JP2023147873A - 配管の寿命予測方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023147873000001
【課題】より早期に、配管の寿命を予測する。
【解決手段】配管の寿命予測方法は、高温流体が流れるステンレス鋼で形成された配管の寿命予測方法であって、配管の表面を研磨する工程と、研磨後の配管の表面からレプリカサンプルを採取する工程と、レプリカサンプルを走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察し、レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得する工程と、微小ボイドの発生量に基づき、配管の使用寿命を予測する工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本開示は、配管の寿命予測方法に関する。
ボイラー等において高温流体が流れる配管は、高温流体の圧力及び熱の影響を受ける。このため、配管を適切なタイミングでメンテナンスするため、配管にクリープ損傷等が生じて配管が使用できなくなるまでの配管寿命を予測することが行われている。配管寿命の予測には、各種の非破壊検査手法が用いられることがある。
このような非破壊検査手法の一つとして、例えば、例えば、特許文献1には、配管の対象部位に対し、超音波探傷等による探傷検査を行う構成が開示されている。
また、別の非破壊検査手法としては、配管の外径を計測する手法がある。この手法では、長期間に使用された配管が圧力及び熱の影響によって膨らむように変形することに着目し、配管の表面の膨出を、配管の外径の計測によって把握し、配管の寿命を推定している。
特開2021-6801号公報
しかしながら、高温での強度が高い材料などを使用した配管の外径が測定可能なほど変化するのは、配管の寿命の後期から末期である。このため、配管の外径を計測する手法では、配管の寿命を、より早期に把握することが困難である。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、より早期に、配管の寿命を予測することができる配管の寿命予測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る配管の寿命予測方法は、高温流体が流れるステンレス鋼で形成された配管の寿命予測方法であって、前記配管の表面を研磨する工程と、研磨後の前記配管の前記表面からレプリカサンプルを採取する工程と、前記レプリカサンプルを走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察し、前記レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得する工程と、前記微小ボイドの発生量に基づき、前記配管の使用寿命を予測する工程と、を含む。
本開示の配管の寿命予測方法によれば、より早期に、配管の寿命を予測することができる。
本開示の実施形態に係る配管の寿命予測方法による、寿命予測対象の配管の例を示す断面図である。 上記配管における、微小ボイド、ボイド、微視き裂の発生状態を示す図である。 寿命比の異なる蒸気配管に生じたボイドの大きさと、ボイド個数密度との相関を示す図である。 本開示の実施形態に係る配管の寿命予測方法の手順を示すフローチャートである。 レプリカサンプルを、走査型顕微鏡で観察した観察像の例である。 実際の配管の表面を、走査型顕微鏡で観察した観察像の例である。 上記配管の寿命予測方法でマスターデータを作成する際の試験体の具体的な条件の一例を示すものである。
以下、添付図面を参照して、本開示による配管の寿命予測方法を実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。
(配管)
本実施形態における配管の寿命予測方法は、高温流体が流れる配管の寿命を予測する。図1に示すように、寿命の予測対象となる配管1は、断面視円環状で、延伸方向に連続して筒状に延びている。配管1は、高温流体として、ボイラー等の高温の蒸気が流れる機器で用いられる。配管1は、例えば、発電プラントで使用されている。配管1は、高温の蒸気に曝されても腐食しにくいステンレス鋼で形成されている。配管1は、例えば、外径が30mm~40mm程度で、肉厚が3mm~4mm程度の高強度ステンレス鋼で形成された管材である。配管1は、配管1内を流れる高温流体の熱及び圧力の影響を受ける。
本発明者らは、このような高温流体が流れ、ステンレス鋼からなる配管1において、クリープ損傷等が生じる配管1の寿命に至る時期よりも、遙かに早い時期に微小ボイド101が配管1の表面に発生することを見いだした。ここで、微小ボイドとは、寿命中期以降で発生する1nm~1μmの極小欠陥である。以下、本明細書ではこのサイズの欠陥を「微小ボイド」と呼称する。
具体的には、図2に示すように、本発明者らが得た知見によれば、配管1を使用し始めてから、クリープ損傷等が生じて配管1の寿命に至るまでの期間を100%とした場合、寿命比が50%に至るまでは、配管1にボイドは発生していない。その後、時間が経過して、寿命比が60%程度となると、配管1において、径方向Drの外側Droを向く表面1fの近傍に、微小ボイド101が発生し始める。さらに時間が経過すると、寿命比が80%程度の段階では、微小ボイド101よりも大きいボイド102が発生し、ボイド102が発生する範囲も表面1fから径方向Drの内側Driに拡がる。さらに時間が経過すると、寿命比が90%程度の段階で、複数のボイド102が連結して微視き裂103の発生に至る。このように、多くのボイド102や微視き裂103が発生した段階(例えば、寿命比80%や90%)で、配管1は、その外径が測定可能なレベルで変化し始める。一方で、微小ボイド101のみが発生した段階(例えば、寿命比60%)では、配管1の外径は測定可能なほど変化しない。
ここで、従来、光学顕微鏡や超音波探傷によって検出可能なボイドの大きさは、例えば、0.2μm以上である。図3に示すように、寿命比が80%程度の段階におけるボイド102の大きさは、1μm~20μm程度であり、光学顕微鏡による観察で、ボイド102の発生が検出可能である。これに対し、寿命比が60%程度の段階で発生する微小ボイド101の大きさは、1nm以上1.0μm以下であり、光学顕微鏡による観察では、微小ボイド101の検出は困難である。そのため、従来、配管1では、その外径が測定可能なレベルで変化し始めるまでは、配管1の内部に確認可能な損傷は生じないと考えられていた。しかしながら、発明者らによって、光学顕微鏡による観察や超音波探傷による探傷検査で検出可能な大きさのボイド102が発生する時期よりも、早期に微小ボイド101が発生していることが見出された。
(配管の寿命予測方法)
以下に示す、本実施形態に係る配管の寿命予測方法S10では、光学顕微鏡では検出困難な微小ボイド101の発生を検出することで、配管1の寿命を予測する。図4に示すように、配管の寿命予測方法S10は、配管を研磨する工程S11と、レプリカサンプルを採取する工程S12と、微小ボイドの発生量を取得する工程S13と、配管の使用寿命を予測する工程S14と、マスターデータを作成する工程S21と、を含む。
配管を研磨する工程S11では、配管1の表面1fが研磨される。配管1の表面1fの研磨は、表面1fに析出した析出物の脱落を抑えつつ、微小ボイド101の検出が可能となるような手法で行うことが好ましい。このような配管1の表面1fの研磨には、例えば、コロイダルシリカを用いたCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械研磨)、シュウ酸を用いた電解研磨が用いられる。
レプリカサンプルを採取する工程S12では、研磨後の配管1の表面1fからレプリカサンプルが採取される。レプリカサンプルは、研磨後の配管1を破壊することなく採取される。レプリカサンプルは、公知のレプリカ法により採取する。例えば、配管1の表面1fに、液状の樹脂を塗布し、樹脂が硬化することで、配管1の表面1fが転写されたレプリカサンプルが得られる。また、配管1の表面1fに、固体のポリマーを加熱加圧成型することでも、配管1の表面1fが転写されたレプリカサンプルが得られる。研磨後の配管1の表面からレプリカサンプルを採取すると、配管1の表面1fに微小ボイド101が発生している場合、レプリカサンプルには微小ボイド101が転写される。
微小ボイドの発生量を取得する工程S13では、工程S12で採取したレプリカサンプルを、走査型電子顕微鏡(SEM)又はレーザー顕微鏡で観察し、レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量が取得される。走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡では、上記したような大きさの微小ボイド101を十分に観察することができる。図5は、レプリカサンプルを、走査型顕微鏡で観察した観察像の例である。図6は、比較のため、実際の配管1の表面1fを、走査型顕微鏡で観察した観察像の例である。図5及び図6に示すように、上記のようにして得たレプリカサンプルを走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察することで、実際の配管1と同様の微小ボイド101の発生が観察できる。工程S13では、レプリカサンプルにおける微小ボイド101の発生量として、例えば、単位面積当たりの微小ボイド101の個数を示す、ボイド個数密度が取得される。
配管の使用寿命を予測する工程S14では、工程S13で取得した微小ボイドの発生量に基づき、配管1の使用寿命が予測される。本実施形態における工程S14では、工程S13で取得した微小ボイドの発生量と、微小ボイドの発生量と配管1の使用寿命との相関を示すデータとを比較することで、配管1の使用寿命が予測される。工程S14では、実際の配管1における微小ボイド101の発生状態(発生量)を、後述するマスターデータと比較することで、実際の配管1の使用寿命を予測する。具体的には、マスターデータに含まれる複数のデータのうち、工程S13で取得した微小ボイド101の発生量が、実際の配管1における微小ボイド101の発生状態(発生量)に最も近いデータが特定される。その後、特定されたデータに関連付けられた使用寿命が、配管1の使用寿命として取得される。
工程S14でマスターデータを用いる場合、マスターデータは、配管1の使用寿命を予測する工程S14を実施する前に、先立って工程S21を実施して作成しておく。マスターデータを作成する工程S21では、配管1の使用寿命を予測する工程S14で用いるマスターデータが作成される。マスターデータは、実際の配管1ではなく、配管1を模した試験体を用いて作成する。その際、使用状態が異なる複数の配管1を模した複数の試験体を用いる。試験体は、配管1と同じ材質、径寸法、及び肉厚を有している。複数の試験体に、クリープ試験を行い、観察することで、マスターデータの作成に必要なデータを取得する。
試験体への試験としては、高温流体が流れていることを模して、所定の温度及び応力を加えたクリープ試験を行う。その際、例えば、試験開始からの経過時間を複数段階に異ならせ、各段階で試験体の表面における微小ボイド101の発生状態を観察する。さらに、試験時の温度や加える応力を変えて、各段階で試験体の表面における微小ボイド101の発生状態を観察する。試験体は、最終的に、クリープ損傷によって破断するまで、試験を継続する。これらにより、使用状態が異なる複数の配管1を模した複数の試験体で試験が実施される。
なお、試験体への試験は、実際の配管1を流れる高温流体による温度及び応力よりも厳しい条件で実施することが好ましい。これにより、より短時間でマスターデータを作成することができる。
試験体の観察時には、まず、配管を研磨する工程S11と同じ研磨法で、試験体の表面が研磨される。その後、レプリカサンプルを採取する工程S12と同様にして、試験体の表面のレプリカサンプルが取得される。さらに、微小ボイド101の発生量を取得する工程S13と同様にして、得られた試験体のレプリカサンプルを、走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察し、レプリカサンプルにおける微小ボイド101の発生量が取得される。これらにより、使用状態が異なる複数の配管1を模した複数の試験体の表面から取得されたレプリカサンプルのデータが複数取得される。また、例えば、各試験体における試験開始から観察時の経過時間Tと、試験開始から破断に至るまでの経過時間Tbとに基づき、各試験体における寿命比(T/Tb)を算出する。観察時の経過時間Tとは、レプリカサンプルを取得したタイミングであり、微小ボイド101の発生量が取得されたタイミングである。そして、寿命比(T/Tb)に応じて試験体の表面からレプリカサンプルを取得する。これにより、試験体における微小ボイド101の発生量の経時的な変化のデータが取得される。つまり、微小ボイド101の発生量の経時的な変化と、破断に至るまでの経過時間(寿命)との相関関係がマスターデータとして取得される。
図7は、上記工程S21でマスターデータを作成する際の試験体の具体的な条件の一例を示すものである。図7に示すように、例えば、750℃、61MPaを試験体に加えた状態でクリープ試験を行った。試験開始から1000時間毎に試験を中断し、試験体の表面からレプリカサンプルを採取し、レーザー顕微鏡にてレプリカサンプルの状態(試験体の表面状態)の観察を行った。試験体は、試験開始後、11911時間でクリープ損傷により破断した。したがって、破断するまでの試験開始から7000時間、8000時間、9000時間における微小ボイド101の発生量と寿命比とを関連付けてマスターデータを作成した。
なお、図7はあくまでもマスターデータを作成する際の試験体の具体的な条件の一例に過ぎず、実際に寿命をよくする配管1の種類や使用される環境に応じて、マスターデータを作成する際の試験体の試験条件は適宜選択されていればよい。
このようにして、取得した微小ボイド101の発生量と、マスターデータとを比較して配管1の使用寿命が予測される。
(作用効果)
上記構成の配管の寿命予測方法S10では、配管1の表面1fを研磨し、研磨後の配管1の表面からレプリカサンプルが採取される。配管1の表面1fに微小ボイド101が発生している場合、レプリカサンプルに微小ボイド101が転写される。微小ボイド101が転写されたレプリカサンプルを走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察することで、レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を高い精度で取得することができる。光学顕微鏡による観察や超音波探傷による探傷検査で検出することができる大きさにボイドが成長する時期よりも、より早期に発生している微小ボイド101があるという新たに得た知見に基づいて、微小ボイド101を観察して、微小ボイド101の発生量が取得される。これにより、配管1の外径の測定や、光学顕微鏡による観察や、超音波探傷による探傷検査に比べて、早いタイミングで配管1の使用寿命を予測することができる。したがって、より早期に、配管1の寿命を予測することができる。これにより、従来評価が困難であった配管1の中期での寿命を予測することが可能となる。さらに、中期での寿命予測が可能となることで、点検時の配管1に対する取り換え工事等の各種工事の効率的な策定も可能となる。
また、配管の使用寿命を予測する工程S14では、微小ボイドの発生量と配管1の使用寿命との相関を示すマスターデータと、実際の微小ボイドの発生量とに基づいて、配管1の使用寿命を予測する。マスターデータが予め作成されていることで、微小ボイド101の発生量と配管1の使用寿命との相関が事前に高い精度で把握できる。その結果、配管1の使用寿命の予測を、より容易かつ正確に行うことができる。
また、使用状態が異なる複数の配管1を模した複数の試験体の表面からレプリカサンプルを取得している。そして、複数の試験体のレプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得してマスターデータを作成している。このようにマスターデータを作成することで、使用状態の異なる実際の配管1の微小ボイド101の発生状態に近いデータを取得することができる。このようにして取得したマスターデータに基づいて、配管1の使用寿命を予測することで、より精度の高い配管1の使用寿命の予測を行うことができる。
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では、配管1の寿命予測方法S10の手順について説明したが、各工程における作業内容や手順の細部については、適宜変更可能である。
例えば、微小ボイドの発生量と配管の使用寿命との相関を示すマスターデータを利用して、配管1の寿命を予測することに限定されるものではない。その場合、マスターデータを作成する工程S21を実施せず、配管の使用寿命を予測する工程S14を実施してもよい。その際、配管の使用寿命を予測する工程S14では、過去の配管1を測定した際の微小ボイド101の実際の発生量のデータを事前にストレージ等に蓄積しておき、蓄積したデータを、微小ボイドの発生量と配管1の使用寿命との相関を示すデータとする。したがって、微小ボイド101の発生量と蓄積したデータとを照らし合わせて、使用寿命の予測を行ってもよい。
また、マスターデータを作成する工程S21を実施する場合であっても、配管1を複数回にわたって定期点検する際には、マスターデータを作成する工程S21を一度のみ実施してもよく、毎度実施してもよい。つまり、予め作成した同じマスターデータを毎回の配管1の定期点検で利用してもよく、配管1の定期点検のたびにマスターデータを新たに作成してもよい。
また、マスターデータを作成する工程S21では、使用状態が異なる複数の配管1を模した複数の試験体に対して試験を実施してマスターデータを作成することに限定されるものではない。マスターデータを作成する工程S21では、例えば、実際の試験ではなく、シミュレーションによってマスターデータを作成してもよい。
また、配管1の内部に流れる高温流体は蒸気であることに限定されるものではない。ステンレス鋼で形成された配管1に腐食のような損傷を生じさせる高温のガスや液体であってもよい。
また、配管を研磨する工程S11での研磨方法は、コロイダルシリカを用いたCMPやシュウ酸を用いた電解研磨に限定されるものではない。研磨方法は、予め配管1や試験体に対して異なる種類の研磨剤や研磨方法を試すことで、予測対象の配管1に最も適した研磨方法が適用されることが好ましい。
<付記>
実施形態に記載の配管1の寿命予測方法S10は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る配管1の寿命予測方法S10は、高温流体が流れるステンレス鋼で形成された配管1の寿命予測方法S10であって、前記配管1の表面1fを研磨する工程S11と、研磨後の前記配管1の前記表面1fからレプリカサンプルを採取する工程S12と、前記レプリカサンプルを走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察し、前記レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得する工程S13と、前記微小ボイドの発生量に基づき、前記配管1の使用寿命を予測する工程S14と、を含む。
高温流体が流れ、ステンレス鋼で形成された配管1は、時間の経過とともに、高温流体の温度及び圧力の影響により、配管1の径方向Drにおいて表面1fの近傍に、微小ボイド101が発生することを本発明者らは見いだした。この微小ボイド101は、配管1の外径が測定可能なほどの変化を生じる時期よりも、より早期に発生し始める。また、微小ボイド101は、光学顕微鏡による観察や、超音波探傷による探傷検査で検出することができるボイドよりも、非常に小さい。つまり、微小ボイド101は、光学顕微鏡による観察や、超音波探傷による探傷検査で検出することができる大きさにボイドが成長する時期よりも、より早期に発生している。
この配管1の寿命予測方法S10では、上述したような新たに得た知見によって、レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得している。これにより、配管1の外径の測定や、光学顕微鏡による観察や、超音波探傷による探傷検査に比べて、早いタイミングで配管1の使用寿命を予測することができる。したがって、より早期に、配管1の寿命を予測することができる。
(2)第2の態様に係る配管1の寿命予測方法S10は、(1)の配管1の寿命予測方法S10であって、前記微小ボイドの発生量と前記配管1の使用寿命との相関を示すマスターデータを予め作成する前記マスターデータを作成する工程S21、をさらに備え、前記配管1の使用寿命を予測する工程S14では、前記マスターデータと前記微小ボイドの発生量に基づいて、前記配管1の使用寿命を予測する。
マスターデータが予め作成されていることで、微小ボイド101の発生量と配管1の使用寿命との相関が事前に高い精度で把握できる。その結果、配管1の使用寿命の予測を、より容易かつ正確に行うことができる。
(3)第3の態様に係る配管1の寿命予測方法S10は、(2)の配管1の寿命予測方法S10であって、前記マスターデータを作成する工程S21では、使用状態が異なる複数の前記配管1を模した複数の試験体の表面からレプリカサンプルを取得し、複数の前記試験体のレプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得し、前記マスターデータを作成する。
このようにマスターデータを作成することで、使用状態の異なる実際の配管1の微小ボイド101の発生状態に近いデータを取得することができる。このようにして取得したマスターデータに基づいて、配管1の使用寿命を予測することで、より精度の高い配管1の使用寿命の予測を行うことができる。
1…配管
1f…表面
101…微小ボイド
102…ボイド
103…微視き裂
Dr…径方向
Dri…内側
Dro…外側
S10…配管の寿命予測方法
S11…配管を研磨する工程
S12…レプリカサンプルを採取する工程
S13…微小ボイドの発生量を取得する工程
S14…配管の使用寿命を予測する工程
S21…マスターデータを作成する工程
T…観察時の経過時間
Tb…試験開始から破断に至るまでの経過時間

Claims (3)

  1. 高温流体が流れるステンレス鋼で形成された配管の寿命予測方法であって、
    前記配管の表面を研磨する工程と、
    研磨後の前記配管の前記表面からレプリカサンプルを採取する工程と、
    前記レプリカサンプルを走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡で観察し、前記レプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得する工程と、
    前記微小ボイドの発生量に基づき、前記配管の使用寿命を予測する工程と、を含む配管の寿命予測方法。
  2. 前記微小ボイドの発生量と前記配管の使用寿命との相関を示すマスターデータを予め作成する前記マスターデータを作成する工程、をさらに備え、
    前記配管の使用寿命を予測する工程では、前記マスターデータと前記微小ボイドの発生量に基づいて、前記配管の使用寿命を予測する請求項1に記載の配管の寿命予測方法。
  3. 前記マスターデータを作成する工程では、使用状態が異なる複数の前記配管を模した複数の試験体の表面からレプリカサンプルを取得し、複数の前記試験体のレプリカサンプルにおける微小ボイドの発生量を取得し、前記マスターデータを作成する請求項2に記載の配管の寿命予測方法。
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