JP2023112231A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波を用いた監視センサーを備える車両用灯具において、検知角領域の広角域における電磁波の反射による検知精度の低下を防止する。【解決手段】ランプハウジング100内に配設され、アウターレンズ102を透して所要の検知角度領域FOVに向けて電磁波を送波して対象物の検知を行うレーダーユニット1を備える。アウターレンズ102は電磁波が入射される入射角の違いに基づいて、当該入射される部位の板厚が相違され、入射角が大きくなるのに従って板厚が厚くなるように徐変された板厚徐変部104を備える。【選択図】 図3

Description

本発明は自動車等の車両に用いられる灯具に関し、特に車両の周辺を監視する監視用センサーを備えた車両用灯具に関する。
自動車の先進運転支援シスム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)では、自車両の前方や周辺に存在する障害物や他車両等の対象物を検知するための監視用センサーを自動車に装備する必要がある。この監視用センサーとして、撮像カメラ、LIDAR(Light detection and ranging)、ミリ波レーダーが用いられているが、特に近年では、霧や雨等の環境変化の影響を受けにくいミリ波レーダーの採用が進められている。
図1は、監視センサーとしてのミリ波レーダーを備えた自動車CARの概要を説明する平面図である。自動車CARの車体内前部、例えばエンブレムEの内部に前方監視用ミリ波レーダーが配設されており(以下、図1においてはミリ波レーダーの図示は省略している)、この前方監視用ミリ波レーダーはFOV(検知角:Field of view)領域がレーダーの中心を基準にして左右方向に略±10~15度の狭い角度域(以下、狭角又は狭角域と称する)を有し、自車両の前方領域FAに存在する対象物を検知する。
また、自動車CARの車体の前部や後部に周辺監視用ミリ波レーダーが配設される。例えば、車体前部の左右フェンダーの内部にそれぞれ前側方監視用ミリ波レーダーが配設され、車体後部のリアバンパーの内部にそれぞれ後側方監視用ミリ波レーダーが配設される。前側方監視用ミリ波レーダーはFOV領域がレーダー中心を基準にして左右方向に略±60~80度の広い角度域(以下、広角又は広角域と称する)を有しており、自車両の右前側方領域RFSAと左前側方領域LFSAに存在する対象物を検知する。後側方監視用ミリ波レーダーは同様に自車両の右後側方領域RRSAと左後側方領域LRSAに存在する対象物を検知する。
これらのミリ波レーダーは、自動車の車体内部に配設されているが、本出願人は先にミリ波レーダーを車両用灯具と一体に構成した技術を提案している。特許文献1では、自動車のヘッドランプの内部に監視用センサーとしてのミリ波レーダーを配設した技術を提案している。また、特許文献2には、自動車のヘッドランプのみならず、リアランプ(テールランプ)の内部にもミリ波レーダーを含む監視用センサーを配設することが記載されている。このように、ミリ波レーダーをランプ内に配設することにより、ランプを車体に取り付ければ、これと同時にミリ波レーダーを自動車に装備させることができ、ミリ波レーダーを独立して装備する場合に比較して自動車の組立作業の簡易化や工数低減の点で有利になる。
特開2020-104799号公報 特開2019-117197号公報
ミリ波レーダーはFOV領域を大きくすれば自車両の周囲の広い領域に存在する対象物を検知する上で有利である。特に、周辺監視用のミリ波レーダーは、周辺の広い領域の対象物を検知するためにはFOV領域を大きくすることが好ましい。しかし、ランプ内に配設されているミリ波レーダーでは、FOV領域の中心から両側方向の広角域に向けて送波されたミリ波は、ランプのアウターレンズの内面に対する入射角が中心域よりも大きくなるため、当該内面での反射が無視できなくなる。
すなわち、後述するフレネルの式からも分かるように、誘電体の表面に入射する電磁波の入射角が大きくなると反射係数が大きくなり、したがって透過係数は小さくなる。そのため、広角域に向けて送波されるミリ波が誘電体を透過する際のエネルギ損失(電力減衰量)が増大され、レーダーユニットによる検知精度が低下される。
広角域にわたって検知精度を高めるには、FOV領域を制限した複数のミリ波レーダーをそれぞれ異なる方向に向けて配設することが考えられるが、これではミリ波レーダーの個数が増加することになり、ランプの小型化や低コスト化の障害になる。このような課題は、監視用センサーとして電磁波を利用したセンサー、例えばLIDARを採用した場合についても同様である。
本発明の目的は、FOV領域の広角域における電磁波の反射による電力減衰を抑制して検知精度の低下を防止することが可能な監視センサーを備える車両用灯具を提供する。
本発明は、ランプハウジング内に配設され、当該ランプハウジングに設けられたレンズを透して所要の検知角領域に向けて電磁波を送波して対象物の検知を行うレーダーユニットを備える車両用灯具であって、レンズは電磁波が入射される入射角の違いに基づいて、当該入射される部位の板厚が相違され、入射角が大きくなるのに従って板厚が厚くなるように徐変された板厚徐変部を備える。
本発明において、板厚徐変部の板厚は、レンズの反射係数を算出するフレネルの式に電磁波の入射角を適用したときに、当該反射係数が最小になる板厚である。すなわち、板厚徐変部は、検知角領域の中心から両側の広角域に向けて徐々に板厚が増加される構成である。この場合、検知角領域の中心から両側に向けて階段状に板厚が増加される。また、電磁波が入射される側の面において板厚が徐変される。
本発明におけるレンズは、例えば、ランプハウジングのアウターレンズである。あるいは、ランプハウジングに内装されたインナーレンズである。
本発明によれば、FOV領域の広角域に向けられる電磁波がランプハウジングを透波される際における反射による電力減衰を抑制し、監視センサーとしてのレーダーユニットにおける検知精度の低下を防止した車両用灯具が提供される。
自動車の監視センサーの概要を説明する平面図。 実施形態1のヘッドランプの概略斜視図。 実施形態1のヘッドランプの図2のIII-III線に沿う概略断面図。 実施形態1のヘッドランプの概略部分分解斜視図。 アウターレンズの最適板厚の計算式。 アウターレンズにおける透過係数と反射係数の計算式。 異なる板厚での反射係数の計算結果のグラフ。 板厚徐変レンズの設計手法を説明する図。 板厚徐変レンズにおける電力減衰量のグラフ。 アウターレンズの板厚徐変部の設計手法を説明する図。 実施形態2のヘッドランプの概略斜視図。 実施形態2のヘッドランプの一部の平面断面図。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1について図面を参照して説明する。図2は本発明を車体の前部左右に配設したヘッドランプL-HL,R-HLに適用した自動車CARの外観図である。左右のヘッドランプL-HL,R-HLは左右対称の構成であり、同図には右ヘッドランプR-HLの外観を合わせて示している。この右ヘッドランプR-HLは、前方ないし左側方を開口した容器状のボディ101を備え、このボディ101の開口に透光性樹脂で構成されたアウターレンズ102が固定されてランプハウジング100が構成されている。
このランプハウジング100内には、ロービームランプとハイビームランプが一つのユニットとして構成された照明ユニット2と、クリアランスランプとターンシグナルランプとして兼用される標識ユニット3が配設されている。また、当該ランプハウジング100内の前面から見て左側の部位、すなわち車幅方向の外側部位には監視センサーとしてのレーダーユニット1が配設されている。このレーダーユニット1はミリ波レーダーで構成されている。
図3は図2のIII-III線に沿った概略の断面図であり、図4は右ヘッドランプの概略の部分分解斜視図である。前記照明ユニット2は、水平方向に配列された3つの照明ランプ21,22,23で構成されており、それぞれ図示は省略するが光源としての白色LED(発光ダイオード)と、この白色LEDから出射された白色光を所要の配光パターンで投影する投影レンズを備えている。ここでは、車幅方向の外側2つの照明ランプ21,22は点灯されたときにロービーム配光の光を投影するロービームランプとして構成されている。また、車幅方向の中央側の1つの照明ランプ23は前記2つのロービームランプ21,2と共に点灯されたときにハイビーム配光を形成するハイビームランプとして構成されている。この照明ユニット2は、配光制御が可能ないわゆるADB(Adaptive Driving Beam)ランプとして構成されてもよい。
前記標識ユニット3は、前記照明ユニット2の下側において車幅方向に延長されたインナーレンズ31と、このインナーレンズ31に光を入射する光源32を備えている。インナーレンズ31は無色の透光性部材で構成されて内部に光を導光する導光体として構成されており、所要の上下方向の幅寸法を有する横長の板状に形成されている。そして、ランプ前方に向けられた一方の板面(前面)が光出射面としてアウターレンズ102に対向され、ランプ後方に向けられた他方の板面(後面)には前記光源32から出射した光を内部に導入させるための光入射部33が形成されている。ここでは、光入射部33はインナーレンズ31の異なる2箇所に設けられており、それぞれインナーレンズ31の後面から所要の寸法で突出された突片状に形成されている。
前記光源32は、白色光を発光する白色LED32wと、アンバー色光を発光するアンバー色LED32uを備えており、白色LED32wはインナーレンズ31の光入射部33の一方に対向配置され、アンバー色LED32uは他方に対向配置されている。したがって、白色LED32wで発光された白色光は光入射部33の一方からインナーレンズ31に入射され、インナーレンズ31の光出射面からは白色光が出射される。また、アンバー色LED32uで発光されたアンバー色光は光入射部33の他方からインナーレンズ31に入射され、インナーレンズ31の光出射面からはアンバー色光が出射される。これにより、標識ユニット3は、白色LED32wでの発光によりクリアランスランプ(CL)として、又はデイタイムランニングランプ(DRL)として点灯され、アンバー色LED32uでの発光によりターンシグナルランプ(TSL)として点灯されることになる。
前記レーダーユニット1は、レーダー本体11を備えている。レーダー本体は矩形容器内にアンテナや電波モジュール等が一体収納され、アンテナが配設された側の面がミリ波を送波しかつ受波するミリ波送受面11aとして構成されている。このレーダー本体11のミリ波送受面11aから送波されたミリ波はアウターレンズ102を透波されて外部に投射され、検知する対象物で反射され、かつアウターレンズを透波されてきたミリ波をミリ波送受面11aにおいて受波することにより対象物の検知を行うことが可能である。このレーダー本体11はブラケット12によりランプボディ101に固定支持されるとともに、自動車に搭載されている図示を省略したECU(電子制御ユニット)に電気接続されており、レーダー本体11の出力に基づいてECUにおいて対象物の検知が行われる。
このレーダー本体11においては、複数の方向に向けてミリ波がそれぞれ送波される際の仮想波源Pを基準にしてFOV領域が定義されており、前側方監視ミリ波レーダーとして機能することができるように、ミリ波送受面11aの中心法線に対してFOV領域が水平方向(左右方向)に略±60~80度の角度域で、鉛直方向(上下方向)に略±30~40度の角度域での検知が可能に構成されている。また、レーダーユニット1はランプハウジング100内に配設されたときに、レーダー本体11のミリ波送受面11aが自動車の直進方向に対して右斜め前方に向けて配設される。ここでは、略右45度の角度に向けて配設される。
ここで、前記ヘッドランプR-HLにおいては、ランプハウジング100内に配設したレーダーユニット1がアウターレンズ102を透して外部に露見されることを防止するために、アウターレンズ102の少なくともレーダーユニット1に対応する領域は光を透過しない非透光領域103として構成されている。ここでは、アウターレンズ102は、いわゆる二色成形により形成されており、非透光領域103は黒色の樹脂で成形されている。図2,4において点描した領域が黒色樹脂の非透光領域103であり、アウターレンズ102の周縁部も黒色樹脂で成形されている。黒色に代えて、車体ボディ色としてもよい。このようにすることでヘッドランプの意匠効果を高めることができる。この非透光領域103は、光学的にはアウターレンズとして機能する領域ではないと言えるが、本発明においてはこの非透光領域を含めてアウターレンズと称している。
このように構成されたヘッドランプR-HLでは、図3に実線で示すように、レーダー本体11のミリ波送受面11aから送波されたミリ波は、アウターレンズ102のFOV領域Avを透波されて自動車の右前方領域に向けて投射される。このとき、図3に鎖線で模式的に示すように、一部のミリ波はアウターレンズ102の後面(内面)で反射され、反射されたミリ波がランプハウジング100の内面でさらに反射される等して散乱、回折が発生し、これがレーダー本体11で受波されることによりレーダーユニット1の検知精度やランプ配光制御に影響を与えることがある。
ここで、アウターレンズ102におけるミリ波の反射について説明する。なお、以下における算出については、文献(畠山賢一『最新ミリ波吸収、遮蔽、透過材の設計・実用化技術』、シーエムシー出版、2020年、PP3~8)を参照した。先ず、図5に示す算出式に基づいて、アウターレンズ102に対してミリ波が垂直に入射する際の透過係数が最適(最小)となるアウターレンズ102の最適板厚tを算出した。
すなわち、アウターレンズに限らずミリ波が透波されるレンズの後面に入射されたミリ波は、レンズの前面で内面反射され、この反射されたミリ波は更にレンズの後面で内面反射される。これらの反射されたミリ波がレンズの前面から出射される際に相互に干渉することにより透過係数が低下され、反射係数が増加される。そこで、レンズの板厚をミリ波の1/4波長の偶数倍とすることにより、これらのミリ波の位相が同位相となって相互に強めあい、透過係数が増加される。実施形態の周波数76.5GHzのミリ波レーダーではレンズの最適板厚tは2.46mmとなる。
一方、この最適板厚のレンズに斜め入射する際のミリ波の透過係数ΤEと反射係数ΓEを図6に示す算出式に基づいて算出した。この算出式では、ミリ波のTE波とTM波について透過係数と反射係数が計算できるが、本発明に密接な関係のあるTE波の反射係数ΓEについて計算した例を説明する
先ず、厚さが異なる平面レンズに対してミリ波が斜め入射する際の、入射角に対する反射係数を算出した。ここでは、レーダーユニットはFOV領域が±80度の範囲であるので、入射角が0度から±80度の範囲に対応してレンズの板厚を最適板厚2.46mmから板厚3.15mmまでの間の7つの異なる板厚のレンズについて算出した。この算出式では、板厚をdとして計算しているが、前記したレンズの板厚tのことである。
図7は算出した各板厚dにおける反射係数の特性である。板厚2.6mmでは入射角が30度のときに反射係数が0ないし略0になる。以下、同様に、板厚2.8mmでは入射角が50度のときに、板厚2.9mmでは入射角が60度のときに、板厚が3.1mmでは入射角が80度のときに、板厚3.15mmでは入射角が90度に近いときに、それぞれ反射係数が0ないし略0になる。このことから、板厚を増加させると、これに伴って反射係数が0になる入射角が大きくなることがわかる。
図8は算出された各板厚tの反射係数に基づいて、平面レンズにおける反射係数が最小となる板厚を設計する手法を示す概念図である。図8の上部に示すように、各板厚の反射係数を相互比較したときに、太実線で示す反射係数が最小となる領域を選択すれば、入射角±80度の範囲内について反射係数が最小となる板厚が得られる。
この結果に基づいて平面レンズを設計すると、図8の下部に示すように、レーダーユニット1の中心領域に対応する部位の板厚t0が最適板厚の2.46mmとなり、この部位から広角域に向けて入射角に応じて板厚t1,・・,t6が階段状に増加する板厚徐変レンズLsとして構成される。この板厚徐変レンズLsによれば、透波するミリ波は広い角度領域にわたって反射係数Γを、Γ=0ないしはΓ≒0にすることができる。
この板厚徐変レンズLsについて、レーダーユニット1からミリ波を送波して透波したミリ波における電力減衰量をシミュレーションした結果は図9の実線の通りである。破線は比較のための板厚が徐変されていない均一板厚の比較レンズLxにおける電力減衰量である。比較レンズLxでは、入射角が±40度を越えると電力が低下され始め、入射角±80度の近傍において電力は著しく低下している。これに対し、板厚徐変レンズLsでは、入射角が±60度を越える広角域において幾分の電力の変動が見られるが、この変動幅は実用には影響のない程度であることが分かる。
実施形態1のヘッドランプでは、この板厚徐変レンズLsの構成をアウターレンズ102に適用しており、図3には板厚が階段状に変化された板厚徐変部104を備えた形態が概略的に示されている。このアウターレンズ102は、図1に示した自動車CARの車体の前部の曲面形状に倣って凸状の曲面に形成されているので、アウターレンズ102を板厚徐変レンズとして設計する際には、当該アウターレンズ102の曲面を考慮する必要がある。
そこで、図10(a)に模式的に示すように、先ず、レーダーユニット1から送波されたミリ波がアウターレンズ102の後面に入射される領域、ここではFOV領域Av内の複数の部位(黒丸部位)を設定し、各部位においてレーダーユニット1からのミリ波がアウターレンズ102を透波する際の入射角θtを算出もしくは測定する。その上で、各部位について、その入射角θtに対して反射係数が0ないしは略0となるレンズ板厚を算出ないしは適用する。これにより、アウターレンズ102の前記各部位における好適な板厚を備えた板厚徐変部104を備えた板厚徐変レンズとして設計できる。
設計されたアウターレンズ102は、図10(b)のように、広角域に向けて板厚t(t0~t3)が曲面に沿って徐変される板厚徐変部104が形成される。この例では、アウターレンズ102が凸状の曲面であるので、平面レンズに比較すると広角域での入射角θtは相対的に小さくなる。したがって、この板厚徐変部104の入射角θtに対する板厚の変化量は、図8に示した平面レンズLsの場合に比較して小さくなる。
このように板厚徐変部104が形成されたアウターレンズ102を備えるヘッドランプR-HLは、ミリ波の入射角θtが30度程度以下のFOV領域Avの中央近傍域では、アウターレンズ102の板厚が最適板厚に形成されており、反射係数は極めて小さい値に抑制される。それよりも入射角θtが大きくなるFOVの広角域に向けては、アウターレンズ102の板厚が徐々に厚くなるように徐変されている。そのため、広角域に向けた領域においても反射係数が抑制され、図9に示したような広角域における電力減衰量の低下が抑制され、レーダーユニット1による検知精度の低下が防止される。
なお、実施形態1では、アウターレンズ102の板厚徐変部104においては階段状に板厚が変化されているが、隣接する板厚が相違する部位の境界を連続した傾斜面ないしは曲面に形成してもよい。このようにすることで、図9に示した広角領域において電力減衰量が波型に変化する特性を緩やかな特性とすることも可能となる。
実施形態1では、アウターレンズ102の板厚徐変部104は、ミリ波が入射される側の面、すなわちレーダーユニット1に向けられたランプ後側の後面(内面)において板厚が徐変されているので、アウターレンズ102の前面(外面)は平滑面として構成され、ヘッドランプR-HLの外観を損なうことはない。ヘッドランプR-HLの外観が問題とされない場合には、アウターレンズ102の前面において板厚が徐変される構成としてもよい。
なお、このように板厚を徐変したアウターレンズ102では、アウターレンズ102の板厚の異なる部位をそれぞれ透波するミリ波の路長(ミリ波が透波する際の光路長)が互いに異なる長さとなり、アウターレンズ102を透波されたときの各ミリ波の角度(位相角度)が角度誤差として生じることがある。しかし、この角度誤差については、アウターレンズ102の板厚を設計する際に算出することができるので、レーダーユニット1においてミリ波の位相を利用して検知を行う際に演算を行う演算部において角度誤差を補正することにより解消できる。
なお、図2に示した左ヘッドランプL-HLについても、以上説明した右ヘッドランプR-HLと同様に構成される。この場合には、照明ユニット2、標識ユニット3、及びレーダーユニット1の構成及び配置は右ヘッドランプR-HLと左右が対称の構成になる。そして、レーダーユニット1は図1に示した自動車の左前側方領域LFSAを検知することになる。
(実施形態2)
本発明が適用される板厚徐変レンズは、ランプハウジング100のアウターレンズ102に限られるものではない。図11は実施形態2のヘッドランプR-HLの概略斜視図である。実施形態1と等価な部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。この実施形態2では、ランプハウジング100内に配設されている標識ユニット2を構成するインナーレンズ31は、実施形態1よりもランプ前方から見て車幅方向の外側に延長されて面積が拡大されており、このインナーレンズ31の延長領域31aの後側にレーダーユニット1が配設されている。
インナーレンズ31は、この延長領域31aも標識灯(CL,TSL)の発光面として構成されている。そのため、アウターレンズ102は、延長領域31aが対面される領域には実施形態1のような黒色二色成形による非透光領域が形成されておらず、非透光領域103はインナーレンズ31の周囲領域に制限されている。一方、インナーレンズ31の前面(外面)、特に延長領域31aの前面には、図には表れないが、微細なレンズステップが形成されており、このレンズステップにおける光の屈折ないし拡散を利用することにより、インナーレンズ31(31a)を透してレーダーユニット1が外部に露見することが防止されている。
図12はランプハウジング100の一部の内部構成の概略水平断面図である。ランプハウジング100内では、インナーレンズ31はアウターレンズ102の後面に対して所要の間隙をおいて、かつ当該後面に沿うように配設されている。これにより、レーダーユニット1から送波されるミリ波は、インナーレンズ31を透波され、さらにアウターレンズ102を透波される。この構成において、インナーレンズ31のFOV領域に相当する領域について、実施形態1と同様な構成の板厚徐変部33が形成される。すなわち、インナーレンズ31の後面の当該領域を板厚徐変レンズとして構成している。
これにより、レーダーユニット1から送波されたミリ波が最初に透波するインナーレンズ31におけるミリ波の反射が抑制でき、検知精度を高めることができる。また、この実施形態2のようにミリ波がインナーレンズ31とアウターレンズ102を順次に透波される構成の場合には、図示は省略するが、インナーレンズ31とアウターレンズ102の双方に本発明を適用して両レンズを板厚徐変レンズとして構成してもよい。
さらに、実施形態2において、図示は省略するが、インナーレンズ31の内側にレーダーユニット1の露見を防止するための非透光ボード等を配設する場合には、当該非透光ボードについて本発明を適用し、板厚徐変ボードとして構成してもよい。なお、この非透光ボードは、光は透過しないが、ミリ波を含む電磁波を透過するに際してレンズ機能(屈折等)を有するので、本発明においてはこのような非透光ボードを含めてレンズと称している。
以上説明した実施形態では、本発明を自動車の前側方監視センサーを組み込んだヘッドランプに適用した例を示したが、自動車の後側方監視センサーを組み込んだリアランプについても本発明を適用することができる。すなわち、図1に示した左右の後側方領域RRSA,LRSAを監視する監視センサーを内蔵したリアランプとしても適用できる。
実施形態では、監視センサーとしてミリ波レーダーの例を示したが、光やマイクロ波等を含む電磁波を利用して対象物を検知する方式のレーダーユニットであれば、本発明を適用することは可能である。
1 レーダーユニット
2 照明ユニット
3 標識ユニット
11 レーダー本体
11a ミリ波送受面
31 インナーレンズ
33 板厚徐変部
100 ランプハウジング
101 ボディ
102 アウターレンズ
104 板厚徐変部
CAR 自動車(車両)
R-HL,L-HL ヘッドランプ
Av FOV領域

Claims (9)

  1. ランプハウジング内に配設され、当該ランプハウジングに設けられたレンズを透して所要の検知角領域に向けて電磁波を送波して対象物の検知を行うレーダーユニットを備える車両用灯具であって、前記レンズは前記電磁波が入射される入射角の違いに基づいて、当該入射される部位の板厚が相違されており、入射角が大きくなるのに従って板厚が厚くなる板厚徐変部を備えることを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記板厚徐変部の板厚は、レンズの反射係数を算出するフレネルの式に前記電磁波の入射角を適用したときに、当該反射係数が最小になる板厚である請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記板厚徐変部は、前記検知角領域の中心から両側の広角域に向けて徐々に板厚が増加される請求項1又は2に記載の車両用灯具。
  4. 前記板厚徐変部は、前記検知角領域の中心から両側に向けて階段状に板厚が増加される請求項3に記載の車両用灯具。
  5. 前記板厚徐変部は、前記レンズの前記電磁波が入射される側の面において板厚が徐変されている請求項2ないし4のいずれかに記載の車両用灯具。
  6. 前記レンズは前記ランプハウジングのアウターレンズである請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用灯具。
  7. 前記レンズはランプハウジングに内装されたインナーレンズである請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用灯具。
  8. 前記レーダーユニットは、車両のヘッドランプのランプハウジングに内装された前側方監視センサーとして、あるいは車両のリアランプのランプハウジングに内装された後側方監視センサーとして構成される請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用灯具。
  9. 前記レーダーユニットはミリ波レーダーで構成される請求項1ないし8のいずれかに記載の車両用灯具。


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