JP2023533745A - シクロデキストリン二量体及びその使用 - Google Patents

シクロデキストリン二量体及びその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書では、CD二量体、CD組成物、及びそれらの使用が開示される。CD二量体及びその組成物は、7KCの標的化を含む様々な目的に有用であり得る。本明細書には、CD二量体の設計及び試験が記載される。例示的なCD二量体としては、ヘテロ二量体、ホモ二量体、または非対称二量体が含まれる。【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月7日に出願された米国第63/048,824号、2020年7月7日に出願された米国第63/048,886号、及び2020年7月7日に出願された米国第63/048,941号の利益を主張し、2020年1月3日に出願された米国第16/733,945号の一部継続出願であり、当該出願は2019年1月3日に出願された米国第62/787,869号及び2019年5月20日に出願された同第62/850,334号の利益を主張し、これらの出願はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。
7-ケトコレステロール(7KC)は、酸素ラジカルとコレステロールとの非酵素反応によって生成されるオキシステロールである。7KCは、生体内で形成されるか、または食物から摂取される場合があるが、潜在的に毒性があり、ヒト及び他の真核生物において何の役にも立たないと考えられている。7KCは、コレステロールと同様に、アテローム性動脈硬化プラークで見つかる。7KCは、アテローム性動脈硬化プラークにおいて最も豊富な非酵素生成オキシステロールであり、アテローム性動脈硬化及び加齢に伴う疾患、ニーマン-ピック病C型(NPC)等のリソソーム蓄積症、心疾患、嚢胞性線維症、肝障害及び肝不全、高コレステロール血症の合併症の病因となる可能性がある。高コレステロール血症に罹患している場合、7KCは、細胞膜を通じて拡散する可能性があり、その場合、7KCは受容体及び酵素機能に影響を及ぼす。高コレステロール血症において認知症率が高いことは、7KC蓄積と関連するとされてきた。肝臓において、7KCは、組織の開窓及び空隙率に影響を及ぼすが、これは年齢と共に上昇する。7KCは、細胞質NADPHオキシダーゼ構成要素が好中球(白血球細胞)の膜へ移動することも促進し、かつ迅速な活性酸素種産生も向上させる。他の加齢性疾患、例えば、加齢黄斑変性症(AMD-萎縮型)、アルツハイマー病、ならびにニーマン-ピック病C型(NPC)等のリソソーム蓄積症の病因も、7KCのレベル上昇と結び付けられてきた。オキシステロールは、7KCも含めて、フリーラジカルレベルの上昇にも関与しており、この上昇は、次に嚢胞性線維症における脂質循環に影響を及ぼす。7KCのようなオキシステロールにより引き起こされるフリーラジカルの増加は、アポトーシス、細胞毒性、内皮機能の障害、ならびに炎症及び脂肪酸代謝に関与する酵素の調節に関与すると考えられる。
7KCは、酸素ラジカルとコレステロールの非酵素反応から形成され、このことは、7KC形成が有益ではない可能性があることを示す。実際、7KCは、身体のあらゆる場所でフリーラジカルの生成を増強すると考えられているが、心臓及び血管組織では、これは特に懸念されることである。フリーラジカルは、コレステロールが介在する組織損傷に関して重要である細胞及び酵素反応に影響し、このことはこれらの組織において特に重大である。フリーラジカルは、脈管構造において炎症を増強すると考えられている。7KCは、細胞及び細胞小器官膜の機能を破壊することにより、ミトコンドリア及びリソソームの機能障害を引き起こすと考えられており、アテローム性動脈硬化プラークにおいてマクロファージから泡沫細胞が形成される頻度を上昇させるのに関与すると考えられている。これらマクロファージの清掃機能は、プラークを寛解する助けとなることが予想されるが、これらがコレステロール及びオキシステロールで充満している場合は、そうではなくて、プラークの一部となり得る。
シクロデキストリン(CD)は、6(αCD)、7(βCD)、または8(γCD)の糖環で構成される環状オリゴ糖である(図1A)。アルファCD、ベータCD、ガンマCDは、最も一般的な形態であり、医療、産業、消費用、及び食品に関連する多くの用途がある。CDは、食品添加物としての食物繊維等、様々な用途に使用されてきた。また、CDは、エアロゾル化剤として、及び典型的には活性医薬成分と組み合わせて、小さな疎水性薬物の賦形剤として医薬組成物に使用されてきた。
これまで、2つのβCDをヘッドツーヘッド様式で共有結合し、7KC等の標的分子との包接複合体を形成する能力を大幅に向上させることができることを示した。また、αCDは、1,12-ジアミノドデカンと複合体を形成すると、ヘッドツーヘッド様式で、非共有結合で二量体化することが示されてきた。このゲスト分子の構造は、長い脂肪族鎖を含む。
本開示では、7KCの標的化を含む様々な目的に有用であり得る追加のCD二量体について説明する。CD二量体の設計及び試験について本明細書に記載する。CD二量体の例としては、ヘテロ二量体(好ましくは、αCD及びβCDを含む)、ホモ二量体(好ましくは、各単量体に同じ置換基を有する2つのαCDまたは2つのβCDを含む)、または非対称二量体(例えば、それぞれ異なる置換基の組み合わせを有する2つのCD単量体を有する)を含む。
本発明者らは、CDヘテロ二量体に関して、(βCD及びγCDと比較して)より小さいαCDの環構造が7KCの尾部基と好適に相互作用するという仮説を立てた。特に、本発明者らは、1つのαCDと1つのβCDで構成されるリンクされるCD二量体は、ゲスト分子の両方の部分を選択的かつ非対称に標的にすることを提案する(βCDは頭部基と複合体を形成し、一方αCDが尾部を封入化する)。同様の構造を有する他のゲスト分子も同様に封入化され得る。これらのCD単量体のいずれも溶解度を変更するために加える置換基を有していなくてもよく、いずれかが当該置換基を有してもよく、または両方が当該置換基を有してもよい。
さらに、CD二量体に加えてこれらの分子の標的特異性を高めることができる珍しい及び/または新しい置換基を提案する。本明細書に開示されるCD二量体の例としては、標的分子、例えば、7KC、コレステロール、及び他のステロールに対するこれらのCD二量体の親和性及び/または特異性を増加させることができる置換基が挙げられる。本明細書に記載される特定の置換CDは、7KCのカルボニル基と強く相互作用すると予測される。コレステロールはカルボニル基を有していないため、そのような置換がコレステロールよりも7KCに対して有意な特異性を生み出すと仮定している。
一態様において、本開示は、1つのαCD及び1つのβCD単量体の組み合わせ等、様々に置換されたCDのアルファ-ベータヘテロ二量体であって、強化された結合特性を示し得るCDのアルファ-ベータヘテロ二量体を提供する。
αCDがβCDに結合した構造を有するCDヘテロ二量体は、αCDの空洞が小さいため、7KCの尾部基をより効果的に封入化し、他の嵩高い疎水性分子と結合する可能性が低くなる。αCD及びβCDは、それぞれ様々な化学基で置換され、標的分子の対象頭部基または尾部基に対するサブユニットの親和性を調整する。
別の態様において、本開示は、アルキル基が置換基として使用されるCDヘテロ二量体を提供する。アルキル基は、これまで実証された荷電及び極性を有する置換基よりも疎水性が高いため、サブユニットの一方または両方の疎水性空洞を拡張する。これによって、7KC、コレステロール、及び長い脂肪族鎖を有する他のステロールの尾部基を封入化するためのより良い環境が作られる。
さらに、本開示は、(2-ヒドロキシプロピル)-βCD(HPβCD)二量体、メチル-βCD(MeβCD)二量体、スクシニル-βCD(SUCCβCD)二量体、スルホブチル-βCD(SBβCD)二量体、第四級アンモニウム-βCD(QAβCD)二量体等を含むCDの様々な非対称二量体の設計及び試験について説明する。非対称二量体は、2つの異なるCD単量体の組み合わせを含む。本開示の例示的な非対称二量体は、強化された結合特性を示す。
本開示の例示的な非対称二量体は、7KCの標的化に有用であり得る。例えば、非対称二量体は、HPβCDに連結された未変性βCD、またはMeβCDに連結されたSBβCD等、例えば、2つの特異的に置換された単量体を含み得る。理論によって制限されることを意図するものではないが、様々な置換タイプに応じてゲストに対するCD非対称二量体の親和性及び特異性が変わる可能性があり、二量体の非対称置換により、標的頭部基または尾部基に対してより特異的になり得ると考えられる。例示的な実施形態において、1つの位置、例えば、C6位置での置換により、合成時により均一な製品が作製でき、さらに(理論によって制限されることを意図するものではないが)CDの空洞を延長し、ステロール(例えば、7KC)等の疎水性分子を可溶化する能力を高めると予想されている。
さらに、これらの分子の標的特異性を高める可能性がある非対称CD二量体に加えることができる置換基について説明する。本明細書に記載の置換及び置換パターンのいくつかは、7KCの特異的または優先的な結合を促進すると予想される。理論によって制限されることを意図するものではないが、コレステロールは、カルボニル基を有していないため、これらの置換により、7KCに対してコレステロールよりも顕著な特異性が生み出され得ると考えられている。
さらに、非対称二量体の2つのCDサブユニットの反対電荷の置換、すなわち一方の単量体の正電荷置換と他方の単量体の負電荷置換について説明する。理論によって制限されることを意図するものではないが、このような置換は、非対称二量体の2つのCDサブユニットの間に静電引力を提供することによって、CD標識複合体の安定性を促進し、及び/または荷電部分と相互作用できる極性の高い領域を含む標的分子に特異性を提供すると予測される。
本発明の実施形態は、アテローム性動脈硬化及び他の加齢関連疾患を治療または予防する組成物及び方法を提供する。7KCは、アテローム性動脈硬化プラークで最も豊富な非酵素的に生成されるオキシステロールであり、アテローム性動脈硬化の発病の一因となると考えられる。本発明の非対称CD二量体を用いる治療は、アテローム性動脈硬化プラーク形成の予防及び/または好転に有益であると期待される。
別の態様において、本開示は、さらなる小分子に対する特異性を有する非対称CD二量体を作製する方法を提供する。例示的な方法は、まず、合成中、特異性が付与された特定(場合によっては非対称)の構造を有するCD二量体核を作製することによって実行される。次いで、CD二量体核が伝える高い親和性を維持しながら、任意の置換を加え、上記の疎水性分子に対する特異性を作り出すことができる。この特異性は、相異するリンカーでさらに変更することができる。
また、本開示は、HPβCD二量体、メチル-βCD二量体、スクシニル-βCD二量体、スルホブチル-βCD二量体、第四級アンモニウム-βCD二量体等を含むCDの様々なホモ二量体(CD)の設計及び試験について説明する。本開示には、2つのCD単量体の組み合わせからなる二量体が記載される。例示的なホモ二量体は、7KC、コレステロール、及びコレステロールよりも7KCに対して増加した特異性を有する例示的なホモ二量体を含む他のステロールを含む標的分子に対する強化された結合特性を示す。
例示的な実施形態は、組成物における本開示のCD二量体(例えば、ヘテロ二量体、ホモ二量体、または非対称二量体)の使用、ならびに7KCの蓄積に関連する、及び/またはそれによって悪化する疾患の治療方法を提供し、上記の疾患としては、アテローム性動脈硬化、AMD、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全ステージ)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、乳児神経セロイドリポフスチン症、リソソーム酸性リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピックA型病、ニーマンピックB型病、ニーマンピックC型病、ゴーシェ病、シュタルガルト病、特発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症もしくは高コレステロール血症に関連する認知症等が挙げられる。好ましいCD二量体、すなわち、ヘテロ二量体、ホモ二量体、または非対称二量体は、(コレステロールと比べ)7KCに対して選択的である。好ましくは、上記のCD二量体は、コレステロールの過剰な除去から引き起こされる可能性がある潜在的に有害もしくは毒性の影響を最小化または回避しながら、7KCを優先的に可溶化する。
本発明の例示的な実施形態は、可溶化のためのCD(例えば、HPα-βCD、Meα-βCD、SUCCα-βCD、QAα-βCD、またはSBα-βCD)二量体の使用、及び/またはin vitroまたはin vivoで実行し得る7KCの除去を提供する。
例示的な実施形態において、上記のCD(例えば、HPα-βCD、MEα-βCD、SUCCα-βCD、QAα-βCD、またはSBα-βCD)二量体は、コレステロールよりも高い結合親和性及び/または7KCの可溶化を示す。コレステロールに対する7KCの特異性は、準飽和濃度で最も顕著であるが、高い濃度での両方のステロールの可溶化は、100%に近づく場合がある。この特異性により、7KCを優先的に可溶化して除去するために、そのようなCD二量体の使用が可能になる。
「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、生きている有機体または生きている生物学的組織に入ることに適し、好ましくは、重大な毒性、刺激、またはアレルギー反応がない化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指すために本明細書で使用される。本発明は、CD二量体を患者に投与することを含む方法を含み、CD二量体は医薬組成物内に含まれる。本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、及び好適な輸送、送達、耐性等を提供する他の作用剤と共に配合されている。適切な製剤は、製薬化学者に既知のフォーミュラリー、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Paにおいて、多数見つけることが可能である。これらの製剤として、例えば、粉末剤、ペースト剤、軟膏、ゼリー剤、ワックス剤、油剤、脂質、脂質(カチオン性またはアニオン性)含有小胞(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNA複合体、無水吸収ペースト剤、水中油及び油中水乳剤、カーボワックス乳剤(種々の分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカーボワックス含有半固体混合物が挙げられる。(Powell[et al.],J.Pharm.Sci.Technol.,52:238-311,(1998))も参照。
「薬学的に許容される担体」という語句は、本明細書内で使用される場合、概して、活性作用剤を身体に導入するのに有用な、薬学的に許容される組成物、例えば、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入材料を示す。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者にとって有害ではないという意味において、「許容される」ものでなければならい。本発明の医薬組成物に使用可能な水性及び非水性の好適な担体の例として、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)、ならびにそれらの適切な混合物が挙げられる。適正な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材の使用によって、分散の場合には要求される粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。
薬学的に許容される担体として機能できる材料の他の例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、(3)セルロース、及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、カカオバター及び坐剤用ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンガー液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート、及び/またはポリ無水物、ならびに(22)薬学的製剤に用いられる他の非毒性で適合性の物質が挙げられる。
湿潤剤、乳化剤、潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム)、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、調味料、防腐剤、及び抗酸化剤等の各種助剤が医薬組成物中に存在することも可能である。薬学的に許容される酸化防止剤のいくつかの例としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤;(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロシキトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等の油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、例えば、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)、ならびに重合体担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水物から選択される賦形剤を含む。懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、ならびにそれらの混合物等を含有してもよい。様々な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることによって、活性化合物における微生物の作用を確実に防止し得る。糖類、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物中に含めることも望ましい場合がある。さらに、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤を含有させることによって、注射可能な医薬形態の持続的吸収をもたらしてもよい。
本発明の薬学的製剤は、薬学技術分野で知られている方法のいずれかによって調製し得る。単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせることができる活性成分(すなわち、HPβCD二量体または本開示の別のCD二量体等のCD二量体)の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に依存して変化する。単一剤形を作製するための担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、概して治療作用を生み出す化合物の量となる。活性化合物の量は、約0.1~99.9パーセント、より典型的には約80~99.9パーセント、より典型的には約99パーセントの範囲であり得る。活性化合物の量は、約0.1~99パーセント、より典型的には約5~70パーセント、より典型的には約10~30パーセントの範囲であり得る。例示的な実施形態において、濃度0.5%~0.001%、例えば、0.12%~0.0105%、例えば、約0.01%(W/V)の水溶液である静脈内投与用の剤形が提供される。例示的な実施形態において、濃度2.5%~0.25%、例えば2%~0.5%、例えば約1%(W/V)の水溶液である静脈内投与用の剤形が提供される。例示の実施形態において、剤形は、最大500mLの1%溶液(W/V)の静脈内投与を提供し、これは結果的に最大5グラムの投薬量をもたらす。さらなる例示的な実施形態において、総濃度が最大約60%(w/v)または約50%(w/v)、例えば、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約25%(w/v)、約30%(w/v)、約35%(w/v)、約40%(w/v)、約45%(w/v)、約50%(w/v)、約55%(w/v)、もしくは約60%(w/v);または少なくとも約5%(w/v)、少なくとも約10%(w/v)、少なくとも約15%(w/v)、少なくとも約20%(w/v)、少なくとも約25%(w/v)、少なくとも約30%(w/v)、少なくとも約35%(w/v)、少なくとも約40%(w/v)、少なくとも約45%(w/v)、少なくとも約50%(w/v)、もしくは少なくとも約55%(w/v)、または約1%(w/v)~60%(w/v)、5%(w/v)~55%(w/v)、10%(w/v)~50%(w/v)、15%(w/v)~45%(w/v)、20%(w/v)~40%(w/v)、25%(w/v)~35%(w/v)、もしくは約30%(w/v);または最大約10%(w/v)、最大約15%(w/v)、最大約20%(w/v)、最大約25%(w/v)、最大約30%(w/v)、最大約35%(w/v)、最大約40%(w/v)、最大約45%(w/v)、最大約50%(w/v)、最大約55%(w/v)、もしくは最大約60%(w/v)である1つ以上のCDを含む剤形が提供される。当該CD剤形は、患者への投与、例えば、非経口投与、好ましくは静脈内投与用に製剤化されることが可能であり、上記の投与は、任意選択的に、当該投与前の希釈、例えば、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約25%(w/v)、約30%(w/v)、または約35%(w/v)の投与前の濃度への希釈を含む。
例示的な実施形態において、1mg~10gの量のCD二量体、例えば10mg~1g、100mg~500mgを患者に投与してもよい。例示的な実施形態において、約400mgのCD二量体を投与してもよい。例示的な実施形態において、1~10gのCD二量体、例えば約2g、約3g、約4g、または約5gを投与してもよい。例示的な実施形態において、50mg~5gのCD二量体、例えば100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5g、例えば、約1gを投与してもよい。
例示的な実施形態において、前述の量のCD二量体を含み得、個別投与用に包装され得、任意選択的に、薬学的に許容される担体もしくは賦形剤をさらに含み得る単一剤形が提供される。当該単一剤形中の当該CD二量体の合計量は、上記に提示されるとおりであることが可能であり、例えば、1mg~10g、例えば、10mg~1g、100mg~500mg、1~10gのCD二量体、50mg~5g、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5g、例えば、約1g、2g、約3g、約4g、または約5gである。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル、カシェー、丸剤、錠剤、甘味入り錠剤(香味基材、通常はスクロース及びアカシアまたはトラガカントを使用する)、粉末、顆粒の形態、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水中油型もしくは油中水型液体乳剤、またはエリキシル剤もしくはシロップ、またはパスティル(ゼラチン及びグリセリン、またはスクロース及びアカシア等の不活性基材を使用する)、及び/または洗口液等の形状を有することが可能であり、それぞれ、所定の量の本発明の化合物を活性成分として含有する。活性化合物は、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与することも可能である。
これら配合物または組成物の調製方法は、一般に、本発明の化合物を担体、及び任意選択的に1種以上の助剤と混和するステップを含む。固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、粒剤、トローチ剤等)の場合、活性化合物を、微粉化された固体担体と混和し、典型的には、例えば、ペレット化、打錠、顆粒化、粉末化、または被覆することによって、成形することができる。一般に、固体キャリアとして、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、及び/または以下のいずれかを挙げることができる。(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/またはケイ酸等、(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/またはアカシア等、(3)保湿剤、例えば、グリセロール等、(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム等、(5)溶解遅延剤、例えば、パラフィン等、(6)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物及び界面活性剤等、例えば、ポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウム等、(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、及び非イオン性界面活性剤等、(8)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイト粘土等、(9)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、及びこれらの混合物等、(10)着色剤、ならびに(11)放出制御剤、例えば、クロスポビドンまたはエチルセルロース等。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝剤を含んでもよい。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、軟質及び硬質シェルゼラチンカプセル中の充填剤として使用されてもよい。
錠剤は、任意選択的に、1種以上の助剤成分と共に、圧縮または成形により製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤、または分散剤を用いて調製し得る。
錠剤、及び活性作用剤の他の固形剤形、例えば、カプセル剤、丸剤、及び粒剤等は、任意選択的に、コーティング及びシェル、例えば、腸溶コーティング及び医薬製造分野で周知の他のコーティングを用いて、表面加工または調製することができる。こうした剤形は、剤形中の活性成分を徐放または制御放出するように製剤化することもでき、例えば、所望の放出プロファイルをもたらすためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用し、他の重合体マトリクス、リポソーム、及び/または微小球体を使用する。剤形は、代替的に、急速放出用に製剤化してもよく、例えば、凍結乾燥し得る。
一般に、剤形は滅菌される必要がある。この目的のため、剤形は、例えば、細菌捕集フィルターでの濾過により、あるいは使用直前に滅菌水または他のある種の滅菌注射媒体に溶解可能な滅菌固形組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、滅菌し得る。医薬組成物は、不透明剤を含有してもよく、活性成分(複数可)を、胃腸管の特定部分においてのみまたはそこで優先的に、任意選択的に遅延させる方式で、放出する組成物であってもよい。使用され得る埋封組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合、上述の賦形剤のうちの1つ以上と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。
液状剤形は、典型的には、活性作用剤の薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、またはエリキシル剤である。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物等の当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含み得る。
外用または経皮投与を特に目的とする剤形は、例えば、粉末剤、スプレー剤、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、またはパッチの形態であり得る。眼科用製剤、例えば、眼軟膏、粉末剤、液剤等も、本明細書中で企図される。活性化合物は、滅菌条件下、薬学的に許容される担体、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合し得る。外用または経皮剤形は、本発明の活性化合物に加えて、1種以上の賦形剤、例えば、動物脂及び植物脂、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、ならびにこれらの混合物から選択されるもの等を含有し得る。スプレー剤は、通常の噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素及び揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタン及びプロパン等も含有し得る。
本発明の目的に関して、経皮パッチは、本発明の化合物を身体に制御送達できるという利点を提供し得る。そのような剤形は、好適な培地内に化合物を溶解または分散することによって作製され得る。吸収増強剤もまた、皮膚を横切る化合物の流動を増加させるために含まれることができる。そのような流動速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物を重合体マトリクスもしくはゲルに分散させるいずれかによって制御可能である。
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、一般に、本発明の1種以上の化合物を、1種以上の薬学的に許容される滅菌等張性の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液、または乳剤と、あるいは使用前に滅菌注射液または分散液に再構成することが可能な滅菌粉末と組み合わせて含み、そのような滅菌粉末は、糖類、アルコール、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、または製剤を目的のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る。
場合によっては、薬物の効果を延長する目的で、皮下または筋肉内注射からの薬物吸収を遅延させることが望ましい場合がある。これは、水溶性の乏しい結晶性または非晶質性材料の液状懸濁剤を使用することにより達成可能である。薬物の吸収速度は、溶解速度に依存し、したがって、結晶寸法及び結晶形に依存する可能性がある。あるいは、非経口投与される剤形の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより達成される。
注射用デポー剤形は、活性化合物がポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性重合体に含まれているマイクロカプセル化マトリクスを形成することにより作製可能である。重合体に対する薬物の比率、及び使用される特定の重合体の性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性重合体の例として、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤は、身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロ乳剤中に薬物を捕捉させることによっても調製される。
医薬組成物は、マイクロ乳剤の形態を有し得る。マイクロ乳剤の形態では、活性作用剤の生体利用度が改善され得る。(Dorunoo[et al.],Drug Development and Industrial Pharmacy,17(12):1685-1713(1991))及び(Sheen[et al.],J.Pharm.Sci.,80(7):712-714,(1991))を参照されたい。これらの内容は、その全体が本明細書中に参照として援用される。
医薬組成物は、本発明の化合物及び少なくとも1種の両親媒性担体から形成されるミセルを含有し得、この場合、ミセルは、約100nm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、ミセルは、約50nm未満の平均径、または約30nm未満の平均径、または約20nm未満の平均径を有する。
任意の好適な両親媒性担体が本明細書で考慮されるものの、両親媒性担体は、一般に不活性医薬成分の地位が承認済みであり、本発明の化合物を溶解すること及びその後の段階で溶液が複雑水相(例えば、生きている生体組織中に見られるもの)と接触したときにそれをマイクロ乳化することの両方が可能であるものである。通常、これらの要件を満たす両親媒性成分は、HLB(親水性から親油性へのバランス)値が2~20であり、その構造にはC-6~C-20の範囲の直鎖脂肪族ラジカルを含有する。両親媒性作用剤のいくつかの例としては、ポリエチレングリコール化脂肪族グリセリド及びポリエチレングリコールが挙げられる。
特に好ましい両親媒性担体は、飽和及びモノ不飽和ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリド、例えば、様々な植物油を完全または部分水素化することにより得られるものである。当該油は、有利なことに、トリ、ジ、及びモノ脂肪酸グリセリド、ならびに対応する脂肪酸のジ及びモノポリエチレングリコールエステルからなる場合があり、特に好ましい脂肪酸組成物は、カプリン酸4%~10%、カプリン酸3%~9%、ラウリン酸40%~50%、ミリスチン酸14%~24%、パルミチン酸4%~14%、及びステアリン酸5%~15%を含む。両親媒性担体の別の有用なクラスは、飽和もしくはモノ不飽和脂肪酸(SPANシリーズ)または対応するエトキシ化類似体(TWEENシリーズ)を用いた部分エステル化ソルビタン及び/またはソルビトールを含む。市販されている両親媒性担体が特に企図されており、そのような担体として、Gelucire(登録商標)シリーズ、Labrafil(登録商標)、Labrasol(登録商標)、またはLauroglycol(登録商標)、PEG-モノオレアート、PEG-ジオレアート、PEG-モノラウラート及びジラウラート、レシチン、ポリソルベート80が挙げられる。
CD(例えば、本開示のHPβCDまたは別のCD)二量体は、任意の適切な手段により投与され得る。好適な投与経路として、非経口(例えば、皮下、筋肉内、または静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側が挙げられる。当該投与は、眼(例えば、点眼液の形態)、硝子体内、後眼窩、網膜下、強膜下用で実行される場合もあり、これらは、AMD等の眼疾患の場合に好ましい場合がある。
CD(例えば、本開示のHPβCDまたは別のCD)二量体は、対象に投与されてもよく、in vitroで使用されてもよく、例えば、動物から取り出された細胞または組織に適用される場合もある。次いで、当該細胞または組織を、対象に導入することが可能であるが、当該細胞または組織を取り出した対象であるか別の個体であるかは問わず、ただし別の個体は、好ましくは同種のものである。
治療を受ける対象(すなわち、患者)は、典型的には、動物、一般的には、哺乳類、好ましくは、ヒトである。対象は、非ヒト動物である場合もあるが、非ヒト動物として、全ての脊椎動物、例えば、哺乳類、ならびに非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ニワトリ、両生類、及び爬虫類等の非哺乳類が挙げられる。いくつかの実施形態において、対象は、家畜、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽、及びウマ等、または伴侶動物、例えば、イヌ及びネコ等である。対象は、遺伝子的にオスでもメスでもよい。対象は、任意の年齢であってもよく、例えば、高齢(一般に、少なくとも60歳、70歳、もしくは80歳、またはそれらを超える)、成人から高齢に移行段階の年齢の対象、成人、成人前から成人に移行段階の年齢の対象、及び若年(例えば、13歳から、16、17、18、または19歳まで)を含む成人前、小児(一般に、13歳未満または思春期前)、ならびに乳幼児である。また、対象は、任意の人種集団または遺伝子型のものであることが可能である。ヒト人種集団のいくつかの例として、コーカサス人種、アジア人種、ラテンアメリカ人種、アフリカ人種、アフリカ系アメリカン、ネイティブアメリカン、セム族、及び太平洋諸島民族が挙げられる。本発明の方法は、一部の人種集団、例えば、コーカサス人種、特に北欧人種集団、及びアジア人種集団により適切であり得る。
本開示は、本明細書に記載される二量体型CD(例えば、本開示のHPβCDまたは別のCD)のさらなる置換を含む。化学修飾は、二量体化の前に行ってもよく、その後に行ってもよい。CDの化学修飾は、適切に官能基導入されたCDに化学試薬(求核試薬または求電子試薬)を反応させることにより、未変性ベータCD環に直接行うことが可能である(Adair-Kirk[et al.],Nat.Med.,14(10):1024-5,(2008));(Khan,[et al.],Chem.Rev.,98(5):1977-1996,(1998))。これまで、1,500超のCD誘導体が、未変性CDの化学修飾により作製されてきた。CDは、グルコピラノースに連結されたオリゴピラノシドから開始されるデノボ合成により調製することも可能である。そのような合成は、各種化学試薬または生物学的酵素、例えば、CDトランスグリコシラーゼ等を用いて達成することができる。薬物送達系における薬物担体としての化学修飾CDについての概説は、例えば、(Stella,[et al.],Toxicol.Pathol.,36(1):30-42,(2008))に記載されており、その開示は、その全体が本明細書内に参照として援用される。米国特許第3,453,259号及び同第3,459,731号は、電気的中性CDを記載しており、それらの開示は、その全体が本明細書内に参照として援用される。他の誘導体として、米国特許第3,453,257号に開示されたカチオン性質を有するCD;米国特許第3,420,788号に開示された不溶性架橋CD;及び米国特許第3,426,011号に開示されたアニオン性質を有するCDが挙げられ、これらの開示は全て、その全体が本明細書内に参照として援用される。アニオン性質を有するCD誘導体のうち、カルボン酸、亜リン酸、亜ホスフィン酸、ホスホン酸、リン酸、チオホスホン酸、チオスルフィン酸、及びスルホン酸が、親CDに付加されたことがあり、例えば、米国特許第3,426,011号に開示されている。スルホアルキルエーテルCD誘導体についても、例えば、米国特許第5,134,127号に記載されており、この開示は、その全体が、本明細書内に参照として援用される。いくつかの実施形態において、環状オリゴ糖は、2つ以上の単糖単位がトリアゾール環で置き換えられていることが可能であり、これは、アジド-アルキンヒュスゲン環化付加反応により合成可能である((Bodine,[et al.],J.Am.Chem.Soc.,126(6):1638-9,(2004))。
本開示の二量体型CDは、リンカーにより結合される。CDサブユニットとリンカーを結合するために使用可能な方法は、実施例に記載されている。CDサブユニットとリンカーを結合するさらなる方法は、当該分野で既知である。(Georgeta[et al.],J.Bioact.Compat.Pol.,16:39-48.(2001)),(Liu[et al.],Acc.Chem.Res.,39:681-691.(2006)),(Ozmen[et al.],J.Mol.Catal.B-Enzym.,57:109-114.(2009)),(Trotta[et al.],Compos.Interface,16:39-48.(2009))、これらのそれぞれは、その全体が、本明細書内に参照として援用される。例えば、ヒドロキシル基に反応する部分(例えば、カルボジイミドにより活性化し得るカルボキシル基)を含有するリンカー基を、CDと反応させ、共有結合を形成させることができる。別の例において、CDの1つ以上のヒドロキシル基を、既知の方法(例えば、トシル化)により活性化させ、リンカーの反応性基(例えば、アミノ基)と反応させることができる。
一般に、リンカーは、最初から、各CD単量体と反応して結合する2つの反応部分を有する。一実施形態において、最初に、リンカーをCDに結合させ、リンカー-CD化合物を生成し、これを単離する。次いで、リンカー-CD化合物のリンカーの残りの反応部分を、引き続き第2のCDと反応させる。リンカーの第2の反応部分は、第1の反応基が反応する際に保護してもよいが、リンカーの第1の反応部分と第1の反応部分が2つの分子と異なって反応する場合には、保護しなくてもよい。リンカーは、両分子と同時に反応し、それらをひとまとまりに連結し得る。別の実施形態において、リンカーは、他の分子と連結するために、さらなる反応基を有することができる。
複数のリンカーが、当該分野で既知である。そのようなリンカーは、様々な基が反応性リンカーと反応して連結することができる基を保有するまたは保有するように官能基が導入されている場合に、当該様々な基のいずれもひとまとまりに連結することに使用可能である。二重反応性リンカーと反応し得るいくつかの基として、アミノ、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、及びアルキルハライド基が挙げられる。例えば、連結される各基が少なくとも1つのアミノ基を保有する場合に、アミノ-アミノカップリング試薬を用いて、環状オリゴ糖と多糖を連結することができる。アミノ-アミノカップリング試薬のいくつかの例として、ジイソシアン酸、アルキルジハライド、ジアルデヒド、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、及び酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホ-DST)が挙げられ、これらは全て、市販されている。別の実施形態において、アミノ-チオールカップリング剤を用いて、一方の分子のチオール基と別の分子のアミノ基とを連結することができる。アミノ-チオールカップリング試薬のいくつかの例として、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボン酸(SMCC)、及びスルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボン酸(スルホ-SMCC)が挙げられる。さらに別の実施形態において、チオール-チオールカップリング剤を用いて、少なくとも1つのチオール基を有する基を連結することができる。
いくつかの実施形態において、リンカーは、長さが原子1個分(例えば、--O--、--CH2--、または--NH--連結)、または2個もしくは3個分(例えば、アミド、ウレイド、カルバマート、エステル、カーボネート、スルホン、エチレン、またはトリメチレン連結)しかないほど小さい。別の実施形態において、リンカーは、少なくとも4、5、6、7、または8個分の原子長から最大で、例えば、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、または30個分までの原子長を有することにより、より高い運動自由度を提供する。好ましいリンカー長は、2~12個の原子、または4~8個の原子である。例示的な実施形態において、リンカーは、C4アルキルであり、このアルキルは非置換であってよい。例示的な実施形態において、リンカーは、トリアゾールを含む。
アテローム性動脈硬化
本明細書に記載される例示的なCD二量体は、アテローム性動脈硬化等の疾患の予防または治療に有用である。CD二量体と、1種以上の活性作用剤、例えば本明細書に記載されるもの(例えば、スタチン系等の抗高脂血症剤)との組み合わせは、あらゆるアテローム性動脈硬化、ならびにアテローム性動脈硬化の兆候、症候、または合併症を治療するのに有用である。アテローム性動脈硬化(動脈硬化性血管疾患またはASVDとしても知られており、冠動脈疾患またはCADとしても知られている)は、コレステロール等の脂肪物質が蓄積した結果、動脈壁が肥厚化する症状である。アテローム性動脈硬化は、数十年間無症候のままである可能性もある慢性疾患である。アテローム性動脈硬化は、動脈血管に影響を及ぼす症候群であり、動脈壁における慢性炎症反応は、マクロファージ白血球細胞の蓄積によるところが大きく、この慢性炎症反応は、機能性高密度リポタンパク質(HDL)によりマクロファージから脂肪及びコレステロールが適切に除去されないと、低密度リポタンパク質(コレステロール及びトリグリセリドを運搬する血漿タンパク質)により促進されると考えられる。アテローム性動脈硬化は、一般に、動脈の硬化または動脈での蓄積と称する。これは、動脈内に複数のプラークが形成されることにより引き起こされる。
アテローム性動脈硬化病変の病理生物学は複雑であるが、一般的に、安定したアテローム性動脈硬化プラークは、無症候である傾向があり、細胞外基質及び平滑筋細胞に豊富にある一方、不安定プラークは、マクロファージ及び泡沫細胞に豊富にあり、また、病変と動脈管腔とを隔てる細胞外基質(線維皮膜としても知られている)は、通常、脆弱で破裂しやすい。線維皮膜の破裂は、コラーゲン等の血栓形成材料を血液循環に露出させ、最終的に管腔での血栓形成を誘導する。形成の際、管腔内血栓は、動脈を完全に閉塞させる可能性もあるが(例えば、冠動脈閉塞)、より頻繁には、剥離されて血液循環に入り、最終的に下流のより小さな支流を閉塞させて血栓塞栓症を引き起こす可能性がある(例えば、頸動脈での血栓形成により脳卒中が引き起こされることが多い)。血栓塞栓症とは別に、アテローム性動脈硬化病変の慢性的な拡大により、管腔が完全に閉塞する可能性がある。病変の慢性的な拡大は、下流組織(複数可)への血液供給が不充分になり、その結果虚血が生じるほど管腔狭窄が重篤化するまで、無症候であることが多い。
進行性アテローム性動脈硬化のこうした合併症は、慢性であり、ゆっくりと進行し、また累積的である。場合によっては、ソフトプラークが突然破裂して血栓の形成を引き起こし、これが急速に血流の鈍化または停止をもたらし、動脈により供給を受けている組織の死亡を招く(梗塞)。冠動脈の冠動脈血栓症も、心筋梗塞を招く可能性のある共通合併症である。脳に行く動脈の遮断は、脳卒中をもたらす可能性がある。進行性アテローム性動脈硬化疾患では、脚部への不十分な血液供給による跛行が生じる可能性があり、典型的には、狭窄及び血餅で狭くなった動脈瘤セグメント両方の組み合わせにより引き起こされ得る。
アテローム性動脈硬化は、全動脈樹に影響し得るが、典型的には、冠動脈、腎動脈、大腿動脈、脳動脈、及び頸動脈等の大型で高圧の血管ほどリスクが高い。
アテローム性動脈硬化の兆候、症候、及び合併症として、上記で検討されたように、上昇した血漿中総コレステロール、VLDL-C、LDL-C、遊離コレステロール、コレステロールエステル、トリグリセリド、リン脂質、及び動脈の病変(例えば、プラーク)の存在が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、コレステロール(例えば、総コレステロール、遊離コレステロール、及びコレステロールエステル)の上昇が、血漿、大動脈組織、及び大動脈プラークの1つ以上で見られる場合がある。
特定の個体は、アテローム性動脈硬化の素因を有し得る。したがって、本開示は、アテローム性動脈硬化またはその兆候、症候、もしくは合併症を予防するため、対象に、CD二量体を単独で、または1種以上の追加の治療剤(例えば、スタチン系等の抗高脂血症剤)と併用して投与する方法に関する。いくつかの実施形態において、アテローム性動脈硬化の素因を有する対象は、以下の特徴:高齢、心疾患の家族歴、生物学的状態、血中高コレステロールのうち1つ以上を示し得る。いくつかの実施形態において、生物学的状態は、高レベルの血液中の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、低レベルの血液中の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、高血圧、インスリン抵抗性、糖尿病、過剰な体重、肥満、睡眠時無呼吸、一因となる生活スタイルの選択(複数可)、及び/または一因となる行動習慣(複数可)を含む。いくつかの実施形態において、行動習慣は、喫煙及び/またはアルコール摂取を含む。いくつかの実施形態において、生活スタイルの選択は、活動的ではない生活スタイル及び/または高いストレスレベルを含む。
例示的な実施形態では、アテローム性動脈硬化に罹患している患者に、本開示のCD二量体と、任意選択的に1種以上の追加作用剤とを併用して投与することを提供する。患者は、アテローム性動脈硬化の1つ以上の兆候または症候を示し得る。アテローム性動脈硬化は、ドップラー超音波検査、足関節上腕血圧比、心電図、ストレス試験、血管造影図(任意選択的に心臓カテーテル検査を使用)、コンピュータ断層撮影法(CT)、核磁気共鳴血管撮影(MRA)、または他の動脈画像化もしくは血流測定法のうち1つ以上に基づいて診断可能である。
例示的な実施形態では、本開示のCD二量体と1種以上の追加治療とを含む併用療法で投与することを提供する。アテローム性動脈硬化を治療するためのこれら併用療法は、本開示のCD二量体と、アテローム性動脈硬化の治療または予防のための、抗コレステロール薬、降圧薬、抗血小板薬、栄養補助食品、または手術もしくは行動介入等の別の療法とを含み得、別の療法としては、以下に記載されるものが挙げられるが、それらに限定されない。さらなる併用療法は、本開示のCD二量体と、アルドステロンアンタゴニスト、ACE阻害剤、ARB(アンジオテンシンII受容体遮断剤)、ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤)、ベータ遮断剤、血管拡張剤、カルシウムチャネル遮断剤、ジゴキシン、利尿剤、心臓ポンプ薬物、カリウム、マグネシウム、選択的洞結節阻害剤のうちの1種以上またはこれらの組み合わせ等の心不全の治療のための別の療法とを含む。萎縮型加齢黄斑変性症(AMD)またはシュタルガルト病を治療するための併用療法は、本開示のCD二量体と、LBS-008(Belite Bio)(レチノール結合タンパク質4の非レチノイドアンタゴニスト)、ビタミンC及びビタミンE、ベータカロテン、亜鉛、及び銅を含むAREDS栄養補助剤、ビタミンC及びビタミンE、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチン、及びオメガ3脂肪酸を有する栄養補助剤を含むAREDS2栄養補助剤、またはこれらの組み合わせ等のAMDの治療のための別の療法とを含む。アルツハイマー病を治療するための併用療法は、本開示のCD二量体と、コリンエステラーゼ阻害剤(ARICEPT(R)、EXELON(R)、RAZADYNE(R))及びメマンチン(NAMENDA(R))のうちの1種以上またはこれらの組み合わせとを含む。ニーマン-ピック病の併用療法は、本開示のCD二量体と、ミグルスタット(ZAVESCA(R))、HPβCD(TRAPPSOL CYCLO、VTS-270)、及び理学療法のうちの1種以上とを含む。当該併用療法は、同時に、本質的に同時に、またはいずれかの順序で順次に実行してもよい。併用療法は、単一製剤で同時に実行されてもよく、または別々に実行する場合もあり、任意選択的に、各薬剤を組み合わせて含有する投薬キットまたはパックを用い、これらのキットまたはパックは、例えば、組み合わせた各薬物の1回用量を1回以上提供する事前に測定された好都合な様式であり得る。併用療法は、相乗効果を示し得、組み合わせた療法の効果が、個々の単独治療の効果を超える。併用療法では、一般に、CD二量体及び組み合わせた療法を有効量で投与することを含むが、併用療法は、CD及び/または組み合わせた療法のより少ない投薬量で有効な治療をもたらすことが可能であり、これは有利なことに、通常(非併用)投薬量に伴う副作用を低下させる場合がある。
併用療法は、アテローム性動脈硬化に関連した疾患または症状、例えば、冠動脈疾患、狭心症、心臓発作、脳血管疾患、一過性脳虚血発作、及び/または末梢動脈疾患の治療または予防のための療法を含み得る。併用療法は、アテローム性動脈硬化形成及び/または予後の悪化の一因となる可能性がある症状、例えば、高血圧、高コレステロール血症、高血糖、及び糖尿病の治療または予防のための療法を含み得る。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、抗コレステロール薬、例えば、フィブラート系またはスタチン系薬剤、例えば、ADVICOR(R)(ナイアシン徐放性/ロバスタチン)、ALTOPREV(R)(ロバスタチン徐放性)、CADUET(R)(アムロジピン・アトルバスタチン合剤)、CRESTOR(R)(ロスバスタチン)、JUVISYNC(R)(シタグリプチン/シンバスタチン)、LESCOL(R)(フルバスタチン)、LESCOL XL(フルバスタチン徐放性)、LIPITOR(R)(アトルバスタチン)、LIVALO(R)(ピタバスタチン)、MEVACOR(R)(ロバスタチン)、PRAVACHOL(R)(プラバスタチン)、SIMCOR(R)(ナイアシン徐放性/シンバスタチン)、VYTORIN(R)(エゼチミブ/シンバスタチン)、及び/またはZOCOR(R)(シンバスタチン)等と同時投与される。抗コレステロール薬は、高コレステロール血症を予防または治療するのに有効な量で投与され得る。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、抗血小板薬物、例えば、アスピリンと同時投与される。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、降圧薬と同時投与される。降圧薬の例として、ベータ遮断剤、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネル遮断剤、及び/または利尿剤が挙げられる。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、栄養補助食品、例えば、アルファ-リノレン酸(ALA)、オオムギ、ベータ-シトステロール、紅茶、プランタゴ・オバタ(blond psyllium)、カルシウム、カカオ、タラ肝油、補酵素Q10、魚油、葉酸、ニンニク、緑茶、ナイアシン、オーツ麦ふすま、オメガ3脂肪酸(エイコサペンタエン酸(EPA)及び/またはドコサヘキサエン酸(DHA)等)、シトスタノール、及び/またはビタミンCのうちの1種以上と同時投与される。
例示的な併用療法は、患者の行動及び/または生活スタイルへの介入、例えば、禁煙、運動、及び健康的な食事、例えば、低密度リポタンパク質(LDL)が少なく及び任意選択的に高密度リポタンパク質(HDL)が高い食事等の相談及び/または支援を含む。
例示的な併用療法は、外科的介入、例えば、血管形成術、ステント留置、またはその両方等も含む。
本発明の方法は、ヒト対象においてアテローム性動脈硬化を治療または予防するのに有用である。場合によっては、患者は、アテローム性動脈硬化を示していること以外は健康である。例えば、患者は、治療の時点で、心血管系、血栓性、または他の疾患もしくは障害の他のどのようなリスク因子も示していない場合がある。しかしながら、他の場合において、患者は、アテローム性動脈硬化が原因であるもしくはそれと相関する疾患または障害を有すると診断されていること、あるいはそのような疾患または障害を発症するリスクがあることに基づいて選択される。例えば、本発明の医薬組成物の投与時点で、または投与前に、患者は、循環器疾患または障害、例えば、冠動脈疾患、急性心筋梗塞、無症候性頸動脈アテローム性動脈硬化、脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患等を有すると診断されている、あるいはそのような疾患または障害を発症するリスクがあると同定されている場合がある。循環器疾患または障害は、場合によっては、高コレステロール血症である。
他の場合において、本発明の医薬組成物の投与時点で、または投与前に、患者は、アテローム性動脈硬化を有すると診断されている、またはそれを発症するリスクがあると同定されている場合がある。
さらに他の場合において、本発明の方法で治療しようとする患者は、年齢(例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、または80歳より高齢)、人種、性別(男性または女性)、運動習慣(例えば、定期的な運動を行う、運動を行わない)、他の既存の病状(例えば、II型糖尿病、高血圧等)、及び現在の医学的状態(例えば、現在、スタチン系薬剤、例えば、セリバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン等、ベータ遮断剤、ナイアシン等を服薬している)からなる群より選択される1つ以上の要因に基づいて選択される。
6(αCD)、または7(βCD)、または8(γCD)の糖環(左から右)から構成される非置換環状オリゴ糖の化学構造を示す。全てのCDの全ての糖環は、D-グルコース分子である。 HPβCD C2DS4、C3DS4、C6DS4の化学構造を示す。 ランダムに置換されたMeβCD DS7の化学構造を示す。 ランダムに置換されたSBβCD DS4(遊離酸型)の化学構造を示す。 ランダムに置換されたSUCCβCD DS4(遊離酸型)の化学構造を示す。 ランダムに置換されたQAβCD DS4の化学構造を示す。 二量体構造。トリアゾールリンカーを用いて二次面を通じて連結される式IのC2-C2 βCD二量体を示す。 二量体構造。トリアゾールリンカーを用いて二次面を通じて連結される式IIのC3-C2 βCD二量体を示す。 二量体構造。トリアゾールリンカーを用いて二次面を通じて連結される式IIIのC3-C3 βCD二量体を示す。 二量体構造。可変リンカーを介して二次面を連結されるヒドロキシプロピルβCD二量体を示す。 二量体構造。可変リンカーを用いて二次面を通じて連結されるメチルβCD二量体を示す。 可能な置換基の例を示す。 L-A-B-A’-L’の表記で示される可能なリンカーの例を示し、ここで、n、n1、n2=1、2、3、4、または5個の炭素であり、LまたはL’=L1、L1’、L2、もしくはL2’である。 一次(1°)面及び二次(2°)面を有する「円錐台」形状のβCDの概略図を示す。 「頭部基」及び「尾部基」を有する7KCオキシステロールの構造を示す。 βCD O4平面とリガンド軸との間の角度測定の図を示す。 「上」及び「下」方向のβCD単量体-リガンド複合体の図を示す。7KCを例としては示すが、7位のカルボニル基だけが異なるコレステロールも同様である。 未変性(DS0)単量体型βCDに関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 単量体型HPβCD DS5に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 ブチル連結HPβCD DS5二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 トリアゾール連結HPβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 ブチル連結MeβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 トリアゾール連結MeβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 ブチル連結SBβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 トリアゾール連結SBβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 ブチル連結QAβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 トリアゾール連結QAβCD DS4二量体に関する、GROMOS力場における、リガンドの上下方向での、全てのO4酸素の重心とリガンドの重心の間の距離;CDのO4原子が形成する面に対して垂直なベクトルとリガンドの主軸との間の角度;CDとリガンドとの間の相互作用のレナード-ジョーンズ及びクーロンエネルギーのMD分析を示す。 様々なDSのHP及びMeβCD単量体によるコレステロールの可溶化を示す。 様々なDSのHPβCD DS約5及びMEβCD単量体による7KCの可溶化を示す。 様々なDSのQA、マルトシル、カルボキシメチル、スクシニル化、SBβCD、及びHPγCD単量体によるコレステロールの可溶化を示す。 様々なDSのQA、マルトシル、カルボキシメチル、スクシニル化、SBβCD、及びHPγCD単量体による7KCの可溶化を示す。図のいくつかの例において、βCDは、標識されたBCDであり、γCDは、標識されたGCDである。 HPβCD単量体と比較した様々なDSのHPβCDブチル連結二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を示す。 HPβCD単量体と比較した様々なDSのHPβCDトリアゾール連結二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を示す。 HPβCD単量体と比較したHPβCD DS3ブチル連結二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を示す。 HPβCD単量体と比較したHPβCD DS3トリアゾール連結二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を示す。 MeβCD DS3トリアゾール連結及びHPβCD DS3トリアゾール連結二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を示す。 様々なDSのβCD、QAβCD、SBβCD、及びSUCCβCDトリアゾール連結二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を示す。 βCD単量体及び二量体のin vitro性能を比較した7KC EC50及びin vitro7KC特異性スコアの散布図への編集を示す。低い7KC EC50は、CDが7KCに対して強い親和性を有することを示す。より高い7KC特異性スコアは、7KCがコレステロールよりもCDによってより良好に可溶化されたことを示す。三角形はβCDブチル連結二量体を示し、四角形はトリアゾール連結二量体を示し、丸形はβCD単量体を示す。 混濁度アッセイで測定された7KC EC50と、様々なDSにわたる様々な置換βCD単量体のin vitro7KC特異性スコア(黒棒)との間の比較を示す棒グラフである。 混濁度アッセイで測定された7KC EC50と、ブチル連結(斜めストライプ)及びトリアゾール連結(黒棒)置換βCD二量体のin vitro7KC特異性スコアとの間の比較を示す棒グラフである。 異なるDSでのトリアゾール連結及びブチル連結βCD二量体の異なる濃度及び置換による、治療後の赤血球(RBC)の溶血の割合を示す。 様々な濃度のHPβCD-ブチル-DS約8の二量体(0~2.5mM)を全血と共にインキュベートした後の血清中のコレステロール濃度(mg/dl)を示す。 HPβCD-ブチル-DS約8の二量体(0~2.5mM)を用いる治療による7KCの赤血球から血漿への流出を示す。 HPβCD単量体、DS約5(0~2.5mM)を用いる治療による7KCの赤血球から血漿への流出を示す。 HSQC及びROESY NMRによって決定されたCDホスト-ゲスト複合体におけるHPβCD-ブチル-DS約8の二量体及びコレステロールの空間的相互作用の概略断面図を示す。左方のモデルは、両方のHPβCDユニットの二次面にコレステロールが含まれており、右方のモデルは1つのHPβCDユニットの二次面にコレステロールの尾部が部分的に含まれている。 HSQC及びROESY NMRによって決定されたCDホスト-ゲスト複合体におけるHPβCD-ブチル-DS約8の二量体及び7KCの空間的相互作用の概略断面図を示す。 HSQC及びROESY NMRによって決定されたCDホスト-ゲスト複合体におけるHPβCD-トリアゾール-DS約3の二量体及びコレステロールの空間的相互作用の概略断面図を示す。左方のモデルは、両方のHPβCDユニットの二次面にコレステロールが含まれており、右方のモデルは1つのHPβCDユニットの二次面にコレステロールの尾部が部分的に含まれている。 HSQC及びROESY NMRによって決定されたCDホスト-ゲスト複合体におけるHPβCD-トリアゾール-DS約3の二量体及び7KCの空間的相互作用の概略断面図を示す。 1,4-ジブロモブタンに基づく1つのリンカー単位を用いて接続されたヒドロキシプロピル化二量体の合成戦略(ブチル連結HPβCD二量体であるHP-(βCD-ブチル-βCD)をもたらす)を示す。 HP-(βCD-ブチル-βCD)二量体のMALDIスペクトルを示す。 HP-(βCD-ブチル-βCD)二量体の可能な異性体の1種の構造を、原子に番号を付して示す。 HP(βCD-BUT-βCD)(DO、298K)のH-NMRスペクトルを、シグナル標識及びDS計算と共に示す。 HP(βCD-BUT-βCD)のDEPT編集HSQCスペクトルを示し、全て帰属済み(DO、298K)である。白黒に変換されている。 3-アジド-1-ブロモ-プロパンに基づく1つのリンカー単位に接続された2-ヒドロキシプロピル化二量体の合成戦略(トリアゾール連結HPβCD二量体であるHP-(βCD-トリアゾール-βCD)をもたらす)を示す。 HP-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のMALDIスペクトルを示す。 HP-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の可能な異性体の1種の構造を、原子に番号を付して示す。 HP(βCD-トリアゾール-βCD)(DO、298K)のH-NMRスペクトルを、DS計算と共に示す。 HP(βCD-トリアゾール-βCD)のDEPT編集HSQCスペクトルを示し、リンカーが帰属(DO、298K)されている。白黒に変換されている。 Me-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の合成スキームを示す。 Me-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のMALDIスペクトルを示す。 Me-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の可能な異性体の1種の構造を、原子に番号を付して示す。 Me(βCD-トリアゾール-βCD)(DO、298K)のH-NMRスペクトルを、シグナル標識と共に示す。 Me-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のCOSY-NMRスペクトルを示し、一部帰属されている。 Me-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のDEPT編集HSQCスペクトルを示し、全て帰属済みである。白黒に変換されている。 SB-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の合成スキームを示す。 SB-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体低DSのMALDIスペクトルを示す。 SB-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の可能な異性体の1種(ナトリウム塩型)を、原子に番号を付して示す。 SB(βCD-トリアゾール-βCD)低DS(DO、298K)のH-NMRスペクトルを、シグナル標識と共に示す。 SB(βCD-トリアゾール-βCD)二量体低DSのCOSYスペクトルを示し、一部帰属(DO、298K)されている。 SB-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体低DSのDEPT編集HSQCスペクトルを示し、全て帰属済み(DO、298K)である。白黒に変換されている。 SB-(βCD-トリアゾール-βCD)高DSのMALDIスペクトルを示す。 SB(βCD-トリアゾール-βCD)高DS(DO、298K)のH-NMRスペクトルを示す。 SB(βCD-トリアゾール-βCD)二量体高DSのCOSYスペクトルを示し、一部帰属(DO、298K)されている。 SB(βCD-トリアゾール-βCD)二量体高DSのDEPT編集HSQCスペクトルを示し、全て帰属済み(DO、298K)である。白黒に変換されている。 QA-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の合成スキームを示す。 QA-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のMALDIスペクトルを示す。 可能なQA-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の異性体(DS4)の1種の構造を、原子に番号を付して示す。 QA(βCD-トリアゾール-βCD)(DO、298K)のH-NMRスペクトルを、シグナル標識及びDS計算と共に示す。 QA(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のCOSYスペクトルを示し、一部帰属(DO、298K)されている。 QA(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のDEPT編集HSQCスペクトルを示し、全て帰属済み(DO、298K)である。白黒に変換されている。 SUCC-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の合成スキームを示す。 SUCC-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のMALDIスペクトルを示す。 可能なSUCC-(βCD-トリアゾール-βCD)二量体の異性体(DS4)の1種の構造(遊離酸型)を、原子に番号を付して示す。 SUCC(βCD-トリアゾール-βCD)(DO、298K)のH-NMRスペクトルを、シグナル標識と共に示す。 SUCC(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のCOSYスペクトルを示し、一部帰属(DO、298K)されている。 SUCC(βCD-トリアゾール-βCD)二量体のDEPT編集HSQCスペクトルを示し、全て帰属済み(DO、298K)である。白黒に変換されている。 βCD及びβ’CDの化学構造である構造A-Xa及び構造A-Xbを示し、それらは組み合わされ、CD二次面のL1、L2、L1’、及びL2’位置で共有結合することによってホモ二量体を形成する。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL1及びL1’位置で共有結合する2つのβCDからなるホモ二量体の化学構造を示す。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL1及びL2’位置で共有結合する2つのβCDからなるホモ二量体の化学構造を示す。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL2及びL2’位置で共有結合する2つのβCDからなるホモ二量体の化学構造を示す。 A-B-A’で表される一般的なリンカーを用いて二量体化βCDの概略構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。両方の単量体は、一次面及び二次面で同じ官能基でランダムに置換される。 一般的なA-B-A’リンカーを用いて2-ヒドロキシプロピル置換DS6のβCDホモ二量体の概略構造を示し、当該A-B-A’は本明細書で定義されるとおりである。 一般的なA-B-A’リンカーを用いてメチル置換βCDホモ二量体の概略構造を示し、当該A-B-A’は本明細書で定義されるとおりである。 MDシミュレーションで評価される一次側DS6のブチル部分で置換されるトリアゾール連結βCDホモ二量体の概略構造を示す。 MDシミュレーションで評価される一次側DS6の(2-ヒドロキシプロピル)部分で置換されるトリアゾール連結βCDホモ二量体の概略構造を示す。 MDシミュレーションで評価される一次側DS6のブチル部分で置換されるトリアゾール連結βCDホモ二量体の可能な異性体の1種の完全な化学構造を示す。 MDシミュレーションで評価される一次側DS6の(2-ヒドロキシプロピル)部分で置換されるトリアゾール連結βCDホモ二量体の可能な異性体の1種の完全な化学構造を示す。 7KCまたはコレステロールと両方向で複合体を形成する一次側DS6のブチル部分で置換されたトリアゾール連結βCDホモ二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 7KCまたはコレステロールと両方向で複合体を形成する一次側DS6の(2-ヒドロキシプロピル)部分で置換されたトリアゾール連結βCDホモ二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 ブチル連結αCDホモ二量体の合成経路を示す。 トリアゾール連結αCDホモ二量体の合成経路を示す。 αCD及びβCDの化学構造である構造B-Xa及び構造B-Xbをそれぞれ示し、それらは組み合わされてCD二次面のL1、L2、L1’、及びL2’位置で共有結合することによってヘテロ二量体を形成する。 ヘテロ二量体CDと7KCの複合体の「上」方向を示す。 ヘテロ二量体CDと7KCの複合体の「下」方向を示す。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL1及びL1’位置で共有結合するαCD及びβCDからなるヘテロ二量体の化学構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL1及びL2’位置で共有結合するαCD及びβCDからなるヘテロ二量体の化学構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL2及びL2’位置で共有結合するαCD及びβCDからなるヘテロ二量体の化学構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。 A-B-A’で表される一般的なリンカーを有するαCD-βCD’ヘテロ二量体の概略構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。両方の単量体は、一次面及び二次面で同じ官能基でランダムに置換される。 MDシミュレーションで評価された未変性αCD-未変性βCDトリアゾール連結ヘテロ二量体の概略構造を示す。 MDシミュレーションで評価されたHPDS2αCD-HPDS2βCDトリアゾール連結ヘテロ二量体の概略構造を示す。 MDシミュレーションで評価されたSBDS2αCD-SBDS2βCDトリアゾール連結ヘテロ二量体の概略構造を示す。 両方の方向で7KCまたはコレステロールと複合体を形成した未変性αCD-未変性βCDヘテロ二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 両方の方向で7KCまたはコレステロールと複合体を形成したHPDS2αCD-HPDS2βCDヘテロ二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 両方の方向で7KCまたはコレステロールと複合体を形成したSBDS2αCD-SBDS2βCDヘテロ二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 混濁度アッセイから得た、350nmでの未変性αCD、HPβCD DS約5、及び未変性αCDとHPβCD DS約5の1:1モル混合単量体溶液による7KCまたはコレステロールの可溶化のin vitro%混濁度の結果を示す。 混濁度アッセイから得た、350nmでのHP-αCD、HPβCD DS約5、及びHP-αCDとHPβCD DS約5の1:1モル混合単量体溶液による7KCまたはコレステロールの可溶化のin vitro%混濁度の結果を示す。 ブチル連結βCD-αCDヘテロ二量体を作製するための合成経路を示す。 トリアゾール連結βCD-αCDヘテロ二量体を作製するための合成経路を示す。 スルホブチル化されたトリアゾール連結βCD-αCDヘテロ二量体を作製するための合成経路を示す。 2つのβCDの化学構造である構造C-Xa及び構造C-Xbを示し、それらは組み合わされ、CD二次面のL1、L2、L1’、及びL2’位置で共有結合する非対称二量体を形成する。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL1及びL1’位置で共有結合するβCDからなる非対称二量体の化学構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL1及びL2’位置で共有結合する2つのβCDからなる非対称二量体の化学構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。 一般的なリンカーA-B-A’を用いて各CDの二次面のL2及びL2’位置で共有結合する2つのβCDからなる非対称二量体の化学構造を示し、当該A-B-A’は、本明細書で定義されるとおりである。 MDシミュレーションで評価された未変性βCD-HPβCD(DS3-ランダム置換)非対称二量体の概略構造を示す。 MDシミュレーションで評価された未変性βCD-C6HPβCD(DS3)非対称二量体の概略構造を示す。 MDシミュレーションで評価された未変性βCD-C6HPβCD(DS7)非対称二量体の概略構造を示す。 両方の方向で7KCまたはコレステロールと複合体を形成した未変性βCD-HPβCD(DS3-ランダム置換)非対称二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 両方の方向で7KCまたはコレステロールと複合体を形成した未変性βCD-C6HPβCD(DS3)非対称二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 両方の方向で7KCまたはコレステロールと複合体を形成した未変性βCD-C6HPβCD(DS7)非対称二量体のMDシミュレーションの結果を示す。 トリアゾール連結HPβCD-βCD非対称二量体を作製するための合成経路の最初の2つのステップを示す。 トリアゾール連結HPβCD-βCD非対称二量体を作製するための合成経路の3番目のステップを示す。DS3が示される。 アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)(ステップ1A)及び保護された2-ヒドロキシプロピル化剤(ステップ1B)の調製を示す。 βCD単量体の1つであるトリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDの構造の一部を示す。 それぞれトリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDの完成構造を示す。 トリアゾール連結HPβCD-βCD非対称二量体を作製する付加環化反応を示す。DS3が示される。 アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)及び保護されたバージョンである2-ヒドロキシプロピル化剤の調製を示す。 ステップ2:それぞれ2つのβCD単量体、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD、及び非対称単量体per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDの構造を示す。 ステップ2(続き):それぞれ2つのβCD単量体、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD、及び非対称単量体per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDの構造を示す。 C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS7非対称二量体を作製する付加環化反応を示す。 H-NMRスペクトル、DO、298Kの(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDを示す。 H-NMRスペクトル、DO、298Kの(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDを、DS計算と共に示す。 H-NMRスペクトル、DO、298Kの(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDを示し、一部帰属されている。 DEPT編集HSQCスペクトル(一部帰属されている)、DO、298Kの(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDを示す。 per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDのTLCを示す。 per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDのMALDIスペクトルを示す。 per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDのH NMRスペクトルを示す。 per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDのCD核を拡大したH NMRスペクトル(23Cと同様)を示す。 per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDの13C NMRスペクトル(CDCl、298K)を示す。 per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDのIRスペクトル(CDCl、298K)を示す。
I.定義
特に記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲を含む本出願で使用される以下の用語は、本明細書中与えられる定義を有する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈から明白に決定されない限り、複数についての言及を含む。
CD(CD)は、6(αCD)、7(βCD)、または8(γCD)の糖環から構成される環状オリゴ糖を指す。
「ヒドロキシプロピル(HP)」置換CD(CD)。本明細書で用いられる場合、用語「ヒドロキシプロピル置換CD」、または「HP置換CD」、または「HPβCD」、または「HPαCD」は、少なくとも1つの2-ヒドロキシプロピル基、すなわち-CH-CH(OH)-CHに連結されたCDを指す。典型的には、HP基は、CDのC2、C3、及び/またはC6炭素と連結された酸素原子と連結される(最も一般的には、これらの結合部位が混在する)。
SBβCD、SBBCD、SB-BCD、SB-βCD、及び同様の用語で略記されるスルホブチル(SB)ベータCDは、1つ以上のスルホブチル基、すなわち、-CH2-CH2-CH2-CH2-SO3Hもしくは-CH2-CH2-CH2-CH2-SO3Na、またはそれらの他の塩で置換されたベータCDを指し、この基は、典型的には、CDのC2、C3、及び/またはC6炭素と連結された酸素原子と連結される(最も一般的には、これらの結合部位が混在する)。
QAβCD、QABCD、QA-BCD、QA-βCD、及び同様の用語で略記される「第四級アンモニウム(QA)ベータCD」は、1つ以上の置換または非置換された第四級アンモニウム基で置換されたベータCDを指す。置換されてもよい1つの第四級アンモニウム塩は、置換されてもよい構造トリメチルアンモニウムプロピルを有し、好ましくは2-ヒドロキシトリメチルアミノプロピル-、すなわち-CH-CH(OH)-CH-N(CHである。第四級アンモニウム塩は、典型的には、CDのC2、C3、及び/またはC6炭素と連結された酸素原子と連結される(最も一般的には、これらの結合部位が混在する)。
MeβCD、MeBCD、Me-BCD、Me-βCD、及び同様の用語で略記されるメチル化(Me)ベータCDは、1つ以上のメチル基、すなわち、-CH3で置換されたベータCDを指し、この基は、典型的には、CDのC2、C3、及び/またはC6炭素と連結された酸素原子と連結される(最も一般的には、これらの結合部位が混在する)。
CMβCD、CMBCD、CM-BCD、CM-βCD、及び同様の用語で略記されるカルボキシメチル化(CM)ベータCDは、1つ以上のカルボキシメチル基、例えば、-CH-COHもしくは-CH2-CO2Na、またはそれらの他の塩で置換されたベータCDを指し、この基は、典型的には、CDのC2、C3、及び/またはC6炭素と連結された酸素原子と連結される(最も一般的には、これらの結合部位が混在する)。
SUCCβCD、SUCCBCD、SUCC-BCD、SUCC-βCD、及び同様の用語で略記されるスクシニル化(SUCC)ベータCDは、置換されてもまたは非置換でもよい1つ以上のスクシニル基、好ましくは、例えば、-CO-CH-CH-COOHもしくは-CO-CH2-CH2-COONa、またはそれらの他の塩で置換されたベータCDを指し、この基は、典型的には、CDのC2、C3、及び/またはC6炭素と連結された酸素原子と連結される(最も一般的には、これらの結合部位が混在する)。
「C2」、「C3」、及び「C6」は、それぞれ異なる置換基(例えば、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、カルボキシメチル、及び第四級アンモニウム官能基)で置換され得るヒドロキシル官能基またはCD単量体の間のリンカーを有するグルコースサブユニットの炭素位置を指す。
大面(二次面)とは、グルコースサブユニットのC2及びC3炭素からの、ヒドロキシル基を有するCD単量体側を指す。
小面(一次面)とは、グルコースサブユニットのC6炭素からの、ヒドロキシル基を有するCD単量体側を指す。
頭部基とは、コレステロールまたは7KC等のステロール構造の環状領域を指す。図3Bを参照されたい。
尾部基とは、コレステロールまたは7KC等のステロール構造のアルキル領域を指す。図3Bを参照されたい。
リンカーは、連結基と同義であり、CD二量体のCDに接続する[A-B-A’]として表されることが多い化学単位として定義される。例示的なリンカーは、各CDサブユニットのC2またはC3炭素を介して、例えば、酸素または結合であり得る上記の炭素に結合したL1、L1’、L2、またはL2’を介して接続することができる。
リンカー長。本明細書で使用される場合、リンカーの長さまたはそれと同義の「リンカー長」は、CD二量体の2つのCDサブユニットを接続させるリンカーを通る最短経路でのリンカーの原子数を指す。多くの実施形態において、リンカー長は、CDに接続するAの末端原子と、他のCDに結合するA’の末端原子との間の原子の最短鎖であり、当該原子鎖は、A、B、及びA’の原子のみを通過し、すなわち、構造A-X、B-X、またはC-Xを参照する場合、リンカー長には、L1、L2、またはL3の原子が存在し、それらを介してA及びA’がそれぞれのCDサブユニットに接続する場合、それらの原子を数えることは含まれない。
ヘッドツーヘッド(head-to-head)CD二量体は、2つのCD単量体がCDの大面(二次面)を介して連結されている、典型的には、各CD単量体のC2及び/またはC3炭素を介して結合しているCD二量体を指す。
テールツーテール(tail-to-tail)CD二量体は、2つのCD単量体がCD分子の小面(一次面)に結合されている、典型的には、各CD単量体のC6炭素を介して結合しているCD二量体を指す。
ヘッドツーテール(head-to-tail)CD二量体は、2つのCD単量体が反対側の末端に結合されたことを指し、すなわち、一方の単量体が、典型的にはC6炭素を介して小面(一次面)から結合し、他方が、典型的にはC2及び/またはC3炭素を介して大面(二次面)から結合するCD二量体を指す。
置換度(DS)。本明細書で使用される置換度(DS)は、CD単量体または二量体に結合した置換基の量を表す。一般に、DSは、全ての位置、例えば、CD単量体または二量体に含まれる全てのC2、C3、及びC6炭素に連結される位置の置換の総数(すなわち、水素以外の原子で置換される位置の数)を指す。明確にするために、二量体または多量体の場合、DSは、各CDサブユニットへのリンカーの結合点(複数可)を数えること含まず、DSは、リンカー自体にのみ結合した置換基も含まない。例えば、構造A-Xa及びA-Xbを含む構造A-X(または同様に、必要な変更を加えた構造B-XまたはC-X)を参照すると、この用語は、Hでない原子R1、R1’、R2、R2’、R3、及びR3’の総数を指す。この例において、DSは、対応するL1、L1’、L2、L2’、L3、またはL3’(例えば、結合、O、S等)の構造に関係なく、前述のR基に基づいて決定される。DSという用語を特定の置換基名と組み合わせて使用し、その特定の基の合計数を表すことができる。DSという用語は、置換の位置(例えば、D-グルコース単量体のC6位置)と組み合わせ使用し、全てのCD単量体の周囲の類似の位置にある置換基の総数を表すこともできる。例えば、C6 2-ヒドロキシプロピル DS4 βCDは、CD二量体の各CD単量体が利用可能なC6位置に結合した4つの2-ヒドロキシプロピル基を有することを伝えることを意図している。明確には、DSという用語は、CDの1つのサブユニットまたは複数のサブユニットの置換基を指すために使用され、これは一般に、他の場所、例えばCD二量体を結合するリンカーで引き起こされ得る置換の数とは無関係である。さらにDSは、様々な数の置換基、例えば置換されたCDを有するCD分子を含有する調製の場合等の平均値を指すことができ、よって、DS約4.2等の非全体値であり得る。
DSは、質量分析技法(例えば、マトリクス支援レーザー脱離イオン化法、「MALDI」)を含む既知の技術によって、またはNMRによって測定し得る。MALDIは、例えば、メチル、ヒドロキシプロピル、及びスルホブチル置換基について呈するとおり、質量スペクトルにイオンのより典型的なガウス分布を与える置換基を有するCD誘導体について好適である(例えば、本明細書の図7B、7G、7R、7W、7AB、7AH及び米国出願第16/733,945号の図10G~10I、10P~10Q、11C~11G、11I、12E、及び12Kを参照されたい)。MALDIにより特定する場合の平均DSは、問題のCDの各DS種に該当するシグナルのピーク強度の平均化により計算する。他の場合には、例えば、様々な付加体、断片化、切断産物等の形成のため、通常あまり見られないイオンピークパターンが存在する場合がある。他の質量分析技法を利用して、こうした問題を潜在的に回避することができる。また、NMRを使用して、核二量体のプロトンに該当するピークを同定し、最初に、ピーク面積がその構造中の既知数の当該プロトンに相当するように測定値の尺度を決定することにより、DS値を特定し得る。次いで、置換基中のプロトンに該当するシグナルを調べ、適切に尺度計算して、平均DSを得る。これより単純な場合、置換基プロトンに該当する明白に分解されたピークが同定され、上記のとおり、すでに尺度計算されているので、次いで、当該ピーク中に存在するプロトンの個数で除算し、置換基の平均数を得る。例えば、ヒドロキシプロピル置換基の場合、核構造(グルコピラノースの芳香族領域)の14個のプロトンに該当すると同定されたピークが、同定及びシグナル化により14に正規化され、次いでメチル置換基の3個のプロトンに該当するピークが同定され、最後に当該ピークの面積を3で除算することにより、1分子当たり存在するヒドロキシプロピル基の平均数が得られる。他の例では、置換基ピーク及びCD核ピークは、非常に近接しているまたは重なり合っている場合がある。この場合、CD核構造の寄与プロトンの数が同定され、次いで、ピーク面積から差し引かれ(ピーク面積は、すでに、1プロトン当たり1の積分面積に尺度計算されている)、次いで、残りの面積が、寄与プロトンの数で除算され、平均DSが得られる。例えば、メチル置換基の場合(例えば、米国出願第16/733,945号に示された図11K~図11Lを参照されたい。また、本明細書の図7N~7Pに示されたMeTriDi NMRも参照されたい。)、ピークの集まりが、置換基の3個のメチル水素、及び追加で、核CD二量体構造の86個のプロトンの集団に該当すると同定された。ヒドロキシプロピル置換基の例と同様に、核構造(グルコピラノースのアノマー領域)の14個のプロトンに該当すると同定されたピークが、同定及びシグナル化により14に正規化され;メチル水素及び核CD水素を含有するピークの面積が、92.77であると決定され、このシグナルを核CD構造の86個のプロトンから差し引くと、残り6.77であり;各メチル基の3個のプロトンで除算した後、平均DSは、2.26であると見積もられた。HP及びME置換CDの場合、積分値を3で除算し、QAの場合、積分値を9で除算し、SBの場合、積分値を2で除算し、SUCCの場合、積分値を4で除算する。上記の計算は、置換基構造中のプロトンに該当するピークの同定に基づき、他種の置換基に直接に適応される。CD組成物、例えば、CD二量体組成物(以下で定義)等は、それぞれが異なる個数の置換基で置換された個々の分子の混合物を含む場合があり、その場合、DS値は、置換数の平均(中央値)として表される。分数のDS値は、中央値が整数の置換の間を取り得る場合を反映している。特に記載がない限り、整数のDS値は、最も近い整数に丸めた場合のDS数を有するCD組成物を示す。例えば、DS4は、DS値が少なくとも3.5~4.5未満であることを示す。
CD二量体組成物。本明細書で使用される場合、「CD二量体組成物」または「CD二量体組成物」という用語は、CD二量体の混合物、例えば、様々な数の同じ置換基で置換されているCD二量体の混合物を指す。典型的には、CD二量体組成物は、特定の置換基で特定されたDSを有することを特徴とする。CD二量体組成物は、大部分はCD分子の対称性故に、個々のCD分子が置換基の個数及び位置において様々に異なるような確率論的方式で、置換基がCD二量体に付加される合成プロセスから生じる可能性がある。さらに、CD二量体組成物は、リンカー結合部位が異なる(例えば、O2とO2、O2とO3、O3とO2、またはO3とO3)個別の分子の混合物を含む場合もあれば、そうではなくて、リンカー結合部位が均一である場合もある(例えば、O2とO2のみ、O2とO3のみ、O3とO2のみ、またはO3とO3のみ)。CD二量体組成物のDSは、NMR及び/または質量分析により、例えば、上記のとおりに特定され得る。
「特異的に結合する」等の用語は、分子、例えば、本開示のCD二量体が、結合パートナー、例えば、コレステロール(オキシステロール等、例えば、7KC)と、生理学的条件下で比較的安定な複合体を形成することを意味する。分子が結合パートナーと特異的に結合するかどうかを特定する方法は、当該技術分野で周知であり、そのような方法としては、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴等が挙げられる。例示的な実施形態において、本開示のCD二量体は、約5μM~約100μM、約10μM~約90μM、約20μM~約80μM、約30μM~約70μM、約40μM~約60μM、約0.5μM~約50μM、約1μM~約40μM、約2μM~約30μM、約3μM~約20μM、約4μM~約10μM、約1000μM未満、約500μM未満、約300μM未満、約200μM未満、約100μM未満、約90μM未満、約80μM未満、約70μM未満、約60μM未満、約50μM未満、約40μM未満、約30μM未満、約20μM未満、約10μM未満、約5μM未満、約4μM未満、約3μM未満、約2μM未満、約1μM未満、または約0.5μM未満のKDでコレステロール、オキシステロール、または7KCに結合する。
コレステロールに対する親和性よりも高い7KCに対する親和性。本明細書で使用される場合、「コレステロールに対する親和性よりも高い7KCに対する親和性」という用語は、化合物(例えば、CD)が、コレステロールに対してよりも高い7KCの可溶化能力を有することを指す。より高い親和性は、分子ドッキングにより予測する、分子動態シミュレーションにより予測する、または、熱量測定により測定することも可能である。例示的な実施形態において、CD二量体は、コレステロールとの結合親和性に比べて、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、または少なくとも50倍強い、7KCとの結合親和性を有し、これは、任意選択的に、例えば、本明細書中の実施例に記載される手順を用いて、懸濁液中の7KCの50%が可溶化される濃度を比較することにより特定され得る。例示的な実施形態において、CD二量体は、コレステロールとの結合親和性に比べて、少なくとも1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍強い、7KCとの結合親和性を有し、これは、任意選択的に、コンピュータ計算または測定されたコレステロールとの結合親和性(KD)を、コンピュータ計算された7KCとの結合親和性で除算することにより特定され得る。
一方の化合物に対する親和性が他方に対してよりも高いこと、例えば、コレステロールに対する親和性よりも高い7KCに対する親和性は、PBS中3%エタノール、300uMのステロール、及び試験対象のCDの1mMを含有する水性懸濁液で行う「混濁度試験」を用いて特定し得る。試験結果を規格化する目的で、この単一濃度のCDを用いる。試験を行うため、試料を37℃で30分間インキュベートし、次いで350nmでの吸光度を、例えば、分光光度計プレートリーダーを用いて測定する。相対混濁度は、CDの存在下で測定された混濁度をCDなしのベースライン混濁度で除算することにより特定される。7KC懸濁液の相対混濁度が、コレステロール溶液の相対混濁度よりも低い場合、所与のCDは、コレステロールに対する親和性よりも高い7KCに対する親和性を有する。
疎水性薬物。本明細書で使用される場合、「疎水性薬物」という用語は、ある種の界面活性剤または他の溶媒が存在しなければ、水に溶解しない薬物を示す。疎水性薬物としては、ホルモン、例えば、エストロゲン、プロゲステロン、及びテストステロンが挙げられるが、これらに限定されない。本開示のCD二量体は、疎水性薬物用の賦形剤として使用され得る。疎水性薬物の追加例としては、いくつかの例を挙げると、デキサメトルファン(DXM)、ジフェンヒドラミン(DPH)、リドカイン(LDC)、ベンドロフルメチアジド、アシクロビル、レバプラザン、クルクミン、及びテストステロンプロピオン酸塩(TP)が挙げられる。CD二量体は、分子の溶解性を上昇させる及び/またはより良好な薬物送達の助けとなるのに十分な量で存在し得る。薬物対CDの分子比は、1:1の比である場合も、1:1を超える場合もある。
当該疎水性薬物を可溶化するのに有効な量。本明細書で使用される場合、「当該疎水性薬物を可溶化するのに有効な量」という語句は、典型的には、水性組成物、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)または水に、疎水性薬物を可溶化することができる物質(例えば、1つまたは複数のCD二量体)の濃度を指す。可溶化は、当該技術分野で既知である分光測定法または他の手段により測定可能である。可溶化は、室温、生理的温度(37℃)、または別の適切な温度(例えば、0℃~4℃)で測定し得る。
ヘテロ二量体。本明細書で使用される場合、ヘテロ二量体は、リンカーA-B-A’を用いて共有結合する2つの異なるCD単量体形態(すなわち、αCD-A-B-A’-βCD)を指す。
ホモ二量体。本明細書で使用される場合、ホモ二量体は、[A-B-A’]等のリンカーを用いて共有結合する、同じ官能基を有する2つの同一のCD単量体形態(すなわち、βCD-[A-B-A’]-βCD’)を指す。
非対称二量体。本明細書で使用される場合、非対称二量体は、A-B-A’等のリンカーを用いて共有結合する、各CD単量体上の異なる置換の組み合わせを有する2つのCD単量体を指す。非対称二量体の非限定的な例としては、それぞれ異なる数の同じ置換基を含む2つのサブユニットを有する二量体、それぞれが異なる置換基を含む二量体、一方の単量体の1つの位置に1つの置換基が含まれ、他方の単量体の異なる位置(例えば、一方の単量体のC2またはC3置換基)及び他方の単量体のC6置換基に同じまたは異なる置換基が含まれる二量体、一方の単量体が置換され、他方は置換されていない二量体等、一方の単量体に正に帯電した置換基を有し、他方の単量体に負に帯電した置換基を有する二量体等が挙げられる。前述のものの組み合わせ、例えば、各単量体上に異なる種の異なる数の置換基を含む二量体も想定される。
分子動力学(MD)は、CD-ステロール複合体の分子間相互作用を特定するために使用されるGROMACS(例えば、GROMOS 54a7を通じた)ソフトウェアを使用するコンピュータシミュレーション方法を指す。
「上方向」とは、ステロールの頭部基が小/一次面に関連し、尾部基が大/二次面に関連する、CDに対するコレステロール及び/または7KCの位置を指す。ヘテロ二量体の場合、上方向とは、ステロールの頭部基がβCD姉妹単量体にあり、尾部基がαCD姉妹単量体にあるものを指す。
「下方向」とは、ステロールの尾部基が小/一次面に関連し、頭部基が大/二次面に関連する、CDに対するコレステロール及び/または7KCの位置を指す。ヘテロ二量体の場合、下方向とは、ステロールの頭部基がαCD姉妹単量体にあり、尾部基がβCD姉妹単量体にあるものを指す。
O4面(またはO4軸)は、CD分子を構成するグルコース単位のO4酸素によって形成される平面を指す。O4は、グルコース単位の標準的な命名法によると、酸素数4を指す。図3を参照されたい。
O4面と組み合わせて使用される用語「角度」、例えば「O4面角度」は、一方のCD単量体のO4面とリガンド軸との間の角度を指し、リガンドがどのくらい十分にCD空洞内側に収まっているかを示す。「角度」測定は、リガンドが周囲の水分子からどのくらい十分遮蔽されているかを特定するのに有用である場合があり、ゼロまたは180度は、リガンドがCDのO4面に対して垂直であることを示し、したかって、2つの分子は可溶性複合体にある可能性が最も高い一方、90度は、リガンドがCD面と平行であり、空洞内で複合体形成する可能性が低いことを示す。この複合体の場合、およそ30度が、「上」方向で複合体形成した場合に相当し、約150度が、「下」方向で複合体形成した場合に相当する。
MDシミュレーションに関する距離とは、ステロールの重心とCD二量体の重心との間の距離を指す。
MDシミュレーションに関するエネルギーは、ステロールとCD二量体との間の相互作用のエネルギーを指す。
「アルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなる、直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素部分を意味する。
「低級アルキル」は、1個~6個の炭素原子のアルキル基、すなわち、C3アルキルを指す。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、n-ヘキシル、オクチル、ドデシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアルキル」は、C原子の少なくとも1つが、O、N、もしくはS、または任意選択的にSiもしくはPからなるリストから選択されるヘテロ原子によって置換されている、直鎖または分岐鎖の炭化水素部分を意味する。例としては、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、アルキルスルファニル、アルキルアミノアルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルコキシ、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、またはジアルキルアミノスルホニルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含む、炭素原子2~12個の直鎖の一価炭化水素ラジカルまたは炭素原子3~12個の分岐鎖の一価炭化水素ラジカルを意味する。アルケニル基の例としては、エテニル(ビニル、-CH=CH)、1-プロペニル(-CH=CH-CH)、2-プロペニル(アリル、-CH-CH=CH)部分が挙げられるが、これらに限定されず、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルコキシアルキル」は、式Ra-O-Rb-である部分を意味し、式中、Raはアルキルであり、Rbはアルキレンであり、本明細書で定義されるとおりである。アルコキシアルキル基の例としては、例えば、2-メトキシエチル、3-メトキシプロピル、1-メチル-2-メトキシエチル、1-(2-メトキシエチル)-3-メトキシプロピル、及び1-(2-メトキシエチル)-3-メトキシプロピルが挙げられる。
「アルコキシアルコキシアルキル」は、式-R-O-R’-O-R’’である基を意味し、式中、R及びR’はそれぞれアルキレンであり、R’’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルキルカルボニルオキシアルキル」は、式-R-O-C(O)-R’である基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルキルカルボニル」は、式-R’-R’’である部分を意味し、式中、R’は-C(=O)-であり、R’’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルキルスルホニル」は、式-R’-R’’である部分を意味し、式中、R’は-SO-であり、R’’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルキルスルホニルアルキル」は、式-R’-R’’-R’’’である部分を意味し、式中、R’はアルキルであり、R’’は-SO-であり、R’’’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルキルアミノ」は、式-NR-R’である部分を意味し、式中、Rは水素またはアルキルであり、R’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アミノアルキル」は、基-R-R’を意味し、式中、R’はアミノであり、Rはアルキレンであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。「アミノアルキル」としては、アミノメチル、アミノエチル、1-アミノプロピル、2-アミノプロピル等が挙げられる。
「ジアルキルアミノアルキル」は、基-R-NR’R’’を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’及びR’’はアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。ジアルキルアミノアルキルとしては、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N-メチル-N-エチルアミノエチル等が挙げられる。
「アミノアルコキシ」は、基-OR-R’を意味し、式中、R’はアミノであり、Rはアルキレンであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルキルアミノアルキル」は、基-R-NHR’を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はアルキルである。アルキルアミノアルキルとしては、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチル等が挙げられる。
「アルキルスルファニル」は、式-SRである部分を意味し、式中、Rはアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アルカリ金属イオン」は、I族金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、またはセシウム等、好ましくはナトリウムまたはカリウムの一価イオンを意味する。
「アルカリ土類金属イオン」は、II族金属、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウム、好ましくはマグネシウムまたはカルシウムの二価イオンを意味する。
「アルキルスルホニルアミド」は、式-NR’SO-Rである部分を意味し、式中、Rはアルキルであり、R’は水素またはアルキルである。
「アミノカルボニルオキシアルキル」または「カルバミルアルキル」は、基-R-O-C(=O)-R’を意味し、式中、R’はアミノであり、Rはアルキレンであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アミノスルホニル」は、基-SO2-NR’R’’を意味し、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。したかって、「アミノスルホニル」は、本明細書で使用される場合、「アルキルアミノスルホニル」及び「ジアルキルアミノスルホニル」を包含する。
「アルキニルアルコキシ」は、式-O-R-R’である基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はアルキニルであり、これらは本明細書中定義されるとおりである。
「シクロアルキル」は、1つ以上の環からなる飽和または部分不飽和炭素環式部分を意味する。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、ならびにそれらの部分不飽和誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個のCが、O、N、もしくはSからなるリストから選択されるヘテロ原子、または任意選択的にSiもしくはPによって置換されている、1つ以上の環からなる飽和または部分不飽和炭素環式部分を意味する。
「アリール」は、縮合環系を含む、単環、二環、または三環系からなる環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、任意選択的に、本明細書で定義されるとおりに置換することができる。アリール部分の例としては、任意選択的に置換されたフェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等、ならびにそれらの部分水素化誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環を有する環状芳香族部分を意味し、少なくとも1つの環は、O、N、またはSからなるリストから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み、残りの環原子はCである。ヘテロアリール環は、本明細書で定義されるように任意選択的に置換され得る。ヘテロアリール部分の例として、任意選択的に置換されるイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾール、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル等、及びそれらの部分水素化誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
「アミン」または「アミノ」は、基-NR’R’’を意味し、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。したかって、本明細書で使用される「アミノ」は、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」を包含する。
「アルコキシアミン」または「アルコキシアミノ」は、基-OR-R’を意味し、R’はアミノであり、Rはアルキレンであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
複数のリンカーとは、各CD単量体のグルコースサブユニットのC2またはC3のヒドロキシル基と相互作用する、2つのCD単量体の間の複数の、好ましくは同一の連結を指す。
明細書で使用される場合、「ハロゲン」、「ハロ」、及び「ハライド」という用語は、-F、-Cl、-Br、及び-Iのいずれかを指す。特定の実施形態において、これらの基は、具体的にフルオロ-、クロロ-、ブロモ-、及びヨード-と称される。
本明細書中の構造における炭素、酸素、硫黄、または窒素原子に出現する任意の空の原子価(open valency)は、水素原子の存在を示す。
特に記載しない限り、上記の基のいずれかが本明細書で「置換され」と記載される場合、その基の1つ以上の水素が、本明細書の定義セクションまたは本明細書の他の箇所で称された任意の基によって置換されることを理解すべきであり、その基としては、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、-COR(式中、Rは、水素、アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、-(CR’R’’)n-COOR(式中、nは、0~5の整数であり、R’及びR’’は独立して、水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、もしくは-(CR’R’’)n-CONRaRb(式中、nは、0~5の整数であり、R’及びR’’は、独立して、水素またはアルキルであり、Ra及びRbは互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)が挙げられるが、これらに限定されない。水素と置換されるこれらの基は、適用可能な場合に置換できる。しかしながら、置換基のいずれの置換基もさらに置換されることはできない。
上記で定義された全ての化学基の場合、全ての基は、「-イル」、「-イレン」、または他の末尾が使用されるかどうかに関係なく、より一般的な化学構造によって要求される任意の接続性を満たすために、少なくとも適切な数の原子価を有していることを理解すべきである。非限定的な例として、変数Bが変数A及びA’への接続性を有するものとして示されている場合、引用された選択末尾が、結合に利用可能な2つ未満の原子価であることを意味する「-イル」または別の末尾で終わっている場合でも、変数Bの任意の選択は少なくとも2つの原子価を有することになる。この非限定的な例に継続して、Bがヘテロアリールとして選択される場合、任意の選択された「ヘテロアリール」基は、変数A及びA’との結合に利用可能な少なくとも2つの原子価を有することを理解すべきである。
特定の実施形態において、化学構造の2つの可変基を「それぞれの対」と記載することが有用であり得る。スラッシュで区切られた2つの変数を記載することによって、それぞれの対を表すこともできる(例えば、L1/R1)。それぞれの対という用語によって、それぞれの対の変数のそれぞれの選択は、それぞれの変数ごとの選択の後続のリストに従うことを理解されたい。非限定的な例として、「L1/R1のそれぞれの対は、結合及びヒドロキシル基である」という記述は、L1が結合であり、R1がヒドロキシル基であることを伝えるためにここで定義する。
特定の実施形態において、「対応する」という用語は、構造式内で互いに接続して示される元素を指すために使用される。例えば、構造A-Xa、B-Xa、及びC-Xaにおいて、それぞれのR1は、それぞれのL1に連結されて示され、連結されていることを示すL1及びR1元素対は、互いに対応すると見なされる。同様に、R2及びR3のそれぞれは、構造A-Xa、B-Xa、及びC-Xaにそれぞれ対応するL2及びL3を有し、構造A-Xb、B-Xb、及びC-Xbにおいてそれぞれ、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれが連結されている対応するL1’、L2’、及びL3’を有する。
「アリールアルキル」及び「アラルキル」は、同義で使用可能であり、これらは、ラジカル-RaRbを意味し、式中、Raはアルキレン基であり、Rbはアリール基であり、これらは本明細書で定義されるとおりである。例えば、ベンジル、フェニルエチル、3-(3-クロロフェニル)-2-メチルペンチル等のフェニルアルキルは、アリールアルキルの例である。
「アリールスルホニル」は、式-SO-Rである基を意味し、式中、Rはアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アリールオキシ」は、式-O-Rである基を意味し、式中、Rはアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「アラルキルオキシ」または「アリールアルキルオキシ」は、式-O-R-R’’である基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「シアノアルキル」は、式-R’-R’’である部分を意味し、式中、R’は本明細書で定義されるとおりのアルキレンであり、R’’はシアノまたはニトリルである。
「シクロアルケニル」は、単環または二環式環からなり、少なくとも1つの二重結合を有する、一価の不飽和炭素環式部分を意味する。シクロアルケニルは、任意選択的に、1つ以上の置換基で置換可能であり、各置換基は、特に具体的に示されない限り、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。シクロアルケニル部分の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
「シクロアルキルアルキル」は、式-R’-R’’である部分を意味し、式中、R’はアルキレンであり、R’’はシクロアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「シクロアルキレン」は、単環または二環式環からなる二価の飽和炭素環式ラジカルを意味する。シクロアルキレンは、任意選択的に、1つ以上の置換基で置換可能であり、各置換基は、特に具体的に示されない限り、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。
「シクロアルキルアルキレン」は、式-R’-R’’-である部分を意味し、式中、R’はアルキレンであり、R’’はシクロアルキレンであり、これらは本明細書中定義されるとおりである。
「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」は、式-R-R’である基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はヘテロアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヘテロアリールスルホニル」は、式-SO-Rである基を意味し、式中、Rはヘテロアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヘテロアリールオキシ」は、式-O-Rである基を意味し、式中、Rはヘテロアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヘテロアラルキルオキシ」は、式-O-R-R’’である基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はヘテロアリールであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヘテロシクロアルキレン」は、1つ以上の炭素原子が、N、O、またはSから選択されるヘテロ原子で置換されている、本明細書で定義されるとおりのシクロアルキレンを意味する。
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式-O-R-R’である基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はヘテロシクリルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ハロアルキル」は、1つ以上の水素が同一または異なるハロゲンに置換されている、本明細書で定義されるとおりのアルキルを意味する。いくつかの実施形態において、ハロアルキルは、フルオロアルキルである。いくつかの実施形態において、ハロアルキルは、ペルフルオロアルキルである。ハロアルキルの例として、-CHCl、-CHCF、-CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば、-CF)、等が挙げられる。
「ハロアルコキシ」は、式-ORである部分を意味し、式中、Rはハロアルキル部分であり、これらは本明細書で定義されるとおりである。いくつかの実施形態において、ハロアルコキシは、フルオロアルコキシである。いくつかの実施形態において、ハロアルコキシルは、ペルフルオロアルコキシである。ハロアルコキシの例は、ジフルオロメトキシである。
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子が、N、NH、またはN-アルキルであり、残りの環原子がアルキレン基を形成する飽和環を意味する。
「ヘテロシクリル」は、1~3つの環からなり、1個、2個、または3個もしくは4個のヘテロ原子(窒素、酸素、または硫黄から選択される)を組み込んだ、一価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、任意選択的に、本明細書で定義されるとおりに置換されてもよい。ヘテロシクリル部分の例としては、任意選択的に置換されたピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-R-R’である部分を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はヘテロシクリルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヘテロシクリルオキシ」は、式-ORである部分を意味し、式中、Rはヘテロシクリルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式-OR-R’である部分を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’はヘテロシクリルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヒドロキシアルコキシ」は、式-ORである部分を意味し、式中、Rはヒドロキシアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヒドロキシアルキルアミノ」は、式-NR-R’である部分を意味し、式中、Rは水素またはアルキルであり、R’はヒドロキシアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式-R-NR’-R’’である部分を意味し、式中、Rはアルキレンであり、R’は水素またはアルキルであり、R’’はヒドロキシアルキルであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で定義されるとおりのアルキル部分が、1つ以上、好ましくは1つ、2つ、または3つのヒドロキシ基で置換されたものを意味し、ただし、同一炭素原子は1つより多いヒドロキシ基を有さない。代表例としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシ-プロピル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチルエチル、2,3-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチル、及び2-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヒドロキシカルボニルアルキル」または「カルボキシアルキル」は、式-R-(CO)-OHである基を意味し、式中、Rはアルキレンであり、これらは本明細書で定義されるとおりである。
「ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル」または「ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル」は、式-R-C(O)-O-R-OHである基を意味し、式中、各Rはアルキレンであり、同一であってもよく、異なってもよい。
「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で定義されるとおりのアルキル部分が、1つ以上、好ましくは1つ、2つ、または3つのヒドロキシ基で置換されたものを意味し、ただし、同一炭素原子は1つより多いヒドロキシ基を有さない。代表例としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシル-5-メチル)-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチルエチル、2,3-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチル、及び2-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヒドロキシシクロアルキル」は、本明細書で定義されるとおりのシクロアルキル部分であって、シクロアルキルラジカルの1個、2個、または3個の水素原子がヒドロキシ置換基に置換されているものを意味する。代表例として、2-、3-、または4-ヒドロキシシクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
「尿素」または「ウレイド」は、式-NR’-C(O)-NR’’R’’’である基を意味し、式中、R、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
「カルバマート」は、式-O-C(O)-NR’R’’である基を意味し、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
「カルボキシ」は、式-C(O)OHである基を意味する。
「スルホンアミド」は、式-SO-NR’R’’である基を意味し、式中、R’、R’’、及びR’’は、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
「ニトロ」は、-NOを意味する。
「シアノ」は、-CNを意味する。
「フェノキシ」は、少なくとも1つの-OH基で置換されたフェニル環を意味する。
「アセチル」は、-C(=O)-CHを意味する。
「Cn-m-」は、例えば、C1-12-アルキルまたはC5-12-ヘテロアリールのように、接頭語として官能基の前に使用され、「n」及び「m」には整数値(すなわち、0、1、2、12)として示される。この接頭語は、官能基に存在する炭素原子の個数または個数範囲を示す。環系の場合、この接頭語は、環原子の個数、または環原子の個数範囲を示し、環原子が炭素原子であるかヘテロ原子であるかを問わない。官能基が環部分及び非環部分からなる場合(すなわち、「アリールアルキル」の場合、アリール部分とアルキル部分からなる)、この接頭語は、どのくらい多くの炭素原子及び環原子が合計で存在するかを示すのに使用される。例えば、アリールアルキルの場合、「C7-アリールアルキル」は、「フェニル-CH-」を示すのに使用し得る。一部の官能基の場合、存在する炭素原子がゼロ個である場合があり、例えば、C0-アミノスルホニル(すなわち、-SO-NH、可能なR基は両方とも水素)では、「0」は、炭素原子が存在しないことを示す。
「脱離基」は、有機合成化学においてこの用語に従来付随してきた意味を有する基を意味する、すなわち、置換反応条件下で置き換わることが可能な原子または基である。脱離基の例としては、ハロゲン、アルカン-もしくはアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ等、ジハロホスフィノイルオキシ、四級化アンモニウム、任意選択的に置換されたベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
「モジュレータ」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用として、本明細書で定義されるとおりのアゴニスト、アンタゴニスト等が挙げられるが、これらに限定されない。
「任意の」または「任意選択的に」は、続いて記載される事象または状況が生じる可能性があるが、必ずしも生じるとは限らないこと、及びその記載が、事象または状況が生じる事例、及び事象または状況が生じない事例を含むことを意味する。
「疾患」及び「疾患状態」は、任意の疾患、症状、症候、障害、または兆候を意味する。
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、その溶媒と合わせて記載される反応の条件下、その溶媒が不活性であることを意味し、そのような溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンまたはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、ジオキサン、ピリジン等が挙げられる。特に異なる記載がない場合、本開示の反応で使用される溶媒は、不活性溶媒である。
「薬学的に許容される」は、概して安全、無毒であり、かつ生物学的にも他の意味でも望ましくないところがない、医薬組成物の調製に有用であるものを意味し、ヒトの医薬用途だけでなく獣医学的に許容可能なものを含む。
化合物の「薬学的に許容される塩」は、本明細書で定義されるとおりの薬学的に許容される塩であって、親化合物の所望の薬理活性を保持するものを意味する。そのような塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等で形成された酸付加塩;または有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2-ナフタレン-スルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸等で形成された酸付加塩;または、親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンで置換された場合に形成されるか、または有機もしくは無機塩基が配位することにより形成される塩が挙げられる。許容される有機塩基としては、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トロメタミン等が挙げられる。許容される無機塩基としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムが挙げられる。好適な薬学的に許容される塩とは、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムで形成された塩である。薬学的に許容される塩の言及には全て、当該酸付加塩の本明細書で定義されるとおりの溶媒付加形(溶媒和物)または結晶形(多形)が含まれる。一般に、特定の塩が本明細書中の構造もしくは式に含まれる場合、本開示の範囲内で、他の薬学的に許容される塩が置換されることが可能であり、例えば、式VIIIの第四級アンモニウム塩の場合、クロリドもしくは別の陰イオンまたはイオンの組み合わせが含まれる可能性があり、同様に、式IXのカルボキシメチルナトリウム塩の場合、別の陽イオンが、示されるナトリウムと置換される可能性があることを理解されたい。
「薬学的に許容される担体」という語句は、本明細書内で使用される場合、概して、活性作用剤を身体に導入するのに有用な、薬学的に許容される組成物、例えば、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入材料を示す。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者にとって有害ではないという意味において、「許容される」ものでなければならい。本発明の医薬組成物に使用可能な水性及び非水性の好適な担体の例として、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)、ならびにそれらの適切な混合物が挙げられる。適正な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材の使用によって、分散の場合には要求される粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。
薬学的に許容される担体として機能できる材料の他の例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、(3)セルロース、及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、カカオバター及び坐剤用ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンガー液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート、及び/またはポリ無水物、ならびに(22)薬学的製剤に用いられる他の非毒性で適合性の物質が挙げられる。
湿潤剤、乳化剤、潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム)、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、調味料、防腐剤、及び抗酸化剤等の各種助剤が医薬組成物中に存在することも可能である。薬学的に許容される酸化防止剤のいくつかの例としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤;(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロシキトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等の油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、例えば、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)、ならびに重合体担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水物から選択される賦形剤を含む。懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、ならびにそれらの混合物等を含有してもよい。様々な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることによって、活性化合物における微生物の作用を確実に防止し得る。糖類、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物中に含めることも望ましい場合がある。さらに、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤を含有させることによって、注射可能な医薬形態の持続的吸収をもたらしてもよい。
「保護性基」または「保護基」は、合成化学においてこの用語に従来付随してきた意味において、別の保護されていない反応性部位で化学反応が選択的に生じることが可能であるように多官能基化合物中の1つの反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。本開示のある特定のプロセスは、保護性基が反応体に存在する反応性窒素原子及び/または酸素原子をブロックすることに依存する。例えば、「アミノ保護基」及び「窒素保護基」という用語は、本明細書中に同義で使用され、これらの用語は、合成手順中の望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とする有機基を指す。窒素保護基の例としては、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル(BOC)等が挙げられるが、これらに限定されない。当業者なら、外しやすさ及びその後の反応に耐える能力に関して基をどのように選択するかを理解するであろう。
「対象」は、哺乳類及び非哺乳類を意味する。哺乳類は、哺乳綱の任意のメンバーを意味し、そのようなメンバーとしては、ヒト;非ヒト霊長類、例えば、チンパンジー及び他の類人猿、ならびにサル種等;牧畜動物、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタ等;家畜動物、例えば、ウサギ、イヌ、及びネコ等;齧歯類をはじめとする実験動物、例えば、ラット、マウス、及びモルモット等が挙げられるが、これらに限定されない。非哺乳類の例としては、鳥類等が挙げられるが、これらに限定されない。「対象」という用語は、特定の年齢または性別を示さない。
「治療上有効量」は、疾患状態を治療するために対象に投与した場合に、疾患状態のための当該治療を発揮するのに十分な化合物量を意味する。「治療上有効量」は、化合物、治療される疾患状態、治療される疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、投与経路及び形式、担当医師または獣医師の判断、及び他の要因に応じて変わることになる。
「上記で定義されるもの」及び「本明細書で定義されるもの」という用語は、変数について言及する場合、言及により、その変数の広義の定義、ならびにもしあれば、優先される定義、より優先される定義、及び最も優先される定義を組み込む。
疾患状態を「治療する」または疾患状態の「治療」は、(i)疾患状態を防止する、すなわち、疾患状態になるまたはその素因を有する可能性があるが、まだ疾患状態の症候を経験していないまたは症候が出ていない対象において疾患状態の臨床症候が発症しないようにすること、(ii)疾患状態を阻害する、すなわち、疾患状態またはその臨床症候の発生を抑止すること、または(iii)疾患状態を緩和する、すなわち、疾患状態またはその臨床症候の一時的または永続的な後退を引き起こすことを含む。
本明細書で使用する場合、「それぞれ同一または異なってもよく」という語句(またはその類似のバリエーション)は、一般式内の単一基変数(例ば、「L1」または「R3」)の各説明(すなわち、「インスタンス」)は、その変数の他方と同様であるかまたは異なるものであり得ることを意味し、例えば、それぞれのインスタンスが、そのグループで使用可能なオプションのセットまたはリストから独立に選択できる。したがって、一般式の特定の実施形態において、同一の変数で標識された2つの位置は、両方とも異なる選択または値を有する。非限定的な例として、一般構造A-Xの実施形態は、CDのR3基の3つが水素であり、CDのR3基の4つが2-ヒドロキシプロピルである実施形態を含み得る。
II.化合物
本開示には、CDの様々な二量体の設計及び試験を記載される。図1Aに示すように、CDは、未変性(すなわち、非置換の)状態の6(αCD)、7(βCD)、または8(γCD)のD-グルコース分子から構成される環状オリゴ糖である。これらのCDは、様々な方法で置換することができ、CD環の周りの様々な位置に置換を有する例示的なHPβCDの化学構造を示す図1Bに示されるように、メチル、スクシニル、スルホブチル、またはヒドロキシプロピル基によるグルコース環のC2、C3、及びC6位のヒドロキシル基の官能基化を含むが、これらに限定されない。
図3Aに示すように、CDを、一次(1°)面及び二次(2°)面を有する「円錐台」形状として説明すると都合がよい場合がある。CD単量体の一次面と二次面は、非置換状態で各面で利用可能なヒドロキシル基の数と方向の違いにより、それぞれ「小さい」面と「大きい」面として説明できる。各D-グルコース単量体の4位置にある酸素(すなわち、「O4」酸素)は、一次面と二次面との間の円錐台形状の周囲に環を形成すると見なされ得る。
頭部基及び尾部基が示された図3Bに示されるように、CD単量体は、7-ケトコレステロール(7KC)等の生体分子とのホスト-ゲスト化学に関与することで、7KC-CD複合体を形成する。図3Cに示されるように、7KCがCDと共に複合体を形成すると、7KCの主軸は、O4原子の環の面に垂直な軸に対して角度を形成する。さらに、7KCは、一次面に関与する頭部基または尾部基のいずれかを用いてCDと複合体を形成し得る。図3D(上部)に示されるように、尾部基が一次面に関与する場合、7KCは下方向にあると言える。図3D(下部)に示されるように、頭部基が一次面に関与する場合、7KCは上方向にあると言える。
2つのCDを1種以上の連結基で結合して、CD二量体を生成することができる。環の大きさが異なるCD単量体で構成されるCD二量体は、「ヘテロ二量体」と見なされ得る。環の大きさが同一のCD単量体で構成されるCD二量体は、それらの置換基が同じか異なるかに応じて、「ホモ二量体」または「非対称二量体」と見なすことができる。これらの二量体としては、HPα-βCD二量体、メチル-α-βCD二量体、スクシニル-α-βCD二量体、スルホブチル-α-βCD二量体、HPβCD二量体、メチル-βCD二量体、スクシニル-βCD二量体、スルホブチル-βCD二量体、及び第四級アンモニウム二量体(例えば、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル)が挙げられ得るが、これらに限定されない。図7C、7H、7M、7S、7AC、及び7AIは、本明細書に開示される種々の官能基化されたCD二量体を示す。本発明者らは、先に、7KC及びコレステロールに対する特定の二量体の親和性が、単量体CDと比較して劇的に増加することを説明した。図3Aは、図3Dの空で複合体を形成したCD単量体とは対照的に、空でステロールと複合体を形成した例示的なCD二量体を示す。本開示は、CD単量体の特定の組み合わせを含む二量体を記載しており、例示的な実施形態は強化された結合特性を有する。
特定の実施形態において、変数のそれぞれは、別の変数の「同一」の選択、または同一の変数が別の場合である可能性があるため、2つ以上の化学式変数またはそれぞれの対は、「縮合された」と見なされ得る。化学式変数及び変数インスタンスに適用される場合の「縮合」という用語によって、「縮合された」変数またはそれぞれの対によって表されない任意の原子を通過せず、「縮合された」変数の任意の2つの原子間に原子の連続鎖が存在するように、2つ以上の変数及び/またはそれぞれの対が接続されていることを理解されたい。非限定的な例として、当業者は、CDの構造(例えば、構造A-Xa、A-Xb、B-Xa、B-Xb、C-Xa、C-Xb等)と2つのR1に対して接続する二価の置換基は、それぞれのR1についてそれらが「縮合」されるように「同一」の選択と見なされ得ることを理解するであろう。別の非限定的な例として、当業者は、CDの構造(例えば、構造A-Xa、A-Xb、B-Xa、B-Xb、C-Xa、C-Xb等)と一方のR1及び一方のR2に対して接続する二価の置換基は、一方のR1及び一方のR2についてそれらが「縮合」されるように「同一」の選択と見なされ得ることを理解するであろう。
一般式Iの特定の実施形態の一部として上記に言及した変数の利用可能な選択のセットにより、隣接する変数からの特定の選択は冗長な選択及び実施形態をもたらす可能性がある。例えば、当業者は、結合及びヒドロキシル基のL1/R1のそれぞれの対に対する選択が、対に対する-O-及び水素のそれぞれの選択と同一であることを理解するであろう。また、当業者は、任意の特定の実施形態を提示するために、各変数にわたる全ての可能な冗長選択を列挙する必要がないことも理解するであろう。さらに、変数値の特定の組み合わせに関して特定の構造が存在しないと述べられている場合、それは、当該構造を生成する変数値の他の組み合わせも同様に禁止されることを意味する。例えば、L1/R1対がそれぞれ酸素と水素ではない可能性があると述べた場合、L1とR1がそれぞれ結合とヒドロキシルではない可能性があることも意味し、これは、これらの値を割り当てると、存在しないと特定されているものとまったく同じ構造をもたらすからである。
本明細書で開示される化合物は、本明細書での基を選択可能にする同位体異性体の任意の組み合わせを含むことが意図されている。さらに、立体化学が存在するか、または様々な基の選択によって1つ以上の立体異性体が生成され得る場合、本明細書の開示は、特に明記しない限り、ラセミ混合物及び単離された立体異性体生成物の両方を含むことを理解されたい。好ましい実施形態において、各CD単量体は全てのD-グルコースを含む。
一態様において、本開示は、CD及びCD’の一方または両方がC6位で特異的かつ完全に置換されている(すなわち、それぞれ結合及びヒドロキシルではないL3/R3及びL3’/R3’に対する選択を有する)一般構造CD-L-CD’のCD二量体を提供する。そのような位置は、「飽和している」と言う場合もある。理論によって制限されることを意図するものではないが、C6位のみに置換を配置することにより、CD及びCD’の一方または両方の疎水性空洞を効果的に拡張することができ、それによって、長い脂肪族鎖を有する7KCの尾部基及び他のステロールの封入化のためのより良い環境が作り出されると考えられている。CDの一次面でのみ置換することにより、二次面の未変性ヒドロキシル基は、全てが標的分子の頭部基と反対側のCDのヒドロキシル基との水素結合に利用されるようになり、両方のメカニズムによって複合体の安定性が向上する。C6置換の追加の潜在的な利点は、場合によって、それらを単一の異性体分子として作製可能であることである。これにより、複雑性が軽減され、最終製品のバッチ間の再現性が向上し得る。
別の態様において、本開示は、アルキル基が置換基として使用されるCD二量体を提供する。理論によって制限されることを意図するものではないが、アルキル基は荷電及び極性置換よりも疎水性が高いため、サブユニットの一方または両方の疎水性空洞を拡張する能力が高く、よって拡張するため、7KCの尾部基及び長い脂肪族鎖を有する他のステロールの封入化のためのより良い環境が作り出されると考えられている。
本開示は、本明細書に記載される二量体型CD(例えば、本開示のHPβCDまたは別のCD)のさらなる置換を含む。化学修飾は、二量体化の前に行ってもよく、その後に行ってもよい。CDの化学修飾は直接、化学試薬(求核試薬または求電子試薬)と反応させることにより、未変性ベータCD環に、または適切に官能基導入されたCDに行うことが可能である(Adair-Kirk[et al.],Nat.Med.,14(10):1024-5,(2008));(Khan,[et al.],Chem.Rev.,98(5):1977-1996,(1998))。これまで、1,500超のCD誘導体が、未変性CDの化学修飾により作製されてきた。CDは、グルコピラノースに連結されたオリゴピラノシドから開始されるデノボ合成により調製することも可能である。そのような合成は、各種化学試薬または生物学的酵素、例えば、CDトランスグリコシラーゼ等を用いて実現することができる。薬物送達系における薬物担体としての化学修飾CDについての概説は、例えば、(Stella,[et al.],Toxicol.Pathol.,36(1):30-42,(2008))に記載されており、その開示は、その全体が本明細書に参照として援用される。米国特許第3,453,259号及び同第3,459,731号は、電気的中性CDを記載しており、それらの開示は、その全体が本明細書内に参照として援用される。他の誘導体として、米国特許第3,453,257号に開示されたカチオン性質を有するCD;米国特許第3,420,788号に開示された不溶性架橋CD;及び米国特許第3,426,011号に開示されたアニオン性質を有するCDが挙げられ、これらの開示は全て、その全体が本明細書内に参照として援用される。アニオン性質を有するCD誘導体のうち、カルボン酸、亜リン酸、亜ホスフィン酸、ホスホン酸、リン酸、チオホスホン酸、チオスルフィン酸、及びスルホン酸が、親CDに付加されたことがあり、例えば、米国特許第3,426,011号に開示されている。スルホアルキルエーテルCD誘導体についても、例えば、米国特許第5,134,127号に記載されており、この開示は、その全体が、本明細書内に参照として援用される。いくつかの実施形態において、環状オリゴ糖は、2つ以上の単糖単位がトリアゾール環で置換されていることが可能であり、これは、アジド-アルキンヒュスゲン環化付加反応により合成可能である(Bodine[et al.],J.Am.Chem.Soc.,126(6):1638-9,(2004))。
本開示のCD二量体の2つのCD単量体は、リンカー(本明細書では連結基とも呼ばれる)によって結合される。CDサブユニットをリンカーに結合するために使用可能な方法は、以下に記載する。CDサブユニットとリンカーを結合するさらなる方法は、当該分野で既知である。(Georgeta[et al.],J.Bioact.Compat.Pol.,16:39-48.(2001)),(Liu[et al.],Acc.Chem.Res.,39:681-691.(2006)),(Ozmen[et al.],J.Mol.Catal.B-Enzym.,57:109-114.(2009)),(Trotta[et al.],Compos.Interface,16:39-48.(2009))、これらのそれぞれは、その全体が、本明細書内に参照として援用される。例えば、ヒドロキシル基に反応する部分(例えば、カルボジイミドにより活性化し得るカルボキシル基)を含有するリンカー基を、CDと反応させ、共有結合を形成させることができる。別の例において、CDの1つ以上のヒドロキシル基を、既知の方法(例えば、トシル化)により活性化させ、リンカーの反応性基(例えば、アミノ基)と反応させることができる。
一般に、リンカーは、最初に、各CD単量体と反応して結合する2つの反応部分を有する。一実施形態において、最初に、リンカーをCDに結合させ、リンカー-CD化合物を生成し、これを単離する。次いで、リンカー-CD化合物のリンカーの残りの反応部分を、引き続き第2のCDと反応させる。リンカー-シクロデキストリン化合物は、追加の相互作用官能基を導入するため、及び/または標的キー中間体で所望の位置化学を実現するために、保護基及び/またはアドホックに設計された官能基でさらに修飾され得る。リンカーの第2の反応部分は、第1の反応基が反応する間保護してもよいが、リンカーの第1の反応部分と第1の反応部分が2つの分子と異なって反応する場合には、保護しなくてもよい。リンカーは、両分子と同時に反応し、それらをひとまとまりに連結し得る。別の実施形態において、リンカーは、他の分子と連結するために、さらなる反応基を有することができる。
複数のリンカーが、当該分野で既知である。そのようなリンカーは、様々な基が反応性リンカーと反応して連結することができる基を保有するまたは保有するように官能基が導入されている場合に、当該様々な基のいずれもひとまとまりに連結することに使用可能である。二重反応性リンカーと反応し得るいくつかの基として、アミノ、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、及びアルキルハライド基が挙げられる。例えば、連結される各基が少なくとも1つのアミノ基を保有する場合に、アミノ-アミノカップリング試薬を用いて、環状オリゴ糖と多糖を連結することができる。アミノ-アミノカップリング試薬のいくつかの例として、ジイソシアン酸、アルキルジハライド、ジアルデヒド、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、及び酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホ-DST)が挙げられ、これらは全て、市販されている。別の実施形態において、アミノ-チオールカップリング剤を用いて、一方の分子のチオール基と別の分子のアミノ基とを連結することができる。アミノ-チオールカップリング試薬のいくつかの例として、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボン酸(SMCC)、及びスルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボン酸(スルホ-SMCC)が挙げられる。さらに別の実施形態において、チオール-チオールカップリング剤を用いて、少なくとも1つのチオール基を有する基を連結することができる。
いくつかの実施形態において、リンカーは、長さが原子1個分(例えば、--O--、--CH2--、または--NH--連結)、または2個もしくは3個分(例えば、アミド、ウレイド、カルバマート、エステル、カーボネート、スルホン、エチレン、またはトリメチレン連結)しかないほど小さい。別の実施形態において、リンカーは、少なくとも4、5、6、7、または8個分の原子長から最大で、例えば、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、または30個分までの原子長を有することにより、より高い運動自由度を提供する。好ましいリンカー長は、2~12個の原子、または4~8個の原子である。例示的な実施形態において、リンカーは、C4アルキルであり、このアルキルは非置換であってよい。いくつかの実施形態において、リンカーは、トリアゾール(例えば、Bはトリアゾール)を含む。さらなる実施形態において、リンカーは、等しい長さまたは異なる長さのアルキル鎖によって各CD単量体に接続されたトリアゾールを含む(例えば、A及びA’は様々な長さのアルキル鎖であり、Bはトリアゾールである)。
別の態様において、本開示は、他の小さい疎水性分子に特異性を有するCD二量体を作製する方法を提供する。例示的な方法は、まず、合成で特異性が付与された特定の構造を有するCD二量体核を作製することによって実行される。次いで、CD二量体核が伝える高い親和性を維持しながら、任意の置換を加え、選択された疎水性分子(複数可)に対する特異性を作り出すことができる。この特異性は、異なるリンカーでさらに変更することができる。
III.医薬組成物
別の態様において、本開示は、本明細書に開示されるCD二量体組成物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。当該医薬組成物は、例えば、非経口(例えば、皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側投与、好ましくは静脈内または皮下投与、より好ましくは静脈内投与で対象に投与するのに適している場合がある。当該CD二量体組成物は、当該組成物中の唯一の活性成分であり得る。当該医薬組成物は、当該CD二量体及び当該薬学的に許容される担体からなり得るか、または本質的にそれらからなり得る。
別の態様において、本開示は、本明細書に開示される1つまたは複数のCD二量体及び疎水性薬物を含む医薬組成物を提供する。当該疎水性薬物は、ホルモンまたはステロール、例えば、エストロゲン、エストロゲン類似体等を含み得る。当該1つまたは複数のCD二量体は、当該疎水性薬物を可溶化するのに有効な量で存在し得る。
「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、生きている有機体または生きている生物学的組織に入ることに適し、好ましくは、重大な毒性、刺激、またはアレルギー反応がない化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指すために本明細書で使用される。本発明は、CD二量体を患者に投与することを含む方法を含み、CD二量体は医薬組成物内に含まれる。本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、及び好適な輸送、送達、耐性等を提供する他の作用剤と共に配合されている。適切な製剤は、製薬化学者に既知のフォーミュラリー、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Paにおいて、多数見つけることが可能である。これらの製剤として、例えば、粉末剤、ペースト剤、軟膏、ゼリー剤、ワックス剤、油剤、脂質、脂質(カチオン性またはアニオン性)含有小胞(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNA複合体、無水吸収ペースト剤、水中油及び油中水乳剤、カーボワックス乳剤(種々分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカーボワックス含有半固体混合物が挙げられる。(Powell[et al.],J.Pharm.Sci.Technol.,52:238-311,(1998))も参照されたい。
「薬学的に許容される担体」という語句は、本明細書内で使用される場合、概して、活性作用剤を身体に導入するのに有用な、薬学的に許容される組成物、例えば、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入材料を示す。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者にとって有害ではないという意味において、「許容される」ものでなければならい。本発明の医薬組成物に使用可能な水性及び非水性の好適な担体の例として、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)、ならびにそれらの適切な混合物が挙げられる。適正な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材の使用によって、分散の場合には要求される粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。
薬学的に許容される担体として機能できる材料の他の例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、(3)セルロース、及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、カカオバター及び坐剤用ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンガー液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート、及び/またはポリ無水物、ならびに(22)薬学的製剤に用いられる他の非毒性で適合性の物質が挙げられる。
湿潤剤、乳化剤、潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム)、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、調味料、防腐剤、及び抗酸化剤等の各種助剤が医薬組成物中に存在することも可能である。薬学的に許容される酸化防止剤のいくつかの例としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤;(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロシキトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等の油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等の金属キレート剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、例えば、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)、ならびに重合体担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水物から選択される賦形剤を含む。懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、ならびにそれらの混合物等を含有してもよい。様々な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることによって、活性化合物における微生物の作用を確実に防止し得る。糖類、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物中に含めることも望ましい場合がある。さらに、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤を含有させることによって、注射可能な医薬形態の持続的吸収をもたらしてもよい。
本発明の薬学的製剤は、薬学技術分野で知られている方法のいずれかによって調製し得る。単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせることができる活性成分(すなわち、HPβCD二量体または本開示の別のCD二量体等のCD二量体)の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に依存して変化する。単一剤形を作製するための担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、概して治療作用を生み出す化合物の量となる。活性化合物の量は、約0.1~99.9パーセント、より典型的には約80~99.9パーセント、より典型的には約99パーセントの範囲であり得る。活性化合物の量は、約0.1~99パーセント、より典型的には約5~70パーセント、より典型的には約10~30パーセントの範囲であり得る。例示的な実施形態において、濃度0.5%~0.001%、例えば、0.12%~0.0105%、例えば、約0.01%(W/V)の水溶液である静脈内投与用の剤形が提供される。例示的な実施形態において、濃度2.5%~0.25%、例えば2%~0.5%、例えば約1%(W/V)の水溶液である静脈内投与用の剤形が提供される。例示の実施形態において、剤形は、最大500mLの1%溶液(W/V)の静脈内投与を提供し、これは結果的に最大5グラムの投薬量をもたらす。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル、カシェー、丸剤、錠剤、甘味入り錠剤(香味基材、通常はスクロース及びアカシアまたはトラガカントを使用する)、粉末、顆粒の形態、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水中油型もしくは油中水型液体乳剤、またはエリキシル剤もしくはシロップ、またはパスティル(ゼラチン及びグリセリン、またはスクロース及びアカシア等の不活性基材を使用する)、及び/または洗口液等の形状を有することが可能であり、それぞれ、所定の量の本発明の化合物を活性成分として含有する。活性化合物は、ボーラス投与、舐剤、またはペースト剤として投与することも可能である。
これら配合物または組成物の調製方法は、一般に、本発明の化合物を担体、及び任意選択的に1種以上の助剤と混和するステップを含む。固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、粒剤、トローチ剤等)の場合、活性化合物を、微粉化された固体担体と混和し、典型的には、例えば、ペレット化、打錠、顆粒化、粉末化、または被覆するによって、成形することができる。一般に、固体キャリアとして、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、及び/または以下のいずれかを挙げることができる。(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/またはケイ酸等、(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/またはアカシア等、(3)保湿剤、例えば、グリセロール等、(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム等、(5)溶解遅延剤、例えば、パラフィン等、(6)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物及び界面活性剤等、例えば、ポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウム等、(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、及び非イオン性界面活性剤等、(8)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイト粘土等、(9)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、及びこれらの混合物等、(10)着色剤、ならびに(11)放出制御剤、例えば、クロスポビドンまたはエチルセルロース等。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝剤を含んでもよい。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、軟質及び硬質シェルゼラチンカプセル中の充填剤として使用されてもよい。
錠剤は、任意選択的に、1種以上の助剤成分と共に、圧縮または成形により製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤、または分散剤を用いて調製し得る。
錠剤、及び活性作用剤の他の固形剤形、例えば、カプセル剤、丸剤、及び粒剤等は、任意選択的に、コーティング及びシェル、例えば、腸溶コーティング及び医薬製造分野で周知の他のコーティングを用いて、表面加工または調製することができる。こうした剤形は、剤形中の活性成分を徐放または制御放出するように製剤化することもでき、例えば、所望の放出プロファイルをもたらすためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用し、他の重合体マトリクス、リポソーム、及び/または微小球体を使用する。剤形は、代替的に、急速放出用に製剤化してもよく、例えば、凍結乾燥し得る。
一般に、剤形は滅菌される必要がある。この目的のため、剤形は、例えば、細菌捕集フィルターでの濾過により、あるいは使用直前に滅菌水または他のある種の滅菌注射媒体に溶解可能な滅菌固形組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、滅菌し得る。医薬組成物は、不透明剤を含有してもよく、活性成分(複数可)を、胃腸管の特定部分においてのみまたはそこで優先的に、任意選択的に遅延させる方式で、放出する組成物であってもよい。使用され得る埋封組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合、上述の賦形剤のうちの1つ以上と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。
液状剤形は、典型的には、活性作用剤の薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、またはエリキシル剤である。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物等の当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含み得る。
外用または経皮投与を特に目的とする剤形は、例えば、粉末剤、スプレー剤、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、またはパッチの形態であり得る。眼科用製剤、例えば、眼軟膏、粉末剤、液剤等も、本明細書中で企図される。活性化合物は、滅菌条件下、薬学的に許容される担体、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合し得る。外用または経皮剤形は、本発明の活性化合物に加えて、1種以上の賦形剤、例えば、動物脂及び植物脂、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、ならびにこれらの混合物から選択されるもの等を含有し得る。スプレー剤は、通常の噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素及び揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタン及びプロパン等も含有し得る。
本発明の目的に関して、経皮パッチは、本発明の化合物を身体に制御送達できるという利点を提供し得る。そのような剤形は、好適な培地内に化合物を溶解または分散することによって作製され得る。吸収増強剤もまた、皮膚を横切る化合物の流動を増加させるために含まれることができる。そのような流動速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物を重合体マトリクスもしくはゲルに分散させるいずれかによって制御可能である。
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、一般に、本発明の1種以上の化合物を、1種以上の薬学的に許容される滅菌等張性の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液、または乳剤と、あるいは使用前に滅菌注射液または分散液に再構成することが可能な滅菌粉末と組み合わせて含み、そのような滅菌粉末は、糖類、アルコール、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、または製剤を目的のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る。
場合によっては、薬物の効果を延長する目的で、皮下または筋肉内注射からの薬物吸収を遅延させることが望ましい場合がある。これは、水溶性の乏しい結晶性または非晶質性材料の液状懸濁剤を使用することにより達成可能である。薬物の吸収速度は、溶解速度に依存し、したがって、結晶寸法及び結晶形に依存する可能性がある。あるいは、非経口投与される剤形の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより実現される。
注射用デポー剤形は、活性化合物がポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性重合体に含まれているマイクロカプセル化マトリクスを形成することにより作製可能である。重合体に対する薬物の比率、及び使用される特定重合体の性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性重合体の例として、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤は、身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロ乳剤中に薬物を捕捉させることによっても調製される。
医薬組成物は、マイクロ乳剤の形態を有し得る。マイクロ乳剤の形態では、活性作用剤の生体利用度が改善され得る。(Dorunoo[et al.],Drug Development and Industrial Pharmacy,17(12):1685-1713(1991))及び(Sheen[et al.],J.Pharm.Sci.,80(7):712-714,(1991))を参照されたい。これらの内容は、その全体が本明細書中に参照として援用される。
医薬組成物は、本発明の化合物及び少なくとも1種の両親媒性担体から形成されるミセルを含有し得、この場合、ミセルは、約100nm未満の平均径を有する。いくつかの実施形態において、ミセルは、約50nm未満の平均径、または約30nm未満の平均径、または約20nm未満の平均径を有する。
任意の好適な両親媒性担体が本明細書で考慮されるものの、両親媒性担体は、一般に不活性医薬成分の地位が承認済みであり、本発明の化合物を溶解すること及びその後の段階で溶液が複雑水相(例えば、生きている生体組織中に見られるもの)と接触したときにそれをマイクロ乳化することの両方が可能であるものである。通常、これらの要件を満たす両親媒性成分は、HLB(親水性から親油性へのバランス)値が2~20であり、その構造にはC-6~C-20の範囲の直鎖脂肪族ラジカルを含有する。両親媒性作用剤のいくつかの例としては、ポリエチレングリコール化脂肪族グリセリド及びポリエチレングリコールが挙げられる。
特に好ましい両親媒性担体は、飽和及びモノ不飽和ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリド、例えば、様々な植物油を完全または部分水素化することにより得られるものである。当該油は、有利なことに、トリ、ジ、及びモノ脂肪酸グリセリド、ならびに対応する脂肪酸のジ及びモノポリエチレングリコールエステルからなる場合があり、特に好ましい脂肪酸組成物は、カプリン酸4%~10%、カプリン酸3%~9%、ラウリン酸40%~50%、ミリスチン酸14%~24%、パルミチン酸4%~14%、及びステアリン酸5%~15%を含む。両親媒性担体の別の有用なクラスは、飽和もしくはモノ不飽和脂肪酸(SPANシリーズ)または対応するエトキシ化類似体(TWEENシリーズ)を用いた部分エステル化ソルビタン及び/またはソルビトールを含む。市販されている両親媒性担体が特に企図されており、そのような担体として、Gelucire(登録商標)シリーズ、Labrafil(登録商標)、Labrasol(登録商標)、またはLauroglycol(登録商標)、PEG-モノオレアート、PEG-ジオレアート、PEG-モノラウラート及びジラウラート、レシチン、ポリソルベート80が挙げられる。
IV.疾患の適応症、ならびに治療及び予防の方法
本発明の例示的な実施形態は、7KCを可溶化及び/または除去するため、本明細書で開示するとおりのCD二量体の使用を提供し、これは、in vitroでもin vivoでも行うことが可能である。
例示的な実施形態において、本明細書で開示するとおりの当該CD二量体は、コレステロールよりも7KCに対して高い結合親和性及び/または可溶化を呈する。コレステロールに対する7KCの特異性は、準飽和濃度で最も顕著であるが、高い濃度での両方のステロールの可溶化は、100%に近づく場合がある。この特異性により、7KCを優先的に可溶化して除去するために、そのようなCD二量体の使用が可能になる。
7KCは、心臓疾患、嚢胞性線維症、肝臓の損傷と不全、及び高コレステロール血症の合併症に関与すると考えられている。高コレステロール血症に罹患している場合、7KCは、細胞膜を通じて拡散する可能性があり、その場合、7KCは受容体及び酵素機能に影響を及ぼす。高コレステロール血症において認知症率が高いことは、7KC蓄積と関連するとされてきた。肝臓において、7KCは、組織の開窓及び空隙率に影響を及ぼすが、これは年齢と共に上昇する。7KCは、細胞質NADPHオキシダーゼ構成要素が好中球(白血球細胞)の膜へ移動することも促進し、かつ迅速な活性酸素種産生も向上させる。他の加齢性疾患、例えば、加齢黄斑変性症(AMD-萎縮型)、アルツハイマー病、ならびにニーマン-ピック病C型(NPC)等のリソソーム蓄積症の病因も、7KCのレベル上昇と結び付けられてきた。オキシステロールは、7KCも含めて、フリーラジカルレベルの上昇にも関与しており、この上昇は、次に嚢胞性線維症における脂質循環に影響を及ぼす。7KCのようなオキシステロールにより引き起こされるフリーラジカルの増加は、アポトーシス、細胞毒性、内皮機能の障害、ならびに炎症及び脂肪酸代謝に関与する酵素の調節に関与すると考えられる。
7KCは、酸素ラジカルとコレステロールの非酵素反応から形成され、このことは、7KC形成が有益ではない可能性があることを示す。実際、7KCは、身体のあらゆる場所でフリーラジカルの生成を増強すると考えられているが、心臓及び血管組織では、これは特に懸念されることである。フリーラジカルは、コレステロールが介在する組織損傷に関して重要である細胞及び酵素反応に影響し、このことはこれらの組織において特に重大である。フリーラジカルは、脈管構造において炎症を増強すると考えられている。7KCは、細胞及び細胞小器官膜の機能を破壊することにより、ミトコンドリア及びリソソームの機能障害を引き起こすと考えられており、アテローム性動脈硬化プラークにおいてマクロファージから泡沫細胞が形成される頻度を上昇させるのに関与すると考えられている。これらマクロファージの清掃機能は、プラークを寛解する助けとなることが予想されるが、これらがコレステロール及びオキシステロールで充満している場合は、そうではなくて、プラークの一部となり得る。
例示的な実施形態は、7KCの蓄積に関連する、及び/またはそれによって悪化する疾患の治療を提供し、上記の疾患としては、アテローム性動脈硬化、AMD、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全ステージ)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、乳児神経セロイドリポフスチン症、リソソーム酸性リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピックA型病、ニーマンピックB型病、ニーマンピックC型病、ゴーシェ病、シュタルガルト病、特発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症もしくは高コレステロール血症に関連する認知症等が挙げられる。好ましいCD二量体は、(コレステロールよりも)7KCに選択的である。好ましくは、上記のCD二量体は、コレステロールの過剰な除去から引き起こされる可能性がある潜在的に有害もしくは毒性の影響を最小化または回避しながら、7KCを優先的に可溶化する。
別の態様において、本開示は、有効量の本明細書に開示されるとおりのCD二量体組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む治療法を提供する。当該対象は、7KCの有害もしくは毒性効果または7KCの有害もしくは毒性効果と関連した症状に苦しんでいる場合がある。
別の態様において、本開示は、7KC量の減少を必要としている対象に、本明細書に開示されるとおりのCD二量体組成物または本明細書に開示されるとおりのCD二量体組成物を含む医薬組成物を有効量で投与することを含む、7KC量の減少を必要としている当該対象における7KC量を減少させる方法を提供する。
当該CD二量体組成物は、当該対象に、非経口(例えば、皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側投与を介して、好ましくは、静脈内投与で投与し得る。
当該方法は、(a)当該対象に、当該CD二量体組成物を約1mg~20g、例えば、10mg~1g、50mg~200mg、もしくは100mg、または(b)当該CD二量体組成物を1~10g、例えば、約2g、約3g、約4g、もしくは約5g、または(c)当該CD二量体組成物を50mg~5g、例えば、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5gで当該対象に投与することを含み得る。
当該方法は、アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上の症候を予防、治療、または寛解させるために使用することが可能であり、任意選択的に、当該治療は、別の治療と組み合わせて施行される。当該方法は、当該対象に二次治療を施行することを含む場合があり、当該二次治療は、同時にまたはいずれかの順序で順次施行される。
当該方法は、アテローム性動脈硬化の症状を予防、治療、または寛解させるためのものであり得る。当該CD二量体組成物は、アテローム性動脈硬化の治療または予防用の別の治療、例えば、抗コレステロール薬、降圧薬、抗血小板薬、栄養補助食品、または手術もしくは行動介入と併用して投与される場合があり、そのような別の治療として、本明細書で記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。当該抗コレステロール薬は、フィブラートもしくはスタチン、抗血小板薬、降圧薬、または栄養補助食品を含み得る。当該スタチンは、ADVICOR(R)(ナイアシン徐放性/ロバスタチン)、ALTOPREV(R)(ロバスタチン徐放性)、CADUET(R)(アムロジピン・アトルバスタチン合剤)、CRESTOR(R)(ロスバスタチン)、JUVISYNC(R)(シタグリプチン/シンバスタチン)、LESCOL(R)(フルバスタチン)、LESCOL XL(フルバスタチン徐放性)、LIPITOR(R)(アトルバスタチン)、LIVALO(R)(ピタバスタチン)、MEVACOR(R)(ロバスタチン)、PRAVACHOL(R)(プラバスタチン)、SIMCOR(R)(ナイアシン徐放性/シンバスタチン)、VYTORIN(R)(エゼチミブ/シンバスタチン)、またはZOCOR(R)(シンバスタチン)を含み得る。
当該方法は、萎縮型加齢黄斑変性症の症候を予防、治療、または寛解させるためのものであり得る。当該方法は、シュタルガルト病の症候を予防、治療、または寛解させるためのものであり得る。当該CD二量体組成物は、萎縮型AMDまたはシュタルガルト病の治療または予防用の別の治療、例えば、LBS-008(Belite Bio)(レチノール結合タンパク質4の非レチノイドアンタゴニスト)、ビタミンC及びビタミンE、ベータカロテン、亜鉛、及び銅を含むAREDS栄養補助処方、ビタミンC及びビタミンE、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチン、及びオメガ3脂肪酸を含む栄養補助処方を含むAREDS2栄養補助処方、またはそれらの組み合わせと併用して投与され得る。
当該方法は、ニーマンピック病の症候を予防、治療、または寛解させるためのものであり得る。当該CD二量体組成物は、ニーマンピック病の治療または予防用の別の治療、例えば、ミグルスタット(ZAVESCA(R))、HPβCD(TRAPPSOL CYCLO、VTS-270)、及び理学療法のうち1種以上と併用して投与され得る。
当該方法は、アルツハイマー病の症候を予防、治療、または寛解させるためのものであり得る。当該CD二量体組成物は、アルツハイマー病の治療または予防用の別の治療、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(ARICEPT(R)、EXELON(R)、RAZADYNE(R))、及びメマンチン(NAMENDA(R))またはそれらの組み合わせと併用して投与され得る。
当該方法は、心不全の症候を予防、治療、または寛解させるためのものであり得る。当該CD二量体組成物は、心不全の治療または予防用の別の治療、例えば、1種または複数のアルドステロンアンタゴニスト、ACE阻害剤、ARB(アンジオテンシンII受容体遮断薬)、ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤)、ベータ遮断薬、血管拡張薬、カルシウムチャネル遮断薬、ジゴキシン、利尿薬、心臓ポンプ薬物、カリウム、マグネシウム、選択的洞結節阻害剤、またはそれらの組み合わせと併用して投与され得る。
例示的な実施形態において、1mg~10gの量のCD二量体、例えば10mg~1g、100mg~500mgを患者に投与してもよい。例示的な実施形態において、約400mgのCD二量体を投与してもよい。例示的な実施形態において、1~10gのCD二量体、例えば約2g、約3g、約4g、または約5gを投与してもよい。例示的な実施形態において、50mg~5gのCD二量体、例えば100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5g、例えば、約1gを投与してもよい。
例示的な実施形態において、前述の量のCD二量体を含み得、個別投与用に包装され得、任意選択的に、薬学的に許容される担体もしくは賦形剤をさらに含み得る単一剤形が提供される。当該単一剤形中の当該CD二量体の合計量は、上記に提示されるとおりであることが可能であり、例えば、1mg~10g、例えば、10mg~1g、100mg~500mg、1~10gのCD二量体、50mg~5g、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5g、例えば、約1g、2g、約3g、約4g、または約5gである。
CD(例えば、本開示のHPβCDまたは別のCD)二量体は、任意の適切な手段により投与され得る。好適な投与経路として、非経口(例えば、皮下、筋肉内、または静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側が挙げられる。当該投与は、眼(例えば、点眼液の形態)、硝子体内、後眼窩、網膜下、強膜下用で実行される場合もあり、これらは、AMD等の眼疾患の場合に好ましい場合がある。
CD(例えば、本開示のHPβCDまたは別のCD)二量体は、対象に投与されてもよく、in vitroで使用されてもよく、例えば、動物から取り出された細胞または組織に適用される場合もある。次いで、当該細胞または組織を、対象に導入することが可能であるが、当該細胞または組織を取り出した対象であるか別の個体であるかは問わず、ただし別の個体は、好ましくは同種のものである。
治療を受ける対象(すなわち、患者)は、典型的には、動物、一般的には、哺乳類、好ましくは、ヒトである。対象は、非ヒト動物である場合もあるが、非ヒト動物として、全ての脊椎動物、例えば、哺乳類、ならびに非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ニワトリ、両生類、及び爬虫類等の非哺乳類が挙げられる。いくつかの実施形態において、対象は、家畜、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽、及びウマ等、または伴侶動物、例えば、イヌ及びネコ等である。対象は、遺伝子的にオスでもメスでもよい。対象は、任意の年齢であってもよく、例えば、高齢(一般に、少なくとも60歳、70歳、もしくは80歳、またはそれらを超える)、成人から高齢に移行段階の年齢の対象、成人、成人前から成人に移行段階の年齢の対象、及び若年(例えば、13歳から、16、17、18、または19歳まで)を含む成人前、小児(一般に、13歳未満または思春期前)、ならびに乳幼児である。また、対象は、任意の人種集団または遺伝子型のものであることが可能である。ヒト人種集団のいくつかの例として、コーカサス人種、アジア人種、ラテンアメリカ人種、アフリカ人種、アフリカ系アメリカン、ネイティブアメリカン、セム族、及び太平洋諸島民族が挙げられる。本発明の方法は、一部の人種集団、例えば、コーカサス人種、特に北欧人種集団、及びアジア人種集団により適切であり得る。
アテローム性動脈硬化
本明細書に記載される例示的なCD二量体は、アテローム性動脈硬化等の疾患の予防または治療に有用である。CD二量体と、1種以上の活性作用剤、例えば本明細書に記載されるもの(例えば、スタチン系等の抗高脂血症剤)との組み合わせは、あらゆるアテローム性動脈硬化、ならびにアテローム性動脈硬化の兆候、症候、または合併症を治療するのに有用である。アテローム性動脈硬化(動脈硬化性血管疾患またはASVDとしても知られており、冠動脈疾患またはCADとしても知られている)は、コレステロール等の脂肪物質が蓄積した結果、動脈壁が肥厚化する症状である。アテローム性動脈硬化は、数十年間無症候のままである可能性もある慢性疾患である。アテローム性動脈硬化は、動脈血管に影響を及ぼす症候群であり、動脈壁における慢性炎症反応は、マクロファージ白血球細胞の蓄積によるところが大きく、この慢性炎症反応は、機能性高密度リポタンパク質(HDL)によりマクロファージから脂肪及びコレステロールが適切に除去されないと、低密度リポタンパク質(コレステロール及びトリグリセリドを運搬する血漿タンパク質)により促進されると考えられる。アテローム性動脈硬化は、一般に、動脈の硬化または動脈での蓄積と称する。これは、動脈内に複数のプラークが形成されることにより引き起こされる。
アテローム性動脈硬化病変の病理生物学は複雑であるが、一般的に、安定したアテローム性動脈硬化プラークは、無症候である傾向があり、細胞外基質及び平滑筋細胞に豊富にある一方、不安定プラークは、マクロファージ及び泡沫細胞に豊富にあり、また、病変と動脈管腔とを隔てる細胞外基質(線維皮膜としても知られている)は、通常、脆弱で破裂しやすい。線維皮膜の破裂は、コラーゲン等の血栓形成材料を血液循環に露出させ、最終的に管腔での血栓形成を誘導する。形成の際、管腔内血栓は、動脈を完全に閉塞させる可能性もあるが(例えば、冠動脈閉塞)、より頻繁には、剥離されて血液循環に入り、最終的に下流のより小さな支流を閉塞させて血栓塞栓症を引き起こす可能性がある(例えば、頸動脈での血栓形成により脳卒中が引き起こされることが多い)。血栓塞栓症とは別に、アテローム性動脈硬化病変の慢性的な拡大により、管腔が完全に閉塞する可能性がある。病変の慢性的な拡大は、下流組織(複数可)への血液供給が不充分になり、その結果虚血が生じるほど管腔狭窄が重篤化するまで、無症候であることが多い。
進行性アテローム性動脈硬化のこうした合併症は、慢性であり、ゆっくりと進行し、また累積的である。場合によっては、ソフトプラークが突然破裂して血栓の形成を引き起こし、これが急速に血流の鈍化または停止をもたらし、動脈により供給を受けている組織の死亡を招く(梗塞)。冠動脈の冠動脈血栓症も、心筋梗塞を招く可能性のある共通合併症である。脳に行く動脈の遮断は、脳卒中をもたらす可能性がある。進行性アテローム性動脈硬化疾患では、脚部への不十分な血液供給による跛行が生じる可能性があり、典型的には、狭窄及び血餅で狭くなった動脈瘤セグメント両方の組み合わせにより引き起こされ得る。
アテローム性動脈硬化は、全動脈樹に影響し得るが、典型的には、冠動脈、腎動脈、大腿動脈、脳動脈、及び頸動脈等の大型で高圧の血管ほどリスクが高い。
アテローム性動脈硬化の兆候、症候、及び合併症として、上記で検討されたように、上昇した血漿中総コレステロール、VLDL-C、LDL-C、遊離コレステロール、コレステロールエステル、トリグリセリド、リン脂質、及び動脈の病変(例えば、プラーク)の存在が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、コレステロール(例えば、総コレステロール、遊離コレステロール、及びコレステロールエステル)の上昇が、血漿、大動脈組織、及び大動脈プラークの1つ以上で見られる場合がある。
特定の個体は、アテローム性動脈硬化の素因を有し得る。したがって、本開示は、アテローム性動脈硬化またはその兆候、症候、もしくは合併症を予防するため、対象に、CD二量体を単独で、または1種以上の追加の治療剤(例えば、スタチン系等の抗高脂血症剤)と併用して投与する方法に関する。いくつかの実施形態において、アテローム性動脈硬化の素因を有する対象は、以下の特徴:高齢、心疾患の家族歴、生物学的状態、血中高コレステロールのうち1つ以上を示し得る。いくつかの実施形態において、生物学的状態は、高レベルの血液中の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、低レベルの血液中の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、高血圧、インスリン抵抗性、糖尿病、過剰な体重、肥満、睡眠時無呼吸、一因となる生活スタイルの選択(複数可)、及び/または一因となる行動習慣(複数可)を含む。いくつかの実施形態において、行動習慣は、喫煙及び/またはアルコール摂取を含む。いくつかの実施形態において、生活スタイルの選択は、活動的ではない生活スタイル及び/または高いストレスレベルを含む。
例示的な実施形態では、アテローム性動脈硬化に罹患している患者に、本開示のCD二量体と、任意選択的に1種以上の追加作用剤とを併用して投与することを提供する。患者は、アテローム性動脈硬化の1つ以上の兆候または症候を示し得る。アテローム性動脈硬化は、ドップラー超音波検査、足関節上腕血圧比、心電図、ストレス試験、血管造影図(任意選択的に心臓カテーテル検査を使用)、コンピュータ断層撮影法(CT)、核磁気共鳴血管撮影(MRA)、または他の動脈画像化もしくは血流測定法のうち1つ以上に基づいて診断可能である。
例示的な実施形態では、本開示のCD二量体と1種以上の追加治療とを含む併用療法で投与することを提供する。アテローム性動脈硬化を治療するためのこれら併用療法は、本開示のCD二量体と、アテローム性動脈硬化の治療または予防のための、抗コレステロール薬、降圧薬、抗血小板薬、栄養補助食品、または手術もしくは行動介入等の別の療法とを含み得、別の療法としては、以下に記載されるものが挙げられるが、それらに限定されない。さらなる併用療法は、本開示のCD二量体と、アルドステロンアンタゴニスト、ACE阻害剤、ARB(アンジオテンシンII受容体遮断剤)、ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤)、ベータ遮断剤、血管拡張剤、カルシウムチャネル遮断剤、ジゴキシン、利尿剤、心臓ポンプ薬物、カリウム、マグネシウム、選択的洞結節阻害剤のうちの1種以上またはこれらの組み合わせ等の心不全の治療のための別の療法とを含む。萎縮型加齢黄斑変性症(AMD)またはシュタルガルト病を治療するための併用療法は、本開示のCD二量体と、LBS-008(Belite Bio)(レチノール結合タンパク質4の非レチノイドアンタゴニスト)、ビタミンC及びビタミンE、ベータカロテン、亜鉛、ならびに銅を含むAREDS栄養補助剤、ビタミンC及びビタミンE、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチン、及びオメガ3脂肪酸を有する栄養補助剤を含むAREDS2栄養補助剤、またはこれらの組み合わせ等のAMDの治療のための別の療法とを含む。アルツハイマー病を治療するための併用療法は、本開示のCD二量体と、コリンエステラーゼ阻害剤(ARICEPT(R)、EXELON(R)、RAZADYNE(R))及びメマンチン(NAMENDA(R))のうちの1種以上またはこれらの組み合わせとを含む。ニーマン-ピック病の併用療法は、本開示のCD二量体と、ミグルスタット(ZAVESCA(R))、HPβCD(TRAPPSOL CYCLO、VTS-270)、及び理学療法のうちの1種以上とを含む。当該併用療法は、同時に、本質的に同時に、またはいずれかの順序で順次に実行してもよい。併用療法は、単一製剤で同時に実行されてもよく、別に投与する場合もあり、任意選択的に、各薬剤を組み合わせて含有する投薬キットまたはパックを用い、キットまたはパックは、例えば、組み合わせた各薬物の1回用量を1回以上提供する事前に測定された好都合な様式であり得る。併用療法は、相乗効果を示し得、組み合わせた療法の効果が、個々の単独治療の効果を超える。併用療法では、一般に、CD二量体及び組み合わせた療法を有効量で投与することを含むが、併用療法は、CD及び/または組み合わせた療法のより少ない投薬量で有効な治療をもたらすことが可能であり、これは有利なことに、通常(非併用)投薬量に伴う副作用を低下させる場合がある。
併用療法は、アテローム性動脈硬化に関連した疾患または症状、例えば、冠動脈疾患、狭心症、心臓発作、脳血管疾患、一過性脳虚血発作、及び/または末梢動脈疾患の治療または予防のための療法を含み得る。併用療法は、アテローム性動脈硬化形成及び/または予後の悪化の一因となる可能性がある症状、例えば、高血圧、高コレステロール血症、高血糖、及び糖尿病の治療または予防のための療法を含み得る。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、抗コレステロール薬、例えば、フィブラート系またはスタチン系薬剤、例えば、ADVICOR(R)(ナイアシン徐放性/ロバスタチン)、ALTOPREV(R)(ロバスタチン徐放性)、CADUET(R)(アムロジピン・アトルバスタチン合剤)、CRESTOR(R)(ロスバスタチン)、JUVISYNC(R)(シタグリプチン/シンバスタチン)、LESCOL(R)(フルバスタチン)、LESCOL XL(フルバスタチン徐放性)、LIPITOR(R)(アトルバスタチン)、LIVALO(R)(ピタバスタチン)、MEVACOR(R)(ロバスタチン)、PRAVACHOL(R)(プラバスタチン)、SIMCOR(R)(ナイアシン徐放性/シンバスタチン)、VYTORIN(R)(エゼチミブ/シンバスタチン)、及び/またはZOCOR(R)(シンバスタチン)等と同時投与される。抗コレステロール薬は、高コレステロール血症を予防または治療するのに有効な量で投与され得る。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、抗血小板薬物、例えば、アスピリンと同時投与される。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、降圧薬と同時投与される。降圧薬の例として、ベータ遮断剤、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネル遮断剤、及び/または利尿剤が挙げられる。
例示的な実施形態において、本発明のCD二量体は、栄養補助食品、例えば、アルファ-リノレン酸(ALA)、オオムギ、ベータ-シトステロール、紅茶、プランタゴ・オバタ(blond psyllium)、カルシウム、カカオ、タラ肝油、補酵素Q10、魚油、葉酸、ニンニク、緑茶、ナイアシン、オーツ麦ふすま、オメガ3脂肪酸(エイコサペンタエン酸(EPA)及び/またはドコサヘキサエン酸(DHA)等)、シトスタノール、及び/またはビタミンCのうちの1種以上と同時投与される。
例示的な併用療法は、患者の行動及び/または生活スタイルへの介入、例えば、禁煙、運動、及び健康的な食事、例えば、低密度リポタンパク質(LDL)が少なく及び任意選択的に高密度リポタンパク質(HDL)が高い食事等の相談及び/または支援を含む。
例示的な併用療法は、外科的介入、例えば、血管形成術、ステント留置、またはその両方等も含む。
本発明の方法は、ヒト対象においてアテローム性動脈硬化を治療または予防するのに有用である。場合によっては、患者は、アテローム性動脈硬化を示していること以外は健康である。例えば、患者は、治療の時点で、心血管系、血栓性、または他の疾患もしくは障害の他のどのようなリスク因子も示していない場合がある。しかしながら、他の場合において、患者は、アテローム性動脈硬化が原因であるもしくはそれと相関する疾患または障害を有すると診断されていること、あるいはそのような疾患または障害を発症するリスクがあることに基づいて選択される。例えば、本発明の医薬組成物の投与時点で、または投与前に、患者は、循環器疾患または障害、例えば、冠動脈疾患、急性心筋梗塞、無症候性頸動脈アテローム性動脈硬化、脳卒中、末梢動脈閉塞性疾患等を有すると診断されている、あるいはそのような疾患または障害を発症するリスクがあると同定されている場合がある。循環器疾患または障害は、場合によっては、高コレステロール血症である。
他の場合において、本発明の医薬組成物の投与時点で、または投与前に、患者は、アテローム性動脈硬化を有すると診断されている、またはそれを発症するリスクがあると同定されている場合がある。
さらに他の場合において、本発明の方法で治療しようとする患者は、年齢(例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、または80歳より高齢)、人種、性別(男性または女性)、運動習慣(例えば、定期的な運動を行う、運動を行わない)、他の既存の病状(例えば、II型糖尿病、高血圧等)、及び現在の医学的状態(例えば、現在、スタチン系薬剤、例えば、セリバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン等、ベータ遮断剤、ナイアシン等を服薬している)からなる群より選択される1つ以上の要因に基づいて選択される。
本発明の実施形態は、アテローム性動脈硬化及び他の加齢関連疾患を治療または予防する組成物及び方法を提供する。7KCは、アテローム性動脈硬化プラークで最も豊富な非酵素的に生成されるオキシステロールであり、アテローム性動脈硬化の発病の一因となると考えられる。本発明のCD二量体を用いる治療は、アテローム性動脈硬化プラーク形成の予防及び/または好転に有益であると期待される。
本発明の実施形態は、7KCが関与している疾患及び状態の治療または予防のための組成物及び方法を提供する。これらには、加齢性黄斑変性症(AMD)、アルツハイマー病、ならびにニーマンピックC型(NPC)等のリソソーム蓄積症等の老化疾患が含まれるが、これらに限定されない。7KCはまた、嚢胞性線維症、肝損傷及び肝不全、及び高コレステロール血症の病因にも関与している。高コレステロール血症における認知症の増加率は、7KCの蓄積と関連している。
V.実施例
実施例1.βCD及びβCD二量体の先のMDシミュレーション
先に、本発明者らは、7KC及びコレステロールと複合体を形成する単量体(図3E~F)及び二量体化(図4A~H)βCD分子の様々なシミュレーションを行った。これらの研究により、二量体化がこれらのリガンドと複合体形成を有意に改善することが最終的に示された後、図5~6に示されるウェットラボ及びNMRデータによって裏付けられるように、これらのタイプのシミュレーションを拡張し、他のタイプの二量体を含めた。化学合成及びウェットラボでの研究の前にコンピュータ解析を行うことで、これらの分子を、物理的に合成して試験する前に理論的にテストすることが可能である。先の研究の簡単な要約は次のとおりである。
単量体(図3E~3F)と比較して、本発明者らの新規のブチル連結DS5ヒドロキシプロピルβ-CD二量体(図4A)は、GROMOS力場において7KC及びコレステロールとの安定した複合体の形成が大幅に改善された。これらの軌跡のプロットと単量体型HPβCD(DS5)及び未変性βCDについてのプロットの間の対比は、二量体化版が、一貫して、ヒドロキシプロピル化されていてもいなくてもその対応する単量体型版よりも著しく確実にステロールと結合することの明らかな証拠を提供する。これは、単量体と二量体を比較した本発明者らの実験データと一致する(図5A~5Q、及び図6A~6D)。角度、距離、及びエネルギーは、全て、単量体型シミュレーションにおけるものよりも非常に安定であり、おそらく、より溶解化した立体配置にある。本発明者らは、複合体が下方向で完全に形成された場合、リガンドとCDの重心の間が5オングストローム未満であることがわかる一方で、GROMOS力場の単量体は、複合体が形成された場合、分子間は5~10オングストローム超えることを一貫して示した。これは、二量体が、両リガンドと、特に下方向で、特に単量体型βCDと比較した場合に、非常に強力で安定な複合体を形成することを示す。データは、二量体化HPβCDが、全体として、単量体よりも非常に強いステロール親和性を有すること、及び7KCがコレステロールよりも著しく長く少なくとも一方のCDと会合しているため、二量体化HPβCDが7KCに対する優先性を有することを示す。
これら及びその他の初期のHPβCDシミュレーションに基づいて、理想的な包接複合体の開始位置(両方向)でのGROMOS力場が、これらの複合体に対して最良かつ最も動的な結果を生み出すと結論付けられた。この長い初期解析は、これらの新規分子をモデリングするための先例を確立するために重要であり、こうすることで、他種の二量体についてより短時間でより的を絞ったシミュレーションを行うことができた。したがって、分子動態解析の拡張を有望な各種リンカー及び置換を用いて行っており、トリアゾール及びブチル結合メチルβCD、スルホブチルβCD、ならびに第四級アンモニウムβCDを含み、全てがDS4である(図4A~4H)。HPβCD二量体にトリアゾールリンカーを使用すると、安定性の低い複合体が生成されるように見えたが、これらの複合体は、コレステロールよりも7KCに対してより特異的であった(図4B)。メチル二量体(図4C~4D)は、ブチルリンカーを有するものが最も安定な複合体を形成し、両方のリンカーの場合で上方向を優先するように思われたが、相互作用は、試験した2種のメチル二量体で非常に類似している。メチル置換に関して、どちらがより実際に有効であるかを区別することは困難であるが、両種のリンカーとも、両方のリガンドと容易に複合体を形成する。軌跡から、7KCの頭部基は、二量体の空洞内に完全に入っていないが、2つの姉妹単量体の間に安定して維持されることが明らかとなった。
負に荷電したスルホブチル二量体(図4E~4F)は、メチル二量体及びヒドロキシプロピル二量体と同様なパターンを示し、この場合、トリアゾールリンカーがわずかに不安定な複合体を作り出すが、7KC特異性を可能にする。荷電した嵩高いスルホブチル基は、7KC及びコレステロールの両方と非常に好適に相互作用すると思われるが、どちらのリンカーの場合も、分離した唯一の複合体は、コレステロールのものである。このことは、スルホブチル二量体がメチル及びヒドロキシプロピルと比べた場合に、7KCに対して非常に良好な特異性を有する可能性が高いことを示す。
荷電した置換基の可能性をさらに調査するため、DS4の正に荷電した第四級アンモニウムβCDのMD解析(図4G~4H)を行った。QA二量体は、SB二量体と同様の特性を示し、トリアゾールリンカーで見られる7KC特異性はより良好であるが、両方のリガンドとの全体的な複合体形成は良好である。ブチル連結QAβCDとコレステロールの間で下方向の特に強力な複合体が形成されるが、トリアゾール連結QAβCDは下方向の7KCと最も安定した複合体を形成する。
これらのシミュレーションの予測的性質に基づいて、この種の分析を拡張し、現在説明するCD二量体を含める。
実施例2.ステロールとのC6ブチル置換DS6トリアゾール連結βCD二量体複合体のMDシミュレーション
図11Aは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立して複合体を形成するC6ブチル置換DS6 βCD二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。ステロールとその方向は、次の色で表される:7KC-上(赤)、7KC-下(青)、コレステロール-上(黒)、及びコレステロール-下(オレンジ)。
データは、所与の複合体のシミュレーションの実行ごとにほとんど変動がないため、上方向または下方向に関係なく、二量体が7KC及びコレステロールの両方と比較的安定したホスト-ゲスト相互作用を形成し、この二量体がステロール様分子の効果的な封入剤であることを示す。
実施例3.ステロールとのC62-ヒドロキシプロピルDS6トリアゾール連結βCD二量体複合体のMDシミュレーション
図11Bは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立して複合体を形成するC6 2-ヒドロキシプロピルDS6 βCD二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
データは、特定の複合体のシミュレーションの実行ごとにほとんど変動がないため、上方向または下方向に関係なく、二量体が7KC及びコレステロールの両方と比較的安定したホスト-ゲスト相互作用を形成し、この二量体がステロール様分子の効果的な封入剤であることを示す。
分子動力学方法
CD-ステロールの複合体形成とこれらの分子の二量体化の役割をより包括的に把握するために、GROMACSソフトウェアを使用して様々なMDシミュレーションを実施した。これらのシミュレーションは、構造の周りの水分子の挙動、ならびに複合体内の様々な分子グループの内部動力学も明確に概説する。両方の課題は、これらのタイプの構造に非常に固有であることが最近報告された。GROMOSパラメーターは、未変性CDの独自のトポロジー[J.Phys.Chem B,118,2014,699958]と、ATBサーバーから取得した様々なグループのパラメーター化を組み合わせることによって取得し、既知の分子の参照構成要素と力場の固有パラメーターを用いて順次検証された。「上」と「下」と名付けられた2つの包接複合体構造が、CD空洞内のステロール分子の方向とは反対になるように、すなわち、それらの主軸に整列したCDの対称軸に平行及び逆平行になるように、力場とリガンドそれぞれに用意した(図3A)。得られた構造は、およそ3000個の水分子で溶媒和された。最小化の際、得られたシステムがMDシミュレーションの初期構造として採用された。2fsの積算時間ステップを用いて、100nsの無制限の生産軌跡が生成された。全てのシミュレーションにおいて、等方性Parrinello-Rahmanバロスタット[J.Appl.Phys.52,1981,7182]及び速度リスケーリング(V-rescale)サーモスタット[J.Phys.Chem.126,2007,014101]を使用して、圧力と温度をそれぞれ1bar及び298Kで制御した。結合振動を除去するためにLINCSアルゴリズム[J.Comput.Chem.18,1997,1463]が採用された。全ての場合において、0.15nmのグリッド間隔と共に1.2nmの直接空間遮断を備える周期境界条件に結びつけた粒子メッシュEwald法を使用して、長距離型静電気を処理した。ファンデルワールス相互作用は、1.2nmの球面カットオフを使用してコンピュータ計算された。シミュレーションの分析は、標準のGROMACSツールを使用して実行され、Pythonスクリプトを使用して処理した。
図3Cは、リガンドが周囲の水分子からどのくらい十分遮蔽されているかを特定するのに「角度」測定がどのくらい有用であるかを示す:ゼロまたは180度は、リガンドがCDの面に対して垂直であることを示し、したかって、2つの分子は可溶性複合体である可能性が最も高い一方、90度は、リガンドがCD面と平行であり、空洞内で複合体形成する可能性が低いことを示す。本発明者らの複合体について、およそ30度は、複合体形成された「上」方向(CDの二次面に関連付けられたステロール頭部、一次面の尾部、CDの空洞内に挿入されたリガンド全体)に対応し、約150度は、複合体形成された「下」方向(CDの二次面に関連付けられたステロールの尾部、一次面の頭部、CDの空洞内に挿入されたリガンド全体)に対応する。
実施例4.βCD単量体による化合物の可溶化
実施例4は、様々な置換βCD単量体がコレステロール及び7KCを可溶化する能力を説明するものである(図5A~5D)。混濁度が低いほど、所定のステロールを可溶化する能力が高いことを示す。7KC及びコレステロールを可溶化する能力は、置換度が高くなるほど低下した(図5A及び5B)。DSの低いHPβCDほど、コレステロールよりも7KCを優先的に可溶化することを示し、このことは、そのようなHPβCDが7KCに対する特異性を有することを示唆する。理論によって制限されることを意図するものではないが、説明として可能性があるのは、7KCの7位のケト基と水素結合するために最大数のヒドロキシル基が利用可能だということである。しかし、この理論は、本発明を実施する上で必要ではない。
実施例5.HPβCD置換CD二量体の合成
図7C及び7Hは、本実施例で合成される特定の分子を示す。
この実施例は、置換CD二量体の合成を、最初にブチルリンカーで連結したもの、次いでトリアゾール含有リンカーで連結したものについて説明する。
DS測定については、1H及び2D NMRスペクトルを、Varian VXR-600で600MHzにて記録し、内部基準として残存溶媒シグナルを用いる。構造を解明するため、試料をDMSO-d/DOに溶解させる。少なくとも0ppm~+10ppmを含むスペクトル窓が得られるように、少なくとも16回スキャンして、FIDシグナルを記録する。平均DSの計算は、アノマー領域の積分値を14に設定し(14は、ベータ-CD二量体のアノマープロトンの数である)、アルキル領域の積分値を3で除算することにより、達成可能である(図7Dを参照)。
合成及び特性決定の一般的説明
HP(βCD-ブチル-βCD)ホモ二量体
HPβCDブチル連結二量体の合成は、3段階合成を通じて達成した(図7Aを参照)。出発物質は、一次側がtert-ブチルジメチルシリル基で保護された単量体型β-CDである(TBDMS-βCD、CycloLab、Budapest、Hungary)。
二次面二量体化は、TBDMS-βCD、無水条件、及び塩基として水素化ナトリウムを用いることにより実現した。不均一反応混合物にジアルキル化剤を滴下し、室温で完全に反応させた。
一次側を保護したβCD二量体(TBDMS-βCD-ブチル-βCD-TBDMS)を、アイソクラチック溶離(溶離液としてクロロホルム:メタノール:水=50:8:0.8(v/v/v))を用いるクロマトグラフィーにより精製した。化合物のMALDI及びNMR分析により、生成物の正体を確認した。
THF中、室温で、テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いて脱シリル化(脱保護)を行った。βCD二量体(βCD-ブチル-βCD)を、アイソクラチック溶離(溶離液として1,4-ジオキサン:25%のNH(水溶液)=10:7(v/v))を用いてクロマトグラフィーにより精製した。化合物のMALDI及びTLC分析により、生成物の正体を確認した。
βCD二量体のヒドロキシプロピル化は、水性条件にて、室温で、塩基として水酸化ナトリウムを用いることにより実現した。ヒドロキシプロピル化βCD二量体(HP(βCD-ブチル-βCD))二量体の精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び大規模透析に基づいた。化合物のMALDI及びNMR分析により、生成物の正体及び構造を確認した(図7B、7D、及び7E)。編集HSQCは、CH3(メチル)/CH(メチン)相関関係(シクロデキストリン単位のC1、C2、C3、C4、及びC5のように、赤色の交差ピークとして視覚化するか、または、代替として、例えば、メチル置換CDの場合はメチル基として視覚化する)と、CH2相関関係(シクロデキストリン単位のC6シグナルのように、青色の交差ピークとして視覚化する)とを区別できるHSQCであり、これは、逆位相であるためである。これらの色は、白黒の複製では区別されない場合があるが、元の色のHSQC図の分析は、赤と青の交差ピークを含む予想された特徴を示す。
HP(αCD-ブチル-αCD)ホモ二量体
ブチル連結HPαCD二量体の合成は、3段階合成を通じて達成する(図12Aを参照)。出発物質は、一次側がtert-ブチルジメチルシリル基で保護された単量体型αCDである(TBDMS-αCD、CycloLab、Budapest、Hungary)。
二次面二量体化は、TBDMS-αCD、無水条件、及び塩基として水素化ナトリウムを用いることにより実現した。不均一反応混合物にジアルキル化剤を滴下し、室温で完全に反応させる。
一次側を保護したαCD二量体(TBDMS-αCD-ブチル-αCD-TBDMS)を、アイソクラチック溶離(溶離液としてクロロホルム:メタノール:水=50:8:0.8(v/v/v))を用いるクロマトグラフィーにより精製する。
THF中、室温で、テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いて脱シリル化(脱保護)を行う。αCD二量体(αCD-ブチル-αCD)を、アイソクラチック溶離(溶離液として1,4-ジオキサン:25%のNH3水溶液=10:7(v/v))を用いてクロマトグラフィーにより精製する。
αCD-ブチル-αCD二量体のヒドロキシプロピル化は、水性条件にて、室温で、塩基として水酸化ナトリウムを用いることにより実現する。ヒドロキシプロピル化αCD二量体(HP(αCD-ブチル-αCD))の精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び大規模透析に基づく。
HP(βCD-トリアゾール-βCD)ホモ二量体
1つのトリアゾール部分で二次面を介して接続されたヒドロキシプロピル化β-CD二量体の合成は、4段階の手順で行われる(図7F)。第一段階は、アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)の調製であり、これは、この試薬が市販されていないためである。第二段階は、2種のβCD単量体、2-O-モノプロパルギル-β-CD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDをそれぞれ構築することである。合成の第三段階は、銅触媒アジド-アルキン環化付加によるβCD-トリアゾール-βCD二量体核の形成であり、最終段階は、古典的アルキル化アプローチによる一連の2-ヒドロキシプロピル化トリアゾール連結二量体の調製である。
詳細には、アジドリンカーの調製は、アジ化ナトリウムの量を厳密に制限し、制限試薬の付加時間を延長することにより実現可能である。アジドリンカーは、NMR分光測定及びTLCにより特性決定される。
2種の単量体の合成は、2級ヒドロキシル基の選択的脱プロトン化のための塩基として水素化リチウムを使用することにより達成される。詳細には、このアプローチにより、C2に位置するヒドロキシル基のみがほとんど反応する。結果として、この方法により調製された単量体は、O2(単一種の異性体)で優先的に置換される。2種の単量体は、NMR分光測定、MALDI、及びTLCにより特性決定される。
次いで、触媒としての臭化銅を用いて、DMF水溶液で2種の単量体を反応させることにより、二量体核の調製を実現する。得られる化合物である、単一の異性体、(BCD-トリアゾール-BCD、DS=0)は、NMR分光測定及びMALDIにより特性決定される。
BCD-トリアゾール-BCDのヒドロキシプロピル化は、プロピレンオキシド及びアルカリ性水性条件を用いて達成した。一連のヒドロキシプロピル化化合物は、NMR分光測定(図7I~7J)及びMALDIにより特性決定された(図7G)。
HPβCD-トリアゾール-βCD(ランダム置換)非対称二量体
1つのトリアゾール部分で二次面を介してランダムに置換されて接続された2-ヒドロキシプロピル化βCD非対称二量体の合成は、3段階の手順で行われる(図20A~20F)。第一段階は、アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)の調製であり、これは、この試薬が市販されていないためである。第二段階は、2つのβCD単量体、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD、及びランダムに置換された非対称単量体、(2-ヒドロキシプロピル化)-2-O-モノプロパルギル-βCDのそれぞれの構築である。合成の第三段階は、銅触媒アジド-アルキン環化付加による最終二量体の形成である。非対称二量体の調製では、最終二量体の「非対称性」はこの開発段階でのみ導入できるため、環化付加の前に非対称単量体をカスタマイズすることが必須である。
詳細には、アジドリンカーの調製は、アジ化ナトリウムの量を厳密に制限し、制限試薬の付加時間を延長することにより実現可能である。アジドリンカーは、NMR分光測定及びTLCにより特性決定される。
単量体の合成は、二次側の選択的脱プロトン化のための塩基として水素化リチウムを使用することにより達成される。詳細には、このアプローチにより、C2に位置するヒドロキシル基がほとんど反応する。結果として、この方法により調製された単量体は、主にO2で置換される。2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDは、前述の方法に従って1段階で調製され、単一の異性体として得られる。第2の単量体に「非対称性」を導入するために、2-O-モノプロパルギル-βCDは、プロピレンオキシドとアルカリ水溶液条件を用いて2-ヒドロキシプロピル化される。2種の単量体は、NMR分光測定、MALDI、及びTLCにより特性決定される。
次いで、触媒としての臭化銅を用いて、DMF水溶液で2種の単量体を反応させることにより、非対称二量体の調製を実現する。得られる化合物である、HPβCD’-トリアゾール-βCD DS3(ランダム置換)非対称二量体は、NMR分光測定及びMALDIにより特性決定される。
C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS3非対称二量体
1つのトリアゾール部分で二次面を介して接続されたC6-一次側(2-ヒドロキシプロピル化)-βCD非対称二量体DS3の合成は、3段階の手順で行われる(図20B~20F)。第一段階は、アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)及び保護された2-ヒドロキシプロピル化剤の調製であり、これは、これらの試薬が市販されていないためである(図20C)。
第二段階は、2つのβCD単量体、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD、及び非対称単量体トリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDのそれぞれの構築である(図20D~20E)。
合成の第三段階は、銅触媒アジド-アルキン環化付加による最終二量体の形成である(図20F)。
非対称二量体の調製では、最終二量体の「非対称性」はこの開発段階でのみ導入できるため、環化付加の前に非対称単量体をカスタマイズすることが必須である。
詳細には、アジドリンカーの調製は、アジ化ナトリウムの量を厳密に制限し、制限試薬の付加時間を延長することにより実現可能である。アジドリンカーは、NMR分光測定及びTLCにより特性決定される。保護された2-ヒドロキシプロピル化剤(1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン)の合成は、2段階で実現される。プロピレンオキシドを溶媒としてのベンジルアルコールと酸性条件下で反応させ、2-ベンジルオキシ-1-プロパノールを得る。次いで、得られたアルコールをアセトニトリル中、酸性条件下で、臭化カリウムを用いてブロモ類似体に変換する。
単量体の合成は、二次側の選択的脱プロトン化のための塩基として水素化リチウムを使用することにより達成される。詳細には、このアプローチにより、C2に位置するヒドロキシル基がほとんど反応する。結果として、この方法により調製された単量体は、主にO2で置換される。2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDは、前述の方法に従って1段階で調製され、単一の異性体として得られる。第2の単量体の一次側のみに「非対称性」を導入するために、2-O-モノプロパルギル-βCDを多段階合成手順に従って修飾する(図20C)。2-O-モノプロパルギル-βCDは、一次側がtert-ブチルジメチルシリル部分で選択的に保護され、次いで、相間移動触媒(PTC)条件下で臭化ベンジルで二次側を網羅的に修飾することで、非対称的に保護された単量体、per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを生成する。tert-ブチルジメチルシリル部分の選択的除去は、THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリドで簡単に実現される。キー中間体であるper-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを、保護された2-ヒドロキシプロピル化剤(1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン)とPTC条件下で反応させる。所望のDS3は、塩基(KOH)の量を厳密に制限することによって実現される。最後に、ヒドラジン媒介移動水素化によるベンジル基の網羅的な脱保護により、非対称単量体、トリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDが得られる。2種の単量体は、NMR分光測定、MALDI、及びTLCにより特性決定される。
次いで、触媒としての臭化銅を用いて、DMF水溶液で2種の単量体を反応させることにより、非対称二量体の調製を実現する。得られる化合物である、C6HPβCD’-トリアゾール-βCD DS3非対称二量体は、NMR分光測定及びMALDIにより特性決定される。
C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS7非対称二量体
1つのトリアゾール部分で二次面を介して接続され、完全に置換されているC6-一次側(2-ヒドロキシプロピル化)-βCD非対称二量体DS7の合成は、3段階の手順で行われる(図21A~21D)。第一段階は、アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)及び保護されたバージョンである2-ヒドロキシプロピル化剤の調製であり、これは、これらの試薬が市販されていないためである(図21A)。
第二段階は、2つのβCD単量体、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD、及び非対称単量体per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDのそれぞれの構築である(図21B~21C)。
合成の第三段階は、銅触媒アジド-アルキン環化付加による最終二量体の形成である(図21D)。
非対称二量体の調製では、最終二量体の「非対称性」はこの開発段階でのみ導入できるため、環化付加の前に非対称単量体をカスタマイズすることが必須である。
詳細には、アジドリンカーの調製は、アジ化ナトリウムの量を厳密に制限し、制限試薬の付加時間を延長することにより実現可能である。アジドリンカーは、NMR分光測定及びTLCにより特性決定される。保護された2-ヒドロキシプロピル化剤(1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン)の合成は、2段階で実現される。プロピレンオキシドを溶媒としてのベンジルアルコールと酸性条件下で反応させ、2-ベンジルオキシ-1-プロパノールを得る。次いで、得られたアルコールをアセトニトリル中、酸性条件下で、臭化カリウムを用いてブロモ類似体に変換する。
単量体の合成は、二次側の選択的脱プロトン化のための塩基として水素化リチウムを使用することにより達成される。詳細には、このアプローチにより、C2に位置するヒドロキシル基がほとんど反応する。結果として、この方法により調製された単量体は、主にO2で置換される。2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDは、前述の方法に従って1段階で調製され、単一の異性体として得られる。第2の単量体の一次側のみに「非対称性」を導入するために、2-O-モノプロパルギル-βCDを多段階合成手順に従って修飾する(図21B)。2-O-モノプロパルギル-βCDは、一次側がtert-ブチルジメチルシリル部分で選択的に保護され、次いで、相間移動触媒(PTC)条件下で臭化ベンジルで二次側を網羅的に修飾することで、非対称的に保護された単量体、per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを生成する。tert-ブチルジメチルシリル部分の選択的除去は、THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリドで簡単に実現される。キー中間体であるper-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを、保護された過剰の2-ヒドロキシプロピル化剤(1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン)とPTC条件下で反応させる。一次側の完全な置換である所望のDS7は、過剰の塩基(KOH)と保護された過剰の2-ヒドロキシプロピル化剤を同時に使用することによって実現される。最後に、ヒドラジン媒介移動水素化によるベンジル基の網羅的な脱保護により、非対称単量体、per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDが得られる。2種の単量体は、NMR分光測定、MALDI、及びTLCにより特性決定される。
次いで、触媒としての臭化銅を用いて、DMF水溶液で2種の単量体を反応させることにより、非対称二量体の調製を実現する。得られる化合物である、C6HPβCD’-トリアゾール-βCD DS7非対称二量体は、NMR分光測定及びMALDIにより特性決定される。
HP(αCD-トリアゾール-αCD)ホモ二量体
1つのトリアゾール部分で二次面を介して接続されたヒドロキシプロピル化αCD二量体の調製は、4段階の手順で行われる(図12B)。第一段階は、アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)の調製であり、これは、この試薬が市販されていないためである。第二段階は、2種のαCD単量体、2-O-モノプロパルギル-αCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCDをそれぞれ調製することである。合成の第三段階は、銅触媒アジド-アルキン環化付加によるαCD-トリアゾール-αCD二量体の形成であり、最終段階は、古典的アルキル化アプローチによる一連の2-ヒドロキシプロピル化トリアゾール連結二量体の調製である。
詳細には、アジドリンカーの調製は、アジ化ナトリウムの量を厳密に制限し、制限試薬の付加時間を延長することにより実現可能である。次いで、アジドリンカーは、NMR分光測定及びTLCにより特性決定される。
2種の単量体の合成は、二次側の選択的脱プロトン化のための塩基として水素化リチウムを使用することにより達成される。詳細には、このアプローチにより、C2に位置するヒドロキシル基がほとんど反応する。結果として、この方法により調製された単量体は、主にO2(単一種の異性体)で置換される。
次に、αCD-トリアゾール-αCD二量体の調製は、2種の単量体を反応させることによって実現される。
αCD-トリアゾール-αCD二量体のヒドロキシプロピル化は、プロピレンオキシド及びアルカリ性水性条件を用いて達成した。
HP(αCD-ブチル-βCD)ヘテロ二量体
ブチル連結HPαCD-βCD二量体の調製は、3段階合成を通じて達成された(図16Aを参照)。出発物質は、一次側がtert-ブチルジメチルシリル基で保護された単量体型αCD及びβCDである(TBDMS-αCD及びTBDMS-βCD、CycloLab,Budapest,Hungary)。
二次面二量体化は、TBDMS-αCD及びTBDMS-βCD、無水条件、及び塩基として水素化ナトリウムを等モル量で用いることにより実現した。不均一反応混合物にジアルキル化剤を滴下し、室温で完全に反応させた。
一次側を保護したαCD-βCD二量体(TBDMS-αCD-ブチル-βCD-TBDMS)を、アイソクラチック溶離(溶離液としてクロロホルム:メタノール:水=50:8:0.8(v/v/v))を用いるクロマトグラフィーにより精製した。
THF中、室温で、テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いて脱シリル化(脱保護)を行った。αCD-βCD二量体(αCD-ブチル-βCD)を、アイソクラチック溶離(溶離液として1,4-ジオキサン:25%のNH水溶液=10:7(v/v))を用いてクロマトグラフィーにより精製した。
αCD-ブチル-βCD二量体のヒドロキシプロピル化は、水性条件にて、室温で、塩基として水酸化ナトリウムを用いることにより実現した。ヒドロキシプロピル化αCD-βCD二量体(HP(αCD-ブチル-βCD))の精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び大規模透析に基づいた。
HP(αCD-トリアゾール-βCD)ヘテロ二量体及びHP(βCD-トリアゾール-αCD)ヘテロ二量体
1つのトリアゾール部分で二次面を介して接続されたヒドロキシプロピル化αCD-βCD二量体及びヒドロキシプロピル化βCD-αCD二量体の調製は、4段階の手順で行われる(図16B)。第一段階は、アジドリンカー(3-アジド-1-ブロモ-プロパン)の調製であり、これは、この試薬が市販されていないためである。第二段階は、4種の単量体、2-O-モノプロパルギル-αCD、2-O-モノプロパルギル-βCD、及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCD、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを調製することである。合成の第三段階は、銅触媒アジド-アルキン環化付加による2種の二量体核、αCD-トリアゾール-βCD二量体及びβCD-トリアゾール-αCD二量体の形成であり、最終段階は、古典的アルキル化アプローチによる一連の2-ヒドロキシプロピル化トリアゾール連結二量体の調製である。
詳細には、アジドリンカーの調製は、アジ化ナトリウムの量を厳密に制限し、制限試薬の付加時間を延長することにより実現可能である。次いで、アジドリンカーは、NMR分光測定及びTLCにより特性決定される。
4種の単量体の合成は、二次側の選択的脱プロトン化のための塩基として水素化リチウムを使用することにより達成される。詳細には、このアプローチにより、C2に位置するヒドロキシル基がほとんど反応する。結果として、この方法により調製された単量体は、主にO2(単一種の異性体)で置換される。
2種の二量体核、αCD-トリアゾール-βCD二量体及びβCD-トリアゾール-αCD二量体の調製は、それぞれ、2-O-モノプロパルギル-αCD単量体を2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD単量体と反応させること、及び2-O-モノプロパルギル-βCD単量体を2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCD単量体と反応させることにより実現される。
αCD-トリアゾール-βCD二量体及びβCD-トリアゾール-αCD二量体のヒドロキシプロピル化は、プロピレンオキシド及びアルカリ性水性条件を用いて達成する。
(HP(βCD-ブチル-βCD)ホモ二量体)の合成の詳細な説明
ステップ1:TBDMS-βCDの二次面二量体化
不活性雰囲気下、THF(400mL)に、無水TBDMS-βCD(10g、5.17mmol)を溶解させ、水素化ナトリウム(2.5g、50mmol)を注意しながら少しずつ加えた(30分かけて)。水素化ナトリウムを加えることで、水素の形成が起こり、懸濁液が激しく発泡した。15分撹拌後、反応混合物はゲル化し(粘性になった)、撹拌が困難になった。ゲルを破壊する目的で、反応混合物を穏やかな還流が起こるまで加熱し、30分間還流を維持した。黄色がかった不均一懸濁液は、撹拌しやすくなり、ゲル様物質は消失した。反応混合物を水浴で室温に冷却した。アルキル化剤である1,4-ジブロモブタン(1.25mL、2.25g、10.5mmol)を滴下(15分)すると、反応混合物の色は暗橙色になった。
褐色がかった懸濁液を、不活性雰囲気下、一晩撹拌した。変換率は、TLCによる見積もりで10%~15%(溶離液:クロロホルム:メタノール:水=50:10:1、v/v/v)であったので、後処理ができると判断した。
反応混合物をメタノール(30mL)で急冷し、減圧濃縮し(約20mL)、水(200mL)で沈殿させた。粗反応物を、焼結ガラスフィルターで濾過し、水で十分に洗浄した(3×300mL)。粗物質を、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させた(回収された物質:12.1g)。
粗反応物を、クロマトグラフィーにより精製し、TLC分析に基づいて、生成物を含有する画分を収集し、乾固するまで減圧蒸発させ、白色物質を得た。これを、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させた(TBDMS-βCD-BUT-βCD-TBDMS、3.5g)。
ステップ2:TBDMS-βCDブチル連結二量体の脱保護
不活性雰囲気下、THF(250mL)に、無水TBDMS-βCD-BUT-βCD-TBDMS(3.5g、0.89mmol)を溶解させ、黄色がかった溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(8.75g、33.47mmol)を1度に加えた。室温で30分撹拌後、反応混合物の色は、暗緑色になった。反応混合物を室温で一晩撹拌した。TLC分析(1,4-ジオキサン:25%のNH=10:7(v/v))により、反応が完了していないことが明らかとなったので、容器に、2回目の分量のテトラブチルアンモニウムフルオリド(4g、13.3mmol)を加えた。反応混合物を穏やかに還流するまで温め、2時間還流させた。この段階で、反応の変換は、TLCにより検出可能な出発物質がないことから、網羅的であった。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し(約10mLへ)、メタノール(200mL)を加えて、白色沈殿を得た。固体を濾別し、TLCにより分析し、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させた(1.2g)。TLC分析によると、この物質は、無視できる(≦3%)量のテトラブチルアンモニウムフルオリドを含んでいた。母液を減圧濃縮し(約10mLへ)、クロマトグラフィー(溶離液:1,4-ジオキサン:NH=10:7v/v)により精製して、生成物を含有する画分を収集し、乾固するまで減圧蒸発させ、白色物質を得た。これを、乾燥ボックス中、KOH及びPの存在下で一定重量になるまで乾燥させた(βCD-BUT-βCD、0.55g)。
ステップ3:βCD-ブチル-βCDホモ二量体のヒドロキシプロピル化
水(10mL)内に、βCD-ブチル-βCD DS0(0.5g、0.21mmol)を懸濁させ、反応容器に水酸化ナトリウム(0.1g、2.5mmol)を加えると、混合物の色は、わずかに黄色の溶液になった。反応混合物を水浴で冷却し(10℃)、プロピレンオキシド(0.5mL、0.415g、7.14mmol)を1度に加えた。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌した。反応混合物を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させた。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄した(3×15mL)。この物質を水(50mL)で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析した。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得た(0.8g)。
(HP(αCD-ブチル-αCD)ホモ二量体)の合成の詳細な説明
ステップ1:TBDMS-αCDの二次面二量体化
不活性雰囲気下、THF(400mL)に、無水TBDMS-αCD(10g、6.03mmol)を溶解させ、水素化ナトリウム(2.9g、58mmol)を注意しながら少しずつ加えた(30分かけて)。水素化ナトリウムを加えることで、水素の形成が起こり、懸濁液が激しく発泡した。15分撹拌後、反応混合物はゲル化し(粘性になり)、撹拌が困難になる。ゲルを破壊する目的で、反応混合物を穏やかな還流が起こるまで加熱し、30分間還流を維持する。黄色がかった不均一懸濁液は、撹拌しやすくなり、ゲル様構造は消失する。反応混合物を水浴で室温に冷却する。アルキル化剤である1,4-ジブロモブタン(1.45mL、2.61g、12.2mmol)を滴下(15分)すると、反応混合物の色は暗橙色になる。
褐色がかった懸濁液を、不活性雰囲気下、一晩撹拌する。変換率は、TLCによる見積もりで10%~15%(溶離液:クロロホルム:メタノール:水=50:10:1、v/v/v)であるので、後処理ができると判断される。
反応混合物をメタノール(30mL)で急冷し、減圧濃縮し(約20mL)、水(200mL)で沈殿させる。粗反応物を、焼結ガラスフィルターで濾過し、水で十分に洗浄する(3×300mL)。粗物質を、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させる(回収された物質:11.2g)。
粗反応物を、クロマトグラフィーにより精製し、TLC分析に基づいて、生成物を含有する画分を収集し、乾固するまで減圧蒸発させ、白色物質を得る。これを、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させる(TBDMS-αCD-ブチル-αCD-TBDMS、3.3g)。
ステップ2:ブチル連結TBDMS-αCD二量体の脱保護
不活性雰囲気下、THF(250mL)に、無水TBDMS-αCD-ブチル-αCD-TBDMS二量体(3.3g、0.98mmol)を溶解させ、黄色がかった溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(9.63g、36.85mmol)を1度に加える。室温で30分撹拌後、反応混合物の色は、暗緑色になる。反応混合物を室温で一晩撹拌する。TLC分析(1,4-ジオキサン:25%のNH3水溶液=10:7(v/v))により、反応が完了していないことが明らかとなったので、容器に、2回目の分量のテトラブチルアンモニウムフルオリド(4g、13.3mmol)を加える。反応混合物を穏やかに還流するまで温め、2時間還流させる。この段階で、反応の変換は、TLCにより検出可能な出発物質がないことから、網羅的である。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し(約10mLへ)、メタノール(200mL)を加えて、白色沈殿を得た。固体を濾別し、TLCにより分析し、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させる(1.1g)。母液を減圧濃縮し(約10mLへ)、クロマトグラフィー(溶離液:1,4-ジオキサン:25%のNH3水溶液=10:7v/v)により精製して、TLC分析に基づいて、生成物を含有する画分を収集し、乾固するまで減圧蒸発させ、白色物質を得る。これを、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させる(αCD-ブチル-αCD二量体、0.52g)。
ステップ3:αCD-ブチル-αCDホモ二量体のヒドロキシプロピル化
水(10mL)に、αCD-ブチル-αCD二量体(0.52g、0.26mmol)を懸濁させ、反応容器に水酸化ナトリウム(0.1g、2.5mmol)を加えると、混合物の色は、わずかに黄色の溶液になる。反応混合物を水浴で冷却し(10℃)、プロピレンオキシド(0.5mL、0.415g、7.14mmol)を1度に加える。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌する。反応混合物を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させる。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄する(3×15mL)。この物質を水(50mL)で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析する。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得る(0.6g)。
(HP(βCD-トリアゾール-βCD)ホモ二量体)の合成の詳細な説明
ステップ1:アジドリンカーの調製
激しく撹拌しながら、40mLのDMSOに1,3-ジブロモプロパン(10mL、20.18g、0.1mol)を溶解させた。アジ化ナトリウム(6.7g、0.1mol)のDMSO(240mL)溶液を調製し、1,2-ジハロプロパン溶液に、これを滴下した(2時間かけて加えた)。溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、粗反応物を、n-ヘキサン(3×100mL)で抽出し、収集した有機相を水(3×50mL)で逆抽出し、有機相を、注意しながら減圧蒸発させた(厳密に40℃、400mbarで、そうしないと、標的化合物が留去されてしまう可能性がある)。油状残渣を、クロマトグラフィーにより精製する(溶離液としてn-ヘキサン-EtOAc=98:2、アイソクラチック溶離)。TLC分析に基づいて適切な画分を収集し、減圧濃縮し、標的化合物を粘稠油状物として得る(これは、遮光冷蔵容器中、不活性雰囲気下で貯蔵可能)。TLCプレートを、トリフェニルホスフィンのジクロロメタン溶液(10%)に約15秒間浸漬し、TLCプレートを60℃未満で乾燥させ、TLCをニンヒドリンエタノール溶液(2%)に約15秒間浸漬し、最後にTLCプレートを60℃未満で乾燥させることにより、化合物を可視化する。標的化合物は、TLCプレート上で紫色スポットとして出現する。
ステップ2.1:2-O-モノプロパルギル-βCDの調製
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N2下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、臭化プロパルギル(1.97mL、17.62mmol)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%v/vのNH水溶液(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、それぞれ2-O-モノプロパルギル化及び非プロパルギル化βCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラム(25×6cm)の頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH水溶液)を行い、凍結乾燥後、2-O-モノプロパルギル-β-CDを固体として得る。2-O-プロパルギル-β-CDは、MALDI及びNMRにより分析した。
ステップ2.2:2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDの合成
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、3-アジド-1-ブロモ-プロパン(3mL)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCH3CN-H2O-25%v/vのNH3水溶液)を用いて生成物の特性分析を行うと、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD及びβCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH水溶液)を行い、乾燥後、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-β-CDを白色固体として得る。
ステップ3:βCD-トリアゾール-βCDホモ二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、2-O-モノプロパルギル-β-CD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-β-CDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:25%のNH=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%v/vのNH水溶液)を行い、乾燥後、BCD-トリアゾール-BCD二量体を得る。BCD-トリアゾール-BCD二量体の調製は、NMRにより広範囲に特性分析した。
ステップ4:HP(βCD-トリアゾール-βCD)
上記のステップ1~3により得られたものでも他の方法により得られたものでもよいβCD-トリアゾール-βCD二量体(1g、0.418mmol)を、水(50mL)に懸濁させ、反応容器に、水酸化ナトリウム(DS3=0.32g、8mmol;DS6=0.74g、18.5mmol;DS7=0.87g、21.75mmol)を加えると、混合物はわずかに黄色の溶液になった。反応混合物を水浴(10℃)で冷却し、プロピレンオキシド(DS3=0.49mL、0.42g、7.25mmol;DS6=1.21mL、1.04g、17.9mmol;DS7=1.46mL、1.7g、29.3mmol)を1度に加えた。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌した。溶液を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させた。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄した(3×15mL)。この物質を水(50mL)で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析した。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得た(0.8g)。HP(βCD-トリアゾール-βCD)二量体をNMRにより分析し(図7G、図7I、及び図7J)、それらのDSを、それぞれ図中に示すとおり計算した。
(HP(αCD-トリアゾール-αCD)ホモ二量体)の合成の詳細な説明
ステップ2.1:2-O-モノプロパルギル-αCDの調製
αCD(17.14g、17.62mmol)の乾燥DMSO(400mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N2下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、臭化プロパルギル(1.964mL、17.62mmol)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCH3CN-H2O-25%のNH3水溶液)を用いて生成物の特性分析を行うと、モノプロパルギル化及び非プロパルギル化αCDのそれぞれに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.5L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラム(25×6cm)の頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCH3CN-H2O-25%v/vのNH3水溶液)により精製し、乾燥後、2-O-モノプロパルギル-αCDを固体として得る。
ステップ2.2:2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCDの合成
βCD(17.14g、17.62mmol)の乾燥DMSO(400mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N2下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、3-アジド-1-ブロモ-プロパン(3mL)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCH3CN-H2O-25%v/vのNH3水溶液)を用いて生成物の特性分析を行うと、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCD及びαCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.5L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCH3CN-H2O-25%v/vのNH3水溶液)を行い、乾燥後、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCDを白色固体として得る。
ステップ3:αCD-トリアゾール-αCD二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、2-O-モノプロパルギル-αCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:NH=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%v/vのNH水溶液)を行い、乾燥後、αCD-トリアゾール-αCD二量体を得る。
ステップ4:HP(αCD-トリアゾール-αCD)ホモ二量体
上記のステップ1~3により得られた、または他の方法により得られたαCD-トリアゾール-αCD二量体(1g、0.418mmol)を、水(50mL)に懸濁させ、反応容器に、水酸化ナトリウム(DS3=0.32g、8mmol;DS6=0.74g、18.5mmol;DS7=0.87g、21.75mmol)を加えると、混合物はわずかに黄色の溶液になった。反応混合物を水浴(10℃)で冷却し、プロピレンオキシド(DS3=0.49mL、0.42g、7.25mmol;DS6=1.21mL、1.04g、17.9mmol;DS7=1.46mL、1.7g、29.3mmol)を1度に加える。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌する。溶液を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させる。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄する(3×15mL)。この物質を水(50mL)で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析する。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得た(0.6g)。
HP(αCD-ブチル-βCD)ヘテロ二量体の合成の詳細な説明
ステップ1:TBDMS-αCD及びTBDMS-βCDの二次面二量体化
不活性雰囲気下、THF(400mL)に、無水TBDMS-αCD(5g、3.01mmol)及びTBDMS-βCD(5.8g、3.01mmol)を溶解させ、水素化ナトリウム(2.9g、58mmol)を注意しながら少しずつ加える(30分かけて)。水素化ナトリウムを加えることで、水素の形成が起こり、懸濁液が激しく発泡した。15分撹拌後、反応混合物は粘性になり、撹拌が困難になる。ゲルを破壊する目的で、反応混合物を穏やかな還流が起こるまで加熱し、30分間還流を維持する。黄色がかった不均一懸濁液は、撹拌しやすくなり、ゲル様構造は消失する。反応混合物を水浴で室温に冷却する。アルキル化剤である1,4-ジブロモブタン(1.45mL、2.61g、12.2mmol)を滴下(15分)すると、反応混合物の色は暗橙色になる。
褐色がかった懸濁液を、不活性雰囲気下、一晩撹拌する。変換率は、TLCによる見積もりで10%~15%(溶離液:クロロホルム:メタノール:水=50:10:1、v/v/v)であるので、後処理ができると判断される。
反応混合物をメタノール(30mL)で急冷し、減圧濃縮し(約20mL)、水(200mL)で沈殿させる。粗反応物を、焼結ガラスフィルターで濾過し、水で十分に洗浄する(3×300mL)。粗物質を、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させる(回収された物質:10.1g)。
粗反応物を、クロマトグラフィーにより精製し、TLC分析に基づいて、生成物を含有する画分を収集し、乾固するまで減圧蒸発させ、白色物質を得る。これを、乾燥ボックス中、KOH及びP2O5の存在下で一定重量になるまで乾燥させる(TBDMS-αCD-ブチル-βCD-TBDMS二量体、3.6g)。
ステップ2:ブチル連結TBDMS-αCD-βCD二量体の脱保護
不活性雰囲気下、THF(250mL)に、無水TBDMS-αCD-ブチル-βCD-TBDMS二量体(3.6g、0.98mmol)を溶解させ、黄色がかった溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(9.63g、36.85mmol)を1度に加える。室温で30分撹拌後、反応混合物の色は、暗緑色になる。反応混合物を室温で一晩撹拌する。TLC分析(1,4-ジオキサン:25%のNH3(水溶液)=10:7(v/v))により、反応が完了していないことが明らかとなったので、容器に、2回目の分量のテトラブチルアンモニウムフルオリド(4g、13.3mmol)を加える。反応混合物を穏やかに還流するまで温め、2時間還流させる。この段階で、反応の変換は、TLCにより検出可能な出発物質がないことから、網羅的である。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し(約10mLへ)、メタノール(200mL)を加えて、白色沈殿を得た。固体を濾別し、TLCにより分析し、乾燥ボックス中、KOH及びPの存在下で一定重量になるまで乾燥させる(1.1g)。母液を減圧濃縮し(約10mLへ)、クロマトグラフィー(溶離液:1,4-ジオキサン:25%のNH3(水溶液)=10:7v/v)により精製して、TLC分析に基づいて、生成物を含有する画分を収集し、乾固するまで減圧蒸発させ、白色物質を得る。これを、乾燥ボックス中、KOH及びPの存在下で一定重量になるまで乾燥させる(αCD-ブチル-βCD二量体、0.55g)。
ステップ3:αCD-ブチル-βCDヘテロ二量体のヒドロキシプロピル化
水(10mL)に、αCD-ブチル-βCD二量体(0.55g、0.25mmol)を懸濁させ、反応容器に水酸化ナトリウム(0.1g、2.5mmol)を加えると、混合物の色は、わずかに黄色の溶液になる。反応混合物を水浴で冷却し(10℃)、プロピレンオキシド(0.5mL、0.415g、7.14mmol)を1度に加える。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌する。反応混合物を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させる。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄する(3×15mL)。この物質を水(50mL)で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析する。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得る(0.63g)。
(HP(αCD-トリアゾール-βCD)ヘテロ二量体及びHP(βCD-トリアゾール-αCD)ヘテロ二量体)の合成の詳細な説明
ステップ3a:αCD-トリアゾール-βCD二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、2-O-モノプロパルギル-αCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:NH=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%v/vのNH水溶液)を行い、乾燥後、αCD-トリアゾール-βCD二量体を得る。
ステップ3b:βCD-トリアゾール-αCD二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、2-O-モノプロパルギル-βCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-αCDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:NH3=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%v/vのNH水溶液)を行い、乾燥後、βCD-トリアゾール-αCD二量体を得る。
ステップ4a:HP(αCD-トリアゾール-βCD)二量体
上記のステップ1~3により得られたものでも他の方法により得られたものでもよいαCD-トリアゾール-βCD二量体(1g、0.418mmol)を、水(50mL)に懸濁させ、反応容器に、水酸化ナトリウム(DS3=0.32g、8mmol;DS6=0.74g、18.5mmol;DS7=0.87g、21.75mmol)を加えると、混合物はわずかに黄色の溶液になる。反応混合物を水浴(10℃)で冷却し、プロピレンオキシド(DS3=0.49mL、0.42g、7.25mmol;DS6=1.21mL、1.04g、17.9mmol;DS7=1.46mL、1.7g、29.3mmol)を1度に加える。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌する。溶液を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させる。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄する(3×15mL)。この物質を水(50mL)内で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析する。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得る(0.7g)。
ステップ4b:HP(βCD-トリアゾール-αCD)二量体
上記のステップ1~3により得られたものでも他の方法により得られたものでもよいβCD-トリアゾール-αCD二量体(1g、0.418mmol)を、水(50mL)に懸濁させ、反応容器に、水酸化ナトリウム(DS3=0.32g、8mmol;DS6=0.74g、18.5mmol;DS7=0.87g、21.75mmol)を加えると、混合物はわずかに黄色の溶液になる。反応混合物を水浴(10℃)で冷却し、プロピレンオキシド(DS3=0.49mL、0.42g、7.25mmol;DS6=1.21mL、1.04g、17.9mmol;DS7=1.46mL、1.7g、29.3mmol)を1度に加える。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌する。溶液を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させる。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄する(3×15mL)。この物質を水(50mL)内で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析する。残余分を、乾固するまで減圧蒸発させ、白色固体を得た(0.6g)。
実施例6.メチル置換CD二量体の合成
図7Mは、合成される分子を示す。
この実施例は、トリアゾール含有リンカーを有するメチル置換CD二量体の合成を記載する。
メチル(βCD-トリアゾール-βCD)二量体(合成例)
メチル化β-CD二量体の調製は、1段階反応で達成した(図7Kを参照)。βCD-トリアゾール-βCD二量体核は、上記の実施例5に記載した合成戦略により調製する。
合成
激しく撹拌しながら、脱イオンHO(100mL)にβCD-トリアゾール-βCD二量体核(1.1g、0.46mmol)を懸濁させ、水酸化ナトリウム(0.35g、8.8mmol)を加えた。得られるわずかに黄色の懸濁液を、完全に溶解するまで30分間撹拌した。黄色がかった透明溶液の温度が約20℃で安定した場合、激しく撹拌しながら、ヨウ化メチル(0.5mL、1.14g、8.03mmol)を1度に加えた(注:ヨウ化メチルは、反応混合物と混和しないので、そのため、効率よく変換するために激しく撹拌した)。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いでこれをイオン交換樹脂で処理した(溶液に、H樹脂(6g)及びOH(6g)樹脂を加え、15分間撹拌し、濾別した(樹脂を脱イオン水3×15mLで洗浄した))。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.2g)を加え、30分間撹拌し、濾別した(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄した))。無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、表題化合物を白色粉末として得た(約1g)。
特性決定
反応プロセスは、TLCによりモニタリングし、得られる物質は、図7N、7O、及び7PのとおりMALDI-TOF(図7L)及びNMR分析により特性決定した。
実施例7.スルホブチル置換CD二量体の合成
図7Sは、合成される分子を示す。
この実施例は、トリアゾール含有リンカーを有するスルホブチル置換CD二量体の合成を記載する。
SB二量体の調製は、1段階反応で実現した(図7Q)。
SB(βCD-トリアゾール-βCD)二量体低DSの合成
激しく撹拌しながら、脱イオンH2O(60mL)にβCD-トリアゾール-βCD二量体核(1.2g、0.5mmol)を懸濁させた。混合物に、水酸化ナトリウム(0.39g、9.75mmol)を加え、得られる溶液を、60℃に加熱した。1,4-ブタンスルトン(0.88mL、1.17g、8.6mmol)を、60℃で滴下し、溶液を同温度で3時間加熱した。次いで、未反応の1,4-ブタンスルトンを分解するため、反応物をさらに1時間90℃に加熱した。反応混合物を冷却し、イオン交換樹脂で処理した。溶液に、カチオン交換樹脂(H樹脂、2g)及びアニオン交換樹脂(OH樹脂、2g)を加え、15分間撹拌し、濾別した(脱イオン水を用いて3×15mLで樹脂を洗浄した)。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.3g)を加え、30分間撹拌し、濾別した(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄した))。
無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、白色粉末を得た(1.47g)。
特性決定
反応は、TLC分析によりモニタリングし、得られる物質は、図7T~7ZのとおりMALDI-TOF(図7R)及びNMR分析により特性決定した。
SB(βCD-トリアゾール-βCD)二量体高DSの合成
激しく撹拌しながら、脱イオンH2O(60mL)に(βCD-トリアゾール-βCD)二量体核(1.2g、0.5mmol)を懸濁させた。混合物に、水酸化ナトリウム(1.22g、30.5mmol)を加え、得られる溶液を、60℃に加熱した。1,4-ブタンスルトン(2.8mL、3.72g、27.35mmol)を、60℃で滴下し、溶液を同温度で3時間加熱した。次いで、残りの1,4-ブタンスルトンを分解するため、反応物をさらに1時間90℃で加熱した。反応混合物を冷却し、イオン交換樹脂で処理した。溶液に、カチオン交換樹脂(H樹脂、4g)及びアニオン交換樹脂(OH樹脂、4g)を加え、15分間撹拌し、濾別した(脱イオン水を用いて3×15mLで樹脂を洗浄した)。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.5g)を加え、30分間撹拌し、濾過した(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄した))。無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、白色粉末を得た(1.51g)。
特性決定
得られる物質は、図7X~7ZのとおりMALDI-TOF(図7W)及びNMR分析により特性決定した。
実施例8.第四級アンモニウム置換CD二量体の合成
図7ACは、合成される分子を示す。
この実施例は、トリアゾール含有リンカーを有する第四級アンモニウム置換CD二量体の合成を記載する。
第四級アンモニウム(βCD-トリアゾール-βCD)二量体(合成例)
QA二量体の調製は、1段階反応で達成した(図7AAを参照)。βCD-トリアゾール-βCD二量体核は、上記の実施例5に記載した合成戦略により調製する。
QA(βCD-トリアゾール-βCD)二量体(合成例)
激しく撹拌しながら、脱イオンH2O(100mL)にβCD-トリアゾール-βCD二量体核(1.2g、0.5mmol)を懸濁させ、水酸化ナトリウム(0.39g、9.8mmol)を加えた。得られるわずかに黄色の懸濁液を、完全に溶解するまで30分間撹拌した。黄色がかった透明溶液の温度が5℃~10℃で安定したら、激しく撹拌しながら、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(1.17mL、1.32g、8.7mmol)を1度に加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで、溶液の温度が5℃~10℃で安定したら、2回目の分量のグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.4mL、0.45g、3mmol)を加えた。反応混合物を、50℃で3時間加熱し、次いで、冷却し、イオン交換樹脂で処理した(溶液にH樹脂(6g)及びOH(6g)樹脂を加え、15分間撹拌し、濾過した(脱イオン水を用いて3×15mLで樹脂を洗浄した))。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.2g)を加え、30分間撹拌し、濾別した(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄した))。無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、表題化合物を白色粉末として得た(約800mg)。
特性決定
得られる物質は、図7AD~7AFのとおりMALDI-TOF(図7AB)及びNMR分析により特性決定した。
QA-BCD誘導体の場合、MALDI分析の際にランダム置換誘導体で観察される規則的なパターンを有する典型的なガウス分布が失われ、一方で断片化の不規則的なパターンが検出される。これらの不規則的なピークの同定/帰属は、断片化の単純なパターンを予測することができないため、困難である。MALDIスペクトルで観察される不規則的なパターンの原因は、最も考えられるのは、実験条件下でトリメチルアンモニウム部分が不安定であるためである。詳細には、離脱生成物は、トリメチルアンモニウム部分開裂の結果であり、一方、脱メチル化生成物は、カチオン側鎖からメチル基が進行的に開裂した結果である。レーザー脱離中に情報価値のないピークが生成することから、MALDI条件はQA-βCD誘導体のDSを特定するのに適切ではないと結論づけるのが合理的である。しかしながら、QA-βCD誘導体のDSは、NMRにより特定可能であり(図7AD)、これは約2.1であると見積もられた。
実施例9.スクシニル置換CD二量体の合成
図7AIに、合成される分子を示す。スクシニル置換二量体(Succ二量体)の調製は、1段階反応で実現した(図7AG)。
スクシニル置換シクロデキストリン二量体の合成
不活性雰囲気下、激しく撹拌しながら、ピリジン(23mL)にβCD-トリアゾール-βCD二量体核(1.2g、0.5mmol)を懸濁させた。βCD-トリアゾール-βCD二量体核の溶解度を高める目的で、懸濁液を1時間40℃で加熱したが、完全に溶解させることはできなかった。懸濁液に2回目のピリジン(23mL)を加えたが、希釈してもβCD-トリアゾール-βCD二量体核の溶解度は、それ以上改善されなかった。無水コハク酸(0.1g、1mmol)を室温で加え、反応混合物を24時間撹拌した。粗反応物を、減圧濃縮し、水(50mL)に溶解させ(透明な溶液は得られなかった)、イオン交換樹脂で処理した(溶液にH樹脂(2g)及びOH(2g)樹脂を加え、15分間撹拌し、濾過した(脱イオン水を用いて3×15mLで樹脂を洗浄した))。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.5g)を加え、30分間撹拌し、濾過した(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄した))。無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、表題化合物を白色粉末として得た(約900mg)。
特性決定
得られる物質は、図7AJ~7ALのとおりMALDI-TOF(図7AH)及びNMR分析により特性決定した。
QA二量体の場合と同様に、MALDI分析は、DS特定に適切ではないことが明らかとなり、DSは、NMRにより特定し(図7AD)、約2.1であると見積もられた。
HPβCD-トリアゾール-βCD(ランダム置換)非対称二量体の合成の詳細な説明
HPβCD-トリアゾール-βCD DS3(ランダム置換)非対称二量体の調製は、図20Aに示されるように複数の合成ステップを通じて達成される。
ステップ1:アジドリンカーの調製
激しく撹拌しながら、40mLのDMSOに1,3-ジブロモプロパン(10mL、20.18g、0.1mol)を溶解させる。アジ化ナトリウム(6.7g、0.1mol)のDMSO(240mL)溶液を調製し、1,3-ジハロプロパン溶液に、これを滴下する(2時間かけて加えた)。溶液を室温で一晩撹拌する。次いで、粗反応物を、n-ヘキサン(3×100mL)で抽出し、収集した有機相を水(3×50mL)で抽出し、得られた有機相を、注意しながら減圧蒸発させる(厳密に40℃、400mbarで、そうしないと、標的化合物が留去されてしまう可能性がある)。油状残渣を、クロマトグラフィーにより精製する(溶離液としてn-ヘキサン-EtOAc=98:2、アイソクラチック溶離)。TLC分析に基づいて適切な画分を収集し、減圧濃縮し、標的化合物を粘稠油状物として得る(これは、遮光冷蔵容器中、不活性雰囲気下で貯蔵可能)。TLCプレートを、トリフェニルホスフィンのジクロロメタン溶液(10%)に約15秒間浸漬し、TLCプレートを60℃未満で乾燥させ、TLCをニンヒドリンエタノール溶液(2%)に約15秒間浸漬し、最後にTLCプレートを60℃未満で乾燥させることにより、化合物を可視化する。標的化合物は、TLCプレート上で紫色スポットとして出現する。
ステップ2.1:2-O-モノプロパルギル-βCDの調製
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、臭化プロパルギル(1.97mL、17.62mmol)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH水溶液(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、それぞれモノプロパルギル化及び非プロパルギル化βCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラム(25×6cm)の頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、凍結乾燥後、2-O-モノプロパルギル-βCDを固体として得た。2-O-モノプロパルギル-βCDは、MALDI及びNMRにより分析した。
ステップ2.2:ランダム(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD
ステップ2.1で得られるとこが可能な2-O-モノプロパルギル-βCD(4.9、4.2mmol)を、水(500mL)に懸濁させ、反応容器に水酸化ナトリウム(DS3=3.2g、80mmol)を加えると、混合物は、わずかに黄色の溶液になった。反応混合物を水浴で冷却し(10℃)、プロピレンオキシド(DS3=4.9mL、0.4.2g、72.5mmol)を1度に加えた。反応容器をアルゴンでフラッシュし、密閉し、室温で2日間撹拌した。溶液を、粘稠シロップが得られるまで減圧濃縮し、これをアセトン(50mL)で沈殿させた。白色固体を焼結ガラスフィルターで濾過し、アセトンで十分に洗浄した(3×15mL)。この物質を水(50mL)で溶解し、イオン交換樹脂で処理し(塩を除去するため)、活性炭で清澄させ、膜濾過し、1日間精製水に対して透析した。残余分を、乾燥するまで減圧蒸発させた。ランダム(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDを白色固体(4.2g)として分離し、NMRによって分析した(図22A~22D)。NMR分光測定により置換度を計算した(図22B)。
ステップ2.3:2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDの合成
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、3-アジド-1-ブロモ-プロパン(3mL)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD及びβCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、乾燥後、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを白色固体として得た。
ステップ3:HPβCD’-トリアゾール-βCD(ランダム置換)非対称二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、ランダム(2-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:25%のNH(水溶液)=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、乾燥後、ランダムに置換されたHPβCD-トリアゾール-βCD非対称二量体DS3を得た。二量体の調製は、NMRにより特性決定される。
C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS3非対称二量体の合成の詳細な説明
C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS3非対称二量体の調製は、図20B~20Dに示されるように複数の合成ステップを通じて達成され得る。
ステップ1A:アジドリンカーの調製
激しく撹拌しながら、40mLのDMSOに1,3-ジブロモプロパン(10mL、20.18g、0.1mol)を溶解させる。アジ化ナトリウム(6.7g、0.1mol)のDMSO(240mL)溶液を調製し、1,3-ジハロプロパン溶液に、これを滴下する(2時間かけて加えた)。溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、粗反応物を、n-ヘキサン(3×100mL)で抽出し、収集した有機相を水(3×50mL)で抽出し、得られた有機相を、注意しながら減圧蒸発させる(厳密に40℃、400mbarで、そうしないと、標的化合物が留去されてしまう可能性がある)。油状残渣を、クロマトグラフィーにより精製する(溶離液としてn-ヘキサン-EtOAc=98:2、アイソクラチック溶離)。TLC分析に基づいて適切な画分を収集し、減圧濃縮し、標的化合物を粘稠油状物として得る(これは、遮光冷蔵容器中、不活性雰囲気下で貯蔵可能)。TLCプレートを、トリフェニルホスフィンのジクロロメタン溶液(10%)に約15秒間浸漬し、TLCプレートを60℃未満で乾燥させ、TLCをニンヒドリンエタノール溶液(2%)に約15秒間浸漬し、最後にTLCプレートを60℃未満で乾燥させることにより、化合物を可視化する。標的化合物は、TLCプレート上で紫色スポットとして出現する。
ステップ1B:保護された2-ヒドロキシプロピル化剤(1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン)の調製
2-ベンジルオキシ-1-プロパノール
酸触媒加アルコール分解は、丸底フラスコ、還流冷却器、温度計、及び段階的落下漏斗で行った。触媒(硫酸)を含有するベンジルアルコールを反応温度に加熱し、還流速度が許す限り速くプロピレンオキシドを加える。添加後、沸騰液の温度が一定になるまで加熱を続け、これは、酸化オレフィンが消費されたことを示す。水酸化ナトリウムで触媒を中和し、分留により生成物を単離する。詳しくは、4時間にかけて、液体を120℃~125℃に保ちながら、63.8g(1.1モル)のプロピレンオキシドを1gの硫酸を含有する600g(5.55モル)のベンジルアルコールに加える。2時間にかけてさらに加熱した後、温度は120℃で一定になる。混合物から、およそ77gの2-ベンジルオキシ-1-プロパノールが得られる。
1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン
ACN(100mL)に2-ベンジルオキシ-1-プロパノール(16.6g、0.1mol)を可溶化し、不活性雰囲気下、激しく撹拌しながら、P(21.3g、0.15mol)及びKBr(17.85g、0.15mol)のACN懸濁液にゆっくりと加える(20分間かけて加える)。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、減圧濃縮する(約10mL)。懸濁液を冷却下(0℃~5℃)で水に可溶化し、炭酸ナトリウムで中和する。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、有機相を合わせて減圧濃縮し、粘性の黄色がかった油を得る。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン(17.7g、85%)を無色油状物として得る。H NMR (500MHz, CDCl)δ:1.33 (3H, d, J=6.7Hz, CH), 3.39 (1H, dd, J=4.9, 10.4Hz, CHBr), 3.46 (1H, dd, J=4.9, 10.4Hz, CHBr), 3.73-3.76 (1H, m, CH), 4.59 (2H, s, PhCH), 7.27-7.38 (5H, m, フェニル)。13C NMR (126MHz, CDCl)δ:19.2, 36.8, 71.2, 74.3, 127.9, 128.6, 138.4。
ステップ2.1:2-O-モノプロパルギル-βCDの調製
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.43mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、臭化プロパルギル(1.97mL、17.62mmol)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH水溶液(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、それぞれモノプロパルギル化及び非プロパルギル化βCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラム(25×6cm)の頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、凍結乾燥後、2-O-モノプロパルギル-βCDを固体として得た。2-O-モノプロパルギル-βCDは、MALDI及びNMRにより分析した。
ステップ2.2:Per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCD
2-O-モノプロパルギル-βCD(10g、8.5mmol)をN下で乾燥ピリジン(200mL)に懸濁し、透明な溶液が形成されるまで(30分間)室温で撹拌した。次いで、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(10.8g、71.4mmol)を1度に加え、得られた懸濁液を室温で6時間撹拌した。TLC(15:2:1 EtOAc-96%v/vのEtOH-HO)は、表題生成物(R=0.65)の形成を示し、それぞれ不十分にシリル化された種と過剰にシリル化された種に対応する極性の低い物質及び極性の高い物質の両方を示した。前述のスポットが完全に消えるまで、TBDMSCl(2.7g、17.9mmol)の一部を6時間ごとに添加した(図23A)。次いで、溶液を5%HCl水溶液(3L)と氷との混合物に注ぎ、氷が溶けるまで撹拌し、CHCl(2×4L)で抽出した。合わせた有機相をHO(2×4L)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。微量のピリジンを、トルエン(2×3L)と共蒸発させて除去した。得られた物質をシリカゲル(30g)と混合し、CHClに懸濁させ、溶媒を真空下で除去した。最初に、40:40:20:4のCHCl-CHCN-96%v/vのEtOH-30%v/vのNH水溶液を溶離液として使用し、R=0.87及び0.80でのTLC(15:2:1 EtOAc-96%v/vのEtOH-HO)スポットを用いて化合物が溶出(2L)されるまで、クロマトグラフィーを行った。続いて、40:40:20:4のCHCl-CHCN-96%v/vのEtOH-HO(1.5L)を溶媒として使用し、per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDを、高真空下、100℃で6時間乾燥させて白色の非晶質粉末(12.6g、6.4mmol、75%)を得た。材料は232℃~236℃で分解した。[α]25 +96(c1.0、CHCl)。R =0.64(15:2:1 EtOAc-96%v/vのEtOH-HO)。IR(ATR)(図23F):3313、2953、2930、2887、2857、1253、1155、1083、1038、833、777、735cm-1(Trotta,F.;Martina,K.;Robaldo,B.;Barge,A.;Cravotto,G.J.Incl.Phenom.Macrocyclic Chem.2007,57,3-7)(KBr)3420,3325,1473,1254,1086,1040,835cm-1H NMR (図23C~23D) (500MHz, CDCl) δ5.34 (bs, OH), 5.05 (d, 1H, 1, 2=3.2Hz, H-1), 4.89-4.88 (m, 6H, H-1II-VII), 4.50 (dd, 1H, J=16.7Hz, J=2.3Hz, CHO), 4.41 (dd, 1H, J=16.7Hz, J=2.3Hz, CHO), 4.11-3.82 (m, 14H, H-3I-VII, 6aI-VII), 3.74-3.49 (m, 28H, H-2I-VII, 4I-VII, 5I-VII, 6bI-VII), 2.40 (t, 1H, J=2.3Hz, ≡CH), 0.88-0.86 [m, 63H, SiC (CH], 0.04-0.02 (m, 42H, SiCH) ;13C NMR (図23E) (125MHz, CDCl) δ103.1-102.0 (C-1II-VII), 101.3 (C-1), 82.1-81.7 (C-4III-VII), 80.5-80.4 (C-4I, II), 79.6 (C≡), 75.2 (≡CH), 74.0-72.5 (C2I-VII, 3I-VII, 5I-VII), 62.3-61.6 (C-6I-VII), 59.9 (CHC≡), 26.0[SiC (CH], 18.5-18.3 [SiC (CH], -4.9- (-5.1) (SiCH)。MALDI-TOF (図23B):[M+Na]8717035SiNaに対する計算値:1995.0、実測値:1995.0、C8717035Siに対する分析計算値:C, 52.97、H, 8.69。実測値:C, 52.93、H, 8.71。
Figure 2023533745000002
Figure 2023533745000003
Figure 2023533745000004
Figure 2023533745000005
ステップ2.3:per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD
THF(500mL)中に、per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCD(12.6g、6.4mmol)を溶解する。溶液を氷水浴で10℃に冷却し、激しく撹拌しながら、KOH(129g、1.98mol)を少量に分けて加えた。得られた白色懸濁液は、最初はわずかに粘性があるが、その後撹拌しやすくなる。
臭化メチルトリフェニルホスホニウム(5.04g、14mmol)を反応混合物に添加し、白色懸濁液を3時間撹拌した。臭化ベンジル(46.1mL、66.4g、0.39mmol)を、温度を常に25℃未満に保ちながら、不均一混合物にゆっくりと慎重に加えた(2時間かけて加えた)。1時間撹拌した後、反応混合物は乳様の粘稠度を示す真珠のような白色になった。この反応物を室温で一晩撹拌した。反応の進行をTLC(n-ヘキサン:EtOAc=9:1)によりモニタリングし、反応混合物を10℃に冷却し、2回目のKOH(12.96g、0.23mol)及びBnBr(4.6mL、6.64g、0.04mol)を加えた。2時間後、3回目のKOH(6.5g、0.12mol)及びBnBr(2.3mL、3.3g、0.02mmol)を加え、反応混合物をさらに3時間撹拌した。不均一混合物を焼結ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、固体をTHF(3×200mL)で十分に洗浄した。濾液をロータベーパー(約50mL)で濃縮し、激しく撹拌しながら、MeOH(500mL)に注いだ。得られた黄色がかったゲル様物質をデカンテーションにより分離した。固体をHO(5×600mL)及びMeOH:HO=1:9(3×400mL)で十分に洗い、最後に、真空乾燥ボックス中、乾燥剤としてP及びKOHの存在下で一定重量になるまで乾燥させた。per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを白色粉末として単離させた(42g、80%)。
ステップ2.4:per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD
不活性雰囲気下で、THF(800mL)にper-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD(42g)を可溶化し、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(19.75g、0.062mol)を少量に分けて加えた。黄色がかった溶液を室温で一晩撹拌した。脱シリル化の後にTLC(CHCl:MeOH=9:1)を続け、一晩で完了させた。粗反応物をロータベーパーで濃縮し、メタノールを加え(600mL)、溶液をロータベーパーでもう1度濃縮した。共沸蒸留手順を3回繰り返し(3×600mLのメタノール)、最後に粗生成物を乾燥するまで濃縮した。黄色がかった残りの物質を水(1L)に懸濁させ、焼結ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、水(5×300mL)及びMeOH:HO=1:9の混合物(3×300mL)を用いて白色無臭の固体が得られるまで十分に洗浄した。真空乾燥ボックス中、乾燥剤としてP及びKOHの存在下で、白色固体を一定重量になるまで乾燥させた。per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを白色固体(21g、8.96mmol)として単離した。
ステップ2.5:トリス(6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル))-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD
THF(300mL)中、per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD(21g、8.96mmol)を溶解させた。溶液を氷水浴で10℃に冷却し、激しく撹拌しながら、KOH(2.5g、44.8mmol)を少量に分けて加えた。得られた白色懸濁液は、最初はわずかに粘性があるが、その後撹拌しやすくなる。臭化メチルトリフェニルホスホニウム(0.5g、1.4mmol)を反応混合物に加え、白色懸濁液を3時間撹拌した。温度を常に25℃未満に保ちながら、不均一な混合物に、1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン(10.3g、44.8mmol)をゆっくりと加えた。1時間撹拌した後、反応混合物は乳様の粘稠度を示す真珠のような白色になった。この反応物を室温で一晩撹拌した。TLC(n-ヘキサン:EtOAc=9:1)により、反応の進行をモニタリングした。不均一混合物を焼結ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、固体をTHF(3×50mL)で十分に洗浄した。濾液をロータベーパー(約30mL)で濃縮し、激しく撹拌しながら、MeOH(200mL)に注いだ。得られた黄色がかったゲル様物質をデカンテーションにより分離した。固体をHO(5×100mL)及びMeOH:HO=1:9(3×100mL)で十分に洗浄した。トリス(6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル))-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDは、アイソクラチック溶離を用いてシリカゲル(n-ヘキサン:EtOAc=9:1)でクロマトグラフィーにより精製した。画分をTLC分析に基づいて合わせ、減圧下で濃縮乾固した。トリス(6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル))-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDは、白色粉末(15g、5.4mmol、60%)として単離された。
ステップ2.6:トリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD
トリス(6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル))-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD(15g、5.4mmol)を、メタノール(500mL)に可溶化させた。反応混合物を40℃で加熱し、激しく撹拌しながらPd/C(3.1g)を加え、容器に炭酸ヒドラジン(120mL)を滴下した(1.5時間かけて加えた)。混合物を穏やかに還流しながら3時間加熱し、TLC(1,4-ジオキサン:25%のNH(水溶液):1-プロパノール=10:7:3)により、反応の進行をモニタリングした。反応混合物を室温まで冷却し、焼結ガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、Pd/CパッドをMeOH(3×300mL)、HO(3×300mL)及びMeOH:HO=50:50(3×300mL)で十分に洗浄した。濾液をロータベーパー(60℃)で蒸発乾固した。残留固形物を水(120mL)に可溶化し、イオン交換樹脂で処理し、活性炭で浄化した。次いで、得られた溶液を、セライトパッドを通して濾過し、最後に蒸発乾固した。真空乾燥ボックス中、乾燥剤としてP及びKOHの存在下で、固体を一定重量になるまで乾燥させた。トリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDは、白色粉末(6g、4.45mmol、82%)として単離された。
ステップ2.7:2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDの合成
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、3-アジド-1-ブロモ-プロパン(3mL)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD及びβCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、乾燥後、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを白色固体として得た。
ステップ3:C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS3非対称二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、トリス-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:25%のNH(水溶液)=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、乾燥後、C6HPβCD-トリアゾール-βCD非対称二量体DS3を得た。
C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS7非対称二量体の合成の詳細な説明
C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS7非対称二量体の調製は、図21A~21Dに示されるように複数の合成ステップを通じて達成された。
ステップ1A:アジドリンカーの調製
激しく撹拌しながら、40mLのDMSOに1,3-ジブロモプロパン(10mL、20.18g、0.1mol)を溶解させる。アジ化ナトリウム(6.7g、0.1mol)のDMSO(240mL)溶液を調製し、1,3-ジハロプロパン溶液に、これを滴下する(2時間かけて加えた)。溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、粗反応物を、n-ヘキサン(3×100mL)で抽出し、収集した有機相を水(3×50mL)で抽出し、得られた有機相を、注意しながら減圧蒸発させる(厳密に40℃、400mbarで、そうしないと、標的化合物が留去されてしまう可能性がある)。油状残渣を、クロマトグラフィーにより精製する(溶離液としてn-ヘキサン-EtOAc=98:2、アイソクラチック溶離)。TLC分析に基づいて適切な画分を収集し、減圧濃縮し、標的化合物を粘稠油状物として得る(これは、遮光冷蔵容器中、不活性雰囲気下で貯蔵可能)。TLCプレートを、トリフェニルホスフィンのジクロロメタン溶液(10%)に約15秒間浸漬し、TLCプレートを60℃未満で乾燥させ、TLCをニンヒドリンエタノール溶液(2%)に約15秒間浸漬し、最後にTLCプレートを60℃未満で乾燥させることにより、化合物を可視化する。標的化合物は、TLCプレート上で紫色スポットとして出現する。
ステップ1B:保護された2-ヒドロキシプロピル化剤(1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン)の調製
2-ベンジルオキシ-1-プロパノール
酸触媒加アルコール分解は、丸底フラスコ、還流冷却器、温度計、及び段階的落下漏斗で行った。触媒(硫酸)を含有するベンジルアルコールを反応温度に加熱し、還流速度が許す限り速くプロピレンオキシドを加えた。添加後、沸騰液の温度が一定になるまで加熱を続け、これは、酸化オレフィンが消費されたことを示した。水酸化ナトリウムで触媒を中和し、分留により生成物を単離する。詳しくは、4時間にかけて、液体を120℃~125℃に保ちながら、63.8g(1.1モル)のプロピレンオキシドを1gの硫酸を含有する600g(5.55モル)のベンジルアルコールに加えた。た2時間にかけてさらに加熱した後、温度は120℃で一定になった。混合物から、77gの2-ベンジルオキシ-1-プロパノールが得られた。
1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン
ACN(100mL)に2-ベンジルオキシ-1-プロパノール(16.6g、0.1mol)を可溶化し、不活性雰囲気下、激しく撹拌しながら、P(21.3g、0.15mol)及びKBr(17.85g、0.15mol)のACN懸濁液にゆっくりと加えた(20分間かけて加えた)。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、減圧濃縮した(約10mL)。懸濁液を冷却下(0℃~5℃)で水に可溶化し、炭酸ナトリウムで中和した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、有機相を合わせて減圧濃縮し、粘性の黄色がかった油を得た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン(17.7g、85%)を無色油状物として得た。H NMR (500MHz, CDCl) δ:1.33 (3H, d, J=6.7Hz, CH), 3.39 (1H, dd, J=4.9, 10.4Hz, CHBr), 3.46 (1H, dd, J=4.9, 10.4Hz, CHBr), 3.73-3.76 (1H, m, CH), 4.59 (2H, s, PhCH), 7.27-7.38 (5H, m, フェニル)。13C NMR (126MHz, CDCl) δ:19.2, 36.8, 71.2, 74.3, 127.9, 128.6, 138.4。
ステップ2.1:2-O-モノプロパルギル-βCDの調製
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、臭化プロパルギル(1.97mL、17.62mmol)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH水溶液(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、それぞれモノプロパルギル化及び非プロパルギル化βCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラム(25×6cm)の頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、凍結乾燥後、2-O-モノプロパルギル-βCDを固体として得た。2-O-モノプロパルギル-βCDは、MALDI及びNMRにより分析した。
ステップ2.2:Per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCD
2-O-モノプロパルギル-βCD(10g、8.5mmol)をN下で乾燥ピリジン(200mL)に懸濁し、透明な溶液が形成されるまで(30分間)室温で撹拌した。次いで、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(10.8g、71.4mmol)を1度に加え、得られた懸濁液を室温で6時間撹拌した。TLC(15:2:1 EtOAc-96%v/vのEtOH-HO)は、表題生成物(R=0.65)の形成を示し、それぞれ不十分にシリル化された種と過剰にシリル化された種に対応する極性の低い物質及び極性の高い物質の両方を示した。前述のスポットが完全に消えるまで、TBDMSCl(2.7g、17.9mmol)の一部を6時間ごとに添加した(図23A)。次いで、溶液を5%HCl水溶液(3L)と氷との混合物に注ぎ、氷が溶けるまで撹拌し、CHCl(2×4L)で抽出した。合わせた有機相をHO(2×4L)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。微量のピリジンを、トルエン(2×3L)と共蒸発させて除去した。得られた物質をシリカゲル(30g)と混合し、CHClに懸濁させ、溶媒を真空下で除去した。最初に、40:40:20:4のCHCl-CHCN-96%v/vのEtOH-30%v/vNH水溶液を溶離液として使用し、R=0.87及び0.80でのTLC(15:2:1 EtOAc-96%v/vのEtOH-HO)スポットを用いて化合物が溶出(2L)されるまで、クロマトグラフィーを行った。続いて、40:40:20:4のCHCl-CHCN-96%v/vのEtOH-HO(1.5L)を溶媒として使用し、per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCDを、高真空下、100℃で6時間乾燥させて白色の非晶質粉末(12.6g、6.4mmol、75%)を得た。材料は232℃~236℃で分解した。[α]25 +96(c1.0、CHCl)。R=0.64(15:2:1のEtOAc-96%v/vのEtOH-HO)。IR(ATR)(図23F):3313、2953、2930、2887、2857、1253、1155、1083、1038、833、777、735cm-1(Trotta,F.;Martina,K.;Robaldo,B.;Barge,A.;Cravotto,G.J.Incl.Phenom.Macrocyclic Chem.2007,57,3-7)(KBr)3420,3325,1473,1254,1086,1040,835cm-1H NMR (図23C~23D) (500MHz, CDCl)δ5.34 (bs, OH), 5.05 (d, 1H, 1, 2=3.2Hz, H-1), 4.89-4.88 (m, 6H, H-1II-VII), 4.50 (dd, 1H, J=16.7Hz, J=2.3Hz, CHO), 4.41 (dd, 1H, J=16.7Hz, J=2.3Hz, CHO), 4.11-3.82 (m, 14H, H-3I-VII, 6aI-VII), 3.74-3.49 (m, 28H, H-2I-VII, 4I-VII, 5I-VII, 6bI-VII), 2.40 (t, 1H, J=2.3Hz, ≡CH), 0.88-0.86[m, 63H, SiC (CH], 0.04-0.02 (m, 42H, SiCH);13C NMR (図23E) (125MHz, CDCl)δ103.1-102.0 (C-1II-VII), 101.3 (C-1), 82.1-81.7 (C-4III-VII), 80.5-80.4 (C-4I, II), 79.6 (C≡), 75.2 (≡CH), 74.0-72.5 (C2I-VII, 3I-VII, 5I-VII), 62.3-61.6 (C-6I-VII), 59.9 (CHC≡), 26.0[SiC (CH], 18.5-18.3[SiC (CH], -4.9- (-5.1) (SiCH)。MALDI-TOF (図23B):[M+Na]8717035SiNaに対する計算値:1995.0、実測値:1995.0、C8717035Siに対する分析計算値:C, 52.97、H, 8.69。実測値:C, 52.93、H, 8.71。
ステップ2.3:per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD
THF(500mL)中に、per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-2-O-モノプロパルギル-βCD(12.6g、6.4mmol)を溶解する。溶液を氷水浴で10℃に冷却し、激しく撹拌しながら、KOH(129g、1.98mol)を少量に分けて加える。得られた白色懸濁液は、最初はわずかに粘性があるが、その後撹拌しやすくなる。臭化メチルトリフェニルホスホニウム(5.04g、14mmol)を反応混合物に添加し、白色懸濁液を3時間撹拌する。臭化ベンジル(46.1mL、66.4g、0.39mmol)を、温度を常に25℃未満に保ちながら、不均一混合物にゆっくりと慎重に加える(2時間かけて加えた)。1時間撹拌した後、反応混合物は乳様の粘稠度を示す真珠のような白色になった。この反応物を室温で一晩撹拌する。反応の進行をTLC(n-ヘキサン:EtOAc=9:1)によりモニタリングし、反応混合物を10℃に冷却し、2回目のKOH(12.96g、0.23mol)及びBnBr(4.6mL、6.64g、0.04mol)を加える。2時間後、3回目のKOH(6.5g、0.12mol)及びBnBr(2.3mL、3.3g、0.02mmol)を加え、反応混合物をさらに3時間撹拌する。不均一混合物を焼結ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、固体をTHF(3×200mL)で十分に洗浄する。濾液をロータベーパー(約50mL)で濃縮し、激しく撹拌しながら、MeOH(500mL)に注ぐ。得られた黄色がかったゲル様物質をデカンテーションにより分離する。固体をHO(5×600mL)及びMeOH:HO=1:9(3×400mL)で十分に洗い、最後に、真空乾燥ボックス中、乾燥剤としてP及びKOHの存在下で一定重量になるまで乾燥させる。per-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを白色粉末(42g、80%)として単離する。
ステップ2.4:per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD
不活性雰囲気下で、THF(800mL)にper-6-O-tert-ブチルジメチルシリル-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD(42g)を可溶化し、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(19.75g、0.062mol)を少量に分けて加える。黄色がかった溶液を室温で一晩撹拌する。脱シリル化の後にTLC(CHCl:MeOH=9:1)を続け、一晩で完了させる。粗反応物をロータベーパーで濃縮し、メタノールを加え(600mL)、溶液をロータベーパーでもう1度濃縮する。共沸蒸留手順を3回繰り返し(3×600mLのメタノール)、最後に粗生成物を乾燥するまで濃縮する。黄色がかった残りの物質を水(1L)に懸濁させ、焼結ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、水(5×300mL)及びMeOH:HO=1:9の混合物(3×300mL)を用いて白色無臭の固体が得られるまで十分に洗浄する。真空乾燥ボックス中、乾燥剤としてP及びKOHの存在下で、白色固体を一定重量になるまで乾燥させる。per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDを白色固体(21g、8.96mmol)として単離する。
ステップ2.5:per-6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル)-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD
THF(300mL)中、per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD(21g、8.96mmol)を溶解させる。溶液を氷水浴で10℃に冷却し、激しく撹拌しながら、KOH(25g、448mmol)を少量に分けて加える。得られた白色懸濁液は、最初はわずかに粘性があるが、その後撹拌しやすくなる。臭化メチルトリフェニルホスホニウム(5g、14mmol)を反応混合物に加え、白色懸濁液を3時間撹拌した。温度を常に25℃未満に保ちながら、不均一な混合物に、1-ブロモ-2-ベンジルオキシ-プロパン(103g、448mmol)をゆっくりと加える。1時間撹拌した後、反応混合物は乳様の粘稠度を示す真珠のような白色になる。この反応物を室温で一晩撹拌する。TLC(n-ヘキサン:EtOAc=9:1)により、反応の進行をモニタリングする。不均一混合物を焼結ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、固体をTHF(3×50mL)で十分に洗浄する。濾液をロータベーパー(約30mL)で濃縮し、激しく撹拌しながら、MeOH(200mL)に注いだ。得られた黄色がかったゲル様物質をデカンテーションにより分離する。固体をHO(5×100mL)及びMeOH:HO=1:9(3×100mL)で十分に洗浄する。トリス(6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル))-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDは、アイソクラチック溶離を用いてシリカゲル(n-ヘキサン:EtOAc=9:1)でクロマトグラフィーにより精製する。画分をTLC分析に基づいて合わせ、減圧下で濃縮乾固した。per-6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル)-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCDは、白色粉末(24g、7.0mmol、78%)として単離される。
ステップ2.6:per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD
per-6-O-(2-O-ベンジルオキシプロピル)-per-2,3-O-ベンジル-2-O-モノプロパルギル-βCD(24g、7.0mmol)を、メタノール(600mL)に可溶化させる。反応混合物を40℃で加熱し、激しく撹拌しながらPd/C(8g)を加え、容器に炭酸ヒドラジン(360mL)を滴下する(3時間かけて加える)。混合物を穏やかに還流しながら3時間加熱し、TLC(1,4-ジオキサン:25%のNH(水溶液):1-プロパノール=10:7:3)により、反応の進行をモニタリングする。反応混合物を室温まで冷却し、焼結ガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、Pd/CパッドをMeOH(3×500mL)、HO(3×500mL)及びMeOH:HO=50:50(3×500mL)で十分に洗浄する。濾液をロータベーパー(60℃)で蒸発乾固する。残留固形物を水(200mL)に可溶化し、イオン交換樹脂で処理し、活性炭で浄化する。次いで、得られた溶液を、セライトパッドを通して濾過し、最後に蒸発乾固する。真空乾燥ボックス中、乾燥剤としてP及びKOHの存在下で、固体を一定重量になるまで乾燥させる。per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCDは、白色粉末(8g、5.06mmol、71%)として単離される。
ステップ2.7:2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDの合成
βCD(20g、17.62mmol)の無水DMSO(300mL)溶液に、水素化リチウム(212mg、26.432mmol)を加える。得られる懸濁液が透明になるまで、これを、N下、室温で撹拌する(12~24時間)。次いで、3-アジド-1-ブロモ-プロパン(3mL)及び触媒量のヨウ化リチウム(約20mg)を加え、混合物を、遮光して、55℃で5時間撹拌する。TLC(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を用いて生成物の特性分析を行うと、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCD及びβCDに相当するスポットが示される。溶液をアセトン(3.2L)に注ぎ、沈殿物を濾過し、アセトンで十分に洗浄する。得られる固体を丸底フラスコに移し、最低限の体積の水で溶解させる。シリカゲル(40g)を加え、粉末状残渣が得られるまで溶媒を真空下で除去する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、乾燥後、2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを白色固体として得た。
ステップ3:C6HPβCD-トリアゾール-βCD DS7非対称二量体の合成
激しく撹拌しながら、水(300mL)に、per-6-O-(2-O-ヒドロキシプロピル)-2-O-モノプロパルギル-βCD及び2-O-モノ(3-アジドプロピル)-βCDを懸濁させる(それぞれ、濃度が約8~12mM)。不均一混合物を完全に溶解させる目的で、この懸濁液に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(およそ300mL)を加える(DMFの添加は、わずかに発熱するプロセスである)。溶液に、臭化銅(2g、13.49mmol)を加える。懸濁液を、室温で1時間撹拌する。反応は、TLCでモニタリングし、約1時間後に完了すると予想される(溶離液:CHCN:HO:25%のNH(水溶液)=10:5:2)。粗反応物を濾過し、母液を減圧濃縮する(60℃)。ゲル様物質を、水で希釈し、シリカ(15g)を加える。不均一混合物を、乾固するまで減圧濃縮する。この粗混合物を、シリカカラムの頂部に乗せ、クロマトグラフィー(10:5:2のCHCN-HO-25%のNH(水溶液))を行い、乾燥後、C6HPβCD-トリアゾール-βCD非対称二量体DS7を得る。
SB(αCD-トリアゾール-βCD)二量体及びSB(βCD-トリアゾール-αCD)二量体の合成の詳細な説明
ステップ4a:SB(αCD-トリアゾール-βCD)二量体低DS
激しく撹拌しながら、脱イオンHO(60mL)にαCD-トリアゾール-βCD二量体(1.1g、0.5mmol)を懸濁させる。混合物に、水酸化ナトリウム(0.39g、9.75mmol)を加え、得られる溶液を、60℃に加熱する。1,4-ブタンスルトン(0.88mL、1.17g、8.6mmol)を、60℃で滴下し、溶液を同温度で3時間加熱する。次いで、残りの1,4-ブタンスルトンを分解するため、反応物をさらに1時間90℃に加熱する。反応混合物を冷却し、イオン交換樹脂で処理する。溶液に、カチオン交換樹脂(H樹脂、2g)及びアニオン交換樹脂(OH樹脂、2g)を加え、15分間撹拌し、濾別した(脱イオン水を用いて3×15mLで樹脂を洗浄した)。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.3g)を加え、30分間撹拌し、濾別する(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄する))。
無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、白色粉末を得た(1.3g)。
ステップ4b:SB(βCD-トリアゾール-αCD)二量体低DS
激しく撹拌しながら、脱イオンH2O(60mL)にβCD-トリアゾール-αCD二量体(1.1g、0.5mmol)を懸濁させる。混合物に、水酸化ナトリウム(0.39g、9.75mmol)を加え、得られる溶液を、60℃に加熱する。1,4-ブタンスルトン(0.88mL、1.17g、8.6mmol)を、60℃で滴下し、溶液を同温度で3時間加熱する。次いで、残りの1,4-ブタンスルトンを分解するため、反応物をさらに1時間90℃に加熱する。反応混合物を冷却し、イオン交換樹脂で処理する。溶液に、カチオン交換樹脂(H樹脂、2g)及びアニオン交換樹脂(OH樹脂、2g)を加え、15分間撹拌し、濾別した(脱イオン水を用いて3×15mLで樹脂を洗浄した)。得られる濾液(最終pH=7)を、活性炭で清澄させた(激しく撹拌しながら、溶液に活性炭(0.3g)を加え、30分間撹拌し、濾別する(活性炭パッドを脱イオン水3×15mLで洗浄する))。
無色溶液を減圧蒸発させ(40℃)、白色粉末を得た(1.3g)。
実施例10.βCD二量体及び単量体を用いた、血球細胞からの7KC及びコレステロールの抽出
方法
血液は、有資格採血専門医が、健康な提供者から採血した。試験物質またはPBSのみ(陰性対照)を、様々な濃度で全血に加え、37℃で3時間インキュベートした。次いで、血液を遠沈し、血清を収集した。血清を凍結し、次いで、質量分析用に処理した。
血漿を含まない7KCは、タンパク質沈降及びアセトニトリルでの抽出、さらに新規第四級アミノオキシ(QAO)質量タグ試薬である、Amplifex Keto試薬(AB Sciex、Framingham,MA,USA)を用いて誘導体化した後、LC-MS/MSにより測定した。Amplifex Keto試薬は、テストステロンの分析に使用されている(Star-Weinstock[et al.],Analytical Chemistry,84(21):9310-9317.(2012))。
血漿試料50μLに、内部標準であるd7-7KC(Toronto Research Chemicals,North York,Ontario,CA)を0.5ng添加した。d7-7KCは、0.1ng/μLの100%エタノール溶液で調製した。試料を、アセトニトリル250μLで処理し、ボルテックス混合し、12,000×gで10分間遠心してタンパク質を除去した。上清を真空乾燥させ、次いで、QAO試薬75μLで処理した。作業試薬は、Amplifex keto試薬0.7mLをAmplifex keto希釈剤0.7mLと混合して、10mg/mL原液を調製することにより、調製した。次いで、この原液を5%酢酸含有メタノールで1:4に希釈し、最終作業濃度を2.5mg/mLとした。混合物を室温で2日間反応させてから、LC-MS/MS分析を行った。
7KCの標準物質(Toronto Research Chemicals,North York,Ontario,CA)を、活性炭除去した血漿、SP1070、(Golden West Biological,Temecula,CA,USA)中及びリン酸緩衝食塩水中、1~100ng/mlで調製した。除去した血漿には検出される残存7KCが存在したため、PBSから調製した標準物質を用いた。
QAO-7KC誘導体を、4000Q-TRAPハイブリッド/三連四重極線形イオントラップ型質量分析器(SCIEX,Framingham、MA,USA)を用い、ポジティブモードでエレクトロスプレーイオン化(ESI)を行って分析した。質量分析器は、Shimadzu(Columbia,MD)SIL-20AC XRオートサンプラに結合された後、続いて2LC-20AD XR LCポンプと結合されていた。
装置は、電源電圧4500kV、GS1 50、GS2 50、CUR 20、TEM 550、及びCADガス媒体の設定で操作した。化合物は、以下の表1に示すとおりの純粋な誘導化合物の注入により最適化された多重反応モニタリング(MRM)及びトランジションを用いて定量した。太字のトランジションを定量化に用いた。
Figure 2023533745000006
Gemini 3μ C6-フェニル 110Å、100×2mmカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用い、これをShimadzu(Columbia,MD)CTO-20ACカラムオーブンで35℃に維持して、分離を実現した。2種の溶媒、A:0.1%ギ酸含有水、B:0.1%ギ酸含有アセトニトリルからなるものである勾配移動相を、流速0.5ml/分で送達した。溶媒Bの初期濃度は20%であり、続いて10分で60%のBへと直線上昇し、続いて0.1分で95%Bになり、3分間それを維持し、0.1分かけて低下して最初の20%Bに戻り、そして4分間それを維持した。7KCの保持時間は、8.46分であった。
データは、Analyst 1.6.2(SCIEX,Framingham,MA,USA)を用いて取得し、Multiquant 3.0.1(SCIEX,Framingham,MA,USA)ソフトウェアで分析した。試料値を、分析物対内部標準のピーク面積比から作製した標準曲線と、1/x重み付けを用い一次方程式に当てはめた分析物濃度との対比から計算した。定量化の下限は1ng/mLであり、このときの正確度は102%及び精度(相対標準偏差)は8.5%であった。信号対雑音(S/N)は、19:1であった。濃度100ng/mLでの正確度は98%であり精度は0.5%であり、S/Nは24:1であった。
結果
図5P及び図5Qは、HPβCD二量体(MALDI及びNMRの両方により特定した場合のDSは約8)が、HPβCD単量体よりもはるかに効率的に、血球細胞(全血)から7KCを除去可能であることを実証する。これはヒト対象でのex vivoアッセイであるが、非ヒト動物での実験よりもはるかに正確にヒト患者での効果を予測することができる結果を得ることを可能にする。図5Oは、これが血漿コレステロール値にあまり影響を与えないことを示す。このことは、HPβCD二量体が、血球細胞からコレステロールを大量に除去することがないことを暗示する。細胞からあまりに大量のコレステロールを除去すると、潜在的に細胞及び小器官の膜の破壊を招き、細胞死を引き起こす恐れがある。本発明者らは、このことを直接検討したいと考え、したがって、溶血アッセイを行った。
実施例11.高濃度のCD二量体のみにより誘導された溶血
方法
試験溶液については、試験するCDの濃度に応じてPBS量を変化させた。試料を3つ組みで試験した。各試料に、血液50μLを、PBS及びCD溶液(原液もPBSで作製)と共に加え、最終体積200μLで適切な濃度にした。5%TritonX-100を陽性対照として用い、PBSを陰性対照とした。全ての試料を混合したら、それらの試料を、撹拌しながら37℃のインキュベータに入れ、3時間置いた。陽性対照は、TritonX-100界面活性剤により100%溶血した。試料は、インキュベーションの終了後、96ハイドログレードプレート中、同一因子により希釈し、陽性対照吸光度を基準に正規化した。陽性対照吸光度は、1.1前後である。吸光度は、540nmで読まれる。次いで、陰性対照を差し引くことにより、試料の平均を補正した。実験は3回行い、エラーバーは、平均値の標準偏差である(Melanga[et al.],Journal of Pharmaceutical Sciences,105(9):2921-31.(2016)),(Kiss[et al.],European Journal of Pharmaceutical Sciences,40(4):376-80.(2010))。
図5Nは、ブチル連結及びトリアゾール連結二量体の血球細胞に対する毒性が、非常に低く維持されており、1mM未満の薬理学的範囲においてあまり毒性がないことを実証する。図5Nは、3種の異なるDS(DS約3、DS約6、DS約8)を有するブチル連結HP二量体、DS約3のトリアゾール連結HP二量体、及びDS約3のトリアゾール連結Me二量体による溶血を示す。濃度が高くなると、3種のブチル連結二量体のみが、測定可能な溶血を示した。図5Nにおいて、本発明者らは、トリアゾール連結βCD二量体の他の様々な置換で、溶血を試験した。試験したのは、非置換の、DS約2の第四級アンモニウム、DS約2のスクシニル、及びDS約3及びDS約15のスルホブチルであった。それらの二量体のそれぞれのDSは、MALDIにより特定され、NMRにより確認された。非置換の二量体のみ、最大7.5mMまで試験した。この濃度では、約5%の溶血が検出される可能性がある。他の二量体は、最大5mMまでのみを試験したが、試験した濃度のいずれにおいても、顕著な溶血は検出されなかった。
βCDのトリアゾール二量体化型は、高濃度でも、試験したHPβCDブチル二量体より溶血性が低いと思われるが、どちらのリンカーでも及び全ての置換型で非常に低い溶解が示され、低毒性を示唆する。
実施例12.CD二量体によるステロール及びステロール様化合物の可溶化
実施例5~9に記載した二量体によるコレステロール及び7KCの可溶化を試験した。
in vitro溶解度アッセイ(混濁度アッセイ)の方法
ステロール貯蔵液(コレステロール及び7KCを含む)を、100%エタノールに懸濁させた。懸濁液の最終濃度:様々な濃度のCDを含むPBS中、3%エタノール、300uMのステロール。試料を、37℃で30分間インキュベートし、次いで、吸光度を、分光光度計プレートリーダーで350nmで測定した。試料は、Beckman Biomek2000リキッドハンドラーを使用して4重に調製し、親水性コーティングされたプレートを用いることで、ウェルの表面に結合するステロールを最小限に抑えた。実験は全て、3回以上行い、エラーバーは、平均値の標準偏差である。
混濁度値は、CDなしで測定された混濁度のパーセンテージを基準に正規化した。
結果
本発明者らは、in vitro分光測定アッセイにおいて、コレステロール及び7KCに対して本発明者らの新規二量体を試験した。図5E及び5Fにおいて、DS3は、平均して約3のヒドロキシプロピル基を有するブチル連結二量体であり、DS6は、平均で約6の置換を有するブチル連結二量体であり、DS8は、平均で約8のヒドロキシプロピル置換を有するブチル連結二量体である。それらの二量体のそれぞれのDSは、MALDIにより特定され、NMRにより確認された。ステロール濃度は、常に300μMで一定であり、様々な濃度のHPβCD二量体に対して試験した。HP(CD-トリアゾール-CD)は、MALDIにより特定されたとおりの表記の平均置換数を有するトリアゾール連結CD二量体である一方、HP(CD-BUT-CD)は、表記のDSを有するブチル連結二量体を示す。
図5E~5Fは、本発明者らが合成したHPβCD二量体の全てが、7KC及びコレステロールの両方を、HPβCD単量体よりはるかに効率的に可溶化することを示す。このことは、2つの連結された単量体がどのようにしてステロールを完全に取り囲み、それを水から保護し、長時間にわたり結合を維持し、及び結合が失われてもそれを回復することができるかを示す本発明者らのコンピュータ計算モデル及び予測と一致する。一部の低濃度の二量体では、実現される可溶化と高濃度の単量体で実現される可溶化とを比較し、同じ可溶化がおよそ10分の1のモル濃度で実現されると概算することが可能である。このことは、コレステロール及び7KCに対する親和性が、単量体のものよりおよそ10倍高い範囲にある可能性があることを暗示するが、親和性定数を厳密に特定するためには他の実験の結果を待たなくてはならない。次いで、本発明者らは、さらに、これら二量体化HPβCDが、好適な親和性で7KCと結合し得るかどうかを判定しようと試みた。
本発明者らは、いくつかの異なるHPβCD二量体が、実際に、7KCと好適に結合し得ることを見出した(図5E~5F)。図5Fは、DS3と標識したトリアゾール二量体が、DS6またはDS7の二量体よりも高い特異性で7KCと結合することを示す。これらのDS値は、MALDIにより特定した。本発明者らは、さらに、これらのHPβCDが、コレステロールよりも7KCに好適に結合し得ることを発見した。
図5O及び5Pで上述したように、本発明者らは、ヒト血液において、DS8のHPβCD二量体が、ドナーの細胞から相当量の7KCを除去した一方、血清コレステロールレベルは、安定しているように見えることを見出した。このことは、コレステロールに対する親和性が、試験した濃度で細胞からのコレステロール除去をもたらす可能性はあるものの、血漿コレステロールレベルを正常範囲外に乱すには不十分であったことを暗示する。
本発明者らは、DSの最も低い二量体が、コレステロールよりも7KCに対して最も高い特異性を有することを観察して、各連結二量体の置換が最も少ない分子についてより詳細な解析を行った。図5G、5H、及び5Iは、7KCに対して最良の特異性を示したHP二量体及びメチル二量体のさらに詳細に踏み込む。本発明者らは、約3のHP置換またはメチル置換を有するヘッドツーヘッド連結したCD二量体の両方が、コレステロールよりも7KCを優先的に可溶化することをより詳細に確認した。これらの二量体は、0.5mM未満の濃度で、7KCに対して実質的な親和性及び特異性を示す。
他の置換基を同様な置換度で有する二量体化βCDも、同様な親和性及び特異性で7KC及びコレステロールと結合する可能性があるという予測に基づき、新規置換トリアゾール連結二量体を合成した(上記の実施例6~9)。本発明者らは、CDの置換として典型的に使用される荷電官能基のセット(第四級アンモニウム(QA)、スルホブチル(SB)、及びスクシニル(SUCC))を用いた。これらの低置換化合物は、非置換、ヒドロキシプロピル、またはメチル置換トリアゾール連結二量体(図5G~5I)と比較した場合に、同等なまたは改善された7KCに対する親和性及び特異性(図5J)をもたらした。逆に、高置換SB二量体は、コレステロールまたは7KCのどちらとも良好に結合しなかった。これは、多くの嵩高いSB基が、CD二量体の結合空洞への接近を制限することにより引き起こされた可能性が高い。
置換度と同一性が異なる様々な単量体及び二量体の混濁度データを、図5K~5Mに要約する。本発明者らは、単量体及び二量体の混濁度データをコンピュータ計算データと合わせることで、2つの一般化した結論を出すことができる。1つは、低置換(二次面の置換が特に重要である可能性が高い)が、ある種の相互作用に関して、特に7KCとの相互作用について特異性を促進することである。モデリングデータは、二次面ヒドロキシル基と7-ケト基との間の水素結合がこの特異性を促進する可能性があることを示す。さらに、概して、モデリングデータは、嵩高い置換は、十分に高いDSレベルで存在する場合、いずれのゲスト分子候補の空洞への接近を無差別に遮断する可能性があることを示す。したがって、メチル基等の嵩高くない基がCD二量体に高い置換レベルで付加された場合は、コレステロール及び7KC等のステロール分子と高い親和性で結合するが、コレステロールと比較した場合に7KCに対する選択性は特に高くないことが予測される一方、低置換のメチルベータCD二量体は、コレステロールと比較した場合に高い特異性で7KCと結合することが予測される。逆に、SB等の嵩高い置換を有するCD二量体は、低い置換レベルでは、コレステロールよりも7KCに対して特異的に結合することが予測されるが、高い置換レベルでは、結合空洞への接近が遮断されるが故に、コレステロールとも7KCとも結合せず、他のステロールに対してもそうである可能性が高いと予測される。HP等の幾分嵩高くない基は、SBと同様に挙動するが、概して、空洞への接近を遮断するためには、SB基より多い数のHP基が、必要になると予測される。
上記の結果に基づいて、本発明者らは、ランダムにメチル置換されたBCD二量体が、少なくともDS10の置換レベルまで、コレステロールよりも7KCに優先的に結合すると予測する。このDSレベルを超えると、コレステロールよりも7KCに対する特異性は、メチル置換度が上昇するにつれて、7KCとの水素結合に利用可能な二次面のヒドロキシル基の数が減少するため、徐々に低下する可能性がある。しかしながら、7KC及びコレステロール両方との結合は、依然として生じると予想される。
対照的に、ランダムにSB置換されたβCD二量体は、少なくともDS4~DS5の置換レベルまで、コレステロールよりも7KCに優先的に結合すると予測され、この場合も、二次面のヒドロキシル基が7KCとの水素結合に寄与し、コレステロールに比べて強い結合を促進する。しかしながら、このDSレベルを超えると、7KCに対する特異性は、徐々に低下する可能性があり、さらに、7KC及びコレステロール両方ならびに他の類似ゲスト分子との結合は、ゲストがβCD空洞に接近することに立体障害があるため、減少すると予想される。本発明者らのデータでは、DSが14を超えると、コレステロールまたは7KCのいずれとの結合もほとんど消失すると思われる。
同様な理由から、HP置換二量体は、少なくともDS4またはDS5の置換レベルまで、コレステロールよりも7KCに優先的に結合すると予測される一方、このレベルを超えると、DS約20までは、コレステロールよりも7KCに対する結合特異性が徐々に低下するが両方とも結合し、DS20を超えると、7KC及びコレステロール両方との結合が、ゲストがβCD空洞に接近することに立体障害があるため、減少すると予想される。
また、SUCC置換及びQA置換βCD二量体も、少なくともDS4またはDS5の置換レベルまで、コレステロールよりも7KCに優先的に結合すると予測され、この場合も、二次面のヒドロキシル基が7KCとの水素結合に寄与し、コレステロールに比べて強い結合を促進する。しかしながら、このDSレベルを超えると、7KCに対する特異性は、低下する可能性があり、さらに、ある一定のDSレベル、おそらくDS15を超えると、7KC及びコレステロール両方との結合は、ゲストがβCD空洞に接近することに立体障害があるため、徐々に減少すると予想される。
本発明者らのウェットラボデータは、これらのモデルが以下のとおりであることを立証する。本発明者らが、本発明者らの様々に合成したβCD二量体に少量(DS約3~4)で配置した一般的に使用される置換は、全てがコレステロールよりも7KCに対する特異性を実証した。HP基のDSを4を超えて最大8まで上昇させると、7KCに対する親和性が低下するが、コレステロールに対しては低下しない。SB二量体のDSを約15まで上昇させると、コレステロール及び7KC両方に対する結合を大幅に減少させる。
実施例13.未変性αCD-TZL-未変性βCDヘテロ二量体-ステロールの複合体形成のMDシミュレーション
図14Aは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立に複合体を形成する未変性αCD-TZL-未変性βCDヘテロ二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
データは、ヘテロ二量体がコレステロール及び7KCと比較的安定したホスト-ゲスト相互作用を形成することを示しているが、最も安定性の低い複合体は、下方向のコレステロールとの複合体である。これは、7KCは両方向に強力な複合体を形成可能であるが、コレステロールはそうではないことを示す。これは、これらのヘテロ二量体がin vitroで7KCに対する特異性を示す可能性があることを示唆する。
実施例14.HPαCD DS2-TZL-HPβCD DS2ヘテロ二量体-ステロールの複合体形成のMDシミュレーション
図14Bは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立に複合体を形成するHPαCD DS2-TZL-HPβCD DS2ヘテロ二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
データは、上方向の7KCに対する特異性を示す(これは、小さい空洞が尾部基を包み込み、大きい空洞がより嵩高い頭部基を包み込むためであると予想される)。他の全ての複合体は約40nsで壊れる。上方向の7KCは最大の相互作用エネルギー(約-200kJ/mol)を有し、下方向のコレステロールは最低(-80kJ/mol~-150kJ/mol)の相互作用エネルギーを有する。これは、この分子による7KCに対する特異性を示唆しているが、その理由を完全に理解するにはさらなる研究が必要である。
実施例15.SBαCD DS2-TZL-SBβCD DS2ヘテロ二量体-ステロールの複合体形成のMDシミュレーション
図14Cは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立に複合体を形成するSBαCD DS2-TZL-SBβCD DS2ヘテロ二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
当該データは、上方向の7KCが好適な相互作用を有することを再度示しているが、この場合、コレステロールはより強い相互作用エネルギーを有した。おそらく、SB基の立体障害は、ヒドロキシプロピル基よりも7KCとの複合体形成に影響を与える。上方向のコレステロールを除く全ての複合体は、100nsの終了前に壊れる。この種の分子の特異性を完全に理解するには、さらなる研究が必要であるが、ステロールがこの二量体によって効果的に封入されることは明らかである。
実施例16.HPβCD、未変性αCD、及びHPβCDと未変性αCDの混合単量体溶液による7KC及びコレステロールの可溶化
図15Aは、HPβCD(DS約5)単量体及び未変性αCD単量体が7KC及びコレステロールを可溶化する能力を、混濁度パーセントによって評価したものを示す。混濁度が低いほど、所定のステロールを可溶化する能力が高いことを示す。
また、本発明者らは、HPβCD(DS約5)と未変性αCDを1:1のモル比で組み合わせ、単量体混合物の混濁度を評価した。混合単量体濃度は、全単量体濃度として与えられる。未変性αCDは、7KC及びコレステロールに対して特異性がなく、親和性が低いことを示した。7KCを可溶化する混合単量体の能力は、HPβCD(DS約5)のものと同様であった(図15A、上部)。混合単量体溶液は、両方のステロールのより効果的な封入化をもたらし、それ自体の未変性αCDと比較して、7KCに対する特異性を増加させた(図15A、下部)。未変性αCDと7KCの混合単量体溶液との間の同様の混濁度プロファイルは、CDと7KCとの間の1:1を超える比率でCDと7KCの複合体形成が可能であることを示唆する。おそらく、CDステロール複合体には、7KCを封入する単一の単量体、7KCを含む複数の異なる単量体、または混合単量体溶液中の7KCの異なる領域を封入する両方のHPβCDと未変性αCDの組み合わせが含まれ得る。相乗効果を示す混合単量体のHPβCD及び未変性αCDの比率を特定するには、さらなる研究が必要である。これらの結果は、未変性αCDとHPβCDとの間のヘテロ二量体が、7KC及び他のステロールの有望な封入剤である可能性があることを示唆する。
実施例17.HPβCD、HPαCD、及びHPβCDとHPαCDの混合単量体溶液による7KC及びコレステロールの可溶化
図15Bは、HPβCD(DS約5)単量体及びHPαCD(DS約3.5)単量体が7KC及びコレステロールを可溶化する能力を、混濁度パーセントによって評価したものを示す。混濁度が低いほど、所定のステロールを可溶化する能力が高いことを示す。また、本発明者らは、HPβCD(DS約5)とHPαCD(DS約3.5)を1:1比で加えることで、HPβCD(DS約5)とHPαCD(DS約3.5)を1:1のモル比で組み合わせ、単量体混合物の混濁度を評価した。混合単量体濃度は、全単量体濃度として与えられる。HPαCD(DS約3.5)は、7KCに対してわずかな特異性と親和性を示し、コレステロールに対しては低い親和性を示す。7KCを可溶化する混合単量体の能力は、HPβCD(DS約5)のものと同様であった(図10B、上部)。混合単量体溶液は、両方のステロールのより効果的な封入化をもたらし、それ自体の未変性αCDと比較して、7KCに対する特異性を増加させた(図10B、下部)。HPαCD(DS約3.5)と7KCの混合単量体溶液との間の同様の混濁度プロファイルは、CDと7KCとの間の1:1を超える比率でCDと7KCの複合体形成が可能であることを示唆する。おそらく、CD-ステロール複合体には、7KCを封入する単一の単量体、7KCを含む複数の異なる単量体、または混合単量体溶液中の7KCの異なる領域を封入する両方のHPβCDと未変性αCDの組み合わせが含まれ得る。相乗効果を示す混合単量体のHPβCD及び未変性αCDの比率を特定するには、さらなる研究が必要である。これらの結果は、HPαCDとHPβCDとの間のヘテロ二量体が、7KC及び他のステロールの有望な封入剤である可能性があることを示唆する。
実施例18.未変性βCD-TZL-C6 HPβCD DS7非対称二量体-ステロールの複合体形成のMDシミュレーション
図19Aは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立に複合体を形成する未変性βCD-TZL-C6 HPβCD DS7非対称二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
データは、全てのステロールがこの二量体との複合体形成に強い親和性を有していることを示しており、100ns後に複合体が壊れることはない。このシミュレーションの拡張を実行して、さらなる詳細を得ることが可能である。これらの結果から、この二量体がステロールを効果的に封入化することが明らかになる。
実施例19.未変性βCD-TZL-C6 HPβCD DS3非対称二量体-ステロールの複合体形成のMDシミュレーション
図19Bは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立に複合体を形成する未変性βCD-TZL-C6 HPβCD DS3非対称二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
データは、全てのステロールがこの二量体との複合体形成に強い親和性を有していることを示しており、100ns後に複合体が壊れることはない。このシミュレーションを拡張すると、より詳細な情報を得ることが可能である。これらの結果から、この二量体がステロールを効果的に封入化することが明らかになる。理論によって制限されることを意図するものではないが、このデータを先の例と組み合わせると、大きい面の界面に置換がない限り、小さい面のDSはこれらの二量体とステロールとの複合体形成に大きな影響を与えないことが示唆される。
実施例20.未変性βCD-TZL-HPβCD DS3(ランダム)非対称二量体-ステロールの複合体形成のMDシミュレーション
図19Cは、上方向及び下方向の両方で7KC及びコレステロールと独立に複合体を形成する未変性βCD-TZL-HPβCD DS3(ランダム)非対称二量体のMDシミュレーションからの軌跡結果を示す。上方のグラフは、100nsの期間にわたって、二量体のCD単量体のうちの1つにおけるO4原子の環の間の重心とステロールの重心との間の距離を示す。中央のグラフは、100nsの期間にわたって、ステロールの主軸とO4原子の環に垂直な軸との間で形成される角度(図3Cに示す)を示す。下方のグラフは、100nsの期間にわたって、CD二量体とステロール(すなわち、ホスト-ゲスト複合体におけるそれぞれのホストとゲスト)との間の相互作用エネルギーを示す。
このデータは、両方の方向で7KCに対して示された特異性、両方のコレステロール複合体は壊れるが(上方向がさらに壊れる)、7KC複合体は全体的に安定したままであることを示す。複合体は、同様の相互作用エネルギーを示すが、7KC複合体は幾分より強力である(7KC複合体は、約-200kJ/molであるが、コレステロールの場合は、約-150~180kJ/molに留まる)。このシミュレーションは、先の2つと組み合わせて、二量体の界面での置換が7KCの特異性にとって重要である提案されたメカニズムをさらに裏付ける。
実施例13~20における分子動力学シミュレーションは、本質的に実施例3に記載されているように実施された。
本発明の例示的な実施形態
A1.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000007
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000008
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができず、
少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及び/またはL3’は、Oではない、前記CD二量体。
A2.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000009
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000010
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができず、
少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及び/またはL3’は、Oではない、前記シクロデキストリン二量体。
A3.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000011
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000012
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
R3、R4、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
A4.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000013
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000014
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
R3、R4、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記シクロデキストリン二量体。
A5.R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、条項A1~A4のいずれか1項に記載の二量体。
A6.R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、条項A5に記載の二量体。
A7.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000015
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000016
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
R1、R1’、R2、R2’、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
A8.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000017
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000018
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
R1、R1’、R2、R2’、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記シクロデキストリン二量体。
A9.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000019
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000020
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
R1、R1’、R2、R2’、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
A10.以下の一般式構造A-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、構造A-Xaを有し:
Figure 2023533745000021
CD’は、構造A-Xbを有し:
Figure 2023533745000022
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択される同一の基であり、
R1、R1’、R2、R2’、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記シクロデキストリン二量体。
A11.R3及びR3’は、ヒドロキシプロピル、または代替としてブチル基等のアルキル基である、条項A6に記載の二量体。
A12.L1、L2、L1’、またはL2’の少なくとも1つのLはOではない、条項A3~A11のいずれか1項に記載の二量体。
A13.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、リン酸、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A14.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、2-ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルからなる群から選択される、条項A13に記載の二量体。
A15.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシプロピルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは2-ヒドロキシプロピルである、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A16.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びメチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはメチルある、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A17.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスルホブチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはスルホブチルある、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A18.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスクシニルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはスクシニルある、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A19.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルある、条項A1~A12のいずれか1つに記載の二量体。
A20.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、マルトシルであり、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、マルトシルである、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A21.連結基の一部ではないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、カルボキシメチルであり、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、カルボキシメチルである、条項A1~A12のいずれか1項に記載の二量体。
A22.前記二量体は、10~40のメチル置換基を有するDSを含む、条項A1またはA2に記載の二量体。
A23.前記二量体は、10~20のメチル置換基を有するDSを含む、条項A22に記載の二量体。
A24.前記二量体は、CDのC2位(R1に対応する)及びC6位(R3に対応する)で、メチル置換基で完全に飽和される、条項A22に記載の二量体。
A25.前記二量体は、CD’のC2位(R1’に対応する)及びC6位(R3’に対応する)で、メチル置換基で完全に飽和される、条項A22~A24のいずれか1項に記載の二量体。
A26.前記連結基の長さは2~8である、条項A1~A25のいずれか1項に記載の二量体。
A27.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項A1~A25のいずれか1項に記載の二量体。
A28.前記連結基の長さは4である、条項A1~A25のいずれか1項に記載の二量体。
A29.前記連結基の長さは7である、条項A1~A25のいずれか1項に記載の二量体。
A30.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項A1~A29のいずれか1項に記載の二量体。
A31.Bは置換または非置換ブチルである、条項A30に記載の二量体。
A32.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項A1~A29のいずれか1項に記載の二量体。
A33.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項A32に記載の二量体。
A34.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000023
に示されたA及びA’への接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項A33に記載の二量体。
A35.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項A34に記載の二量体。
A36.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項A35に記載の二量体。
A37.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項A36に記載の二量体。
A38.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項A1~A37のいずれか1項に記載の二量体。
A39.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項A38に記載の二量体。
A40.A及びA’の少なくとも1つは、それぞれ独立して、L1もしくはL2、またはL1’もしくはL2’の2つ以上と接続する、条項A1~A39のいずれか1項に記載の二量体。
A41.前記CD二量体は、図9B~9Eのいずれか1つに示された構造を有する、条項A1~A40のいずれか1項に記載のCD二量体。
A42.前記CD二量体は、コレステロールよりも7KCに対する高い親和性を示し、前記より高い親和性は、任意選択的に、混濁度試験によって決定される、条項A1~A41のいずれか1項に記載のCD二量体。
A43.前記CD二量体は、コレステロールよりも、少なくとも1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍の強い7KCに対する親和性を示す、条項A42に記載のCD二量体。
A44.R4は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項A1~A43のいずれか1項に記載の二量体。
A45.前記連結基に接続される前記L1、L1’、L2、及びL2’は、それぞれ独立して、-O-及び結合からなる群から選択され、及び/または、L1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’が結合である場合、対応するR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’は、それぞれヒドロキシルではない、条項A1~A44のいずれか1項に記載の二量体。
A46.アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’のそれぞれについて、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’は、それぞれ結合である、条項A1~A45のいずれか1項に記載の二量体。
A47.条項A1~A46に記載の2つ以上のCD二量体の混合物を含む組成物であって、任意選択的に、他のCD二量体を実質的に含まない前記組成物。
A48.条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体または条項A47に記載の組成物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
A49.前記CD二量体が、前記組成物中の唯一の活性成分である、条項A48に記載の医薬組成物。
A50.前記CD二量体及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、条項A48に記載の医薬組成物。
A51.前記医薬組成物は、少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の1つの前記CD二量体または複数の前記CD二量体を含む、条項A48に記載の医薬組成物。
A52.疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体または条項A47もしくはA48に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
A53.条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体または条項A47~A50のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法。
A54.前記必要とする対象が、7KCの有害または毒性効果に苦しんでいる、条項A53に記載の方法。
A55.7KCの量の低減を、それを必要とする対象にて行う方法であって、条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体または条項A47~A50のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
A56.前記CD二量体は、前記対象に、非経口(例えば、皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側投与を介して投与される、条項A53~A55のいずれか1項に記載の方法。
A57.前記CD二量体は、静脈内投与される、条項A56に記載の方法。
A58.(a)前記対象に、前記CD二量体を約1mg~20g、例えば、10mg~1g、50mg~200mg、もしくは100mg、または(b)前記CD二量体を1~10g、例えば、約2g、約3g、約4g、もしくは約5g、または(c)前記CD二量体を50mg~5g、例えば、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5gで、前記対象に投与することを含む、条項A53~A57のいずれか1項に記載の方法。
A59.アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて実施される、条項A53~A58のいずれか1項に記載の方法。
A60.アテローム性動脈硬化の症状を予防、治療、寛解させる、条項A53~A58のいずれか1項に記載の方法。
A61.前記対象に二次治療を施行することをさらに含み、前記二次治療は、同時にまたはいずれかの順序で順次施行される、条項A60に記載の方法。
A62.前記二次治療は、フィブラートもしくはスタチン、抗血小板薬、降圧薬、または栄養補助食品等、1つ以上の抗コレステロール薬を含む、条項A61に記載の方法。
A63.前記スタチンは、ADVICOR(R)(ナイアシン徐放性/ロバスタチン)、ALTOPREV(R)(ロバスタチン徐放性)、CADUET(R)(アムロジピン・アトルバスタチン合剤)、CRESTOR(R)(ロスバスタチン)、JUVISYNC(R)(シタグリプチン/シンバスタチン)、LESCOL(R)(フルバスタチン)、LESCOL XL(フルバスタチン徐放性)、LIPITOR(R)(アトルバスタチン)、LIVALO(R)(ピタバスタチン)、MEVACOR(R)(ロバスタチン)、PRAVACHOL(R)(プラバスタチン)、SIMCOR(R)(ナイアシン徐放性/シンバスタチン)、VYTORIN(R)(エゼチミブ/シンバスタチン)、またはZOCOR(R)(シンバスタチン)を含む、条項A62に記載の方法。
A64.前記二次治療は、抗コレステロール薬及び降圧薬を含む、条項A62に記載の方法。
A65.オキシステロールを含む組成物を、条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記オキシステロールを可溶化することと、前記CD二量体及び可溶化されたオキシステロールを回収することとを含む、オキシステロールの精製方法。
A66.前記オキシステロールは、7KCを含むか、またはそれからなる、条項A65に記載の方法。
A67.前記可溶化されたオキシステロール中の7KCの量または濃度を測定することで、前記組成物中の7KCの相対濃度を決定することをさらに含む、条項A66に記載の方法。
A68.前記組成物は患者試料を含む、条項A67に記載の方法。
A69.試料からオキシステロールを除去するin vitro方法であって、オキシステロールを含む試料を、条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記オキシステロールを可溶化することと、前記試料を前記CD二量体及び可溶化されたステロールから分離し、任意選択的に、前記試料が得られた対象に、前記試料を再導入することとを含む、前記方法。
A70.低コレステロール産物を産生する方法であって、コレステロールを含む産物を、条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記コレステロールを可溶化することと、前記産物から前記CD二量体及び可溶化されたコレステロールを除去することとを含む、前記方法。
A71.前記産物が食品である、条項A70に記載の方法。
A72.前記食品は、肉及び/または乳製品を含む、条項A71に記載の方法。
A73.条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体を作製する方法であって、
(a)一次面で保護されたβ-CD分子をジアルキル化剤と反応させることで、二次面を介して連結された一次面保護βCD二量体を作製し、任意選択的に、前記一次保護CD二量体を精製することと、
(b)前記一次面保護CD二量体を脱保護することで、脱保護CD二量体を作製し、任意選択的に、前記脱保護CD二量体を精製することと、
(c)前記脱保護CDを前記R1、R2、R3、R1’、R2’、及び/またはR3’基に官能基化することで前記CD二量体を作製し、任意選択的に、前記CD二量体を精製することとを含む、前記方法。
A74.前記一次面で保護された前記CDは、トリチル、ベンゾイル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)等、好ましくはヘプタキス(7-O-tert-ブチルジメチルシリル)-β-CDにおけるようなTBDMSを含む、条項A73に記載の方法。
A75.前記ジアルキル化剤は、ジハロアルカン、ジトシルアルカン、ジメシルアルカン、ジトリフラテアルカン等、好ましくは1,4ジブロモブタンを含む、条項A73またはA74に記載の方法。
A76.前記ステップ(a)は、イミダゾール、ピリジン、DMAP、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム等、好ましくは水素化ナトリウム等の塩基を使用し、無水条件で行われる、条項A73~A75のいずれか1項に記載の方法。
A77.前記ステップ(a)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相または逆相クロマトグラフィーを含む、条項A73~A76のいずれか1項に記載の方法。
A78.前記ステップ(b)は、テトラヒドロフラン(THF)またはメタノール(MeOH)中、HF-ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸、硫酸、トリフリック酸等を用いて、好ましくはTHF中、TBAFを用いて行われる、条項A73~A77のいずれか1項に記載の方法。
A79.前記ステップ(b)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相または逆相クロマトグラフィーを含む、条項A73~A78のいずれか1項に記載の方法。
A80.前記ステップ(c)は、前記脱保護CD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム試薬と反応させることを含む、条項A73~A79のいずれか1項に記載の方法。
A81.前記ステップ(c)は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウム等の塩基を使用する水性条件で行われる、条項A73~A80のいずれか1項に記載の方法。
A82.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項A73~A81のいずれか1項に記載の方法。
A83.βCD二量体の作製方法であって、(a)2-O-(n-アジドアルキル)-βCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-βCDまたはそれらの混合物と、2-O-(n-アルキン)-βCDもしくは3-O-(n-アルキン)-βCDまたはそれらの混合物とを反応させることで、βCD-alk1-トリアゾール-alk2-βCDの構造を有するβCD-トリアゾール-βCD二量体を形成することを含み、任意選択的に、(b)前記βCD-トリアゾール-βCD二量体を精製することを含む、前記方法。
A84.前記ステップ(a)は、銅(I)、銀(I)またはルテニウム触媒、好ましくは臭化銅(CuBr)または臭化銅トリス(トリフェニルホスフィン)[(PPh3)3CuBr]等の15mMの銅(I)を用いて行われる、条項A83に記載の方法。
A85.前記ステップ(a)は水溶液中で行われる、条項A83またはA84に記載の方法。
A86.前記水溶液は、ジメチルホルムアミド(DMF)を含み、任意選択的に約50%のDMF(v/v)を含む、条項A85に記載の方法。
A87.前記ステップ(b)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項A84~A86のいずれか1項に記載の方法。
A88.前記ステップ(a)の前に、(1)n-アジド-1-ブロモ-アルカンを、β-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、前記2-O-(n-アジドアルキル)-βCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはその混合物を作製することと、(2)任意選択的に、前記2-O-(n-アジドアルキル)-βCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項A84~A87のいずれか1項に記載の方法。
A89.前記ステップ(2)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項A88に記載の方法。
A90.前記ステップ(a)の前に、(i)n-ブロモ-1-アルキンを、β-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、2-O-(n-アルキン)-βCDもしくは3-O-(n-アルキン)-βCDまたはそれらの混合物を作製することと、(ii)任意選択的に、前記2-O-(n-アルキン)-βCDもしくは3-O-(n-アルキン)-βCDまたはその混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-(n-アルキン)-βCDもしくは3-O-(n-アルキン)-βCDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項A84~A89のいずれか1項に記載の方法。
A91.前記ステップ(ii)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項A90に記載の方法。
A92.前記ステップ(i)は乾燥DMSO中で実行される、条項A90またはA91に記載の方法。
A93.前記ステップ(i)または(1)における前記反応は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム等を含む、条項A88~A90のいずれか1項に記載の方法。
A94.(c)前記CD-トリアゾール-CD二量体のヒドロキシプロピル化、メチル化、スクシニル化、スルホブチル化及び/または第四級アンモニウム官能基化を行うことで、CD二量体を作製し、任意選択的に前記CD二量体を精製することをさらに含む、条項A90~A93のいずれか1項に記載の方法。
A95.前記ステップ(c)は、前記脱保護CD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム官能基化試薬と反応させることを含む、条項A94に記載の方法。
A96.前記ステップ(c)は、任意選択的に、塩基として水酸化ナトリウムを含む水性条件で行われる、条項A94またはA95に記載の方法。
A97.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、膜濾過、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項A90~A95のいずれか1項に記載の方法。
A98.前記連結基の長さは2~8である、条項A73~A97のいずれか1項に記載の方法。
A99.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項A73~A97のいずれか1項に記載の方法。
A100.前記連結基の長さは4である、条項A73~A97のいずれか1項に記載の方法。
A101.前記連結基の長さは7である、条項A73~A97のいずれか1項に記載の方法。
A102.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項A73~A101のいずれか1項に記載の方法。
A103.Bは置換または非置換ブチルである、条項A102に記載の方法。
A104.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項A73~A101のいずれか1項に記載の方法。
A105.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項A104に記載の方法。
A106.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000024
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000025
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項A105に記載の方法。
A107.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項A106に記載の方法。
A108.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項A107に記載の方法。
A109.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項A108に記載の方法。
A110.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項A73~A109のいずれか1項に記載の方法。
A111.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項A110に記載の方法。
A112.A及びA’の少なくとも1つは、それぞれ独立して、L1もしくはL2、またはL1’もしくはL2’の2つ以上と接続する、条項A73~A111のいずれか1項に記載の方法。
A113.前記CD二量体は、図9B~9Eのいずれか1つに示された構造を有する、条項A73~A112のいずれか1項に記載の方法。
A114.条項A1~A46のいずれか1項に記載のCD二量体を作製するために適合する、条項A73~A112のいずれか1項に記載の方法。
B1.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000026
CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
Figure 2023533745000027
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができない、前記CD二量体。
B2.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000028
CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
Figure 2023533745000029
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができない、前記シクロデキストリン二量体。
B3.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000030
CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
Figure 2023533745000031
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
R3及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
B4.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000032
CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
Figure 2023533745000033
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
R3及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記シクロデキストリン二量体。
B5.R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、条項B1~B4のいずれか1項に記載の二量体。
B6.R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、条項B5に記載の二量体。
B7.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000034
CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
Figure 2023533745000035
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
B8.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000036
CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
Figure 2023533745000037
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記シクロデキストリン二量体。
B9.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000038
CD’は、構造B-Xbを有し:
Figure 2023533745000039
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
B10.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000040
CD’は、構造B-Xbを有し:
Figure 2023533745000041
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択される同一の基であり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記シクロデキストリン二量体。
B11.R3及びR3’は、ヒドロキシプロピル、または代替としてブチル基等のアルキル基である、条項B9またはB10に記載の二量体。
B12.L1、L2、L1’、またはL2’の少なくとも1つはOではない、条項B3~B11のいずれか1項に記載の二量体。
B13.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、リン酸、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B14.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、2-ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、及び2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルからなる群から選択される、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B15.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシプロピルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは2-ヒドロキシプロピルある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B16.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びメチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはメチルある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B17.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスルホブチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはスルホブチルある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B18.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスクシニルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはスクシニルある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B19.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル等の第四級アンモニウムからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル等の第四級アンモニウムある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B20.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びマルトシルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはマルトシルある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B21.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びカルボキシメチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはカルボキシメチルある、条項B1~B12のいずれか1項に記載の二量体。
B22.CDは、C6位(L3/R3に対応する)で3~6のDSを有する、条項B1またはB2に記載の二量体。
B23.R3はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、ブチル、2-(カルボキシエチル)スルファニル、またはスルホブチルから選択される、条項B22に記載の二量体。
B24.R3はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項B23に記載の二量体。
B25.CD’は、C6位(L3’/R3’に対応する)で0、1,または2のDSを有する、条項B22~B24のいずれか1項に記載の二量体。
B26.CD’は、C6位(L3’/R3’に対応する)で1または2のDSを有し、R3’はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、ブチル、2-(カルボキシエチル)スルファニル、またはスルホブチルから選択される、条項B25に記載の二量体。
B27.R3’はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項B26に記載の二量体。
B28.CD及びCD’のC2位(L1/R1及びL1’/R1’に対応する)及びC3位(L2/R2及びL2’/R2’に対応する)の合わせた合計DSは、0、1、2、3、または4である、条項B22~B27のいずれか1項に記載の二量体。
B29.R1、R1’、R2、及びR2’はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、メチル、エチル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、チオール、アルコキシアミン、アミン、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、メチル、第四級アンモニウム、またはスルホブチルから選択される、条項B28に記載の二量体。
B30.R1及びR2はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項B29に記載の二量体。
B31.R1’及びR2’はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項B29またはB30に記載の二量体。
B32.R1、R1’、R2、及びR2’はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項B29に記載の二量体。
B33.CDのC2位(R1に対応する)及びC3位(R2に対応する)での合わせた合計DSは、2または3である、条項B28~B32のいずれか1項に記載の二量体。
B34.前記二量体は、10~40のメチル置換基を有するDSを含む、条項B1またはB2に記載の二量体。
B35.前記二量体は、10~20のメチル置換基を有するDSを含む、条項B34に記載の二量体。
B36.前記二量体は、CDのC2位(R1に対応する)及びC6位(R3に対応する)で、メチル置換基で完全に飽和される、条項B34に記載の二量体。
B37.前記二量体は、CD’のC2位(R1’に対応する)及びC6位(R3’に対応する)で、メチル置換基で完全に飽和される、条項B34~B36のいずれか1項に記載の二量体。
B38.前記連結基の長さは原子数2~8である、条項B1~A37のいずれか1項に記載の二量体。
B39.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項B1~B37のいずれか1項に記載の二量体。
B40.前記連結基の長さは4である、条項B1~B37のいずれか1項に記載の二量体。
B41.前記連結基の長さは7である、条項B1~B37のいずれか1項に記載の二量体。
B42.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項B1~B41のいずれか1項に記載の二量体。
B43.Bは置換または非置換ブチルである、条項B42に記載の二量体。
B44.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項B1~B41のいずれか1項に記載の二量体。
B45.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項B44に記載の二量体。
B46.Bは、
構造Y:
Figure 2023533745000042
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000043
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項B45に記載の二量体。
B47.A及びA’は、独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項B46に記載の二量体。
B48.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項B47に記載の二量体。
B49.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項B48に記載の二量体。
B50.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項B1~B49のいずれか1項に記載の二量体。
B51.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項B50に記載の二量体。
B52.A及びA’の少なくとも1つは、それぞれ独立して、L1もしくはL2、またはL1’もしくはL2’の2つ以上と接続する、条項B1~A51のいずれか1項に記載の二量体。
B53.図2Bに示された構造を有する、条項B1~B52のいずれか1項に記載のCD二量体。
B54.前記CD二量体は、コレステロールよりも7KCに対する高い親和性を示し、前記より高い親和性は、任意選択的に、混濁度試験によって決定される、条項B1~B53のいずれか1項に記載のCD二量体。
B55.前記CD二量体は、コレステロールよりも、少なくとも1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍の強い7KCに対する親和性を示す、条項B54に記載のCD二量体。
B56.図5A~5Jに示す混濁度試験によって決定されたように、本明細書に示されるCD単量体よりもコレステロールに対する親和性が高い、条項B1~B53のいずれか1項に記載の二量体。
B57.R4は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、リン酸、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項B1~B56のいずれか1項に記載の二量体。
B58.前記連結基に接続される前記L1、L1’、L2、及びL2’は、それぞれ独立して、-O-及び結合からなる群から選択される、条項B1~B57のいずれか1項に記載の二量体。
B59.L1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’が結合である場合、対応するR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’は、それぞれヒドロキシルではない、条項B1~B58のいずれか1項に記載の二量体。
B60.アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’のそれぞれについて、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’は、それぞれ結合である、条項B1~B59のいずれか1項に記載の二量体。
B61.条項B1~B60に記載の2つ以上のCD二量体の混合物を含む組成物。
B62.前記組成物は、他のCD二量体を実質的に含まない、条項B61に記載の組成物。
B63.条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体または条項B61もしくはB62に記載の組成物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
B64.前記CD二量体が、前記組成物中の唯一の活性成分である、条項B63に記載の医薬組成物。
B65.前記CD二量体及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、条項B63に記載の医薬組成物。
B66.前記医薬組成物は、少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の1つの前記CD二量体または複数の前記CD二量体を含む、条項B63に記載の医薬組成物。
B67.疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体または条項B61もしくはB62に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
B68.以下の構造B-Xaを有するαCDと、
Figure 2023533745000044
以下の構造B-Xbを有するβCDと
Figure 2023533745000045
を含むCD組成物であって、式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
B69.以下の構造B-Xaを有するαCDと、
Figure 2023533745000046
以下の構造B-Xbを有するβCDと
Figure 2023533745000047
を含むCD組成物であって、式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
R3及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
B70.R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、条項B68~B69のいずれか1項に記載のCD組成物。
B71.R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、条項B70に記載のCD組成物。
B72.以下の構造B-Xaを有するαCDと、
Figure 2023533745000048
以下の構造B-Xbを有するβCDと
Figure 2023533745000049
を含むCD組成物であって、式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
B73.以下の構造B-Xaを有するαCDと、
Figure 2023533745000050
以下の構造B-Xbを有するβCDと
Figure 2023533745000051
を含むCD組成物であって、式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3及びR3’は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
B74.アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’のそれぞれについて、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’は、それぞれ結合である、条項B61~B66のいずれか1項に記載のCD組成物。
B75.前記βCDに対する前記αCDのモル比は、3:1~1:3、2.5:1~1:2.5、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、1.2:1~1:1.2、または約1:1であり、好ましくは約1:1である、条項B68~B74のいずれか1項に記載のCD組成物。
B76.条項B68~B75のいずれか1項に記載のCD組成物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
B77.前記CD組成物が、前記組成物中の唯一の活性成分である、条項B76に記載の医薬組成物。
B78.前記CD組成物及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、条項B76に記載の医薬組成物。
B79.前記医薬組成物は、少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の前記CD組成物を含む、条項B76に記載の医薬組成物。
B80.疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、条項B68~B75のいずれか1項に記載のCD組成物または条項B76に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
B81.条項B68~B75のいずれか1項に記載のCD組成物または条項B76~B78のいずれか1項に記載の医薬組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法。
B82.7KC及び/またはコレステロールの量の低減を、それを必要とする対象にて行う方法であって、条項B68~B75のいずれか1項に記載のCD組成物または条項B76~B78のいずれか1項に記載の医薬組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
B83.アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて施行される、条項B81~B82のいずれか1項に記載の方法。
B84.条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体または条項B61~B65のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法。
B85.前記必要とする対象が、7KCの有害もしくは毒性効果に苦しんでいる、条項B84に記載の方法。
B86.7KCの量の低減を、必要とする対象にて行う方法であって、条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体または条項B61~B65のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
B87.前記CD二量体は、前記対象に、非経口(例えば、皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側投与を介して投与される、条項B84~B86のいずれか1項に記載の方法。
B88.前記CD二量体は、静脈内投与される、条項B87に記載の方法。
B89.(a)前記対象に、前記CD二量体を約1mg~20g、例えば、10mg~1g、50mg~200mg、もしくは100mg、または(b)前記CD二量体を1~10g、例えば、約2g、約3g、約4g、もしくは約5g、または(c)前記CD二量体を50mg~5g、例えば、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5gで、前記対象に投与することを含む、条項B84~B88のいずれか1項に記載の方法。
B90.アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて施行される、条項B84~B89のいずれか1つに記載の方法。
B91.アテローム性動脈硬化の症状を予防、治療、寛解させる、条項B84~B89のいずれか1項に記載の方法。
B92.前記対象に二次治療を施行することをさらに含み、前記二次治療は、同時にまたはいずれかの順序で順次施行される、条項B91に記載の方法。
B93.前記二次治療は、フィブラートもしくはスタチン、抗血小板薬、降圧薬、または栄養補助食品等、1つ以上の抗コレステロール薬を含む、条項B92に記載の方法。
B94.前記スタチンは、ADVICOR(R)(ナイアシン徐放性/ロバスタチン)、ALTOPREV(R)(ロバスタチン徐放性)、CADUET(R)(アムロジピン・アトルバスタチン合剤)、CRESTOR(R)(ロスバスタチン)、JUVISYNC(R)(シタグリプチン/シンバスタチン)、LESCOL(R)(フルバスタチン)、LESCOL XL(フルバスタチン徐放性)、LIPITOR(R)(アトルバスタチン)、LIVALO(R)(ピタバスタチン)、MEVACOR(R)(ロバスタチン)、PRAVACHOL(R)(プラバスタチン)、SIMCOR(R)(ナイアシン徐放性/シンバスタチン)、VYTORIN(R)(エゼチミブ/シンバスタチン)、またはZOCOR(R)(シンバスタチン)を含む、条項B93に記載の方法。
B95.前記二次治療は、抗コレステロール薬及び降圧薬を含む、条項B93に記載の方法。
B96.オキシステロールを含む組成物を、条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記オキシステロールを可溶化することと、前記CD二量体及び可溶化されたオキシステロールを回収することとを含む、オキシステロールの精製方法。
B97.前記オキシステロールは、7KCを含むか、またはそれからなる、条項B96に記載の方法。
B98.前記可溶化されたオキシステロール中の7KCの量または濃度を測定することで、前記組成物中の7KCの相対濃度を決定することをさらに含む、条項B97に記載の方法。
B99.前記組成物は患者試料を含む、条項B98に記載の方法。
B100.試料からオキシステロールを除去するin vitro方法であって、オキシステロールを含む試料を、条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記オキシステロールを可溶化することと、前記試料を前記CD二量体及び可溶化されたステロールから分離し、任意選択的に、前記試料が得られた対象に、前記試料を再導入することとを含む、前記方法。
B101.低コレステロール産物を産生する方法であって、コレステロールを含む産物を、条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記コレステロールを可溶化することと、前記産物から前記CD二量体及び可溶化されたコレステロールを除去することとを含む、前記方法。
B102.前記産物が食品である、条項B101に記載の方法。
B103.前記食品は、肉及び/または乳製品を含む、条項B102に記載の方法。
B104.条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体を作製する方法であって、
(a)一次面で保護されたα-またはβ-CD分子をジアルキル化剤及び未変性β-またはα-CDとそれぞれ反応させることで、二次面を介して連結された一次面保護α-βCD二量体を作製し、任意選択的に、前記一次保護α-βCD二量体を精製することと、
(b)前記一次面保護α-βCD二量体を脱保護することで、脱保護CD二量体を作製し、任意選択的に、前記脱保護CD二量体を精製することと、
(c)前記脱保護α-βCDを前記R1、R2、R3、R1’、R2’、及び/またはR3’基に官能基化することで前記α-βCD二量体を作製し、任意選択的に、前記α-βCD二量体を精製することとを含む、前記方法。
B105.前記一次面で保護された前記α-βCDは、トリチル、ベンゾイル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)等、好ましくはヘプタキス(7-O-tert-ブチルジメチルシリル)-β-CDにおけるようなTBDMSを含む、条項B104に記載の方法。
B106.前記ジアルキル化剤は、ジハロアルカン、ジトシルアルカン、ジメシルアルカン、ジトリフラテアルカン等、好ましくは1,4ジブロモブタンを含む、条項B104またはB105に記載の方法。
B107.前記ステップ(a)は、イミダゾール、ピリジン、DMAP、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム等、好ましくは水素化ナトリウム等の塩基を使用し、無水条件で行われる、条項B104~B106のいずれか1項に記載の方法。
B108.前記ステップ(a)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相クロマトグラフィーを含む、条項B104~B107のいずれか1項に記載の方法。
B109.前記ステップ(b)は、テトラヒドロフラン(THF)またはメタノール(MeOH)中、HF-ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸、硫酸、トリフリック酸等を用いて、好ましくはTHF中、TBAFを用いて行われる、条項B104~B108のいずれか1項に記載の方法。
B110.前記ステップ(b)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相クロマトグラフィーを含む、条項B104~B109のいずれか1項に記載の方法。
B111.前記ステップ(c)は、前記脱保護α-βCD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム試薬と反応させることを含む、条項B104~B110のいずれか1項に記載の方法。
B112.前記ステップ(c)は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウム等の塩基を使用する水性条件で行われる、条項B104~B111のいずれか1項に記載の方法。
B113.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項B104~B112のいずれか1項に記載の方法。
B114.構造CD-L-CD’を有するCD二量体を作製する方法であって、CDはαCDを含み、CD’はβCD’を含み、Lは連結基を含み、前記方法は、(a)2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたは2-O-(n-アジドアルキル)-CD’もしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CD’、または2-及び3-置換CDのその混合物のいずれかを、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたは2-O-(n-アルキン)-CD’もしくは3-O-(n-アルキン)-CD’、または2-及び3-置換CDのその混合物のいずれかとそれぞれ反応させることで、構造αCD-alk1-トリアゾール-alk2-βCD’を有するCD-トリアゾール-CD’二量体を形成することと、任意選択的に(b)前記CD-トリアゾール-CD’二量体を精製することとを含む、前記方法。
B115.構造CD L CD’を有するCD二量体を作製する方法であって、CDはαCDを含み、CD’はβCD’を含み、Lはトリアゾール有する連結基を含み、前記方法は、
(a)(1)2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を、2-O-(n-アルキン)-CD’もしくは3-O-(n-アルキン)-CD’またはそれらの混合物と反応させることで、構造αCD-alk1-トリアゾール-alk2-βCD’を有するCD-トリアゾール-CD’二量体を形成すること、
または、(2)2-O-(n-アジドアルキル)-CD’もしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CD’またはそれらの混合物を、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CD’またはそれらの混合物と反応させることで、構造αCD-alk1-トリアゾール-alk2-βCD’を有するCD-トリアゾール-CD’二量体を形成することと、任意選択的に、
(b)前記CD二量体を精製することとを含む、前記方法。
B116.前記ステップ(a)は、銅(I)、銀(I)またはルテニウム触媒、好ましくは臭化銅(CuBr)または臭化銅トリス(トリフェニルホスフィン)[(PPh3)3CuBr]等の15mMの銅(I)を用いて行われる、条項B114またはB115に記載の方法。
B117.前記ステップ(a)は水溶液中で行われる、条項B114~B116のいずれか1つに記載の方法。
B118.前記水溶液は、ジメチルホルムアミド(DMF)を含み、任意選択的に約50%のDMF(v/v)を含む、条項B117に記載の方法。
B119.前記ステップ(b)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項B114~B118のいずれか1項に記載の方法。
B120.前記ステップ(a)の前に、(1)n-アジド-1-ブロモ-アルカンを、αまたはβ-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、前記2-O-(n-アジドアルキル)-βCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することと、(2)任意選択的に、前記2-O-(n-アジドアルキル)-βCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項B114~B119のいずれか1項に記載の方法。
B121.前記ステップ(i)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項B120に記載の方法。
B122.前記ステップ(a)の前に、(i)n-ブロモ-1-アルキンを、α-CDまたはβ-CDを含むCDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物を作製することと、(ii)任意選択的に、前記2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項B114~B121のいずれか1項に記載の方法。
B123.前記ステップ(ii)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項B122に記載の方法。
B124.前記ステップ(i)は乾燥DMSO中で実行される、条項B122またはB123に記載の方法。
B125.前記ステップ(i)または(1)における前記反応は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム等、好ましくは水素化リチウム含む、条項B120~B122のいずれか1項に記載の方法。
B126.(c)前記CD二量体のヒドロキシプロピル化、メチル化、スクシニル化、スルホブチル化及び/または第四級アンモニウム官能基化を行うことで、官能基化されたCD二量体を作製し、任意選択的に前記官能基化されたCD二量体を精製することをさらに含む、条項B114~B125のいずれか1項に記載の方法。
B127.前記ステップ(c)は、前記脱保護CD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム官能基化試薬と反応させることを含む、条項B126に記載の方法。
B128.前記ステップ(c)は、任意選択的に、塩基として水酸化ナトリウムを含む水性条件で行われる、条項B126またはB127に記載の方法。
B129.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、膜濾過、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項B126~B128のいずれか1項に記載の方法。
B130.前記連結基の長さは2~8である、条項B104~B129のいずれか1項に記載の方法。
B131.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項B104~B129のいずれか1項に記載の方法。
B132.前記連結基の長さは4である、条項B104~B129のいずれか1項に記載の方法。
B133.前記連結基の長さは7である、条項B104~B129のいずれか1項に記載の方法。
B134.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項B104~B133のいずれか1項に記載の方法。
B135.Bは置換または非置換ブチルである、条項B134に記載の方法。
B136.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項B104~B133のいずれか1項に記載の方法。
B137.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項B136に記載の方法。
B138.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000052
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000053
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項B137に記載の方法。
B139.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項B138に記載の方法。
B140.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項B139に記載の方法。
B141.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項B140に記載の方法。
B142.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項B104~B141のいずれか1項に記載の方法。
B143.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項B142に記載の方法。
B144.A及びA’の少なくとも1つは、それぞれ独立して、L1もしくはL2、またはL1’もしくはL2’の2つ以上と接続する、条項B104~B143のいずれか1項に記載の方法。
B145.前記CD二量体は、図2Bに示された構造を有する、条項B104~B144のいずれか1項に記載の方法。
B146.条項B1~B60のいずれか1項に記載のCD二量体を作製するために適合する、条項B104~B144のいずれか1項に記載の方法。
C1.以下の一般式構造C-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造C-X)
を有するCD二量体であって、式中、
CDは、構造C-Xaを有し:
Figure 2023533745000054
CD’は、構造C-Xbを有し:
Figure 2023533745000055
式中、
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
(a)CDのC2位でのDS(L1/R1に対応する)は、CD’のC2位のDS(L1’/R1’に対応する)と等しくないこと、または
(b)CDのC3位でのDS(L2/R2に対応する)は、CD’のC3位のDS(L2’/R2’に対応する)と等しくないこと、または
(c)CDのC6位でのDS(L3/R3に対応する)は、CD’のC6位のDS(L3’/R3’に対応する)と等しくないこと、または
(d)少なくとも1つのL1/R1、L2/R2、またはL3/R3の対が、それぞれのL1’/R1’、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なること、または
(e)少なくとも1つのL1’/R1’、L2’/R2’、またはL3’/R3’の対が、それぞれのL1/R1、L2/R2、及びL3/R3対とは異なることのうちの少なくとも1つを含む、前記CD二量体。
C2.以下の一般式構造C-X:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造C-X)
を有するシクロデキストリン二量体であって、式中、
CDは、構造C-Xaを有し:
Figure 2023533745000056
CD’は、構造C-Xbを有し:
Figure 2023533745000057
L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキニルアルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルホンアミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、トリアルキルアンモニウムアルキル、n-ヒドロキシトリアルキルアンモニウムアルキル、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルウレイド、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールスルファニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールスルホンアミド、アリールアミノ、アリールウレイド、アミノ、アンモニウム、アミノアルキル、アミノアルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシアルキル、シクロアミノ、ヘテロシクロアミノチオ、スルファチル、スルフリル、スルホンアミド、チオアルキル、硫酸アルキル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、カルバモイル、ウレイド、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、アジド、ニトロ、亜硝酸塩、リン酸、ホスホリル、ホスフィンオキシド、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸からなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
(a)CDのC2位での置換度(L1/R1に対応する)は、CD’のC2位の置換度(L1’/R1’に対応する)と等しくないこと、または
(b)CDのC3位でのDS置換度(L2/R2に対応する)は、CD’のC3位の置換度(L2’/R2’に対応する)と等しくないこと、または
(c)CDのC6位での置換度(L3/R3に対応する)は、CD’のC6位の置換度(L3’/R3’に対応する)と等しくないこと、または
(d)少なくとも1つのL1/R1、L2/R2、またはL3/R3の対が、それぞれのL1’/R1’、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なること、または
(e)少なくとも1つのL1’/R1’、L2’/R2’、またはL3’/R3’の対が、それぞれのL1/R1、L2/R2、及びL3/R3対とは異なることのうちの少なくとも1つを含む、前記シクロデキストリン二量体。
C3.R3はそれぞれ水素ではないか、またはR3’はそれぞれ水素ではない、条項C1またはC2に記載の二量体。
C4.少なくとも1つのL1/R1対は、それぞれのL2/R2、L3/R3、L1’/R1’、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なる、条項C1またはC2に記載の二量体。
C5.少なくとも1つのL2/R2対は、それぞれのL1/R1、L3/R3、L1’/R1’、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なる、条項C1またはC2に記載の二量体。
C6.少なくとも1つのL3/R3対は、それぞれのL1/R1、L2/R2、L1’/R1’、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なる、条項C1またはC2に記載の二量体。
C7.少なくとも1つのL1’/R1’対は、それぞれのL1/R1、L2/R2、L3/R3、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なる、条項C1またはC2に記載の二量体。
C8.少なくとも1つのL2’/R2’対は、それぞれのL1/R1、L2/R2、L3/R3、L1’/R1’、及びL3’/R3’対とは異なる、条項C1またはC2に記載の二量体。
C9.少なくとも1つのL3’/R3’対は、それぞれのL1/R1、L2/R2、L3/R3、L1’/R1’、及びL2’/R2’対とは異なる、条項C1またはC2に記載の二量体。
C10.R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素である、条項C1、C2、C6、またはC9に記載の二量体。
C11.R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、条項C1~C10のいずれか1つに記載の二量体。
C12.R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、条項C11に記載の二量体。
C13.R3及びR3’は、それぞれ水素である、条項C1またはC2に記載のCD。
C14.R3及びR3’は、それぞれ同一である、条項C1またはC2に記載の二量体。
C15.R3及びR3’は、ヒドロキシプロピル、または代替としてブチル基等のアルキル基である、条項C14に記載の二量体。
C16.L1、L2、L1’、L2’、L3、またはL3’の少なくとも1つはOではない、条項C1~C15のいずれか1項に記載の二量体。
C17.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、リン酸、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項C1~C16のいずれか1項に記載の二量体。
C18.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、2-ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルからなる群から選択される、条項C17に記載の二量体。
C19.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシプロピルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは2-ヒドロキシプロピルである、条項C17に記載の二量体。
C20.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びメチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはメチルある、条項C17に記載の二量体。
C21.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスルホブチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはスルホブチルある、条項C17に記載の二量体。
C22.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスクシニルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはスクシニルある、条項C17に記載の二量体。
C23.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルある、条項C17に記載の二量体。
C24.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びマルトシルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはマルトシルある、条項C17に記載の二量体。
C25.連結基と連結されていないL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つは、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びカルボキシメチルからなる群から選択され、R1、R2、R3、R1’、R2’、及びR3’の少なくとも1つはカルボキシメチルある、条項C17に記載の二量体。
C26.CDは、C6位(L3/R3に対応する)で3~7のDSを有する、条項C1またはC2に記載の二量体。
C27.R3はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニルから選択される、条項C26に記載の二量体。
C28.R3はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項C27に記載の二量体。
C29.CD’は、C6位(L3’/R3’に対応する)で3~7のDSを有する、条項C1もしくはC2、または条項C26~C28のいずれか1項に記載の二量体。
C30.R3’はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニルから選択される、条項C29に記載の二量体。
C31.R3’はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項C30に記載の二量体。
C32.CDは、C6位(L3/R3に対応する)で3~7のDSを有し、CD’は、C6位(L3’/R3’に対応する)で3~7のDSを有する、条項C1またはC2に記載の二量体。
C33.R3及びR3’はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニルから選択される、条項C32に記載の二量体。
C34.R3はそれぞれ水素ではなく、水素ではないそれぞれのR3’とは異なる、条項C33に記載の二量体。
C35.R3はそれぞれ水素ではなく、水素ではないそれぞれの他のR3と互いに同一であり、及び/またはR3’はそれぞれ水素ではなく、水素ではないそれぞれの他のR3’と互いに同一である、条項C33またはC34に記載の二量体。
C36.CD及びCD’のC2位(L1/R1及びL1’/R1’に対応する)及びC3位(L2/R2及びL2’/R2’に対応する)の合わせた合計DSは、0、1、2、3、または4である、条項C26~C35のいずれか1項に記載の二量体。
C37.R1、R1’、R2、及びR2’はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、メチル、エチル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、チオール、アルコキシアミン、アミン、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、メチル、第四級アンモニウム、またはスルホブチルから選択される、条項C36に記載の二量体。
C38.R1及びR2はそれぞれ水素ではなく、互いに同一であり、及び/またはR1’及びR2’はそれぞれ水素ではなく、互いに同一であり、及び/またはR1、R1’、R2、及びR2’はそれぞれ水素ではなく、互いに同一である、条項C37に記載の二量体。
C39.前記連結基の長さは2~8である、条項C1~C38のいずれか1項に記載の二量体。
C40.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項C1~C39のいずれか1項に記載の二量体。
C41.前記連結基の長さは4である、条項C1~C40のいずれか1項に記載の二量体。
C42.前記連結基の長さは7である、条項C1~C41のいずれか1項に記載の二量体。
C43.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項C1~C42のいずれか1項に記載の二量体。
C44.Bは置換または非置換ブチルである、条項C43に記載の二量体。
C45.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項C1~C42のいずれか1項に記載の二量体。
C46.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項C45に記載の二量体。
C47.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000058
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000059
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項C46に記載の二量体。
C48.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項C47に記載の二量体。
C49.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項C48に記載の二量体。
C50.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項C49に記載の二量体。
C51.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項C1~C50のいずれか1項に記載の二量体。
C52.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項C51に記載の二量体。
C53.A及びA’の少なくとも1つは、それぞれ独立して、L1もしくはL2、またはL1’もしくはL2’の2つ以上と接続する、条項C1~C52のいずれか1項に記載の二量体。
C54.図17A~17Dのいずれか1つに示された構造を有する、条項C1~C53のいずれか1項に記載の二量体。
C55.前記CD二量体は、コレステロールよりも7KCに対する高い親和性を示し、前記より高い親和性は、任意選択的に、混濁度試験によって決定される、条項C1~C54のいずれか1項に記載の二量体。
C56.前記CD二量体は、コレステロールよりも、少なくとも1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍の強い7KCに対する親和性を示す、条項C55に記載の二量体。
C57.図5A~5Jに示す混濁度試験によって決定されたように、本明細書に示されるCD単量体よりもコレステロールに対する親和性が高い、条項C1~C56に記載の二量体。
C58.R4は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項C1~C57のいずれか1項に記載の二量体。
C59.前記連結基に接続される前記L1、L1’、L2、及びL2’は、それぞれ独立して、-O-及び結合からなる群から選択される、条項C1~C58のいずれか1項に記載の二量体。
C60.ヒドロキシルである任意のR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’について、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、L3’は、それぞれ結合ではない、条項C1~C59のいずれかに記載の二量体。
C61.L1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’が結合である場合、対応するR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’は、それぞれヒドロキシルではない、条項C1~C60のいずれかに記載の二量体。
C62.アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’のそれぞれについて、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’は、それぞれ結合である、条項C1~C61のいずれか1項に記載の二量体。
C63.条項C1~C62に記載の2つ以上のCD二量体の混合物を含む組成物。
C64.前記組成物は、他のCD二量体を実質的に含まない、条項C63に記載の組成物。
C65.条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体または条項C63~C64のいずれか1項に記載の組成物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
C66.前記CD二量体が、前記組成物中の唯一の活性成分である、条項C65に記載の医薬組成物。
C67.前記CD二量体及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、条項C65に記載の医薬組成物。
C68.少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の1つの前記CD二量体または複数の前記CD二量体を含む、条項C65に記載の医薬組成物。
C69.疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体または条項C63に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
C70.条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体または条項C63~C67のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法。
C71.前記必要とする対象が、7KCの有害もしくは毒性効果に苦しんでいる、条項C70に記載の方法。
C72.7KCの量の低減を、それを必要とする対象にて行う方法であって、条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体または条項C63~C67のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
C73.前記CD二量体は、前記対象に、非経口(例えば、皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側投与を介して投与される、条項C70~C72のいずれか1項に記載の方法。
C74.前記CD二量体は、静脈内投与される、条項C73に記載の方法。
C75.(a)前記対象に、前記CD二量体を約1mg~20g、例えば、10mg~1g、50mg~200mg、もしくは100mg、または(b)前記CD二量体を1~10g、例えば、約2g、約3g、約4g、もしくは約5g、または(c)前記CD二量体を50mg~5g、例えば、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5gで、前記対象に投与することを含む、条項C70~C74のいずれか1項に記載の方法。
C76.アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて施行される、条項C70~C75のいずれか1項に記載の方法。
C77.アテローム性動脈硬化の症状を予防、治療、寛解させる、条項C70~C75のいずれか1項に記載の方法。
C78.前記対象に二次治療を施行することをさらに含み、前記二次治療は、同時にまたはいずれかの順序で順次施行される、条項C77に記載の方法。
C79.前記二次治療は、フィブラートもしくはスタチン、抗血小板薬、降圧薬、または栄養補助食品等、1つ以上の抗コレステロール薬を含む、条項C78に記載の方法。
C80.前記スタチンは、ADVICOR(R)(ナイアシン徐放性/ロバスタチン)、ALTOPREV(R)(ロバスタチン徐放性)、CADUET(R)(アムロジピン・アトルバスタチン合剤)、CRESTOR(R)(ロスバスタチン)、JUVISYNC(R)(シタグリプチン/シンバスタチン)、LESCOL(R)(フルバスタチン)、LESCOL XL(フルバスタチン徐放性)、LIPITOR(R)(アトルバスタチン)、LIVALO(R)(ピタバスタチン)、MEVACOR(R)(ロバスタチン)、PRAVACHOL(R)(プラバスタチン)、SIMCOR(R)(ナイアシン徐放性/シンバスタチン)、VYTORIN(R)(エゼチミブ/シンバスタチン)、またはZOCOR(R)(シンバスタチン)を含む、条項C79に記載の方法。
C81.前記二次治療は、抗コレステロール薬及び降圧薬を含む、条項C79に記載の方法。
C82.オキシステロールを含む組成物を、条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記オキシステロールを可溶化することと、前記CD二量体及び可溶化されたオキシステロールを回収することとを含む、オキシステロールの精製方法。
C83.前記オキシステロールは、7KCを含むか、またはそれからなる、条項C82に記載の方法。
C84.前記可溶化されたオキシステロール中の7KCの量または濃度を測定することで、前記組成物中の7KCの相対濃度を決定することをさらに含む、条項C83に記載の方法。
C85.前記組成物は患者試料を含む、条項C84に記載の方法。
C86.試料からオキシステロールを除去するin vitro方法であって、オキシステロールを含む試料を、条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記オキシステロールを可溶化することと、前記試料を前記CD二量体及び可溶化されたステロールから分離し、任意選択的に、前記試料が得られた対象に、前記試料を再導入することとを含む、前記方法。
C87.低コレステロール産物を産生する方法であって、コレステロールを含む産物を、条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体と接触させることで、前記CD二量体中の前記コレステロールを可溶化することと、前記産物から前記CD二量体及び可溶化されたコレステロールを除去することとを含む、前記方法。
C88.前記産物が食品である、条項C87に記載の方法。
C89.前記食品は、肉及び/または乳製品を含む、条項C88に記載の方法。
C90.条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体を作製する方法であって、
(a)一次面で保護されたβ-CD分子をジアルキル化剤と反応させることで、二次面を介して連結された一次面保護βCD二量体を作製し、任意選択的に、前記一次保護CD二量体を精製することと、
(b)前記一次面保護CD二量体を脱保護することで、脱保護CD二量体を作製し、任意選択的に、前記脱保護CD二量体を精製することと、
(c)前記脱保護CDを前記R1、R2、R3、R1’、R2’、及び/またはR3’基に官能基化することで前記CD二量体を作製し、任意選択的に、前記CD二量体を精製することとを含む、前記方法。
C91.前記一次面で保護された前記CDは、トリチル、ベンゾイル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)等、好ましくはヘプタキス(6-O-tert-ブチルジメチルシリル)-β-CDにおけるようなTBDMSを含む、条項C90に記載の方法。
C92.前記ジアルキル化剤は、ジハロアルカン、ジトシルアルカン、ジメシルアルカン、ジトリフラテアルカン等、好ましくは1,4ジブロモブタンを含む、条項C90またはC91に記載の方法。
C93.前記ステップ(a)は、イミダゾール、ピリジン、DMAP、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム等、好ましくは水素化ナトリウム等の塩基を使用し、無水条件で行われる、条項C90~C92のいずれか1項に記載の方法。
C94.前記ステップ(a)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相または逆相クロマトグラフィーを含む、条項C90~C93のいずれか1項に記載の方法。
C95.前記ステップ(b)は、テトラヒドロフラン(THF)またはメタノール(MeOH)中、HF-ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸、硫酸、トリフリック酸等を用いて、好ましくはTHF中、TBAFを用いて行われる、条項C90~C94のいずれか1項に記載の方法。
C96.前記ステップ(b)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相または逆相クロマトグラフィーを含む、条項C90~C95のいずれか1項に記載の方法。
C97.前記ステップ(c)は、前記脱保護CD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム試薬と反応させることを含む、条項C90~C96のいずれか1項に記載の方法。
C98.前記ステップ(c)は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウム等の塩基を使用する水性条件で行われる、条項C90~C97のいずれか1項に記載の方法。
C99.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項C90~C98のいずれか1項に記載の方法。
C100.βCD二量体の作製方法であって、(a)2-O-モノ(n-アジドアルキル)-βCDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-βCDまたはそれらの混合物と、2-O-モノ(n-アルキン)-βCDもしくは3-O-モノ(n-アルキン)-βCDまたはそれらの混合物とを反応させることで、βCD-alk1-トリアゾール-alk2-βCDの構造を有するβCD-トリアゾール-βCD二量体を形成することを含み、任意選択的に、(b)前記βCD-トリアゾール-βCD二量体を精製することを含む、前記方法。
C101.前記ステップ(a)は、銅(I)、銀(I)またはルテニウム触媒、好ましくは臭化銅(CuBr)または臭化銅トリス(トリフェニルホスフィン)[(PPhCuBr]等の15Mmの銅(I)を用いて行われる、条項C100に記載の方法。
C102.前記ステップ(a)は水溶液中で行われる、条項C100またはC101に記載の方法。
C103.前記水溶液は、ジメチルホルムアミド(DMF)を含み、任意選択的に約50%のDMF(v/v)を含む、条項C102に記載の方法。
C104.前記ステップ(b)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項C100~C103のいずれか1項に記載の方法。
C105.前記ステップ(a)の前に、(1)n-アジド-1-ブロモ-アルカンを、β-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、前記2-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することと、(2)任意選択的に、前記2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項C100~C104のいずれか1項に記載の方法。
C106.前記ステップ(2)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項C105に記載の方法。
C107.前記ステップ(a)の前に、(i)n-ブロモ-1-アルキンとβ-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムとを反応させることで、2-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することと、(ii)任意選択的に、前記2-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-モノ(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項C100~C106のいずれか1項に記載の方法。
C108.前記ステップ(ii)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項C107に記載の方法。
C109.前記ステップ(i)は乾燥DMSO中で実行される、条項C107またはC108に記載の方法。
C110.前記ステップ(i)または(1)における前記反応は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム等、好ましくは水素化リチウム含む、条項C105またはC107のいずれか1項に記載の方法。
C111.(c)前記CD-トリアゾール-CD’二量体のヒドロキシプロピル化、メチル化、スクシニル化、スルホブチル化及び/または第四級アンモニウム官能基化を行うことで、CD二量体を作製し、任意選択的に前記CD二量体を精製することをさらに含む、条項C100~C110のいずれか1項に記載の方法。
C112.前記ステップ(c)は、前記脱保護CD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム官能基化試薬と反応させることを含む、条項C111に記載の方法。
C113.前記ステップ(c)は、任意選択的に、塩基として水酸化ナトリウムを含む水性条件で行われる、条項C111またはC112に記載の方法。
C114.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、膜濾過、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項C111~C113のいずれか1項に記載の方法。
C115.前記連結基の長さは2~8である、条項C90~C114のいずれか1項に記載の方法。
C116.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項C90~C114のいずれか1項に記載の方法。
C117.前記連結基の長さは4である、条項C90~C114のいずれか1項に記載の方法。
C118.前記連結基の長さは7である、条項C90~C114のいずれか1項に記載の方法。
C119.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項C90~C118のいずれか1項に記載の方法。
C120.Bは置換または非置換ブチルである、条項C119に記載の方法。
C121.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項C90~C118のいずれか1項に記載の方法。
C122.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項C121に記載の方法。
C123.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000060
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000061
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項C122に記載の方法。
C124.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項C123に記載の方法。
C125.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項C123に記載の方法。
C126.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項C123に記載の方法。
C127.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項C90~C126のいずれか1項に記載の方法。
C128.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項C127に記載の方法。
C129.A及びA’の少なくとも1つは、それぞれ独立して、L1もしくはL2、またはL1’もしくはL2’の2つ以上と接続する、条項C90~C128のいずれか1項に記載の方法。
C130.前記CD二量体は、図17A~17Dのいずれか1つに示された構造を有する、条項C90~C129のいずれか1項に記載の方法。
C131.条項C1~C62のいずれか1項に記載のCD二量体を作製するために適合する、条項C90~C129のいずれか1項に記載の方法。
D1.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CD及びCD’はそれぞれ、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000062
式中、
L1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、及びL3は結合であり、対応するR1、R2、及びR3基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、CDの少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、CD’の少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができない、前記CD二量体。
D2.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CD及びCD’はそれぞれ、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000063
式中、
L1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、及びL3は結合であり、対応するR1、R2、及びR3基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R1及びR2は、それぞれ水素であり、
R3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、CDの少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、CD’の少なくとも1つのL1またはL2に接続され、CD’の対応するR1またはR2は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
D3.R3のうちの少なくとも2つは水素ではない、条項D1~D2のいずれか1項に記載の二量体。
D4.R3のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、条項D3に記載の二量体。
D5.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CD及びCD’はそれぞれ、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000064
式中、
L1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、及びL3は結合であり、対応するR1、R2、及びR3基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3はそれぞれ水素であり、
R1及びR2は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、CDの少なくとも1つのL1またはL2に接続され、CDの対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、CD’の少なくとも1つのL1またはL2に接続され、CD’の対応するR1またはR2は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
D6.以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
を有するCD二量体であって、式中、
CD及びCD’はそれぞれ、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
Figure 2023533745000065
式中、
L1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、及びL3は結合であり、対応するR1、R2、及びR3基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
R3は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
R1及びR2は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
[A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
各連結基のAは、CDの少なくとも1つのL1またはL2に接続され、CDの対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、CD’の少なくとも1つのL1またはL2に接続され、CD’の対応するR1またはR2は省略され、このようにしてA’に置換され、
各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
D7.R3は、ヒドロキシプロピル、または代替として、ブチル基等のアルキル基である、条項D6に記載の二量体。
D8.L1またはL2の少なくとも1つはOではない、条項D2~D7のいずれか1項に記載の二量体。
D9.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、リン酸、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D10.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、2-ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、及び2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピルからなる群から選択される、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D11.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシプロピルからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは2-ヒドロキシプロピルある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D12.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びメチルからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つはメチルある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D13.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスルホブチルからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つはスルホブチルある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D14.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びスクシニルからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つはスクシニルある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D15.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及び2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル等の第四級アンモニウムからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル等の第四級アンモニウムある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D16.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びマルトシルからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つはマルトシルある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D17.連結基と連結されていないL1、L2、及びL3は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合及び-O-からなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、ヒドロキシル、及びカルボキシメチルからなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つはカルボキシメチルある、条項D1~D8のいずれか1項に記載の二量体。
D18.CDは、C6位(L3/R3に対応する)で3~6のDSを有する、条項D1に記載の二量体。
D19.R3はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、ブチル、2-(カルボキシエチル)スルファニル、またはスルホブチルから選択される、条項D18に記載の二量体。
D20.R3はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項D19に記載の二量体。
D21.CD’は、C6位(L3/R3に対応する)で0、1,または2のDSを有する、条項D18~D20のいずれか1項に記載の二量体。
D22.CD’は、C6位(L3/R3に対応する)で1または2のDSを有し、R3はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ブチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、エチル、プロピル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、ブチル、2-(カルボキシエチル)スルファニル、またはスルホブチルから選択される、条項D21に記載の二量体。
D23.CD’のR3はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項D22に記載の二量体。
D24.CD及びCD’のC2位(L1/R1に対応する)及びC3位(L2/R2に対応する)の合わせた合計DSは、0、1、2、3、または4である、条項D18~D23のいずれか1項に記載の二量体。
D25.R1及びR2はそれぞれ、水素ではなく、独立して、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、メチル、エチル、第四級アンモニウム、スクシニル、マルトシル、カルボキシメチル、トリメチルアンモニウムプロピル、チオール、アルコキシアミン、アミン、2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、または2-(カルボキシエチル)スルファニル、好ましくは2-ヒドロキシプロピル、メチル、第四級アンモニウム、またはスルホブチルから選択される、条項D24に記載の二量体。
D26.R1及びR2はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項D25に記載の二量体。
D27.CD’のR1及びR2はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項D25またはD26に記載の二量体。
D28.R1及びR2はそれぞれ、水素ではなく、同一である、条項D25に記載の二量体。
D29.CDのC2位(R1に対応する)及びC3位(R2に対応する)での合わせた合計DSは、2または3である、条項D24~D28のいずれか1項に記載の二量体。
D30.前記二量体は、10~34のメチル置換基を有するDSを含む、条項D1に記載の二量体。
D31.前記二量体は、10~20のメチル置換基を有するDSを含む、条項D30に記載の二量体。
D32.前記二量体は、CDのC2位(R1に対応する)及びC6位(R3に対応する)でメチル置換基で完全に飽和される、条項D30に記載の二量体。
D33.前記二量体は、CD’のC2位(R1に対応する)及びC6位(R3に対応する)でメチル置換基で完全に飽和される、条項D30~D32のいずれか1項に記載の二量体。
D34.前記連結基の長さは原子数2~8である、条項D1~D33のいずれか1項に記載の二量体。
D35.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項D1~D33のいずれか1項に記載の二量体。
D36.前記連結基の長さは4である、条項D1~D33のいずれか1項に記載の二量体。
D37.前記連結基の長さは7である、条項D1~D33のいずれか1項に記載の二量体。
D38.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項D1~D37のいずれか1項に記載の二量体。
D39.Bは置換または非置換ブチルである、条項D38に記載の二量体。
D40.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項D1~D37のいずれか1項に記載の二量体。
D41.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項D40に記載の二量体。
D42.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000066
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000067
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項D41に記載の二量体。
D43.A及びA’は、独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項D42に記載の二量体。
D44.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項D43に記載の二量体。
D45.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項D44に記載の二量体。
D46.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項D1~D45のいずれか1項に記載の二量体。
D47.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項D46に記載の二量体。
D48.A及びA’の少なくとも1つは、独立して、CD及び/またはCD’のL1もしくはL2の2つ以上と接続する、条項D1~D47のいずれか1項に記載の二量体。
D49.図2Bに示された構造を有する、条項D1~D48のいずれか1項に記載のCD二量体。
D50.前記CD二量体は、コレステロールよりも7KCに対する高い親和性を示し、前記より高い親和性は、任意選択的に、混濁度試験によって決定される、条項D1~D49のいずれか1項に記載のCD二量体。
D51.前記CD二量体は、コレステロールよりも、少なくとも1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍の強い7KCに対する親和性を示す、条項D50に記載のCD二量体。
D52.図5A~5Jに示す混濁度試験によって決定されたように、本明細書に示されるCD単量体よりもコレステロールに対する親和性が高い、条項D1~D49のいずれか1項に記載の二量体。
D53.R4は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウムプロピル、ならびに2-ヒドロキシトリメチルアンモニウムプロピル、1,2-エチレンジアミン、スルホブチル、アセチル、スクシニル、カルボキシメチル、フェノキシ、マルトシル、グルコシル、パルミトイル、リン酸、ホスホリル、アミノ、アジド、硫酸、スルフリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、条項D1~D51のいずれか1項に記載の二量体。
D54.前記連結基に接続される前記L1またはL2は、それぞれ独立して、-O-及び結合からなる群から選択される、条項D1~D52のいずれか1項に記載の二量体。
D55.L1、L2、またはL3が結合である場合、対応するR1、R2、またはR3は、それぞれヒドロキシルではない、条項D1~D54のいずれか1項に記載の二量体。
D56.アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、またはR3のそれぞれについて、対応するL1、L2、またはL3は、それぞれ結合である、条項D1~D55のいずれか1項に記載の二量体。
D57.条項D1~D56に記載の2つ以上のCD二量体の混合物を含む組成物。
D58.前記組成物は、他のCD二量体を実質的に含まない、条項D57に記載の組成物。
D59.条項D1~D56のいずれか1項に記載のCD二量体または条項D57~D58のいずれか1項に記載の組成物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
D60.前記CD二量体が、前記組成物中の唯一の活性成分である、条項D58に記載の医薬組成物。
D61.前記医薬組成物は、少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の1つの前記CD二量体または複数の前記CD二量体を含む、条項D59に記載の医薬組成物。
D62.疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、条項D1~D61のいずれか1項に記載のCD二量体または条項D57~D59のいずれか1項に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
D63.前記CD二量体及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、条項D59~D60のいずれか1項に記載の医薬組成物。
D64.条項D1~D56のいずれか1項に記載のCD二量体または条項D57~D60もしくはD61のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法。
D65.ヨウ素の投与を、それを必要とする対象に行う方法であって、条項D1~D56のいずれか1項に記載のヨウ素とCD二量体の複合体または条項D57~D59もしくはD61のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、投与することと、前記CD二量体と複合体を形成する前記ヨウ素を、それを必要とする対象に投与することとを含む、前記方法。
D66.前記ヨウ素は非放射性であり、前記方法は、放射性ヨウ素による中毒、任意選択的に偶発的もしくは意図的な曝露、または放射性ヨウ素の投与を伴う医療処置による害を治療、予防、または寛解する、条項D65に記載の方法。
D67.前記ヨウ素は、放射性同位元素、例えばI-131を含む、条項D65に記載の方法。
D68.対象からヨウ素同位体を除去する方法であって、条項D1~D56のいずれか1項に記載のCD二量体または条項D57~D60のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
D69.対象の脂質沈着物を可溶化する方法であって、条項D1~D56のいずれか1項に記載のCD二量体または条項D57~D60のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
D70.前記方法は、アテローム性動脈硬化を治療または予防し、トリグリセリドを除去し、脂肪線条を除去し、血管壁の脂肪沈着物を除去し、及び/または細胞膜から過剰な脂質を除去し、及び/または細胞膜表面のリン脂質に結合するアルファシクロデキストリン二量体に起因する遺伝子発現の有益な変化を促進する、条項D69に記載の方法。
D71.前記CD二量体は、ブチルリンカー等の脂肪族鎖炭素リンカーを含むリンカーを含む、条項D69~D70のいずれか1項に記載の方法。
D72.前記CD二量体は、前記対象に、非経口(例えば、皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、外用、経皮、経口、舌下、または頬側投与を介して投与される、条項D64~D71のいずれか1項に記載の方法。
D73.前記CD二量体は、静脈内投与される、条項D72に記載の方法。
D74.(a)前記対象に、前記CD二量体を約1mg~20g、例えば、10mg~1g、50mg~200mg、もしくは100mg、または(b)前記CD二量体を1~10g、例えば、約2g、約3g、約4g、もしくは約5g、または(c)前記CD二量体を50mg~5g、例えば、100mg~2.5g、100mg~2g、250mg~2.5gで、前記対象に投与することを含む、条項D64~D73のいずれか1項に記載の方法。
D75.アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、及び/または潰瘍性大腸炎のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて施行される、条項D64~D74のいずれか1項に記載の方法。
D76.アテローム性動脈硬化の症状を予防、治療、寛解させる、条項D64~D74のいずれか1項に記載の方法。
D77.前記対象に二次治療を施行することをさらに含み、前記二次治療は、同時にまたはいずれかの順序で順次施行される、条項D76に記載の方法。
D78.条項D1~D56のいずれか1項に記載のCD二量体を作製する方法であって、
(a)一次面で保護されたα-CD分子をジアルキル化剤及び未変性α-CDとそれぞれ反応させることで、二次面を介して連結された一次面保護α-αCD二量体を作製し、任意選択的に、前記一次保護α-αCD二量体を精製することと、
(b)前記一次面保護α-αCD二量体を脱保護することで、脱保護CD二量体を作製し、任意選択的に、前記脱保護CD二量体を精製することと、
(c)前記脱保護α-αCDを前記R1、R2、及び/またはR3基に官能基化することで前記α-αCD二量体を作製し、任意選択的に、前記α-αCD二量体を精製することとを含む、前記方法。
D79.前記一次面で保護された前記αCDは、トリチル、ベンゾイル、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)等、好ましくはヘプタキス(7-O-tert-ブチルジメチルシリル)-α-CDにおけるようなTBDMSを含む、条項D91に記載の方法。
D80.前記ジアルキル化剤は、ジハロアルカン、ジトシルアルカン、ジメシルアルカン、ジトリフラテアルカン等、好ましくは1,4ジブロモブタンを含む、条項D78またはD79に記載の方法。
D81.前記ステップ(a)は、イミダゾール、ピリジン、DMAP、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム等、好ましくは水素化ナトリウム等の塩基を使用し、無水条件で行われる、条項D78~D80のいずれか1項に記載の方法。
D82.前記ステップ(a)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相クロマトグラフィーを含む、条項D78~D81のいずれか1項に記載の方法。
D83.前記ステップ(b)は、テトラヒドロフラン(THF)またはメタノール(MeOH)中、HF-ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、酢酸、硫酸、トリフリック酸等を用いて、好ましくはTHF中、TBAFを用いて行われる、条項D78~D82のいずれか1項に記載の方法。
D84.前記ステップ(b)における前記精製は、アイソクラチック溶離及び/または結晶化/沈殿を用いた順相クロマトグラフィーを含む、条項D78~D83のいずれか1項に記載の方法。
D85.前記ステップ(c)は、前記脱保護α-αCD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム試薬と反応させることを含む、条項D78~D84のいずれか1項に記載の方法。
D86.前記ステップ(c)は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、好ましくは水酸化ナトリウム等の塩基を使用する水性条件で行われる、条項D78~D85のいずれか1項に記載の方法。
D87.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項D78~D86のいずれか1項に記載の方法。
D88.構造CD-L-CD’を有するCD二量体を作製する方法であって、CDはαCDを含み、CD’はαCDを含み、Lは連結基を含み、前記方法は、(a)2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたは2-O-(n-アジドアルキル)-CD’もしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CD’、あるいは2-及び3-置換CDのその混合物のいずれかを、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたは2-O-(n-アルキン)-CD’もしくは3-O-(n-アルキン)-CD’、または2-及び3-置換CDのその混合物のいずれかとそれぞれ反応させることで、構造αCD-alk1-トリアゾール-alk2-αCD’を有するCD-トリアゾール-CD’二量体を形成することと、任意選択的に(b)前記CD-トリアゾール-CD’二量体を精製することとを含む、前記方法。
D89.構造CD L CD’を有するCD二量体を作製する方法であって、CDはαCDを含み、CD’はαCDを含み、Lはトリアゾール有する連結基を含み、前記方法は、
(a)(1)2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を、2-O-(n-アルキン)-CD’もしくは3-O-(n-アルキン)-CD’またはそれらの混合物と反応させることで、構造αCD-alk1-トリアゾール-alk2-αCD’を有するCD-トリアゾール-CD’二量体を形成すること、
または、(2)2-O-(n-アジドアルキル)-CD’もしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CD’またはそれらの混合物を、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CD’またはそれらの混合物と反応させることで、構造αCD-alk1-トリアゾール-alk2-αCD’を有するCD-トリアゾール-CD’二量体を形成すること、及び、任意選択的に、
(b)前記CD二量体を精製することを含む、前記方法。
D90.前記ステップ(a)は、銅(I)、銀(I)またはルテニウム触媒、好ましくは臭化銅(CuBr)または臭化銅トリス(トリフェニルホスフィン)[(PPh3)3CuBr]等の15mMの銅(I)を用いて行われる、条項D88またはD89に記載の方法。
D91.前記ステップ(a)は水溶液中で行われる、条項D88~D90のいずれか1項に記載の方法。
D92.前記水溶液は、ジメチルホルムアミド(DMF)を含み、任意選択的に約50%のDMF(v/v)を含む、条項D91に記載の方法。
D93.前記ステップ(b)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項D88~D92のいずれか1項に記載の方法。
D94.前記ステップ(a)の前に、(1)n-アジド-1-ブロモ-アルカンを、α-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、前記2-O-(n-アジドアルキル)-αCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することと、(2)任意選択的に、前記2-O-(n-アジドアルキル)-αCDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項D88~D93のいずれか1項に記載の方法。
D95.前記ステップ(i)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項D94に記載の方法。
D96.前記ステップ(a)の前に、(i)n-ブロモ-1-アルキンを、α-CDを含むCDもしくはα-CDと、任意選択的に触媒量のヨウ化リチウムと反応させることで、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物を作製することと、(ii)任意選択的に、前記2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物を精製することと、を含む方法によって、前記2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物を作製することをさらに含む、条項D88~D95のいずれか1項に記載の方法。
D97.前記ステップ(ii)は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化/沈殿を含む、条項D96に記載の方法。
D98.前記ステップ(i)は乾燥DMSO中で実行される、条項D96またはD97に記載の方法。
D99.前記ステップ(i)または(1)における前記反応は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム等、好ましくは水素化リチウム含む、条項D94またはD96のいずれか1項に記載の方法。
D100.(c)前記CD二量体のヒドロキシプロピル化、メチル化、スクシニル化、スルホブチル化及び/または第四級アンモニウム官能基化を行うことで、官能基化されたCD二量体を作製し、任意選択的に前記官能基化されたCD二量体を精製することをさらに含む、条項D88~D99のいずれか1項に記載の方法。
D101.前記ステップ(c)は、前記脱保護CD二量体を、プロピレンオキシド等のヒドロキシプロピル化剤、ヨウ化メチル等のメチル化試薬、無水コハク酸等のスクシニル化試薬、1,4ブタンスルトン等のスルホブチル化試薬、及び/またはグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム官能基化試薬と反応させることを含む、条項D100に記載の方法。
D102.前記ステップ(c)は、任意選択的に、塩基として水酸化ナトリウムを含む水性条件で行われる、条項D100またはD101に記載の方法。
D103.前記ステップ(c)における前記精製は、イオン交換樹脂処理、活性炭清澄化、膜濾過、及び透析のうちの1つ以上を含む、条項D100~D102のいずれか1項に記載の方法。
D104.前記連結基の長さは2~8である、条項D78~D103のいずれか1項に記載の方法。
D105.前記連結基の長さは4~7または6~8である、条項D78~D103のいずれか1項に記載の方法。
D106.前記連結基の長さは4である、条項D78~D103のいずれか1項に記載の方法。
D107.前記連結基の長さは7である、条項D78~D103のいずれか1項に記載の方法。
D108.A及びA’はそれぞれ結合であり、Bは置換または非置換アルキレンである、条項D78~D107のいずれか1項に記載の方法。
D109.Bは置換または非置換ブチルである、条項D108に記載の方法。
D110.Bは置換または非置換ヘテロアリールである、条項D78~D107のいずれか1項に記載の方法。
D111.Bは置換または非置換トリアゾールである、条項D110に記載の方法。
D112.Bは、構造Y:
Figure 2023533745000068
に示されたA及びA’、もしくは構造Y’:
Figure 2023533745000069
に示されたA’~Aへの接続性を有する非置換トリアゾールであるか、または前記連結基は、図2Bに示される構造のいずれかを有する、条項D111に記載の方法。
D113.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数1~8の長さを有する置換または非置換アルキレンである、条項D112に記載の方法。
D114.A及びA’は、それぞれ独立して、炭素数4以下の長さを有する、条項D113に記載の方法。
D115.Aは非置換メチルであり、A’は非置換プロピルである、条項D114に記載の方法。
D116.CD及びCD’は、1つの連結基のみで接続されるか、または2つ以上の連結基によって接続される、条項D78~D115のいずれか1項に記載の方法。
D117.CD及びCD’は、互いに同一または異なる2つの連結基によって接続される、条項D116に記載の方法。
D118.A及びA’の少なくとも1つは、独立して、CD及び/またはCD’のL1もしくはL2の2つ以上と接続する、条項D78~D117のいずれか1項に記載の方法。
D119.前記CD二量体は、図2Bに示された構造を有する、条項D78~D118のいずれか1項に記載の方法。
D120.前記方法は、条項D1~D56のいずれか1項に記載のCD二量体を生成することに適合する、条項D78~D118のいずれか1項に記載の方法。

Claims (41)

  1. 以下の一般式構造A-X:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、構造A-Xaを有し:
    Figure 2023533745000070
    CD’は、構造A-Xbを有し:
    Figure 2023533745000071
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができず、
    少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及び/またはL3’は、Oではない、前記CD二量体。
  2. 以下の一般式構造A-X:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、構造A-Xaを有し:
    Figure 2023533745000072
    CD’は、構造A-Xbを有し:
    Figure 2023533745000073
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
    R3、R4、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
  3. R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、請求項1~2のいずれか1項に記載の二量体。
  4. R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、請求項3に記載の二量体。
  5. 以下の一般式構造A-X:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、構造A-Xaを有し:
    Figure 2023533745000074
    CD’は、構造A-Xbを有し:
    Figure 2023533745000075
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
    R1、R1’、R2、R2’、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CHN(CH 等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
  6. 以下の一般式構造A-X:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造A-X)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、構造A-Xaを有し:
    Figure 2023533745000076
    CD’は、構造A-Xbを有し:
    Figure 2023533745000077
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R3及びR3’は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
    R1、R1’、R2、R2’、及びR4は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CHCH(OH)CHN(CH 等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
  7. 以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
    CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
    Figure 2023533745000078
    CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
    Figure 2023533745000079
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合になることができない、前記CD二量体。
  8. 以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
    CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
    Figure 2023533745000080
    CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
    Figure 2023533745000081
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
    R3及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
  9. R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、請求項7~8のいずれか1項に記載の二量体。
  10. R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、請求項9に記載の二量体。
  11. 以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
    CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
    Figure 2023533745000082
    CD’は、以下の構造B-Xbを有するβCDを含み、
    Figure 2023533745000083
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
  12. 以下の一般式構造B-Xまたは構造B-X’:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造B-X)
    CD’-[A-B-A’]-CD(構造B-X’)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、以下の構造B-Xaを有するαCDを含み、
    Figure 2023533745000084
    CD’は、構造B-Xbを有し:
    Figure 2023533745000085
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R3及びR3’は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    各連結基のA、B、及びA’の少なくとも1つは、結合ではない、前記CD二量体。
  13. 以下の一般式構造C-X:
    CD-[A-B-A’]-CD’(構造C-X)
    を有するCD二量体であって、式中、
    CDは、構造C-Xaを有し:
    Figure 2023533745000086
    CD’は、構造C-Xbを有し:
    Figure 2023533745000087
    式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択され、
    [A-B-A’]は、一緒になって連結基と定義され、
    A及びA’は、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレンからなる群から選択され、
    Bは、結合、-O-、-NH-、-NR4-、-S-、ヘテロ原子、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和シクロアルキレン、置換または非置換及び飽和または不飽和ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、ならびに置換または非置換ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
    CD及びCD’は、少なくとも1つの連結基によって接続され、
    各連結基のAは、少なくとも1つのL1またはL2に接続され、対応するR1またはR2は省略され、このようにしてAに置換され、ならびに各連結基のA’は、少なくとも1つのL1’またはL2’に接続され、対応するR1’またはR2’は省略され、このようにしてA’に置換され、
    (a)CDのC2位でのDS(L1/R1に対応する)は、CD’のC2位のDS(L1’/R1’に対応する)と等しくないこと、または
    (b)CDのC3位でのDS(L2/R2に対応する)は、CD’のC3位のDS(L2’/R2’に対応する)と等しくないこと、または
    (c)CDのC6位でのDS(L3/R3に対応する)は、CD’のC6位のDS(L3’/R3’に対応する)と等しくないこと、または
    (d)少なくとも1つのL1/R1、L2/R2、またはL3/R3の対が、それぞれのL1’/R1’、L2’/R2’、及びL3’/R3’対とは異なること、または
    (e)少なくとも1つのL1’/R1’、L2’/R2’、またはL3’/R3’の対が、それぞれのL1/R1、L2/R2、及びL3/R3対とは異なることのうちの少なくとも1つを含む、前記CD二量体。
  14. アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、R3、R1’、R2、またはR3’のそれぞれについて、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’は、それぞれ結合である、請求項1~13のいずれか1項に記載のCD二量体。
  15. 先行請求項に記載の2つ以上のCD二量体の混合物を含む組成物であって、任意選択的に、他のCD二量体を実質的に含まない前記組成物。
  16. 請求項1~14のいずれか1項に記載のCD二量体または請求項15に記載の組成物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  17. 前記CD二量体が、前記組成物中の唯一の活性成分である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 前記CD二量体及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、請求項16に記載の医薬組成物。
  19. 前記医薬組成物は、少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の1つの前記CD二量体または複数の前記CD二量体を含む、請求項16に記載の医薬組成物。
  20. 疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、請求項1~14のいずれか1項に記載のCD二量体または請求項15に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
  21. 請求項1~14のいずれか1項に記載のCD二量体または請求項15~19のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、治療方法。
  22. 7KCの量の低減を、それを必要とする対象にて行う方法であって、請求項1~14のいずれか1項に記載のCD二量体または請求項15~18のいずれか1項に記載の組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
  23. アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて施行される、請求項21~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 以下の構造B-Xaを有するαCDと、
    Figure 2023533745000088
    以下の構造B-Xbを有するβCDと
    Figure 2023533745000089
    を含むCD組成物であって、式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
  25. 以下の構造B-Xaを有するαCDと、
    Figure 2023533745000090
    以下の構造B-Xbを有するβCDと
    Figure 2023533745000091
    を含むCD組成物であって、式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ水素であり、
    R3及びR3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
  26. R3及びR3’のうちの少なくとも2つは水素ではない、請求項24~25のいずれか1項に記載のCD組成物。
  27. R3及びR3’のうちの少なくとも2つかつ4つ以下は水素ではない、請求項26に記載のCD組成物。
  28. 以下の構造B-Xaを有するαCDと、
    Figure 2023533745000092
    以下の構造B-Xbを有するβCDと
    Figure 2023533745000093
    を含むCD組成物であって、式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R3及びR3’は、それぞれ水素であり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
  29. 以下の構造B-Xaを有するαCDと、
    Figure 2023533745000094
    以下の構造B-Xbを有するβCDと
    Figure 2023533745000095
    を含むCD組成物であって、式中、
    L1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、結合、-O-、-NH-、-NR4-もしくは-S-からなる群から選択されるか、または少なくとも1つのL1、L2、L3、L1’、L2’、及びL3’は結合であり、対応するR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’基は、N3、SH、またはハロゲン、例えばF、Cl、Br、もしくはIであり、
    R3及びR3’は、それぞれ、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される同一の基であり、
    R1、R1’、R2、及びR2’は、それぞれ同一または異なってもよく、それぞれは、独立して、水素、メチル、ヒドロキシプロピル、スルホブチル、スクシニル、-CH2CH(OH)CH2N(CH3)3+等の第四級アンモニウム、アルキル、低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニルアミド、アミノカルボニルオキシアルキル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ハロアリール、アリールカルボニル、アリールスルファニル、シアノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキレン、シクロアルキルアルキレン、デオキシ、グルコシル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクロアミノ、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ウレイド、カルボキシ、スルフリル、ホスホリル、フェノキシ、アセチル基、単糖、二糖、パルミトイル、脂肪酸、アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、トリアルキルアンモニウムからなる群から選択される、前記CD組成物。
  30. アルコキシアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルキルスルホンアミド、アルキルウレイド、アミノ、アミノスルホニル、アンモニウム、アリールアミノ、アリールスルホンアミド、アリールスルホニル、アリールウレイド、カルバルコキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、シクロアミノ、ヘテロシクリルシクロアルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアミノチオ、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシル、亜硝酸塩、ニトロ、リン酸、ホスフィンオキシド、硫酸アルキル、スルホンアミド、チオアルキル、またはトリアルキルアンモニウムであるR1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’のそれぞれについて、対応するL1、L2、L3、L1’、L2’、またはL3’は、それぞれ結合である、請求項24~29のいずれか1項に記載のCD組成物。
  31. 前記βCDに対する前記αCDのモル比は、3:1~1:3、2.5:1~1:2.5、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、1.2:1~1:1.2、または約1:1であり、好ましくは約1:1である、請求項24~30のいずれか1項に記載のCD組成物。
  32. 請求項24~31のいずれか1項に記載のCD組成物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  33. 前記CD組成物が、前記組成物中の唯一の活性成分である、請求項32に記載の医薬組成物。
  34. 前記CD組成物及び前記薬学的に許容される担体からなるか、または本質的にそれらからなる、請求項32に記載の医薬組成物。
  35. 前記医薬組成物は、少なくとも1つの疎水性薬物をさらに含み、任意選択的に、前記疎水性薬物を可溶化するのに有効な量の前記CD組成物を含む、請求項32に記載の医薬組成物。
  36. 疎水性薬物の溶解度を改善する方法であって、前記疎水性薬物と、請求項24~31のいずれか1項に記載のCD組成物または請求項32に記載の組成物とを混和することを含む、前記方法。
  37. 請求項24~31のいずれか1項に記載のCD組成物または請求項32~34のいずれか1項に記載の医薬組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む治療方法。
  38. 7KC及び/またはコレステロールの量の低減をそれを必要とする対象にて行う方法であって、請求項24~31のいずれか1項に記載のCD組成物または請求項32~34のいずれか1項に記載の医薬組成物を、有効量で、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
  39. アテローム性動脈硬化/冠動脈疾患、動脈硬化、冠動脈石灰化病変による冠状動脈アテローム性硬化症、心不全(全段階)、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、血管性認知症、多発性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、小児性神経セロイドリポフスチン沈着症、リソソーム酸リパーゼ欠損症、脳腱黄色腫症、X連鎖副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、ニーマンピック病A型、ニーマンピック病B型、ニーマンピック病C型、ゴーシェ病、シュタルガルト病、加齢黄斑変性症(萎縮型)、突発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肝損傷、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/または高コレステロール血症のうち1種以上についての症状を予防、治療、寛解させ、任意選択的に、前記治療は、別の治療と組み合わせて施行される、請求項37~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 請求項1~14のいずれか1項に記載のCD二量体を作製する方法であって、
    (a)一次面で保護されたCD分子をジアルキル化剤と反応させることで、二次面を介して連結された一次面保護CD二量体を作製し、任意選択的に、前記一次保護CD二量体を精製することと、
    (b)前記一次面保護CD二量体を脱保護することで、脱保護CD二量体を作製し、任意選択的に、前記脱保護CD二量体を精製することと、
    (c)前記脱保護CDを前記R1、R2、R3、R1’、R2’、及び/またはR3’基に官能基化することで前記CD二量体を作製し、任意選択的に、前記CD二量体を精製することとを含む、前記方法。
  41. 請求項1~14のいずれか1項に記載のCD二量体の作製方法であって、(a)2-O-(n-アジドアルキル)-CDもしくは3-O-(n-アジドアルキル)-CDまたはそれらの混合物と、2-O-(n-アルキン)-CDもしくは3-O-(n-アルキン)-CDまたはそれらの混合物とを反応させることで、CD-alk1-トリアゾール-alk2-CDの構造を有するCD-トリアゾール-βCD二量体を形成することを含み、任意選択的に、(b)前記CD-トリアゾール-CD二量体を精製することを含む、前記方法。
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