JP2024066771A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドの内側領域の陸剛性を確保してショルダー陸の偏摩耗を抑制できるタイヤを提供する。【解決手段】複数の陸20は、内側ショルダー主溝11のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された内側クオーター陸22と、内側ショルダー主溝11のタイヤ軸方向外側に隣接して形成された内側ショルダー陸21とを含む。内側クオーター陸22は、内側ショルダー主溝11に開口したセミクローズド構造を有するクオーターラグ溝32と、センター主溝12に開口したセミクローズド構造を有するクオーターサイプ42とを含み、そのクオーターラグ溝32とクオーターサイプ42とがタイヤ周方向に千鳥状に配置されている。内側ショルダー陸21は、内側ショルダー主溝11を介してクオーターラグ溝32と滑らかに連続し且つ内側ショルダー主溝11に連通していないショルダーラグ溝31を含む。【選択図】図3

Description

本開示は、車両に対する装着方向が指定されたタイヤに関する。
一般に、直進時や制動時のタイヤでは、トレッドの外側領域(タイヤ赤道を基準として車両装着時に車両外側となる領域)に比べて内側領域(タイヤ赤道を基準として車両装着時に車両内側となる領域)に大きな負荷が作用しやすく、特にアライメントにおいてネガティブキャンバが設定される車両では、その傾向が顕著である。よって、直進性能や制動性能を高めるうえで、トレッドの内側領域の陸剛性を確保することが望まれる。
特許文献1,2には、車両に対する装着方向が指定されたタイヤが記載されているが、それぞれ内側領域の陸剛性について改善の余地があると考えられる。しかも、内側領域のショルダー陸がラグ溝によって完全に分断されているため、制動時において内側領域のショルダー陸の接地性が悪化しやすく、それに起因した偏摩耗(主溝とラグ溝との境界付近が優先的に摩耗する形態の偏摩耗)の発生が懸念される。
特開2022-022460号公報 特開2016-101804号公報
本開示の目的は、トレッドの内側領域の陸剛性を確保してショルダー陸の偏摩耗を抑制できるタイヤを提供することにある。
本開示のタイヤは、車両に対する装着方向が指定されており、トレッド面にてタイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記主溝により区画された複数の陸とを備え、複数の前記主溝は、それらのうちタイヤ軸方向最外側に位置する一対のショルダー主溝と、前記一対のショルダー主溝の間に位置する少なくとも1本のセンター主溝とを含み、前記一対のショルダー主溝は、タイヤ赤道を基準として車両装着時に車両内側となる内側領域に設けられた内側ショルダー主溝と、タイヤ赤道を基準として車両装着時に車両外側となる外側領域に設けられた外側ショルダー主溝とを含み、複数の前記陸は、前記内側ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された内側クオーター陸と、前記内側ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側に隣接して形成された内側ショルダー陸とを含み、前記内側クオーター陸は、前記内側ショルダー主溝に開口したセミクローズド構造を有するクオーターラグ溝と、前記センター主溝に開口したセミクローズド構造を有するクオーターサイプとを含み、前記クオーターラグ溝と前記クオーターサイプとがタイヤ周方向に千鳥状に配置され、前記内側ショルダー陸は、前記内側ショルダー主溝を介して前記クオーターラグ溝と滑らかに連続し且つ前記内側ショルダー主溝に連通していないショルダーラグ溝を含む。
本実施形態のタイヤを概略的に示すタイヤ子午線断面図 トレッドパターンを示す展開図 トレッド面の要部を示す拡大図 トレッド面の要部を示す拡大図 トレッド面の要部を示す斜視図 サイプの幅中央線に沿った断面図 図4のX-X矢視断面図 トレッドパターンを示す展開図 トレッドパターンの変形例を示す展開図
本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[タイヤ]
図1に示す本実施形態のタイヤTは、一対のビード1と、そのビード1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール2と、そのサイドウォール2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド3とを備えた自動車用空気入りラジアルタイヤである。ビード1には、環状のビードコア1aが埋設されている。ビードコア1aは、鋼線などの収束体をゴムで被覆して形成されている。ビードコア1aのタイヤ径方向外側には、ビードフィラー1bが配置されている。ビードフィラー1bは、ビードコア1aからタイヤ径方向外側に延びた断面三角形状のゴムにより形成されている。
ここで、タイヤ径方向は、タイヤTの直径に沿った方向であり、図1の上下方向に相当する。図1において上側がタイヤ径方向外側となり、下側がタイヤ径方向内側となる。タイヤ軸方向は、タイヤTの回転軸と平行な方向であり、図1の左右方向に相当する。タイヤ赤道TCに近付く側がタイヤ軸方向内側となり、タイヤ赤道TCから離れる側がタイヤ軸方向外側となる。タイヤ赤道TCは、タイヤTのタイヤ軸方向中央に位置し、トレッド平面視においてタイヤ回転軸に直交する仮想線である。タイヤ周方向は、タイヤTの回転軸周りの方向である。
タイヤTは、一対のビード1の間に跨ってトロイド状に延在したカーカス4を備える。カーカス4は、ビードコア1a及びビードフィラー1bを挟み込むようにしてタイヤ軸方向の内側から外側に巻き上げられている。カーカス4は、カーカスコードをゴム被覆して形成されたカーカスプライにより形成されている。カーカスコードは、タイヤ周方向に対して交差する方向(例えば、タイヤ周方向に対して75~90度の角度となる方向)に引き揃えられている。カーカスコードの材料には、スチールなどの金属や、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミドなどの有機繊維が好ましく用いられる。
タイヤTは、カーカス4のタイヤ径方向外側に積層されたベルト5を備える。ベルト5は、互いに積層された複数(本実施形態では2枚)のベルトプライ5a,5bにより形成されている。ベルトプライ5a,5bは、それぞれベルトコードをゴム被覆して形成されている。ベルトコードは、タイヤ周方向に対して傾斜する方向(例えば、タイヤ周方向に対して20~30度の角度となる方向)に引き揃えられている。ベルトコードの材料には、スチールなどの金属が好ましく用いられる。ベルトプライ5a,5bは、それらの間でベルトコードが互いに逆向きに交差するように積層されている。
タイヤTは、ベルト5のタイヤ径方向外側に積層されたベルト補強材6を備える。ベルト補強材6は、ベルト補強コードをゴム被覆して形成されたベルト補強プライにより形成されている。ベルト補強コードは、タイヤ周方向に対して実質的に平行に引き揃えられている。ベルト補強プライは、例えば、ゴム被覆された1本又は複数本のベルト補強コードをタイヤ周方向に沿ってスパイラル状に巻回することにより形成される。ベルト補強コードの材料には、上述した有機繊維が好ましく用いられる。本実施形態では、ベルト補強材6がベルト5を全面的に覆っているが、ベルト5の両端のみを覆う構造でもよい。
タイヤTは、タイヤTの内面に設けられたインナーライナー7を備える。インナーライナー7は、ブチルゴムなどの空気遮蔽性に優れたゴムにより形成されている。インナーライナー7は、タイヤTの内圧を保持する機能を有する。
[トレッドパターン]
トレッド3の外周面であるトレッド面3fには、図2に示すトレッドパターンが形成されている。タイヤTは、トレッド面3fにてタイヤ周方向(図2の上下方向に相当)に延びる複数の主溝10と、主溝10により区画された複数の陸20とを備える。主溝10には、図示しないウェアインジケータが設けられている。主溝10は、4mm以上の最大溝幅、及び、5mm以上の最大溝深さを有する。溝幅は、延在方向(長さ方向)と直交する方向における、陸20の表面と溝壁との交点同士の距離として測定される。後述するラグ溝30の溝幅やサイプ40の幅についても同様である。主溝10はストレート溝であるが、これに限られず、ジグザグ溝であってもよい。
上述した主溝10、後述するラグ溝30やサイプ40などの寸法は、正規リムに装着したタイヤTに正規内圧を充填した無負荷状態にて測定される。正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば“Measuring Rim”である。正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、トラックバス用タイヤ、ライトトラック用タイヤの場合は、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。乗用車用タイヤの場合は通常180kPaとするが、Extra Load、又は、Reinforcedと記載されたタイヤの場合は220kPaとする。
本実施形態では、トレッド面3fに3つの主溝10が設けられており、その3つの主溝10によって4つの陸20が区画されている。3つの主溝10は、それらのうちタイヤ軸方向最外側に位置する一対のショルダー主溝11,13と、その一対のショルダー主溝11,13の間に位置するセンター主溝12とを含む。センター主溝12は、タイヤ赤道TC上に設けられている。4つの陸20は、ショルダー主溝11,13のタイヤ軸方向外側に隣接して形成された一対のショルダー陸21,24と、ショルダー主溝11,13のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された一対のクオーター陸22,23とを含む。
ショルダー陸21,24は、それぞれ接地端TEを含んでいる。接地端TEは、正規リムに装着したタイヤTに正規内圧を充填して平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの接地面のタイヤ軸方向の最外位置である。正規荷重とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば“最大負荷能力”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。タイヤが乗用車用の場合には、前記荷重の88%に相当する荷重である。タイヤがレーシングカート用の場合、正規荷重は392Nである。
複数の陸20の各々には、ラグ溝30(ラグ溝31~33)と、切り込み状のサイプ40(サイプ41~45)が形成されており、これらはタイヤ周方向と交差する方向に延びている。ラグ溝30は、1.5mmを超える溝幅を有し、好ましくは1.8mm以上の最大溝幅を有する。ラグ溝30は、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは4.4mm以上の最大溝深さを有する。ラグ溝30の最大溝深さは、主溝10の最大溝深さと同等かそれ以下である。サイプ40は、1.5mm以下の最大幅を有する。サイプ40は、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは3.0mm以上の最大深さを有する。サイプ40の最大深さは、ラグ溝30の最大深さと同等かそれ以下である。
本実施形態では、タイヤ赤道TCに関して非対称なトレッドパターンが形成されている。タイヤTは、車両に対する装着方向が指定された装着方向指定型タイヤである。内側領域INは、タイヤ赤道TCを基準として車両装着時に車両内側(イン側)となる領域であり、外側領域OUTは、タイヤ赤道TCを基準として車両装着時に車両外側(アウト側)となる領域である。ショルダー陸21、ショルダー主溝11及びクオーター陸22は、それぞれ内側領域INに設けられている。クオーター陸23、ショルダー主溝13及びショルダー陸24は、それぞれ外側領域OUTに設けられている。
タイヤTの外表面には、車両に対する装着方向を指定する表示が設けられている。装着方向の指定は、例えば、車両装着時に車両内側に配置されるサイドウォール2の外表面に車両内側となる旨の表示(例えば、「INSIDE」)を設けることにより、及び/又は、車両装着時に車両外側に配置されるサイドウォール2の外表面に車両外側となる旨の表示(例えば、「OUTSIDE」)を設けることにより行われる。
以降の説明では、内側領域INに設けられたショルダー陸21、ショルダー主溝11及びクオーター陸22を、それぞれ内側ショルダー陸21、内側ショルダー主溝11及び内側クオーター陸22と呼び、外側領域OUTに設けられたクオーター陸23、ショルダー主溝13及びショルダー陸24を、それぞれ外側クオーター陸23、外側ショルダー主溝13及び外側ショルダー陸24と呼ぶ。よって、一対のショルダー主溝11,13は、内側領域INに設けられた内側ショルダー主溝11と、外側領域OUTに設けられた外側ショルダー主溝13とを含む。複数の陸20は、内側ショルダー主溝11のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された内側クオーター陸22と、内側ショルダー主溝11のタイヤ軸方向外側に隣接して形成された内側ショルダー陸21とを含む。
[内側領域]
図3に示すように、内側クオーター陸22は、クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42とを含む。クオーターラグ溝32は、内側ショルダー主溝11に開口したセミクローズド構造を有する。即ち、クオーターラグ溝32は、内側ショルダー主溝11に開口する開口端32aと、陸内で閉塞する閉塞端32bとを有する。クオーターサイプ42は、センター主溝12に開口したセミクローズド構造を有する。即ち、クオーターサイプ42は、センター主溝12に開口する開口端42aと、陸内で閉塞する閉塞端42bとを有する。クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42とはタイヤ周方向に千鳥状に配置されており、これらはタイヤ周方向視においてオーバーラップしている。
内側ショルダー陸21は、内側ショルダー主溝11を介してクオーターラグ溝32と滑らかに連続するショルダーラグ溝31を含む。尚、主溝10を介して2本のサイプ40(またはラグ溝30)が滑らかに連続しているとは、一方をその長さ方向に延長した仮想線と、他方をその長さ方向に延長した仮想線とが、主溝10内において重複するか、あるいはタイヤ周方向における離間距離が10.0mm以下となるように近接する態様を指す。図3の例では、ラグ溝31,32の溝幅中央を通る仮想線L31,L32が主溝10内で重複している。ショルダーラグ溝31は、主溝10から離隔しており、内側ショルダー主溝11には連通していない。内側ショルダー陸21は、ショルダーラグ溝31によって完全には分断されておらず、タイヤ周方向に連続して延びるリブとして形成されている。
内側クオーター陸22は、クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42とを含んでいるものの、タイヤ周方向に完全には分断されておらず、したがってタイヤ周方向に連続して延びるリブとして形成されている。また、内側クオーター陸22のタイヤ赤道TC側部分には、ラグ溝30が形成されておらず、サイプ40のみが形成されている。このため、内側ショルダー陸21がリブとして形成されていることと相俟って、内側領域INの陸剛性が良好に確保される。また、ショルダーラグ溝31が内側ショルダー主溝11に連通していないことにより、制動時における内側ショルダー陸21の接地性が高められ、内側ショルダー陸21の偏摩耗を抑制できる。
内側クオーター陸22では、クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42とがタイヤ周方向に千鳥状に配置されているので、陸剛性(リブ剛性)の均一化を図って偏摩耗の抑制に寄与し得る。陸剛性の均一化の観点から、内側クオーター陸22の幅中央位置(最大幅の中央位置)におけるクオーターラグ溝32とクオーターサイプ42との間隔G22は実質的に一定であることが好ましい。具体的には、間隔G22の最小値が最大値の90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。内側ショルダー主溝11に開口したクオーターラグ溝32が内側クオーター陸22に形成されていることは、ショルダーラグ溝31と連通しない内側ショルダー主溝11での排水性を確保するのに役立つ。
クオーターラグ溝32は、閉塞端32bに向かって先細りに形成されている。このため、陸剛性の急激な変化を抑えながら、内側クオーター陸22のタイヤ赤道TC側部分の陸剛性を確保しやすい。ショルダーラグ溝31においても同様である。クオーターラグ溝32は、内側ショルダー主溝11のみに接続されており、他のラグ溝30やサイプ40には接続されていない。クオーターサイプ42は、センター主溝12のみに接続されており、他のラグ溝30やサイプ40には接続されていない。内側クオーター陸22には、クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42のみが形成されている。
クオーターラグ溝32は、タイヤ周方向に凸となるように湾曲している。クオーターラグ溝32は、図3において下向きに凸となるように湾曲している。クオーターラグ溝32の溝幅中央を通る円弧の中心は、そのクオーターラグ溝32のタイヤ周方向一方側(図3の上側)に位置している。また、クオーターサイプ42は、タイヤ周方向にクオーターラグ溝32と同じ向きに凸となるように湾曲している。かかる構成によれば、クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42との間隔のタイヤ軸方向における急激な変化を抑えることで、内側クオーター陸22の陸剛性の均一化を図ることができる。
内側ショルダー陸21は、ショルダーラグ溝31とショルダーサイプ41とを含み、それらがタイヤ周方向に沿って交互に配置されている。内側ショルダー陸21には、ショルダーラグ溝31とショルダーサイプ41のみが形成されている。ショルダーラグ溝31は、陸内で閉塞する閉塞端31aからタイヤ軸方向外側に延びて接地端TE(図2参照)を横断している。ショルダーラグ溝31は、タイヤ周方向にクオーターラグ溝32と同じ向きに凸となるように湾曲している。これにより、ショルダーラグ溝31とクオーターラグ溝32とは、それらが内側ショルダー主溝11を介して滑らかに連続することと相俟ってタイヤ周方向に適度に位置ずれし、パターンノイズを抑制するうえで都合がよい。
ショルダーサイプ41は、ショルダー主溝11に開口する開口端41aからタイヤ軸方向外側に延びて接地端TE(図2参照)を横断している。ショルダーサイプ41は、内側ショルダー主溝11を介してクオーターサイプ42と滑らかに連続する。図3の例では、サイプ41,42の幅中央を通る仮想線L41,L42が主溝10内で重複している。ショルダーサイプ41は、タイヤ周方向にクオーターサイプ42と同じ向きに凸となるように湾曲している。これにより、ショルダーサイプ41とクオーターサイプ42とは、それらが内側ショルダー主溝11を介して滑らかに連続することと相俟ってタイヤ周方向に適度に位置ずれし、パターンノイズを抑制するうえで都合がよい。
内側ショルダー陸21の偏摩耗を抑制する観点から、内側ショルダー陸21の幅中央位置(最大幅の中央位置)におけるショルダーラグ溝31とショルダーサイプ41との間隔G21は実質的に一定であることが好ましい。具体的には、間隔G21の最小値が最大値の85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。内側ショルダー陸21の幅中央位置は、内側ショルダー陸21の表面とショルダー主溝11の溝壁とがなす溝縁から接地端TEまでのタイヤ軸方向距離の半分となる位置として求められる。
[外側領域のクオーター陸]
複数の陸20は、外側ショルダー主溝13のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された外側クオーター陸23を含む。内側クオーター陸22と外側クオーター陸23とは1本のセンター主溝12を挟んでタイヤ軸方向に隣接している。外側クオーター陸23は、内側クオーター陸22に含まれるクオーターサイプ42とセンター主溝12を介して滑らかに連続するクオーターサイプ43を含む。かかる構成によれば、クオーターサイプ42とクオーターサイプ43とがタイヤ周方向に適度に位置ずれするため、パターンノイズを抑制するうえで都合がよい。図3の例では、サイプ42,43の幅中央を通る仮想線L42,L43が主溝10内で近接している。
クオーターサイプ43は、センター主溝12に開口したセミクローズド構造を有する。クオーターサイプ43は、タイヤ周方向にクオーターサイプ42と同じ向きに凸となるように湾曲している。外側クオーター陸23では、タイヤ周方向に沿ってクオーターサイプ43とクオーターサイプ44とが千鳥状に配置されており、それらがタイヤ周方向視においてオーバーラップしている。クオーターサイプ44は、外側ショルダー主溝13に開口したセミクローズド構造を有する。即ち、クオーターサイプ44は、外側ショルダー主溝13に開口する開口端44aと、陸内で閉塞する閉塞端44bとを有する(図4参照)。
図4~7を参照して、外側領域OUTに設けられた外側クオーター陸23の構成について詳しく説明する。但し、本開示のタイヤにおける外側クオーター陸23の構成は、これに限定されるものではない。説明の便宜上、「外側ショルダー主溝13」を「ショルダー主溝13」とし、「クオーターサイプ43」を「サイプ43」とするなど、各部位を簡略化して呼ぶことがある。
図4,5に示すように、クオーター陸23は、サイプ44と、そのサイプ44よりも浅く形成された浅溝50とを含む。サイプ44は、ショルダー主溝13に開口したセミクローズド構造を有する。浅溝50は、トレッド平面視においてサイプ44を包囲するように延在しつつ、開口端44aが開口する主溝10に接続されている。このようなサイプ44とそれを包囲する浅溝50とが、タイヤ周方向に繰り返し形成されている。浅溝50は、クオーター陸23を区画する一対の主溝12,13のうち主溝13のみに接続され、主溝12には接続されていない。浅溝50はラグ溝30やサイプ40にも接続されていない。
サイプ44は、主溝13から水を取り込むことによって除水作用を発揮し得るが、上記の如き浅溝50を設けることにより、そのサイプ44に沿って流れる周囲の水を更に取り込んで除水作用を高めることができ、延いては排水性や湿潤路面での操縦安定性を向上できる。また、浅溝50を設けることによりサイプ44のエッジ周辺の柔軟性が増し、路面にフィットしやすくなる(接地性が向上する)ため、湿潤路面での操縦安定性を確保するうえで都合がよく、湿潤路面での制動性能の向上に寄与し得る。但し、サイプ44のエッジ周辺が動き過ぎると、却って接地性が悪化する恐れがあるため、浅溝50はサイプ44よりも浅く形成されている。
図6に示すように、本実施形態ではサイプ44の深さが延在方向において変化している。サイプ44は、開口端44aから閉塞端44bに向けて相対的に大きい深さD44aで延びた基幹部と、閉塞端44bから開口端44aに向けて相対的に小さい深さD44bで延びた先端部と、それらを繋ぐように深さを次第に変化させた中間部とを有する。一例において、深さD44aは6.5mm、深さD44bは3mmである。本実施形態において、浅溝50の溝深さD50(図7参照)は、サイプ44の最小深さD44bよりも小さく設定されているが、サイプ44の最大深さD44aよりも小さく設定されていればよい。
図7は、図4のX-X矢視断面図である。サイプ44による除水作用を高める観点から、サイプ44は1.0mm以上の幅W44を有することが好ましい。サイプ44は、浅溝50で包囲されていない他のサイプ40、例えば同じクオーター陸23に形成されたサイプ43よりも幅広に形成されていることが好ましい。一例において、サイプ43の幅が0.6mmであるのに対して、サイプ44の幅W44は1.5mmである。サイプ44は、深さ方向に沿って形状が変化しない二次元サイプとして形成されているが、これに限られず、深さ方向に沿って形状が変化する部分を含んだ三次元サイプとしてもよい。
本実施形態では、浅溝50が一定の溝深さD50で延びている。浅溝50による改善効果を確保するうえで、溝深さD50は0.8mm以上が好ましい。接地性の悪化を抑える観点から、溝深さD50は1.5mm以下が好ましい。浅溝50の溝幅W50は、例えば0.5~1.0mmである。溝幅W50はサイプ44の幅W44よりも小さいが、これに限られない。陸20の表面と浅溝50の溝壁とがなす溝縁50Eの輪郭は円弧で形成されており、これによってエッジ圧を下げることができる。この円弧の曲率半径Rは、例えば0.3mm以上である。一例において、溝深さD50は1.0mm、溝幅W50は0.8mm、曲率半径Rは0.3mmである。
浅溝50による改善効果を確保するうえで、サイプ44の幅方向におけるサイプ44と浅溝50との間隔G1は、好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは1.0mm以下である。また、接地性の悪化を抑える観点から、間隔G1は0.8mm以上が好ましい。一例において、間隔G1は1.0mmである。本実施形態では、サイプ44とショルダー主溝13とがなす鋭角部分を除いて、間隔G1は実質的に一定である。鋭角部分では、後述する棚23s(または面取り)に干渉しないよう、浅溝50がサイプ44から遠ざかっている。サイプ44の幅中央線に沿って測定される、サイプ44の延長方向における閉塞端44bと浅溝50との間隔G2(図4参照)は、例えば5.0~10.0mmである。
上記の如きサイプ44とそれを包囲する浅溝50は、少なくとも1つの陸20に含まれていればよい。既述の通り、本実施形態では、それらがクオーター陸23に含まれている例を示す。タイヤ軸方向外側に向けて開口するサイプ44及び浅溝50がクオーター陸23に含まれているので、ショルダー主溝13における排水性を向上できる。但し、これに限られず、このようなサイプ44及び浅溝50は、センター主溝12に接続されていてもよい。また、サイプ44及び浅溝50は、ショルダー陸21,24や後述するセンター陸25に含まれていてもよい。
本実施形態では、サイプ44及び浅溝50を含む陸20(即ち、クオーター陸23)が、タイヤ周方向に連続して延びるリブとして設けられている。本実施形態において、クオーター陸23はラグ溝30を含んでいない。クオーター陸23がリブであることにより、サイプ44及び浅溝50を含みながらも陸剛性の低下が抑えられるため、操縦安定性を確保するうえで都合がよい。但し、これに限られず、このようなサイプ44及び浅溝50を含む陸は、複数のブロックがタイヤ周方向に配列されたブロック列であってもよい。
本実施形態では、サイプ44及び浅溝50が外側領域OUTに設けられている例を示す。ラグ溝30ではなくサイプ44及び浅溝50によって排水性の向上を図ることにより、外側領域OUTにおける陸剛性の低下が抑えられるため、操縦安定性を確保するうえで都合がよい。また、サイプ44及び浅溝50が主溝10に開口することにより、タイヤ周方向に沿った接地長が長くなって接地圧が下がるため、外側領域OUTの接地性を確保しやすくなる。
図4,5のように、浅溝50は、サイプ44からタイヤ周方向一方側に離隔した第1溝部51と、サイプ44からタイヤ周方向他方側に離隔した第2溝部52と、閉塞端44bからサイプ44の延長方向に離隔した第3溝部53とを有する。第1溝部51及び第2溝部52は、それぞれ主溝13に開口している。主溝13の溝壁と陸20の表面とがなす溝縁には棚13sが形成されているため、主溝13からサイプ44及び浅溝50へ水を取り込みやすい。棚13sの幅は、例えば0.3~1.0mmである。棚13sの深さは、例えば0.5~1.5mmである。棚13sの深さは、浅溝50の溝深さD50と同じかそれ以上であることが好ましい。
浅溝50は、第1溝部51と第3溝部53との間、及び、第2溝部52と第3溝部53との間に設けられた隔壁54を有する。浅溝50は、タイヤTの加硫成形に用いる金型のタイヤ成形面に設けられた突条によって形成され、その突条は、隔壁54に対応する位置で分断された形状を有する。突条を含むタイヤ成形面は、アルミニウム材を鋳造して作製されることが一般的である。突条を分断してその長さを短くしていることにより、鋳造時の収縮に伴う突条の波打ちが抑制され、延いては浅溝50を適切に形成できる。また、突条の分断箇所は、タイヤTを加硫成形する際にエアが通行可能なバイパスとして機能するので、加硫成形不良を低減するのに役立つ。
浅溝50は、隔壁54を有することにより、トレッド平面視において屈曲する溝部を有していない。第1溝部51、第2溝部52及び第3溝部53は、それぞれトレッド平面視において屈曲しておらず、単純な直線状または曲線状に形成されている。このため、浅溝50内のエアの滞留を抑制して、気柱管共鳴音の低減に寄与することができる。隔壁54の厚みT54は、例えば0.5~1.0mmである。一例において、厚みT54は0.8mmである。隔壁54は、第3溝部53の延在方向に延びているが、これに限られず、例えば第1溝部51や第2溝部52の延在方向に延びていてもよい。浅溝50は隔壁54を有しない構造でもよい。
本実施形態において、サイプ44は、閉塞端44bから開口端44aに向かってタイヤ周方向に対する角度を漸増させながら湾曲して延びている。かかる構成によれば、主溝13に対してサイプ44を適度な角度で接続しつつ、タイヤTの転動時にサイプ44のエッジが一斉に接地することを防いでパターンノイズを低減できる。サイプ44は、トレッド平面視において曲率半径が異なる複数の円弧を連ねた形状を有する。閉塞端44bを含むサイプ44の先端部は相対的に曲率半径の小さい円弧で構成され、開口端44aを含むサイプ44の基幹部は相対的に曲率半径の大きい円弧で構成されている。但し、これに限られず、サイプ44は単一の円弧で構成されていてもよい。
第1溝部51及び第2溝部52は、それぞれサイプ44に沿って湾曲している。サイプ44の湾曲の外周側に位置する第1溝部51は、サイプ44の閉塞端44bを越えてタイヤ周方向に延びており、第3溝部53はタイヤ軸方向に対して傾斜して延びている。サイプ44は、湾曲した形状に限られず、例えば直線的に延びた形状であってもよい。第1溝部51及び第2溝部52は、トレッド平面視においてサイプ44に倣った形状を有することが好ましいが、これに限られない。但し、サイプ44に対して浅溝50が付かず離れずの位置関係となるよう、上述した間隔G1が0.8~1.5mmの範囲内であることが望ましい。
本実施形態では、サイプ44とショルダー主溝13とがなす鋭角部分に棚23sが設けられている。これにより、剛性の低い鋭角部分が優先的に摩耗する形態のヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。棚23sの深さは、例えば1.5~3.0mmである。棚23sの深さは、棚13sの深さ以上に設定される。棚23sは、トレッド平面視で三角形状に形成されている。鋭角部分には、棚23sの代わりに、図示しない面取りが設けられていてもよい。面取りは、例えば、鋭角部分の先端に向かって深さを漸増させた傾斜面やテーパ面によって形成される。
サイプ43は、タイヤ軸方向に対して傾斜して延在している。サイプ43は、サイプ44の基幹部や第3溝部53と同じ向きに傾斜している。また、クオーター陸23には、ディンプル60が設けられている。ディンプル60は、サイプ43と浅溝50(の第1溝部51)との間に配置されている。ディンプル60が設けられていることにより、クオーター陸23内の剛性差を軽減して剛性バランスを良化できる。
ディンプル60の深さは、サイプ44の先端部の深さ(前述した深さD44b)と同等であることが好ましく、より具体的には、それらのうち相対的に大きい深さに対する相対的に小さい深さの比率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。かかる構成によれば、サイプ44の先端部とディンプル60とが略同じ時期に摩耗で消滅するため、見かけの偏摩耗状態が目立たなくなる。ディンプル60は、トレッド平面視において、サイプ44の延長方向に沿って先細りとなる形状を有する。これによりディンプル60の溝容積を減らし、ディンプル60に起因したパターンノイズを抑制できる。
[外側領域のショルダー陸]
図2及び8を参照して、外側領域OUTに設けられた外側ショルダー陸24の構成や、内側ショルダー陸21と外側ショルダー陸24との相対関係について詳しく説明する。但し、本開示のタイヤにおける外側ショルダー陸24の構成は、これに限定されるものではない。説明の便宜上、「外側ショルダー陸24」を「ショルダー陸24」とし、「ショルダーラグ溝33」を「ラグ溝33」とするなど、各部位を簡略化して呼ぶことがある。
図2のように、ショルダー陸24は、ラグ溝33とサイプ45とを含む。ラグ溝33は、ショルダー主溝13に開口する開口端33a(図8参照)からタイヤ軸方向外側に延びて接地端TEを横断している。ラグ溝33は、タイヤ周方向に凸となるように湾曲している。ラグ溝33は、図2において上向きに凸となるように湾曲している。ラグ溝33の溝幅中央を通る円弧の中心は、そのラグ溝33のタイヤ周方向他方側(図2の下側)に位置する。ラグ溝33は、主溝10(具体的にはショルダー主溝13)を介してサイプ44と滑らかに連続している。サイプ45は、ショルダー主溝13から離隔し、ラグ溝33に接続されている。ラグ溝33とサイプ45とはタイヤ周方向に交互に配置されている。サイプ45は、タイヤ周方向にラグ溝33とは逆向きに凸となるように湾曲している。
図8に示すように、本実施形態では、少なくとも接地端TEのタイヤ軸方向内側の領域SAにおいて、サイプ41と交差するタイヤ軸方向に平行な仮想ラインVLがサイプ45と交差することがないよう、サイプ41とサイプ45とがタイヤ周方向に位置ずれしている。図8には、2本の仮想ラインVLを示している。そのうち一方は、サイプ41の開口端41aを通っており、もう一方はサイプ41と接地端TEとの交点を通っている。領域SA内でサイプ41と交差する仮想ラインVLであれば、何処に設定してもサイプ45と交差することはない。別の言い方をすると、領域SA内のサイプ41及びサイプ45はタイヤ軸方向視において互いにオーバーラップしない。
本実施形態では、ショルダー陸21に含まれるサイプ41とショルダー陸24に含まれるサイプ45とが、タイヤ周方向の同じ向きに凸となるように湾曲しているものの、それらは上記のようにタイヤ周方向に位置ずれしている。これにより、サイプ41,45に起因したパターンノイズを抑制することができる。また、本実施形態では、後述するように外側領域OUTのショルダー陸24に含まれるラグ溝33が湾曲しており、サイプ45はタイヤ周方向にラグ溝33とは逆向きに凸となるように湾曲している。このため、同じ向きに湾曲している場合に比べてピッチノイズの周波数が分散しやすく、転舵時のピッチノイズが抑えられる。
サイプ41の曲率半径SR1は、サイプ45の曲率半径SR2とは異なることが好ましい。これにより、一方のサイプ(本実施形態ではサイプ41)では曲がり具合が相対的に小さく直線形状に近付き、他方のサイプ(本実施形態ではサイプ45)では曲がり具合が相対的に大きくなる。タイヤ周方向の位置ずれに加えて、このように曲率を異ならせることにより、サイプ41,45に起因したパターンノイズを効果的に抑制できる。曲率半径SR1と曲率半径SR2との差は、例えば60mm以上である。曲率半径SR1,SR2は、それぞれ領域SA内においてサイプ41,45の幅中央を通る円弧の曲率半径として求められる。
本実施形態では、車両装着時に車両内側に位置するサイプ41の曲率半径SR1よりも、車両装着時に車両外側に位置するサイプ45の曲率半径SR2が小さい(SR1>SR2)。これにより、外側領域OUTに設けられたサイプ45では、そのタイヤ軸方向外側の部分においてタイヤ周方向に対する角度が大きくなるため、偏摩耗を抑制できる。
本実施形態において、車両装着時に車両内側に位置するサイプ41は主溝10(即ち、ショルダー主溝11)に接続され、車両装着時に車両外側に位置するサイプ45は主溝10から離隔している。これにより、内側領域INのショルダー陸21では、サイプ41がショルダー主溝11から水を取り込むことによっても除水作用を発揮し得るため、排水性が高められる。ラグ溝31は主溝10に連通していないため、かかるサイプ41の構造は一層有益である。また、外側領域OUTのショルダー陸24では、サイプ45による陸剛性の低下が抑えられるため、旋回時の操縦安定性を確保するうえで都合がよい。
サイプ41及びサイプ45は、それぞれ接地端TEを横断して延び、接地端TEよりもタイヤ軸方向外側に形成されたディンプル70に連接されている。これにより、隣り合うラグ溝31間の領域、及び、隣り合うラグ溝33間の領域の柔軟性が増し、ショルダー陸21,24における接地性を向上できる。ディンプル70は、例えば1.0mm以下の最大深さを有する。一例において、ディンプル70の深さは、タイヤ軸方向外側端で0.5mmであり、そこから接地端TEに向かって漸増し、サイプとの接続箇所で0.8mmである。ディンプル70は、タイヤ軸方向における両端部で相対的に幅狭となり、中央部で相対的に幅広となる三日月形状に形成されているが、これに限られない。
本実施形態では、サイプ41とディンプル70とがなす第1の連接体71と交差するタイヤ軸方向に平行な仮想ラインVL´が、サイプ45とディンプル70とがなす第2の連接体72と交差することがないよう、第1の連接体71と第2の連接体72とがタイヤ周方向に位置ずれしている。これにより、サイプ41,45に起因したパターンノイズを更に効果的に抑制できる。第1の連接体71と交差する仮想ラインVL´であれば、何処に設定しても第2の連接体72と交差することはない。別の言い方をすると、第1の連接体71及び第2の連接体72はタイヤ軸方向視において互いにオーバーラップしない。
[トレッドパターンの変形例]
一対のショルダー主溝11,13の間に位置するセンター主溝12は少なくとも1本あればよく、したがって2本以上でもよい。図9は、トレッド面3fに4つの主溝が設けられ、それにより5つの陸20が区画された例である。4つの主溝10は、一対のショルダー主溝11,13と、それらの間に位置する一対のセンター主溝12,14とを含む。5つの陸20は、一対のショルダー陸21,24と、一対のクオーター陸22,23と、一対のセンター主溝12,14の間に形成されたセンター陸25とを含む。センター陸25は、タイヤ赤道TC上に設けられている。
センター陸25は、センターラグ溝34とセンターラグ溝35とを含む。センターラグ溝34は、センター主溝12に開口したセミクローズド構造を有する。センターラグ溝35、センター主溝14に開口したセミクローズド構造を有する。センターラグ溝34とセンターラグ溝35とはタイヤ周方向に千鳥状に配置されている。センターラグ溝34は、センター主溝12を介してクオーターラグ溝32と滑らかに連続している。これにより、クオーターラグ溝32とセンターラグ溝34とがタイヤ周方向に適度に位置ずれするため、パターンノイズを抑制するうえで都合がよい。
本実施形態のタイヤTは、内側領域INに設けられる内側クオーター陸22及び内側ショルダー陸21を上記の如く構成したこと以外は、通常の空気入りタイヤと同等であり、従来公知の材料、形状、構造などが何れも採用できる。内側クオーター陸22及び内側ショルダー陸21以外の陸(即ち、外側クオーター陸23、外側ショルダー陸24及びセンター陸25)の構造は特に制約されず、種々の構造を採用可能である。
[1]
上記の通り、本実施形態のタイヤTは、車両に対する装着方向が指定されており、トレッド面3fにてタイヤ周方向に延びる複数の主溝10と、主溝10により区画された複数の陸20とを備える。複数の主溝10は、それらのうちタイヤ軸方向最外側に位置する一対のショルダー主溝11,13と、一対のショルダー主溝11,13の間に位置する少なくとも1本のセンター主溝12とを含む。一対のショルダー主溝11,13は、タイヤ赤道TCを基準として車両装着時に車両内側となる内側領域INに設けられた内側ショルダー主溝11と、タイヤ赤道TCを基準として車両装着時に車両外側となる外側領域OUTに設けられた外側ショルダー主溝13とを含む。複数の陸20は、内側ショルダー主溝11のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された内側クオーター陸22と、内側ショルダー主溝11のタイヤ軸方向外側に隣接して形成された内側ショルダー陸21とを含む。内側クオーター陸22は、内側ショルダー主溝11に開口したセミクローズド構造を有するクオーターラグ溝32と、センター主溝12に開口したセミクローズド構造を有するクオーターサイプ42とを含み、そのクオーターラグ溝32とクオーターサイプ42とがタイヤ周方向に千鳥状に配置される。内側ショルダー陸21は、内側ショルダー主溝11を介してクオーターラグ溝32と滑らかに連続し且つ内側ショルダー主溝11に連通していないショルダーラグ溝31を含む。これにより、トレッド3の内側領域INの陸剛性を良好に確保できる。また、制動時における内側ショルダー陸21の接地性が高められ、内側ショルダー陸21の偏摩耗を抑制できる。
[2]
上記[1]のタイヤTでは、内側クオーター陸22において陸剛性の均一化を図る観点から、内側クオーター陸22の幅中央位置におけるクオーターラグ溝32とクオーターサイプ42との間隔G22の最小値が最大値の90%以上であることが好ましい。
[3]
上記[1]または[2]のタイヤTにおいて、クオーターラグ溝32は、閉塞端32bに向かって先細りに形成されていることが好ましい。これにより、陸剛性の急激な変化を抑えながら、内側クオーター陸22のタイヤ赤道TC側部分の陸剛性を確保しやすい。
[4]
上記[1]~[3]いずれか1つのタイヤTにおいて、クオーターラグ溝32は、タイヤ周方向に凸となるように湾曲していることが好ましい。
[5]
上記[4]のタイヤTにおいて、クオーターサイプ42は、タイヤ周方向にクオーターラグ溝32と同じ向きに凸となるように湾曲していることが好ましい。かかる構成によれば、クオーターラグ溝32とクオーターサイプ42との間隔のタイヤ軸方向における急激な変化を抑えることで、内側クオーター陸22の陸剛性の均一化を図ることができる。
[6]
上記[1]~[5]いずれか1つのタイヤTにおいて、複数の陸20は、外側ショルダー主溝13のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された外側クオーター陸23を含み、内側クオーター陸22と外側クオーター陸23とは1本のセンター主溝12を挟んでタイヤ軸方向に隣接しており、外側クオーター陸23は、内側クオーター陸22に含まれるクオーターサイプ42とセンター主溝12を介して滑らかに連続するクオーターサイプ43を含むことが好ましい。これにより、クオーターサイプ42とクオーターサイプ43とがタイヤ周方向に適度に位置ずれするため、パターンノイズを抑制するうえで都合がよい。
本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、この実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、更に、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
本開示のタイヤは、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものではない。本開示のタイヤは、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。また、上述した実施形態で採用されている各構成を、任意に組み合わせて採用することが可能である。
3f トレッド面
10 主溝
11 ショルダー主溝(内側ショルダー主溝)
12 センター主溝
13 ショルダー主溝(外側ショルダー主溝)
20 陸
21 ショルダー陸(内側ショルダー陸)
22 クオーター陸(内側クオーター陸)
23 クオーター陸(外側クオーター陸)
24 ショルダー陸(外側ショルダー陸)
30 ラグ溝
31 ショルダーラグ溝
32 クオーターラグ溝
40 サイプ
41 ショルダーサイプ
42 クオーターサイプ

Claims (6)

  1. 車両に対する装着方向が指定されており、
    トレッド面にてタイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記主溝により区画された複数の陸とを備え、
    複数の前記主溝は、それらのうちタイヤ軸方向最外側に位置する一対のショルダー主溝と、前記一対のショルダー主溝の間に位置する少なくとも1本のセンター主溝とを含み、
    前記一対のショルダー主溝は、タイヤ赤道を基準として車両装着時に車両内側となる内側領域に設けられた内側ショルダー主溝と、タイヤ赤道を基準として車両装着時に車両外側となる外側領域に設けられた外側ショルダー主溝とを含み、
    複数の前記陸は、前記内側ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された内側クオーター陸と、前記内側ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側に隣接して形成された内側ショルダー陸とを含み、
    前記内側クオーター陸は、前記内側ショルダー主溝に開口したセミクローズド構造を有するクオーターラグ溝と、前記センター主溝に開口したセミクローズド構造を有するクオーターサイプとを含み、前記クオーターラグ溝と前記クオーターサイプとがタイヤ周方向に千鳥状に配置され、
    前記内側ショルダー陸は、前記内側ショルダー主溝を介して前記クオーターラグ溝と滑らかに連続し且つ前記内側ショルダー主溝に連通していないショルダーラグ溝を含むタイヤ。
  2. 前記内側クオーター陸の幅中央位置における前記クオーターラグ溝と前記クオーターサイプとの間隔の最小値が最大値の90%以上である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記クオーターラグ溝は、閉塞端に向かって先細りに形成されている請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記クオーターラグ溝は、タイヤ周方向に凸となるように湾曲している請求項1に記載のタイヤ。
  5. 前記クオーターサイプは、タイヤ周方向に前記クオーターラグ溝と同じ向きに凸となるように湾曲している請求項4に記載のタイヤ。
  6. 複数の前記陸は、前記外側ショルダー主溝のタイヤ軸方向内側に隣接して形成された外側クオーター陸を含み、
    前記内側クオーター陸と前記外側クオーター陸とは1本の前記センター主溝を挟んでタイヤ軸方向に隣接しており、
    前記外側クオーター陸は、前記内側クオーター陸に含まれる前記クオーターサイプと前記センター主溝を介して滑らかに連続するクオーターサイプを含む請求項5に記載のタイヤ。
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