JP2023147079A - ヒートシンク - Google Patents

ヒートシンク Download PDF

Info

Publication number
JP2023147079A
JP2023147079A JP2022054632A JP2022054632A JP2023147079A JP 2023147079 A JP2023147079 A JP 2023147079A JP 2022054632 A JP2022054632 A JP 2022054632A JP 2022054632 A JP2022054632 A JP 2022054632A JP 2023147079 A JP2023147079 A JP 2023147079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
transport member
working fluid
heat transport
heat sink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022054632A
Other languages
English (en)
Inventor
博史 青木
Hiroshi Aoki
賢也 川畑
Kenya Kawabata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2022054632A priority Critical patent/JP2023147079A/ja
Publication of JP2023147079A publication Critical patent/JP2023147079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

Figure 2023147079000001
【課題】熱輸送特性を損なうことなく、環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材のドライアウトを防止でき、また、熱輸送部材を円滑に起動できる、熱輸送部材を備えたヒートシンクを提供する。
【解決手段】発熱体と熱的に接続される受熱部を有する熱輸送部材と、前記熱輸送部材の放熱部にて熱的に接続された、複数の放熱フィンが配置された放熱フィン群と、を備え、
前記熱輸送部材が、前記受熱部から前記放熱部まで連通し、且つ作動流体が封入された内部空間を有し、前記熱輸送部材と前記放熱フィンとの間の接続部に、作動流体が封入された内部空間を有する熱輸送体が設けられているヒートシンク。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気部品や電子部品等の発熱体を冷却するヒートシンクに関する。
電子機器の高機能化に伴い、電子機器内部には、電子部品等の発熱体を含め、多数の部品が高密度に搭載されている。また、電子機器の高機能化に伴い、電子部品等の発熱体の発熱量が増大している。電子機器内部に収納された電子部品等の発熱体を冷却する手段として、作動流体が減圧封入された内部空間を有するヒートパイプやベーパーチャンバ等の熱輸送部材、上記したヒートシンクやベーパーチャンバ等の熱輸送部材を備えたヒートシンクが使用されることがある。
ヒートシンクやベーパーチャンバの環境温度が、水等の作動流体の融点よりも低温である場合、ヒートシンクやベーパーチャンバの内部空間に封入された作動流体は凍結している。従って、ヒートシンクやベーパーチャンバの環境温度が作動流体の融点よりも低温である場合、ヒートシンクやベーパーチャンバが冷却対象である発熱体から受熱すると、作動流体は凍結している状態にて、ヒートシンクやベーパーチャンバが起動することとなる。
図8に示すように、従来のヒートシンク101では、作動流体は凍結している状態にて、ヒートシンクやベーパーチャンバ等の熱輸送部110が、受熱部141にて発熱体100から所定の熱量Qinにて受熱すると、受熱部141にて、凍結している固相の作動流体200が気相の作動流体201へ相変化する。気相の作動流体201は、受熱部141から熱輸送部110の断熱部142を介して、放熱フィン群120が、直接、接続されている熱輸送部110の放熱部143へ流通する。放熱部143へ流通した気相の作動流体201は、放熱フィン群120の熱交換作用によって液相の作動流体202に相変化して、潜熱として所定の熱量Qoutを放出する。
しかし、ヒートシンク101の環境温度が、作動流体の融点よりも低温である場合、放熱部143にて、液相の作動流体202が凍結して固相の作動流体200に相変化してしまう。放熱部143にて液相の作動流体202が凍結してしまうと、作動流体が放熱部143から受熱部141へ還流できずに、熱輸送部110がドライアウトしてしまう。また、熱輸送部110の作動流体が凍結している状態では、放熱部143に貯留している固相の作動流体202が液相の作動流体202へ相変化してから、液相の作動流体202が放熱部143から受熱部141へ還流するので、ヒートシンクやベーパーチャンバの起動に時間を要することとなる。
そこで、作動流体の凍結を防止するために、グリコール類を含有した水をヒートパイプの作動流体として用いることが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、作動流体としてグリコール類を含有した水を用いることで、純粋な水と比較して融点が低下することから、ヒートシンクやベーパーチャンバの使用環境が低温であっても、作動流体が凍結せずに放熱部から受熱部へ還流してドライアウトを防止するというものである。
しかし、特許文献1では、作動流体である水にグリコール類等の有機溶媒を混合するので、ヒートパイプの熱輸送特性が低下してしまうという問題があった。また、特許文献1では、有機溶媒がヒートパイプの内部空間に封入されているので、熱輸送特性の長期信頼性が低下するという問題があった。
特開2005-009752号公報
上記事情に鑑み、本発明は、熱輸送特性を損なうことなく、環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材のドライアウトを防止でき、また、熱輸送部材を円滑に起動できる、熱輸送部材を備えたヒートシンクを提供することを目的とする。
本発明のヒートシンクの構成の要旨は、以下の通りである。
[1]発熱体と熱的に接続される受熱部を有する熱輸送部材と、前記熱輸送部材の放熱部にて熱的に接続された、複数の放熱フィンが配置された放熱フィン群と、を備え、
前記熱輸送部材が、前記受熱部から前記放熱部まで連通し、且つ作動流体が封入された内部空間を有し、
前記熱輸送部材と前記放熱フィンとの間の接続部に、作動流体が封入された内部空間を有する熱輸送体が設けられているヒートシンク。
[2]前記熱輸送体が、前記熱輸送部材と前記放熱フィンに熱的に接続されている[1]に記載のヒートシンク。
[3]前記熱輸送体が、ヒートパイプまたはベーパーチャンバである[1]または[2]に記載のヒートシンク。
[4]前記熱輸送体が、前記接続部の全域に設けられている[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[5]前記熱輸送体が、前記熱輸送体の伸び方向中央部に曲げ部を有し、前記熱輸送体の一端が前記接続部に位置し、前記熱輸送体の他端が前記放熱フィンの先端に熱的に接続されている[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[6]前記熱輸送体が、前記受熱部、及び前記受熱部と前記放熱部の間に位置する前記熱輸送部材の断熱部に設けられていない[1]乃至[5]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[7]前記熱輸送部材の内部空間が、一体である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[8]前記熱輸送部材が、複数のヒートパイプが並列に配置されたヒートパイプ群である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[9]前記熱輸送部材の前記放熱部が、前記受熱部よりも拡幅されている[1]乃至[8]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
上記態様では、熱輸送部材のうち、冷却対象である発熱体と熱的に接続される部位が受熱部として機能し、放熱フィンと熱的に接続された部位が熱輸送部材の放熱部として機能する。放熱部には、熱輸送部材と放熱フィンとの間の接続部に、熱輸送部材とは別部材である熱輸送体が設けられている。熱輸送体は、作動流体が封入された内部空間を有する。また、熱輸送部材のうち、受熱部と放熱部の間の部位が、断熱部として機能する。熱輸送部材の受熱部では、作動流体が発熱体から受熱して液相から気相へ相変化し、熱輸送部材の放熱部では、気相の作動流体が潜熱を放出して気相から液相へ相変化する。また、上記態様では、気相の作動流体が、熱輸送部材の受熱部から、断熱部を通って放熱部まで流通し、液相の作動流体が、熱輸送部材の放熱部から、断熱部を通って受熱部まで流通する。従って、発熱体の熱は、熱輸送部材によって、熱輸送部材の受熱部から、断熱部を介して熱輸送部材の放熱部まで輸送される。
また、上記態様では、熱輸送部材の放熱部と放熱フィンとの間に熱輸送体が設けられているので、熱輸送部材の放熱部から熱輸送体を介して放熱フィンへ熱が伝えられる。
本発明のヒートシンクの態様では、熱輸送部材と放熱フィンとの間の接続部に作動流体が封入された内部空間を有する熱輸送体が設けられていることにより、環境温度が作動流体の融点より低温の時には熱輸送体の作動流体が凍結することから、熱輸送体が断熱材として機能して、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンへの伝熱が抑制される。環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温の時に、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンへの伝熱が抑制されることにより、熱輸送部材の放熱部にて、熱輸送部材の液相の作動流体が凍結して固相の作動流体に相変化することを防止する。環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材の液相の作動流体が凍結することが防止されるので、熱輸送部材の作動流体が熱輸送部材の放熱部から受熱部へ還流して、熱輸送部材のドライアウトを防止できる。また、本発明のヒートシンクの態様では、環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温の時には、熱輸送体が断熱材として機能することから、熱輸送部材の作動流体が凍結することが抑制されている。環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材の作動流体が凍結することが抑制されていることから、熱輸送部材の起動に要する時間を短縮化することができる。
また、本発明のヒートシンクの態様では、環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より高温(例えば、常温)の時には、熱輸送体の作動流体は凍結していないので、熱輸送部材の放熱部から熱輸送体を介しての放熱フィンへの伝熱が円滑化される。また、熱輸送体の熱輸送特性により、熱輸送部材の放熱部が全体にわたって均熱化されるので、放熱フィンのフィン効率が向上して、ヒートシンクは優れた冷却性能を発揮する。
上記から、本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送特性を損なうことなく、環境温度が熱輸送部材の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材のドライアウトを防止でき、また、熱輸送部材を円滑に起動できる。
本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送体が熱輸送部材と放熱フィンに熱的に接続されていることにより、環境温度が作動流体の融点より低温の時に、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンへの伝熱が確実に抑制されて、熱輸送部材の放熱部にて熱輸送部材の液相の作動流体が凍結することを確実に防止できる。
本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送体が熱輸送部材と放熱フィンとの間の接続部全域に設けられていることにより、環境温度が作動流体の融点より低温の時に、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンへの伝熱の抑制効果がさらに向上して、熱輸送部材の放熱部にて熱輸送部材の液相の作動流体が凍結することをさらに確実に防止できる。
本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送体が、熱輸送体の伸び方向中央部に曲げ部を有し、熱輸送体の一端が前記接続部に位置し、熱輸送体の他端が放熱フィンの先端に熱的に接続されていることにより、環境温度が常温の時には、熱輸送体の熱輸送特性によって、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンの先端部へも熱輸送される。従って、本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンへの熱伝達だけではなく、熱輸送部材の放熱部から放熱フィンの先端部へ熱輸送もされることで、放熱フィンのフィン効率が向上して、ヒートシンクの冷却性能がさらに向上する。
本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送部材の内部空間が一体であることにより、発熱体に発熱ムラが生じていても、発熱体全体を均一に冷却できる。
本発明のヒートシンクの態様によれば、熱輸送部材が複数のヒートパイプが並列に配置されたヒートパイプ群であることにより、熱輸送部材の熱輸送特性がさらに確実に向上する。
本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する側面断面図である。 本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する平面図である。 本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する側面断面図である。 本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する側面断面図である。 本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの熱輸送体と放熱フィン群の構造の概要を説明する分解斜視図である。 本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する斜視図である。 従来のヒートシンクの概要を説明する側面図である。
以下に、本発明の実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。先ず、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する側面断面図である。図3は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する平面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンク1は、発熱体100と熱的に接続される受熱部(蒸発部)41を有する熱輸送部材10と、熱輸送部材10と熱的に接続された放熱フィン群20と、を備えている。ヒートシンク1では、熱輸送部材10は1つである。放熱フィン群20が熱的に接続されている熱輸送部材10の部位が、放熱部(凝縮部)42である。熱輸送部材10の放熱部42にて、放熱フィン群20が熱輸送部材10と熱的に接続されている。
熱輸送部材10は、中空の空洞部を有するコンテナ19と、空洞部を流通する作動流体とを有している。空洞部内には、毛細管力を有するウィック構造体(図示せず)が収納されている。コンテナ19は、一方の板状体11と、一方の板状体11と対向する他方の板状体12と、を重ね合わせることにより形成されている。
一方の板状体11は、平面部の縁部に平面部から立設した側壁を有する板状部材である。他方の板状体12も、平面部の縁部に平面部から立設した側壁を有する板状部材である。従って、一方の板状体11と他方の板状体12は、いずれも凹形状となっている。凹形状の一方の板状体11と凹形状の他方の板状体12とを重ね合わせることにより、空洞部を有するコンテナ19が形成されている。従って、コンテナ19の形状は平面型であり、熱輸送部材10はベーパーチャンバの構成となっている。コンテナ19の内部空間である空洞部は、外部環境に対して密閉されており、脱気処理により減圧されている。
熱輸送部材10の内部空間は、受熱部41から放熱部42まで連通しており、熱輸送部材10の内部空間には、作動流体が封入されている。また、ヒートシンク1では、熱輸送部材10の内部空間は、その全体が一体となっている。
コンテナ19外面のうち、被冷却体である発熱体100が熱的に接続される部位が受熱部41であり、発熱体100がコンテナ19に熱的に接続されることで、ヒートシンク1の冷却作用により発熱体100が冷却される。熱輸送部材10では、一方端に発熱体100が熱的に接続されているので、熱輸送部材10の一方端が受熱部41となっている。また、発熱体100は、コンテナ19外面のうち、一方の板状体11に熱的に接続されている。
熱輸送部材10は、発熱体100の位置から所定方向へ延在しており、コンテナ19の一方端に対向する他方端に、放熱フィン群20が熱的に接続されている。放熱フィン群20が熱的に接続されている熱輸送部材10の他方端が、熱輸送部材10の放熱部42として機能する。
熱輸送部材10の放熱部42は、受熱部41よりも拡幅されている。ヒートシンク1では、熱輸送部材10の放熱部42は、熱輸送部材10の平面方向に沿って、熱輸送部材10の熱輸送方向Hに対して略直交方向(幅方向W)に延在している。また、熱輸送部材10の放熱部42は、2方向に延在している。ヒートシンク1では、放熱部42の延在方向が熱輸送部材10の熱輸送方向Hと平行ではないので、熱輸送部材10から輸送された熱は、放熱部42によって、熱輸送部材10の延在方向とは異なる方向へ拡散される。従って、熱輸送部材10の熱輸送方向Hにおけるヒートシンク1の寸法の増大を防止することができるので、ヒートシンク1の省スペース化を図ることができる。また、熱輸送部材10の放熱部42は、受熱部41よりも拡幅されているので、放熱フィン群20を構成する放熱フィン21の設置枚数を増大させることができる。
熱輸送部材10では、コンテナ19の一方端に位置する受熱部41とコンテナ19の他方端に位置する放熱部42との間に位置する、熱輸送方向Hの中間部が、断熱部43として機能する。熱輸送部材10の断熱部43は、放熱フィン群20も発熱体100も熱的に接続されていない部位であり、熱輸送部材10への積極的な入熱及び熱輸送部材10からの積極的な放熱が行われない部位である。発熱体100から受熱部41へ伝達された熱は、熱輸送部材10の延在方向に沿って、受熱部41から断熱部43を介して放熱部42へ輸送される。
ヒートシンク1では、断熱部43の幅方向Wの寸法は、受熱部41の幅方向Wの寸法と略同じとなっている。また、熱輸送部材10では、受熱部41、断熱部43及び放熱部42は、同一平面上に沿って延在している。
ヒートシンク1では、放熱フィン群20は、放熱部42の外面に立設された複数の放熱フィン21、21、21・・・で形成されている。上記から、熱輸送部材10の放熱部42に、複数の放熱フィン21、21、21・・・が配置された放熱フィン群20が熱的に接続されている。放熱フィン21は、その主表面が熱輸送部材10の熱輸送方向Hに対して略平行方向となるように、放熱部42の外面に取り付けられている。複数の放熱フィン21、21、21・・・が、熱輸送部材10の熱輸送方向Hに対して略直交方向に延在する放熱部42に沿って所定間隔にて並列配置されて、放熱フィン群20が形成されている。放熱フィン群20を形成している複数の放熱フィン21、21、21・・・の高さは、いずれも略同じとなっている。
放熱フィン群20は、コンテナ19の一方の板状体11と他方の板状体12に、それぞれ、設けられている。上記から、熱輸送部材10の熱輸送方向Hの他方端では、放熱フィン21は、コンテナ19の両面(すなわち、一方の板状体11と他方の板状体12)に分割された態様で、コンテナ19に熱的に接続されている。
図1~3に示すように、ヒートシンク1では、熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間の接続部31に、熱輸送体30が設けられている。熱輸送体30は、作動流体が封入された内部空間を有している部材である。熱輸送体30の内部空間は、脱気処理により減圧されている。上記内部構造から、熱輸送体30は、熱輸送機能を備えた部材である。また、熱輸送体30は、熱輸送部材10とは別部材であり、熱輸送体30の内部空間は、熱輸送部材10の内部空間とは連通していない。
熱輸送体30は、熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間に介装されている。また、熱輸送体30は、熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)に接しており、熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)に熱的に接続されている。熱輸送体30と接している放熱フィン21の基部には、熱輸送体30の位置に対応する部位に、熱輸送体30の横断面の形状と大きさに対応した切り欠き部22が設けられている。熱輸送体30は、切り欠き部22とコンテナ19の外面に囲まれた空間部に挿入されている。放熱フィン21に切り欠き部22が設けられていることにより、熱輸送体30と放熱フィン21(放熱フィン群20)との熱的接続性及び熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)との熱的接続性が向上する。
熱輸送体30は、熱輸送部材10の外面に沿って、熱輸送部材10の外面に接した状態で延在している。ヒートシンク1では、熱輸送体30は、受熱部41よりも拡幅されている放熱部42の平面方向に沿って、熱輸送部材10の熱輸送方向Hに対して略直交方向(幅方向W)に延在している。熱輸送体30は、放熱部42の幅方向Wの一端51から他端52にわたって、直線状に延在している。熱輸送体30の一端33は、放熱部42の幅方向Wの一端51に位置し、熱輸送体30の他端34は、放熱部42の幅方向Wの他端52に位置している。
また、熱輸送体30は、熱輸送部材10の熱輸送方向Hにおける放熱部42の一部領域に設けられている。ヒートシンク1では、熱輸送体30は、熱輸送方向Hにおける放熱部42の中央部に設けられ、熱輸送方向Hにおける放熱部42の両端部には、熱輸送体30は設けられていない。上記から、切り欠き部22は、放熱フィン21基部の中央部に設けられ、放熱フィン21基部の両端部には、切り欠き部22は設けられていない。従って、放熱フィン21基部の中央部では、放熱フィン21が熱輸送体30に接し、放熱フィン21基部の両端部では、放熱フィン21がコンテナ19に接している。
また、熱輸送体30は、コンテナ19の一方の板状体11の外面と他方の板状体12の外面に、それぞれ、設けられている。ヒートシンク1では、一方の板状体11の外面に設けられている熱輸送体30と他方の板状体12の外面に設けられている熱輸送体30は、コンテナ19を挟んで平面視重なり合う部位に設けられている。
ヒートシンク1では、熱輸送体30はヒートパイプ32である。ヒートパイプ32の形状は、管状体となっている。また、ヒートパイプ32の長手方向の形状は、直線状となっている。ヒートパイプ32の内部空間は、外部環境に対して密閉されており、脱気処理により減圧されている。ヒートパイプ32は、その長手方向に沿って熱を輸送する熱輸送体30である。
図1~3に示すように、熱輸送体30は、複数のヒートパイプ32、32、32・・・で構成されている。図1~3では、説明の便宜上、一方の板状体11の外面と他方の板状体12の外面に、それぞれ、2つのヒートパイプ32が設けられている。複数のヒートパイプ32、32、32・・・は、熱輸送部材10の熱輸送方向Hに沿って並列に配置されている。
熱輸送部材10の受熱部41、受熱部41と放熱部42の間に位置する熱輸送部材10の断熱部43には、熱輸送体30は設けられていない。熱輸送体30は熱輸送部材10の放熱部42にのみ設けられ、断熱部43及び受熱部41までは延在していない。
ヒートシンク1では、発熱体100の熱は、受熱部41から、断熱部43を介して、放熱フィン群20が熱的に接続された放熱部42へ輸送される。放熱部42へ輸送された熱は、コンテナ19から熱輸送体30であるヒートパイプ32を介して放熱フィン21へ伝達、またはコンテナ19から直接放熱フィン21へ伝達される。放熱フィン21へ伝達された熱は、放熱フィン21の熱交換作用によりヒートシンク1の外部環境へ放出される。
コンテナ19の内部には、毛細管力を生じるウィック構造体(図示せず)が設けられている。ウィック構造体は、例えば、コンテナ19の内面全体にわたって設けられている。ウィック構造体の毛細管力によって、熱輸送部材10の放熱部42にて気相から液相へ相変化した作動流体が、熱輸送部材10の放熱部42から断熱部43を介して受熱部41へ還流する。
ウィック構造体の種類としては、特に限定されないが、例えば、銅粉等の金属粉の焼結体、金属線からなる金属メッシュ、不織布、コンテナ19の内面に形成されたグルーブ(複数の細溝)等、またはそれらを組み合わせたものを挙げることができる。
気相の作動流体は、蒸気流路(図示せず)によってコンテナ19の内部を流通することができる。蒸気流路は、コンテナ19の内部空間であり、コンテナ19全体にわたって延在している。従って、気相の作動流体は、コンテナ19全体にわたって流通可能となっている。また、蒸気流路には、必要に応じて、コンテナ19の減圧処理されている内部空間を維持するために、支持部であるピラー(図示せず)を設けてもよい。ピラーとしては、特に限定されないが、液相の作動流体が還流するときの流路抵抗を低減するために、例えば、柱形状の金属部材(例えば、銅部材)の周囲にウィック構造体が被覆された複合材のピラー、柱形状である銅粉等の金属粉の焼結体等を挙げることができる。
コンテナ19の材質としては、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、スズ、スズ合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金等を挙げることができる。放熱フィン21の材質としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料を挙げることができる。
コンテナ19の内部空間に封入される作動流体としては、コンテナ19の材質との適合性に応じて、適宜選択可能であり、例えば、水を挙げることができる。
ヒートパイプ32のコンテナの材質としては、熱輸送部材10のコンテナ19と同じく、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、スズ、スズ合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金等を挙げることができる。ヒートパイプ32のコンテナの内部空間に封入される作動流体としては、コンテナの材質との適合性に応じて、適宜選択可能であり、例えば、熱輸送部材10と同じく、水を挙げることができる。すなわち、熱輸送体30の作動流体の種類は、熱輸送部材10の作動流体と同じ種類とすることができる。
また、ヒートシンク1は、必要に応じて、送風ファン(図示せず)により強制空冷されてもよい。送風ファンからの冷却風が、放熱フィン21の主表面に沿って供給されることで、放熱フィン群20の冷却機能が向上する。
次に、ヒートシンク1の冷却機能のメカニズムについて説明する。まず、熱輸送部材10のコンテナ19の一方端に被冷却体である発熱体100を熱的に接続する。熱輸送部材10がコンテナ19の一方端に位置する受熱部41にて発熱体100から受熱すると、熱輸送部材10の受熱部41において、発熱体100からコンテナ19の内部空間に封入されている液相の作動流体へ熱が伝達されて、液相の作動流体が気相の作動流体へと相変化する。液相から相変化した気相の作動流体は、蒸気流路を、熱輸送部材10の受熱部41から、熱輸送部材10の中央部に位置する断熱部43を通って、コンテナ19の他方端に位置する放熱部42へ流通する。気相の作動流体がコンテナ19の一方端に位置する受熱部41から断熱部43を通ってコンテナ19の他方端に位置する放熱部42へ流通することで、発熱体100からの熱が熱輸送部材10の一方端から他方端へ輸送される。熱輸送部材10の一方端から他方端へ流通した気相の作動流体は、熱輸送部材10の放熱部42に熱的に接続されている放熱フィン群20の熱交換作用によって潜熱を放出して、気相から液相へ相変化する。作動流体から放出された潜熱は、熱輸送部材10のコンテナ19から放熱フィン群20へ伝達される。コンテナ19から放熱フィン群20へ伝達された熱は、放熱フィン群20からヒートシンク1の外部環境へ放出される。潜熱を放出して気相から液相へ相変化した作動流体は、コンテナ19内部に設けられたウィック構造体の毛細管力により、熱輸送部材10の放熱部42から断熱部43を通って受熱部41へ還流する。
本発明の第1実施形態例に係るヒートシンク1では、熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間の接続部31に、作動流体が封入された内部空間を有する熱輸送体30であるヒートパイプ32が、別途、設けられていることにより、ヒートシンク1の環境温度が作動流体の融点より低温の時には、ヒートパイプ32の作動流体が凍結する。従って、作動流体が凍結したヒートパイプ32は断熱材として機能し、結果、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱が抑制される。ヒートシンク1の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温の時に、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱がヒートパイプ32によって抑制されることにより、熱輸送部材10の放熱部42にて、熱輸送部材10の液相の作動流体が凍結して固相の作動流体へ相変化することを防止する。このように、ヒートシンク1の環境温度が作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材10の液相の作動流体が凍結することが防止されるので、熱輸送部材10の作動流体が熱輸送部材10の放熱部42から受熱部41へ還流して、熱輸送部材10のドライアウトを防止できる。また、ヒートシンク1では、ヒートシンク1の環境温度が作動流体の融点より低温の時には、ヒートパイプ32が断熱材として機能することから、熱輸送部材10の作動流体が凍結することが抑制されている。このように、ヒートシンク1の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材10の作動流体が凍結することが抑制されていることから、熱輸送部材10の起動に要する時間を短縮化することができる。
また、ヒートシンク1の態様では、ヒートシンク1の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より高温(例えば、常温)の時には、ヒートパイプ32の作動流体は凍結していないので、熱輸送部材10の放熱部42からヒートパイプ32を介しての放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱が円滑化される。また、ヒートパイプ32の熱輸送特性により、熱輸送部材10の放熱部42が全体にわたって均熱化されるので、放熱フィン21(放熱フィン群20)のフィン効率が向上して、ヒートシンク1は優れた冷却性能を発揮する。
上記から、ヒートシンク1の態様によれば、熱輸送部材10の熱輸送特性を損なうことなく、ヒートシンク1の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材10のドライアウトを防止でき、また、熱輸送部材10を円滑に起動できる。
また、ヒートシンク1の態様によれば、熱輸送体30であるヒートパイプ32が熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)に熱的に接続されていることにより、ヒートシンク1の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温の時に、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱が確実に抑制されて、熱輸送部材10の放熱部42にて熱輸送部材10の液相の作動流体が凍結することを確実に防止できる。また、ヒートシンク1の態様によれば、放熱フィン21基部の両端部では、放熱フィン21がコンテナ19に接しているので、ヒートシンク1の環境温度が常温時においては、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱性がさらに向上する。
また、ヒートシンク1の態様によれば、熱輸送部材10の内部空間が一体であることにより、発熱体100に発熱ムラが生じていても、発熱体100全体を均一に冷却できる。
次に、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクについて詳細を説明する。第2実施形態例に係るヒートシンクは、第1実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素が共通しているので、第1実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。図4は、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する側面断面図である。
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、熱輸送体30であるヒートパイプ32が接続部31の一部領域に設けられていたが、図4に示すように、第2実施形態例に係るヒートシンク2では、熱輸送体30であるヒートパイプ32が接続部31の全域に設けられている。
図4に示すように、ヒートシンク2では、ヒートパイプ32は、熱輸送方向Hにおける放熱部42の中央部と両端部に設けられている。上記から、ヒートシンク2では、熱輸送体30は、ヒートシンク1よりも多い複数のヒートパイプ32、32、32・・・で構成されている。図4では、説明の便宜上、一方の板状体11の外面と他方の板状体12の外面に、それぞれ、4つのヒートパイプ32が設けられている。複数のヒートパイプ32、32、32・・・は、熱輸送部材10の熱輸送方向Hに沿って並列に配置されている。上記から、切り欠き部22は、放熱フィン21基部の中央部と両端部に設けられている。従って、放熱フィン21基部の中央部と両端部で、放熱フィン21がヒートパイプ32に接している。
なお、ヒートシンク2でも、ヒートパイプ32の長手方向の形状は直線状であり、熱輸送体30であるヒートパイプ32は、放熱部42の幅方向の一端から他端にわたって、直線状に延在している。ヒートパイプ32の一端は、放熱部42の幅方向の一端に位置し、ヒートパイプ32の他端は、放熱部42の幅方向の他端に位置している。
ヒートシンク2の態様によれば、熱輸送体30が熱輸送部材10と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間の接続部31全域に設けられていることにより、ヒートシンク2の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温の時に、熱輸送体30の断熱材としての機能がさらに向上する。従って、ヒートシンク2の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温の時に、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱抑制の効果がさらに向上して、熱輸送部材10の放熱部42にて熱輸送部材10の液相の作動流体が凍結することをさらに確実に防止できる。
次に、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクについて詳細を説明する。第3実施形態例に係るヒートシンクは、第1、第2実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素が共通しているので、第1、第2実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。図5は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する側面断面図である。図6は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの熱輸送体と放熱フィン群の構造を説明する分解斜視図である。
第1、第2実施形態例に係るヒートシンク1、2では、熱輸送体30であるヒートパイプ32の長手方向の形状は直線状であったが、図5、6に示すように、第3実施形態例に係るヒートシンク3では、ヒートパイプ32の一端33が接続部31に位置し、ヒートパイプ32の他端34が放熱フィン21の先端上に位置している。熱輸送体30であるヒートパイプ32は、その長手方向中央部に曲げ部35を有し、その長手方向の両端部(一端33と他端34)が直線状となっている。ヒートシンク3では、ヒートパイプ32は、U字状となっている。
熱輸送体30であるヒートパイプ32は、ヒートパイプ32の長手方向(伸び方向)中央部に曲げ部35を有し、ヒートパイプ32の直線状である一端33が接続部31に位置して放熱フィン21基部と熱輸送部材10に熱的に接続され、ヒートパイプ32の直線状である他端34が放熱フィン21の先端に熱的に接続されている。ヒートパイプ32の一端33と他端34は、複数の放熱フィン21、21、21・・・の配列方向に沿って延在し、放熱フィン群20の長手方向全体にわたって放熱フィン群20と熱的に接続されている。
ヒートシンク3では、ヒートシンク3の環境温度が常温の時には、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)基部への伝熱だけではなく、熱輸送体30であるヒートパイプ32の熱輸送特性によって、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)の先端へ熱輸送もされる。ヒートシンク3では、熱輸送部材10の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)の先端へ熱輸送もされることで、放熱フィン21(放熱フィン群20)のフィン効率が向上して、ヒートシンク3の冷却性能がさらに向上する。
次に、本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクについて詳細を説明する。第4実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第3実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素が共通しているので、第1~第3実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。図7は、本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクの概要を説明する斜視図である。
第1~第3実施形態例に係るヒートシンク1、2、3では、熱輸送部材10は、コンテナ19の形状が平面型であり、コンテナ19の内部空間全体が一体となっているベーパーチャンバであったが、図7に示すように、第4実施形態例に係るヒートシンク4では、熱輸送部材10は、複数のヒートパイプ61、61、61・・・が並列に配置されたヒートパイプ群60となっている。また、第1~第3実施形態例に係るヒートシンク1、2、3では、熱輸送体30は複数のヒートパイプ32、32、32・・・であったが、図7に示すように、第4実施形態例に係るヒートシンク4では、熱輸送体30は、コンテナの形状が平面型であり、コンテナの内部空間全体が一体となっているベーパーチャンバ62となっている。ベーパーチャンバ62は、1つ設けられている。
図7に示すように、ヒートシンク4では、熱輸送部材10は、複数のヒートパイプ61、61、61・・・が並列に配置されたヒートパイプ群60の構成なので、熱輸送部材10としての内部空間は複数に分割された構成となっている。ヒートパイプ61は、径方向と長手方向を有する管状体である。ヒートパイプ61は、作動流体が封入された内部空間を有している部材であり、ヒートパイプ61の内部空間は、脱気処理により減圧されている。上記内部構造から、ヒートパイプ61は、熱輸送機能を備えた部材である。
熱輸送部材10であるヒートパイプ群60の受熱部41と断熱部43では、複数のヒートパイプ61、61、61・・・がヒートパイプ61の径方向に沿って並列に配置されている。一方で、熱輸送部材10の放熱部42は受熱部41及び断熱部43よりも拡幅されていることに対応して、熱輸送部材10であるヒートパイプ群60の放熱部42では、ヒートパイプ61がL字状に曲げられている。ヒートパイプ群60の左側に位置するヒートパイプ61は、放熱部42にて左方向へ曲げられて放熱部42を左方向へ延在している。ヒートパイプ群60の右側に位置するヒートパイプ61は、放熱部42にて右方向へ曲げられて放熱部42を右方向へ延在している。
図7に示すように、ヒートシンク4では、ヒートパイプ群60と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間の接続部に、熱輸送体30であるベーパーチャンバ62が設けられている。すなわち、ベーパーチャンバ62は、ヒートパイプ群60と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間に介装されている。ベーパーチャンバ62の形状は、板状である。ベーパーチャンバ62は、ヒートパイプ群60と放熱フィン群20との間を、放熱フィン群20の略全体にわたって面状に延在している。
また、ベーパーチャンバ62は、作動流体が封入された内部空間を有している部材である。ベーパーチャンバ62の内部空間は、脱気処理により減圧されている。上記内部構造から、ベーパーチャンバ62も、熱輸送機能を備えた部材である。また、ベーパーチャンバ62は、熱輸送部材10であるヒートパイプ群60とは別部材であり、ベーパーチャンバ62の内部空間は、ヒートパイプ群60の内部空間とは連通していない。
ヒートシンク4では、ヒートパイプ群60と放熱フィン21(放熱フィン群20)との間の接続部に、面状に延在したベーパーチャンバ62が、別途、設けられていることにより、ヒートシンク4の環境温度が作動流体の融点より低温の時には、ベーパーチャンバ62の作動流体が凍結する。従って、作動流体が凍結したベーパーチャンバ62は断熱材として機能し、結果、ヒートパイプ群60の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱が抑制される。ヒートシンク4の環境温度がヒートパイプ群60の作動流体の融点より低温の時に、ヒートパイプ群60の放熱部42から放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱がベーパーチャンバ62によって抑制されることにより、ヒートパイプ群60の放熱部42にて、ヒートパイプ群60の液相の作動流体が凍結して固相の作動流体へ相変化することを防止する。このように、ヒートシンク4の環境温度がヒートパイプ群60の作動流体の融点より低温であっても、ヒートパイプ群60の液相の作動流体が凍結することが防止されるので、ヒートパイプ群60の作動流体がヒートパイプ群60の放熱部42から受熱部41へ還流して、ヒートパイプ群60のドライアウトを防止できる。また、ヒートシンク4では、ヒートシンク4の環境温度がヒートパイプ群60の作動流体の融点より低温の時には、面状に延在したベーパーチャンバ62が断熱材として機能することから、ヒートパイプ群60の作動流体が凍結することが抑制されている。このように、ヒートシンク4の環境温度がヒートパイプ群60の作動流体の融点より低温であっても、ヒートパイプ群60の作動流体が凍結することが抑制されていることから、ヒートパイプ群60の起動に要する時間を短縮化することができる。
また、ヒートシンク4の態様では、ヒートシンク4の環境温度がヒートパイプ群60の作動流体の融点より高温(例えば、常温)の時には、ベーパーチャンバ62の作動流体は凍結していないので、ヒートパイプ群60の放熱部42からベーパーチャンバ62を介しての放熱フィン21(放熱フィン群20)への伝熱が円滑化される。また、ベーパーチャンバ62の熱輸送特性により、ヒートパイプ群60の放熱部42が全体にわたって均熱化されるので、放熱フィン21(放熱フィン群20)のフィン効率が向上して、ヒートシンク4は優れた冷却性能を発揮する。
上記から、ヒートシンク4でも、熱輸送部材10の熱輸送特性を損なうことなく、ヒートシンク4の環境温度が熱輸送部材10の作動流体の融点より低温であっても、熱輸送部材10のドライアウトを防止でき、また、熱輸送部材10を円滑に起動できる。また、ヒートシンク4では、熱輸送部材10が複数のヒートパイプ61、61、61・・・が並列に配置されたヒートパイプ群60であることにより、熱輸送部材10としての熱輸送特性がさらに確実に向上する。
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例のヒートシンクでは、コンテナの両面に放熱フィンが立設されていたが、コンテナのいずれか一方の面にのみ放熱フィンが立設されている態様でもよい。また、上記第1~第3実施形態例のヒートシンクでは、熱輸送体は管状体である複数のヒートパイプであったが、これに代えて、平面型であるベーパーチャンバを1つ設けてもよい。また、上記第4実施形態例のヒートシンクでは、熱輸送体として平面型であるベーパーチャンバを1つ設けていたが、これに代えて、管状体である複数のヒートパイプを設けてもよい。
本発明のヒートシンクは、使用環境温度が作動流体の融点よりも低温であってもドライアウトを防止することができるので、特に、低温環境下に設置された電子部品等の発熱体を冷却する分野で利用価値が高い。
1、2、3、4 ヒートシンク
10 熱輸送部材
20 放熱フィン群
21 放熱フィン
30 熱輸送体
31 接続部
41 受熱部
42 放熱部
43 断熱部

Claims (9)

  1. 発熱体と熱的に接続される受熱部を有する熱輸送部材と、前記熱輸送部材の放熱部にて熱的に接続された、複数の放熱フィンが配置された放熱フィン群と、を備え、
    前記熱輸送部材が、前記受熱部から前記放熱部まで連通し、且つ作動流体が封入された内部空間を有し、
    前記熱輸送部材と前記放熱フィンとの間の接続部に、作動流体が封入された内部空間を有する熱輸送体が設けられているヒートシンク。
  2. 前記熱輸送体が、前記熱輸送部材と前記放熱フィンに熱的に接続されている請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記熱輸送体が、ヒートパイプまたはベーパーチャンバである請求項1または2に記載のヒートシンク。
  4. 前記熱輸送体が、前記接続部の全域に設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  5. 前記熱輸送体が、前記熱輸送体の伸び方向中央部に曲げ部を有し、前記熱輸送体の一端が前記接続部に位置し、前記熱輸送体の他端が前記放熱フィンの先端に熱的に接続されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  6. 前記熱輸送体が、前記受熱部、及び前記受熱部と前記放熱部の間に位置する前記熱輸送部材の断熱部に設けられていない請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  7. 前記熱輸送部材の内部空間が、一体である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  8. 前記熱輸送部材が、複数のヒートパイプが並列に配置されたヒートパイプ群である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  9. 前記熱輸送部材の前記放熱部が、前記受熱部よりも拡幅されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載のヒートシンク。
JP2022054632A 2022-03-29 2022-03-29 ヒートシンク Pending JP2023147079A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022054632A JP2023147079A (ja) 2022-03-29 2022-03-29 ヒートシンク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022054632A JP2023147079A (ja) 2022-03-29 2022-03-29 ヒートシンク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023147079A true JP2023147079A (ja) 2023-10-12

Family

ID=88286495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022054632A Pending JP2023147079A (ja) 2022-03-29 2022-03-29 ヒートシンク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023147079A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7621316B2 (en) Heat sink with heat pipes and method for manufacturing the same
US7191820B2 (en) Phase-change heat reservoir device for transient thermal management
US20060181848A1 (en) Heat sink and heat sink assembly
JP6647439B1 (ja) ヒートシンク
JP6697112B1 (ja) ヒートシンク
WO1999034438A1 (fr) Puits de chaleur
WO2020110972A1 (ja) ヒートシンク
JP2007115917A (ja) 熱分散プレート
TWI722690B (zh) 散熱裝置
JP2007263427A (ja) ループ型ヒートパイプ
JP2008311399A (ja) ヒートシンク
US10578368B2 (en) Two-phase fluid heat transfer structure
JP2006202798A (ja) ヒートシンク
US10760855B2 (en) Heat sink
JP2023147079A (ja) ヒートシンク
WO2023189070A1 (ja) ヒートシンク
US11369042B2 (en) Heat exchanger with integrated two-phase heat spreader
JP7444704B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却デバイス
JP2008218513A (ja) 冷却装置
KR100512568B1 (ko) 써멀싸이폰형 히트싱크
JP2008244320A (ja) 冷却装置
JP7129577B1 (ja) 熱輸送装置
JP7340709B1 (ja) ヒートシンク
WO2017082127A1 (ja) 電子機器の冷却装置
JP2022157122A (ja) ベーパーチャンバ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240807