JP2023110630A - 内燃機関の軸受構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の複雑化を抑制する。【解決手段】内燃機関の軸受構造は、ベース11と、ベース11に固定された第1のカバー12と、ベース11に設けられた第1の軸受16と、第1のカバー12に設けられた第2の軸受17と、バランスシャフト13と、バランスシャフト13とは別部品であり、バランスシャフト13と結合され、バランスシャフト13と一体に回転する回転シャフト15と、記回転シャフト15によって駆動されるオイルポンプと、を備える。第1の軸受16は、バランスシャフト13と回転シャフト15との結合部21を回転可能に支持し、第2の軸受17は、回転シャフト15を回転可能に支持する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の軸受構造に関する。
従来、バランスシャフトの回転によってオイルポンプを駆動する内燃機関が知られている。
しかしながら、従来技術では、バランスシャフトの回転をチェーンを含む動力伝達機構を介してオイルポンプに伝える構成であり、バランスシャフトとオイルポンプとの軸受が別々に設けられているので、部品点数が多く内燃機関の複雑化につながっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関の複雑化を抑制することを目的の一つとする。
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関の軸受構造は、ベースと、前記ベースに固定された第1のカバーと、前記ベースに設けられた第1の軸受と、前記第1のカバーに設けられた第2の軸受と、バランスシャフトと、前記バランスシャフトとは別部品であり、前記バランスシャフトと結合され、前記バランスシャフトと一体に回転する回転シャフトと、前記回転シャフトによって駆動されるオイルポンプと、を備え、前記第1の軸受は、前記バランスシャフトと前記回転シャフトとの結合部を回転可能に支持し、前記第2の軸受は、前記回転シャフトを回転可能に支持する。
このような構成によれば、第1の軸受がバランスシャフトと回転シャフトとで共用されるので、第1の軸受けに伴う、バランスシャフトと回転シャフトとの間の位置精度または公差等を考慮せずに、軸受構造を実現することができる。
前記内燃機関の軸受構造は、前記第1のカバーに対して前記バランスシャフト側に配置され、前記第1のカバーに固定され、前記回転シャフトが入れられた孔が設けられた第2のカバーを備え、前記第2のカバーにおいて前記孔を形成する周面と前記回転シャフトとの間に隙間が設けられ、前記オイルポンプは、前記第1のカバーと前記第2のカバーとによって構成されたケーシングを有する。
このような構成によれば、第2のカバーと回転シャフトとの間に隙間があるので、バランスシャフトから第1のカバーにかけての第1の軸受と第2の軸受間の位置精度を緩和することができる。
前記内燃機関の軸受構造では、例えば、前記回転シャフトは、前記第1の軸受と前記第2の軸受とだけによって回転可能に支持されている。
このような構成によれば、回転シャフトが、3つ以上の軸受で支持されている構成に比べて、回転シャフトの位置精度を緩和することができる。
本発明によれば、内燃機関の複雑化を抑制することができる。
以下に、実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、実施形態に係る内燃機関10の一部を示す断面図である。図2は、実施形態の内燃機関10の一部を示す断面斜視図である。内燃機関10は、例えば、車両に搭載されるレシプロエンジンである。なお、内燃機関10は、他の種類の内燃機関であっても良いし、他の装置に搭載されても良い。
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、車両の幅に沿って設けられる。Y軸は、車両の長さに沿って設けられる。Z軸は、車両の高さに沿って設けられる。
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
以下の説明において、+Z方向は鉛直上方向であり、-Z方向は鉛直下方向であるものと定義される。なお、車両が位置する場所やタイヤの状態のような種々の条件により、Z方向が鉛直方向と異なっても良い。
内燃機関10は、クランクケース11と、チェーンカバー12と、バランスシャフト13と、回転シャフト15と、オイルポンプ14と、第1の軸受16と、第2の軸受17と、を備える。なお、内燃機関10は、上記以外にシリンダブロックやオイルパン、クランクシャフト、チェーン等の構成を備える。クランクケース11と、チェーンカバー12と、第1の軸受16と、第2の軸受17と、バランスシャフト13と、オイルポンプ14とは、内燃機関10の軸受構造を構成する。
クランクケース11は、外面11aを有する。また、クランクケース11には、外面11aに開口した内部空間11bが設けられている。また、クランクケース11には、第1の軸受を支持する支持部11cが設けられている。クランクケース11は、ベースの一例である。なお、ベースは、シリンダブロック等であってもよい。
チェーンカバー12は、クランクケース11の外面11aに重ねられている。チェーンカバー12は、クランクケース11にボルト等の結合具22(図2)によって固定されている。チェーンカバー12は、クランクケース11と当該チェーンカバー12との間に位置するチェーン(不図示)を覆う。チェーンカバー12の内面12aには、凹部12bが設けられている。凹部12bは、内面12aに開口している。また、チェーンカバー12には、有底の孔12cが設けられている。孔12cは、凹部12bの底に開口している。チェーンカバー12における孔12cを形成する周面12dに、第2の軸受17が設けられている。第2の軸受17は、滑り軸受である。すなわち、第2の軸受17は、周面12dの一部によって構成されている。
バランスシャフト13は、クランクケース11の内部に少なくとも一部が収容されている。バランスシャフト13は、回転中心軸Ax回りに回転可能に第1の軸受16を含む二つの軸受(一方の軸受は不図示)によって支持されている。バランスシャフト13の一端部13aは、第1の軸受16に回転可能に支持されている。以後、特に言及しない限り、軸方向、径方向、及び周方向は、回転中心軸Axの軸方向、径方向、及び周方向である。
第1の軸受16は、転がり軸受であり、外輪16aと、内輪16bと、転動体16cと、を有する。
回転シャフト15は、一端部15aと、他端部15bと、を有する。回転シャフト15は、大径部15cと、小径部15dと、を有する。大径部15cは、一端部15aを含む。小径部15dは、他端部15bを含み、大径部15cよりも直径が小さい。
回転シャフト15は、バランスシャフト13に径の違いを有しつつ結合されており、バランスシャフト13と一体に回転中心軸Ax回りに回転する。
具体的には、回転シャフト15とバランスシャフト13とは、スプライン結合されている。回転シャフト15の大径部15cには、雄スプライン部15eが設けられている。雄スプライン部15eは、外歯によって構成されている。一方、バランスシャフト13の一端部13aには、孔13bが設けられており、バランスシャフト13において孔13bを形成する面13cに、雌スプライン部13dが設けられている。雌スプライン部13dは、内歯によって構成されている。そして、回転シャフト15の大径部15cがバランスシャフト13の孔13bに入れられ、雄スプライン部15eと雌スプライン部13dとが互いに噛み合っている。雄スプライン部15eおよび雌スプライン部13dは、バランスシャフト13と回転シャフト15との結合部21を構成する。結合部21は、スプライン結合部とも称される。
オイルポンプ14は、例えば、トロコイド式オイルポンプであり、ケーシング31と、アウターロータ32と、インナーロータ33と、を有する。オイルポンプ14は、インナーロータ33の回転により、オイルパンに貯留されたオイルを吸込口から吸い込み、吸い込んだオイルを吐出口から吐出する。オイルポンプ14から吐出されたオイルは、内燃機関10の各部に通路等を介して供給される。各部に供給されたオイルは、重力の作用によって落下しオイルパンに戻る。
ケーシング31は、チェーンカバー12に設けられたベース部34と、ポンプカバー35と、を有する。ベース部34は、チェーンカバー12における凹部12bを含む部分であり、チェーンカバー12と一体形成されている。すなわち、チェーンカバー12の一部がベース部34を構成している。
ポンプカバー35は、凹部12bを覆った状態でチェーンカバー12にネジ等の結合具23によって固定されている。ポンプカバー35は、チェーンカバー12を介してクランクケース11に固定されており、クランクケース11に直接には固定されていない。ポンプカバー35は、内燃機関10の軸受構造を構成する。
ポンプカバー35は、一面35aと、他面35bと、を有する。一面35aは、チェーンカバー12の内面12aに重ねられている。また、ポンプカバー35には、孔35cが設けられている。孔35cは、ポンプカバー35の厚さ方向にポンプカバー35を貫通している。すなわち、孔35cは、一面35aと他面35bとに開口している。孔35cには回転シャフト15の小径部15dが入れられている。ポンプカバー35において孔35cを形成する周面35dと回転シャフト15の外周面15fとは、離間しており、ポンプカバー35の周面35dと回転シャフト15の外周面15fとの間には、隙間Saが形成されている。
アウターロータ32には、トロコイド曲線等で複数の凹部が形成されている。インナーロータ33は、アウターロータ32の凹部よりも数が一つ少ない凸部を有し、アウターロータ32の内側に配置されて、アウターロータ32と噛み合っている。インナーロータ33には、孔33aが形成されている。孔33aは、インナーロータ33を軸方向に貫通している。孔33aには、回転シャフト15の小径部15dが圧入されている。すなわち、インナーロータ33は、回転シャフト15及びバランスシャフト13と一体に回転中心軸Ax回りに回転する。インナーロータ33は、凸部の先端がアウターロータ32の凹部の内面を滑りながら回転する。これにより、オイルの吸引及び吐出が行われる。なお、オイルポンプ14は上記の構成に限られない。
ポンプカバー35の他面35bには、二つの案内部36,37が設けられている。案内部36は、ポンプカバー35からバランスシャフト13と回転シャフト15との結合部21側に突出している。案内部36は、ポンプカバー35の周面35dと回転シャフト15の外周面15fとの隙間Saから漏れるオイルポンプ14のオイルを第1の軸受16に案内する。案内部36は、ポンプカバー35からバランスシャフト13と回転シャフト15との結合部21側に突出している。案内部37は、結合部21よりも上方に位置するオイル孔51から落下するオイルを結合部21に案内する。
上記構成の内燃機関10では、バランスシャフト13の回転に伴って回転シャフト15が回転し、回転シャフト15の回転よってオイルポンプ14を駆動するオイルポンプ駆動方法が実行される。
以上のように、本実施形態では、内燃機関10の軸受構造は、クランクケース11(ベース)と、チェーンカバー12(第1のカバー)と、第1の軸受16と、第2の軸受17と、バランスシャフト13と、オイルポンプ14と、を備える。チェーンカバー12は、クランクケース11に固定されている。第1の軸受16は、クランクケース11設けられている。第2の軸受17は、チェーンカバー12に設けられている。回転シャフト15は、バランスシャフト13とは別部品であり、バランスシャフト13と結合され、バランスシャフト13と一体に回転する。オイルポンプ14は、回転シャフト15によって駆動される。前記第1の軸受16は、バランスシャフト13と前記回転シャフト15との結合部21を回転可能に支持し、第2の軸受17は、回転シャフト15を回転可能に支持する。
このような構成によれば、第1の軸受16がバランスシャフト13と回転シャフト15とで共用されるので、例えば、バランスシャフト13と回転シャフト15とがチェーン等で結合されバランスシャフト13と回転シャフト15とに第1の軸受16に対応する軸受がそれぞれ設けられた構成に比べて、位置精度または公差等を考慮せずに構成でき、ひいては内燃機関10の複雑化を抑制することができる。
また、内燃機関10の軸受構造は、ポンプカバー35(第2のカバー)を備える。ポンプカバー35は、チェーンカバー12に対してバランスシャフト13側に配置され、チェーンカバー12に固定されている。ポンプカバー35には、回転シャフト15が入れられた孔35cが設けられている。ポンプカバー35において孔35cを形成する周面35dと回転シャフト15との間に隙間Saが設けられている。
このような構成によれば、ポンプカバー35と回転シャフト15との間に隙間Saがあるので、バランスシャフト13からチェーンカバー12にかけての第1の軸受16と第2の軸受17間の位置精度を緩和することができる。よって、内燃機関10の組み立てを容易に行うことができる。
また、回転シャフト15は、第1の軸受16と第2の軸受17とだけによって回転可能に支持されている。
このような構成によれば、回転シャフト15が、3つ以上の軸受で支持されている構成に比べて、回転シャフト15の位置精度を緩和することができる。よって、内燃機関10の組み立てを容易に行うことができる。
また、第1の軸受16と第2の軸受17との間には、動作部品はオイルポンプ14だけが設けられている。よって、回転シャフト15の長さを短くできるので、オイルポンプ14におけるモーメントの低減を図ることができる。
なお、上記実施形態では、ポンプカバー35がチェーンカバー12を介してクランクケース11に固定された例が示されたが、これに限定されない。例えば、チェーンカバー12がポンプカバー35を介してクランクケース11に固定されていてもうよい。この場合、第2の軸受17は、ポンプカバー35に設けられる。すなわち、第2の軸受17は、クランクケース11に直接固定された部材に設けられる。
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
10…内燃機関、11…クランクケース(ベース)、12…チェーンカバー(第1のカバー)、13…バランスシャフト、14…オイルポンプ、16…第1の軸受、17…第2の軸受、35…ポンプカバー(第2のカバー)、35c…孔、35d…周面、Sa…隙間。
Claims (3)
- ベースと、
前記ベースに固定された第1のカバーと、
前記ベースに設けられた第1の軸受と、
前記第1のカバーに設けられた第2の軸受と、
バランスシャフトと、
前記バランスシャフトとは別部品であり、前記バランスシャフトと結合され、前記バランスシャフトと一体に回転する回転シャフトと、
前記回転シャフトによって駆動されるオイルポンプと、
を備え、
前記第1の軸受は、前記バランスシャフトと前記回転シャフトとの結合部を回転可能に支持し、
前記第2の軸受は、前記回転シャフトを回転可能に支持する、
内燃機関の軸受構造。 - 前記第1のカバーに対して前記バランスシャフト側に配置され、前記第1のカバーに固定され、前記回転シャフトが入れられた孔が設けられた第2のカバーを備え、
前記第2のカバーにおいて前記孔を形成する周面と前記回転シャフトとの間に隙間が設けられた、
請求項1に記載の内燃機関の軸受構造。 - 前記回転シャフトは、前記第1の軸受と前記第2の軸受とだけによって回転可能に支持された、
請求項1または2に記載の内燃機関の軸受構造。
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2022
- 2022-01-28 JP JP2022012204A patent/JP2023110630A/ja active Pending
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