JP2024034314A - 熱収縮チューブ固定治具及び熱収縮チューブ付き電線の製造方法 - Google Patents

熱収縮チューブ固定治具及び熱収縮チューブ付き電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱収縮チューブと端子との隙間から水が浸入することを抑制できる熱収縮チューブ固定治具及び熱収縮チューブ付き電線の製造方法を提供すること。
【解決手段】熱収縮チューブ固定治具は、電線と接続する電線接続部及び相手側接続部を備える端子に取り付けられる。熱収縮チューブ固定治具は、電線接続部を覆う熱収縮前の熱収縮チューブにおける相手側接続部の側の端部と当接する当接部と、熱収縮前の熱収縮チューブの一部である被押し付け部を相手側接続部に向けて押し付ける押し付け部と、当接部と押し付け部との間に位置する中間部とを備える。熱収縮チューブ固定治具では、式(1)~(5)が成立する。
【選択図】図1

Description

本開示は熱収縮チューブ固定治具及び熱収縮チューブ付き電線の製造方法に関する。
特許文献1に熱収縮チューブ付き電線が開示されている。熱収縮チューブ付き電線は、端子と、電線と、熱収縮チューブとを備える。端子は電線に接続している。熱収縮チューブは、端子と電線との接続部を被覆している。熱収縮チューブ付き電線を製造するとき、端子と電線との接続部に熱収縮前の熱収縮チューブを装着する。次に、熱収縮チューブを加熱し、熱収縮させる。
特開2016-173885号公報
従来の熱収縮チューブ付き電線では、熱収縮チューブと端子との隙間から水が浸入することがあった。水が浸入すると、端子と電線との接続部で腐食が進行し易い。接続部で腐食が進行すると、接続部の電気抵抗が増加する。
本開示の1つの局面では、熱収縮チューブと端子との隙間から水が浸入することを抑制できる熱収縮チューブ固定治具及び熱収縮チューブ付き電線の製造方法を提供することが好ましい。
本開示の1つの局面は、熱収縮チューブ固定治具である。熱収縮チューブ固定治具は、電線と接続する電線接続部及び相手側接続部を備える端子に取り付けられる。
熱収縮チューブ固定治具は、前記電線接続部を覆う熱収縮前の熱収縮チューブにおける前記相手側接続部の側の端部と当接する当接部と、熱収縮前の前記熱収縮チューブの一部である被押し付け部を前記相手側接続部に向けて押し付ける押し付け部と、前記当接部と前記押し付け部との間に位置する中間部とを備える。以下の式(1)~(5)が成立する。
式(1) d≧A≧0.8*d
式(2) 0.6*(F-A)≧B≧0.5*(F-A)
式(3) 0.4*(F-A)≧C2≧0.1*(F-A)
式(4) H≧t
式(5) 0.8*t≧J≧0.4*t
(dは、前記相手側接続部に形成された第2孔の直径である。Aは、前記第2孔の中心と前記当接部との、前記電線の長手方向に平行な方向Xにおける距離である。Fは、前記第2孔の中心と前記電線接続部との、前記方向Xにおける距離である。Bは、前記当接部から、前記押し付け部の先端までの、前記方向Xにおける距離である。C2は、前記押し付け部の、前記方向Xにおける長さである。Hは、前記中間部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。tは、熱収縮前の前記熱収縮チューブの厚さである。Jは、前記押し付け部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。)
本開示の1つの局面である熱収縮チューブ固定治具を用いれば、熱収縮後の熱収縮チューブと端子との隙間が生じ難い。その結果、熱収縮チューブと端子との隙間から水が浸入することを抑制できる。
本開示の別の局面は、電線と接続する電線接続部及び相手側接続部を備える端子と、前記電線と、前記電線接続部を覆う熱収縮チューブと、を備える熱収縮チューブ付き電線の製造方法である。
熱収縮チューブ付き電線の製造方法では、前記端子に熱収縮チューブ固定治具を取り付けた状態で、前記熱収縮チューブを熱収縮させる。前記熱収縮チューブ固定治具は、熱収縮前の前記熱収縮チューブにおける前記相手側接続部の側の端部と当接する当接部と、熱収縮前の前記熱収縮チューブの一部である被押し付け部を前記相手側接続部に向けて押し付ける押し付け部と、前記当接部と前記押し付け部との間に位置する中間部と、を備える。以下の式(1)~(5)が成立する。
式(1) d≧A≧0.8*d
式(2) 0.6*(F-A)≧B≧0.5*(F-A)
式(3) 0.4*(F-A)≧C2≧0.1*(F-A)
式(4) H≧t
式(5) 0.8*t≧J≧0.4*t
(dは、前記相手側接続部に形成された第2孔の直径である。Aは、前記第2孔の中心と前記当接部との、前記電線の長手方向と平行な方向Xにおける距離である。Fは、前記第2孔の中心と前記電線接続部との、前記方向Xにおける距離である。Bは、前記当接部から、前記押し付け部の先端までの、前記方向Xにおける距離である。C2は、前記押し付け部の、前記方向Xにおける長さである。Hは、前記中間部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。tは、熱収縮前の前記熱収縮チューブの厚さである。Jは、前記押し付け部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。)
本開示の別の局面である熱収縮チューブ付き電線の製造方法によれば、熱収縮後の熱収縮チューブと端子との隙間が生じ難い。その結果、熱収縮チューブと端子との隙間から水が浸入することを抑制できる。
熱収縮チューブ固定治具の構成を表す平面図である。 図1におけるII-II断面を表す断面図である。 端子の構成を表す側面図である。 端子、電線、熱収縮チューブ、及び熱収縮チューブ固定治具の構成を表す側面図である。 端子、電線、熱収縮チューブ、及び熱収縮チューブ固定治具の構成を表す平面図である。 C1が大きい熱収縮チューブ固定治具の構成を表す平面図である。 図6におけるVII-VII断面を表す断面図である。 塩水噴霧試験のサイクル数と、熱収縮チューブ付き電線の抵抗比との関係を表すグラフである。 4端子法を表す説明図である。
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.熱収縮チューブ固定治具1の構成
熱収縮チューブ固定治具1の構成を図1及び図2に基づき説明する。熱収縮チューブ固定治具1は、後述する端子101に取り付けられる。熱収縮チューブ固定治具1の材質は、例えば、金属である。金属として、例えば、銅、アルミニウム、SUS等が挙げられる。
熱収縮チューブ固定治具1は、図1、図2に示すように、本体部3と、延出部5とを備える。本体部3の基本的な形態は、長方形の板状の形態である。長方形の1つの長辺を長辺11とする。
図2に示すように、本体部3の厚み方向と平行な1つの方向を方向Zとする。本体部3の主面のうち、方向Zの側にある主面を7Aとする。本体部3の主面のうち、主面7Aと反対側の主面を7Bとする。本体部3の外周側の端面のうち、長辺11にある端面を当接部8とする。
本体部3に、円形の第1孔9が形成されている。第1孔9は、方向Zにおいて、本体部3を貫通している。方向Zから見たとき、第1孔9は本体部3の中央に位置する。図2に示すように、第1孔9の直径をdとする。
延出部5は、長辺11の中央において、本体部3に接続している。延出部5は、長辺11から、図1及び図2に示す方向Xに沿って延びる帯状の部材である。方向Xは、長辺11と直交し、方向Zと直交する方向である。延出部5の厚さ方向は方向Zと平行である。
方向Z及び方向Xと直交する方向を方向Yとする。長辺11は方向Yと平行である。方向Yにおける延出部5の幅は一定である。方向Zから見て、延出部5の形状は長方形である。
延出部5の表面のうち、方向Zの側にある面を13Aとする。延出部5の表面のうち、面13Aとは反対側の面を13Bとする。面13Bは、主面7Bと面一である。面13Aは、主面7Aよりも、方向Zの反対方向に移動した位置にある。
延出部5は、中間部15と、押し付け部17とに区分される。押し付け部17は、中間部15よりも、方向Xの側にある。すなわち、方向Xにおいて、中間部15は、当接部8と押し付け部17との間に位置する。図2に示すように、押し付け部17では、中間部15に比べて、面13Aが方向Zに突出している。面13Aは、中間部15と押し付け部17との境界における段差を除き、平面である。中間部15と押し付け部17との境界における段差を除き、中間部15と押し付け部17とのいずれにおいても、面13Aは、主面7Aと平行である。方向Zから見て、押し付け部17の形状は長方形である。
熱収縮チューブ付き電線を製造するとき、図3に示すように、熱収縮チューブ固定治具1は、端子101に取り付けられる。熱収縮チューブ固定治具1を端子101に取り付ける方法は、後述する「2.熱収縮チューブ付き電線の製造方法」に記載の方法である。端子101に対する熱収縮チューブ固定治具1の位置は、一定の位置である。例えば、第1孔9を用いて、端子101に対する熱収縮チューブ固定治具1の位置を合わせることができる。または、他の目印やガイド等を用いて、端子101に対する熱収縮チューブ固定治具1の位置を合わせてもよい。
端子101は、図3に示す形態を有する。端子101は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等から成る。端子101は、例えば、丸型圧着端子である。端子101は、電線接続部103と、相手側接続部105とを備える。電線接続部103は、図4に示すように、電線201と接続する。相手側接続部105は他の部材と接続する。電線接続部103は、例えば、中空の円筒形の部分である。相手側接続部105は、例えば、平坦な板状の部分である。
相手側接続部105は、電線接続部103の一部である底部103Aと接続している。相手側接続部105と底部103Aとは、電線接続部103の軸方向に沿って並んでいる。なお、電線接続部103の軸方向に沿って、相手側接続部105から底部103Aに向かう方向を方向Kとする。熱収縮チューブ固定治具1が端子101に取り付けられたとき、方向Xは方向Kと一致する。相手側接続部105には円形の第2孔107が形成されている。第2孔107は相手側接続部105を貫通している。
図3に示すように、Aは、第2孔107の中心と、端子101に取り付けられた熱収縮チューブ固定治具1の長辺11との、方向K、Xにおける距離である。Aは第2孔107の直径dの0.8倍以上、1倍以下であることが好ましい。Aがdの0.8倍以上である場合、端子101を端子台等に固定する際に、ナットやワッシャーが熱収縮チューブ301に干渉することを抑制できる。ナットやワッシャーは、第2孔107にボルトを差し込むときに、第2孔107の周囲に設置されるものである。Aがdの1倍以下である場合、熱収縮チューブ301が熱収縮するとき、熱収縮チューブ301が熱収縮チューブ固定治具1から外れることを抑制できる。熱収縮チューブ301の収縮率は、熱収縮チューブ301の長手方向において、例えば、50%以上80%以下であることが好ましい。収縮率がこの範囲内である場合、熱収縮チューブ301が熱収縮チューブ固定治具1から外れることを一層抑制できる。収縮率の定義は、{1-(熱収縮後の熱収縮チューブ301の長さ/熱収縮前の熱収縮チューブ301の長さ)}×100(%)である。
図1に示すBは、方向Xにおける延出部5の長さである。また、Bは、当接部8から、押し付け部17の先端17Aまでの距離である。押し付け部17の先端17Aは、押し付け部17のうち、最も方向Xの側にある先端である。Bは、(F-A)の0.5倍以上、0.6倍以下であることが好ましい。Fは後述するように、端子101において特定される寸法である。(F-A)は、FからAを差し引いた値である。
Bが(F-A)の0.5倍以上である場合、熱収縮チューブ301が熱収縮するとき、熱収縮チューブ301が熱収縮チューブ固定治具1から外れることを抑制できる。Bが(F-A)の0.6倍以下である場合、熱収縮チューブ固定治具1と、後述する導体203とが干渉することを抑制できる。
図1に示すC1は、方向Yにおける押し付け部17の長さである。C1は、Dの0.1倍以上、0.4倍以下であることが好ましい。Dは後述するように、端子101において特定される寸法である。
C1がDの0.1倍以上である場合、熱収縮チューブ301を熱収縮させるときに、熱収縮チューブ301が押し付け部17に対し滑ることを抑制できる。C1がDの0.4倍以下である場合、熱収縮チューブ301のうち、熱収縮チューブ固定治具1の側の部分で熱収縮が不足することを抑制できる。また、C1がDの0.1倍以上、0.4倍以下である場合、熱収縮チューブ301の内部から接着剤が過剰にはみ出すことを抑制できる。接着剤とは、熱収縮チューブ301の内面に塗布されているホットメルト接着剤である。
図1に示すC2は、方向Xにおける押し付け部17の長さである。C2は、(F-A)の0.1倍以上、0.4倍以下であることが好ましい。C2が(F-A)の0.1倍以上である場合、熱収縮チューブ301を熱収縮させるときに、熱収縮チューブ301が押し付け部17に対し滑ることを抑制できる。C2が(F-A)の0.4倍以下である場合、接着剤とワッシャーとが干渉することを抑制できる。
図2に示すHは、主面7Aを延長した仮想平面と、中間部15との、方向Zにおける隙間の大きさである。なお、後述するように熱収縮チューブ固定治具1を相手側接続部105に固定したとき、Hは、相手側接続部105と中間部15との、方向Zにおける隙間の大きさである。Hは、熱収縮チューブ301が押し付け部17に対して滑らないよう、当接部8から先端17Aまでの距離であるBや熱収縮チューブ固定治具1の材質に合わせて延出部5の肉厚が十分な厚さになるよう設定されることが好ましい。例えば、Hはt以上であることが好ましい。Hの上限は特に限定されないが、例えば、tの3倍以下であることが好ましい。tは、熱収縮前の熱収縮チューブ301の厚さである。
図2に示すJは、主面7Aを延長した仮想平面と、押し付け部17との、方向Zにおける隙間の大きさである。なお、後述するように熱収縮チューブ固定治具1を相手側接続部105に固定したとき、Jは、相手側接続部105と押し付け部17との、方向Zにおける隙間の大きさである。
Jは熱収縮前の熱収縮チューブ301の厚さtの0.4倍以上、0.8倍以下であることが好ましい。Jがtの0.4倍以上である場合、熱収縮チューブ301が劣化することを抑制できる。Jがtの0.8倍以下である場合、熱収縮チューブ301を熱収縮させるときに、熱収縮チューブ301が押し付け部17に対し滑ることを抑制できる。
2.熱収縮チューブ付き電線の製造方法
熱収縮チューブ付き電線の製造には、図3に示す端子101を使用する。図3に示すDは、電線接続部103の外径である。図3に示すEは、方向Kにおける、電線接続部103の長さである。図3に示すFは、第2孔107の中心と電線接続部103との、方向Kにおける距離である。dは第2孔107の直径である。なお、第1孔9の直径もdである。
熱収縮チューブ付き電線の製造には、図4、図5に示す電線201を使用する。電線201は導体203と、被覆205とを備える。導体203は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等から成る線状の部材である。導体203は、複数の素線が撚り合わされたものであってもよいし、単線であってもよい。
被覆205は導体203を被覆している。ただし、電線201の長手方向における一方の端部では、被覆205が除去され、導体203が露出している。被覆205は、例えば、絶縁性樹脂材料等から成る。
図4に示すように、電線201に端子101を取り付ける。露出している導体203は電線接続部103の内部に差し込まれる。電線接続部103をかしめることで、導体203に対し端子101が固定される。例えば、六角圧縮ダイスを用いて電線接続部103をかしめることができる。電線201に端子101を取り付けたとき、端子101の方向Kは、電線201の軸方向と平行である。また、電線201に端子101を取り付けたとき、相手側接続部105は、電線接続部103を基準として、電線201とは反対側に位置する。
次に、図4に示すように、2つの熱収縮チューブ固定治具1で、相手側接続部105を挟む。このとき、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、主面7Aは、相手側接続部105と対向する。また、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、方向Xは方向Kと一致する。また、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、方向Xは、電線201の長手方向と一致する。
また、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、方向Yは相手側接続部105の主面と平行であり、電線接続部103の軸方向と直交する。また、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、方向Zは相手側接続部105の主面と直交し、電線接続部103の軸方向と直交する。
次に、図4及び図5に示すように、電線接続部103を含む範囲を、熱収縮前の熱収縮チューブ301で覆う。熱収縮チューブ301は、押出成形により管状に成形された樹脂部材が、加熱された状態で太い管状へ引き伸ばされた後に冷却されることによって得られる。熱収縮チューブ301は、加熱された場合、引き伸ばされる前の細い管状まで収縮する形状記憶特性を有する。熱収縮チューブ301の内側には、接着剤が設けられている。接着剤は止水剤として機能する。
熱収縮チューブ301は、被覆205のうち、端子101の側にある一部も覆う。熱収縮チューブ301は、相手側接続部105のうち、方向Kの側にある一部も覆う。熱収縮チューブ301の軸方向は、方向X及び方向Kと平行であり、方向Y及び方向Zと直交する。
図4、図5に示すように、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、当接部8は、熱収縮チューブ301の端面301Aと当接する。端面301Aは、熱収縮チューブ301の長手方向における端面のうち、端子101の側にある端面である。
図4、図5に示すように、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、延出部5と相手側接続部105との間に熱収縮チューブ301が差し込まれる。また、2つの熱収縮チューブ固定治具1のいずれにおいても、押し付け部17は、熱収縮チューブ301の一部である被押し付け部301Bを相手側接続部105に押し付けている。熱収縮チューブ固定治具1は、当接部8と押し付け部17とにより、端子101に対し、熱収縮チューブ301を固定する。
2つの熱収縮チューブ固定治具1を相手側接続部105に固定する方法は適宜選択できる。例えば、2つの熱収縮チューブ固定治具1と相手側接続部105とを貫通する孔を形成し、その孔にボルトを差し込み、差し込んだボルトとナットとで固定することができる。また、2つの熱収縮チューブ固定治具1と相手側接続部105とをまとめてクリップ又は洗濯バサミで挟んで固定することができる。なお、クリップ又は洗濯バサミで挟んで固定する場合は、2つの熱収縮チューブ固定治具1の第1孔9を省略してもよい。
次に、熱収縮チューブ301を加熱し、熱収縮チューブ301を熱収縮させる。熱収縮した熱収縮チューブ301は、端子101と電線201との接続部の表面、被覆205のうち端子101の側にある一部の表面、及び、相手側接続部105のうち、方向Kの側にある一部の表面に密着する。
熱収縮チューブ301を加熱する方法は特に限定されない。例えば、端子101をホットプレートに取り付け、ホットプレートを昇温することで、熱収縮チューブ301を加熱することができる。
次に、2つの熱収縮チューブ固定治具1を端子101から取り外す。以上の工程により、熱収縮チューブ付き電線が完成する。
3.熱収縮チューブ固定治具1及び熱収縮チューブ付き電線の製造方法が奏する効果
(1A)熱収縮チューブ固定治具1は、当接部8と、押し付け部17とを備える。当接部8は、端面301Aと当接する。押し付け部17は、被押し付け部301Bを端子101に向けて押し付ける。また、例えば、熱収縮チューブ固定治具1において、以下の式(1)~(5)が成立する。なお、「*」は乗算の演算子である。「-」は減算の演算子である。
式(1) d≧A≧0.8*d
式(2) 0.6*(F-A)≧B≧0.5*(F-A)
式(3) 0.4*(F-A)≧C2≧0.1*(F-A)
式(4) H≧t
式(5) 0.8*t≧J≧0.4*t
式(1)~(5)が成立する場合、熱収縮後の熱収縮チューブ301と端子101との隙間が生じ難い。その結果、熱収縮チューブ301と端子101との隙間から水が浸入することを抑制できる。
(1B)熱収縮チューブ固定治具1では、例えば、以下の式(6)がさらに成立する。
式(6) 0.4*D≧C1≧0.1*D
式(6)が成立する場合、熱収縮チューブ301の内部から接着剤がはみ出すことを抑制できる。
(1C)熱収縮チューブ固定治具1は、例えば、アルミニウム又は銅から成る。これらの金属は熱伝導性が良いので、ホットプレートにより熱収縮チューブ固定治具1を介して熱収縮チューブ301を効率よく加熱することができる。
<実施例>
1.熱収縮チューブ付き電線の製造
(1-1)熱収縮チューブ付き電線401Aの製造
第1実施形態の製造方法により、熱収縮チューブ付き電線401Aを製造した。使用した熱収縮チューブ固定治具1及び端子101の寸法は以下のとおりであった。
A:11mm
B:9.2mm
C1:5.2mm
C2:2mm
D:22mm
E:19mm
F:27.5mm
J:0.4mm
H:1mm
d:13mm
また、tは0.7mmであった。熱収縮チューブ301の材質はポリオレフィン樹脂であった。熱収縮チューブ固定治具1の材質は銅であった。熱収縮チューブ301の熱収縮前の内径は25mmであった。端子101の材質は銅であった。
(1-2)熱収縮チューブ付き電線401Bの製造
基本的には、熱収縮チューブ付き電線401Aの場合と同様にして、熱収縮チューブ付き電線401Bを製造した。ただし、熱収縮チューブ付き電線401Bを製造するときには、熱収縮チューブ固定治具1を使用しなかった。
(1-3)熱収縮チューブ付き電線401Cの製造
基本的には、熱収縮チューブ付き電線401Aの場合と同様にして、熱収縮チューブ付き電線401Cを製造した。ただし、熱収縮チューブ付き電線401Cを製造するとき、熱収縮チューブ固定治具1に代えて、図6、図7に示す熱収縮チューブ固定治具501を使用した。熱収縮チューブ固定治具501のC1は40mmであり、0.4*Dより大きかった。C1の大きさ以外の点では、熱収縮チューブ固定治具501は、熱収縮チューブ固定治具1と同じであった。
2.熱収縮チューブ付き電線の評価
熱収縮チューブ付き電線401A、401Bに対し、塩水噴霧試験を行い、次に、熱収縮チューブ付き電線401A、401Bの抵抗比変化(%)を測定した。塩水噴霧試験は、33~37℃の環境下で、塩水噴霧工程と休止工程とから成るサイクルを繰り返す試験であった。塩水噴霧工程は、5wt%NaCl水溶液を8時間噴霧する工程であった。塩水噴霧工程は、水平採取面積80cmの容器に1時間当たり1~2mlの塩水が採取されるような条件で行った。休止工程は、5wt%NaCl水溶液の噴霧を16時間休止する工程であった。塩水噴霧試験は、サイクル数を変えながら、複数回行った。
抵抗比変化の測定方法は以下のとおりであった。塩水噴霧試験の実施前における導体203と端子101との間の電気抵抗比をR1とする。塩水噴霧試験の実施後おける導体203と端子101との間の電気抵抗比をR2とする。抵抗比変化は、R2-R1の式より算出することができる。
ここで、R1の測定は、いわゆる4端子法により行った。4端子法について、図9を用いて説明する。なお、図9の記載では熱収縮チューブ301は省略している。最初に、熱収縮チューブ付き電線401A、401Bの全体に、定電流1Aを供給し、点Pと点Qとの間の電気抵抗値R0を測定する。ここで、点Pは、電線接続部103の一端であって、挿入された導体203の先端部に対応する部位である。
点Qは、導体203のうち、端子101と接触していない部位である。点Sは、電線接続部103における、点Pとは反対側にある端部である。点Sは、電線接続部103における、導体203が挿入される入り口部分の部位である。
点Pと点Sとの距離をL1とする。点Qと点Sとの距離をL2とする。導体203の単位長さ当たりの電気抵抗値をαとする。R1は、{(R0-L2×α)/(L1×α)}×100の式で算出される。αは事前に測定することができる。もしくは、点Qと点Sとの間の電気抵抗値を測定し、その電気抵抗値をL2で除することでαを算出することができる。
また、R2の測定は、熱収縮チューブ付き電線401A、401Bを塩水噴霧試験装置から取り出した後に、R1の値を測定するときと同様の上記4端子法で行った。具体的には、塩水噴霧試験実施後の熱収縮チューブ付き電線401A、401Bの全体に、定電流1Aを供給し、点Pと点Qとの間の電気抵抗値Rを測定する。αの値は塩水噴霧試験実施前後で変化しないため、R1の測定のときのαの値を用いる。R2は、{(R-L2×α)/(L1×α)}×100の式で算出される。なお、抵抗値の測定には、日置電気株式会社製の抵抗計を使用した。
評価結果を図8に示す。図8の横軸における「サイクル数」とは、塩水噴霧試験におけるサイクル数である。
熱収縮チューブ付き電線401Aでは、熱収縮チューブ付き電線401Bに比べて、サイクル数が増しても、抵抗比が増加し難かった。
その理由は、熱収縮チューブ付き電線401Aでは、熱収縮チューブ付き電線401Bに比べて、熱収縮後の熱収縮チューブ301と端子101との隙間が生じ難く、熱収縮後の熱収縮チューブ301と端子101との間から塩水が浸入し難かったためであると推測される。
熱収縮チューブ付き電線401A、401Cを観察した。熱収縮チューブ付き電線401Cでは、熱収縮チューブ301の端面301Aから接着剤がはみ出していた。熱収縮チューブ付き電線401Aでは、接着剤ははみ出さなかった。熱収縮チューブ付き電線401Cにおいて接着剤がはみ出した理由は、熱収縮チューブ301の両サイドの収縮が十分ではなかったためであると推測される。端面301Aから接着剤がはみ出すと、接着剤が厚い部分が生じる。接着剤が厚い部分は、ヒートサイクルによる線膨張差で剥がれるリスクがあるので好ましくない。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)端子101は、丸型圧着端子以外の端子であってもよい。
(2)実施例において熱収縮チューブ付き電線401Aを製造するときに使用した熱収縮チューブ固定治具1でのC1は、0.7mm以上10mm以下の範囲内で設定してもよい。実施例における熱収縮チューブ301の熱収縮前の内径は、6mm以上30mm以下の範囲内で設定してもよい。
(3)端子101に熱収縮チューブ固定治具1を取り付けてから、電線201に端子101を取り付けてもよい。
(4)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
(5)上述した熱収縮チューブ固定治具1の他、当該熱収縮チューブ固定治具1を構成要素とするシステム、熱収縮チューブ固定治具の製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…熱収縮チューブ固定治具、3…本体部、5…延出部、7A、7B…主面、8…当接部、9…第1孔、11…長辺、13A、13B…面、15…中間部、17…押し付け部、101…端子、103…電線接続部、103A…底部、105…相手側接続部、107…第2孔、201…電線、203…導体、205…被覆、301…熱収縮チューブ、301A…端面、301B…被押し付け部、401A、401B、401C…熱収縮チューブ付き電線

Claims (4)

  1. 熱収縮チューブ固定治具であって、
    電線と接続する電線接続部及び相手側接続部を備える端子に取り付けられ、
    前記電線接続部を覆う熱収縮前の熱収縮チューブにおける前記相手側接続部の側の端部と当接する当接部と、
    熱収縮前の前記熱収縮チューブの一部である被押し付け部を前記相手側接続部に向けて押し付ける押し付け部と、
    前記当接部と前記押し付け部との間に位置する中間部と、
    を備え、
    以下の式(1)~(5)が成立する熱収縮チューブ固定治具。
    式(1) d≧A≧0.8*d
    式(2) 0.6*(F-A)≧B≧0.5*(F-A)
    式(3) 0.4*(F-A)≧C2≧0.1*(F-A)
    式(4) H≧t
    式(5) 0.8*t≧J≧0.4*t
    (dは、前記相手側接続部に形成された第2孔の直径である。Aは、前記第2孔の中心と前記当接部との、前記電線の長手方向に平行な方向Xにおける距離である。Fは、前記第2孔の中心と前記電線接続部との、前記方向Xにおける距離である。Bは、前記当接部から、前記押し付け部の先端までの、前記方向Xにおける距離である。C2は、前記押し付け部の、前記方向Xにおける長さである。Hは、前記中間部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。tは、熱収縮前の前記熱収縮チューブの厚さである。Jは、前記押し付け部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。)
  2. 請求項1に記載の熱収縮チューブ固定治具であって、
    以下の式(6)がさらに成立する熱収縮チューブ固定治具。
    式(6) 0.4*D≧C1≧0.1*D
    (Dは、前記電線接続部の外径である。C1は、前記押し付け部の、前記方向Xと直交する方向Yにおける長さである。)
  3. 請求項1又は2に記載の熱収縮チューブ固定治具であって、
    アルミニウム又は銅から成る、
    熱収縮チューブ固定治具。
  4. 電線と接続する電線接続部及び相手側接続部を備える端子と、前記電線と、前記電線接続部を覆う熱収縮チューブと、を備える熱収縮チューブ付き電線の製造方法であって、
    前記端子に熱収縮チューブ固定治具を取り付けた状態で、前記熱収縮チューブを熱収縮させ、
    前記熱収縮チューブ固定治具は、
    熱収縮前の前記熱収縮チューブにおける前記相手側接続部の側の端部と当接する当接部と、
    熱収縮前の前記熱収縮チューブの一部である被押し付け部を前記相手側接続部に向けて押し付ける押し付け部と、
    前記当接部と前記押し付け部との間に位置する中間部と、
    を備え、
    以下の式(1)~(5)が成立する熱収縮チューブ付き電線の製造方法。
    式(1) d≧A≧0.8*d
    式(2) 0.6*(F-A)≧B≧0.5*(F-A)
    式(3) 0.4*(F-A)≧C2≧0.1*(F-A)
    式(4) H≧t
    式(5) 0.8*t≧J≧0.4*t
    (dは、前記相手側接続部に形成された第2孔の直径である。Aは、前記第2孔の中心と前記当接部との、前記電線の長手方向と平行な方向Xにおける距離である。Fは、前記第2孔の中心と前記電線接続部との、前記方向Xにおける距離である。Bは、前記当接部から、前記押し付け部の先端までの、前記方向Xにおける距離である。C2は、前記押し付け部の、前記方向Xにおける長さである。Hは、前記中間部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。tは、熱収縮前の前記熱収縮チューブの厚さである。Jは、前記押し付け部と前記相手側接続部との隙間の大きさである。)
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