JP2023172252A - 電池の製造方法および電池 - Google Patents

電池の製造方法および電池 Download PDF

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耕次 西田
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覚 河瀬
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Abstract

【課題】生産性および体積エネルギー密度が高い電池の製造方法および電池を提供する。【解決手段】電池の製造方法は、電極集電体50における複数の部位であって、x軸方向に沿って並ぶ複数の部位のそれぞれの両面に、電極層、固体電解質層および対極層を電極集電体50側からこの順で積層することで発電要素70を形成する工程と、電極集電体50および発電要素70を、x軸方向に沿って切断することで、第1切断面を形成する工程と、複数の部位のうち隣り合う部位に形成された発電要素70が対面するように電極集電体50をx軸方向において折り返し、かつ、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70の間に位置するように対極集電体10を配置することで、複数の発電要素70が積層された積層体を形成する工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本開示は、電池の製造方法および電池に関する。
特許文献1および特許文献2には全固体電池の積層セルに関する構成が開示されている。
特開2012-243395号公報 国際公開第2020/145177号
従来技術においては、電池の体積エネルギー密度と生産性との両立が求められている。そこで、本開示は、生産性および体積エネルギー密度が高い電池の製造方法および電池を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る電池の製造方法は、電極集電体における複数の部位であって、第1方向に沿って並ぶ複数の部位のそれぞれの両面に、電極層、固体電解質層および対極層を前記電極集電体側からこの順で積層することで発電要素を形成する工程と、前記電極集電体および前記発電要素を、前記第1方向に沿って切断することで、第1切断面を形成する工程と、前記複数の部位のうち隣り合う部位に形成された前記発電要素が対面するように前記電極集電体を前記第1方向において折り返し、かつ、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素の間に位置するように対極集電体を配置することで、複数の前記発電要素が積層された積層体を形成する工程と、を含む。
本開示の一態様に係る電池は、それぞれが、電極層、固体電解質層および対極層が積層された構造を有する複数の発電要素と、前記複数の発電要素のそれぞれの前記電極層と電気的に接続される電極集電体と、前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続される対極集電体と、を備え、前記電極集電体は、積層方向に沿って並ぶ複数の電極集電部と、前記複数の電極集電部のうち隣り合う電極集電部同士を接続し、第1方向において折り返されている電極折り返し部と、を有し、前記複数の発電要素のそれぞれは、前記複数の電極集電部のそれぞれの両面に、前記電極層が前記電極集電体に電気的に接続されるように積層され、前記対極集電体は、前記複数の電極集電部のうち隣り合う電極集電部に積層されて対面する前記発電要素の間に位置し、前記第1方向と交差する方向における、前記発電要素の前記電極層、前記固体電解質層および前記対極層のそれぞれの端面は面一である。
本開示によれば、電池の生産性および体積エネルギー密度を高めることができる。
図1は、実施の形態1に係る電池の斜視図である。 図2は、実施の形態1に係る電池の断面図である。 図3は、実施の形態1に係る電池の別の断面図である。 図4は、実施の形態1に係る電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1に係るセル積層集電体の斜視図である。 図6は、実施の形態1に係るセル積層集電体の断面図である。 図7は、実施の形態1に係るセル積層集電体の別の断面図である。 図8は、実施の形態1に係るセル積層集電体がつづら折り状に折り返された状態を示す断面図である。 図9は、実施の形態1に係る対極集電体がつづら折り状に折り返された状態を示す断面図である。 図10は、実施の形態2に係る電池の斜視図である。 図11は、実施の形態2に係る電池の断面図である。 図12は、実施の形態2に係る電池の別の断面図である。 図13は、実施の形態3に係る電池の断面図である。 図14は、実施の形態3に係る電池の別の断面図である。 図15は、実施の形態3に係る電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図16は、実施の形態4に係る電池の斜視図である。 図17は、実施の形態4に係る電池の断面図である。 図18は、実施の形態4に係る電池の別の断面図である。 図19は、実施の形態5に係る電池の斜視図である。 図20は、実施の形態5に係る絶縁保護層が形成された対極集電体の斜視図である。
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
電池を用いてデバイスを駆動させるには、駆動に必要な電圧および容量を確保する必要がある。一定の電圧および容量をもつ単位電池を直列または並列で組み合わせて使用することができるが、組電池にすることでパック体積の増大に繋がり体積エネルギー密度を低下させてしまう一因となる。このため、予め単位電池の容量を大きくすることは有用である。単位電池の容量は、例えば、電池反応面積を増大することで大きくすることができる。電池の容量を高めるための製造方法としてけんかい式および積層方式等の製造方法が知られている。
けんかい方式は、体積エネルギー密度を高くすることが可能である一方で、けんかいする際に電池の発電要素に曲げ方向の応力が印加されるため、活物質等が含まれる層が集電体から剥離して電池性能および信頼性を低下させてしまう場合がある。積層方式は、個片化された複数の発電要素を積層方向に積み重ねる方式であり、大容量化に適した工法である一方、生産性の向上に余地が存在する。また、積層方式では発電要素の端部が、各層の面積の違い等によって電池として機能しにくく、体積エネルギー密度の向上も求められている。
そこで、本開示は、積層方式の電池において、生産性および体積エネルギー密度が高い電池の製造方法および電池を提供する。
(本開示の概要)
以下に、本開示に係る電池の製造方法の複数の例について示す。
<1>電極集電体における複数の部位であって、第1方向に沿って並ぶ複数の部位のそれぞれの両面に、電極層、固体電解質層および対極層を前記電極集電体側からこの順で積層することで発電要素を形成する工程と、
前記電極集電体および前記発電要素を、前記第1方向に沿って切断することで、第1切断面を形成する工程と、
前記複数の部位のうち隣り合う部位に形成された前記発電要素が対面するように前記電極集電体を前記第1方向において折り返し、かつ、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素の間に位置するように対極集電体を配置することで、複数の前記発電要素が積層された積層体を形成する工程と、を含む、
電池の製造方法。
これにより、個片化された電極集電体を発電要素と共に積層するのではなく、必要な数の発電要素を含む長さの発電要素が両面に形成された電極集電体を折り返すことで、発電要素と電極集電体と対極集電体とを積層できる。そのため、個片化された電極集電体を用いて発電要素を積層するよりも工数を減らして、積層方式の電池の生産性を高めることができる。また、複数の発電要素が形成された電極集電体を第1方向に沿って切断するため、複数の発電要素の各層の大きさを近づけて、電池の体積エネルギー密度を高めることができると共に、個別に発電要素を切断するよりも切断回数を減らして、電池の生産性を高めることができる。
<2>前記積層体を形成する工程は、
前記電極集電体を折り返す前に、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、かつ、前記対極集電体の一部が前記発電要素と積層方向に沿って並ぶように前記対極集電体を配置することと、
前記対極集電体を前記第2方向において折り返して、1つの前記両面に形成された前記発電要素を前記対極集電体で挟むことと、
前記電極集電体を前記第1方向において折り返して、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素で前記対極集電体を挟むことと、を含む、
<1>に記載の電池の製造方法。
これにより、電極集電体および対極集電体を、複数の発電要素ごとに個片化する必要が無く、個片化した集電体を用いて発電要素を積層するよりも工数を減らして、電池の生産性を高めることができる。
<3>前記積層体を形成する工程において、前記第2方向と直交する方向における端部に絶縁保護層が形成された前記対極集電体を用いる、
<2>に記載の電池の製造方法。
これにより、互いに交差する方向で折り返された電極集電体と対極集電体とが近接しやすい積層体のコーナー部において、絶縁保護層が存在することで電極集電体と対極集電体との接触による短絡を抑制できる。
<4>前記積層体を形成する工程の後に、前記電極集電体の折り返し部分を覆い、前記電極集電体の折り返し部分に電気的に接続される第1導電部材を形成する工程をさらに含む、
<2>または<3>に記載の電池の製造方法。
これにより、第1導電部材を電極層の取出端子として用いることができるため、電極集電体を引き出す等によって端子を形成する場合よりも、端子構造をコンパクト化でき、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
<5>前記対極集電体は、複数のくしば部分が設けられたくし形状を有し、
前記積層体を形成する工程は、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素の間に前記複数のくしば部分の少なくとも1つを差し込むことを含む、
<1>に記載の電池の製造方法。
これにより、電極集電体を折り返すことで対面する発電要素の間にくしば部分を差し込むだけで対極集電体を配置できるため、電池の生産性を高めることができる。
<6>積層された複数の前記発電要素を一括で切断することで、前記積層体に第2切断面を形成する工程と、
前記第2切断面において、前記電極層または前記対極層と電気的に接続される第2導電部材を形成する工程と、をさらに含む、
<1>から<5>のいずれか1つに記載の電池の製造方法。
これにより、積層体において電池容量に寄与しにくい端部を切除して、第2切断面において発電要素を露出させ、露出した発電要素に接続される端子として第2導電部材を形成できる。そのため、電池の体積エネルギー密度をさらに高めることができる。
<7>前記積層体を形成する工程の前に、前記第1方向における前記発電要素の端面を覆う第1絶縁部材を形成する工程をさらに含む、
<1>から<6>のいずれか1つに記載の電池の製造方法。
これにより、電極集電体を折り返す際に発電要素に応力が加わった場合でも、発電要素の端面での発電要素の割れまたは欠け等による崩落を抑制できる。
<8>前記積層体を形成する工程の前に、前記第1切断面を覆う第2絶縁部材を形成する工程をさらに含む、
<1>から<7>のいずれか1つに記載の電池の製造方法。
これにより、第1切断面において発電要素が第2絶縁部材に保護されると共に、対極集電体と発電要素および電極集電部とが近接する部分での接触による短絡を抑制できる。
<9>前記積層体を形成する工程の後に、前記発電要素における前記電極集電体の折り返し部分が配置される側とは反対側の端面を覆う第3絶縁部材を形成する工程をさらに含む、
<1>から<8>のいずれか1つに記載の電池の製造方法。
これにより、発電要素の端面のうち電極集電体の折り返し部分で覆われずに露出する部分を保護できる。
<10>前記電極層は負極層であり、
前記対極層は正極層である、
<1>から<9>のいずれか1つに記載の電池の製造方法。
例えば、発電要素の形成において、電極集電体側の電極層を対極層よりも大きく形成することで、各層の位置合わせの精度が低くても発電要素を形成でき、生産性を高めやすい。この場合に、大きく形成する電極層が負極層であり、対極層が正極層であることで、負極層が正極層からのイオンを受容しやすくなり、金属析出を抑制できる。そのため、電極層を対極層よりも大きく形成して生産性を高めた場合でも信頼性を高めることができる。
また、以下では、本開示に係る電池の複数の例について示す。
<11>それぞれが、電極層、固体電解質層および対極層が積層された構造を有する複数の発電要素と、
前記複数の発電要素のそれぞれの前記電極層と電気的に接続される電極集電体と、
前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続される対極集電体と、を備え、
前記電極集電体は、積層方向に沿って並ぶ複数の電極集電部と、前記複数の電極集電部のうち隣り合う電極集電部同士を接続し、第1方向において折り返されている電極折り返し部と、を有し、
前記複数の発電要素のそれぞれは、前記複数の電極集電部のそれぞれの両面に、前記電極層が前記電極集電体に電気的に接続されるように積層され、
前記対極集電体は、前記複数の電極集電部のうち隣り合う電極集電部に積層されて対面する前記発電要素の間に位置し、
前記第1方向と交差する方向における、前記発電要素の前記電極層、前記固体電解質層および前記対極層のそれぞれの端面は面一である、
電池。
これにより、発電要素が両面に形成された電極集電体を折り返して発電要素が積層されるため、個片化した電極集電体を用いて発電要素と共に積層するよりも工数を減らして、電池の生産性を高めることができる。また、発電要素の各層の端面が面一であるため、発電要素の各層の大きさを近づけることができ、電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
<12>前記対極集電体は、積層方向に沿って並び、前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続される複数の対極集電部と、前記複数の対極集電部のうち隣り合う対極集電部同士を接続し、前記第1方向と交差する第2方向において折り返されている対極折り返し部と、を有し、
前記複数の対極集電部の少なくとも1つは、前記対面する前記発電要素の間に位置する、
<11>に記載の電池。
これにより、電極集電体の電極集電部および対極集電体の対極集電部を、複数の発電要素ごとに個片化する必要が無く、個片化した集電体を用いて発電要素を積層するよりも工数を減らして、電池の生産性を高めることができる。
<13>前記対極集電体は、複数のくしば部分が設けられたくし形状を有し、
前記複数のくしば部分は、前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続され、
前記複数のくしば部分の少なくとも1つは、前記対面する前記発電要素の間に差し込まれている、
<11>に記載の電池。
これにより、隣り合う電極集電部に積層されて対面する発電要素の間にくしば部分を差し込むだけで対極集電体を配置できるため、電池の生産性を高めることができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
また、本明細書において、平行または直交などの要素間の関係性を示す用語、および、矩形または直方体などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書および図面において、x軸、y軸およびz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。x軸およびy軸はそれぞれ、電池の発電要素の平面視形状が矩形である場合に、当該矩形の第1辺、および、当該第1辺に直交する第2辺に平行な方向に一致する。z軸は、電池に含まれる複数の発電要素の積層方向に一致する。本明細書において、x軸方向は第1方向の一例であり、y軸方向は第2方向の一例である。
また、本明細書において、「積層方向」は、複数の発電要素が積層されて並ぶ方向であり、集電体および発電要素の各層の主面法線方向に一致する。また、本明細書において、「平面視」とは、単独で使用される場合など、特に断りのない限り、発電要素の主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。なお、「側面の平面視」などのように、「ある面の平面視」と記載されている場合は、当該「ある面」を正面から見たときのことをいう。
また、本明細書において、「上方」および「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)および下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」および「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。以下の説明では、z軸の負側を「下方」または「下側」とし、z軸の正側を「上方」または「上側」とする。
また、本明細書において、「Aを覆う」という表現は、「A」の少なくとも一部を覆うことを意味する。すなわち、「Aを覆う」とは、「Aの全てを覆う」場合だけでなく、「Aの一部のみを覆う」場合も含む表現である。「A」は、例えば、層または端子などの所定の部材の端面、側面および主面などである。
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りのない限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、構成要素を区別する目的で用いられている。
また、本明細書において、ある構成要素の「端面」とは、ある構成要素の互いに背向する2つの主面を繋ぐ面である。
(実施の形態1)
[全体構成]
まず、実施の形態1に係る電池の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る電池1の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る電池1の断面図である。図3は、本実施の形態に係る電池1の別の断面図である。なお、図1では、実際には見えていない箇所の電極集電体50および対極集電体10の形状が破線で示されている。また、図2は、図1のII-II線を通る積層方向に沿った断面を表している。また、図3は、図1のIII-III線を通る積層方向に沿った断面を表している。
図1から図3に示されるように、電池1は、複数の発電要素70と、電極集電体50と、対極集電体10と、第1絶縁部材60と、第2絶縁部材61と、第3絶縁部材62と、を備える。電池1は、例えば全固体電池である。
電池1の概略形状は直方体状である。電池1の概略形状は扁平な直方体状であってもよい。ここで、扁平とは、厚み(すなわち、z軸方向の長さ)が主面の各辺(すなわち、x軸方向およびy軸方向の各々の長さ)または最大幅より短いことを意味する。なお、本明細書に係る図面において、電池1の層構造を分かりやすくするため、各層および集電体等の厚みを誇張して図示している。
[発電要素]
複数の発電要素70は、隣り合う発電要素70の間に電極集電体50または対極集電体10を挟みながら、発電要素70の厚み方向(z軸方向)に沿って積層されている。発電要素70は、電池の発電部の最小構成であり、単位セルとも称される。複数の発電要素70は、電気的に並列接続されるように積層されている。図示される例では、電池1が備える発電要素70の個数が8個であるが、これに限らない。後述するように、発電要素70は、複数の電極集電部51の両面に積層されるため、発電要素70の数は、例えば、4個以上の偶数である。
発電要素70の平面視形状は、例えば、矩形状である。そのため、発電要素70の概略形状は、例えば、扁平な直方体状である。本実施の形態においては、平面視において、発電要素70の形状は、x軸方向に平行な互いに対向する2辺と、y軸方向に平行な互いに対向する2辺とを含む矩形である。
複数の発電要素70の各々は、電極層40と、対極層20と、固体電解質層30と、を含む。電極層40および対極層20はそれぞれ、活物質を含み、電極活物質層および対極活物質層とも称される。複数の発電要素の各々では、電極層40、固体電解質層30、および対極層20がこの順でz軸方向に沿って積層されている。
なお、電極層40は、発電要素70の正極層および負極層の一方である。対極層20は、発電要素70の正極層および負極層の他方である。以下では、電極層40が負極層であり、対極層20が正極層である場合を一例として説明する。この場合には、後述するように、電極集電体50上に発電要素70を形成する場合において、発電要素70における電極集電体50側に負極層である電極層40を配置することになる。電極層40を大きく形成することでその後に形成する固体電解質層30および対極層20を形成しやすくなり、生産性を高めることができる。また、大きく形成する電極層40が負極層であることで、正極層からのイオンを受容しやすくなり、金属析出を抑制でき、生産性を高めた場合でも信頼性を高めることができる。
複数の発電要素70の構成および形状は、互いに実質的に同一である。隣り合う2つの発電要素70では、発電要素70を構成する各層の並び順が逆になっている。つまり、発電要素70を構成する各層の並び順が交互に入れ替わりながら、複数の発電要素70は、z軸方向に沿って並んで積層されている。これにより、複数の発電要素70は、電気的に並列接続されるように積層される。また、例えば、z軸方向に沿って見た場合に、複数の発電要素70の外縁の位置は揃っている。
複数の発電要素70のうちの互いに隣り合う2つの発電要素70は、電極集電体50または対極集電体10を介して積層されている。また、隣り合う発電要素70では、電極層40同士または対極層20同士が対面するように積層される。そのため、対面する電極層40の間には電極集電体50が配置され、対面する対極層20の間には対極集電体10が配置される。また、複数の発電要素70の各々は、他の発電要素70を介さずに、電極集電体50と対極集電体10とに挟まれている。各発電要素70において、電極層40は電極集電体50に接し、対極層20は対極集電体10に接する。
x軸方向と交差する方向、具体的にはx軸方向と直交するy軸方向における発電要素70の端面70aにおいて対極層20、固体電解質層30および電極層40それぞれの端面は面一である。また、y軸方向における、電極集電体50の電極集電部51の端面50aと当該電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70の端面70aとは面一である。上記の電極集電部51の端面50aと2つの発電要素70の端面70aとが面一でつながった面は、例えば、一括切断により形成された切断面である。
固体電解質層30は、電極層40と対極層20との間に配置される。固体電解質層30は、電極層40と対極層20との各々に接する。固体電解質層30の厚みは、例えば、5μm以上150μm以下である。
固体電解質層30は、少なくとも固体電解質を含み、必要に応じて、バインダー材料を含んでいてもよい。固体電解質層30は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含んでいてもよい。
固体電解質としては、リチウムイオン伝導体、ナトリウムイオン伝導体またはマグネシウムイオン伝導体など公知の材料が用いられうる。固体電解質には、例えば、硫化物固体電解質、ハロゲン系固体電解質または酸化物固体電解質等の固体電解質材料が用いられる。硫化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、硫化リチウム(LiS)および五硫化二リン(P)からなる合成物が用いられる。また、硫化物固体電解質としては、LiS-SiS、LiS-BまたはLiS-GeSなどの硫化物が用いられてもよく、上記硫化物に添加剤としてLiN、LiCl、LiBr、LiPOおよびLiSiOのうち少なくとも1種が添加された硫化物が用いられてもよい。
酸化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、LiLaZr12(LLZ)、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)または(La,Li)TiO(LLTO)などが用いられる。
バインダー材料としては、例えば、エラストマー類が用いられ、ポリフッ化ビニリデン、アクリル樹脂またはセルロース樹脂などの有機化合物が用いられてもよい。
電極層40は、電極集電体50の主面に接している。電極層40と電極集電体50との間には導電材料を含む層である集電体層が設けられていてもよい。電極層40は、固体電解質層30を介して対極層20に対向して配置されている。電極層40の厚みは、例えば5μm以上300μm以下であるが、これに限らない。
電極層40は、少なくとも負極活物質を含み、必要に応じて、固体電解質、導電助剤およびバインダー材料のうち少なくとも1つを含んでもよい。負極活物質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオンまたはマグネシウムイオンを吸蔵および放出(挿入および脱離、または、溶解および析出)できる公知の材料が用いられうる。負極活物質としては、リチウムイオンを離脱および挿入することができる材料の場合、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維もしくは樹脂焼成炭素などの炭素材料、金属リチウム、リチウム合金またはリチウムと遷移金属元素との酸化物などが用いられる。
固体電解質としては、上述の固体電解質材料が用いられうる。また、導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイトまたはカーボンファイバーなどの導電材料が用いられる。また、バインダー材料としては、上述のバインダー材料が用いられうる。
例えば、電極層40の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を、電極集電体50の主面上に塗工し乾燥させることにより、電極層40が作製される。電極層40の密度を高めるために、乾燥後に、電極層40をプレスしてもよい。
対極層20は、対極集電体10の主面に接している。対極層20と対極集電体10との間には導電材料を含む層である集電体層が設けられていてもよい。対極層20の厚みは、例えば5μm以上300μm以下であるが、これに限らない。
対極層20は、少なくとも正極活物質を含み、必要に応じて、固体電解質、導電助剤およびバインダー材料のうち少なくとも1つを含んでもよい。
正極活物質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオンまたはマグネシウムイオンを吸蔵および放出(挿入および脱離、または、溶解および析出)できる公知の材料が用いられうる。正極活物質としては、リチウムイオンを離脱および挿入することができる材料の場合、例えば、コバルト酸リチウム複合酸化物(LCO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LNO)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LMO)、リチウム‐マンガン‐ニッケル複合酸化物(LMNO)、リチウム‐マンガン‐コバルト複合酸化物(LMCO)、リチウム‐ニッケル‐コバルト複合酸化物(LNCO)またはリチウム‐ニッケル‐マンガン‐コバルト複合酸化物(LNMCO)などが用いられる。
固体電解質としては、上述の固体電解質材料が用いられうる。また、導電助剤としては、上述の導電材料が用いられうる。また、バインダー材料としては、上述のバインダー材料が用いられうる。
例えば、対極層20の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を、固体電解質層30の主面上に塗工し乾燥させることにより、対極層20が作製される。対極層20の密度を高めるために、乾燥後に、対極層20をプレスしてもよい。
[集電体]
次に、電池1が備える集電体について説明する。
電極集電体50は、複数の発電要素70のそれぞれの電極層40と電気的に接続される。電極集電体50は、各発電要素70を電気的に並列接続する機能を担っている。なお、本明細書において、電気的に接続されるとは、特に断りの無い限り、実質的に同電位になるように電気的に接続されることを意味する。電極集電体50は、複数の発電要素70のそれぞれの電極層40と接している。電極集電体50は、例えば、つづら折り状にx軸方向において折り曲げられた1枚の集電体である。
電極集電体50は、積層方向(z軸方向)に沿って並ぶ複数の電極集電部51と、複数の電極集電部51のうち隣り合う電極集電部51同士を接続し、x軸方向において折り返されている電極折り返し部52と、電極集電部51から電池1の外側に向かって延びる電極引出部53と、を有する。電極集電部51と電極折り返し部52と電極引出部53とは、例えば、同じ材料からなる1つの部材を加工して形成された、各々の部位に対して付された呼称である。
複数の電極集電部51はそれぞれ、発電要素70が積層される層状の部分である。電極集電部51は、平面視において、発電要素70と重なる。複数の電極集電部51は、所定の間隔を空けてz軸方向に沿って並んでいる。z軸方向において隣り合う電極集電部51同士は、電極折り返し部52によって接続されている。複数の発電要素70のそれぞれは、複数の電極集電部51のそれぞれの両面に、電極層40が電極集電体50に電気的に接続されるように積層されている。つまり、発電要素70における電極集電部51側には、電極層40が配置され、電極集電部51の両面は電極層40に接している。
電極折り返し部52は、隣り合う電極集電部51の間で電極集電体50が折り返されることで形成された折り返し部分である。電極集電体50は、つづら折り状に折り返されているため、x軸方向の正側から負側に向かって折り返される電極折り返し部52と、x軸方向の負側から正側に向かって折り返される電極折り返し部52とを有する。電極集電体50は、例えば、複数の電極折り返し部52を有し、図示される例では、電極集電体50は、3回折り返されているため、3つの電極折り返し部52を有する。電極折り返し部52は、電極集電体50が折り返されることで対面する2つの発電要素70を、x軸方向の正側または負側から覆っている。電極折り返し部52と発電要素70の端面との間には、第1絶縁部材60が配置されている。
電極折り返し部52の発電要素70側は、第1絶縁部材60に接している。これにより、電池1を小型化できるため、体積エネルギー密度を向上できる。なお、電極折り返し部52と第1絶縁部材60との間に隙間が設けられていてもよい。
電極引出部53は、電極集電体50が折り返されずに電池1の外側に引き出された電極集電体50の端部である。電極引出部53は、平面視において、電池1の電極引出部53以外の部分よりもx軸方向に突出している。電極引出部53は、露出しており、電池1の電極端子として利用される。本実施の形態では、電極集電体50は、2つの電極引出部53を有し、2つの電極引出部53はどちらもx軸方向の負側に引き出されている。2つの電極引出部53が引き出される方向は、電極集電体50が折り返される回数によって決まるため、電極集電体50が折り返される回数によっては、2つの電極引出部53の一方がx軸方向の負側に引き出され、他方がx軸方向の正側に引き出される。
対極集電体10は、複数の発電要素70のそれぞれの対極層20と電気的に接続される。対極集電体10は、各発電要素70を電気的に並列接続する機能を担っている。対極集電体10は、複数の発電要素70のそれぞれの対極層20と接している。対極集電体10は、例えば、x軸方向と交差する方向、具体的には、x軸方向と直交するy軸方向においてつづら折り状に折り曲げられた1枚の集電体である。電極集電体50と対極集電体10とは、互いに交差するように折り返され、z軸方向に沿って電極集電体50と対極集電体10とが交互に並ぶように、積層されている。また、対極集電体10は、電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70を挟むように折り返されている。そのため、電池1において、最上部および最下部の集電体は対極集電体10(具体的には対極集電部11)になる。
対極集電体10は、積層方向(z軸方向)に沿って並ぶ複数の対極集電部11と、複数の対極集電部11のうち隣り合う対極集電部11同士を接続し、x軸方向において折り返されている対極折り返し部12と、対極集電部11から電池1の外側に向かって延びる対極引出部13と、を有する。対極集電部11と対極折り返し部12と対極引出部13とは、例えば、同じ材料からなる1つの部材を加工して形成された、各々の部位に対して付された呼称である。
複数の対極集電部11はそれぞれ、発電要素70が積層される層状の部分である。対極集電部11は、平面視において、発電要素70と重なる。複数の対極集電部11は、所定の間隔を空けてz軸方向に沿って並んでいる。z軸方向において隣り合う対極集電部11同士は、対極折り返し部12によって接続されている。複数の対極集電部11のそれぞれは、発電要素70を挟んで複数の電極集電部51のいずれかに対向して配置される。発電要素70における対極集電部11側には、対極層20が配置され、対極集電部11の少なくとも一方の面は対極層20に接している。複数の対極集電部11は、両面に発電要素70が積層された複数の電極集電部51のそれぞれを、各電極集電部51の両面に積層された発電要素70を介して挟むように配置される。つまり、複数の対極集電部11のうちのz軸方向に沿って隣り合う2つの対極集電部11の間には、複数の電極集電部51のいずれかの両面に積層された2つの発電要素70が配置される。そのため、電池1では、対極集電部11と、電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70と当該電極集電部51とで構成される積層構造とが、交互にz軸方向に沿って並んで積層されている。また、複数の対極集電部11のうち最上部および最下部以外の対極集電部11は、電極集電体50が折り返されることにより対面する2つの発電要素70の間に位置する。
対極折り返し部12は、1つの電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70を挟むように対極集電体10を折り返すことで形成された折り返し部分である。対極集電体10は、つづら折り状に折り返されているため、y軸方向の正側から負側に向かって折り返される対極折り返し部12と、y軸方向の負側から正側に向かって折り返される対極折り返し部12とを有する。対極集電体10は、例えば、複数の対極折り返し部12を有し、図示される例では、対極集電体10は、4回折り返されているため、4つの対極折り返し部12を有する。対極折り返し部12は、電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70を、y軸方向の正側または負側から覆っている。対極折り返し部12と発電要素70の端面との間には、第2絶縁部材61が配置されている。
対極折り返し部12の発電要素70側は、第2絶縁部材61に接している。これにより、電池1を小型化できるため、体積エネルギー密度を向上できる。なお、対極折り返し部12と第2絶縁部材61との間に隙間が設けられていてもよい。
対極引出部13は、対極集電体10が折り返されずに電池1の外側に引き出された対極集電体10の端部である。対極引出部13は、平面視において、電池1の対極引出部13以外の部分よりもy軸方向に突出している。対極引出部13は、露出しており、電池1の対極端子として利用される。本実施の形態では、対極集電体10は、2つの対極引出部13を有し、2つの対極引出部13の一方がy軸方向の負側に引き出され、他方がy軸方向の正側に引き出されている。2つの対極引出部13が引き出される方向は、対極集電体10が折り返される回数によって決まるため、対極集電体10が折り返される回数によっては、2つの対極引出部13はどちらもy軸方向の正側または負側に引き出される。
電極集電体50および対極集電体10それぞれの材料としては、公知の材料が用いられうる。例えば、電極集電体50および対極集電体10それぞれの材料としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、白金もしくは金、または、これらの2種以上の合金などからなる箔状体、板状体または網目状体などが用いられる。電極集電体50および対極集電体10それぞれの厚みは、例えば、5μm以上100μm以下であるが、これに限らない。
[絶縁部材]
次に電池1が備える絶縁部材について説明する。
第1絶縁部材60は、x軸方向における発電要素70の端面を覆い、当該端面に接している。これにより、発電要素70と電極折り返し部52との接触による短絡を抑制できる。電池1では、各発電要素70に対して、x軸方向における正側および負側の発電要素70の端面を覆うように複数の第1絶縁部材60が設けられている。
第1絶縁部材60は、例えば、x軸方向における発電要素70の端面において、電極層40の端面および固体電解質層30の端面を完全に覆い、対極層20の端面の一部を覆う。第1絶縁部材60は、電極集電体50の主面にも接している。そのため、第1絶縁部材60は、電極集電体50の発電要素70が積層された面から、当該発電要素70の対極層20の端面の一部までを連続的に覆っている。また、第1絶縁部材60は、対極層20の主面を覆っていない。なお、第1絶縁部材60は、固体電解質層30および対極層20の端面を覆っていなくてもよい。また、第1絶縁部材60は、対極層20の主面を覆っていてもよい。
第2絶縁部材61は、電極集電部51の端面50aと当該電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70の端面70aとを覆う。これにより、発電要素70および電極集電部51と対極折り返し部12との接触による短絡を抑制できる。また、第2絶縁部材61は、端面50aおよび端面70aに接している。電池1では、各電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70に対して、y軸方向における正側および負側のそれぞれで当該電極集電部51および当該2つの発電要素70の端面70aを覆うように複数の第2絶縁部材61が設けられている。第2絶縁部材61は、例えば、y軸方向における発電要素70の端面70aを完全に覆っている。また、第2絶縁部材61は、例えば、端面70a側とは反対側において対極集電体10の対極折り返し部12に接している。
第3絶縁部材62は、x軸方向における発電要素70の端面および対極集電体10の対極集電部11の端面を覆う。これにより、x軸方向における発電要素70の端面および対極集電体10の対極集電部11の端面が保護される。第3絶縁部材62は、発電要素70における電極集電体50の電極折り返し部52が配置される側とは反対側の端面を覆う。電池1では、x軸方向における正側および負側の複数の発電要素70のそれぞれの端面のうち、電極折り返し部52に覆われていない発電要素70の端面の全面を覆うように複数の第3絶縁部材62が設けられている。
また、第3絶縁部材62は、x軸方向における発電要素70の端面のうち第1絶縁部材60に覆われていない部分に接している。また、第3絶縁部材62は、x軸方向における発電要素70の端面のうち第1絶縁部材60に覆われている部分を、第1絶縁部材60の外側から覆っている。
第1絶縁部材60、第2絶縁部材61および第3絶縁部材62はそれぞれ、例えば、樹脂および金属酸化物の少なくとも一方を含む。樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびポリイミド樹脂等が挙げられる。樹脂は、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂であってもよい。金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミ等が挙げられる。
なお、電池1は、第1絶縁部材60、第2絶縁部材61および第3絶縁部材62のうち少なくとも1つを備えていなくてもよい。
[製造方法]
次に、本実施の形態に係る電池1の製造方法について、図4から図9を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態に係る電池1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図5は、本実施の形態に係るセル積層集電体2の斜視図である。図6は、本実施の形態に係るセル積層集電体2の断面図である。図7は、本実施の形態に係るセル積層集電体2の別の断面図である。図8は、本実施の形態に係るセル積層集電体2がつづら折り状に折り返された状態を示す断面図である。図9は、本実施の形態に係る対極集電体10がつづら折り状に折り返された状態を示す断面図である。なお、図5においては、発電要素70の層構造等の詳細構成の図示は省略されている。また、図6は、図5のVI-VI線を通る積層方向に沿った断面を表している。また、図7は、図5のVII-VII線を通る積層方向に沿った断面を表している。
図4に示されるように、電池1の製造方法では、まず、電極集電体50の両面に発電要素70を形成する(ステップS11)。具体的には、図5および図6に示されるように、x軸方向に延在する長尺状の電極集電体50を準備する。電極集電体50は、x軸方向に沿って並ぶ複数の部位である複数の電極集電部51を有する。複数の電極集電部51は、後の工程において複数の電極集電部51の間で折り返すことができるように、互いに離間している。そして、複数の電極集電部51それぞれの両面に、電極層40、固体電解質層30および対極層20を電極集電体50側からこの順で順次積層することで発電要素70を形成する。1つの電極集電部51に対して、2つの発電要素70が形成される。これにより、電極集電体50の両面に、x軸方向に沿って並ぶ複数の発電要素70が形成される。また、1つの電極集電部51の両面に形成された発電要素70同士は、平面視において同じ位置である。
電極層40、固体電解質層30および対極層20は、それぞれ、例えば、塗布法を用いて順に積層される。塗布法を用いることにより、容易に発電要素70を電極集電体50上に積層することができる。塗布法としては、例えば、ダイコート法、ドクターブレード法、ロールコーター法、スクリーン印刷法、グラビアロール法またはインクジェット法等のコーティング方法が用いられる。これらの中でも、長尺状の電極集電体50上に効率的に電極層40、固体電解質層30および対極層20を形成できる観点から、塗布法としてダイコート法が用いられてもよい。
塗布法を用いる場合、電極層40、固体電解質層30および対極層20のそれぞれを形成する材料(上述の電極層40、固体電解質層30および対極層20それぞれの材料)と溶媒とを適宜混合してスラリーを得る塗料化工程を行う。
塗料化工程に用いられる溶媒には、公知の全固体電池(たとえば、リチウムイオン全固体電池)を作製する際に用いられる公知の溶媒が用いられうる。
塗料化工程で得られた各層のスラリーを、電極集電体50の複数の電極集電部51の両面に、電極層40、固体電解質層30および対極層20の順番で積層塗工を実施する。例えば、ロールtoロールプロセスなどを用いて、x軸方向に沿って電極集電体50を流しながら、ダイコート用のダイからスラリーを吐出して、電極集電体50上にスラリーを塗工する。これにより、連続プロセスで発電要素70を形成でき、生産性を高めることができる。このように連続プロセスで発電要素70を形成する場合、x軸方向は、連続プロセスの流れ方向であるとも言える。ダイコート用のダイは、例えば、x軸方向に直交する方向に延在する吐出口を有するダイを用いる。これにより、吐出口の延在方向の長さの幅の層を容易に形成できる。各層のスラリーを順次塗工し、全ての層の塗工後に、必要に応じて、溶媒等を除去する熱処理を実施する。
また、発電要素70の形成において、例えば、平面視において、電極層40、固体電解質層30および対極層20の順で面積が小さくなるように、電極層40、固体電解質層30および対極層20を積層する。電極層40、固体電解質層30および対極層20の位置を完全に合わせて塗布することは困難であり、精密な位置合わせをする場合には生産性の低下を招く。一方、このような面積関係により、固体電解質層30および対極層20の形成位置がずれても、下側の層からはみ出て形成されにくくなるため、塗布速度を速めても電池1の信頼性を担保できる。また、上述のように、この場合に電極層40が負極層であることにより、正極層よりも負極層が大きく形成されて、金属の析出を抑制できる。
複数の電極集電部51のそれぞれの両面に発電要素70が形成された電極集電体50は、電池1に含まれる数の発電要素70を含むx軸方向の長さになるように切断される。また、電極集電体50の端部に、所定の長さの発電要素70が積層されない領域(電池1における電極引出部53)を設けて電極集電体50が切断される。これにより、電池1に含まれる数の発電要素70が積層された電極集電体50であるセル積層集電体2が得られる。なお、この切断処理は、後述するステップS16で、電極集電体50を折り返すことが完了するまでであれば、どのタイミングで行われてもよい。また、あらかじめ必要な長さの電極集電体50が準備されて、目的とする数の発電要素70が形成されていれば、この切断処理は行われなくてもよい。
次に、電極集電体50および発電要素70を、x軸方向に沿って切断することで切断面2aを形成する(ステップS12)。切断面2aは第1切断面の一例である。具体的には、ステップS12では、x軸方向、かつ、発電要素70の主面に交差(例えば直交)する方向に沿って、電極集電体50、および、複数の電極集電部51のそれぞれの両面に積層された発電要素70を一括で切断する。例えば、対極層20、固体電解質層30、電極層40および電極集電体50それぞれの端面同士が面一となるように一括切断される。その結果、図7に示されるように、電極集電体50(電極集電部51)のy軸方向における端面50aと、電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70のy軸方向における端面70aとで構成される切断面2aが形成される。切断面2aは、例えば、電極集電体50および発電要素70のy軸方向における両側の端部に形成される。また、端面70aは、対極層20、固体電解質層30および電極層40それぞれの端面同士が面一となった面で構成されている。これにより、ステップS11で発電要素70が形成された時点では発電要素70の各層の大きさが異なる場合でも、発電要素70の各層の大きさを近づけることができる。対極層20と電極層40との大きさの差となる部分は、電池容量に寄与しないため、発電要素70の各層の大きさを近づけることで、電池1の体積エネルギー密度を高めることができる。また、x軸方向に沿って切断されるため、x軸方向に沿って見た場合に、x軸方向に沿って並ぶ発電要素70同士の位置も揃うことになる。
切断は、例えば、刃物によって切り下される方法で行われてもよく、回転刃によってスリットを形成するようにして行われてもよい。また、切断は、レーザーまたはジェットなどによって行われてもよい。また、切断後、切断面2aを研磨してもよい。これにより、切断に伴うバリ等を除去して、短絡等を抑制できる。
次に、複数の電極集電部51のそれぞれの両面に形成された発電要素70に対して、高圧プレス処理を行う(ステップS13)。これにより、発電要素70を緻密化して、電池性能を高めることができる。高圧プレス処理は、例えばロールプレス等により、複数の発電要素70に対して連続プロセスで行われる。この場合にも、x軸方向に電極集電体50を流しながら、複数の電極集電部51の両面に形成された発電要素70に対して順次プレスが行われる。そのため、この場合もx軸方向が連続プロセスの流れ方向となる。なお、高圧プレス処理(ステップS13)は、ステップS12の前に行われてもよく、ステップS11と並行して、発電要素70の各層に対して行われてもよい。
次に、x軸方向における発電要素70の端面を覆う第1絶縁部材60を形成する(ステップS14)。図5および図6に示されるように、複数の電極集電部51のそれぞれの両面に形成された発電要素70のx軸方向における正側および負側の端面に第1絶縁部材60を形成する。なお、図5から図7には、ステップS14まで完了した状態のセル積層集電体2が示されている。
第1絶縁部材60は、例えば、ステップS11で挙げた塗布法を用いて形成されうる。例えば、図6に示されるように、電極集電体50に接する部分から対極層20の端面の一部までを覆うように第1絶縁部材60の材料を塗布する。第1絶縁部材60の形成には、ステップS11と同じ方法が用いられてもよく、ステップS11と異なる方法が用いられてもよい。
第1絶縁部材60の材料として、例えば、絶縁性物質(例えば、金属酸化物)を溶媒に分散させた塗料を発電要素70の端面および電極集電体50上に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発することで第1絶縁部材60を得ることができる。第1絶縁部材60の材料として、樹脂が用いられる場合には、樹脂を溶解または分散させた溶液が発電要素70の端面および電極集電体50上に塗布されてもよいし、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂が発電要素70の端面および電極集電体50上に塗布されて、硬化処理が行われてもよい。第1絶縁部材60の形成に用いられる溶媒には、金属酸化物または樹脂を分散または溶解させる一般的な有機溶媒または水系溶媒等が用いられうる。
このような発電要素70の端面を覆う第1絶縁部材60が形成されることにより、電極集電体50を折り返す際に発電要素70に応力が加わった場合でも、発電要素70の端面での発電要素70の割れまたは欠け等による崩落を抑制できる。
次に、切断面2aを覆う第2絶縁部材61を形成する(ステップS15)。第2絶縁部材61は、例えば、切断面2aにおいて、発電要素70の端面70aおよび電極集電部51の端面50aを全て覆うように形成される。第2絶縁部材61は、例えば、ステップS11で挙げた塗布法を用いて形成されうる。
このような切断面2aを覆う第2絶縁部材61が形成されることにより、切断面2aにおいて発電要素70が第2絶縁部材61に保護されると共に、対極集電体10と発電要素70および電極集電部51とが近接する部分での接触による短絡を抑制できる。
なお、ステップS12からステップS15の順序は、ステップS16の前であれば特に制限されず、入れ替わってもよい。
次に、複数の電極集電部51のうち隣り合う電極集電部51に形成された発電要素70が対面するように電極集電体50をx軸方向において折り返し、かつ、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70の間に位置するように対極集電体10を配置する(ステップS16)。ステップS16においては、複数の発電要素70がz軸方向に沿って並んで積層されるように、電極集電体50をx軸方向においてつづら折り状に折り返す。これにより、複数の発電要素70が積層された積層体が形成される。ステップS16で形成される積層体は、例えば、図1から図3で示される電池1から第3絶縁部材62を除いた構成を有する。電極集電体50が折り返されることで対面する発電要素70では、当該発電要素70の対極層20同士が向かい合う。対極集電体10は、この向かい合った対極層20の間に配置される。
具体的には、まず、図5に示されるように、電極集電体50を折り返す前に、x軸方向と交差する方向、具体的にはx軸方向と直行するy軸方向に延在し、かつ、対極集電体10の一部が発電要素70と積層方向(z軸方向)に沿って並ぶように対極集電体10を配置する。この際、対極集電体10には、例えば、y軸方向に延在する長尺状の対極集電体10を必要なy軸方向の長さに切断したものが準備される。そして、対極集電体10をy軸方向において折り返して、1つの電極集電部51の両面に形成された発電要素70を対極集電体10で挟むことと、電極集電体50を折り返して、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70で対極集電体10を挟むこととを繰り返す。また、この繰り返しは、全ての発電要素70が積層されるまで繰り返される。これにより、電極集電体50は、つづら折り状になるようにx軸方向において折り返される。また、対極集電体10はつづら折り状になるようにy軸方向において折り返される。
対極集電体10が折り返されることで、対極集電体10の新たな一部が発電要素70と積層方向に沿って並び、発電要素70の対極層20の主面に接する。この対極集電体10の新たな一部が対極集電部11となる。また、発電要素70が形成された電極集電体50、つまりセル積層集電体2が折り返されることで、当該対極集電部11に、別の発電要素70の対極層20が接して積層される。これらが繰り返されることで、複数の発電要素70のそれぞれが対極集電体10と電極集電体50とに挟まれるようにして、複数の発電要素70が積層される。
図8に示されるように、電極集電体50は、x軸方向において、つづら折り状になるように折り返されて、全ての発電要素70が積層され、かつ、折り返し部分である電極折り返し部52が形成される。図8では、対極集電体10を除いて、電極集電体50(セル積層集電体2)が折り返された状態が図示されている。セル積層集電体2では、x軸方向に沿って切断面2aが形成され、発電要素70の端面70aおよび電極集電体50の端面の位置が揃っているため、折り返しでの位置規制が容易である。
また、図9に示されるように、対極集電体10は、y軸方向において、つづら折り状になるように折り返されて、発電要素70に接する部分である対極集電部11と、折り返し部分である対極折り返し部12とが形成される。図9では、電極集電体50を除いて、対極集電体10が折り返された状態が図示されている。
このように、電極集電体50と対極集電体10とは、互いに交差する方向でつづら折り状に交互に折り返されて、複数の発電要素70が積層された積層体が形成される。これにより、電極集電体50および対極集電体10を、複数の発電要素70ごとに個片化する必要が無く、個片化した集電体を用いて発電要素70を積層するよりも工数を減らして、電池1の生産性を高めることができる。
次に、必要に応じて複数の発電要素70が積層された積層体に接着プレスを行う(ステップS17)。具体的には、平板プレス等によって、複数の発電要素70が積層された積層体を積層方向にプレスし、対極集電体10と発電要素70とを密着させる。
次に、発電要素70における電極集電体50の電極折り返し部52が配置される側とは反対側の端面を覆う第3絶縁部材62を形成する(ステップS18)。第3絶縁部材62は、x軸方向の両側のどちらにも電極折り返し部52が形成されていない発電要素70におけるx軸方向の両側の端面にも形成される。これにより、発電要素70の端面のうち電極折り返し部52で覆われずに露出する部分を保護できる。第3絶縁部材62は、例えば、ステップS11で挙げた塗布法を用いて形成されうる。なお、第3絶縁部材62の形成(ステップS18)は、接着プレス(ステップS17)の前に行われてもよい。
以上の工程を経て、図1から図3で示される電池1が得られる。
以上のように、本実施の形態に係る電池1の製造方法では、電極集電体50におけるx軸方向に沿って並ぶ複数の電極集電部51の両面に発電要素70を形成し、電極集電体50を折り返すことで複数の発電要素70を積層する。また、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70の間に位置するように対極集電体10を配置する。これにより、個片化された電極集電体を発電要素70と共に積層するのではなく、必要な数の発電要素70を含む長さの電極集電体50(セル積層集電体2)を折り返すことで発電要素70と電極集電体50と対極集電体10とを積層できる。そのため、個片化された電極集電体を用いて発電要素70を積層するよりも工数を減らして、積層方式の電池1の生産性を高めることができる。
また、電池1の製造方法では、複数の発電要素70が形成された電極集電体50をx軸方向に沿って切断する。そのため、複数の発電要素70の各層の大きさを近づけて、電池1の体積エネルギー密度を高めることができると共に、個別に発電要素70を切断するよりも切断回数を減らして電池1の生産性を高めることができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
図10は、本実施の形態に係る電池101の斜視図である。図11は、本実施の形態に係る電池101の断面図である。図12は、本実施の形態に係る電池101の別の断面図である。なお、図11は、図10のXI-XI線を通る積層方向に沿った断面を表している。また、図12は、図10のXII-XII線を通る積層方向に沿った断面を表している。
図10から図12に示されるように、本実施の形態に係る電池101は、実施の形態1に係る電池1と比較して、電極集電体接続端子150および対極集電体接続端子110をさらに備え、第3絶縁部材62を備えない点で相違する。また、本実施の形態に係る電池101は、実施の形態1に係る電池1と比較して、電極集電体50が電極引出部53を有しておらず、対極集電体10が対極引出部13を有していない点でも相違する。なお、電池101は、電池1と同様に第3絶縁部材62を備えていてもよい。
電極集電体接続端子150は、第1導電部材の一例であり、電極集電体50の電極折り返し部52に電気的に接続される。電極集電体接続端子150は、電極折り返し部52の発電要素70側とは反対側(図示される例では、x軸方向の正側)から電極折り返し部52を覆う。また、電極集電体接続端子150は、積層された複数の発電要素70の側面をx軸方向の正側から覆っている。電極集電体接続端子150は、例えば、積層方向に延在し、電池101におけるx軸方向の正側に設けられた複数の電極折り返し部52のそれぞれに接続されている。
対極集電体接続端子110は、対極集電体10の対極折り返し部12に電気的に接続される。対極集電体接続端子110は、対極折り返し部12の発電要素70側とは反対側(図示される例では、y軸方向の負側)から対極折り返し部12を覆う。また、対極集電体接続端子110は、積層された複数の発電要素70の側面をy軸方向の負側から覆っている。対極集電体接続端子110は、例えば、積層方向に延在し、電池101におけるy軸方向の負側に設けられた複数の対極折り返し部12のそれぞれに接続されている。
電極集電体接続端子150および対極集電体接続端子110それぞれの材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、白金若しくは金、または、これらの2種以上の合金などからなる箔状体、板状体又は網目状体などが用いられる。電極集電体接続端子150および対極集電体接続端子110それぞれの厚みは、例えば、5μm以上1000μm以下であるが、これに限らない。電極集電体接続端子150および対極集電体接続端子110の厚みは、例えば、電極集電体50および対極集電体10の厚みより大きい。
電池101は、例えば、上記で説明した電池1の製造方法におけるステップS17の後に、電極集電体接続端子150および対極集電体接続端子110を形成することで製造される。また、例えば、ステップS17の後に、電極引出部53および対極引出部13に相当する部分を切除する。電極集電体接続端子150の形成は、例えば、銀ペーストなどの導電性樹脂または半田等を用いて電極集電体接続端子150と電極折り返し部52とを接続することで行われる。これにより、電極集電体接続端子150が電極折り返し部52と電気的に接続される。また、電極集電体接続端子150と電極折り返し部52とは、外部から加圧して拘束する等によって接触させることで接続されてもよい。対極集電体接続端子110の形成も、電極集電体接続端子150と同様の方法で行われる。
このように、電極折り返し部52を覆い、電極折り返し部52に電気的に接続される電極集電体接続端子150、および、対極折り返し部12を覆い、対極折り返し部12に電気的に接続される対極集電体接続端子110が形成されることで、端子部分を突出させる必要が無く小型化できる。よって、体積エネルギー密度を高めることができる。
また、発電要素70の数が多い場合には、電極集電体50および対極集電体10の長さが長くなる。そのため、電極集電体50および対極集電体10の一部を端子として利用する場合、電流経路が長くなるために高抵抗化したり、外部との接続箇所が増えて体積エネルギー密度が低下したりする懸念がある。これに対して、電極集電体接続端子150および対極集電体接続端子110が、積層された複数の発電要素70を覆うように電極集電体50および対極集電体10に接続されることで、低抵抗化と体積エネルギー密度の向上とを両立できる。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。以下では、実施の形態1および2との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
図13は、本実施の形態に係る電池201の断面図である。図14は、本実施の形態に係る電池201の別の断面図である。なお、図13および図14は、図2および図3に対応する位置での断面を表している。
図13および図14に示されるように、本実施の形態に係る電池201は、実施の形態1に係る電池1に相当する積層体に切断面201aおよび切断面201bを形成し、形成した切断面201aに電極端子250および対極絶縁層251を形成し、形成した切断面201bに対極端子210および電極絶縁層211を形成することで得られる電池である。そのため、電池201は、電池1の構成に加えて、電極端子250、対極絶縁層251、対極端子210および電極絶縁層211を備える。切断面201aおよび切断面201bはそれぞれ、第2切断面の一例である。電極端子250および対極端子210はそれぞれ、第2導電部材の一例である。
切断面201aは、例えば、電池1のx軸方向の負側における端部を積層方向(z軸方向)に沿って切断することで形成される切断面である。切断面201aは、発電要素70、電極集電体50および対極集電体10のそれぞれの端面で構成される。切断面201aにおいて、発電要素70、電極集電体50および対極集電体10のそれぞれの端面は面一である。
切断面201bは、例えば、電池1のy軸方向の正側における端部を積層方向に沿って切断することで形成される切断面である。切断面201bは、発電要素70、電極集電体50および対極集電体10のそれぞれの端面で構成される。切断面201bにおいて、発電要素70、電極集電体50および対極集電体10のそれぞれの端面は面一である。
切断面201aおよび切断面201bはそれぞれ、複数の発電要素70の積層体における上下面を繋ぐ側面である。
対極絶縁層251は、切断面201aにおいて対極集電体10および対極層20を覆っている。対極絶縁層251は、例えば、切断面201aにおいて対極集電体10および対極層20を完全に覆っている。
対極絶縁層251は、切断面201aにおいて、複数の発電要素70の各々の対極層20を覆っている。対極絶縁層251は、複数の発電要素70の各々の電極層40の少なくとも一部を覆っていない。本実施の形態においては、対極絶縁層251は、複数の発電要素70の各々の電極層40を覆っていない。対極絶縁層251は、例えば、切断面201aの平面視において、ストライプ形状を有する。
このとき、対極絶縁層251は、隣り合う2つの発電要素70の対極層20を連続的に覆っている。具体的には、対極絶縁層251は、隣り合う2つの発電要素70の一方の固体電解質層30の少なくとも一部から、隣り合う2つの発電要素70の他方の固体電解質層30の少なくとも一部までを連続的に覆っている。
このように、対極絶縁層251は、切断面201aにおいて、固体電解質層30の少なくとも一部を覆っている。具体的には、切断面201aを平面視した場合に、対極絶縁層251の輪郭は、固体電解質層30に重なっている。これにより、対極絶縁層251の製造ばらつきによって幅(z軸方向の長さ)が変動したとしても、対極層20を露出させるおそれが低くなる。このため、対極絶縁層251を覆うように形成される電極端子250を介して電極層40と対極層20とが短絡することを抑制することができる。
なお、対極絶縁層251は、切断面201aにおいて、固体電解質層30の全てを覆っていてもよい。具体的には、対極絶縁層251の輪郭は、固体電解質層30と電極層40との境界に重なっていてもよい。また、対極絶縁層251は、電極層40の少なくとも一部を被覆していてもよい。つまり、対極絶縁層251は、切断面201aにおいて、発電要素70の積層方向に沿って対極層20から電極層40の一部までを覆っていてもよい。
対極絶縁層251は、例えば、1つまたは2つの対極層20毎に分離して設けられているが、これに限らない。例えば、対極絶縁層251は、ストライプ形状の部分に加えて、切断面201aのy軸方向における端部において、z軸方向に沿って設けられていてもよい。つまり、対極絶縁層251の形状は、切断面201aの平面視において、はしご形状であってもよい。
電極絶縁層211は、切断面201bにおいて電極集電体50および電極層40を覆っている。電極絶縁層211は、例えば、切断面201bにおいて電極集電体50および電極層40を完全に覆っている。
電極絶縁層211は、切断面201bにおいて、複数の発電要素70の各々の電極層40を覆っている。電極絶縁層211は、複数の発電要素70の各々の対極層20の少なくとも一部を覆っていない。本実施の形態においては、電極絶縁層211は、複数の発電要素70の各々の対極層20を覆っていない。電極絶縁層211は、例えば、切断面201bの平面視において、ストライプ形状を有する。
このとき、電極絶縁層211は、隣り合う2つの発電要素70の電極層40を連続的に覆っている。具体的には、電極絶縁層211は、隣り合う2つの発電要素70の一方の固体電解質層30の少なくとも一部から、隣り合う2つの発電要素70の他方の固体電解質層30の少なくとも一部までを連続的に覆っている。
このように、電極絶縁層211は、切断面201bにおいて、固体電解質層30の少なくとも一部を覆っている。具体的には、切断面201bを平面視した場合に、電極絶縁層211の輪郭は、固体電解質層30に重なっている。これにより、電極絶縁層211の製造ばらつきによって幅(z軸方向の長さ)が変動したとしても、電極層40を露出させるおそれが低くなる。このため、電極絶縁層211を覆うように形成される対極端子210を介して電極層40と対極層20とが短絡することを抑制することができる。
なお、電極絶縁層211は、切断面201bにおいて、固体電解質層30の全てを覆っていてもよい。具体的には、電極絶縁層211の輪郭は、固体電解質層30と対極層20との境界に重なっていてもよい。また、電極絶縁層211は、対極層20の少なくとも一部を被覆していてもよい。つまり、電極絶縁層211は、切断面201bにおいて、発電要素70の積層方向に沿って電極層40から対極層20の一部までを覆っていてもよい。
電極絶縁層211は、例えば、1つまたは2つの電極層40毎に分離して設けられているが、これに限らない。例えば、電極絶縁層211は、ストライプ形状の部分に加えて、切断面201bのx軸方向における端部において、z軸方向に沿って設けられていてもよい。つまり、電極絶縁層211の形状は、切断面201bの平面視において、はしご形状であってもよい。
電極端子250は、切断面201aにおいて電極集電体50および電極層40を覆い、電極集電体50および電極層40と電気的に接続されている。本実施の形態においては、電極端子250は、切断面201aおよび対極絶縁層251を覆う。具体的には、電極端子250は、対極絶縁層251と、切断面201aのうち対極絶縁層251に覆われていない部分とを覆っている。これにより、電極端子250が対極絶縁層251の外側に位置することになり、電池201において切断面201a側から容易に電流を取り出すことができる。
切断面201aのうち対極絶縁層251に覆われていない部分では、電極端子250は、電極集電体50および電極層40の各々の端面に接触し、電極集電体50および電極層40と電気的に接続される。
電極端子250は、複数の発電要素70の各々の電極層40と電気的に接続されている。つまり、電極端子250は、各発電要素70を電気的に並列接続する機能の一部を担っている。電極端子250は、切断面201aの上端から下端まで(z軸方向の全体)を一括して覆っている。
対極端子210は、切断面201bにおいて対極集電体10および対極層20を覆い、対極集電体10および対極層20と電気的に接続されている。本実施の形態においては、対極端子210は、切断面201bおよび電極絶縁層211を覆う。具体的には、対極端子210は、電極絶縁層211と、切断面201bのうち電極絶縁層211に覆われていない部分とを覆っている。これにより、対極端子210が電極絶縁層211の外側に位置することになり、電池201において切断面201b側から容易に電流を取り出すことができる。
切断面201bのうち電極絶縁層211に覆われていない部分では、対極端子210は、対極集電体10および対極層20の各々の端面に接触し、対極集電体10および対極層20と電気的に接続される。
対極端子210は、複数の発電要素70の各々の対極層20と電気的に接続されている。つまり、対極端子210は、各発電要素70を電気的に並列接続する機能の一部を担っている。対極端子210は、切断面201bの上端から下端まで(z軸方向の全体)を一括して覆っている。
対極端子210および電極端子250は、導電性を有する樹脂材料などを用いて形成されている。あるいは、対極端子210および電極端子250は、半田などの金属材料を用いて形成されていてもよい。使用可能な導電性の材料としては、柔軟性、ガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性、半田濡れ性などの様々な特性を基に選定される。対極端子210および電極端子250は、互いに同じ材料を用いて形成されるが、異なる材料を用いて形成されてもよい。
なお、対極端子210および電極端子250はそれぞれ、電極絶縁層211および対極絶縁層251を覆っておらず、複数の発電要素70の各々の電極層40および対極層20ごとに独立して設けられていてもよい。また、この場合、電池201は、電極絶縁層211および対極絶縁層251を備えていなくてもよい。
また、電池201は、対極端子210および電極絶縁層211の組と電極端子250および対極絶縁層251の組とのうちの一方のみを備えていなくてもよい。この場合、電池201には、切断面201aおよび切断面201bのうちの一方のみが形成されていてもよい。
次に、本実施の形態に係る電池201の製造方法について説明する。図15は、本実施の形態に係る電池201の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図15に示されるように、電池201の製造方法では、まず、電池1に相当する積層体を形成する(ステップS21)。ステップS21では、電池1の製造方法において説明したステップS11からステップS18が行われる。これにより、電池1に相当する積層体が得られる。
次に、ステップS21で得られた積層体を切断する(ステップS22)。具体的には、電池1における積層された複数の発電要素70を一括で切断することで、電池1に切断面201aおよび切断面201bを形成する。これにより、切断面201aおよび切断面201bにおいて、発電要素70の端部が露出する。例えば、電池1のx軸方向における端部を積層方向に沿って切断して切断面201aを形成し、電池1のy軸方向における端部を積層方向に沿って切断して切断面201bを形成する。なお、電池1に2つの切断面を形成する場合、切断面201aおよび切断面201bのように、互いに直交する2つの切断面を形成しなくてもよく、例えば、互いに対向して平行な2つの切断面を形成してもよい。また、形成する切断面は1つであってもよく、3つまたは4つであってもよい。また、平面視における積層体の全ての端部に切断面を形成してもよい。積層体のすべての端部に切断面を形成することで、体積エネルギー密度をさらに高めることができる。
次に、切断面201aおよび切断面201bに絶縁層を形成する(ステップS23)。具体的には、切断面201aに対極絶縁層251を形成し、切断面201bに電極絶縁層211を形成する。
対極絶縁層251および電極絶縁層211は、例えば、流動性を有する樹脂材料を塗工して硬化させることによって形成される。塗工は、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法またはグラビアロール法などによって行われる。硬化は、用いる樹脂材料によって、乾燥、加熱、光照射などによって行われる。
なお、対極絶縁層251および電極絶縁層211の形成を行う際に、絶縁部材を形成すべきでない領域にテープなどによるマスキングまたはレジスト処理によって保護部材を形成する処理を行ってもよい。この場合、対極絶縁層251および電極絶縁層211の形成後に、保護部材を除去する。
次に、切断面201aおよび切断面201bに導電部材を形成する(ステップS24)。具体的には、切断面201aにおいて、各電極層40と電気的に接続する電極端子250を形成する。また、切断面201bにおいて、各対極層20と電気的に接続する対極端子210を形成する。
例えば、対極絶縁層251と、切断面201aの対極絶縁層251に覆われていない部分とを覆うように導電性樹脂を塗工して硬化させることで、電極端子250を形成する。また、電極絶縁層211と、切断面201bの電極絶縁層211に覆われていない部分とを覆うように導電性樹脂を塗工して硬化させることで、対極端子210を形成する。なお、電極端子250および対極端子210は、例えば印刷、めっき、蒸着、スパッタ、溶接、はんだ付け、接合その他の方法によって形成されてもよい。
以上の工程を経て、図13および図14に示される電池201を製造することができる。
このように、電池201の製造方法では、積層体を切断して切断面201aおよび切断面201bを形成し、形成された切断面201aおよび切断面201bに電極端子250および対極端子210を形成する。これにより、積層体において電池容量に寄与しにくい端部を切除できる。また、切断面201aおよび切断面201bにおいて発電要素70を露出させ、露出した発電要素70に接続される電極端子250および対極端子210を形成できる。そのため、電池201の体積エネルギー密度をさらに高めることができる。
なお、ステップS21で形成される積層体の構造は、電池1と同じでなくてもよく、切断面201aおよび切断面201bが形成される積層体の端部において、電極引出部53、対極引出部13、第2絶縁部材61および第3絶縁部材62等が設けられていない積層体であってもよい。また、ステップS21で形成される積層体の構造は、後述する電池301または電池401と同様の構造であってもよい。
また、切断面201aおよび切断面201bは、電池1の端部を積層方向に沿って切断した切断面に限らず、大判の電池1を準備して、大判の電池1を分割することで形成された切断面であってもよい。また、切断面201aおよび切断面201bは、積層方向に対して傾斜していてもよい。
また、切断面201aに電極端子250および対極絶縁層251が形成され、切断面201bに対極端子210および電極絶縁層211が形成されていたが、これに限らない。切断面201aに対極端子210および電極絶縁層211が形成され、切断面201bに電極端子250および対極絶縁層251が形成されてもよい。また、電池201において、切断面201aおよび切断面201bのうちの一方が形成され、当該一方の切断面が、電極端子250および対極絶縁層251が形成される領域と、対極端子210および電極絶縁層211が形成される領域とを含んでいてもよい。
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。以下では、実施の形態1から3との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
図16は、本実施の形態に係る電池301の斜視図である。図17は、本実施の形態に係る電池301の断面図である。図18は、本実施の形態に係る電池301の別の断面図である。なお、なお、図16では、実際には見えていない箇所の電極集電体50および対極集電体310の形状が破線で示されている。また、図17は、図16のXVII-XVII線を通る積層方向に沿った断面を表している。また、図18は、図16のXVIII-XVIII線を通る積層方向に沿った断面を表している。
図16から図18に示されるように、本実施の形態に係る電池301は、実施の形態1に係る電池1と比較して、対極集電体10の代わりに対極集電体310を備える点で相違する。
対極集電体310は、複数の発電要素70のそれぞれの対極層20と電気的に接続される。対極集電体310は、各発電要素70を電気的に並列接続する機能を担っている。対極集電体310は、複数のくしば部分として複数の対極集電部311が設けられたくし形状である。対極集電体310は、複数の対極集電部311と、対極接続部312とを有する。
複数の対極集電部311と、対極接続部312とは、例えば、同じ材料からなる1つの部材を加工して形成された、各々の部位に対して付された呼称である。つまり、複数の対極集電部311と、対極接続部312とは、一体で形成されている。複数の対極集電部311と、対極接続部312とは、別の部材として形成して接続されていてもよい。
複数の対極集電部311はそれぞれ、発電要素70が積層される層状の部分である。複数の対極集電部311は、例えば、互いに同じ形状および大きさである。なお、複数の対極集電部311のうちの少なくとも1つが、対極接続部312側とは反対側に引き延ばされて、実施の形態1で説明した対極引出部13が形成されていてもよい。
複数の対極集電部311は、所定の間隔を空けてz軸方向に沿って並んでいる。複数の対極集電部311同士は、対極接続部312によって接続されている。具体的には、複数の対極集電部311のそれぞれのy軸方向の負側の端部が対極接続部312に接続されている。そのため、複数の対極集電部311は、対極接続部312からy軸方向に沿って立設しているとも言える。
複数の対極集電部311のそれぞれは、発電要素70を挟んで複数の電極集電部51のいずれかに対向して配置される。発電要素70における対極集電部311側には、対極層20が配置され、対極集電部311に少なくとも一方の面は対極層20に接している。複数の対極集電部311は、両面に発電要素70が積層された複数の電極集電部51のそれぞれを当該両面の発電要素70を介して挟むように配置される。つまり、複数の対極集電部311のうちのz軸方向に沿って隣り合う2つの対極集電部311の間には、複数の電極集電部51のいずれかの両面に積層された2つの発電要素70が配置される。そのため、電池301では、対極集電部311と、電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70とが、交互にz軸方向に沿って並んで積層されている。また、複数の対極集電部311の最上部および最下部以外の対極集電部311は、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70の間に、y軸方向に沿って差し込まれている。
対極接続部312は、くし形状の根元部分に相当する。対極接続部312は、複数の発電要素70をy軸方向の負側から覆う層状の部分である。対極接続部312と発電要素70の端面との間には、第2絶縁部材61が配置されている。
対極接続部312の発電要素70側は、第2絶縁部材61に接している。これにより、電池301を小型化できるため、体積エネルギー密度を向上できる。なお、対極接続部312と第2絶縁部材61との間に隙間が設けられていてもよい。
対極接続部312は、露出しており、例えば、電池301の対極端子として利用される。これにより、対極端子を形成する工程が必要なく、電池301の生産性を高めることができる。また、端子部分を省スペース化できるため、電池301の体積エネルギー密度を向上できる。
対極集電体310は、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、白金若しくは金、または、これらの2種以上の合金などで構成される。
電池301は、例えば、上記で説明した電池1の製造方法におけるステップS16において、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70の間に複数の対極集電部311の最上部および最下部以外の対極集電部311を差し込むことで形成される。例えば、図8で示されるような状態で折り返されたセル積層集電体2を固定する。そして、複数の対極集電部311のうちのz軸方向に沿って隣り合う2つの対極集電部311の間に、1つの電極集電部51の両面に積層された2つの発電要素70が配置されるように、折り返されて固定されたセル積層集電体2に対極集電部311をy軸方向に沿って差し込む。これにより、図16から図18で示される電池301が得られる。なお、電極折り返し部52が1つのみである場合には、発電要素70の電極折り返し部52側とは反対側から、折り返されたセル積層集電体2に対極集電部311を差し込んでもよい。
このように、電極集電体50を折り返すことで対面する発電要素70の間に、対極集電体310のくしば部分である対極集電部311を差し込むことで、折り返す工程が不要になり、生産性を高めることができる。例えば、発電要素70の平面視形状の長辺と短辺との差が大きい場合、および、基板実装用途などの発電要素70のサイズが小さい場合などでは、実施の形態1のように対極集電体10を折り返すことが難しい場合がある。このような場合には、特に対極集電体310を用いることが有効である。
なお、電池301は、実施の形態2のように、電極集電体接続端子150をさらに備える構成を有していてもよい。
(実施の形態5)
続いて、実施の形態5について説明する。以下では、実施の形態1から4との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略または簡略化する。
図19は、本実施の形態に係る電池401の斜視図である。図20は、本実施の形態に係る絶縁保護層63が形成された対極集電体10の斜視図である。
図19に示されるように、本実施の形態に係る電池401は、電池1の製造において、端部に絶縁保護層63が形成された対極集電体10を用いて製造された電池である。具体的には、電池401の製造方法では、上記で説明した電池1の製造方法におけるステップS16において、図20で示される絶縁保護層63が形成された対極集電体10を用いる。
図20に示されるように、絶縁保護層63は、対極集電体10が延在する方向であるy軸方向と直行する方向(x軸方向)の両側の端部に形成されている。絶縁保護層63は、例えば、対極集電体10のx軸方向の両側の端面を完全に覆い、対極集電体10の2つの主面のそれぞれのx軸方向の両側の端部も覆っている。
絶縁保護層63の材料には、第1絶縁部材60、第2絶縁部材61および第3絶縁部材62の材料として挙げたものが用いられうる。例えば、絶縁保護層63は、対極集電体10の端部に、絶縁保護層63の材料を塗布する等によって形成される。
上述したように、電池1の製造方法においては、電極集電体50と対極集電体10とを互いに交差する方向で交互に折り返す。そのため、複数の発電要素70が積層された積層体のコーナー部では、電極集電体50と対極集電体10とが近接する。図20に示されるような端部に絶縁保護層63が形成された対極集電体10を用いることで、複数の発電要素70が積層された積層体のコーナー部における電極集電体50と対極集電体10との接触による短絡を抑制できる。
なお、対極集電体10に絶縁保護層63を形成する代わりに、積層体のコーナー部を角落としまたは面取りすることによって、電極集電体50と対極集電体10との接触による短絡を抑制してもよい。角落としおよび面取りの方法としては、一般的に用いられる刃物等による切断工法またはグラインダー等による研磨工法を使用することが可能である。また、角落としまたは面取りによって露出する発電要素70、電極集電体50および対極集電体10の露出箇所に、絶縁保護層を形成してもよい。
(他の実施の形態)
以上、本開示に係る電池について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、全ての複数の電極集電部51の両面に発電要素70が積層されていたが、これに限らない。例えば、複数の電極集電部51のうち、最も電極集電体50の端部側に位置する電極集電部51には、片面のみに発電要素70が積層されてもよい。これにより、最上部および最下部の集電体を電極集電体50(具体的には電極集電部51)にすることも可能である。また、この場合には、発電要素70の数は奇数個でありうる。
また、例えば、上記の実施の形態では、全体が繋がった1つの対極集電体10または対極集電体310が用いられたが、これに限らない。対極集電体として、個片化された複数の平板状の対極集電体を用いて、各平板状の対極集電体が複数の発電要素70のそれぞれの対極層20側に積層されてもよい。また、対極集電体のうち電池の最上部および最下部の少なくとも一方に位置する部分が個片化された平板状の対極集電体であってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、電極集電体50上に電極層40、固体電解質層30および対極層20を積層することで発電要素70を形成したがこれに限らない。例えば、電極集電体50上に電極層40または電極層40および固体電解質層30を積層し、対極集電体10上に対極層20または対極層20および固体電解質層30を積層してもよい。そして、電極集電体50上の電極層40または電極層40および固体電解質層30と、対極集電体10上の対極層20または対極層20および固体電解質層30とが対面して積層されるように、電極集電体50と対極集電体10とを折り返しながら積層することで発電要素70が形成されてもよい。
また、上記の実施の形態は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る電池は、例えば、各種の電子機器または自動車などに用いられる全固体電池などの二次電池として利用されうる。
1、101、201、301、401 電池
2 セル積層集電体
2a、201a、201b 切断面
10、310 対極集電体
11、311 対極集電部
12 対極折り返し部
13 対極引出部
20 対極層
30 固体電解質層
40 電極層
50 電極集電体
50a 端面
51 電極集電部
52 電極折り返し部
53 電極引出部
60 第1絶縁部材
61 第2絶縁部材
62 第3絶縁部材
63 絶縁保護層
70 発電要素
70a 端面
110 対極集電体接続端子
150 電極集電体接続端子
210 対極端子
211 電極絶縁層
250 電極端子
251 対極絶縁層
312 対極接続部

Claims (13)

  1. 電極集電体における複数の部位であって、第1方向に沿って並ぶ複数の部位のそれぞれの両面に、電極層、固体電解質層および対極層を前記電極集電体側からこの順で積層することで発電要素を形成する工程と、
    前記電極集電体および前記発電要素を、前記第1方向に沿って切断することで、第1切断面を形成する工程と、
    前記複数の部位のうち隣り合う部位に形成された前記発電要素が対面するように前記電極集電体を前記第1方向において折り返し、かつ、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素の間に位置するように対極集電体を配置することで、複数の前記発電要素が積層された積層体を形成する工程と、を含む、
    電池の製造方法。
  2. 前記積層体を形成する工程は、
    前記電極集電体を折り返す前に、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、かつ、前記対極集電体の一部が前記発電要素と積層方向に沿って並ぶように前記対極集電体を配置することと、
    前記対極集電体を前記第2方向において折り返して、1つの前記両面に形成された前記発電要素を前記対極集電体で挟むことと、
    前記電極集電体を前記第1方向において折り返して、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素で前記対極集電体を挟むことと、を含む、
    請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記積層体を形成する工程において、前記第2方向と直交する方向における端部に絶縁保護層が形成された前記対極集電体を用いる、
    請求項2に記載の電池の製造方法。
  4. 前記積層体を形成する工程の後に、前記電極集電体の折り返し部分を覆い、前記電極集電体の折り返し部分に電気的に接続される第1導電部材を形成する工程をさらに含む、
    請求項2に記載の電池の製造方法。
  5. 前記対極集電体は、複数のくしば部分が設けられたくし形状を有し、
    前記積層体を形成する工程は、前記電極集電体を折り返すことで対面する前記発電要素の間に前記複数のくしば部分の少なくとも1つを差し込むことを含む、
    請求項1に記載の電池の製造方法。
  6. 積層された複数の前記発電要素を一括で切断することで、前記積層体に第2切断面を形成する工程と、
    前記第2切断面において、前記電極層または前記対極層と電気的に接続される第2導電部材を形成する工程と、をさらに含む、
    請求項1に記載の電池の製造方法。
  7. 前記積層体を形成する工程の前に、前記第1方向における前記発電要素の端面を覆う第1絶縁部材を形成する工程をさらに含む、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  8. 前記積層体を形成する工程の前に、前記第1切断面を覆う第2絶縁部材を形成する工程をさらに含む、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  9. 前記積層体を形成する工程の後に、前記発電要素における前記電極集電体の折り返し部分が配置される側とは反対側の端面を覆う第3絶縁部材を形成する工程をさらに含む、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  10. 前記電極層は負極層であり、
    前記対極層は正極層である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  11. それぞれが、電極層、固体電解質層および対極層が積層された構造を有する複数の発電要素と、
    前記複数の発電要素のそれぞれの前記電極層と電気的に接続される電極集電体と、
    前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続される対極集電体と、を備え、
    前記電極集電体は、積層方向に沿って並ぶ複数の電極集電部と、前記複数の電極集電部のうち隣り合う電極集電部同士を接続し、第1方向において折り返されている電極折り返し部と、を有し、
    前記複数の発電要素のそれぞれは、前記複数の電極集電部のそれぞれの両面に、前記電極層が前記電極集電体に電気的に接続されるように積層され、
    前記対極集電体は、前記複数の電極集電部のうち隣り合う電極集電部に積層されて対面する前記発電要素の間に位置し、
    前記第1方向と交差する方向における、前記発電要素の前記電極層、前記固体電解質層および前記対極層のそれぞれの端面は面一である、
    電池。
  12. 前記対極集電体は、積層方向に沿って並び、前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続される複数の対極集電部と、前記複数の対極集電部のうち隣り合う対極集電部同士を接続し、前記第1方向と交差する第2方向において折り返されている対極折り返し部と、を有し、
    前記複数の対極集電部の少なくとも1つは、前記対面する前記発電要素の間に位置する、
    請求項11に記載の電池。
  13. 前記対極集電体は、複数のくしば部分が設けられたくし形状を有し、
    前記複数のくしば部分は、前記複数の発電要素のそれぞれの前記対極層と電気的に接続され、
    前記複数のくしば部分の少なくとも1つは、前記対面する前記発電要素の間に差し込まれている、
    請求項11に記載の電池。
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