JP2023527699A - バイオマーカセンサの寿命予測/検出 - Google Patents

バイオマーカセンサの寿命予測/検出 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物流体のモニタリングに関する。再生可能な表面14を有するバイオマーカセンサ10がいつ劣化したかを検出する、及び/又は、センサがいつ劣化するかを予測するシステム100及び方法の使用が提案される。検出のために以下の手段のうちの少なくとも1つが使用される。即ち、表面が再生された回数をカウントする、デバイスで測定された生体分子の累積量を決定する、捕捉表面からバイオマーカを放出するために必要な電圧変化又はpH変化の増加/減少を検出する、工場出荷時のキャリブレーション信号からのセンサ生信号シグネチャの偏差を検出する、及び磁気ビーズに結合された検体分子を含むトレーサ検体分子を使用する。

Description

本発明は、検体センサの寿命予測又は寿命検出に関する。
血液、間質液、汗、尿、及び唾液などの生物流体は検体を含み、その濃度は人の健康に関する情報を提供する。バイオマーカとも呼ばれるこのような検体の例としては、コレステロール、乳酸、コルチゾール、グルコースなどがある。バイオマーカの連続的又は半連続的なモニタリングは、診断や効果的な治療に役立つ。1つ以上のバイオマーカを測定できるセンサを身体の上若しくは中、又は生物流体の流れの中に配置して、連続又は半連続的なモニタリングが可能にされる。臨床ワークフローに適合するように、このようなセンサは、看護師からの追加の操作を必要とせずに、臨床スタッフが患者の上/中に装着した後、複数日間、使用可能であることが好ましい。
バイオマーカをモニタリングする場合は、測定値が正確であることが重要である。適切な診断を行うために又は適切なタイミングで治療若しくは介入を行うために、臨床スタッフは測定値を信頼できることが必要である。したがって、センサの精度が低い場合又はセンサの年齢/ステータスに合わせてキャリブレーションを調整できる場合は、通知されるべきである。好ましくは、古いセンサが使えなくなる前にセンサを新しいものと取り替えることができるように前もって警告される。
米国特許出願第2013/217003A1号は、バイオアナライザによって液体サンプルの検体含有量を測定する方法に関連している。
国際特許公開WO2018/229775A1は、1つ以上の検体の検出に使用するセンサデバイス、ハンドヘルドプローブ、及びシステムを提示している。
国際特許公開WO2019/099856A1は、生物流体の検体濃度の電気化学的アプタマーベース(EAB)センサ測定値のドリフト補正及びキャリブレーションをするEABバイオセンシングデバイスについて説明している。
国際特許公開WO2018/237380A1は、アプタマーによる立体配座変化への依存が低減された状態で、ターゲット検体の相互作用時に検出可能な信号を生成する電気化学的アプタマーベースのバイオセンシングデバイス及び方法について説明している。
国際特許公開WO2006/047760A1は、リアルタイムでの哺乳類、特にヒト患者における神経損傷及び/又は障害の特徴付けのための検査システム及び方法に関連している。
Seokheun Choi他:Microfluidics and nanofluidics(Springer、ベルリン、第7巻、第6号、2009年4月10日(2009-04-10)、819~827頁)は、マイクロ流体光学においてバイオセンサ表面を再生する新しい方法について報告している。
Choi S他:Biosensors and bioelectronics(Elsevier、第25巻、第2号、2009年10月15日(2009-10-15)、527~531頁)は、マイクロ流体ベースの再利用可能なバイオセンサを対象としたプロトタイプセンサ及びその場電気化学表面再生技法について報告している。
国際特許公開WO99/06835A1は、生物特異的結合の蛍光検出及び電気化学的制御を同時に行う装置及び方法に関連している。
Anna J Tudos他:Journal of agricultural and food chemistry、American chemical society、books and journals division I(第51巻、第20号、2011年10月20日(2011-10-25)、5843~5848頁)では、センサ上の固定化デオキシニバレノールコンジュゲートと自由デオキシニバレノール分子間の抗体結合の競合が試験溶液中で検証されている。
国際特許公開WO2008/015645A2は、サンプル中の検体の濃度及び/又は検体センサ分子に対する検体の結合キネティクスを測定する方法に関連している。
生物流体のモニタリングの信頼性を向上させる必要がある。
本発明は、独立請求項によって定義され、さらなる実施形態は、従属請求項に組み込まれている。
本発明の以下に説明する態様は、システム、方法、及びコンピュータプログラム要素にも適用されることに留意されたい。
本発明の第1の態様によれば、被検体の流体サンプル中の検体を検出するためのシステムが提供される。システムは、検体センサと、測定ユニットとを含む。検体センサは、流体サンプル中の検体分子を可逆的に結合するために受容体が捕捉表面の上に固定化された当該捕捉表面を有する検体センサマトリクスと、結合された検体分子が捕捉表面から放出されるように捕捉表面を再生する再生アセンブリとを含む。測定ユニットは、検体センサ上で測定を行い、捕捉表面の品質との相関がある検体センサからの測定値を提供する。この測定値によって、いつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又は、いつ検体センサマトリクスが劣化するかを予測することができる。
したがって、再生可能な捕捉表面を有する検体センサがいつ劣化したかを検出する、及び/又はセンサがいつ劣化するかを予測するシステムが提案されている。この情報に基づいて、検体センサの交換又は検体センサの再キャリブレーションなどの必要なアクションを実施して、検体センサの劣化又は故障による不正確な測定結果を防ぐ。これにより、臨床スタッフは正しい診断を行う又は適切なタイミングで治療若しくは介入を行うことができる。
上記のシステムは、受容体が捕捉表面の上に固定化された再生可能な当該捕捉表面を有する検体センサを含む。いくつかの例では、検体センサは、被検体(即ち、人間/動物)の皮膚から得られた体液(汗、皮脂、間質液など)(そのうちの生体流体が使用される)を検出し、また、被検体、具体的には、被検体の流体及び/又は被検体の流体の特性の連続的又は半連続的なモニタリングに関連付けられている。いくつかの例では、検体センサは、血液、尿、及び唾液などの他の体液を検出することもできる。検体センサは、例えば皮膚につけて汗を測定するウェアラブルパッチ、間質液又は血液中に埋め込み可能なデバイス、唾液を測定する歯ブラシ、母乳を測定する哺乳瓶、母乳を測定する搾乳器、尿を測定するトイレセンサ、身体の外側での血液測定などである。
受容体は、合成起源又は天然起源のいずれかである任意の検出分子であって、1つ以上の検体分子に対して妥当な親和性及び特異性を有する検出分子を指す。受容体と検体分子との相互作用により、トランスデューサによって測定可能な作用が生成される。トランスデューサは、流体サンプル中のターゲット検体の存在に比例する測定可能な信号を出力する。固定化された受容体及び検体分子は、生物学的結合パートナと呼ばれることもあり、様々な既知のリガンドが含まれ得る。例えば当業者は、生物学的結合パートナには、抗原又は抗体、ホルモン又は神経伝達物質及び受容体、基質又はアロステリックエフェクタ及び酵素、レクチン及び糖、DNA又はRNA構造(アプタマー及びその結合種など(他のDNA若しくはRNA種又は結合タンパク質を含む))、タンパク質、ビオチン及びアディビン(adivin)又はストレプトアビジン系、酵素及びその基質及び抑制因子、脂質結合系、及びこれらの組み合わせなどが含まれることを理解するであろう。検体分子と受容体との結合はリガンド-受容体複合体を形成する。
システムはさらに、再生可能な捕捉表面の劣化を示す測定値を提供する測定ユニット(プロセッサなど)を含む。これにより、検体センサが過去に経た又は将来に経る劣化の推定が可能になる。測定値は再生可能な捕捉表面の品質と相関がある。
本発明の発明者はまた、先行技術において提供されている、劣化を定量化するためのソリューションには基準センサが必要であることも発見した。この基準センサは、ターゲットセンサ(即ち、検体センサ)と同様のセンサであり、つまり、基準センサも検体の濃度を測定できる。これらの精巧な基準センサは比較的高価である。
本発明の発明者はまた、再生が何回も行われると、再生可能な捕捉表面上の受容体が構造を失い、それによって関心の生体分子のみを捕捉するその能力が失われることも発見した。また、捕捉表面上の機能する受容体の量も減少する可能性がある。したがって、再生可能な捕捉表面上のすべて又はほぼすべての受容体が、流体サンプル中の他の分子ではなく、関心の生体分子に特異的に結合する場合、捕捉表面の品質は高い。別の例では、再生可能な捕捉表面上のすべて又はほぼすべての受容体が関心の生体分子と高い親和性を有する(つまり、分子を容易に捕捉できる)場合、捕捉表面の品質は高い。さらなる例では、再生可能な捕捉表面上のすべて又はほぼすべての受容体が一定の時間内に一定量の関心の分子を結合する(つまり、結合速度)場合、捕捉表面の品質は高い。
この洞察に基づいて、提案するシステムでは、基準センサを必要とせずに、検体センサからの単純な尺度のみを使用する。測定値は、再生時間スケールよりも長い時間スケールで、実質的に単調により高い値又はより低い値に変化し、これにより、不可逆的な劣化現象の発生を示す検体センサからの任意の測定値である。「単調な」又は「単調に」という用語は、再生成可能な捕捉表面の品質との相関がある測定値が、長い時間スケール(再生サイクルの時間スケールなど)増加又は減少し、より短い時間スケールでの変動はこの傾向に影響しないことを意味する。短い時間スケールでは、測定値は、劣化プロセス自体ではなく、可変の条件パラメータ、又は周囲温度などの背景変数によって引き起こされる変動を示す場合がある。
以下に、測定値の例をいくつか示す。
-測定ユニットは再生可能な捕捉表面が再生された回数をカウントすることによって測定値を提供できる。
-測定ユニットは検体センサで測定された関心の生体分子の累積量を決定することによって測定値を提供できる。
-測定ユニットは受容体(抗体など)を有する再生可能な捕捉表面からバイオマーカ(抗原など)を放出するために必要な増加/減少した電圧変化、電流変化、又はpH変化など、再生及び放出プロセスの特性を検出することによって測定値を提供できる。
-測定ユニットはリガンド-受容体(例えばAb-Ag)結合を測定するために光学センサの光学的なキャリブレーション外信号を検出することによって測定値を提供できる。光学的なキャリブレーション外信号の例としては、再生可能な捕捉表面の劣化による光信号(光強度、吸収、反射、散乱など)の永続的なドリフト又はオフセットがあるが、これらに限定されない。
-測定ユニットは再生可能な捕捉表面の劣化による電気的又は機械的なキャリブレーション外信号を検出することによって測定値を提供できる。キャリブレーション外信号の例としては、例えばリガンド-受容体(例えばAb-Ag)結合の検出用の機械的共鳴センサ(水晶振動子マイクロバランスセンサなど)の共鳴周波数の永続的なドリフト又はオフセットがあるが、これらに限定されない。
-測定ユニットは、磁気ビーズに結合された検体分子の形のトレーサ検体分子を使用することによって測定値を提供できる。
測定ユニットはさらに、測定値に基づいて信頼性尺度を計算できる。信頼性尺度は、例えばバイオマーカ濃度の精度/不確実性、品質指数(1~10の数、又はバイナリ欠陥表示、つまり、再生可能な捕捉表面に欠陥があるかどうか)、又は現在の使用量で不正確になる時間であり得る。
本発明の実施形態によれば、上記のシステムはさらに、測定値に基づいていつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又はいつ検体センサマトリクスが劣化するかを予測する処理ユニットを含む。
したがって、検出結果又は予測結果に基づいて、検体センサの劣化又は故障による不正確な測定を回避できる。
本発明の実施形態によれば、上記システムはさらに、キャリブレーションパラメータのセットを使用して検体センサをキャリブレーションするキャリブレーションアセンブリを含む。キャリブレーションパラメータのセットは測定値に適合可能である。
再生が何度も行われると、受容体の構造が失われ、その結果、検体分子の捕捉能力及び/又は再生可能な捕捉表面の機能している受容体の量が減少する可能性がある。再生成可能な捕捉表面の品質の結果としてセンサのキャリブレーションを適合させることで、検体センサの精度を向上できる。
本発明の実施形態によれば、測定ユニットは捕捉表面が再生された回数をカウントする。
つまり、再生可能な捕捉表面又は再生可能な表面の特定の部分が再生された回数をカウントすることによって、再生可能な捕捉表面の品質を評価することが提案されている。例えばマイクロコントローラを使用して、初回使用時後の再生イベント、例えばアクティブ電圧掃引をカウントできる。
本発明の実施形態によれば、測定ユニットは検体センサマトリクスで測定された検体分子の累積量を決定する。
つまり、時間の経過とともに捕捉された実際の累積検体分子濃度を決定することが提案されている。この濃度は、形成され、かつ再放出されたリガンド-受容体複合体の数に比例するからである。検体分子の累積量によってセンサの品質をより正確に評価できる。
本発明の実施形態によれば、測定ユニットは以下の測定値:過酷な環境に受容体が存在する合計時間、流体の補充量、及び流体サンプル中の水素イオンの量のうちの少なくとも1つを決定する。
再生可能な捕捉表面の劣化は、受容体が過酷な環境(低pH又は高pHなど)にある合計時間、流体の補充量(即ち、流量)、及び流体(即ち、その中でマトリクスが測定される)の緩衝能、及び/又はこれらの組み合わせに関連付けられている。これらの測定値のうちの1つ以上を含めることにより、再生可能な捕捉表面の品質評価を向上できる。
本発明の実施形態によれば、測定ユニットは、捕捉表面から、結合された検体分子を放出するのに必要な電圧変化、電流変化、又は水素イオン量の変化のうちの少なくとも1つを測定する。
つまり、捕捉表面の品質の直接的尺度を実行することが提案されている。いくつかの例では、このような直接的尺度は、捕捉表面から検体分子を放出するのに必要な電気的特性(電圧又は電流の変化など)の増加又は減少である。いくつかの例では、このような直接的尺度は、捕捉表面から検体分子を放出するのに必要なpH変化の増加又は減少である。
これについては、以下に、かつ特に、実施形態の詳細な説明において実施例2aに関連して説明する。
本発明の実施形態によれば、上記のシステムは、受容体に結合された検体分子の量を検出し、かつ結合された検体分子の量との相関がある検出信号を生成する検出器を含む。
測定ユニットは、検出信号が、検体センサの動作ウィンドウを定義する信号強度の範囲内にあるかどうかを決定し、かつ検出信号が動作ウィンドウ外である場合に、捕捉表面の劣化を示すキャリブレーション外信号を生成する。
つまり、センサ生信号シグネチャを、工場出荷時又は初回使用時のキャリブレーション信号と、例えば連続的又は半連続的に比較することによって、寿命予測又は検出を実行することが提案されている。センサ生信号の永続的なオフセット若しくはドリフト、又は上限閾値若しくは下限閾値を超える信号などの任意の顕著な偏差を摩耗インジケータとして使用できる。
このことについては、以下に、かつ特に、実施形態の詳細な説明において実施例2bに関連して説明する。
本発明の実施形態によれば、処理ユニットは、再生後に検出信号が動作ウィンドウ内にあるかどうかを決定する。
つまり、再生直後にのみ信号(光学的、電気的、機械的信号など)を確認できる。この例では、捕捉表面にはリガンド-受容体複合体はなく、結合されていない検体分子のみが存在する。したがって、リガンド-受容体結合の可変の存在による変動を考慮することなく、信号を相互に直接比較できる。
本発明の実施形態によれば、検出器は、
-結合された検体分子の量との相関がある光信号を生成する光学センサ、
-電気化学情報を、結合された検体分子の量との相関がある分析的に有用な信号に変換する電気化学センサ、
-結合された検体分子の量との相関がある磁気特性又は磁気的に誘発された作用の変化を測定することによって生物学的相互作用を検出するための磁気粒子及び/又は結晶を使用する磁気センサ、及び
-機械的共鳴センサであって、結合された検体分子の量との相関がある機械的共鳴センサの機械的共鳴周波数の変化を示す電気信号を生成する、機械的共鳴センサ、のうちの少なくとも1つを含む。
これについては、以下に、かつ特に、図4及び図5に示す実施例に関連して説明する。
本発明の実施形態によれば、動作ウィンドウは工場出荷時のキャリブレーション信号又は初回使用時のキャリブレーション信号から得られる。
本発明の実施形態によれば、上記のシステムは、流体チャネルを含む。流体チャネルは、流体サンプルが流体チャネルを流れるように配置されており、収集表面が第1のチャネル表面の上に配置されている当該第1のチャネル表面と、収集表面とは反対側に配置された捕捉表面を有する第2のチャネル表面とを有する。上記のシステムはさらに、トレーサ検体分子としての複数の検体分子を含む。各トレーサ検体分子は対応する磁気ビーズに付着している。上記のシステムはさらに磁石アレンジメントを含む。磁石アレンジメントは、複数のトレーサ検体成分を収集表面に引きつけるように給電される第1の電磁磁石と、複数のトレーサ検体分子を捕捉表面に引きつけるように給電される第2の電磁磁石とを含む。上記のシステムはさらに磁石アレンジメントに給電する電源を含む。上記のシステムはさらにコントローラを含む。コントローラは、第1の電磁磁石及び第2の電磁磁石の電源を遮断して、収集表面からトレーサ検体分子を放出して、インキュベーション時間の後、複数のトレーサ検体分子の捕捉表面上の受容体との結合を可能にし、また、インキュベーション時間の後、第1の電磁磁石の電源を投入して、定義された磁場強度の磁場を印加する。上記のシステムはさらに捕捉表面及び収集表面のうちのいずれかにおけるトレーサ検体分子の量を検出する検出器を含む。測定ユニットは、捕捉表面及び収集表面のうちのいずれかにおいて検出されたトレーサ検体成分の量を捕捉表面の品質と相関させる。
これについては、以下に、かつ特に、図6及び図7A~図7Hに示す実施例に関連して説明する。
本発明の実施形態によれば、上記のシステムはさらに測定値をユーザに通知するユーザインターフェースを含む。
一例では、ユーザインターフェースは測定値を表示するためのディスプレイである。
さらなる例では、ユーザインターフェースは、その生体流体が使用される人又は介護者(看護師など)などのユーザに通知を送るか、アラームを提供する。
本発明の第2の態様によれば、検体センサの寿命予測又は寿命検出方法が提供される。この方法は、
-検体センサを提供するステップであって、検体センサは、
-流体サンプル中の検体分子を可逆的に結合するための受容体が捕捉表面の上に固定化された当該捕捉表面を有する検体センサマトリクス、及び
-結合された検体分子が捕捉表面から放出されるように、捕捉表面を再生する再生アセンブリ、を含む、提供するステップと、
-捕捉表面の品質との相関がある測定値を提供するように、測定ユニットによって測定を行うステップとを含み、測定値によって、いつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又はいつ前記検体センサマトリクスが劣化するかを予測することができる。
本発明の第3の態様によれば、検体センサの寿命予測又は寿命検出のためのプログラム要素が提供される。このプログラム要素は、プロセッサによって実行されると、第2の態様及び任意の関連の実施例による上記の方法を実行する。
有利には、上記のどの態様によって得られる利点も、他のすべての態様にも同様に適用され、その逆も同様である。
本明細書で使用される場合、用語「磁気ビーズ」は磁気的に反応するビーズを指している。磁気ビーズはそれら自身による磁力によって凝集可能であるため、永久磁気ビーズではないことに留意されたい。むしろ、磁気ビーズは、外部磁場なしでは磁気を帯びていない。磁気ビーズには、常磁性若しくは超常磁性粒子、及び/又は結晶が含まれ得る。磁気ビーズの場合、磁気的に反応する材料は、ビーズの実質的にすべて又はビーズの一成分のみを構成し得る。ビーズの残りの部分には、特に、アッセイ試薬の付着を可能にするポリマー材料、コーティング、及び部分が含まれ得る。磁気ビーズは、球状、ほぼ球状、卵形、ディスク形状、立方体、及び他の3次元形状など、様々な形のいずれかであってよい。磁気ビーズのサイズは、ナノメートルからミクロンまでの幅があってもよい。
用語「コントローラ」は、一般的に、装置、システム、又は方法の動作に関連する様々な装置を説明するために使用される。コントローラは、本明細書で説明する様々な機能を実行するために、様々な手法(専用ハードウェアを用いてなど)で実装できる。「プロセッサ」は、本明細書で説明する様々な機能を実行するために、ソフトウェア(マイクロコードなど)を使用してプログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを採用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサの採用に関係なく実装され得、また、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば1つ以上のプログラム済みマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実装できる。本開示の様々な実施形態に採用され得るコントローラ構成要素の例としては、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上のストレージ媒体(本明細書では、総称的に「メモリ」と呼ばれ、例えば揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ)に関連付けられていてもよい。いくつかの実装形態では、ストレージ媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書に説明される機能のうちの少なくともいくつかを行う1つ以上のプログラムでエンコードされ得る。様々なストレージ媒体は、プロセッサ又はコントローラ内で固定されていても、そこに保存されている1つ以上のプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードして、本明細書に説明される本開示の様々な態様を実装できるように輸送可能であってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用できるあらゆる種類のコンピュータコード(ソフトウェア又はマイクロコードなど)を指す一般的な意味で使用される。
本明細書で使用される場合、用語「ユーザインターフェース」は、人間のユーザ又はオペレータと、ユーザとデバイス間の通信を可能にする1つ以上のデバイスとの間のインターフェースを指している。本開示の様々な実装形態で採用され得るユーザインターフェースの例としては、スイッチ、ポテンショメータ、ボタン、ダイヤル、スライダ、トラックボール、ディスプレイ画面、様々なタイプのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイク、及び人間が生成した何らかの形の刺激を受けてそれに応じて信号を生成する他のタイプのセンサがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「ユニット」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)、及び/又は1つ以上のソフトウェア若しくはファームウェアプログラムを実行するメモリ(共有、専用、又はグループ)、組み合わせ論理回路、及び/又は説明した機能を提供する他の適切なコンポーネントの一部を指すか、それらの一部であるか、又はそれらを含んでいる。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
図面では、同様の参照文字は、概して、異なる図全体を通して同じ部分を指す。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、概して、発明の原理を示すことに重点が置かれている。
図1は、検体センサの寿命予測又は寿命検出のためのシステムの例を概略的に示す。 図2は、電圧変化の減少の例を示す。 図3Aは、工場出荷時又は初回使用時のキャリブレーション後に完全再生された捕捉表面の例を概略的に示す。 図3Bは、Ab-Ag結合複合体で完全被覆された図3Aの完全に機能する捕捉表面を示す。 図3Cは、図3Aの不可逆的に劣化した捕捉面を示す。 図4は、光信号のドリフトを寿命インジケータとして示す。 図5は、共鳴周波数のドリフトを寿命インジケータとして示す。 図6は、磁気ビーズに結合された検体分子を含むトレーサ検体分子を使用するシステムのさらなる例を概略的に示す。 図7Aは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Bは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Cは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Dは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Eは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Fは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Gは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図7Hは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示す。 図8は、検体センサの寿命予測又は寿命検出方法のフローチャートを示す。
図1は、被検体の流体サンプル中の検体を検出するためのシステム100を概略的に示している。システム100は検体センサ10を含む。検体センサの例としては、皮膚につけて汗を測定するウェアラブルパッチ、間質液又は血液中に埋め込み可能なデバイス、唾液を測定する歯ブラシ、母乳を測定する哺乳瓶、母乳を測定する搾乳器、尿を測定するトイレセンサ、身体の外側での血液測定などが挙げられる。
検体センサ10は、流体サンプル中の検体分子を可逆的に結合するための受容体16が捕捉表面の上に固定化された当該捕捉表面14を有する検体センサマトリクス12を含む。
さらに、検体センサ10は、結合した検体分子が捕捉表面14から放出されるように、捕捉表面14を再生する再生アセンブリ18を含む。捕捉表面から検体を除去するには、3種類の溶出が可能である。一例では、再生アセンブリ18は過酷な条件(即ち、pH)で捕捉表面を処理して、固定化された受容体と検体分子との間の相互作用を遮断する。例えば特定のAg-Ab複合体の変性に適したpHは、pH2~3付近の酸性範囲にある。別の例では、再生アセンブリは結合部位を模倣する小さな化合物の飽和量を追加する。さらなる例では、再生アセンブリは、検体分子を放出するアロステリック変化を誘発する作用剤で処理することもできる。
システム100はさらに、検体センサ上で測定を行い、捕捉表面の品質との相関がある検体センサからの測定値を提供する測定ユニット20を含む。この測定値によって、いつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又は、いつ検体センサマトリクスが劣化するかを予測することができる。
したがって、測定ユニット20は、ASIC、電子回路、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)、及び/又は1つ以上のソフトウェア若しくはファームウェアプログラムを実行するメモリ(共有、専用、又はグループ)、組み合わせ論理回路、及び/又は説明した機能を提供する他の適切なコンポーネントの一部であるか、又はそれらを含んでいる。
任意選択で、測定ユニットはさらに、測定値に基づいて信頼性尺度を計算できる。信頼性尺度は、例えばバイオマーカ濃度の精度/不確実性、品質指数(1~10の数、又はバイナリ欠陥表示、つまり、再生可能な捕捉表面に欠陥があるかどうか)、又は現在の使用量で不正確になる時間である。
任意選択で、測定値及び/又は信頼性尺度は、次のように使用できる:
-バイオマーカ濃度の値とともに画面に示される。
-信頼性尺度が低下すると、ユーザ(例えば患者又は介護者(看護師など))(の携帯電話など)に通知が送られるか、又はアラームが鳴る。
-付随する信頼性尺度が低い場合、測定されたバイオマーカ濃度は、(例えば早期警告スコアを計算するための)さらなる分析には考慮されない。
-センサの実際の品質に合わせて調整された別のキャリブレーションが使用される。
任意選択で、システム100はさらに、測定値に基づいて、いつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又はいつ検体センサマトリクスが劣化するかを予測する処理ユニット(図示せず)を含む。したがって、検出結果又は予測結果に基づいて、検体センサの劣化又は故障による不正確な測定を回避できる。これについては、以下に、かつ特に図2を参照して説明する。
したがって、処理ユニットは、ASIC、電子回路、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)、及び/又は1つ以上のソフトウェア若しくはファームウェアプログラムを実行するメモリ(共有、専用、又はグループ)、組み合わせ論理回路、及び/又は説明した機能を提供する他の適切なコンポーネントの一部であるか、又はそれらを含んでいる。さらに、このような処理ユニットは、当業者には知られているように、揮発性又は不揮発性のストレージ、ディスプレイインターフェース、通信インターフェースなどに接続できる。
任意選択で、システム100はさらに、測定値に適合可能であるキャリブレーションパラメータのセットを使用して検体センサをキャリブレーションするキャリブレーションアセンブリ(図示せず)を含む。再生が何度も行われると、受容体の構造が失われ、その結果、検体分子の捕捉能力及び/又は再生可能な捕捉表面の機能している受容体の量が減少する可能性がある。再生成可能な捕捉表面の品質の結果としてセンサのキャリブレーションを適合させることで、検体センサの精度を向上できる。
任意選択で、システム100はさらに、測定値をユーザに通知するユーザインターフェース(図示せず)を含む。例えばユーザインターフェースは測定値を表示すためのディスプレイである。さらなる例では、ユーザインターフェースは、介護者(看護師など)などのユーザに通知を送るか、アラームを提供する。
以下に、以下のセクション「実施例1」で説明する表面品質の間接的尺度と、以下のセクション「実施例2」で説明する表面品質の直接的尺度とが含まれる、捕捉表面の品質との相関がある測定値のいくつかの例について説明する。
実施例1:使用量の関数としての品質変化
固定化された受容体に検体が結合し、(電圧又はpHの変化を加えるなどして)再び放出される頻度が高いほど、固定化された受容体に欠陥が生じ始める可能性が高くなる。そうすると、固定化された受容体は、検体分子(即ち、関心のバイオマーカ)に対する特異性が低くなり、生物流体からの他の分子にも結合する可能性がある。或いは、受容体は(例えば検体分子が空の受容体の周りに存在している場合でも)検体分子との親和性を失う可能性がある(リガンド-受容体複合体は形成されない)。いずれの作用も検体センサの感度及び精度を低下させる。
実施例1a:表面が再生された回数をカウントする
したがって、第1の実施例では、捕捉表面又は捕捉表面の特定の部分が再生された回数をカウントして、捕捉表面の品質を評価することが提案されている。この実施例では、測定ユニットは、初回使用時後の再生イベント、例えばアクティブ電圧掃引をカウントするマイクロコントローラである。この実施例は、表面の品質の尺度を提供し、これを使用してデバイスの動作を向上できる。
実施例1b:デバイスで測定した生体分子の累積量を決定する
しかしながら、センサが完全に空になった場合にのみ再生が行われるとは限らない。したがって、第2の実施例では、時間の経過とともに捕捉された実際の累積バイオマーカ濃度を決定することが提案されている。この濃度は、形成され、かつ再放出されたリガンド-受容体複合体の数に比例するからである。これにより、センサの品質がより正確に評価される。
さらに、固定化された受容体の劣化は、固定化された受容体が過酷な環境(即ち、低pH又は高pH)にある合計時間、流体の補充量(即ち、流量)、及び生物流体(即ち、その中でマトリクスが測定される)の緩衝能、及び/又はこれらの組み合わせに関連付けられているため、上記の測定値のうちの1つ以上を含めると捕捉表面の品質評価を向上できる。
実施例2:品質変化の動的評価
上記の実施例では、表面が再生された回数と、累積バイオマーカ濃度とを品質評価として使用することを提案している。しかしながら、これらは実際には表面の品質の間接的尺度であり、再生プロセス中の詳細(温度、pHなどの環境的側面など)を考慮していない。その結果、表面が何度も再生されていても予想よりも多くの受容体が依然として損傷していない場合がある。逆に、数回しか再生していないのに予想よりも少ない受容体が損傷していない場合がある。
したがって、以下の実施例では、捕捉表面の品質の直接的尺度が提案される。
実施例2a:再生/放出プロセスの特性(電圧、電流、及び/又はpHの変化の増加/減少など)の検出
いくつかの実施例では、このような直接的尺度は、捕捉表面からバイオマーカを放出するために必要な電圧若しくは電流の変化などの電気的特性、又は実際にはpHの変化の増加又は減少である。図2は電圧変化の減少の例を示している。点は、表面が再生された時を表している。この実施例では、7日目まで必要な電圧は約3Vである。8日目以降、電圧は低下し始め、これは劣化の兆候である。このことは、抗原を放出するために必要な電圧変化又はpH変化の増加/減少は、リガンドと受容体(例えば抗原と抗体)との間の非共有結合がそれまでよりも遮断が難しい又は容易であることを示し、したがって、受容体(例えば抗体)の構造が変化したことを示すため、電圧若しくは電流変化の増加、又はpHの減少/増加についても同じことが言える。
システムが0Vで正常に(即ち、再生以外で)機能する場合、図2に示す電圧は再生に必要な電圧変化と等しくなるが、システムが-1Vで正常に動作する場合、電圧変化を得るためには1Vを追加する必要がある。図2のシステムは、例えば2.5~3.5Vの再生電圧を可能にし得る。必要な電圧が3.5Vを超えるか2.5Vを下回ると、センサの信頼性が低下したという警告が出されることがある。
捕捉表面の現在の品質を提供する代わりに又はそれに加えて、予測も可能である。例えば表面が20回再生された場合に、また、表面が10日間の間1日に1回再生されたことをシステムが測定する場合に、寿命が切れること(即ち、検体センサが十分に正確でなくなるとき)が予想される場合、現在の使用量ではセンサはあと10日間持つことが示される。
実施例2b:光学的、機械的、電気的、及び/又は磁気的なキャリブレーション外信号の検出
いくつかの実施例では、寿命予測は、例えばリガンド-受容体(抗体/抗原など)結合の検出のためのセンサ生信号シグネチャを工場出荷時又は初回使用時のキャリブレーション信号と比較する(例えば連続的又は半連続的に比較する)ことによって行われる。任意の顕著な偏差は、摩耗又は交換インジケータとして使用される。顕著な偏差は、例えばセンサ生信号の永続的なオフセット若しくはドリフト、又は上限閾値若しくは下限閾値を超える信号であり得る。或いは、2つの信号強度の比率又は2つのセンサ信号の差を使用することもできる。
第1の実施例では、センサ生信号は光学センサによって生成される光信号であり、これは結合された検体分子の量と相関がある。例えば透明電極及び光学検出器を、再生された抗体の無標識検出に使用できる。この実施例では、例えば再生可能なセンサ表面の機械的及び/又は化学的劣化による光信号(光強度、吸収、反射、散乱など)の永続的なドリフト又はオフセットを寿命予測に使用できる。また、電気的又は電気化学的は再生のために連続的に印加された高磁場/高電圧による劣化の原因であり得る。
例えば図3Aは、工場出荷時又は初回使用時のキャリブレーション後に完全再生された捕捉表面の例を概略的に示している。図3は、リガンド-受容体(例えばAb-Ag)結合複合体で完全被覆された図3Aの完全に機能する捕捉表面を示している。図3Cは、表面が何度も再生されて、不可逆的に劣化した図3Aの捕捉表面を示している。再生可能なセンサ表面の不可逆的な劣化は、光信号の永続的なドリフト又はオフセットを引き起こすが、これを寿命予測に使用する。
例えば光信号のドリフトを寿命インジケータとして使用する。例えば図4に示すように、検出信号は通常、リガンド-受容体の完全結合及び完全再生を表す2つの値の間で、特定の信号強度の周辺を行ったり来たりする。或いは、再生直後(即ち、捕捉表面には、リガンド-受容体複合体はなく、結合されていない受容体のみが存在する)にのみ光信号を確認でき、これにより、リガンド-受容体結合の可変の存在による変動を考慮することなく、光信号を相互に直接比較できる。
第2の実施例では、センサ生信号は、機械的共鳴センサによって生成され、かつ機械的共鳴センサの機械的共鳴周波数の変化を示す電気信号である。これは結合された検体分子及び/又は抗体の量と相関がある。
例えば再生可能な捕捉表面として使用され、かつ通常はセンシング及び活性化(即ち、再生)モードで動作する水晶振動子マイクロバランス(QCM)/水晶共鳴器の共鳴周波数の変化をモニタリングできる。一方、センシングモードでは、QCMはリガンド-受容体複合体の結合キネティクスを測定し、後者の活性化モードでは、QCMはpH変化を誘発するアクティブ刺激電極として使用される。この実施例では、第3のモード、即ち、摩耗検出モードが追加されてもよい。ここでも共鳴周波数のドリフト又は一定の永続的なシフトが検体センサの寿命を示し得る。共鳴周波数もまた、リガンド-受容体の完全結合及び完全再生を表す2つの値の間で行ったり来たりすることが期待できる。ここでも、図5に示すように、リガンド-受容体結合の検出用の水晶振動子マイクロバランスセンサにおける共鳴周波数の永続的なドリフト又はオフセットが検体センサの寿命を示し得る。いくつかの実施例では、任意の時点での信号を確認しながら、より多い又は少ないリガンド-受容体複合体による変動が許容される。いくつかの他の実施例では、リガンド-受容体複合体の可変の量による変動を考慮することなく、再生直後にのみ確認できる。
第3の実施例では、センサ生信号は電気化学センサによって生成される。電気化学センサは、電気化学情報を、結合された検体分子の量との相関がある分析的に有用な信号に変換する。この実施例では、分析的に有用な信号のドリフトを寿命インジケータとして使用する。
第4の実施例では、センサ生信号は磁気センサによって生成される。磁気センサは、コイルインダクタンス、抵抗、又は光磁気特性の変化など、磁気特性又は磁気的に誘発された作用の変化を測定することによって生物学的相互作用を検出する手段として、常磁性若しくは超常磁性粒子、及び/又は結晶を使用する。磁気特性又は磁気的に誘発された作用の測定された変化(例えばコイルインダクタンス、抵抗、又は光磁気特性の変化)は、結合された検体分子の量と相関がある。磁気バイオセンサに使用される粒子のサイズは、直径がナノメートルからミクロンまでの幅があり、抗体又は核酸の鎖などの生物学的受容体でコーティングされている。ターゲットとの相互作用により、粒子の物理的な特性が変化する。これは、移動度又はサイズに関連付けられている場合がある。コイル、GMR(巨大磁気抵抗)デバイス、ホール効果デバイス、並びに様々な光学及びイメージング技術など、磁気バイオセンサ内の粒子を検出するために採用される技術は数多くある。したがって、コイルインダクタンス、抵抗、又は光磁気特性の変化などを示す信号のドリフトを寿命インジケータとして使用する。
実施例2c:磁気ビーズに結合された検体分子を含むトレーサ検体分子の使用
図6は、磁気ビーズに結合された検体分子を含むトレーサ検体分子を使用するシステムのさらなる例を概略的に示している。図7A~図7Hは、捕捉表面の品質をチェックする手順を概略的に示している。本明細書で説明するデバイス及び方法を理解し易くするために、以下、免疫学的リガンド、即ち、抗原及び抗体について説明し、デバイスを免疫センサ又はバイオセンサと呼ぶ。
図6に示すように、システム100は、流体サンプルが流体チャネル22を流れるように配置された流体チャネルを含む。流体チャネル22には、収集表面26が第1のチャネル表面の上に配置されている当該第1のチャネル表面24と、収集表面26とは反対側に配置されている捕捉表面14を有する第2のチャネル表面28とを有する。
システム100はさらに、トレーサ検体分子30として複数の検体分子を含む。各トレーサ検体分子30(図6の抗原など)は対応する磁気ビーズに付着している。
システム100はさらに、第1の電磁磁石M1と第2の電磁磁石M2とを含む磁石アレンジメントを含む。第1の電磁磁石M1は複数のトレーサ検体成分30を収集表面26に引きつける。第2の電磁磁石M2は複数のトレーサ検体分子30を捕捉表面14に引きつける。
システム100はさらに、磁石アレンジメントに給電する電源(図示せず)を含む。
システム100はさらに、再生後に、図7A~図7Hに示す、以下の手順を実行するように電源を制御するコントローラを含む。
図7Aでは、少量のトレーサ検体分子30(トレーサ抗原など)が第1の電磁磁石M1によって収集領域26の適所に保持されている。
図7Bでは、第1の電磁磁石M1の電源を遮断し、続いて第2の電磁磁石M2が捕捉表面14にコーティングされた受容体(抗体など)に引き寄せられることによって、トレーサ検体分子30(トレーサ抗原など)が放出される。
図7Cでは、続いて第2の電磁磁石M2の電源も遮断される。インキュベーション時間後、これらのトレーサ検体分子(トレーサ抗原など)の受容体(抗体など)との結合が可能にされる。
図7Dでは、第1の電磁磁石M1の電源が再び投入され、定義された磁場強度の磁場が印加される。トレーサ検体分子30(トレーサ抗原など)が受容体(抗体など)に結合されたままになると、受容体(抗体など)は依然として良好な状態にある。
図7Eでは、トレーサ検体分子30(トレーサ抗原など)が引き出されると、受容体(抗体など)は寿命に達する。後者の作用は、第1の磁場が印加される場所の近くの収集領域26で、これらの分離されたトレーサ検体成分(トレーサ抗原など)が収集することによって確認できる。これらのトレーサ粒子を観察するだけで抗体が寿命に達したことがわかる。つまり、測定ユニットは、捕捉表面及び収集表面のうちのいずれかにおいて検出されたトレーサ検体成分の量を捕捉表面の品質と相関させる。
一例では、光学センサを使用してトレーサ検体分子の量を検出できる。例えば光学センサは全反射の原理を使用する。
別の例では、磁気ビーズの量を検出してトレーサ検体分子の量が決定される。デバイスの例としては、コイル、GMRデバイス、又はホール効果デバイスなどがあるが、これらに限定されない。
図7Fでは、検体分子(抗原など)が存在している可能性のある流体を提供することによって測定が行われる。なお、トレーサ粒子は少量でしか存在しない。
図7Gでは、第1の磁場が維持され、検体分子(抗原など)とトレーサ検体分子(トレーサー抗原など)の両方が放出される間に再生プロトコルがアクティブにされる。そして、磁場によってトレーサ検体分子(トレーサ抗原など)が収集領域26に向かって引かれる。
図7Hでは、非トレーサ検体分子をさらに洗浄した後に、収集されたトレーサ粒子は再び抗体の品質の新たな決定のための準備が整う。
実際には上記の手順をアクティブにするか、又は受容体(抗体など)の品質の事前推定値に応じて、5回、10回、又は50回もの検体分子(抗原など)の測定後に通常、この手順をアクティブにすることができる。
図8は、検体センサの寿命予測又は寿命検出方法200のフローチャートを示している。
ステップ210において、検体センサが提供される。検体センサは、流体サンプル中の検体分子を可逆的に結合するために受容体がその上に固定化された捕捉表面を有する検体センサマトリクスと、結合された検体分子が捕捉表面から放出されるように捕捉表面を再生する再生アセンブリとを含む。
ステップ220において、測定ユニットが、検体センサ上で測定を行い、捕捉表面の品質との相関がある検体センサからの測定値を提供する。この測定値によっていつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又はいつ検体センサマトリクスが劣化するかを予測することができる。
一例では、測定ユニットは再生可能な捕捉表面が再生された回数をカウントすることによって測定値を提供できる。
別の例では、測定ユニットは検体センサで測定された関心の生体分子の累積量を決定することによって測定値を提供できる。
さらなる例では、測定ユニットは受容体(抗体など)を有する再生可能な捕捉表面からバイオマーカ(抗原など)を放出するために必要な電圧変化又はpH変化の増加/減少など、再生及び放出プロセスの特性を検出することによって測定値を提供できる。
さらなる例では、測定ユニットはリガンド-受容体(例えばAb-Ag)結合を測定するために光学センサの光学的なキャリブレーション外信号を検出することによって測定値を提供できる。光学的なキャリブレーション外信号の例としては、再生可能な捕捉表面の劣化による光信号(光強度、吸収、反射、散乱など)の永続的なドリフト又はオフセットがあるが、これらに限定されない。
さらなる例では、測定ユニットは再生可能な捕捉表面の劣化による電気的又は機械的なキャリブレーション外信号を検出することによって測定値を提供できる。キャリブレーション外信号の例としては、例えばAb-Ag結合の検出用の機械的共鳴センサ(水晶振動子マイクロバランスセンサなど)の共鳴周波数の永続的なドリフト又はオフセットがあるが、これらに限定されない。
さらなる例では、測定ユニットは磁気ビーズに結合された検体分子を含むトレーサ検体分子を使用することによって測定値を提供できる。
測定ユニットは測定値に基づいて信頼性尺度をさらに計算できる。信頼性尺度は、例えばバイオマーカ濃度の精度/不確実性、品質指数(1~10の数、又はバイナリ欠陥表示、つまり、再生可能な捕捉表面に欠陥があるかどうか)、又は現在の使用量で不正確になる時間である。
任意選択で、方法はさらにプロセッサを使用して、測定値に基づいていつ検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又はいつ検体センサマトリクスが劣化するかを予測するステップを含む。
任意選択で、方法はキャリブレーションアセンブリを使用して、測定値に適合可能であるキャリブレーションパラメータのセットを使用して検体センサをキャリブレーションするステップを含む。
また、特に明記のない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で請求されている任意の方法では、方法のステップ又は行為の順序は、方法のステップ又は行為が記載された順序に必ずしも限定されるわけではないことも理解されるべきである。
本明細書で定義及び使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれる文書内の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味に優先されることを理解されるべきである。
単数形表記は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「少なくとも1つ」を意味するものとして理解されるべきである。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される語句「及び/又は」は、そのように等位接続されている要素(つまり、接続的に存在する場合もあれば、離接的に存在する場合もある要素)の「いずれか又は両方」を意味するものとして理解されるべきである。「及び/又は」を用いてリストされた複数の要素は、同じように、つまり、そのように等位接続されている要素のうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」句によって特に特定された要素以外の他の要素も、特に特定された要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択で存在していてもよい。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「又は」は、上記で定義されている「及び/又は」と同じ意味を有するとして理解されるべきである。例えばリスト内のアイテムを分離するとき、「又は」又は「及び/又は」は、包含的であると解釈される。つまり、いくつかの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つの包含であるが、2つ以上の要素、また、任意選択で、追加のリストされていないアイテムも含まれている。一般に、本明細書で使用される場合、用語「又は」は、排他性の用語(例えば「どちらか一方」、「~のうちの1つ)が先行するときに、排他的な代替手段(即ち、「~のどれか一方であるが両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるべきである。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1つ又は複数の要素のリストを参照しての語句「少なくとも1つ」は、要素リスト内の要素のいずれか1つ又は複数から選択された少なくとも1つの要素を意味するものとして理解されるべきである。ただし、要素のリスト内に具体的にリストされている各要素の少なくとも1つを含める必要はなく、また、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義では、語句「少なくとも1つ」が参照する要素のリスト内で特定された要素以外の要素が、特定された要素に関連するかどうかに関係なく、任意選択で存在していてもよい。
特許請求の範囲だけでなく、上記の明細書においても、「有する」、「含む」、「持つ」などのすべての移行句は、オープンエンドであることを理解されるべきである。つまり、「~を含むがそれに限定されない」ことを意味する。
さらに、この詳細な説明では、「一般に」、「実質的に」などの定量的な限定用語は一般に、参照された物体、特性、又は品質が参照の対象物の大部分を構成することを意味するように使用されることに当業者は留意されたい。これらの用語のいずれかの意味は、その用語が使用されるコンテキストに依存し、意味は明示的に変更される場合がある。
本発明の別の例示的な実施形態では、適切なシステム上で、上記の実施形態のうちの1つによる方法の方法ステップを実行するように適応されていることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
したがって、コンピュータプログラム要素は、本発明の一実施形態の一部であり得るコンピュータユニットに保存され得る。このコンピューティングユニットは、上記の方法のステップを実行する又は実行を誘導し得る。さらに、上記の装置の構成要素を動作させ得る。コンピューティングユニットは、自動的に動作するか、及び/又は、ユーザの命令を実行できる。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリにロードされてもよい。したがって、データプロセッサは、本発明の方法を実行するために準備が整っている。
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、アップデートによって既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムに変換するコンピュータプログラムとの両方を対象としている。
さらに、コンピュータプログラム要素は、上記の方法の例示的な実施形態の手順を遂行するために必要なすべてのステップを提供できる。
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、CD-ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示される。コンピュータ可読媒体には、コンピュータプログラム要素が保存されている。コンピュータプログラム要素については前のセクションで説明されている。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される、光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの任意の適切な媒体に格納又は配布することができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してなど他の形式で配布することもできる。
しかしながら、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードできる。本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、ダウンロード用にコンピュータプログラム要素を利用可能にする媒体が提供される。このコンピュータプログラム要素は、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる方法を行うように構成されている。
本明細書では、いくつかの発明実施形態について説明し、示しているが、当業者であれば、本明細書に説明されている機能を行ったり、結果や1つ以上の利点を得たりするための様々な他の手段や構造を容易に想像できよう。また、これらの変形や変更の各々は、本明細書に説明されている発明実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に説明されているすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成が模範的であること、また、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示内容が使用されている特定の用途に依存することを容易に理解できよう。当業者であれば、本明細書に説明されている特定の発明実施形態に相当する多くの均等物を、日常の実験以上のものを使用することなく認識するか、又は確認することができよう。したがって、前述の実施形態は、例としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲及び均等物の範囲内で、発明実施形態を、特に説明され請求されているものとは別の方法で実践し得ることを理解されるべきである。本開示の発明実施形態は、本明細書で説明される個々の特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法の各々を対象としている。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法は、相互に矛盾していなければ、本開示の発明範囲に含まれる。

Claims (15)

  1. 被検体の流体サンプル中の検体を検出するシステムであって、前記システムは、
    前記流体サンプル中の検体分子を可逆的に結合するための受容体が捕捉表面の上に固定化された当該捕捉表面を有する検体センサマトリクス、及び
    結合された前記検体分子が前記捕捉表面から放出されるように、前記捕捉表面を再生する再生アセンブリ、を含む、検体センサと、
    前記検体センサ上で測定を行い、前記捕捉表面の品質との相関がある前記検体センサからの測定値を提供する測定ユニットと、
    を含み、
    前記測定値によって、いつ前記検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又は、いつ前記検体センサマトリクスが劣化するかを予測することができる、システム。
  2. 前記測定値に基づいて、いつ前記検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又は、いつ前記検体センサマトリクスが劣化するかを予測する処理ユニットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. キャリブレーションパラメータのセットを使用して前記検体センサをキャリブレーションするキャリブレーションアセンブリをさらに含み、
    前記キャリブレーションパラメータのセットは、前記測定値に適合可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記測定ユニットは、前記捕捉表面が再生された回数をカウントする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記測定ユニットは、前記検体センサマトリクスで測定された検体分子の累積量を決定する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記測定ユニットは、以下の測定値、
    過酷な環境に前記受容体が存在する合計時間、
    流体の補充量、及び
    前記流体サンプルの緩衝能、
    のうちの少なくとも1つを決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記測定ユニットは、前記捕捉表面から、結合された前記検体分子を放出するのに必要な電圧変化、電流変化、又はpH変化のうちの少なくとも1つを測定する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記受容体に結合された検体分子の量を検出し、かつ結合された前記検体分子の前記量との相関がある検出信号を生成する検出器をさらに含み、
    前記測定ユニットは、前記検出信号が前記検体センサマトリクスの動作ウィンドウを定義する信号強度の範囲内にあるかどうかを決定し、かつ前記検出信号が前記動作ウィンドウ外である場合に、前記捕捉表面の劣化を示すキャリブレーション外信号を生成する、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記処理ユニットは、再生後に、前記検出信号が前記動作ウィンドウ内にあるかどうかを決定する、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記検出器は、
    結合された前記検体分子の前記量との相関がある光信号を生成する光学センサ、
    電気化学情報を、結合された前記検体分子の前記量との相関がある分析的に有用な信号に変換する電気化学センサ、
    結合された前記検体分子の前記量との相関がある磁気特性又は磁気的に誘発された作用の変化を測定することによって生物学的相互作用を検出するための磁気粒子及び/又は結晶を使用する磁気センサ、及び
    機械的共鳴センサであって、結合された前記検体分子の前記量との相関がある前記機械的共鳴センサの機械的共鳴周波数の変化を示す電気信号を生成する、機械的共鳴センサ、
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項8又は9に記載のシステム。
  11. 前記動作ウィンドウは、工場出荷時のキャリブレーション信号又は初回使用時のキャリブレーション信号から得られる、請求項8から10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記流体サンプルが流体チャネルを流れるように配置された流体チャネルであって、収集表面が第1のチャネル表面の上に配置されている当該第1のチャネル表面と、前記収集表面とは反対側に配置された前記捕捉表面を有する第2のチャネル表面とを有する、流体チャネルと、
    トレーサ検体分子としての複数の検体分子であって、各トレーサ検体分子は対応する磁気ビーズに付着している、複数の検体分子と、
    前記複数のトレーサ検体成分を前記収集表面に引きつけるように給電される第1の電磁磁石、及び
    前記複数のトレーサ検体分子を前記捕捉表面に引きつけるように給電される第2の電磁磁石、を含む、磁石アレンジメントと、
    前記磁石アレンジメントに給電する電源と、
    前記電源を制御して、
    前記第1の電磁磁石及び前記第2の電磁磁石の電源を遮断して、前記収集表面から前記トレーサ検体分子を放出し、インキュベーション時間の後、前記複数のトレーサ検体分子の前記捕捉表面上の前記受容体との結合を可能にし、
    前記インキュベーション時間の後、前記第1の電磁磁石の電源を投入して、定義された磁場強度の磁場を印加するコントローラと、
    前記捕捉表面及び前記収集表面のうちのいずれかにおけるトレーサ検体分子の量を検出する検出器と、
    をさらに含み、
    前記測定ユニットは、前記捕捉表面及び前記収集表面のうちのいずれかにおいて検出されたトレーサ検体成分の前記量を前記捕捉表面の品質と相関させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 前記測定値をユーザに通知するユーザインターフェースをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 検体センサの寿命予測又は寿命検出方法であって、前記検体センサは、
    前記流体サンプル中の検体分子を可逆的に結合するための受容体が捕捉表面の上に固定化された当該捕捉表面を有する検体センサマトリクス、及び
    結合された前記検体分子が前記捕捉表面から放出されるように、前記捕捉表面を再生する再生アセンブリと、を含み、
    前記方法は、
    測定ユニットによって、前記検体センサ上で測定を行い、前記捕捉表面の品質との相関がある前記検体センサからの測定値を提供するステップを含み、
    前記測定値によっていつ前記検体センサマトリクスが劣化したかを判断する、及び/又はいつ前記検体センサマトリクスが劣化するかを予測することができる、方法。
  15. 検体センサの寿命予測又は寿命検出のためのプログラムであって、プロセッサによって実行されると、前記測定ユニットが請求項14に記載の方法を実行することを可能にする、プログラム。
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