JP2023171129A - 電圧変動抑制素子及び再生可能エネルギー蓄電システム - Google Patents

電圧変動抑制素子及び再生可能エネルギー蓄電システム Download PDF

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洋生 西山
Hiroo Nishiyama
佑輔 原
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Abstract

【課題】ノイズ吸収能力に優れる電圧変動抑制素子の提供【解決手段】充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備える正極と、負極と、電解質と、を備え、前記正極は、正極集電体と、正極活物質及び炭素材料を含む正極合材層とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記正極合材層が介在している、電圧変動抑制素子。【選択図】なし

Description

本開示は、電圧変動抑制素子及び再生可能エネルギー蓄電システムに関する。
環境負荷低減の観点から、太陽光発電、風力発電、潮流・潮力発電等の自然エネルギーを利用した発電が盛んに検討されている。自然エネルギーを利用した発電では、発電量が天候等によって変動するため、安定的な電力供給を行うことを目的として、自然エネルギーにより発電を行う発電手段と、蓄電手段とを組み合わせた発電システムが検討されている(例えば、特許文献1)。
特開2006-230136号公報
特許文献1に記載されているような自然エネルギー活用する発電システムでは、コンデンサ、回路切り替えスイッチ等を用いて変動する自然エネルギー由来の電力を整流する必要がある。しかし、システムが大規模化すると、求められるコンデンサの容量が大きくなる、回路が複雑になるなどの問題がある。
自然エネルギー活用する発電システムでは、一定量まで発電手段を充電した後、放電を行うことが好ましい。充電しながら放電を行う場合、発電手段の電力変動によるノイズ電圧、ノイズを含む電流等によって放電電圧の変動が生じてしまい、負荷に対して安定的に電力が供給されない恐れがある。
しかしながら、電力需要及び充放電の効率の観点では、充電しながら放電を行う必要があり、放電電圧の変動を抑制するためにノイズ電圧等の影響を抑制可能な手段、すなわち、ノイズ吸収能力に優れる手段をシステムに導入することが望ましい。
本開示は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、ノイズ吸収能力に優れる電圧変動抑制素子及びこれを備える再生可能エネルギー蓄電システムを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備える正極と、
負極と、
電解質と、を備え、
前記正極は、正極集電体と、正極活物質及び炭素材料を含む正極合材層とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記正極合材層が介在している、電圧変動抑制素子。
<2> 前記炭素材料は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック及びカーボンナノチューブからなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載の電圧変動抑制素子。
<3> 前記炭素材料は、アセチレンブラック及びカーボンナノチューブを含む、<1>又は<2>に記載の電圧変動抑制素子。
<4> 前記炭素材料の含有率は、前記正極合材層全量に対して0質量%を超えて15質量%以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の電圧変動抑制素子。
<5> 前記正極活物質は、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物、リチウムマンガン酸化物及びリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の電圧変動抑制素子。
<6> 前記正極活物質は、リチウムマンガン系酸化物を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の電圧変動抑制素子。
<7> 再生可能エネルギー蓄電用である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の電圧変動抑制素子。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載の電圧変動抑制素子を備え、前記電圧変動抑制素子が再生可能エネルギーに由来する電力を蓄える、再生可能エネルギー蓄電システム。
本開示によれば、ノイズ吸収能力に優れる電圧変動抑制素子及びこれを備える再生可能エネルギー蓄電システムを提供することができる。
本開示の電圧変動抑制素子の実施形態1を示す斜視図である。 実施形態1における電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。 本開示の電圧変動抑制素子の実施形態2を示す斜視図である。 実施形態2における電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。 実施形態3における電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。 本開示の電圧変動抑制素子の実施形態4を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。また、本開示中の技術的思想の範囲内において、当業者による様々な変更及び修正が可能である。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率は、特に断らない限り、当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において、正極合材又は負極合材の「固形分」とは、正極合材のスラリー又は負極合材のスラリーから有機溶媒等の揮発性成分を除いた残りの成分を意味する。
〔電圧変動抑制素子〕
本開示の電圧変動抑制素子は、充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備える正極と、負極と、電解質と、を備え、前記正極は、正極集電体と、正極活物質及び炭素材料を含む正極合材層とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記正極合材層が介在している。本開示の電圧変動抑制素子は、二次電池としても機能する。
本開示の電圧変動抑制素子は、ノイズ吸収能力に優れる。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。なお、以下の推測は、本開示の電圧変動抑制素子を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
本開示の電圧変動抑制素子では、正極にそれぞれ配置された第1の端子と第2の端子との間に正極合材層が介在している。これにより、充電しながら放電を行う場合であっても、再生可能エネルギーにより発電する発電手段の電力変動によるノイズ電圧等が正極合材層によって低減されるため、放電電圧の変動が抑制される。
さらに、正極合材層は、正極活物質とともに炭素材料を含む。これにより、電子伝導パス最適化によるリアクタンス抵抗の低減及び正極の高比表面積化による静電容量の増加が可能であり、その結果、ノイズ吸収効果がより優れる。
本開示では、発電手段の電力変動が放電電圧に影響を及ぼすことが抑制されている。したがって、発電電圧を所望の電圧に調整するためのコンバーター、インバーター、ケミカルコンデンサ等が不要となり、システムの簡素化が可能となる。
本開示の電圧変動抑制素子は、ノイズ吸収能力に優れるため、再生可能エネルギー蓄電用として好適に用いることができる。再生可能エネルギーとしては、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱、太陽熱、潮流、潮力等が挙げられ、これらのエネルギーを用いて発電された電力を蓄電するために用いることができる。特に、電力変動によるノイズ電圧等が発生しやすい太陽光又は風力のエネルギーを用いて発電された電力を蓄電するために用いることが好ましい。
以下、本開示の電圧変動抑制素子の各構成について詳細に説明する。
(正極)
本開示の電圧変動抑制素子は、充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備える正極を備える。さらに、正極は、正極集電体と、正極活物質及び炭素材料を含む正極合材層とを備え、第1の端子と第2の端子との間に正極合材層が介在している。
本開示では、1つの正極が充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備え、当該第1の端子と当該第2の端子との間に正極合材層が介在していればよい。第1の端子及び第2の端子の配置としては、第1の端子と当該第2の端子とが接触せずに離隔していれば特に限定されない。
例えば、第1の端子及び第2の端子は、それぞれ正極の外周部分にて正極と接続していればよく、より具体的には正極の正極集電体と接続していることが好ましい。このとき、第1の端子の正極との接続部分と、第2の端子の正極との接続部分との間に正極合材層が介在し、両方の接続部分が接触せずに離隔していればよい。
例えば、平面視にて正極の形状が矩形状である場合、矩形を構成する特定の一辺と第1の端子とが接続し、かつ、矩形を構成する別の一辺と第2の端子とが接続していてもよい。あるいは、矩形を構成する特定の一辺に第1の端子及び第2の端子が配置されていてもよい。ノイズ吸収効果を高める観点では、第1の端子の接続部分と第2の端子の接続部分との離隔距離を大きくすることが好ましく、矩形を構成する特定の一辺と第1の端子とを接続し、かつ、特定の一辺と対向する別の一辺と第2の端子とを接続することで離隔距離を大きくすることがより好ましい。
本開示では、1つの正極が充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備えていればよく、1つの正極が、充電用の第1の端子を複数備えていてもよく、放電用の第2の端子を複数備えていてもよい。
正極集電体の材質としては特に制限はなく、中でも金属材料が好ましく、アルミニウム、炭素被覆アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等がより好ましい。正極集電体の形状としては特に制限はなく、種々の形状に加工された材料を用いることができる。金属材料については、金属箔、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル等が挙げられ、中でも、金属薄膜を用いることが好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成してもよい。
正極合材層は、正極活物質及び炭素材料を含む。正極合材層は、正極集電体上に配置され、例えば、正極活物質、炭素材料及び結着剤を含んでいてもよい。正極合材層の形成方法に制限はなく、例えば、次のように形成される。正極活物質、炭素材料及び必要に応じて結着剤、増粘剤等の他の材料を乾式で混合してシート状にし、これを正極集電体に圧着する方法(例えば、乾式法)で正極合材層を形成することができる。あるいは、正極活物質、炭素材料及び必要に応じて用いられる結着剤、増粘剤等の他の材料を分散溶媒に溶解又は分散させて正極合材のスラリーとし、これを正極集電体に塗布し、乾燥する方法(例えば、湿式法)正極合材層を形成することができる。正極合材層は、正極集電体の片面に形成されていてもよく、正極集電体の両面に形成されていてもよい。
<正極活物質>
正極合材層に含まれる正極活物質は、正極の電池反応に関与する物質であれば特に限定されない。正極活物質としては、例えば、リチウム、リチウム以外の金属を含む酸化物が挙げられる。酸化物としては、リチウムコバルト系酸化物、リチウムニッケル系酸化物、リチウムマンガン系酸化物等が挙げられる。
正極活物質を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
リチウムコバルト系酸化物としては、コバルト酸リチウム、リチウム、コバルト及びその他の金属成分を含む酸化物などが挙げられる。
リチウムニッケル系酸化物としては、ニッケル酸リチウム、リチウム、ニッケル及びその他の金属成分を含む酸化物などが挙げられる。当該酸化物としては、リチウムニッケルマンガン系酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト系酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物等が挙げられる。
リチウムマンガン系酸化物としては、マンガン酸リチウム、リチウム、マンガン及びその他の金属成分を含む酸化物などが挙げられる。
正極活物質は、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物、リチウムマンガン系酸化物及びリチウムニッケルマンガンコバルト系酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物を含むことがより好ましい。リチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物としては、以下の組成式(化1)で表される化合物が好ましい。
LiNiCoAl…(化1)
上記組成式(化1)において、wはNi(ニッケル)の組成比、xはCo(コバルト)の組成比、yはAl(アルミニウム)の組成比を示す。zは、元素Mの組成比を示す。O(酸素)の組成比は2である。
元素Mは、Mg(マグネシウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Si(シリコン)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、及びSn(錫)よりなる群から選択される少なくとも1種の元素である。w、x、y、zは、0.5≦w<1、0<x≦0.6、0<y≦0.3、0≦z≦0.3であり、かつ、3w+3x+3y+(Mの価数)×z=3である。
正極活物質は、リチウムマンガン系酸化物を含むことが好ましく、スピネル型リチウムマンガン系酸化物を含むことがより好ましく、リチウムマンガン系酸化物としては、以下の組成式(化2)で表される化合物がさらに好ましい。
Li(1+η)Mn(2-λ)M’λ…(化2)
上記組成式(化2)において、(1+η)はLiの組成比、(2-λ)はMnの組成比、λは元素M’の組成比を示す。O(酸素)の組成比は4である。
元素M’は、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Al、Ga、Zn(亜鉛)、及びCu(銅)よりなる群から選択される少なくとも1種の元素である。0≦η≦0.2、0≦λ≦0.1である。
元素M’は、Mg又はAlが好ましい。
正極活物質は、充電時の正極の安定性を高める観点から、リチウムニッケル系酸化物及びリチウムマンガン系酸化物を含むことが好ましく、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物及びスピネル型リチウムマンガン系酸化物を含むことがより好ましい。
正極活物質の含有率は、高容量化の観点から、正極合材層全量に対して、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。正極活物質の含有率の上限は特に限定されず、例えば、95質量%以下であってもよい。
正極活物質がリチウムニッケル系酸化物(好ましくはリチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物)を含む場合、リチウムニッケル系酸化物(好ましくはリチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物)の含有率は、正極合材層全量に対して、5質量%~30質量%であってもよく、10質量%~25質量%であってもよく、15質量%~20質量%であってもよい。
正極活物質がリチウムマンガン系酸化物(好ましくはスピネル型リチウムマンガン系酸化物)を含む場合、リチウムマンガン系酸化物(好ましくはスピネル型リチウムマンガン系酸化物)の含有率は、正極合材層全量に対して、60質量%~80質量%であってもよく、62質量%~78質量%であってもよく、65質量%~75質量%であってもよい。
<炭素材料>
正極合材層に含まれる炭素材料としては、導電性の炭素材料であることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。中でも、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック及びカーボンナノチューブ等の炭素繊維が好ましい。
炭素材料を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
直流抵抗の低減及び高比表面積化の観点から、炭素材料は、アセチレンブラック及びカーボンナノチューブを含むことが好ましい。
炭素材料の含有率は、正極合材層全量に対して、0質量%を超えて15質量%以下であることが好ましく、1.0質量%~12質量%であることがより好ましく、3.0質量%~10質量%であることがさらに好ましい。
炭素材料がアセチレンブラック及びカーボンナノチューブを含む場合、アセチレンブラック及びカーボンナノチューブの合計含有率は、炭素材料全量に対して、50質量%~100質量%であってもよく、80質量%~100質量%であってもよく、90質量%~100質量%であってもよい。
炭素材料がアセチレンブラックを含む場合、アセチレンブラックの含有率は、正極合材層全量に対して、0質量%を超えて15質量%以下であることが好ましく、1.0質量%~12質量%であることがより好ましく、3.0質量%~10質量%であることがさらに好ましい。
炭素材料がカーボンナノチューブを含む場合、カーボンナノチューブの含有率は、正極合材層全量に対して、0質量%を超えて5.0質量%以下であることが好ましく、0.05質量%~2.0質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがさらに好ましい。
炭素材料がアセチレンブラック及びカーボンナノチューブを含む場合、カーボンナノチューブの凝集による特性低下を抑制する観点から、正極合材層全量に対するアセチレンブラックの含有率は、正極合材層全量に対するカーボンナノチューブの含有率よりも大きいことが好ましい。アセチレンブラックとカーボンナノチューブとの質量比率(アセチレンブラック:カーボンナノチューブ)は、2:1~99:1であってもよく、3:1~50:1であってもよく、5:1~30:1であってもよい。
<結着剤>
正極合材層は、結着剤を含んでいてもよい。正極用の結着剤としては、特に限定されず、湿式法により正極合材を形成する場合には、分散溶媒に対する溶解性、分散性等が良好な材料が選択される。正極用の結着剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子;SBR(スチレン-ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム等のゴム状高分子;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子;シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子;アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。
なお、正極用の結着剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極の安定性の観点から、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子を用いることが好ましい。
結着剤の含有率は、正極合材層全量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、1.0質量%~8.0質量%であることがより好ましく、2.0質量%~5.0質量%であることがさらに好ましい。
(負極)
本開示の電圧変動抑制素子は、負極を備える。負極は、負極集電体と、負極活物質を含む負極合材層とを備えていてもよい。
本開示では、負極は充電用及び放電用の第3の端子を備えていてもよく、充電用の第3の端子及び放電用の第4の端子を備えていてもよい。負極が第3の端子及び第4の端子を備える場合、第3の端子と第4の端子との間に負極合材層が介在していることが好ましい。第3の端子及び第4の端子の配置としては、第3の端子と第4の端子とが接触せずに離隔していれば特に限定されない。第3の端子と第4の端子の好ましい位置関係は、前述の第1の端子と第2の端子の好ましい位置関係と同様である。
負極集電体の材質としては特に制限はなく、具体例としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられる。中でも、加工のし易さとコストの観点から銅が好ましい。
負極集電体の形状としては特に制限はなく、種々の形状に加工された材料を用いることができる。具体例としては、金属箔、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル等が挙げられる。中でも、金属箔が好ましく、銅箔がより好ましい。銅箔には、圧延法により形成された圧延銅箔と、電解法により形成された電解銅箔とがあり、どちらも負極集電体として好適である。
負極合材層は、負極活物質を含む。負極合材層は、負極集電体上に配置され、例えば、負極活物質及び結着剤を含んでいてもよい。負極合材層の形成方法に制限はなく、例えば、次のように形成される。負極活物質、及び必要に応じて用いられる結着剤、導電材、増粘剤等の他の材料を分散溶媒に溶解又は分散させて負極合材のスラリーとし、これを負極集電体に塗布し、乾燥する(湿式法)ことで負極合材層を形成することができる。
<負極活物質>
負極合材層に含まれる負極活物質は、負極の電池反応に関与する物質であれば特に限定されない。負極活物質としては、炭素材料、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、Sn、Si、Ge等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
負極活物質を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能なものであれば特に制限はなく、高電流密度充放電特性の観点から、例えば、Ti(チタン)、Li(リチウム)又はTi及びLiの双方を含有する酸化物が挙げられる。
炭素材料としては、非晶質炭素、天然黒鉛、天然黒鉛に乾式のCVD(Chemical Vapor Deposition)法、湿式のスプレイ法等で形成される被膜を形成した複合炭素質材料、エポキシ化合物、フェノール化合物等の樹脂材料、又は石油若しくは石炭から得られるピッチ材料を原料として焼成して得られる人造黒鉛などが挙げられる。
また、負極活物質としては、リチウムと化合物を形成することでリチウムを吸蔵放出できるリチウム金属、リチウムと化合物を形成し、結晶間隙に挿入されることでリチウムを吸蔵放出できる珪素、ゲルマニウム、錫等の第14族元素の酸化物又は窒化物などを用いてもよい。
負極活物質の含有率は、高容量化の観点から、負極合材層全量に対して、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。負極活物質の含有率の上限は特に限定されず、例えば、99質量%以下であってもよい。
<導電材及び結着剤>
負極合材層は、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素などの導電材を含んでいてもよく、負極用の結着剤を含んでいてもよい。負極用の結着剤の具体例としては、前述の正極用の結着剤と同様である。
負極用の導電材及び結着剤は、それぞれ独立に1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電材の含有率は、導電性の向上及び初期不可逆容量の低減の観点から、負極合材層全量に対して、1質量%~10質量%であってもよく、2質量%~7質量%であってもよく、3質量%~5質量%であってもよい。
結着剤の含有率は、負極合材層全量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、1.0質量%~8.0質量%であることがより好ましく、2.0質量%~5.0質量%であることがさらに好ましい。
<増粘剤>
負極合材層を形成する際、スラリーの粘度を調整するために増粘剤を使用してもよい。増粘剤としては、特に制限はなく、具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン及びこれらの塩が挙げられる。増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤の含有率は、入出力特性及び電池容量の観点から、負極合材層全量に対して、0.1質量%~5質量%であってもよく、0.5質量%~3質量%であってもよく、0.6質量%~2質量%であってもよい。
(電解質)
本開示の電圧変動抑制素子は、電解質を備える。電解質としては、例えば、リチウム塩を含んでいればよい。また、電解質であるリチウム塩と、リチウム塩を溶解する非水系溶媒とを含む非水電解液を用いてもよい。
電解質及び非水系溶媒は、それぞれ独立に1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウム塩としては、例えば、無機リチウム塩、含フッ素有機リチウム塩、オキサラトボレート塩等が挙げられる。
無機リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩、LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩、LiAlCl等の無機塩化物塩などが挙げられる。
含フッ素有機リチウム塩としては、LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド酸塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩などが挙げられる。
オキサラトボレート塩としては、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等が挙げられる。
非水系溶媒中の電解質の濃度に特に制限はなく、例えば、0.5mol/L~2.0mol/Lであってもよく、0.6mol/L~1.8mol/Lであってもよく、0.7mol/L~1.7mol/Lであってもよい。
非水系溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、鎖状エステル、環状エーテル及び鎖状エーテル等が挙げられる。
環状カーボネートとしては、環状カーボネートを構成するアルキレン基の炭素数が2~6のものが好ましく、2~4のものがより好ましい。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。中でも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが好ましい。また、環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート等の分子内に二重結合を有する環状カーボネート、又はフルオロエチレンカーボネート等のハロゲン原子を含む環状カーボネートを用いることもできる。
鎖状カーボネートとしては、ジアルキルカーボネートが好ましく、2つのアルキル基の炭素数がそれぞれ1~5のものが好ましく、1~4のものがより好ましい。具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-n-プロピルカーボネート等の対称鎖状カーボネート;エチルメチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、エチル-n-プロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート等が挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートが好ましい。
鎖状エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等が挙げられる。
本開示の電圧変動抑制素子は、電解質とともに添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、窒素、硫黄、又は窒素及び硫黄を含有する複素環化合物、環状カルボン酸エステル、フッ素含有環状カーボネート、その他の分子内に不飽和結合を有する化合物等が挙げられる。また、上記添加剤以外に、求められる機能に応じて、過充電防止材、負極皮膜形成材、正極保護材、高入出力材等の他の添加剤を用いてもよい。
(セパレータ)
本開示の電圧変動抑制素子は、正極と負極との間に正極及び負極間を絶縁するセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、正極及び負極間を絶縁しつつ、イオン透過性を有し、かつ、正極側における酸化性及び負極側における還元性に対する耐性を備えるものであれば特に制限はない。このような特性を満たすセパレータの材料(材質)としては、樹脂、無機物等が用いられる。
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系高分子、フッ素系高分子、セルロース系高分子、ポリイミド、ナイロンなどが挙げられる。
無機物としては、アルミナ、二酸化珪素等の酸化物類、窒化アルミニウム、窒化珪素等の窒化物類、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩類、ガラスなどが挙げられる。
〔再生可能エネルギー蓄電システム〕
本開示の再生可能エネルギー蓄電システムは、前述の本開示の電圧変動抑制素子を備え、前記電圧変動抑制素子が再生可能エネルギーに由来する電力を蓄えるシステムである。再生可能エネルギーとしては、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱、太陽熱、潮流、潮力等が挙げられ、これらのエネルギーを用いて発電された電力を蓄電する。
本開示の再生可能エネルギー蓄電システムは、再生可能エネルギーを用いて発電する発電手段を備えていてもよく、電圧変動抑制素子に蓄えられた電力が供給される設備、デバイス等と接続していてもよい。
以下、本開示の電圧変動抑制素子の実施形態について、図面を用いて説明する。本開示の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。実質的に同一の機能を有する部材には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
(実施形態1)
以下、本開示の電圧変動抑制素子の実施形態1について説明する。図1は、電圧変動抑制素子の実施形態1を示す斜視図であり、図2は、実施形態1における電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。
図1の電圧変動抑制素子10は、ラミネートフィルムの外装体6内に、電極群20と電解液を収容したものであり、正極集電タブ2A(第1の端子)と、正極集電タブ2B(第2の端子)と、負極集電タブ4と、を外装体外に取り出すようにしている。正極集電タブ2A及び負極集電タブ4は図示しない発電装置と電気的に接続しており、正極集電タブ2B及び負極集電タブ4は図示しない負荷と電気的に接続している。
そして、図2に示すように、電極群20は正極集電タブ2A及び正極集電タブ2Bを取り付けた正極板1、セパレータ5、並びに負極集電タブ4を取り付けた負極板3を積層したものである。正極板1は、平面視にて矩形状であり、正極集電タブ2Aは、正極板1の一辺と接続しており、正極集電タブ2Bは、正極板1の他の一辺と接続している。正極集電タブ2Aと正極板1との接続部分及び正極集電タブ2Bと正極板1との接続部分は、平面視にて正極板1の中心を通る対角線上に位置している。正極集電タブ2A、正極集電タブ2B及び負極集電タブ4は、各部材を積層させたときに重ならない位置関係となっている。入力側(充電用の正極集電タブ2A側)の変動電圧及び電流は活物質層内のリチウムイオンが電極内を移動する際に緩和する。そのため、正極集電タブ2A及び正極集電タブ2Bを正極板1の異なる一辺にそれぞれ設け、さらに対角に設置することで、電極内でのリチウムイオンの移動距離を長く確保することができ、電圧変動抑制効果をさらに高めることができる。
外装体6の材質としては、例えば、アルミニウム製のラミネートフィルム、SUS、アルミニウム、銅、ステンレス等が挙げられる。
(実施形態2)
以下、本開示の電圧変動抑制素子の実施形態2について説明する。図3は、電圧変動抑制素子の実施形態2を示す斜視図であり、図4は、実施形態2における電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。
図3の電圧変動抑制素子30は、ラミネートフィルムの外装体6内に、電極群40と電解液を収容したものであり、正極集電タブ2A(第1の端子)と、正極集電タブ2B(第2の端子)と、負極集電タブ4Aと、負極集電タブ4Bと、を外装体外に取り出すようにしている。正極集電タブ2A及び負極集電タブ4Aは図示しない発電装置と電気的に接続しており、正極集電タブ2B及び負極集電タブ4Bは図示しない負荷と電気的に接続している。
そして、図4に示すように、電極群40は正極集電タブ2A及び正極集電タブ2Bを取り付けた正極板1、セパレータ5、並びに負極集電タブ4A及び負極集電タブ4Bを取り付けた負極板3を積層したものである。負極板3は、平面視にて矩形状であり、負極集電タブ4Aは、負極板3の一辺と接続しており、負極集電タブ4Bは、負極板3の他の一辺と接続している。負極集電タブ4Aと負極板3との接続部分及び負極集電タブ4Bと負極板3との接続部分は、平面視にて負極板3の中心を通る対角線上に位置している。正極集電タブ2A、正極集電タブ2B、負極集電タブ4A及び負極集電タブ4Bは、各部材を積層させたときに重ならない位置関係となっている。
(実施形態3)
以下、本開示の電圧変動抑制素子の実施形態3について説明する。図5は、実施形態3における電極群を構成する正極板、負極板及びセパレータを示す斜視図である。
図5では、厚さ方向にて正極板1及び負極板3を交互に配置する構成が示されている。さらに、正極板1と負極板3との間にはセパレータ5が配置される。図1と同様に、正極集電タブ2A、正極集電タブ2B及び負極集電タブ4は、各部材を積層させたときに重ならない位置関係となっている。一方、図5では、厚さ方向において、複数の正極集電タブ2A、複数の正極集電タブ2B及び複数の負極集電タブ4は、それぞれが重なるように複数の正極板1及び複数の負極板3が配置される。
(実施形態4)
以下、本開示の電圧変動抑制素子の実施形態4について説明する。図6は、本開示の電圧変動抑制素子の実施形態4を示す断面図である。
図6では、正極板と負極板とをセパレータを介し積層してなる積層体を巻回して得られた電極群を円筒型の外装体内に封入した円筒型の電圧変動抑制素子の一例を示している。
図6に示すように、電圧変動抑制素子11は、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の外装体16を有している。外装体16には、電極群15が収容されている。電極群15は、帯状の正極板12及び負極板13がポリエチレン製多孔質シートのセパレータ14を介して断面渦巻状に捲回されている。セパレータ14は、例えば、幅が58mm、厚さが20μmに設定される。電極群15の上端面には、一端部を正極板12に固定されたアルミニウム製の正極集電タブ端子17A(第1の端子)及び正極集電タブ端子17B(第2の端子)が導出されている。正極集電タブ端子17Aの他端部及び正極集電タブ端子17Bの他端部は、例えば、電極群15の上側に配置される正極外部端子に超音波溶接で接合されている。また、正極集電タブ端子17A及び正極集電タブ端子17Bとの間には、絶縁性部材が配置されている。一方、電極群15の下端面には、一端部を負極板13に固定されたニッケル製の負極集電タブ端子18が導出されている。負極集電タブ端子18の他端部は、外装体16の内底部に抵抗溶接で接合されている。したがって、正極集電タブ端子17A、17Bと負極集電タブ端子18とは、電極群15の両端面の互いに反対側に導出されている。なお、電極群15の外周面全周には、図示を省略した絶縁被覆が施されている。電池蓋は、絶縁性の樹脂製ガスケットを介して外装体16の上部にカシメ固定されている。このため、電圧変動抑制素子11の内部は密封されている。また、外装体16内には、図示しない電解液が注液されている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
正極集電体として、アルミニウム箔を準備した。基材のアルミニウム箔の厚さ15μmの市販物を準備した。
正極の作製を以下のように行った。正極活物質であるスピネル型リチウムマンガン系酸化物及び層状型リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、炭素材料であるアセチレンブラックとを表1に示す割合にて混合することにより正極合材層形成用の混合物を得た。表1中の各成分の単位は、質量%である。
次いで、正極合材層形成用の混合物に対し、分散溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を添加し、混練することによりスラリーを形成した。このスラリーを上記正極集電体の片面に塗布した。その後、乾燥処理を施し、プレスにより圧密化した。塗工量を140g/mとし、正極合材層の密度を2.9g/cmとした。
負極の作製を以下のように行った。負極活物質である黒鉛と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを黒鉛/PVDF=95/5(質量比)の割合で混合することにより負極合材層形成用の混合物を得た。
次いで、負極合材層形成用の混合物に対し、分散溶媒であるNMPを添加し、混練することによりスラリーを形成した。このスラリーを負極集電体である厚さ10μmの圧延銅箔の両面に塗布した。その後、乾燥処理を施し、プレスにより圧密化した。塗工量を48g/mとし、正極合材層の密度を1.5g/cmとした。
13.5cmの角形に切断した正極をポリエチレン製多孔質シートのセパレータ(厚さ25μm)で挟み、さらに14.3cmの角形に切断した負極を重ね合わせて積層体を作製した。この積層体をアルミニウムのラミネート容器(大日本印刷株式会社製:アルミラミネートフィルム)に入れ、非水電解質(1.2MのLiPFを含むエチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=2/2/3混合溶液(体積比))に、混合溶液全量に対してビニレンカーボネート(VC)を0.8質量%添加した混合液を1mL添加し、アルミニウムのラミネート容器を熱溶着させ、電圧変動抑制素子に対応する140mAhのラミネート型電池を作製した。このとき、図1に示すように、正極の一方の短辺側に充電用の第1の端子を設け、正極の他方の短辺側に放電用の第2の端子を設けた。
[実施例2及び3]
正極合材層形成用の混合物の調製の用いた各成分の比率を、表1に示す比率に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート型電池を作製した。
[実施例4及び5]
正極合材層形成用の混合物の調製にて、炭素材料としてアセチレンブラック及びカーボンナノチューブを用い、かつ、各成分の比率を、表2に示す比率に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート型電池を作製した。
[比較例1]
正極合材層形成用の混合物の調製にて、アセチレンブラックを使用せず、かつ、各成分の比率を、表1に示す比率に変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート型電池を作製した。
(ノイズ吸収能の評価)
各実施例及び比較例のラミネート型電池を用い、以下のようにしてノイズ吸収能の評価を行った。まず、作製したラミネート型電池をSOC=50%となるよう調整した後、北斗電工(株)製の電気化学測定装置であるHZ-7000を用い、交流インピーダンス法により振幅150mAにおける各周波数の交流インピーダンスを測定した。ノイズ吸収能は、正極の充電用の第1の端子と負極端子を繋げた回路の交流インピーダンスをZ1、正極の放電用の第2の端子と負極端子を繋げた回路の交流インピーダンスをZ2とし、式1により算出した。
(ノイズ吸収能)=(1-Z2/Z1)×100(%) (式1)
結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例1~5では、比較例1と比較して各周波数におけるノイズ吸収能の値が高かった。
1、12…正極板、2A、2B、17A、17B…正極集電タブ(第1の端子及び第2の端子)、3、13…負極板、4、4A、4B、18…負極集電タブ、5、14…セパレータ、6、16…外装体、10、11、30…電圧変動抑制素子、15、20、40…電極群

Claims (8)

  1. 充電用の第1の端子及び放電用の第2の端子を備える正極と、
    負極と、
    電解質と、を備え、
    前記正極は、正極集電体と、正極活物質及び炭素材料を含む正極合材層とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記正極合材層が介在している、電圧変動抑制素子。
  2. 前記炭素材料は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック及びカーボンナノチューブからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の電圧変動抑制素子。
  3. 前記炭素材料は、アセチレンブラック及びカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の電圧変動抑制素子。
  4. 前記炭素材料の含有率は、前記正極合材層全量に対して0質量%を超えて15質量%以下である、請求項1に記載の電圧変動抑制素子。
  5. 前記正極活物質は、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系酸化物、リチウムマンガン系酸化物及びリチウムニッケルマンガンコバルト系酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の電圧変動抑制素子。
  6. 前記正極活物質は、リチウムマンガン系酸化物を含む、請求項1に記載の電圧変動抑制素子。
  7. 再生可能エネルギー蓄電用である、請求項1に記載の電圧変動抑制素子。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電圧変動抑制素子を備え、前記電圧変動抑制素子が再生可能エネルギーに由来する電力を蓄える、再生可能エネルギー蓄電システム。
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