JP2023177577A - 非対称ジアミンを含む剤及び樹脂並びにその使用 - Google Patents

非対称ジアミンを含む剤及び樹脂並びにその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】非対称ジアミンを含む新たな剤等を提供する。【解決手段】式(I):TIFF2023177577000044.tif3656[式中、RI~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]で表される非対称ジアミンを含む剤であって、前記剤は、硬化剤、架橋剤、酸化防止剤、CO2吸収剤、分散剤、剥離剤、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、コーティング製剤、乳化剤、除草剤、燃料添加剤、研削助剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤、加硫促進剤、DNA標識のためのリンカー剤、医薬中間体用合成剤、及び触媒用合成剤からなる群から選択される、剤。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の非対称ジアミンを含む剤及び樹脂、並びに、該非対称ジアミンの使用に関する。
ジアミンは、ポリイミド系樹脂を構成するモノマー成分などとして用いられており、このようなポリイミド系樹脂から形成されるフィルムは、液晶や有機EL等の表示装置、タッチセンサ、スピーカー、半導体など、種々の用途に使用されている。
ポリイミド系樹脂を構成するようなジアミンは、重合性の観点から、通常対称な構造を有していることが多い一方、構造的に非対称なジアミンも知られている。例えば、特許文献1には、非対称ジアミンであるp-アミノエチルアニリン(p-アミノフェニルエチルアミン)を構成成分として含むポリイミド系樹脂が記載されている。
特表2021-533237号公報
しかし、p-アミノフェニルアルキルアミン等の非対称ジアミンは、化学的に量産することが困難なため、適用し得る用途等がほとんど検討されていない。
そこで、本発明は、非対称ジアミンを含む新たな剤及び樹脂、並びに非対称ジアミンの新たな使用を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]式(I):
Figure 2023177577000001
[式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
で表される非対称ジアミンを含む剤であって、
前記剤は、硬化剤、架橋剤、酸化防止剤、CO吸収剤、分散剤、剥離剤、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、コーティング製剤、乳化剤、除草剤、燃料添加剤、研削助剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤、加硫促進剤、DNA標識のためのリンカー剤、医薬中間体用合成剤、及び触媒用合成剤からなる群から選択される、剤。
[2]式(I):
Figure 2023177577000002
[式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
で表される非対称ジアミンを構成成分として含む樹脂であって、
前記樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素、ポリベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、液晶配向ポリマー、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びゴム系樹脂からなる群から選択される、樹脂。
[3]式(I):
Figure 2023177577000003
[式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
で表される非対称ジアミンの、硬化剤若しくは架橋剤又は樹脂の構成成分としての使用。
[4]式(I):
Figure 2023177577000004
[式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
で表される非対称ジアミンの、剤としての使用であって、
前記剤は、硬化剤、架橋剤、酸化防止剤、CO吸収剤、分散剤、剥離剤、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、コーティング製剤、乳化剤、除草剤、燃料添加剤、研削助剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤、加硫促進剤、DNA標識のためのリンカー剤、医薬中間体用合成剤、及び触媒用合成剤からなる群から選択される、使用。
[5]式(I):
Figure 2023177577000005
[式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
で表される非対称ジアミンの、樹脂の構成成分としての使用であって、
前記樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素、ポリベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、液晶配向ポリマー、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びゴム系樹脂からなる群から選択される、使用。
[6]前記非対称ジアミンは、生物由来の非対称ジアミンである、[1]に記載の剤。
[7]前記非対称ジアミンは、生物由来の非対称ジアミンである、[2]に記載の樹脂。
[8]前記非対称ジアミンは、生物由来の非対称ジアミンである、[3]~[5]のいずれかに記載の使用。
[9]前記非対称ジアミンは、炭素14を含む、[1]に記載の剤。
[10]前記非対称ジアミンは、炭素14を含む、[2]に記載の樹脂。
[11]前記非対称ジアミンは、炭素14を含む、[3]~[5]のいずれかに記載の使用。
本発明によれば、非対称ジアミンを含む新たな剤及び樹脂、並びに非対称ジアミンの新たな使用を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
[剤及び樹脂]
〔非対称ジアミン〕
本発明の剤及び樹脂はそれぞれ、式(I):
Figure 2023177577000006
[式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
で表される非対称ジアミン(非対称ジアミン(I)ということがある)を含む。
式(I)中のR~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチル-ブチル基、2-エチル-プロピル基、n-ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基;シクロペンチル基、シクロオキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基、トルイルオキシ基等のアリールオキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルコキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;チオフェノキシ等のアリールチオ基;シクロへキシルチオ基等のシクロアルキルチオ基;ベンジルチオ基等のアラルキルチオ基;アセチル基等のアシル基などが挙げられる。
これらの中でも、R~RVIは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基(好ましくは炭素数1~4のアルキル基)、炭素数1~6のアルコキシ基(好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基)、又は炭素数6~12のアリール基であることが好ましく、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数1~6のアルコキシ基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
式(I)において、nは1~3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。なお、nが2又は3であるとき、複数のR及びRVIは互いに同一又は異なっていてもよい。
非対称ジアミン(I)は、石油由来の非対称ジアミンであっても、生物由来(バイオ由来)の非対称ジアミンであってもよいが、安価に製造でき、量産可能な観点から、生物由来(バイオ由来)の非対称ジアミンであることが好ましい。
また、非対称ジアミン(I)は、炭素14(14C)を含むことが好ましい。生物由来の非対称ジアミンは炭素14を含み、石油由来の非対称ジアミンは、炭素14を含まない。ここで、「炭素14を含む」とは、以下の測定方法により炭素14が検出されることを意味し、「炭素14を含まない」とは、検出限界以下であることを意味する。
炭素14の測定方法としては、例えば、ISO16620-2、ASTM D6866、又はCEN/TS16147に規定される炭素14の測定方法を用いることができる。
〔非対称ジアミン(I)の製造方法〕
非対称ジアミン(I)の製造方法は特に限定されず、慣用の方法により化学的に製造して石油由来の非対称ジアミンを得てもよいが、安価に量産しやすい観点からは、微生物を利用して生物由来の非対称ジアミンを得ることが好ましい。
本発明の一実施形態において、nが2及びR~RVIが水素原子である生物由来の非対称ジアミン(I)(4-アミノフェニルエチルアミン;「4-APEA」と称することがある)は、生化学的に、例えば以下に示すスキームに従って合成することができる。
Figure 2023177577000007
4-APEAへの代謝経路は、シキミ酸経路の代謝物であるコリスミ酸に由来し、上記のスキームは、コリスミ酸から4-APEAを生合成するための経路を示す。この経路は、次の酵素活性、すなわち、4-アミノ-4-デオキシコリスミ酸シンターゼ(例えば、ある生物ではpapA遺伝子によってコードされ、本明細書では略して「papA」と称される)、4-アミノ-4-デオキシコリスミ酸ムターゼ(例えば、ある生物ではpapB遺伝子によってコードされ、本明細書では略して「papB」と称される)、4-アミノ-4-デオキシプレフェネートデヒドロゲナーゼ(例えば、ある生物ではpapC遺伝子によってコードされ、本明細書では、略して「papC」と称される)、アミノトランスフェラーゼ(本明細書では「AT」と称される)、及びデカルボキシラーゼ(本明細書では「DC」と称される)で順次構成されている。場合によっては、1つの酵素によって複数の酵素活性が実行されてよい。例えば、Komagataella pastorisや他の生物では、4-アミノ-4-デオキシコリスミ酸シンターゼとして作用する天然の二機能性酵素もグルタミナーゼ活性を有している。
コリスミ酸は、前駆体であるホスホエノールピルビン酸(PEP)とエリトロース-4-ホスフェート(E4P)に基づいて、アミノ酸生合成の芳香族分岐に由来する。この芳香族生合成経路の第1のステップ(3-デオキシ-D-アラビノヘプツロソネート7-ホスフェート[DAHP]シンターゼによって実行される)は、芳香族アミノ酸であるチロシン、トリプトファン、及びフェニルアラニンによるフィードバック阻害を受ける。
単純な炭素源の発酵による4-APEAの生成は、シキミ酸生合成経路を介したフラックスを、上記で特定した5つの酵素を含む導入された4-APEA経路にリンクし、任意に、この経路を介したフラックスを適切な微生物宿主で改良することによって達成できる。
操作された微生物細胞において活性である任意の4-APEA経路酵素は、典型的には、標準的な遺伝子工学技術を使用して酵素をコードする遺伝子を導入及び発現することによって、細胞に導入されてよい。適切な4-APEA経路酵素は、植物、古細菌、真菌、グラム陽性菌、及びグラム陰性菌の供給源を含む任意の供給源に由来し得る。様々な実施形態において、微生物細胞に導入された少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、又はすべての遺伝子は、細胞に対して非天然である。
これらの遺伝子のいずれかの1つまたは複数のコピーを、選択した微生物宿主細胞に導入できる。遺伝子の複数のコピーが導入された場合、そのコピーは同じまたは異なるヌクレオチド配列を有することができる。いくつかの実施形態において、異種遺伝子の一方または両方(若しくはすべて)は、強力な構成的プロモーターから発現される。いくつかの実施形態において、異種遺伝子は、調節可能なプロモーター(例えば、誘導性または抑制性プロモーター)から発現される。異種遺伝子は、選択された微生物宿主細胞における発現を増強するために、任意にコドン最適化できる。
生物由来の非対称ジアミン(I)、例えば「4-APEA」の製造方法は、国際公開第2022-040457号を参照できる。
〔剤〕
本発明において、前記非対称ジアミン(I)を含む剤は、硬化剤、架橋剤、酸化防止剤、CO吸収剤、分散剤、剥離剤、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、コーティング製剤、乳化剤、除草剤、燃料添加剤、研削助剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤、加硫促進剤、DNA標識のためのリンカー剤、医薬中間体用合成剤、及び触媒用合成剤からなる群から選択される。本発明における非対称ジアミン(I)は、これらの剤として作用(又は機能)し得る。これらの中でも、非対称ジアミン(I)の作用(又は機能)を有効に発現しやすい観点から、前記剤は、硬化剤、架橋剤、CO吸収剤、ゲル化剤、結合剤、及び接着剤からなる群から選択されることが好ましく、硬化剤及び架橋剤からなる群から選択されることがより好ましい。なお、「剤が非対称ジアミン(I)を含む」とは、非対称ジアミン(I)だけでなく、非対称ジアミン(I)が反応して得られる反応物を含む場合も包含する。
<硬化剤>
硬化剤とは、樹脂の硬化を促進する機能を有する剤を示す。少なくとも樹脂の硬化を促進する作用を有していれば、樹脂を架橋させる作用を有していてもよいし、有していなくてもよい。該硬化剤は公知のあらゆる樹脂又はモノマーに適用でき、特に限定されないが、エポキシ樹脂用硬化剤、ポリウレタン樹脂用硬化剤、ビスマレイミド樹脂用硬化剤などが挙げられる。なお、本明細書において、硬化前も硬化後も両方樹脂と称することがあり、特に、便宜上、硬化前の樹脂は化合物とも称することがある。例えば、エポキシ化合物は硬化前のエポキシ樹脂を意味する。
(エポキシ樹脂用硬化剤)
本発明の非対称ジアミン(I)を含むエポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させる作用を有する。少なくとも非対称ジアミン(I)がエポキシ樹脂(エポキシ化合物)と反応して硬化させることができる。その反応は、特に限定されないが、少なくとも非対称ジアミン(I)のアミノ基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応であってもよく、その反応により架橋構造が形成されてもよい。エポキシ樹脂用硬化剤は、非対称ジアミン(I)に加え、特に限定されないが、例えばフェノール系化合物、ビスマレイミド系化合物、ジヒドロキシナフタレン系化合物、硬化促進化合物等の他の化合物を含んでいてよい。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
フェノール化合物としては、特に限定されないが、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有し、その例としては、ビスフェノールF,ビスフェノールA、ビスフェノールS等のビスフェノール系化合物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック化合物、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル化合物、トリフェノールメタン樹脂等の公知のポリフェノール化合物が挙げられる。アラルキル化合物は、パラキシリレングリコール、ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、又はこれらの誘導体を架橋剤としてフェノール類又はナフトール類などのフェノール性水酸基含有化合物と反応させることにより得ることができる。
ビスマレイミド系化合物は、特に限定されないが、無水マレイン酸と2官能型芳香族アミン類を縮合させることで、容易に得ることが可能である(例えば特開昭60-260623号公報を参照できる)。
ジヒドロキシナフタレン化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンが挙げられ、エポキシ樹脂との反応性の観点からは、水酸基同士が隣接していないものを用いることができる。
硬化促進化合物は、非対称ジアミン(I)以外の硬化を促進し得る公知の化合物であり、その例としては、非対称ジアミン(I)以外のアミン化合物、ジチオール化合物、4級アンモニウム塩、イミダゾール類、尿素化合物、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩などが挙げられる。より具体的には、オキシジアニリン、チオビスベンゼンチオール、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、4,4’-ジメルカプトビフェニル、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン化合物;2-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;3-フェニル-1,1-ジメチルウレア、3-(o-メチルフェニル)-1,1-ジメチルウレア、3-(p-メチルフェニル)-1,1-ジメチルウレア、1,1’-フェニレンビス(3,3-ジメチルウレア)、1,1’-(4-メチル-m-フェニレン)-ビス(3,3-ジメチルウレア)等の尿素化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン等のホスフィン化合物、トリフェニルホスホニオフェノラート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラナフトエ酸ボレート等のホスホニウム塩;を挙げることができる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、エポキシ樹脂用硬化剤に含まれる成分として、例えば特開2014-196465号公報に記載の成分を使用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、各成分を公知の方法により混合することにより得ることができる。また、エポキシ樹脂用硬化剤は、公知のあらゆるエポキシ樹脂(エポキシ化合物)に適用でき、その例としては、特に限定されないが、<エポキシ樹脂>の項に記載のエポキシ化合物等が挙げられる。また、例えば公知の方法によりエポキシ樹脂用硬化剤をエポキシ化合物に適用することで、硬化されたエポキシ樹脂を得ることができる。エポキシ樹脂用硬化剤の使用量は、特に限定されないが、本発明の一実施形態では、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤に含まれる非対称ジアミン中のアミノ基の活性水素の割合が、エポキシ化合物のエポキシ基1モルに対して、好ましくは0.1~10モル、より好ましくは0.5~5モル、さらに好ましくは0.9~1.1モルになるようにエポキシ樹脂用硬化剤を使用できる。また、エポキシ樹脂を硬化させる方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤とエポキシ化合物とを混合して混合物を得た後、その混合物を加熱する方法が挙げられる。加熱温度は、エポキシ化合物の種類に応じて適宜選択でき、例えば40~300℃、好ましくは60~200℃であってよい。
(ポリウレタン樹脂用硬化剤)
本発明の非対称ジアミン(I)を含むポリウレタン樹脂用硬化剤は、ポリウレタン樹脂を硬化させる作用を有する。例えば、少なくとも非対称ジアミン(I)がポリウレタン樹脂(ポリウレタン化合物)と反応して硬化させることができる。その反応は、特に限定されないが、少なくともポリウレタン樹脂の末端イソシアネート基と非対称ジアミン(I)のアミノ基とが反応してもよく、その反応により架橋構造が形成されてもよい。
ポリウレタン樹脂用硬化剤は、非対称ジアミン(I)に加え、特に限定されないが、非対称ジアミン以外のアミン化合物等の他の化合物を含んでいてよい。該アミン化合物としては、例えば4,4’-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)、4,4’-メチレンジアニリン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジ-(メチルチオ)トルエンジアミン、ビス(メチルチオ)-2,6-トルエンジアミン、ビス(メチルチオ)-2,4-トルエンジアミン、メチルチオトルエンジアミン等が挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のウレタン樹脂用硬化剤は、各成分を公知の方法により混合することにより得ることができる。ポリウレタン樹脂用硬化剤は、公知のあらゆるポリウレタン樹脂(ポリウレタン化合物)に適用でき、その例として、特に限定されないが、<ポリウレタン樹脂>の項に記載のポリウレタン化合物が挙げられる。
(ビスマレイミド樹脂用硬化剤)
本発明の非対称ジアミン(I)を含むビスマレイミド樹脂用硬化剤は、ビスマレイミド樹脂を硬化させる作用を有する。例えば、少なくとも非対称ジアミン(I)がビスマレイミド樹脂(ビスマレイミド化合物)と反応して硬化させることができる。その反応は、特に限定されないが、少なくとも非対称ジアミン(I)のアミノ基と、ビスマレイミド樹脂のマレイミド基との反応であってよく、架橋構造が形成されてもよい。ビスマレイミド樹脂用硬化剤は、非対称ジアミン(I)に加え、特に限定されないが、非対称ジアミン(I)以外のアミン化合物、例えば1,3-フェニレンジアミン等;チオール化合物、例えばトリス[(3-メルカプトプロピオニロキシ)-エチル]-イソシアヌレート等を含んでいてよい。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のビスマレイミド樹脂用硬化剤は、各成分を公知の方法により混合することにより得ることができる。また、ビスマレイミド樹脂用硬化剤は、公知のあらゆるビスマレイミド樹脂(ビスマレイミド化合物)に適用でき、その例として、特に限定されないが、<ビスマレイミド樹脂>の項に記載のビスマレイミド化合物などが挙げられる。
<架橋剤>
架橋剤とは、樹脂と反応して樹脂間に架橋構造を形成し得る剤を示す。該架橋剤は公知のあらゆる樹脂や材料に適用でき、その例としては、特に限定されないが、ポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂、ゴム系材料などが挙げられる。
(ポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂用架橋剤)
本発明の非対称ジアミン(I)を含むポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂用架橋剤は、ポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂を架橋させる作用を有する。
ポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂は、ポリアスパラギン酸骨格を有し、ポリアスパラギン酸鎖同士がジアミンにより連結された構造を有する。ポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂は、あるポリアスパラギン酸鎖上の側鎖に存在するカルボキシル基と、別のポリアスパラギン酸鎖上の側鎖に存在するカルボキシル基とが、ジアミンのアミノ基とそれぞれアミド結合を形成することで、ポリアスパラギン酸鎖同士が架橋されている。ポリアスパラギン酸の側鎖上のカルボキシル基の一部がこのような架橋を形成しており、ポリアスパラギン酸の側鎖上のカルボキシル基の別の一部(残部全体であってもよい)は、遊離のカルボン酸であっても、塩を形成していてもよい。また、架橋を形成していない側鎖のカルボキシル基は、主鎖のアミド結合中の-NH-と結合してイミド環を形成することができる。そのため、主鎖の一部には、イミド環が存在していてもよい。
本発明の非対称ジアミン(I)を含むポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂用架橋剤は、例えば、少なくとも非対称ジアミン(I)がポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂と反応してポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂を架橋させることができる。その反応は、特に限定されないが、少なくとも非対称ジアミン(I)のアミノ基と、ポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂中のカルボキシル基との反応であってもよい。
本発明のポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂用架橋剤は、公知のあらゆるポリアスパラギン酸骨格を有する樹脂に適用でき、その例としては、特に限定されないが、例えば特開2019-89898号公報に記載のポリアスパラギン酸骨格を有するポリマーなどが挙げられる。
(ゴム系材料用架橋剤)
本発明の非対称ジアミン(I)を含むゴム系材料用架橋剤は、ゴム系材料を架橋し得る作用を有する。例えば、少なくとも非対称ジアミン(I)がゴム系材料と反応してゴム系材料を架橋させることができる。
本発明のゴム系材料用架橋剤は、公知のあらゆるゴム系材料に適用でき、その例としては、特に限定されないが、クロロプレンゴム、アクリルゴム、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
本発明のゴム系材料用架橋剤は、非対称ジアミン(I)に加え、他の化合物を含んでいてよく、該他の化合物としては、特に限定されないが、例えば非対称ジアミン(I)以外の架橋促進化合物などであってよい。該架橋促進化合物としては、チアゾール系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物、グアニジン系化合物、有機過酸化物、アルキルフェノール樹脂オリゴマー、ビスフェノール類、p-ベンゾキノンジオキシム、酸化亜鉛などが挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤とは、物質の酸化を防止又は抑制する機能を有する剤である。本発明の酸化防止剤は、公知のあらゆる樹脂や材料に適用でき、その例としては、特に限定されないが、ゴム系材料などが挙げられる。本発明の酸化防止剤は、好ましくは非対称ジアミン(I)により、ゴム系材料の自動酸化の連鎖反応を中断する機能を発現できる。
本発明の酸化防止剤は、非対称ジアミン(I)に加え、他の化合物を含んでいてよく、該他の化合物としては、特に限定されず、N,N-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等の第2級ジアミン;p-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン等の第2級モノアミン;N,N,N’,N’-テトラメチル-p-フェニレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-p,p’-ジアミノジフェニルメタン、N,N-ジメチル-2-ナフチルアミン等の第2級アミン;N,N’-ジフェニルキノンジイミン等のキノンイミンなどが挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
<CO吸収剤>
本発明のCO吸収剤は、COを吸収する作用を有する剤を示す。CO吸収剤に含まれる非対称ジアミン(I)がCOと反応し、カルバメートを生成後、もう1つの非対称ジアミン(I)とイオン対を形成し得るため、吸収剤として作用すると考えられる。本発明のCO吸収剤は、非対称ジアミン(I)に加え、非対称ジアミン(I)以外の第1級アミン(例えばエタノールアミン)、第2級アミン等を含んでいてもよい。
<分散剤>
本発明の分散剤は、物質を分散媒に分散させる作用、好ましくは分散を安定させる作用を有する剤である。本発明の分散剤は、公知のあらゆる樹脂粒子や材料に適用でき、その例としては、特に限定されないが、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等のフィラー、有機・無機顔料などが挙げられる。分散剤に含まれる非対称ジアミン(I)は、フィラー(例えばカーボンフィラー)を吸着する機能を有するため、フィラーの凝集を抑制してフィラーの分散安定化を発現しやすい。
本発明の分散剤は、非対称ジアミン(I)に加え、他の化合物を含んでいてよく、該他の化合物としては、特に限定されないが、例えば非対称ジアミン(I)の塩、非対称ジアミン(I)以外のジアミン及びその塩、カルボキシル基含有化合物及びその塩、リン酸基含有化合物及びその塩などが挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
<剥離剤>
本発明の剥離剤は、好ましくはフォトレジスト用剥離剤である。本発明の剥離剤は、公知のあらゆるフォトレジストに適用でき、非対称ジアミン(I)に加え、モノエタノールアミン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの他の化合物を含んでいてよい。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
<pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、乳化剤、除草剤、研削助剤、コーティング剤、燃料添加剤>
本発明における非対称ジアミン(I)は、pH調整作用、洗浄作用、柔軟付与作用、防食作用、乳化作用、除草作用、及び研削助作用を有し得る。つまり、本発明の非対称ジアミン(I)を含む剤は、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、乳化剤、除草剤、又は研削助剤としても機能する。本発明のpH調整剤は、特に限定されないが、例えばパーソナルケア製品;スキンクリーム、ヘアケア製品、メイクアップ製品、日焼け止め製品等の化粧品などに利用できる。本発明の洗浄剤は、特に限定されないが、例えばストリーキング、フィルム化での洗浄剤、又は、工業用洗浄剤、より詳細にはシリコーンの沈着物の除去や金属又は電子部品の洗浄剤として利用してもよい。本発明の柔軟剤は、特に限定されないが、例えば洗濯用柔軟剤として利用でき、低感受性、乳化性及び柔軟化特性等を向上しやすい。本発明の防食剤及び乳化剤はそれぞれ、特に限定されないが、例えばアスファルト化学物質や潤滑油に対して防食作用又は乳化作用を発現しやすい。本発明の研削助剤は、特に限定されないが、例えばセメント及びコンクリートの研削助剤として利用してもよい。
本発明のコーティング剤は、特に限定されないが、例えば工業用又は建築用コーティング剤であってもよい。該コーティング剤は、非対称ジアミン(I)に加え、水や溶剤、塗料やインク等のその他の成分を含んでいてよい。少なくとも非対称ジアミン(I)により、塗料やインクの溶解性及び分散性を向上しやすく、pH調整機能も発現しやすい。さらに、塗料やインクがエポキシ系である場合、硬化機能が発現されやすい。
本発明の燃料添加剤は燃料に添加する剤を示し、公知のあらゆる燃料に添加することができる。
<界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤>
本発明の界面活性剤は、特に限定されないが、界面活性作用を有するため、例えばエマルジョンブレーカー、乳化材料、帯電防止材料等として利用できる。
本発明の増粘剤は、特に限定されないが、増粘作用を有するため、例えば安定材料、パップ材料、焼き入れ油、作動液、原油増産材料(例えば、採鉱若しくは坑井掘削において用いる材料(一時的シール物質、石油掘削補助用分散液、流動性制御材若しくは坑井処理流体における材料)若しくは捺染用のり材料等として利用できる。本発明の減粘剤は、特に限定されないが、減粘作用を有するため、可塑材料等として利用できる。
本発明の膨潤剤は、特に限定されないが、膨潤作用を有するため、例えば薬剤用担体、(薬剤)揮散材料若しくは薬剤保持体、通信ケーブル用止水材等の電気機器関連資材、ガスケット・パッキング、土木用のシーリング材、建築用のシーリング材、シールド工法の逸泥防止材料、水膨潤性玩具、シーラント若しくは人工雪等に利用できる。
本発明の吸水剤は、特に限定されないが、吸水作用を有するため、例えば保湿材料、除湿材料、調湿材料、吸湿材料若しくは保水材料等として利用できる。より具体的には、生理用品、おむつ、母乳パット、失禁用パッド、医療用アンダーパット、使い捨て雑巾、ペット用シート、携帯用トイレ、使い捨てカイロ、創傷保護用ドレッシング材、医療用血液吸収体、吸汗性繊維、ぬれティッシュー、消臭除湿シート、食品鮮度保持材料、食品等の分野における脱水材料、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止用建築材料、インクジェット用記録紙、プリント配線板用防湿コーティング材料、コンクリート用防水材料、ガソリンの脱水材料、ガソリンの水分除去材料、油類の脱水材料、若しくは油類の水分除去材料等に利用できる。主に本発明の吸水剤を農業分野に利用した場合、保水材料、土壌改良材料、フローラルフォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕栽培植生シート、種子テープ、流体播種用媒体、結露防止用農業用シート若しくは灌注液等に利用できる。
本発明のゲル化剤は、特に限定されないが、ゲル化作用を有するため、例えば消臭材料、脱臭材料、保冷材料若しくは吸油性材料等として利用できる。
本発明の結合剤は、特に限定されないが、結合作用を有するため、スケール防止材料、歯石沈着防止材料、重金属類溶出抑制材料、重金属類固定化材料、セレン処理材料、ビルダー、樹脂強化材料、染料固着材料、繊維用防染加工材料、布加工薬材料若しくは洗濯用消臭抗菌仕上げ材料等として利用できる。
本発明の成膜剤は、特に限定されないが、成膜作用を有するため、例えば防錆材料、包装材料(例えば、食品、医薬品若しくは電子材料等の包装材料)、一般工業用フィルム、包装材料用フィルム、塗料、インキ、インクジェットインク、水性インキ、ボールペン用インキ、金属光沢色インキ、消去可能なインキ、筆記具用レフィル、内側空間に薬剤を格納するためのシームレスのカプセル材料、フロアポリッシュ材料、塗料材料、マスキング材料、プラスチック・ハードコート材料、フォトレジスト材料、消火材料等に利用できる。
本発明の凝集剤は凝集作用を有し、本発明の接着剤は接着作用を有するため、これらの剤は、特に限定されないが、例えば培養細胞シート、凝着材料、印刷インキ用バインダー、水溶性バインダー、不織布用バインダー、プラスチック強化繊維用バインダー、電子写真トナー用バインダー、磁気テープ用バインダー、レジンコンクリート用バインダー、鋳物砂用バインダー、ファインセラミック用バインダー、シール材(例えば、電子機器若しくは光ファイバー等のシール材)等に利用できる。
本発明の表面改質剤は、特に限定されないが、表面改質作用を有するため、例えば繊維処理材料、麺質改良材料若しくはプライマー等として利用できる。
本発明の徐放剤は、特に限定されないが、徐放作用を有するため、例えば薬剤に利用できる。
<加硫促進剤>
本発明の非対称ジアミン(I)を含む加硫促進剤は、加硫促進作用を有する。該加硫促進剤は、非対称ジアミン(I)を単独で含んでいてもよく、該非対称ジアミンを、2-メルカプトベンゾチアゾール等の他の化合物と反応して得られるスルフェンアミド系化合物の形態で含んでいてもよい。該加硫促進剤は、加硫促進機能を有する化合物(加硫促進化合物と称する)等をさらに含んでいてもよい。該加硫促進化合物としては、例えば2-メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール系加硫促進化合物;2-メルカプトベンゾチアゾールとアミンとの反応物等のスルフェンアミド系加硫促進化合物;チウラム系加硫促進化合物;ジチオカルバミン酸塩系加硫促進化合物;グアニジン系加硫促進化合物;2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進化合物;N-シクロへキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進化合物;ジフェニルグアニジン等のグアニジン系などが挙げられる。
本発明の加硫促進剤を適用し得るゴム材料は、特に限定されないが、例えば、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
<DNA標識のためのリンカー剤>
本発明の非対称ジアミン(I)を含むDNA標識のためのリンカー剤は、特に限定されないが、DNA(例えばプラスミド)にプローブ(例えば蛍光プローブ)を標識する際のリンカーとして機能することができる。本発明のDNA標識のためのリンカー剤を用いたDNA標識の一実施形態としては、非対称ジアミン(I)と、これに結合可能な蛍光プローブとを反応させた後、ジアゾ化反応を行い、ジアゾ化した蛍光プローブをルシフェラーゼプラスミドのグアニン塩基に結合させて修飾する方法などが挙げられる。具体例としては、非対称ジアミン(I)とFITC(I型)とをDMF中室温で一晩撹拌し、これにNaNOを加えてジアゾ化し、次いで、ルシフェラーゼプラスミドとジアゾ化したFITCをホウ酸バッファー(例えば約pH9.0)中で反応させる方法が挙げられる。これによりプラスミド1分子当たりFITCが約1個導入される。本発明の好ましい実施形態では、得られたFITC修飾プラスミドは、好ましくは発現活性の低下が認められず、フローサイトメーターや共焦点レーザー顕微鏡での観察に十分な蛍光強度を有し得る。
<医薬中間体用合成剤及び触媒用合成剤>
本発明の非対称ジアミン(I)を含む医薬中間体用合成剤とは、医薬中間体を合成するための原料となる剤を示し、該医薬中間体は医薬品を合成するにあたり経由する中間物質を意味する。また、本発明の非対称ジアミン(I)を含む触媒用合成剤とは、触媒を合成するための原料となる剤を示す。本発明における非対称ジアミン(I)は非対称性を有し、反応性も良好であるため、医薬中間体用合成剤及び触媒用合成剤として好適に使用できる。本発明の医薬中間体用合成剤又は触媒用合成剤は、特に限定されないが、非対称ジアミン(I)に加え、非対称ジアミン(I)以外のアミン、例えばN,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペラジン、3-アミノメチルピリジン、ホモピペラジン、2-アミノメチルピペラジン、ベンジルアミン等を含んでいてよい。
本発明の上記の剤は、非対称ジアミン(I)以外の成分を含む場合、各成分を公知の方法により混合することにより得ることができる。
本発明の一実施形態において、上述の各剤中の非対称ジアミン(I)の含有量は、特に限定されないが、剤の質量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、例えば10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、又は100質量%であってよい。また、上述の各剤中の非対称ジアミン(I)の含有量は、剤の質量に対して、例えば100質量%以下、90質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、30質量%以下、又は10質量%以下であってもよい。なお、本明細書に記載の上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
〔樹脂〕
本発明の樹脂は、非対称ジアミン(I)を構成成分として含み、該樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素、ポリベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、液晶配向ポリマー、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びゴム系樹脂からなる群から選択される。非対称ジアミン(I)を構成成分として含む樹脂とは、非対称ジアミン(I)を含む成分を反応させて得られた樹脂、すなわち、非対称ジアミン(I)の骨格が組み込まれている樹脂を意味する。具体的には、非対称ジアミン(I)をモノマーとして反応させて得られた樹脂、及び/又は、モノマー以外、例えば架橋剤、硬化剤等として反応させて得られた樹脂を意味する。言い換えれば、非対称ジアミン(I)を、モノマー単位として含む、すなわち、繰り返し構造単位(構成単位と称することがある)として含む樹脂、及び/又は、モノマー単位以外の成分(例えば架橋剤、硬化剤等)由来の骨格として含む樹脂を意味する。
本発明の好適な実施形態では、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素、ポリベンゾオキサジン樹脂、液晶配向ポリマー及びビスマレイミド樹脂が、非対称ジアミン(I)をモノマー単位として含んでいてもよく、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、及びゴム系樹脂が、非対称ジアミン(I)をモノマー単位以外の成分(例えば架橋剤、硬化剤等)由来の骨格として含んでいてもよい。
<ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂>
本発明のポリアミド樹脂は、アミド基を含む繰り返し構造単位を含有する重合体を示し、好ましくは非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物由来の構成単位と、ジカルボン酸化合物由来の構成単位とを含む。ポリイミド樹脂とは、イミド基を含む繰返し構造単位を含有する重合体を示し、好ましくは非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物由来の構成単位と、テトラカルボン酸化合物由来の構成単位とを含む。ポリアミドイミド樹脂とは、イミド基を含む繰り返し構造単位及びアミド基を含む繰り返し構造単位を含有する重合体を示し、好ましくは非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物由来の構成単位と、ジカルボン酸化合物由来の構成単位と、テトラカルボン酸化合物由来の構成単位とを含む。なお、ポリイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂とを総称してポリイミド系樹脂ということがある。
本発明の一実施形態では、ポリアミド樹脂は式(1)で表される構成単位を含み、ポリイミド樹脂は式(2)で表される構成単位を含み、ポリアミドイミド樹脂は、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とを含む。
Figure 2023177577000008
[式(1)及び(2)中、Z及びXは、互いに独立に2価の有機基を表し、Yは互いに独立に4価の有機基を表し、*は結合手を示し、Xは式(A)
Figure 2023177577000009
で表される構造(R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数であり、*は結合手を示す)を含む]
式(1)及び(2)中のXは、互いに独立に2価の有機基を表し、好ましくは炭素数4~40の2価の有機基、より好ましくは環状構造(例えば脂環、芳香環、ヘテロ環構造等)を有する炭素数4~40の2価の有機基を表す。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1~8である。本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂及びポリイミド系樹脂はそれぞれ、複数種のXを含み得、複数種のXは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)及び(2)中のXは、少なくとも上記式(A)で表される構造又は基〔構造(A)と称することがある〕を含む。式(A)中のR~RVI及びnはそれぞれ、式(I)中のR~RVI及びnと同じである。
Xは構造(A)以外の2価の有機基、例えば式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;それらの式(10)~式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基などを含んでいてもよい。
Figure 2023177577000010
[式(10)~式(18)中、*は結合手を表し、
、V及びVは、互いに独立に、単結合、-O-、-S-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-CO-又は-N(Q)-を表す。ここで、Qはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基を表す。]
炭素数1~12の1価の炭化水素基としては、後述のRについて例示の基が挙げられる。
1つの例は、V及びVが単結合、-O-又は-S-であり、かつ、Vが-CH-、-C(CH-、-C(CF-又は-SO-である。VとVとの各環に対する結合位置、及び、VとVとの各環に対する結合位置は、互いに独立に、好ましくは各環に対してメタ位又はパラ位であり、より好ましくはパラ位である。
式(10)~式(18)で表される基の中でも、樹脂から形成されるフィルム(単にフィルムということがある)の機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)及び式(17)で表される基が好ましく、式(14)、式(15)及び式(16)で表される基がより好ましい。また、V、V及びVは、互いに独立に、好ましくは単結合、-O-又は-S-、より好ましくは単結合又は-O-である。
本発明の一実施形態において、式(1)及び式(2)中のXは、フィルムの機械的特性及び光学特性を高めやすい観点から、構造(A)に加え、式(4):
Figure 2023177577000011
[式(4)中、R10~R17は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R10~R17に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
で表される構造(又は基)(構造(4)ということがある)を含んでいてもよい。
式(4)において、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表す。炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基としては、後述の式(3)における炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基として例示のものが挙げられる。R10~R17は、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、ここで、R10~R17に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R10~R17は、フィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、互いに独立に、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基を表し、さらにより好ましくはR10、R12、R13、R14、R15及びR16が水素原子、R11及びR17が水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基を表し、特に好ましくはR11及びR17がメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
本発明の一実施形態において、構造(4)は式(4’):
Figure 2023177577000012
で表される構造であってよい。この場合、フッ素元素を含有する骨格により樹脂の溶媒への溶解性を高めやすい。また、ワニスの粘度を低減しやすく、フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、フィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい。
本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂中のXに含まれる構造(A)の割合は、例えば10モル%以上、30モル%以上、50モル%以上、70モル%以上、90モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、又は100モル%であってもよい。また、ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂中のXに含まれる構造(A)の割合は、例えば100モル%以下、90モル%以下、70モル%以下、50モル%以下、又は30モル%以下であってもよい。X中の構造(A)の割合は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂中のXに含まれる構造(A)と構造(4)との合計割合は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、さらにより好ましくは90モル%以上であってよく、100モル%以下であってよい。該割合が上記の範囲であると、フィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい。前記割合は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
式(1)中のZは、互いに独立に、2価の有機基を表す。本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂はそれぞれ、複数種のZを含み得、複数種のZは、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記2価の有機基は、好ましくは炭素数4~40の2価の有機基を表す。前記有機基は、炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1~8である。Zの有機基としては、後述の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基並びに炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示される。光学特性を高めやすい観点から、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基で表される基が好ましい。本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂はそれぞれ、Zとして1種類の有機基を含んでいてもよいし、2種類以上の有機基を含んでいてもよい。
Zの有機基としては、式(20’)、式(21’)、式(22’)、式(23’)、式(24’)、式(25’)、式(26’)、式(27’)、式(28’)及び式(29’):
Figure 2023177577000013
[式(20’)~式(29’)中、W及び*は、後述の式(20)~式(29)において定義する通りである]
で表される2価の有機基がより好ましい。なお、式(20)~式(29)及び式(20’)~式(29’)における環上の水素原子は、炭素数1~8の炭化水素基、フッ素置換された炭素数1~8の炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、又はフッ素置換された炭素数1~6のアルコキシ基で置換されていてもよい。
ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂がそれぞれ、式(1)中のZが上記の式(20’)~式(29’)のいずれかで表される構成単位を有する場合、ポリアミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂は、該構成単位に加えて、次の式(d1):
Figure 2023177577000014
[式(d1)中、R24は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R25は、R24又は-C(=O)-*を表し、*は結合手を表す]
で表されるカルボン酸由来の構成単位をさらに有することが、ワニスの粘度を低くしやすく、ワニスの成膜性を高めやすく、樹脂から形成されるフィルムの均一性を高めやすい観点から好ましい。
24において、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基及び炭素数6~12のアリール基としては、それぞれ、後述する式(3)中のR~Rに関して例示のものが挙げられる。構成単位(d1)としては、具体的には、R24及びR25がいずれも水素原子である構成単位(ジカルボン酸化合物に由来する構成単位)、R24がいずれも水素原子であり、R25が-C(=O)-*を表す構成単位(トリカルボン酸化合物に由来する構成単位)等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂はそれぞれ、複数種のZを含み得、複数種のZは、互いに同一であっても異なっていてもよい。特に、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、Zの少なくとも一部が、式(3a):
Figure 2023177577000015
[式(3a)中、R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を表し、R及びRに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
A、m及び*は式(3)中のA、m及び*と同じであり、
t及びuは互いに独立に0~4の整数を表す]
で表されることが好ましく、式(3):
Figure 2023177577000016
[式(3)中、R~Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を表し、R~Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Aは、互いに独立に、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-S-、-CO-又は-N(R)-を表し、Rは水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基を表し、
mは0~4の整数を表し、
*は結合手を表す]
で表されることがより好ましい。
式(3)及び式(3a)において、Aは、互いに独立に、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-S-、-CO-又は-N(R)-を表し、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、好ましくは-O-又は-S-を表し、より好ましくは-O-を表す。
、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を表す。R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~12のアリール基を表す。炭素数1~6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチルブチル基、2-エチル-プロピル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。炭素数1~6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。炭素数6~12のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、R及びR、並びに、R~Rは、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子又はメチル基を表す。ここで、R~R、R及びRに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基を表す。炭素数1~12の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチルブチル基、2-エチル-プロピル基、n-ヘキシル、n-ヘプチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子で置換されていてもよい。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂はそれぞれ、複数種のAを含み得、複数種のAは、互いに同一でよく、異なっていてもよい。
式(3a)中のt及びuは、互いに独立に、0~4の整数を表し、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0又は1、さらにより好ましくは0を表す。
式(3)及び式(3a)において、mは、0~4の範囲の整数であり、mがこの範囲内であると、ワニスの安定性、及び、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性が良好になりやすい。また、式(3)及び式(3a)において、mは、好ましくは0~3の範囲の整数、より好ましくは0~2の範囲の整数、さらに好ましくは0又は1である。mがこの範囲内であると、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性を向上させやすい。
Zは、式(3)又は式(3a)で表される構成単位を1種又は2種類以上含んでいてもよく、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点、例えばmの値が異なる2種類以上の構成単位、例えばmの値の異なる2種類又は3種類の構成単位を含んでいてもよい。その場合、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、樹脂がZにおいて、mが0である式(3)又は式(3a)で表される構成単位を含有することが好ましく、該構成単位に加えてmが1である式(3)又は式(3a)で表される構成単位をさらに含有することがより好ましい。また、mが0である式(3)で表されるZを有する式(1)で表される構成単位に加えて、上記の式(d1)で表される構成単位をさらに有することも好ましい。
本発明の一実施形態において、樹脂は、式(3)で表される構成単位として、mが0であり、かつR~Rが水素原子又はメチル基である構成単位を有する。また、該構成単位と、mが1、Aが-O-、かつR~Rが水素原子である構成単位とを有する。
本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂中のZの、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モル%以上が、mが0~4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位である。Zの上記の下限以上が、mが0~4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位であると、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい。また、ポリイミド系樹脂中のZの100モル%以下が、mが0~4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位であればよい。なお、樹脂中の、mが0~4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂の式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位の合計を100モル%としたときに、式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合は、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上、さらにより好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下である。式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合が上記の下限以上であると、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい。式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合が上記の上限以下であると、式(3)又は式(3a)由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。
式(2)中のYは、互いに独立に、4価の有機基を表し、好ましくは炭素数4~40の4価の有機基を表す。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基であり、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1~8である。本発明におけるポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基;それらの式(20)~式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2023177577000017
[式(20)~式(29)中、*は結合手を表し、
は、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-Ar-、-SO-、-CO-、-O-Ar-O-、-Ar-O-Ar-、-Ar-CH-Ar-、-Ar-C(CH-Ar-又は-Ar-SO-Ar-を表す。Arは、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6~20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。]
式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基の中でも、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を高めやすい観点から、式(26)、式(28)又は式(29)で表される基が好ましく、式(26)で表される基がより好ましい。また、Wは、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、互いに独立に、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-又は-C(CF-であることが好ましく、単結合、-O-、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-又は-C(CF-であることがより好ましく、単結合、-O-、-C(CH-又は-C(CF-であることがさらに好ましく、-O-又は-C(CF-であることがさらにより好ましい。
上記形態において、式(2)中の複数のYの少なくとも一部は、式(5)で表される構成単位であることが好ましい。式(2)中の複数のYの少なくとも一部が式(5)で表される基であると、樹脂から形成されるフィルムは高い透明性を発現しやすい。また、メチレン基部分の屈曲性骨格に由来して、樹脂の溶媒への溶解性を向上し、樹脂を含むワニスの粘度を低く抑制することができ、またフィルムの加工を容易にすることができる。
Figure 2023177577000018
[式(5)中、R18~R25は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R18~R25に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す。]
式(5)において、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数6~12のアリール基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表す。炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基及び炭素数6~12のアリール基としては、式(3)における炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基として後述するものが挙げられる。ここで、R18~R25に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。R18~R25は、互いに独立に、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは水素原子又はトリフルオロメチル基である。
本発明の一実施形態においては、式(5)で表される構成単位は、式(5’)で表される基であり、すなわち、複数のYの少なくとも一部は、式(5’)で表される構成単位である。この場合、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい。
Figure 2023177577000019
[式(5’)中、*は結合手を表す]
本発明の好適な実施形態において、上記ポリイミド系樹脂中のYの、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が式(5)、特に式(5’)で表される。ポリイミド系樹脂おける上記範囲内のYが式(5)、特に式(5’)で表されると、フィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすく、さらにフッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性が向上し、ポリイミド系樹脂を含むワニスの粘度を低く抑制することができる。また、フィルムの製造が容易となる。なお、好ましくは、ポリイミド系樹脂中のYの100モル%以下が式(5)、特に式(5’)で表される。ポリイミド系樹脂中のYは式(5)、特に式(5’)であってもよい。ポリイミド系樹脂中のYの式(5)で表される構成単位の含有率は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
ポリアミドイミド樹脂において、式(1)で表される構成単位の含有量は、式(2)で表される構成単位1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.5モル以上、さらに好ましくは1.0モル以上、さらにより好ましくは1.5モル以上であり、好ましくは6.0モル以下、より好ましくは5.0モル以下、さらに好ましくは4.5モル以下である。式(1)で表される構成単位の含有量が上記の下限以上であると、樹脂を含むフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい。また、式(1)で表される構成単位の含有量が上記の上限以下であると、式(1)中のアミド結合間の水素結合による増粘を抑制し、フィルムの加工性を向上させやすい。
ポリイミド系樹脂は、式(30)で表される構成単位及び/又は式(31)で表される構成単位を含むことができ、式(1)及び/又は式(2)で表される構成単位に、式(30)で表される構成単位及び/又は式(31)で表される構成単位を含むものであってもよい。
Figure 2023177577000020
式(30)において、Yは、互いに独立に、4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基、それらの式(20)~式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基、並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(31)において、Yは3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、上記の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、及び3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(30)及び式(31)において、X及びXは、互いに独立に、2価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。X及びXとしては、上記の式(A)、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;式(10)~式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、式(1)及び/又は式(2)で表される構成単位、並びに場合により式(30)及び/又は式(31)で表される構成単位からなる。また、フィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂において、式(1)及び式(2)で表される構成単位の合計割合は、式(1)及び式(2)、並びに場合により式(30)及び式(31)で表される全構成単位に基づいて、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。なお、ポリイミド系樹脂において、式(1)及び式(2)で表される構成単位の合計割合は、式(1)及び式(2)、並びに場合により式(30)及び/又は式(31)で表される全構成単位に基づいて、通常100%以下である。なお、上記割合は、例えば、H-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の一実施形態において、本発明のポリアミド樹脂は、例えば、主に、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物とジカルボン酸化合物とを反応させることにより製造でき、ポリイミド樹脂は、例えば、主に、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物とテトラカルボン酸化合物とを反応させることにより製造でき、ポリアミドイミド樹脂は、例えば、主に、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物と、ジカルボン酸化合物と、テトラカルボン酸化合物とを反応させることにより製造できる。
非対称ジアミン(I)以外のジアミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。この芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環である。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミン、並びに1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン及び4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えばp-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノジフェニル(TFMBと記載することがある)、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
非対称ジアミン(I)以外のジアミン化合物としては、フィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点からは、ビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。TFMB、2,2’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル及び4,4’-ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上を用いることがより好ましく、TFMBを用いることがよりさらに好ましい。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
テトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物等が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。テトラカルボン酸化合物は、二無水物の他、酸クロリド化合物等のテトラカルボン酸化合物類縁体であってもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば4,4’-オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDAと記載することがある)、1,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’-(p-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’-(m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式又は非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物及びこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4-ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組合せて用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物の中でも、樹脂から形成されるフィルムの機械的特性及び光学特性を向上しやすい観点から、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、6FDA、並びにこれらの混合物が好ましい。
ジカルボン酸化合物としては、好ましくはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トランス-1,-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-メトキシテレフタル酸、4,4’-オキシビス安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸又はそれらの酸クロリド化合物が用いられる。前記の酸又はそれらの酸クロリド化合物に加えて、他のジカルボン酸化合物が用いられてもよい。他のジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、イソフタル酸;ナフタレンジカルボン酸;4,4’-ビフェニルジカルボン酸;3,3’-ビフェニルジカルボン酸;炭素数8以下である鎖式炭化水素、のジカルボン酸化合物及び2つの安息香酸が単結合、-CH-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-又はフェニレン基で連結された化合物並びに、それらの酸クロリド化合物が挙げられる。具体例としては、4,4’-オキシビス(ベンゾイルクロリド)、テレフタロイルクロリド、2-メトキシテレフタル酸クロリドが好ましい。
なお、上記樹脂は、フィルムの各種物性を損なわない範囲で、上記テトラカルボン酸化合物に加えて、テトラカルボン酸及びトリカルボン酸並びにそれらの無水物及び誘導体をさらに反応させたものであってもよい。
テトラカルボン酸としては、上記テトラカルボン酸化合物の無水物の水付加体が挙げられる。トリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸の無水物;1,3,5-ベンゼントリカルボン酸の酸クロリド化合物;2,3,6-ナフタレントリカルボン酸-2,3-無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、-O-、-CH-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-又はフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂の製造において、各化合物(ジアミン化合物、ジカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物等)の使用量は、所望とする樹脂の各構成単位の比率に応じて適宜選択できる。
ポリアミド樹脂及びポリイミド系樹脂の製造において、各化合物(ジアミン化合物、ジカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物等)の反応温度は、特に限定されないが、例えば5~350℃、好ましくは10~200℃、より好ましくは20~100℃である。反応時間も特に限定されないが、例えば30分~10時間程度である。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において反応を行ってよい。好ましい形態では、反応は、常圧及び/又は不活性ガス雰囲気下、撹拌しながら行う。また、反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、反応に影響を与えない限り特に限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン(以下、GBLと記載することがある)、γ-バレロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素含有溶媒;N,N-ジメチルアセトアミド(DMAcと記載することがある)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMFと記載することがある)等のアミド系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せなどが挙げられる。これらの中でも、溶解性の観点から、アミド系溶媒を好適に使用できる。
ポリイミド系樹脂の製造におけるイミド化工程では、イミド化触媒の存在下で、イミド化することができる。イミド化触媒としては、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の脂肪族アミン;N-エチルピペリジン、N-プロピルピペリジン、N-ブチルピロリジン、N-ブチルピペリジン、及びN-プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);並びにピリジン、2-メチルピリジン(2-ピコリン)、3-メチルピリジン(3-ピコリン)、4-メチルピリジン(4-ピコリン)、2-エチルピリジン、3-エチルピリジン、4-エチルピリジン、2,4-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、3,4-シクロペンテノピリジン、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン、及びイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。また、イミド化反応を促進しやすい観点から、イミド化触媒とともに、酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物は、イミド化反応に用いられる慣用の酸無水物等が挙げられ、その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。
ポリイミド系樹脂は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段により分離精製して単離してもよく、好ましい形態では、ポリイミド系樹脂を含む反応液に、多量のメタノール等のアルコールを加え、樹脂を析出させ、濃縮、濾過、乾燥等を行うことにより単離することができる。
本発明の一実施形態において、本発明のポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂の重量平均分子量(Mwと記載することがある)は、特に限定されないが、例えば、10,000以上、50,000以上、100,000以上、200,000以上、又は300,000以上であってよく、1,500,000以下、1000,000以下、又は600,000以下であってよい。樹脂のMwが上記の下限以上であると、樹脂の機械的強度を高めやすく、また上記の上限以下であると、樹脂ワニスのゲル化を抑制しやすく、光学特性を向上しやすい。なお、Mwは、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPCと記載することがある)測定を行い、標準ポリスチレン換算によって求めることができる。
前記ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂は、繊維を添加して、繊維強化ポリアミド樹脂組成物、繊維強化ポリイミド系樹脂組成物として使用してもよい。繊維としては、ガラス繊維、カーボン繊維、セルノール繊維、繊維状無機フィラーが例示され、1種のみ添加してもよいし、2種以上を添加してもよい。繊維の添加量としては、任意に添加することができるが、ポリアミド樹脂又はポリイミド系樹脂に対して、10質量%~50質量%であると好ましい。
<ポリ尿素>
本発明のポリ尿素は、尿素結合(又は尿素基)を含む繰り返し構造単位を含有する重合体であり、非対称ジアミン(I)を含むポリアミン化合物(好ましくはジアミン化合物)由来の構成単位と、ポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)由来の構成単位とを含むことが好ましい。ポリ尿素は、良好な柔軟性、耐熱性及び耐薬品性を有し得る。
本発明の一実施形態において、本発明のポリ尿素は、式(32)で表される。
Figure 2023177577000021

[式中、Xは、互いに独立に2価の有機基を表し、Kは、互いに独立に2価の有機基を表し、*は結合手を示し、Xは式(A)
Figure 2023177577000022
で表される構造(R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数であり、*は結合手を示す)を含む]
式(32)中のXは、特に限定されないが、好ましくは式(1)及び(2)におけるXと同義であり、Xに含まれる構造(A)の割合もXに含まれる構造(A)の割合と同じである。また、Kは、互いに独立に2価の有機基であり、2価の有機基は、例えば2価の芳香族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基又は2価の脂肪族炭化水素基であってよい。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン-1,4-ジイル基、ベンゼン-1,3-ジイル基等のベンゼンジイル基;ジフェニルメタン-4,4’-ジイル基等のジフェニルメタンジイル基;m-フェニレン基、p-フェニレン基等のフェニレン基;トルエン-2,4-ジイル基、トルエン-2,6-ジイル基等のメチルフェニレン基;1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基等のナフチレン基;ベンゼン-1,3-ジメチレン基、ベンゼン-1,4-ジメチレン基等のベンゼンジメチレン基;4,4’-ビスフェニレン基等のビスフェニレン基;3,3’-ジメチル-4,4’-ビスフェニレン基等のジメチルビスフェニレン基等が挙げられる。これらの中でも、ジフェニルメタン-4,4’-ジイル基、トルエン-2,4-ジイル基、トルエン-2,6ジイル基が好ましい。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
2価の環状炭化水素基としては、例えば、シクロヘキサン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘプタン-1,3-ジイル基、シクロヘプタン-1,4-ジイル基等の炭素数3~8のシクロアルカンジイル基;シクロヘキサン-1,3-ジメチレン基、シクロヘキサン-1,4-ジメチレン基の炭素数3~8のシクロアルカンジメチレン基;イソホロンジイル基;ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイル基等のジシクロアルキルメタンジイル基、ノルボルネンジイル基などが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキサン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,3-ジメチレン基、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイル基、イソホロンジイル基、特にイソホロンジイル基が好ましい。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n-ブチレン基(テトラメチレン基)、i-ブチレン基、s-ブチレン基、t-ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、トリメチルヘキサメチレン基等の炭素数2~12のアルキレン基等が挙げられる。これらの中でも、トリメチルヘキサメチレン基が好ましい。
ポリ尿素は、例えば、非対称ジアミン(I)を含むポリアミン化合物(好ましくはジアミン化合物)とポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)とを反応させることにより製造できる。ポリアミン化合物としては、非対称ジアミン(I)の他、<ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂>の項に例示のジアミン化合物、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(DETDA)等の低分子量アミンを使用してもよく、脂肪族尿素及びジエチルトルエンジアミン(DETDA)のエーテルアミン、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、アミノビフェニルメタン(DBMDA)、アスパラギン酸エステルアミン(例えばアスパラギン酸エステルアミン等)などを使用してもよい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂環族、又は脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI;2,4-異性体、2,6-異性体及びその混合物)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、クルードTDI、クルードMDI、ポリメチレン・ポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート等のC2-8メチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、テトラヒドロキシキシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、これらのイソシアヌレート化物、カルボジイミド化物、ビューレット化物等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、TDI、MDI、IPDI、TMDI等が好適に使用される。
ポリ尿素は、熱可塑性尿素エラストマーに適用してもよい。熱可塑性尿素エラストマーは、例えば交互の柔軟なポリエーテルブロックと、短くて硬い尿素ブロックで構成されていてもよい。ポリ尿素は、透水性が低いため、優れた防湿性を示しやすく、また良好な耐熱性も発現しやすい。ポリ尿素を適用する用途は、特に限定されないが、例えば工業用スプレーコーティングやエラストマー等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、ポリ尿素の重量平均分子量は、上記のポリアミド樹脂又はポリイミド樹脂の重量平均分子量と同様の範囲から選択してよい。
<液晶配向ポリマー>
本発明の液晶配向ポリマーは、液晶配向し得るポリマーを示し、好ましくは液晶配向膜を形成するために用いられる。該液晶配向ポリマーは、液晶配向性、液晶のプレチルト角、液晶セルの種々の電気特性等を示すことができる。
液晶配向ポリマーは、液晶配向性のポリイミド樹脂及び/又はポリアミック酸であることが好ましい。ポリイミド樹脂は、特に限定されないが、例えば非対称ジアミン(I)を含むジアミン由来の構成単位と、テトラカルボン酸由来の構成単位とを有する重合体が好ましい。ポリアミック酸は、特に限定されないが、該ポリイミド樹脂をイミド化する前のポリアミック酸等が好ましい。なお、ポリイミド樹脂は、繰り返し構造単位に含まれるイミド基の一部が開環し、アミド酸基又はアミド酸エステル基になっていてもよい。
本発明の一実施形態では、液晶配向ポリマーは、式(33)で表される構成単位を有する。
Figure 2023177577000023
[式(33)中、Mは、互いに独立に4価の有機基を表し、Lは互いに独立に2価の有機基を表し、*は結合手を表し、Lは式(A)
Figure 2023177577000024
で表される構造(R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数を表し、*は結合手を表す)を含む]
Mの有機基は、特に限定されず、1種類又は複数種が混在していてもよい。Mの具体例としては、(M-1)~(M-44)に示される構造(又は基)が挙げられる。なお、以下の構造において結合手のマーク*は省略している。
Figure 2023177577000025
これらのうち、(M-12)、(M-19)、(M-15)~(M-17)、(M-20)、(M-21)及び(M-25)は、イミド化率が高いポリイミド樹脂であっても高い溶解性が得られる点では好ましい。また、Mの10モル%以上が、(M-1)~(M-25)のように脂環式構造又は脂肪族構造を有する場合は、液晶配向膜としたときに液晶セルの電圧保持率が向上しやすい。
Lの有機基は、特に限定されず、1種類又は複数種が混在していてもよい。Lは、構造(A)を含んでいれば、これ以外の他の構造(又は基)を含んでいてもよい。式(A)中のR~RVI及びnはそれぞれ、式(I)中のR~RVI及びnと同じである。他の構造の具体例としては、特に限定されないが、例えば、式(L-1)~式(L-100)に示される構造(又は基)が挙げられる。なお、以下の構造において結合手のマーク*は省略している。
Figure 2023177577000026

Figure 2023177577000027

Figure 2023177577000028
これらのうち、Lの一部又は全部が(L-79)~(L-100)などである場合は、液晶配向膜としたときに液晶のプレチルト角が高くなりやすい。
式(33)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂は、式(33)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂の一部に、特定のアミン化合物(a)及びアミン化合物(b)から選ばれるアミン化合物のアミノ基が、ポリイミド中のイミドカルボニル基に対してイミド基の開環を伴う反応で結合した構造を有するか、又はポリイミド樹脂のイミド化率が100%未満の場合は、そのアミド酸基のカルボキシル基又はアミド酸エステル基のカルボキシエステル基に対して結合した構造を有していてもよい。
また、式(33)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂は、式(33)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂に、特定のアミン化合物(c)から選ばれるアミン化合物のアミノ基が、テトラカルボン酸二無水物と反応してポリイミド中に分子末端として取り込まれるか、該ポリイミド樹脂の一部にイミドカルボニル基に対してイミド基の開環を成した結合状態、又はアミド酸基のカルボキシル基又はアミド酸エステル基のカルボキシエステル基に対して結合した構造を有してしてもよい。
アミン化合物(a)又はアミン化合物(b)の具体例としては以下のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アミン化合物は2種類以上を併用しても構わない。
Figure 2023177577000029
Figure 2023177577000030
Figure 2023177577000031
アミン化合物(c)の具体例としては、上記のNo.1~No.50、No.71~No.76、No.93~No.102、No.106~No.108を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アミン化合物は2種類以上を併用してもよい。
本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂中のLに含まれる構造(A)の割合は、例えば10モル%以上、30モル%以上、50モル%以上、70モル%以上、90モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、又は100モル%であってもよい。また、ポリイミド系樹脂中のLに含まれる構造(A)の割合は、例えば100モル%以下、90モル%以下、70モル%以下、50モル%以下、又は30モル%以下であってもよい。L中の構造(A)の割合は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の液晶配向ポリマーとしてのポリイミド樹脂のイミド化率は特に限定されない。通常は、イミド化率が高くなるほど、溶媒に対するポリイミドの溶解性が低下するため、その結果、必要な濃度で溶解させることができない場合はイミド化率を適度に下げればよい。また、事前にイミド化されているポリマーを使用するという目的を考えるとイミド化率は10%以上が好ましい。また、液晶配向ポリマーを液晶配向剤として使用する場合は、良好な液晶の配向性又は良好な電気特性が得られるという理由からイミド化率は40%以上が好ましく、より好ましくは60%以上であり、特に好ましくは80%以上である。該イミド化率は、下記式のようにイミド化率として表すことができる。
イミド化率=イミド基数÷(イミド基数+アミド酸基数+アミド酸エステル基数)
これらのイミド化率は、該ポリイミドをd-DMSO(ジメチルスルホキシド-d)に溶解させてH-NMRを測定し、イミド基が開環しても変化しない構造に由来するプロトンピークの積算値を基準として、前記のアミド酸基及びアミド酸エステル基に由来する-NH-のプロトンピークの積算値を比較することで確認することができる。
本発明の液晶配向ポリマーとしてのポリイミド樹脂の分子量は、特に制限されないが、取り扱いのしやすさと、膜形成した際の特性の安定性の観点から重量平均分子量(Mw)で2,000~200,000が好ましく、より好ましくは4,000~50,000である。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエッションクロマトグラフィ)により求めることができる。
式(33)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂は、慣用の方法により、式(33)中のLに対応するジアミン化合物及び任意にアミン化合物(a)~(c)と、テトラカルボン酸化合物(テトラカルボン酸二無水物等)とを反応させてポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得、次いで得られたポリイミド前駆体をイミド化する(脱水閉環)させることで得ることができる。
なお、液晶配向ポリマーとしてのポリイミド樹脂及びポリアミック酸の製造方法は、上記の<ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂>の項に記載の製造方法、又は、WO2008/010528号に記載の溶媒可溶性ポリイミド及びポリアミック酸の製造方法を参照できる。また、ジアミン化合物、アミン化合物(a)~(c)、及びテトラカルボン酸化合物(テトラカルボン酸二無水物)はそれぞれ、WO2008/010528号に記載のジアミン、アミン化合物(a)~(c)、及びテトラカルボン酸二無水物と同様のものを使用することもできる。
<ポリベンゾオキサジン樹脂>
本発明のポリベンゾオキサジン樹脂は、ベンゾオキサジン環を含有する繰り返し構造単位(構成単位)を含む重合体を示し、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物由来の構成単位と、ビスフェノール類由来の構成単位とを含むことが好ましい。ポリベンゾオキサジン樹脂は、好ましくは高耐熱性と高可撓性を有し、ポリイミド樹脂に複合する熱硬化性樹脂等として使用できる。
本発明の一実施形態において、本発明のポリベンゾオキサジン樹脂は、式(34)で表される。
Figure 2023177577000032
[式中、Bは、互いに独立に2価の有機基を表し、Xは、互いに独立に2価の有機基を表し、*は結合手を示し、Xは式(A)
Figure 2023177577000033
で表される構造(R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数を表し、*は結合手を表す)を含む]
式(34)中のXは、特に限定されないが、例えば、式(1)及び(2)におけるXと同じであってもよいし(Xに含まれる構造(A)の割合もXに含まれる構造(A)の割合と同じであってもよいし)、Xとは異なる構造を含んでいてもよい。つまり、Xは、構造(A)のみ含んでいてもよく、構造(A)に加えて、他の構造(又は基)を含んでいてもよい。他の構造(又は基)はXに含まれるもの以外の構造を含んでいてもよい。本発明の一実施形態では、Xにおいて、該他の構造(又は基)が、例えば式(X-1)~(X-5)で表される構造であってよい。
Figure 2023177577000034
[式中、*は結合手を示す]
Bは、互いに独立に2価の有機基を表し、Bとしては、特に限定されないが、ビスフェノール類由来の構造が挙げられ、例えば、上述の式(3)及び式(3a)中のAとして例示の基が挙げられ、好ましくは-CH-又は-C(CH-などが挙げられる。
本発明のポリベンゾオキサジン樹脂は、例えば、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物と、ビスフェノール類と、ホルムアルデヒドとを反応させることにより得ることができる。本発明の好適な実施形態では、ビスフェノール類は好ましくは式(c)であってよく、ジアミン化合物は式(d)であってよい。
Figure 2023177577000035
[式中、B、X及び*は、ぞれぞれ式(34)中のB、X及び*と同じである]
ポリベンゾオキサジン樹脂の製造条件としては、公知の方法を用いることができる。本発明の一実施形態では、例えば、ビスフェノール類及びジアミン化合物を溶媒に溶解させ、パラホルムアルデヒドを添加して撹拌した後、反応液を純水に投入し撹拌する。これを濾別して粉体を得て、該粉体をアルコール系溶媒(例えばイソプロピルアルコール)で洗浄及び濾過し、乾燥して得ることができる。
<ビスマレイミド樹脂>
本発明のビスマレイミド樹脂は、非対称ジアミン(I)を構成成分として含むビスマレイミド重合体である。つまり、非対称ジアミン(I)を、モノマー成分として含んでいても、モノマー以外の成分(例えば硬化剤、架橋剤等)として含んでいてもよく、その両方であってもよい。
本発明のビスマレイミド樹脂が非対称ジアミン(I)をモノマー成分として含む場合、本発明のビスマレイミド樹脂は、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物由来の構成単位と、ビスマレイミド由来の構成単位とを含む。かかる本発明の一実施形態において、本発明のビスマレイミド樹脂は、式(35)で表される。
Figure 2023177577000036

[式中、Xは、互いに独立に2価の有機基を表し、Rは、互いに独立に2価の有機基を表し、R~Rは互いに独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、*は結合手を表し、Xは、式(A)
Figure 2023177577000037
で表される構造(R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数を表し、*は結合手を表す)を含む]
式(35)中のXは、特に限定されないが、好ましくは式(1)及び(2)におけるXと同義であり、Xに含まれる構造(A)の割合もXに含まれる構造(A)の割合と同じである。つまり、Xは、構造(A)のみ含んでいてもよく、構造(A)に加えて、他の構造(又は基)を含んでいてもよい。本発明の一実施形態において、他の構造(又は基)は、例えば特開2018-16793号公報に記載の式(1)中のAと同じ構造であってもよい。
式(35)中、R~Rにおける炭素数1~6のアルキル基としては、上記に例示のものが挙げられる。R~Rは互いに独立に、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、より好ましくは水素原子である。
は、互いに独立に2価の有機基を表し、Rとしては、特に限定されないが、例えば、上述の式(3)及び式(3a)中のAとして例示の基が挙げられ、好ましくは-CH-又は-C(CH-などが挙げられる。
また、本発明のビスマレイミド樹脂は、非対称ジアミン(I)を、少なくともモノマー以外の成分(例えば硬化剤又は架橋剤等)として含んでいてもよい。この場合、硬化又は架橋前のビスマレイミド樹脂(ビスマレイミド化合物と称する)と非対称ジアミン(I)とを反応させて非対称ジアミン(I)由来の構造が導入されたビスマレイミド樹脂を得ることができる。なお、ビスマレイミド化合物は、すでに構造単位として非対称ジアミン(I)由来の構造が組み込まれていても、組み込まれていなくてもよい。
本発明のビスマレイミド樹脂は、例えば、非対称ジアミン(I)を含むジアミン化合物と、ビスマレイミドとを反応させることにより得ることができる。本発明の好適な実施形態では、ビスマレイミドは好ましくは式(e)であってよく、ジアミン化合物は式(f)であってよい。
Figure 2023177577000038
[式中、X、R~R及び*は、それぞれ式(35)中のX、R~R及び*と同じである]
本発明のビスマレイミド樹脂は、前記ビスマレイミド化合物と、例えば硬化剤又は架橋剤としての非対称ジアミン(I)とを反応させることにより得ることができる。ビスマレイミド樹脂の製造条件としては、公知の方法を用いることができ、例えば、特開2018-16793号公報のビスマレイミド樹脂の製造方法を参照してよい。
<エポキシ樹脂>
本発明のエポキシ樹脂は、非対称ジアミン(I)を構成成分として含み、好ましくは、非対称ジアミン(I)がモノマー成分以外の成分(好ましくは硬化剤又は架橋剤等)としてエポキシ化合物と反応して組み込まれたものである。その反応は、特に限定されないが、少なくとも非対称ジアミン(I)のアミノ基と、エポキシ化合物のエポキシ基との反応であってよく、架橋構造が形成されてもよい。なお、ここでは、非対称ジアミンが組み込まれる前のエポキシ樹脂をエポキシ化合物と称する。エポキシ化合物は、その一部が硬化剤等により部分的に重合してプレポリマーを形成していてもよい。
エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノール、ナフトールなどのキシリレン結合によるアラルキル樹脂のエポキシ化物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などの一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらのエポキシ化合物は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。耐湿性、熱時低弾性率、難燃性の観点からは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などの2官能型エポキシ樹脂や、フェノ-ルビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノール、ナフトールなどのキシリレン結合によるアラルキル樹脂のエポキシ化物などから選択される芳香環の多い多官能型エポキシ樹脂を使用してもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂は、<エポキシ樹脂用硬化剤>の項に記載の硬化促進化合物を構成成分としてさらに含むことができる。
エポキシ化合物と非対称ジアミン(I)との反応は慣用の方法で行うことができる。非対称ジアミン(I)の割合は、特に限定されないが、エポキシ化合物(又はモノマーの総量)1質量部に対して、例えば0.1~10質量部、0.3~3質量部、0.5~2質量部、又は0.8~1.2質量部であってもよい。なお、エポキシ樹脂の製造方法は、例えば特開2014-196465号公報を参照できる。
<ポリウレタン樹脂>
本発明のポリウレタン樹脂は、非対称ジアミン(I)を構成成分として含み、好ましくは、非対称ジアミン(I)がモノマー以外の成分(好ましくは硬化剤又は架橋剤等)としてウレタンポリマーと反応して組み込まれたものである。その反応は、特に限定されないが、少なくとも非対称ジアミン(I)のアミノ基と、ウレタンポリマー末端のイソシアネート基との反応であってよく、架橋構造が形成されてもよい。なお、ここでは、非対称ジアミンが組み込まれる前のウレタン樹脂をポリウレタン化合物又はウレタンポリマーと称する。
本発明のポリウレタン樹脂は、例えば、主に、モノマーとして、ポリイソシアネートとポリオールとを使用し、これらの反応により得られたポリウレタン化合物に非対称ジアミン(I)を反応させて得ることができる。また、モノマーと非対称ジアミンとを同時に反応させてもよい。つまり、該ポリウレタン樹脂は、繰り返し構造単位としてポリイソシアネート由来の構成単位及びポリオール由来の構成単位を有し、構成成分として非対称ジアミン(I)由来の構造を含む。
ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、<ポリ尿素>の項に記載のポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリオールとしては、例えば水酸基を2個以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えばポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。ポリオールの数平均分子量は、
特に限定されないが、例えば100以上、500以上、又は1000以上であってもよく、また10000以下、5000以下、又は3000以下であってもよい。
ポリエーテルポリオールは、特に限定されないが、ポリエーテルジオールを好適に使用でき、ポリエーテルジオールとしては、例えばポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等の炭素数2~12のアルカンジオールから誘導される重合体、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン等の炭素数2~12の環状エーテルから誘導される重合体等が挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリエーテルエステルポリオールは、特に限定されないが、ポリエーテルエステルジオールを好適に使用できる。ポリエーテルエステルジオールとは、ポリエーテルジオールとジカルボン酸無水物と環状エーテルとを重合して得たものを示す。ポリエーテルジオールとしては、上記のポリエーテルジオールが挙げられ、ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、環状エーテルとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、ポリエステルジオールを好適に使用できる。ポリエステルジオールとは、二価アルコールとジカルボン酸から重合されるもの、或いは、ポリラクトンジオールを示す。二価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチルプロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の炭素数2~12のアルカンジオールなどが挙げられ、ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の炭素数4~12の脂肪族、もしくは、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。ポリラクトンジオールとしては、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリプロピオラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコール等が挙げられる。これらは単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリカーボネートポリオールは、特に限定されないが、ポリカーボネートジオールを好適に使用できる。ポリカーボネートジオールは、特に限定されないが、上記の二価アルコールと炭酸ジフェニルもしくはホスゲンを作用させて重合させて得たものを示す。
該ポリウレタン化合物と非対称ジアミン(I)との反応は慣用の方法で行うことができる。非対称ジアミン(I)の割合は、特に限定されないが、ポリウレタン化合物(又はモノマーの総量)100質量部に対して、例えば0.01質量部以上、0.1質量部以上、1質量部以上、又は3質量部以上であってもよく、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、又は7質量部以下であってもよい。
<ゴム系樹脂>
ゴム系樹脂は、非対称ジアミン(I)を構成成分として含み、好ましくは、非対称ジアミン(I)がモノマー以外の成分(好ましくは架橋剤等)としてゴム系材料と反応して組み込まれたものである。
ゴム系材料としては、特に限定されないが、クロロプレンゴム、アクリルゴム、フッ素系ゴム、不飽和ニトリル-ジエン系ゴム-芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート-ジエン系ゴム-芳香族ビニルグラフト共重合体、アルキルメタクリレート-シリコン/アルキルアクリレートグラフト共重合体などが挙げられる。これらの共重合体は、例えば特開2016-529380号公報に記載の共重合体であってよい。
また、本発明のゴム系樹脂は、非対称ジアミン(I)に加え、<ゴム系材料用架橋剤>の項に記載の他の化合物を構成成分として含んでいてもよい。
本発明のゴム系樹脂の製造方法は、ゴム系材料をジアミンで架橋する公知の方法に従って製造することができる。
[使用]
本発明は、非対称ジアミン(I)の、硬化剤若しくは架橋剤又は樹脂の構成成分としての使用を包含する。該非対称ジアミン(I)は、〔非対称ジアミン〕の項に記載の非対称ジアミン(I)と同じであり、該硬化剤及び架橋剤は、それぞれ<硬化剤>及び<架橋剤>の項に記載の硬化剤及び架橋剤と同じであり、該樹脂の構成成分は、〔樹脂〕の項に記載の樹脂の構成成分と同じである。
また本発明は、非対称ジアミン(I)の、剤としての使用、及び、非対称ジアミン(I)の樹脂の構成成分としての使用も包含する。該非対称ジアミン(I)は、〔非対称ジアミン〕の項に記載の非対称ジアミン(I)と同じであり、各剤は、〔剤〕の項に記載の各剤と同じであり、樹脂の構成成分は、〔樹脂〕の項に記載の樹脂の構成成分と同じである。
このように本発明における非対称ジアミン(I)は、様々な剤、樹脂、及び用途に利用できるため、非常に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
<実施例1>
(硬化剤及びエポキシ樹脂)
エポキシ化合物としてスミエポキシ(ELM434)、硬化剤として4-APEAを混練することで、混合物を得る。エポキシ化合物及び硬化剤の配合量は、エポキシ化合物のエポキシ基に対する硬化剤のアミンの活性水素のモル比が、1対1となるように調整する。得られた混合物をキャビティーを備えた型内に注入し、5℃/分の速度でオーブンにて140℃まで昇温後、1時間保持して1次硬化を行い、さらに180℃まで昇温して2時間加熱して硬化することで、4-APEAによって硬化されたエポキシ樹脂を得ることができる。
<実施例2>
(ポリアミド樹脂)
撹拌翼を備えたフラスコに4-APEAを含むジメチルホルムアミド(DMF)溶液を入れ、トリエチルアミンを加える。フラスコを室温に保ちつつ、窒素を流しながら反応溶液に対してテレフタル酸クロリドを4-APEAに対して当量含むDMF溶液を滴下し、さらに2時間反応させ、反応溶液を蒸留水が入ったビーカーに注ぎ1時間撹拌した後、吸引ろ過により粉末状のポリアミド樹脂を得ることができる。

Claims (11)

  1. 式(I):
    Figure 2023177577000039
    [式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
    で表される非対称ジアミンを含む剤であって、
    前記剤は、硬化剤、架橋剤、酸化防止剤、CO吸収剤、分散剤、剥離剤、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、コーティング製剤、乳化剤、除草剤、燃料添加剤、研削助剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤、加硫促進剤、DNA標識のためのリンカー剤、医薬中間体用合成剤、及び触媒用合成剤からなる群から選択される、剤。
  2. 式(I):
    Figure 2023177577000040
    [式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
    で表される非対称ジアミンを構成成分として含む樹脂であって、
    前記樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素、ポリベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、液晶配向ポリマー、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びゴム系樹脂からなる群から選択される、樹脂。
  3. 式(I):
    Figure 2023177577000041
    [式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
    で表される非対称ジアミンの、硬化剤若しくは架橋剤又は樹脂の構成成分としての使用。
  4. 式(I):
    Figure 2023177577000042
    [式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
    で表される非対称ジアミンの、剤としての使用であって、
    前記剤は、硬化剤、架橋剤、酸化防止剤、CO吸収剤、分散剤、剥離剤、pH調整剤、洗浄剤、柔軟剤、防食剤、コーティング製剤、乳化剤、除草剤、燃料添加剤、研削助剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、徐放剤、加硫促進剤、DNA標識のためのリンカー剤、医薬中間体用合成剤、及び触媒用合成剤からなる群から選択される、使用。
  5. 式(I):
    Figure 2023177577000043
    [式中、R~RVIは、互いに独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、nは1~3の整数である]
    で表される非対称ジアミンの、樹脂の構成成分としての使用であって、
    前記樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素、ポリベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、液晶配向ポリマー、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びゴム系樹脂からなる群から選択される、使用。
  6. 前記非対称ジアミンは、生物由来の非対称ジアミンである、請求項1に記載の剤。
  7. 前記非対称ジアミンは、生物由来の非対称ジアミンである、請求項2に記載の樹脂。
  8. 前記非対称ジアミンは、生物由来の非対称ジアミンである、請求項3~5のいずれかに記載の使用。
  9. 前記非対称ジアミンは、炭素14を含む、請求項1に記載の剤。
  10. 前記非対称ジアミンは、炭素14を含む、請求項2に記載の樹脂。
  11. 前記非対称ジアミンは、炭素14を含む、請求項3~5のいずれかに記載の使用。
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