JP2023513654A - 眼または眼の周囲における障害のための計量投与量 - Google Patents

眼または眼の周囲における障害のための計量投与量 Download PDF

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Abstract

本明細書には、低容量の計量投与量である半固形の二硫化セレン生成物を塗布することによる、目の周囲の障害または疾患を処置する医薬組成物および方法が提供される。【選択図】図1

Description

相互参照
本出願は、2019年11月4日に出願された、米国仮特許出願番号62/930,484の利益を主張し、その出願全体は、参照によって本明細書に組込まれる。
二硫化セレン(SeS)の局所用製剤(例えば、2.5%のSeSシャンプー)の効能および安全性の臨床試験は、すべての調査にわたって、医師および患者に、SeSの眼への局所的な塗布は、概して処置が中止されることになる自己限定性の副作用(例えば、角膜炎)を伴うことを示してきた。そのような副作用は、処置の選択肢としてのSeSの使用を制限した。
二硫化セレンの局所用眼科製剤の臨床研究は、脂漏性の眼瞼炎について実施された。ある研究では、100の対象に対し、0.5重量%二硫化セレンを2週間、週2回塗布し、続いて1か月間、週1回投与し、およびその後、6~10か月間、ひと月に1~2回投与した。Bahn GC.The treatment of seborrheic blepharitis.47(8):749-53.第2の研究では、Selsunef 0.5重量%(SeS)軟膏(Abbott)を使用し、臨床において、丁寧かつ制御された塗布が医師によって行なわれ、また、30分後、脱脂綿によって軟膏が除去された。Lavyel A.Selsunef Ointment to Treat Squamous Blepharitis.AJO 1960.どの軟膏も結膜嚢内に入り込まないように、常に大きな注意が払われた。ある事例では、医学的助言に反して、患者自身がSelsunefを投与し、すぐに重症の角膜炎を発症した。1人の患者(1%)が、不注意に自身の結膜嚢に薬剤を入れ、やや重症の結膜炎を発症したが、薬剤を中断して沈静化した。別の研究では、89人の脂漏性眼瞼炎の患者に、2か月から1年の間、週2回、0.5%二硫化セレンを塗布した。Thygeson P, et al.Seborrheic blepharitis.Trans Am Ophthalmol Soc.1954-1955;52:173-88.6つの事例において表層角膜炎が生じた。これらのうちの4つの事例では、角膜炎は一時的だったが、2つの事例では数日間、1つの事例では一週間続いた。別の研究では、脂漏性眼瞼炎眼の76の眼に対し、毎日の眼瞼洗浄と組み合わせて、4週間、1日2回(BID)、0.5%二硫化セレンを塗布し、白降汞(対照)と比較した。Wong AS, et al.Selenium (selsun) in the treatment of marginal blepharitis.AMA Arch Ophthalmol.55(2):246-53.2人の患者が、角膜炎、紅斑を伴う結膜炎、および眼瞼の腫れを経験した。これらの調査にわたって、最大曝露日量が0.5重量% BIDまでの二硫化セレンの眼への局所的な塗布は、処置を停止することになる自己限定性の角膜炎を伴った。
Ralph O Rychener博士がThygeson and Vaughan’s(1954)紙のディスカッションの終わりで次のように注意した。「二硫化セレン溶液が最初に利用可能になったとき、私は、眼瞼に使用するための何らかの軟膏をつくってくれるように Abbott Companyに依頼した。彼らは0.5重量パーセント軟膏を供給したが、我々のすべての患者が結膜の炎症についてたいへんひどく不満を述べ、在宅での処置を続けることを拒絶したため、それは強すぎると判明した。」従って、上記の投与量および潜在的に0.5重量%の二硫化セレンを含むことは、臨床の実施においてよく許容されないであろうことは、予期された。これらの研究では、より高い濃度が眼表面に対して有毒であり得ること示唆する動物データがあったため、患者は、ただ0.5重量%までの濃度を使用していた。ウサギにおいて行なわれた動物研究は、0.5重量%を超える濃度が角膜に有毒であり得ることを示した。ウサギの角膜と結膜について、0.5重量%および2.5重量%の SeSの効果が評価され、そして、54のウサギの眼における0.5重量%の使用が安全であった一方、14のウサギの眼における2.5重量% SeSの使用は、塗布後2時間以内に結膜水腫、赤み、角膜混濁、角膜浮腫、角膜染色、および侵食性潰瘍を生じたことが判明した。Rosenthal J W, et al.effect of selenium sulfide on rabbit eyes.Southern medical journal 1962。当該処置は、脂漏性眼瞼炎(眼瞼縁の皮膚の脂漏)を処置するために使用され、および、頭皮脂漏性皮膚炎はSeSの2.5重量%で処置されたのに対して、人体研究および動物実験からのデータに基づいて、潜在的利点を提供するために0.5重量%の最高濃度が支持された。これらの研究は、また、そのような副作用を回避するために、処置の投与の頻度と持続時間をも制限するものであった。さらに、患者は、それを用心深く使用し、およびそれが眼表面に接しないように、外側の眼瞼上だけに注意深く塗布するように指示された。患者はまた、いくつかの研究では、塗布の後に眼を洗浄するように指示された。Post C.Demodex Folliculorum and Blepharitis.ArchDerm 1963.
従って、MGD、または関連する疾患および障害の処置のための、自己投与することができる、安全な製剤の開発が必要とされる。
マイボーム腺は、まつげの近くで眼瞼内に垂直に配置された腺である。いくつかの例では、機能的なマイボーム腺は、涙液膜の脂質層を産生し、その結果、涙液膜を水相の蒸発から保護する。いくつかの例では、眼瞼のまばたきの力は、後方の眼瞼縁上へと油を分泌する。ある例では、この涙液膜脂質層の特徴とされる機能は、(1) まばたきの間に眼瞼の動きを容易にする潤滑剤、(2)水性の涙液の蒸発を予防するバリア、および(3)花粉などの微生物および有機物の侵入に対するバリア、である。いくつかの例では、マイボーム腺機能障害(MGD)、または脂漏症眼瞼炎の患者の視界は、涙液膜中の油が多すぎるかまたは少なすぎるなどの理由で、影響される。
マイボーム腺機能不全(MGD)は、ドライアイ症候群の主要な寄与者である。MGDは、眼瞼縁疾患の最も一般的な形態である。ドライアイ症候群は、アメリカ合衆国だけでも約2000万人の患者に発生している。MGDは、後部眼瞼炎と同義ではく、それは、眼瞼縁後部の炎症性疾病を説明する。MGDは後部眼瞼炎を引き起こし得るが、MGDは必ずしも炎症または後部眼瞼炎に関連するとは限らない場合もある。初期段階では、患者はしばしば無症候性であるが、放置されると、MGDは、ドライアイ症状および眼瞼炎を引き起こすかまたは悪化させる場合がある。脂腺は、厚くなった分泌物で閉鎖されるようになる。慢性的に妨げられた腺は、ついには油を分泌することができなくなり、結果として涙液膜およびドライアイにおける恒久的変化をもたらす。MGDの症状として、眼の乾燥、灼熱感、かゆみ、粘着性、流涙、光への敏感性、赤眼、およびかすみ眼が挙げられる。
ある一般的な例では、MGDは、端末の管閉塞および/または腺の分泌における質的/定量的変化を特徴とする。ある例では、端末の管閉塞は、導管上皮の角化亢進によって引き起こされる。いくつかの例では、マイバム(meibum 、マイボーム腺分泌脂)の質と分泌量の両方におけるこれらの変化は、涙液膜の変質、眼刺激性の症状、および蒸発性のドライアイなどの眼表面疾患を引き起こす。MGDの主要な臨床の結果は、蒸発性のドライアイ症候群であり、大規模な地域住民をベースにした研究(例えば、Bankok Study とthe Shihpai Eye Study)は、ドライアイ症状を有する患者の60%以上は、MGDも抱えていると見積もっている(Schaumberg et al, Investigative Ophthalmology and Visual Science.(2011); 52(4):1994-2005)。
現在、例えば、マイボーム腺の角質化した閉塞の除去、または、マイボーム腺のさらなる角質化した閉塞の予防を含む、MGDの処置のために有益であるとFDAに承認された薬物はない。マイボーム腺の角化閉塞を除去するための現行の技術は、物理的な除去法に限定されており、その中には患者がかなりの苦痛を感じるものもある。ある例では、MGDの期間の後に続いて、眼表面における様々な段階の炎症性または細菌性の疾患が頻繁に観察される。いくつかの例では、マイボーム腺閉塞は、事象のカスケードを引き起こし、閉塞における下流の力学的な圧力ストレスを伴ううっ血による、または増大した細菌増殖および細菌性のリパーゼ、有毒メディエータ、または炎症性メディエータの下流の放出による、ならびに、結膜、角膜、および眼瞼組織の慢性の力学的な損傷などによる、一層の悪化に結びつく。さらに、MGDを患っている多くの患者は、結膜、角膜、涙腺、または、さかずき細胞に影響して水性の欠失またはムチン欠失を引き起こす、炎症性疾患を有する。ある例では、これらの共存症の疾病は、ドライアイ症候群に結びつき、ここに満たされていない医学的ニーズがある。
そのため、MGD、ドライアイ、および関連する炎症性疾患などの眼表面障害の処置のための、化合物、方法、および製剤が本明細書に記載される。さらに、本明細書におけるいくつかの例では、そのような化合物、方法、および製剤は、本明細書に記載される治療剤を伴う療法にしばしば観察されるような自己限定性の副作用(例えば、角膜炎)を制限または排除しながら、そのような治療利益を提供するのに有用である。いくつかの例では、本明細書に提供されるそのような療法は、改善された患者コンプライアンスに少なくとも部分的に基づいて、結果として改善された治療上の有効性をもたらす。
ある実施形態では、必要とする個体において、眼または眼の周囲における疾患または障害(例えば、MGD、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(lid wiper epitheliopathy)(LWE)、または眼の酒さ)を処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、方法は、個体の眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。ある実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される治療有効量および/または治療有効濃度などで、二硫化セレン(SeS)を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量および治療有効濃度で二硫化セレン(SeS)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、約0.05重量%~約3重量%である。特定の実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、SeSの約0.1重量%から約2.5重量%である。他の特定の実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、約0.05重量%~約1重量%である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約25マイクロリットル以下(μL)の容量で、好ましくは25μL未満で、(例えば、本明細書に記載されるような手法で)個体に投与される。特定の実施形態では、前記容量は、0.1マイクロリットル(μL)から約25マイクロリットル(μL)未満である。いくつかの特定の実施形態では、投与される容量は、3マイクロリットル(μL)から約25μL未満である。ある特定の実施形態では、投与される容量は、約0.2マイクロリットル(μL)から約3マイクロリットル(μL)など、約0.1マイクロリットル(μL)から約5マイクロリットル(μL)のように低い。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5マイクロリットル(μL)から25マイクロリットル(25μL未満)の容量で、(例えば、本明細書に記載されるような手法で)個体に投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、約3マイクロリットル(μL)から25マイクロリットル(25μL未満)の容量で、(例えば、本明細書に記載されるような手法で)個体に投与される。いくつかの実施形態では、投与される容量は、約10μL以下(例えば、約3μL~約10μL)である。特定の実施形態では、投与される容量は約5μLである。特定の実施形態では、投与される容量は、約0.3マイクロリットル(μL)~約0.5マイクロリットル(μL)である。特定の実施形態では、投与される容量は、約0.3マイクロリットル~約20マイクロリットルである。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、(a)治療利益を提供し、同時に(b)副作用を許容可能なレベル(例えば、異なる活性濃度、または活性濃度と組成物容量とを有する処置に比肩または類似するなどの、患者コンプライアンスが増大される、レベル)まで低減しながら、医薬組成物を十分な量または容量において投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約25マイクロリットル(μL)以下の容量で、(例えば、本明細書に記載されるような手法で)個体に投与される。特定の実施形態では、前記容量は、25マイクロリットル(μL)未満(例えば、20未満μL)である。さらに特定の実施形態では、医薬組成物は、約0.1マイクロリットルから25マイクロリットル(μL)未満の容量で、(例えば、本明細書に記載されるような手法で)個体に投与される。いくつかの特定の実施形態では、前記容量は、3マイクロリットル(μL)から25マイクロリットル(μL)未満である。ある特定の実施形態では、投与される容量は、約0.2マイクロリットル(μL)から約3マイクロリットル(μL)など、約0.1マイクロリットル(μL)から約5マイクロリットル(μL)のように低い。いくつかの実施形態では、投与される容量は、約10μL以下(例えば、約3μL~約10μL)である。特定の実施形態では、投与される容量は約5μLである。いくつかの実施形態では、投与される容量は、約0.3マイクロリットル(μL)~約0.5マイクロリットル(μL)である。特定の実施形態では、投与される容量は約0.3マイクロリットルである。
ある実施形態では、医薬組成物および/または同医薬組成物を投与する方法は、実質的に角膜炎を引き起こさない。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、(a)治療利益を提供し、同時に(b)副作用を許容可能なレベル(例えば、異なる活性濃度、または活性濃度と組成物容量とを有する処置に比肩または類似するなどの、患者コンプライアンスが増大される、レベル)まで低減しながら、医薬組成物を、特に、本明細書に記載される量または容量を有する組成物中で投与される場合、十分な濃度において投与することを含む。ある例では、十分に小さな容量(例えば、25未満μL)で投与された場合など、本明細書の実施例などでは、二硫化セレン(SeS)を含む組成物が、高濃度(例えば、0.5重量%超)においてさえ、治療的な塗布においてよく許容されることが、思いがけず示された。いくつかの実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、約3重量%までなど、約0.05重量%以上である(例えば、約0.1重量%~約3重量%、少なくとも0.5重量%~約3重量%、約0.75重量%~約3重量%)。特定の実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、SeSの約0.1重量%~約2.5重量%である(例えば、約0.1重量%~約2.5重量%、少なくとも0.5重量%~約2.5重量%、約0.75重量%~約2.5重量%)。ある実施形態では、治療有効濃度は、SeSの約1.0重量%~約0.5重量%を含む。
ある実施形態では、SeSの治療有効量は、投与される濃度と容量に拘束される。様々な実施形態において、SeSの治療有効量は、任意の適切な量であり、約1マイクログラム~約1mgなど、約1mg~約10mgなど、約2mg~約8mgなど、約3mg~約6mg、または約4mgなどである。
本明細書に提供される様々な実施形態では、医薬組成物は、任意の適切な形態または製剤にある。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、半固形として製剤化される。ある実施形態では、医薬組成物は軟膏である。様々な実施形態において、軟膏は、任意の適切な担体または他の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される軟膏は、ペトロラタムである。ある実施形態では、医薬組成物は、クリーム、ゲル、またはローションである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、溶液、懸濁液、またはエマルジョンである。ある実施形態では、医薬組成物は、ナノ粒子、微粒子、および/またはリポソーム(例えば、懸濁液中の)を含む。
ある実施形態では、本明細書に提供されるかそうでなければ記載される組成物は、本明細書に記載される量または容量においてなど、任意の適切な手法で、および/または、任意の適切なデバイスか塗布具を利用して、投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、約0.1マイクロリットル(μL)から25μL未満(例えば、約5μLから25未満μL)など、約0.3マイクロリットル(μL)から約20マイクロリットルμLなど、約25μL以下(好ましくは、25μL未満)の容量を送達するように構成されたデバイスなどの、デバイスを使用して提供される。さらに特定の実施形態では、デバイスは、本明細書に提供される開示に従って投与されると記載される容量を送達するように構成される。ある実施形態では、医薬組成物は、デバイスまたはその塗布具を利用するなどして、眼表面、周囲の眼組織、またはその組合わせに対して、直接投与される。代替的な実施形態では、医薬組成物は、デバイスを利用するなどして、指に投与され、その後、医薬組成物は、(例えば、指を介して)、眼表面、周囲の眼組織、またはその組合わせに、投与される。
ある実施形態では、デバイス、またはその塗布具は、有効容量を投与するように構成される。デバイスまたはその塗布具が所望の領域に有効容量を直接投与するようないくつかの実施形態では、デバイス、またはその塗布具は、本明細書に提供される方法の様々な実施形態において記載される医薬組成物の容量と一致する容量の医薬組成物を送達する。特定の実施形態では、デバイス、またはその塗布具は、約0.1マイクロリットル(μL)から約25マイクロリットル(μL)など、(例えば、約5μLから25μL未満)、約0.3マイクロリットル(μL)から約20マイクロリットルμLなど、約25μL以下の容量を送達する。特定の実施形態では、投与される容量は、約3マイクロリットル(μL)から25μL未満である。いくつかの実施形態では、投与される容量は、約10μL以下など(例えば、約3μL~約10μL)、約20μL以下である。特定の実施形態では、投与される容量は約5μLである。送達は個体の指、医療提供者の指、または塗布具(例えば、デバイスの部品ではない)への送達であるいくつかの実施形態では、指示された位置への指示された量の送達を容易にするなどのため、少しの過剰な容量(例えば、50%まで、30%まで、20%まで、または10%までなど)が、デバイスによって送達および/または供給される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に提供される記載と一致しているような、任意の適切な表面に投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、個体の眼瞼、個体のまつ毛、またはその組合わせに投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼瞼の眼瞼縁に投与(例えば、直接)または送達される。
様々な実施形態において、どんな適切な個体も、指示されたかまたは所望の位置に医薬組成物を投与する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の処置を受ける個体によって投与される。他の実施形態では、医薬組成物は医療の提供者によって投与される。
ある実施形態では、本明細書に提供される処置の方法は、そのような処置に反応する眼または眼の周囲の疾患または障害(例え、ばMGD)などの、眼または眼の周囲のあらゆる適切な疾患または障害(例えばMGD)の処置のためのものである。いくつかの実施形態では、眼または眼の周囲における疾患または障害は、マイボーム腺機能障害(MGD)、眼瞼炎、または脂漏性眼瞼炎によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、眼または眼の周囲の疾患または障害は、過角化症に関連づけられる。ある実施形態では、眼または眼の周囲の疾患または障害は、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(LWE)、または眼の酒さである。
ある実施形態では、本明細書に提供される処置の方法は、例えば、記載された手法での医薬組成物の投与を複数の回含む。いくつかの実施形態では、そのような複数の投与は、1日1回、1日2回、毎日少なくとも3回、一日おき、3日ごとに1回、週1回、など、所定のスケジュールで投与される。
いくつかの実施形態では、必要とする個体において、眼または眼の周囲における疾患または障害(例えば、MGD、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(LWE)、または眼の酒さ)を処置する方法が本明細書に提供され、前記方法は、投与レジメンにおいて、個体の眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに治療有効量の医薬組成物を投与することを含み;前記医薬組成物は、二硫化セレン(SeS)の治療有効量を含み;前記医薬組成物は、治療有効濃度で治療有効量のSeSを含み、前記治療有効濃度は約0.1重量%~約2.5重量%であり;および、投与レジメンの各投与中に、前記医薬組成物は、約25マイクロリットル(μL)以下の容量で投与される。
ある実施形態では、本明細書に提供されるいずれの方法の投与レジメンも、少なくとも第1回と少なくとも第2回の、医薬組成物の投与を含む(例えば、第1と第2の両方の投与の間、本明細書に述べられるとおりの容量で)。いくつかの実施形態では、第2回は、第1回の、少なくとも6時間後、少なくとも12時間後、少なくとも24時間後、またはそれ以上の時間後に行われる。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも2回の投与(例えば、少なくとも3回の投与、少なくとも4回の投与、またはそれ以上)にわたり、少なくとも週1回、医薬組成物を投与すること含む。ある実施形態では、投与レジメンは、週2回である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、毎日1回である。
また、本明細書では、医薬組成物が一定の実施形態において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の方法において記載される、任意の医薬組成物が本明細書に提供される。同様に、本明細書に提供される様々な実施形態では、本明細書に提供される方法は、本明細書に提供される任意の医薬組成物を投与することを含む。ある実施形態では、治療有効量の二硫化セレン(SeS)を含む医薬組成物が、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療上効果的な濃度においてSeSを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物は、(a)治療利益を提供し、同時に(b)副作用を許容可能なレベル(例えば、異なる活性濃度、または活性濃度と組成物容量とを有する処置に比肩または類似するなどの、患者コンプライアンスが増大される、レベル)まで低減しながら、医薬組成物を十分な量または容量において投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、容量(例えば、組成物の容量がより大きな類似物の塊から離散または分離して、約25マイクロリットル以下の容量(例えば、好ましくは25μL未満)であるような、容量(離散的な容量)を有している。特定の実施形態では、医薬組成物は、約0.1μLから25μL未満、約3マイクロリットル(μL)から25μL未満の(例えば、離散的な)容量を有している。いくつかの実施形態では、(例えば、離散的な)容量は、約10μL以下(例えば、約3μL~約10μL)である。特定の実施形態では、(例えば、離散的な)容量は、約5μLである。いくつかの実施形態では、(例えば、離散的な)容量は、約20μL~約0.3μLである。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物は、(a)治療利益を提供し、同時に(b)副作用を許容可能なレベル(例えば、異なる活性濃度、または活性濃度と組成物容量とを有する処置に比肩または類似するなどの、患者コンプライアンスが増大される、レベル)まで低減するために、二硫化セレンを、特に、組成物が本明細書に記載される量または容量を有するとき、十分な濃度で含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、約0.05重量%~約3重量%である。特定の実施形態では、医薬組成物における二硫化セレン(SeS)の治療有効濃度は、SeSの約0.1重量%~約2.5重量%である。ある実施形態では、前記治療有効濃度は、約1.0重量%~約0.5重量%のSeSを含む。
ある実施形態では、二硫化セレン(SeS)の治療は、投与される濃度と容量に拘束される。様々な実施形態において、SeSの量は、約1マイクログラム~約10mgなど、約1mg~約10mgなど、約2mg~約8mgなど、約3mg~約6mg、または約4mgなどの、任意の適切な量である。
本明細書に提供される様々な実施形態では、医薬組成物は、あらゆる適切な形態または製剤にある。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、半固体として製剤化される。ある実施形態では、医薬組成物は軟膏である。様々な実施形態において、軟膏は、任意の適切な担体または他の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される軟膏は、ペトロラタムである。
ある実施形態では、本明細書に提供または記載された組成物は、あらゆる適切なデバイスまたは塗布具と組み合わされる(例えば、キットにおいて)。特定の実施形態では、デバイスは、約25μL以下(例えば、好ましくは25μL未満)の容量を送達するように構成される。より特定の実施形態では、デバイスは、本明細書に提供される開示に従って投与されると記載された容量を送達するように構成される。ある実施形態では、医薬組成物は、眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに、デバイスまたはその塗布具を利用するなどして、直接投与される。代替的な実施形態では、医薬組成物は、デバイスを利用するなどして、指に投与され、その後、医薬組成物は、(例えば、指を介して)、眼表面、周囲の眼組織、またはその組合わせに、投与される。ある実施形態では、デバイス、またはその塗布具は、有効容量を投与するように構成される。デバイスまたはその塗布具が所望の領域に有効容量を直接投与するようないくつかの実施形態では、デバイス、またはその塗布具は、本明細書に提供される方法の様々な実施形態において記載される医薬組成物の容量と一致する容量の医薬組成物を送達する。特定の実施形態では、デバイス、またその塗布具は、0.1μLから25未満μL(例えば、3マイクロリットル(μL)から25μL未満)などの、25μL未満の容量を送達する。特定の実施形態では、前記容量は、約5マイクロリットル(μL)から25μL未満である。いくつかの実施形態では、容量は、約10以下(例えば約10μLに約3μL)μLである。特定の実施形態では、容量は約5μLである。送達は個体の指、医療提供者の指、または塗布具(例えば、デバイスの部品ではない)への送達であるいくつかの実施形態では、指示された位置への指示された量の送達を容易にするなどのため、少しの過剰な容量(例えば、50%まで、30%まで、20%まで、または10%までなど)が、デバイスによって送達および/または供給される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼科的目的のために製剤化され、および/または、眼科的に安全である。ある実施形態では、医薬組成物は界面活性剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は実質的に角膜炎を生じさせない。
別の態様において、本明細書ではキットが提供され、該キットは:2本以上の生成物チューブであって、各生成物チューブが半固形生成物を有して、半固形生成物を含有している、2本以上の生成物チューブと、ディスペンサーとを含む。いくつかの実施形態では、キットは、塗布具、取扱説明書、鏡、およびワイプのうち少なくとも1つをさらに含む。
本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本開示の特徴と利点についてのよりよい理解は、本開示の原則が用いられている例証的な実施形態と添付の図面を説明する以下の詳細な記載を参照することによって得られる:
例示的な、正常に機能しているまぶたの横断面の模式図を眼表面との関連において図示する。 白ウサギへの医薬組成物の塗布の具体例である。 例示的な計量投与量を下瞼に投与されたウサギの画像を例示する。 例示的な計量投与量を下瞼に投与されたウサギの画像を例示する。 眼瞼縁にわたる、低容量(0.3mg)ペトロラタム組成物の均等な広がりを示す、下眼瞼縁の画像である。 一時的な、下眼瞼縁の中央および鼻腔領域にわたる、別の低容量(0.4mg)ペトロラタム組成物の均等な広がりを示す、下眼瞼縁の画像である。
本明細書において、眼表面、周囲の眼組織、またはその組合わせに(例えば、眼瞼縁などの、眼瞼に)二硫化セレンを投与することによって、眼の周囲の疾患(例えば、マイボーム腺機能不全(MGD)、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(LWE)、眼の酒さ、霰粒腫、麦粒腫、または感染症(例えば、細菌性、霰粒腫、麦粒腫、菌類、ウイルス))、および/または、MGDに関連する眼瞼炎などの、関連する障害を処置するための、医薬組成物および方法が記載される。本明細書に説明された薬剤は、例えば、医師または他の訓練された専門家による使用のための急性の治療ための薬剤、および、例えば、医師または他の訓練された専門家、または患者のいずれかによって使用される、慢性の治療ための薬剤を含む。ある実施形態では、治療有効濃度の二硫化セレン(SeS)を含む医薬組成物が、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、治療有効量の二硫化セレン(SeS)を含む医薬組成物が、本明細書において提供される。ある実施形態では、治療有効容量を含む医薬組成物(例えば、治療有効濃度の二硫化セレン(SeS)と組み合わされた)が、本明細書において提供される。また、そのような組成物を投与することを含む、(例えば、眼の)Demodexなどの、処置の方法が、本明細書において提供される。
用語「マイボーム腺機能不全」および「MGD」は、本明細書中で交換可能に使用され、マイボーム腺の慢性でびまん性である異常を指し、これは、末端管の閉塞物、または、腺の分泌物中の質的または量的な変化、またはその両方を特徴としている。MGDは結果として、涙液膜の粘度の変化、眼の刺激性症状、炎症、または眼表面疾患をもたらすことがある。MGDの最も顕著な態様は、マイボーム腺の開口部および末端管の閉塞、およびマイボーム腺分泌物中の変化である。MGDはマイボーム腺の機能的異常も指す一方で、「マイボーム腺疾患」は、新生物および先天性疾患を含む、広範囲のマイボーム腺の障害を説明する。
図1は、例示的な眼表面および眼瞼の一部の模式図を図示する。図に示されるように、眼瞼の末端に、眼まつげを観察することができる。まつげから内部へ移動して、眼瞼の内側表面は、まつげの近くに位置した重層偏平上皮領域を含む。さらに、眼瞼の内側表面に沿って、重層偏平上皮は、眼瞼ワイパー領域へと続き、眼瞼ワイパー領域は、眼表面(またはコンタクトレンズ)と接触する内側表面領域である(例えば、通常機能する眼瞼において)。いくつかの例では、個体がコンタクトレンズ不快(CLD)または眼瞼ワイパー上皮症(LWE)を抱えているとき、眼瞼の内側表面の他の部分も眼表面と接触する場合がある。眼瞼ワイパー領域から移動すると(例えば、まつげに対して遠位の方角に眼瞼の内側表面に沿って移動)、眼瞼の内側表面は、眼瞼下ひだ領域および重層円柱上皮領域を含む。いくつかの例では、眼瞼結膜は、眼瞼ワイパー領域においてリーディングエッジを有するように、眼瞼の内表面のすべてまたは一部にわたって延在する。
いくつかの実施形態では、二硫化セレン含有剤(例えば、二硫化セレン(SeS))は、例えば、マイボーム腺の回復など、MGDの処置で、使用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される薬剤は、本明細書における方法において、急性治療(例えば、訓練された専門家、医師、または患者による)、或いは慢性治療(例えば、患者の手で、或いは代替的に、訓練された専門家、またはは医師による)として投与される。ある実施形態では、本明細書に提供されるどんな方法も、個体(例えば、それを必要とする個体)の眼瞼に、本明細書に記載される薬剤または組成物を投与することを含む。特定の実施形態では、薬剤および/または組成物の投与は、それを必要とする患者の眼瞼縁への薬剤または組成物の(本明細書に記載されるとおりの量および/または濃度における)局所的投与を含む。いくつかの例では、眼瞼縁は、図1において図示されるように、結膜と皮膚の接合部およびその周囲の領域におけるような、眼瞼のエッジを含み、および/または、まつ毛および/またはマイボーム腺の開口部を含む。
いくつかの実施形態では、活性薬剤は、眼の表面に対して許容可能となるように(すなわち、眼の上皮表面に過度の刺激または破壊をもたらさない)、および、組成物に接する脂質産生細胞を損傷しないように、製剤化され、および塗布される。
いくつかの実施形態では、組成物は、薬剤を投与する医師または患者にとって許容可能かつ実際的な、ある持続時間および頻度の間、塗布される。例えば、医師は、数週間にわたって週1回または週2回、本明細書に記載される組成物を塗布することで、マイボーム腺から分泌される脂質の増加を誘発し、および、患者は異なる組成物を日次で塗布するか、または、数週間にわたってより強力な組成物を日次で使用し、続けて、その後、それより強力でない組成物を日次で使用する。いくつかの実施形態では、組成物は、患者によって日次で1日1回または数回塗布される。
いくつかの実施形態では、薬剤の濃度および/または脂質欠失の程度に依存して、塗布の方法は変わる。他の実施形態では、組成物の使用方法は、治療の効果を増強するために、標的組織における浸透または滞留時間を増大するように調整される。他の実施形態では、組成物の使用方法は、標的組織における浸透または滞留時間を増大して、必要とされる塗布時間の量を最小化するために、変えられる。他の実施形態では、組成物は、眼を含む標的としない組織との接触を最小化し、および従って、あらゆる望まれない付随的な活性を制限または低減させながら、標的組織との接触を増加させるように製剤化される(例えば、粘度および/または皮膚への粘着性を調節することによって)。
ある実施形態では、活性剤と賦形剤の濃度は、治療効果を達成する一方で、あらゆる眼球刺激または破壊、或いは周囲の眼の組織への刺激または破壊を最小限にするために、最小有効濃度の活性剤を送達するように最適化される。
本明細書におけるいくつかの実施形態では、マイボーム腺機能不全の処置などに有用な組成物が記載される。前記組成物は、無水の二硫化セレン(SeS)を含み、ここで、SeSは凝集されない手法で無水ビヒクルに分散され、SeSの分散液は、界面活性剤、懸濁化剤、または分散剤を使用せずに物理的および化学的に安定しており、および、前記組成物は、賦形剤を含有しておらず、かつ重大な刺激を引き起こさない。
いくつかの例では、SeSを水性媒体と接触させることにより、5~10ミクロンの平均サイズのSeS粒子が、50~500ミクロンの平均サイズの大きな集合対を形成するように、即時かつ自発的な凝集を引き起こすことができる。いくつかの例では、市販の生成物(例えば、Sebosel(商標))に含まれるSeSは、そのような集合体中に存在する。ある例では、界面活性剤および/または懸濁剤を含む組成物が利用され、例えば、その局所塗布を可能にするように、液体および半固体の剤形でSeS懸濁液を安定化するのに十分な量などで、利用される。しかし、界面活性剤の使用は、多くの場合、二硫化セレンの眼球投与において、負の結果または副作用をもたらすことになる。本明細書のいくつかの好ましい実施形態では、本明細書で提供される組成物および/または本明細書で提供される方法において投与される組成物は、界面活性剤を含まない。ある例では、界面活性剤の欠如にもかかわらず、本明細書で提供される組成物は、本明細書に記載の濃度および/または容量で投与された場合などで、依然として治療上有益な結果をもたらす。
眼の障害を処置する方法
ある態様では、必要とする個体において、眼に、または眼の周囲に関する疾患または障害(例えば、MGD、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(LWE)、または眼の酒さ)を処置する方法が本明細書に提供され、前記方法は、個体の眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、前記医薬組成物は、二硫化セレン(SeS)の治療有効量を含み;前記医薬組成物は、治療有効濃度で治療有効量のSeSを含み、前記治療有効濃度はSeSの約0.1重量%~約2.5重量%であり;および、医薬組成物は、約25マイクロリットル(μL)以下(例えば、好ましくは25μL未満)の容量で投与される。
別の態様では、必要とする個体において、眼または眼の周囲における疾患または障害(例えば、MGD、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(LWE)、または眼の酒さ)を処置する方法が本明細書に提供され、前記方法は、投与レジメンにおいて、個体の眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに治療有効量の医薬組成物を投与することを含み;前記医薬組成物は、二硫化セレン(SeS)の治療有効量を含み;前記医薬組成物は、治療有効濃度で治療有効量のSeSを含み、前記治療有効濃度は約0.1重量%~約2.5重量%であり;および、投与レジメンの各投与の間に、医薬組成物は25μL未満の容量で投与される。
いくつかの実施形態では、眼の、またはその周辺の疾患または障害は、遺伝性または後天性の形質である。いくつかの実施形態では、眼または眼の周囲の疾患または障害は、生物的または非生物的環境要因から発生する(例えば、温度、太陽による損傷、微小環境(例えば、細菌、霰粒腫、麦粒腫、真菌、ダニ)、食事など)。いくつかの実施形態では、眼または眼の周囲の疾患または障害は、例えば、MGD、眼瞼炎、脂漏性の眼瞼炎、ドライアイ、霰粒腫、乾性角結膜炎、シェーグレン症候群、角膜炎、コンタクトレンズ不快(CLD)、眼瞼ワイパー上皮症(LWE)、眼の酒さ、またはまたはそれらのいずれかの組合わせである。いくつかの実施形態では、眼の、または周囲の疾患または障害は、過角化症と関連づけられる。
いくつかの実施形態では、治療有効濃度は、少なくとも、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.15重量%、約0.2重量%、約0.25重量%、約0.3重量%、約0.35重量%、約0.4重量%、約0.45重量%、約0.5重量%、約0.55重量%、約0.6重量%、約0.65重量%、約0.7重量%、約0.75重量%、約0.8重量%、約0.85重量%、約0.9重量%、約0.95重量%、約1.0重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、またはそれ以上の、二硫化セレン(SeS)を含む。いくつかの実施形態では、治療有効濃度は、最大で、約5.0重量%、約4.0重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、約1.75重量%、約1.5重量%、約1.25重量%、約1.0重量%、約0.95重量%、約0.9重量%、約0.85重量%、約0.8重量%、約0.75重量%、約0.70重量%、約0.65重量%、約0.60重量%、約0.55重量%、約0.5重量%、約0.45重量%、約0.4重量%、約0.35重量%、約0.3重量%、約0.25重量%、またはそれ未満を含む。いくつかの実施形態では、治療上有効な濃度は、約0.01重量%~約10.0重量%、約0.01重量%~約5.0重量%、約0.01重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約1.0重量%を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物の容量または本明細書に提供される方法を用いて投与される医薬組成物の容量は、最大で約30μL、約25μL、最大で約20μL、最大で約15μL、最大で約10μL、最大で約5μL、最大で約4μL、最大で約3μL、最大で約2μL、最大で約1μL、最大で約0.5μLなどである。いくつかの実施形態では、容量は、少なくとも約0.01マイクロリットル(μL)、少なくとも約0.05μL、少なくとも約0.1μL、少なくとも約0.2μL、少なくとも約0.3μL、少なくとも約0.4μL、少なくとも約0.5μL、少なくとも約0.6μL、少なくとも約0.7μL、少なくとも約0.8μL、少なくとも約0.9μL、少なくとも約1μL、少なくとも約5μL、約10μL、約15μL、約20μL、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、容量は、約0.01μL~約50μL、約0.1μL~約30μL、約0.5μL~25μL、約1μL~25μL、約10μL~25μL、約0.5μL~1μL、約0.5μL~約2μL、約0.5μL~約5μL、約2μL~約5μL、約4μL~約12μL、約10μL~約15μL、約15μL~約20μL、約20μL~約25μL、約1μL~25μL未満、約10μL~25μL未満、または約2.5μL~約10μLである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は離散的な医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、SeSの治療有効量は、少なくとも約0.1ミリグラム(mg)、少なくとも約0.2mg、少なくとも約0.3mg、少なくとも約0.4mg、少なくとも約0.5mg、少なくとも約0.6mg、少なくとも約0.7mg、少なくとも約0.8mg、少なくとも約0.9mg、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約2.5mgなどである。いくつかの実施形態では、二硫化セレン(SeS)の治療有効量は、約25mg以下、約15mg以下、約10mg以下、約7.5mg以下、約5mg以下、約1mg以下、または約0.1mg以下である。いくつかの実施形態では、SeSの治療有効量は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約8mg、約10mgなどである。いくつかの実施形態では、SeSの治療有効量は約4mgである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は軟膏である。いくつかの実施形態では、軟膏は、例えば、炭化水素系、吸収系、水溶性系、乳化系、植物系などである。いくつかの実施形態では、軟膏は、例えば、ハードパラフィン、ソフトパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セルシン、羊毛脂、ミツロウ、マクロゴール、乳化剤、オリーブ油、ヤシ油、ゴマ油、アーモンド油、落花生油、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、軟膏は、例えば、ぺトロリュームゼリー(petroleum jelly)またはペトロラタムなどの、ソフトパラフィンである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、最大約30μL、最大約25μL、最大約20μL、最大約15μL、最大約10μL、最大約5μL、最大約2μL、最大約1μL、最大約0.5μL、最大約0.4μL、最大約0.3μL、最大約0.2μL、最大約0.1μL、最大約0.05μL、最大約0.01μLなどの容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約0.01μL、少なくとも約0.05μL、少なくとも約0.1μL、少なくとも約0.5μL、少なくとも約1μL、少なくとも約5μL、約10μL、約15μL、約20μL、またはそれ以上の容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.01μL~約50μL、約0.1μL~約30μL、約0.5μL~25μL(例えば、25μL未満)、約1μL~25μL(例えば、25μL未満)、約10μL~25μL(例えば、25μL未満)、約0.5μL~約1μL、約0.5μL~約2μL、約0.5μL~約5μL、約2μL~約5μL、約4μL~約12μL、約10μL~約15μL、約15μL~約20μL、約20μL~約25μL、約1μL~25μL未満、約10μL~25μL未満、または約2.5μL~約10μLの容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、離散的な容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約25μL以下(例えば、好ましくは25μL未満)の容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、約5μlの容量を送達する。いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.5μLの容量を送達する。いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.4μLの容量を送達する。いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.3μLの容量を送達する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の眼瞼、個体のまつ毛、またはその組合わせに投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の眼瞼に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の1つを超える眼瞼に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の各眼瞼に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体のまつ毛に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の1つを超えるまつ毛に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の各まつ毛に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の眼瞼とまつ毛の両方に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の各眼瞼および各まつ毛に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼瞼の眼瞼縁に送達される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、各眼瞼の眼瞼縁に送達される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の眼瞼の眼瞼縁とまつ毛に送達される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の各眼瞼の眼瞼縁と各まつ毛に送達される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の処置を受ける個体によって投与される。いくつかの実施形態では、個体は塗布具を使用して、医薬組成物を塗布する。いくつかの実施形態では、塗布具は、個体の眼瞼、個体のまつ毛、またはその組み合わせに医薬組成物を送達するの支援する物体である。いくつかの実施形態では、個体は指を使用して、医薬組成物を塗布する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼または周囲の組織に対する刺激を生じさせない界面活性剤を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は実質的な角膜炎を生じさせない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼に実質的な赤みを生じさせない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼、周囲の組織、またはその組み合わせに対する実質的な刺激を生じさせない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載されているような、結果的に使用中止および/または治療プロトコルを伴うコンプライアンスにつながる副作用を(例えば、少なくとも50%大きい、少なくとも100%大きい、少なくとも150%大きい、少なくとも200%大きいなどの、より大きな容量の医薬組成物を利用する、比肩するかまたは類似する投与方法に対して)減少させるか、または排除する。
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも第1回、および少なくとも第2回の、医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも第2回は、少なくとも第1回から、少なくとも約15分後、約30分後、約1時間後、約2時間後、約4時間後、約6時間後、約12時間後、約24時間後、36時間後、48時間後、72時間後、5日後、7日後、あるいはそれ以上の時間後に行なわれる。いくつかの実施形態では、少なくとも第2回は、少なくとも第1回から、最大約7日後、約5日後、約72時間後、約48時間後、約36時間後、約24時間後、約12時間後、約6時間後、4時間後、2時間後、1時間後、30分後、15分後、またはそれ以下の時間後に行なわれる。いくつかの実施形態では、少なくとも第2回は、少なくとも第1回から、約7日~15分、約2日~約24時間、約24時間~約1時間、または約12時間~30分などの、時間後に行なわれる。いくつかの実施形態では、第1回に投与される医薬組成物は、第2回に投与される医薬組成物とは異なる時点(例えば、第3、第4、第5などの追加の回)で塗布される。例えば、医薬組成物の投与の第1回と第2回とは、特定の投与量の同じ投与中に、特定の投与量が2回投与されることを意味しなくてもよく、むしろ、全投与量(例えば、本明細書に提供される容量パラメータを有する)が第1回に投与され、別の全投与量(例えば、本明細書に提供される容量パラメータを有する)が第2回に投与され、これらの投与の各々が指示された投与間隔で塗布され得るということである。
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、マイボーム腺分泌が改善されるまで医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、疾患または障害の再発を予防するために医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、疾患または障害が治癒するまで医薬組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも2回の投与、少なくとも3回の投与、少なくとも4回の投与、少なくとも5回の投与、少なくとも6回の投与、少なくとも7回の投与、少なくとも8回の投与、少なくとも9回の投与、少なくとも10回の投与、少なくとも20回の投与、少なくとも30回の投与、少なくとも40回の投与、少なくとも50回の投与、またはそれ以上の投与にわたり、少なくとも週1回、医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも週2回(例えば、週3回、週4回、週5回など)である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは週2回である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、少なくとも1日1回である(例えば、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回など)。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、1日に数回である。
医薬組成物
ある態様では、治療有効量の二硫化セレン(SeS)を含む医薬組成物が、本明細書において提供され、前記医薬組成物は、治療有効濃度で治療有効量のSeSを含み、治療有効濃度は、SeSの約0.1重量%~約2.5重量%であり、ここで医薬組成物は、約25マイクロリットル(μL)以下(例えば、好ましくは25μL未満)の容量を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼または周囲の組織に対する刺激を生じさせない界面活性剤を含む。
いくつかの実施形態では、治療有効濃度は、少なくとも、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.15重量%、約0.2重量%、約0.25重量%、約0.3重量%、約0.35重量%、約0.4重量%、約0.45重量%、約0.5重量%、約0.55重量%、約0.6重量%、約0.65重量%、約0.7重量%、約0.75重量%。約0.75重量.%,約0.8重量.%,約0.85重量%,約0.9重量%,約0.95重量%,約1.0重量%,約1.25重量%,約1.5重量%,約1.75重量%,約1.2.0重量%、2.5重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、またはそれ以上の二硫化セレン(SeS)を含む。いくつかの実施形態では、治療有効濃度は、最大で、約5.0重量%、約4.0重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、約1.75重量%、約1.5重量%、約1.25重量%、約1.0重量%、約0.95重量%、約0.9重量%、約0.85重量%、約0.8重量%、約0.75重量%、約0.70重量%、約0.65重量%、約0.60重量%、約0.55重量%、約0.5重量%、約0.45重量%、約0.4重量%、約0.35重量%、約0.3重量%、約0.25重量%、またはそれ未満を含む。いくつかの実施形態では、治療有効濃度は、約0.01重量%~約10.0重量%、約0.01重量%~約5.0重量%、約0.01重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約1.0重量%を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法を用いて投与される医薬組成物の容量または医薬組成物の容量は、最大で約30μL、約25μL(例えば、好ましくは25μL未満)、最大で約20μL、最大で約15μL、最大で約10μL、最大で約5μLなどである。いくつかの実施形態では、容量は、少なくとも約0.01マイクロリットル(μL)、少なくとも約0.05μL、少なくとも約0.1μL、少なくとも約0.3L、少なくとも0.4μL、少なくとも0.5μL、少なくとも約1μL、少なくとも約5μL、約10μL、約15μL、約20μL、またはそれ以上の容量である。いくつかの実施形態では、容量は、約0.01μL~約50μL、約0.1μL~約30μL、約0.1μL~約0.5μL、約0.5μL~25μL(例えば、25μL未満)、約1μL~25μL(例えば、25μL未満)、約10μL~25μL(例えば、25μL未満)、または約2.5μL~約10μLである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、離散的医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、治療有効量のSeSは、少なくとも約0.1ミリグラム(mg)、少なくとも約0.2mg、少なくとも約0.3mg、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約2.5mgなどである。
いくつかの実施形態では、二硫化セレン(SeS)の治療有効量は、約25mg以下、約15mg以下、約10mg以下、約7.5mg以下、約5mg以下、約1mg以下、または約0.1mg以下である。いくつかの実施形態では、SeSの治療有効量は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約8mg、約10mgなどである。いくつかの実施形態では、SeSの治療有効量は約4mgである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は軟膏である。いくつかの実施形態では、軟膏は、例えば、炭化水素系、吸収系、水溶性系、乳化系、植物系などである。いくつかの実施形態では、軟膏は、例えば、ハードパラフィン、ソフトパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セルシン、羊毛脂、ミツロウ、マクロゴール、乳化剤、オリーブ油、ヤシ油、ゴマ油、アーモンド油、落花生油、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、軟膏は、例えば、ヘトロラタムゼリーまたはペトロラタムなどの、ソフトパラフィンである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、最大約30μL、最大約25μL(例えば、25μL未満)、最大約20μL、最大約15μL、最大約10μL、最大約5μL、最大約4μL、最大約3μL、最大約1μL、最大約2μL、最大約0.5μL、最大約0.4μL、最大約0.3μL、最大約0.2μL、最大約0.1μL、最大約0.05μL、最大約0.01μLなどの容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約0.01μL、少なくとも約0.05μL、少なくとも約0.1μL、少なくとも約0.5μL、少なくとも約1μL、少なくとも約5μL、約10μL、約15μL、約20μL、またはそれ以上の容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.01μL~約50μL、約0.1μL~約30μL、約0.5μL~25μL(例えば、25μL未満)、約1μL~25μL(例えば、25μL未満)、約10μL~25μL(例えば、25μL未満)、約0.5μL~約1μL、約0.5μL~約2μL、約0.5μL~約5μL、約2μL~約5μL、約4μL~約12μL、約10μL~約15μL、約15μL~約20μL、約20μL~約25μL、約1μL~25μL以下、約10μL~25μL未満、または約2.5μL~約10μL、または約2.5μL~約10μLの容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、離散的な容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、25μL未満の容量を送達するデバイスを使用して提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、約5μlの容量を送達する。いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.5μLの容量を送達する。いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.4μLの容量を送達する。いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.3μLの容量を送達する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は実質的な角膜炎を生じさせない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼に実質的な赤みを生じさせない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、眼、周囲の組織、またはその組み合わせに対する実質的な刺激を生じさせない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は眼科的に安全である。
ある実施形態では、二硫化セレンは、SeSに近似する組成を有する。いくつかの実施形態では、二硫化セレンは、可変数のSおよびSe原子を包含するSe-S環を含む。いくつかの実施形態では、Se原子の数対S原子の数は、1対2、1対3、2対3、2対4、2対5、3対5、3対6、3対7、4対6、4対7、4対8、4対9、4対10、または一般にSenS8-nである。いくつかの実施形態では、二硫化セレンには1、2、3-Se3S5の組成物がある。いくつかの実施形態では、二硫化セレンは、1,2,3-Se3S5の組成を有する。いくつかの実施形態では、二硫化セレンはSeSの組成物を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、薬学的に適切または許容可能な担体(例えば、薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、または生理学的に適切な(または許容可能な)担体)をさらに含む。いくつかの実施形態では、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro, 21st Ed.Mack Pub.Co., Easton, PA (2005))に記載された特定の賦形剤などの、あらゆる適切な賦形剤が、任意選択的に利用される。
安定した無水の二硫化セレン組成物を利用する処置の方法
本明細書において、必要とする患者のマイボーム腺機能不全を処置する方法が記載され、前記方法は、必要とする患者の眼瞼縁に安定した無水の二硫化セレン組成物を局所的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、医療従事者に支援されて塗布される。急性的使用は、一実施形態では、より強い安定した無水の二硫化セレン製剤を必要とする(二硫化セレンの濃度、または二硫化セレンの本来の活性の、いずれかの点で)。維持的使用は、一実施形態において、より低濃度の二硫化セレンの使用、または本来の活性が低い二硫化セレンの使用を可能にする。1つの実施形態において、急性的使用は医療従事者により行われ、維持的使用は患者または非医療従事者により行われる。いくつかの実施形態では、急性的および維持的の両方の使用は、患者または非医療従事者によって行なわれる。いくつかの実施形態では、投与は、医療従事者の積極的な援助を伴わないが、むしろ、患者が自身の眼瞼縁に安定した無水の二硫化セレン製剤を塗布することになる。一実施形態では、そのような投与は長期間にわたって行なわれ;この、患者によって投与される複数回投与の形態は、慢性的使用と言うことができる。
本明細書では、必要とする患者においてマイボーム腺機能不全を処置するための方法が提供され、前記方法は、患者の眼瞼縁に到達する組成物を患者に局所的に投与することを含み、ここで前記組成物は、治療有効量の、安定した無水の二硫化セレン組成物を含む。
一実施形態は、組成物における安定した無水の二硫化セレンの濃度が、約0.1%(例えば、重量で(重量%))から約10%(例えば、重量で)の間にある、方法を提供する。組成物における安定した無水の二硫化セレンの濃度は、約10重量%未満、9.5重量%未満、9重量%未満、8.5重量%未満、8重量%未満、7.5重量%未満、7重量%未満、6.5重量%未満、6重量%未満、5.5重量%未満、5重量%未満、4.5重量%未満、4重量%未満、3.5重量%未満、3重量%未満、3.5重量%未満、3重量%未満、2.5重量%未満、2重量%未満、1.5重量%未満、1重量%未満、または0.5重量%未満である。組成物における安定した無水の二硫化セレンの濃度は、約5重量%から約8重量%の間、4重量%から約9重量%の間、3重量%から約7重量%の間、2重量%から約6重量%の間、1重量%から約5重量%の間、約0.5重量%から約4重量%の間、5重量%から約10重量%の間、7重量%から約15重量%の間、5重量%から約20重量%の間、または、10重量%から約20重量%の間である。
一態様は、角質化された閉塞が取り除かれるまで、組成物が患者に局所的に投与される方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞を取り除いた後に、患者に組成物が局所的に周期的に投与される方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が一回投与である方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が周期的な投与である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日1回である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日2回である方法を提供する。
本明細書のある実施形態では、必要とする患者においてマイボーム腺機能不全を処置するための方法が提供され、前記方法は、患者の眼瞼縁に到達する組成物を患者に局所的に投与することを含み、ここで前記組成物は、本質的に、治療有効量の、安定した無水の二硫化セレン組成物からなる。一実施形態は、組成物における安定した無水の二硫化セレンの濃度が、約0.1(重量)%から約10(重量)%の間にあるか、または本明細書に記載された他の適切な濃度である、方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞が取り除かれるまで、組成物が患者に局所的に投与される方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞を取り除いた後に、患者に組成物が局所的に周期的に投与される方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が一回投与である方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が周期的な投与である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日1回である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日2回である方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される本発明の方法が、マイボーム腺における閉塞の物理的な除去、続いて安定した無水の二硫化セレン製剤の慢性的および/または維持的投与を含むことは、理解されるに違いない。
本明細書では、必要とする患者においてマイボーム腺から角質の閉塞を除去するための方法が提供され、前記方法は、患者の眼瞼縁に到達する組成物を患者に局所的に投与することを含み、ここで前記組成物は、治療有効量の、安定した無水の二硫化セレン組成物を含む。一実施形態は、組成物における安定した無水の二硫化セレンの濃度が、約0.1重量%から約10重量%の間にあるか、または本明細書に記載された他の適切な濃度である、方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞が取り除かれるまで、組成物が患者に局所的に投与される方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞を取り除いた後に、患者に組成物が局所的に周期的に投与される方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が一回投与である方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が周期的な投与である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日1回である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日2回である方法を提供する。
本明細書では、必要とする患者においてマイボーム腺から角質の閉塞を除去するための方法が提供され、前記方法は、患者の眼瞼縁に到達する組成物を患者に局所的に投与することを含み、ここで前記組成物は、本質的に、治療有効量の、安定した無水の二硫化セレン組成物からなる。一実施形態は、組成物における安定した無水の二硫化セレンの濃度が、約0.1重量%から約10重量%の間にあるか、または本明細書に記載された他の適切な濃度である、方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞が取り除かれるまで、組成物が患者に局所的に投与される方法を提供する。一実施形態は、角質化された閉塞を取り除いた後に、患者に組成物が局所的に周期的に投与される方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が一回投与である方法を提供する。一実施形態は、局所的投与が周期的な投与である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日1回である方法を提供する。一実施形態は、周期的な投与が1日2回である方法を提供する。
いくつかの実施形態では、二硫化セレン剤と無水の半固形眼用基剤を含む組成物の局所的な投与が週2回行なわれる。いくつかの実施形態では、二硫化セレン剤と無水の半固形眼用基剤を含む組成物の局所的な投与が一日おきに行なわれる。いくつかの実施形態では、二硫化セレン剤と無水半固形眼用基剤を含む組成物の局所的な投与が毎日行なわれる。いくつかの実施形態では、二硫化セレン剤と無水の半固形眼用基剤を含む組成物の局所的な投与が1日数回行なわれる。
いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物は液体または半固形である。いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物は乳剤半固形である。いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物はクリームである。いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物は軟膏である。いくつかの実施形態において、マイボーム腺開口薬剤は組成物中で懸濁される。いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物はローションである。いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物はゲルである。いくつかの実施形態において、局所投与用の組成物は無水の分散剤である。いくつかの実施形態では、局所的投与のための組成物は、無水のリップバーム、またはスティック製剤、または患者が眼瞼縁を標的とすることを可能にするデバイスである。
一実施形態は、必要とする患者における過角化障害を処置する方法を提供し、前記方法は、患者の眼瞼縁に、治療有効量の安定した無水の二硫化セレン製剤を含む組成物を局所的に投与する工程を含み、ここで過角化障害は、マイボーム腺機能不全、またはドライアイから選択される。別の実施形態は、過角化障害がマイボーム腺機能不全である、方法を提供する。別の実施形態は、過角化障害がドライアイである、方法を提供する。
一実施形態は、過角化障害を抱える患者のマイボーム腺の角質閉塞を除去する方法を提供し、前記方法は、患者の眼瞼縁に治療有効量の安定した無水の二硫化セレン濃度を含む組成物を局所的に投与する工程を含み、ここで過角化障害は、マイボーム腺機能不全、またはドライアイから選択される。別の実施形態は、過角化障害がマイボーム腺機能不全である、方法を提供する。別の実施形態は、過角化障害がドライアイである、方法を提供する。
一実施形態は、必要とする患者のマイボーム腺の角質閉塞によって引き起こされる眼の障害を処置する方法を提供し、前記方法は、患者の眼瞼縁に治療有効量の安定した無水の二硫化セレン組成物を含む組成物を局所的に投与する工程を含み、ここで眼の障害はマイボーム腺機能不全またはドライアイである。別の実施形態は、眼の障害がマイボーム腺機能不全である、方法を提供する。別の実施形態は、眼の障害がドライアイである、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、前記方法は、急性処置のシナリオにおける処置を含む。別の実施形態において、前記方法は、類似または同一の処置を受けていない患者の処置を含む。別の実施形態において、前記方法は、慢性処置のシナリオにおける処置を含む。別の実施形態において、前記方法は、維持療法のシナリオにおける処置を含む。急性処置シナリオでは、脂質生成および脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤の投与される投与量は、慢性処置シナリオまたは維持療法シナリオで用いられる、脂質生成および脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤の投与される投与量よりも、高い場合がある。急性処置シナリオでは、脂質生成および脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤は、慢性処置シナリオで利用される、脂質生成および脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤とは異なる場合がある。いくつかの実施形態において、治療の過程は、急性処置のシナリオとして治療の初期段階において始まり、後に慢性処置のシナリオまたは維持療法のシナリオへと推移する。
特定の臨床症状において、患者は、医師または医療従事者により、または、本明細書に記載される治療薬の1つの、より高濃度の組成物を施すことにより投与される、初期治療を必要とし得る。そのような手順に従い、患者は、マイボーム腺の開通性を維持するために、家に持ち帰って眼瞼縁に周期的に塗布するための、活性薬剤の異なる組成物を提供され得る。そのような塗布は、組成物の活性、および治療の所望の生成物の特性に依存して、1日2回、1日1回、週次、または月次で行われてもよい。
本明細書に記載される処置方法の1つの態様は、組成物の局所的な投与の位置である。一実施形態において、脂質生成および脂質分泌を増強させる、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤を含む組成物は、眼への刺激が生じないように投与される。一実施形態では、脂質生成と脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤を含むの組成物は、眼瞼縁に塗布される。
本明細書に記載される処置方法の付加的な1つの実施形態は、眼への刺激を回避するように眼に提供される保護要素の使用である。本明細書に記載される組成物は通常、非刺激的なものではあるが、いくつかの実施形態において(例えば、高濃度の薬剤、または、敏感な眼に使用された場合)、保護要素は、患者に安全性および快適性の付加的な層をもたらす。いくつかの実施形態において、アイカバーは自己接着性を含む。一実施形態では、脂質生成と脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤を含むの組成物は、薬剤と角膜および/または結膜との接触を減少させて眼への刺激が減少されるように、眼瞼が腺から引き離されている間に、眼瞼縁に塗布される。
半固形生成物は粘度が高く、非ニュートン的な側面があるため、少量を正確に投与することは困難であった。さらに、このような投与機構は、現状では大型で高価なため、一時的な症状の治療や短期間の臨床試験での使用は限られていた。半固形生成物の多くは、過剰に塗布すると副作用を生じさせ得る。例えば、眼用生成物の過剰な塗布は、涙液に混じって厚い層を作ることにより、視界をぼやかすことがある。多くの生成物では、不十分な塗布は、適切な処置を遅らせるか、または妨げることがある。加えて、制御された分注量は、適切な処置のための塗布精度をさらに向上させる場合がある。例えば、眼に適用された過度の眼薬剤が、眼瞼縁に偶然に塗布されることがある。最後に、多くのそのような医薬は、汚れ、粒子状物質、および油に敏感であり、および、汚染を避けるために、塗布具以外の表面に接触することなく処置部位に移動させる必要がある。
多くの半固形生成物は、生成物管から格納され分注されるが、それは多くの場合、正確な薬注には不適切である。そのような生成物管は金属、プラスチック、またはその両方から形成されるため、一旦、ユーザによってかけられた力が終了すれば、内部分注圧力は、継続するか、または逆になり得る。
そこで、本明細書では、直感的で費用対効果の高い分注補助、システム、および方法を提供し、半固形生成物の投与量を正確に制御することを可能にする。
半固体生成物の正確な分泌ための方法
本明細書では、いくつかの実施形態において、半固形生成物の正確な分泌のための方法が提供され、前記方法は、生成物管を提供する工程;生成物管の先端をディスペンサーの開口部内に挿入する工程;生成物管の肩の部分を、ディスペンサーの近位面に対して位置合わせする工程;および、半固形生成物が、第1の超過敏な標的の近位部、第2の超過敏な標的の近位部、またはその両方と同水準になるまで、半固形生成物を分泌するように生成物管を圧縮する工程を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、分泌された半固形生成物を生成物管から取り出す工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、分泌された半固形生成物を生成物管から取り出す工程は、分泌された半固形生成物を塗布具または指で生成物管から取り出すことを含む。いくつかの実施形態では、方法は、患者に対して半固形生成物を塗布する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、生成物管はキャップをさらに含み、および、ここで方法は、キャップを取り除く工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、生成物管の先端をディスペンサーの開口部内に挿入する前に、取り外される。いくつかの実施形態では、生成物管の先端をディスペンサーの開口部内に挿入した後、キャップが取り外される。いくつかの実施形態では、方法は、分泌された半固形生成物を生成物管から取り出した後、生成物管の上にキャップを再配置する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、半固形生成物は、生成物管のノズルから分泌されると、概して、円筒状の形状を維持する。
いくつかの実施形態では、方法は、分泌された半固体生成物を生成物管から取り出す工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、分泌された半固体生成物を生成物管から取り出す工程は、分泌された半固体生成物を塗布具または指で生成物管から取り出すことを含む。いくつかの実施形態では、方法は、患者に半固体生成物を塗布する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、生成物管はキャップをさらに含み、および、ここで方法は、キャップを取り除く工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、分泌された半固形生成物を生成物管から取り出した後、生成物管の上にキャップを再配置する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、半固形生成物は、生成物管のノズルから分泌されると、概して、円筒状の形状を維持する。
安定した無水の二硫化セレン製剤
本明細書では、いくつかの実施形態において、二硫化セレンの安定した無水製剤が記載され、前記無水製剤は、化学的に安定し、実質的に集合体および凝集体を含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の硫化セレン製剤は、界面活性剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の硫化セレン製剤は、分散剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約0.01(重量)%~約5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約20(重量)%までの二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約2.5%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約0.01(重量)%~約10%(重量)%、または本明細書に記載される他の適切な濃度の、二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約0.01(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約0.05(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約0.1(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約0.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約1.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約1.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約2.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約2.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約3.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約3.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約4.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約4.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約5.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約5.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約6.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約6.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約7.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約7.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約8.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約8.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約9.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約9.5(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約10.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約11.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約12.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約13.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約14.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約15.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約16.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約17.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約18.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約19.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、約20.0(重量)%の二硫化セレンを含有する。
いくつかの実施形態において、適切な半固形基剤は、油脂性基剤である。本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤のための、油脂性基剤は、石油基剤、鉱油、鉱油とホワイトペトロリューム(white petroleum)との混合物、植物油、ペトロラタム、またはペトロリュームゼリー(ワセリン(登録商標))を含む場合がある。いくつかの実施形態では、油脂性基剤は、ペトロラタムまたはペトロリュームゼリーである。いくつかの実施形態では、植物油は、ヤシ油、分留されたヤシ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマワリ油、扁桃油、タラ肝油、ヒマシ油、またはバージンワックスから選択される。
いくつかの実施形態では、安定した無水の二硫化セレン製剤は油をさらに含む。いくつかの実施形態では、油は以下から選択される:トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、アセチル化ラノリンアルコール、安息香酸アルキル、オクタン酸アルキル、アーモンドオイル、不飽和油または多価不飽和油、杏仁油、ベヘン酸アラキジル、プロピオン酸アラキジル、アボカド油、大麦油、バジルオイル、蜜蝋、ラウリン酸ベンジル、ミリスチン酸ベンジル、パルミチン酸ベンジル、ビス(オクチルドデシルステアロイル)ダイマージリノレエート(bis(octyldodecyl stearoyl) dimer dilinoleate)、ルリジサ種子油、ミリスチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、C12-C15安息香酸アルキル、C12-C15オクタン酸アルキル、キンセンカオイル、樟脳油、キャンドルナッツツリーオイル、キャノーラ油、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドヒマシ油、カプリリルメチコン、カルダモン油、ニンジン油、ヒマシ油、セテアリルエチルヘキサノエート(cetearyl ethylhexanoate)、イソノナン酸セテアリルイソノナノエート(cetearyl isononanoate)、セテアリルオクタノエート(cetearyl octanoate)、酢酸セチル、セチルジメチコン(cetyl dimethicone)、セチルエチルヘキサノエート(cetyl ethylhexanoate)、乳酸セチル、ミリスチン酸セチル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、リシノール酸セチル、シトロネラ油、クラリセージ油、丁子油、ココグリセリド(cocoglycerides)、ココナッツオイル、肝油、トウモロコシ油、コットンオイル、綿実油、シクロヘキサシロキサン、シクロメチコン、シクロメチコン5-NF(シクロペンタシロキサン)、シクロテトラシロキサン、イトヒバ油、オレイン酸デシル、ジエチレングリコール、ジエチルヘキサノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、ジエチレングリコールジオクタノエート、ジエチルヘキサノエート、アジピン酸ジエチルヘキシル、リンゴ酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ジイソステアリルダイマージリノレエート(diisosteary dimer dilinoleate)、フマル酸ジイソステアリル、ジメチコン、ジメチルポリシロキサン、リンゴ酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル(disopropyl adipate)、オレイン酸ドデシル、シクロテトラシロキサン(Dow Corning 244 Fluid)、シクロヘキサシロキサン/シクロペンタシロキサン(Dow corning 246 Fluid (d6+d5)、エポキシ変成シリコンオイル、ラノリン酸のエステル誘導体、エチルヘキシルココエート、エチルヘキシルエチルヘキサノエート、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、イソノナン酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ペラルゴン酸エチルヘキシル、ステアリン酸エチルヘキシル、月見草油、脂肪酸変成シリコン油、アマニ油、フルオロ基変性シリコン油、乳香油、ゲル化鉱油、ショウガ油、グリセレストリアセテート(glycereth triacetate)、グリセリントリヘプタノエート、オレイン酸グリセリル、グリセリルトリオクタノエート、グリセリルトリウンデカノエート、ブドウ種子油、グレープフルーツ油、ラッカセイ油、ヘーゼルナッツ油、重鉱油、麻実油、ニシン油、ステアリン酸ヘキサデシル、ラウリン酸ヘキシル、炭化水素油、硬化ヒマシ油(hydrogenated castor oil)、ヒソップ油、ラウリン酸イソアミル、イソセテアリルオクタノエート、イソセチルイソセチルベヘネート(isocetyl isocetyl behenate)、ラノリン酸イソセチル(isocetyl lanolate)、パルミチン酸イソセチル、サリチル酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、イソセチルステアリルステアレート(isocetyl stearoyl stearate)、イソデシルエチルヘキサノエート、イソノナン酸イソデシル、オレイン酸イソデシル、イソドデカン、イソヘキサデカンイソドデカン、イソヘキサデカノール、デカン酸イソヘキシル、イソノナン酸イソノニル、オクタン酸イソノニル、イソパラフィン(isoparaffm)、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン酸イソプロピル(isopropyl lanolate)、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、クエン酸イソステアリル、サリチル酸イソステアリル、酒石酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、エルカ酸イソステアリル、グリコール酸イソステアリル、イソノナン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、乳酸イソステアリル、リノール酸イソステアリル、リノレン酸イソステアリル、リンゴ酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、イソノナン酸イソトリデシル、ジャスミン油、乳酸ラウリル、ラベンダー油、レモン油、軽鉱油、流動パラフィン、液体のトリグリセリド、ムラサキウマゴヤシ油、トウモロコシ胚芽油、マレイン化大豆油、マンダリン油、ネズモドキ油、マジョラム油、骨髄油、MCT油、メチルフェニルポリシロキサン、雑穀油、鉱油、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸ミリスチル、ネオペンタン酸ミリスチル、プロピオン酸ミリスチル、没薬油、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(neopentylglycol dicaprate)、ジカプリル酸/ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、橙花油、ナツメグ油、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、オクチルドデカノール、ベヘン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチルドデシルステアロイル(octyldodecyl stearoyl stearate)、動物起源の油、植物起源の油、エルカ酸オレイル、乳酸オレイル、オレイン酸オレイル、オリーブオイル、ジメチコノール、パーム油、トケイソウ油、落花生油、菜種油、ローズヒップ油、ライ麦油、サフラワー油、セージ油、鮭油、胡麻油、シアバター、シリコン油、ダイズ油(soya oil)、大豆油(soybean oil)、カプリン酸ステアリル、ステアリルジメチコン、ヘプタン酸ステアリル、プロピオン酸ステアリル、ヒマワリ油、スイートアーモンド油、合成イソアルカン、キバナハタザオ油、チョウジ油、タンジェリン油、ティーツリー油、治療油、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、トリデシルエチルヘキサノエート、イソノナン酸トリデシル、クエン酸トリイソセチル、不飽和油または多価不飽和油、バニラ油、バーベナ油、クルミ油、小麦麦芽グリセリド、小麦麦芽油、白色ワセリン、および、それらの組み合わせ。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、シリコン系賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、シリコン系賦形剤は、ジメチコノール、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、アルキルメチルシロキサンコポリオール、アルキルメチルシロキサンおよびステアリルトリメチルシラン、または、本明細書で提供される実施形態による安定した無水二硫化セレン製剤に適した任意のシリコン賦形剤のブレンドから選ばれる。いくつかの実施形態では、シリコン系の賦形剤はジメチコンである。いくつかの実施形態では、シリコン系の賦形剤はステアリルトリメチルシランおよびステアリルアルコールである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤はセルロース由来の固化剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、セルロース由来の固化剤はミクロフィブリル化セルロースである。いくつかの実施形態において、セルロース由来の固化剤はナノ結晶セルロースである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン配合物は、さらに、ヒュームドシリカ、硬化植物油またはワックスなどの固化剤を含む。いくつかの実施形態では、ヒュームドシリカはAerosil(登録商標)ヒュームドシリカである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、スクワレンまたはスクアレンをさらに含む。
眼瞼から眼表面への二硫化セレンの漏出を予防することは、いくつかの実例において望ましいが、それは、その標的器官、マイボーム腺とその開口部には、眼瞼エッジからのみ到達することができるからであり、および、例えば、円蓋の中への、および眼表面上への薬物の漏出は、その有効性を低下させるからである。さらに、いくつかの例では、水性の眼表面上への二硫化セレンの漏出は、それが凝集して、不快感を引き起こし得る大きな粒子状物質をつくり出さないように、回避することが望ましい。いくつかの実施形態において、その製剤は、眼表面への漏出を最小限にしながら軟膏を眼瞼上に安定的かつ持続的に存在させることを可能にする特定の融点を有し、一方、マイボーム開口部への浸透ならびに天然のマイバム脂質の液化を可能にする。いくつかの実施形態で、本明細書中に記載されるのは、室温で半固体であり、33℃~36℃の間の融解温度を有する軟膏組成物である。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、33℃~46℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、33℃~38℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、33℃~40℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、33℃~42℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、33℃~44℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、34℃~37℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、35℃~38℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、32℃~40℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供される。いくつかの実施形態において、室温で半固体であり、33℃~56℃の間の融解温度を有する軟膏組成物が提供され、ここで、前記組成物は、眼瞼縁に接触するとスクアレンまたは他の液体脂質を放出する。いくつかの実施形態において、製剤は約34℃である眼表面の温度よりも高い融点を有し、そのため、眼表面に接触したときは液化しないが、37℃未満ではマイボーム腺開口部に浸透することができる。
眼瞼縁上の薬物の薄い層
脂質眼用薬物製剤は、典型的には、涙液に混ざり、視界のぼやけを引き起こし、また、まつ毛に付着し、不快な感覚を引き起こすため、患者はよく許容することができない。従って、これらの副作用のどちらも引き起こさない製剤を提供することが望まれている。本発明の一実施形態では、製剤は、25~200ミクロン、好ましくは約100ミクロンの厚さで眼瞼縁上に広がる粘度特性を有し、十分な薬物がマイボーム腺開口部と接触し、一方で涙膜と混合したり、まつ毛に付着する余分な薬物を生成したりすることはない。
凝集および眼用組成物
眼用組成物と関係する大きな問題には、保管中ならびに調製中の有効成分の結晶化および凝集がある。医薬品有効成分(API)の結晶化または凝集は、投与量の非均一性、投与の困難性、薬物の粒子が大きいことによる眼への刺激、および/または、薬物濃度が高いことによる眼への悪影響または薬物濃度が低いことによる処置の失敗、をもたらす。眼用製剤が懸濁液として調製されている場合、保存の際に懸濁粒子がより大きな粒子へと凝集しないような方法で懸濁液を調製することが望ましい。眼用組成物中の直径10μm超の粒径は、眼への適用後に眼に異物感をもたらし、反射的に涙を流させることがある。粒径の低減は、一般に、眼用製剤の患者の快適性および受容性を改善する。加えて、粒径を低減することで、二硫化セレン粒子とマイボーム腺の開口部との間の接触面積を増加させ、従って、製剤の有効性を増加させる。
二硫化セレンは、水性状態で凝集体を形成する。水性媒体と二硫化セレンを接触させると、即時かつ自発的な凝集が引き起こされ、最初の平均直径が5~10μmだった二硫化セレン粒子を、平均直径50~500μmの大きな塊へと凝集させる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、実質的に凝集体が無い。いくつかの実施形態では、実質的に凝集体が無いとは、製剤全体にわたる二硫化セレン粒子の平均直径が、約50μm未満、約45μm未満、約40μm未満、約35μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、約9μm未満、約8μm未満、約7μm未満、約6μm未満、または約5μm未満であることを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に凝集体が無いとは、製剤全体にわたる二硫化セレン粒子の平均直径が、約50μm以下、約45μm以下、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7μm以下、約6μm以下、または約5μm以下であることを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に凝集体が無いとは、製剤全体にわたる二硫化セレン粒子の平均直径が、約5μmと約10μmとの間、約5μmと約15μmとの間、または約10μmと約20μmとの間、または約5μmと約20μmとの間、または約15μmと約25μmとの間にあることを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に凝集体が無いとは、製剤が約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.5%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の凝集体を含むことを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に凝集体が無いとは、二硫化セレン粒子の直径が、製剤時には、最初の粒子直径と比較して10倍以下、9倍以下、8倍以下、7倍以下、6倍以下、5倍以下、4倍以下、3倍以下、2倍以下、または、1.5倍以下だけ増加することを意味する。
いくつかの実施形態では、「実質的に凝集体が無い」とは、製剤がいかなる二硫化セレン凝集体も含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は直径5μmより大きな粒子を包含していない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は直径10μmより大きな粒子を包含していない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は直径20μmより大きな粒子を包含していない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は直径10μmより大きな粒子を包含しておらず、いかなる界面活性剤も分散剤も包含していない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される安定した無水の二硫化セレン製剤は、実質的に界面活性剤および分散剤が無い。いくつかの実施形態では、実質的に界面活性剤および分散剤が無いとは、製剤が約10(重量)%未満の界面活性剤、分散剤およびその組み合わせを包含していることを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に界面活性剤および分散剤が無いとは、製剤が約10(重量)%未満、約9(重量)%未満、約8(重量)%未満、約7(重量)%未満、約6(重量)%未満、約5(重量)%未満、約4(重量)%未満、約3(重量)%未満、約2.5(重量)%未満、約2(重量)%未満、約1.5(重量)%未満、約1(重量)%未満、約0.9(重量)%未満、約0.8(重量)%未満、約0.7(重量)%未満、約0.6(重量)%未満、約0.5(重量)%未満、約0.5(重量)%未満、約0.4(重量)%未満、約0.3(重量)%未満、約0.2(重量)%未満または約0.1(重量)%未満の界面活性剤、分散剤、およびその組み合わせを含むことを意味する。いくつかの実施形態では、界面活性剤および分散剤が実質的に無いとは、製剤が約10(重量)%以下の界面活性剤、分散剤、およびその組み合わせを含有することを意味する。特定の実施形態では、組成物は、1(重量)%未満の界面活性剤を含む。より特定の実施形態では、組成物は0.5(重量)%未満の界面活性剤を含む。さらに特定の実施形態では、組成物は0.1(重量)%未満の界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、実質的に界面活性剤および分散剤が無いとは、製剤が約10(重量)%以下、約9(重量)%以下、約8(重量)%以下、約7(重量)%以下、約6(重量)%以下、約5(重量)%以下、約4(重量)%以下、約3(重量)%以下、約2.5(重量)%以下、約2(重量)%以下、約1.5(重量)%以下、約1(重量)%以下、約0.9(重量)%以下、約0.8(重量)%以下、約0.7(重量)%以下、約0.6(重量)%以下、約0.5(重量)%以下、約0.5(重量)%以下、約0.4(重量)%以下、約0.3(重量)%以下、約0.2(重量)%以下、または約0.1(重量)%以下の界面活性剤、分散剤、およびその組み合わせを含むことを意味する。いくつかの実施形態では、「実質的に界面活性剤および分散剤が無い」とは、製剤がいかなる界面活性剤、分散剤およびその組み合わせも包含していないことを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に界面活性剤および分散剤が無いとは、製剤が、界面活性剤、分散剤およびその組み合わせを含まないことを意味する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、無水の半固体の基剤において二硫化セレンの分散物を含む。いくつかの実施形態では、二硫化セレンは無水の基剤において分散しており、いかなる大きな集合体または粒子の塊も無い、均質な分散を形成する。いくつかの実施形態では、マイボーム腺機能不全の処置のための、患者の眼瞼縁への無水の半固体の基剤における二硫化セレンの均質な分散物の局所投与は、本明細書に記載のとおり、患者の目にいかなる刺激も引き起こさない。
無水の半固体眼用基剤における二硫化セレン分散の化学的安定性および保存安定性
本明細書に提供される本開示以前は、界面活性剤および様々な懸濁化剤は、液体および半固体剤形中の二硫化セレン懸濁液を安定化させ、その局所適用を可能にするために必要とされた。本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、いくつかの実施形態では、界面活性剤または懸濁化剤または分散剤を使用することなく、予想を超えて、安定している。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、凝集に対して物理的に安定化されており、界面活性剤、分散剤または懸濁化剤を添加することなく分解に対して化学的に安定化されている。
いくつかの実施形態では、製剤の安定性は、約40℃~60℃の間の温度で、長期保存期間の間、加速安定性条件下で試験される。
眼用製剤の安定性は、保存期間中に、加水分解、酸化などのプロセスを介して有効成分の化学分解の程度によって判定される。
化学分解は、分解物の形成を特徴とする
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤における分解物の総量は、保存期間にわたって増加しない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤における分解物の総量は、製剤が加速安定性条件下で約40℃および60℃の温度で試験されるとき、増加せず、かつ、観察された分解は、市販のSeS製剤と比較して低い。別の実施形態は、二硫化セレンの少量の分解物をさらに含み、分解物の量は組成物の全重量の1%を超えて増加しない組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤の化学的安定化は、製剤の含水量の低減に起因する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤の化学的安定化は、製剤の無水性質に起因する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤の化学的安定化は、製剤における、安定化乳化剤および分散剤を含むポリオキシエチレンの不在に起因する。
いくつかの実施形態では、医薬製剤の薬物不安定性は、製剤の物理的外観、色、臭気、味または質感の変化によって検出される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、高温下での保存期間中に実質的な色の変化を示さない。いくつかの実施形態では、保存期間は約60度の温度下の2週間である。
安定した無水の二硫化セレン製剤の融点
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤の融解温度は約34度と約50度の間である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤の融解温度は、約34度、約35度、約36度、約37度、約38度、約39度、約40度、約41度、約42度、約43度、約44度、約45度、約46度、約47度、約48度、約49度、または約50度である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、眼瞼縁の温度に近いかそれを超える融解温度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤の融点は、二硫化セレンのバイオアベイラビリティおよび有効性を増加させる。
無水で半固体の眼用基剤における二硫化セレン分散を含む固体および半固体の剤形の組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、リップクリームまたはリップスティック生成物のような固体の剤形の一部であり、化粧用眼瞼生成物と同様の方法で眼瞼縁に適用して広げるのに都合がよく、非常に少量の薬物生成物が眼瞼縁に直接かつ正確に塗布される。
いくつかの実施形態では、眼瞼縁に適用される薬物生成物の量は、約1mgである。他の実施形態では、眼瞼縁に適用される薬物生成物の量は、5mg未満、4mg未満、3mg未満、2mg未満、1mg未満、0.5mg未満である。
ある実施形態では、安定した無水の二硫化セレン組成物は、例えばトコフェロールまたはビタミンEから選択される合成または天然の酸化防止剤、EDTA(エチレンジアミンテトラアセテート、ブチル化ヒドロキシルアニソール、ブチル化ヒドロキシルトルエン、グルタチオン、アスタキサンチン、ルテイン、リコピン、没食子酸プロピル、ロスマリン酸、またはアスコルビン酸パルミテートを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の安定した無水の二硫化セレン製剤は、アイライナーまたは軟膏生成物のような半固体の剤形の一部であり、化粧用眼瞼生成物と同様の方法で眼瞼縁に適用して広げるのに都合がよく、非常に少量の薬物生成物が眼瞼縁に直接かつ正確に塗布される。
用語と定義
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に指定していない限り、複数の指示物を含む。ゆえに、例えば、「薬剤」への言及は複数のこうした薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または複数の細胞)、および当業者に既知の同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性についての範囲が本明細書で使用されると、範囲およびその中の特異的な実施形態の全ての組み合わせおよびサブ組み合わせ(sub-combinations)が含まれるように意図される。数または数の範囲について言及するときの用語「約」は、言及される数または数の範囲が、実験的な可変性の範囲内の(または統計的実験誤差内の)概算であることを意味し、故に、数または数の範囲は明示された数または数の範囲の1%-15%の間で変動することがある。用語「含んでいる(comprising)」(および、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」、または「有している(having)」または「含んでいる(including)」などの関連語)は、他の実施形態において、例えば、本明細書に記載される任意の合成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載された特徴「~からなる」または「本質的に~からなる」場合があることを除外することを意図したものではない。
本明細書で使用されるような用語「眼に許容可能な担体」は、本発明の教示に従って塗布されると、生物の眼に重度の刺激を引き起こさず、且つ、それと共に運ばれた薬剤の薬理活性および特性を無効にしない、担体を指す。
眼に許容可能な担体は通常、無菌性であり、実質的に異物を含まず、且つ、通常は5~8の範囲のpHを有している。好ましくは、pHは可能な限り涙液のpH(7.4)に近いものである。眼に許容可能な担体は、例えば、等張食塩水またはホウ酸溶液などの無菌の等張溶液である。そのような担体は典型的に水溶液であり、塩化ナトリウムまたはホウ酸を含んでいる。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液も有用である。
本明細書に使用される用語「眼科的に安全な」とは、すすぎを伴わないで眼上に直接配置することに一般的に適している、安全な医薬組成物を指す。眼科的に安全な医薬組成物は、典型的に、目と相性がよい張度とpHを有し、および、ISO(国際基準局)基準と米国FDA(食品医薬品局)の規定に従う材料、およびそれらの量を含む。医薬組成物は、放出に先立って生成物における微生物の汚染物質が存在しないことが、そのような生成物のために必要な程度に、統計的に必ず実証されるように、滅菌されるべきである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、「眼科的に安全」である。
本明細書で使用されるような用語「有効な量」は、マイボーム腺からの脂質分泌の増加、マイボーム腺から分泌された脂質の融点の低下、またはマイボーム腺から分泌された脂質の粘度の低減など、特定の条件を達成するために必要な量を指す。
本明細書で使用されるような用語「治療上有効な量」は、疾患の症状を処置、予防、緩和、または改善するのに有効な、治療上有効な化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の量を指す。用語「治療上有効な化合物」は、疾患の症候を処置、予防、緩和、または改善するのに有効な化合物を指す。
本明細書に使用される用語「実質的に」または「本質的な」とは、例えば、本来の組成物または存在の状態などの対照に比べ、少なくとも、約60%または60%、約70%または70%、約75%または75%、約80%または80%、約85%または85%、約90%または90%、約95%または95%、約96%または96%、約97%または97%、約98%または98%、約99%または99%、またはより高いことを指す。従って、界面活性剤を「実質的に含まない」組成物は、少なくとも、約60%または60%、約70%または70%、約75%または75%、約80%または80%、約85%または85%、約90%または90%、約95%または95%、約96%または96%、約97%または97%、約98%または98%、約99%または99%、またはより高い量の界面活性剤が、組成物から取り除かれている。
「薬学的に許容可能な塩」は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。本明細書に記載される二作用性マイボーム腺機能不全薬剤のいずれか1つの薬学的に許容可能な塩は、あらゆる薬学的に適切な塩形態を包含するように意図される。本明細書に記載される化合物の好ましい薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩および薬学的に許容可能な塩基付加塩である。
「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的効果および特性を保持する塩を指し、それは、生物学的にまたは他に望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸により形成される。同様に、脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換のアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸(alkanedioic acids)、芳香族酸、脂肪族酸および芳香族スルホン酸などの有機酸により形成される塩も含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。例示的な塩類は、従って、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソブチル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロベンゾエート、安息香酸メチル、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、酢酸フェニル、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、などを含む同様に、アルギン酸塩、グルコン酸塩、およびガラクトウロン酸塩のようなアミノ酸の塩も企図されている(例えば、Berge S.M.et al., “Pharmaceutical Salts,” Journal of Pharmaceutical Science, 66:1-19 (1997))。塩基性化合物の酸付加塩は、実施形態によっては、当業者が熟知している方法と技術に従って塩を生成するために、十分な量の所望の酸に遊離塩基形態を接触させることにより調製される。
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的効果および特性を保持する塩を指し、それは、生物学的にまたは他に望ましくないものではない。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることによって調製される。薬学的に許容可能な塩基付加塩は、実施形態によっては、アルカリ、アルカリ土類金属、または有機アミンのような金属またはアミンで作られる。無機塩基に由来する塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などを含む。有機塩基由来の塩として、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、自然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン、N-メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上述のBerge et al.を参照。
本明細書で使用されるような用語「スルフヒドリル基」は、-SH官能基を指す。
本明細書で使用されるような用語「チオール基」は、-C-SHまたはR-SHのSH基を指し、ここでRはアルカン、アルケン、または原子の他の炭素含有基を指す。
本明細書で使用されるような用語「ジスルフィド」は、硫黄原子の結合された対を指す。
本明細書で使用されるような用語「ジスルフィド結合」は、通常は2つのチオール基の結合により得られる共有結合を指し、そのため全体的な結合は-S-S-である。この結合は、SS結合またはジスルフィド架橋とも呼ばれる。
本明細書で使用されるような用語「眼に許容可能な賦形剤」は、本発明の教示に従って塗布されると、生物の眼に重度の刺激を引き起こさず、且つ、それと共に運ばれた薬剤の薬理活性および特性を無効にしない、賦形剤を指す。
本明細書で使用されるような用語「角質溶解薬」および/または「角質軟化薬」は、角化閉塞を軟化、妨害、溶解、可溶化、または緩和し、または角化閉塞の形成を予防する薬剤を指す。具体的に、用語「角質溶解薬」は、角質の軟化と溶解を促進するために使用される薬剤を指し、用語「角質軟化薬」は、角質産生を減らすために使用される薬剤を指す。
本明細書で使用される用語「角化閉塞」は、マイボーム腺の遮断を指し、遮断の場所は問われない。いくつかの実施形態において、遮断が完全であり、一方で他の実施形態においては、遮断は部分的である。遮断の程度にかかわらず、そのような角化閉塞は、マイボーム腺機能不全の原因となる。いくつかの実施形態において、角化閉塞は、角化した物質と脂質から成る。いくつかの実施形態において、角化閉塞は、マイボーム腺の開口部および排出管における遮断である。いくつかの実施形態において、角化閉塞は、眼瞼縁およびマイボーム腺での上皮の角化により引き起こされる。特定の例において、角質閉塞は、幹細胞の移動または異常な分化により影響を受ける。いくつかの実施形態において、角化閉塞は結果として、眼瞼縁と涙液膜への油の送達を減少させるとともに、圧力上昇、結果として生ずる拡大、腺房萎縮、および少量の分泌を引き起こす、マイボーム腺内部の停滞をもたらす。特定の例において、マイボーム腺の角化は、退行性の腺の拡大および萎縮症を引き起こす。
本明細書で使用されるような用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、または「処置(treatment)」は、長期または救急の治療のシナリオにおいてMGDに関連する症状を減少、低減、軽減、改善、または緩和することを含む。1つの実施形態において、処置は脂質産生の増加を含む。1つの実施形態において、処置は脂質分泌の増加を含む。1つの実施形態において、処置は分泌された脂質の粘度の低減を含む。
用語「再発」または「再発の減少」は、長期治療のシナリオにおけるMGD症状の回帰を指す。
用語「開口」は、閉塞されたマイボーム腺の管または開口部の(少なくとも部分的な)除去、および/またはマイボーム腺の管または開口部の開通性の維持を指す。
本明細書に使用される用語「分散」は、粒子状物質が、異なる組成物または状態の連続相に分散する、系を指す。分散は、固体の分散である。
本明細書に使用される用語「凝集体」、「集合体」、および「粒子状物質の塊」は、粒子状物質の集合を指す。これらの用語は、互いに同意語であるように意図され、交換可能に使用される。
本明細書に使用されるように「無水の」項、重量で2%の水、または重量で1%の水未満の組成物を収納していることまたは組成物を指す、その雌ジカ、いずれかの水も収納していない。
本明細書で使用される用語「脂質生成と脂質分泌を促進する、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤」は、マイボーム腺細胞(meibocytes)分化の増進、またはマイボーム腺細胞の増殖の増進を引き起こすか、またはマイボーム腺から分泌された脂質の分量を増加させるか、またはマイボーム腺分泌脂脂質の組成を変化させる、二硫化セレン含有の(例えば、二硫化セレン(SeS))薬物または医薬用剤を指す。
本明細書で使用されるような用語「マイバム脂質」は、マイボーム腺により分泌された脂質を指す。
用語「ローション」は、エマルジョンの液体の剤形を記載する。この剤形は通常、皮膚への外部塗布のためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
用語「クリーム」は、エマルジョンの半固形の剤形を記載し、通常は>20%の水、および揮発性物質、および/またはビヒクルとして<50%の炭化水素、ワックス、またはポリオールを含有している。クリームはローションよりも粘性である。この剤形は通常、皮膚への外部塗布のためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
用語「軟膏」は、半固形の剤形を記載し、通常は<20%の水、および揮発性物質、および/または>50%の炭化水素、ビヒクルとしてワックスまたはポリオールを含有している。この剤形は通常、皮膚または粘膜への外部塗布のためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
用語「溶液」は、溶媒、または互いに混和する溶媒の混合物の中で溶解する1以上の化学物質を含有する、透明で均質な液体の剤形を記載する(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
用語「懸濁液」は、沈降には十分に大きな固形微粒子を含有する、不均一な混合物を指す。
本明細書で使用されるような用語「脂質誘導体」は通常、少なくとも1つのスルフヒドリル基または少なくとも1つのジスルフィドを含む、疎水性または両親媒性の分子を指す。用語「脂質誘導体」は更に、少なくとも1つのスルフヒドリル基および少なくとも1つのジスルフィドを含む、疎水性または両親媒性の分子を指す。用語「脂質誘導体」は更に、脂質誘導体の組み合わせおよび混合物を指す。
用語「維持療法」または「維持投与レジメン」は、与えられた状態、例えば寛解状態で自身の健康を維持することを可能にする障害/疾患、例えばMGDと診断された被験体または患者に対する、処置のスケジュールを指す。
本開示の好ましい実施形態が本明細書中に示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの例示として提供されているに過ぎないことが当業者には明らかであろう。多数の変形、変化、および置換は、本開示から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される開示の実施形態の様々な代案が、本開示の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。
実施例1 - 医薬組成物
二硫化セレンを含む医薬組成物を、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)などの界面活性剤の眼に対する危険を回避するなどのために、界面活性剤を含有しないように調製する。二硫化セレン(SeS)とペトロラタム基剤とを組み合わせて(および、界面活性剤無しで)、前記組成物を調製する。0.1重量%、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、および2.5重量%などの、様々な濃度の二硫化セレンを含む組成物を調製する。
上に記載されるように、調製された様々な組成物を、白ウサギの眼または眼瞼(例えば、眼瞼縁)に投与する。様々な組成物を、投与の頻度(例えば、1日1回、1日2回、1日おき、および週1回)および投与の容量(例えば、1投与あたり、<25μLまたは≧25μL)に基づくなど、様々な処置プロトコルを使用して、異なるコホートに投与する。二硫化セレンを欠く組成物を、対照を確立するために、別個のコホートに投与する。
実施例2 - 処置
白ウサギを評価し、そして、組成物の正確な容量をデバイス(例えば、微量ピペット)から放出させ、ウサギの下眼瞼に送達する(図2)。図3と図4は、ウサギの下眼瞼に投与された計量投与量を実証する。ある例では、容量は~25μL(重さ20mgに相当)である。ウサギは日ごとに検査される。
投与量25μLの2.5%で処置した動物では、単回投与から48時間後に結膜充血と角膜染色の症状が見られ(1/3匹)、2回目の塗布から7日目には3/3の動物に結膜充血と角膜染色の症状が見られた(隔週レジメンまたは処置)。3日目から毎日塗布したところ、5/6匹の動物で角膜の染色が見られ、7日目にはすべての動物でまぶたの赤みや腫れなどの角膜炎の兆候が見られた。ビヒクル単独で処された動物では、そのような効果は見られなかった。
界面活性剤を使用しないSeS製剤であれば、このような報告された副作用の発生は解消されると考えられていたため、この結果は意外であった。また、これまでの報告では、界面活性剤ベースの製剤に含まれるSeSが角膜に影響を及ぼす一方で、皮膚試験は、単回塗布後、または13週間の連日塗布後、二硫化セレン(1%)は、シャンプービヒクルで見られた以上のウサギ皮膚への刺激性はないようであることを示した(NDA 16-888)。
従って、5μL(4mg相当)に減量したものをウサギの眼瞼に置いた。この投与量は、涙膜とよく混ざり、眼瞼の表面に存在し、角膜を覆う角膜前涙液膜中へと混ざり込むことが報告されているが、試験したどの濃度でも、いかなる効果の証拠も観察されなかった - 最高濃度は2.5%だった。
実施例3:臨床的な許容量
2.5重量%のSeSを含む組成物25μL(20mg)のスライバをペトロラタムとともに眼の病歴のない健康な男性の右眼下眼瞼に塗布し、高容量化による有害性の可能性を確認した。約4時間後、痛みを訴え、臨床検査の結果、角膜の中央露出部に多数の点状の角膜炎が観察された。眼球は潤滑油と局所のNSAIDで処置され、角膜炎は48時間以内に解消した。
要約すると、臨床投与量5μLでは、いずれの試験された濃度(例えば、0.5重量%、1.0重量%、または2.5重量%)でも、投与レジメン(例えば、週2回または1日1回)でも、臨床所見または顕微鏡所見は認められなかった。そのため、投与量を、5μLなど、25μL以下に制限すれば、治療濃度のSeSを眼瞼縁に安全に使用できることがわかった。
実施例1などの、本明細書に記載の組成物は、MGDの前症状または症候があると識別された眼瞼の内面に投与される。投与(例えば、単回および/または複数回投与)後、本明細書に記載の評価(例えば、症状および徴候)を再実行し、状態の改善を判定する。
実施例4 - 臨床研究
3グループの患者に、0.1重量%、0.5重量%、および1重量%の投与量と、正確な量(5μL)のSeS軟膏を塗布具または指に押し出すことを支援するためのデバイスを提供した。患者は、週2回または1日1回、3ヶ月間軟膏を塗布した。9人の患者を無作為にグループ1とした(0.1重量%)。0.1重量%の組成物を週2回または1日1回計量投与したところ、独立したデータ審査委員会(Data Review Committee)(DRC)により、安全かつよく許容されると確認された。10人の患者を無作為にグループ2とした(0.5重量%)。0.5重量%の組成物を週2回または1日1回計量投与したところ、独立したデータ審査委員会(DRC)により、安全かつよく許容されると確認された。9人の患者を無作為にグループ3とした(1重量%)。1重量%を週2回または1日1回計量投与したところ、独立したデータ審査委員会(DRC)により、安全かつよく許容されると確認された。
実施例5 - 臨床研究
実施例4に平行する研究では、4mgの薬物生成物を置いた綿棒を塗布の前後に重量測定することによって、7名の健康な対象が実際に眼瞼に塗布した薬剤の量を算出した。各対象は、塗布を7~8回繰り返した。全塗布量のうち眼瞼に残った平均量(綿棒に塗布した量と塗布後に綿棒に残った量の差で算出)は、2.23mg±0.91だった。
実施例6 - SeS濃度1重量%での、ウサギ研究
ニュージーランドウサギを用いた研究では、1%の濃度を1日1回、最大8日間、3匹のウサギに使用した。下眼瞼に合計4mgを塗布した。
研究期間中、以下のような観察を行なった。1匹の動物は眼科的所見がなく目を細めており、1匹の動物は角膜の染色があり、3匹目はまぶたの腫れがあった。
実施例7 - SeS濃度0.5重量%~2.5重量%での、ウサギ研究
実施例6に続く試験で、0.5重量%から2.5重量%の濃度を、1日1回から週2回、28日間、ニュージーランドウサギに使用した。投与は下眼瞼に注意深く、下前庭に薬剤が滞留しないように塗布した。
前者の約4倍の時間をかけて行われたこの試験で得られた眼科的観察は、制御された方法で投与される同程度以上の濃度のものがより安全であると説明した。
実施例8 - SeS濃度1重量%をでの、ウサギ研究
この方法をウサギに用いた実施例7と並行した研究において、塗布前後の薬剤量を3人の技術員について5回算出し、以下の測定値を記録した。
技術員#1:平均2.53mg±0.74
技術員#2:平均2.18mg±0.32
技術員#3:平均2.24mg±0.38
SeSの粒子状物質が軟膏内に分散し、および、溶液において溶解された粒子状物質と同様に、それを介して拡散しないと仮定すれば、眼瞼のような皮膚に塗布する場合、表面に出て皮膚と接触している粒子だけが標的細胞で活性を引き出せることを意味する。そのため、安全性に懸念が生じるようなアクセスを避さけながら、一方で薬物活性を確保するために眼瞼縁を覆うように薄く塗布できることが、重要である。
実施例9 - 下眼瞼縁への塗布
眼瞼縁がしっかり覆われるように眼瞼縁に塗布できる最小限の量を求める実験を行った。2つの眼が試験された。
0.1mg精度の分析用計量装置を使用した。計量装置を較正し、そして、綿棒の重量を測定した。黒色の色素を入れたペトロラタム軟膏のスライバをチューブから押し出し、その少量を綿棒の先端上に載せた。その後、再度綿棒の重量を測定し、綿棒に付着した薬剤の総重量を算出した。
その後、対象は綿棒を手に取り、下眼瞼縁に軟膏を塗り広げるために使用した。
眼瞼縁に残った薬剤の重量を算出し、眼瞼縁全体における薬剤の分離性を評価することにより、結果を測定した。
下眼瞼のMGの完全な被覆を得るのに十分な最小用量は、図5および図6からそれぞれわかるように、0.3mg(~0.3マイクロリットル)および0.4mg(~0.4マイクロリットル)であった。

Claims (58)

  1. 必要とする個体における眼または眼の周囲の疾患または障害(例えば、MGD)を処置する方法であって、前記方法は、個体の眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、前記医薬組成物は、治療有効量の二硫化セレン(SeS)のを含み、前記医薬組成物は、治療有効濃度で前記治療有効量のSeSを含み、前記治療有効濃度は、SeSの約0.1重量%~約5重量%(例えば、約0.1重量%~約2.5重量%)であり、および前記医薬組成物は、25マイクロリットル(μL)未満の容量で投与される、方法。
  2. 前記治療有効濃度は、SeSの約0.5重量%~約1.0重量%を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 投与される前記容量は、約10μL以下(例えば、0.2μL~約10μL)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 投与される前記容量は約5μLであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 投与される前記容量は約0.5μLであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  6. SeSの前記治療有効量は、約0.1重量%~約2.5重量%であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. 前記医薬組成物は、半固形であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記医薬組成物は軟膏であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記医薬組成物はクリームであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記医薬組成物はゲルあるいはローションであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 前記医薬組成物は、溶液、懸濁液、またはエマルジョンであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 前記医薬組成物は、ナノ粒子、微粒子またはリポソームを含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 投与される前記容量は、約0.3μL~約20μLであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 前記軟膏はペトロラタムを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  15. 前記医薬組成物は、25μL未満の容量を送達するデバイスを使用して提供されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載の方法。
  16. 前記デバイスは、約5μlの容量を送達することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記医薬組成物は、個体の眼瞼、個体のまつ毛、またはその組合わせに投与されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1つに記載の方法。
  18. 前記医薬組成物は、眼瞼の眼瞼縁に送達されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記医薬組成物は、医薬組成物の処置を受ける個体によって投与されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  20. 前記個体は、塗布具を使用して、医薬組成物を塗布することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 前記眼または眼の周囲における疾患または障害は、マイボーム腺機能障害(MGD)、眼瞼炎、または脂漏性眼瞼炎によって引き起こされることを特徴とする、請求項1から20のいずれか1つに記載の方法。
  22. 前記眼または眼の周囲の疾患または障害は、過角化症に関連づけられることを特徴とする、請求項1から21のいずれか1つに記載の方法。
  23. 前記医薬組成物は、実質的な角膜炎を生じさせないことを特徴とする、請求項1から22のいずれか1つに記載の方法。
  24. 必要とする個体の眼または眼の周囲の疾患または障害(例えば、MGD)を処置する方法であって、前記方法は、投与レジメンにおいて、前記個体の眼表面、周囲の眼組織、またはその組み合わせに治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、前記医薬組成物は、治療有効量の二硫化セレン(SeS)を含み、前記医薬組成物は、治療有効濃度で前記治療有効量のSeSを含み、前記治療有効濃度は、約0.1重量%~約2.5重量%であり、および、前記投与レジメンの各投与の間に、前記医薬組成物は25マイクロリットル(μL)未満の容量で投与される、方法。
  25. 前記投与レジメンは、少なくとも第1回、および少なくとも第2回の、医薬組成物の投与を含む(例えば、ここで前記第1回は、高濃度組成物の投与であり、第2回は低濃度組成物の投与である)、請求項24に記載の方法。
  26. 少なくとも前記第2回は、少なくとも前記第1回の、少なくとも6時間後、少なくとも12時間後、少なくとも24時間後、またはそれ以上の時間後に行われることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 前記投与レジメンは、少なくとも2回の投与(例えば、少なくとも3回の投与、少なくとも4回の投与、またはそれ以上)のために、医薬組成物を少なくとも週1回投与すること含むことを特徴とする、請求項24から26のいずれか1つに記載の方法。
  28. 前記投与レジメンは、週2回であることを特徴とする、請求項24から27のいずれか1つに記載の方法。
  29. 前記投与レジメンは、1日1回であることを特徴とする、請求項24から27のいずれか1つに記載の方法。
  30. 前記医薬組成物におけるSeSの前記治療有効濃度は、約0.5重量%~約1.0重量%であることを特徴とする、請求項24から29のいずれか1つに記載の方法。
  31. 投与される前記容量は約10μL以下であることを特徴とする、請求項24から30のいずれか1つに記載の方法。
  32. 投与される前記容量は約5μLであることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
  33. 前記治療有効量は、約4mgのSeSを含むことを特徴とする、請求項24から32のいずれか1つに記載の方法。
  34. 前記医薬組成物は軟膏であることを特徴とする、請求項24から33のいずれか1つに記載の方法。
  35. 前記軟膏はペトロラタムを含むことを特徴とする、請求項34に記載の方法。
  36. 前記軟膏は、25μL未満の容量を送達するデバイスを使用して提供されることを特徴とする、請求項34または35に記載の方法。
  37. 前記デバイスは、約5μlの容量を送達することを特徴とする、請求項36に記載の方法。
  38. 前記医薬組成物は、前記個体の前記眼瞼、個体のまつ毛、またはその組合わせに投与されることを特徴とする、請求項34から37のいずれか1つに記載の方法。
  39. 前記医薬組成物は、前記眼瞼の眼瞼縁に送達されることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
  40. 前記医薬組成物は、医薬組成物の処置を受ける前記個体によって投与されることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
  41. 前記個体は、塗布具を使用して前記医薬組成物を塗布することを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  42. 前記眼または眼の周囲における疾患または障害は、マイボーム腺機能障害(MGD)、眼瞼炎、または脂漏性眼瞼炎によって引き起こされることを特徴とする、請求項24から41のいずれか1つに記載の方法。
  43. 前記眼または眼の周囲の疾患または障害は、過角化症に関連づけられることを特徴とする、請求項24から42のいずれか1つに記載の方法。
  44. 前記医薬組成物は、実質的な角膜炎を生じさせないことを特徴とする、請求項24から43のいずれか1つに記載の方法。
  45. 前記医薬組成物は、界面活性剤を含まないことを特徴とする、請求項1から44のいずれか1つに記載の方法。
  46. 治療有効量の二硫化セレン(SeS)を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物は、治療有効濃度で前記治療有効量のSeSを含み、前記治療有効濃度は、SeSの約0.1重量%~約5重量%(例えば、約0.1重量%~約2.5重量%)であり、ここで前記医薬組成物は、約25マイクロリットル(μL)以下の容量(例えば、投与量)を含む、医薬組成物。
  47. 前記医薬組成物は、界面活性剤を含まないことを特徴とする、請求項46に記載の医薬組成物。
  48. 前記治療有効濃度は、SeSの約0.5重量%~約1.0重量%であることを特徴とする、請求項46から47のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  49. 投与される前記容量は、約10μL以下であることを特徴とする、請求項46から48のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  50. 投与される前記容量は、約5μLであることを特徴とする、請求項49に記載の医薬組成物。
  51. SeSの前記治療有効量は、約4mgであることを特徴とする、請求項46から50のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  52. 前記医薬組成物は軟膏であることを特徴とする、請求項46から51のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  53. 前記軟膏はペトロラタムを含むことを特徴とする、請求項52に記載の医薬組成物。
  54. 前記軟膏は、約25μL以下の容量を送達するデバイスを使用して提供されることを特徴とする、請求項52または53に記載の医薬組成物。
  55. 前記デバイスは、約5μlの容量を送達することを特徴とする、請求項54に記載の医薬組成物。
  56. 前記デバイスは、約0.3マイクロリットル(または、それより多く)の容量を送達することを特徴とする、請求項54に記載の医薬組成物。
  57. 前記医薬組成物は眼科的に安全であることを特徴とする、請求項46から56のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  58. 前記医薬組成物は、実質的な角膜炎を生じさせないことを特徴とする、請求項46から57のいずれか1つに記載の医薬組成物。
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