JP2023132199A - 構造用ポリウレタン接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着特性に優れる構造用ポリウレタン接着剤を提供すること。【解決手段】構造用ポリウレタン接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有する。ポリイソシアネート成分は、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分とを含む。第1イソシアネート成分は、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含む。第1イソシアネート基末端プレポリマーは、芳香族ポリイソシアネートからなる第1原料ポリイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む第1原料ポリオールとの反応生成物である。第2イソシアネート成分は、第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含む。第2イソシアネート基末端プレポリマーは、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートを含む第2原料ポリイソシアネートと、ポリオキシプロピレンポリオールを含む第2原料ポリオールとの反応生成物である。第2イソシアネート成分は、ポリイソシアネート成分に対して、3質量%以上25質量%以下である。ポリオール成分は、低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、構造用ポリウレタン接着剤に関する。
従来、複数の部材から構成される構造物において、各部材を接着するために、構造用接着剤が用いられている。構造物としては、例えば、自動車および建築物が挙げられる。構造用接着剤としては、例えば、主剤(成分1)および硬化剤(成分2)を含む2液硬化型の構造用ポリウレタン接着剤が挙げられる。
構造用ポリウレタン接着剤として、より具体的には、以下の処方が提案されている。すなわち、硬化剤(成分1)が、ポリオキシプロピレントリオールおよび1,4-ブタンジオールを含有する。また、主剤(成分2)が、遊離のイソシアネート基を有するポリマーと、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)のカルボジイミドとを含有する。また、遊離のイソシアネート基を有するポリマーが、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)と、ポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオールとの反応生成物を含有する(例えば、特許文献1(実施例1)参照。)。
特表2015-531020号公報
しかし、構造用ポリウレタン接着剤としては、さらなる接着特性の向上が要求されてい
る。
本発明は、接着特性に優れる構造用ポリウレタン接着剤である。
本発明[1]は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有し、前記ポリイソシアネート成分が、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分とを含み、前記第1イソシアネート成分が、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含み、前記第1イソシアネート基末端プレポリマーが、芳香族ポリイソシアネートからなる第1原料ポリイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む第1原料ポリオールとの反応生成物であり、前記第2イソシアネート成分が、第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含み、前記第2イソシアネート基末端プレポリマーが、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートを含む第2原料ポリイソシアネートと、ポリオキシプロピレンポリオールを含む第2原料ポリオールとの反応生成物であり、前記第2イソシアネート成分が、ポリイソシアネート成分に対して、3質量%以上25質量%以下であり、前記ポリオール成分が、低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとを含む、構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[2]は、前記第1原料ポリオールが、さらにポリオキシプロピレンポリオールを含む、上記[1]に記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[3]は、前記ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基が、1級水酸基である、上記[2]に記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[4]は、前記第1原料ポリオールが、平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールと、平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールとを含む、上記[2]~[3]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[5]は、前記ポリイソシアネート成分が、さらに、第3イソシアネート成分を含み、前記第3イソシアネート成分が、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[6]は、前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体が、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体、および、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]~[5]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[7]は、前記第1原料ポリオールの総量に対して、前記ポリテトラメチレンエーテルポリオールが、5質量%以上50質量%以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[8]は、前記ポリオール成分の前記高分子量ポリオールが、ポリオキシプロピレンポリオールを含み、前記高分子量ポリオールに含まれる前記ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基が、1級水酸基である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[9]は、前記ポリイソシアネート成分を含む主剤と、前記ポリオール成分を含む硬化剤とを備える2液硬化型接着剤である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明[10]は、無溶剤型接着剤である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の構造用ポリウレタン接着剤を、含んでいる。
本発明の構造用ポリウレタン接着剤では、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有し、前記ポリイソシアネート成分が、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分とを含んでいる。また、前記第1イソシアネート成分が、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含み、前記第1イソシアネート基末端プレポリマーが、芳香族ポリイソシアネートからなる第1原料ポリイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む第1原料ポリオールとの反応生成物である。そして、前記第2イソシアネート成分が、第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含み、前記第2イソシアネート基末端プレポリマーが、芳香脂肪族ポリイソシアネート、および/または脂肪族ポリイソシアネートを含む第2原料ポリイソシアネートと、ポリオキシプロピレンポリオールを含む第2原料ポリオールとの反応生成物であり、前記第2イソシアネート成分が、ポリイソシアネート成分に対して、3~25質量%である。さらに、前記ポリオール成分が、低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとを含んでいる。そのため、本発明の構造用ポリウレタン接着剤は、優れた接着特性を有する。
本発明の構造用ポリウレタン接着剤は、JIS K 6800(1985年)において定義される構造用接着剤である。具体的には、構造用ポリウレタン接着剤は、「長期間大きな荷重に耐える信頼できる接着剤」である。
より具体的には、構造用ポリウレタン接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、必須成分として含んでいる。ポリイソシアネート成分は、遊離(フリー)のイソシアネート基を含有する成分である。ポリオール成分は、遊離(フリー)の水酸基を含有する成分である。
なお、構造用ポリウレタン接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とが予め混合されている1液硬化型接着剤であってもよい。また、ポリイソシアネート成分を含む主剤(A液)と、ポリオール成分を含む硬化剤(B液)とを備える2液硬化型接着剤であってもよい。2液硬化型接着剤では、個別に用意された主剤および硬化剤が、使用時に混合される。構造用ポリウレタン接着剤は、作業性、取扱性などの観点から、好ましくは、2液硬化型接着剤である。
ポリイソシアネート成分は、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分とを含有する。第1イソシアネート成分は、イソシアネート基を分子末端に2つ以上有するウレタンプレポリマー(以下、第1イソシアネート基末端プレポリマーと称する。)を含有する。
より具体的には、第1イソシアネート成分は、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含有する。第1イソシアネート基末端プレポリマーは、第1原料ポリイソシアネートと第1原料ポリオールとの反応生成物である。第1原料ポリイソシアネートと第1原料ポリオールとは、水酸基に対してイソシアネート基が過剰となるように、反応する。
第1原料ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートからなる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート単量体および芳香族ポリイソシアネート誘導体が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシネート、トルイジンジイソシアネートおよびジフェニルエーテルジイソシアネートが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
芳香族ポリイソシアネート誘導体としては、上記芳香族ポリイソシアネート単量体を公知の方法で変性した変性体が挙げられる。より具体的には、芳香族ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ポリオール変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサジアジントリオン変性体およびカルボジイミド変性体が挙げられる。また、芳香族ポリイソシアネート誘導体として、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートも挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
これら芳香族ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。芳香族ポリイソシアネートとして、接着特性の観点から、好ましくは、芳香族ポリイソシアネート単量体が挙げられ、より好ましくは、芳香族ジイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
換言すれば、第1原料ポリイソシアネートは、接着特性の観点から、好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートの単量体からなる。
第1原料ポリオールは、必須成分として、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含有する。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物(ポリテトラメチレンエーテルグリコール(結晶性))、例えば、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフラン、または2価アルコール(後述)を共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
なお、非晶性(非結晶性)とは、常温(25℃)において液状であることを示す。
第1原料ポリオールにおけるポリテトラメチレンエーテルポリオールの数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、500以上である。また、第1原料ポリオールにおけるポリテトラメチレンエーテルポリオールの数平均分子量は、例えば、10000以下、より好ましくは、8000以下、さらに好ましくは、5000以下、特に好ましくは、2000以下である。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算分子量である(以下同様)。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールの水酸基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上である。また、ポリテトラメチレンエーテルポリオールの水酸基当量は、例えば、5000以下、好ましくは、2000以下、より好ましくは、1000以下、さらに好ましくは、600以下である。なお、水酸基当量は、水酸基価から算出できる。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールの平均水酸基数は、例えば、1.8以上、好ましくは、2以上である。また、ポリテトラメチレンエーテルポリオールの平均水酸基数は、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下である。
なお、水酸基価および水酸基当量は、例えば、JIS K 1557-1(2007年)のA法またはB法に準拠して測定できる。また、平均水酸基数は、水酸基価、水酸基当量および分子量から算出できる。また、水酸基価、水酸基当量および平均水酸基数を、原料成分の仕込み比から算出することもできる(以下同様。)。
第1原料ポリオールの総量に対する、ポリテトラメチレンエーテルポリオールの割合は、例えば、5質量%以上であり、好ましくは、10質量%以上であり、より好ましくは、20質量%以上であり、さらに好ましくは、25質量%以上であり、特に好ましくは、30質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下であり、好ましくは、40質量%以下であり、より好ましくは、35質量%以下である。ポリテトラメチレンエーテルポリオールの割合が、上記範囲内であれば、接着強度に優れる。
第1原料ポリオールとして、より好ましくは、さらにポリオキシプロピレンポリオールを含む。
ポリオキシプロピレンポリオールとしては、例えば、平均水酸基数2および3のポリオキシプロピレンポリオールが挙げられる。ポリオキシプロピレンポリオールとして、好ましくは、平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオール、および平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールを併用する。
平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、例えば、200以上であり、好ましくは、300以上であり、より好ましくは、500以上である。また、平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、通常、例えば、10000以下であり、好ましくは、5000以下であり、より好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1500以下である。
平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、150以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、400以上である。また、平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下、より好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1000以下、特に好ましくは、750以下である。
平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、例えば、200以上であり、好ましくは、300以上であり、より好ましくは、500以上である。また、平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、通常、例えば、10000以下であり、好ましくは、5000以下であり、より好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1500以下である。
平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上、より好ましくは、300以上である。また、平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、3000以下、好ましくは、2000以下、より好ましくは、1000以下、さらに好ましくは、500以下である。
平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールと、平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールとが併用される場合(後述するEOキャップしたポリオキシプロピレンポリオールを除く)、それらの総量100質量部に対して、平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールが、例えば、50質量部以上、好ましくは、55質量部以上である。また、平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールが、例えば、90質量部以下、好ましくは、75質量部以下である。また、平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールが、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上である。平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールが、例えば、50質量部未満、好ましくは、45質量部以下である。
第1原料ポリオールとして、ポリオキシプロピレンポリオールは、その分子末端が、エチレンオキサイド(EO)により変性(以下、EOキャップと記載する場合もある)されていてもよい。その場合には、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基が、1級水酸基である。なお、EOキャップしたポリオキシプロピレンポリオールは、ポリオキシプロピレン鎖の中間に、ポリオキシエチレン単位が変性されていてもよい。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールが、上記した平均水酸基数2および3のポリオキシプロピレンポリオールの場合は、EOキャップした平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールのみを含んでもよいし、EOキャップした平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールのみを含んでもよく、また、EOキャップした平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオール、およびEOキャップした平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの両方を含んでもよい。
EOキャップした平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、例えば、300以上であり、好ましくは、500以上であり、より好ましくは、1000以上であり、さらに好ましくは、1500以上である。また、EOキャップした平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、通常、例えば、10000以下であり、好ましくは、5000以下であり、より好ましくは、3000以下である。
EOキャップした平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、300以上、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上である。また、EOキャップした平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下、より好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1500以下である。
EOキャップした平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、例えば、500以上であり、好ましくは、1000以上であり、より好ましくは、2000以上であり、さらに好ましくは、4000以上である。また、EOキャップした平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、通常、例えば、20000以下であり、好ましくは、10000以下であり、より好ましくは、7500以下である。
EOキャップした平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上、より好ましくは、1500以上である。また、EOキャップした平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、3000以下、好ましくは、2000以下である。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールは、換言すると、ポリオキシプロピレンポリオール(EOキャップしていないポリオキシプロピレンポリオール)、および/または、EOキャップしたポリオキシプロピレンポリオールを含む。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールは、好ましくは、EOキャップしていないポリオキシプロピレンポリオールと、EOキャップしたポリオキシプロピレンポリオールとを含む。その場合、EOキャップしていないポリオキシプロピレンポリオール100質量部に対して、EOキャップしたポリオキシプロピレンポリオールは、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、40質量部以上、さらに好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールは、より好ましくは、EOキャップしていない官能基数2および3のポリオキシプロピレンポリオールと、EOキャップした官能基数2および3のポリオキシプロピレンポリオールとを含む。その場合、EOキャップしていない官能基数2および3のポリオキシプロピレンポリオール100質量部に対して、EOキャップした官能基数2および3のポリオキシプロピレンポリオールは、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、40質量部以上、さらに好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールは、さらに好ましくは、EOキャップしていない官能基数2のポリオキシプロピレンポリオールと、EOキャップしていない官能基数3のポリオキシプロピレンポリオールと、EOキャップした官能基数2のポリオキシプロピレンポリオールとを含む。その場合、EOキャップしていない官能基数2のポリオキシプロピレンポリオールと、EOキャップしていない官能基数3のポリオキシプロピレンポリオールとの合計100質量部に対して、EOキャップした官能基数2のポリオキシプロピレンポリオールは、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、40質量部以上、さらに好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオール(EOキャップあり、およびEOキャップなしを含む)の数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、400以上である。また、第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下、より好ましくは、5000以下、さらに好ましくは、3000以下、さらに好ましくは、2000以下である。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオール(EOキャップあり、およびEOキャップなしを含む)の水酸基当量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上である。また、第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、5000以下、好ましくは、2000以下である。
第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオール(EOキャップあり、およびEOキャップなしを含む)の平均水酸基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、1.8以上である。また、第1原料ポリオールに含まれるポリオキシプロピレンポリオールの平均水酸基数は、例えば、3.5以下、好ましくは、3.0以下である。
第1原料ポリオールに対する、ポリオキシプロピレンポリオール(EOキャップあり、およびEOキャップなしを含む)の割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上、より好ましくは、60質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、70質量%以下である。
また、第1原料ポリオールは、任意成分として、低分子量ポリオールを含むことができる。
第1原料ポリオールにおける低分子量ポリオール(以下、第1低分子量ポリオール)の分子量は、200未満、好ましくは、180以下である。
第1低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、3価アルコール、および、4価以上のアルコールが挙げられる。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセリンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
なお、第1低分子量ポリオールの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜選択される。より具体的には、第1低分子量ポリオールの含有割合は、第1原料ポリオールの総量100質量部に対して、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であり、とりわけ好ましくは、0質量部である。すなわち、第1原料ポリオールは、接着特性の観点から、好ましくは、第1低分子量ポリオールを含まず、ポリテトラメチレンエーテルポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオールからなる。
そして、第1イソシアネート基末端プレポリマーは、第1原料ポリイソシアネートと第1原料ポリオールとを公知の方法で反応させることによって得られる。より具体的には、第1原料ポリイソシアネートと、第1原料ポリオールとを、所定割合で配合し、ウレタン化反応させる。
ウレタン化反応において、第1原料ポリオール中の水酸基に対する、第1原料ポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は、例えば、1を超過し、好ましくは、1.5以上、より好ましくは、2.0以上、さらに好ましくは、2.2以上、特に好ましくは、2.5以上である。また、当量比(NCO/OH)は、例えば、10以下、好ましくは、5以下、より好ましくは、3.0以下である。
ウレタン化反応では、公知の重合方法が採用される。重合方法としては、例えば、バルク重合および溶液重合が挙げられる。バルク重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を配合して反応させる。溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を公知の有機溶剤に添加し、反応させる。反応温度は、例えば、50℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。また、反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、15時間以下である。なお、溶液重合において、有機溶剤の配合割合は、目的および用途により、適宜設定される。ウレタン化反応では、好ましくは、バルク重合(無溶剤反応)が採用される。
また、上記ウレタン化反応では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒が添加される。また、必要に応じて、未反応のポリイソシアネートが、公知の方法により除去される。これにより、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含む第1イソシアネート成分が得られる。
第1イソシアネート基末端プレポリマーとして、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオールとの反応生成物である第1イソシアネート基末端プレポリマーが挙げられ、より好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオールとの反応生成物である第1イソシアネート基末端プレポリマーが挙げられる。
また、第1イソシアネート成分は、必要により、遊離の(未反応の)第1原料ポリイソシアネート、有機溶剤およびウレタン化触媒を含有できる。また、遊離の(未反応の)第1原料ポリイソシアネート、有機溶剤およびウレタン化触媒は、公知の除去手段によって、除去されていてもよい。除去手段としては、例えば、抽出および蒸留が挙げられる。
遊離の(未反応の)第1原料ポリイソシアネートの含有割合は、接着特性の観点から、ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、35質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。また、第1イソシアネート基末端プレポリマーの含有割合は、第1イソシアネート成分の総量に対して、例えば、65質量%以上、好ましくは、70質量%以上である。
第1イソシアネート成分(固形分)の平均イソシアネート基数は、例えば、2以上、好ましくは、2.1以上である。また、第1イソシアネート成分(固形分)の平均イソシアネート基数は、例えば、4以下、好ましくは、3以下、より好ましくは、2.8以下である。
第1イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基当量は、例えば、200以上、好ましくは、400以上である。また、第1イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基当量は、例えば、2000以下、好ましくは、1000以下、より好ましくは、600以下、さらに好ましくは、500以下である。なお、イソシアネート基当量は、JIS K 1603-1(2007)のA法またはB法により、求めることができる。イソシアネート基当量は、アミン当量と同義である。
第1イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基の含有量(イソシアネート基含量(NCO%))は、例えば、2.0質量%以上、好ましくは、3.0質量%以上、より好ましくは、5.0質量%以上、さらに好ましくは、6.0質量%以上、とりわけ好ましくは、7.0質量%以上である。また、第1イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基の含有量は、例えば、10質量%以下、好ましくは、9質量%以下である。
ポリイソシアネート成分に対する、第1イソシアネート成分の割合は、例えば、30質量%以上、好ましくは、50質量%以上、より好ましくは、60質量%以上、さらに好ましくは、65質量%以上、とりわけ好ましくは、70質量%以上である。また、例えば、95質量%以下、好ましくは、89質量%以下、より好ましくは、80質量%以下、さらに好ましくは、77質量%以下、特に好ましくは、75質量%以下である。つまり、第1イソシアネート成分は、ポリイソシアネート成分の主成分である。
第1イソシアネート成分、および第2イソシアネート成分(後述)は、必要に応じて、公知の添加剤(安定剤)(後述)を含有できる。
第2イソシアネート成分は、第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有する。なお、第2イソシアネート基末端プレポリマーは、イソシアネート基を分子末端に2つ以上有するウレタンプレポリマー(以下、第2イソシアネート基末端プレポリマーと称する。)である。第2イソシアネート基末端プレポリマーは、第2原料ポリイソシアネートと第2原料ポリオールとの反応生成物である。第2原料ポリイソシアネートと第2原料ポリオールとは、水酸基に対してイソシアネート基が過剰となるように、反応する。
第2原料ポリイソシアネートは、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートからなる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体が挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、および、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンが挙げられる。キシリレンジイソシアネートとしては、1,3-キシリレンジイソシアネートおよび1,4-キシリレンジイソシアネートが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、好ましくは、キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、鎖状脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。
鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、鎖状脂肪族ポリイソシアネート単量体が挙げられる。鎖状脂肪族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,2-プロパンジイソシアネート、1,2-ブタンジイソシアネート、2,3-ブタンジイソシアネート、1,3-ブタンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、および、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエートが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。好ましくは、鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、とりわけ好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、脂環族ポリイソシアネート単量体が挙げられる。脂環族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、脂環族ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、および、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートとしては、上記した単量体の誘導体も挙げられる。誘導体としては、例えば、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体の誘導体、鎖状脂肪族ポリイソシアネート単量体の誘導体、および、脂環族ポリイソシアネート単量体の誘導体が挙げられる。また、誘導体としては、上記の単量体を公知の方法で変性した変性体が挙げられる。誘導体として、より具体的には、例えば、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ポリオール変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサジアジントリオン変性体およびカルボジイミド変性体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
これら芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用できる。芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートとして、接着特性の観点から、好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、より好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、鎖状脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、特に好ましくは、鎖状脂肪族ポリイソシアネート単量体が挙げられ、とりわけ好ましくは、鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられ、最も好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
第2原料ポリオールは、必須成分として、ポリオキシプロピレンポリオールを含有する。第2原料ポリオールは、好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールからなる。
第2原料ポリオールにおいて、ポリオキシプロピレンポリオールとしては、第1原料ポリオールとして上記したポリオキシプロピレンポリオールと同様のポリオキシプロピレンポリオールが挙げられる。
第2原料ポリオールにおいて、ポリオキシプロピレンポリオールの数平均分子量は、接着特性の観点から、240以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、350以上である。また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、接着特性の観点から、2000以下、好ましくは、1000以下、より好ましくは、800以下、さらに好ましくは、600以下、さらに好ましくは、500以下である。
第2原料ポリオールにおいて、ポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、50以上、好ましくは、100以上、より好ましくは、150以上である。また、第2原料ポリオールにおいて、ポリオキシプロピレンポリオールの水酸基当量は、例えば、1000以下、好ましくは、500以下、より好ましくは、400以下、さらに好ましくは、300以下である。
第2原料ポリオールにおいて、ポリオキシプロピレンポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、1.5以上、好ましくは、1.8以上である。また、ポリオキシプロピレンポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、4以下、好ましくは、3.5以下である。
そして、第2イソシアネート基末端プレポリマーは、第1イソシアネート基末端プレポリマーと同様の方法により得られる。
第2イソシアネート基末端プレポリマーとして、好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネートとポリオキシプロピレンポリオールとの反応生成物である第2イソシアネート基末端プレポリマー、または、脂肪族ポリイソシアネートとポリオキシプロピレンポリオールとの反応生成物である第2イソシアネート基末端プレポリマーが挙げられ、より好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートとポリオキシプロピレンポリオールとの反応生成物である第2イソシアネート基末端プレポリマー、さらに好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートとポリオキシプロピレンポリオールとの反応生成物である第2イソシアネート基末端プレポリマーが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体(脂肪族ポリイソシアネート誘導体)における、脂肪族ポリイソシアネートは、上記したものが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。脂肪族ポリイソシアネート誘導体における、脂肪族ポリイソシアネートは、接着特性の観点から、好ましくは、鎖状脂肪族ポリイソシアネートであり、より好ましくは、鎖状脂肪族ポリイソシアネート単量体であり、さらに好ましくは、鎖状脂肪族ジイソシアネートであり、特に好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられ、最も好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体(脂肪族ポリイソシアネート誘導体)における、誘導体は、上記したものが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。脂肪族ポリイソシアネート誘導体における、誘導体は、接着特性の観点から、好ましくは、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート-アロファネート変性体、および、ビウレット変性体であり、より好ましくは、イソシアヌレート変性体、イソシアヌレート-アロファネート変性体、および、ビウレット変性体である。すなわち、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体、および、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体を含有する。脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、より好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体、および、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含む。脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、さらに好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体、および、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体からなる群から選択される少なくとも1種である。
脂肪族ポリイソシアネートの誘導体は、接着特性の観点から、好ましくは、HDIのイソシアヌレート変性体、HDIのビウレット変性体、および、PDIのイソシアヌレート-アロファネート変性体であり、より好ましくは、HDIのイソシアヌレート変性体、およびHDIのビウレット変性体であり、さらに好ましくは、HDIのイソシアヌレート変性体が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体は、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体を含んでもよい。また、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体は、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含んでいてもよい。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体が、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体を含む場合、アロファネート変性体の割合は、イソシアヌレート変性体とアロファネート変性体との総量に対して、例えば、10質量%未満、好ましくは、5%未満である。また、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体が、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体を含む場合、イソシアヌレート変性体の割合は、イソシアヌレート変性体とアロファネート変性体との総量に対して、例えば、10質量%未満、好ましくは、5%未満である。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体は、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体を10質量%以上、および、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体を10質量%以上含有する。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体において、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体は、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体の総量に対して、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、40質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上、特に好ましくは、55質量%以上、最も好ましくは、60質量%以上であり、また、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、70質量%以下、さらに好ましくは、65質量%以下である。また、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体において、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体は、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体の総量に対して、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、35質量%以上であり、また、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、60質量%以下、さらに好ましくは、50質量%以下、特に好ましくは、45質量%以下、最も好ましくは、40質量%以下である。
脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体は、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体が、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体よりも過剰である。
第2イソシアネート成分は、第2イソシアネート基末端プレポリマーまたは脂肪族ポリイソシアネートの誘導体のいずれか一方のみを含有してもよく、第2イソシアネート基末端プレポリマーおよび脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の両方を含有してもよい。
第2イソシアネート成分は、好ましくは、接着特性の観点から、第2イソシアネート基末端プレポリマー、または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含有し、より好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体のみを含有する。第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体の含有割合は、第2イソシアネート成分の総量に対して、例えば、95.0質量%以上、好ましくは、99.0質量%以上であり、通常、100質量%である。換言すれば、好ましくは、第2イソシアネート成分は、第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体からなる。
また、第2イソシアネート成分は、必要により、遊離の(未反応の)第2原料ポリイソシアネート、有機溶剤およびウレタン化触媒を含有できる。また、遊離の(未反応の)第2原料ポリイソシアネート、有機溶剤およびウレタン化触媒は、公知の除去手段によって、除去されていてもよい。除去手段としては、例えば、抽出および蒸留が挙げられる。好ましくは、第2イソシアネート成分は、蒸留されており、接着強度の向上を図る観点から、第2イソシアネート成分は、より好ましくは、薄膜蒸留されている。
遊離の(未反応の)第2原料ポリイソシアネートの含有割合は、接着強度の観点から、第2イソシアネート成分の総量に対して、例えば、5.0質量%以下、好ましくは、1.0質量%以下である。
第2イソシアネート成分(固形分)の平均イソシアネート基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、1.7以上、より好ましくは、1.8以上である。また、第2イソシアネート成分(固形分)の平均イソシアネート基数は、例えば、5.0以下、好ましくは、4.0以下、より好ましくは、3.7以下である。
第2イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基当量は、例えば、140以上、好ましくは、150以上、さらに好ましくは、160以上である。また、第2イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基当量は、例えば、500以下、好ましくは、480以下、さらに好ましくは、460以下である。
第2イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基の含有量(イソシアネート基含量(NCO%))は、例えば、8質量%以上、好ましくは、8.7質量%以上、より好ましくは、9.1質量%以上である。また、第2イソシアネート成分(固形分)のイソシアネート基の含有量は、例えば、30質量%以下、好ましくは、26質量%以下である。
ポリイソシアネート成分は、第1イソシアネート成分と第2イソシアネート成分とを混合することによって、調製される。
第2イソシアネート成分は、ポリイソシアネート成分に対して、例えば、3質量%以上であり、好ましくは、4質量%以上であり、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、8質量%以上、特に好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、25質量%以下であり、好ましくは、20質量%以下であり、より好ましくは、15質量%以下である。第2イソシアネート成分の割合が上記範囲であれば、とりわけ優れた接着特性が得られる。
第1イソシアネート成分100質量部に対して、第2イソシアネート成分は、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、より好ましくは、4質量部以上、さらに好ましくは、7質量部以上、特に好ましくは、11.1質量部以上、とりわけ好ましくは、11.2質量部以上、最も好ましくは、12質量部以上であり、また、例えば、60質量部以下、好ましくは、45質量部以下、より好ましくは、30質量部以下、さらに好ましくは、20質量部以下である。
ポリイソシアネート成分は、好ましくは、さらに第3イソシアネート成分を含有する。
第3イソシアネート成分は、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体を含み、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体からなる。
芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体は、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド化反応による反応生成物である。
芳香族ポリイソシアネートとしては、第1原料ポリイソシアネートとして上記した芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、より具体的には、芳香族ポリイソシアネート単量体およびその誘導体が挙げられる。接着特性の観点から、芳香族ポリイソシアネートとして、好ましくは、芳香族ポリイソシアネート単量体が挙げられ、より好ましくは、芳香族ジイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
カルボジイミド化反応としては、脱炭酸縮合反応が挙げられる。脱炭酸縮合反応では、例えば、芳香族ポリイソシアネートをカルボジイミド化触媒の存在下において加熱する。
また、第3イソシアネート成分として、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体の市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、コロネートMX(ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、イソシアネート基含有量29.0質量%、東ソー製)が挙げられる。
第3イソシアネート成分における、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体のイソシアネート基含有量は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、25質量%以上である。また、第3イソシアネート成分における、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体のイソシアネート基含有量は、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下である。
第3イソシアネート成分における、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体の25℃における固形分の粘度は、例えば、10mPa・s以上、好ましくは、20mPa・s以上であり、例えば、200mPa・s以下、好ましくは、100mPa・s以下である。
ポリイソシアネート成分として、第3イソシアネート成分を含有する場合、ポリイソシアネート成分は、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分と、第3イソシアネート成分とを混合することによって調製される。ポリイソシアネート成分に対する、第3イソシアネート成分の割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、15質量%以上、さらに好ましくは、17質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、19質量%以下、さらに好ましくは、18.5質量%以下である。
第1イソシアネート成分100質量部に対して、第3イソシアネート成分は、例えば、10質量部以上、好ましくは、12質量部以上、より好ましくは、20質量部以上、さらに好ましくは、23質量部以上、特に好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、60質量部以下、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、40質量部以下、さらに好ましくは、30質量部以下である。
ポリイソシアネート成分は、好ましくは、第1イソシアネート成分と第2イソシアネート成分を含み、より好ましくは、第1イソシアネート成分と第2イソシアネート成分と第3イソシアネート成分とを含む。ポリイソシアネート成分は、さらに好ましくは、第1イソシアネート成分と第2イソシアネート成分からなり、とりわけ好ましくは、第1イソシアネート成分と第2イソシアネート成分と第3イソシアネート成分からなる。
ポリオール成分は、低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとを含有する。好ましくは、ポリオール成分は、低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとからなる。
低分子量ポリオールは、第1原料ポリオールとして上記した低分子量ポリオールが挙げられる。これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオール成分に含まれる低分子量ポリオールとして、好ましくは、2価アルコール、より好ましくは、炭素数2~6のアルカンジオール(例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール)、さらに好ましくは、1,4-ブタンジオールが挙げられる。
低分子量ポリオールの数平均分子量は、接着強度の観点から、例えば、40以上、好ましくは、60以上、より好ましくは、80以上である。また、低分子量ポリオールの数平均分子量は、接着強度の観点から、例えば、200未満、好ましくは、150以下、より好ましくは、100以下である。
低分子量ポリオールの水酸基当量は、例えば、20以上、好ましくは、30以上、より好ましくは、40以上である。また、低分子量ポリオールの水酸基当量は、例えば、200以下、好ましくは、100以下、より好ましくは、70以下である。
低分子量ポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、1.8以上、好ましくは、1.9以上、より好ましくは、2.0以上である。また、低分子量ポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、2.5以下、好ましくは、2.4以下、より好ましくは、2.2以下である。
低分子量ポリオールは、ポリオール成分に対して、接着強度の観点から、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上、さらに好ましくは、12質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、20質量%以下、さらに好ましくは、15質量%以下である。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、400以上、さらに好ましくは、500以上、特に好ましくは、1000以上、最も好ましくは、3000以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、7000以下の化合物である。
高分子量ポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、酸変性ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、およびビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。高分子量ポリオールは、好ましくは、ポリエーテルポリオール、より好ましくは、ポリオキシアルキレン(炭素数2~3)ポリオール、さらに好ましくは、ポリオキシアルキレン(炭素数3)ポリオール(ポリオキシプロピレンポリオール)が挙げられる。
ポリオキシプロピレンポリオールは、好ましくは、その分子末端が、エチレンオキサイド(EO)により変性(以下、EOキャップと記載する場合もある)されている。その場合には、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基が、1級水酸基である。なお、EOキャップしたポリオキシプロピレンポリオールは、ポリオキシプロピレン鎖の中間に、ポリオキシエチレン単位が変性されていてもよい。ポリオキシプロピレンポリオールは、より好ましくは、プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドのブロック共重合体である。
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシプロピレンポリオールにおける、エチレンオキサイド(EO)の含有量(エチレンオキサイド(EO)含有量)は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、12.5質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下である。
高分子量ポリオールの数平均分子量は、接着強度の観点から、例えば、1000以上、好ましくは、2000以上、より好ましくは、3000以上、さらに好ましくは、4000以上である。また、高分子量ポリオールの数平均分子量は、接着強度の観点から、例えば、10000以下、好ましくは、7500以下、より好ましくは、6000以下である。
高分子量ポリオールの水酸基当量は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上、より好ましくは、1500以上である。また、高分子量ポリオールの水酸基当量は、例えば、5000以下、好ましくは、2000以下、より好ましくは、1700以下である。
高分子量ポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、2.0以上、好ましくは、2.5以上、より好ましくは、2.8以上である。また、高分子量ポリオールの平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、4.0以下、好ましくは、3.5以下、より好ましくは、3.2以下である。
高分子量ポリオールは、ポリオール成分に対して、接着強度の観点から、例えば、50質量%以上、好ましくは、70質量%以上、より好ましくは、80質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下、より好ましくは、93質量%以下、さらに好ましくは、90質量%以下である。
ポリオール成分は、低分子量ポリオールと高分子量ポリオールとを混合することにより調製される。
ポリオール成分の数平均分子量は、接着強度の観点から、例えば、200以上、好ましくは、240以上である。また、ポリオール成分の数平均分子量は、接着強度の観点から、例えば、4000以下、より好ましくは、3500以下である。
ポリオール成分の水酸基当量は、例えば、100以上、好ましくは、120以上である。また、ポリオール成分の水酸基当量は、例えば、2000以下、好ましくは、1800以下である。
ポリオール成分の平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、2以上、好ましくは、2.02以上である。また、ポリオール成分の平均水酸基数は、接着強度の観点から、例えば、3.0以下、好ましくは、2.9以下、より好ましくは、2.8以下である。
ポリオール成分は、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、例えば、40質量部以上、好ましくは、60質量部以上、より好ましくは、80質量部以上、さらに好ましくは、90質量部以上であり、また、例えば、200質量部以下、好ましくは、150質量部以下、より好ましくは、125質量部以下である。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とは、所定の当量比で混合される。詳しくは、ポリオール成分の水酸基に対する、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は、例えば、1を超過し、好ましくは、1.02以上、より好ましくは、1.04以上であり、また、例えば、2以下、好ましくは、1.5以下、より好ましくは、1.3以下、さらに好ましくは、1.2以下、特に好ましくは、1.1以下である。
また、構造用ポリウレタン接着剤は、必要に応じて、添加剤を含有できる。添加剤としては、例えば、可塑剤、フィラー、相溶化剤、ウレタン化触媒、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、高分子光安定剤、有機溶剤、顔料、染料、消泡剤、分散剤、レベリング材、チクソ付与剤、ブロッキング防止剤、離型剤、滑剤、層間調整剤および粘度調整剤が挙げられる。添加剤の含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
なお、添加剤は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の混合物(例えば、1液硬化型接着剤など)に添加されていてもよい。また、添加剤は、例えば、後述する主剤に含有されていてもよく、また、後述する硬化剤に含有されていてもよく、さらに、それらの両方に含有されていてもよい。
一方、構造用ポリウレタン接着剤は、作業性の観点から、好ましくは、有機溶剤を含有しない。つまり、構造用ポリウレタン接着剤は、好ましくは、無溶剤型接着剤である。
無溶剤型接着剤において、ポリイソシアネート成分は、例えば、有機溶剤を使用せずに調製されるか、または、有機溶剤を使用して調製された後、公知の方法で脱溶剤される。
また、無溶剤型接着剤において、ポリオール成分は、例えば、有機溶剤を使用せずに調製されるか、または、有機溶剤を使用して調製された後、公知の方法で脱溶剤される。
また、構造用ポリウレタン接着剤は、好ましくは、ポリイソシアネート成分を含む主剤と、ポリオール成分を含む硬化剤とを備える2液硬化型接着剤である。2液硬化型接着剤は、別々に用意された主剤および硬化剤を使用時に配合(混合)して硬化物を形成するための樹脂組成物キット(2液キット)である。すなわち、主剤および硬化剤を混合することにより、樹脂混合物(ポリウレタン混合物)が得られ、その樹脂混合物が硬化反応することにより、硬化物(ポリウレタン硬化物)が得られる。2液硬化型接着剤において、主剤と硬化剤とは、ポリオール成分に対するポリイソシアネート成分の当量比が、上記した値となるように混合される。
そして、上記の構造用ポリウレタン接着剤では、ポリイソシアネート成分が、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分とを含有している。そして、第1イソシアネート成分は、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含み、第1イソシアネート基末端プレポリマーが、芳香族ポリイソシアネートからなる第1原料ポリイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む第1原料ポリオールとの反応生成物である。また、第2イソシアネート成分は、第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含み、第2イソシアネート基末端プレポリマーが、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートを含む第2原料ポリイソシアネートと、ポリオキシプロピレンポリオールを含む第2原料ポリオールとの反応生成物である。そして、第2イソシアネート成分が、ポリイソシアネート成分に対して、所定範囲であり、ポリオール成分が、低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとを含む。そのため、上記の構造用ポリウレタン接着剤は、優れた接着特性を有する。
そのため、上記の構造用ポリウレタン接着剤は、複数の部材などから構成される構造物において、それら各部材を接着するために、好適に用いられる。構造物としては、例えば、建造物、自動車、輸送機器および船が挙げられる。
構造用ポリウレタン接着剤の使用においては、例えば、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含む混合物を、公知の方法によって部材に塗布し、硬化させ、必要に応じて養生する。
作業性の観点から、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含む混合物の25℃における粘度は、例えば、100mPa・s以上、好ましくは、300mPa・s以上である。また、混合物の25℃における粘度は、例えば、500000mPa・s以下、好ましくは、100000mPa・s以下、より好ましくは、50000mPa・s以下である。
また、硬化条件および養生条件は、適宜設定される。より具体的には、硬化温度が、例えば、10℃以上、好ましくは、20℃以上である。また、硬化温度が、例えば、100℃以下、好ましくは、80℃以下、より好ましくは、60℃以下である。また、硬化時間が、例えば、5分間以上、好ましくは、10分間以上である。また、硬化時間が、例えば、5時間以下、好ましくは、2.5時間以下、より好ましくは、1時間以下である。また、養生温度が、例えば、10℃以上、好ましくは、15℃以上である。また、養生温度が、例えば、80℃以下、好ましくは、60℃以下、より好ましくは、40℃以下である。また、養生時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上である。また、養生時間が、例えば、2週間以下、好ましくは、1週間以下である。
これにより、構造用ポリウレタン接着剤を硬化させ、各部材を良好に接着させることができる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
1.ポリイソシアネート成分
(準備例1)第1イソシアネート成分(MDIプレポリマー)(主成分1)
第1原料ポリオールとしてのDiol-1000(商品名、数平均分子量1000、ポリオキシプロピレングリコール、三井化学社製)137.7質量部、タケラックP-24(商品名、数平均分子量約2000、EOキャップしたポリオキシプロピレングリコール、三井化学社製)149.9質量部、アクトコールT-1000D(商品名、数平均分子量1000、ポリオキシプロピレントリオール、三井化学社製)107.5質量部、および、PTG-1000(商品名、数平均分子量:1000、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、保土ヶ谷化学工業社製)207.0質量部と、第1原料ポリイソシアネートとしての4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)397.8質量部と、o-トルエンスルホンアミド(OTSA:安定剤)0.1質量部とを、混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、2.8であった。次いで、得られた混合物を、窒素気流中、60℃で1時間撹拌し、さらに、80℃で4~12時間撹拌し、ウレタン化反応させた。これにより、第1イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(MDIプレポリマー)を含む第1イソシアネート成分を得た。MDIプレポリマーの固形分濃度は100%、アミン当量は489、イソシアネート基含有率は8.6質量%であった。
(準備例2)第1イソシアネート成分(MDIプレポリマー)(主成分2)
第1原料ポリオールとしてのPPG D-2000(商品名、数平均分子量2000、ポリオキシプロピレングリコール、三井化学社製)360.3質量部、および、アクトコールEP330N(商品名、ポリオキシアルキレントリオール(プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドのブロック共重合体)、末端オキシエチレン基含有量15質量%、数平均分子量5000、三井化学社製)491.1質量部、第1原料ポリイソシアネートとしての4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)148.4質量部と、OTSA0.2質量部とを、混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、1.8であった。それ以外の方法は、準備例1と同様の方法であった。MDIプレポリマーの固形分濃度は100%、アミン当量は1844、イソシアネート基含有率は2.3質量%であった。
(準備例3)第1イソシアネート成分(MDIプレポリマー)(主成分3)
第1原料ポリオールとしてのDiol-1000 369.9質量部、アクトコールT-700(商品名、数平均分子量700、ポリオキシプロピレントリオール、三井化学社製)99.8質量部、および、PTG-1000 145.6質量部と、第1原料ポリイソシアネートとしての4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)384.5質量部と、OTSA0.2質量部とを、混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、2.1であった。それ以外の方法は、準備例1と同様の方法であった。MDIプレポリマーの固形分濃度は100%、アミン当量は622、イソシアネート基含有率は6.8質量%であった。
(準備例4)第1イソシアネート成分(MDIプレポリマー)(主成分4)
第1原料ポリオールとしてのPPG DL-4000(商品名、数平均分子量4000、ポリオキシプロピレングリコール、平均水酸基価28.1、三井化学SKCポリウレタン社製)285.3質量部、および、アクトコールT-5000(商品名、数平均分子量5000、ポリオキシプロピレントリオール、三井化学社製)583.1質量部と、第1原料ポリイソシアネートとしての4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)131.5質量部と、OTSA0.1質量部とを、混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、2.1であった。それ以外の方法は、準備例1と同様の方法であった。MDIプレポリマーの固形分濃度は100%、アミン当量は1790、イソシアネート基含有率は2.3質量%であった。
(準備例5)第2イソシアネート成分(1)(HDI/D-400)
第2原料ポリオールとしてのアクトコールD-400(商品名、数平均分子量400、ポリオキシプロピレングリコール、三井化学製)281.3質量部と、第2原料ポリイソシアネートとしてのヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)718.5質量部と、OTSA0.2質量部とを混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、6であった。次いで、得られた混合物を、窒素気流中、110℃で6~24時間撹拌し、ウレタン化反応させた。
その後、得られた反応生成物を薄膜蒸留(壁面温度145~155℃、真空度100Pa以下、流量3~5g/min、冷却水温度10℃)した。これにより、第2イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む第2イソシアネート成分を得た。
第2イソシアネート成分(HDI/D-400)の固形分濃度は100%、イソシアネート基含有率は10.7質量%であった。また、第2イソシアネート成分の総量に対する第2原料ポリイソシアネート(HDIモノマー)の含有割合は、0.23質量%であった。
なお、モノマーの含有割合は、HPLCにより測定した。
(準備例6)第2イソシアネート成分(2)(PDIイソシアヌレート-アロファネート)
温度計、攪拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応器において、窒素雰囲気下、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI、商品名:スタビオPDI、三井化学社製)500質量部、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、BHT、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.25質量部、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト(有機亜リン酸エステル、助触媒)0.25質量部を混合した後、この混合液にイソブタノール6.5質量部を加え、窒素を、その液相に1時間導入した。
その後、混合液を80℃に昇温し3時間反応後、60℃に降温した。その後、イソシアヌレート化触媒として、トリメチル-N-2-ヒドロキシプロピルアンモニウム・2-エチルヘキサノエート0.2質量部加え、1.5時間反応させた。その後、PDI100質量部に対して、o-トルエンスルホンアミド0.01質量部を添加した。
その後、この反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度93.3Pa)に通液して、残存PDIモノマー量が1.0質量%以下になるまで蒸留し、脂肪族ポリイソシアネート誘導体(ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体)を準備した。得られた脂肪族ポリイソシアネート誘導体の、イソシアネート基含有率は23.2質量%、平均イソシアネート官能基数は2.8であった。
(準備例7)第2イソシアネート成分(3)(HDIビウレット)
温度計、攪拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応器において、窒素雰囲気下、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、商品名:タケネート700、三井化学社製)500質量部、トリス(トリデシル)ホスファイト0.3質量部、トリメチルリン酸8質量部、水3.57質量部を装入し、130℃に昇温し、イソシアネート基含有率が44.6質量%に達するまで反応させた。
その後、この混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度93.3Pa)に通液して、残存HDIモノマー量が0.5質量%以下になるまで蒸留し、脂肪族ポリイソシアネート誘導体(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性体)を準備した。得られた脂肪族ポリイソシアネート誘導体の、イソシアネート基含有率は22.8質量%であり、平均イソシアネート官能基数は2.8であった。
(準備例8)第2イソシアネート成分(4)(HDIイソシアヌレート)
温度計、攪拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応器において、窒素雰囲気下、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、商品名:タケネート700、三井化学社製)500質量部、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、BHT、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.25質量部、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト(有機亜リン酸エステル、助触媒)0.25質量部を混合した後、この混合液に1,3-ブタンジオール10.7質量部を加え、窒素を、その液相に1時間導入した。
その後、混合液を80℃に昇温し3時間反応後、60℃に降温した。その後、イソシアヌレート化触媒として、トリメチル-N-2-ヒドロキシプロピルアンモニウム・2-エチルヘキサノエート0.2質量部加え、1.5時間反応させた。その後、HDI100質量部に対して、o-トルエンスルホンアミド0.01質量部を添加した。
その後、この反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度93.3Pa)に通液して、残存HDIモノマー量が1.0質量%以下になるまで蒸留し、脂肪族ポリイソシアネート誘導体(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体)を準備した。得られた脂肪族ポリイソシアネート誘導体の、イソシアネート基含有率は20.9質量%、平均イソシアネート官能基数は3.4であった。
(準備例9)第2イソシアネート成分(5)(XDI/D-400)
第2原料ポリオールとしてのアクトコールD-400(商品名、数平均分子量400、ポリオキシプロピレングリコール、三井化学製)259.1質量部と、第2原料ポリイソシアネートとしてのキシリレンジイソシアネート(XDI)740.7質量部と、OTSA0.2質量部とを混合した。このときの当量比(NCO/OH)は、6であった。次いで、得られた混合物を、窒素気流中、110℃で6~24時間撹拌し、ウレタン化反応させた。
その後、得られた反応生成物を薄膜蒸留(壁面温度145~155℃、真空度100Pa以下、流量3~5g/min、冷却水温度10℃)した。これにより、第2イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む第2イソシアネート成分を得た。
第2イソシアネート成分(XDI/D-400)の固形分濃度は100%、イソシアネート基含有率は10.2質量%であった。また、第2イソシアネート成分の総量に対する第2原料ポリイソシアネート(XDIモノマー)の含有割合は、0.14質量%であった。
なお、モノマーの含有割合は、HPLCにより測定した。
(準備例10)第3イソシアネート成分(MDIカルボジイミド)
第3イソシアネート成分として、コロネートMX(商品名、ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、イソシアネート基含有量28.9質量%、東ソー製)を準備した。
実施例1~11および比較例1~7
表1~表3に記載の処方で、第1イソシアネート成分と第2イソシアネート成分と第3イソシアネート成分とを混合した。これにより、ポリイソシアネート成分(主剤)を得た。
また、表1~表3に記載の処方で、アクトコールEP-330N(三井化学社製)と、1,4-ブタンジオール(1,4-BD)とを混合し、混合物に、触媒(DABCO 33-LV)を、構造用ポリウレタン接着剤の硬化物中に約700ppmとなるように、添加した。これにより、ポリオール成分(硬化剤)を得た。なお、アクトコールEP-330Nは、ポリオキシアルキレントリオール(プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドのブロック共重合体)、末端オキシエチレン基含有量15質量%、数平均分子量5000である。
これにより、ポリイソシアネート成分(主剤)およびポリオール成分(硬化剤)を備える構造用ポリウレタン接着剤を得た。
(平均イソシアネート官能基数)
脂肪族ポリイソシアネート誘導体の平均イソシアネート官能基数は、脂肪族ポリイソシアネート誘導体のイソシアネート基濃度A、固形分濃度B(=100)、および、以下の装置および条件にて測定されるゲルパーミエーションクロマトグラフィーの数平均分子量Cから、下記式(1)により算出した。
平均イソシアネート官能基数=A/B×C/42.02 (1)
(式中、Aは、脂肪族ポリイソシアネート誘導体のイソシアネート基濃度を示し、Bは、固形分濃度を示し、Cは、数平均分子量を示す。)
(数平均分子量の測定条件)
GPC測定においては、サンプルを約0.04g採取し、テトラヒドロフラン10mLを添加して溶解させた。そして、得られた溶液を、以下の条件でGPC測定した。
装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgelG1000HXL、TSKgelG2000HXL、およびTSKgelG3000HXL(東ソー社製)を直列に連結した
検出器:示差屈折率計
注入量:100μL
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:0.8mL/min
温度:40℃
検量線:106~22450の範囲の標準ポリエチレンオキシド(商品名:TSK標準ポリエチレンオキシド、東ソー社製)
(評価)
1.接着試験(実施例1~11:PP/ED-SPCC)
ポリプロピレン板(J707G、プライムポリマー製(PP))を幅25mmに裁断した試験片を用意した。次いで、PPの表面をイソプロピルアルコールで除脂および洗浄し、その後、乾燥させた。これを、接着試験体の作成直前にコロナ処理し、濡れ性(JIS K 6768(1999年))を40dyn/cm以上に調整し、被着体1とした。
一方、冷間圧延鋼板(SPCC)を幅25mmに裁断し、カチオン電着塗装(ED)したED-SPCC板(JIS G 3141(SPCC,SD)、テストピース製)を用意した。次いで、ED-SPCCの表面をイソプロピルアルコールで除脂および洗浄し、その後、乾燥させた。これを、被着体2とした。
そして、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、当量比(NCO/OH)が1.05となる割合で混合した。
その後、上記の混合物を被着体1に塗布し、接着面積が25mm×12.5mm、接着層厚が0.3mmとなるように、被着体1と被着体2とを密着させ、室温(19~27℃、40~60%RH(相対湿度))で20分間硬化させ、室温で1週間養生した。なお、層厚調整のためのガラスビーズ(ASGB-60、アズワン製、0.250~0.355mm)は、接着剤表面(上記の混合物を被着体1に塗布後の表面)に、層厚調整のための適量(数十粒程度)を載せた。これにより、被着試験体(以下、試験板)を得た。
そして、被着体1と被着体2との間のせん断接着強さ(以下、接着強度)[MPa]を、引張試験機(U-4410、オリエンテック社製により、引張速度50mm/minで測定した。
2.接着試験(実施例1~11、比較例1~7:ABS/ED-SPCC)
被着体1としてアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂板(テストピース社製)を使用し、コロナ処理をしなかった以外は、接着試験(PP/ED-SPCC)と同様の接着試験を行った。
3.接着試験(実施例1~11:PC/ED-SPCC)
被着体1としてポリカーボネート(PC)樹脂板(テストピース社製)を使用し、コロナ処理をしなかった以外は、接着試験(PP/ED-SPCC)と同様の接着試験を行った。
4.接着試験(実施例1~11:(PC/ABSアロイ)/ED-SPCC)
被着体1としてPC/ABSアロイ板(住友ベークライト ロア EFN800-04(黒)、テストピース社製)を使用し、コロナ処理をしなかった以外は、接着試験(PP/ED-SPCC)と同様の接着試験を行った。
比較例3および7では、凝集破壊しているものの接着強度は低く、また、比較例1、2、4~6は、接着強度が高いものもあるが、すべて界面剥離している。一方、実施例はすべて凝集破壊しており、かつ、接着強度も高い。

Claims (10)

  1. ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有し、
    前記ポリイソシアネート成分が、第1イソシアネート成分と、第2イソシアネート成分とを含み、
    前記第1イソシアネート成分が、第1イソシアネート基末端プレポリマーを含み、
    前記第1イソシアネート基末端プレポリマーが、
    芳香族ポリイソシアネートからなる第1原料ポリイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールを含む第1原料ポリオールとの反応生成物であり、
    前記第2イソシアネート成分が、
    第2イソシアネート基末端プレポリマー、および/または、脂肪族ポリイソシアネートの誘導体を含み、
    前記第2イソシアネート基末端プレポリマーが、
    芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートを含む第2原料ポリイソシアネートと、ポリオキシプロピレンポリオールを含む第2原料ポリオールとの反応生成物であり、
    前記第2イソシアネート成分が、
    ポリイソシアネート成分に対して、3質量%以上25質量%以下であり、
    前記ポリオール成分が、
    低分子量ポリオールと、高分子量ポリオールとを含む、
    構造用ポリウレタン接着剤。
  2. 前記第1原料ポリオールが、さらにポリオキシプロピレンポリオールを含む、請求項1に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  3. 前記ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基が、1級水酸基である、請求項2に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  4. 前記第1原料ポリオールが、
    平均水酸基数2のポリオキシプロピレンポリオールと、
    平均水酸基数3のポリオキシプロピレンポリオールとを含む、
    請求項2~3のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  5. 前記ポリイソシアネート成分が、さらに、第3イソシアネート成分を含み、
    前記第3イソシアネート成分が、芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  6. 前記脂肪族ポリイソシアネートの誘導体が、
    脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのアロファネート変性体、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート-アロファネート変性体、および、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット変性体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  7. 前記第1原料ポリオールの総量に対して、前記ポリテトラメチレンエーテルポリオールが、5質量%以上50質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  8. 前記ポリオール成分の前記高分子量ポリオールが、
    ポリオキシプロピレンポリオールを含み、
    前記高分子量ポリオールに含まれる前記ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基が、1級水酸基である、請求項1~7のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  9. 前記ポリイソシアネート成分を含む主剤と、前記ポリオール成分を含む硬化剤とを備える2液硬化型接着剤である、請求項1~8のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
  10. 無溶剤型接着剤である、請求項1~9のいずれか一項に記載の構造用ポリウレタン接着剤。
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