JP2024033569A - チタン箔の製造方法 - Google Patents

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和宏 熊本
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Daisuke Suzuki
松秀 堀川
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秀樹 藤井
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Abstract

【課題】チタン、アルミニウム及び酸素を含有するチタン系材料から、比較的厚みの薄いチタン箔を製造することができるチタン箔の製造方法を提供する。【解決手段】この発明のチタン箔の製造方法は、溶融塩浴にて、陽極及び陰極を含む電極を用いて電気分解を行い、陰極の電解面に金属チタンを析出させる電析工程を含み、前記電析工程で、前記陽極として、チタンを含有するとともに、アルミニウム含有量が200質量ppm以上かつ4500質量ppm以下、酸素含有量が8000質量ppm以上かつ15000質量ppm以下であって導電性を有するチタン系材料を含む陽極を使用するとともに、前記陰極として、前記電解面がチタン、モリブデン、ガラス状炭素及びタングステンからなる群から選択される少なくとも一種を90質量%以上含有する陰極を使用し、前記溶融塩浴に予めチタンイオンを含ませ、前記電気分解の間、前記溶融塩浴の温度を520℃以下に維持し、前記陰極での電流密度を0.2A/cm2以下とするというものである。【選択図】なし

Description

この発明は、溶融塩浴にて陽極及び陰極を含む電極で電気分解を行い、陰極に金属チタンを析出させて、チタン箔を製造する方法に関するものである。
チタン箔を製造するには一般に、クロール法により得られたスポンジチタンを溶解するとともに鋳造して、チタンインゴットないしスラブとした後、さらに圧延その他の所要の加工を施すことが行われる。この方法では、チタン鉱石に対する塩化及びクロール法による還元が行われ、また、それに付随するスポンジチタン塊の破砕や、塩化マグネシウムの電気分解が必要になる。このように多数の工程が含まれる当該方法は、チタン箔を効率的かつ低コストに製造できるとは言い難い。
これに対し、たとえば特許文献1~3に記載されているように、溶融塩浴を用いた電気分解、いわゆる溶融塩電解によりチタン箔を製造する方法が、製造プロセスでの消費エネルギーの削減及びコストの低減の観点から検討されている。
特許文献1には、「溶融塩電解法で金属チタンを製造する方法において、カソード電極の少なくともチタン電析面が金属モリブデンあるいは金属シリコンであり、溶融塩浴がアルカリ金属の塩化物又は塩化物とヨウ化物の混合塩にチタンイオンが溶解した溶融塩浴である、ことを特徴とする金属チタン箔の製造方法」が提案されている。この特許文献1には、「溶融塩に供給されるチタン原料が、チタン塩化物である」と記載されている。
特許文献2には、「定電流パルスを用いる溶融塩電解析出法によりチタン箔またはチタン板を製造する方法であって、ガラス状炭素、黒鉛、MoおよびNiから選択される一種以上からなるカソード電極表面にチタン電析膜を形成した後、前記チタン電析膜に外力を与える工程、および、前記カソード電極の少なくとも一部を除去する工程の一方または両方を行うことにより、前記チタン電析膜を前記カソード電極から分離する、チタン箔またはチタン板の製造方法」が開示されている。特許文献2でも、「チタンの原料は、チタン塩化物を主とすることが好ましい。」としている。
特許文献3は、「溶融塩浴で、陽極及び陰極を用いて電気分解を行い、金属チタンを製造する方法であって、前記陽極として、金属チタンを含有する陽極を使用し、金属チタンを陰極上に析出させるチタン析出工程を含み、前記チタン析出工程で、溶融塩浴の温度を250℃以上かつ600℃以下とするとともに、当該チタン析出工程の開始時から30分経過するまでの間の前記陰極の平均電流密度を0.01A/cm2~0.09A/cm2の範囲内に維持する、金属チタンの製造方法」を開示している。特許文献3には、「なお、溶融塩浴がハロゲン化チタン等といったチタン原料を事前に含むものとして、電気分解の開始前に予め、溶融塩浴にチタン原料を存在させることも可能である。」との記載や、「先述したように、予め溶融塩浴に塩化チタン等のチタン原料を混合させない場合、チタン析出工程の前に、溶融塩浴で電気分解により陽極を溶解させる陽極溶解工程を行うことができる。」との記載がある。
特開2017-137551号公報 国際公開第2018/159774号 国際公開第2020/044841号
ところで、チタン鉱石に所定の処理を施すことにより、チタン、アルミニウム及び酸素を含有するチタン系材料が得られることがある。そのようなチタン系材料からチタン箔を製造することができれば、先述した方法に比して製造工数及びコストの大幅な削減を実現できる可能性がある。さらには、チタン鉱石から、スポンジチタンを経由せずにチタン箔を製造できる可能性もある。
特許文献1~3では、溶融塩電解の原料として塩化チタンや金属チタンを用いており、上記のチタン系材料からチタン箔を製造することについては何ら記載されていない。
この発明の目的は、チタン、アルミニウム及び酸素を含有するチタン系材料から、比較的厚みの薄いチタン箔を製造することができるチタン箔の製造方法を提供することにある。
チタンを含有するとともにアルミニウム及び酸素をそれぞれ所定の量で含有するチタン系材料を含む陽極を用いて、溶融塩浴にて電気分解を行うと、多くの場合、陰極上には金属チタンが厚く析出し、チタン箔とはならない。これに対し、発明者は鋭意検討の結果、陰極上に金属チタンを薄く析出させるには、電気分解の開始前に予め溶融塩浴にチタンイオンを含ませておくこと、電気分解の間に溶融塩浴の温度を低くしておくこと、及び、電流密度を低下させることが肝要であることを見出した。また、陰極の電解面を所定の材質とすると、陰極の電解面上に箔状に析出した金属チタンを物理的に剥離しやすくなる。それらの結果として、厚みの薄いチタン箔を製造することができる。
この発明のチタン箔の製造方法は、溶融塩浴にて、陽極及び陰極を含む電極を用いて電気分解を行い、陰極の電解面に金属チタンを析出させる電析工程を含み、前記電析工程で、前記陽極として、チタンを含有するとともに、アルミニウム含有量が200質量ppm以上かつ4500質量ppm以下、酸素含有量が8000質量ppm以上かつ15000質量ppm以下であって導電性を有するチタン系材料を含む陽極を使用するとともに、前記陰極として、前記電解面がチタン、モリブデン、ガラス状炭素及びタングステンからなる群から選択される少なくとも一種を90質量%以上含有する陰極を使用し、前記溶融塩浴に予めチタンイオンを含ませ、前記電気分解の間、前記溶融塩浴の温度を520℃以下に維持し、前記陰極での電流密度を0.2A/cm2以下とするというものである。
前記電析工程で使用する前記溶融塩浴は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムからなる群から選択される二種以上を80mоl%以上含むことが好ましい。
前記電析工程で使用する前記溶融塩浴は、前記電気分解の開始前に、前記チタンイオンを1mоl%以上含むことが好ましい。
上記の製造方法は、前記電析工程の後、前記陰極の電解面に析出した金属チタンを、該陰極から物理的に剥離させる剥離工程を含むことがある。
上記の製造方法は、前記電析工程の前に、塩化物浴である溶融塩浴にて、チタン、アルミニウム及び酸素を含有して導電性を有する粗チタン系材料を含む陽極及び、陰極を含む電極を用いて、電気分解を行い、前記陰極上に精製チタン系材料を析出させる精製工程を含むことがある。この場合、前記精製工程で得られる前記精製チタン系材料を、前記電析工程で前記チタン系材料として用いることができる。
前記精製工程では、前記溶融塩浴が塩化マグネシウムを75mоl%以上含み、前記電気分解の間、前記溶融塩浴の温度を750℃以上に維持し、前記粗チタン系材料として、チタン含有量が50質量%以上かつ80質量%以下であり、アルミニウム含有量が3質量%以上かつ40質量%以下であり、酸素含有量が0.2質量%以上かつ40質量%以下である粗チタン系材料を使用することが好ましい。
上記の製造方法は、前記精製工程の前に、チタン酸化物を含むチタン原料と、アルミニウムを含む還元剤と、分離剤とが含まれる混合物を加熱し、溶融状態の前記混合物から前記粗チタン系材料を抽出する抽出工程を含むことがある。
この発明のチタン箔の製造方法によれば、チタン、アルミニウム及び酸素を含有するチタン系材料から、比較的厚みの薄いチタン箔を製造することができる。
この発明の一の実施形態に係るチタン箔の製造方法を示すフロー図である。 この発明の一の実施形態に係るチタン箔の製造方法における精製工程を示す、溶融塩浴の深さ方向に沿う断面図である。 図2の精製工程で陰極上に得られた精製チタン系材料を、次の電析工程で使用する陽極に含ませる様子を模式的に示す同様の断面図である。 図2の精製工程に続く電析工程を示す同様の断面図である。 他の実施形態に係るチタン箔の製造方法における精製工程を示す、溶融塩浴の深さ方向に沿う断面図である。 図5の精製工程に続く電析工程を示す同様の断面図である。 さらに他の実施形態に係るチタン箔の製造方法における精製工程を示す、溶融塩浴の深さ方向に沿う断面図である。 図7の精製工程の陽極を、次の電析工程の陰極に交換する様子を示す同様の断面図である。 図7の精製工程に続く電析工程を示す同様の断面図である。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態に係るチタン箔の製造方法には、溶融塩浴中に陽極及び陰極を含む電極を浸漬させ、それらの電極への電圧の印加によって電気分解を行い、陰極の電解面に金属チタンを析出させる電析工程が含まれる。
電析工程では、陽極として、チタン系材料を含むものを使用する。チタン系材料は、チタンを含有する他、アルミニウムを200質量ppm以上かつ4500質量ppm以下、酸素を8000質量ppm以上かつ15000質量ppm以下で含有し、導電性を有するものである。一方、陰極の電解面は、そこに析出する金属チタンを電析工程後に容易に剥離できるようにするため、チタン、モリブデン、ガラス状炭素及びタングステンからなる群から選択される少なくとも一種を90質量%以上含有するものとする。
そしてここでは、電析工程の電気分解の開始時における溶融塩浴中のチタンイオンの不足を抑制して、陰極上に金属チタンを箔状に析出させるため、電気分解の開始前に予め、溶融塩浴にチタンイオンを含ませる。また、電析工程の電気分解の間は、溶融塩浴の温度を520℃以下にして、ある程度低温に維持する。加えて、電析工程では、陰極での電流密度を0.2A/cm2以下とする。それらの結果、陰極上に金属チタンが箔状に析出し、これを陰極から物理的に剥離しやすくなる傾向がある。
電析工程で用いる上記のチタン系材料を得るため、図1に示すように、電析工程の前に、電解精製により粗チタン系材料を、それよりもチタンの純度が高い精製チタン系材料にする精製工程を行うことができる。この精製チタン系材料は、電析工程でチタン系材料として用いられ得る。さらに、精製工程で用いる粗チタン系材料を得るため、精製工程の前に、チタン鉱石等のチタン酸化物を含むチタン原料から、上記の粗チタン系材料を作製する抽出工程を行ってもよい。但し、抽出工程、又は、精製工程及び抽出工程は省略することもある。
(抽出工程)
抽出工程では、二酸化チタン(TiO2)その他のチタン酸化物を含むチタン鉱石等のチタン原料と、アルミニウム(Al)を含む還元剤と、分離剤とが含まれる混合物を加熱する。
加熱温度は、1500℃~1800℃とする場合がある。加熱により混合物が溶融状態になった後、密度差で粗チタン系材料(液体または固体)とスラグとが分離するので、粗チタン系材料を抽出することができる。抽出工程の反応は複雑だが、総じて、3TiO2+4Al→3Ti+2Al23と考えられる。この反応式中の反応後のTiは相当量のAlとOが固溶しており、粗チタン系材料に該当する。
チタン原料は、チタン酸化物を含むものであればよく、たとえば、必要に応じてリーチング等のアップグレート処理等が施されたチタン鉱石を挙げることができる。チタン原料として用いるチタン鉱石中の二酸化チタンの含有量は、たとえば50質量%以上、典型的には80質量%以上、特に90質量%以上とすることがある。
分離剤は、加熱後においてスラグから粗チタン系材料を分離しやすくするために使用される。分離剤として具体的には、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カリウム(KF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化カルシウム(CaO)、塩化カルシウム(CaCl2)及びフッ化ナトリウム(NaF)から選択される一種以上とすることが好ましく、なかでもフッ化カルシウムは、混合物からの粗チタン系材料の優れた分離性をもたらすとともに、当該分離以外に及ぼす影響が少ないことから特に好適である。
還元剤は、実質的にアルミニウム(Al)を単独で含むものとすることができる他、さらにカルシウム(Ca)やナトリウム(Na)等を含むものであってもよい。たとえば、混合物は、TiO2:Al:CaF2がモル比で3:4~7:2~6になるように調整して作製する場合がある。
抽出工程で得られる粗チタン系材料は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)及び酸素(O)が含まれ、たとえば、チタン含有量が50質量%以上かつ80質量%以下、アルミニウム含有量が5質量%以上かつ30質量%以下、酸素含有量が8質量%以上かつ30質量%以下となる場合がある。また、粗チタン系材料は、チタン含有量が50質量%以上かつ85質量%以下、アルミニウム含有量が3質量%以上かつ40質量%以下、酸素含有量が0.2質量%以上かつ40質量%以下となる場合がある。典型的には、粗チタン系材料のチタン含有量は60質量%以上、アルミニウム含有量は20質量%以下、酸素含有量は20質量%以下となることがある。
このような粗チタン系材料は導電性を有するものであり、後述する精製工程で陽極に含ませて溶融塩電解に使用することができる。室温で測定した粗チタン系材料の比抵抗は、たとえば1×10-8Ω・m~1×10-4Ω・m、典型的には1×10-7Ω・m~5×10-5Ω・mである。
(精製工程及び電析工程)
精製工程及び電析工程は、種々の電解槽を使用可能であるが、ここでは一例として図2に示す電解槽1を用いて説明する。なお、図2は、電解槽1を模式的に示したものであり、実施に際しては各部材の寸法や配置等は適宜変更されることがある。後述する図3~9についても同様である。
図示の電解槽1は、内部にて溶融塩を貯留させて溶融塩浴Bmを形成する容器状等の槽本体部2と、電極3が接続される図示しない電源とを含んで構成されている。槽本体部2は、図示は省略するが、開閉可能な蓋部材を有することがあり、また、内部にアルゴンガス等の不活性ガスの供給や気体の排出に用いるガス通路が接続され得る。この電解槽1は、槽本体部2の周囲に配置される図示しないヒーターや、内部に配置される温度調節器等により内部を加熱することができる。
精製工程で用いる溶融塩浴Bmは、主として金属塩化物を含む塩化物浴とし、塩化マグネシウム(MgCl2)を75mоl%以上、さらに85mоl%以上、特に90mоl%以上含むことが好ましい。塩化マグネシウムを高濃度で含む溶融塩浴を用いると、酸素含有量のみならずアルミニウム含有量をも十分に低減された精製チタン系材料を得ることができる。また、溶融塩浴Bm中には、必要に応じて、四塩化チタンよりもTiの価数が低い低級塩化チタン、具体的にはTiCl2(二塩化チタン)やTiCl3(三塩化チタン)等を含ませることもできる。溶融塩浴Bm中のチタンイオンの含有量は、たとえば1mol%~25mol%であり、4mol%~10mol%とすることがある。チタンイオンを含む場合、単位時間当たりの精製チタン系材料の析出量が増大し、生産性が向上する。溶融塩浴Bmは、塩化マグネシウム及び低級塩化チタンで構成する場合がある。溶融塩浴Bm中の金属塩化物や金属イオンの含有量は、ICP発光分析や原子吸光分析により測定することができる。チタンイオンの含有量は、溶融塩浴Bm中の金属イオンの合計含有量に対する百分率として求められる。
精製工程で用いる陽極3aとしては、たとえば上述した抽出工程で得られる粗チタン系材料が含まれるものを用いる。一例として、陽極3aは、Tiよりもイオン化傾向が小さいNi、Ni基合金、ハステロイ等の金属製の多数の貫通孔を有する籠状容器を有し、この場合、図2に示すように、円筒状等のその籠状容器内に粒状もしくは粉状等の粗チタン系材料を配置することができる。上記の籠状容器の外観形状は、円筒状又は板状等とすることがある。当該籠状容器の外観形状がどのようなものであっても、前述のとおり、その内部に粗チタン系材料が配置される。但し、陽極3aの形態はこれに限らず、たとえば、図示は省略するが、粗チタン系材料から溶解及び鋳造等により作製した棒状ないし柱状、板状又は、円筒等の筒状その他の任意の形状としてもよい。精製工程で用いる陰極3bはTi製のものを使用可能であり、その形状は特に問わず、たとえば陽極3aの形状に合わせて適宜決定され得る。なお電極3は、陽極3a及び陰極3bの他、陽極3aと陰極3bとの間に配置される複極をさらに有するものであってもよい。
精製工程の電気分解の間は、溶融塩浴Bmの温度を750℃以上に維持し、800℃以上とすることがある。溶融塩浴の温度は850℃以下とすることが多い。このように比較的高温の溶融塩浴Bmで電気分解を行うことにより、粗チタン系材料に含まれていたアルミニウムの多くが除去され、アルミニウム含有量が十分に少ない精製チタン系材料が得られる。
精製工程では、陰極3bでの電流密度を0.01A/cm2~5A/cm2とすることがある。電流密度は、式:電流密度(A/cm2)=電流(A)÷電解面積(cm2)により算出することができる。電極3には、電流を連続的に流すことができる他、電流値をゼロにする通電停止期間が設けられて通電期間と通電停止期間とが交互に繰り返されるON/OFF制御等のパルス電流を流してもよい。電極3間の最大電圧は、たとえば0.2V~3.5Vになることがある。精製工程の間、電解槽1の内部は、アルゴン等の不活性雰囲気に維持することが好適である。
精製工程では、電源から電極3の陽極3a及び陰極3bに通電し、電極3間に電圧を印加する。これにより、陽極3aに含まれる粗チタン系材料からチタンイオンが溶融塩浴Bm中に溶出し、図2に示すように、チタンイオンが陰極3b上に精製チタン系材料として析出する。図2では、円柱状の陰極3bの周囲に円筒状の陽極3aを配置しているので、陰極3bの周囲の電解面に精製チタン系材料が析出する。
精製工程で陰極3b上に析出した精製チタン系材料は、電気分解の終了後に、図3に示すように、切削工具等を用いて陰極3b上から物理的に剥がし、たとえば、次に行う電析工程の陽極13aの籠状容器内に投入することができる。精製チタン系材料は、それが電着している陰極3bとともに、又は陰極3bから剥がした後に、溶融塩を除去するための酸洗浄及び/又は水洗浄が行われ得る。その後、必要に応じて真空乾燥を行うことがある。また、上記の洗浄や乾燥でなく、高温減圧条件により溶融塩を除去する真空分離を行ってもよい。
精製工程では、上記の精製チタン系材料を粗チタン系材料として、電気分解を複数回にわたって繰り返し行ってもよい。電気分解の繰返しにより、精製チタン系材料のアルミニウム含有量や酸素含有量が低減されていき、チタンの純度が高い精製チタン系材料が得られる。
その後、上記の精製工程で得られた精製チタン系材料を、陽極13aのチタン系材料とし用いて、図4に示すようにして電析工程を行う。
電析工程では、陽極13aの籠状容器内のチタン系材料(精製工程で得られた精製チタン系材料)は、アルミニウム含有量が200質量ppm以上かつ4500質量ppm以下、酸素含有量が8000質量ppm以上かつ15000質量ppm以下であり、残部が実質的にチタンからなるものである。チタン系材料はさらに不純物を含む場合もある。チタン系材料のアルミニウム含有量は200質量ppm~3000質量ppm、酸素含有量は8000質量ppm~12000質量ppmであることが好ましい。チタン系材料のアルミニウム含有量が多すぎると、陰極13b上に析出する金属チタンにアルミニウムがある程度多く含まれてチタン合金となり、強度の低下等が懸念される。また、酸素含有量が多すぎると、酸素が、陰極13b上に析出する金属チタンに比較的多く含まれてその延性に影響を及ぼし、破断しやすくなるおそれがある。それ故に、先述した精製工程でアルミニウム及び酸素の含有量が十分に低減された精製チタン系材料を得ることが望ましい。
電析工程で用いる陰極13bは、少なくとも電解面が、チタン、モリブデン、ガラス状炭素及びタングステンからなる群から選択される少なくとも一種を90質量%以上含有するもの、好ましくは実質的に上記の少なくとも一種で構成されたものとする。そのような材質の電解面を有する陰極13bであれば、多くの場合、電析工程の後に、当該電解面上に析出した箔状の金属チタンを物理的に剥離させることが可能になる。陰極13bは、電解面のみならず、その全体が上記の材質からなるものとしてもよい。
電析工程で用いる溶融塩浴Bmは、電気分解の開始前に予めチタンイオンを含むものとする。電析工程の電気分解の開始時は、溶融塩浴Bm中のチタンイオンが欠乏することがあり、その場合、陰極13b上に金属チタンが、たとえばデンドライト状ないし粉状に析出すること等によって、箔状にならないことがある。これを抑制するためである。また、チタンイオンを含ませると、陰極13b上での単位時間当たりの金属チタンの析出量が増大し、生産性が向上する。電気分解の開始前における溶融塩浴Bm中のチタンイオンの含有量は、1mоl%以上、さらに4mоl%以上含むことが好ましく、20mоl%以下、10mоl%以下とすることがある。電析工程前に精製工程を行い、電析工程で精製工程と同じ溶融塩浴Bmを引き続き使用する場合は、溶融塩浴Bmには、精製工程で生じたチタンイオンが含まれることがある。必要に応じて、溶融塩浴Bmに、電気分解の開始前にチタン源を追加して、チタンイオンを含ませてもよい。チタン源としては、塩化チタンや、チタンスクラップ、スポンジチタン等を挙げることができる。チタンスクラップやスポンジチタンをチタン源として使用する場合は、これらと四塩化チタン(TiCl4)を接触させて二塩化チタン(TiCl2)及び/又は三塩化チタン(TiCl3)等の低級の塩化チタンを生成させ、それを溶解させてチタンイオンを含む溶融塩浴Bmを構成することができる。
また、溶融塩浴Bmは、主として金属塩化物を含む塩化物浴とすることが好ましい。フッ化物イオンは含まないことが望ましい。電析工程の後、陰極13b上の金属チタンから溶融塩浴Bmの成分を除去するべく水洗等の洗浄を行う場合、フッ化物が含まれると水との接触により有害なフッ化水素ないしフッ化水素酸が発生するおそれがあるからである。溶融塩浴Bmは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムからなる群から選択される二種以上を80mоl%以上、好ましくは85mol%~95mol%、より好ましくは90mol%~95mol%含むことが好適である。このように溶融塩浴Bmは複数種の金属塩化物を含むものとすることにより、比較的低温で溶融状態を維持することができる。上記の二種以上のうちの一種は塩化マグネシウムとすることが好適であり、塩化マグネシウムの含有量は20mol%以上とすることが好ましい。
電析工程の電気分解の間は、溶融塩浴Bmの温度を520℃以下に維持する。溶融塩浴Bmの温度が高すぎると、陰極13b上に析出した金属チタンの結晶粒が粗大化しやすく、デンドライトの成長が進行して析出した金属チタンの平滑性が損なわれるおそれがある。また、高温の溶融塩浴Bmでは、陰極13b上に析出した金属チタンの物理的な剥離が困難になる場合がある。なお、溶融塩浴Bmを構成する溶融塩の溶融状態を維持できて当該溶融塩浴Bmを用いた電気分解が可能であれば、溶融塩浴Bmの温度は十分に低くすることができる。溶融塩浴Bmの温度は、浴組成も考慮して設定し、たとえば420℃以上かつ520℃以下、また450℃以上かつ520℃以下とすることがある。
また電析工程では、陰極13bでの電流密度を0.2A/cm2以下、好ましくは0.15A/cm2以下とする。なお、当該電流密度は、0.01A/cm2以上とすることがある。電流密度を高くしすぎると、金属チタンを陰極13b上から容易に剥離することができなくなるおそれがある。ここでは、電流を一定の電流値で連続的に流す定電流又は、電流値を間欠的に変化させるON/OFF制御等のパルス電流のいずれを採用してもよい。パルス電流では、通電停止時に溶融塩浴Bm中でチタンイオンの拡散が生じ得る。そのような影響も考慮し、電析工程後の陰極13bからの金属チタンの物理的な剥離が容易になるように、電流密度を調整することが望ましい。なお、電気分解の間に電流値が変化する場合は、上記の電流密度は、電気分解の開始から終了までの間の最大値が、上記の上限値や下限値ないし範囲の条件を満たしていればよい。電析工程の間、電解槽1の内部は、アルゴン等の不活性雰囲気に維持され得る。
電析工程では、上記の条件の下、電極13に電圧を印加して電気分解を行うと、陽極13aのチタン系材料が溶出し、図4に示すように、陰極13bの電解面上に金属チタンが、比較的薄い箔状に析出する。電気分解の間、特に陰極13bの周囲のチタンイオン濃度が低下すると、陰極13b上に析出する金属チタンが剥離しにくいものになるおそれがある。これを抑制するため、電解槽1の内部で溶融塩浴Bm中に、図示しないポンプを配置し、そのポンプにより、溶融塩浴Bmができる限り均一な濃度になるように撹拌することが好ましい。
ところで、精製工程で使用した陰極3bを、電析工程でそのまま陽極13aとして使用してもよい。たとえば図5では、いずれも外観が板状の陽極3a及び陰極3bとしたことを除いて、図2と同様にして精製工程が行われる。これにより、陰極3bの片側の電解面に精製チタン系材料が析出する。その後、陽極3aを電解槽1から取り出し、図6に示すように、そこに陰極13bを配置するとともに、精製工程の陰極3bを陽極13aとして、電析工程を行う。そうすると、陰極13bの、陽極13a側の電解面に箔状の金属チタンが析出し、チタン箔が得られる。ここでは、精製工程と電析工程で同じ溶融塩浴Bmを使用しており、精製工程と電析工程との間に、陰極3b上の精製チタン系材料の切削等による剥離や洗浄、乾燥等の処理を行うことを要しない。
図5及び6に示すような精製工程及び電析工程は、図7~9に示すように、電解槽1上に、内部の雰囲気の調整が可能な電極交換室11、12を設けて行うことが好ましい。この例では、はじめに、図7に示すように、図5と同様にして精製工程を行う。次いで、精製工程の陽極3aを、図8に矢印で示すように、電解槽1から、同図の左側に位置する一方の電極交換室11に引き上げて、そこで電析工程の陰極13bと交換する。陰極13bは、次の電析工程のために電解槽1の内部に配置される。その後、図9に示すように、図6と同様にして電析工程が行われる。なお、他方の電極交換室12は、その直下に位置する陰極3bないし陽極13aを交換する際に使用され得る。
(剥離工程)
電析工程の後、陰極13b上に析出した金属チタンは、リーチング等により剥離することも可能であるが、剥離工程で、陰極13bから物理的に剥離させることが好ましい。
剥離工程では、金属チタンを剥離させる種々の手法を採用することができる。たとえば、金属チタンの一部を把持し、物理的に陰極から金属チタンを剥離する形態(機械的な剥離)等を採用できる。ここでいう物理的な剥離とは、薬品や電気等を使用せず、陰極13bと金属チタンの少なくとも一方を把持しながら、それらが離れる向きに外力を作用させ、その外力の作用のみによって陰極13bから金属チタンを分離させることを意味する。このような物理的な剥離の具体的な一例としては、引き剥がしがある。
上述したような条件下で電析工程を行ったことにより、陰極13b上に箔状に析出した金属チタンを比較的に容易に、物理的に剥離させることが可能になる。
このようにして製造されるチタン箔は、アルミニウムや酸素が十分に除去されて、実質的にチタンからなるものである。チタン箔中、チタン以外の不純物の合計の含有量は、好ましくは5000質量ppm以下、より好ましくは3000質量ppm以下である。チタン箔のアルミニウム含有量は5質量ppm~1000質量ppm、酸素含有量は4400質量ppm以下、また50質量ppm~500質量ppmである場合がある。
チタン箔には、鉱石や塩化物浴由来の不純物が含まれる場合がある。具体的には、チタン箔のそのような不純物として、窒素含有量が0.03質量%以下であり、炭素含有量が0.01質量%以下であり、鉄含有量が0.010質量%以下であり、マグネシウム含有量が0.05質量%以下であり、ニッケル含有量が0.01質量%以下であり、クロム含有量が0.03質量%以下であり、ケイ素含有量が0.005質量%以下であり、マンガン含有量が0.05質量%以下であり、錫含有量が0.01質量%以下である場合がある。
また、上記の実施形態によれば、たとえば、厚みが20μm~1000μm程度、表面の面積が100mm2~10000mm2程度、さらにはそれ以上の面積であるチタン箔を製造できる場合がある。
次に、この発明のチタン箔の製造方法を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
二酸化チタンを95質量%含むチタン鉱石と、還元剤のアルミニウムと、分離剤のフッ化カルシウムとを、TiO2:Al:CaF2が3:4~7:2~6の範囲内になるモル比で含む混合物を、アルゴン雰囲気の下、1500℃~1800℃に加熱し、粗チタン系材料を抽出した。
粗チタン系材料中のチタン以外の成分の含有量は、表1に示すとおりであった。なお、金属成分はICP発光分析法(PS3520UVDDII、HITACHI社製)、酸素は不活性ガス融解-赤外線吸収法(TC-436AR、LECO社製)、窒素は不活性ガス融解-熱伝導度法(TC-436AR、LECO社製)、炭素は燃焼-赤外線吸収法(EMIA-920V2、堀場製作所社製)、塩素は硝酸銀滴定法(GT-200、日東精工アナリテック社製)でそれぞれ測定した。
また、粗チタン系材料から採取した試料について、2端子測定法(低抵抗計3566-RY、鶴賀電機株式会社製)により室温にて比抵抗を測定したところ、比抵抗は5×10-5Ω・mであった。
上記の粗チタン系材料を用いて、図2に示すような電解槽で溶融塩浴による電解精製を行った。電解槽の槽本体部は、溶融塩浴を貯留させる部分の寸法を、300mmΦ×570mm深さとした。溶融塩浴は、塩化マグネシウム96mоl及び低級塩化チタン4mоlの組成とした。陽極は、円筒状の籠状容器内に粗チタン系材料を入れて構成し、陰極は、円柱状でチタン製のものとした。電解精製では、溶融塩浴の温度を800℃程度とし、陰極での電流密度を1.0A/cm2として電気分解を行った。これにより、陰極上に精製チタン系材料が析出した。
次いで、上記の電解精製で使用した陰極を、そこに電着した精製チタン系材料とともに電解槽から取り出し、希塩酸で洗浄した後に、減圧雰囲気下で乾燥させ、精製チタン系材料を陰極から剥がした。精製チタン系材料は、チタン含有量が98質量%であり、アルミニウム含有量が2000質量ppmであり、酸素含有量が10000質量ppmであった。
その後、上記のようにして得られた精製チタン系材料を、円筒状の籠状容器に入れて、これを陽極として電解析出を行った。表2に各条件を示す。陰極は、円柱状であってチタン製、ニッケル製又はモリブデン製とした。電解析出で使用した溶融塩浴は、塩化マグネシウムを35mоl%、塩化ナトリウムを35mоl%、塩化カリウムを20mоl%、チタンイオンを10mоl%含有するものとした。なお、比較例4で使用した溶融塩浴はチタンイオンを含まないこと以外は他の例と同様とした。比較例4で使用した溶融塩浴はモル比で塩化マグネシウム:塩化ナトリウム:塩化カリウム=35:35:20である。
上記の電解析出の後、陰極をそこに電着した箔状の金属チタンとともに電解槽から取り出し、希塩酸で洗浄した。その後、陰極からの金属チタンの物理的な引き剥がしを試みた。
実施例1、2では、チタン製又はモリブデン製のいずれの陰極でも、陰極から金属チタンを引き剥がすことができ、それによりチタン箔が製造できた。また、それらのチタン箔では、上記の精製チタン系材料に比して、表1に示すようにアルミニウム及び酸素の含有量がいずれも低減されていた。
比較例1では、溶融塩浴の温度が高かったことにより、陰極からの金属チタンの物理的な引き剥がしが困難であった。なお、比較例1で電解析出の後に、陰極上に析出した金属チタンからサンプルを採取して、そのサンプルの成分分析を行ったところ、アルミニウム含有量は50質量ppm、酸素含有量は5000質量ppmであった。
比較例2では、電流密度が高かったことに起因して、陰極からの金属チタンの物理的な引き剥がしが困難だった。比較例3は、陰極の材質をニッケルとしたことから、陰極からの金属チタンの物理的な引き剥がしが困難であり、また、当該陰極上に析出した金属チタンがニッケルと合金化した。比較例4では、電気分解の開始前に溶融塩浴がチタンイオンを含まなかったので、過電圧が上昇し、金属チタンが粉状化した。
以上より、この発明によれば、チタン、アルミニウム及び酸素を含有するチタン系材料から、比較的厚みの薄いチタン箔を製造できることがわかった。
1 電解槽
2 槽本体部
3、13 電極
3a、13a 陽極
3b、13b 陰極
11、12 電極交換室
Bm 溶融塩浴

Claims (7)

  1. チタン箔を製造する方法であって、
    溶融塩浴にて、陽極及び陰極を含む電極を用いて電気分解を行い、陰極の電解面に金属チタンを析出させる電析工程を含み、
    前記電析工程で、
    前記陽極として、チタンを含有するとともに、アルミニウム含有量が200質量ppm以上かつ4500質量ppm以下、酸素含有量が8000質量ppm以上かつ15000質量ppm以下であって導電性を有するチタン系材料を含む陽極を使用するとともに、前記陰極として、前記電解面がチタン、モリブデン、ガラス状炭素及びタングステンからなる群から選択される少なくとも一種を90質量%以上含有する陰極を使用し、
    前記溶融塩浴に予めチタンイオンを含ませ、前記電気分解の間、前記溶融塩浴の温度を520℃以下に維持し、
    前記陰極での電流密度を0.2A/cm2以下とする、チタン箔の製造方法。
  2. 前記電析工程で使用する前記溶融塩浴が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムからなる群から選択される二種以上を80mоl%以上含む、請求項1に記載のチタン箔の製造方法。
  3. 前記電析工程で使用する前記溶融塩浴が、前記電気分解の開始前に、前記チタンイオンを1mоl%以上含む、請求項1に記載のチタン箔の製造方法。
  4. 前記電析工程の後、前記陰極の電解面に析出した金属チタンを、該陰極から物理的に剥離させる剥離工程を含む、請求項1に記載のチタン箔の製造方法。
  5. 前記電析工程の前に、塩化物浴である溶融塩浴にて、チタン、アルミニウム及び酸素を含有して導電性を有する粗チタン系材料を含む陽極及び、陰極を含む電極を用いて、電気分解を行い、前記陰極上に精製チタン系材料を析出させる精製工程を含み、
    前記精製工程で得られる前記精製チタン系材料を、前記電析工程で前記チタン系材料として用いる、請求項1~4のいずれか一項に記載のチタン箔の製造方法。
  6. 前記精製工程で、
    前記溶融塩浴が塩化マグネシウムを75mоl%以上含み、前記電気分解の間、前記溶融塩浴の温度を750℃以上に維持し、
    前記粗チタン系材料として、チタン含有量が50質量%以上かつ80質量%以下であり、アルミニウム含有量が3質量%以上かつ40質量%以下であり、酸素含有量が0.2質量%以上かつ40質量%以下である粗チタン系材料を使用する、請求項5に記載のチタン箔の製造方法。
  7. 前記精製工程の前に、チタン酸化物を含むチタン原料と、アルミニウムを含む還元剤と、分離剤とが含まれる混合物を加熱し、溶融状態の前記混合物から前記粗チタン系材料を抽出する抽出工程を含む、請求項5に記載のチタン箔の製造方法。
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