、他の装置との間で行われる通信を制御する通信デバイス等により構成される。また、送受信部60は、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格に準拠した無線ネットワークに接続するネットワークインターフェースでもよい。通信ネットワークとして、例えば、インターネット及びLANの他に、Bluetooth(登録商標)などによる近距離通信なども利用可能である。
サーバ200は、作業者端末100と管理者端末300の間で、データの送信及び受信を行う。サーバ200は、例えば、作業者端末100の情報処理部50で用いられているような、プロセッサと記憶部で構成されるコンピューターと、送受信部60のような送受信機能とを備える。
管理者端末300は、サーバ200を介して、作業者端末100から作業者を管理するための情報を受け取って管理者に通知(表示)する。管理者は、管理者端末300を利用して、作業者への追加の確認や、他作業員への異常状態の作業者の確認要請、作業配置の変更などを送信可能である。管理者端末300は、作業者端末100と同様に、可搬型の情報処理装置、又は、据え置き型の情報処理装置を用いることができる。管理者端末300には、作業者管理アプリケーションがインストールされている。
[作業者管理システムによる作業者管理処理]
次に、作業者管理システム1による作業者管理処理の手順について、図3を参照して説明する。
次に、作業者管理システム1による作業者管理処理の手順について、図3を参照して説明する。
図3は、作業者管理システム1による作業者管理処理の手順例を示すフローチャートである。まず、作業者端末100において計測部10は、作業者端末100(計測部10)を身に着けている作業者に関するデータ及び作業者の環境に関するデータを計測し、計測データを情報処理部50へ送る(S1)。
次いで、状態推定部51は、計測部10から送られた計測データから、作業者の体調状態及び行動状態を推定する(S2)。
次いで、状態推定部51は、作業者の体調状態及び行動状態が異常かどうかを判定し(S3)、これらの状態が異常ではない場合(S3のNO判定)には、ステップS1のデータ計測処理に進む。
一方、状態推定部51において作業者の体調状態及び行動状態が異常であると判定された(S3のYES判定)場合、回答候補作成部52は、その異常に対する回答候補を作成して出力部30により作業者へ通知する(S4)。作業者は、作業者端末100に通知された、作業者自身が異常であることと、当該異常に対する回答候補とを確認し、回答を選択する。作業者が選択した回答は、アラート生成部53へ送られる。
次いで、アラート生成部53は、特定の作業者が異常な状態であることと、その作業者が選択した回答とを含むアラート情報を、作業者端末100からサーバ200を経由して、管理者端末300へ送信する(S5)。それにより、管理者端末300の管理者画面に、アラート情報が表示される。情報処理部50は、ステップS4の回答候補の作成と、ステップS5のアラート情報の生成及び送信を、異常と判定された全ての作業者に対して実施する。
管理者は、管理者端末300に表示されたアラート情報から、作業者の回答内容の実施状況を確認する(S6)。そして、管理者は、作業者への追加の確認や、他作業員への確認要請、作業者の配置変更など、必要な措置をとる。ステップS6の処理後、作業者管理処理を終了する。
[回答候補作成処理]
ここで、ステップS4の回答候補作成部52による回答候補作成処理について、図4を参照して詳細に説明する。
ここで、ステップS4の回答候補作成部52による回答候補作成処理について、図4を参照して詳細に説明する。
図4は、回答候補作成部52による回答候補作成処理の手順例を示すフローチャートである。まず、回答候補作成部52は、ステップS3の判定処理で作業者の状態(体調状態、行動状態)が異常と判定された要因(計測データ)を推定する(S11)。
異常に対する要因は複数でもよい。計測データごとに処理が異なるが、例えば、閾値処理などにより各計測データを個別に用いて異常判定を行う場合は、異常と判定されたときの計測データが要因として特定される。また、複数の計測データを用いる場合については、各計測データの値の変動量を正規化しておき、異常と判定されたときに最も大きく変動した(変動率が大きい)変数を要因として抽出するなどが考えられる。
また、本実施形態では、状態推定部51において不良又は異常ありと判定した第1の閾値とは別に、作業者の状態が危険な状態(異常の予兆が疑われる状態)にあることを示す第2の閾値を設定しておく。第2の閾値は、第1の閾値よりも低い値であって、かつ第1の閾値よりも正常側寄りである。回答候補作成部52は、現在の状態が続いた場合に、計測データの値が第2の閾値に達すると予測される時間を計算し、許容できる一時的な作業時間や、休憩取得までの猶予時間を算出する(S12)。
猶予時間の推定には、機械学習やカルマンフィルタなどの統計的モデルを利用することができる。このように、猶予時間の概念を導入することで、作業者の状態が異常とならないように、又は、作業者の状態が異常になる前に、作業時間の長さ(10分など)を調整することが可能となる。例えば、初期設定では、猶予時間の設定値は10分であるが、作業員の状態を考慮して“5分”に短縮するといったことが可能である。
次に、回答候補作成部52は、異常の要因に基づいて回答候補データベース520(後述する図5)を参照して、作業者に提示する複数の回答候補(回答候補リスト)を作成する(S13)。回答候補リストは、図示しない主記憶部(例えばRAM)に一時格納される。例えば、急激な周囲気温の上昇により、熱中症などの体調不良リスクが閾値を超えた場合は、作業予定時間や次の休憩取得予定についての回答候補を作成する。回答候補の一例としては、「一時的(〇分以内)の作業である」、「〇分以内に休憩を取得予定」、「業務遂行上不可避(管理者へ通知)」、「その他(自由記述、電話)」などである。
「一時作業」とは、短時間で終了する作業であって、安全上の問題は起きにくいと考えられる場合の回答候補である。「業務遂行上不可避」は、作業継続が求められる重要度の高い作業に対して、交代要員の確保や、作業の変更、時間の延長などを管理者から提案してほしい場合の回答候補である。基本的に不良/異常と判定された場合には、管理者へ通知が行われる想定であるが、この「業務遂行上不可避」の場合は特に重要度の高い通知となる。
行動状態が異常と判定された場合については、体調不良の場合と同様に、異常と判定した根拠となる計測データを特定した上で、自覚症状の有無(めまい、ふらつき、悪寒、倦怠感など)、誤検知(業務上必要な行動、姿勢の変化)、原因(周囲環境(例えば運転中)、足元環境、軽微な衝突など)、などの候補を生成する。
「誤検知」は、多少変な行動又は姿勢であっても、業務遂行上やむを得ない行動又は姿勢になることを想定した回答候補である。また、回答候補に「その他」などの自由入力可能な候補を提示し、入力された回答内容と入力時の計測データを回答候補データベース520(図5参照)に追加するようしてもよい。
(回答候補データベース)
図5に、回答候補データベース520の内容の一例を示す。回答候補データベース520は、「回答候補」、「不良・異常カテゴリ」、「要因」の項目を有している。「回答候補」としては、例えば、「一時作業(N分以内)」、「休憩取得予定(N分以内)」、「自覚症状なし(ふらつき、めまい)」、「自動車・自転車運転中(安全順守)」、「誤検知(安全上問題なし)」、「業務遂行上不可避(自覚症状なし)」、「作業続行不可(自覚症状あり)」、「その他(自由入力)」が登録されている。
図5に、回答候補データベース520の内容の一例を示す。回答候補データベース520は、「回答候補」、「不良・異常カテゴリ」、「要因」の項目を有している。「回答候補」としては、例えば、「一時作業(N分以内)」、「休憩取得予定(N分以内)」、「自覚症状なし(ふらつき、めまい)」、「自動車・自転車運転中(安全順守)」、「誤検知(安全上問題なし)」、「業務遂行上不可避(自覚症状なし)」、「作業続行不可(自覚症状あり)」、「その他(自由入力)」が登録されている。
「一時作業(N分以内)」、「休憩取得予定(N分以内)」におけるN分は、ステップS12で算出した猶予時間が適用される。この回答候補に従えば、以後の作業員の作業時間は、N分で終了又は一時停止となる。「自覚症状なし(ふらつき、めまい)」は、状態推定部51により“ふらつき、めまい”を示す動作又は行動が検知されたが、作業者自身に“自覚症状がない”ことを意味する。「誤検知(安全上問題なし)」は、異常判定が誤検知であることを作業員が主張するための回答候補である。
「不良・異常カテゴリ」としては、例えば「体調不良、行動異常」、「行動異常」、「全般」が登録されている。「体調不良、行動異常」は、要因が体調不良又は行動異常に関わるものであることを示している。「全般」は、要因が作業者の体調状態及び行動状態だけに留まらない、又は、体調状態及び行動状態のいずれにも該当しないことを示している。
「要因」としては、例えば「周囲環境異常(気温、湿度、WBGT)、心拍数異常、体温異常、血圧異常、ふらつき検知、スリップ検知」、「ふらつき検知など(速度、加速度、ジャイロ、姿勢)」、「速度異常、加速度異常」、「転倒や落下、スリップなど(速度、加速度、ジャイロ、気圧、姿勢)」、「全般」が登録されている。「周囲環境異常(気温、湿度、WBGT)、心拍数異常、体温異常、血圧異常、ふらつき検知、スリップ検知」は、要因がここに記載された指標やデータ(一次的情報)の異常、又は二次的情報(ふらつき、スリップの検知等)の異常であることを意味する。「全般」は、異常の要因が明確ではなく特定の計測データに限定されない、又は、要因が多肢の計測データにわたることを示している。
次いで、回答候補作成部52は、回答候補リストを出力部30に送り、作業者に回答候補を提示する(S14)。作業者は、画面に表示された複数の回答候補から1つを選択し回答する。回答方法としては、作業者端末100(例えばスマートフォン)/ウェアラブルデバイス上の操作、又は簡易なジェスチャー(例えば、作業者端末100/ウェアラブルデバイスを規定回数振る)などが挙げられる。
(回答候補の表示例及び危険リスク(過去事例)の表示例)
図6に、回答候補の表示例及び危険リスク(過去事例)の表示例を示す。左端の作業者端末100の作業者画面521では、行動異常の内容として「ふらつきが検知されました。回答を以下から選択してください。」と表示され、それに対する回答候補として「一時作業(10分以内)」、「休憩取得(10分以内)」、「自覚症状なし(ふらつき、めまい)」、「誤検知」が表示されている。
図6に、回答候補の表示例及び危険リスク(過去事例)の表示例を示す。左端の作業者端末100の作業者画面521では、行動異常の内容として「ふらつきが検知されました。回答を以下から選択してください。」と表示され、それに対する回答候補として「一時作業(10分以内)」、「休憩取得(10分以内)」、「自覚症状なし(ふらつき、めまい)」、「誤検知」が表示されている。
また、中央の作業者端末100の作業者画面522では、体調不良の内容として「体調状態に異常が検知されました(熱中症リスク高)。回答を以下から選択してください。」と表示され、それに対する回答候補として「一時作業(10分以内)」、「休憩取得(10分以内)」、「自覚症状なし(再確認)」、「作業続行不可」が表示されている。作業者が「自覚症状なし(再確認)」を選択して回答した場合、管理者は、該当作業者に自覚症状がないことと、一定時間後に再確認が必要であることを確認できる。作業者画面521,522でいずれかの「回答候補」をクリックすると、危険リススク(例えば過去の事例)の情報が紐づけられている場合に右側の作業者画面523に遷移する。
右側の作業者端末100の作業者画面523では、現在の作業者の状態が続いた場合の危険リスクについて、過去の事例を表示することで作業者に注意を促している。
例えば、作業者端末100には、過去の事例についての画像Im、過去の事例(危険リスク)についての説明文章Esを表示した例が示されている。「次へ」ボタンを押下すると、次の過去の事例が表示される。
例えば、作業者端末100には、過去の事例についての画像Im、過去の事例(危険リスク)についての説明文章Esを表示した例が示されている。「次へ」ボタンを押下すると、次の過去の事例が表示される。
図4の説明に戻る。ステップS14で作業者端末100に回答候補を提示した後、回答候補作成部52は、新規に入力された回答があったか否かを判定する(S15)。新規入力の回答がない場合(S15のNO判定)には、回答候補作成処理を終了する。
一方、新規入力の回答がある場合(S15のYES判定)には、回答候補作成部52は、作業者により入力された新規の回答を、回答候補データベース520に追加する(S16)。ステップS16の処理後、回答候補作成処理を終了する。
なお、図4に示した回答候補作成処理において、ステップS12(猶予時間算出)、及びステップS15,S16(回答候補追加)は省略することも可能である。
[管理者画面]
次に、管理者端末300に表示される管理者画面について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、管理者が確認するUI(User Interface)画面の一例である。
図7は、管理者画面(作業者一覧モードでの一括表示)の一例を示す図である。
図8は、管理者画面(個別詳細モードでの個別表示)の一例を示す図である。
次に、管理者端末300に表示される管理者画面について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、管理者が確認するUI(User Interface)画面の一例である。
図7は、管理者画面(作業者一覧モードでの一括表示)の一例を示す図である。
図8は、管理者画面(個別詳細モードでの個別表示)の一例を示す図である。
(作業者一括表示)
図7の作業者一括表示WLによる管理者画面には、例えば「作業者名」、「状態」、及び「回答」の各情報が表示される。管理者が管理する作業者の氏名又は識別情報と、作業者の状態とが紐づけられている。異常判定された作業者については、アラート情報として「状態」と「回答」が表示される。
図7の作業者一括表示WLによる管理者画面には、例えば「作業者名」、「状態」、及び「回答」の各情報が表示される。管理者が管理する作業者の氏名又は識別情報と、作業者の状態とが紐づけられている。異常判定された作業者については、アラート情報として「状態」と「回答」が表示される。
アラート情報A1では、作業者Cの状態として“作業中:注意”、作業者が選択した回答として“休憩取得予定(10分後) 回答日時 mm/dd HH:MM”が表示されている。管理画面の右上に現在の時刻が表示されているため、管理者は、作業者Cがあと何分後に休憩を取得するのかを把握できる。
また、アラート情報A2では、作業者Nの状態として“作業中:異常”、回答として“作業続行不可 回答日時 mm/dd HH:MM”が表示されている。管理者は、休憩取得指示や作業者の配置変更など、速やかに必要な措置をとる必要があることを確認できる。作業者一括表示WLによる管理者画面上で「作業者A」~「作業者N」のいずれかをクリックすると、図8の個別詳細モードでの個別表示IDに遷移する。
(個別表示)
図8の個別表示IDよる管理者画面には、例えば「氏名」、「顔写真」、「現在の状態」、「体調情報」、「作業予定」、及び「状態ログ」の各情報が表示される。「現在の状態」は、図7の作業者一括表示WLの「状態」に相当する。「体調情報」は、作業者の具体的な体調状態の情報を示す情報である。例えば、この「体調情報」として、作業者の体温や血圧などの生体データ、問診結果、行動・動作、環境データなどが表示される。「作業予定」には、当日の作業者が担当する作業の内容と作業予定時間(時刻)の情報が表示される。「状態ログ」は、作業者の状態の履歴を示す情報であり、文章に限らずグラフでもよい。管理者は、作業者の状態の履歴を確認することで、その作業者をより慎重に管理するなどの対応をとることが可能である。
図8の個別表示IDよる管理者画面には、例えば「氏名」、「顔写真」、「現在の状態」、「体調情報」、「作業予定」、及び「状態ログ」の各情報が表示される。「現在の状態」は、図7の作業者一括表示WLの「状態」に相当する。「体調情報」は、作業者の具体的な体調状態の情報を示す情報である。例えば、この「体調情報」として、作業者の体温や血圧などの生体データ、問診結果、行動・動作、環境データなどが表示される。「作業予定」には、当日の作業者が担当する作業の内容と作業予定時間(時刻)の情報が表示される。「状態ログ」は、作業者の状態の履歴を示す情報であり、文章に限らずグラフでもよい。管理者は、作業者の状態の履歴を確認することで、その作業者をより慎重に管理するなどの対応をとることが可能である。
作業者個別表示IDによる管理者画面上で作業者一覧モードボタン80をクリックすると、図7の作業者一覧モードでの作業者一括表示WLに遷移する。図7及び図8に表示された情報は、例えば、記憶部40にデータベースとして格納される。
[回答内容の実施状況確認処理]
ここで、図3に示したステップS6の状況確認部54による回答内容の実施状況確認処理について、図9を参照して詳細に説明する。
ここで、図3に示したステップS6の状況確認部54による回答内容の実施状況確認処理について、図9を参照して詳細に説明する。
図9は、状況確認部54による回答内容の実施状況確認処理の手順例を示すフローチャートである。まず、状況確認部54は、作業者の状態が異常と判定された要因が改善されたかどうか、すなわち異常判定の要因となる計測データの値が正常範囲に収まったかどうかを判定する(S21)。要因となる計測データの値が正常範囲に収まっていない場合(S21のNO判定)には、ステップS25へ移行する。
一方、要因となる計測データの値が正常範囲に収まっている場合(S21のYES判定)には、状況確認部54は、当初の予定時間内に作業終了又は休憩取得が実行されたかどうかを確認する(S22)。そして、状況確認部54は、予定時間内に作業終了又は休憩取得に対する作業者の対応が終了したか否かを判定し(S23)、作業者の対応が終了していない場合(S23のNO判定)には、ステップS25へ移行する。
ステップS21のNO判定又はステップS23のNO判定の場合、状況確認部21は、回答候補作成部52に対して回答候補を再度作成するよう指示する。回答候補作成部52では、所定時間後(例えば、10分後)に再度回答候補を作成して作業者端末100へ通知する(S25)。作業者端末100は、再作成された回答候補から選択された回答を管理者端末300へ送信する。再作成される回答候補では、先に提示した回答候補に対して、猶予時間が変更されたり、その他の回答候補が追加されたりする。
ステップS23において予定時間内に作業終了又は休憩取得に対する作業者の対応が終了している場合(S23のYES判定)には、状況確認部21は、アラート解除処理を実行する(S24)。
例えば、状況確認部54は、アラート生成部53にアラート解除指示をフィードバックし、アラート生成部53にアラート解除信号を生成させる。そして、アラート生成部53は、サーバ200を介してアラート解除信号を管理者端末300に送信する。これにより、管理者端末300で作業者の状態に対するアラートが解除され、管理者画面からアラート情報が削除される。あるいは、状況確認部54は、直接サーバ200に対してアラート解除信号を送信することで、管理者端末300におけるアラートを解除するようにしてもよい。ステップS24又はS25の処理が終了後、回答内容の実施状況確認処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態に係る作業者管理システム(作業者管理システム1)は、管理者端末に作業者を管理するための情報を提示する作業者管理システムであって、作業者及び環境に関するデータを計測する計測部(計測部10)により計測されたデータを用いて、作業者の状態を推定する状態推定部(状態推定部51)と、その状態推定部において推定された作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定される要因となったデータに基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、作業者が使用する作業者端末に回答候補を提示する回答候補作成部(回答候補作成部52)と、作業者端末において回答候補の中から選択された回答を、異常判定の情報に付加して管理者端末に出力する回答候補出力部(アラート生成部53)と、を備える。
上述した本実施形態に係る作業者管理システムでは、作業者の状態の不良/異常を作業者端末に通知時に回答候補(残りの作業時間、休憩取得予定などを)を提示して、作業者に回答させる。これにより、管理者が、作業者の状態(状況)や必要な対策を確認する手間を省くことができ、管理者の負担を軽減することができる。また、情報処理部(情報処理部50)において、異常判定時の計測データを基に回答候補を自動作成して作業者に提示することで、作業者の回答負荷も低減される。したがって、本実施形態に係る作業者管理システムは、作業員の安全性を確保しつつ、管理者の管理業務の負荷を低減することができる。
上述した本実施形態では、一例として回答候補は、異常と判定された状況の説明及び/又は対策に関する回答候補を含む。また、一例として回答候補に、対策として少なくとも作業終了予定及び休憩取得予定のいずれかに関する回答候補を含む。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る作業者管理システムについて、図10を参照して説明する。図10について図1と異なる部分を中心に説明する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る作業者管理システムについて、図10を参照して説明する。図10について図1と異なる部分を中心に説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る作業者管理システム1Aの全体構成、並びに作業者端末100A及び情報処理サーバ400の内部構成の一例を示すブロック図である。作業者管理システム1Aは、作業者端末100A、管理者端末300、及び情報処理サーバ400を備えて構成される。作業者管理システム1Aが第1の実施形態に係る作業者管理システム1と大きく異なる点は、回答候補を作成する情報処理部50を作業者端末100Aではなく、情報処理サーバ400に備える点である。
作業者端末100Aは、計測部10、入力部20、及び出力部30を備える。すなわち、作業者端末100Aの構成は、作業者端末100から記憶部40、情報処理部50、及び送受信部60を削除した構成に相当する。ただし、作業者端末100Aは、情報処理サーバ400との間でデータの送信及び受信を行うための送受信部を備えている。
作業者端末100Aにおける計測部10、入力部20、及び出力部30の基本的な機能は、第1の実施形態における作業者端末100の計測部10、入力部20、及び出力部30と同じである。計測部10は、作業者に関するデータ及び作業者の環境に関するデータを計測し、計測データとして情報処理サーバ400の情報処理部50へ送信する。
情報処理サーバ400は、記憶部40、情報処理部50、及び送受信部60を備える。情報処理サーバ400の記憶部40、情報処理部50、及び送受信部60の基本的な機能は、第1の実施形態における作業者端末100の記憶部40、情報処理部50、及び送受信部60と同じである。情報処理部50は、第1の実施形態(図2参照)と同様に、状態推定部51、回答候補作成部52、アラート生成部53、及び状況確認部54を備える。情報処理サーバ400は、送受信部60により、作業者端末100Aとデータの送信及び受信を行う。
情報処理サーバ400は、作業者端末100Aとサーバ200の間で、データの送信及び受信を行う。情報処理サーバ400は、例えば、サーバ200と同様に、プロセッサと記憶部で構成されるコンピューターと、送受信部60のような送受信機能とを備える。
サーバ200は、情報処理サーバ400と管理者端末300の間で、データの送信及び受信を行う。管理者端末300は、サーバ200を介して、情報処理サーバ400から作業者を管理するための情報を受け取って管理者に通知(表示)する。
上述した第2の実施形態に係る作業者管理システムは、異常に対する回答候補を作成する情報処理部を作業者端末から分離し、情報処理サーバに備えた構成である。このような構成の本実施形態においても、第1の実施形態に係る作業者管理システムと同様に、作業員の安全性を確保しつつ、管理者の管理業務の負荷を低減することができる。
さらに、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するためにその構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
上述した実施形態では、作業者管理システム1,1Aが、作業者端末100,100Aと管理者端末300を備えて構成されると説明したが、作業者管理システムとして、必ずしも作業者端末と管理者端末を備えていなければならないというものではない。例えば、作業者管理システムが、少なくとも作業者端末と管理者端末のいずれか一方、すなわち作業者端末及び/又は管理者端末を備えていればよい。さらに言えば、作業者端末及び管理者端末が、作業者管理システムの主要部である情報処理部とデータできる構成であればよい。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの広義のプロセッサデバイスを用いてもよい。
また、上述した実施形態にかかる作業者端末100及び情報処理サーバ400の情報処理部の各構成要素は、それぞれのハードウェアがネットワークを介して互いに情報を送受信できるならば、いずれのハードウェアに実装されてもよい。また、ある処理部により実施される処理が、1つのハードウェアにより実現されてもよいし、複数のハードウェアによる分散処理により実現されてもよい。
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的、あるいは個別に実行される処理(例えば、オブジェクトによる処理)をも含むものである。
また、上述した実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成要素が相互に接続されていると考えてもよい。
1,1A…作業者管理システム、 10…計測部、 20…入力部、 30…出力部、 40…記憶部、 50…情報処理部、 51…状態推定部、 52…回答候補作成部、 53…アラート生成部、 54…状況確認部、 60…送受信部、 100,100A…作業者端末、 200…サーバ、 300…管理者端末、 400…情報処理サーバ、 520…回答候補データベース、 521~523…作業者画面
Claims (7)
- 管理者端末に作業者を管理するための情報を提示する作業者管理システムであって、
前記作業者及び環境に関するデータを計測する計測部により計測されたデータを用いて、前記作業者の状態を推定する状態推定部と、
前記状態推定部において推定された前記作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定される要因となったデータに基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、前記作業者が使用する作業者端末に前記回答候補を提示する回答候補作成部と、
前記作業者端末において前記回答候補の中から選択された回答を、異常判定の情報に付加して前記管理者端末に出力する回答候補出力部と、を備える
作業者管理システム。 - 前記回答候補は、異常と判定された状況の説明及び/又は対策に関する回答候補を含む
請求項1に記載の作業者管理システム。 - 前記回答候補に、前記対策として少なくとも作業終了予定及び休憩取得予定のいずれかに関する回答候補を含む
請求項2に記載の作業者管理システム。 - 前記作業者端末が、前記計測部、前記状態推定部、前記回答候補作成部、及び前記回答候補出力部を備える
請求項1に記載の作業者管理システム。 - 前記作業者端末が、前記計測部を備える
請求項1に記載の作業者管理システム。 - 前記作業者端末、及び/又は、前記管理者端末を含む
請求項1に記載の作業者管理システム。 - 管理者端末に作業者を管理するための情報を提示する作業者管理システムによる作業者管理方法であって、
前記作業者及び環境に関するデータを計測する計測部により計測されたデータを用いて、前記作業者の状態を推定する処理と、
推定された前記作業者の状態が異常と判定された場合に、異常と判定される要因となったデータに基づいて、異常と判定されたことに対する回答候補を作成し、前記作業者が使用する作業者端末に前記回答候補を提示する処理と、
前記作業者端末において前記回答候補の中から選択された回答を、異常判定の情報に付加して前記管理者端末に出力する処理と、を備える
作業者管理方法。
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