JP2024074105A - 電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を向上させることができる電池用非水電解液を提供する。【解決手段】電池用非水電解液は、下記式(I)で示される化合物(I)と、下記式(II)で示される化合物(II)と、を含む。前記化合物(II)の含有量は、電池用非水電解液の全量に対して、0.1質量%未満である。式(I)中、R11は、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、式(i-1)で表される基、又は式(i-2)で表される基である。*は、結合位置を示す。式(i-1)中、R12は、酸素原子等である。式(i-2)中、R13は、炭素数1~6のアルキル基等である。式(II)中、R21は、水素原子等を示す。JPEG2024074105000010.jpg34145【選択図】なし

Description

本開示は、電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法に関する。
リチウム二次電池は、高エネルギー密度の電池として、注目されている。
特許文献1は、非水電解液電池用非水電解液(以下、「電池用非水電解液」ともいう)を開示している。特許文献1に開示の電池用非水電解液は、非水溶媒と、電解質塩とを含む。非水溶媒は、4-フルオロエチレンカーボネート(FEC)と、3,3,3-トリフルオロプロピオン酸メチル(FMP)とを含む。非水溶媒は、さらに特定の化合物を含む。
特開2017-208246号公報
リチウム二次電池には、充放電の初期段階での放電容量(以下、「初期容量」ともいう)と、高温環境(例えば、60℃)下において長期(例えば、14日間)保存された後の放電容量(以下、「高温保存後容量」ともいう)と、初期容量に対する高温保存後容量の割合(以下、「容量維持率」ともいう)とを向上させることができる電池用非水電解液が求められている。
本開示は、上記事情に鑑み、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を向上させることができる電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記式(I)で示される化合物(I)と、
下記式(II)で示される化合物(II)と、を含み、
前記化合物(II)の含有量が、電池用非水電解液の全量に対して、0.1質量%未満である、電池用非水電解液。
〔式(I)中、R11は、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、式(i-1)で表される基、又は式(i-2)で表される基であり、
*は、結合位置を示し、
式(i-1)中、R12は、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、又はオキシメチレン基であり、
式(i-2)中、R13は、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数2~6のアルケニル基である。
式(II)中、R21は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を示す。〕
<2> さらに、六フッ化リン酸リチウムを含む、前記<1>に記載の電池用非水電解液。
<3> 前記化合物(I)の含有量が、電池用非水電解液の全量に対して、0.1質量%~3.0質量%である、前記<1>又は<2>に記載の電池用非水電解液。
<4> 前記式(II)中の前記R21が、水素原子である、前記<1>~<3>のいずれか1つに記載の電池用非水電解液。
<5> 正極と、
リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な負極活物質を含む負極と、
前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の電池用非水電解液と、
を含む、リチウム二次電池前駆体。
<6> 前記正極が、正極活物質を含み、
前記正極活物質が、Liと、Co、Ni、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種と、を含む、前記<5>に記載のリチウム二次電池前駆体。
<7> 前記<5>又は<6>に記載のリチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池。
<8> 前記<5>~<7>のいずれか1つに記載のリチウム二次電池前駆体を準備することと、
前記リチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施すことと、
を含む、リチウム二次電池の製造方法。
本開示によれば、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を向上させることができる電池用非水電解液、リチウム二次電池前駆体、リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法が提供される。
図1は、本開示のリチウム二次電池前駆体の一例であるラミネート型電池を示す概略断面図である。 図2は、本開示のリチウム二次電池前駆体の別の一例であるコイン型電池を示す概略断面図である。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
(電池用非水電解液)
本開示の電池用非水電解液(以下、「非水電解液」ともいう)は、下記式(I)で示される化合物(I)(以下、「環状含硫黄エステル化合物(I)」ともいう)と、下記式(II)で示される化合物(II)(以下、「ビフェニル化合物(II)」ともいう)と、を含む。前記化合物(II)の含有量は、電池用非水電解液の全量に対して、0.1質量%未満である。
式(I)中、R11は、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、式(i-1)で表される基、又は式(i-2)で表される基である。*は、結合位置を示す。式(i-1)中、R12は、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、又はオキシメチレン基である。式(i-2)中、R13は、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数2~6のアルケニル基である。式(II)中、R21は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を示す。
本開示の非水電解液は、上記の構成を有するので、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を向上させることができる。
この効果は、以下の理由によると推測されるが、これに限定されない。
非水電解液を用いたリチウム二次電池を充電及び/又は放電(以下、「充放電」ともいう)すると、負極の表面及び正極の表面には固体電解質界面層(SEI:Solid Electrolyte Interphase)膜(以下、「SEI膜」ともいう)が形成されると考えられる。以下、負極のSEI膜、及び正極のSEI膜を単に「SEI膜」ともいう。
SEI膜は、主として、非水電解液中のリチウムイオンと、リチウム二次電池の充放電によって分解された非水電解液の分解物とによって形成されると考えられる。
SEI膜が形成されると、リチウム二次電池の充放電サイクルにおいて、本来の電池反応ではない副反応は進行しにくくなると考えられる。電池反応は、正極及び負極にリチウムイオンが出入り(インターカレート)する反応を示す。副反応は、負極による非水電解液の還元分解反応、正極による非水電解液の酸化分解反応、正極活物質中の金属元素の溶出等を含む。
一方で、充放電のたびに負極のSEI膜は厚膜化しやすい。負極のSEI膜の厚膜化には、非水電解液中のリチウムイオンが消費される。そのため、負極のSEI膜の厚膜化は、リチウム二次電池の放電容量の低下の1つの要因と考えられる。特に、負極のSEI膜の厚膜化は、リチウム二次電池が高温環境下に曝されると、顕著になる。
本開示の非水電解液は上記の構成を有するので、本開示の非水電解液を用いたリチウム二次電池が高温環境下に曝された場合であっても、副反応の進行は抑制されると考えられる。つまり、負極のSEI膜の厚膜化は抑制されると考えられる。その結果、本開示の非水電解液は、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を向上させることができると推測される。
<環状含硫黄エステル化合物(I)>
本開示の非水電解液は、下記式(I)で表される環状含硫黄エステル化合物(I)を含有する。非水電解液は、環状含硫黄エステル化合物(I)を一種単独で含んでもいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
式(I)中、R11は、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、式(i-1)で表される基、又は式(i-2)で表される基である。*は、結合位置を示す。式(i-1)中、R12は、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、又はオキシメチレン基である。式(i-2)中、R13は、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数2~6のアルケニル基である。
式(I)中、R11は、式(i-1)で表される基又は式(i-2)で表される基であることが好ましい。
式(i-1)中、R12は、炭素数1~3のアルキレン基、炭素数1~3のアルケニレン基、又はオキシメチレン基であることが好ましく、オキシメチレン基であることがより好ましい。
式(i-2)中、R13は、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数2~3のアルケニル基であることが好ましく、プロピル基であることがより好ましい。
環状含硫黄エステル化合物(I)の具体例としては、下記の化合物(I-1)~化合物(I-7)が挙げられる。
環状含硫黄エステル化合物(I)の含有量は、特に限定されず、非水電解液の全量に対し、0.1質量%~3.0質量%であることが好ましい。これにより、非水電解液は、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率をより向上させることができる。
環状含硫黄エステル化合物(I)の含有量は、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率をより向上させる観点から、より好ましくは0.5質量%~2.0質量%、さらに好ましくは0.8質量%~1.5質量%である。
<ビフェニル化合物(II)>
本開示の非水電解液は、下記式(II)で示されるビフェニル化合物(II)を含有する。非水電解液は、ビフェニル化合物(II)を一種単独で含んでもいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
21は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を示す。
式(II)中、R21で示される炭素数1~6のアルキル基は、直鎖のアルキル基であってもよいし、分岐を有するアルキル基であってもよい。
炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、1-エチルプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキル基の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子で置換されてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
式(II)中、R21で示される炭素数1~6のアルケニル基は、直鎖のアルケニル基であってもよいし、分岐を有するアルケニル基であってもよい。炭素数1~6のアルケニル基としては、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、イソプロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルケニル基の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子で置換されてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
式(II)中、R21で示される炭素数1~6のアルコキシ基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよい。炭素数1~6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルコキシ基の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子で置換されてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
式(II)中、R21で示される炭素数6~12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、メチルナフチル基、ベンジルフェニル基等が挙げられる。
炭素数6~12のアリール基の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子で置換されてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
なかでも、式(II)中の前記R21は、水素原子であることが好ましい。これにより、非水電解液は、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率をより向上させることができる。
ビフェニル化合物(II)の具体例としては、下記の化合物(II-1)~化合物(II-5)が挙げられる。
ビフェニル化合物(II)の含有量は、非水電解液の全量に対し、0.1質量%未満であり、好ましくは0.001質量%~0.09質量%、より好ましくは0.01質量%~0.08質量%、さらに好ましくは0.03質量%~0.07質量%である。
<その他の添加剤>
本開示の非水電解液は、その他の添加剤を含んでもよい。
その他の添加剤としては、特に制限はなく、公知のものを任意に用いることができる。
その他の添加剤としては、例えば、特開2019-153443号公報の段落0042~0055に記載の添加剤を用いることができる。
<非水溶媒>
非水電解液は、一般的に、非水溶媒を含有する。非水溶媒としては種々公知のものを適宜選択することができる。非水溶媒は1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
非水溶媒としては、例えば、環状カーボネート類、含フッ素環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、含フッ素鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、含フッ素脂肪族カルボン酸エステル類、γ-ラクトン類、含フッ素γ-ラクトン類、環状エーテル類、含フッ素環状エーテル類、鎖状エーテル類、含フッ素鎖状エーテル類、ニトリル類、アミド類、ラクタム類、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド燐酸、などが挙げられる。
環状カーボネート類としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、などが挙げられる。
含フッ素環状カーボネート類としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、などが挙げられる。
鎖状カーボネート類としては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酪酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、イソ酪酸エチル、トリメチル酪酸エチル、などが挙げられる。
γ-ラクトン類としては、例えば、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、などが挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、などが挙げられる。
鎖状エーテル類としては、例えば、1,2-エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、などが挙げられる。
ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、などが挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
ラクタム類としては、例えば、N-メチルピロリジノン、N-メチルオキサゾリジノン、N,N'-ジメチルイミダゾリジノン、などが挙げられる。
非水溶媒は、環状カーボネート類、含フッ素環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、及び含フッ素鎖状カーボネート類からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
この場合、環状カーボネート類、含フッ素環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、及び含フッ素鎖状カーボネート類の合計の割合は、非水溶媒の全量に対して、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは60質量%以上100質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
非水溶媒は、環状カーボネート類及び鎖状カーボネート類からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
この場合、非水溶媒中に占める、環状カーボネート類及び鎖状カーボネート類の合計の割合は、非水溶媒の全量に対して、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは60質量%以上100質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
非水溶媒の含有量の上限は、非水電解液の総量に対して、好ましくは99質量%であり、好ましくは97質量%であり、更に好ましくは90質量%である。非水溶媒の含有量の下限は、非水電解液の総量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
非水溶媒の固有粘度は、電解質の解離性及びイオンの移動度をより向上させる観点から、25℃において10.0mPa・s以下であることが好ましい。
<電解質>
非水電解液は、一般的に、電解質を含有する。
非水電解液は、電解質として、フッ素を含むリチウム塩(以下、「含フッ素リチウム塩」ともいう)、及びフッ素を含まないリチウム塩の少なくとも1種を含有することが好ましい。
含フッ素リチウム塩としては、例えば、無機酸陰イオン塩、有機酸陰イオン塩などが挙げられる。
無機酸陰イオン塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、六フッ化タンタル酸リチウム(LiTaF)、などが挙げられる。
有機酸陰イオン塩としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li(CFSON)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(Li(CSON)などが挙げられる。
中でも、含フッ素リチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)が更に好ましい。
フッ素を含まないリチウム塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl)、リチウムデカクロロデカホウ素酸(Li10Cl10)などが挙げられる。
非水電解液は、さらに、六フッ化リン酸リチウムを含むことが好ましい。これにより、六フッ化リン酸リチウムを含まない場合よりも、非水電解液は、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率をより向上させることができる。
電解質が含フッ素リチウム塩を含む場合、含フッ素リチウム塩の含有割合は、電解質の全量に対して、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは60質量%以上100質量%以下、更に好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
含フッ素リチウム塩が六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含む場合、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)の含有割合は、電解質の全量に対して、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは60質量%以上100質量%以下、更に好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
非水電解液が電解質を含む場合、非水電解液における電解質の濃度は、好ましくは0.1mol/L以上3mol/L以下、より好ましくは0.5mol/L以上2mol/L以下である。
非水電解液が六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含む場合、非水電解液における六フッ化リン酸リチウム(LiPF)の濃度は、好ましくは0.1mol/L以上3mol/L以下、より好ましくは0.5mol/L以上2mol/L以下である。
<その他の成分>
非水電解液は、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、酸無水物などが挙げられる。
〔リチウム二次電池前駆体〕
本開示のリチウム二次電池前駆体は、正極と、負極と、本開示の非水電解液と、を含む、正極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極である。負極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極である。
本開示において、リチウム二次電池前駆体は、充電及び放電が施される前のリチウム二次電池を示す。
本開示のリチウム二次電池前駆体によれば、リチウム二次電池の高温保存後の電池抵抗を低減させることができる。
<ケース>
リチウム二次電池前駆体は、一般的に、ケースを備える。ケースは、正極、負極、セパレータ、及び電解液を収容する。
ケースの形状などは、特に限定はなく、本開示のリチウム二次電池前駆体の用途などに応じて、適宜選択される。
ケースとしては、ラミネートフィルムを含むケース、電池缶と電池缶蓋とからなるケース、などが挙げられる。
<正極>
正極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極である。
正極は、好ましくは、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質を少なくとも1種含む。
正極は、好ましくは、正極集電体と、正極集電体の表面の少なくとも一部に設けられた正極合材層と、を備える。
正極集電体の材質としては、例えば、金属又は合金が挙げられる。
詳しくは、正極集電体の材質として、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼材(SUS)、銅などが挙げられる。中でも、導電性の高さとコストとのバランスの観点から、アルミニウムが好ましい。ここで、「アルミニウム」は、純アルミニウム又はアルミニウム合金を意味する。正極集電体として、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔の材質は、特に限定されず、A1085材、A3003材、などが挙げられる。
正極合材層は、正極活物質及びバインダーを含有する。
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な物質であれば特に限定されず、リチウム二次電池前駆体の用途などに応じて、適宜調整され得る。
正極活物質としては、例えば、第1酸化物、第2酸化物などが挙げられる。第1酸化物は、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする。第2酸化物は、Liと、Niと、Li及びNi以外の金属元素の少なくとも1種と、を構成金属元素として含む。Li及びNi以外の金属元素としては、例えば、遷移金属元素、典型金属元素などが挙げられる。第2酸化物は、Li及びNi以外の金属元素として、好ましくは、原子数換算で、Niと同程度、又は、Niよりも少ない割合で含むことが好ましい。Li及びNi以外の金属元素は、例えば、Co、Mn、Al、Cr、Fe、V、Mg、Ca、Na、Ti、Zr、Nb、Mo、W、Cu、Zn、Ga、In、Sn、La及びCeからなる群からなる群から選択される少なくとも1種であり得る。これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
なかでも、正極が、正極活物質を含み、かつ正極活物質が、Liと、Co、Ni、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種と、を含む正極活物質(以下、「特定正極活物質」ともいう)であることが好ましい。これにより、正極活物質が特定正極活物質ではない場合よりも、リチウム二次電池の放電容量は、向上しやすい。
特定正極活物質は、下記式(P1)で表されるリチウム含有複合酸化物(以下、「NCM」ともいう)を含むことが好ましい。リチウム含有複合酸化物(P1)は、単位体積当たりのエネルギー密度が高く、熱安定性にも優れるという利点を有する。
LiNiCoMn … 式(P1)
式(P1)中、a、b及びcは、それぞれ独立に、0超1未満であり、a、b及びcの合計は、0.99以上1.00以下である。
NCMの具体例としては、LiNi0.33Co0.33Mn0.33、LiNi0.5Co0.3Mn0.2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.8Co0.1Mn0.1などが挙げられる。
正極活物質は、下記式(P2)で表されるリチウム含有複合酸化物(以下、「NCA」ともいう)を含んでもよい。
LiNi1-x-yCoAl … 式(P2)
式(P2)中、tは、0.95以上1.15以下であり、xは、0以上0.3以下であり、yは、0.1以上0.2以下であり、x及びyの合計は、0.5未満である。)
NCAの具体例としては、LiNi0.8Co0.15Al0.05などが挙げられる。
本開示のリチウム二次電池前駆体における正極が、正極集電体と、正極活物質及びバインダーを含む正極合材層と、を備える場合、正極合材層中の正極活物質の含有量は、正極合材層の全量に対し、好ましくは10質量%以上99.9質量%以下、より好ましくは30質量%以上99.9質量%以下、更に好ましくは50質量%以上99質量%以下、特に好ましくは70質量%以上99質量%以下である。
バインダーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、フッ素樹脂、ゴム粒子などが挙げられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが挙げられる。ゴム粒子としては、スチレン-ブタジエンゴム粒子、アクリロニトリルゴム粒子などが挙げられる。これらの中でも、正極合材層の耐酸化性を向上させる観点から、フッ素樹脂が好ましい。バインダーは1種を単独で使用でき、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
正極合材層中におけるバインダーの含有量は、正極合材層の物性(例えば、電解液浸透性、剥離強度、など)と電池性能との両立の観点から、正極合材層の全量に対し、好ましくは0.1質量%以上4質量%以下である。バインダーの含有量が0.1質量%以上であると、正極集電体に対する正極合材層の接着性、及び、正極活物質同士の結着性がより向上する。バインダーの含有量が4質量%以下であると、正極合材層中における正極活物質の量をより多くすることができるので、放電容量がより向上する。
正極合材層は、導電助剤を含むことが好ましい。
導電助剤としては、公知の導電助剤を用いることができる。公知の導電助剤としては、導電性を有する炭素材料が好ましい。導電性を有する炭素材料としては、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維、フラーレンなどが挙げられる。これらは、単独で、もしくは2種類以上を併せて使用することができる。導電性炭素繊維としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバーなどが挙げられる。グラファイトとしては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛などが挙げられる。天然黒鉛としては、例えば、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛などが挙げられる。
導電助剤は、市販品であってもよい。カーボンブラックの市販品としては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500など(東海カーボン社製、ファーネスブラック)、プリンテックスLなど(デグサ社製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRAなど、Conductex SC ULTRA、Conductex 975ULTRAなど、PURE BLACK100、115、205など(コロンビヤン社製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400Bなど(三菱ケミカル社製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC-72R、BlackPearls2000、LITX-50、LITX-200など(キャボット社製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、Super-P(TIMCAL社製)、ケッチェンブラックEC-300J、EC-600JD(アクゾ社製)、デンカブラック、デンカブラックHS-100、FX-35(デンカ社製、アセチレンブラック)などが挙げられる。
正極合材層は、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、増粘剤、界面活性剤、分散剤、濡れ剤、消泡剤などが挙げられる。
<負極>
負極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極である。
負極は、好ましくは、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質を少なくとも1種含む。
負極は、好ましくは、負極集電体と、負極集電体の表面の少なくとも一部に設けられた負極合材層と、を備える。
負極集電体の材質としては、特に制限はなく公知の物を任意に用いることができ、例えば、金属又は合金が挙げられる。詳しくは、負極集電体の材質として、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼材(SUS)、ニッケルメッキ鋼材、銅などが挙げられる。中でも、負極集電体の材質として、加工性の観点から、銅が好ましい。負極集電体として、銅箔が好ましい。
負極合材層は、負極活物質及びバインダーを含む。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な物質であれば特に制限はない。負極活物質は、例えば、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属もしくは合金、リチウムイオンのドープ及び脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ及び脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ及び脱ドープが可能な炭素材料からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、負極活物質は、リチウムイオンをドープ及び脱ドープすることが可能な炭素材料(以下、単に「炭素材料」ともいう)が好ましい。
炭素材料としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛材料、非晶質炭素材料、などが挙げられる。これらの炭素材料は、1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。炭素材料の形態は、特に限定されず、例えば、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状などが挙げられる。炭素材料の粒径は、特に限定されず、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは20μm以上30μm以下である。
非晶質炭素材料として、例えば、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)などが挙げられる。
黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが挙げられる。黒鉛材料は、ホウ素を含んでもよい。黒鉛材料は、金属又は非晶質炭素で被覆されていてもよい。黒鉛材料を被覆する金属の材質としては、金、白金、銀、銅、スズなどが挙げられる。黒鉛材料は、非晶質炭素と黒鉛との混合物であってもよい。
負極合材層は、導電助剤を含むことが好ましい。導電助剤としては、正極合材層に含まれ得る導電助剤として例示した導電助剤と同様の導電助剤が挙げられる。
負極合材層は、上記各成分に加えて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、増粘剤、界面活性剤、分散剤、濡れ剤、消泡剤などが挙げられる。
<セパレータ>
セパレータとしては、例えば、多孔質の樹脂平板が挙げられる。多孔質の樹脂平板の材質としては、樹脂、この樹脂を含む不織布などが挙げられる。樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミドなどが挙げられる。
なかでも、セパレータは、単層又は多層構造の多孔性樹脂シートであることが好ましい。多孔性樹脂シートの材質は、一種又は二種以上のポリオレフィン樹脂を主体とする。セパレータの厚みは、好ましくは5μm以上30μm以下である。セパレータは、好ましくは、正極と負極との間に配置される。
<リチウム二次電池前駆体の具体例>
図1は、本開示のリチウム二次電池前駆体の一例である積層型のリチウム二次電池前駆体を示す概略断面図である。
図1に示すように、リチウム二次電池前駆体1は、積層型の電池前駆体である。
詳細には、リチウム二次電池前駆体1では、電池素子10は、外装体30の内部に封入されている。外装体30は、ラミネートフィルムで形成されている。電池素子10には、正極リード21及び負極リード22の各々が取り付けられている。正極リード21及び負極リード22の各々は、外装体30の内部から外部に向かって、反対方向に導出されている。
電池素子10は、図1に示すように、正極11と、セパレータ13と、負極12と、が積層されてなる。正極11は、正極集電体11Aの両方の主面上に正極合材層11Bが形成されてなる。負極12は、負極集電体12Aの両方の主面上に負極合材層12Bが形成されてなる。正極11の正極集電体11Aの片方の主面上に形成された正極合材層11Bと、正極11に隣接する負極12の負極集電体12Aの片方の主面上に形成された負極合材層12Bとは、セパレータ13を介して向き合っている。
リチウム二次電池前駆体1の外装体30の内部には、本開示の非水電解液が注入されている。本開示の非水電解液は、正極合材層11B、セパレータ13、及び負極合材層12Bに浸透している。リチウム二次電池前駆体1では、隣接する正極合材層11B、セパレータ13及び負極合材層12Bによって、1つの単電池層14が形成されている。なお、正極及び負極は、各集電体の片面上に各活物質層が形成されているものであってもよい。
なお、リチウム二次電池前駆体1は、積層型のリチウム二次電池前駆体であるが、本開示のリチウム二次電池前駆体はこれに限定されず、例えば、捲回型のリチウム二次電池前駆体であってもよい。捲回型のリチウム二次電池前駆体は、正極、セパレータ、負極、及びセパレータをこの順の配置で重ねて層状に巻いてなる。捲回型のリチウム二次電池前駆体には、円筒型のリチウム二次電池前駆体及び角形リチウム二次電池前駆体が包含される。
図1に示すように、リチウム二次電池前駆体1において、正極リード及び負極リードの各々が外装体30の内部から外部に向けて突出する方向は、外装体30に対して反対方向であるが、本開示はこれに限定されない。例えば、正極リード及び負極リードの各々が外装体30の内部から外部に向けて突出する方向は、外装体30に対して同一方向であってもよい。
後述の本開示のリチウム二次電池の一例としては、リチウム二次電池前駆体1に対し、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池が挙げられる。
図2は、本開示のリチウム二次電池前駆体の別の一例であるコイン型のリチウム二次電池前駆体を示す概略断面図である。
図2に示すコイン型のリチウム二次電池前駆体では、円盤状負極42、非水電解液を注入したセパレータ45、円盤状正極41、必要に応じて、ステンレス、又はアルミニウムなどのスペーサー板47、48が、この順序に積層された状態で、正極缶43と封口板44との間に収納される。正極缶43と封口板44とはガスケット46を介してかしめ密封する。正極缶43は電池缶の一例である。封口板44は電池缶蓋の一例である。
この一例では、セパレータ45に注入される非水電解液として、本開示の非水電解液を用いる。
後述の本開示のリチウム二次電池の一例としては、図2に示すコイン型のリチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池も挙げられる。
〔リチウム二次電池及びその製造方法〕
本開示のリチウム二次電池の製造方法は、
前述した本開示のリチウム二次電池前駆体を準備すること(以下、「準備工程」ともいう)と、
上記リチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施すこと(以下、「充放電工程」ともいう)と、
を含む。
本開示のリチウム二次電池は、上述した本開示のリチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池である。
本開示のリチウム二次電池及びその製造方法によれば、リチウム二次電池の高温保存後の電池抵抗を低減させることができる。
準備工程は、予め製造された本開示のリチウム二次電池前駆体を充電及び放電を施す工程に供するために単に準備するだけの工程であってもよいし、本開示のリチウム二次電池前駆体を製造する工程であってもよい。
リチウム二次電池前駆体については前述のとおりである。
充電及び放電を施す工程において、リチウム二次電池前駆体に対する充電及び放電は、公知の方法に従って行うことができる。
本工程では、リチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電のサイクルを、複数回繰り返してもよい。
前述のとおり、この充電及び放電により、リチウム二次電池前駆体における正極(特に正極活物質)及び/又は負極(特に負極活物質)の表面に、好ましくはSEI(Solid Electrolyte Interface)膜が形成される。
充電及び放電を施す工程は、リチウム二次電池前駆体に対し、25℃~70℃の環境下で、充電及び放電の組み合わせを1回以上施すことが好ましい。
以下、本開示に係る実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本開示は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
以下、「%」は、特に断りが無い限り「質量%」である。
〔実施例1〕
<非水電解液の製造>
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、EC:DMC:EMC=30:35:35(体積比)で混合した。これにより、非水溶媒としての混合溶媒(非水溶媒)を得た。
LiPF(電解質)を、得られた混合溶媒に対し、最終的に得られる非水電解液中の濃度が1モル/リットルとなるように溶解させ、電解液を得た。
得られた電解液を、以下、「基本電解液」ともいう。
基本電解液に対し、環状含硫黄エステル化合物(I)としての下記化合物(I-1)と、ビフェニル化合物(II)としての下記化合物(II-1)とを、最終的に得られる非水電解液の全量に対する含有量が、表1に記載の含有量(質量%)となるように添加することにより、非水電解液を得た。
<リチウム二次電池前駆体の作製>
リチウム二次電池前駆体として、ラミネート型電池前駆体を得た。詳細を以下に示す。
(正極の準備)
正極活物質としてLi(Ni0.5Co0.2Mn0.3)(94質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(3質量%)、及び結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(3質量%)を添加した混合物を得た。得られた混合物を、N-メチルピロリドン溶媒中に分散させ、正極合材スラリーを得た。
正極集電体として厚さ20μmのアルミニウム箔を準備した。
得られた正極合材スラリーをアルミニウム箔(正極集電体)上に塗布し、乾燥後、プレス機で圧延し、正極原反を得た。この正極原反は、正極の活物質合材層(以下、「正極合材層」ともいう)が形成された領域と、正極合材層が形成されていない領域(以下、「タブ接着用未塗工部」ともいう)と、を含む。タブ接着用未塗工部は、余白となる未塗工部である。
得られた正極原反をスリットし、正極を得た。正極は、正極合材層が形成された領域と、タブ接着用未塗工部と、を含む。
得られた正極において、正極合材層が形成された領域のサイズは、幅29mm、長さ40mmであった。タブ接着用未塗工部のサイズは、幅5mm、長さ11mmであった。
(負極の準備)
負極活物質として天然黒鉛96質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(1質量%)、増粘剤として純水中で分散したカルボキシメチルセルロースナトリウムを固形分で1質量%、及び結着材として純水中で分散したスチレン-ブタジエンゴムの(SBR)を固形分で2質量%を混合し、負極合材スラリーを得た。
負極集電体として厚さ10μmの銅箔を準備した。
得られた負極合材スラリーを銅箔(負極集電体)上に塗布し、乾燥後、プレス機で圧延し、負極原反を得た。この負極原反は、負極の活物質合材層(以下、「負極合材層」ともいう)が形成された領域と、負極合材層が形成されていない領域(以下、「タブ接着用未塗工部」ともいう)を含む。タブ接着用未塗工部は、余白となる未塗工部である。
得られた負極原反をスリットし、負極を得た。
負極は、負極合材層が形成された領域と、タブ接着用未塗工部と、を含む。
得られた負極において、負極合材層のサイズは、幅30mm、長さ41mmであった。タブ接着用未塗工部のサイズは、幅5mm、長さ11mmであった。
(非水電解液の準備)
上述した非水電解液の製造で得られた非水電解液を準備した。
(ラミネート型電池前駆体の作製)
セパレータとして、多孔性ポリプロピレンフィルムを準備した。
正極、負極、及びセパレ-タを、負極の塗工面がセパレータに接し、かつ正極の塗工面がセパレータに接する向きで重ねて積層体を得た。
得られた積層体の正極のタブ接着用未塗工部にアルミニウム製の正極タブ(正極リード)を超音波接合機で接合した。この積層体の負極のタブ接着用未塗工部にニッケル製の負極タブ(負極リード)を超音波接合機で接合した。
正極タブ及び負極タブが接合された積層体を、アルミニウムの両面を樹脂層で被覆した一対のラミネートフィルム(ケース)で挟み込み、次いで三辺を加熱シールし、ラミネート体(組立体)を得た。この際、ラミネート体におけるシールされた三辺のうち、シールされていない開口部に接する一辺から正極タブ及び負極タブがはみ出すようにした。
ラミネート体の開口部から、上記非水電解液を0.25mL注入し、ラミネートの開口部を封止した。
以上により、リチウム二次電池前駆体としてのラミネート型電池前駆体を得た。
<リチウム二次電池の作製>
上記ラミネート型電池前駆体(電気化学デバイス電池前駆体)に対し、25℃~70℃の温度範囲下、1.5V~4.2Vの充電、5時間~50時間の保持、4.2Vまでの充電、及び2.5Vまでの放電を、この順に施し、リチウム二次電池を得た。
〔比較例1〕
得られた基本電解液に対し、化合物(II-1)を添加しなかったことの他は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
〔評価〕
上記で得られたリチウム二次電池の初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を、下記の通りに評価した。
<初期容量の評価>
上記で得られたリチウム二次電池を、25℃の恒温槽中、充電レート0.2Cにて4.2Vまで充電し、次いで放電レート0.3Cにて2.5Vまで放電し、放電容量[mAh](以下、「初期容量」とする)を測定した。
後述の比較例1についても、同様にして、リチウム二次電池の初期容量を測定した。
以上の結果から、比較例1のリチウム二次電池の初期容量を100とした場合の、実施例1のリチウム二次電池の初期容量を求め、「初期容量(相対値)」とした。
得られた「初期容量(相対値)」を表1に示す。
<高温保存後容量の評価>
次に、初期抵抗値測定後のリチウム二次電池を4.2Vまで充電し、充電したリチウム二次電池を60℃の恒温槽内で14日間保存した(以下、「高温保存」とする)。
高温保存後のリチウム二次電池の放電容量[mAh]を、25℃の恒温槽中、放電レート0.3Cにて2.5Vまで放電し、次いで充電レート0.2Cにて4.2Vまで充電し、さらに放電レート0.3Cにて2.5Vまで放電した。最後の放電における放電容量[mAh]を高温保存後の放電容量とした。
以上の結果から、比較例1のリチウム二次電池の初期容量を100とした場合の、実施例1の高温保存後容量を求め、「高温保存後容量」とした。
得られた「高温保存後容量」を表1に示す。
<容量維持率の評価>
実施例1のリチウム二次電池の初期容量(相対値)に対する、実施例1のリチウム二次電池の高温保存後容量(相対値)を容量維持率として算出した。
得られた「容量維持率」を表1に示す。
実施例1の非水電解液は、化合物(I-1)と、化合物(II-1)と、を含む。化合物(II-1)の含有量は、非水電解液の全量に対して、0.05質量%であり、0.1質量%未満であった。そのため、実施例1の初期容量、高温保存後容量及び容量維持率の各々は、表1に示すように、比較例1よりも高かった。その結果、実施例1の非水電解液は、初期容量、高温保存後容量及び容量維持率を向上させることができる電池用非水電解液であることがわかった。
1 リチウム二次電池前駆体
10 電池素子
11 正極
11A 正極集電体
11B 正極合材層
12 負極
12A 負極集電体
12B 負極合材層
13 セパレータ
14 単電池層
21 正極リード
22 負極リード
30 外装体
41 正極
42 負極
43 正極缶
44 封口板
45 セパレータ
46 ガスケット
47、48 スペーサー板

Claims (8)

  1. 下記式(I)で示される化合物(I)と、
    下記式(II)で示される化合物(II)と、を含み、
    前記化合物(II)の含有量が、電池用非水電解液の全量に対して、0.1質量%未満である、電池用非水電解液。

    〔式(I)中、R11は、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、式(i-1)で表される基、又は式(i-2)で表される基であり、
    *は、結合位置を示し、
    式(i-1)中、R12は、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、又はオキシメチレン基であり、
    式(i-2)中、R13は、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数2~6のアルケニル基である。
    式(II)中、R21は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を示す。〕
  2. さらに、六フッ化リン酸リチウムを含む、請求項1に記載の電池用非水電解液。
  3. 前記化合物(I)の含有量が、電池用非水電解液の全量に対して、0.1質量%~3.0質量%である、請求項1に記載の電池用非水電解液。
  4. 前記式(II)中の前記R21が、水素原子である、請求項1に記載の電池用非水電解液。
  5. 正極と、
    リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な負極活物質を含む負極と、
    請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電池用非水電解液と、
    を含む、リチウム二次電池前駆体。
  6. 前記正極が、正極活物質を含み、
    前記正極活物質が、Liと、Co、Ni、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種と、を含む、請求項5に記載のリチウム二次電池前駆体。
  7. 請求項5に記載のリチウム二次電池前駆体に対し、充電及び放電を施して得られたリチウム二次電池。
  8. 請求項5に記載のリチウム二次電池前駆体を準備することと、
    前記リチウム二次電池前駆体に対して、充電及び放電を施すことと、
    を含む、リチウム二次電池の製造方法。
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