JP2024035598A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EM寿命を向上できる半導体装置を提供すること。【解決手段】一相分の上下アーム回路を構成する半導体装置は、はんだ104を介して接続された継手部80、81を備える。半導体素子の主電極に電気的に接続された複数のはんだのそれぞれは、CuおよびSnを含む。各はんだの接続対象のそれぞれは、Ni層を有する。はんだ104はCuおよびSnを含み、継手部80、81はNi層801、811を有する。はんだ104の粒径は、コレクタ電極を接続対象とするはんだの粒径よりも小さい。【選択図】図8

Description

この明細書における開示は、半導体装置に関する。
特許文献1は、上下アーム回路の上アームを構成する半導体素子と、下アームを構成する半導体素子を備えた半導体装置を開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2016-92166号公報
上記した半導体装置は、上アームを構成する半導体素子の低電位側の主電極に接続された導体と、下アームを構成する半導体素子の高電位側の主電極に接続された導体とを、はんだを介して接続する継手導体を備える。継手導体のはんだ接合部の接合面積は小さい。特許文献1では、継手導体のはんだ接合部のEM進行を抑制するために、継手導体にNi層を設けている。EMは、ElectroMigrationの略称である。
カーボンニュートラルが提唱され、車両のEV化が進む中で、半導体装置にはさらなる小型化、大電流化が求められている。つまり、EM寿命を向上するためのさらなる改善が求められている。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、半導体装置にはさらなる改良が求められている。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、EM寿命を向上できる半導体装置を提供することを目的とする。
開示のひとつである半導体装置は、
上面に信号用のパッドと主電極である上部電極を有し、上面とは板厚方向において反対の面である下面に主電極であり、板厚方向から平面視した面積が上部電極よりも大きい下部電極を有する複数の半導体素子(40)と、
はんだを介して主電極に電気的に接続された複数の導体(50、60、70、80、81、82、92)と、を備え、
複数の半導体素子は、上下アーム回路(9)の上アーム(9H)を構成する第1半導体素子(40H)と、上下アーム回路の下アーム(9L)を構成し、板厚方向において上面が同じ側となるように板厚方向に直交する一方向において第1半導体素子と並んで配置された第2半導体素子(40L)と、を含み、
複数の導体は、第1半導体素子の上部電極に第1上部はんだ(101H、102H)を介して接続された第1上部導体(50H、70H)と、第1半導体素子の下部電極に第1下部はんだ(103H)を介して接続された第1下部導体(60H)と、第2半導体素子の上部電極に第2上部はんだ(101L、102L)を介して接続された第2上部導体(50L、70L)と、第2半導体素子の下部電極に第2下部はんだ(103L)を介して接続された第2下部導体(60L)と、第1上部導体と第2下部導体とを中継はんだ(104)を介して接続する継手導体(80、81)と、を含み、
各はんだは、CuおよびSnを含み、
各はんだの接続対象のそれぞれは、Ni層(801、811)を有し、
第1上部はんだ、第2上部はんだ、および中継はんだの少なくともひとつの粒径が、第1下部はんだおよび第2下部はんだの粒径よりも小さい。
上部電極が下部電極よりも小さく、継手導体を備える構成の場合、第1上部はんだ、第2上部はんだ、中継はんだにおける電流密度は、第1下部はんだおよび第2下部はんだにおける電流密度よりも高くなる。開示の半導体装置によれば、電流密度が高い第1上部はんだ、第2上部はんだ、および中継はんだの少なくともひとつの粒径が、第1下部はんだおよび第2下部はんだの粒径よりも小さい。これにより、EMによるNi層の消失を遅くすることができる。この結果、EM寿命を向上できる半導体装置を提供することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る半導体装置が適用される車両の駆動システムの概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。 図2のIII-III線に沿う断面図である。 図2のIV-IV線に沿う断面図である。 封止体を省略した平面図である。 エミッタ電極側のヒートシンクを省略した平面図である。 出力電流および還流電流を示す図である。 図3の領域VIIIを拡大した断面図である。 継手部のはんだ接合面付近を拡大した断面図である。 参考例を示す断面図である。 EM進行のメカニズムを示す参考図である。 変形例を示す平面図である。 第2実施形態に係る半導体装置において、継手部のはんだ接合面付近を拡大した断面図である。 第3実施形態に係る半導体装置において、継手部を含むヒートシンクを示す平面図である 図14の領域XVを拡大した図である。 第4実施形態に係る半導体装置において、継手部のはんだ接合構造を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
本実施形態の半導体装置は、たとえば、回転電機を駆動源とする移動体の電力変換装置に適用される。移動体は、たとえば、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの電動車両、電動垂直離着陸機やドローンなどの飛行体、船舶、建設機械、農業機械である。以下では、車両に適用される例について説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、車両の駆動システム1の概略構成について説明する。
<車両の駆動システム>
図1に示すように、車両の駆動システム1は、直流電源2と、モータジェネレータ3と、電力変換装置4を備えている。
直流電源2は、充放電可能な二次電池で構成された直流電圧源である。二次電池は、たとえばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池である。モータジェネレータ3は、三相交流方式の回転電機である。モータジェネレータ3は、車両の走行駆動源、すなわち電動機として機能する。モータジェネレータ3は、回生時に発電機として機能する。電力変換装置4は、直流電源2とモータジェネレータ3との間で電力変換を行う。
<電力変換装置>
次に、図1に基づき、電力変換装置4の回路構成について説明する。電力変換装置4は、電力変換回路を備えている。図1に示すように電力変換装置4は、平滑コンデンサ5と、電力変換回路であるインバータ6を備えている。
平滑コンデンサ5は、主として、直流電源2から供給される直流電圧を平滑化する。平滑コンデンサ5は、高電位側の電力ラインであるPライン7と低電位側の電力ラインであるNライン8とに接続されている。Pライン7は直流電源2の正極に接続され、Nライン8は直流電源2の負極に接続されている。平滑コンデンサ5の正極は、直流電源2とインバータ6との間において、Pライン7に接続されている。同じく負極は、直流電源2とインバータ6との間において、Nライン8に接続されている。平滑コンデンサ5は、直流電源2に並列に接続されている。
インバータ6は、DC-AC変換回路である。インバータ6は、図示しない制御回路によるスイッチング制御にしたがって、直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータジェネレータ3へ出力する。これにより、モータジェネレータ3は、所定のトルクを発生するように駆動する。インバータ6は、車両の回生制動時、車輪からの回転力を受けてモータジェネレータ3が発電した三相交流電圧を、制御回路によるスイッチング制御にしたがって直流電圧に変換し、Pライン7へ出力する。このように、インバータ6は、直流電源2とモータジェネレータ3との間で双方向の電力変換を行う。
インバータ6は、三相分の上下アーム回路9を備えて構成されている。上下アーム回路9は、レグと称されることがある。上下アーム回路9は、上アーム9Hと、下アーム9Lをそれぞれ有している。上アーム9Hと下アーム9Lは、上アーム9HをPライン7側として、Pライン7とNライン8との間で直列接続されている。上アーム9Hと下アーム9Lとの接続点は、出力ライン10を介して、モータジェネレータ3における対応する相の巻線3aに接続されている。インバータ6は、6つのアームを有している。Pライン7、Nライン8、および出力ライン10それぞれの少なくとも一部は、たとえばバスバーなどの導電部材により構成されている。
各アームを構成する素子は、スイッチング素子であるIGBT11と、還流用のダイオード12を備えている。IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称である。本実施形態では、nチャネル型のIGBT11を採用している。ダイオード12は、対応するIGBT11に対して逆並列に接続されている。上アーム9Hにおいて、IGBT11のコレクタが、Pライン7に接続されている。下アーム9Lにおいて、IGBT11のエミッタが、Nライン8に接続されている。そして、上アーム9HにおけるIGBT11のエミッタと、下アーム9LにおけるIGBT11のコレクタが相互に接続されている。ダイオード12のアノードは対応するIGBT11のエミッタに接続され、カソードはコレクタに接続されている。
電力変換装置4は、電力変換回路として、コンバータをさらに備えてもよい。コンバータは、直流電圧を異なる値の直流電圧に変換するDC-DC変換回路である。コンバータは、直流電源2と平滑コンデンサ5との間に設けられる。コンバータは、たとえばリアクトルと、上記した上下アーム回路9を備えて構成される。この構成によれば、昇降圧が可能である。電力変換装置4は、直流電源2からの電源ノイズを除去するフィルタコンデンサを備えてもよい。フィルタコンデンサは、直流電源2とコンバータとの間に設けられる。
電力変換装置4は、インバータ6などを構成するスイッチング素子の駆動回路を備えてもよい。駆動回路は、制御回路の駆動指令に基づいて、対応するアームのIGBT11のゲートに駆動電圧を供給する。駆動回路は、駆動電圧の印加により、対応するIGBT11を駆動、すなわちオン駆動、オフ駆動させる。駆動回路は、ドライバと称されることがある。
電力変換装置4は、スイッチング素子の制御回路を備えてもよい。制御回路は、IGBT11を動作させるための駆動指令を生成し、駆動回路に出力する。制御回路は、図示しない上位ECUから入力されるトルク要求、各種センサにて検出された信号に基づいて、駆動指令を生成する。各種センサとして、たとえば電流センサ、回転角センサ、電圧センサがある。電流センサは、各相の巻線3aに流れる相電流を検出する。回転角センサは、モータジェネレータ3の回転子の回転角を検出する。電圧センサは、平滑コンデンサ5の両端電圧を検出する。制御回路は、駆動指令として、たとえばPWM信号を出力する。制御回路は、たとえばプロセッサとメモリを備えて構成されている。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。PWMは、Pulse Width Modulationの略称である。
<半導体装置>
次に、図2~図6に基づき、半導体装置20の概略構成について説明する。図2は、半導体装置20を示す平面図である。図2は、半導体装置20の上面視平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿う断面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図2に対して封止体30を省略した図である。図6は、図5に対してエミッタ電極42側のヒートシンク50を省略した図である。
半導体装置を構成する要素の一部について、符号末尾に上アーム9H側を示す「H」を付与し、下アーム9L側を示す「L」を付与している。要素の他の一部について、便宜上、上アーム9Hと下アーム9Lとで共通の符号を付与している。
以下において、半導体素子(半導体基板)の板厚方向をZ方向とする。Z方向に直交する一方向をX方向とする。Z方向およびX方向の両方向に直交する方向をY方向とする。特に断わりのない限り、Z方向から平面視した形状、換言すればX方向およびY方向により規定されるXY面に沿う形状を平面形状とする。また、Z方向からの平面視を、単に平面視と示すことがある。
図2~図6に示すように、半導体装置20は、封止体30と、半導体素子40と、ヒートシンク50、60と、導電スペーサ70と、継手部80~82と、外部接続端子90を備えている。半導体装置20は、さらにボンディングワイヤ97と、はんだ100を備えている。半導体装置20は、上記した一相分の上下アーム回路9を構成する。
封止体30は、半導体装置20を構成する他の要素の一部を封止している。他の要素の残りの部分は、封止体30の外に露出している。封止体30は、たとえば樹脂を材料とする。樹脂の一例は、エポキシ系樹脂である。封止体30は、樹脂を材料として、たとえばトランスファモールド法により成形されている。このような封止体30は、封止樹脂体、モールド樹脂、樹脂成形体などと称されることがある。封止体30は、たとえばゲルを用いて形成されてもよい。ゲルは、たとえばヒートシンク50、60の対向領域に充填(配置)される。
図2~図4に示すように、封止体30は平面略矩形状をなしている。封止体30は、外郭をなす表面として、一面30aと、Z方向において一面30aとは反対の面である裏面30bを有している。一面30aおよび裏面30bは、たとえば略平坦な面である。また、一面30aおよび裏面30bに連なる側面30c、30d、30e、30fを有している。側面30cは、外部接続端子90のうち、主端子91~93が突出する面である。側面30dは、Y方向において側面30cとは反対の面である。側面30dは、信号端子94が突出する面である。側面30e、30fは、外部接続端子90が突出していない面である。側面30eは、X方向において側面30fとは反対の面である。
半導体素子40は、半導体基板41と、エミッタ電極42と、コレクタ電極43と、パッド44を備えている。半導体素子40は、半導体チップと称されることがある。半導体基板41は、シリコン(Si)、シリコンよりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体などを材料とし、縦型素子が形成されてなる。ワイドバンドギャップ半導体としては、たとえばシリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)、ダイヤモンドがある。
縦型素子は、半導体基板41(半導体素子40)の板厚方向、すなわちZ方向に主電流を流すように構成されている。本実施形態の縦型素子は、ひとつのアームを構成するIGBT11およびダイオード12である。縦型素子は、ダイオード12が逆並列に接続されたIGBT、つまりRC-IGBTである。RCは、Reverse Conductingの略称である。縦型素子は、通電により発熱する発熱素子である。半導体基板41には、図示しないゲート電極が形成されている。ゲート電極は、たとえばトレンチ構造をなしている。
半導体基板41は、平面略矩形状をなしている。主電極のひとつであるエミッタ電極42は、半導体基板41の一面上に配置されている。主電極の他のひとつであるコレクタ電極43は、半導体基板41の裏面上に配置されている。半導体基板41の一面は、半導体基板41の主面のうち、板厚方向において封止体30の一面30a側の面である。半導体基板41の裏面は、半導体基板41の主面のうち、板厚方向において半導体基板41において封止体30の裏面30b側の面である。
IGBT11がオンすることで、主電極間、つまりエミッタ電極42とコレクタ電極43との間に、電流(主電流)が流れる。エミッタ電極42は、ダイオード12のアノード電極を兼ねている。コレクタ電極43は、ダイオード12のカソード電極を兼ねている。コレクタ電極43は、半導体基板41の裏面のほぼ全体に形成されている。エミッタ電極42は、半導体基板41の一面の一部分に形成されている。つまり平面視において、コレクタ電極43は、エミッタ電極42よりも面積が大きい。エミッタ電極42が上部電極に相当し、コレクタ電極43が下部電極に相当する。
エミッタ電極42は、Ni(ニッケル)を主成分とする材料を用いて形成されたNi層を有している。本実施形態のエミッタ電極42は、Al(アルミニウム)を主成分とする材料を用いて形成されAl層と、Al層上に積層されたNi層を有している。コレクタ電極43も、エミッタ電極42同様、Al層と、Ni層を有している。
パッド44は、信号用の電極である。パッド44は、半導体基板41の一面において、エミッタ電極42の形成領域とは異なる領域に形成されている。パッド44は、Y方向において、エミッタ電極42の形成領域とは反対側の端部に形成されている。パッド44は、Y方向においてエミッタ電極42と並んで設けられている。パッド44の個数は特に限定されない。パッド44は、ゲート電極用のパッドを少なくとも含む。
一例として半導体素子40は、5つのパッド44を有している。具体的には、ゲート電極用、エミッタ電位の検出用、半導体素子40が備える図示しない感温ダイオードのカソード電位検出用、同じくアノード電位検出用、電流センス用を有している。5つのパッド44は、X方向に沿って並んでいる。
半導体装置20は、2つの半導体素子40を備えている。具体的には、上アーム9Hを構成する半導体素子40Hと、下アーム9Lを構成する半導体素子40Lを備えている。半導体素子40Hは、第1半導体素子、上アーム素子などと称されることがある。半導体素子40Lは、第2半導体素子、下アーム素子などと称されることがある。半導体素子40H、40Lは、互いに同様の仕様、つまり共通部材である。半導体素子40H、40Lは、X方向に並んでいる。半導体素子40H、40Lは、Z方向において互いにほぼ同じ位置に配置されている。半導体素子40H、40Lは、一面同士、つまりエミッタ電極42同士が、Z方向において同じ側に位置するように配置されている。
ヒートシンク50は、エミッタ電極42に電気的に接続され、配線機能を提供する。同様に、ヒートシンク60は、コレクタ電極43に電気的に接続され、配線機能を提供する。ヒートシンク50、60は、半導体素子40の生じた熱を放熱する放熱機能を提供する。このためヒートシンク50、60は、配線部材、導電部材、放熱部材などと称されることがある。ヒートシンク50、60は、Z方向において、半導体素子40を挟むように配置されている。ヒートシンク50,60は、Z方向において互いに少なくとも一部が対向するように配置されている。ヒートシンク50、60は、平面視において半導体素子40を内包している。
ヒートシンク50、60は、Cu、Cu合金などの導電性が良好な金属を材料とする金属板である。金属板は、たとえばリードフレームの一部として提供される。ヒートシンク50、60は、表面に、めっき処理などにより形成されたNi層を有している。ヒートシンク50、60は、Ni層を、少なくともはんだ接合面に有している。
配線部材としては、ヒートシンク50、60に代えて、セラミックや樹脂などの絶縁基材の両面に金属体が配置された基板を採用してもよい。この場合、半導体素子40側の金属体がはんだ接合される導体、つまり上部導体や下部導体に相当する。半導体素子40側の金属体は、表面にNi層を有する。
ヒートシンク50は、半導体素子40側の面である対向面50aと、対向面50aとは反対の面である裏面50bを有している。同様に、ヒートシンク60も、対向面60aと裏面60bを有している。ヒートシンク50、60それぞれの裏面50b、60bは、封止体30から露出している。裏面50b、60bは、放熱面、露出面などと称されることがある。ヒートシンク50の裏面50bは、封止体30の一面30aと略面一である。ヒートシンク60の裏面60bは、封止体30の裏面30bと略面一である。
半導体装置20は、2つのヒートシンク50を備えている。具体的には、上アーム9Hを構成するヒートシンク50Hと、下アーム9Lを構成するヒートシンク50Lを備えている。ヒートシンク50Hが第1上部導体の第1本体部に相当し、ヒートシンク50Lが第2上部導体の第2本体部に相当する。
図5に示すように、ヒートシンク50H、50Lは、平面略矩形状をなしている。ヒートシンク50H、50Lは、X方向に並んでいる。図3および図4に示すように、ヒートシンク50H、50Lは、互いにほぼ同じ厚みを有し、Z方向において互いにほぼ同じ位置に配置されている。ヒートシンク50H、50Lは、平面視において対応する半導体素子40および導電スペーサ70を内包している。ヒートシンク50H、50Lそれぞれの対向面50aには、溢れたはんだを収容する溝51が形成されている。溝51は、対向面50aにおいてはんだ接合部を取り囲んでいる。溝51は、たとえば環状に形成されている。封止体30から露出するヒートシンク50H、50Lの裏面50bは、X方向に並んでいる。
半導体装置20は、2つのヒートシンク60を備えている。具体的には、上アーム9Hを構成するヒートシンク60Hと、下アーム9Lを構成するヒートシンク60Lを備えている。ヒートシンク60Hが第1下部導体に相当し、ヒートシンク60Lが第2下部導体に相当する。
図6に示すように、ヒートシンク60H、60Lは、平面略矩形状をなしている。ヒートシンク60H、60Lは、X方向に並んでいる。図3および図4に示すように、ヒートシンク60H、60Lは、互いにほぼ同じ厚みを有し、Z方向において互いにほぼ同じ位置に配置されている。ヒートシンク60H、60Lは、平面視において対応する半導体素子40を内包している。封止体30から露出するヒートシンク60H、60Lの裏面60bは、X方向に並んでいる。
導電スペーサ70は、Z方向において半導体素子40とヒートシンク50との間に介在している。導電スペーサ70は、半導体素子40とヒートシンク50との間に所定の間隔を確保するスペーサ機能を提供する。たとえば導電スペーサ70は、半導体素子40のパッド44に、対応する信号端子94を電気的に接続するための高さを確保する。導電スペーサ70は、半導体素子40のエミッタ電極42とヒートシンク50との電気伝導、熱伝導経路の途中に位置し、配線機能および放熱機能を提供する。導電スペーサ70は、ヒートシンク50とともに上部導体を構成する。
導電スペーサ70は、Cuなどの導電性、熱伝導性が良好な金属を材料とする金属部材である。導電スペーサ70は、ターミナル、ターミナルブロック、金属ブロック体などと称されることがある。導電スペーサ70は、表面に、めっき処理などにより形成されたNi層を有している。導電スペーサ70は、Ni層を、少なくともはんだ接合面に有している。本実施形態の導電スペーサ70は、平面視においてエミッタ電極42とほぼ同じ大きさを有する平面略矩形状の柱状体である。
半導体装置20は、2つの導電スペーサ70を備えている。具体的には、上アーム9Hを構成する導電スペーサ70Hと、下アーム9Lを構成する導電スペーサ70Lを備えている。導電スペーサ70Hが第1上部導体の第1スペーサ部に相当し、導電スペーサ70Lが第2上部導体の第2スペーサ部に相当する。
継手部80~82は、上下アーム回路9を構成する要素間をつないでいる。継手部80~82は、半導体装置20を構成する要素間をつないでいる。継手部80~82は、Cuなどの導電性、熱伝導性が良好な金属を材料とする金属部材である。継手部80~82は、表面に、めっき処理などにより形成されたNi層を有している。継手部80~82は、Ni層を、少なくともはんだ接合面に有している。
図3および図6に示すように、継手部80は、ヒートシンク60Lに連なっている。継手部80の厚みは、ヒートシンク60Lよりも薄い。継手部80は、たとえばヒートシンク60Lの対向面60aと略面一の状態で、ヒートシンク60Hとの対向面(側面)に連なっている。継手部80は、2つの屈曲部を有することで、ZX平面において略クランク状をなしている。継手部80は、封止体30によって覆われている。
継手部80は、ヒートシンク60Lに対して連続して一体的に設けられることで連なってもよいし、別部材として設けられ、接合により連なってもよい。本実施形態の継手部80は、リードフレームの一部として、ヒートシンク60Lと一体的に設けられている。Ni層は、ヒートシンク60Lおよび継手部80に対して、連続して一体的に設けられている。
図3、図4、および図5に示すように、継手部81、82は、対応するヒートシンク50に連なっている。継手部81は、ヒートシンク50Hに連なっている。継手部82は、ヒートシンク50Lに連なっている。継手部81、82の厚みは、対応するヒートシンク50よりも薄い。継手部81、82は、封止体30によって覆われている。
継手部81、82は、ヒートシンク50に対して連続して一体的に設けられることで連なってもよいし、別部材として設けられ、接合により連なってもよい。本実施形態の継手部81、82は、対応するヒートシンク50H、50Lに対して一体的に設けられている。継手部81、82は、ヒートシンク50H、50Lの互いに対向する側面から、X方向に延びている。Ni層は、ヒートシンク50Hおよび継手部81に対して、連続して一体的に設けられている。Ni層は、ヒートシンク50Lおよび継手部82に対して、連続して一体的に設けられている
一例として継手部81を含むヒートシンク50Hと継手部82を含むヒートシンク50Lは、共通部材である。継手部81を含むヒートシンク50Hと、継手部82を含むヒートシンク50Lとの配置は、Z軸を回転軸とする2回対称となっている。継手部80と継手部81との対向面間にはんだが介在し、はんだ接合部が形成されている。図5に示すように継手部81、82は、平面視においてヒートシンク50H、50Lの間に配置されている。継手部81、82は、ヒートシンク50H、50Lの間で、Y方向に並んでいる。
継手部81、82の接合面には、溢れたはんだを収容する溝83が形成されている。溝83は、はんだ接合部を取り囲むように環状に形成されている。溝83は、たとえばプレス加工により形成されている。継手部80、81が、継手導体、第1継手導体に相当する。継手部82が、第2継手導体に相当する。
外部接続端子90は、半導体装置20を外部機器と電気的に接続するための端子である。外部接続端子90は、銅などの導電性が良好な金属材料を用いて形成されている。外部接続端子90は、たとえば板材である。外部接続端子90は、リードと称されることがある。外部接続端子90は、主端子91、92、93と、信号端子94を備えている。主端子91、92、93は、半導体素子40の主電極に電気的に接続された外部接続端子90である。
図5および図6に示すように、主端子91は、半導体素子40Hのコレクタ電極43に電気的に接続されている。主端子91は、平滑コンデンサ5の正極端子に電気的に接続される。主端子91は、P端子、高電位電源端子などと称されることがある。主端子91は、ヒートシンク60Hを介して、半導体素子40Hのコレクタ電極43に接続されている。主端子91は、ヒートシンク60HにおけるY方向の一端に連なっている。主端子91の厚みは、ヒートシンク60Hよりも薄い。主端子91は、たとえば対向面60aと略面一となるように、ヒートシンク60Hに連なっている。主端子91は、ヒートシンク60Hに対して連続して一体的に設けられることで連なってもよいし、別部材として設けられ、接合により連なってもよい。
本実施形態の主端子91は、リードフレームの一部として、ヒートシンク60Hと一体的に設けられている。主端子91は、ヒートシンク60HからY方向に延び、封止体30の側面30cから外部に突出している。主端子91は、封止体30により覆われる部分の途中に屈曲部を有し、側面30cにおいてZ方向の中央付近から突出している。
図5および図6に示すように、主端子92は、半導体素子40Lのエミッタ電極42に電気的に接続されている。主端子92は、平滑コンデンサ5の負極端子に電気的に接続される。主端子92は、N端子、低電位電源端子などと称されることがある。主端子92は、継手部82、ヒートシンク50L、および導電スペーサ70Lを介して、半導体素子40Lのエミッタ電極42に接続されている。主端子92は、Y方向に延び、主端子91と同じ側面30cから封止体30の外に突出している。
主端子92は、Y方向の一端付近に継手部82との接続部920を有している。主端子92のうち、接続部920を含む一部分が封止体30により覆われ、残りの部分が封止体30から突出している。接続部920は、封止体30から突出した部分よりも板厚が厚い。接続部920の板厚は、たとえばヒートシンク50Lとほぼ同じ厚みである。主端子92も、主端子91同様に屈曲部を有し、側面30cにおいてZ方向の中央付近から突出している。主端子92は、表面に、めっき処理などにより形成されたNi層を有している。主端子92は、Ni層を、少なくとも接続部920のはんだ接合面に有している。
主端子93は、上アーム9Hと下アーム9Lとの接続点に接続されている。主端子93は、半導体素子40Hのエミッタ電極42および半導体素子40Lのコレクタ電極43に電気的に接続されている。主端子93は、モータジェネレータ3の対応する相の巻線3aに電気的に接続される。主端子93は、出力端子、交流端子、O端子などと称されることがある。主端子93は、ヒートシンク60L、継手部80、81、ヒートシンク50H、導電スペーサ70Hを介して、半導体素子40Hのエミッタ電極42に電気的に接続されている。主端子93は、ヒートシンク60Lを介して、半導体素子40Lのコレクタ電極43に接続されている。
主端子93は、ヒートシンク60LにおけるY方向の一端に連なっている。主端子93の厚みは、ヒートシンク60Lよりも薄い。主端子93は、たとえば対向面60aと略面一となるように、ヒートシンク60Lに連なっている。主端子93は、ヒートシンク60Lに対して連続して一体的に設けられることで連なってもよいし、別部材として設けられ、接合により連なってもよい。
本実施形態の主端子93は、リードフレームの一部として、ヒートシンク60Lと一体的に設けられている。主端子93は、ヒートシンク60LからY方向に延び、主端子91と同じ側面30cから封止体30の外に突出している。主端子93も、主端子91同様に屈曲部を有し、側面30cにおいてZ方向の中央付近から突出している。3本の主端子91~93は、X方向において主端子91、主端子92、主端子93の順に並んでいる。
信号端子94は、半導体素子40の対応するパッド44に電気的に接続されている。本実施形態の信号端子94は、ボンディングワイヤ97を介してパッド44に電気的に接続されている。信号端子94は、Y方向に延び、封止体30の側面30dから外部に突出している。半導体装置20は、ひとつの半導体素子40に対して5本の信号端子94、つまり計10本の信号端子94を備えている。複数の信号端子94は、X方向に並んで配置されている。信号端子94は、たとえばヒートシンク60および主端子91~93と共通のリードフレームに構成されている。
なお、半導体装置20は、吊りリード95を備えている。ヒートシンク60(60H、60L)と、継手部81と、主端子91~93と、信号端子94は、共通部材であるリードフレームに構成される。リードフレームは、部分的に厚みが異なる異形条である。信号端子94は、カット前の状態で、図示しないタイバーを介して吊りリード95に支持される。タイバーや外周フレームなど、リードフレームの不要部分は、封止体30の成形後にカット(除去)されている。
半導体装置20は、要素間を接続するための複数のはんだ100を備えている。はんだ100は、はんだ101H、101L、102H、102L、103H、103L、104、105を含んでいる。はんだ101Hは、半導体素子40Hのエミッタ電極42と導電スペーサ70Hとの間に介在し、エミッタ電極42と導電スペーサ70Hとを接合している。はんだ102Hは、導電スペーサ70Hとヒートシンク50Hとの間に介在し、導電スペーサ70Hとヒートシンク50Hとを接合している。はんだ101H、102Hが、第1上部はんだに相当する。はんだ103Hは、半導体素子40Hのコレクタ電極43とヒートシンク60Hとの間に介在し、コレクタ電極43とヒートシンク60Hとを接合している。はんだ103Hが、第1下部はんだに相当する。
はんだ101Lは、半導体素子40Lのエミッタ電極42と導電スペーサ70Lとの間に介在し、エミッタ電極42と導電スペーサ70Lとを接合している。はんだ102Lは、導電スペーサ70Lとヒートシンク50Lとの間に介在し、導電スペーサ70Lとヒートシンク50Lとを接合している。はんだ101L、102Lが、第2上部はんだに相当する。はんだ103Lは、半導体素子40Lのコレクタ電極43とヒートシンク60Lとの間に介在し、コレクタ電極43とヒートシンク60Lとを接合している。はんだ103Lが、第2下部はんだに相当する。
なお、はんだ101H、101Lは、素子上はんだと称されることがある。はんだ102H、102Lは、スペーサ上はんだと称されることがある。はんだ103H、103Lは、素子下はんだと称されることがある。
はんだ104は、継手部80、81とともに、ヒートシンク50Hとヒートシンク60Lとを電気的に接続する。本実施形態のはんだ104は、ヒートシンク60Lに連なる継手部80と、ヒートシンク50Hに連なる継手部81との間に介在し、継手部80、81を接合している。はんだ104が、中継はんだ、第1中継はんだに相当する。はんだ105は、継手部82とともに、ヒートシンク50Lと主端子92とを電気的に接続する。本実施形態のはんだ105は、ヒートシンク50Lに連なる継手部82と、主端子92の接続部920との間に介在し、継手部82と主端子92を接合している。はんだ105が、第2中継はんだに相当する。
複数のはんだ100のそれぞれは、CuおよびSnを含む。はんだ100は、一例としてCu、Bi、Sbなどを含み、残部がSnからなる多元系の鉛フリーはんだである。各はんだ100の厚みは、たとえば100μm程度である。
上記したように、半導体装置20では、封止体30によって一相分の上下アーム回路9を構成する複数の半導体素子40が封止されている。封止体30は、複数の半導体素子40、ヒートシンク50それぞれの一部、ヒートシンク60それぞれの一部、導電スペーサ70、継手部80~82、主端子91~93および信号端子94それぞれの一部を、一体的に封止している。
半導体素子40は、Z方向においてヒートシンク50、60の間に配置されている。半導体素子40は、対向配置されたヒートシンク50、60によって挟まれている。これにより、半導体素子40の熱を、Z方向において両側に放熱することができる。半導体装置20は、両面放熱構造をなしている。ヒートシンク50の裏面50bは、封止体30の一面30aと略面一となっている。ヒートシンク60の裏面60bは、封止体30の裏面30bと略面一となっている。裏面50b、60bが露出面であるため、放熱性を高めることができる。
なお、上記したNi層上に、めっき処理などによってAu層を設けてもよい。Auは、たとえば、Niの酸化を抑制してはんだとの濡れ性を向上する。Auは、はんだ付け時にはんだ中に拡散するため、接合前の状態で存在し、接合した状態で存在しない。
<出力電流と還流電流>
次に、図7に基づき、出力電流および還流電流について説明する。図7は、一例として上アーム9H側の半導体素子40Hに関する出力電流と還流電流を示している。図7では、出力電流を破線の矢印で示し、還流電流を一点鎖線の矢印で示している。
出力電流(主電流)は、IGBT動作時に流れる。上アーム9H側の出力電流は、主端子91から、半導体素子40HのIGBT11、および主端子93を介して、モータジェネレータ3に流れる。具体的には、図7に破線の矢印で示すように、主端子91(P端子)→ヒートシンク60H→半導体素子40H(IGBT11)→導電スペーサ70H→ヒートシンク50H→継手部81→継手部80→ヒートシンク60L→主端子93(O端子)の経路で流れる。
還流電流は、ダイオード動作時に流れる。上アーム9H側の還流電流は、出力電流と逆向き、つまり主端子93から、半導体素子40Hのダイオード12、および主端子91を介して直流電源2側に流れる。具体的には、図7に一点鎖線の矢印で示すように、主端子93(O端子)→ヒートシンク60L→継手部80→継手部81→ヒートシンク50H→導電スペーサ70H→半導体素子40H(ダイオード12)→ヒートシンク60H→主端子91(P端子)の経路で流れる。
なお、下アーム9L側についても同様である。出力電流は、主端子93→半導体素子40LのIGBT11→主端子92の経路で流れる。還流電流は、主端子92→半導体素子40Lのダイオード12→主端子93の経路で流れる。
<接合構造およびはんだの粒径>
次に、図8~図10に基づき、接合構造およびはんだ粒径について説明する。図8は、本実施形態に係る半導体装置20において、継手部80、81の接合構造を示す断面図である。図8は、図3に一点鎖線で示す領域VIIIを拡大した断面図である。便宜上、図8では、ワイヤ片120を省略して図示している。図9は、継手部80の表面に設けたワイヤ片120を示す断面図である。図9では、便宜上、合金層110を省略している。図10は、参考例を示す断面図である。図10は、図8に対応している。参考例では、各要素の符号を、半導体装置20の関連する要素の符号の末尾にrを付加したものとしている。
図8に示すように継手部80は、Cu系の母材800と、母材800上に設けられたNi層801を有している。同様に、継手部81も、Cu系の母材810と、母材810上に設けられたNi層811を有している。一例としてNi層801、811は、無電解めっき法により成膜されたNiPである。Ni層801、811は、Pを含むNiめっき膜である。
半導体装置20は、Ni層801とはんだ104との間に介在する合金層110と、Ni層801とはんだ104との間に介在する合金層111を備えている。合金層110、111は、IMCと称されることがある。IMCは、Intermetallic Compoundの略称である。合金層110、111は、はんだ接合時に形成される。合金層110、111は、Ni、Cu、およびSnを含む。合金層110、111の組成は、たとえば(Ni-Cu)Snである。
半導体装置20は、さらにPリッチ層802、812を備えている。Pリッチ層802は、Ni層801の表面に形成されている。Pリッチ層812は、Ni層811の表面に形成されている。Pリッチ層802、812は、接合時にNi層801、811のNiの一部がはんだ104側に拡散することで形成される。Pリッチ層802、812は、Ni層801、811(NiP)よりもPがリッチな層である。Pリッチ層802、812の組成は、たとえばNiPである。
図9に示すように、継手部80、81の少なくともひとつは、はんだ接合面に、複数のワイヤ片120を有している。ワイヤ片120は、ボンディングワイヤの小片部である。ワイヤ片120は、突起部、スタッドボンディングと称されることがある。ワイヤ片120は、はんだ104内に配置されている。複数のワイヤ片120が、はんだ104内において分散配置されている。ワイヤ片120の高さを適宜設定することで、はんだ104の最低厚を保証することも可能である。複数のワイヤ片120は、はんだ接合部を構成する対向面のひとつである第1対向面に固定(接合)され、対向面の他のひとつである第2対向面に向けて突起している。一例として本実施形態では、継手部80のはんだ接合面に、ワイヤ片120が設けられている。ワイヤ片120は、たとえば所定ピッチで設けられている。
ワイヤ片120を有することで、継手部80の表面は凹凸形状をなしている。はんだ104は、ワイヤ片120を起点として、はんだ104の凝固時に粒成長し始める。隣接する粒が衝突することで、粒界106が形成される。結晶粒は、ワイヤ片120の角部、たとえば上端の角部を起点として成長する。このため、はんだ104の粒径は、たとえばはんだ103H、103Lの粒径よりも小さい。上記したようにはんだ104の厚みは、100μm程度である。はんだ104の粒径は、はんだ104の厚み、つまり100μmよりも小さい。
図10に示す比較例では、継手部80r、81rのはんだ接合面に、ワイヤ片を設けていない。つまり、はんだ104の粒径を制御していない。その他の構成については、本実施形態の半導体装置20と同様である。このような場合、はんだ104rの粒径は、100μm程度となる。はんだ104rの結晶粒は、はんだ104の厚み方向(Z方向)において、1個または2個存在する程度である。
本実施形態では、複数のはんだ100のうち、はんだ103H、103Lにワイヤ片120が配置されない。はんだ103H、103Lの粒径は、図10に示した比較例と同等である。はんだ103H,103Lの粒径は、ワイヤ片120が配置されたはんだ104よりも粒径が大きい。
<EM>
次に、図11に基づき、EM(エレクトロマイグレーション)について説明する。図11は、EM進行のメカニズムを示す参考図である。図11でも、各要素の符号を、半導体装置20の関連する要素の符号の末尾にrを付加したものとしている。参考図に示す例では、図10に示した構成同様、はんだ104rの粒径制御を行っていない。その他の構成については、本実施形態の半導体装置20と同様である。
図11の1stは、通電前の初期段階を示している。Ni層801rとはんだ104rとの間には、合金層110rが介在している。また、Ni層801rの表面には、Pリッチ層802rが形成されている。
図11の2nd、3rd、および4thは、出力電流の印加時を示している。破線矢印は電子(e-)の流れる方向を示している。図11の2ndに示すように、電子の移動にともなって合金層110rのCuなどが継手部81r側に移動(拡散)する。具体的には、Cuなどの金属がイオン化し、継手部81r側に移動する。これにより合金層110rは徐々に薄くなり、図11の3rdに示すように消失する。
合金層110rが消失すると、図11の3rdに示すように、電子の移動にともなってNi層801rのNiが継手部81r側に移動(拡散)し、Ni層801rが減少、Pリッチ層802rが増加する。そして、図11の4thに示すように、Ni層801rが消失し、Pリッチ層802rが母材800rに到達する。つまり、Pリッチ層802rがNi層801rに置き換わる。
Pリッチ層802rが母材800rに到達した後、さらに経過すると密着性が低下し、たとえばボイドが生じる。また、ボイドを起点として、界面に沿うクラックが生じる。また、Pリッチ層802rにもクラックが生じ得る。
上記したように、はんだ粒径を制御しない構成(図10参照)では、はんだ104rの粒径が大きい。Cuの移動経路に粒界が少ない。このため、電子の移動にともなって合金層110rのCuが移動し易い。
なお、出力電流の例を示したが、還流電流の場合にも同様である。還流電流の印加時には、まず継手部81r側の合金層111rが消失し、次いでPリッチ層812rがNi層811rに置き換わる。Pリッチ層812rが母材810rに到達した後、さらに経過すると密着性が低下し、たとえばボイドやクラックが生じる。はんだ104rの粒径が大きいため、電子の移動にともなって合金層111rのCuが移動し易い。
一方、本実施形態の構成(図8参照)では、電流密度が高い継手部80、81の接合部におけるはんだ104の粒径が、はんだ粒径を制御しないはんだ103H、103Lの粒径よりも小さい。このため、電子の移動にともなって合金層110、111のCuが移動し難い。つまり、合金層110、111が消失し難い。合金層110、111が消失するまでにかかる時間が長くなる。これにより、Ni層801、811がPリッチ層802、812になって減少し始める時間が遅くなる。Ni層801、811が消失するまでにかかる時間が長くなる。
<第1実施形態のまとめ>
平面視において、高電位側の主電極であるコレクタ電極43の面積は、低電位側の主電極であるエミッタ電極42の面積よりも大きい。また、半導体装置20の小型化のため、継手部80、81のはんだ接合部や継手部82のはんだ接合部の面積を大きくとることが困難である。これにより、一相分の上下アーム回路9を構成する半導体装置20においては、はんだ101H、101L、102H、102L、104、105の電流密度が、はんだ103H、103Lの電流密度よりも高くなる。つまり、複数のはんだ100のうち、はんだ101H、101L、102H、102L、104、105の接合部において、EMが進行しやすい。複数のはんだ100のうち、はんだ103H、103Lの接合部において、EMが進行し難い。
一例として本実施形態では、はんだ104(中継はんだ、第1中継はんだ)の粒径が、はんだ103H、103L(第1下部はんだおよび第2下部はんだ)の粒径よりも小さい。はんだ104のほうが、接続対象間において粒界106が多い。粒界106は、Cuの移動を阻害する。このため、電子の移動にともなって合金層110、111のCuが移動し難い。よって、合金層110、111が消失するまでにかかる時間を長くすることができる。また、Ni層801、811が消失するまでにかかる時間を長くすることができる。以上より、EM寿命を向上することができる。
半導体装置20の電流密度、つまり主電極に連なる通電経路の電流密度は、たとえば継手部80、81のはんだ接合部において最大となる。本実施形態では、はんだ104の粒径を小さくするため、EM寿命を向上することができる。
なお、はんだ104の粒径の効果については、試作にて確認済みである。はんだ104の粒径を小さくすることで、合金層110、111の消失が遅くなる、つまりEMの進行を遅くできることを確認できた。このとき、無電解NiPめっきによりNi層801、811を形成した。合金層110、111の組成は、(Ni-Cu)Snであった。
本実施形態では、継手部80は、はんだ接合面に複数のワイヤ片120を有している。はんだ104は、ワイヤ片120を起点として凝固する。ワイヤ片120は、凝固の起点部である。ワイヤ片120を設けることで、はんだ104の粒径を小さくし、EM寿命を向上することができる。
<変形例>
ワイヤ片120を継手部80に設ける例を示したが、これに限定されない。ワイヤ片120を継手部81のはんだ接合面に設けてもよい。これによっても、ワイヤ片120を起点にはんだ104が凝固し、小粒化する。継手部80、81のそれぞれにワイヤ片120を設けてもよい。つまり、接続対象の少なくともひとつに設ければよい。
粒径の小さい小粒はんだとして、はんだ104の例を示したがこれに限定されない。小粒はんだとして、複数のはんだ100のうち、はんだ103H、103Lを除いたほかのはんだの少なくともひとつを採用することができる。
たとえば、はんだ105を小粒はんだとしてもよい。継手部82および/または主端子92の接続部920のはんだ接合面に複数のワイヤ片120を設けることで、はんだ105の粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくすることができる。これにより、はんだ105の接合部でEMが進行するのを抑制することができる。
たとえば、はんだ101H、101Lを小粒はんだとしてもよい。エミッタ電極42および/または導電スペーサ70のはんだ接合面に複数のワイヤ片120を設けることで、はんだ101H、101Lの粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくすることができる。これにより、はんだ101H、101Lの接合部でEMが進行するのを抑制することができる。半導体素子40の小型化において有効である。
たとえば、はんだ102H、102Lを小粒はんだとしてもよい。導電スペーサ70および/またはヒートシンク50のはんだ接合面に複数のワイヤ片120を設けることで、はんだ102H、102Lの粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくすることができる。これにより、はんだ102H、102Lの接合部でEMが進行するのを抑制することができる。はんだ101H、101Lの小粒化同様、半導体素子40の小型化において有効である。
複数のワイヤ片120の配置は特に限定されない。たとえば図12に示すように、複数のワイヤ片120を、導電スペーサ70のはんだ接合面において半導体素子40の中心付近と重なる部分に設けてもよい。EMは、温度が高いほど、電流密度が高いほど進行する。平面視において素子中心付近と重なる部分にワイヤ片120を設けることで、温度が高くなる部分において確実に小粒化することができる。よって、EMの進行を抑制することができる。また、複数のワイヤ片120を、導電スペーサ70のはんだ接合面において、エミッタ電極42の四隅と重なる部分に設けてもよい。四隅は、温度が低く、はんだが凝固しやすい。これにより、小粒化を促進できる。
図12に示すワイヤ片120の配置は、導電スペーサ70に限定されない。エミッタ電極42において、素子中心付近に設けてもよいし、四隅に設けてもよい。ヒートシンク50において、素子中心付近と重なる部分に設けてもよいし、四隅と重なる部分に設けてもよい。
半導体装置20が導電スペーサ70を備える例を示したが、これに限定されない。導電スペーサ70に代えて、ヒートシンク50にスペーサ機能を提供する凸部を設けてもよい。この場合、ヒートシンク50が上部導体に相当する。上部はんだが、エミッタ電極42とヒートシンク50との間に介在し、エミッタ電極42とヒートシンク50とを接合する。上部はんだを細粒化するために、エミッタ電極42および/またはヒートシンク50のはんだ接合面に、複数のワイヤ片120を設けてもよい。
半導体装置20が継手部82を備える例を示したが、これに限定されない。ヒートシンク50L、継手部82、および主端子92が、連続して一体的に設けられてもよい。つまり半導体装置20が、はんだ105を備えない構成としてもよい。
半導体装置20が、上アーム9Hと下アーム9Lとを接続するために2つの継手部80、81を備える例を示したが、これに限定されない。継手部80、81の一方のみを備えてもよい。たとえば継手部80のみを備え、継手部80がはんだ104を介してヒートシンク50Hに接続される構成としてもよい。継手部81のみを備え、継手部81がはんだ104を介してヒートシンク60Lに接続される構成としてもよい。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、凝固の起点部として複数のワイヤ片を設けた。これに代えて、レーザ照射による凹凸酸化膜を設けてもよい。
<凹凸酸化膜>
図13は、本実施形態に係る半導体装置20において、継手部80の表面に設けた凹凸酸化膜803を示す断面図である。図13は、図9に対応している。図13では、便宜上、Pリッチ層802および合金層110を省略している。
上記したように、継手部80は、母材800と、母材800の表面上に設けられたNi層801を有している。図13に示すように、継手部80はNi層801上に設けられた凹凸酸化膜803をさらに有している。凹凸酸化膜803は、Ni層801にレーザ光を照射することで、継手部80のはんだ接合面において、複数箇所に分散形成されている。
凹凸酸化膜803は、Niを主成分とする酸化物の膜である。たとえば、凹凸酸化膜803を構成する成分のうち、80%がNI、10%がNiO、10%がNiとなっている。
Ni層801の表面の凹部801aは、パルス発振のレーザ光の照射により形成される。1パルスごとに、ひとつの凹部801aが形成される。凹凸酸化膜803は、レーザ光の照射により、Ni層801の表層部分が溶融、気化し、蒸着することで形成される。凹凸酸化膜803は、Ni層801由来の酸化膜である。凹凸酸化膜803は、Ni層801の主成分の金属(Ni)の酸化物の膜である。凹凸酸化膜803は、凹部801aを有するNi層801の表面の凹凸に倣って形成されている。凹凸酸化膜803の表面には、凹部801aの幅よりも細かいピッチで凹凸が形成されている。すなわち、非常に微細な凹凸(粗化部)が形成されている。
パルス発振のレーザ光は、エネルギー密度が0J/cmより大きく100J/cm以下で、パルス幅が1μ秒以下となるように調整される。この条件を満たすには、YAGレーザ、YVOレーザ、ファイバレーザなどを採用することができる。たとえばYAGレーザの場合、エネルギー密度が1J/cm以上であればよい。無電解Niめっきの場合、たとえば5J/cm程度でもNi層801を加工することができる。
<ボイド>
酸化膜(凹凸酸化膜803)は、金属膜に較べて、はんだに対する濡れ性が低い。凹凸酸化膜803は、表面に微細な凹凸を有しているため、はんだとの接触面積が小さくなり、はんだの一部は表面張力によって球状になる。つまり接触角が大きくなり、はんだに対する濡れ性が低い。
上記したように凹凸酸化膜803は、はんだ104に対する濡れ性が低い。このため、図13に示すように、凹凸酸化膜803を覆うようにボイド121が形成される。ボイド121は、凹凸酸化膜803の周囲に形成される。半導体装置20において、継手部80のはんだ接合面近傍には、複数のボイド121が存在する。その他の構成については、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第2実施形態のまとめ>
本実施形態に記載の構成によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。具体的には、はんだ104内に、凹凸酸化膜803由来の複数のボイド121が存在する。はんだ104は、凝固する際に、ボイド121を起点として粒成長する。ボイド121は、凝固の起点部である。凹凸酸化膜803、ひいてはボイド121を設けることで、はんだ104の粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくし、EM寿命を向上することができる。
<変形例>
凹凸酸化膜803を継手部80に設ける例を示したが、これに限定されない。接続対象である導体のうち、ヒートシンク60を除いた他の導体に設けることができる。たとえば、凹凸酸化膜を継手部81のはんだ接合面に設けてもよい。継手部80、81のそれぞれに凹凸酸化膜を設けてもよい。凹凸酸化膜をヒートシンク50のはんだ接合面に設けてもよい。凹凸酸化膜を導電スペーサ70のはんだ接合面に設けてもよい。
凹凸酸化膜の配置は特に限定されない。所定ピッチで分散配置してもよい。図12に示したように、ヒートシンク50や導電スペーサ70において、素子中心付近と重なる部分に設けてもよいし、四隅と重なる部分に設けてもよい。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、ワイヤ片や凹凸酸化膜を設けることで、はんだ粒径を小さくした。これに代えて、溢れたはんだを収容する溝の内周端に凹凸を設けてもよい。
図14は、本実施形態に係る半導体装置20において、継手部81を含むヒートシンク50Hを示す平面図である。図14は、対向面50a側から見た平面図である。図15は、図14に一点鎖線で示す領域XVを拡大した図である。図15では、継手部81上に配置されたはんだ104を示している。図15では、粒界106について一部のみを示している。
先行実施形態同様、継手部81は、ヒートシンク50Hに対して連続して一体的に設けられている。図14に示すように、ヒートシンク50Hは溝51を有している。また、継手部81は、溝83を有している。図15に示すように、平面視において、溝83の内周端830は、連続する凹凸状をなしている。継手部81は、溝83の内周端830に凹凸部831を有している。一例として凹凸部831は、溝83の全長にわたって設けられている。
はんだ104は、溝83の内周端830に設けられた凹凸部831の凹部および/または凸部を起点に、凝固時において粒成長する。このように凹凸を起点として成長するため、はんだ104において結晶粒は小さくなる。その他の構成については、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第3実施形態のまとめ>
本実施形態に記載の構成によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。具体的には、溢れたはんだ104を収容する溝83の内周端830が、連続する凹凸状をなしている。はんだ104は、凝固する際に、内周端830の凹凸を起点として粒成長する。凹凸部831は、凝固の起点部である。溝83の内周端830を凹凸状にすることで、はんだ104の粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくし、EM寿命を向上することができる。
凹凸部831を、溝83の全長にわたって設ける例を示したが、これに限定されない。凹凸部831は、溝83の全長のうち、少なくとも一部に設けられればよい。溝83の内周端830の少なくとも一部を凹凸状とすることで、はんだ104の粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくすることができる。
なお、継手部81を含むヒートシンク50Hと、継手部82を含むヒートシンク50Lとが共通部材の場合には、継手部82も、溝83の内周端830に凹凸部831を有することになる。この場合、はんだ105についても小粒化することができる。
<変形例>
凹凸部831を溝83に設ける例を示したが、これに限定されない。凹凸部を、ヒートシンク50の溝51の内周端に設けてもよい。ヒートシンク50Hの溝51の内周端に設けてもよいし、ヒートシンク50Lの溝51の内周端に設けてもよい。溝51、溝83のそれぞれに凹凸部を設けてもよい。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、はんだの接続対象の工夫により、はんだの粒径を小さくした。これに代えて、はんだの工夫により、はんだの粒径を小さくしてもよい。
図16は、本実施形態に係る半導体装置20において、継手部80、81の接合構造を示す断面図である。図16は、図8に対応している。
図16に示すように、はんだ104には、導電性のボール122が添加されている。ボール122は、NiまたはCuを主成分とする。このようなボール122は、Niボール、Cuボールと称されることがある。ボール122の径を適宜設定することで、たとえばはんだ104の最低厚を保証することが可能である。
ボール122が存在することで、はんだ104は、凝固時においてボール122を起点に粒成長する。ボール122を起点とするため、ボール122が添加されない構成に較べて、はんだ104の結晶粒は小さくなる。その他の構成については、先行実施形態に記載の構成と同様である。
<第4実施形態のまとめ>
本実施形態に記載の構成によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。具体的には、はんだ104にボール122が添加されている。はんだ104は、凝固する際に、ボール122を起点として粒成長する。ボール122は、凝固の起点部である。ボール122を設けることで、はんだ104の粒径をはんだ103H、103Lの粒径よりも小さくし、EM寿命を向上することができる。
なお、ボール122の効果についても試作にて確認済みである。ボール122を添加することで、はんだ104の粒径が小さくなることを確認できた。また、合金層110、111の消失が遅くなる、つまりEMの進行を遅くできることを確認できた。このとき、無電解NiPめっきによりNi層801、811を形成した。合金層110、111の組成は、(Ni-Cu)Snであった。
<変形例>
はんだ104を多層構造とし、単位体積当たりのボール122の占有率を層によって異ならせてもよい。図17に示す例では、はんだ104が、第1層104aと、第2層104bを有している。第1層104aは継手部80側の層であり、第2層104bは継手部81側の層である。図17は、図16に対応している。図17では、便宜上、粒界106を省略している。
図17に示す例では、第1層104aにおけるボール122の占有率は、第2層104bにおけるボール122の占有率よりも高い。第1層104aのほうが、第2層104bよりもボール122の量が多い。このような構成とすると、第2層104bの粒径を小さくしつつ、第1層104aの粒径をさらに小さくすることができる。よって、出力電流によりEMが進行しやすい構成において、EM寿命を向上することができる。
なお、第1層104aと第2層104bとで、ボール122の径を異ならせることで、第1層104aにおけるボール122の占有率を、第2層104bにおけるボール122の占有率より高くしてもよい。ボールの量および径の両方を異ならせてもよい。
第2層104bにおけるボール122の占有率を、第1層104aにおけるボール122の占有率より高くしてもよい。このような構成とすると、第1層104aの粒径を小さくしつつ、第2層104bの粒径をさらに小さくすることができる。よって、還流電流によりEMが進行しやすい構成において、EM寿命を向上することができる。
はんだ104の二層構造は、たとえばボール含有率の異なるはんだ箔を二層配置することで実現可能である。これに代えて、ボールなしのはんだ箔を三層積層し、はんだ箔間のそれぞれに配置するボール122の量および/または径を異ならせてもよい。はんだ104の層数は、2層に限定されない。3層以上でもよい。
はんだ104にボール122が配置される例を示したが、これに限定されない。ボール122は、複数のはんだ100のうち、はんだ103H、103Lを除いた他のはんだの少なくともひとつに配置され得る。
(他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙されたひとつまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、およびすべての組み合わせを含む。
空間的に相対的な用語「内」、「外」、「裏」、「下」、「低」、「上」、「高」などは、図示されているような、ひとつの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明する記載を容易にするためにここでは利用されている。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、使用または操作中の装置の異なる向きを包含することを意図することができる。例えば、図中の装置をひっくり返すと、他の要素または特徴の「下」または「真下」として説明されている要素は、他の要素または特徴の「上」に向けられる。したがって、用語「下」は、上と下の両方の向きを包含することができる。この装置は、他の方向に向いていてもよく(90度または他の向きに回転されてもよい)、この明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
車両の駆動システム1は、上記した構成に限定されない。たとえば、モータジェネレータ3をひとつ備える例を示したが、これに限定されない。複数のモータジェネレータを備えてもよい。電力変換装置4が、電力変換部としてインバータ6を備える例を示したが、これに限定されない。たとえば、複数のインバータを備える構成としてもよい。すくなくともひとつのインバータと、コンバータを備える構成としてもよい。コンバータのみを備えてもよい。
スイッチング素子は、IGBT11に限定されない。たとえばMOSFETを採用してもよい。MOSFETは、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略称である。nチャネル型のMOSFETの場合、ソース電極が上部電極に相当し、ドレイン電極が下部電極に相当する。MOSFETの場合、還流用のダイオードとして寄生ダイオード(ボディダイオード)を用いてもよいし、外付けのダイオードを用いてもよい。
半導体装置20が、各アームを構成する半導体素子40をひとつのみ備える例を示したが、これに限定されない。半導体装置20が、各アームを構成する半導体素子40を複数備えてもよい。つまり、複数の半導体素子40Hが互いに並列接続されてひとつのアーム9Hを構成し、複数の半導体素子40Lが互いに並列接続されてひとつのアーム9Lを構成してもよい。
ヒートシンク50、60の裏面50b、60bが、封止体30から露出する例を示したが、これに限定されない。裏面50b、60bの少なくとも一方が、封止体30によって覆われた構成としてもよい。裏面50b、60bの少なくとも一方が、封止体30とは別の図示しない絶縁部材によって覆われた構成としてもよい。半導体装置20が封止体30を備えない構成としてもよい。
半導体装置20が、封止体30を備える例を示したが、これに限定されない。封止体30を排除した構成としてもよい。
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
<技術的思想1>
上面に信号用のパッドと主電極である上部電極を有し、前記上面とは板厚方向において反対の面である下面に主電極であり、前記板厚方向から平面視した面積が前記上部電極よりも大きい下部電極を有する複数の半導体素子(40)と、
はんだを介して前記主電極に電気的に接続された複数の導体(50、60、70、80、81、82、92)と、を備え、
前記複数の半導体素子は、上下アーム回路(9)の上アーム(9H)を構成する第1半導体素子(40H)と、前記上下アーム回路の下アーム(9L)を構成し、前記板厚方向において前記上面が同じ側となるように前記板厚方向に直交する一方向において前記第1半導体素子と並んで配置された第2半導体素子(40L)と、を含み、
前記複数の導体は、前記第1半導体素子の上部電極に第1上部はんだ(101H、102H)を介して接続された第1上部導体(50H、70H)と、前記第1半導体素子の下部電極に第1下部はんだ(103H)を介して接続された第1下部導体(60H)と、前記第2半導体素子の上部電極に第2上部はんだ(101L、102L)を介して接続された第2上部導体(50L、70L)と、前記第2半導体素子の下部電極に第2下部はんだ(103L)を介して接続された第2下部導体(60L)と、前記第1上部導体と前記第2下部導体とを中継はんだ(104)を介して接続する継手導体(80、81)と、を含み、
各はんだは、CuおよびSnを含み、
各はんだの接続対象のそれぞれは、Ni層(801、811)を有し、
前記第1上部はんだ、前記第2上部はんだ、および前記中継はんだの少なくともひとつの粒径が、前記第1下部はんだおよび前記第2下部はんだの粒径よりも小さい、半導体装置。
<技術的思想2>
前記第1上部導体は、第1本体部(50H)と、前記第1半導体素子の上部電極と前記第1本体部との間に介在する第1スペーサ部(70H)と、を有し、
前記第2上部導体は、第2本体部(50L)と、前記第2半導体素子の上部電極と前記第2本体部との間に介在する第2スペーサ部(70L)と、を有し、
前記第1上部はんだは、前記第1半導体素子の上部電極と前記第1スペーサ部との間、および、前記第1スペーサ部と前記第1本体部との間にそれぞれ介在し、
前記第2上部はんだは、前記第2半導体素子の上部電極と前記第2スペーサ部との間、および、前記第2スペーサ部と前記第2本体部との間にそれぞれ介在している、技術的思想1に記載の半導体装置。
<技術的思想3>
前記継手導体は、前記中継はんだである第1中継はんだを介して前記第1上部導体と前記第2下部導体とを接続する第1継手導体であり、
前記複数の導体は、主端子(92)と、前記第2上部導体と前記主端子とを第2中継はんだ(105)を介して接続する第2継手導体(82)と、を含み、
前記第2中継はんだの粒径が、前記第1下部はんだおよび前記第2下部はんだの粒径よりも小さい、技術的思想1または技術的思想2に記載の半導体装置。
<技術的思想4>
前記第1下部はんだおよび前記第2下部はんだの粒径よりも小さい前記はんだである小粒はんだの内部、もしくは、前記小粒はんだの接続対象の表面に、粒径を小さくするための凝固の起点部を有する、技術的思想1~3いずれかひとつに記載の半導体装置。
<技術的思想5>
前記起点部は、前記小粒はんだ内に配置され、前記小粒はんだの接続対象の表面に固定された複数のワイヤ片(120)である、技術的思想4に記載の半導体装置。
<技術的思想6>
前記小粒はんだの接続対象である前記導体は、前記Ni層上に、Niを主成分とし、表面が連続して凹凸をなす凹凸酸化膜(803)を有し、
前記起点部は、前記凹凸酸化膜を覆うボイド(121)である、技術的思想4に記載の半導体装置。
<技術的思想7>
前記小粒はんだの接続対象である前記導体は、溢れたはんだを収容する溝(83)を有し、
前記溝の内周端は、連続する凹凸状をなしており、
前記起点部は、前記溝の内周端の凹部および/または凸部である、技術的思想4に記載の半導体装置。
<技術的思想8>
前記小粒はんだには、導電性のボール(122)が添加されており、
前記起点部は、前記ボールである、技術的思想4に記載の半導体装置。
<技術的思想9>
前記ボールは、NiまたはCuを含む、技術的思想8に記載の半導体装置。
1…駆動システム、2…直流電源、3…モータジェネレータ、3a…巻線、4…電力変換装置、5…平滑コンデンサ、6…インバータ、7…Pライン、8…Nライン、9…上下アーム回路、9H…上アーム、9L…下アーム、10…出力ライン、11…IGBT、12…ダイオード、20…半導体装置、30…封止体、30a…一面、30b…裏面、30c、30d、30e、30f…側面、40、40H、40L…半導体素子、41…半導体基板、42…エミッタ電極、43…コレクタ電極、44…パッド、50、50H、50L…ヒートシンク、50a…対向面、50b…裏面、51…溝、60、60H、60L…ヒートシンク、60a…対向面、60b…裏面、70、70H、70L…導電スペーサ、80、81、82…継手部、800,810…母材、801、811…Ni層、801a…凹部、802、812…Pリッチ層、803…凹凸酸化膜、83…溝、830…内周端、831…凹凸部、90…外部接続端子、91、92、93…主端子、920…接続部、94…信号端子、95…吊りリード、97…ボンディングワイヤ、100、101H、101L、102H、102L,103H、103L、104、105…はんだ、104a…第1層、104b…第2層、106…粒界、110、111…合金層、120…ワイヤ片、121…ボイド、122…ボール

Claims (9)

  1. 上面に信号用のパッドと主電極である上部電極を有し、前記上面とは板厚方向において反対の面である下面に主電極であり、前記板厚方向から平面視した面積が前記上部電極よりも大きい下部電極を有する複数の半導体素子(40)と、
    はんだを介して前記主電極に電気的に接続された複数の導体(50、60、70、80、81、82、92)と、を備え、
    前記複数の半導体素子は、上下アーム回路(9)の上アーム(9H)を構成する第1半導体素子(40H)と、前記上下アーム回路の下アーム(9L)を構成し、前記板厚方向において前記上面が同じ側となるように前記板厚方向に直交する一方向において前記第1半導体素子と並んで配置された第2半導体素子(40L)と、を含み、
    前記複数の導体は、前記第1半導体素子の上部電極に第1上部はんだ(101H、102H)を介して接続された第1上部導体(50H、70H)と、前記第1半導体素子の下部電極に第1下部はんだ(103H)を介して接続された第1下部導体(60H)と、前記第2半導体素子の上部電極に第2上部はんだ(101L、102L)を介して接続された第2上部導体(50L、70L)と、前記第2半導体素子の下部電極に第2下部はんだ(103L)を介して接続された第2下部導体(60L)と、前記第1上部導体と前記第2下部導体とを中継はんだ(104)を介して接続する継手導体(80、81)と、を含み、
    各はんだは、CuおよびSnを含み、
    各はんだの接続対象のそれぞれは、Ni層(801、811)を有し、
    前記第1上部はんだ、前記第2上部はんだ、および前記中継はんだの少なくともひとつの粒径が、前記第1下部はんだおよび前記第2下部はんだの粒径よりも小さい、半導体装置。
  2. 前記第1上部導体は、第1本体部(50H)と、前記第1半導体素子の上部電極と前記第1本体部との間に介在する第1スペーサ部(70H)と、を有し、
    前記第2上部導体は、第2本体部(50L)と、前記第2半導体素子の上部電極と前記第2本体部との間に介在する第2スペーサ部(70L)と、を有し、
    前記第1上部はんだは、前記第1半導体素子の上部電極と前記第1スペーサ部との間、および、前記第1スペーサ部と前記第1本体部との間にそれぞれ介在し、
    前記第2上部はんだは、前記第2半導体素子の上部電極と前記第2スペーサ部との間、および、前記第2スペーサ部と前記第2本体部との間にそれぞれ介在している、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記継手導体は、前記中継はんだである第1中継はんだを介して前記第1上部導体と前記第2下部導体とを接続する第1継手導体であり、
    前記複数の導体は、主端子(92)と、前記第2上部導体と前記主端子とを第2中継はんだ(105)を介して接続する第2継手導体(82)と、を含み、
    前記第2中継はんだの粒径が、前記第1下部はんだおよび前記第2下部はんだの粒径よりも小さい、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記第1下部はんだおよび前記第2下部はんだの粒径よりも小さい前記はんだである小粒はんだの内部、もしくは、前記小粒はんだの接続対象の表面に、粒径を小さくするための凝固の起点部を有する、請求項1~3いずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記起点部は、前記小粒はんだ内に配置され、前記小粒はんだの接続対象の表面に固定された複数のワイヤ片(120)である、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記小粒はんだの接続対象である前記導体は、前記Ni層上に、Niを主成分とし、表面が連続して凹凸をなす凹凸酸化膜(803)を有し、
    前記起点部は、前記凹凸酸化膜を覆うボイド(121)である、請求項4に記載の半導体装置。
  7. 前記小粒はんだの接続対象である前記導体は、溢れたはんだを収容する溝(83)を有し、
    前記溝の内周端は、連続する凹凸状をなしており、
    前記起点部は、前記溝の内周端の凹部および/または凸部である、請求項4に記載の半導体装置。
  8. 前記小粒はんだには、導電性のボール(122)が添加されており、
    前記起点部は、前記ボールである、請求項4に記載の半導体装置。
  9. 前記ボールは、NiまたはCuを含む、請求項8に記載の半導体装置。
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