JP2023536644A - 複数の作動流体を使用する地熱エネルギー生成 - Google Patents

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Abstract

方法は、ターゲットの地中区域にある閉ループ地熱井に第1の熱伝達作動流体を流すステップと、地熱井において、地熱井の地表入口から下向き孔の位置に第2の作動流体を流すステップとを含む。第2の作動流体は第1の熱伝達作動流体の上流にある。第2の作動流体の流体密度は第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い。この方法は、地熱井の中で第2の作動流体を循環させることにより、第2の作動流体で第1の熱伝達作動流体を地熱井の地表出口の方へ押し進めるステップも含む。この方法は、地熱井の地表出口において受け取られた移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップも含む。

Description

本開示は、エネルギー貯蔵および生産に関し、詳細には、地熱エネルギー回収システムおよび方法を使用するエネルギー貯蔵および生産に関する。
地熱エネルギーは、地球の自然熱を使用する熱エネルギーの一形態である。地熱エネルギーは、再生可能エネルギー源であり、日光または風に依存して発電する太陽光や風力のように断続的なエネルギー源ではない。制御可能な再生可能エネルギー源およびエネルギー貯蔵の解決策の必要性が増している。制御可能で確実な再生可能エネルギーを生成するための方法および機器が常に求められている。
本開示の実装形態は、ターゲットの地中区域内にある閉ループ地熱井において、地熱井の地表入口から地熱井の下向き孔の位置まで第1の熱伝達作動流体を流すステップを含む方法を含む。この方法は、地熱井において、地熱井の地表入口から下向き孔の位置まで第2の作動流体を流すステップも含む。第2の作動流体は第1の熱伝達作動流体の上流にある。第2の作動流体の流体密度は第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い。この方法は、地熱井の中で第2の作動流体を循環させることにより、第2の作動流体で第1の熱伝達作動流体を地熱井の地表出口の方へ押し進めるステップも含む。この方法は、地熱井の地表出口において受け取られた移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップも含む。
いくつかの実装形態では、地熱井は、(i)地表入口からターゲットの地中区域まで延在する地表入口坑井と、(ii)地表出口からターゲットの地中区域まで延在する地表出口坑井と、(iii)地表入口坑井に流体結合され、地表入口坑井と地表出口坑井とを相互接続する、偏位した坑井とを含む。偏位した坑井はターゲットの地中区域にあり、第2の作動流体を循環させるステップは、第2の作動流体を、地表入口坑井から偏位した坑井まで流し、また偏位した坑井から地表出口坑井まで流すことにより、第1の熱伝達作動流体を地熱井の偏位した坑井から地表出口まで押し進めるステップを含む。
いくつかの実装形態では、第2の作動流体の熱膨張係数は第1の流体の熱膨張係数以上である。そのような場合、第2の作動流体を流すステップは、第2の作動流体が、地熱井内のターゲットの地中区域から熱を吸収するとき、膨張して、地熱井の地表出口における第1の熱伝達作動流体の流量を増加させるように、地熱井に第2の作動流体を流すステップを含む。
いくつかの実装形態では、第1の熱伝達作動流体は水であり、第2の作動流体の熱膨張係数は水の熱膨張係数よりも1桁以上大きい。
いくつかの実装形態では、地熱井がさらに含む複数の偏位した坑井が、地表入口坑井の共通の下向き孔端に流体連結され、ここから地表出口坑井の共通の下向き孔端まで延在する。複数の偏位した坑井の各々がターゲットの地中区域内に存在し、それぞれが、(i)地表入口坑井の下向き孔端から下向き孔接合点まで延在する第1の水平方向の坑井と、(ii)地表出口坑井の下向き孔端から下向き孔接合点まで延在する第2の水平方向の坑井とを含む。そのような場合、第2の作動流体を循環させるステップは、第2の作動流体を、地表入口から下向き孔接合点へ、下向き孔接合点から地表出口へと流すステップを含む。
いくつかの実装形態では、それぞれの水平方向の第1の坑井はそれぞれの水平方向の第2の坑井の上にある。下向き孔接合点が、地表入口坑井の下向き孔端よりも深くなるように、水平方向の第1および第2の坑井の各々が傾斜している。
いくつかの実装形態では、この方法は、第2の作動流体を流した後に、閉ループ地熱井において、第2の作動流体の上流にある第3の熱伝達作動流体を、地表入口から下向き孔の位置まで流すステップも含む。第3の熱伝達作動流体の流体密度は第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い。この方法は、第3の熱伝達作動流体を閉ループ地熱井の中で循環させるステップであって、第3の熱伝達作動流体が、第2および第1の熱伝達作動流体を閉ループ地熱井の地表出口の方へ押し進める、ステップも含む。
いくつかの実装形態では、閉ループ地熱井は、地熱井の中で第1および第2の作動流体を循環させるように構成されたポンプに電気的に結合されたコントローラを含む。コントローラは、断続的なエネルギー源に関連した送電網のエネルギー需要を基にポンプの流量を変化させることにより、第1および第2の作動流体の流量を、第2の作動流体を地熱井の下向き孔の位置から地熱井の地表まで持ち上げるステップを含む充填サイクルと、地熱井の中で第2の作動流体を循環させて、第1の熱伝達作動流体を地熱井の地表出口の方へ押し進め、第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップを含む放出サイクルとの間で、切り換えるように構成されている。
いくつかの実装形態では、ポンプは断続的なエネルギー源によって給電され、コントローラは、断続的なエネルギー源が送電網のエネルギー需要を満たすかまたは超過するとき充填サイクルを開始するように構成される。そのような場合、コントローラは、放出サイクル中に、収集されたエネルギーを送電網に供給して、断続的なエネルギー源のエネルギー出力を補足するように構成される。コントローラは、断続的なエネルギー源が送電網のエネルギー需要を満たさないとき放出サイクルを開始するようにも構成される。
いくつかの実装形態では、断続的なエネルギー源のエネルギー出力を補足するステップは、断続的なエネルギー源とともに、送電網向けの制御可能なエネルギー出力を生成するステップを含む。
いくつかの実装形態では、第2の作動流体を循環させるステップは、第1および第2の作動流体を用いてターゲットの地中区域から熱エネルギーを回収するステップを含み、エネルギーを収集するステップは、移動性の第1の熱伝達作動流体から、液圧エネルギー、熱エネルギー、または力学的エネルギーのうち少なくとも1つを生成するステップを含む。
いくつかの実装形態では、この方法は、閉ループ地熱井の地表において、第1の熱伝達作動流体または第2の作動流体のうち少なくとも1つの温度、滞留時間、または流体密度のうち少なくとも1つを変化させて、地表出口における第1の熱伝達作動流体の指定されたエネルギー出力を変化させるステップも含む。
いくつかの実装形態では、滞留時間を変化させるステップは、放出サイクル中は、地熱井に関連した断続的なエネルギー源の低エネルギー出力に基づき、第2の作動流体が第1の熱伝達作動流体を地表出口まで押し進め、充填サイクル中は、地熱井に関連した断続的なエネルギー源の高エネルギー出力に基づき、断続的なエネルギー源から給電されたポンプによって第2の作動流体を地表出口まで持ち上げるように、第2の作動流体が地表入口から地表出口まで流れる時間を変化させて、第2の作動流体の流量を変化させるステップを含む。
いくつかの実装形態では、第1の熱伝達作動流体と第2の作動流体とは混ざることなく、または地熱井の第1の熱伝達作動流体と第2の作動流体との間に混ざらないピルが配設されている。
いくつかの実装形態では、閉ループ地熱井は、L字形の坑井、U字形の坑井、または単一坑井のうち少なくとも1つを含む。L字形の坑井は、面方向の入口坑井および面方向の出口坑井を含む。面方向の入口坑井は、地中区域内に配設された第1の外端部および第1の内端部を含み、面方向の出口坑井は第2の外端部および第2の内端部を含む。第2の内端部は、地熱井の共通の下向き孔接合部において第1の内端部に流体連結され、側面図において、2つの面方向の坑井がL字形の坑井を形成する。U字形の坑井は、地表入口から地中区域まで延在する地表入口坑井と、地表入口坑井から間隔をおいて配置され、地表出口から地中区域まで延在する地表出口坑井と、地表入口と地表出口との間に延在してこれらを流体連結する相互接続坑井とを含み、側面図において、地表入口坑井と地表出口坑井とでU字形の坑井を形成する。単一坑井内に坑井ストリングが配設されており、単一坑井の壁とともに環状部を画定する。環状部が地表入口を画定し、坑井ストリングが地表出口を画定する。いくつかの実装形態では、地熱井はL字形の坑井であり、第1および第2の外端部は裸坑であり、また、それぞれの外端部とそれぞれの内端部との間のそれぞれの坑井の区域は裸坑であり、それぞれの坑井とそれぞれの坑井を囲む地中区域の地面との間に、実質的に不浸透性の境界面を含む。
いくつかの実装形態では、この方法は、地熱井に第1の熱伝達作動流体を流す前に、閉ループ地熱井に密封材を流すステップも含む。この方法は、地熱井の中で密封材を循環させることにより、地熱井と地熱井を囲む地中区域の地面との間に熱伝導性の境界面を形成するステップも含む。熱伝導性の境界面は流体に対して実質的に不浸透性であるが、坑井の少なくとも一部は裸坑である。第2の作動流体を循環させるステップは、第2の作動流体を、熱伝導性の境界面を介してターゲットの地中区域に晒すことによって熱的に充填するステップを含む。
いくつかの実装形態では、このシステムは、ターゲットの地中区域または別の地中区域にある複数の閉ループ地熱井も含む。複数の閉ループ地熱井の各々が、それぞれの地表入口およびそれぞれの地表出口を含む。この方法は、各地熱井において、それぞれの第1の熱伝達作動流体を、各地熱井の地表入口から各地熱井の下向き孔の位置まで流すステップも含む。この方法は、各地熱井において、それぞれの第2の作動流体を、各地熱井の地表入口から各地熱井の下向き孔の位置まで流すステップも含む。それぞれの第2の作動流体はそれぞれの第1の熱伝達作動流体の上流にある。それぞれの第2の作動流体の流体密度はそれぞれの第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い。この方法は、各地熱井の中でそれぞれの第2の作動流体を循環させることにより、それぞれの第2の作動流体によってそれぞれの第1の熱伝達作動流体を地熱井の地表出口の方へ押し進めるステップも含む。この方法は、各地熱井の地表出口において受け取られたそれぞれの移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップも含む。
いくつかの実装形態では、エネルギーを収集するステップは、それぞれの移動性の第1の熱伝達作動流体の各々から、選択的に調整可能なエネルギーを収集するステップを含む。
いくつかの実装形態では、エネルギーを収集するステップは、それぞれの移動性の第1の熱伝達作動流体の各々から収集されたエネルギーを合併させて所定の量のエネルギー出力を形成するステップを含む。
いくつかの実装形態では、複数の地熱井のうち1つの、それぞれの第2の作動流体を循環させるステップは、複数の地熱井のうち別のものの収集されたエネルギーで給電されるポンプを用いて、それぞれの地熱井の中でそれぞれの第2の作動流体を循環させるステップを含む。
本開示の実装形態は、送電網からの不規則な電力供給および電力需要を正規化する方法を含む。この方法は、請求項1の方法によって収集されたエネルギーから電気エネルギーを生成して、送電網において需要が増加する期間と一致する所定の時間にこの生成した電気エネルギーを送電網に供給するステップを含む。
本開示の実装形態が含む地熱システムは、閉ループ地熱井、第1の熱伝達作動流体、および第2の作動流体を含む。閉ループ地熱井は、地表入口坑井と、地表出口坑井と、地表入口坑井および地表出口坑井に流体連結されてこれらを相互接続する相互接続坑井とを含む。相互接続坑井はターゲット地中地熱区域にある。第1の熱伝達作動流体は地熱井の中にあり、地熱井の中で循環するように構成される。第2の作動流体は、地熱井の中で地表入口坑井から地表出口坑井まで循環するように構成される。第2の作動流体は、第1の熱伝達作動流体の上流にあり、流体密度は第1の熱伝達作動流体のものよりも高い。第2の作動流体を循環させることは、第2の作動流体で第1の熱伝達作動流体を地表出口坑井の地表出口の方へ押し進め、地表出口において移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集することを含む。
本開示の実装形態が含む電力生産システムは、送電網と、送電網に電気的に結合された断続的な発電源と、閉ループ地熱システムと、コントローラとを含む。閉ループ地熱システムは、送電網に電気的に結合され、地表入口および地表出口を含む地熱井を含む。地表出口に流体連結された熱交換器が、送電網に電気的に結合されている。熱交換器は、第2の作動流体の重力による位置エネルギーを第1の熱伝達作動流体の運動エネルギーに変換するために、地熱井の下向き孔において循環する第2の作動流体によって押し進められた第1の熱伝達作動流体の動きによって生成された電力を出力するように構成される。第2の作動流体の密度は、第1の熱伝達作動流体の密度よりも高い。第2の作動流体は第1の熱伝達作動流体の上流にある。コントローラは、送電網、断続的な発電源、および閉ループ地熱システムに動作可能に結合されている。コントローラは、選択された期間に関する送電網の電力需要を、断続的な発電源の出力を基に判定して、閉ループ地熱システムの充填サイクルと放出サイクルとを切り換えることにより、断続的な発電源とともに、送電網に制御可能なエネルギー出力を供給するように構成されている。
本開示の実装形態は、コントローラによって、電力分配器からエネルギー需要情報を受け取るステップを含む。この方法は、コントローラによって、エネルギー出力要求を基に閉ループ地熱井の弁またはポンプのうち少なくとも1つを制御して、第2の作動流体を閉ループ地熱井の下向き孔方向に流すことにより、第1の熱伝達作動流体をエネルギー変換施設の方へ押し進めて、この施設を通すステップも含む。この方法は、コントローラによって、エネルギー変換施設を、閉ループ地熱井の地表出口において受け取られた移動性の第1の熱伝達作動流体からのエネルギーを電力分配ユニットに収集するように制御するステップも含む。
本開示の実装形態が提供するエネルギー形成方法は、地熱井を使用するステップを含む。この方法は、ループの中で循環させるための、第1の流体密度および第1の流体密度よりも高い第2の流体密度を有する流体組成を供給するステップと、第1の流体密度を有する流体と第2の流体密度を有する流体との間に静水頭差を生成するステップと、第2の流体密度を有する流体の位置エネルギーを放出することにより、第1の流体密度を有する流体に移動性を与えるステップと、移動性流体から生成されたエネルギーを収集するステップとを含む。
いくつかの実装形態では、動作中に流体の密度を動的に変化させることにより、システムの効率を向上することができる。さらに、第1の流体密度を有する流体および第2の流体密度を有する流体の流量およびボリュームならびにループにおける滞留時間は、変化され得る。密度はまた、徐放性組成を導入することによって変化され得る。
いくつかの実装形態では、収集されたエネルギーは、電気エネルギー、力学的エネルギーおよび熱エネルギーのうち少なくとも1つに変換され得、これが、断続的なエネルギー源、送電網電源および/または地熱エネルギー源を補足するために任意選択で使用される。
いくつかの実装形態では、追加のエネルギー源に対する補助として作用するとき、収集されたエネルギーから合成エネルギー出力プロファイルをもたらすために、流体の密度、流量、滞留時間、温度、ボリュームおよびこれらの組合せのうち少なくとも1つが変化されてよい。
いくつかの実装形態では、第1の流体または第2の流体が、地熱井における超臨界流体に構成される。
本開示の実装形態は重力エネルギー生産方法も含み、この方法は、入口と、出口と、閉ループに動作可能に接続されたエネルギー変換装置とを有する閉ループを用意するステップと、ループの中で循環させるための、第1の流体密度および第1の流体密度よりも高い第2の流体密度を有する流体組成を供給するステップと、第2の流体密度を有する流体を上昇させて、重力による位置エネルギーを増加させるステップと、第2の流体密度を有する流体の位置エネルギーを放出することにより、第1の流体密度を有する流体に移動性を与えるステップと、エネルギー変換装置における移動性流体の接触によってエネルギーを選択的に形成するステップとを含む。
いくつかの実装形態では、単一の流体から、第1の流体密度を有する流体および第2の流体密度を有する流体が形成され得る。いくつかの実装形態では、それぞれ異なる密度を有する少なくとも2つの流体が使用され得る。
いくつかの実装形態では、この方法は、熱的エネルギー、電気的エネルギー、力学的エネルギーおよびこれらの組合せのうち少なくとも1つによって前記重力のエネルギーを増加するステップも含む。この方法は熱生産的な地質組成において行われ、位置エネルギーが増加した流体が貯蔵され得る。
いくつかの実装形態では、選択的間接熱交換およびその組合せのために、空隙部分または坑井部分が、閉ループと選択的に流体連通する組成に含まれてよく、あるいは閉ループに隣接して配置されてよい。
いくつかの実装形態では、前記コンジットから回収された熱エネルギーを流体のうち少なくとも1つに熱伝達することにより、流体のうち少なくとも1つの、重力による位置エネルギーが増加される。流体のうち少なくとも1つに対して熱伝達すると、熱サイホンを駆動して、流体のうち少なくとも1つを地表の方へ上昇させる。
いくつかの実装形態では、この方法は、前記変換装置において、第2の流体密度を有する前記流体の、重力による位置エネルギーを、第1の流体密度を有する移動性液体の電気エネルギーに変換するステップも含む。
いくつかの実装形態では、効率向上のために、熱容量および組成からの熱エネルギー回収を強化するように、液体が調整され得る。
いくつかの実装形態では、液体の混合性または混合の恐れがある場合には、ループ内の第1の密度の液体と第2の密度の液体との間に、混合を防止するための境界面が利用されることがある。
本開示の実装形態はエネルギー形成方法も含み、この方法は、複数のループに、第1の流体密度および第1の流体密度よりも高い第2の流体密度を有する流体組成を、循環させるように供給するステップであって、それぞれのループに別々の流体組成を供給するステップと、複数のループの各ループについて、第1の流体密度を有する流体と第2の流体密度を有する液体との間に静水頭差を生成するステップと、複数のループの各ループについて、第2の流体密度を有する流体の位置エネルギーを放出することにより、第1の流体密度を有する流体に移動性を与えるステップと、ループの移動性流体から生成されたエネルギーを合併するステップとを含む。
いくつかの実装形態では、それぞれのループから生成されるエネルギーは調整可能であり得、所定の期間にわたって所定の量のエネルギー出力を合成するために選択的に合併され得る。
いくつかの実装形態では、前記ループから生成された所定の量の正味エネルギーの重ね合わせを達成するために、別々のループ内の別々の密度の流体のタイミング、流量、ボリューム、またはルーティングのうち少なくとも1つを順序付けるステップが行われ得る。
いくつかの実装形態では、ループから生成されたエネルギーのうちの特定量が、静水頭差を助長するために使用され得る。さらに、静水頭差を助長するために、ループと一体化された断続的なエネルギー源、送電網電源および/または地熱源からのエネルギーの特定量が使用され得る。
いくつかの実装形態では、ループを熱生産的な組成に配置するステップは、組成の性質に依拠して、所定の量、パターン、または形状で達成され得る。
本開示の実装形態は重力エネルギー生産方法も含み、この方法は、入口と、出口と、閉ループとともに動作可能なエネルギー変換装置とを有する閉ループを用意するステップであって、閉ループの少なくとも一部が、所定の可能な熱出力容量を有する熱生産的な組成の内部に配設されている、ステップと、ループの中で循環するように適合された、第1の流体密度を有する流体および第1の流体密度よりも高い第2の流体密度を有する流体を供給するステップと、閉ループを、熱生産的な組成に晒すことによって流体を熱的に充填するステップと、第1の流体密度を有する流体と第2の流体密度を有する流体との間に静水頭差を生成するステップと、熱的に充填された流体の位置エネルギーを放出することにより、第1の流体密度を有する流体に移動性を与えるステップと、エネルギー変換装置における移動性流体の接触によってエネルギーを形成するステップとを含む。
いくつかの実装形態では、前記ループは地熱組成である。いくつかの実装形態では、前記ループ内の液体の、順序付け、タイミング、流量、ボリューム、ルーティング、滞留時間、およびこれらの組合せの単位動作は、組成岩石のタイプ、組成岩石の特性およびループの形状寸法に少なくとも部分的に基づき得る。動作は、要求に応じた電力を生成するために、所定の可能な熱出力容量のあたりで熱出力を振動させるように調節されてよく、平均熱出力は所定の可能な熱出力容量と等しい。
いくつかの実装形態では、出力は、ベース負荷電力またはベース負荷量の倍数である制御可能な出力を生成するように制御され得る。
いくつかの実装形態では、この方法は、複数のループ構成を合併するステップと、形成されたエネルギーを共通して収集するステップも含む。
いくつかの実装形態では、この方法は、前記複数のループの各ループ内の前記液体の、順序付け、タイミング、流量、ボリューム、ルーティング、滞留時間、およびこれらの組合せのうち少なくとも1つを含む単位動作を選択するステップを含む。
いくつかの実装形態では、ループは、熱的に装填された流体を選択的な要求に応じた用途のために貯蔵する熱貯蔵所として、任意の既存の空隙、コンジット、開口、未使用の坑井に、組成に依拠して動作可能に接続され得る。
本開示の実装形態は、充填サイクルと放出サイクルとを切り換えるための電力生産切換えシステムも含み、このシステムは、既存の送電網発電源と、断続的な発電源と、流体原動機またはそれらの組合せの移動を達成するための、流体密度の差によって動作可能な静水頭差発電源であって、それぞれが選択的な補助接続のために動作可能に接続されている静水頭差発電源と、これらの発電源に動作可能に接続された制御装置であって、選択された期間にわたる電力出力要求を判定して、静水頭差発電源の充填サイクルと放出サイクルとを切り換える制御装置とのうち少なくとも1つを備える。
本開示の実装形態は、送電網からの不規則な電力供給および電力需要を正規化するための方法も含み、この方法は、請求項1の方法によって形成された電気エネルギーを供給するステップと、形成された電気エネルギーを、需要が増加する期間と一致する所定の時間において送電網に供給するステップとを含む。
本開示の実装形態は、送電網からの不規則な電力供給および電力需要を正規化するための方法も含み、この方法は、請求項9の方法によって形成された電気エネルギーを供給するステップと、形成された電気エネルギーを、需要が増加する期間と一致する所定の時間において送電網に供給するステップとを含む。
本開示の実装形態は、送電網からの不規則な電力供給および電力需要を正規化するための方法を提供することも含み、この方法は、請求項15の方法によって形成された電気エネルギーを供給するステップと、形成された電気エネルギーを、需要が増加する期間と一致する所定の時間において送電網に供給するステップとを含む。
本明細書で説明される主題の特定の実装形態は、以下の利点のうち1つまたは複数を実現するように実施され得る。たとえば、地熱井の出力エネルギーは、需要の大きい期間中または他の暫定的異常もしくは一次的異常の期間中に、断続的なエネルギー源、送電網、または他の地熱井を補足することができる。地熱井の最適化重力貯蔵は、太陽エネルギーや風の間欠性を大幅に相殺するために使用され得る。地熱坑井のフットプリントは比較的小さくなり得、地理的な適用可能性が拡大する。本明細書で説明された方法は、何らかの修正または多くの修正なしで、既存の坑井に利用され得る。
本開示の第1の実装形態による地熱システムの概略斜視図である。 エネルギー放出サイクル中の図1の地熱システムの概略側面図である。 エネルギー充填サイクル中の図1の地熱システムの概略側面図である。 図1の地熱システムの地表流体取扱い施設の概略図である。 本開示の第2の実装形態による地熱システムの概略側面図である。 本開示の第3の実装形態による地熱システムの概略側面図である。 本開示の第4の実装形態による地熱システムの概略斜視図である。 本開示の第5の実装形態による地熱システムの概略斜視図である。 本開示の第6の実装形態による地熱システムの概略斜視図である。 本開示の第1の実装形態によるエネルギー伝達トポグラフィの概略図である。 3つの地熱システムの時間曲線の関数としての電力のグラフである。 本開示の第7の実装形態による地熱システムの概略斜視図である。 地熱エネルギーを生成する例示の方法の流れ図である。 本開示の実装形態による例示のコントローラの図である。
本開示は、1つまたは複数の流体の流量および/または生成された流体圧力を増加させて地熱井のエネルギー出力を増加させるために、閉ループ地熱井またはコンジットにおいて複数の流体を使用することを説明するものである。ある特定の事例では、各流体が異なる密度および組成を有し得る。たとえば、地熱井に、第1の流体が導入され得、次いで、重い、第1の流体よりも密な第2の流体が導入され得て、第1の流体を坑井の外まで(たとえば地表まで)押し進める。重液の循環はエネルギー需要に基づき得る。たとえば、エネルギー需要が比較的小さい期間中に、地熱井に供給された重液がポンプによって地表まで持ち上げられ得てエネルギーが重液に貯蔵される(たとえば、ポンプのエネルギーを使用して、重液の高さを地熱井の底部に対して増加させ、したがって位置エネルギーが増加する)。エネルギー需要が比較的大きい期間中は、重液を解放して地熱井に下降させることができ、より軽い移動性流体からエネルギーを収集するために、より軽い流体を地熱井の外へ押し進める。
地熱井のエネルギー出力を増加させるかまたは貯蔵するために、本開示の地熱システムは、重液の位置エネルギーをより軽い流体に対して増加させ得る。たとえば、このシステムは、重液の密度をさらに増加させることにより、または重液を地表まで持ち上げて、より軽い流体を地熱井の下向き孔の位置まで流すことにより、重液の位置エネルギーを増加させることができる。したがって、このシステムは、2つの流体の間の「静水頭差」を増加させてエネルギーをシステムに貯蔵する。いくつかの実装形態では、静水頭差は、2つの流体の間の高さおよび密度における差を指す。
多くの国々において断続的な再生可能エネルギー源が発展することにより、エネルギー貯蔵解決策の需要が増した。場合によっては、断続的なエネルギー源によって給電される送電網システムにおけるエネルギーの連続供給を維持するために、断続的なエネルギー源が送電網のエネルギー需要を満たすことができない期間にわたって補償するための、大きいエネルギー貯蔵の解決策が望ましい。たとえば、風力タービンの場合の風のない期間または太陽パネルの場合の夜間には、エネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵の解決策が望ましい。本開示で説明される地熱システムは、エネルギー貯蔵の解決策を提供するために、制御可能なエネルギー出力を、単独で、または断続的なエネルギー源と組み合わせて提供することができる。
図1は、閉ループ地熱井10と、ポンプ18、エネルギー収集施設22、および流体取扱い施設20を含む地表機器とを含む、地熱システム100を示す。地熱井10は閉ループであり、地熱井10の中の流体が地熱井10から離脱することは意図されておらず、流体は、地熱井10と地表のエネルギー収集施設22との間で連続的に循環することができることを意味する。地表機器は種々の構成で配置され得る。たとえば、ポンプ18は、地熱井10の入口または出口に配置され得、エネルギー収集施設22は、地熱井10から直接出てくる流体からエネルギーを収集するために地熱井10の出口の近くに配置され得る。
地熱井10はターゲット地中地熱区域「Z」内に配設されるか、またはZを通って延在する。ターゲット地中地熱区域「Z」は、地熱エネルギー生産に的を絞った、地表11の下の区域である。たとえば、そのような区域は、一般的にはその熱的特性のために選択され、たとえばその温度および熱勾配が地熱エネルギー生産に適切なものである。ターゲット地中地熱区域「Z」は、熱生産的な組成または地中の層を、1つ、1つの一部、または複数含み得る。いくつかの実装形態では、地熱井10は、ターゲット地中地熱区域にない閉ループ地熱井であり得る。
地熱井10は地表入口21および地表出口24を含む。地熱井10はまた、地表入口坑井12と、地表出口坑井14と、地表入口坑井12および地表出口坑井14に流体連結されてこれらを相互接続する相互接続坑井16とを含む。地表入口坑井12は、地表入口21からターゲットの地中区域「Z」まで延在する。地表出口坑井14は、地表出口24からターゲットの地中区域「Z」まで延在する。地中区域「Z」には相互接続坑井16がある。地表坑井12および14は、既存の坑井(たとえばオイル生産またはガス生産のために以前に使用された坑井)または地熱の目的のために掘削された坑井であり得る。
ある特定の事例では、地熱井10は、図1に示されるようにU字形の坑井であり、地表出口坑井14と地表入口坑井12とに間隔があってここに相互接続坑井16が延在しており、側面図においてU字形の坑井を形成する。加えて、地熱井10は、入口坑井12を出口坑井14に接続する第2の相互接続坑井16’または3つ以上の相互接続坑井を有し得る。
ある特定の事例では、地表入口坑井12および地表出口坑井14は外被27を有し、相互接続坑井16は裸坑である。ある特定の事例では、相互接続坑井16のうちいくつかまたはすべてが、ケースに入れられるかまたはライナ(図示せず)を含むことができる。相互接続坑井16は、それぞれの接合点13、15において地表坑井12、14に接続されている。それぞれの接合点13、15は、垂直な地表坑井12、14を相互接続坑井16に対して流体連通させる非垂直坑井の外端部に類似である。ある特定の事例では、接合点13、15は裸坑であり得る。
相互接続坑井16は、水平方向の坑井、傾斜した坑井、または湾曲した坑井などの任意の方向性のプロファイル、または任意のタイプの非垂直な坑井、離れた坑井、もしくは水平方向の坑井を含み得る。たとえば、ある特定の事例では、図1に示されるように相互接続坑井16は水平であるか、傾斜して、接合点13、15の一方が他方よりも下にあるか、または相互接続坑井16の中間点が2つの接合点13および15よりも下にある。ある特定の事例では、相互接続坑井16は、地中区域Zのくぼみを辿ることができる。相互接続坑井16は、ホイップストック、方向性の坑底組立体、および回転式の操縦できるシステムなどの傾斜掘り機器を用いて穴をあけられ得る。
システム100は、第1の熱伝達作動流体28も含み、これは地熱井10の中で循環する。システム100は、第2の作動流体26も含み、これは選択的に導入され得て地熱井10の中で循環する。第2の作動流体26の流体密度は、第1の熱伝達作動流体28の流体密度よりも高いものであり得る。ある特定の事例では、第2の流体も、第1の伝熱流体のように、地中区域Zから熱エネルギーを収集するためにシステム100において用いるように指定された伝熱流体である。第2の作動流体26は、コンテナ、容器、ピット、または地表11における空洞もしくは地表11の近くの地表下の空洞に定期的に貯蔵されて、必要なとき循環され得、または地熱井10の中で連続的に循環され得る。図1が示す第2の作動流体26は、(たとえばその静水頭から)その位置エネルギーを第1の熱伝達作動流体28に与えるように、第1の熱伝達作動流体28の上流に導入される。ポンプ18は、第2の作動流体26を含む流体を、地中区域Zから地表出口坑井14まで、さらには地表機器との間を循環させることができる。第1の熱伝達作動流体28の上流に第2の作動流体26を導入すると、第1の熱伝達作動流体28を出口坑井14の地表出口24の方へ押し進める。地表において、施設22は、地表出口24において受け取られた移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集する。
ポンプ18は、第2の作動流体26を、地表入口21から相互接続坑井16へ、および相互接続坑井16から地表出口坑井14へと流すことによって循環させることができる。いくつかの実装形態では、ポンプ18は、第2の作動流体26を相互接続坑井16から地表まで持ち上げるのみであり、第2の作動流体26は、ポンプ18によって移動されるのではなく、入口21から相互接続坑井16まで下向き孔を流れる(たとえば重力によって降下するのみである)。第2の作動流体28は、下向き孔の位置17まで(たとえば相互接続坑井16まで)降下して、第1の熱伝達作動流体28を、相互接続坑井16から地熱井10の地表出口24まで押し進める。場合によっては、ポンプ18はいかなる流体も持ち上げることなく、流体26、28は、相互接続坑井16において加熱された流体による熱サイホン効果によって地熱井の中を循環することができる。
エネルギー収集施設22は、第1の熱伝達作動流体28からエネルギーを収集することができ、場合によっては地表11において第2の作動流体26からエネルギーを収集することもできる。ある特定の事例では、エネルギー収集施設22は、流体から収集されたエネルギーまたは流体自体を貯蔵することができる。ある特定の事例では、エネルギー収集施設22は、流体の熱エネルギーおよび/または運動エネルギーを変換して、発電するため、機械的作用を生成するため、施設または地区を暖めるため、および/または別の目的に使用することもできる。たとえば、ある特定の事例では、エネルギー収集施設22は、収集された熱から生成される蒸気を使用する蒸気タービン発電機、ランキンサイクル、有機ランキンサイクルおよび/または収集された熱から動作する別の熱サイクル発生器、および/または別のプロセスを含み得る。ある特定の事例では、施設22は、作動流体の熱を関連するプロセスに伝達するための作動流体を受け取るために地表出口24に結合された熱交換器31を含む。ある特定の事例では、施設22は、移動する作動流体を受けて運動エネルギーを収集するために地表出口24に結合されたエキスパンダおよび/またはインペラを含む。エキスパンダおよび/またはインペラ自体は、運動エネルギーを使用するために発電機または他のプロセスに結合される。施設22は、濾過システム、弁、ポンプおよび他の流体取扱い機器などの他の態様も含むことができる。
第2の作動流体26は、第1の熱伝達作動流体28を容易に押し進めることができるように、第1の熱伝達作動流体28に対して非混合性でよい。たとえば、作動流体は色々なタイプの流体であり得るが、ある特定の事例では、第1の熱伝達作動流体28は水または水性であり得、第2の作動流体26は、油性の流体(たとえばバライトを含有している油性の流体)であり得る。いくつかの実装形態では、2つの流体26と28とは、間の物理的スペーサ、プラグまたは仕切りなどの非混合性スラグ、ピルまたは境界面23によって分離され得る。場合によっては、地熱井の中で流体が循環するとき、2つ以上の流体が混合するように、流体は混合性であり得る。
流体26、28の組成は、第2の流体26の密度が第1の流体28の密度よりも高くなるように選択され得る。たとえば、第1の流体28が水であるなら、より密な第2の流体26は、第2の流体26の混合物密度が第1の流体28の密度よりも高くなるように、バライト、鉄、泥、ベントナイト、または他の(キャリア流体、水に対して)密な粒子などの分散した固形微粒子または懸濁された固形微粒子を有する水を含み得る。あるいは、第2の流体26の密度を増加させるために、塩化カルシウムまたは塩化ナトリウムなどの溶解塩を含有している水溶液が使用されてよい。別の選択肢には、1.0未満の特定の比重の油(たとえばヘキサン油、ディーゼル油、鉱油、合成の熱伝達油)を第1の流体28として使用し、第2の流体として水を使用するものがある。固体、液体、およびガスを含む混合物の多くの組合せが選択され得、流体を選択するための技法は、バルク流体の密度を計算するかまたは測定して、第2の流体26については、第1の流体28よりも密度が高い流体組成を選択するステップを含む。
第2の作動流体26は、システム100のエネルギー出力を増加するかまたは効率を向上する種々の特徴を有することができる。たとえば、第2の作動流体26は、第1の熱伝達作動流体28の熱膨張係数以上の熱膨張係数を有し得る。たとえば、ある特定の事例では、第1の熱伝達作動流体28は水または他の液体であり得、第2の作動流体26は、水の熱膨張係数よりも1桁以上(たとえば2桁)大きい熱膨張係数を有し得る。たとえば、ある特定の事例では、第1の熱伝達作動流体28が0.0002568L/℃の熱膨張係数を有するなら、第2の作動流体26は0.02568L/℃の熱膨張係数を有し得る。加えて、この例では、第2の作動流体26は、約2.67g/ccの密度および約12.18cPの粘度を有し得る。第2の作動流体26は、そのような構成で地熱井10の中を循環することができ、相互接続坑井16においてターゲットの地中区域「Z」から熱を吸収することによって膨張してボリュームが増加し、主に地表出口24の方へ一方向に膨張することができる。第2の作動流体26が膨張することにより、第1の熱伝達作動流体28をさらに押し進め、地熱井10の地表出口24における第1の熱伝達作動流体28の流量が増加する。第1の熱伝達作動流体28の流量が増加すると、エネルギー収集施設22のエネルギー出力が増加し得る。
その上、第1の熱伝達作動流体28および第2の作動流体26は、非圧縮性または実質的に非圧縮性であり得、これらの密度があまり変化することなく、第2の作動流体26から第1の熱伝達作動流体28に圧力が伝達され得る。言い換えれば、第2の作動流体26は、第1の熱伝達作動流体28まで降下するとき、実質的に流体26、28の圧縮なしで、重力による位置エネルギーを伝達することができる。場合によっては、熱伝達作動流体26、28の一方または両方が、相互接続坑井16の中で超臨界に構成され得、ある特定の事例では、坑井16において、臨界超過でない流体よりも熱力学的熱伝達効率が高くなる。ある特定の事例では、超臨界流体は、二酸化炭素(CO)であり得、またはCOを含み得る。
作動流体の一方または両方が、技術的に検討された冷媒、炭化水素、アルコール、有機流体およびこれらの組合せを代替的または付加的に含み得、スケール防止剤、防食剤、および摩擦低減剤などの添加剤を付加的に有し得る。
第2の作動流体26の密度およびボリュームは地表11において変化され得る。たとえば、流体取扱い施設20(または別の地表機器)は、第2の作動流体28のボリュームもしくは密度またはその両方を増加するために、さらなる流体または添加剤を追加することができる。場合によっては、システム100は、システム100のエネルギー出力を増加するために、第1の熱伝達作動流体28よりも密な、同一または異なる組成の複数の流体または流体ピルを流すことができる。たとえば、ポンプ18または流体取扱い施設20は、地熱井10に第3の作動流体25を導入することができる。第2の作動流体26の上流に導入される作動流体25(ある特定の事例では熱伝達作動流体)は、第2の作動流体26と混合され得、またはこれに対して非混合性であり得る。第3の作動流体25は下向き孔の位置17まで流れ、第2および第1の作動流体26、28を地表入口21から地熱井10の地表出口24の方へ押し進める。ある特定の事例では、地熱井10に、第4、第5、およびさらなる追加の作動流体が導入され得る。
作動流体26、28の循環前および/または循環中に、地熱井10に密封材を循環させて、地熱井10の裸坑部分と地中区域「Z」の周囲の地面「E」との間に密封された境界面を形成することができる。接合点13、15および相互接続坑井16に境界面を形成することができる。
境界面は、たとえば、熱伝導度を改善する添加剤を伴う密封材を使用する熱伝導性の境界面であり得、流体に対して不浸透性であり得る。境界面の熱伝導度は、第2の作動流体26の熱膨張を助長するために、熱伝導性境界面を介して第2の作動流体26の熱的充填を可能にすることができる。境界面は、地中区域「Z」の地熱井10と周囲の地面「E」との間の流体のやり取りを密閉する(たとえば制限するかまたは全面的に防止する)ことができる。密封材は、プロパント、ベントナイトなどの密封材粒子(または他の密封材)、湿潤剤および/または他の添加剤を含み得る。湿潤剤は、作動流体の相ブロックを可能にして流体がコンジットから漏れないようにするために使用され得る。プロパントは、決定された浸透率で開かれた、相互接続坑井16から延在するコンジットまたは割れ目を維持するために使用され得る。いくつかの実装形態では、境界面は周囲の地面「E」よりもより低い浸透率を有する。たとえば、境界面130は10mD以下の浸透率を有し得る。
地熱システム100は、送電網38と、太陽パネル36および風力タービン35などの1つまたは複数のタイプの断続的な再生可能エネルギー源37とを含む、電力生産システム101の一部であり得る。たとえば、地熱システム100が含むコントローラ19は、エネルギー収集施設22、断続的なエネルギー源37、および送電網38に接続されている(たとえば動作可能かつ通信可能に接続されている)。エネルギー収集施設22と、断続的なエネルギー源37と、送電網38とは、互いに電力を伝送するように電気的に相互接続され得る。たとえば、コントローラ19は、送電網38に電力を供給するために、送電網38のエネルギー需要に基づいて地熱システムの充填サイクルと放出サイクルとを切り換えることができる。
いくつかの実装形態では、コントローラ19は、1つまたは複数のプロセッサ、コンピュータ、マイクロコントローラ、またはそれらの組合せとして実施され得る。コントローラ19は、単一または個別の電気制御パネルの一部であり得る。いくつかの実装形態では、コントローラ19は、分散コンピュータシステムとして実施され得、一部がエネルギー収集施設22(またはこのシステムの何らかの他の機器)に配設され、一部がこのシステムから分離された電気制御パネルに配設される。コンピュータシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、ここで説明された動作を実行する1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶しているコンピュータ可読媒体とを含み得る。いくつかの実装形態では、コントローラ19は、処理回路、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せとして実施され得る。
図2および図3を参照して、コントローラ19は、放出サイクル(図2に示される)と充填サイクル(図3に示される)との間で熱伝達作動流体26、28の流量を変化させることができる。たとえば、コントローラ19は、地熱井10の中で流体を循環させるために、地熱井10のポンプ18または開閉弁の流量を変化させることができる。図2に示されるように、放出サイクル中に、第2の作動流体26は、地熱井10の中で循環し、第1の熱伝達作動流体28からエネルギーを収集するために、第1の熱伝達作動流体28を地熱井10の地表出口24の方へ押し進める。図3に示されるように、充填サイクル中に、第2の作動流体26は(場合によっては第1の熱伝達作動流体28の一部も)、地熱井10の下向き孔の位置17から地表11に持ち上げられる。
図2に示されるように、放出サイクル中に、第2の作動流体26は、地熱井に吸い込まれるかまたは降下するように、地表配管41または入口坑井12においてポンプによって(または弁を開くことによって)地表入口坑井12へとルーティングされる。たとえば、第2の作動流体26は地表入口坑井12の近くもしくは上に貯蔵され得、または第2の作動流体26の地表出口24から地表入口21への流れを助長するために地表配管41が傾斜され得る。いくつかの実装形態では、第2の作動流体26は、弁を必要とすることなく地表に貯蔵される。
放出サイクル中に、地中区域「Z」からの熱によって第1の作動流体28および第2の作動流体26の温度が上昇し、ある特定の事例では、熱サイホンを生成して、流体26、28を地熱井10の相互接続坑井16から地表出口24まで押しやるかまたは移動性を与える。熱サイホンは運動エネルギーを増加させることができ、したがって第1の熱伝達作動流体28のエネルギー出力を増加させ、さらに第2の作動流体26を地表出口坑井14に沿って持ち上げることができるので、システムは、充填サイクルにおいて、(たとえば、より重い流体を熱サイホンで上昇させることにより)熱エネルギーを重力による位置エネルギーに変換することが可能になる。熱サイホン効果は、地熱井10を通って降下する第2の作動流体26の重量によって補足され得る。たとえば、場合によっては、第2の作動流体26によって第1の熱伝達作動流体28に与えられる位置エネルギーにより、第1の熱伝達作動流体28の流れは、第2の作動流体26なしの熱サイホンのみによる流れよりも速くなる。
第2の作動流体26は、地中区域「Z」から熱を吸収することもでき、温度が上昇して膨張し得る。エネルギー収集施設22は、第1の流体から(場合によっては第2の流体や他の流体から)エネルギーを収集して、移動性の第1の熱伝達作動流体から、液圧エネルギー、熱エネルギー、または力学的エネルギーのうち少なくとも1つを生成する。たとえば、第1の流体(または第2の流体)によって吸収された熱および移動する流体の運動エネルギーは、(たとえばタービンにおいて)電力を生成するため、または(たとえば熱機関において)作用を生成するために使用され得る。
図3に示されるように、充填サイクル中に、第2の作動流体26が、ポンプ18、または地中区域「Z」の熱によって生成された熱サイホン効果によって、相互接続坑井16から上向き孔を通って地表配管41まで流れる。第2の作動流体26が上向き孔を通って流れるとき、第1の熱伝達作動流体28は、地熱井10の下向き孔の位置17まで流れることができる。たとえば、第1の熱伝達作動流体28は、入口坑井12から出口坑井14まで届くように相互接続坑井16に流され得る。第2の作動流体26のすべてまたは一部は、放出サイクル中に下向き孔に流されるように、地表または地表の近くに貯蔵され得る。
図1も参照して、ある特定の事例では、コントローラ19は、断続的なエネルギー源37の出力(または送電網38のエネルギー需要)を基に、送電網38の電力需要を判定することができる。たとえば、コントローラ19は、断続的なエネルギー源37の出力が送電網38の電力需要を満たさないか、または満たさなくなりそうだと判定することができる(たとえば、計画を基に、または断続的なエネルギー源から受け取った実時間情報、気象情報、もしくは他の関連情報を基に、予測する)。そのような期間は、たとえば、太陽パネル36が発電しない夜、または風が弱くて風力タービン35が発電しないときであり得る。コントローラ19は、断続的なエネルギー源37が、送電網38の需要を満たさない、またはまもなく満たさなくなるとの判定に基づき、第2の作動流体26を下向き孔に流して、収集施設22における第1の熱伝達作動流体28からの発電を開始することにより、放出サイクルを開始することができる。ある特定の事例では、コントローラ19は、外部システム101から、断続的なエネルギー源37が需要を満たさない、またはまもなく満たさなくなることを指示する信号を受け取ると、放出サイクルを開始し得る。
本明細書で使用される「実時間」という用語は、システムの処理限界、データを正確に取得するのに必要な時間、およびデータの変化率を所与として、計画的遅延なくデータを送信または処理することを指す。いくらかの実際の遅延があったとしても、一般にユーザは感知できない。
(たとえば送電網の需要減または断続的なエネルギー源37のエネルギー出力の増加によって)送電網38の電力需要が一旦変化すると、コントローラ19は、第2の作動流体26を下向き孔の位置17から地表11に持ち上げることにより、地熱システム100を充填サイクルまたは充填モードに切り換えることができる。断続的なエネルギー源37が送電網38のエネルギー需要を満たすかまたは上回るとき、コントローラ19は充填サイクルを開始することができる。たとえば、ポンプ18は、断続的なエネルギー源37に電気的に接続して給電され得る。ポンプ18は、断続的なエネルギー源37および/または送電網38の電力を使用して第2の流体28を持ち上げる。第2の作動流体26は、このようにして、断続的なエネルギー源37からのエネルギーを位置エネルギーの形で貯蔵することができる。したがって、コントローラ19は、閉ループ地熱システム100の充填サイクルと放出サイクルとを切り換えることにより、断続的な発電源37とともに、送電網38に制御可能なエネルギー出力を供給することができる。いくつかの実装形態では、地熱システム100は、原子力発電所、天然ガス発電所、石炭発電所、または水力発電所などの他のエネルギー生産源と組み合わせて使用され得る。
コントローラ19は、ポンプ18および流体取扱い施設20を制御するように構成されて、これらに動作可能に結合され得る。たとえば、充填サイクルを開始するステップは、コントローラ19によって、ポンプ18を、第2の作動流体26を持ち上げ始めるように活性化するステップを含み得る。コントローラ19は、ポンプ18の速度を増減して、熱伝達作動流体26、28の一方または両方の流量を増減することができる。コントローラ19は、放出サイクル中にポンプ18を停止することができる。たとえば、コントローラ19は、放出サイクル中にポンプ18を停止して、収集施設22において生成された電力を送電網38に向け、断続的なエネルギー源37のエネルギー出力を補足する。
加えて、コントローラ19は、ポンプ18または流体取扱い施設20を制御することにより、第1の熱伝達作動流体28または第2の作動流体26のうち少なくとも1つの温度、地中区域「Z」の内部の滞留時間、および/または流体密度のうち少なくとも1つを変化させて、第1の熱伝達作動流体28の指定されたエネルギー出力を変化させることができる。たとえば、流体取扱い施設20は、第2の作動流体26に添加物を加えることによって流体密度を増加させることができ、あるいは第2の作動流体26を加熱して粘度を低下させたり、冷却して粘度を上昇させたりすることができる。滞留時間は、流体分子が、地表入口21から地表出口24まで流れるのにかかる期間を指す。滞留時間は、ボリュームを流量で割ることによって計算され得る。コントローラ19は、地熱井10における第2の作動流体26の流量を変化させることによって、第2の流体26の滞留時間を変化させることができる。滞留時間(または流量)を変化させることにより、放出サイクル時間および充填サイクル時間を制御することができ、このシステムのエネルギー出力を適合させる。たとえば、このシステム(または一緒に集約された複数の地熱システム)は、滞留時間を変化させることにより、エンドユーザに、要求に応じたエネルギーを供給すること、エンドユーザの需要プロファイルに対応するように出力を適合させること、または風もしくは太陽などの断続的な再生可能資源と統合することができる。
いくつかの実装形態では、収集施設22によって過剰電力が生成される場合、過剰電力は、バッテリーまたはスーパーコンデンサなどの適切な貯蔵装置に貯蔵され得、または類似の地熱井の別の流体を持ち上げるために使用され得る。加えて、送電網に対する電力の供給と、電力を生産する断続的なエネルギー源37からの出力に基づく地熱井10の制御とに関して論じてきたが、これらの同一の概念は、他のエネルギー分野および/または混合エネルギー分野のシステムに適用されるはずである。たとえば、ある特定の事例では、コントローラ19は、工業プロセス、都市の管区または熱を直接使用する他のシステムに対する熱供給システムの熱需要に基づいて充填サイクルと放出サイクルとを切り換えることができる。
図4は、例示の流体取扱い施設20の概略図を示す。流体取扱い施設20は、地熱井10における流体26、28(および他の作動流体)のシーケンス、タイミング、流量、ボリューム、およびルーティングを制御するかまたは変化させることができる。例示の流体取扱い施設20は、コンテナと、(流体26、28を、地熱井10を通して一緒に流した後に分離するための)タンクまたはセパレータ容器40と、流体レベルメータ60と、2つ以上の流体入口管44および46と、2つ以上の流体出口管54および56と、それぞれの入口管および出口管の各々におけるそれぞれの弁48および58とを含む。入口管44および46は、地表配管41の供給管42に(たとえばY管継手またはマニフォールドによって)流体連結されており、出口管54および56は(たとえばY管継手またはマニフォールドによって)地表配管41の戻り管43に流体連結されている。流体レベルメータ60が各流体26、28(および妥当な場合には境界面23の)レベルを検知することができ、システムのサイクルを開始するため、流体を分離するため、他の密な流体を注入するため、または他の関連する目的のために、弁を開閉することにより、流体26、28を、タンク40に流入させたり、タンク40から流出させたりすることができる。
特に、この地熱井は、図1に示されたものをしのぐ他の多くの構成を採用することができる。図5は、内部に坑井ストリング50が配設されている地熱井210を含む別の例の地熱システム200を示す。地熱井210は、(示されるように)垂直または非垂直(たとえば偏向、傾斜、水平)であり得る。坑井ストリング50は、地熱井210の壁、環状部211を形成する。地熱井210の地表入口212は坑井ストリング50の最上部流体入口であり得、地熱井210の地表出口214は環状部211の最上部流体出口であり得る。図1に示されるように、地熱井210は、電力生産システム101の一部であり得て、ポンプ、収集施設、および流体取扱い施設に接続され得る。
図6が示す別の例示の地熱システム300は、入口坑井312を有する地熱井310と、出口坑井314と、入口坑井312および出口坑井314から非垂直方向に偏位した相互接続坑井316とを含む。たとえば、入口坑井312と出口坑井314とが「共同設置」され得、または互いに比較的近く(たとえば同一のパッド上に)配置され得て、相互接続坑井316は、入口坑井312から出口坑井314まで直接延在するのではなく、側面図においてC字形を形成する。相互接続坑井316は、ケースに入れられるか、または裸坑であり得る。
相互接続坑井316は2つの「積み重ねられた」坑道316aおよび316bを含む。たとえば、相互接続坑井316が含む第1の水平方向の坑井316aが、地表入口坑井312の下向き孔端に流体連結されており、ここから第1の水平坑井316aの内端部317まで延在する。また、相互接続坑井316が含む第2の水平方向の坑井316bが、地表出口坑井314の下向き孔端に流体連結されており、ここから第1の水平坑井316aの内端部317まで延在する。いくつかの実装形態では、坑井318は、水平方向の坑井316aと316bとの2つの終端を接続することができる。第2の水平方向の坑井316bは、第1の水平方向の坑井316aよりも下またはその隣にある。たとえば、第1の水平方向の坑井316aは、第2の水平方向の坑井316bの真上にあり得、またはこれに対して垂直方向にオフセットされ得る。
地熱井310を形成するために、地表入口坑井312は、(たとえば垂直区域および非垂直区域を含む)方向性の坑井として形成され得、地表出口坑井314は、同じ方向に延在する類似の方向性の坑井として形成され得る。面方向の入口坑井は地中区域「Z」内に配設された第1の外端部321および第1の内端部317を含み、面方向の出口坑井は第2の外端部323および第2の内端部325を含む。第2の内端部325は、地熱井310の共通の下向き孔接合部318において第1の内端部317に流体連結され、側面図において、2つの面方向の坑井が「L字形の」坑井を形成する。坑道316a、316bは、水平であり得、または傾斜し得る。1つまたは複数の収集施設22、ポンプ18、または流体取扱い施設20を含む地表機器29は、図1~図5に関して上記で説明されたのと同様のやり方で熱伝達作動流体を循環させる。地熱井310は、図1に示されるように電力生産システム101の一部であり得る。
いくつかの事例では、外端部321、323は裸坑であり得る。加えて、坑道316aおよび316bならびに内端部317および325は裸坑であり得る。地熱井310の裸坑区域は、坑井と地中区域「Z」の周囲の地面または岩石との間に、実質的に不浸透性の境界面を有し得る。
図7および図8は、他の例示の地熱井410および510を示す。地熱井410および510は、図1に示されるように電力生産システム101の一部であり得る。図7および図8がそれぞれ示す地熱システム400、500は、それぞれ、地熱井410、510と、図1に示される収集施設22、ポンプ18、または流体取扱い施設20のうち少なくとも1つを含む地表機器29とを含む。
図7が示す地熱井410が有する複数の偏位した坑井415は、地表入口坑井414の共通の下向き孔端450に流体連結され、ここから地表出口坑井416の共通の下向き孔端451まで延在する。ターゲットの地中区域「Z」には、それぞれの偏位した坑井415がある。それぞれの偏位した坑井415は、地表入口坑井414の下向き孔端450から下向き孔接合点438まで延在する第1の側方の坑井435を含む。それぞれの偏位した坑井415は、地表出口坑井416の下向き孔端451から下向き孔接合点438まで延在する第2の側方の坑井436も含む。2つの側方の坑井435と436とが、下向き孔接合点438において流体相互接続されている(たとえば交差する)。第1の側方の坑井435は、第2の側方の坑井436の垂直方向の上にある。
図8が示す地熱井510は、実質的に図8の地熱井410に類似であり、主な相違は、偏位した坑井515のグループが、水平ではなく傾斜していることである。それぞれの偏位した坑井515が、入口坑井514の下向き孔端550から延在する第1の側方の坑井535と、出口坑井516の下向き孔端551から延在する第2の側方の坑井536とを含む。坑道535、536は、共通の下向き孔接合点538において接続されている。側方の坑井535、536は、下向き孔接合点538が地表坑井514、516の下向き孔端550、551よりも深くなるように傾斜している。
図9は、地中区域「Z」内の勾配変動性を収容するために異なる形状または構成の複数の坑井610を含む地熱システム600を示す。たとえば、地熱井610は、図1~図8に示された地熱井のうちいずれかに類似のものでよい。地表入口坑井またはコンジット612は、第1の地表マニフォールド62に共通して接続され得る。地表出口坑井またはコンジット614は、第2の地表マニフォールド64に共通して接続され得る。地表機器29は、マニフォールド62、64のうちいずれかに流体連結され得る。地熱システム600は、地熱井610内に変動性が存在する場合には、異なるエネルギー量を収集することができる。地熱システム600は、図1に示されるように、所定のエネルギー出力を供給するためにコントローラも有し得る。たとえば、各坑井610または坑井610のグループのエネルギー出力は、別の坑井610または送電網に電力を供給するために組み合わされ得る。
各坑井610は閉ループ地熱井であり得、それぞれが、図1~図8に関して説明された地熱井に類似の動作をすることができる。これらの坑井610から収集されたエネルギーは、選択的に可変のエネルギーであり得、所定の量のエネルギー出力を生成するために合併され得る。
図10は、図9の地熱システム600の可能なルーティング構成の概略図である。たとえば、各坑井610は、それぞれの入口坑井612および出口坑井614を有して独立したものであり得る。出口坑井614と入口坑井616との間(たとえばそれぞれの収集施設とポンプとの間)に電線路656が相互接続され得、出口坑井614は、地表において共通して接続された入口坑井314に(または別の出口坑井314に)電力を供給することができる。その上、マニフォールド64、62は流体連結され得、各マニフォールドの間に流体が流れる。地熱井610は、個々の坑井に関連した地表機器または複数の坑井610に関連した共通機器に接続され得る。地熱システム600は、1つのモジュール式の動作すなわち坑井、断続的な電源、送電網から別のものへと、エネルギー出力の正規化を助長するように「調整可能」であり得る。合計の出力またはエネルギー70が、電気エネルギーに変換されて、電力生産システムの任意の部分へルーティングされ得る。エネルギーは、特定の時間フレーム中の任意の所与の時点において、コントローラまたは電力分配器76によって、特定のパラメータに依拠して切換え可能な、ベース負荷72または制御された電気エネルギー74として供給され得る。
図11は、一緒に集約された別々の地熱井ループの出力を示すグラフデータを表す。集約システムの計画された適合出力を供給するために、流量、流体の順序付け、流体組成、および充填サイクル/放出サイクルのタイミングなどの動作パラメータが、各ループについて制御され得る。数字80は需要を表し、数字82は第1のループからの出力を表し、数字84は第2のループからの出力を表し、数字86は第3のループからの出力を表す。前述のパラメータは、3つのループの集約された出力がエンドユーザの需要プロファイルを満たすように適合されるように、制御される。
図12は、地中区域にある熱貯蔵所88(たとえば空隙または地下貯蔵所)に流体連結された地熱井710を含む地熱システム700を示す。貯蔵所88は、既存の組成の流体を含有し得、または地熱井710からの作動流体で満たされ得る。弁92は、地熱井710と熱貯蔵所88との間の流体経路を開閉するように地表から動作され得る。同様に、下向き坑井部分90は、流体を貯蔵することができ、弁94によって類似のやり方で分離され得る。地熱システム700は、要求されたとき、熱サイホンの導入を容易にすることができ、本明細書で論じられた実施形態のうちいずれかに組み込まれ得る。
図13は、地熱エネルギーを生成する例示の方法1300の流れ図である。この方法は、ターゲットの地中区域内にある閉ループ地熱井において、地熱井の地表入口から地熱井の下向き孔の位置まで第1の熱伝達作動流体を流すステップ(1305)を含む。この方法は、地熱井において、地熱井の地表入口から下向き孔の位置まで第2の作動流体を流すステップ(1310)も含む。第2の作動流体は第1の熱伝達作動流体の上流にある。第2の作動流体の流体密度は第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い。この方法は、地熱井の中で第2の作動流体を循環させることにより、第2の作動流体で第1の熱伝達作動流体を地熱井の地表出口の方へ押し進めるステップ(1315)も含む。この方法は、地熱井の地表出口において受け取られた移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップ(1320)も含む。
図15は、本開示による例示のコントローラの概略図である。たとえば、コントローラ1400は、図1に示されたコントローラ19を含み得、またはその一部であり得る。コントローラ1400は、プリント回路基板(PCB)、プロセッサ、デジタル回路などの様々な形態のデジタルコンピュータを含むように、または別様に意図されている。加えて、このシステムは、フラッシュドライブなどの携帯型記憶媒体を含み得る。たとえば、フラッシュドライブは、オペレーティングシステムおよび他のアプリケーションを記憶し得る。フラッシュドライブは、別のコンピュータデバイスのポートに挿入され得る無線送信機またはコネクタなどの入出力構成要素を含み得る。
コントローラ1400は、プロセッサ1410、メモリ1420、記憶装置1430、および入出力装置1440を含む。構成要素1410、1420、1430、および1440のそれぞれが、システムバス1450を用いて相互接続されている。プロセッサ1410は、図1~図4に示された処理装置120を含み得、またはその一部であり得、コントローラ1400の内部で実行するための命令を処理することができる。プロセッサは、多くのアーキテクチャのうち任意のもの使用して設計され得る。たとえば、プロセッサ1410は、CISC(複数命令セットコンピュータ)プロセッサ、RISC(縮小命令セットコンピュータ)プロセッサ、またはMISC(最小命令セットコンピュータ)プロセッサでよい。
一実装形態では、プロセッサ1410は、シングルスレッドプロセッサ、マイクロプロセッサ、またはパラメータコントローラである。別の実装形態では、プロセッサ1410は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ1410は、メモリ1420または記憶装置1430に記憶された命令を処理することができ、ユーザインターフェース用のグラフィック情報を入出力装置1440に表示する。
メモリ1420は、コントローラ1400の内部情報を記憶する。一実装形態では、メモリ1420はコンピュータ可読媒体である。一実装形態では、メモリ1420は揮発性記憶素子である。別の実装形態では、メモリ1420は不揮発性記憶素子である。
記憶装置1430は、コントローラ1400に大容量記憶をもたらすことができる。一実装形態では、記憶装置1430はコンピュータ可読媒体である。種々の実装形態において、記憶装置1430は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、またはテープ装置でよい。
入出力装置1440は、コントローラ1400用の入出力動作をもたらす。一実装形態では、入出力装置1440は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含む。別の実装形態では、入出力装置1440は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための表示ユニット(たとえばハンドヘルドデバイス)を含む。
次に、種々の地熱坑井において実行された複数の試験または事例研究が参照される。試験または事例研究は、システムの過渡の熱力学的モデルを使用して計算された。実施例1は、複数の相互接続坑井を有する、図1の坑井に類似のU字形の坑井において実行された試験である。実施例2は、流れタービンを用いて過圧を電力に変換する、図7の坑井に類似のL字形の坑井において実行された試験である。実施例3は、有機ランキンサイクル(ORC)を使用して過圧をより大きい流量に変換する、図7の坑井に類似のL字形の坑井において実行された試験である。実施例4は、大きい熱膨張係数を有する第2の作動流体を用いるORCを使用して、図7の坑井に類似のL字形の坑井において実行された試験である。実施例5は、ORCを使用して、図8の坑井に類似のL字形の坑井において実行された試験である。
パラメータ:
- 坑井の形状:水平方向の2つの相互接続坑井を有するU字形の坑井
- 合計の垂直深さ(TVD):2400m
- 所在地から所在地までの距離:2500m
- 組成の温度:78℃
- 坑井の直径:外被は7インチ、坑道は6と1/8インチ
- ベース負荷動作:ベース負荷動作の間、出口坑井圧力は395kPaGであり、温度は51℃であった。
手順および結果:
一定流量の通常の循環の下で、入口坑井において、より高い密度の組成を加えた。より高い密度の流体のスラグは、出口坑井において過圧に変換される、900kPaGに至る、重力による位置エネルギーをもたらし、これは、機械的作用のために使用され得、またはタービンによって電力に変換され得る。より高い密度のスラグが出口坑井を上へ移動するとき、出口圧力が降下するので、循環を維持するためにポンプが必要になり、よって、ポンプのために必要な電気エネルギーを重力による位置エネルギーとして貯蔵する。この特定の試験では、より高い密度の流体は、より低い密度の流体に対して混合性であり、非混合性スペーサ、区切り、または流体取扱い機器は使用されなかった。流体は、数回の循環サイクルにわたってゆっくり混合し、2つの流体の間の濃度差は最終的に等しくなる。したがって、経時的に低下する悪影響があるが、これは、高密度の新規のスラグまたはピルを注入するか、または地表において流体を分離することによって緩和することができる。
パラメータ:
- 坑井の形状:水平方向の坑道を有するL字形の坑井(入口坑井の縦軸に対する角度は90°)
- 合計の垂直深さ(TVD):4500m
- 水平方向の坑井の長さ:6000m
- 坑道の数:12
- 温度勾配:30℃/km
- 入口坑井の温度:20℃
手順および結果:
地熱井において重液(たとえば第2の作動流体)が循環する。重液により、出口坑井の圧力が上昇する。この割増の圧力は、タービンを使用して有効な作用に変換され得る。ペルトンタービンが流体の流れ(運動エネルギー)および圧力(圧力の位置エネルギー)をタービンの回転運動に変換し、発電機によって電力に変換する。重力貯蔵による発電の可能性を推定するためには、過圧およびベースケース流量を使用する発電の計算が必要である。発生電力=発電機効率×タービン効率×使用圧(MPa)×流量(kg/s)。消費電力=所要圧力(MPa)×流量(kg/s)×1/ポンプ効率。流量が増加するとともに熱サイホンの量が減少する。流量がより大きければ、ループから伝わる熱責務が大きくなる。十分な圧力をかけて、熱サイホンの能力を超えて流量を増加させるために、ポンプが必要になり得る。
想定:
このシステムは、放出中に、ベースケースの最大の流量67.4kg/s(242.5m/hr)で動作する。充填モードの流量は放出(67.4kg/s)と一致するように保たれる。充填モードの流量は、所望のループ実行時間を実現するように最適化され得る。たとえば、17.6トンの重液が追加されると、タービンによる追加の発電出力は169kWであり、重液を地表へ戻すために必要なポンプ電力は225kWである(19.3MWの連続的な熱生成に対して、20%のORC効率を想定して約3.85MWの電力である)。システムは、第1のバッチが一旦水平方向の坑井区域に入ったら、重液の別のバッチを追加することによって最適化され得る(67.4kg/sにおける垂直方向および水平方向の移動時間は、それぞれ0.7時間および10.9時間である)。ラウンドトリップ効率は、発電機効率と、タービン効率と、ポンプ効率との積に等しい。すべてのユニットの効率が100%であれば、貯蔵は無損失になる。ラウンドトリップ効率は75%であり、次式で計算される。
パラメータ:
- 坑井の形状:水平方向の坑道を有するL字形の坑井(入口坑井の縦軸に対する角度は90°)
- 合計の垂直深さ(TVD):4500m
- 水平方向の坑井の長さ:6000m
- 坑道の数:12
- 温度勾配:30℃/km
- 入口坑井の温度:20℃
手順および結果:
重力貯蔵を利用する別のやり方には、放出サイクル中に流量を増加させて、増加した熱サイホン圧力を利用するものがある。ポンプ要件は実施例2に類似するはずである。流量を増加させる熱サイホン圧力を利用すると、生成された熱責務がかなり上がる(図6)。しかしながら、流量が増加するので、循環時間が縮小し、全体的な流れサイクル期間が縮小する(図7)。重液の第1のバッチが(平坦な)水平方向の区域を通って前進している間に、重液の追加のバッチを加えて放出サイクルの期間を延長することができる。前のバッチが水平方向の区域に入ると直ちに新規のバッチを追加することができる(想定される坑井の構造設計では、ループの中に最大15までの重力ピルが同時に存在し得る)。
運転上の想定:
システムは、放出サイクル中に最大の熱サイホンで動作する。システムは、充填サイクル中にベースケース(最大の熱サイホン)率で動作する。たとえば、17.6トンの重液が追加されると、サポートされる最大流量が466.7m/hrまで増加する(ベースケースの242.5m/hrから増加する)。この流量増加により、熱責務が19.3MWthから37.1MWthに増加する(20%のORC効率を想定すると、それぞれ7.4MWeおよび3.9MWeである)。重液を242.5m/hrで地表へ戻すのに必要なポンプ電力は225kWである。このシステムは、第1のバッチが一旦水平方向の坑井区域に入ったら、重液の別のバッチを追加することによって最適化され得る(466.7m/hrでの垂直方向および水平方向の移動時間は、それぞれ0.36時間および5.66時間である)。周囲の岩石によって付加されるエネルギー量のために、ラウンドトリップ効率の数値には意味がない。
パラメータ:
- 坑井の形状:水平方向の坑道を有するL字形の坑井(入口坑井の縦軸に対する角度は90°)
- 合計の垂直深さ(TVD):4500m
- 水平方向の坑井の長さ:6000m
- 坑道の数:12
- 温度勾配:30℃/km
- 入口坑井の温度:20℃
手順および結果:
重液の熱膨張係数が水のものよりも大きければ、熱サイホンが増大する。水は、20℃においての熱膨張係数は210×10-6-1である。たとえば、βを、水のβから2桁(たとえば約0.0002568℃-1から0.02568℃-1に)増加することができれば、重液を地表まで持ち上げるのにポンプが不要になる。
パラメータ:
- 坑井の形状:傾いたまたは傾斜した坑道を有するL字形の坑井(入口坑井の縦軸に対する角度は20°)
- 合計の垂直深さ(TVD):7319m
- 水平方向の坑井の長さ:6000m
- 坑道の数:12
- 温度勾配:30℃/km
- 入口坑井の温度:20℃
手順および結果:
重液による圧力上昇が続き、その間、流体は、水平方向の区域ならびに垂直方向の区域を下方へ移動している。以前の事例のうちのいくつかでは、重液を地表へ戻すためにポンプが必要である。図8に示された坑井の設計により、ベースケースの熱責務の生産がかなり向上し、より高い入口温度での動作が可能になる。重力貯蔵により、生産率が増進され、熱責務の生成のさらなる改善が可能になる。
上記の、発明を実施するための形態は、例示のために多くの特定の詳細を含有しているが、当業者なら、以下の細部に対する多くの例、変形形態および改変形態は、本開示の範囲および精神の範囲内にあることを理解するはずであることが理解される。したがって、本開示に説明されて添付図に提供された例示的な実装形態は、一般性を失うことなく、また、特許請求される実装形態に対して制約を課することなく、明らかにされる。
本実装形態を詳細に説明してきたが、ここにおいて、本開示の原理および範囲から逸脱することなく、様々な変更形態、置換、および改変形態が作製され得ることを理解されたい。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの適切な法的等価物によって決定されるべきである。
「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」といった単数形は、文脈が明らかに違った風に指示しなければ、複数の指示対象を含む。
本開示および添付の特許請求の範囲において使用される、「備える」、「有する」、および「含む」といった単語やすべての文法上の変形は、それぞれ、制限のない非限定的な意味を有し、追加要素またはステップを除外しないように意図されている。
本開示で使用される「第1の」および「第2の」などの用語は、任意に割り当てられ、単に装置の2つ以上の構成要素を区別することを意図するものである。「第1の」および「第2の」といった単語は、他の目的にかなうものではなく、構成要素の名称または説明の一部でもなく、必ずしも構成要素の相対的な位置または配置を定義するわけではないことを理解されたい。その上、「第1の」および「第2の」という用語の単なる使用は、本開示の範囲の下で何らかの「第3の」構成要素がある可能性は企図されるが、それを必要とするわけではないことを理解されたい。
10 閉ループ地熱井
11 地表
12 地表入口坑井
13 接合点
14 地表出口坑井
15 接合点
16 相互接続坑井
16’ 第2の相互接続坑井
17 下向き孔の位置
18 ポンプ
19 コントローラ
20 流体取扱い施設
21 地表入口
22 エネルギー収集施設
23 境界面
24 地表出口
25 第3の作動流体
26 第2の作動流体
27 外被
28 第1の熱伝達作動流体
29 地表機器
31 熱交換器
35 風力タービン
36 太陽パネル
37 断続的なエネルギー源
38 送電網
40 タンク
41 地表配管
42 供給管
43 戻り管
44,46 流体入口管
48,58 弁
50 坑井ストリング
54,56 流体出口管
60 流体レベルメータ
62 第1の地表マニフォールド
64 第2の地表マニフォールド
70 エネルギー
72 ベース負荷
74 電気エネルギー
76 電力分配器
80 需要
82 第1のループからの出力
84 第2のループからの出力
86 第3のループからの出力
88 熱貯蔵所
90 下向き坑井部分
92,94 弁
100,200,300,400,500,600,700 地熱システム
101 電力生産システム
130 境界面
210,310,410,510,610,710 地熱井
211 環状部
212 地表入口
214 地表出口
312,514,612,616 入口坑井
314,516,614 出口坑井
316 相互接続坑井
316a 坑道
316b 坑道
317 第1の内端部
318 坑井
321 第1の外端部
323 第2の外端部
325 第2の内端部
414 地表入口坑井
415,515 偏位した坑井
416 地表出口坑井
435,436,535,536 側方の坑井
438 下向き孔接合点
450,451,550,551 下向き孔端
538 下向き孔接合点
E 地面
Z 地中区域

Claims (24)

  1. ターゲットの地中区域内にある閉ループ地熱井において、前記地熱井の地表入口から前記地熱井の下向き孔の位置まで第1の熱伝達作動流体を流すステップと、
    前記地熱井において、前記地熱井の前記地表入口から前記下向き孔の位置まで第2の作動流体を流すステップであって、前記第2の作動流体が前記第1の熱伝達作動流体の上流にあり、前記第2の作動流体の流体密度が前記第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い、ステップと、
    前記地熱井の中で前記第2の作動流体を循環させることにより、前記第2の作動流体で前記第1の熱伝達作動流体を前記地熱井の地表出口の方へ押し進めるステップと、
    前記地熱井の前記地表出口において受け取られた移動性の前記第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップと
    を含む方法。
  2. 前記地熱井が、(i)前記地表入口から前記ターゲットの地中区域まで延在する地表入口坑井と、(ii)前記地表出口から前記ターゲットの地中区域まで延在する地表出口坑井と、(iii)前記地表入口坑井に流体結合され、前記地表入口坑井と前記地表出口坑井とを相互接続する、偏位した坑井であって、前記ターゲットの地中区域にある偏位した坑井とを備え、前記第2の作動流体を循環させるステップが、前記第2の作動流体を、前記地表入口坑井から前記偏位した坑井まで流し、また前記偏位した坑井から前記地表出口坑井まで流すことにより、前記第1の熱伝達作動流体を前記地熱井の前記偏位した坑井から前記地表出口まで押し進めるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の作動流体の熱膨張係数が前記第1の流体の熱膨張係数以上であり、前記第2の作動流体を流すステップは、前記第2の作動流体が、前記地熱井内の前記ターゲットの地中区域から熱を吸収するとき、膨張して、前記地熱井の前記地表出口における前記第1の熱伝達作動流体の流量を増加させるように、前記地熱井に前記第2の作動流体を流すステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第1の熱伝達作動流体が水であり、前記第2の作動流体の熱膨張係数が水の熱膨張係数よりも1桁以上大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記地熱井がさらに備える複数の偏位した坑井が、前記地表入口坑井の共通の下向き孔端に流体連結され、ここから前記地表出口坑井の共通の下向き孔端まで延在し、前記複数の偏位した坑井の各々が前記ターゲットの地中区域内にあって、それぞれが、(i)前記地表入口坑井の前記下向き孔端から下向き孔接合点まで延在する第1の水平方向の坑井と、(ii)前記地表出口坑井の前記下向き孔端から前記下向き孔接合点まで延在する第2の水平方向の坑井とを備え、前記第2の作動流体を循環させるステップが、前記第2の作動流体を、前記地表入口から前記下向き孔接合点へ、前記下向き孔接合点から前記地表出口へと流すステップを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. それぞれの水平方向の第1の坑井がそれぞれの水平方向の第2の坑井の上にあり、前記下向き孔接合点が、前記地表入口坑井の前記下向き孔端よりも深くなるように、前記水平方向の第1および第2の坑井の各々が傾斜している、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第2の作動流体を流すステップの後に、
    前記閉ループ地熱井において、第3の熱伝達作動流体を前記地表入口から前記下向き孔の位置まで流すステップであって、前記第3の熱伝達作動流体が前記第2の作動流体の上流にあり、前記第3の熱伝達作動流体の流体密度が前記第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い、ステップと、
    前記第3の熱伝達作動流体を前記閉ループ地熱井の中で循環させるステップであって、前記第3の熱伝達作動流体が、前記第2および第1の熱伝達作動流体を前記閉ループ地熱井の前記地表出口の方へ押し進める、ステップと
    をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記閉ループ地熱井が、前記閉ループ地熱井の中で前記第1および第2の作動流体を循環させるように構成されたポンプに電気的に結合されたコントローラを備え、前記コントローラが、断続的なエネルギー源に関連した送電網のエネルギー需要を基に前記ポンプの流量を変化させることにより、前記第1および第2の作動流体の流量を、前記第2の作動流体を前記地熱井の下向き孔の位置から前記地熱井の地表まで持ち上げるステップを含む充填サイクルと、前記地熱井の中で前記第2の作動流体を循環させて、前記第1の熱伝達作動流体を前記地熱井の前記地表出口の方へ押し進め、前記第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップを含む放出サイクルとの間で、切り換えるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ポンプが前記断続的なエネルギー源によって給電され、前記コントローラが、前記断続的なエネルギー源が前記送電網のエネルギー需要を満たすかまたは超過するとき充填サイクルを開始するように構成され、前記コントローラが、前記放出サイクル中に、前記収集されたエネルギーを前記送電網に供給して、前記断続的なエネルギー源のエネルギー出力を補足するように構成され、前記コントローラが、前記断続的なエネルギー源が前記送電網の前記エネルギー需要を満たさないとき前記放出サイクルを開始するように構成される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記断続的なエネルギー源のエネルギー出力を補足するステップが、前記断続的なエネルギー源とともに、前記送電網向けの制御可能なエネルギー出力を生成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第2の作動流体を循環させるステップが、前記第1および第2の作動流体を用いて前記ターゲットの地中区域から熱エネルギーを回収するステップを含み、エネルギーを収集するステップが、前記移動性の第1の熱伝達作動流体から、液圧エネルギー、熱エネルギー、または力学的エネルギーのうち少なくとも1つを生成するステップを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記閉ループ地熱井の地表において、前記第1の熱伝達作動流体または前記第2の作動流体のうち少なくとも1つの温度、滞留時間、または流体密度のうち少なくとも1つを変化させて、前記地表出口における前記第1の熱伝達作動流体の指定されたエネルギー出力を変化させるステップをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 滞留時間を変化させるステップが、放出サイクル中は、前記地熱井に関連した断続的なエネルギー源の低エネルギー出力に基づき、前記第2の作動流体が前記第1の熱伝達作動流体を前記地表出口まで押し進め、充填サイクル中は、前記地熱井に関連した断続的なエネルギー源の高エネルギー出力に基づき、前記断続的なエネルギー源から給電されたポンプによって前記第2の作動流体を前記地表出口まで持ち上げるように、前記第2の作動流体が前記地表入口から前記地表出口まで流れる時間を変化させて、前記第2の作動流体の流量を変化させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1の熱伝達作動流体と前記第2の作動流体とが混ざることなく、または前記地熱井の前記第1の熱伝達作動流体と前記第2の作動流体との間に混ざらないピルが配設されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記閉ループ地熱井が、(i)面方向の入口坑井および面方向の出口坑井を備えるL字形の坑井であって、前記面方向の入口坑井が前記地中区域内に配設された第1の外端部および第1の内端部を備え、前記面方向の出口坑井が第2の外端部および第2の内端部を備え、前記第2の内端部が、前記地熱井の共通の下向き孔接合部において前記第1の内端部に流体連結され、側面図において、前記2つの面方向の坑井がL字形の坑井を形成する、L字形の坑井、(ii)前記地表入口から前記地中区域まで延在する地表入口坑井と、前記地表入口坑井から間隔をおいて配置され、前記地表出口から前記地中区域まで延在する地表出口坑井と、前記地表入口と前記地表出口との間に延在してこれらを流体連結する相互接続坑井とを備えるU字形の坑井であって、側面図において、前記地表入口坑井と前記地表出口坑井とでU字形の坑井を形成する、U字形の坑井、あるいは(iii)内部に坑井ストリングが配設されている単一の坑井であって、前記坑井ストリングが前記単一の坑井の壁とともに環状部を画定し、前記環状部が前記地表入口を画定し、前記坑井ストリングが前記地表出口を画定する、単一の坑井、のうち少なくとも1つを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記地熱井がL字形の坑井であり、前記第1および第2の外端部が裸坑であり、また、前記それぞれの外端部と前記それぞれの内端部との間のそれぞれの坑井の区域が、裸坑であり、それぞれの坑井とそれぞれの坑井を囲む前記地中区域の地面との間に、実質的に不浸透性の境界面を備える、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1の熱伝達作動流体を流すステップの前に、
    前記閉ループ地熱井に密封材を流すステップと、
    前記地熱井の中で前記密封材を循環させることにより、前記地熱井と前記地熱井を囲む前記地中区域の前記地面との間に熱伝導性の境界面を形成するステップであって、前記熱伝導性の境界面は流体に対して実質的に不浸透性であるが、前記坑井の少なくとも一部は裸坑である、ステップと
    をさらに含み、
    前記第2の作動流体を循環させるステップが、前記第2の作動流体を、前記熱伝導性の境界面を介して前記ターゲットの地中区域に晒すことによって熱的に充填するステップを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ターゲットの地中区域または別の地中区域にある複数の閉ループ地熱井であって、各々がそれぞれの地表入口およびそれぞれの地表出口を備える複数の閉ループ地熱井をさらに備える、方法であって、
    各地熱井において、それぞれの第1の熱伝達作動流体を、各地熱井の前記地表入口から各地熱井の下向き孔の位置まで流すステップと、
    各地熱井において、それぞれの第2の作動流体を、各地熱井の前記地表入口から各地熱井の下向き孔の位置まで流すステップであって、前記それぞれの第2の作動流体が前記それぞれの第1の熱伝達作動流体の上流にあり、前記それぞれの第2の作動流体の流体密度が前記それぞれの第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い、ステップと、
    各地熱井の中で前記それぞれの第2の作動流体を循環させることにより、前記それぞれの第2の作動流体で前記それぞれの第1の熱伝達作動流体を各地熱井の前記地表出口の方へ押し進めるステップと、
    各地熱井の前記地表出口において受け取られた前記それぞれの移動性の第1の熱伝達作動流体からエネルギーを収集するステップと
    をさらに含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記エネルギーを収集するステップが、前記それぞれの移動性の第1の熱伝達作動流体の各々から、選択的に調整可能なエネルギーを収集するステップを含む、請求項18に記載の方法。
  20. エネルギーを収集するステップが、前記それぞれの移動性の第1の熱伝達作動流体の各々から収集されたエネルギーを合併させて所定の量のエネルギー出力を形成するステップを含む、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記複数の地熱井のうち1つの、前記それぞれの第2の作動流体を循環させるステップが、前記複数の地熱井のうち別のものの前記収集されたエネルギーで給電されるポンプを用いて、前記それぞれの地熱井の中で前記それぞれの第2の作動流体を循環させるステップを含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 不規則な電力供給および送電網からの要求を正規化する方法であって、
    請求項1の方法によって電気エネルギーを生成するステップと、
    形成された電気エネルギーを、前記送電網において需要が増加する期間と一致する所定の時間において前記送電網に供給するステップと
    を含む方法。
  23. 地表入口坑井、
    地表出口坑井、および
    前記地表入口坑井に流体結合され、前記地表入口坑井と前記地表出口坑井とを相互接続し、ターゲット地中地熱区域にある相互接続坑井
    を備える閉ループ地熱井と、
    前記地熱井の中で循環するように構成されて、前記地熱井の内部にある第1の熱伝達作動流体と、
    前記地熱井の中で前記地表入口坑井から前記地表出口坑井まで循環するように構成された第2の作動流体であって、前記第1の熱伝達作動流体の上流にあり、前記第1の熱伝達作動流体の流体密度よりも高い流体密度を有する第2の作動流体と
    を備え、
    前記第2の作動流体を循環させることが、前記第2の作動流体で前記第1の熱伝達作動流体を前記地表出口坑井の地表出口の方へ押し進め、前記移動性の第1の熱伝達作動流体から前記地表出口においてエネルギーを収集することを含む、
    地熱システム。
  24. 送電網と、
    前記送電網に電気的に結合された断続的な発電源と、
    前記送電網に電気的に結合された閉ループ地熱システムであって、
    地表入口および地表出口を備える地熱井と、
    前記地表出口に流体連結され、前記送電網に電気的に結合された熱交換器とを備え、前記熱交換器が、第2の作動流体の重力による位置エネルギーを第1の熱伝達作動流体の運動エネルギーに変換するために、前記地熱井の中で下向き孔を循環する第2の作動流体によって押し進められた第1の熱伝達作動流体の動きによって生成された電力を出力するように構成されており、前記第2の作動流体が、前記第1の熱伝達作動流体よりも密度が高く、前記第1の熱伝達作動流体の上流にある、
    閉ループ地熱システムと、
    前記送電網、前記断続的な発電源、および前記閉ループ地熱システムに動作可能に結合されたコントローラであって、前記断続的な発電源の出力を基に、選択された期間に関する前記送電網の電力需要を判定して、前記閉ループ地熱システムの充填サイクルと放出サイクルとを切り換えることにより、前記断続的な発電源とともに、前記送電網に制御可能なエネルギー出力を供給するように構成されたコントローラと
    を備える電力生産システム。
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