JP2023098352A - 大規模需要施設における多機能利水システム - Google Patents

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昌邦 鍋田
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修 佐藤
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Abstract

【課題】 日常的な利水システムと災害発生時等の非常時における利水システムとを総合的に融合させ、あえて非常時対応の貯水槽等の設置を別途行わなくとも済む、大規模需要施設における多機能利水システムを開発することを技術課題とした。【解決手段】 大規模需要施設に付設され、日常消費用水、緊急用水を含む、複数目的の用水を一元的に供給できるようにした多機能利水システムSであって、大規模需要施設の運営主体が管理する貯水槽2を具え、この貯水槽2を経て各需要者へ上水を供給するものであり、前記貯水槽2は、地中埋設され、公共配水管31から、量水器40を具えた導入分岐管32により上水を貯留し、一方、貯留した上水を、逆止弁44を具えた流出管33から、各需用者に供給するものであり、且つ、前記貯水槽2の容積は、大規模需要施設における消費水量の最低限3日分の水量を確保することができる容積としたことを特徴として成る。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、中高層マンション等の集合住宅、病院等、消費水量が多い施設に設けられることが好ましい大規模需要施設における多機能利水システムに関するものである。
中高層マンション等における給水方式としては、受水槽(貯水槽)方式と、直結給水方式とがある。最近の傾向としては、受水槽に上水を一時貯留することによる水質の劣化を回避すべく、直結給水方式が多く採用されている。
しかし乍ら、この直結給水方式は、受水槽を具えないため、災害発生時等にともなう停電時等には、各戸に向けた給水は停止してしまう。
一方、近年の自然災害の頻発から、防火水槽を強化したり、非常用備蓄水槽を設置したりする等の公共的なインフラ整備が行われている(例えば特許文献1参照)。
このような災害等の緊急対応の視点で防災設備を視ると、その規模は、これを利用するエリアの居住者数を考慮して決定されている。このため、例えば高層マンション等をエリア内に含んでいると居住者数も多く、且つ集中しており、これに対応して公共インフラとしての防災設備を用意するとなると大規模のものとならざるを得ず、自治体としての公共的な支援は負担が大きい。
このような状況の下、現状では前述のような高層集合住宅等における日常的な給水システムと、非常時の給水システムである防火水槽等とに関しては、規制法制度の制約も一要因ではあるが、両者を有機的に関連づけたシステムを含め、公共的なインフラ整備負担の軽減化をも達成できるようにした総合的な対応システムはほとんど考慮されていない。
特開2000-352084公報
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、日常的な利水システムと災害発生時等の非常時における利水システムとを総合的に融合させ、あえて非常時対応の貯水槽等の設置を別途行わなくとも済む、大規模需要施設における多機能利水システムを開発することを技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の大規模需要施設における多機能利水システムは、大規模需要施設に付設され、日常消費用水、緊急用水を含む、複数目的の用水を一元的に供給できるようにした多機能利水システムであって、この多機能利水システムは、大規模需要施設の運営主体が管理する貯水槽を具え、この貯水槽を経て各需要者へ上水を供給するものであり、前記貯水槽は、地中埋設され、公共配水管から、量水器を具えた導入分岐管により上水を貯留し、一方、貯留した上水を、逆止弁を具えた流出管から、各需用者に供給するものであり、且つ、前記貯水槽の容積は、大規模需要施設における消費水量の最低限3日分の水量を確保することができる容積としたことを特徴として成るものである。
また請求項2記載の大規模需要施設における多機能利水システムは、前記請求項1記載の要件に加え、前記貯水槽内の上水の流れは、前記導入分岐管に接続された槽内導入管の槽内放出孔から、流出管に接続された槽内流出管の槽内吸込孔に至る全槽域内で、無停滞水流であることを特徴として成るものである。
また請求項3記載の大規模需要施設における多機能利水システムは、前記請求項1または2いずれか記載の要件に加え、前記貯水槽には、非常揚水菅が具えられていることを特徴として成るものである。
また請求項4記載の大規模需要施設における多機能利水システムは、前記請求項2または3いずれか記載の要件に加え、前記導入分岐管と槽内導入管との間、または流出管と槽内流出管との間の何れか一方または双方には、緊急遮断弁が具えられていることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の要件を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、日常的な利水システムと災害発生時等の非常時における利水システムとを総合的に融合させ、あえて非常時対応の貯水槽等の設置を別途行わなくとも済む、大規模需要施設における多機能利水システムを実現することができる。
また請求項2記載の発明によれば、貯水槽内の上水の流れは、導入分岐管に接続された槽内導入管の槽内放出孔から、流出管に接続された槽内流出管の槽内吸込孔に至る全槽域内で、無停滞水流となるため、貯水室内における水の滞留がなく、常に新鮮な状態の上水を各個別住居に供給することができる。
また請求項3記載の発明によれば、貯水槽を、平常時は飲料水を供給する経路の途中の貯水槽として利用し、常時新鮮な上水が貯留供給されるようにすると共に、非常時にはこれを適宜に非常用の貯水槽として利用することができるものである。
また請求項4記載の発明によれば、貯水槽内の上水の流出及び汚染を防ぐことができるため、災害発生時等の非常時における利水システムとしての信頼性を向上することができる。
本発明の大規模需要施設における多機能利水システム全体を示す概念図であって、多機能利水システム全体を示す断面図並びに貯水槽、管路系機材及び制御駆動系装置を拡大して示す斜視図である。 貯水槽、管路系機材及び制御系装置を示す回路図である。
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更に本発明の技術思想内において改良し得る種々の手法を含むものである。
以下本発明の大規模需要施設における多機能利水システムS(以下多機能利水システムSと略称する)について説明する。このものは例えば、高層集合住宅1を一例とする大規模な水需要がある施設に付設されて、日常の消費用水と、例えば地震、火災等の発災時の緊急用水を含む複数目的の用水とを、一元的に供給できるようにした利水システムである。
この多機能利水システムSは、大規模需要施設としての高層集合住宅1の運営主体が管理する貯水槽2を具え、この貯水槽2を経て各需要者たる個別住居11等へ上水(水道水)を供給するものである。多機能利水システムSの構成部材の大略は前記大規模需要施設たる高層集合住宅1、貯水槽2及びこれらを接続する管路系機材3並びにこの管路系機材3を制御駆動する制御駆動系装置4等を主要構成部材とする。
以下これら構成部材ごとに説明する。
まず大規模需要施設の一例である高層集合住宅1は、図1に骨格的に図示すように、個別住居11を多数含み、各個別住居11はそれぞれ水道栓12をいくつか具えている。なお大規模需要施設としてはこのような高層集合住宅1の他、例えば大規模な病院、公共施設、商業施設、アミューズメント施設等が挙げられる。
そして大規模需要施設が公共水道等を接続する場合、公共配水管31から仕切弁41、量水器40を経て、大規模需要施設に水道水が供給されるものであるが、この公共配水管31から分岐し、仕切弁41から下流の施設については、大規模需要施設の管理者の管轄下に置かれることが法制上規定されている。従って本発明の多機能利水システムSは、この公共配水管31から分岐して大規模需要施設の管理者の管轄下において成立させるシステムになっている。このため本発明の多機能利水システムSは国内法令では、消防設備としての認定を取得する必要が無いシステムとして構築されるものであるが、水道設備としての認証に加え、消防設備としての認証を取得することが好ましい。
次に前記貯水槽2について説明する。貯水槽2は貯水槽本体20を主要部材とするものであり、このものは一例として縦置きの円筒状を成し、その周胴部21に対し底部22および頂板部23を具えて、その内部を貯水室24としたものである。前記周胴部21については、例えば内外二層の鋼殻体21aの間に、モルタルあるいは高密度発砲樹脂等の充填剤21bを充填した構成とすることが好ましい。更に貯水槽2全体の構造を耐震構造とすることが好ましい。
なお貯水槽2の容積は、一例として大規模需要施設における消費水量の最低限3日分、好ましくは5日分、更に好ましくは7日分の水量を確保することができる容積とする。したがって高層集合住宅1の戸数が370戸、一戸当たりの住人が三名、一人当たり1日3リットル消費するとした場合、貯水槽2の容積は最低限、370×3×3×3=9990リットル以上とされる。
なお前記消費水量については、一戸当たり1日6リットル消費するとする等、戸単位で設定するようにしてもよく、この場合、高層集合住宅1の戸数が370戸であれば貯水槽2の容積は最低限、370×6×3=6660リットル以上とされる。
更に貯水槽本体20の内面は、規格認証された水道水用の塗料等により保護されるとともに、外面は塗装並びに適宜の電蝕防止設置棒等により防錆対策が施されることが好ましい。また底部22については地震等の液状化に具えて、貯水槽2を上昇させる動きを排除すべく、地下水圧解放菅25を底部22から一例として貯水槽本体20中心を通って頂板部23の上方に連通させる等、その対策を採ることが好ましい。
更に前記頂板部23の上方には複数の機材筒26を設けるものであり、これらは適宜に必要とする管路系機材3及び制御駆動系装置4を操作するスペース(マンホール)とするために設けられ、その上端は地表面と合致させて、適宜のハッチ26aが設けられる。
次に前記管路系機材3について説明する。管路系機材3は基本的には、公共配水管31から導入した上水を貯水槽2内に供給し、また各個別住居11に供給するための複数の管路として構成されるものである。まず公共配水管31から分岐した導入分岐管32が設けられるものであり、この導入分岐管32には、分岐部分に後述する仕切弁41を設けると共に、その仕切弁41の下流側に量水器40が設けられる。
そして公共配水管31から分岐した導入分岐管32には、槽内導入管32aが接続されるものであり、この槽内導入管32aは、一例として頂板部23から貯水室24内に進入し、底部22付近に至るように設けられる。更に槽内導入管32aには、槽内放出孔32bが一例として上下2個所に亘って設けられる。
一方、底部22付近から頂板部23を通じて貯水室24外に進出する、槽内流出管33aが設けられるものであり、このものには槽内吸込孔33bが一例として上下2個所に亘って設けられる。
なおこれら槽内導入管32aにおける槽内放出孔32bと、槽内流出管33aにおける槽内吸込孔33bとは、互いにその向きを背中合わせ状として反対方向となるように設定される。これは槽内導入管32aから貯水室24内に導入された上水を、貯水室24内に満遍なく分散されて、最終的に貯水室24内に滞留部を生ずることなく、槽内流出管33aから流出させるための構成である。
そして前記槽内流出管33aは流出管33に接続されるものであり、更にこの流出管33は、高層集合住宅1の最上階まで至る需要向流出管34に接続されており、この需要向流出管34には、各個別住居11等に向けた個別流出分岐管34aが接続される。
なお図1では、流出管33には一本の需要向流出管34しか接続されていないが、貯水槽2が複数の高層集合住宅1へ上水を供給するような場合には、当然ながら個々の高層集合住宅1に配設された複数の需要向流出管34が、流出管33に接続されることとなる。
更に管路系機材3としては非常揚水管35が具えられる。このものは一例として二本が設けられ、一方は手動ポンプ用揚水管35aであり他の一方は駆動ポンプ用揚水管35bである。もちろん非常揚水管35は少なくとも一本のみ設けられていれば良いし、更に本数を増やしても差し支えない。
次にこれら管路系機材3の流路制御、あるいは上水のポンプアップ等を行う制御駆動系装置4の構成要素について説明する。
まず、前記管路系機材3の何カ所かに仕切弁41が設けられる。このうち導入管用仕切弁41aは、前記公共配水管31から分岐した導入分岐管32に設けられるものであって、既に述べたように導入管用仕切弁41aから下流側は、制度上、大規模需要施設の管理主体に属する私的設備と解釈される。
一方、流出管33には流出管用仕切弁41bが設けられ、更に導入分岐管32と流出管33との間を直結する連通管路36には、通常時には閉鎖状態に設定される点検時仕切弁41cが設けられる。
更に前記導入分岐管32及び流出管33には緊急遮断弁42が設けられるものであり、この実施例では、前記導入分岐管32と槽内導入管32aとの間に緊急遮断弁42aを設け、前記流出管33と槽内流出管33aとの間の双方に緊急遮断弁42bを設けるようにした。
なお後述するように導入分岐管32側において、導入側逆止弁44aが設けられる場合には、この導入側逆止弁44aにより、貯水槽2内に貯水されていた上水が、公共配水管31側に流出するのが防止されるため、導入分岐管32側には必ずしも緊急遮断弁42aを設ける必要はない。
前記緊急遮断弁42は地震発生時等に緊急的に作動する遮断弁であって、バタフライ弁やボール弁が適用される。
なおこの緊急遮断弁42は、電磁弁等外部電力による駆動がされる弁体であってもよいが、好ましくは、例えば貯水室24内の水量の減少や管路系機材3内の急激な圧力変化、地震による振動等の災害発生時の事象を感知器43により感知して作動する、機械式のものを用いることがさらに好ましい。
具体的には緊急遮断弁42を、一例としてボール弁の開度を設定する軸体にコイルばねを組み合わせ、適宜の開放状態でロックが掛かるような構成とする。一方、感知器43として、一例として空気弁が適用されるものであり、空気弁内に設けられるフロートの動きに連動するレリーズロッドにより、前記緊急遮断弁42のロックを解除し、コイルばねの作用等によってボール弁を全閉状態とするような構成が採られる。
これら緊急遮断弁42、非常時等において、また貯水槽2内に貯水されていた上水が、流出しないようにするためのものである。
更に導入分岐管32、流出管33には逆止弁44が設けられるものであり、図1の拡大斜視図及び図2には公共配水管31と導入管用仕切弁41aとの間に導入側逆止弁44aが設けられ、後述する増圧ポンプ45と流出管用仕切弁41bとの間に流出側逆止弁44bが設けられた実施例が示されている。
なお図1の断面図に示すように、量水器40の下流側に導入側逆止弁44aを設け、流出管用仕切弁41bの上流側に流出側逆止弁44bを設けるようにしてもよい。
これら逆止弁44は、非常時等において、例えば大規模需要設備側に供給されていた上水が逆流して貯水槽2内に流入することを防ぎ、また貯水槽2内に貯水されていた上水が、公共配水管31側に流出しないようにするためのものである。
更に大規模需要施設としての高層集合住宅1の場合、公共配水管31による水圧のみでは高層階までには充分に上水を供給し得ない場合もあり、この場合に備えて需要向流出管34に増圧ポンプ45が別途設けられる。このものは平常時に用いられるものであり、一般的な電力源により駆動されるモーター駆動のポンプが適用される。
更に前記管路系機材3の内、非常揚水管35に対してはポンプが接続されるものであり、手動ポンプ用揚水管35aに対しては非常用手動ポンプ46が接続され、一方、駆動ポンプ用揚水管35bに対しては非常用駆動ポンプ47が接続される。なおこの非常用駆動ポンプ47は、例えば内燃機関により直接駆動されるものや、内燃機関により駆動される発電機あるいは高密度エネルギー電池により駆動されるもの等、公共電力を使用しないで作動することができるポンプである。
本発明は一例として以上述べたような構成が採られるものであり、以下その作動態様について説明する。
〈正常時〉
まず正常時における作動態様は、前記導入管用仕切弁41aが解放され、また流出管用仕切弁41bも解放されている。一方、点検時仕切弁41cは閉鎖された状態に設定され、更に緊急遮断弁42も非作動状態で、この緊急遮断弁42を通る経路自体は解放状態となっている。
このような状態で公共配水管31からの上水(水道水)を貯水槽2内に供給すると、その水圧は、そのまま流出管33に至り、更に増圧ポンプ45によって増圧されて、需要向流出管34、個別流出分岐管34aに至る。そして各個別住居11等の使用者は、適宜に水道栓12を解放することにより、日常消費用水として公共水道の上水の供給を受けることができる。
このとき貯水槽2内にあっては、槽内導入管32a及び槽内流出管33aそれぞれの、特に槽内放出孔32b、槽内吸込孔33bの作用により、貯水室24内での水流は貯水室24をまんべんなく巡回した後、槽内吸込孔33bから槽内流出管33a内に至り、需要向流出管34を通って各個別住居11に供給される。即ち貯水槽2内の上水の流れは、前記導入分岐管32に接続された槽内導入管32aの槽内放出孔32bから、流出管33に接続された槽内流出管33aの槽内吸込孔33bに至る全槽域内で、無停滞水流となるため、貯水室24内における水の滞留がなく、常に新鮮な状態の上水が各個別住居11に供給されるものである。
〈非常時〉
一方、非常時としては、例えば地震等の災害のほか、公共配水管31の一部における老朽化等で断水事故等が生ずる場合がある。このような場合、導入分岐管32には上水が供給されなくなり、従って流出管33を通じた各個別住居11による水の消費に従って、貯水室24内に貯留されていた上水が減少してゆく。
この貯水室24内の水量の減少や管路系機材3内の急激な圧力変化、地震による振動等の災害発生時の事象を感知器43が感知して緊急遮断弁42を閉鎖状態にし、導入分岐管32及び流出管33の経路を遮断する。この状態では需要向流出管34を通じた各個別住居11には上水が供給されなくなるが、基本的には住人が非常事態であることを察知しており、その対応を行う非常時の給水体制を了解する。
なおこのような非常時には前記逆止弁44がそれぞれ作用して、貯水室24内に貯水した上水の公共配水管31への流出も防ぐこともできるし、また高層集合住宅1における需要向流出管34内に貯留されていた上水の貯水室24内への逆流も防止される。
このような状態で大規模需要施設の運営者あるいは自主防災組織等により、貯水室24内に残留している上水を汲み上げて、適宜居住者にこれを緊急用水として提供することが行われる。
具体的には、作業者がハッチ26aを開けて機材筒26内に降下進入し、そこに配置されている前記非常揚水管35のコネクタに対し、非常用手動ポンプ46又は非常用駆動ポンプ47に繋がれたホースのコネクタを接続するとともにポンプを操作して、貯水室24内に残留している上水を汲み上げる。
本発明の多機能利水システムSは以上述べたように、公共配水管31の下流に位置する貯水槽2を、平常時は飲料水を供給する経路の途中の貯水槽2として利用し、常時新鮮な上水が貯留供給されるようにすると共に、非常時にはこれを適宜に非常用の貯水槽2として利用することができるものである。
なお上述のように発災時において、緊急遮断弁42により導入分岐管32及び流出管33の経路が遮断された状態であっても、例えば一時的に公共配水管31が復旧したようなときには、連通管路36に具えられた点検時仕切弁41cを開放することにより、連通管路36をバイパス経路として導入分岐管32と流出管33とを繋ぎ、貯水室24内に貯えられている上水を消費することなく、各個別住居11に上水を供給することができる。因みにこの様な連通管路36をバイパス経路とした公共配水管31から各個別住居11への上水の供給は、正常時において貯水室24の保守作業を行う場合にも実施される。
〈火災時〉
また上述した正常時、非常時共に、貯水槽2内に貯留されている上水は、前記非常用手動ポンプ46又は非常用駆動ポンプ47を用いて、消防水利としても利用することができる。特に地震の発災時には、道路状況の悪化や火災の多発等により、消防車が火災現場に到達することができないといった事態が生じるが、本発明の多機能利水システムSを有する大規模需要施設の運営者あるいは自主防災組織等は、高層集合住宅1や地域の住人の生命、財産を火災による被害から守ることができる。このため、高層集合住宅1や地域の不動産価値等を高めることができる。
更に以上述べた実施例は、円筒形の貯水槽2をいわば縦型配置したものであるが、円筒状のタンク形状の貯水槽2を横置き配置したようなものであってもよい。このような場合であっても、これに付設する管路系機材3、制御駆動系装置4等をはじめとする諸設備は前記実施例と同様の形態を採り得る。
S 多機能利水システム
1 高層集合住宅
11 個別住居
12 水道栓

2 貯水槽
20 貯水槽本体
21 周胴部
21a 鋼殻体
21b 充填剤
22 底部
23 頂板部
24 貯水室
25 地下水圧解放菅
26 機材筒
26a ハッチ

3 管路系機材
31 公共配水管
32 導入分岐管
32a 槽内導入管
32b 槽内放出孔
33 流出管
33a 槽内流出管
33b 槽内吸込孔
34 需要向流出管
34a 個別流出分岐管
35 非常揚水管
35a 手動ポンプ用揚水管
35b 駆動ポンプ用揚水管
36 連通管路

4 制御駆動系装置
40 量水器
41 仕切弁
41a 導入管用仕切弁
41b 流出管用仕切弁
41c 点検時仕切弁
42 緊急遮断弁
42a 緊急遮断弁
42b 緊急遮断弁
43 感知器
44 逆止弁
44a 導入側逆止弁
44b 流出側逆止弁
45 増圧ポンプ
46 非常用手動ポンプ
47 非常用駆動ポンプ

Claims (4)

  1. 大規模需要施設に付設され、日常消費用水、緊急用水を含む、複数目的の用水を一元的に供給できるようにした多機能利水システムであって、
    この多機能利水システムは、大規模需要施設の運営主体が管理する貯水槽を具え、この貯水槽を経て各需要者へ上水を供給するものであり、
    前記貯水槽は、地中埋設され、公共配水管から、量水器を具えた導入分岐管により上水を貯留し、一方、貯留した上水を、逆止弁を具えた流出管から、各需用者に供給するものであり、
    且つ、前記貯水槽の容積は、大規模需要施設における消費水量の最低限3日分の水量を確保することができる容積としたことを特徴とする大規模需要施設における多機能利水システム。
  2. 前記貯水槽内の上水の流れは、前記導入分岐管に接続された槽内導入管の槽内放出孔から、流出管に接続された槽内流出管の槽内吸込孔に至る全槽域内で、無停滞水流であることを特徴とする請求項1記載の大規模需要施設における多機能利水システム。
  3. 前記貯水槽には、非常揚水菅が具えられていることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の大規模需要施設における多機能利水システム。
  4. 前記導入分岐管と槽内導入管との間、または流出管と槽内流出管との間の何れか一方または双方には、緊急遮断弁が具えられていることを特徴とする請求項2または3いずれか記載の大規模需要施設における多機能利水システム。
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