JP2023553791A - 複合材料の拡張パネルに連続ｊ字形状スパーを一体化するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

複合材料の拡張パネルに連続Ｊ字形状スパーを一体化するための方法。Ｊ字形状スパーは、少なくとも１つの直角三角形状部分を有する直線支持物（２５）の上にそれぞれ配置される。その後、各直線支持物（２５）により支持されるこれらのスパーは、モールド（１）により支持される層状構造物（４）の上に配置される。層状構造物（４）、直線支持物（２５）、およびＪ字形状スパーを覆う、真空バッグ（４２）が作製される。穴（Ｆ）が、各直線支持物（２５）に沿って形成されたそれぞれの連結箇所（５０）にて真空バッグ中に形成される。連結箇所（５０）との掛止調節要素（３１）を備える支持構造物（３０）が、支持構造物（３０）に対する各掛止調節要素（３１）の位置を調節することにより、鉛直方向に対して平行な方向に直線支持物（２５）を位置決めする。これにより、モールドに対するＪ字形状スパーの端部部分（１２）の位置が、設計により予測される位置に対して一致する。

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、２０２０年１１月１３日に出願されたイタリア特許出願第１０２０２０００００２７２８７号に基づく優先権を主張する。このイタリア特許出願の全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。

本発明の目的
本発明は、複合材料の拡張パネルに連続Ｊ字形状スパーを一体化するための方法および装置に関する。

航空構造物は、固有の必然性により、重量の最小化、および市場を意識したあらゆる製品と同様に経常コストおよび経常外コストの両方に関する製造コストの最小化という基準に従って設計および製造されなければならない。

工学設計の個別要件に対して最適化された非常に多様なジオメトリ等に対応して切断、積層、および重合が可能である高性能な炭素繊維複合材料（ＣＦＣ）の出現により、例えば金属材料などの従来的な材料で製造されるものに関して、大幅に軽量化された航空構造物が展開されてきた。

さらに、複合材料は、例えば単一ブロックで作製された前縁および後縁も有するコキュアマルチスパー構造物、単一ブロックで一体型長手方向リブにより補剛された構造物など、高度に一体化された構成要素（すなわち機械的組立てを必要とすることなく共に製造され相互に接合された複数のパーツからなるサブアセンブリ）の製造に非常に適する。例えば外方パネル、リブ、または補剛リブおよび補剛スパーなどの構造物の耐荷重構成要素の一体化（後にオートクレーブ内での熱サイクルによって）による、一次構造物を構成するすなわち構造要素である「シングルブロック」をなす要素の一体化により、以降に列挙するような製造製品の重量、性能、およびコストに関する利点を得ることができる。
－ 複数の要素間に伝達される空力荷重によって構造物中に発生する応力の一点分布（連結部材）ではなく（厳密には接合をなくすことによる）分散分布（連続要素）による構造性能の改善。
－ パーツ個数の削減（重量および経常的な製造コスト／要素管理）。
－ 非一体型の従来の構成と比較した場合の、積層および重合装置の個数の削減。したがって経常外コストの削減。
－ 連結部材の減少（連結部材の重量および設置コスト）。
－ 一体構造要素の空力性能の改善。すなわち、連結部材をなくすことにより、穿孔／皿穴（連結部材の設置に必要な）が不要になり、したがって空力表面の劣化およびその結果としての燃料消費の増大とを引き起こす連結部材のヘッドと座ぐり穴との間の間隙／段差および不整合が解消される。
－ パーツと連結部材との間のシーラントの減少に関連する封止性能の改善（例えば、いわゆるインテグラルタンク内における燃料の、または胴体の客室圧力の）。

その一方で、空力学的プロファイルと構造パーツの相互位置（例えば、典型的な翼構造物および／または尾翼表面もしくは操縦翼面の外方パネルに対するスパーの位置など）との両方における、常にコンマ数ミリメートルオーダである航空製品の厳格な許容公差を遵守している。

航空製品のあらゆるこれらの可能な最適化および刷新は、本提案の技術的解決策およびそれらの解決策の実現に必要な装置に典型的な制約を用いない場合に比べて、より多くの場合において矛盾を生じる。それどころか、高性能な複合材料から一体的に構成されるかような製造品を製造するためには、複合材料の重合サイクルまたは硬化／固化サイクルの最中に真空バッグの下方の正確な位置にパーツを維持する（懸案の構成要素の作製のために一般的に利用される技術）ことが可能な装置が必要となる。この複合材料の重合サイクルまたは硬化／固化サイクルは、１８０～２００℃のオーダの温度を利用した特定の加熱サイクルの適用および約３～８気圧の外部圧力の印加によりオートクレーブ内で実施される。さらに、高性能な複合材料から一体的に構成されるかような製造品を製造するためには、材料に対して適用されるバッグ内部のほぼ完全な真空シールを維持することが可能な装置が必要となる。（これらはいずれも、例えば樹脂の不正確な架橋、ならびに仕様、有孔率、または空隙に適合しない化学物理的特性および構造的特性などの欠陥を材料が有さないようにするために、オートクレーブ内での重合の最中に必要である）。

したがって、パーツの相互位置のための前述の装置において抑止的「強靭箇所」（「コーム」または「レーキ」とも呼ばれる）を導入することが必要となる。プリフォームされたしかしまだ重合されていない状態にあるこの強靭箇所は、バッグ下方に位置決めされなければならない。これらの強靭箇所は、前述の熱サイクル（装置の構造的観点から非常に高応力である）の最中にバッグ下方のこの位置を確保しなければならず、また同時に真空バッグがオートクレーブの圧力を子のパーツに対して均一に分布させることを可能にするものでなければならず、これは、複合材料の樹脂の正確な重合を確保するため、ならびに効果ステップにおいてパーツに変位および／または形状変形および形態変形を引き起こし得る力の不均衡を回避するための両方を目的としている。

さらに、この装置は、オートクレーブ内における熱サイクルを「妨害」してはならない。すなわち、この装置が、パーツ上に「プレッシャーシャドー」を生じさせ、これにより複合材料中に多孔領域が、およびしたがって熱サイクルの最中に廃棄物が生成されるため、重合対象のパーツ上に直接的に配置することができない。

かかる装置は、矛盾する要件を、すなわち、１）一体化および重合されることとなるパーツに対してアンダーカットまたはプレッシャーシャドーを生じさせることのないように位置決めされること、２）プリフォームされたしかしまだ固化されていない構成要素を、コンマ数ミリメートルオーダの精度で相互位置を維持しつつ、真空バッグの下方に支持すること、３）重合されることとなる材料に対して適用される真空バッグに干渉しない、劣化させない、または損傷を与えないこと、４）複合材料の重合とために予測される温度サイクルおよび圧力サイクルに機械的にかつ限定的な弾性変形を伴いつつ抵抗すること、５）この装置が位置的制約に相当する強靭箇所の距離に載置／拘束される（ピース外部に位置しなければならない）場合に、１０分の１ミリメートルのオーダの最大偏曲によって、拡張されプリフォームされたしかしまだ重合されていない構成要素を支持することが可能になるように、非常に高い曲げ剛性を有すること、という要件を満たす必要がある。構造適用に関して、例えば２．５メートル超の幅を有するまたは連続離断を伴わないすなわち中間に支持強靭箇所を有さない長尺を有するスパーなどの、構造的複合材料の一体化装置は、今日まで知られていない（後者の離断は、一体化されることとなる構成要素の中断を必要とし、装置が上に載置されるパーツが予め前重合されることの必要性と）。

特許文献１は、既知の技術の一例について記載している。

欧州特許出願公開第１．２３２．０４６号明細書

本発明の目的を構成する本方法の目的は、請求項１に記載のタイプの複合材料の拡張パネルにＪ字形状スパーを一体化するための方法に関するという点から、上記で列挙した問題を解決することである。

本発明の方法の第１のステップおよび第２のステップを示す図である。 本発明の方法の第１のステップおよび第２のステップを示す図である。 本発明の方法の第３のステップを示す図である。 本発明の方法の第４のステップを示す図である。 本発明の方法により製造されたスパーを示す図である。 本発明の方法の第５のステップおよびさらなるステップを示す図である。

次に、本発明の方法の主要ステップを概説する。

第１のステップ、積層
モールド１が使用される（図１、このモールドが断面で概略的に示される）。このモールド１は、載置表面２を画定する。この載置表面２の上には、複数の複合材料層３が、具体的には複数の炭素繊維プリプレグ層が積層される。モールド１は、作製すべき構成要素（例えば翼の一部分など）の空力学的プロファイルを複写したものであり、後の熱サイクルの最中に構成要素の変形または形状歪みを生じさせないように最小限の熱膨張率を有する金属または複合材料から作製される。モールド１は、複合材料またはＩＮＶＡＲ（登録商標）などの複数の異なる材料から作製することが可能である。積層オペレーションは、モールドに対しておよび既知の技術を利用して移動する積層ヘッド（既知のタイプのものであり図示しない）により自動的に実施される。これは、異なる厚さを有する、具体的には例えば端部部分などの使用時により高い荷重を支持する必要のある領域においてより大きな厚さを有する、層状構造物４を作製する。

第２のステップ、Ｔ字形状要素の構成
続いて（図１および図２）、Ｔ字形状断面を有し複合材料プリプレグから作製された一連の長手方向補剛物（リブ）５が、層状構造物４の上に構成される。このＴ字形状長手方向補剛物（リブ）５は、層状構造物４の外方壁部と接触状態にある略平坦状矩形部分５ａを有して構成され、したがって層状構造物４の載置面に対して実質的に横断方向の直線状部分５ｂを有する。Ｔ字形状長手方向補剛物（リブ）５は、既知の技術を利用して製造される。Ｔ字形状長手方向補剛物（リブ）５は、ロボット装置によりまたは手動により構成され得る。

第３のステップ、真空バッグの構成
次いで（図３）、使用の時点にて作製される真空バッグ６が、層状構造物４および長手方向補剛物（リブ）５を覆うように構成され、モールド１上に直接的に封着される（真空バッグ６とモールド１の表面との間の封着領域を７ｆで示す）。真空バッグ６は、既知の技術により減圧され、モールド１は、高温高圧サイクルを実施するためにオートクレーブ内に配置される。この高温高圧サイクルは、層状構造物４および長手方向補剛物（リブ）５を構成する材料の技術的仕様の必要に応じて重合を実現する。層状構造物４および長手方向補剛物（リブ）５は、複合材料のまたは任意の中間構造接着剤の樹脂の架橋により相互に対して固定的に連結される（単純化のために図示しない）。

第４のステップ、Ｊ字形状スパーの作製
本プロセス（図４ａ～図４ｆ）は、以下の後の成形ステップからなる。

既知の技術により、Ｃ字形状モールドＳ１上において複合材料プリフォームシート７を熱成形する（図４ａ）。これにより、このプリフォームシートは、平坦状中央部分８と、２つの屈曲状側方エッジ９ａ、９ｂとを備えるＣ字形状部を有する。これらの２つの屈曲状側方エッジ９ａ、９ｂは、平坦状中央部分８の同一側から延在し、モールドＳ１の側方面に対して押圧される。

既知の技術により、モールドＳ２上において複合材料プリフォームシート１０を熱成形する（図４ｂ）。これにより、このプリフォームシートは、平坦状中央部分１１と、２つの側方エッジ１２ａ、１２ｂとを備えるｚ字形状部を有する。これらの２つの側方エッジ１２ａ、１２ｂは、平坦状中央部分１１に対してそれぞれ異なる勾配を有しつつ平坦状中央部分１１の逆側から延在する。

モールドＳ２の一部分Ｓ_ｋを除去する（図４ｃ）。これにより、Ｚ字形状プリフォームの側方自由エッジ１２ｂが、この除去された部分Ｓ_ｋによる支持を失い、したがってモールドＳ２による支持を失う。

各第１のエッジ９ｂおよび１２ａが依然として各モールドＳ１およびＳ２により支持された状態において、モールドＳ２を反転させて、中央部分８と接触状態になるように中央部分１１を配置する（図４ｄ）。中央部分８および１１は、相互に接触状態になり、これらの重合後にはスパーの中央部分１９を形成することになる（図５）。

第１のエッジ９ｂおよび１２ａと材料プリプレグストリップ１３との接触ゾーンに疑似三角形状フィラー１４を配置して、第１のエッジ９ｂおよび１２ａを覆う（図４ｅ）。第１のエッジ９ｂおよび１２ａならびに材料プリプレグ１３は、それらの重合後には、Ｊ字形状スパーのベース２０を形成する（図５）。

熱の印加および既知の技術によってモールドＳ１に支持されたエッジ９ａ上へと自由エッジ１２ｂを曲げることにより、Ｊ字形状スパーを形成する（図４ｅ）。このオペレーションで重畳されたエッジ１２ｂおよび９ａは、重合化後にはＪ字形状スパーの端部突起１２を形成することになる。

上述の成形ステップの最中に熱と同時に圧力または真空とを印加することにより、このアセンブリは、以降の移動ステップおよびハンドリングステップに適した形状安定性を得る。しかし、上記は、樹脂の重合にわずかでも損傷を与えることなく行われなくてはならず（図４ｆ）、したがってモールドＳ１およびＳ２は、除去することが可能であり、それによりＪ字形状スパープリフォームが形成される（図５）。

したがって、Ｊ字形状スパーは、平坦状矩形拡張中央部分１９と、この拡張中央部分１９に対して横断方向であり拡張中央部分１９の中央部分から延在する平坦状矩形ベース部分２０と、拡張中央部分１９の一方の側からベース部分２０に対して平行に延在する端部突起１２とを備える。

第５のステップ、支持物上へのスパーの配置
各Ｊ字形状スパー（図６）は、少なくとも１つの直角三角形状部分を有する直線支持物２５の上に、典型的には手動によりおよび／またはロボットにより配置される。これにより、スパーの中央部分１９は、支持物２５のより広いベース面Ｌ_Ｂと接触状態になるように配置され、端部突起１２は、支持物２５のライトサイドＬ_Ｒ上に載置され、スパーのベース２０は、自由となり、下方に面する。

本特許の本発明によれば、支持物２５は、モールド１の上方に配置されたおよび複数の掛止調節要素３１により直線支持物２５に連結された、支持構造物３０によって支持される。複数の掛止調節要素３１はそれぞれ、支持構造物３０から直線支持物２５のライドサイド部分Ｌ_Ｒまで鉛直方向に対して平行な方向へと延在する。

図６に示す支持構造物３０は、鉛直トラス３３を備える。水平支持構造部３４が、この鉛直トラス３３からカンチレバー式に延在し、掛止要素３１を支持する。

図示する例では、掛止調節要素３１は、ねじロッドまたは摺動ロッド３６を備える。このねじロッドまたは摺動ロッド３６は、水平支持構造部３４により支持されたナットまたは線形ガイド３７に結合された上方部分３６ａと、上方プレート３８に連結された下方部分３６ｂとを有する。さらに、この上方プレート３８は、アーチ状の貫通スロットを備える。さらに、上方プレート３８は、一連のねじピン４０により下方プレート３９に対して連結される。上方プレート３８の前述のスロットを貫通するこれらのねじピン４０は、ナットで締め付けられる。前記ピン４０は、下方プレート３９と一体化され、下方プレート３９は、ねじ突起４９をさらに備える。このねじ突起４９は、ロッド３６と同軸状であり、直線支持物２５のライトサイド上に開口するめくら穴５０中に形成されたナットに結合可能である。各直線支持物２５は、その長さ方向に沿って、相互に離間された複数の穴５０を備え、これらの穴５０は、掛止調節要素３１との連結箇所として機能する。

また、さらに有利には、支持構造物３０は、ガントリ構造（単純化のために図示しない）で、すなわち水平支持部３４がその両端部にて対称的な鉛直トラス３３に対して拘束された状態で、作製することが可能である。単純化のために、図面では、単一の直線支持物２５を示しており、支持構造物３０は、複数の直線支持物２５を支持するように構成される。

第６のステップ：Ｊ字形状スパーを有する支持物のパネル上への装填
支持構造物３０によってまだ支持されていない三角形支持物２５（支持されたＪ字形状スパーをそれぞれが備える）が、既に重合されたパネル４の上に配置される。これにより、Ｊ字形状スパーのベース２０は、パネル４と接触状態になる。接着層（図示しない）が、前記ベースとパネル４との間に配置される。

支持物２５（Ｊ字形状スパーを既に備える）は、既知のタイプの端部コームに配置され係合される。これらの端部コームは、単純化のために図示しない。

第７のステップ：真空バッグの作製
マスティック封着シーム４３で閉鎖された真空バッグ４２が、パネル４の外面に位置する表面領域のすべてに沿って重合モールド１上に手動により作製される。例えば可撓性通気分離材料およびガス不透過性ナイロンのフィルムまたは層の積層などの既知の技術の利用により作製された真空バッグ４２は、重合のためにオートクレーブ内へ送り込まれることとなるすべての部分と、具体的にはパネル４、長手方向補剛物５（単純化のために図６には図示せず）、支持物２５、ならびにＪ字形状スパーのベース部分２０、中央部分１９、および端部部分とを覆う。

その後、穴Ｆが、直線支持物２５のライトサイド上の各めくらねじ穴５０の位置において真空バッグ４２中に形成される。この位置において、続いて突起４９との掛止が実施され、真空バッグ４２は、めくらねじ穴５０の周囲の前記ライトサイド上にドーナツ状または円形状に配置された封着シーム４４、４６で封着される。

真空バッグ４２は、直線支持物２５の傾斜面を覆い、Ｊ字形状スパーのベース２０と中央部分１９とを連結するＪ字形状スパーの下方凹状アールに位置する既知のクランプ技術によって適合化される。このオペレーションは、存在するすべてのＪ字形状スパーに対して繰り返される。

第８のステップ：モールド上への支持構造物の位置指定および位置決め、直線支持物の掛止、および直線支持物の位置の調節
支持構造物３０が、真空バッグ４２外部の領域においてモールド１上に位置決めされ、基準ピンによりモールド１に対して固定的に連結され、ねじピン（図示せず）によりモールド１上に固定される。直線支持物２５の各めくら穴５０ごとに、突起４９が、めくら穴５０に螺入され、それにより直線支持物２５と下方プレート３９との間の拘束が確立される。

その後、上方プレート３８が、プレート３８上に設けられた各貫通スロットを介してプレート３９と一体化されたねじピンの通過によって下方プレート３９に係合するまで、ロッド３６が、回転または摺動により下げられる。

次いで、調節ステップが、ピン４０に対してナットを締め付けることによって実施される。これらのピン４０およびナットは協働することにより、プレート３８および３９を共に近づけ、これらのプレートが接触状態になり支持物の位置が構造図面によって予測される正確な位置に一致するまで、直線支持物２５を上昇させる。

本装置の掛止調節要素３１は、スパーの部分１２が公称高さおよび公称プロファイルを有するようにすることによって、直線支持物２５の自然な重力誘発曲げを補償し、オートクレーブ内における重合サイクルの最中においても理論上の位置の維持を確保する。実際には、直線支持物の全長にわたりスパーを定位置に維持させる複数の掛止連結要素が存在する。

この調節ステップは、例えば、支持物２５の長さの２メートルごとに、その位置を、およびしたがって結果としてＪ字形状スパーの突起１２の位置を安定化させるために、複数回にわたり繰り返すことが可能である。

鉛直方向（Ｚ軸）に対する突起１２の高さの調節は、摺動ロッドまたはねじロッド３６の位置の事前較正により、めくらねじ穴５０内における突起４９の端部位置の較正により、ならびにプレート３８および３９の連結表面同士を完全に接触させる一体化されたピン４０に対するナットの完全な締付けにより、実施される。

このようにすることで、この掛止が真空バッグの外部において行われることにより、このパーツの品質の明確な改善と、とりわけ既知の解決策における長さ限界（ある支持物とそれに続く支持物との間が約２．５ｍである）の解消とを伴いつつ、直線支持物２５の（ならびに結果としてＪ字形状スパーおよびその上方突起１２の）位置が安定する。

結果として、直線支持物２５は、より細くおよびしたがってより軽量であり、より管理が容易でありより安価なものにすることが可能となる。

第９のステップ、最終重合
真空バッグ４２が、減圧され、支持構造物３０を含むアセンブリ全体が、オートクレーブ内に配置されて、樹脂および任意の接着剤の重合サイクルが実施される。このようにすることで、Ｊ字形状スパーは、固化され、層状構造物に対して固定的に付着される。

代替的な実施形態
－ 第３のステップが存在しなくてもよい。この場合には、Ｊ字形状スパーは、まだ重合されていない層状構造物４の上に配置される。長手方向Ｔ字形状補剛物（リブ）５もまた重合されない。第８のステップにおいて、すべての樹脂の重合が同時に行われる（コキュア）。この変形例は、請求項１の範囲に含まれる。
－ 第２のステップが存在しなくてもよい。このようにすることで、長手方向Ｔ字形状補剛物（リブ）５は、作製されず（構造的に不要な場合）、Ｊ字形状スパーは、層状構造物４の上に配置される。第８のステップにおいて、スパーの樹脂の重合と、パネル４に対する結合／パネル４への一体化の実現とが同時に行われて、Ｊ字形状スパーのみを有する構成要素が得られる（共結合）。
－ 第２のステップおよび第３のステップが存在しなくてもよい。この場合には、長手方向Ｔ字形状補剛物（リブ）５は、作製される（構造的に不要な場合）、Ｊ字形状スパーは、層状構造物４の上に配置される。第８のステップにおいて、すべての樹脂の重合が同時に行われる（コキュア）。

１ モールド、重合モールド
２ 載置表面
３ 複合材料層
４ 層状構造物、パネル
５ 長手方向補剛物、長手方向Ｔ字形状補剛物、Ｔ字形状長手方向補剛物、リブ
５ａ 略平坦状矩形部分
５ｂ 直線状部分
６ 真空バッグ
７ 複合材料プリフォームシート
７ｆ 封着領域
８ 平坦状中央部分
９ａ 屈曲状側方エッジ、エッジ
９ｂ 屈曲状側方エッジ、第１のエッジ
１０ 複合材料プリフォームシート
１１ 平坦状中央部分
１２ 端部突起、上方突起、端部部分
１２ａ 側方エッジ、第１のエッジ
１２ｂ 側方エッジ、側方自由エッジ、自由エッジ
１３ 材料プリプレグストリップ、材料プリプレグ
１４ 疑似三角形状フィラー
１９ 中央部分、拡張中央部分、平坦状矩形拡張中央部分
２０ ベース、ベース部分、平坦状矩形ベース部分
２５ 直線支持物、三角形支持物
３０ 支持構造物
３１ 掛止調節要素、掛止要素
３３ 鉛直トラス
３４ 水平支持構造部、水平支持部
３６ ねじロッドまたは摺動ロッド
３６ａ 上方部分
３６ｂ 下方部分
３７ 線形ガイド
３８ 上方プレート
３９ 下方プレート
４０ ねじピン
４２ 真空バッグ
４３ マスティック封着シーム
４４ 封着シーム
４９ ねじ突起
５０ 穴、めくら穴、めくらねじ穴、連結箇所
Ｓ１ Ｃ字形状モールド、モールド
Ｓ２ モールド
Ｓ_ｋ モールドＳ２の一部分

Claims (10)

1. 複合材料の拡張パネルに連続Ｊ字形状スパーを一体化するための方法であって、
   複数の複合材料層（３）を、具体的には複数の炭素繊維プリプレグ層を、載置表面（２）を画定するおよび作製すべき構成要素の空力学的プロファイルを複写したものであるモールド（１）の上に積層するステップであって、これにより、異なる厚さを有する、具体的には使用時により高い荷重を支持する必要のある領域においてより大きな厚さを有する層状構造物（４）が作製される、ステップと、
   複合材料Ｊ字形状スパーを作製するステップであって、各スパーが、拡張中央部分（１９）と、前記拡張中央部分（１９）に対して横断方向であるベース部分（２０）と、前記拡張中央部分（１９）の一方の側から延在する端部突起（１２）と、を備える、ステップと、
   少なくとも１つの直角三角形状部分を有する直線支持物（２５）の上に各Ｊ字形状スパーを配置するステップであって、これにより、前記スパーの前記拡張中央部分（１９）は、前記直線支持物（２５）のより広いベース面Ｌ_Ｂと接触状態になるように配置され、前記端部突起（１２）は、前記直線支持物（２５）のライトサイドＬ_Ｒ上の一部分の上に載置され、前記スパーの前記ベース部分（２０）は、自由となり、下方に面する、ステップと、
   それぞれの前記直線支持物（２５）により支持された前記スパーを前記層状構造物（４）の上に配置するステップと、
   前記拡張パネル（４）の外面に位置する表面領域のすべてに沿って前記重合モールド（１）上に、封着シーム（４３）で閉鎖された真空バッグ（４２）を作製するステップであって、前記真空バッグ（４２）は、前記層状構造物（４）、前記直線支持物（２５）、ならびに前記Ｊ字形状スパーの前記ベース部分（２０）、前記拡張中央部分（１９）、および端部部分を覆う、ステップと、
   各直線支持物（２５）に沿って作製された各連結箇所（５０）にて前記真空バッグ中に穴（Ｆ）を形成するステップであって、各穴（Ｆ）が、前記真空バッグの気密シールを維持する封着ゾーンにより囲まれる、ステップと、
   複数の掛止調節要素（３１）を備える支持構造物（３０）を前記モールド（１）に結合するステップと、
   各掛止調節要素（３１）を連結箇所（５０）に連結するステップと、
   前記支持構造物（３０）に対する各掛止調節要素（３１）の位置を調節することにより、鉛直方向に対して平行な方向に前記直線支持物（２５）を位置決めするステップであって、これにより、前記モールドに対する前記Ｊ字形状スパーの前記端部部分（１２）の位置が、設計により予測される位置に一致する、ステップと、
   前記真空バッグ（４２）を減圧し、前記モールド（１）および前記支持構造物をオートクレーブ内に配置することにより、樹脂および任意の接着剤の重合サイクルを実施するステップであって、これにより、前記Ｊ字形状スパーは、固化され、設計により予測される位置において前記層状構造物に対して固定的に付着される、ステップと、
   を含む、方法。
2. 複合材料プリプレグで作製された一連の長手方向補剛物（５）を前記層状構造物（４）の上に配置するステップが実施される、請求項１に記載の方法。
3. 複合材料プリプレグで作製された一連の長手方向補剛物（５）を前記層状構造物（４）の上に配置する前記ステップの後に、以下のステップ、すなわち
   前記層状構造物（４）および前記長手方向補剛物（５）を覆うようにさらなる真空バッグ（６）を配置するステップと、
   前記真空バッグ（６）を減圧し、前記モールド（１）をオートクレーブ内に配置することにより、前記層状構造物（４）および前記長手方向補剛物（５）を形成する材料の重合を実施するステップであって、これにより、前記層状構造物（４）および前記長手方向補剛物（５）は、前記複合材料または任意の中間構造接着剤の樹脂の架橋により相互に対して固定的に連結される、ステップと、
   がさらに実施される、請求項２に記載の方法。
4. 積層する前記ステップは、前記モールド（１）に対して移動する積層ヘッドによって自動的に実施される、請求項１から３のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記長手方向補剛物（５）は、Ｔ字形状断面を有し、略平坦状矩形部分（５ａ）が前記層状構造物（４）の外方壁部と接触状態になる状態で配置され、したがって前記層状構造物（４）の他の部分の面に対して実質的に横断方向である直線状部分（５ｂ）を有する、請求項２に記載の方法。
6. 前記さらなる真空バッグは、使用の時点にて作製され、前記モールド（１）の上に直接的に封着される（７ｆ）、請求項３に記載の方法。
7. 前記Ｊ字形状スパーを作製する前記ステップは、以下のステップ、すなわち
   Ｃ字形状モールドＳ１上において複合材料プリフォームシート（７）を熱成形するステップであって（図４ａ）、これにより、前記複合材料プリフォームシート（７）は、平坦状中央部分（８）と、２つの屈曲状側方エッジ（９ａ、９ｂ）と、を備えるＣ字形状部を有し、前記２つの屈曲状側方エッジ（９ａ、９ｂ）は、前記平坦状中央部分（８）の同一側から延在し、前記モールド（Ｓ１）の側方面に対して押圧される、ステップと、
   モールドＳ２上において複合材料プリフォームシート（１０）を熱成形するステップであって（図４ｂ）、これにより、前記複合材料プリフォームシート（１０）は、平坦状中央部分（１１）と、２つの側方エッジ（１２ａ、１２ｂ）と、を備えるＺ字形状部を有し、前記２つの側方エッジ（１２ａ、１２ｂ）は、前記平坦状中央部分（１１）の逆側から延在する、ステップと、
   前記モールドＳ２の一部分Ｓ_ｋを除去するステップであって（図４ｃ）、これにより、前記Ｚ字形状プリフォームの側方自由エッジ（１２ｂ）が、前記除去された部分Ｓ_ｋによる支持を失い、したがって前記モールドＳ２による支持を失う、ステップと、
   各第１のエッジ（９ｂおよび１２ａ）が依然として各前記モールドＳ１およびＳ２により支持された状態において、前記モールドＳ２を反転させて、前記第１のモールドＳ１により支持された前記平坦状中央部分（８）と接触状態になるように前記第２のモールドＳ２により支持された前記平坦状中央部分（１１）を配置するステップであって（図４ｄ）、前記平坦状中央部分（８および１１）は、相互に接触状態になり、前記平坦状中央部分（８および１１）の重合後には前記スパーの前記拡張中央部分（１９）を形成することになる、ステップと、
   前記第１のエッジ（９ｂおよび１２ａ）と材料プリプレグ（１３）のストリップとの接触ゾーンに疑似三角形状フィラー（１４）を配置して、前記第１のエッジ（９ｂおよび１２ａ）を覆うステップであって、前記第１のエッジ（９ｂおよび１２ａ）ならびに前記材料プリプレグ（１３）は、前記第１のエッジ（９ｂおよび１２ａ）ならびに前記材料プリプレグ（１３）の重合後には、前記Ｊ字形状スパーの前記ベース部分（２０）を形成する、ステップと、
   熱の印加によって前記モールドＳ１に支持された第２のエッジ（９ａ）上へと前記自由エッジ（１２ｂ）を曲げることにより、前記Ｊ字形状スパーを形成するステップ（図４ｅ）であって、このオペレーションで重畳された前記エッジ１２ｂおよび９ａは、前記エッジ１２ｂおよび９ａの重合化後には、前記Ｊ字形状スパーの前記端部突起（１２）を形成することになる、ステップと、
   を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の方法。
8. 請求項１から７のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、
   前記モールド（１）の上に配置されるように構成され、複数の掛止調節要素（３１）により各直線支持物（２５）に連結された、支持構造物（３０）であって、複数の前記掛止調節要素（３１）は、各連結箇所（５０）に対して連結されるように設計され、それぞれが前記支持構造物（３０）から前記直線支持物（２５）の前記ライトサイド部分Ｌ_Ｒまで鉛直方向に対して平行な方向へと延在する、支持構造物（３０）を備える、装置。
9. 前記掛止調節要素（３１）は、ねじロッドまたは摺動ロッド（３６）を備え、前記ねじロッドまたは摺動ロッド（３６）は、水平支持構造部（３４）により支持されたナットまたは線形ガイド（３７）に結合された上方部分（３６ａ）と、一連のねじピン（４０）により下方プレート（３９）に対して連結可能である上方プレート（３８）に連結された下方部分（３６ｂ）と、を有し、前記一連のねじピン（４０）は、前記上方プレート（３８）のスロットを貫通し、ナットで締め付けられ、前記下方プレート（３９）は、連結箇所を形成するめくら穴（５０）中に形成されたナットに結合可能であるねじ突起（４９）をさらに備える、請求項８に記載の装置。
10. 前記支持構造物（３０）および相関する前記掛止調節要素（３１）は、前記真空バッグ（４２）の外部に延在し、前記直線支持物（２５）に対して直接的に掛止することにより、前記構成要素の重合のために必要な前記真空バッグ（４２）に干渉せず、前記直線支持物（２５）は、前記直線支持物（２５）上に配置された複数の真空気密連結箇所（５０）にて前記Ｊ字形状スパーを支持し、前記真空バッグ（４２）は、複数の前記真空気密連結箇所（５０）にて穿孔され、前記関連するエッジは、前記連結箇所（５０）の周囲の前記直線支持物（２５）の前記ライトサイド上にドーナツ状または円形状に配置された封着シーム（４４、４６）で封着される、請求項８または９に記載の装置。

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