JP2024051654A - エタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、並びに、エタノールの変換装置 - Google Patents

エタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、並びに、エタノールの変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるエタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置を提供する。【解決手段】炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、を含む、エタノールの変換方法。【選択図】図1

Description

本発明は、エタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置に関する。
低級オレフィンや芳香族化合物は化学産業における重要な基幹原料であり、特に、プロピレンは需要増加が見込まれるため、種々の製造方法の開発・改良が盛んになされてきた。その中でも、一般的なプロピレンの製造方法としては、ゼオライトを活性種とした触媒にナフサやオレフィン類を接触させる方法が知られている。
オレフィン類以外にも、近年の環境保全意識の高まりから、バイオマス由来のアルコール類を原料とした低級オレフィンや芳香族化合物などの化成品製造が注目を集めている。特に、エタノールはバイオマス原料からの製造方法が確立された化合物であることから、効率的なエタノールの変換方法の早期開発が期待されている。
例えば特許文献1ではオレフィン又はアルコールの転化方法が開示されている。特許文献2では、触媒として、ペンタシル型ゼオライトが開示されている。特許文献3では、触媒として、酸化亜鉛セリウム担持ゼオライトが公開されている。例えば、特許文献4では、含酸素化合物(Oxygenate)と炭素数4以上のオレフィンとを原料とした低級オレフィンの製造方法が示されている。特許文献5では低級アルコールとナフサとを原料とした低級オレフィンの製造方法が示されている。
国際公開第2014/025021号 国際公開第2015/029355号 中国特許出願公開第110560155号 米国出願公開第2014/0018593号 中国特許出願公開第110871107号
エタノールを変換し、プロピレン、芳香族化合物等の炭化水素を得ようとすると、エタノールの脱水反応によりエチレンを生成する反応過程を経ると考えられる。エタノールからオレフィンの変換では、上記のようにエタノールの脱水反応が起きるが、当該脱水反応は吸熱反応であるため、反応器の温度が低下することで、反応器内の温度調整が難しく、場合よっては、反応器に多くの熱をかける必要がある。また、反応温度の低下は目的化合物である軽質オレフィンの収率低下を引き起こす。一方、エチレンが生成した後、プロピレン又は芳香族化合物へと変換する反応では、発熱反応となり、場合によっては反応器内の温度が高くなり、コークなどの副生成物の生成量が多くなることで目的化合物の収率が低下する。
特許文献1~3では、それぞれ各原料をゼオライト触媒で目的のオレフィンへと変換する技術が公開されているが、これらの技術は吸熱及び発熱が大きくなるため、温度制御が難しくなる。
特許文献4及び5では、アルコールなどの含酸素化合物を原料とする発熱反応を利用した熱中和技術が開示されているが、吸熱反応を誘引するエタノールを原料とする反応では、温度制御が難しくなる。
したがって、特に温度変動の起こりやすいオレフィン変換工程における反応器内温度の制御が容易な方法が求められる。
そこで、エタノールを脱水反応させる脱水工程を設けて、エタノールを脱水反応させエチレンを含有する脱水反応ガスをオレフィン変換工程で使用し、オレフィン変換工程における反応器内温度の制御を容易にすることが考えられる。しかしながら、脱水工程では、エタノールの脱水反応により吸熱があるため、脱水工程の温度制御が難しくなるという課題を有していることを見出した。
そこで、本発明は、脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるエタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、エタノールから炭素数3以上のオレフィンを製造するに際し、エタノールを脱水反応させる脱水工程と、オレフィン変換工程とを有し、当該脱水工程において、脱水原料が炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物Xを含むことで、反応器内温度の制御が容易であることを見出した。
即ち、本発明は以下の実施形態を包含する。
<1>
炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
を含む、エタノールの変換方法。
<2>
前記反応ガスを、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する分離工程を含み、
前記留分Bの少なくとも一部を、前記組成物Xとして、前記脱水工程における前記反応器内へと供給する、<1>に記載のエタノールの変換方法。
<3>
前記脱水工程における、前記組成物Xと、エタノールの質量比率(組成物X/エタノール)が、0.10~4.0である、<1>又は<2>に記載のエタノールの変換方法。
<4>
前記組成物X中の炭素数4~6の炭化水素の含有量が50質量%以上である、<1>~<3>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<5>
前記組成物Xの前記反応器内への供給温度が200℃~530℃である、<1>~<4>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<6>
エタノール、及び、前記エタノール100質量部に対して100質量部以上の水を含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
を含む、エタノールの変換方法。
<7>
前記混合原料におけるエチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比率が0.40~3.0である、<1>~<6>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<8>
前記混合原料がジエチルエーテルを含有する、<1>~<7>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<9>
前記混合原料中のジエチルエーテルの含有量が10質量%以下である、<1>~<8>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<10>
前記脱水反応ガス中のジエチルエーテルの含有量が10質量%以下である、<1>~<9>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<11>
前記混合原料が炭素数4~6の炭化水素を含有する、<1>~<10>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<12>
前記混合原料における炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比が3.5以下である、<1>~<11>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<13>
前記脱水工程における反応器が断熱型反応器である、<1>~<12>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<14>
前記オレフィン変換工程における反応器が断熱型反応器である、<1>~<13>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<15>
前記オレフィン変換工程における前記断熱型反応器が固定床一段断熱型反応器である、<14>に記載のエタノールの変換方法。
<16>
前記留分Aを、炭素数1の炭化水素を主に含む留分Cと炭素数2~3の炭化水素を主に含む留分Dとに分離する脱C1工程と、
前記留分Dを、炭素数2の炭化水素を主に含む留分Eと炭素数3の炭化水素を主に含む留分Fに分離する脱C2工程と、
前記留分Eを、エチレンを主に含む留分Gとエタンを主に含む留分Hに分離するエチレン精製工程と、
前記留分Fを、プロピレンを主に含む留分Iとプロパンを主に含む留分Jに分離するプロピレン精製工程と、
を含む、<1>~<15>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<17>
前記脱水触媒が固体酸触媒である、<1>~<16>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<18>
前記固体酸触媒がゼオライト含有触媒である、<17>に記載のエタノールの変換方法。
<19>
前記ゼオライト含有触媒中のゼオライトのシリカ/アルミナのモル比が20~2000である、<18>に記載のエタノールの変換方法。
<20>
前記ゼオライト含有触媒がリン及び周期表第11族に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、<18>又は<19>に記載のエタノールの変換方法。
<21>
前記オレフィン変換触媒が固体酸触媒である、<1>~<20>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<22>
前記固体酸触媒がゼオライト含有触媒である、<21>に記載のエタノールの変換方法。
<23>
前記ゼオライト含有触媒中のゼオライトのシリカ/アルミナのモル比が20~2000である、<22>に記載のエタノールの変換方法。
<24>
前記ゼオライト含有触媒がリン及び周期表第11族に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、<22>又は<23>に記載のエタノールの変換方法。
<25>
前記オレフィン変換工程後、前記反応ガスを冷却し、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離する冷却工程
を含む、<1>~<24>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<26>
前記オレフィン変換工程後、前記反応ガスを冷却し、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離する冷却工程と、
前記留分Kを、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する分離工程と
を含む、<1>~<25>のいずれかに記載のエタノールの変換方法。
<27>
前記オレフィン変換工程における反応器が、断熱型反応器である、<26>に記載のエタノールの変換方法。
<28>
前記脱水工程における反応器が、断熱型反応器である、<27>に記載のエタノールの変換方法。
<29>
炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
を含む、炭化水素の製造方法。
<30>
エタノール、及び、前記エタノール100質量部に対して100質量部以上の水を含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
を含む、炭化水素の製造方法。
<31>
<1>~<28>のいずれかに記載のエタノールの変換方法により得られた反応ガスからプロピレンを主に含む留分を分離するプロピレン分離工程、
を含む、プロピレンの製造方法。
<32>
<1>~<28>のいずれかに記載のエタノールの変換方法により得られた反応ガスから芳香族化合物を主に含む留分を分離する芳香族化合物分離工程、
を含む、芳香族化合物の製造方法。
<33>
エタノールを含有する脱水原料を脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る反応器と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料をオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得る反応器と、
炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物Xを前記脱水反応ガスを得る反応器に導入する、組成物X供給ラインと、
を含む、エタノールの変換装置。
<34>
前記反応ガスを、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する分離装置を更に含み、
前記留分Bの少なくとも一部を、前記組成物Xとして、前記組成物X供給ラインに供給する、<33>に記載のエタノールの変換装置。
<35>
前記前記反応ガスを冷却し、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離する冷却器
を含む、<33>又は<34>に記載のエタノールの変換装置。
<36>
前記分離装置が、前記冷却器により分離された前記留分Kを分離する、<35>に記載のエタノールの変換装置。
<37>
前記脱水反応ガスを得る反応器が、断熱型反応器である、<33>~<36>のいずれかに記載のエタノールの変換装置。
<38>
前記炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得る反応器が、断熱型反応器である、<33>~<37>のいずれかに記載のエタノールの変換装置。
本発明によれば、脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるエタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置を提供することができる。
図1は、エタノールの変換装置の一実施形態の概略図を示す。 図2は、固定床一段断熱型反応器の一実施形態の概略図を示す。 図3は、単管式固定床等温型反応器の一実施形態の概略図を示す。 図4は、エタノールの変換装置の一実施形態の概略図を示す。 図5は、エタノールの変換装置の一実施形態の概略図を示す。 図6は、エタノールの変換装置の一実施形態の概略図を示す。
本発明について、以下具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態(本実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。
[エタノールの変換方法]
本実施形態に係るエタノールの変換方法は、
炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
を含む。
以上の本実施形態によれば、脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるエタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置を提供することができる。つまり、エタノールを含有する脱水原料を脱水工程により脱水反応させエチレンとし、当該エチレンを含む原料をオレフィン変換工程に用いることで、混合原料中のエチレン/エタノールの比率を調整してオレフィン変換工程を実施することができ、オレフィン変換工程における反応の発熱と吸熱のバランスを調整することができ、温度の変動を抑制し、反応器内温度の制御が容易であり、エタノールを収率よく目的化合物へと変換することができる。加えて、脱水工程で用いる脱水原料が、炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物Xを含むことで、脱水工程における温度変化を抑制し、反応器内温度の制御を容易とする。炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物Xは、脱水反応を行う条件では、反応しない、又はほとんど反応しない。したがって、組成物Xは、脱水工程において反応に関与しないイナートな組成物として機能する。脱水工程においてイナートな組成物が含まれることで、吸熱反応であるエタノールの脱水反応によっても反応器内での温度が変動しにくくなり、脱水工程における反応器内温度の制御を容易とする。更に、炭素数4以上の炭化水素は、脱水反応ガスの一部として、オレフィン変換工程に送られることで、当該工程においては混合原料として、反応して目的の化合物へと変換される。
別の形態として、本実施形態に係るエタノールの変換方法は、
エタノール、及び、前記エタノール100質量部に対して100質量部以上の水を含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
を含む。
以上の実施形態によれば、脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるエタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置を提供することができる。つまり、エタノールを含有する脱水原料を脱水工程により脱水反応させエチレンとし、当該エチレンを含む原料をオレフィン変換工程に用いることで、混合原料中のエチレン/エタノールの比率を調整してオレフィン変換工程を実施することができ、オレフィン変換工程における反応の発熱と吸熱のバランスを調整することができ、温度の変動を抑制し、反応器内温度の制御が容易であり、エタノールを収率よく目的化合物へと変換することができる。加えて、脱水工程で用いる脱水原料が、水を含むことで、脱水工程における温度変化を抑制し、反応器内温度の制御を容易とする。水は、脱水反応を行う条件では、反応しない、又はほとんど反応しない。したがって、水は、脱水工程において反応に関与しないイナートな成分として機能する。脱水工程においてイナートな成分が含まれることで、吸熱反応であるエタノールの脱水反応によっても反応器内での温度が変動しにくくなり、脱水工程における反応器内温度の制御を容易とする。
以下、本実施形態において用いられるエタノールの変換装置について説明し、更に各工程について順を追って説明する。
図1は、エタノールの変換装置の概略構成図である。エタノールの変換装置100は、脱水反応ガスを得る反応器1と、反応ガスを得る反応器2と、を有する。反応器1では、エタノールを含有する脱水原料を脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る。つまり、反応器1で、脱水工程が行われる。当該反応器の詳細については後述する。反応器2では、脱水反応ガスを含む混合原料をオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得る。つまり、反応器2で、オレフィン変換工程が行われる。当該反応器の詳細については後述する。
エタノールの変換装置100において、エタノール供給ライン11aは、調整弁V1を介して、脱水原料供給ライン11bと、オレフィン変換工程へ直接導入するエタノール供給ライン11cとを有する。当該調節弁V1により、反応器1に導入するエタノールの量及び反応器2にバイパスで導入するエタノールの量を調整する。なお、エタノールをバイパスせずに全量を脱水工程に供することもできる。
反応器1から得られた脱水反応ガスは、脱水反応ガス供給ライン11dを介して、反応器2に導入される。一方、エタノール供給ライン11cから、エタノールが反応器2に導入される。これらの脱水反応ガス及びエタノールの混合物が、オレフィン変換工程における混合原料として、反応器2内で変換される。反応器2内で生成した反応ガスは、精製設備へと送られることでプロピレンや芳香族化合物等の目的化合物が得られる。
<脱水工程>
本実施形態に係る脱水工程では、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る。当該工程では、エタノールからH2Oを脱離させてエチレンを得る。
(脱水原料)
脱水工程で反応器内に導入する原料を「脱水原料」と称する。脱水原料は、炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する。あるいは、脱水原料は、エタノール、及び、前記エタノール100質量部に対して100質量部以上の水を含有する。これにより、脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるエタノールの変換方法、炭化水素の製造方法、プロピレンの製造方法、芳香族化合物の製造方法、及び、エタノールの変換装置を提供することができる。脱水原料が所定量以上の水を含有することで、脱水工程における反応器内温度の制御を容易とする。組成物Xは、炭素数4以上の炭化水素に加えて、窒素や水素、メタンなどの希釈用不活性ガスや水を含むことができる。
これらの中でも、脱水原料は、上述の組成物Xを含有することが好ましい。組成物Xを選択することで、水よりも反応性が低いため、触媒の劣化や、触媒の劣化に伴うジエチルエーテルの副生を抑制することができる。
組成物Xにおける炭素数4以上の炭化水素の含有量は、各工程における運転制御をより容易とする観点から、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
組成物Xにおける炭素数4~6の炭化水素の含有量は、各工程における運転制御をより容易とする観点から、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
組成物Xに含まれる炭素数4以上の炭化水素としては、例えば、ブテン、ブタン、ペンテン、ペンタン、ヘキセン、ヘキサン、ヘプテン、へプタン、オクテンなどの脂肪族化合物や芳香族炭化合物が挙げられる。
脱水工程における、組成物Xと、エタノールの質量比率(組成物X/エタノール)は、脱水工程における反応器内温度の制御をより容易とする観点から、好ましくは0.10~4.0であり、より好ましくは0.15~2.0であり、更に好ましくは0.20~1.0である。
本実施形態において、脱水原料が水を含有する場合、脱水原料中、水の含有量は、脱水原料中のエタノール100質量部に対して、好ましくは100質量部以上、より好ましくは110質量部以上、更に好ましくは120質量部~300質量部である。
脱水工程では、反応器へ組成物Xを供給することが好ましく、反応器へ組成物Xを加熱した状態で供給することがより好ましい。組成物Xの反応器内への供給温度は、好ましくは200℃~530℃であり、より好ましくは220℃~500℃であり、更に好ましくは240℃~480℃である。組成物Xの温度を当該温度範囲とすることで、外部から熱を加えなくとも、又は外部からの加える熱を少なくしても、反応器内の温度を制御することができる。
脱水原料におけるエタノールは、環境調和性に優れる観点から、バイオマス由来であることが好ましい。なお、バイオマスとは動植物を起源とする化石資源以外の有機性資源を指し、バイオマス由来とはバイオマスを原料として製造された化合物であることをいう。
これらのエタノールは、その製造過程において水が副生する、又は、大気中の水分を吸収することがある。したがって、本実施形態の変換方法では、脱水原料であるエタノールが水を含有することがある。
脱水原料中、炭素数4以上の炭化水素/エタノールの質量比は、反応器内の温度を制御して、エタノールの脱水反応によりエチレンを得る観点から、好ましくは0.0~8.0であり、より好ましくは0.1~6.0であり、更に好ましくは0.5~5.0であり、より更に好ましくは0.8~3.0である。
(反応器)
脱水工程で用いる反応器(図1における反応器1)は、断熱型反応器と等温型反応器とのいずれの様式の反応器であっても使用することができる。本実施形態では、脱水工程における反応器内温度の制御が容易であるため、例えば、断熱型反応器及び等温型反応器のいずれの反応器を用いた場合であっても、いずれの反応器を用いるかによって、絶対的な値は異なるものの、反応器内での温度幅を相対的に小さくすることができる。これら中でも、反応器内の温度制御性に優れる観点では、等温型反応器を使用することが好ましく、操作性に優れる観点では、断熱型反応器を使用することが好ましい。なお、必要に応じて、原料を加熱するための加熱装置を反応器の前に設けることができる。
〔断熱型反応器〕
断熱型反応器に関しては、Adiabatic Fixed-Bed Reactors(Elsevier,2014,Ch.1,P.4,L.5~24 ISBN:978-0-12-801306-9)の記載を参照することができる。断熱型反応器の例としては、固定床断熱型反応器、移動床断熱型反応器、流動床断熱型反応器が挙げられるが、本実施形態の方法には固定床断熱型反応器が好ましい。固定床断熱型反応器の中でも固定触媒床が一段だけの固定床一段断熱型反応器がより好ましい。反応に伴い触媒上には炭素質(コーク)が蓄積するため、反応を継続しながらこの炭素質の燃焼除去が可能な多塔切り替え式の固定床一段断熱型反応器が好ましい。
図2は、固定床一段断熱型反応器の概略構成図である。固定床一段断熱型反応器10aは、外周に断熱材121が設けられた反応筐体12と、触媒床13と、反応器入口14と、反応器出口15とを備える。反応筐体12は、外周に断熱材121が設けられることで、反応器内の熱を外部に逃がさない。本実施形態に係る製造方法においては、反応による発熱及び吸熱により反応器内の温度を制御することができる。
触媒床13には、後述する触媒が充填される。触媒床13の触媒床入口131に接する直前に第1シース熱電対161が設けられる。触媒床3の触媒床出口132を通過した直後に第2シース熱電対162が設けられる。これらの熱電対により、触媒床入口131に接触する直前の混合原料と触媒床出口132を通過した直後の反応ガスの温度を測定する。なお、これらの熱電対の位置は、必要に応じて、変更が可能である。触媒床13は、多段式であってもよいが、図2に示すとおり一段型であることが好ましい。
固定床一段断熱型反応器10aでは、反応器入口14から混合原料を導入し、触媒床13と接触させ、反応器出口15から反応ガスを取り出す。
〔等温型反応器〕
等温型反応器とは、外部からの冷却あるいは加熱により、反応器内の温度を一定に保つ機能を有する反応器である。等温型反応器の例としては、固定床等温型反応器、移動床等温型反応器、流動床等温型反応器が挙げられるが、本実施形態の方法には固定床等温型反応器が好ましい。固定床等温型反応器の中でも、反応温度の制御性に優れる観点から、単管式固定床等温型反応器よりも反応器一つ当たりの径が小さくなる多管式固定床等温型反応器がより好ましい。反応に伴い触媒上には炭素質(コーク)が蓄積するため、反応を継続しながらこの炭素質の燃焼除去が可能な多塔切り替え式の固定床等温型反応器が好ましい。
図3は、単管式固定床等温型反応器の概略構成図である。単管式固定床等温型反応器10bは、基本的に固定床一段断熱型反応器10aと構成が共通するため、同様については同一の符号を付して説明を省略する。固定床一段等温型反応器10bは、外周に熱媒層121bが設けられた反応筐体12bを用いる点で、固定床一段断熱型反応器1と相違する。反応筐体12bは、外周に設けられた熱媒層121bの温度を制御することで加熱あるいは冷却され、触媒床13の温度を一定に保つことができる。
〔反応条件〕
脱水工程における反応温度は、触媒のコーキング劣化を抑制しつつ、エタノールの脱水反応を進行させる観点から、好ましくは200~530℃であり、より好ましくは250~500℃であり、更に好ましくは270~480℃である。
なお、断熱型反応器を使用する場合、反応温度とは、以下のとおりである。触媒床の入口温度とは、断熱型反応器に充填されている触媒床に原料流体が接する直前の混合原料の温度である。触媒床の出口温度とは、反応ガスが触媒床を通過した直後の反応ガスの温度である。ここでいう混合原料及び反応ガスの温度とは、流体の流れ方向に垂直な平面において、反応器の中心を0とし、反応器の中心から反応器内壁面までの距離をdとすると、0d~0.8dの間における温度を指す。入出平均反応温度は、図2に示すように、触媒床の入口温度と触媒床の出口温度を計測し、計算式:〔触媒床の入口温度+触媒床の出口温度〕/2により算出する値(以下、単に「反応温度」ともいう。)としている。断熱型反応器を用いる場合、触媒床の入口温度は、好ましくは350℃~550℃であり、触媒床の出口温度は好ましくは100℃~450℃である。この中でも、脱水反応の効率性に優れる観点から、出口温度が250℃以上であることがより好ましい。
等温型反応器を使用する場合、反応器内の温度は一様と考えられるため、触媒床の入口温度を脱水温度として扱う。触媒床の入口温度とは、反応器に充填されている触媒床に原料流体が接する直前の脱水原料の温度である。ここでいう脱水原料の温度とは、流体の流れ方向に垂直な平面において、反応器の中心を0とし、反応器の中心から反応器内壁面までの距離をdとすると、0d~0.8dの間における温度を指す。本実施形態の変換方法では、脱水温度が200℃~450℃であることが好ましい。この中でも、等温型反応器に使用される熱媒の劣化耐性に優れる観点から、350℃以下であることがより好ましい。
脱水工程における反応圧力は、好ましくは0.01~3.0MPaGであり、より好ましくは0.01~1.0MPaGである。
脱水原料の供給速度は、脱水触媒の質量基準の空間速度(WHSV)で、好ましくは0.1~1000hr-1であり、より好ましくは0.1~500hr-1、更に好ましくは0.5~100hr-1である。本実施形態の変換方法では、下式のように、エタノールをエチレンとして換算した上でWHSVを算出する。また、原料供給質量流量は、目的化合物の生産性に優れる観点から、好ましくは1kg/hr以上であり、より好ましくは10kg/hr以上であり、更に好ましくは1t/hr以上である。
WHSV(hr-1)=エチレン換算エタノール供給流量(kg/hr)/触媒量(kg)
エチレン換算エタノール流量(kg/hr)=エタノール流量(kg/hr)×エチレン分子量(g/mol)/エタノール分子量(g/mol)
〔脱水触媒〕
本実施形態の脱水触媒は、エタノールを脱水反応させエチレンへと変換する触媒能を示す触媒である。脱水触媒は、固体触媒であることが好ましい。このような触媒としては、ゼオライト含有触媒、ヘテロポリ酸触媒、及びアルミナ触媒が挙げられる。アルミナ触媒としては、SynDol触媒が挙げられる。これらの中でも、触媒の熱耐久性に優れる観点から、ゼオライト含有触媒が好ましい。
(ゼオライト含有触媒)
ゼオライト含有触媒とは、ゼオライトを活性種として含有する触媒粉又は成形体のことである。本実施形態の変換方法においては、上記のゼオライト含有触媒中のゼオライトとして、5~6Åの細孔径を有する、所謂、中間細孔径ゼオライトを用いることが好ましい。中間細孔径ゼオライトは、「細孔径の範囲が、A型ゼオライトに代表される小細孔径ゼオライトの細孔径と、モルデナイトやX型やY型ゼオライトに代表される大細孔径ゼオライトの細孔径の中間にあるゼオライト」を意味する。「中間細孔径ゼオライト」は、その結晶構造中にいわゆる酸素10員環を有する。
中間細孔径ゼオライトの例としては、ZSM-5、ZSM-8、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-21、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-38等が挙げられるが、中でもZSM-5、ZSM-11、ZSM-8などのZSM-5型ゼオライトやZSM-38が好ましい。また、Stud.Surf.Sci.Catal.1987,33,167-215に記載のZSM-5、ZSM-11に類似のゼオライトを用いることができ、この中でも、触媒性能(触媒活性とコーキングに対する耐久性)に優れる観点から、MFI型ゼオライトが好ましく、ZSM-5がより好ましい。
本実施形態のゼオライト含有触媒に含まれるゼオライトのシリカ/アルミナ(SiO2/Al23)モル比は適宜選択することができるが、触媒活性とプロピレン選択性に優れる観点から、好ましくは20~2000であり、より好ましくは40~1800であり、更に好ましくは150~1500である。ゼオライトのシリカ/アルミナモル比は公知の方法により測定することができ、例えば、ゼオライトをアルカリ水溶液に完全に溶解し、得られる溶液をプラズマ発光分光分析法等により分析し、求めることができる。
本実施形態のゼオライトの合成方法に特に制限はないが、従来知られているMFI型ゼオライトの水熱合成方法の各種条件を最適化することにより製造できる。一般に、水熱合成法で効率よくMFI型ゼオライトを得る手段としては、適切な有機型剤(SDA)として、アンモニウム塩類や尿素化合物類、アミン類、アルコール類等を用いて水熱合成する方法や、水熱合成されたMFIゼオライトを種結晶として、或いは、結晶段階にある種スラリーとして添加して水熱合成する方法がある。また、有機のSDAだけでなく、無機の陽イオンや陰イオンも構造に関わることが知られており、ゼオライト合成は各成分の複合的な働きに依存する。以上に述べたようなMFI型ゼオライトの水熱合成方法において、原材料や添加物(SDA)の種類、添加物量、pH、シリカ/アルミナモル比、媒体、陽イオン、陰イオンの存在比などの原料仕込み組成、合成温度、合成時間等の合成条件を適宜、最適化することで好適な触媒を得ることができる。
具体的には、例えば、特許5426983号公報に記載されている種スラリーを用いて合成する方法や、The Hydrothermal Synthesis of Zeolites(Chemcal Reviews,2003,103,663-702)に例示された方法が挙げられる。
また、上述した特定の物性及び組成を有するMFIゼオライトであれば、市販されているゼオライトを用いることもできる。
本実施形態におけるゼオライト含有触媒はリン及び周期表第11族に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素(以下、これらの元素を総称し、ドープ元素)を含むことが好ましい。これらの中でも、脱水触媒として用いられるゼオライト含有触媒は、リンを含有することが好ましい。
リンの形態としては、リンの重合物(例えば、ポリリン酸)、リンの酸化物(例えば、P25)、リンがゼオライトのアルミニウムに付加した態様の化合物等が挙げられる。また、それらの複数が含まれていてもよい。リンは、ゼオライトがアルミニウムを含有する場合、ゼオライトの脱アルミニウムを抑制する効果がある。本実施形態に係る方法では反応器内で水が生成し、かつ、原料であるエタノールが水を含有することもあるため、反応器内が脱アルミニウムを引き起こす高温水蒸気雰囲気となりやすい。脱アルミニウムすることでゼオライト含有触媒の構造崩壊による活性劣化が引き起こされるが、ゼオライト含有触媒がリンを含有することで、ゼオライトの脱アルミニウムが抑制され、触媒の耐久性が高まる。
周期表第11族に属する元素としては、銅、銀、金が挙げられる。周期表第11族に属する元素を含有することで、ゼオライトの脱アルミニウムが抑制され、触媒の耐久性が高まる。これらの周期表第11族に属する元素の中でも、担持効率に優れる観点から、銀が好ましい。
ゼオライト含有触媒に含まれるドープ元素の含有量は、触媒全体の質量に対して、好ましくは0.01~2.0質量%であり、脱アルミニウム抑制の効果に優れる観点から、より好ましくは0.05~2.0質量%である。
本実施形態において、ゼオライト含有触媒中のドープ元素の含有量は、蛍光X線分析装置を用いて測定した値を示す。リン、銅、銀、又は金の含有量の測定は、市販の蛍光X線分析装置を使用し、取扱説明書に沿って通常の条件で測定すればよく、例えば、Rigaku製、商品名「RIX3000」を使用する場合、測定条件は、P-Kα線を用い、管球電圧50kV、管球電流50mAとすることができる。
本実施形態においては、ゼオライト含有触媒に含まれるリンの原料としてリン酸及び/又はリン酸塩(以下、「リン原料」ともいう。)を用いる。リン原料としてはリン酸塩がより好ましく、リン酸塩の中でも、25℃において100gの水に対して1g以上の溶解度を示す化合物がより好ましい。
リン酸としては、例えば、リン酸、ピロリン酸が挙げられ、リン酸塩としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム等のリン酸アンモニウム塩、リン酸水素カリウム、リン酸水素アルミニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等が挙げられる。中でも、水に対する溶解度が比較的高いリン酸アンモニウム塩が好ましく、より好ましくは、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種である。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、ゼオライト含有触媒に含まれる周期表第11族に属する元素の原料として、硝酸銅、硝酸銀等の硝酸金属塩を用いてもよい。ナトリウムをカウンターカチオンとして含有するゼオライト含有触媒を用いて、硝酸金属塩とイオン交換し、焼結することで周期表第11族に属する元素を含有するゼオライト含有触媒が得られる。
本実施形態のゼオライト含有触媒は、上述した特定の物性及び組成を有するゼオライトを用いて、例えば、以下の通りに成形して製造することができる。その成形方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。具体的には、触媒成分を圧縮成形する方法や押出し成形する方法、流動床反応方式に最適なスプレイドライ成形法が挙げられる。
また、成形にはバインダーを用いることができる。バインダーとしては、特に制限されず、例えば、シリカ、アルミナ、カオリンを単独、又は、混合して使用することができる。これらのバインダーは、市販のものを使用することができる。ゼオライト/バインダーの質量比率は、好ましくは10/90~90/10の範囲であり、より好ましくは20/80~80/20の範囲である。この中でも、コーキング耐性に優れる観点から、シリカバインダーを使用することが好ましい。
本実施形態のエタノールの変換方法では、ゼオライト含有触媒を原料と接触させるのに先立って、ゼオライト含有触媒に前処理工程を実施してもよい。好ましい前処理工程としては、水蒸気の存在下、300℃以上の温度で加熱処理する工程が挙げられる。前処理を行うと、触媒の劣化抑制や選択性改善の効果がより顕著となる傾向にある。上記の方法の場合、300℃以上900℃以下の温度で、雰囲気は特に限定されないが、空気あるいは窒素等の不活性ガスとスチーム(水蒸気)との混合ガスを流通させ、水蒸気分圧0.01気圧以上の条件下で処理することが好ましい。加熱処理温度としては、400℃以上700℃以下の温度がより好ましい。また、本前処理工程はエタノール及びエチレンを変換する反応器を使って行うことができる。
脱水触媒の量は、脱水工程におけるジエチルエーテルの生成量の抑制の観点から、1時間当たりのエタノール供給質量100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは15質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは20質量部~100質量部であり、更に好ましくは25質量部~80質量部である。
以上の脱水工程により、エチレンを含有する脱水反応ガスが得られる。
脱水反応ガス中のエチレンの含有量は、好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは25~70質量%であり、更に好ましくは25~60質量%である。
脱水反応ガス中の水の含有量は、好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは25~70質量%であり、更に好ましくは25~60質量%である。
エタノールの脱水反応では、目的化合物のエチレンに加えて、ジエチルエーテルが副生する。脱水反応ガスは、ジエチルエーテルを含んでいてもよいが、反応器内の温度調節が容易になる観点から、ジエチルエーテルを含まないことが好ましい。
脱水反応ガス中のジエチルエーテルの含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
脱水反応ガスは、炭素数4以上の炭化水素を含んでいてもよい。炭素数4以上の炭化水素を含有することで、脱水工程における反応温度を調整しやすくなる。
脱水反応ガス中の炭素数4以上の炭化水素の含有量は、好ましくは10~60質量%であり、より好ましくは20~55質量%であり、更に好ましくは30~50質量%である。
脱水工程におけるエタノールの転化率は、好ましくは80mol%以上であり、より好ましくは85mol%以上であり、更に好ましくは90mol%以上である。
<オレフィン変換工程>
本実施形態に係るオレフィン変換工程では、脱水反応ガスを含有する混合原料を、反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得る。脱水工程にてエタノールを脱水して、オレフィン変換工程で用いることで混合原料中の成分比率を調整し、反応器内の温度を制御しやすくなる。
そして、オレフィン変換工程で用いられる混合原料におけるエチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比率(以下、単に「混合原料組成比」ともいう)が0.20~4.0である。混合原料組成比が当該範囲であることで、反応器内の吸熱反応と発熱反応のバランスが良くなり、反応器内の温度の制御が容易になる。エタノール及びジエチルエーテルは、オレフィン変換工程で、炭素数3以上のオレフィンへと変換される過程で吸熱を伴う。特にジエチルエーテルは、当該オレフィン変換工程で2原子分の吸熱反応を伴うため、上述の式においては「2」が乗じられている。一方、エチレンは、オレフィン変換工程で、炭素数3以上のオレフィンへと変換される過程で発熱を伴う。このように、互いを阻害しない吸熱反応と発熱反応を組み合わせることで熱中和を達成することができたことと想定される。つまり、本実施形態では、エチレンからプロピレンへの変換反応とエタノールからプロピレンへの変換反応が互いの反応を阻害せずに進行することを見出し、これらの発熱反応と吸熱反応とを組み合わせることで反応温度の制御を行うことができたと考えられる。ただし、要因はこれに限定されない。
エチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比率は、反応器内の温度の制御を容易にする観点から、0.20~4.0であり、好ましくは0.30~3.5であり、更に好ましくは0.5~3.0である。
〔混合原料〕
本実施形態のオレフィン変換工程では、脱水反応ガスを含有する混合原料を用いる。混合原料は、脱水反応ガスに加えて、エタノールを混合してもよい。エタノールは、環境調和性に優れる観点から、バイオマス由来であることが好ましい。なお、バイオマスとは動植物を起源とする化石資源以外の有機性資源を指し、バイオマス由来とはバイオマスを原料として製造された化合物であることをいう。
混合原料に含まれるエチレンは、脱水反応ガスに含まれるエチレンであることが好ましい。エタノールからエチレンへと変換する過程で水が副生するため、脱水反応ガスは、一般的に水を含有する。
混合原料は、原料比率の可変性に優れる観点から、脱水反応ガスに含まれるエチレンに加えて、「追加のエチレン」を更に含むことができる。「追加のエチレン」としては種々の製法で製造されたものを使用することができる。例えば、ナフサ及び/又はエタンの熱分解、エタンの直接又は酸化的脱水素反応、又は、エタノールの脱水反応により得られるものを使用することができる。
混合原料は、炭素数4~6の炭化水素を更に含んでいてもよい。炭素数4~6の炭化水素としては、炭素数4~6のオレフィン、及び炭素数4~6の飽和炭化水素が挙げられる。この中でも、炭素数4~6のオレフィンは、エチレン及びエタノールと同様に、変換触媒と接触させることでプロピレンなどの目的化合物を与えることができる。炭素数4~6の炭化水素としては、例えば、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタン、ペンタン、ヘキサンが挙げられる。混合原料中、炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比は、3.0以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましく、0.14~1.0であることが更に好ましい。なお、上記の「オレフィン」という用語は、直鎖状、分岐状及び環状オレフィンに加え、シクロパラフィンを含むものとする。
混合原料は、上記のエチレン、エタノール及び炭素数4~6の炭化水素以外にも、炭素数7以上の炭化水素、メタノール、プロパノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエタノール以外の含酸素化合物を含むことができる。炭素数7以上の炭化水素や含酸素化合物は、エチレン及びエタノールと同様に、変換触媒と接触させることで目的化合物を与えることができる。
混合原料は、オレフィン変換工程によってプロピレンへと変換され得る上記に定義したような有機分の他に、窒素や水素、メタンなどの希釈用不活性ガスなどを含むことができるが、水素希釈は行わないことが好ましい。水素は触媒のコーキング劣化を抑制するために使用されることがあるが、同時に生成プロピレン等の水素化反応が起こり、プロピレン純度(プロピレン/(プロピレン+プロパン))[mol/mol]を低下させる悪影響がある。本実施形態の方法においては、水素希釈を行わなかった場合にも触媒のコーキング劣化速度は小さく、安定な運転が可能であるため水素希釈を行わないほうが好ましい。
混合原料中、エチレン及びエタノールの合計含有量は、変換原料全量に対して、好ましくは30~100質量%であり、より好ましくは40~100質量%であり、更に好ましくは50~100質量%である。ただし、エタノールはエチレンとして換算した質量を計算に使用する。
混合原料中、炭素数4~6のオレフィンの合計含有量は、変換原料全量に対して、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは10~55質量%である。
混合原料は、ジエチルエーテルを含んでいてもよいが、ジエチルエーテルを含まないことが好ましい。
混合原料中のジエチルエーテルの含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
混合原料は、反応器内の温度をより容易にする観点から、炭素数4~6のオレフィンを含有してもよい。
混合原料における炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比は、好ましくは3.5以下であり、より好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは1.0以下であり、より更に好ましくは0.14~1.0である。なお、上記の「オレフィン」という用語は、直鎖状、分岐状及び環状オレフィンに加え、シクロパラフィンを含むものとする。
本実施形態の変換方法では、水蒸気を混合原料に含むことができる。混合原料に含まれるエチレン及びエタノールは種々の製造方法によって製造されることから、「製造過程で発生した水蒸気」を含有している。ここでの「製造過程で発生した水蒸気」とは、エチレン及び/又はエタノールの製造過程において発生し、除去されていない水分のことを言う。
本実施形態のプロピレンの製造方法では、「製造過程で発生した水蒸気」に追加して混合原料に水蒸気を含ませることができる。水蒸気はオレフィン分圧を低下させることでコーキング劣化を抑制し、低級オレフィンの収率を向上させる効果がある。一方で、水蒸気はゼオライトの脱アルミニウムを促進する可能性があるため、好ましくは「製造過程で発生した水蒸気」に追加して混合原料に水蒸気を含まない。
〔反応器〕
オレフィン変換工程で用いる反応器(図1に示す反応器2)は、断熱型反応器と等温型反応器とのいずれの様式の反応器であっても使用することができる。この中でも、反応器内の温度制御性に優れる観点では、等温型反応器を使用することが好ましく、操作性に優れる観点では、断熱型反応器を使用することが好ましい。断熱型反応器及び等温型反応器については、上記で説明した通りである。
〔反応条件〕
オレフィン変換工程における反応温度は、炭素数3以上のオレフィンを収率良く得る観点から、好ましくは300~600℃であり、より好ましくは400~590℃であり、更に好ましくは450~550℃である。プロピレン収率に優れる観点から、反応温度は400℃以上であることが好ましい。一方、高温で促進されるコーキング劣化加速を抑制する観点から、600℃以下が好ましい。
なお、断熱型反応器における反応温度の定義は、脱水工程と同義である。
触媒床の出口温度と触媒床の入口温度との温度差が、好ましくは-80K~80Kであり、より好ましくは-60K~60Kである。
反応圧力は、好ましくは0.01~3.0MPaGであり、より好ましくは0.01~ 1.0MPaGである。
混合原料の供給速度は、オレフィン変換触媒の質量基準の空間速度(WHSV)で、好ましくは0.1~1000hr-1であり、より好ましくは0.1~500hr-1、更に好ましくは0.5~100hr-1である。オレフィン変換工程では、下式のように、エタノールをエチレンとして換算した上でWHSVを算出する。また、原料供給質量流量は、目的化合物の生産性に優れる観点から、好ましくは1kg/hr以上であり、より好ましくは10kg/hr以上であり、更に好ましくは1t/hr以上である。
WHSV(hr-1)=オレフィン供給流量(kg/hr)/触媒量(kg)
オレフィン供給流量(kg/hr)=エチレン流量(kg/hr)+エチレン換算エタノール流量(kg/hr)+炭素数4~6のオレフィン流量(kg/hr)
エチレン換算エタノール流量(kg/hr)=エタノール流量(kg/hr)×エチレン分子量(g/mol)/エタノール分子量(g/mol)
〔オレフィン変換触媒〕
オレフィン変換触媒は、オレフィン及びエタノールをプロピレン等の目的化合物へと変換する触媒能を示す触媒である。オレフィン変換触媒は、好ましくは固体触媒である。このような触媒としては、触媒の熱耐久性に優れる観点から、ゼオライト含有触媒が好ましい。ゼオライト含有触媒は、上述の脱水触媒で説明した通りである。従来のゼオライトによるオレフィン製造に共通する課題として、炭化水素との反応によりゼオライト細孔内部に重質な炭素質(コーク)が蓄積し失活するコーキング劣化が挙げられる。触媒性能を再生するためには酸素分子を含有する雰囲気下でコークを燃焼除去する必要があるが、このコーク燃焼に伴いゼオライトの構造崩壊が進行し、再生不可能な触媒の永久劣化が誘引される。本実施形態の変換方法によればコークの生成を抑制することができるため、ゼオライト含有触媒を用いても活性を維持しやすくなる。
オレフィン変換工程における、ゼオライト含有触媒は、ゼオライト含有触媒中のゼオライトのシリカ/アルミナのモル比が、触媒活性とプロピレン選択性に優れる観点から、好ましくは20~2000であり、より好ましくは40~1800であり、更に好ましくは150~1500である。
オレフィン変換工程における、ゼオライト含有触媒は、リン及び周期表第11族に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。これらの中でも、脱水触媒として用いられるゼオライト含有触媒は、リン、又は銀を含有することが好ましい。
<再生工程>
本実施形態のエタノールの変換方法では、触媒に付着したコークを燃焼させる再生工程(以下、「再生工程」ともいう。)を含んでいてもよい。触媒を、長期間反応に用いるとコークが触媒上に付着しコーキング劣化を起こす場合がある。触媒がコーキング劣化を起こした場合には、例えば、空気中、又は、空気及び/又は酸素と不活性ガスよりなる混合ガス中、好ましくは酸素濃度0.1~2.0体積%の条件下、400~700℃の温度で触媒上のコークを燃焼除去することにより、コーキング劣化を起こした触媒を再生させることができる。触媒を反応器より抜き出し反応器外で再生処理を行う反応器外再生と反応器より抜き出さずに反応器内で再生処理を行う反応器内再生のどちらの再生方法を採用してもよい。また、切り替え式反応器を採用することで反応-再生切り替え運転を行うこともできる。
(反応-再生切り替え運転)
反応-再生切り替え運転とは、2塔又は多塔切り替え式の反応器を用い、反応工程と再生工程とを同時に行う運転操作である。例えば、3塔切り替え式の場合は、2塔が反応工程に使用され、同時に、残りの1塔が触媒再生に使用される。その後、反応工程に使用されていたうちの1塔の反応工程を停止して触媒再生を行い、触媒再生に使用していた1塔で反応工程を行うことで、2塔分の生産能力を維持しつつ、触媒再生を行うことができる。このような反応形式をメリーゴーランド方式とも呼び、触媒再生のために製造工程を止める必要がないため、生産効率に優れる観点から好ましい。
〔生成物:炭素数3以上のオレフィンを含む反応ガス〕
本実施形態の変換方法では、混合原料を変換触媒と接触させることで炭素数3以上のオレフィンを含む反応ガスを得る。反応ガスは、エチレンを含んでいてもよい。反応ガスは、水素、炭素数1~3の脂肪族炭化水素、炭素数4~6の脂肪族炭化水素、芳香族化合物、及び炭素数9以上の炭化水素を含んでいてもよい。
本明細書では、炭素数1~3の脂肪族炭化水素、炭素数4~6の脂肪族炭化水素、芳香族化合物、及び炭素数9以上の炭化水素を目的化合物と称する。
<分離工程>
本実施形態に係る変換方法では、分離工程を設けることで目的化合物の精製を効率的に実施することができる。分離工程では、上述の反応工程で得られた反応ガスを、分離装置により炭素数2~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する。このように各留分に分離することで目的化合物の分離を効率的に行うことができる。分離工程において用いられる分離装置は、例えば蒸留塔である。また、分離工程を設けずに、上述の反応工程で得られた反応ガスをエチレンプラントの精製系に導入し、該精製系で反応ガスからエチレン、プロピレン、芳香族化合物等の目的化合物を分離してもよい。
分離工程で得られた留分Bの少なくとも一部を、組成物Xとして、脱水工程における反応器内へと供給することが好ましい。留分Bの少なくとも一部を、組成物Xとして再利用することで、脱水工程における反応器の温度制御を容易にする上に、留分Bが再度オレフィン変換工程に付されることとなるため、効率よく目的化合物を得ることができる。
留分B中の組成物Xとして脱水工程における反応器内へと供給する割合(組成物Xとして利用される留分Bの質量/留分Bの全質量)(以下、「再利用率」ともいう。は、目的化合物の収率に優れる観点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは70質量%~100質量%である。
本実施形態に係る方法は、図4に示すように、反応器1と、反応器2と、第1の蒸留塔3を有する装置により実施してもよい。反応器2で行われるオレフィン変換工程により得られた反応ガスは、第1の蒸留塔3で、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離される。図示しない蒸留塔で留分Aからエチレンを分離し、さらに、図示しない蒸留塔でプロピレンを分離することによって、該反応ガスからのエチレン及びプロピレンの分離を効率的に行う。また、図示しないが、反応ガス及び/又は留分Aの少なくとも一部をエチレンプラントの精製系に導入し、該精製系で反応ガスからエチレン、プロピレン等の目的化合物を分離してもよい。また、図4に示すように、組成物Xは供給ライン12を介して、留分Bの少なくとも一部を反応器1内へと供給してもよい。
本実施形態に係る方法は、図5に示すように、反応器1と、反応器2と、第1の蒸留塔3と、第2の蒸留塔4と、第3の蒸留塔5と、第4の蒸留塔6と、第5の蒸留塔7と、を有する装置により実施することができる。反応器2で行われるオレフィン変換工程により得られた反応ガスは、第1の蒸留塔3で、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離される。留分Aは、第2の蒸留塔4で、炭素数1の炭化水素を主に含む留分Cと、炭素数2~3の炭化水素を主に含む留分Dとに分離される。前記留分Dは、第3の蒸留塔5で、炭素数2の炭化水素を主に含む留分Eと炭素数3の炭化水素を主に含む留分Fに分離される。留分Eは、第4の蒸留塔6で、エチレンを主に含む留分Gとエタンを主に含む留分Hに分離される。留分Fを、プロピレンを主に含む留分Iとプロパンを主に含む留分Jに分離される。このように、反応ガスを連続的に各留分に分離することで、プロピレン等の目的化合物を効率的に得ることができる。また、図5に示すように、組成物Xは、供給ライン12を介して、留分Bの少なくとも一部を反応器1内へと供給してもよい。なお、前記留分Aから炭素数1~2の炭化水素を主に含む留分と炭素数3を主に含む留分に分けた後に、同様の方法にて目的化合物を得ることもできる。
本実施形態に係る方法は、図6に示すように、反応器1と、反応器2と、冷却塔8と、油水分離器9と、第1の蒸留塔3、を有する装置により実施することができる。反応器2で行われるオレフィン変換工程により得られた反応ガスは、冷却塔8で、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離される。留分Kは、第1の蒸留塔3で、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離される。留分Lは、油水分離器9で、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Mと、水を主に含む留分Nとに分離される。留分Mを精製系へと導入することで芳香族化合物の精製を効率的に実施することができる。このように、反応ガスを留分A、留分B及び留分Mへと分離することで、プロピレンや芳香族化合物等の目的化合物の精製を効率的に実施することができる。留分A、留分B及び留分Mの少なくとも一部をエチレンプラントの精製系に導入し、該精製系で反応ガスからエチレン、プロピレン、芳香族化合物等の目的化合物を分離してもよい。また、図6に示すように、組成物Xは供給ライン12を介して、留分Bの少なくとも一部を反応器1内へと供給してもよい。冷却工程を設けることで、留分B中の炭素数7以上の炭化水素を低減し、組成物X中の炭素数4~6の炭化水素の質量比率を向上させることができる。
各種留分において「主に含む」とは、「主に含む」と記載された成分の合計質量が、各留分に対して、50質量%超であることを意味する。なお、これらの分離工程は、蒸留、抽出など種々の公知の方法を組み合わせることで実施することができる。
以上、本実施形態のエタノールの変換方法により各種炭化水素が得られる。つまり、本実施形態のエタノールの変換方法は、別の側面からは炭化水素の製造方法である。炭化水素としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素のいずれであってもよい。不飽和炭化水素としては、オレフィン、及び芳香族炭化水素化合物が挙げられる。
[プロピレンの製造方法、及び芳香族化合物の製造方法]
本実施形態により得られる反応ガスから目的化合物を分離することで各種化学品が得られる。
本実施形態のプロピレンの製造方法は、本実施形態のエタノールの変換方法により得られる反応ガスからプロピレンを主に含む留分を分離するプロピレン分離工程を含む。プロピレン分離工程としては、蒸留などの公知のプロピレン精製方法を用いることができる。プロピレン分離工程は、反応ガスの一部又は全量をエチレンプラントの精製系に接続することで、エチレンプラントに付随する設備を使用して実施することができる。
本実施形態の芳香族化合物の製造方法は、本実施形態のエタノールの変換方法により得られる反応ガスから芳香族化合物を主に含む留分を分離する芳香族化合物分離工程を含む。芳香族化合物分離工程としては、蒸留などの公知の芳香族化合物精製方法を用いることができる。プロピレン分離工程は、反応ガスの一部又は全量をエチレンプラントの精製系に接続することで、エチレンプラントに付随する設備を使用して実施することができる。
以下、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[各種物性の測定方法]
各種物性の測定は下記に示す通り行った。
(1)ゼオライト含有触媒中のゼオライトのシリカ/アルミナのモル比
ゼオライトを水酸化ナトリウム溶液に完全に溶解した溶解液を準備した。その溶解液中に含まれるSi及びAlの量をICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置(Rigaku製、商品名「JY138」)を用いて常法により測定し、その結果からシリカ/アルミナのモル比を導出した。測定条件は、高周波パワー:1kw、プラズマガス:13L/min、シースガス:0.15L/mim、ネブライザーガス:0.25L/min、Si測定波長:251.60nm、Al測定波長:396.152nmに設定した。
(2)ゼオライト含有触媒のドープ元素の含有量
ゼオライト含有触媒中のドープ元素の含有量は、蛍光X線分析装置(Rigaku製、商品名「RIX3000」)を用いて、常法により測定した。
(3)ゼオライトの構造タイプ
ゼオライト含有触媒中のゼオライトの構造タイプは、X線分析装置(Rigaku製、商品名「RINT」)を用いて、ゼオライトのX線回折パターンを測定し、公知のゼオライトの回折パターンを参照することで同定した。測定条件は以下の通りとした。
Cu陰極
管球電圧:40kV
管球電流:30mA
スキャンスピード:1deg/分
[エタノールの変換方法]
(反応器)
以下の実施例及び比較例は図2に示す固定床一段断熱型反応器1、又は、図3に示す単管式固定床等温型反応器を用いて評価を行った。
(温度測定)
触媒床入口の温度及び触媒床出口の温度は反応器外部から挿入する熱電対によって測定を行った。具体的には、図2及び図3に示すように、流体の流れ方向に垂直な平面において、反応器の中心を0とし、反応器の中心から反応器内壁面までの距離をdとすると、0.5d~0.6dにおける温度を測定した。なお、本熱電対挿入による放熱の影響は無視できるほど小さい。また、必要に応じて、熱電対を流体の流れ方向に動かし、反応器内の最低温度を測定した。
(脱水原料)
実施例及び比較例では、エタノールと、必要に応じて、炭素数4以上の炭化水素とを混合することで脱水原料とした。
(脱水工程の反応評価)
以下実施例及び比較例に従って反応を実施した。反応開始から3hごとに反応器出口ガスの一部をサンプリングし、ガスクロマトグラフ(TCD、及びFID検出器)に導入して反応ガス組成の分析を行った。反応開始から48時間後に反応を停止した。反応開始から反応停止までのGC分析結果の平均値を算出した。なお、断熱型反応器を使用する場合は触媒床入口温度と触媒床出口温度を併記し、等温型反応器を使用する場合は触媒床入口温度を反応温度として記載した。
(混合原料)
以下の実施例では、脱水反応ガスと、必要に応じて、バイパス原料及び炭素数4以上の炭化水素とを混合することで混合原料とした。
混合原料ガスにおけるエチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比及び炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比は下式で算出した。
エチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比(-)=エチレンのモル流量(mol/hr)/(エタノールのモル流量(mol/hr)+2×ジエチルエーテルのモル流量(mol/hr))
炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比(-)=炭素数4~6のオレフィン流量(mol/hr)/エチレンのモル流量(mol/hr)
(オレフィン変換工程の反応評価)
以下実施例及び比較例に従って、入出平均反応温度が540℃になるように反応を実施した。反応開始から3hごとに反応器出口ガスの一部をサンプリングし、ガスクロマトグラフ(TCD、FID検出器)に導入して反応ガス組成の分析を行った。反応開始から48時間後に反応を停止した。反応開始から反応停止までのGC分析結果の平均値を算出した。なお、入出平均反応温度は下式に従い算出し、表中では「反応温度」と表記する。
入出平均反応温度(℃)=[触媒床入口温度(℃)+触媒床出口温度(℃)]/2
(コーク収率)
以下実施例及び比較例において、反応停止後、窒素を反応器に供給して炭化水素のパージを行い、触媒床を500℃に保った。次いで、酸素濃度2容量%の空気/窒素を流通させ、触媒上のコークを燃焼除去した。この際、反応器出口ガスを定期的にサンプリングして、ガスクロマトグラフを用いて再生ガスの分析を行い、CO2、COの濃度を測定し、この値から触媒に付着していたカーボン量を求め、これをコーク量とした。ガスクロマトグラフを用いた再生ガス分析の方法については下記(ガスクロマトグラフの分析条件)に記載した。以下、実施例及び比較例におけるコーク収率は以下の式に従い、求めた。
コーク収率(wtppm)=コーク量/[オレフィン供給流量(kg/hr)×反応時間(hr)]
オレフィン供給流量(kg/hr)=エチレン流量(kg/hr)+エチレン換算エタノール流量(kg/hr)+炭素数4~6のオレフィン流量(kg/hr)
エチレン換算エタノール流量(kg/hr)=エタノール流量(kg/hr)×エチレン分子量(g/mol)/エタノール分子量(g/mol)
[ガスクロマトグラフの分析条件]
(再生ガス分析)
装置:島津製作所GC-8A
カラム:以下のカラム(1)とカラム(2)を並列に連結したものを使用した。
カラム(1)80~100メッシュのモレキュラーシーブ5A(富士フイルム和光純薬製)を充填したSUS製カラム(内径3mm、長さ3m)
カラム(2)80~100メッシュの米国WATERS ASSOCIATES社製Porapac-Q(内径3mm、長さ2m)及びSUS製抵抗カラム(内径3mm、長さ1m)とを直接に連結したもの
カラム温度:70℃
キャリアーガス(ヘリウム)流量:60mL/分
(反応ガス分析)
装置:島津製作所製GC-2030
カラム:米国SUPELCO社製カスタムキャピラリーカラムSPB-1(内径0.25mm、長さ60m、フイルム厚3.0μm)
サンプルガス量:1mL(サンプリングラインは200℃~300℃に保温)
昇温プログラム:40℃で12分間保持し、次いで5℃/分で200℃まで昇温した後、200℃で22分間保持した。
スプリット比:200対1
キャリアーガス(窒素)流量:120mL/分
FID検出器:エアー供給圧50kPa(約500mL/分)、水素供給圧60kPa(約50mL/分)
測定方法:TCD検出器とFID検出器を直列に連結して、水素はTCD検出器で検出したデータ、炭化水素やエタノールなどの含酸素物はFID検出器で検出したデータを元に組成分析を行い、検量線法を用いて反応ガス中の各成分の濃度を求め、反応により生成した時間当たりの質量を求めた。
(エタノール転化率とジエチルエーテル副生率)
エタノール転化率は脱水工程におけるエタノールの変換量を表し、ジエチルエーテル副生率はエタノールからジエチルエーテルへの変換率を表す。それぞれを下式で算出した。
エタノール転化率(mol%)=(1-脱水反応ガスに含まれるエタノール量(kg/hr)/脱水工程へのエタノール供給流量(kg/hr))×100
ジエチルエーテル副生率(mol%)=(2×ジエチルエーテル副生量(kmol/hr)/脱水工程へのエタノール供給流量(kmol/hr))×100
(プロピレン収率)
プロピレン収率はオレフィン変換工程におけるプロピレンへの選択性を表し、下式で算出した。
プロピレン収率(質量%)=オレフィン変換工程で生成した時間当たりのプロピレン質量(kg/hr)/オレフィン供給流量(kg/hr)
オレフィン供給流量(kg/hr)=エチレン流量(kg/hr)+エチレン換算エタノール流量(kg/hr)+炭素数4~6のオレフィン流量(kg/hr)
エチレン換算エタノール流量(kg/hr)=エタノール流量(kg/hr)×エチレン分子量(g/mol)/エタノール分子量(g/mol)
(芳香族収率)
芳香族収率はオレフィン変換工程における芳香族化合物への選択性を表し、下式で算出した。
芳香族収率(質量%)=オレフィン変換工程で生成した時間当たりの芳香族質量(kg/hr)/オレフィン供給流量(kg/hr)
オレフィン供給流量(kg/hr)=エチレン流量(kg/hr)+エチレン換算エタノール流量(kg/hr)+炭素数4~6のオレフィン流量(kg/hr)
エチレン換算エタノール流量(kg/hr)=エタノール流量(kg/hr)×エチレン分子量(g/mol)/エタノール分子量(g/mol)
[製造例1:ゼオライト含有触媒1の調製]
中間細孔径ゼオライトであるプロトン型ZSM-5(シリカ/アルミナのモル比40)80質量部とアルミナ20質量部より得られた粘土を混錬後、押出成形を実施し、直径1.6mm、長さ4~6mmに調整した押出成形体を得た。得られた成形体を350℃で5時間乾燥後、600℃で5時間焼成してゼオライト含有触媒1を得た。
[製造例2:ゼオライト含有触媒2の調製]
中間細孔径ゼオライトであるプロトン型ZSM-5(シリカ/アルミナのモル比1000)70質量部とシリカ30質量部(コロイダルシリカ及びヒュームドシリカを使って水分量を調整)より得られた粘土を混錬後、押出成形を実施し、直径1.6mm、長さ4~6mmに調整した押出成形体を得た。得られた成形体を350℃で5時間乾燥後、600℃で5時間焼成してゼオライト含有触媒2を得た。
[製造例3:ゼオライト含有触媒3の調製]
中間細孔径ゼオライトであるプロトン型ZSM-5(シリカ/アルミナのモル比280)70質量部とシリカ30質量部(コロイダルシリカ及びヒュームドシリカを使って水分量を調整)より得られた粘土を混錬後、押出成形を実施し、直径1.6mm、長さ4~6mmに調整した押出成形体を得た。得られた成形体を350℃で5時間乾燥後、得られた乾燥後、600℃で5時間焼成し、ゼオライト含有触媒3を得た。
[製造例4:ゼオライト含有触媒4の調製]
中間細孔径ゼオライトであるプロトン型ZSM-5(シリカ/アルミナのモル比280)70質量部とシリカ30質量部(コロイダルシリカ及びヒュームドシリカを使って水分量を調整)より得られた粘土を混錬後、押出成形を実施し、直径1.6mm、長さ4~6mmに調整した押出成形体を得た。得られた成形体を350℃で5時間乾燥後、得られた乾燥品に対し、所定量のリン酸水素二アンモニウム水溶液を担持させてリン担持品を得た。得られたリン担持品を、空気雰囲気下、600℃で5時間焼成した。焼成品を反応器に充填し、水蒸気を50容量%含む水蒸気-窒素混合ガスを、圧力0.1MPaG、温度600℃の条件下で20時間供給、流通することでゼオライト含有触媒4を得た。この時、ゼオライト含有触媒中に含まれるリン元素の含有量は0.18質量%であった。
[製造例5:ゼオライト含有触媒5の調製]
中間細孔径ゼオライトであるプロトン型ZSM-5(シリカ/アルミナのモル比1000)70質量部とシリカ30質量部(コロイダルシリカ及びヒュームドシリカを使って水分量を調整)より得られた粘土を混錬後、押出成形を実施し、直径1.6mm、長さ4~6mmに調整した押出成形体を得た。得られた成形体を350℃で5時間乾燥後、600℃で5時間焼成して触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体を0.1N硝酸ナトリウム水溶液中で1時間攪拌した後、ろ過洗浄し、600℃で5時間焼成することでナトリウム交換体を得た。ナトリウム交換体を0.01N硝酸銀水溶液中で1時間攪拌した後、ろ過洗浄し、600℃で5時間焼成することで銀交換体を得た。銀交換体に、水蒸気を50容量%含む水蒸気-空気混合ガスを、圧力0.1MPaG、温度600℃の条件下で20時間供給、流通することでゼオライト含有触媒5を得た。この時、ゼオライト含有触媒中に含まれる銀元素の含有量は0.16質量%であった。
[製造例6:ゼオライト含有触媒6の調製方法]
中間細孔径ゼオライトであるプロトン型ZSM-5(シリカ/アルミナのモル比1000)70質量部とシリカ30質量部(コロイダルシリカ及びヒュームドシリカを使って水分量を調整)より得られた粘土を混錬後、押出成形を実施し、直径1.6mm、長さ4~6mmに調整した押出成形体を得た。得られた成形体を350℃で5時間乾燥後、得られた乾燥品に対し、所定量のリン酸水素二アンモニウム水溶液を担持させてリン担持品を得た。得られたリン担持品を、空気雰囲気下、600℃で5時間焼成した。焼成品を反応器に充填し、水蒸気を50容量%含む水蒸気-窒素混合ガスを、圧力0.1MPaG、温度600℃の条件下で20時間供給、流通することでゼオライト含有触媒6を得た。この時、ゼオライト含有触媒中に含まれるリン元素の含有量は0.05質量%であった。
[実施例1]
(脱水工程)
実施例1で使用する93.3質量%エタノールの全量10.50kg/hrのうち、6.21kg/hrを脱水工程に供する脱水原料とし、4.29kg/hrをオレフィン変換工程に直接供するバイパス原料とした。脱水工程では、上記のエタノール6.21kg/hrと、組成物Xとして表1に示す炭素数4以上の炭化水素3.70kg/hrとを、ゼオライト含有触媒1(シリカ/アルミナのモル比:40、アルミナバインダー)が充填された固定床一段断熱型反応器にWHSV3.0、圧力0.20MPaGとなるように供給して脱水工程を実施した。この時、組成物X/エタノールの質量比は0.64であった。反応開始から24h経過時点での固定床一段断熱型反応器における触媒床の入口温度は480℃、触媒床の出口温度は285℃であった。得られた脱水反応ガス中の各成分濃度は表2に示した。なお、ジエチルエーテル副生率は6.4mol%であった。
(混合原料の調製)
脱水工程で得られた脱水反応ガスと上述のバイパス原料とを混合することで混合原料を調製した。混合原料中のエチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比は1.06、炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比率は0.26であった。
(オレフィン変換工程)
ゼオライト含有触媒2(シリカ/アルミナのモル比:1000、シリカバインダー)が充填された固定床一段断熱型反応器にWHSV2.0、圧力0.15MPaGとなるように混合原料を供給し、オレフィン変換工程を実施した。反応開始から24h経過時点での固定床一段断熱型反応器における触媒床の入口温度は534℃、触媒床の出口温度は546℃であり、入出温度差は12Kであった。反応開始から反応停止までの平均のプロピレン収率は20.8質量%、平均の芳香族収率は2.3質量%、48h運転終了後のゼオライト含有触媒2のコーク収率は238wtppmであった。反応結果及び反応条件の詳細を表3に示す。
[実施例2~4]
脱水工程における脱水触媒、脱水原料の供給量、バイパス原料の供給量を表2に示すとおりに変更し、オレフィン変換工程におけるオレフィン変換触媒、及び各種条件を表3に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、反応を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例1~4のように、脱水工程に炭素数4以上の炭化水素を供給することで、断熱型反応器においても反応器内での温度低下を緩和し、ジエチルエーテルの副生を抑えることができた。
[実施例5]
脱水工程において単管式固定床等温型反応器を使用し、かつ、脱水触媒、脱水原料の供給量、バイパス原料の供給量を表2に示すとおりに変更し、オレフィン変換工程におけるオレフィン変換触媒、及び各種条件を表3に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、反応を行った。結果を表2及び表3に示した。
なお、等温型反応器では断熱型反応器と比較して反応器内の温度変化が小さいため、触媒床入口温度を反応温度として表2に記載した。実施例5では、反応温度350℃に対して反応器内の最低温度が341℃であり、ジエチルエーテル副生率は0.7mol%であった。
[比較例1]
脱水工程において組成物Xを供給しなかったこと、オレフィン変換工程における混合原料中に炭素数4以上の炭化水素を供給し、表3に示す混合原料の比率としたこと以外は実施例5と同様にして、反応を行った。結果を表2及び表3に示した。比較例1では、反応開始から24h経過時点での脱水工程における反応温度350℃に対して反応器内の最低温度が329℃であり、ジエチルエーテル副生率は3.7mol%であった。
実施例5と比較例1との比較より、等温型反応器においても組成物Xを供給することで反応器内の温度変動を抑制し、ジエチルエーテルの副生を抑えることができるとわかった。
[比較例2~3]
脱水工程における脱水触媒、脱水原料の供給量、バイパス原料の供給量を表4に示すとおりに変更し、オレフィン変換工程におけるオレフィン変換触媒、及び各種条件を表5に示すとおりに変更した以外は比較例1と同様にして、反応を行った。結果を表4及び表5に示した。脱水工程において組成物Xを供給しなかったことから、等温型反応器内の温度変動幅は15℃以上であり、ジエチルエーテルの副生率はそれぞれ3.0mol%、3.6mol%であった。
[実施例6]
脱水工程における脱水触媒、脱水原料の供給量、バイパス原料の供給量を表4に示すとおりに変更し、オレフィン変換工程におけるオレフィン変換触媒、及び各種条件を表5に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、反応を行った。結果を表4及び表5に示した。
実施例6では、炭素数4以上の炭化水素を脱水原料に含まず、93.3質量%エタノールに水を追加して反応評価を実施した。水を加えた場合も、反応開始から24h経過時点での入口温度480℃に対して出口温度326℃と断熱型反応器内での温度低下を緩和できた。一方で、脱水触媒であるゼオライトの水熱劣化に起因してジエチルエーテルの副生率が増加し、目的化合物であるプロピレンの収率が低下した。
[比較例4]
比較例4では全量の93.3質量%エタノール10.50kg/hrを脱水工程に供する脱水原料とした。ゼオライト含有触媒1(シリカ/アルミナのモル比:40、アルミナバインダー)が充填された固定床一段等温型反応器にWHSV4.0、圧力0.20MPaGとなるように脱水原料を供給し、350℃一定の条件で脱水工程を実施した。得られた脱水反応ガス中の各成分濃度は表4に示した。この時、エタノール転化率は98.2mol%であった。なお、脱水工程で得られた脱水反応ガスをそのまま混合原料とし、オレフィン変換工程で用いた。
(オレフィン変換工程)
ゼオライト含有触媒2(シリカ/アルミナのモル比:1000、シリカバインダー)が充填された固定床一段断熱型反応器にWHSV3.0、圧力0.15MPaGとなるように混合原料を供給し、オレフィン変換工程を実施した。この時、触媒床の入口温度は419℃、触媒床の出口温度は661℃であり、入出温度差は242Kであった。比較例1では反応時間の経過に伴い触媒活性が著しく低下し、24時間時点でのプロピレン収率が6.3質量%、芳香族収率が0.5質量%となったため、反応を停止した。反応条件等は表5に示した。
実施例と比較例4との比較より、脱水工程とオレフィン変換工程とを単に接続し、オレフィン変換工程に、エタノール由来のエチレンをエタノール及びジエチルエーテルに対して過剰に供給するだけでは、断熱型反応器内の温度が制御できず、触媒の劣化を促進し、結果として目的化合物の収率が低下してしまうことがわかった。
[比較例5]
比較例5では、脱水工程を設けず、エタノール全量を直接オレフィン変換工程に供した。ゼオライト含有触媒2(シリカ/アルミナのモル比:1000、シリカバインダー)が充填された固定床一段断熱型反応器にWHSV3.0、圧力0.15MPaGとなるように93.3質量%エタノールを供給し、オレフィン変換工程を実施した。この時、触媒床の入口温度は592℃、触媒床の出口温度は488℃であり、入出温度差は104Kであった。反応開始から反応停止までの平均のプロピレン収率は11.4質量%、平均の芳香族収率は0.9質量%、48h運転終了後のゼオライト含有触媒2のコーク収率は379wtppmであった。反応結果及び反応条件の詳細を表5に示す。
実施例と比較例5との比較より、脱水工程を設けずにオレフィン変換工程にエタノールを直接供給すると、吸熱反応により断熱型反応器内の温度が制御できず、反応器出口温度が低下し、触媒劣化が促進されることで目的化合物の収率が低下してしまうとわかった。
1,2…反応器、3…第1の蒸留塔、4…第2の蒸留塔、5…第3の蒸留塔、6…第4の蒸留塔、7…第5の蒸留塔、8…冷却器

Claims (38)

  1. 炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
    前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
    を含む、エタノールの変換方法。
  2. 前記反応ガスを、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する分離工程を含み、
    前記留分Bの少なくとも一部を、前記組成物Xとして、前記脱水工程における前記反応器内へと供給する、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
  3. 前記脱水工程における、前記組成物Xと、エタノールの質量比率(組成物X/エタノール)が、0.10~4.0である、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
  4. 前記組成物X中の炭素数4~6の炭化水素の含有量が50質量%以上である、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
  5. 前記組成物Xの前記反応器内への供給温度が200℃~530℃である、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
  6. エタノール、及び、前記エタノール100質量部に対して100質量部以上の水を含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
    前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
    を含む、エタノールの変換方法。
  7. 前記混合原料におけるエチレン/(エタノール+2×ジエチルエーテル)のモル比率が0.40~3.0である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  8. 前記混合原料がジエチルエーテルを含有する、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  9. 前記混合原料中のジエチルエーテルの含有量が10質量%以下である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  10. 前記脱水反応ガス中のジエチルエーテルの含有量が10質量%以下である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  11. 前記混合原料が炭素数4~6の炭化水素を含有する、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  12. 前記混合原料における炭素数4~6のオレフィン/エチレンのモル比が3.5以下である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  13. 前記脱水工程における反応器が断熱型反応器である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  14. 前記オレフィン変換工程における反応器が断熱型反応器である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  15. 前記オレフィン変換工程における前記断熱型反応器が固定床一段断熱型反応器である、請求項14に記載のエタノールの変換方法。
  16. 前記留分Aを、炭素数1の炭化水素を主に含む留分Cと炭素数2~3の炭化水素を主に含む留分Dとに分離する脱C1工程と、
    前記留分Dを、炭素数2の炭化水素を主に含む留分Eと炭素数3の炭化水素を主に含む留分Fに分離する脱C2工程と、
    前記留分Eを、エチレンを主に含む留分Gとエタンを主に含む留分Hに分離するエチレン精製工程と、
    前記留分Fを、プロピレンを主に含む留分Iとプロパンを主に含む留分Jに分離するプロピレン精製工程と、
    を含む、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  17. 前記脱水触媒が固体酸触媒である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  18. 前記固体酸触媒がゼオライト含有触媒である、請求項17に記載のエタノールの変換方法。
  19. 前記ゼオライト含有触媒中のゼオライトのシリカ/アルミナのモル比が20~2000である、請求項18に記載のエタノールの変換方法。
  20. 前記ゼオライト含有触媒がリン及び周期表第11族に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、請求項19に記載のエタノールの変換方法。
  21. 前記オレフィン変換触媒が固体酸触媒である、請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法。
  22. 前記固体酸触媒がゼオライト含有触媒である、請求項21に記載のエタノールの変換方法。
  23. 前記ゼオライト含有触媒中のゼオライトのシリカ/アルミナのモル比が20~2000である、請求項22に記載のエタノールの変換方法。
  24. 前記ゼオライト含有触媒がリン及び周期表第11族に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、請求項23に記載のエタノールの変換方法。
  25. 前記オレフィン変換工程後、前記反応ガスを冷却し、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離する冷却工程
    を含む、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
  26. 前記オレフィン変換工程後、前記反応ガスを冷却し、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離する冷却工程と、
    前記留分Kを、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する分離工程と、
    を含む、請求項1に記載のエタノールの変換方法。
  27. 前記オレフィン変換工程における反応器が、断熱型反応器である、請求項26に記載のエタノールの変換方法。
  28. 前記脱水工程における反応器が、断熱型反応器である、請求項27に記載のエタノールの変換方法。
  29. 炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物X、及び、エタノールを含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
    前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
    を含む、炭化水素の製造方法。
  30. エタノール、及び、前記エタノール100質量部に対して100質量部以上の水を含有する脱水原料を反応器内で脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る脱水工程と、
    前記脱水反応ガスを含む混合原料を反応器内でオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得るオレフィン変換工程と、
    を含む、炭化水素の製造方法。
  31. 請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法により得られた反応ガスからプロピレンを主に含む留分を分離するプロピレン分離工程、
    を含む、プロピレンの製造方法。
  32. 請求項1又は6に記載のエタノールの変換方法により得られた反応ガスから芳香族化合物を主に含む留分を分離する芳香族化合物分離工程、
    を含む、芳香族化合物の製造方法。
  33. エタノールを含有する脱水原料を脱水触媒により脱水反応させ、エチレンを含有する脱水反応ガスを得る反応器と、
    前記脱水反応ガスを含む混合原料をオレフィン変換触媒と接触させ、炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得る反応器と、
    炭素数4以上の炭化水素を含有する組成物Xを前記脱水反応ガスを得る反応器に導入する、組成物X供給ラインと、
    を含む、エタノールの変換装置。
  34. 前記反応ガスを、炭素数1~3の炭化水素を主に含む留分Aと、炭素数4~6の炭化水素を主に含む留分Bとに分離する分離装置を更に含み、
    前記留分Bの少なくとも一部を、前記組成物Xとして、前記組成物X供給ラインに供給する、請求項33に記載のエタノールの変換装置。
  35. 前記前記反応ガスを冷却し、炭素数1~6の炭化水素を主に含む留分Kと、水、炭素数7以上の炭化水素及び芳香族化合物を主に含む留分Lとに分離する冷却器
    を含む、請求項33に記載のエタノールの変換装置。
  36. 前記分離装置が、前記冷却器により分離された前記留分Kを分離する、請求項35に記載のエタノールの変換装置。
  37. 前記脱水反応ガスを得る反応器が、断熱型反応器である、請求項36に記載のエタノールの変換装置。
  38. 前記炭素数3以上のオレフィンを含有する反応ガスを得る反応器が、断熱型反応器である、請求項37に記載のエタノールの変換装置。
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