JP2024075378A - モアレ像を発現させるモアレパターン媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モアレ像発現の妨げとなり得る印刷物上のモアレパターン自体の視認性を抑制することが可能なモアレパターン媒体を提供すること。【解決手段】 本発明は、モアレ像を発現させるパターンが記録されたモアレパターン媒体であって、パターンは、濃領域と淡領域とが交互に繰り返し配置されることによって形成され、複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分を配置するか、複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分を配置するか、複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分を配置し、複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分を配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、印刷された紙媒体のように、モアレ像を発現させるモアレパターンが記録されたモアレパターン媒体に関する。
「モアレ(またはモワレ)」とは、周期的な模様や構造を複数重ね合わせたときに、視覚的に発生する干渉縞である。また、物理学的にいうと、モアレとは二つの空間周波数のうなり現象といえる。
モアレは、様々な形態で発現するため、モアレを望ましくないものとして取り除く場合もあるが、逆に発現したモアレを有用なものとして利用する場合もある。
例えば、特許文献1は、偽造/複製の防止用にモアレ像を用いた例として、潜像を有する画像形成体を開示している。この画像形成体は、基材上に、横波である波形状万線と、波形状万線の背景に該波形状万線に略直交する万線パターンとを設け、該波形状万線は、レリーフ像を形成し、該万線パターンは、1/2ピッチ分ずらしてある潜像部と、潜像部以外の非潜像部とから構成されている。
また、特許文献2では、モアレをデザイン利用するためのパターン生成システムについて開示している。この画像形成体は、開口部と非開口部からなるパターンが複数形成されたモアレ表示体である。このモアレ表示体は、開口部・非開口部比が部分的に加工された手前側の万線パターンと、万線の背景に開口部・非開口部比が一定である万線からなるパターンとから構成されている。
特開2022-47777号公報 特開2021-47250号公報
しかし、特許文献1に開示される画像形成体には、潜像の隠蔽性を高める手段として、特定の線幅である万線に対し、均一な密度で欠損部が含まれている。
また、特許文献2に開示されるシステムでは、発現するモアレの明瞭さを担保するため、万線の輪郭部分中心にぼけ度を設けている。
このように、特許文献1,2のいずれも、パターン自体の視認性が悪く、発現させたいモアレの妨げになっている。
本発明は、係る事情を鑑みてなされたものであり、モアレ像発現の妨げとなり得る印刷物上のモアレパターン自体の視認性を抑制することが可能なモアレパターン媒体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、モアレ像を発現させるパターンが記録されたモアレパターン媒体であって、パターンは、濃領域と淡領域とが交互に繰り返し配置されることによって形成され、複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分を配置するか、複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分を配置するか、複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分を配置し、複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分を配置する。
本発明の第2の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、微小淡部分を配置された濃領域は、湾曲した輪郭を有し、微小濃部分を配置された淡領域は、湾曲した輪郭を有する。
本発明の第3の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、微小淡部分および微小濃部分は、任意の形状からなる。
本発明の第4の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、微小淡部分および微小濃部分は、文字からなる。
本発明の第5の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、微小淡部分および微小濃部分の最大外径は、0.2mmである。
本発明の第6の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、複数の微小淡部分は、濃領域内に周期的に配置され、複数の微小濃部分は、淡領域内に周期的に配置される。
本発明の第7の態様は、第6の態様のモアレパターン媒体において、濃領域において、各微小淡部分からの配置方向に、少なくとも1つの別の微小淡部分が配置され、淡領域において、各微小濃部分からの配置方向に、少なくとも1つの別の微小濃部分が配置される。
本発明の第8の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、複数の微小淡部分が配置された濃領域の面積に対する、複数の微小淡部分の合計面積の比は、10%以上、90%以下であり、複数の微小濃部分が配置された淡領域の面積に対する、複数の微小濃部分の合計面積の比は、10%以上、90%以下である。
本発明の第9の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、濃領域と淡領域とが交互に繰り返し配置される方向を領域配置方向とした場合、複数の微小淡部分それぞれの、領域配置方向における幅は、濃領域の領域配置方向における幅の90%以下であり、複数の微小濃部分それぞれの、領域配置方向における幅は、淡領域の領域配置方向における幅の90%以下である。
本発明の第10の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分が配置され、複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分が配置されている場合、複数の微小淡部分が配置された濃領域の面積に対する、複数の微小淡部分の合計面積の比を1から引いた値と、複数の微小濃部分が配置された淡領域の面積に対する、複数の微小濃部分の合計面積の比との差は、0.1以上である。
本発明の第11の態様は、第1の態様のモアレパターン媒体において、印刷された紙媒体である。
本発明のモアレパターン媒体によれば、モアレ像の発現の妨げとなり得るモアレパターン自体の視認性を抑制することが可能となる。
図1は、モアレ像の発現原理を説明するための平面図である。 図2は、モアレパターン印刷物の導出方法を説明するための概念図である。 図3は、マスクパターンとモアレパターンとから、モアレ画像を生成する原理を説明するための図である。 図4は、本実施形態に係るモアレパターン印刷物の概要を説明する概念図である。 図5は、微小淡部分の最大外径を説明するための濃領域の部分拡大平面図である。 図6は、モアレパターン印刷物の別の例を示す部分拡大図である。 図7は、マスクパターン印刷物と、別の例のモアレパターン印刷物と、これらによって発現されるモアレ像とを説明するための平面図である。 図8は、モアレパターン印刷物のさらに別の例を示す部分拡大図である。 図9は、マスクパターン印刷物と、さらに別の例のモアレパターン印刷物と、これらによって発現されるモアレ像とを説明するための平面図である。 図10は、モアレパターン印刷物のさらにまた別の例を示す部分拡大図である。 図11は、マスクパターン印刷物と、さらにまた別の例のモアレパターン印刷物と、これらによって発現されるモアレ像とを説明するための平面図である。 図12は、領域配置方向における濃領域の幅に対する微小淡部分の幅の割合のモアレ像に及ぼす影響を説明するための図である。 図13Aは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(濃領域における微小淡部分の面積率5%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図13Bは、(a)マスクパターン印刷物、と(b)モアレパターン印刷物(濃領域における微小淡部分の面積率75%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図13Cは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(濃領域における微小淡部分の面積率95%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図14Aは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(淡領域における微小濃部分の面積率5%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図14Bは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(淡領域Tにおける微小濃部分の面積率75%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図14Cは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(淡領域における微小濃部分の面積率95%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図15Aは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(淡領域における濃度と、濃領域における濃度との差が5%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図15Bは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)モアレパターン印刷物(淡領域における濃度と、濃領域における濃度との差が10%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図16は、(a)マスクパターン印刷物と、(b)適切なモアレ像を再現できない、不適切なモアレパターンが印刷されたモアレパターン印刷物と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。 図17Aは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)濃領域および淡領域がいずれも直線のみからなるモアレパターンが印刷されたモアレパターン印刷物と、(c)これらを重ねた際に得られるモアレ像とを例示する平面図である。 図17Bは、(a)マスクパターン印刷物と、(b)濃領域および淡領域がいずれも直線のみからなるモアレパターンが印刷されたモアレパターン印刷物と、(c)これらを重ねた際に得られるモアレ像とを例示する平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に記載する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も、本発明に含まれうるものである。
(モアレ像の発現原理)
図1は、モアレ像の発現原理を説明するための平面図である。
図1には、図1(a)に示すマスクパターン印刷物MPに、図1(b)に示す従来のモアレパターン印刷物PMを重ねた際に出現するモアレ像miを含む画像MIを示す図1(c)が例示されている。
図1(a)に示すマスクパターン印刷物MPには、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)で、マスクパターンmpが印刷されている。
また、図1(b)に示すモアレパターン印刷物PMには、マスクパターンmpと、発現されるモアレ像miから導出される線幅0.7mm~2mm(ピッチ1.4mm~4mm)で、モアレパターンpmが印刷されている。
マスクパターン印刷物MPは、基本パターンとも称されるマスクパターンmpが、前面にあたる印刷物上に表現される。マスクパターン印刷物MPにおけるマスクパターンmpは、モアレパターンpmと重ね合わせることでモアレ像miを発現させるための、モアレパターンpmとは異なる周期的な模様や構造によって実現される。
マスクパターン印刷物MPと、モアレパターン印刷物PMとを重ね合わせることで、図1(c)に例示する、モアレ像miが発現する画像MIが得られる。
図1(c)に例示する画像MIに示されるモアレ像miは、黒線の同心円が中心から6個発現している。なお、最外円は、図の都合により途切れている。
図2は、モアレパターン印刷物の導出方法を説明するための概念図である。
図1でも図示したように、モアレ像miは、マスクパターン印刷物MPのマスクパターンmpと、モアレパターン印刷物PMのモアレパターンpmとの掛け合わせによって発現する。
したがって、モアレパターンpmは、マスクパターンmpを用いて、予め設計したモアレ像miから逆算することで導出される。すなわち、図1(b)に例示するモアレパターンpmは、図2を用いて説明したように、予め設計したモアレ像miから逆算することで導出されたものである。
図3は、マスクパターンとモアレパターンとから、モアレ画像を生成する原理を説明するための図である。
図3において、図3(a)は、マスクパターンmpの濃度(=振幅)を、図3(b)は、モアレパターンpmの濃度(=振幅)を、図3(c)は、マスクパターンmpの濃度と、モアレパターンpmの濃度とを掛け合わせた濃度をそれぞれ示している。
図3(a),(b),(c)ともに横軸は、図1(a),(b),(c)および図2に示すx方向に相当し、縦軸は濃度(相対値)に相当する。なお、ここで濃度とは、簡単のため、例えば図1(a)に例示するマスクパターン印刷物MPや、図1(b)に例示するモアレパターン印刷物PMのように、濃淡のパターンで示されている場合、淡部分(黒く印字されていない部分)の濃度を、基準値である0(ゼロ)として、濃部分(黒く印字されている部分)の濃度を数値化したものとする。
図3(c)は、任意の位置においてマスクパターンmpと掛け合わせたときに、同一位置において発現させるモアレ像miの濃度(=振幅)と合うように、マスクパターンmpの線幅を、少しずつ変動させることによって、マスクパターンmpが得られることを表している。
しかしながら、図1(c)に示すように、モアレパターンpmを、マスクパターンmpと掛け合わせることによって実現されるモアレ像miでは、図中の正面から見て左側において、モアレパターンpmが、発現しているモアレと同等の強さで視認される。これは、図2に示すように発現するように設計したモアレ像miとは異なる。
本実施形態に係るモアレパターン媒体は、以下に説明するように、図1(c)に示すモアレ像miにおいて、図1(b)のようなモアレパターンpmが視認されないような工夫が講じられている。
(モアレパターン印刷物)
以下に、本発明の実施形態に係るモアレパターン媒体について説明する。
本実施形態に係るモアレパターン媒体は、印刷された紙媒体として実現できる。また、必ずしも紙媒体には限定されず、パソコン等の画面から表示される画像としても実現できる。
以下では、本実施形態に係るモアレパターン媒体を、印刷された紙媒体で実現した場合を例に説明する。したがって、以下では、本実施形態に係るモアレパターン媒体を、モアレパターン印刷物と称して説明する。
図4は、本実施形態に係るモアレパターン印刷物の概要を説明する概念図である。
図4では、図1および図2を用いて既に説明した部位については、同一符号を付している。したがって、以下では、重複説明を適宜省略しながら、説明を進めて行く。
図4(b)に示すモアレパターン印刷物PMには、モアレ像miを発現させるモアレパターンpmが記録されている。
モアレパターンpmは、図4(b)およびその部分拡大図である図4(e)に示すように、濃領域Nと淡領域Tとが、領域配置方向であるx方向に、交互に繰り返し配置されることによって形成される。
濃領域Nは、基材上に印字された領域である印字部として、淡領域Tは、基材上で印字されていない領域である非印字部として実現される。したがって、本明細書では、以降、濃領域Nを印字部Nとも称し、淡領域Tを非印字部Tとも称する。
モアレパターンpmを形成する濃領域Nおよび淡領域Tはともに、少なくとも一部分が湾曲している。湾曲している形状を、湾曲していない形状と対比して説明するために、図4(a)および図4(d)のように、湾曲していない形状からなるマスクパターンmpを参照されたい。
マスクパターンmpは、図4(a)および特にその部分拡大図である図4(d)に示すように、濃領域Nと淡領域Tとによって形成されるストライプ形状からなり、濃領域Nと淡領域Tとの境界線は、図中y軸に対して平行な一直線になっており、湾曲していない。
一方、モアレパターンpmを形成する濃領域Nおよび淡領域Tは、図4(b)に示すように、濃領域Nと淡領域Tとの境界線が、図中y軸に対して平行な一直線になっていない箇所があり、湾曲している。なお、濃領域Nおよび淡領域Tともに、すべての領域が、湾曲した帯形状である必要はなく、濃領域と淡領域との境界線の一部が直線であってもよい。
モアレパターンpmはさらに、濃領域Nが完全にベタ印刷されるのではなく、モアレパターンpmの部分拡大図である図4(f)に例示するように、複数の濃領域Nのうち少なくとも何れかの、少なくとも一部分に、複数の微小淡部分tが配置される。
あるいは、その逆に、モアレパターンpmの別の部分拡大図である図4(g)に例示するように、複数の淡領域Tのうち少なくとも何れかの、少なくとも一部分に、複数の微小濃部分nが配置される。
さらには、前述した2つの概念を組み合わせて、モアレパターンpmのさらに別の部分拡大図である図4(h)に例示するように、複数の濃領域Nのうち少なくとも何れかの、少なくとも一部分に、複数の微小淡部分tが配置され、複数の淡領域Tのうち少なくとも何れかの、少なくとも一部分に、複数の微小濃部分nが配置される。
微小淡部分tおよび微小濃部分nは、任意の形状とすることができる。すなわち、図4(f)、(g)、(h)では、微小淡部分tおよび微小濃部分nを、正方形として例示しているが、微小淡部分tおよび微小濃部分nの形状は、正方形に限定されず、長方形、楕円形、円形(ドット形状)であってもよい。また、これら形状ではなく、文字とすることもできる。微小淡部分tおよび微小濃部分nの最大外径は、いずれにせよ、人の視認限界とされている0.2mmとする。これによって、モアレ像miへの悪影響を抑制することができる。
図5は、微小淡部分の最大外径を説明するための濃領域Nの部分拡大平面図である。
図5は、濃領域Nに、正方形状の微小淡部分tが、チェッカーフラッグ状に配置された状態を示している。このように、微小淡部分tが正方形状である場合、微小淡部分tの最大外径は、正方形である微小淡部分tの一辺の長さに等しい。なお、図示は省略するが、淡領域Tに、正方形の微小濃部分nが配置された場合も同様に、微小濃部分nの最大外径は、正方形である微小濃部分nの一辺の長さに等しい。
微小淡部分tは、濃領域N内に周期的に配置される。これによって、濃領域Nにおいて、x方向に、一定のピッチで微小淡部分tが配置される。また、濃領域N内に、正方形状の微小淡部分tを、x方向およびy方向に、正方形の一辺の長さに等しい周期で配置することによって、図4(f)に例示するように、チェッカーフラッグ状の配置とすることができる。
一例として、濃領域Nのx方向の幅は、0.7mm~2mm(すなわち、x方向の配置ピッチは1.4mm~4mm)とできる。このとき、正方形状である微小淡部分tのサイズを、0.18mm角とできる。これは、濃領域Nのx方向の幅に対して8.8%~25%に相当する。
また、濃領域Nに正方形状の微小淡部分tが、チェッカーフラッグ状に配置された場合、濃領域Nの面積に対する微小淡部分tの合計面積である面積率は50%となる。これは、濃領域Nにおいて微小淡部分tが配置されていない合計面積である濃度、すなわち、印字された部分の割合が50%であることに相当する。
なお、本明細書では、面積率および濃度を、以下のように定義する。
濃領域Nの面積に対する微小淡部分tの合計面積の比を、濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率と称する。また、淡領域Tの面積に対する微小濃部分nの合計面積の比を、淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率と称する。
濃度とは、濃領域Nおよび淡領域Tにおける、印字された部分の割合である。つまり、濃領域Nについては、濃領域Nの面積に対する、微小淡部分tが配置されていない部分の合計面積の比が濃度となり、淡領域Tについては、淡領域Tの面積に対する、微小濃部分nが配置された合計面積の比が濃度となる。
したがって、淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率と、淡領域Tにおける濃度とは一致する。一方、濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率と、濃領域Nにおける濃度とは補数関係を有し、和が1(100%)となる。
例えば、淡領域Tにおける面積の25%に、微小濃部分nが配置された場合、淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率は25%であり、濃度も25%である。
一方、濃領域Nにおける面積の25%に、微小淡部分tが配置された場合、濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率は25%であるが、濃度は75%である。
図4の説明に戻って、同じ濃領域Nにおいて、微小淡部分tのx方向における幅の総和は、この濃領域Nのx方向における幅の90%以下である。
濃領域Nに複数の微小淡部分tが配置されている場合、この濃領域Nの面積に対する、この濃領域Nに配置されている微小淡部分tの合計面積の比は、10%以上、90%以下である。
微小濃部分nも同様に、淡領域T内に周期的に配置される。これによって、淡領域Tにおいて、微小濃部分nからx方向に、一定ピッチで微小濃部分nが配置される。また、淡領域T内に、正方形状の微小濃部分nを、x方向およびy方向に、正方形の一辺の長さに等しい周期で配置することによって、図4(g)に例示するように、チェッカーフラッグ状の配置とすることもできる。
同じ淡領域Tにおいて、微小濃部分nのx方向における幅の総和は、この淡領域Tのx方向における幅の90%以下である。
淡領域Tに複数の微小濃部分nが配置されている場合、この淡領域Tの面積に対する、この淡領域Tに配置されている微小濃部分nの合計面積の比は、10%以上、90%以下である。
複数の濃領域Nのうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分tが配置され、複数の淡領域Tのうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分nが配置されている場合、複数の微小淡部分tが配置された濃領域Nの面積に対する、複数の微小淡部分tの合計面積の比を1から引いた値と、複数の微小濃部分nが配置された淡領域Tの面積に対する、複数の微小濃部分nの合計面積の比との差は、0.1以上である。
なお、図4(e)~図4(h)において、印字された部分、すなわち濃領域Nにおいて微小淡部分tが配置されていない領域、および微小濃部分nは、黒で表現されている。しかしながら、印字された部分の色は、黒に限定されず、例えば赤や青、緑など、あらゆる色のうちから選択した1色とできる。
また、図4(e)~図4(h)において、印字されていない部分、すなわち淡領域Tにおいて微小濃部分nが配置されていない領域、および微小淡部分tは、白で表現されている。しかしながら、印字されていない部分の色は、白に限定されず、例えば紙や樹脂などの基材自体の色で表現される1色とできる。
このようなモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせることによって発現するモアレ像miは、図4(c)に示す通りであり、図1(c)に示すモアレ像miよりも、正面から左側に見える、モアレパターンpmの影響を弱めることができる。
マスクパターン印刷物MPや、モアレパターン印刷物PMのための印刷方式は、有版式でも無版式でもよい。有版式はさらに、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷等を含むことができる。また、平版印刷は、オフセット印刷、凸版印刷は活版印刷、凹版印刷はグラビア印刷、孔版印刷はスクリーン印刷としばしば呼ばれる。
これら印刷物に適用されるインキは、例えば、一般インキ、プロセスインキ、金インキ、銀インキ、カルトンインキ、蛍光インキ、オフ輪インキ、紫外線硬化型(UV)インキ、赤外線乾燥型(IR)インキ等を含む。また、この一般インキは、インキメーカーにより20~50色のシリーズとして出されているものであってもよい。
また、これら印刷物に適用されるインキは組成物であってもよい。この組成物は、例えば、着色剤成分、ビヒクル(ワニス)成分等をエッセンスとするものであってもよい。また、この組成物は、補助剤成分を更に含んでもよい。また、着色剤成分は、有機顔料または無機顔料のいずれかであってもよい。また、ビヒクル成分は、樹脂や溶剤を含んでもよい。補助剤成分は、インキの耐摩擦強化のために添加するものであってもよく、例えば、ワックスや界面活性剤、ゲル化剤等であってもよい。
モアレ像miを発現させるためには、マスクパターン印刷物MPと、モアレパターン印刷物PMとを重ねた際、前面にあたるマスクパターン印刷物MPと、背面にあたるモアレパターン印刷物PMのパターンとが重なって見えるようにする必要がある。
そこで、前面にあたるマスクパターン印刷物MPのための基材としては、透明体、特に透明樹脂を用いるとよい。この透明樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)、シリコーン樹脂、又はPVC(ポリ塩化ビニル)とできる。
一方、背面にあたるモアレパターン印刷物PMのための基材としては、透明樹脂の他に印刷情報用紙を用いるとよい。この印刷情報用紙は、例えば、非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、特殊印刷用紙、又は情報用紙とできる。ただし、基材は非塗工印刷用紙又は塗工印刷用紙のいずれかとすることが望ましい。
非塗工印刷用紙は、例えば、印刷用紙A、印刷用紙B、印刷用紙C、D等を含んでもよい。印刷用紙Aは、原料に晒化学パルプを100%使用して作られる用紙であり、上質紙である。印刷用紙Bは、原料に晒化学パルプを70%以上使用して作られる紙で、白色度は70%の中質紙である。印刷用紙Cは、原料に晒化学パルプを40%以上70%未満使用して作られる紙で、白色度は約65%である。印刷用紙Dは、原料に晒化学パルプを40%未満使用して作られる紙で、白色度は約55%である。印刷用紙C、Dはまとめて下級紙である。
パルプとは、原材料から抽出した繊維であり、主成分はセルロースである。この原材料は、例えば、木材、非木材、古紙、合成繊維等を含んでもよい。木材パルプは、針葉樹、広葉樹等をパルプにしたものである。非木材パルプは、植物、特にリンター、ケナフ、バガス、バンブー等をパルプにしたものである。古紙パルプは、用紙からインキを脱墨し、再パルプ化したものである。合成繊維パルプは、化学合成繊維(レーヨン、ビニロンなど)をパルプ化したものである。また、パルプは、機械パルプと化学パルプを含む。機械パルプは、機械的に原材料をすりつぶして製造したパルプである。化学パルプは、化学的に繊維を抽出したパルプである。また、晒パルプとは、漂白を行った機械パルプまたは化学パルプである。
塗工印刷用紙は、例えば、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙等を含んでもよい。アート紙は、1mあたり両面で40gのコート剤を塗付した上質紙または中質紙である。コート紙は、1mあたり両面で20gのコート剤を塗付した上質紙または中質紙である。軽量コート紙は、1mあたり両面で15gのコート剤を塗付した上質紙または中質紙である。微塗工紙は、1mあたり両面で12g以下のコート剤を塗付した上質紙または中質紙である。
なお、印刷用紙について、塗工印刷用紙よりも非塗工印刷用紙の方が、印字部が太りやすい。非塗工印刷用紙の中では、印刷用紙D、印刷用紙C、印刷用紙B、印刷用紙Aの順にドットゲインを生じる可能性が低くなっていく。塗工印刷用紙の中では、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙の順に印字部が太る可能性が低くなっていく。
次に、モアレパターン印刷物PMのさらに別の例について説明する。
図6は、モアレパターン印刷物PMの別の例を示す部分拡大図である。
図4(f)では1つの濃領域Nしか示されていないのに対して、図6では、4つの濃領域Nが例示されているが、図6でも、図4(f)と同様に、正方形状の微小淡部分tが、濃領域N内に周期的に、この例では、チェッカーフラッグ状に配置されている。
このように、微小淡部分tを、濃領域N内に周期的に配置することによって、濃領域N内に微小淡部分tが含まれることによりちらついて見えるノイズ感を低減させることができる。また、周期的な配置のため、モアレパターンpmに微小淡部分tを含ませることの煩雑さを解消することができる。
図6に例示するように、微小淡部分tは、濃領域Nの輪郭、つまり濃領域Nと淡領域Tとの境界を跨ぐように配置してもよい。これにより、微小淡部分tを含ませることの煩雑さがより解消される。また、このとき、淡領域Tと微小淡部分tとが重なり、一見、微小淡部分tの形状自体は欠けたようになるが、濃領域N上の濃度ムラは低減され、発現するモアレ像miにおいて、特に濃領域Nと淡領域Tとの境界部が目立って視認されるという影響を、抑えることができる。
図7は、マスクパターン印刷物と、別の例のモアレパターン印刷物と、これらによって発現されるモアレ像とを説明するための平面図である。
図7(a)、図7(b)、図7(c)には、図4(a)、図4(b)、図4(c)と同様に、マスクパターン印刷物MP、モアレパターン印刷物PM、およびモアレ像miの画像MIがそれぞれ示されており、図7(d)は、図7(b)のモアレパターンpmの部分拡大図である。
図7(d)には、図4(f)とは別のモアレパターンpmが例示されている。
すなわち、図7(d)でも図4(f)と同様に、正方形状の微小淡部分tが、濃領域N内に周期的に、チェッカーフラッグ状に配置されている。しかしながら、図7(d)に示す例では、微小淡部分tは、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐことはなく、濃領域N内に完全に含まれている。
このようなモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせることによって発現するモアレ像miは、図7(c)に示す通りであり、図1(c)に示すモアレ像miよりも、正面から左側に見える、モアレパターンpmの影響を弱めることができる。しかしながら、その効果は、図4(c)に示すモアレ像miに対するものよりも弱い。
したがって、濃領域Nに複数の微小淡部分tを配置する場合、図7(d)のように、微小淡部分tが、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨がないよりも、図4(f)および図6のように、微小淡部分tが、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐ方が、モアレ像miの正面から左側に見える、モアレパターンpmによる影響を、より弱めることができ、より良質なモアレ像miを発現させることができる。
図8は、モアレパターン印刷物のさらに別の例を示す部分拡大図である。
図8に例示する例は、図6の場合とは逆に、正方形状の微小濃部分nが、淡領域T内に周期的に、チェッカーフラッグ状に配置されている。
このように、微小濃部分nを、淡領域T内に周期的に配置することによっても、淡領域T内に微小濃部分nが含まれることによりちらついて見えるノイズ感を低減させることができる。また、周期的な配置のため、モアレパターンpmに微小濃部分nを含ませることの煩雑さを解消することができる。
図8に例示するように、微小濃部分nは、淡領域Tの輪郭、つまり淡領域Tと濃領域Nとの境界を跨ぐように配置してもよい。これにより、微小濃部分nを含ませることの煩雑さがより解消される。また、このとき、濃領域Nと微小濃部分nとが重なり、一見、微小濃部分nの形状自体は欠けたようになるが、淡領域T上の濃度ムラは低減され、発現するモアレ像miにおいて、特に濃領域Nと淡領域Tとの境界部が目立って視認されるという影響を、抑えることができる。
図9は、マスクパターン印刷物と、さらに別の例のモアレパターン印刷物と、これらによって発現されるモアレ像とを説明するための平面図である。
図9(a)、図9(b)、図9(c)には、図7(a)、図7(b)、図7(c)と同様に、マスクパターン印刷物MP、モアレパターン印刷物PM、およびモアレ像miの画像MIがそれぞれ示されており、図9(d)は、図9(b)のモアレパターンpmの部分拡大図である。
特に、図9(d)には、図7(d)の逆パターンのモアレパターンpmの部分拡大図が例示されている。
すなわち、図7(d)は、正方形状の微小淡部分tが、濃領域N内に周期的に、チェッカーフラッグ状に配置されている例であるが、図9(d)は、正方形状の微小濃部分nが、淡領域T内に周期的に、同様にチェッカーフラッグ状に配置されている。また、図9(d)に示す例では、微小濃部分nは、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐことはなく、淡領域T内に完全に含まれている。
このようなモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせることによって発現するモアレ像miは、図9(c)に示す通りであり、図1(c)に示すモアレ像miよりも、正面から左側に見える、モアレパターンpmの影響を弱めることができる。しかしながら、その効果は、図4(c)に示すモアレ像miよりも弱い。
したがって、淡領域Tに複数の微小濃部分nを配置する場合もまた、図9(d)のように、微小濃部分nが、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨がないよりも、図4(g)のように、微小濃部分nが、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐ方が、モアレ像miの正面から左側に見える、モアレパターンpmによる影響を、より弱めることができ、より良質なモアレ像miを発現させることができる。また、濃領域Nに微小淡部分tを、淡領域Tに微小濃部分nを配置することの煩雑さも解消できる。
図10は、モアレパターン印刷物のさらにまた別の例を示す部分拡大図である。
図10に例示する例は、図6と、図8とを組み合わせたパターンであると理解できる。
すなわち、図10に例示する例では、濃領域N内には、図6のように、正方形状の微小淡部分tが、周期的に、チェッカーフラッグ状に配置され、淡領域T内には、図8のように、正方形状の微小濃部分nが、周期的に、チェッカーフラッグ状に配置されている。
図10に示す例では、濃領域Nにおいて、微小淡部分tが配置されていない合計面積に等しい濃度は75%であり、淡領域Tにおいて、微小濃部分nが配置されている合計面積に等しい濃度は25%である。
微小淡部分tは、濃領域Nの輪郭、つまり濃領域Nと淡領域Tとの境界を跨ぐように配置してもよい。同様に、微小濃部分nも、淡領域Tの輪郭、つまり濃領域Nと淡領域Tとの境界を跨ぐように配置してもよい。これにより、濃領域Nに微小淡部分tを、淡領域Tに微小濃部分nを配置することの煩雑さをより解消できる。
なお、図10のような構成では、濃領域Nにおける微小淡部分tと、淡領域Tにおける微小濃部分nとが一見重なったように見えるが、濃領域Nおよび淡領域Tそれぞれの濃度ムラが低減され、発現するモアレ像miの視認性への、特に濃領域Nおよび淡領域Tの境界が目立つ影響を、より抑えることができる。
図11は、マスクパターン印刷物と、さらにまた別の例のモアレパターン印刷物と、これらによって発現されるモアレ像とを説明するための平面図である。
図11(a)、図11(b)、図11(c)には、図7(a)、図7(b)、図7(c)および図9(a)、図9(b)、図9(c)と同様に、マスクパターン印刷物MP、モアレパターン印刷物PM、およびモアレ像miの画像MIがそれぞれ示されており、図11(d)は、図11(b)のモアレパターンpmの部分拡大図である。
図11(d)に例示する例は、図7(d)と、図9(d)とを組み合わせたパターンであると理解できる。
すなわち、図11(d)に例示する例では、濃領域N内には、図7(d)のように、正方形状の微小淡部分tが、周期的に、チェッカーフラッグ状に配置され、淡領域T内には、図9(d)のように、正方形状の微小濃部分nが、周期的に、チェッカーフラッグ状に配置されている。
なお、淡領域Tにおいて、微小濃部分nは、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐことはなく、淡領域T内に完全に含まれ、濃領域Nにおいて、微小淡部分tは、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐことはなく、濃領域N内に完全に含まれている。
このようなモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせることによって発現するモアレ像miは、図11(c)に示す通り、ちらついて見えるノイズ感が低減されるようになる。また、図1(c)に示すモアレ像miよりも、正面から左側に見える、モアレパターンpmの影響を弱めることができる。
しかしながら、ちらつきをさらに低下させ、より良質なモアレ像miを発現させるためには、図10に示すように、微小濃部分nは、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐように、微小淡部分tは、濃領域Nと淡領域Tとの間の境界を跨ぐように配置することが有効である。また、濃領域Nに微小淡部分tを、淡領域Tに微小濃部分nを配置することの煩雑さも解消できる。
次に、微小淡部分tおよび微小濃部分nの適切な大きさについて説明する。
図12は、領域配置方向(x方向)における濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合(同様に、淡領域Tの幅に対する微小濃部分nの幅の割合)のモアレ像に及ぼす影響を説明するための図である。
図12(a)、(b)、(c)ともに、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)でマスクパターンmpが印刷されているマスクパターン印刷物MPを、線幅0.7mm~2mm(ピッチ1.4mm~4mm)でモアレパターンpmが印刷されているモアレパターン印刷物PMと重ね合わせて出現するモアレ像miを示す画像MIである。
特に、図12(a)は、x方向における濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合が10%(すなわち、0.07mm角~0.2mm角)、面積率25%(濃度75%)であるモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせたときに得られるモアレ像miを示す画像MIである。
図12(b)は、x方向における濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合が45%(すなわち、0.32mm角~0.9mm角)、面積率25%(濃度75%)であるモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせたときに得られるモアレ像miを示す画像MIである。
図12(c)は、x方向における濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合が90%(すなわち、0.63mm角~1.8mm角)、面積率25%(濃度75%)であるモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせたときに得られるモアレ像miを示す画像MIである。
図12(a)、(b)、(c)の順に示すように、x方向における濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合が、10%、45%、90%と大きくなるにつれて、得られるモアレ像miの視認性への影響が大きくなり、モアレ像miは、より見栄えが悪くなる。
したがって、領域配置方向x(x方向)における濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合を小さくした方が、モアレ像miの視認性への影響を小さくすることができる。同様に、領域配置方向xにおける淡領域Tの幅に対する微小濃部分nの幅の割合を小さくした場合も、モアレ像miの視認性への影響を小さくすることができる。
さらには、微小淡部分tや微小濃部分nの大きさによっては、それ自体がモアレ像miで視認されてしまい、モアレ像miの見栄えを悪くする場合もある。したがって、微小淡部分tや微小濃部分nの大きさは、前述のように領域配置方向xにおける濃領域Nの幅に対する微小淡部分tの幅の割合、および領域配置方向xにおける淡領域Tの幅に対する微小濃部分nの幅の割合のように、相対値による規定のみならず、絶対値による規定も必要である。
微小淡部分tや微小濃部分nの最大外径は、図5を用いて説明したように、0.2mmである。この値は、人の視認限界とされているので、微小淡部分tおよび微小濃部分nの最大外径を0.2mmとすることで、モアレ像miへの影響を抑制することができる。
次に、モアレパターン印刷物PMの濃領域Nに配置する微小淡部分tの適切な面積率(濃度)について説明する。
図13Aは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率5%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
図13Bは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率75%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
図13Cは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率95%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
マスクパターン印刷物MPには、これまで説明したものと同様に、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)でマスクパターンmpが印刷されている。
モアレパターン印刷物PMのモアレパターンpmは、マスクパターン印刷物MPのマスクパターンmpと、発現されるモアレ像miとから導出され、領域配置方向xにおける幅0.7mm~2mm(ピッチ1.4mm~4mm)で濃領域Nが印刷され、濃領域Nには、一辺が0.04mm(すなわち、濃領域Nの方向xにおける幅に対して2%から5.7%)の正方形状の微小淡部分tが、周期的に配置されており、濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率は、図13Aでは5%、図13Bでは75%、図13Cでは95%である。
図13Aに示す様に、(b)濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率が5%のモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、(a)マスクパターン印刷物MPと重ね合わせた場合、(c)得られるモアレ像miの視認性は、従来技術で得られる図1(c)に示すモアレ像miの視認性とさほど変わらず、モアレ像発現の邪魔となっている正面から左側に見えるモアレパターンpmが、相変わらず、視認されてしまう。
すなわち、微小淡部分tを、濃領域Nに低面積率(例えば、10%未満の面積率)で配置しても、図1(b)のように、濃領域Nに微小淡部分tが全く含まれない(0%の面積率)場合との違いを人の目では認識できず、目立った改善効果を得ることはできない。
また、図13Cに示す様に、(b)濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率が95%のモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、(a)マスクパターン印刷物MPと重ね合わせた場合、(c)得られるモアレ像miには、発現するモアレがそもそも視認されなくなってしまっている。
これは、濃領域Nのほとんどが淡部分となったことにより、濃淡で表現されるモアレパターンpmというよりも、全体的に印字されていない状態に近くなってしまうからである。
実際、図13C(b)に示すモアレパターン印刷物PMを確認すると、微かに濃領域Nは視認されるものの、ほとんどが非印字部分であるために、濃領域Nといいながらも淡領域Tとの濃度差が小さくなり、加えてマスクパターンmpとも濃度差が大きくなりすぎてしまい、人の目では視認できない。
すなわち、微小淡部分tを、濃領域Nに高面積率(例えば、90%超の面積率)で配置しても、図13C(c)に示す様に、モアレ像miには、モアレパターンpmは反映されない。
一方、図13Bに示す様に、(b)濃領域Nにおける微小淡部分tの面積率が75%のモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、(a)マスクパターン印刷物MPと重ね合わせた場合、(c)得られるモアレ像miの視認性は、図13A(c)に示すモアレ像miよりも改善し、画像MIの特に正面から見て左側に見えていた、モアレパターンpmの視認性が、モアレ像miの発現の邪魔にならない程度に緩和されていることが確認できる。
実際に、図13B(b)では、微小淡部分tが含まれるモアレパターンpmの濃領域Nの濃度が、図1(b)と比較して薄くなっている。このように、濃領域Nと淡領域Tとの濃度差が小さくなったことで、モアレ像miにおけるモアレパターンpmの視認性を低下させることができる。
以上のように、微小淡部分tを、濃領域Nに中面積率(例えば、10%以上、90%以下の面積率)で配置すれば、モアレパターンpmの視認性を低下させたモアレ像miを実現することができる。
次に、前述とは逆に、モアレパターン印刷物PMの淡領域Tに配置する微小濃部分nの適切な面積率(濃度)について説明する。
図14Aは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率5%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
図14Bは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率75%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
図14Cは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率95%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像との関係を示す図である。
マスクパターン印刷物MPには、これまで説明したものと同様に、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)でマスクパターンmpが印刷されている。
モアレパターン印刷物PMのモアレパターンpmは、マスクパターン印刷物MPのマスクパターンmpと、発現されるモアレ像miとから導出され、領域配置方向xにおける幅0.7mm~2mm(ピッチ1.4mm~4mm)で淡領域Tが印刷され、淡領域Tには、正方形状の微小濃部分nが、周期的に配置されており、微小濃部分nのサイズは、図14A(b)および図14C(b)の場合、0.04mm角であり、これは、領域配置方向xにおける淡領域Tの幅の2%~5.7%に相当する。
一方、図14B(b)の場合、微小濃部分nのサイズは、0.18mm角であり、これは領域配置方向xにおける淡領域Tの幅の8.8%~25%に相当する。また、モアレパターン印刷物PMの淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率は、図13A(b)では5%、図13B(b)では75%、図13C(b)では95%である。
図14Aに示す様に、(b)淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率が5%のモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、(a)マスクパターン印刷物MPと重ね合わせた場合、(c)得られるモアレ像miの視認性は、従来技術で得られる図1(c)に示すモアレ像miの視認性とさほど変わらず、モアレ像発現の邪魔となっている正面から左側に見えるモアレパターンpmが、相変わらず、視認されてしまう。
すなわち、微小濃部分nを、淡領域Tに低面積率(例えば、10%未満の面積率)で配置しても、図1(b)のように、淡領域Tに微小濃部分nが全く含まれない(0%の面積率)場合との違いを人の目では認識できず、目立った改善効果を得ることはできない。
また、図14Cに示す様に、(b)淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率が95%のモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、(a)マスクパターン印刷物MPと重ね合わせた場合、(c)得られるモアレ像miには、発現するモアレがそもそも視認されなくなってしまっている。
これは、淡領域Tのほとんどが濃部分となったことにより、濃淡で表現されるモアレパターンpmというよりも、全体的に印字された状態に近くなってしまうからである。
実際、図14C(b)に示すモアレパターン印刷物PMを確認すると、微かに淡領域Tは視認されるものの、ほとんどが印字部分であるために、淡領域Tといいながらも濃領域Nとの濃度差が小さくなり、加えてマスクパターンmpとの濃度とも差が小さくなりすぎてしまい、人の目では視認できない。
すなわち、微小濃部分nを、淡領域Tに高面積率(例えば、90%超の面積率)で配置しても、図14C(c)に示す様に、モアレパターンpmは反映されず、ほとんどモアレが発生しない。
一方、図14Bに示す様に、(b)淡領域Tにおける微小濃部分nの面積率が75%のモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを、(a)マスクパターン印刷物MPと重ね合わせた場合、(c)得られるモアレ像miの視認性は、図14A(c)に示すモアレ像miよりも改善し、画像MIの特に正面から見て左側に見えていた、モアレパターンpmの影響が、モアレ像miの発現の邪魔にならない程度に低減されていることが確認できる。
実際に、図14B(b)では、微小濃部分nが含まれるモアレパターンpmの淡領域Tの濃度が、図1(b)と比較して濃くなっている。このように、淡領域Tと濃領域Nとの濃度差が小さくなったことで、モアレ像miにおけるモアレパターンpmの視認性が低下した。
このように、微小濃部分nを、淡領域Tに中面積率(例えば、10%以上、90%以下の面積率)で配置すれば、モアレパターンpmの視認性が低下したモアレ像miを実現することができる。
次に、モアレパターン印刷物PMの濃領域Nに微小淡部分tを配置し、淡領域Tに微小濃部分nを配置する場合、良好なモアレ像miを実現できる、濃領域Nにおける濃度と、淡領域Tにおける濃度との関係について説明する。
図15Aは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(淡領域Tにおける濃度と、濃領域Nにおける濃度との差が5%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
図15Bは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)モアレパターン印刷物PM(淡領域Tにおける濃度と、濃領域Nにおける濃度との差が10%)と、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
マスクパターン印刷物MPには、これまでの説明と同様、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)でマスクパターンmpが印刷されている。
モアレパターン印刷物PMのモアレパターンpmは、マスクパターン印刷物MPのマスクパターンmpと、発現されるモアレ像miとから導出され、領域配置方向xにおける幅0.7mm~2mm(ピッチ1.4mm~4mm)で濃領域Nが印刷され、濃領域Nには、一辺が0.18mm(すなわち、濃領域Nの方向xにおける幅に対して8.8%から25%)の正方形状の微小淡部分tが、淡領域Tには、一辺が0.14mm(すなわち、淡領域Tの方向xにおける幅に対して7%から20%)の正方形状の微小濃部分nが、それぞれ周期的に配置されている。
図15A(b)のモアレパターンpmでは、濃領域Nに含まれる微小淡部分tの面積率が50%(濃度にして50%)、淡領域Tに含まれる微小濃部分nの面積率が45%(濃度にして45%)であり、両濃度差は5%である。
図15Aの条件では、図15A(c)に示す様に、モアレ像miの発現は視認できなかった。これは、モアレパターン印刷物PMにおける濃領域Nと淡領域Tとの濃度差がほぼなくなったことにより、モアレパターン印刷物PMにおけるモアレパターンpmがほぼ視認できなくなったことに起因する。
一方、図15B(b)のモアレパターンpmでは、濃領域Nに含まれる微小淡部分tの面積率が45%(濃度にして55%)、淡領域Tに含まれる微小濃部分nの面積率が45%(濃度にして45%)であり、両濃度差は10%である。
図15Bの条件では、図15B(c)に示す様に、モアレ像miの発現を確認できた。
このように、モアレパターン印刷物PMの濃領域Nに微小淡部分tを配置し、淡領域Tに微小濃部分nを配置する場合、良好なモアレ像miを実現するには、淡領域Tにおける濃度と、濃領域Nにおける濃度との差が10%以上必要である。
これは、複数の微小淡部分tが配置された濃領域Nの面積に対する、複数の微小淡部分tの合計面積の比を、1から引いた値と、複数の微小濃部分nが配置された淡領域Tの面積に対する、複数の微小濃部分nの合計面積の比との差が、0.1以上であることに相当する。
(不適切なモアレパターン印刷物の例)
次に、適切なモアレ像miを再現できない、不適切なモアレパターンpmの例について説明する。
図16は、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)適切なモアレ像miを再現できない、不適切なモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMと、(c)これらによって発現されるモアレ像miとの関係を示す図である。
マスクパターン印刷物MPには、これまで説明したマスクパターン印刷物MPと同様に、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)でマスクパターンmpが印刷されている。
図16(b)に示す不適切なモアレパターン印刷物PMもまた、前述したように、正方形状の微小淡部分tが、濃領域N内に周期的に、チェッカーフラッグ状に、すなわち面積率50%で配置されている。しかしながら、微小淡部分tの一辺の長さは、濃領域Nの領域配置方向xにおける幅よりも大きいか、あるいは同等の大きさとしている。
例えば、濃領域Nの領域配置方向xにおける幅は、0.7mm~2mm(ピッチ1.4mm~4mm)である場合、微小淡部分tの一辺の長さは、1.94mm角となる。
これは、微小淡部分tの一辺の長さが、濃領域Nの領域配置方向xにおける幅に対して97%~278%であることに相当する。このように、微小淡部分tの一辺の長さは、濃領域Nの領域配置方向xにおける幅よりも大きいか、あるいは同等の大きさである場合、淡領域Tと濃領域Nとからなるモアレパターンpmは破綻する。
図16(b)は、このように破綻したモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを示している。このようなモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPと重ね合わせても、図16(c)に示す様に、視認性の良好なモアレ像miを得ることはできない。
(直線のみからなるモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMを使用した場合)
以上、濃領域Nに微小淡部分tを配置したり、淡領域Tに微小濃部分nを配置したりすることで得られる適切なモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMによって、良好なモアレ像miを再現できることを説明したが、濃領域Nおよび淡領域Tはいずれも曲線を含むものであった。
以下では、濃領域Nおよび淡領域Tがいずれも直線のみからなるモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMによって再現されるモアレ像miについて説明する。
図17Aおよび図17Bは、(a)マスクパターン印刷物MPと、(b)濃領域Nおよび淡領域Tがいずれも直線のみからなるモアレパターンpmが印刷されたモアレパターン印刷物PMと、(c)これらを重ねた際に得られるモアレ像miとを例示する平面図である。
図17A(a)および図17B(a)ともに、マスクパターン印刷物MPにおけるマスクパターンmpは、これまで説明したものと同様に、5cm角の領域に対し、線幅1mm(ピッチ2mm)で印刷されている。
図17A(b)および図17B(b)に示すように、モアレパターン印刷物PMにおけるモアレパターンpmはともに直線状の濃領域Nと淡領域Tとのストライプで形成されている。また、モアレパターンpmは、マスクパターンを、中央(つまり、左上から縦に2.5cm、横に2.5cmの位置)を中心に10度時計回りに回転させたパターンとして印刷されている。
図17B(b)に示すモアレパターン印刷物PMでは、濃領域Nに微小淡部分tが配置されているのに対して、図17A(b)に示すモアレパターン印刷物PMには、比較のために、濃領域Nに微小淡部分tは配置されていない。なお、淡領域Tには、図17A(b)および図17B(b)ともに微小濃部分nは配置されていない。
図17B(b)に示すモアレパターン印刷物PMのモアレパターンpmにおいて、濃領域Nに含まれる微小淡部分tは、0.04mm角(線幅に対して約2.8%の大きさ)の正方形状をしており、濃領域Nにおける微小淡部分tの合計の面積率は25%(濃度にして75%)である。
このようなモアレパターン印刷物PMを、マスクパターン印刷物MPに重ね合わせたときに得られるモアレ像miは、図17A(c)および図17B(c)ともに、図中左上から右下に向かう斜めの直線が周期的に並んだものとなる。
このように、モアレパターンpmが直線のみからなる場合、濃領域Nに微小淡部分tを配置しても、モアレ像miの視認性への影響はない。図示していないが、同様に、淡領域Tに微小濃部分nを配置しても、モアレ像miの視認性への影響はない。逆に言うと、モアレパターンpmの濃領域Nおよび淡領域Tが曲線である場合、すなわち、湾曲した輪郭を有する場合、濃領域Nに微小淡部分tを配置したり、あるいは淡領域Tに微小濃部分nを配置したりすることによって、モアレ像miの視認性を改善することが可能となる。
以上説明したように、本発明のモアレパターン媒体によれば、モアレ像の発現の妨げとなり得るモアレパターン自体の視認性を抑制することが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
mi・・モアレ像
MI・・画像
mp・・マスクパターン
MP・・マスクパターン印刷物
n・・微小濃部分
N・・濃領域、印字部
pm・・モアレパターン
PM・・モアレパターン印刷物
t・・微小淡部分
T・・淡領域、非印字部
x・・領域配置方向
y・・方向

Claims (11)

  1. モアレ像を発現させるパターンが記録されたモアレパターン媒体であって、
    前記パターンは、濃領域と淡領域とが交互に繰り返し配置されることによって形成され、
    複数の前記濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分を配置するか、
    複数の前記淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分を配置するか、
    前記複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小淡部分を配置し、前記複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、複数の微小濃部分を配置する
    ことを特徴とする、モアレパターン媒体。
  2. 前記微小淡部分を配置された前記濃領域は、湾曲した輪郭を有し、
    前記微小濃部分を配置された前記淡領域は、湾曲した輪郭を有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  3. 前記微小淡部分および前記微小濃部分は、任意の形状からなる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  4. 前記微小淡部分および前記微小濃部分は、文字からなる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  5. 前記微小淡部分および前記微小濃部分の最大外径は、0.2mmである
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  6. 前記複数の微小淡部分は、前記濃領域内に周期的に配置され、
    前記複数の微小濃部分は、前記淡領域内に周期的に配置される
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  7. 前記濃領域において、前記各微小淡部分からの配置方向に、少なくとも1つの別の前記微小淡部分が配置され、
    前記淡領域において、前記各微小濃部分からの配置方向に、少なくとも1つの別の前記微小濃部分が配置される
    ことを特徴とする、請求項6に記載のモアレパターン媒体。
  8. 前記複数の微小淡部分が配置された前記濃領域の面積に対する、前記複数の微小淡部分の合計面積の比は、10%以上、90%以下であり、
    前記複数の微小濃部分が配置された前記淡領域の面積に対する、前記複数の微小濃部分の合計面積の比は、10%以上、90%以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  9. 前記濃領域と前記淡領域とが交互に繰り返し配置される方向を領域配置方向とした場合、
    前記複数の微小淡部分それぞれの、前記領域配置方向における幅は、前記濃領域の前記領域配置方向における幅の90%以下であり、
    前記複数の微小濃部分それぞれの、前記領域配置方向における幅は、前記淡領域の前記領域配置方向における幅の90%以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  10. 前記複数の濃領域のうち少なくとも何れかに、前記複数の微小淡部分が配置され、前記複数の淡領域のうち少なくとも何れかに、前記複数の微小濃部分が配置されている場合、
    前記複数の微小淡部分が配置された前記濃領域の面積に対する、前記複数の微小淡部分の合計面積の比を1から引いた値と、
    前記複数の微小濃部分が配置された前記淡領域の面積に対する、前記複数の微小濃部分の合計面積の比との差は、0.1以上である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。
  11. 印刷された紙媒体であることを特徴とする、請求項1に記載のモアレパターン媒体。

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