JP2023177517A - 速崩壊性圧縮成形物の製造方法および速崩壊性圧縮成形物 - Google Patents

速崩壊性圧縮成形物の製造方法および速崩壊性圧縮成形物 Download PDF

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Abstract

【課題】増粘化剤を含む圧組成形物において、賦形剤として糖アルコールを使用することで、圧縮成形物が液体中で速やかに崩壊し、分散することが可能な速崩壊性圧縮成形物の製造方法および速崩壊性圧縮成形物を提供する。【解決手段】増粘化剤を組成に含む圧縮成形物を液体に添加した際に、低攪拌の攪拌条件にて、120秒以内に崩壊する速崩壊性圧縮成形物の製造方法である。賦形剤と増粘化剤とを圧縮成形することにより製造される。賦形剤として糖アルコールを用い、賦形剤の糖アルコールを1部に対して、前記増粘化剤を0.05~1部を含む組成である。増粘化剤の粒子径を75μm以上とした。【選択図】図1

Description

本発明は、速崩壊性圧縮成形物の製造方法および速崩壊性圧縮成形物に関する。
医薬品、食品の分野における経口用固形製剤として、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、チュアブル錠、顆粒剤、散剤などが知られているが、患者の服用のし易さを考慮した剤形は少ない。特に、老人、小児や嚥下困難な患者にも適した、取り扱いが容易で服用のし易い製剤が種々開発されている(特許文献1及び特許文献2)。
ところで、病院や介護現場において、嚥下障害対策として液体に粘度を付与する際、キサンタンガムやカラギナン、ガラクトマシナン、ジエランガムといった増粘化剤(増粘剤)を用いる場合がある。
特開2003-176242号公報 特開2010-260803号公報
増粘化剤は粉末状では、液体への分散性が悪く非常にダマになりやすい、及び秤量時に飛散しやすくハンドリング性が悪い等という特徴がある。ここで、ダマとは、例えば、液中で溶いた際に水となじまず塊となったものであり、目視にて液中の浮遊物または沈殿物として観察されるものである。また、液体にダマなく分散させるためには、ホモミキサ等の攪拌機を利用して攪拌する必要がある。この特徴を改善するため、増粘化剤粉末を、それ単体または賦形剤と造粒した顆粒状のとろみ付与製品も存在する。ここで、とろみとは、液体に多少の粘度がある状態をいう。しかしながら、とろみ付与製品では、使用時に秤量が必要な点は変わらず、作業者の負担となっている。
ここで、粉体を圧縮成形することで得られる成形品(例えば錠剤)では、ハンドリング性の向上や使用時の秤量が不要となり、携帯性に優れたり、保管スペースを削減できる等といった利点が得られる。しかし、増粘化剤を庄縮成形すると、圧縮成形物に液体が染み込むことなく、液体に触れた圧縮成形物の表面のみが水和し、液体への分散性が著しく悪化するという課題がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、増粘化剤を含む圧縮成形物において、賦形剤として糖アルコールを使用することで、圧縮成形物が液体中で速やかに崩壊し、分散することが可能な速崩壊性圧縮成形物の製造方法を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る速崩壊性圧縮成形物の製造方法は、増粘化剤を組成に含む圧縮成形物に液体を添加した際に、低攪拌の攪拌条件にて、120秒以内に崩壊する速崩壊性圧縮成形物の製造方法であって、賦形剤と増粘化剤とを圧縮成形することにより製造され、前記賦形剤として糖アルコールを用い、前記糖アルコールを1部に対して、前記増粘化剤を0.05~1部を含む組成であり、増粘化剤の粒子径を75μm以上とするものである。賦形剤とは、成形の向上や服用を便利にするために加える添加剤であり、服用しやすい大きさの製剤を造ることを目的に使用されるものである。賦形剤には、糖類、糖アルコール類、デンプン系、セルロース系、無機系があり、本発明にかかる速崩壊性圧縮成形物の製造方法に用いる賦形剤は糖アルコール類を使用する。増粘化剤とは、水を含む液体または油相の粘度を増加させるために用いられる成分であり、粘度をつけるために使用される添加物である。ここで、低攪拌とは、手攪拌など、10回転/秒以下といった弱い攪拌条件で行う攪拌をいう。また、手攪拌は、例えば、スパーテル(スプーン)を用いた攪拌である。
本発明に係る速崩壊性圧縮成形物の製造方法によれば、賦形剤の糖アルコール配合によって、「増粘化剤を庄縮成形すると、圧縮成形物に液体が染み込むことなく、液体に触れた圧縮成形物の表面のみが水和し、液体への分散性が著しく悪化する」ということを防止でき、安定した崩壊効果を得られた。すなわち、賦形剤として糖アルコールを使用することで、圧縮成形物が液体(水等)中で速やかに崩壊、分散することができる。また、賦形剤1部に対して、増粘化剤を0.05~1部を含む組成とすることによって、崩壊性を得ることができる。増粘化剤の粒子径が75μm以上で、崩壊性を得ることができる。
増粘化剤は、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、ジェランガム、ペクチン、アルギン酸類、及びデンプン群から1種以上選択されるものを含有するものが好ましい。
賦形剤と増粘化剤とを混合する混合工程と、前記混合工程にて混合されてなる粉体を圧縮成形する圧縮成形工程とを備えたものとすることができる。このように、賦形剤と増粘化剤とを混合してそのまま圧縮成形する方法(つまり、直打法)では、工程数が少なく、コスト的に有利となる。
また、賦形剤と増粘化剤とを造粒する造粒工程と、前記造粒工程に造粒されてなる造粒物を圧縮成形する圧縮成形工程とを備えたものであってもよい。ここで、造粒とは、粉末状の原薬や添加物等を均一な形状や大きさの顆粒状にする操作をいう。造粒には、湿式法と乾式法と噴霧造粒法等があり、これらの造粒法を選択することができる。湿式法は粉体に結合剤などの溶液を加えて造粒する方法であり、そのまま造粒する方法と、いったん練合したのち造粒する方法があり、湿式造粒法としては、押出造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒などがある。乾式造粒法は、粉体を乾燥状態のまま圧縮したり、溶融したりしたものを、破砕して造粒する方法である。噴霧造粒法は、スラリー状とした粉体を含む溶液を噴霧乾燥して造粒する方法である。このように、造粒して圧縮成形することによって、溶解性の改善、打錠性の改善、服用性の改善、及び飛散防止等のハンドリングや流動性改善等に優れる利点がある。
本発明に係る速崩壊性圧縮成形物は、賦形剤と増粘化剤とを圧縮成形することにより製造されてなり、前記賦形剤として糖アルコールを用い、前記賦形剤の糖アルコールを1部に対して、前記増粘化剤を0.05~1部を含む組成であり、増粘化剤の粒子径を75μm以上としたものであり、液体に添加した際に、低攪拌の攪拌条件にて、120秒以内に崩壊するものである。
本発明に係る速崩壊性圧縮成形物は、液体(水等)中で速やかに崩壊、分散することができる。また、賦形剤1部に対して、増粘化剤を0.05~1部を含む組成とすることによって、崩壊性を得ることができる。増粘化剤の粒子径が75μm以上で、崩壊性を得ることができる。
本発明によれば、本発明に係る方法で製造された速崩壊性圧縮成形物は、増粘化剤を含む圧縮成形物であっても、賦形剤として糖アルコールを使用することで、圧縮成形物が液体中で速やかに崩壊し、分散すること可能とした。また、本発明に係る方法で製造された速崩壊性圧縮成形物は、粉体を圧縮成形することで得られる成形品(例えば錠剤)では、ハンドリング性の向上や使用時の秤量が不要となり、携帯性に優れたり、保管スペースを削減できる等といった利点が得られる。
本発明の実施形態に係る第1の崩壊性圧縮成形物の製造方法の簡略ブロック図である。 本発明の実施形態に係る第2の崩壊性圧縮成形物の製造方法の簡略ブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は第1の崩壊性圧縮成形物の製造方法を示す。この崩壊性圧縮成形物の製造方法は、賦形剤と増粘化剤(増粘剤)とを混合する混合工程1と、この混合工程1にて形成された粉末(粉体)を圧縮して錠剤を得る圧縮成形工程2とを備える。混合工程1では、公知・公用の粉体混合機を用いて混合し、圧縮成形工程2では、公知・公用の圧縮成形機を用いて圧縮成形することができる。
ここで、賦形剤とは、成形の向上や服用を便利にするために加える添加剤であり、服用しやすい大きさの製剤を造ることを目的に使用されるものである。賦形剤には、糖類、糖アルコール類、デンプン系、セルロース系、無機系があり、本発明にかかる速崩壊性圧縮成形物の製造方法に用いる賦形剤としては糖アルコール類を使用する。増粘化剤とは、水を含む液体または油相の粘度を増加させるために用いられる成分であり、粘度をつけるために使用される添加物である。
また、賦形剤に用いる糖アルコール類には、例えば、エリスリトール、パラチノース(登録商標)(三井製糖)、ラフィノース、ラクトース、マンニトール等がある。増粘化剤には、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、ジェランガム、ペクチン、アルギン酸類、及びデンプン群から選択される1種以上を含有するものが使用される。
糖アルコールを1部に対して、増粘化剤を0.05~1部を含む組成であり、増粘化剤の粒子径を75μm以上とするものである。
本発明に係る速崩壊性圧縮成形物の製造方法によれば、賦形剤の糖アルコール配合によって、「増粘化剤を庄縮成形すると、圧縮成形物に液体が染み込むことなく、液体に液体に触れた圧縮成形物の表面のみが水和し、液体への分散性が著しく悪化する」ということを防止でき、安定した崩壊効果を得られた。また、賦形剤1部に対して、増粘化剤を0.05~1部を含む組成であることによって、崩壊性を得ることがきる。増粘化剤の粒子径が75μm以上で、崩壊性を得ることがきる。
本発明に係る方法で製造された速崩壊性圧縮成形物は、増粘化剤を含む圧縮成形物であっても、賦形剤として糖アルコールを使用することで、圧縮成形物が液体中で速やかに崩壊し、分散すること可能とした。また、本発明に係る方法で製造された速崩壊性圧縮成形物は、粉体を圧縮成形することで得られる成形品(例えば錠剤)では、ハンドリング性の向上や使用時の秤量が不要となり、携帯性に優れたり、保管スペースを削減できる等といった利点が得られる。
図2は、第2の速崩壊性圧縮成形物の製造方法を示し、この場合、賦形剤と増粘化剤(増粘剤)とを造粒する造粒工程3と、この造粒工程3にて形成された造粒物を圧縮して錠剤を得る圧縮成形工程4とを備える。圧縮成形工程4では、公知・公用の圧縮成形機を用いて圧縮成形することができる。
造粒とは、粉末状の原薬や添加物等を均一な形状や大きさの顆粒状にする操作をいう。造粒には、湿式法と乾式法と噴霧造粒法等があり、これらの造粒法を選択することができる。湿式法は粉体に結合剤などの溶液を加えて造粒する方法であり、そのまま造粒する方法と、いったん練合したのち造粒する方法があり、湿式造粒法としては、押出造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒などがある。乾式造粒法は、粉体を乾燥状態のまま圧縮したり、溶融したりしたものを、破砕して造粒する方法である。噴霧造粒法は、スラリー状とした粉体を含む溶液を噴霧乾燥して造粒する方法である。このように、造粒して圧縮成形することによって、溶解性の改善、打錠性の改善、服用性の改善、及び飛散防止等のハンドリングや流動性改善等に優れる利点がある。
造粒する造粒機には、押出造粒機、攪拌造粒機、流動層造粒機、転動造粒機、及び乾式造粒機等があるが、いずれも造粒機も用いることが可能である。
このように、図2に示すように造粒するものであっても、図1に示すように、賦形剤と増粘化剤とを混合してそのまま圧縮成形する方法と同様の作用効果を奏する。また、図2に示す工程で製造した速崩壊性圧縮成形物としても、図1に示す工程で製造した速崩壊性圧縮成形物と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、製造される速崩壊性圧縮成形物として、医薬品用や食品用の錠剤であってもよい。また、低攪拌として、手攪拌以外に、ミキシング(プロペラ攪拌、ミキサーによる攪拌)で行う緩い攪拌であってもよい。ところで、圧縮成形物の原料として、賦形剤と増粘化剤の他に、崩壊剤や滑沢剤を配合してもよい。崩壊剤とは、固形の錠剤が水分を吸収して、崩れやすくする作用をもつものであり、たとえば、崩壊剤としては、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム等がある。滑沢剤とは、圧縮装置に原料が付いたり、圧縮する力などによって錠剤の硬度が不足してしまい欠けてしまったりすることがないよう添加されるものであり、タルク、ステアリン酸マグネシウムなどがある。
この場合、賦形剤と増粘化剤とを混合する混合工程と、混合工程にて混合されてなる粉体を圧縮成形する圧縮成形工程を行って成形してなる錠剤における、糖アルコール配合による崩壊効果を調べた。この場合、実施品1A~実施品6Aまでの6つの実施品と、比較品1A~2Aの2つの比較品とについて調べ、その結果を表1に示した。
実施品の賦形剤に糖アルコール複数種(エリスリトール、パラチノース、ラクトース、マンニトール)を使用した。具体的には、実施品1Aには、顆粒のエリスリトール、実施品2Aには、結晶のエリスリトール、実施品3Aには、微粉末のエリスリトールを用い、実施品4Aには、パラチノースを用い、実施品5Aには、ラクトースを用い、実施品6Aには、マンニトールを用いた。また、比較品1Aには、顆粒のデキストリン(DE16)を用い、比較品2Aには、微粉末のデキストリン(DE16)を用いた。増粘化剤としては、全実施品1A~6A、及び比較品1A~2Aにキサンタンガム(メジアン径(メディアン径)d50:209μm)を用いた。この場合、賦形剤の糖アルコールを1部に対して増粘化剤であるキサンタンガムを0.5部とした。
そして、各実施品1A~6A、及び比較品1A~2Aの速崩壊性圧縮成形物として、前記図1に示す製造方法にて製造した。すなわち、賦形剤と増粘化剤とを、混合して圧縮成形したものであり、具体的には、賦形剤の糖アルコールと増粘化剤であるキサンタンガムとの混合後、単発打錠機で圧縮成形して各錠剤を得た。また、上述のように、実施品として、エリスリトールは、粉体状態の異なる3種類(顆粒、結晶品、微粉末)を試し、比較品は、2種類(顆粒、微粉末)を試した。また、各実施品及び比較品として、打錠粉末として一般的に配合される崩壊剤、滑沢剤を同量添加した。
崩壊実験としては、錠剤(直径φ9mm、250m/錠)1個をそれぞれ水(市水50cc)に投入し、投入の60秒後に攪拌具(例えば、スプーン(スパーテル))で10回/秒攪拌した。いわゆる手攪拌を行った。攪拌開始から60秒後(つまり、水に錠剤を投入した後、120秒後)での錠剤の崩壊性を調べた。
表1において、〇は完全に崩壊したことを示し、×は崩壊していないことを示している。すなわち、各実施品1A~6Aでは、攪拌60秒後で錠剤の形が残っておらず、完全に崩壊していたのに対して、比較品1A~2Aは、錠剤の形のまま、崩壊せずに残っていた。このため、各実施品1A~6Aの速崩壊性圧縮成形物は、糖アルコール配合による崩壊効果を確認できた。
具体的には、実施品1A、実施品3A、実施品5A、および実施品6Aでは、水に投入して10秒後に崩壊し始め、水に投入して30秒後に崩壊が進み、水に投入して60秒後にほぼ崩壊し、手攪拌直後に完全に崩壊し、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊したままとなっていた。実施品2A及び実施品4Aでは、水に投入して10秒後では変化がなく、水に投入して30秒後に崩壊し始め、水に投入して60秒後に崩壊が進み、手攪拌直後にほぼ崩壊し、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊した。また、比較品1Aおよび比較品2Aでは、水に投入して10秒後及び水に投入して30秒後では変化がなく、水に投入して60秒後には、表面が水和(水溶液中で、溶質分子あるいはイオンがその周囲に数個の水分子を引きつけて結合し、一つの分子集団を作る現象)するが崩壊は見られず、手攪拌直後には、粒子が少し分離したが、崩壊がみられず、錠剤の形がまま残っており、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)でも、表面の水和が進んだが、錠剤の形に変化がなかった。
また、実施例1における実施品1Aと実施品4A、及び比較品1Aと比較品2Aについて、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)の状態(写真)を次の表2で示す。なお、比較品1Dは、賦形剤であるデキストリン(DE=16)を着色して造粒することによって、デキストリン顆粒を制作し、このデキストリン顆粒と増粘化剤を混合して圧縮成形したものであるので、錠剤に色が付いた。
この場合、賦形剤と増粘化剤とを混合する混合工程と、混合工程にて混合されてなる粉体を圧縮成形する圧縮成形工程を行って成形してなる錠剤における、賦形剤と増粘化剤との混合比率について調べた。この場合、実施品1Bから実施品2B、および比較品1Bについて調べた。各実施品及び比較品は、賦形剤として、糖アルコールの1つであるエリスリトールを用い、代表的な増粘化剤であるキサンタンガムとの混合後、圧縮成形して速崩壊圧縮成形物(錠剤)を得たものである。
賦形剤とキサンタンガムの割合は、賦形剤が1部に対して、実施品1Bでは、キサンタンガムが0.5部であり、実施品2Bでは、キサンタンガムが1部であり、比較品1Bでは、キサンタンガムが1.5部とした。また、各実施品1B、2B及び比較品1Bのキサンタンガムの粒子径250~355μmとした。さらに、実施例1等と同様、打錠粉末として一般的に配合される崩壊剤、滑沢剤を同量添加した。
調査方法(崩壊実験)としては、実施例1等と同様、錠剤(直径φ9mm、250m/錠)1個をそれぞれ水(市水50cc)に投入し、投入の60秒後に攪拌具(例えば、スプーン)で10回/秒攪拌した。いわゆる手攪拌を行った。攪拌開始から60秒後(つまり、水に錠剤を投入した後、120秒後)での錠剤の崩壊性を調べた。その実験結果を次の表3に示した。
表3において、〇は完全に崩壊したことを示し、△は部分的に崩壊していることを示している。すなわち、実施品1B及び実施品2Bでは、攪拌60秒後で錠剤の形が残っておらず、完全に崩壊し、比較品1Bでは、部分的に崩壊しているが、完全には崩壊しなかった。このため、賦形剤1部に対して増粘化剤1部までの混合比率で、崩壊性が得られることを確認できた。
具体的には、実施品1Bでは、水に投入して10秒後では変化がなく、水に投入して30秒後に崩壊し始め、水に投入して60秒後に崩壊が進み、手攪拌直後にほぼ崩壊し、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊した。実施品2Bでは、水に投入して10秒後では変化がなく、水に投入して30秒後には表面が水和するが、崩壊はみられず、水に投入して60秒後に崩壊し始め、手攪拌直後に崩壊が進み、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊した。また、比較品1Bでは、水に投入して10秒後および水に投入して30秒後には変化がなく、水に投入して60秒後に表面が水和し、手攪拌直後には、崩壊が見られるが錠剤の形が残っており、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)でも、元の錠剤の半分くらいの大きさになったが錠剤としての形が残っていた。
また、実施例2における実施品2Bと比較品1Bについて、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)の状態(写真)を次の表4で示す。
この場合、賦形剤と増粘化剤とを混合する混合工程と、混合工程にて混合されてなる粉体を圧縮成形する圧縮成形工程を行って成形してなる錠剤における、増粘化剤の粒子径の影響について調べた。この場合、実施品1Cから実施品4C、及び比較品1Cについて調べた。各実施品および比較品は、賦形剤として、糖アルコールの1つであるエリスリトール(顆粒品)を用い、代表的な増粘化剤であるキサンタンガムとの混合後、圧縮成形して速崩壊圧縮成形物(錠剤)を得たものである。
また、各実施品において、賦形剤の糖アルコールを1部に対して増粘化剤であるキサンタンガムを0.5部とした。増粘化剤であるキサンタンガムの粒子径として、実施品1Cでは、355μm以上とし、実施品2Cでは、250~355μmとし、実施品3Cでは、150~250μmとし、実施品4Cでは、75~150μmとし、比較品1Cでは、175μm未満とした。さらに、実施例1等と同様、打錠粉末として一般的に配合される崩壊剤、滑沢剤を同量添加した。
調査方法(崩壊実験)としては、実施例1等と同様、錠剤(直径φ9mm、250m/錠)1個をそれぞれ水(市水50cc)に投入し、投入の60秒後に攪拌具(例えば、スプーン)で10回/秒攪拌した。いわゆる手攪拌を行った。攪拌開始から60秒後(つまり、水に錠剤を投入した後、120秒後)での錠剤の崩壊性を調べた。その実験結果を次の表5に示した。
表5において、〇は完全に崩壊したことを示し、×は崩壊していないことを示している。また、実施品1C~実施品4Cでは、攪拌60秒後で錠剤の形が残っておらず、完全に崩壊していた。これに対して、比較品1Cでは、錠剤の形のまま、崩壊せずに残っていた。
このため、増粘化剤の粒子径が75μm以上で、崩壊性が得られることを確認できた。
具体的には、実施品1C、2C、及び実施品3Cでは、水に投入して10秒後に崩壊し始め、水に投入して30秒後に崩壊が進み、水に投入して60秒後にほぼ崩壊し、手攪拌直後に完全に崩壊し、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊したままとなっていた。また、実施品4Cでは、水に投入して10秒後に崩壊し始め、水に投入して30秒後には表面が水和しつ、崩壊がみられ、水に投入して60秒後にほぼ崩壊し、手攪拌直後に完全に崩壊し、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊したままとなっていた。比較品1Cでは、水に投入して10秒後、および水に投入して30秒後では、変化がなく、水に投入して60秒後に、表面の水和が進むが、崩壊はみられず、手攪拌直後でも、崩壊は見られず、錠剤の形が残っており、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)でも、崩壊はみられず、錠剤の形が残っていた。
また、実施例3における実施品1Cと比較品4C、および比較品1Cについて、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)の状態(写真)を次の表6で示す。
この場合、賦形剤と増粘化剤とを造粒する造粒工程と、前記造粒工程に造粒されてなる造粒物を圧縮成形する圧縮成形工程とを行って成形してなる錠剤における、糖アルコール配合による崩壊効果を調べた。実施品1Dと実施品2Dまでの2つの実施品と、比較品1Dの1つの比較品とについて調べ、その結果を表7に示した。
実施品1Dと実施品2Dは、賦形剤として、糖アルコールの1つであるエリストリールを用い、増粘化剤であるキサンタンガムを用いた。この場合、実施品1Dは、顆粒のエリストリール(メジアン径d50:219μm)、キサンタンガム(d50=209μm)を用い、実施品2Dは、結晶のエリストリール(250~500μm)、キサンタンガム(d50=140μm)を用いた。比較品1Dは、賦形剤としてデキストリン(DE16)、増粘化剤として、キサンタンガム(d50=140μm)を用いた。この場合、賦形剤の糖アルコールであるエリストリールを1部に対して増粘化剤であるキサンタンガムを0.33部とした。
そして、各実施品1D、2D及び比較品1Dの速崩壊性圧縮成形物として、前記図2に示す製造方法にて製造した。すなわち、賦形剤と増粘化剤とを、造粒した後、圧縮成形したものであり、具体的には、賦形剤の糖アルコールと増粘化剤であるキサンタンガムとの造粒後、単発打錠機で圧縮成形して各錠剤を得た。また、上述のように、実施品として、エリスリトールは、粉体状態の異なる3種類(顆粒、結晶品)を試した。各実施品及び比較品は、流動増造粒機(FD-MP―01:株式会社パウレック製)に、賦形剤(1部)、キサンタンガム(0.33部)を入れ、塩化カリウム水溶液をバインダーとして造粒した。また、各実施品及び比較品として、打錠粉末として一般的に配合される崩壊剤、滑沢剤を同量添加し混合し、圧縮成形した。なお、造粒後の顆粒は、実施品1Dはd50%径=274.3μmであり、実施品2Dはd50%径=371.1μm、比較品1Dはd50%径=443.0μmであった。
調査方法(崩壊実験)としては、実施例1等と同様、錠剤(直径φ9mm、250m/錠)1個をそれぞれ水(市水50cc)に投入し、投入の60秒後に攪拌具(例えば、スプーン)で10回/秒攪拌した。いわゆる手攪拌を行った。攪拌開始から60秒後(つまり、水に錠剤を投入した後、120秒後)での錠剤の崩壊性を調べた。
表7において、〇は完全に崩壊したことを示し、×は崩壊していないことを示している。また、実施品1D及び実施品2Dでは、攪拌60秒後で錠剤の形が残っておらず、完全に崩壊していた。これに対して、比較品1Dでは、錠剤の形のまま、崩壊せずに残っていた。
具体的には、実施品1Dでは、水に投入して10秒後では、変化がなく、水に投入して水に投入して30秒後に崩壊して錠剤の形が崩れ、水に投入して60秒後および手攪拌後にほぼ崩壊し、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)には完全に崩壊した。また、実施品2Dでは、水に投入して10秒後に崩壊しつつあり、水に投入して30秒後に崩壊して錠剤の形が崩れ、水に投入して60秒後に完全に崩壊し、手攪拌直後、および水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)でも完全に崩壊したままとなっていた。比較品1Dでは、水に投入して10秒後、および水に投入して30秒後では、変化がなく、水に投入して60秒後、から水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)でも、表面がわずかに水和するが錠剤の形に変化なしであった。
このため、糖アルコール使用による崩壊効果を確認することができた。この場合、実施例4における実施品2D、および比較品1Dについて、水に投入して120秒後(手攪拌60秒後)の状態(写真)を次の表8で示す。
1 混合工程
2 圧縮成形工程
3 造粒工程
4 圧縮成形工程

Claims (5)

  1. 増粘化剤を組成に含む圧縮成形物を液体に添加した際に、低攪拌の攪拌条件にて、120秒以内に崩壊する速崩壊性圧縮成形物の製造方法であって、
    賦形剤と増粘化剤とを圧縮成形することにより製造され、前記賦形剤として糖アルコールを用い、前記賦形剤の糖アルコールを1部に対して、前記増粘化剤を0.05~1部を含む組成であり、増粘化剤の粒子径を75μm以上とすること特徴とする速崩壊性圧縮成形物の製造方法。
  2. 増粘化剤は、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、ジェランガム、ペクチン、アルギン酸類、及びデンプン群から1種以上選択されるものを含有すること特徴とする請求項1に記載の速崩壊性圧縮成形物の製造方法。
  3. 賦形剤と増粘化剤とを混合する混合工程と、前記混合工程にて混合されてなる粉体を圧縮成形する圧縮成形工程とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の速崩壊性圧縮成形物の製造方法。
  4. 賦形剤と増粘化剤とを造粒する造粒工程と、前記造粒工程に造粒されてなる造粒物を圧縮成形する圧縮成形工程とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の速崩壊性圧縮成形物の製造方法。
  5. 賦形剤と増粘化剤とを圧縮成形することにより製造されてなり、前記賦形剤として糖アルコールを用い、前記賦形剤の糖アルコールを1部に対して、前記増粘化剤を0.05~1部を含む組成であり、増粘化剤の粒子径を75μm以上としたものであり、液体に添加した際に、低攪拌の攪拌条件にて、120秒以内に崩壊すること特徴とする速崩壊性圧縮成形物。
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