JP2023139588A - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Tomoyuki Nagasaki
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【課題】型に対する樹脂の流出入口としての継口部の真空漏れを抑制することができる樹脂成形品の製造方法を提供する。【解決手段】設置工程では、弾性シート131として、貫通孔132を有するものを用いる。上型130として、弾性シート131とは異なる硬度であってシリコン製の継口部134を有するものを用いる。継口部134として、樹脂が通過する内部通路135aを有する管部135と、管部135のうちの一端部137の側の外壁が突出した突起部136と、を有するものを用いる。管部135の他端部138の側が貫通孔132に差し込まれることにより突起部136が貫通孔132を構成する縁部139に引っ掛かると共に、縁部139が管部135のうちの一端部137の側の外壁に接触した状態になる。【選択図】図5

Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法に関する。
従来、ガラス繊維で形成されたガラスマットを下型と上型との間に配置して下型と上型とを組み付け、下型と上型との間を真空引きしながらガラスマットに樹脂を注入し、硬化成形する方法が、例えば特許文献1で提案されている。
特開2021-54034号公報
ここで、上型として弾性変形可能な弾性シートを用いる工法が知られている。この工法では、真空引きによって上型を下型の形状に弾性変形させた状態で樹脂成形を行う。また、弾性シートに設けられた継口部を介して、型の内部に対して樹脂の流出入を行う。
通常、継口部は、複数の筒状金属部品が組み合わされて構成される。最も外側の筒状金属部品は、弾性シートに埋め込まれる。また、複数の筒状金属部品の間にはOリングが配置される。
しかし、真空引きしながら型に樹脂注入する際、Oリングによる気密性だけでは真空漏れを回避することは難しい。また、継口部で真空漏れが起こると、樹脂が内側の筒状金属部品と外側の筒状金属部品との隙間に漏れてしまう。このため、Oリングの交換や継口部の清掃が頻繁に必要になってしまう。
本発明は上記点に鑑み、型に対する樹脂の流出入口としての継口部の真空漏れを抑制することができる樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、下型(110)と弾性変形可能なシリコン製の弾性シート(131)で構成された上型(130)との間に、ガラス繊維で形成されたガラスマット(200)を設置する設置工程を含む。また、下型と上型との間を真空引きしながらガラスマットに樹脂を注入し、樹脂を硬化させる成形工程を含む。
設置工程では、弾性シートとして、貫通孔(132)を有するものを用いる。上型として、弾性シートとは異なる硬度であってシリコン製の継口部(134)を有するものを用いる。継口部として、樹脂が通過する内部通路(135a)を有する管部(135)と、管部のうちの一端部(137)の側の外壁が突出した突起部(136)と、を有するものを用いる。
また、設置工程では、管部の他端部(138)の側が貫通孔に差し込まれることにより突起部が貫通孔を構成する縁部(139)に引っ掛かると共に、縁部が管部のうちの一端部の側の外壁に接触した状態になっている。さらに、設置工程では、継口部のうちの突起部の側をガラスマットの側に向けた状態で、上型を下型に固定する。
成形工程では、真空引きの際、弾性シートの縁部が管部のうちの一端部の側の外壁に密着する。
これによると、硬度が異なるシリコン同士である弾性シートと継口部とを密着させているので、真空引きの際にシリコン同士が高密着する。したがって、継口部の真空漏れを抑制することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
一実施形態に係る成形型の分解斜視図である。 図1に示された成形型の正面図である。 図1に示された成形型の一側面図である。 上型の平面図である。 図4のV-V断面図である。 上入れ子と下入れ子とでガラスマットを挟んだ状態を示した側面図である。 図4のVII-VII断面図である。 図4のVIII-VIII断面図である。 型締め部の比較例を示した断面図である。 型締め部の比較例を示した断面図である。 型締め部の比較例を示した断面図である。 型締め部の比較例を示した断面図である。 脱型後の樹脂成形品の一部及びランナーの一部を示した断面図である。 成形型の変形例を示した断面図である。
以下、一実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法は、成形型の内部を真空引きしながら成形型の内部に樹脂を流し込み、樹脂を硬化させた後、樹脂成形品を脱型する工程に適用することができる。本実施形態では、成形型の一部として弾性変形可能な樹脂製のシートを用いるシリコンバック工法を採用する。
本実施形態に係る製造方法により、例えば、車載用部品、車両用部品、医療機器、船舶、スポーツ用品、風力発電の羽部、浄水槽、バスタブ、鉄道車両等に用いられる樹脂成形品を製造することができる。以下では、車載用部品として、冷凍装置を収容するためのフレームを製造する。
樹脂成形品の製造方法は、設置工程と成形工程とを含む。設置工程は、図1~図8に示された成形型100のうちの下型110と上型130との間に、ガラス繊維で形成されたシート状のガラスマット200を設置する工程である。ガラスマット200は、樹脂成形品の基材となる材料である。設置工程は、樹脂成形の前段階の工程であり、準備工程である。
成形工程は、設置工程の後、下型110と上型130との間を真空引きしながら、上型130を下型110の形状に沿って弾性変形させた状態で、ガラスマット200に樹脂を注入し、樹脂を硬化させる工程である。
次に、各工程の内容及び各工程で使用される装置について説明する。まず、設置工程では、成形型100及びガラスマット200を準備すると共に、成形型100にガラスマット200を固定する固定工程を行う。
固定工程では、成形型100として、図1~図3に示された下型110、上型130、下入れ子150、及び上入れ子170を用意する。なお、下型110、上型130、下入れ子150、及び上入れ子170はそれぞれ単独の構成でも良いし、例えば下型110は下入れ子150を有するものとしても良い。
下型110は、繊維強化プラスチック(FRP)、熱硬化性樹脂、ゴム等の樹脂や金属等の材料で構成されている。下型110は、樹脂成形品の外形が予め形成された型部111を有する。
図4に示された上型130は、弾性変形可能なシリコン製の弾性シート131で構成されている。図1~図3に示されるように、上型130は、予め下型110の形状に沿った形状に形成されている。すなわち、上型130は、下型110の型部111の形状に対応する部分を有する。
図4に示されるように、上型130を構成する弾性シート131は、樹脂の注入及び真空引きを行うために複数の貫通孔132を有する。本実施形態では、例えば、弾性シート131のうちの外縁部133に樹脂注入用の2つの貫通孔132が設けられる。また、弾性シート131のうちの下型110の型部111に対応する位置に真空引き用の3つの貫通孔132が設けられる。なお、貫通孔132の数や位置は樹脂成形品の種類等に応じて適宜設定される。
上型130は、各貫通孔132に設けられた継口部134を有する。継口部134は、弾性シート131とは異なる硬度のシリコン製のものである。継口部134は、真空引きの際に真空圧に耐えられると共に形状を維持でき、さらに表面を平滑に加工しやすい硬度のものである。継口部134のショア硬度は、例えば40~70である。
弾性シート131として、継口部134よりも軟質の材料によって形成されているものを用いる。弾性シート131のショア硬度は、例えば10以上である。また、弾性シート131は、樹脂成形品に引っ付かず、耐溶剤性及び耐熱性を有するものである。
図5に示されるように、継口部134は、管部135及び突起部136を有する。管部135は、真空引きされた空気や樹脂が通過する内部通路135aを有する。内部通路135aは管部135の中空部分である。管部135は、例えば中空円筒状である。なお、管部135は、内部通路135aを有する筒状であれば良く、中空円筒状に限られない。
突起部136は、管部135のうちの一端部137の側の外壁が突出したフランジ状の部分である。なお、突起部136の断面形状は四角形状に限られず、三角形や台形の形状でも構わない。また、突起部136は、管部135の一端部137の側の端面と面一に配置されていても良いし、管部135の一端部137との側の端面と他端部138の側の端面との間の位置に配置されていても良い。
そして、管部135のうちの他端部138の側が貫通孔132に差し込まれることにより、突起部136が貫通孔132を構成する縁部139に引っ掛かる。縁部139は予め突起部136が嵌まる形状に形成されていても良い。管部135の他端部138は、貫通孔132から外側に露出した状態となる。
また、縁部139が管部135のうちの一端部137の側の外壁に接触した状態になっている。管部135のうちの一端部137の側と、弾性シート131の縁部139と、は接触しているだけであり、接着材等で固定されていない。
管部135の突起部136は、継口部134が貫通孔132から抜け出てしまうことを防止するために設けられている。突起部136は、管部135の一端部137にリング状に設けられていても良いし、管部135の一端部137に断続的に設けられていても良い。弾性シート131と継口部134との接触面積を大きくするために、管部135の外周面のうちの縁部139と接触する面に突起物が設けられていても構わない。
継口部134の他端部138には、例えばポリプロプレン(PP)で構成された継手部140が接続されている。つまり、継手部140は、管部135の内部通路135aに差し込まれている。継手部140のうちの継口部134の側とは反対側にはホース141が接続されている。ホース141は、当該ホース141が接続される継口部134が樹脂注入用の場合には図示しない樹脂供給機に接続され、当該ホース141が接続される継口部134が真空引き用の場合には図示しない真空ポンプに接続されている。
さらに、図4に示されるように、上型130は、型締め部142を有する。型締め部142は、樹脂成形とは別の真空引きによって上型130を下型110に固定するための部分である。型締め部142は、弾性シート131の外縁部133に一周連続して設けられている。
下入れ子150及び上入れ子170は、下型110と上型130との間に配置されると共に、ガラスマット200の外縁部210を挟んで固定するための部品である。下入れ子150及び上入れ子170として、上型130及び下型110に対して硬質のものを用いる。下入れ子150及び上入れ子170は、例えばロックウェル硬さがR25以上である。
このように、下入れ子150及び上入れ子170として硬質のものを用いることで、樹脂成形品のうちの下入れ子150と上入れ子170とに挟まれた部分に平滑化した面を形成することができる。したがって、面精度が要求される樹脂成形品の外縁部の面精度を確保することができる。
また、下入れ子150及び上入れ子170として、ポリアセタール(POM)で形成されたものを用いる。これにより、樹脂成型後、上入れ子170及び下入れ子150が樹脂成形品に貼り付かない、すなわち引っ付かない。また、耐溶剤性があり、加工性が高いというメリットがある。
なお、下入れ子150及び上入れ子170は、ポリエチレン(PE)、ポリプロプレン、フッ素樹脂等の他の材料によって形成されたものでも良い。
図1に示されるように、下入れ子150は、リング状の一部が欠けた形状である。一方、上入れ子170は、リング状の形状である。下入れ子150及び上入れ子170は、ガラスマット200の外縁部210の一部を挟むことができれば良く、リング状である必要はない。
下入れ子150及び上入れ子170は、複数に分割された部品が組み合わされて構成されていても良い。さらに、下入れ子150及び上入れ子170は、複数の部品が断続的に配置されるものでも構わない。下入れ子150及び上入れ子170が複数に分割された部品で構成されることで作業性を向上させることが可能である。
下入れ子150は、下型110に設けられた図示しないテーパーピンや位置決めピンに嵌め込まれる。これにより、下入れ子150は下型110に対して位置決めされる。下型110に対する下入れ子150の位置決めは、下入れ子150及び下型110の嵌め込み形状による方法や、シャフト以外の部品を用いる方法を採用しても構わない。
また、固定工程では、図6に示されるように、下入れ子150と上入れ子170とでガラスマット200を挟む。このとき、上入れ子170の側面171と下入れ子150の側面151とが同一面に位置する形状の下入れ子150と上入れ子170を用いる。これにより、固定工程において上入れ子170の側面171及び下入れ子150の側面151の隣に空間部101を確保することができる。
下入れ子150として、側面151に溝部152が設けられたものを用いる。溝部152は、樹脂成形後、下型110から樹脂成形品を脱型するための脱型ポイントとなる部分である。溝部152は、下入れ子150のうちの下型110に対向する面に形成されている。例えば、バールのような器具を溝部152に差し込み、てこの原理によってバールを動かすことによって脱型する。溝部152は、下入れ子150の側面151の一部に設けられた穴でも良い。
ここで、図7に示されるように、下入れ子150は磁石153を有する。上入れ子170は磁石172を有する。各磁石153、172は、例えばネオジウム磁石である。各磁石153、172は、各入れ子150、170を非接触で位置決めする機能、各入れ子150、170によってガラスマット200を加圧する機能を各入れ子150、170に与える。
磁石172は上入れ子170のうちの下入れ子150に対向する面に露出している。同様に、磁石153は下入れ子150のうちの上入れ子170に対向する面に露出している。磁石172は、上入れ子170にインサート成形されていても良い。同様に、磁石153は、下入れ子150にインサート成形されていても良い。
なお、各磁石153、172は、非接触で互いに引き合うことができれば良い。したがって、各磁石153、172は、固形のものに限られず、各入れ子150、170の材料に練りこまれた状態、電磁石による非接触の状態で、引力を付与できればどんな構成でも構わない。
そして、図6に示されるように、上入れ子170の側面171と下入れ子150の側面151とが同一面に位置するように、下入れ子150と上入れ子170とでガラスマット200の外縁部210を挟む。また、上入れ子170の磁石172と下入れ子150の磁石153とによって下入れ子150に対して上入れ子170の位置を固定する。
これにより、ガラスマット200の外縁部210の一部は、突出部220として上入れ子170の側面171及び下入れ子150の側面151から突出する。
続いて、固定工程の後、カット工程を行う。カット工程では、ガラスマット200の外縁部210のうちの各入れ子150、170の各側面151、171から突出する突出部220を、はさみ等の器具を用いて各入れ子150、170の各側面151、171に沿ってカットする。
各入れ子150、170の各側面151、171の隣に空間部101が確保されているので、すなわち突出部220をカットするためのスペースが確保されているので、ガラスマット200の突出部220を容易にカットすることができる。工作機等の大がかりな装置も不要であり、作業性も向上する。
この後、組み付け工程では、上型130において継口部134のうちの突起部136の側をガラスマット200の側に向けた状態で、上型130を下型110に固定する。また、上型130の一部を各入れ子150、170の各側面151、171に接触させた状態で、上型130を下型110に組み付ける。
図7及び図8に示されるように、下型110は、当該下型110のうちの上型130に対向する対向面112の外縁部113が凹んだ凹部114を有する。上型130は、下型110に対向する対向面143のうちの凹部114に対応する部分が突出すると共に、凹部114に嵌められる凸部144を有する。これにより、上型130の凸部144が下型110の凹部114に嵌められるので、下型110に対して上型130を位置決めすることができる。
また、下型110は、上型130の型締め部142に対応する部分が平面である平面部115を有する。上型130の型締め部142は、弾性シート131の外縁部133の一部が下型110の平面部115とは反対側に凹んだことにより構成された空間部としての真空用通路145を有する。図8に示されるように、真空用通路145は上型130に設けられた継口部134を介して真空引きされる。
本実施形態では、上型130が型締め部142によって下型110に固定された状態において、型締め部142が延びる方向及び平面部115の面方向の両方向に対して垂直な方向の真空用通路145の断面形状が、平面部115の面を基準とした反台形の形状である。つまり、台形の上底が平面部115の側に向けられている。
発明者らは、真空用通路145の断面形状が反台形の場合の他に、図9~図12に示された各比較例について上型130の外縁部133の浮き上がりをシミュレーションにより調べた。
図9は、型締め部142のうちの真空用通路145を構成する部分に、平面部115に接触するフランジ部146が設けられたものである。型締め部142の真空引きによって、フランジ部146が平面部115から浮き上がると共に、図9の矢印で示された部分が下型110の対向面112からわずかに浮き上がってしまった。
図10は、真空用通路145の断面形状が四角形のものである。型締め部142の真空引きによって、図10の矢印で示された部分が図9の形状の場合よりも下型110の対向面112から大きく浮き上がってしまった。
図11は、下型110の対向面112に設けられた溝部116に、上型130に設けられた凸部147が嵌め込まれたことで溝部116の底部と凸部147との隙間で真空用通路145が構成されたものである。この場合、型締め部142の真空引きによって、図11の矢印で示された部分が図10の形状の場合よりも下型110の対向面112から大きく浮き上がってしまった。
図12は、真空用通路145の断面形状が円形のものである。型締め部142の真空引きによって、図12の矢印で示された部分が図11の形状の場合よりも下型110の対向面112から大きく浮き上がってしまった。
図9~図12に示された各比較例に対し、真空用通路145の断面形状が図7及び図8に示された反台形の形状の場合、上型130の外縁部133は浮き上がらなかった。よって、真空用通路145の断面形状を反台形の形状とすることで、上型130を型締め部142によって下型110に型締めする際に、上型130の外縁部133のうちの型締め部142よりも外側の部分が下型110から浮いてしまうことを抑制することができる。
真空用通路145を構成する型締め部142のうちの下型110の平面部115に対向する部分の厚みは5mm以上であることが好ましい。当該部分の厚みが5mm未満であると、真空引きの際に当該部分の凹み量が増えてしまい、上型130の外縁部133の浮き上がりを抑制しにくくなる。
そして、図7及び図8に示されるように、上型130の外縁部133には、上型130と下型110との間に樹脂を供給するための樹脂流路148が設けられている。上型130の凸部144の一部が凹んでいると共に、上型130の凸部144が下型110の凹部114に嵌め込まれることで構成される空間部が樹脂流路148として構成される。
樹脂流路148は、上型130の外縁部133を一周するように設けられている。すなわち、樹脂流路148は、下型110の型部111の外周に一周設けられている。また、図7に示されるように、樹脂流路148は、上入れ子170と下入れ子150との隙間まで延びる細い分岐部分を含む。分岐部分は上型130に複数設けられている。
上型130には樹脂流路148が設けられているが、下型110には樹脂流路148となる溝は設けられていない。
続いて、成形工程を行う。成形工程では、まず、真空引き工程を行う。真空引き工程では、上型130の型締め部142を真空引きすることで着型を行うと共に、上型130の真空引き用の継口部134を介して型部111の真空引きを行う。
真空引きの際、弾性シート131の縁部139が継口部134の管部135のうちの一端部137の側の外壁に密着する。すなわち、成形型100の内部が真空状態であり、成形型100の外部の大気圧によって成形型100の表面に圧力が掛かっているので、上型130の弾性シート131は真空パックのような状態となる。よって、弾性シート131が継口部134に強固に密着する。
この後、樹脂注入工程では、樹脂注入用の継口部134から成形型100の内部に樹脂を注入し、硬化させる。樹脂注入の際、樹脂の注入圧が真空圧よりも大きくなることで樹脂が樹脂流路148から漏れるオーバーフローを起こしたとしても、樹脂が下型110の凹部114の側壁を越えにくくなっている。このため、凹部114よりもさらに外側に位置する型締め部142の型締め圧を確保することができる。
樹脂注入工程の後、脱型工程を行う。このため、上型130を上入れ子170から外す。また、下入れ子150の溝部152に器具を差し込んだ状態で下入れ子150を下型110から外すことにより、樹脂成形品を下型110から脱型する。脱型の際、器具は下入れ子150に接触するが、樹脂成形品には接触しない。このため、完成品である樹脂成形品を傷つけずに下型110から脱型することができる。
脱型後、図13に示されるように、完成品である樹脂成形品300の外縁部310には上型130の樹脂流路148で樹脂が硬化した細いランナー320だけが形成される。このため、図13に示された破線の位置でランナー320を折るだけで樹脂成形品300の外縁部310を完成させることができる。なお、図13は図4のVII-VIIに対応する断面である。
よって、後工程では、樹脂成形品300のランナー320を折ることで、ランナー320を樹脂成形品300から分離する。また、樹脂成形品300に対する仕上げ工程や孔開け工程等を行う。こうして、樹脂成形品300が完成する。
上記の工程を繰り返すことにより、同じ形の樹脂成形品300を複数製造することができる。すなわち、継口部134は繰り返し使用される。しかし、継口部134は繰り返し使用されることで劣化していく。
継口部134が例えば半透明から黄色に変色して透明性を失ったり、継口部134の弾力が無くなったり、継手部140の抜き差しによって継口部134が破損したり、継口部134の外壁の硬度が変化したりする。このような場合、継口部134を新品に交換する。
このように、継口部134の劣化に応じて新品に交換することで、真空漏れの抑制を維持することができる。また、継口部134は、上型130の弾性シート131に接触しているだけであるので、継口部134を弾性シート131の貫通孔132から容易に取り外すことができる。よって、継口部134の交換が容易である。
以上説明したように、本実施形態では、成形工程の前に、予め下入れ子150と上入れ子170とでガラスマット200の外縁部210を固定している。このため、成形型100に樹脂を注入した際にガラスマット200のずれを防止することができる。
また、カット工程において各入れ子150、170の各側面151、171に沿ってガラスマット200の突出部220をカットしている。これにより、予め樹脂成形品300の外縁部310を各入れ子150、170の各側面151、171に沿った形状に合わせることができる。よって、脱型工程後、樹脂成形品300の外縁部310のうちの不要な部分をカットするトリム工程を無くすことができる。
さらに、ガラスマット200を各入れ子150、170で挟むので、ガラスマット200のサイズを予め調整することができる。このため、ガラスマット200の外縁部210のうちのカットされる部分を少なくすることができる。よって、ガラスマット200や樹脂の無駄を少なくすることができる。
本実施形態では、樹脂注入用及び真空引き用の継口部134を採用している。これにより、硬度が異なるシリコン同士である弾性シート131と継口部134とが密着する。よって、真空引きの際にシリコン同士が高密着することで、継口部134の真空漏れを抑制することができる。
また、弾性シート131は継口部134よりも軟質であるので、真空引きの際に軟質の縁部139に大気圧が掛かることによって縁部139が継口部134に強固に密着する。すなわち、縁部139と継口部134の外壁面との面接触が強固になる。このため、継口部134が縁部139によって強固に締め付けられるので、真空漏れをさらに抑制することができる。
変形例として、図14に示されるように、成形型100は、下入れ子150を含まずに、下型110、上型130、及び上入れ子170で構成されていても良い。この場合、下型110は磁石117を有する。磁石117は、下型110と上入れ子170とを非接触で位置決めする機能、下型110と上入れ子170とによってガラスマット200を加圧する機能を下型110に与える。また、下入れ子150と上入れ子170とでガラスマット200の外縁部210を挟むのではなく下型110と上入れ子170とでガラスマット200の外縁部210を挟むと共に、磁石172及び磁石117によって下型110に対して上入れ子170の位置を固定する。このとき、下型110の側面118と上入れ子170の側面171とを同一面に配置することで、ガラスマット200の突出部220をカットしやすくなる。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された樹脂成形品300の製造方法は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。
例えば、上記の実施形態では、シリコンバック工法において各入れ子150、170を用いて樹脂成形品300を製造する方法を説明したが、L-RTM成形法等の他の成形法において各入れ子150、170を用いて樹脂成形品300を製造することもできる。L-RTM成形法は、樹脂型に繊維強化材を設置して型締めを行い、真空状態にして樹脂を低圧力で注入して強化基材と一体化させる成形法である。
また、上入れ子170の側面171は、下入れ子150の側面151や下型110の側面118と同一面でなくても良い。例えば、上入れ子170の側面171が下入れ子150の側面151や下型110の側面118よりも内側に位置していても良い。この場合、ガラスマット200の突出部220をロータリーカッターのような器具を用いて上入れ子170の側面171に沿ってカットすれば良い。
110 下型
130 上型
131 弾性シート
132 貫通孔
134 継口部
135 管部
135a 内部通路
136 突起部
137 一端部
138 他端部
139 縁部
200 ガラスマット

Claims (4)

  1. 下型(110)と弾性変形可能なシリコン製の弾性シート(131)で構成された上型(130)との間に、ガラス繊維で形成されたガラスマット(200)を設置する設置工程と、
    前記下型と前記上型との間を真空引きしながら前記ガラスマットに樹脂を注入し、前記樹脂を硬化させる成形工程と、
    を含み、
    前記設置工程では、
    前記弾性シートとして、貫通孔(132)を有するものを用い、
    前記上型として、前記弾性シートとは異なる硬度であってシリコン製の継口部(134)を有するものを用い、
    前記継口部として、前記樹脂が通過する内部通路(135a)を有する管部(135)と、前記管部のうちの一端部(137)の側の外壁が突出した突起部(136)と、を有するものを用い、
    前記管部の他端部(138)の側が前記貫通孔に差し込まれることにより前記突起部が前記貫通孔を構成する縁部(139)に引っ掛かると共に、前記縁部が前記管部のうちの前記一端部の側の外壁に接触した状態になっており、
    前記継口部のうちの前記突起部の側を前記ガラスマットの側に向けた状態で、前記上型を前記下型に固定し、
    前記成形工程では、前記真空引きの際、前記弾性シートの前記縁部が前記管部のうちの前記一端部の側の外壁に密着する、樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記設置工程では、前記弾性シートとして、前記継口部よりも軟質の材料によって形成されているものを用いる、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記設置工程では、前記継口部は繰り返し使用される一方、前記継口部の変色、前記継口部の破損、前記継口部の外壁の硬度の変化のいずれかが発生していた場合に交換される、請求項1または2に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記設置工程では、
    前記上型として、前記弾性シートの外縁部(133)に設けられると共に、樹脂成形とは別の真空引きによって前記上型を前記下型に固定するための型締め部(142)を有するものを用い、
    前記下型として、前記上型の前記型締め部に対応する部分が平面である平面部(115)を有するものを用い、
    前記型締め部として、前記弾性シートの外縁部の一部が下型の前記平面部とは反対側に凹んだことにより構成された空間部としての真空用通路(145)を有するものを用い、
    前記真空用通路として、前記上型が前記型締め部によって前記下型に固定された状態において、前記型締め部が延びる方向及び前記平面部の面方向の両方向に対して垂直な方向の断面形状が、前記平面部の面を基準とした反台形の形状であるものを用いる、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の樹脂成形品の製造方法。
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