JP2023543866A - 安定性が改善された組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質組成物 - Google Patents

安定性が改善された組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質組成物 Download PDF

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Abstract

本開示は、安定性が改善された組み換えボツリヌス毒素タンパク質を含む組成物に関する。本開示による組成物は、安定化剤として糖アルコールを含む。より詳細には、本開示は、ボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその機能的切片を含み、安定化剤として炭素原子の個数が6個以下及び/または20℃で水における溶解度が150mg/mL以上である糖アルコールを含む組成物を提供する。本発明の組成物は、安定化剤を通じてボツリヌス毒素タンパク質の安定性を十分に確保しながらも、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の生物学的活性を使用可能な水準に維持する効果を奏することができる。

Description

本出願は、2020年9月29日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0127249号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
本開示は、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定性を改善した組成物に関する。
ボツリヌス毒素(Botulinum toxin)は、嫌気性バクテリアであるボツリヌス菌(Clostridium botulinum)のポリペプチド産生物であり、神経毒素の一種である。この毒素は、哺乳類の神経筋接合部において神経伝達物質であるアセチルコリンのシナプス前放出を遮断することで筋肉麻痺を引き起こす。
人体への副作用のない用量以下を注射薬として使用すると注射部位の筋肉のみが部分的に麻痺する原理を用いて、ボツリヌス毒素は不随意筋の運動障害治療において治療学的に使用されている。不随意筋の運動障害には、斜眼、特発性眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、斜頸、下顎骨筋緊張異常、けいれん性発声障害、及び多様な種類の筋肉けいれん及び発作が含まれる。
最近、ボツリヌス毒素は、目もと、眉間、額などにシワを作る筋肉を麻痺させることで、顔面上のシワを非外科的に減少させるのに使用され、毛穴縮小、にきび、弾力付与、エラ張りの緩和などの審美的、美容学的な分野でも使われている。
ボツリヌス毒素は、8種の神経毒素に分類され、そのうちの7種(A、B、C、D、E、F、G)は神経の麻痺を誘発し得る。
ボツリヌス毒素の大きさは約150kDaであり、ボツリヌス毒素タンパク質の外に、非毒素(non-toxin)タンパク質の複合体から構成される。各複合体の大きさは毒素型の種類によって最大900kDaまで生成される。ボツリヌス毒素型によって、作用形態と対象、活性期間などが変わるが、中でもボツリヌス毒素A型は致命的な生物学的作用剤の一つとして知られている。
毒素型に関係なく、ボツリヌス毒素の分子的メカニズムは類似していると見られる。ボツリヌス毒素は、一つのポリペプチドで発現され、発現後の再構成過程によって約100kDaの重鎖(heavy chain、H鎖)と約50kDaの軽鎖(light chain、L鎖)とに分けられる。H鎖とL鎖とはジスルフィド結合で再び連結される。ボツリヌス毒素型によって相異なる標的を持つが、共通的に、H鎖は神経細胞の受容体と結合してエンドサイトーシスを通じて毒素を含むエンドソームを形成する。該エンドソームを通じてボツリヌス毒素が内部に取り込まれ得る。L鎖は、細胞内に取り込まれた後、エンドソームから抜け出て細胞質内のSNAREタンパク質を切断することで、アセチルコリンの分泌を抑制して筋肉麻痺を引き起こす。
一般に、タンパク質製剤は、タンパク質の変性、凝集などによって安定性が低下し易い。このようなタンパク質製剤の不安定性は、タンパク質製剤の保管時間が経過するにつれて増加する。タンパク質製剤の剤形化における主な目的は、タンパク質の溶解度、安定性、生活性度などを維持することである。特に、タンパク質製剤のうちの酵素は、それらの3次元的構造によって生活性度が大きく変わる。精製されたボツリヌス毒素結晶を生理食塩水または水に希釈する場合、生物学的活性及び薬剤学的特性が喪失される。また、40℃以上の温度で変性され易いことが知られている。すなわち、適切な安定化剤がなければ、ボツリヌス毒素の毒性が素早く除去されることが公知されている。
薬剤学的な目的で流通されるボツリヌス毒素は、殆どが非毒素タンパク質(non-toxin protein)とボツリヌス毒素タンパク質分子を含む毒素複合体である。非毒素タンパク質は、毒素複合体においてボツリヌス毒素分子を安定化させ、変性から保護して、ボツリヌス毒素の活性を保護する役割をする。化粧料の目的でボツリヌス毒素を使用するためには、弱毒化(toxicity attenuation)過程と皮膚透過性を備えなければならない。したがって、非毒素タンパク質との毒素複合体の形態ではなく、L鎖のみでボツリヌス毒素の活性を維持可能な組成物の開発が求められている。
ボツリヌス毒素の軽鎖は、ペプチド結合を加水分解可能なエンドペプチダーゼ(endopeptidase)である。ボツリヌス毒素A型の場合、SNAREタンパク質のうちSNAP-25を切断する。したがって、神経細胞のアセチルコリンの分泌抑制は軽鎖単独でも可能であると言える。この点に着目して、筋肉麻痺効果を奏するボツリヌス毒素軽鎖のみを有する組成物を開発しようとした。望ましくは、経皮伝達が可能な形態で開発しようとした。
したがって、本開示が解決しようとする課題は、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質を含む安定的な組成物を提供することである。
さらに、本開示は、冷蔵条件だけではなく、常温で長時間保管してもボツリヌス毒素のエンドペプチダーゼ活性を維持する組成物を提供しようとする。より望ましくは、本開示は、使用上の不便利を解消するための製剤の形態として、凍結乾燥形態ではなく、液状形態の組成物を提供しようとする。
本発明者らは、特定の安定化剤を通じて組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定性を十分に確保しながら、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の生物学的活性を使用可能な水準に維持する驚くべき効果を見出し、本発明の完成に至った。
具体的には、本発明者らは、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質含有組成物に、糖アルコール、ポリオール、高分子化合物、界面活性剤、酸化防止剤など多様なタンパク質安定化のための安定化剤ののうちのいずれか一つ以上を含むことで、室温におけるタンパク質安定性が増進した組成物を製造しようと試みた。しかし、安定化剤の種類によって組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定性が大きく異なることを確認した。
各種のタンパク質安定化剤のうち、糖アルコールのみがボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその切片(実質的に同じ効能を有する切片)の安定性を大きく増進させた。本発明者らは、このような予期せぬ実験結果を確認し、本発明を完成した。
本発明による糖アルコールは、典型的に糖から誘導された有機化合物であり、それぞれの炭素原子に一つのヒドロキシ基(-OH)が付着した物質である。炭素数によって鎖の長さが多様であり、ヒドロキシ基の方向によって多種の異性体が存在する。糖アルコールが複数のヒドロキシ基を含んでいる場合、ポリオールに分類され得るが、本明細書ではポリオールと糖アルコールとを区分して、ポリオールを糖アルコールを除いたヒドロキシ基を有する物質と定義する。
本開示の一態様は、ボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその切片、及び安定化剤を含む組成物を提供し、ここで安定化剤は糖アルコールである。
望ましくは、本開示の一態様によるボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質は、配列番号:1の448個のアミノ酸配列を含むボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質である。本開示の望ましい一形態において、本発明によるボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質は配列番号:1からなる。
本開示の一態様において、ボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質は、軽鎖タンパク質アミノ酸配列の他に、タンパク質生産、タンパク質精製などを目的として、追加的なアミノ酸配列をさらに含み得る。例えば、本発明のボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質は、配列番号:1のアミノ酸配列に、配列番号:3の21個のアミノ酸配列のような追加的なアミノ酸配列をさらに含み得る。
また、本発明において、本発明によるボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質の代わりに、これと同じ効能を持つ切片が用いられ得る。例えば、このような切片として、配列番号:2の425個のアミノ酸配列を含むボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質の切片が用いられ得る。本開示の一形態において、本発明によるボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質の切片は配列番号:2の配列からなる。
本開示の一態様において、ボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質の切片は、切片のアミノ酸配列の他に、タンパク質生産、タンパク質精製などを目的として、追加的なアミノ酸配列をさらに含み得る。例えば、本発明の一形態によるボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質の切片は、配列番号:2のアミノ酸配列に、配列番号:3の21個のアミノ酸配列のような追加的なアミノ酸配列をさらに含み得る。
但し、追加的なアミノ酸配列をさらに含んでも、ボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその切片の機能が変わることはない。
本開示の一態様において、ボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質は、ボツリヌス毒素A型タンパク質のアミノ酸配列のうち、酵素活性を持つN-末端部分のアミノ酸配列を用いた組み換えタンパク質である。
本明細書で使われる用語「組み換え」タンパク質は、宿主細胞、例えばバクテリアまたは真核生物の細胞内に導入された異種(例えば、組み換え)核酸によってコーディングされるタンパク質である。すなわち、大量生産が可能なように遺伝子操作を経たタンパク質を称する。
本発明によるタンパク質またはその切片は、当技術分野に公知の通常の方法によって製造し得る。例えば、米国特許第10,300,118号などに開示の方法が用いられ得る。
本開示の望ましい一形態において、組成物は液状組成物である。液状形態の組成物は、凍結乾燥形態に比べて使用上の不便利を改善することができる。さらに、液状形態は、化粧品の製造過程で窒素充填過程を必要とせず、経済的な面で有利である。化粧品の製造時に凍結乾燥形態のタンパク質を用いる場合、安定性を確保するために窒素充填過程が必要である。通常は液状形態で安定性が低下するが、本開示の組成物はこのような液状形態でも安定性を維持可能であるという大きい長所がある。
本開示の一態様において、本発明による組成物は、望ましくは化粧料組成物であり、より望ましくは肌シワ改善用化粧料組成物である。
本発明において、用語「シワ改善」とは、肌にシワができることを抑制または遅延させるか、若しくは既にできたシワを緩和させることを言う。
本開示の一態様において、化粧料組成物は、当業界で通常に製造される剤形である溶液、懸濁液、乳濁液、ローション、オイル、化粧水、柔軟水などで剤形化され得るが、これらに限定されることはない。より詳細には、柔軟化粧水、栄養化粧水、スキン、スキンソフナー、スキントナー、アストリンゼント、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、乳液、エマルジョン、エッセンス、栄養エッセンスなどの化粧品剤形で製造され得るが、これらに限定されることはない。
本開示の一態様において、本発明の化粧料組成物は、化粧品学的に許容可能な担体を1種以上さらに含み得る。本開示の一態様において、化粧料組成物に含有可能な化粧品学的に許容可能な担体は剤形に応じて多様である。
本開示の一態様において、組成物の剤形が溶液または乳濁液である場合は、担体成分として溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が用いられ、例えば水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステルなどを単独でまたは組み合わせて用い得る。
本開示の一態様において、組成物の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤;エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤;微小結晶性セルロース;アルミニウムメタヒドロキシド;ベントナイト;寒天;トラカントなどを単独でまたは組み合わせて用い得る。
本開示の一態様において、化粧料組成物は通常の化粧料製法を用いて製造され得、本発明の化粧料組成物は、化粧品の形態で製造され得る。このような化粧品は、追加の成分を任意に選定して適切に配合し得る。例えば、粘増剤、界面活性剤、保湿剤、研磨剤、甘味剤、pH調整剤、防腐剤、結合剤、湿潤剤、気泡剤、溶解化剤、顔料または香料のような通常の成分を含み得る。
本発明による安定化剤は、糖アルコールである。糖アルコール、ポリオール、高分子化合物などを含む多様な物質のうち糖アルコールが、本発明によるボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその切片の安定性に非常に効果的であった。
本開示の一態様において、本発明による安定化剤は、望ましくは炭素数が6以下であり、より望ましくは炭素数が2~6である糖アルコールである。
本開示の他の様態において、本発明による安定化剤は、望ましくは20℃で水における溶解度が150mg/mL以上であり、より望ましくは20℃で水における溶解度が150mg/mL~10,000mg/mLである糖アルコールである。
本開示の他の様態において、本発明による安定化剤は、炭素数が6以下である糖アルコールのうち、20℃で水における溶解度が150mg/mL以上である糖アルコールである。望ましくは、前記安定化剤は、炭素数が2~6であり、20℃、水において150mg/mL~10,000mg/mLの溶解度を持つ糖アルコールである。
本開示の他の様態において、本発明による安定化剤は、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ソルビトール、イジトールまたはこれらの混合物である。望ましくは、本発明の安定化剤は、グリセロール、キシリトール、ソルビトールまたはこれらの混合物であり、より望ましくは、グリセロールである。グリセロールが他の安定化剤よりも格段に優れた効果を奏した。
本開示の一態様において、本発明は、安定化剤が組成物の総重量対比50重量%以下、望ましくは20~50重量%である組成物を提供する。本発明の安定化剤が有効なタンパク質安定化の効果を持つため、組成物の総重量対比20重量%以上で構成されねばならない。
本明細書で使われる用語「安定した」、「安定化する」、「安定化させる」または「安定化」は、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質を25℃以下で保管し、特定の組成物で再構成されたときの酵素活性が本来の酵素活性の1/3水準以上に維持されることを意味する。本明細書において「酵素活性が1/3水準以上」とは、米国特許第8,617,568号における定義通りである。米国特許第8,617,568号では、既存ボツリヌス毒素タンパク質の評価の際、3ユニット処理して1ユニット以上の活性を見せれば、その活性が有意であると評価し、本明細書の安定化もこのような水準の活性を見せることを意味する。
本発明に記載されたすべての成分は、望ましくは、韓国、中国、米国、欧州、日本などの関連法規、規範(例えば、化粧品安全基準などに関する規定(韓国)、化粧品安全技術規範(中国)、衛生規範(中国))などに規定されている最大使用値を超過しない。すなわち、望ましくは、本発明による化粧料またはパーソナルケア用組成物は、各国の関連法規、規範で許容される含量限度で本発明による成分を含む。
本開示は、安定性が改善された、すなわち、その効果を長期間維持可能なボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその切片を含む組成物を提供する。特に、本発明の組成物は、液状剤形でも安定性を確保することができる。
多様な安定化剤を含む組成物において、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定性確保期間を示した図である。 ポリソルベート20を0.2重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 0.2重量%のポリソルベート20と0.3重量%のメチオニンとを含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 ポロキサマー188を1重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 トロキセルチンを3重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 グリセロールを20または50重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 キシリトールを20または50重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 ソルビトールを20または50重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 1,3-ブチレングリコール(1,3-BG)を20重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。 ジプロピレングリコール(DPG)を20重量%で含む組成物のボツリヌス毒素酵素活性の評価結果である。
以下、本発明の理解を助けるため、実施例を挙げて詳しく説明する。しかし、本発明による実施例は本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲が下記実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、本発明が属した分野で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
SNAREタンパク質を切断可能なエンドペプチダーゼ活性は、FRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer、蛍光共鳴エネルギー移動)基盤のボツリヌス毒素A型酵素活性評価方法(SNAPtide(登録商標)521、List Biological Laboratories、Inc.)を通じて確認した。
タンパク質安定化のための特定の安定化剤、及び組み換えボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質(以下、「組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質」と称する)を含む組成物を25℃で保管し、その安定性をSNAPtide評価法で評価した。その結果、10週以上安定した組み換えボツリヌス毒素タンパク質は、特定の糖アルコール、例えば、グリセロール、ソルビトール、またはキシリトールを安定化剤とした場合であった。提示した三種の糖アルコールのうち、炭素鎖の長さが短いほど組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質を安定化させる効果が大きいことを確認した。
後述する実験において、組み換えボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質としては、配列番号:2のタンパク質に配列番号:3の配列を追加したタンパク質を用いた。ここで、配列番号:3の配列は、後述する実験で評価を容易に行うために追加されたものであるだけで、配列番号:2の効果と実質的に同一である。配列番号:2のタンパク質は、配列番号:1のタンパク質から機能に無関係な一部のタンパク質を削除したものであって、配列番号:2のタンパク質の性能が配列番号:1の性能と同等であることは当業者によって容易に認識されるかまたは実験的に容易に確認可能である。
1.組み合わせ構成
組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質と多様な安定化剤との組み合わせを評価した。これを通じて安定化剤が及ぼす組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定化効果を確認した。安定化剤とタンパク質との組み合わせを除いた重量は、水と少量のpH調節剤で構成された。本発明の実施例では、pH調節剤としてリン酸カリウム(KHPO)とリン酸二ナトリウム(NaHPO)を使用した。リン酸カリウム0.14重量%、リン酸二ナトリウム0.8重量%、塩化ナトリウム(NaCl)9重量%、及び水90.06重量%のリン酸バッファー(phosphate buffer)で安定化剤とタンパク質を除いた重量を満たして対照群及び組合せ1~17を完成した。
組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質と糖アルコール系の安定化剤との組み合わせによるタンパク質安定化効果を確認する実験のため、具体例として下記の組合せ1~組合せ9を構成した。
組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質と糖アルコール以外のポリオール系安定化剤との組み合わせによるタンパク質安定化効果を確認する実験のため、具体例として下記の組合せ10~組合せ13を構成した。
組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質とポリオール系以外の安定化剤との組み合わせによるタンパク質安定化効果を確認する実験のため、具体例として下記の組合せ14~組合せ17を構成した。
実験例.エンドペプチダーゼ活性の評価
本発明で使用した組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の生物学的機能であるエンドペプチダーゼ活性の変化を通じてタンパク質安定性を評価した。
表1~表3に示された組合せのように組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質と安定化剤を含む組成物を製造して25℃で保管し、SNAPtide評価法で組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の酵素活性を追跡した。これを通じてタンパク質安定性の改善効果を評価した。
(1)薬剤学的な目的で流通されるボツリヌス毒素の非タンパク質安定化剤として使用される界面活性剤、そして界面活性剤とアミノ酸との混合組成物(組合せ14、15)のボツリヌス毒素酵素活性を追跡した。実験の結果を図2及び図3に示した。
実験の結果、界面活性剤であるポリソルベート20を0.2重量%で混合したとき、安定化剤の追加が全くない組成物(対照群)に比べて組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定性確保期間が増加したものの、その程度が非常に僅かであるため利用が不可能であった。
また、0.2重量%のポリソルベート20に0.3重量%のメチオニンを混合したとき、却って対照群と類似したタンパク質安定性確保期間になった。すなわち、組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定化のためには、ボツリヌス毒素の安定化に使用されていた従来の安定化剤ではなく、新たな安定化剤の使用が必要であることを確認した(図2、図3)。
(2)組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の安定化剤を探索するため、他の種類の化合物である高分子重合体と酸化防止剤が含まれた組成物(組合せ16、組合せ17)のボツリヌス毒素酵素活性を追跡した。実験の結果を図4及び図5に示した。
実験の結果、高分子重合体であるポロキサマー188、または、酸化防止剤であるトロキセルチンを混合したとき、対照群に比べてタンパク質安定性確保期間が増加したものの、実用的な水準ではないことを確認した(図4、図5)。
(3)糖アルコールを含む組成物(組合せ1~組合せ9)の実験結果は、図6~図8に示した。
実験の結果、キシリトールとソルビトールをそれぞれ含む組成物の組み換えボツリヌス毒素軽鎖タンパク質の活性を追跡したとき、炭素鎖の長さがより短いキシリトールが炭素鎖の長さがさらに長いソルビトールよりもタンパク質安定化効果に優れることを確認した。マンニトールはソルビトールの異性体であって、類似の構造を持っているためソルビトールと同等水準のタンパク質安定化効果を期待したが、低い溶解度により、有意なタンパク質安定化効果が得られなかった。
タンパク質安定化効果を奏する三種の糖アルコール、すなわち、グリセロール、キシリトール、ソルビトールはいずれも濃度と安定化効果とが比例し、化合物の大きさが小さいほど安定化効果が大きいことを確認した(図6~図8)。
(4)糖アルコールを除いたポリオールのうち、グリセロールと類似の短い線形の構造を持ち、化粧料として広く使用されているポリオールを含む組成物(組合せ10~組合せ13)の実験結果は図9及び図10に示した。
実験の結果、提示された二つのポリオール(1,3-ブチレングリコール(1,3-BG)、ジプロピレングリコール(DPG)をそれぞれ20重量%で含む組合せの場合、対照群に比べてタンパク質安定性確保期間が増加したものの、実用的な水準ではないことを確認した。また、これら二つのポリオールは、糖アルコールと異なって、濃度と安定化効果とが比例しないことを確認した(図9、図10)。
以上、本発明の望ましい実施例を説明したが、このような実施例は本発明の技術的思想を具現する一例に過ぎず、本発明の技術的思想を具現可能な他の変更例または修正例も本発明の範囲に属すると解釈されねばならない。

Claims (9)

  1. 有効成分としてボツリヌス毒素A型軽鎖タンパク質またはその切片を含み、安定化剤をさらに含む組成物であり、
    前記安定化剤は、糖アルコールである、組成物。
  2. 前記安定化剤は、炭素数2~6の糖アルコールである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記安定化剤は、20℃、水において150mg/mL~10,000mg/mLの溶解度を持つ糖アルコールである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記安定化剤は、炭素数が2~6であり、20℃、水において150mg/mL~10,000mg/mLの溶解度を持つ糖アルコールである、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記安定化剤は、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ソルビトール、イジトール、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記安定化剤は、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記安定化剤は、組成物の総重量対比20~50重量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物は、液状である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記組成物は、化粧料である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
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