JP2023093145A - 加飾フィルム及び加飾積層構造体 - Google Patents

加飾フィルム及び加飾積層構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】隠蔽性と意匠の視認性と隠蔽性を両立できる加飾フィルム及び加飾積層構造体を提供する。【解決手段】前面層と、遮光層とを有してなり、上記遮光層は、上記前面層の背面側に部分的に設けられており、上記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、上記遮光層を有しない透光領域とを有し、上記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下である加飾フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾フィルム及び加飾積層構造体に関し、詳細には発光ユニットに好適に使用可能な加飾フィルム及び加飾積層構造体に関する。
従来、車両の内部に設ける発光装置が知られており、例えば、特許文献1には、乗物の内部空間に設けられた発光領域を備え、該発光領域を発光させる乗物用発光ユニットであって、光を照射する照射体と、該照射体の前方位置に配置され、上記照射体から照射された光を透過させる透過体と、該透過体の前方位置に配置され、上記内部空間において露出している上記発光領域の露出面を形成する加飾体と、上記照射体を制御する制御部と、を有し、上記発光領域が発光しない間、上記加飾体が形成する上記発光領域の露出面の装飾様式が、上記発光領域と隣接する非発光領域の露出面の装飾様式に応じた様式となっており、上記発光領域が発光する間、上記制御部は、上記発光領域の露出面において発光箇所が規則的に移動するように上記照射体を制御することを特徴とする乗物用発光ユニットが開示されている。
特開2020-104852号公報
本発明者らは、例えば内部に光源を備えた透明な基材に貼り付けて用いた場合に、光源点灯時には意匠が視認され、光源消灯時には意匠が視認され難くできる加飾フィルムを検討した。そのような加飾フィルムは、光源点灯時には意匠が鮮明に視認される必要がある。しかしながら、単に加飾フィルムに光を透過させる透光領域と、光を遮る遮光領域とを設けるだけでは、消灯時にも意匠が視認されてしまい、更なる検討の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、光源点灯時の意匠の視認性に加え、光源消灯時には意匠を周囲の部分と調和させて視認し難くする意匠の隠蔽性を両立できる加飾フィルム、加飾積層構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、光源消灯時に意匠を視認し難くするために、半透過フィルムを用いて隠蔽することに着目した。更に、意匠を視認する側に前面層として半透過フィルムを配置することで、光源消灯時に意匠を視認し難くできることを見出した。更に、遮光領域の光学濃度を一定の値以上とすることで、光源点灯時に充分に遮光できることを見出した。一方で、半透過フィルムの光学濃度を高くすると、光源消灯時に、意匠をより視認し難くできるものの、光源点灯時の意匠が見難くなってしまうことが分かった。そこで、半透過フィルムの光学濃度を一定の範囲に調整することで、光源消灯時における意匠の隠蔽性と光源点灯時における意匠の視認性を両立できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の加飾フィルムは、前面層と、遮光層とを有してなり、上記遮光層は、上記前面層の背面側に部分的に設けられており、上記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、上記遮光層を有しない透光領域とを有し、上記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下であることを特徴とする。
本発明の加飾フィルムはまた、前面層と、遮光層と、背面層とを有してなり、上記遮光層は、上記前面層と上記背面層との間に部分的に設けられており、上記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、上記遮光層を有しない透光領域とを有し、上記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下であることを特徴とする。
本発明の加飾積層構造体は、基材上に、上記加飾フィルムが積層一体化されてなり、上記加飾フィルムの背面側に該基材が配置されることを特徴とする。
本発明の加飾フィルム及び加飾積層構造体は、意匠の視認性と隠蔽性を両立できる。
本発明の第一の加飾フィルムの一例を示した断面模式図である。 図1に示した第一の加飾フィルムの一例を背面側から観察した斜視図である。 本発明の第二の加飾フィルムの一例を示した断面模式図である。 本発明の第二の加飾フィルムの他の一例を示した断面模式図である。 本発明の加飾積層構造体の一例を示した断面模式図である。 図5に示した加飾積層構造体を用いた発光ユニットの一例を示した断面模式図である。 図6に示した発光ユニットを光源消灯時に前面側から観察した正面模式図である。 図6に示したものと同じ発光ユニットを光源点灯時に前面側から観察した正面模式図である。 光学濃度の測定方法を説明するための模式図である。
本発明の第一の加飾フィルムは、前面層と、遮光層とを有してなり、上記遮光層は上記前面層の背面側に部分的に設けられており、上記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、上記遮光層を有しない透光領域とを有し、上記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下であることを特徴とする。
本発明の第二の加飾フィルムは、前面層と、遮光層と、背面層とを有してなり、上記遮光層は上記前面層と上記背面層との間に部分的に設けられており、上記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、上記遮光層を有しない透光領域とを有し、上記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下であることを特徴とする。
図1は、本発明の第一の加飾フィルムの一例を示した断面模式図である。図2は、図1に示した第一の加飾フィルムの一例を背面側から観察した斜視図である。第一の加飾フィルム100Aは、遮光層120と、前面層110たる半透過フィルム20とを備える。遮光層120は、半透過フィルム20の背面側において部分的に設けられている。本明細書中、前面側とは加飾フィルムを基材と積層一体化するなどして使用する場合の観察者側をいう。また、背面側とは、上記前面側と反対側をいう。
本発明の加飾フィルムにおいては、遮光層は、前面層の背面側に設けられていればよく、前面層と接していてもよく接していなくてもよいが、接していることが好ましい。遮光層と前面層又は後述する背面層との間に他の層、例えば接着剤やプライマー等からなる層が介在していてもよい。
遮光層が部分的に設けられているのは、遮光層が設けられる部分と、遮光層が設けられない部分が存在することによって意匠が形成されるからである。すなわち、ここで「部分的に」というのは、面方向において部分的にという意味である。
本発明の加飾フィルムにおいて、遮光領域とは、遮光層を有しているために、加飾フィルムの背面側から光を照射したときに上記遮光層によりその光が遮られる領域であり、透光領域とは、遮光層を有しないために、同じくその光を透過させる領域であり、それぞれ面方向における領域を意味する。
本発明の加飾フィルムは、遮光領域と透光領域の両方を有するので、背面側から照射した光にコントラストが生じ、これによって意匠が視認される。すなわち、遮光領域が影となった影絵の如く意匠が視認されるのである。なお、後述するように、前面層も一定の光学濃度を有するが、これをもって遮光層とはいわず、ある領域に前面層が存在するだけでは遮光領域とはいわない。
図2に示す例では、透光領域1は、加飾フィルムの背面側から照射された光を透過することによって星形の意匠の形状を視認させる。本発明における意匠の形状は特に限定されず、模様、文字、図形等であってもよい。また、透光領域の形状が上記意匠の形状になっていってもよく、それが反転した態様であってもよい。
後述する光学濃度について、透光領域1の光学濃度は、遮光領域2の光学濃度よりも低い。透光領域1の光学濃度は、前面層の光学濃度に近い値となり、例えば前面層の光学濃度プラス0.2未満、さらには前面層の光学濃度プラス0.1未満である。
本発明の加飾フィルムにおける遮光層の構成材料としては、光を遮ることができる材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば各種の顔料や染料を含む樹脂からなるフィルムないし膜で遮光層を構成することができる。
遮光層の厚さとしては、薄すぎると充分な遮光性を得られ難く、厚すぎると後述する意匠の隠蔽性が損なわれるおそれがあることから、1μm以上、20μm以下が好ましい。
遮光層を部分的に設けるために、遮光層の構成材料としては、インク組成物を用いることが好ましい。例えば前面層を構成する樹脂フィルムの背面に、各種の印刷方法を適用してインク組成物を印刷することによって、所望する部分に容易に遮光層を設けることができる。印刷されない部分(例えば図2の白抜き部分)が、透光領域に相当する。
上記印刷方法は特に限定されず、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等を用いることができるが、塩化ビニル樹脂フィルム等の樹脂フィルムへの印刷性が良好であるという観点から、グラビア印刷が好ましい。具体的には、グラビア印刷は、一般的に油性インクを用いて印刷版の表面が平滑な凹版により印刷を行うことから、平滑性が高い樹脂フィルムとの密着性が高く、インクの付着性が安定する。
上記インク組成物としては、遮光性に優れることから暗色系のインク組成物を用いることが好ましく、例えば黒色油性インクが使用できる。そのような黒色油性インクとしては、溶剤タイプのグラビア印刷用インキが好ましく、例えば、大日精化工業株式会社製のラミック(登録商標)SRの794R墨、東洋インキSCホールディングス株式会社製のPANNECO(登録商標)等が挙げられる。
本発明の加飾フィルムにおいて、遮光領域の光学濃度は、5.3以上であり、好ましくは5.5以上である。遮光領域の光学濃度を5.3以上とすることで、加飾フィルムの背面側から光源を点灯して光を照射した場合に、充分に遮光することができる。遮光領域の光学濃度が5.3未満であると、光源点灯時に遮光領域からも光が透過する光漏れが発生してしまい、透光領域とのコントラストが低下して、光源点灯時の加飾フィルムの意匠性が損なわれることがある。遮光領域の光学濃度の調整方法としては、例えば前述した印刷により遮光層を設ける場合には印刷回数を増やしてインクを重ねることで、光学濃度を高くすることができる。なお、最も遮光性が低い場合の光学濃度は0であり、最も遮光性が高い場合の光学濃度は6(検出上限値)である。そのため、本発明における光学濃度の上限は、6である。
図9は、光学濃度の測定方法を説明するための模式図である。光学濃度(D)は、下記式(1)で表される。下記式(1)中、Tは、下記式(2)で表される入射光Iに対する透過光Iの比すなわち透過率である。図9に示したサンプルが無い状態で測定した測定値をI=Iとする。Iはランプからアンバーフィルターを透過した光である。ランプ及びアンバーフィルターを備えた測定装置としては、例えば、卓上式透過濃度計361T(エックスライト社製)を用いることができる。
光学濃度(D)=log10(1/T) (1)
T=I/I (2)
透過率Tを光学濃度Dに変換すると加法性が成り立つ。このため、例えば光学濃度がDであるフィルムを2枚重ねるか、当該フィルムの厚さを2倍にすると、その光学濃度は2倍の2Dとなる。例えば、光学濃度がDのフィルムと光学濃度がDのフィルム1枚ずつを重ねた場合の光学濃度はD+Dとなる。ただし、いずれも光学濃度が上限値の6を超えない範囲で成り立つことである。したがって、遮光領域の光学濃度には、遮光層のみならず前面層の寄与がある。例えば、前面層の光学濃度が0.8である場合、その背面側に設ける遮光層の光学濃度を4.5以上とすれば、遮光領域の光学濃度を5.3以上とすることができる。
本発明の加飾フィルムにおいては、遮光層が前面層の背面側に設けられているので、前面層が遮光層の前面側に配置されることになる。遮光層の前面側に前面層を配置することで、遮光層の厚さを観察者が認識し難くなる。そのため、加飾フィルムの背面側から光を照射しない時には意匠を視認し難くする、すなわち意匠の隠蔽性を高めることができる。逆に、遮光層が前面層よりも前面側に配置された場合には、遮光層の厚さのため、加飾フィルムの背面側から光を照射しない時にも意匠が視認されやすくなる。なお、以下では、特に断らない限り、意匠の隠蔽性とは、加飾フィルムの背面側から光を照射しない時の意匠の隠蔽性を意味し、意匠の視認性とは、加飾フィルムの背面側から光を照射したときの意匠の視認性を意味する。
本発明の加飾フィルムにおいて、前面層の光学濃度は、0.8以上、1.5以下である。前面層の光学濃度を上記範囲とすることで、加飾フィルムの意匠の隠蔽性と意匠の視認性を両立することができる。前面層の光学濃度が0.8未満であると、加飾フィルムの背面側から光を照射しない時にも意匠が視認され易くなり、加飾フィルムの意匠の隠蔽性が低下する。一方で、前面層の光学濃度が1.5を超えると、透光領域を透過する光の量が少なくなるため、加飾フィルムの背面側から光を照射した時にも意匠が視認し難くなり、加飾フィルムの意匠の視認性が低下する。前面層の光学濃度は、加飾フィルムが使用される際に観察される全領域にわたって上記の数値範囲を満たしていることが好ましく、当該全領域にわたって略均一であることが好ましい。なお、前面層の光学濃度は、前述した遮光領域の光学濃度と同様の方法で測定することができる。
本発明の加飾フィルムにおける前面層の構成材料としては、特に限定されるものではないが、主として樹脂フィルムから構成されることが好ましい。樹脂フィルムに各種の着色剤を適量含有させることによって、光学濃度を所望の範囲に調整することが容易になり、光学濃度を全領域にわたって略均一に調整することが容易になる。
前面層は、単一の層から構成されていてもよく、二層以上の複数の層から構成されていてもよい。接着剤やプライマー等からなる層が前面層に含まれていてもよい。前面層は、その前面側に傷の防止その他の機能を付与するためのコーティングを有していてもよい。
前面層の厚さは、50μm以上300μm以下であることが好ましい。前面層の厚さが薄すぎると、意匠の隠蔽性が損なわれる場合がある。一方で、前面層が厚すぎると、前面層を他の層と熱ラミネートする際に、熱量が不足したり、加工速度が低下したりすることがある。また、加飾フィルム全体の厚さが増すことにもつながるため、加飾フィルムを基材と一体化させる際の加工性が低下することがある。前面層の厚さのより好ましい下限は70μmであり、より好ましい上限は200μmである。
前面層に樹脂フィルムを使用する場合、該樹脂フィルム1枚あたりの厚さは、50μm以上、150μm以下であることが好ましい。該樹脂フィルム1枚あたりの厚さが50μm未満であると、カレンダー成形が困難になることがある。具体的には、異物や加工中に生じた樹脂劣化物等が混入すると、カレンダー成形時に樹脂フィルムが破れたり、孔が開いたりすることがある。一方で、上記厚さが150μmを超えると、他のフィルム等と熱ラミネートする際に、熱量が不足したり、加工速度が低下したりすることがある。また、加飾フィルム全体の厚さが増してしまうことにつながるため、加飾フィルムを基材と積層一体化させる際の加工性が低下することがある。前面層に使用する樹脂フィルム1枚あたりの厚さのより好ましい下限は70μmであり、より好ましい上限は100μmである。なお、2枚またはそれ以上の同一もしくは異なる樹脂フィルムを用いて前面層を構成してもよいことは言うまでもない。
前面層を主として樹脂フィルムで構成する場合、該樹脂フィルムは、樹脂成分と着色剤を含む半透過フィルムであることが好ましい。本明細書において、半透過フィルムという用語は、遮光層のように入射した光量の大部分を遮るのではなく、ある程度の光量を透過させるフィルムという意味合いで用いており、固体、液体、気体などの物質を半透過させるフィルムという意味で用いているわけではない。
半透過フィルムに着色剤を含有させることで、半透過フィルムの光学濃度を調整することができる。上記着色剤としては、カーボンブラック等を含む黒色着色剤であることが好ましい。半透過フィルムは、黒色着色剤の他に、他の色の着色剤や、パール調の着色剤等を含んでもよい。
上記黒色着色剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して1.5重量部以上、2.5重量部以下であることが好ましい。上記黒色着色剤の含有量を上記範囲とすることで、半透過フィルムの光学濃度を前面層を構成する上で好ましい範囲に調整することができる。
上記樹脂成分としては、塩化ビニル樹脂が好ましい。主たる樹脂成分として塩化ビニル樹脂を含有する塩化ビニル樹脂フィルムは、本発明の樹脂フィルムを基材に貼り付ける際に、伸びが良いため、基材の表面形状に追従し、破断し難い。また、基材に貼り付けて積層一体化成形する際に、比較的低温(約120℃)で成形することができる。主たる樹脂成分として塩化ビニル樹脂を含有するとは、塩化ビニル樹脂フィルムに含まれる樹脂成分全体にする塩化ビニル樹脂の含有量が50重量%以上であることをいう。なお、「比較的低温」とは、塩化ビニル樹脂及びアクリル樹脂以外の樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)を成形する場合の成形温度(130℃超)と比べて低温であることを意味している。
上記塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
上記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル;フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の単量体の共重合体における含有量は、通常、50重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。50重量%を超えると、フィルムの耐屈曲性が低下するおそれがある。上記塩化ビニル樹脂のなかでも、寸法安定性が得られる点から、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
上記塩化ビニル樹脂の平均重合度は、例えば、750~1300であってもよい。上記平均重合度の好ましい下限は800である。上記平均重合度が750~1300の範囲内であると、比較的低温での成形性が良好である。これに対して、上記平均重合度が750未満では、本発明の加飾フィルムを基材と積層一体化成形する時にフィルムが充分に伸張せず、基材の形状に追従しなくなるおそれがある。一方、上記平均重合度が1300を超えると、塩化ビニル樹脂フィルムを得るためのカレンダー成形における加工性が低下し、フィルム表面の外観が悪くなるおそれがある。また、成形後のフィルムの収縮率が大きくなり、形状を維持し難くなるおそれがある。上記塩化ビニル樹脂の平均重合度は、JIS K6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した平均重合度を意味する。
上記塩化ビニル樹脂フィルムは、可塑剤を含むことが好ましい。上記可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して7重量部以上、35重量部以下であることが好ましい。上記可塑剤の含有量を上記範囲内とすることで、カレンダー成形等に適した柔軟性や成形性が得られる。また、本発明の加飾フィルムを基材に貼り付けて真空・圧空成形等するのに適した伸びが得られる。上記可塑剤の含有量が7重量部未満であると、塩化ビニル樹脂フィルムが硬くなり過ぎ、成形時にフィルムが破断するおそれがある。一方、35重量部を超えると、塩化ビニル樹脂フィルムが柔らかくなり過ぎて取り扱い性が低下することがある。塩化ビニル樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量のより好ましい下限は15重量部であり、より好ましい上限は30重量部である。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)等のフタル酸ジエステル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸ジエステル;トリクレジルホスフエート、トリオクチルホスフエート等のリン酸トリエステル;エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;高分子ポリエステル可塑剤等を挙げることができる。なかでも、フタル酸ジエステルが好ましい。各種環境規制を受ないことや、フィルム成形時の臭気が少ないこと、フィルム成形時に成形機への汚染が少ないこと等から、DUPが好適である。
図3は、本発明の第二の加飾フィルムの一例を示した断面模式図である。図3に示したように、第二の加飾フィルム100B1は、前面層110たる半透過フィルム20と、遮光層120と、背面層130たるベースフィルム30とをこの順で有する。本発明の第二の遮光フィルムにおいては、遮光層が前面層と背面層との間に部分的に設けられているので、前面層と、遮光層と、背面層とをこの順で有することになる。
本発明の加飾フィルムにおける背面層の構成材料としては、特に限定されるものではないが、主として樹脂フィルムから構成されることが好ましい。背面層は、単一の層から構成されていてもよく、二層以上の複数の層から構成されていてもよい。接着剤やプライマー等からなる層が背面層に含まれていてもよい。背面層は、透過させる光に色を付与するコーティング等を有していてもよい。
背面層は、本発明の加飾フィルムに所望の厚さや強度を付与することができる。また、背面層は、遮光層を設ける下地として用いることができ、例えば背面層を構成する樹脂フィルムの表面にインクを用いて印刷することにより遮光層を設けてもよい。背面層と遮光層とは接することが好ましい。また、遮光層が設けられていない部分では、背面層と前面層とは接することが好ましい。なお、前述した前面層の厚さとは、遮光層の観察者側の表面から前面層の観察者側の表面までの厚さをいう。
背面層の厚さは、50μm以上、250μm以下であることが好ましい。背面層のより好ましい下限は70μmであり、より好ましい上限は200μmである。
例えば図3のベースフィルム30のような樹脂フィルムを用いて背面層を構成する場合、該樹脂フィルム1枚あたりの厚さは、50μm以上、150μm以下であることが好ましい。かかる樹脂フィルム1枚あたりの厚さのより好ましい下限は70μmであり、より好ましい上限は100μmである。
背面層を構成する樹脂フィルムは、塩化ビニル樹脂を含むことが好ましい。かかる塩化ビニル樹脂としては、前面層の説明で例示したものと同様のものを用いることができる。
背面層に用いる塩化ビニル樹脂フィルムは、可塑剤を含むことが好ましい。かかる可塑剤としては、前面層の説明で例示したものと同様のものを用いることができる。可塑剤の含有量についても、前面層の説明で述べたのと同様である。
背面層は、加飾フィルムの背面側から照射され、透光領域を透過する光をなるべく遮らないように、透明性の高い層であることが好ましい。具体的には、背面層の全光線透過率が80%以上であることが好ましい。したがって、背面層に用いる樹脂フィルムとしては、透明性の高い、具体的には全光線透過率が80%以上である樹脂フィルムが好ましい。なお、本明細書において、全光線透過率は、JIS K 7375に基づく値である。
図4は、本発明の第二の加飾フィルムの他の一例を示した断面模式図である。図4に示したように、第二の加飾フィルム100B2は、背面層130たるベースフィルム30の背面側に粘着剤層40を有することが好ましい。
粘着剤層40としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤を含有するものを用いることができる。なかでも、粘着性、加工性、耐熱老化性、耐湿老化性、耐候性に優れるとともに、比較的安価である点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を含む粘着剤である。粘着剤層40は、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の公知の架橋剤を含んでもよい。
粘着剤層40の厚さは、20μm以上、70μm以下であることが好ましい。粘着剤層40の厚さのより好ましい下限は30μmであり、より好ましい上限は55μmである。粘着剤層40は、背面層の透明性を低下させないことが好ましく、その点からも、粘着剤層の厚さが上記した範囲内にあることが好ましい。
粘着剤層40の背面には、図4に示していないが、粘着剤層を保護するセパレーターを付加することが好ましい。上記セパレーターは、加飾フィルムの使用時には剥離して除去されるものであり、基材への貼付の直前に剥離すればよい。かかるセパレーターとしては、特に限定されないが、例えば、粘着剤層40と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって易剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂フィルム(離型フィルム);上質紙、グラシン紙等の紙(離型紙)等が挙げられる。
背面層は、ベースフィルム30と粘着剤層40との間に、プライマー層50を有してもよい。プライマー層50を設けることで、ベースフィルム30と粘着剤層40との接着性を高めることができる。なお、遮光層120をインクで形成する場合には、プライマー層に接するとインクが滲むおそれがあるため、プライマー層50と遮光層120とが接しない構成(例えば、遮光層120、ベースフィルム30、プライマー層50、粘着剤層40の順で配置すること)が好ましい。
図4に示したように、第二の加飾フィルム100B2は、半透過フィルム20の前面側に、トップフィルム60を有して前面層が構成されていてもよい。トップフィルム60は、透光領域1を透過する光をなるべく遮らないためには、透明性の高いフィルムであることが好ましく、具体的には、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。もっとも、半透過フィルム20との組み合わせにより、前面層としての光学濃度が所定の範囲に収まればよい。
トップフィルム60の厚さは、50μm以上、150μm以下であることが好ましい。トップフィルム60の厚さのより好ましい下限は70μmであり、より好ましい上限は100μmである。
トップフィルム60としては、各種の樹脂フィルムを用いることができるが、塩化ビニル樹脂を含む樹脂フィルムが好ましい。かかる塩化ビニル樹脂としては、前面層の説明で例示したものと同様のものを用いることができる。
トップフィルム60に用いる塩化ビニル樹脂フィルムは、可塑剤を含むことが好ましい。かかる可塑剤としては、前面層の説明で例示したものと同様のものを用いることができる。可塑剤の含有量についても、前面層の説明で述べたのと同様である。
図示していないが、前面層は、半透過フィルム20とトップフィルム60との間に、表面意匠層を有してもよい。上記表面意匠層は、消灯時にも視認できる意匠を形成する層である。
前面層は、トップフィルム60の前面側の表面に耐傷コート層70を有していてもよい。耐傷コート層70は、第二の加飾フィルム100B2の表面を保護する層である。
耐傷コート層70は、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の樹脂成分を含んでもよい。また、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ガラス繊維等の無機系フィラー、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機系フィラーを含んでもよい。
耐傷コート層70の厚さは、1μm以上、20μm以下であることが好ましい。耐傷コート層70の厚さが1μm未満であると充分な耐傷を得られないことがある。一方で、耐傷コート層70の厚さが20μmを超えると、第二の加飾フィルム100B2の柔軟性が低下することがある。耐傷コート層70の厚さのより好ましい下限は2μmであり、より好ましい上限は10μmである。耐傷コート層70は、前面層の透明性を低下させないことが好ましく、その点からも、耐傷コート層70の厚さが上記した範囲内にあることが好ましい。
前面層には、必要に応じて、エンボス加工等の表面加工が施されていてもよい。前面層の表面にエンボス形状(凹凸形状)を付与することで、加飾フィルムに所望の質感を付与することができる。例えば、平織、綾織等の織物のような模様を付与することができる。
半透過フィルム20、ベースフィルム30、トップフィルム60は、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収材、加工助剤、改質剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の加飾フィルムを、各種の基材と積層一体化することにより、本発明の加飾積層構造体が構成される。かかる加飾積層構造体において、該基材は、上記加飾フィルムの背面側に配置される。図5は、本発明の加飾積層構造体の一例を示した断面模式図である。本発明の加飾積層構造体300は、基材200と、基材200の前面側に配置された本発明に係る第二の加飾フィルム100B2とを備える。
本発明の加飾積層構造体に用いる基材としては特に限定されず、例えば、バイク、自動車等の車両の内装部材;家具、家電製品等の家庭用品の部材板等が挙げられる。
上記基材を構成する材質は特に限定されず、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)系樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等の樹脂;鉄、銅、アルミニウム等の金属;合金等、MDF(中質繊維)板等の木材が挙げられる。
上記基材において、少なくとも加飾フィルムの透光領域と重なる部分は、透明な材質で形成されていることが好ましく、基材全体が透明な材質で形成されていてもよい。本発明の加飾積層構造体に用いる基材の全光線透過率としては、加飾フィルムの透光領域と重なって加飾フィルムの背面側から照射する光を透過させる領域における全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
本発明の加飾積層構造体を形成するためには、例えば、加飾フィルムの背面層側を基材に合わせて貼り付けることにより積層一体化すればよい。加飾フィルムの基材への貼り付け方法としては、例えば、加飾フィルムを加熱して基材に貼り付ける方法が挙げられる。例えば、熱成形、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、ラッピング、等が挙げられる。真空成形の具体例としては、真空・圧空成形機としてTOM成形機(布施真空社製、型番:NGF-0406)を使用し、ヒーターの加熱温度80~140℃で、基材に、加飾フィルムを貼り付ける方法が挙げられる。ラッピングの具体例としては、ドライヤーで加飾フィルムを温めて軟らかくしながら、基材に沿わせて貼り付ける方法が挙げられる。
本発明の加飾積層構造体を使用する際には、上記基材の内部又は背面側にLEDバックライト等の光源を配置して使用することができ、これにより光源点灯時に意匠を浮かび上がって視認できる発光ユニットを構成することができる。図6は、図5に示した加飾積層構造体を用いた発光ユニットの一例を示した断面模式図である。図6に示したように、発光ユニット400は、本発明の加飾積層構造体300に含まれる基材200の内部又は背面側に、光源210を有することが好ましい。
本発明の加飾積層構造体を、上記基材の内部又は背面側(加飾フィルムと反対側)に光源を配置して用いることにより、発光ユニットを構成することができる。このとき、上記透光領域の少なくとも一部が上記光源と重畳するように配置されることが好ましい。かかる光源としては、特に限定されず、例えば、発光ダイオード(LED)が挙げられる。本発明の加飾積層構造体を備えた発光ユニットは、光源消灯時には意匠が視認され難い一方で、光源点灯時には意匠を鮮明に視認することができる。
図7は、図6に示した発光ユニットを光源消灯時に前面側から観察した正面模式図である。なお、遮光層120は図1及び図2に示した形態で設けられている。図7に示したように、光源消灯時には、意匠は視認されず、周囲の加飾フィルムと区別できない。遮光層120が、半透過フィルム20よりも背面側に配置されることから、遮光層120の厚さを半透過フィルム20が被覆するため、光源消灯時にも意匠を視認し難くすることができる。
図8は、図6に示したものと同じ発光ユニットを光源点灯時に前面側から観察した正面模式図である。透光領域1は光源210と重畳する。そのため、図8に示したように、光源点灯時には、光源210から射出されて加飾フィルムに入射した光が透光領域1を透過して観察者側に出射され、意匠(図8では星形の意匠)が視認される。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
下記表1に、実施例及び比較例で用いた材料を示した。
Figure 2023093145000002
表1に示した、BN3009は、カーボンブラックを含有する黒色着色剤のマスターバッチである。BN3007は、銅フタロシアニンブルー、炭酸マグネシウムを含む青色着色剤のマスターバッチである。BN3035は、マイカ、酸化第二スズを含むパール調着色剤のマスターバッチである。レザロイドLU-504SPは、ポリウレタン樹脂、シリカを含むマットコート剤である。セイカボンドC-83は、ポリイソシアネートを含む硬化剤である。アロンタックMPT-29は、アクリル系共重合物の酢酸エチル溶液である。ポリメントNK-380は、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体とポリエチレンイミンのグラフト化合物である。
<<加飾フィルムの作製>>
(実施例1)
実施例1では、図4に示したように、前面側から順に、耐傷コート層70、トップフィルム60、半透過フィルム20、遮光層120、ベースフィルム30、プライマー層50、粘着剤層40を有し、更にその背面側にセパレーター(図示しない)を付加した加飾フィルムを作製した。
<ベースフィルム、トップフィルムの作製>
ベースフィルム30及びトップフィルム60として使用する塩化ビニル樹脂(PVC)フィルムを以下の手順で作製した。表1に示した塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤としてフタル酸ジウンデシル(DUP)を25.0重量部添加し、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ90μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。上記PVCフィルムの全光線透過率は88%であった。同様にして、ベースフィルムとして使用する厚さ70μmのPVCフィルムも作製した。
<遮光層の形成>
ベースフィルム30の表面に、溶剤タイプの黒色のグラビア印刷用インキを用いてグラビア印刷を複数回行うことで、遮光層120を部分的に形成した。印刷部分が遮光領域2になり、印刷を行わなかった部分が透光領域1になる。卓上式透過濃度計361T(エックスライト社製)を用いて、ベースフィルム30の遮光層を印刷した部分の光学濃度Dを測定し、結果を下記表2に示した。なお、光学濃度Dは、任意の3点(1点の測定視野は1mmφ)について測定した光学濃度の平均値とした。
<半透過フィルムの作製>
表1に示したPVC100重量部に対して、可塑剤としてDUPを25重量部、PVC100重量部に対して、黒色着色剤、青色着色剤、パール調着色剤をそれぞれ、2.1重量部、0.07重量部、1.05重量部添加し、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ80μmのシート状に成形し、半透過フィルム20を作製した。卓上式透過濃度計361T(エックスライト社製)を用いて、半透過フィルム20の単層の光学濃度Dを測定し、結果を下記表2に示した。なお、光学濃度Dは、任意の3点(1点の測定視野は1mmφ)について測定した光学濃度の平均値とした。
<耐傷コート層の作製>
トップフィルム60の表面に、コート剤を塗工し、乾燥させて厚さ2μmの耐傷コート層70を形成した。耐傷コート層70を形成した側の表面にエンボス加工を行い、平織物様の柄を形成した。
<フィルムの貼り合わせ、及び、粘着剤層、プライマー層の作製>
半透過フィルム20の一方の面に、ベースフィルム30の遮光層120を設けた側の面を合せて熱ラミネートし、半透過フィルムの他方の面にトップフィルム60の耐傷コート層を形成した面と反対側の面を合せて熱ラミネートして、耐傷コート層70、トップフィルム60、半透過フィルム20、遮光層120、ベースフィルム30の順に積層された積層フィルムを得た。
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをセパレーターとして用い、粘着剤240g/mと架橋剤を塗工し、乾燥厚さが40μmの粘着剤層を形成した。上記積層フィルムのベースフィルム30の表面にプライマー剤を塗工し、プライマー層を形成し、このプライマー層を介して、上記積層フィルムと粘着剤層とを積層して、実施例1に係る加飾フィルムを作製した。
(実施例2、比較例1~4)
下記表2に示したように、黒色着色剤(BN3009)の含有量を調整して半透過フィルムの光学濃度Dを変え、また、遮光層を印刷した部分の光学濃度Dを変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2、比較例1~4に係る加飾フィルムを作製した。表2中、可塑剤の含有量及びBN3009の含有量は、樹脂成分100重量部に対する含有量(重量部)である。遮光層を印刷した部分の光学濃度Dは、ベースフィルム30の表面に印刷するグラビア印刷の回数を調整することで変えた。
(実施例3)
可塑剤の種類をフタル酸ジイソノニル(DINP)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る加飾フィルムを作製した。
(実施例4)
可塑剤の種類をフタル酸ジイソノニル(DINP)に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例4に係る加飾フィルムを作製した。
(実施例5)
半透過フィルムの厚さ、ベースフィルムの厚さを共に70μmに変えたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例5に係る加飾フィルムを作製した。
(実施例6)
半透過フィルムの厚さ、ベースフィルムの厚さを共に70μmに変えるとともに、下記表2に示したように、黒色着色剤の含有量を調整して半透過フィルムの光学濃度Dを変え、また、遮光層を印刷した部分の光学濃度Dを変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る加飾フィルムを作製した。遮光層を印刷した部分の光学濃度Dは、ベースフィルム30の表面に印刷するグラビア印刷の回数を調整することで変えた。
<<加飾積層構造体及び発光ユニットの作製>>
実施例及び比較例に係る加飾フィルムからセパレーターを除去し、粘着剤層を基材の表面に接触させ、設定温度120℃で真空成形により貼り付けることで、加飾積層構造体を作製した。基材としては、透明な樹脂製の車の内装部材のものを用いた。更に、フルカラーLED導光板(厚さ3mm)を搭載したLEDバックライトを該基材の背面側に設置して、発光ユニットを得た。なお、上記LEDバックライトを設置した箇所の上記基材の厚さは約3mmであった。
<<評価試験>>
得られた発光ユニットについて、以下の方法で、(1)光源点灯時の光漏れ、(2)光源消灯時の意匠の隠蔽性、(3)光源点灯時の意匠の視認性を評価することにより、加飾フィルムの性能を評価した。結果を下記表2に記載した。
(1)光源点灯時の光漏れ
光源を点灯した状態で、発光ユニットを前面側から目視にて観察し、透光領域のみで光が視認される場合を○、透光領域以外の部分に光漏れが観察される場合を×とした。
(2)光源消灯時の意匠の隠蔽性
光源を消灯した状態で、発光ユニットを前面側から目視にて観察し、遮光領域と透光領域により形成された模様(意匠)が視認されない場合を○、視認される場合を×とした。
(3)光源点灯時の意匠の視認性
光源を点灯した状態で、発光ユニットを前面側から目視にて観察し、透光領域が明るく見えるコントラストの鮮やかな意匠が視認できる場合を○、意匠が視認できないか、一応視認できるもののコントラストが低いものとなる場合を×とした。
Figure 2023093145000003
表2に示したように、実施例1~6に係る加飾フィルムは、光源点灯時に光漏れが観察されず、光源消灯時の意匠の隠蔽性及び点灯時の意匠の視認性が良好であった。一方で、比較例1~3は、遮光領域の光学濃度が低く遮光性が不足するため、光源点灯時に光漏れが観察された。また、比較例1~3は、前面層の光学濃度も不足するため、光源消灯時に意匠が隠蔽されず、光源点灯時の意匠の視認性も良くなかった。比較例4は、前面層の光学濃度が高すぎるため、光源消灯時に意匠が隠蔽されるものの、光源点灯時に意匠の視認性が良くなかった。なお、実施例における耐傷コート層、トップフィルム、プライマー層及び粘着剤層の光学濃度はいずれも僅小であるため、遮光領域の光学濃度はD+Dで近似して、前面層の光学濃度はDで近似して考えることができる。
1:透光領域
2:遮光領域
20:半透過フィルム
30:ベースフィルム
40:粘着剤層
50:プライマー層
60:トップフィルム
70:耐傷コート層
100A:第一の加飾フィルム
100B1、100B2:第二の加飾フィルム
110:前面層
120:遮光層
130:背面層
200:基材
210:光源
300:加飾積層構造体
400:発光ユニット

Claims (3)

  1. 前面層と、遮光層とを有してなり、
    前記遮光層は、前記前面層の背面側に部分的に設けられており、
    前記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、前記遮光層を有しない透光領域とを有し、
    前記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下であることを特徴とする加飾フィルム。
  2. 前面層と、遮光層と、背面層とを有してなり、
    前記遮光層は、前記前面層と前記背面層との間に部分的に設けられており、
    前記遮光層を有しかつ光学濃度が5.3以上である遮光領域と、前記遮光層を有しない透光領域とを有し、
    前記前面層の光学濃度が0.8以上、1.5以下であることを特徴とする加飾フィルム。
  3. 基材上に、請求項1又は2に記載の加飾フィルムが積層一体化されてなり、前記加飾フィルムの背面側に該基材が配置されることを特徴とする加飾積層構造体。
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