JP2023090708A - 研磨用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、高速に研磨できる、新規な、研磨用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】研磨対象物を研磨するために用いられる、研磨用組成物であって、砥粒と、有機化合物と、液体キャリアとを含み、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数が、0個/nm2を超えて2.5個/nm2以下であり、前記有機化合物が、ホスホン酸基またはその塩の基を有する、研磨用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
近年、半導体基板表面の多層配線化に伴い、デバイスを製造する際に、物理的に半導体
基板を研磨して平坦化する、いわゆる、化学的機械的研磨(Chemical Mech
anical Polishing;CMP)技術が利用されている。CMPは、シリカ
やアルミナ、セリア等の砥粒、防食剤、界面活性剤などを含む研磨用組成物(スラリー)
を用いて、半導体基板等の研磨対象物(被研磨物)の表面を平坦化する方法であり、具体
的には、シャロートレンチ分離(STI)、層間絶縁膜(ILD膜)の平坦化、タングス
テンプラグ形成、銅と低誘電率膜とからなる多層配線の形成などの工程で用いられている
近年では、2種以上の研磨対象物において、ある研磨対象物の研磨速度は向上させ、あ
る研磨対象物の研磨速度は抑制させる、いわゆる研磨選択比を制御したいとの要求がある
例えば、特許文献1では、窒化ケイ素と、酸化ケイ素とを有する研磨対象物において、
窒化ケイ素に対し、酸化ケイ素を選択的に研磨しようとする技術が知られている。
特表2016-524004号公報
本発明者らは、研磨選択比の制御について鋭意検討している過程で、2種以上の研磨対
象物を同様の速度で、かつ、高速に研磨したい課題があることを見出した。そこで、本発
明が解決しようとする課題は、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、高速に研磨
できる、新規な、研磨用組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意研究を積み重ねた。その結果、研磨対象物を研
磨するために用いられる、研磨用組成物であって、砥粒と、有機化合物と、液体キャリア
とを含み、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数が、0個/nmを超えて2.
5個/nm以下であり、前記有機化合物が、ホスホン酸基またはその塩の基を有する、
研磨用組成物により上記課題が解決されうることを見出した。
本発明は、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、高速に研磨できる、新規な、
研磨用組成物を提供することができる。
以下、本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40
~50%RHの条件で測定する。
本発明は、研磨対象物を研磨するために用いられる、研磨用組成物であって、砥粒と、
有機化合物と、液体キャリアとを含み、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数が
、0個/nmを超えて2.5個/nm以下であり、前記有機化合物が、ホスホン酸基
またはその塩の基を有する、研磨用組成物である。かかる構成によって、2種以上の研磨
対象物を同様の速度で、かつ、高速に研磨できる。なお、2種以上の研磨対象物とは、2
種であっても、3種であっても、それ以上であってもよい。2種以上の研磨対象物として
は、下記のように、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)およびポリシリコン
からなる群から選択される少なくとも2種以上であることがよく、3種以上の研磨対象物
としては、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)およびポリシリコンを含むと
よい。
[研磨対象物]
本発明の一実施形態によれば、研磨対象物は、酸化ケイ素(SiO)および窒化ケイ
素(SiN)の少なくとも一方を含む。本発明の一実施形態によれば、研磨対象物は、酸
化ケイ素(SiO)および窒化ケイ素(SiN)を含む。かような研磨対象物に対して
、本発明の実施形態の研磨用組成物を適用することによって、同様の速度で、かつ、高速
に研磨できる。本発明の一実施形態において、酸化ケイ素(SiO)としては、オルト
ケイ酸テトラエチル(TEOS)由来の酸化ケイ素(SiO)が好適である。本発明の
一実施形態によれば、前記研磨対象物が、ポリシリコンをさらに含む。本発明の実施形態
の研磨用組成物によれば、ポリシリコンをさらに含む研磨対象物に対して、同様の速度で
、かつ、高速に研磨できる。なお、本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物の用途は
制限されないが、半導体基板に用いられることが好ましい。
[砥粒]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、砥粒を含み、前記砥粒の表面がカチオ
ン修飾されている。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、か
つ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、当該修飾は、化学結合によるものである。かかる実施形
態であることによって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨で
きる。
本発明の一実施形態において、砥粒の具体例としては、例えば、シリカ等の金属酸化物
からなる粒子が挙げられる。該砥粒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
また、該砥粒は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。これら砥粒の中でも、
シリカが好ましく、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカがより好ましく、特に好ましい
のはコロイダルシリカである。コロイダルシリカの製造方法としては、ケイ酸ソーダ法、
ゾルゲル法が挙げられ、いずれの製造方法で製造されたコロイダルシリカであっても、本
発明の砥粒として好適に用いられる。しかしながら、高純度で製造できるゾルゲル法によ
り製造されたコロイダルシリカが好ましい。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の表面がカチオン修飾されている。本発明の一
実施形態において、表面がカチオン修飾されているコロイダルシリカとして、アミノ基ま
たは第4級アンモニウム基が表面に固定化されたコロイダルシリカが好ましく挙げられる
。このようなカチオン性基を有するコロイダルシリカの製造方法としては、特開2005
-162533号公報に記載されているような、アミノエチルトリメトキシシラン、アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリ
エトキシシラン、アミノプロピルジメチルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエト
キシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング
剤またはN-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウム等の第
4アンモニウム基を有するシランカップリング剤を砥粒の表面に固定化する方法が挙げら
れる。これにより、アミノ基または第4級アンモニウム基が表面に固定化されたコロイダ
ルシリカを得ることができる。本発明の一実施形態において、前記砥粒は、アミノ基を有
するシランカップリング剤または第4アンモニウム基を有するシランカップリング剤を砥
粒の表面に固定化させてなる。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数(シラノ
ール基数)が、0個/nmを超えて2.5個/nm以下である。シラノール基数が、
2.5個/nm超であると、本発明の所期の効果を奏することができない。本発明の一
実施形態において、シラノール基数が、2.4個/nm以下、2.4個/nm未満、
2.3個/nm以下、2.2個/nm以下、2.1個/nm以下、2.0個/nm
以下、1.9個/nm以下、あるいは、1.8個/nm以下である。かかる実施形
態であることによって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨で
きる。
本発明の一実施形態において、シラノール基数が、0.2個/nm以上、0.4個/
nm以上、0.6個/nm以上、0.8個/nm以上、1.0個/nm以上、1
.2個/nm以上、1.4個/nm以上、1.5個/nm以上、1.6個/nm
以上、あるいは、1.7個/nm以上である。シラノール基が存在しないと、本発明の
所期の効果を奏することができない。また、シラノール基数がかような下限で存在するこ
とによって、砥粒の分散性を向上させ、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、よ
り高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数を2.5
個/nm以下にするためには、砥粒の製造方法の選択等により制御することができ、例
えば、焼成等の熱処理を行うことが好適である。本発明の一実施形態において、焼成処理
とは、例えば、砥粒(例えば、シリカ)を、120~200℃の環境下に、30分以上保
持する。このような、熱処理を施すことによって、砥粒表面のシラノール基数を、2.5
個/nm以下等の所望の数値にせしめることができる。このような特殊な処理を施さな
い限り、砥粒表面のシラノール基数が2.5個/nm以下にはならない。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の平均一次粒子径が10nm以上であることが
好ましく、15nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることがさらに好
ましく、25nm以上であることがよりさらに好ましく、30nm以上であることがより
さらに好ましく、35nm以上であることがよりさらに好ましく、40nm以上であって
もよく、45nm以上であってもよく、50nm以上であってもよい。本発明の一実施形
態の研磨用組成物において、前記砥粒の平均一次粒子径が60nm以下であることが好ま
しく、55nm以下であることがより好ましく、53nm以下であることがさらに好まし
く、50nm以下であってもよく、40nm以下であってもよい。前記砥粒の平均一次粒
子径を大きく調整することで酸化ケイ素を含む研磨対象物を向上させることができる傾向
があり、前記砥粒の平均一次粒子径を小さく調整することで窒化ケイ素を含む研磨対象物
の研磨速度を向上させることができる傾向にある。よって、2種以上の研磨対象物を同様
の速度で研磨する観点では、前記砥粒の平均一次粒子径は、25~53nmであることが
好ましい。本発明における平均一次粒子径は、実施例に記載の方法によって測定される値
を採用してもよい。
前記砥粒の平均二次粒子径が、40nm以上であることが好ましく、45nm以上であ
ることがより好ましく、50nm以上であることがさらに好ましく、55nm以上である
ことがよりさらに好ましく、60nm以上であることがよりさらに好ましく、65nm以
上であることがよりさらに好ましく、70nm以上であることがよりさらに好ましく、7
5nm以上であってもよく、80nm以上であってもよく、90nm以上であってもよく
、95nm以上であってもよく、100nm以上であってもよい。本発明の一実施形態に
おいて、前記砥粒の平均二次粒子径が、140nm以下であることが好ましく、120n
m以下であることがより好ましく、115nm以下であってもよく、110nm以下であ
ってもよく、105nm以下であってもよく、100nm以下であってもよく、90nm
以下であってもよく、80nm以下であってもよく、75nm以下であってもよい(実施
例:70nm、118nm)。前記砥粒の平均二次粒子径を大きく調整することで酸化ケ
イ素を含む研磨対象物を向上させることができる傾向があり、前記砥粒の平均二次粒子径
を小さく調整することで窒化ケイ素の研磨速度を含む研磨対象物を向上させることができ
る傾向にある。よって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で高速で研磨する観点では、
前記砥粒の平均二次粒子径は、55~120nmであることが好ましい。本発明における
平均二次粒子径は、実施例に記載の方法によって測定される値を採用してもよい。
本発明の一実施形態において、研磨用組成物中の砥粒の平均会合度(平均二次粒子径/
平均一次粒子径)の下限は、1.3以上であることが好ましく、1.4以上であることが
より好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、1.6以上であることがよりさ
らに好ましく、1.7以上であることがよりさらに好ましく、1.8以上であることがよ
りさらに好ましく、1.9以上であることがよりさらに好ましく、2.0以上であること
がよりさらに好ましく、2.0超であってもよく、2.1以上であってもよく、2.2以
上であってもよい。2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる
。本発明の一実施形態において、研磨用組成物中の砥粒の平均会合度の上限は、4.0以
下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3.0以下であること
がさらに好ましく、2.5以下であることがよりさらに好ましく、2.4以下であること
がよりさらに好ましく、2.3未満であってもよく、2.2以下であってもよく、2.1
以下であってもよい。2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨でき
る。
本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物中で、前記砥粒の含有量が、0.01
質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.
1質量%以上であることがさらに好ましく、0.2質量%以上であることがよりさらに好
ましく、0.3質量%以上であることがよりさらに好ましく、0.4質量%以上であるこ
とがよりさらに好ましく、0.5質量%以上であることがよりさらに好ましく、0.5質
量%超であってもよく、0.6質量%以上であってもよく、0.7質量%以上であっても
よく、0.9質量%以上であってもよく、1.1質量%以上であってもよく、1.3質量
%以上であってもよい。かかる下限であることによって研磨速度を向上できる効果がある
。本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物中で、前記砥粒の含有量が、10質量
%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下で
あることがさらに好ましく、4質量%以下であることがよりさらに好ましく、2質量%以
下であることがよりさらに好ましく、1.5質量%以下であることがよりさらに好ましく
、1.5質量%未満であってもよく、1.2質量%未満であってもよく、1.0質量%以
下であってもよく、0.8質量%以下であってもよく、0.6質量%以下であってもよい
。かかる上限であることによって2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速
に研磨できる。
特に酸化ケイ素および窒化ケイ素を含む研磨対象物を研磨する場合、酸化ケイ素の研磨
速度は、窒化ケイ素の研磨速度よりも、研磨組成物中の砥粒の含有量(砥粒濃度)に依存
する傾向がある。そのため、本発明の一実施形態においては、前記研磨用組成物中で、前
記砥粒の含有量を、0.1~2質量%に調整することが好ましく、0.2~1.9質量%
に調整することがより好ましく、0.3~1.8質量%に調整することがより好ましく、
0.4~1.7質量%に調整することがさらに好ましい。かような範囲に調整しておくこ
とで、いずれかの研磨対象物の研磨速度が極端に上がりすぎたり、いずれかの研磨対象物
の研磨速度が極端に下がりすぎたりせず、これらの研磨対象物の研磨速度を同様に向上す
ることができる。なお、本明細書に開示されている全ての下限値上限値の値は、全ての組
合せが開示されている。
[有機化合物]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、有機化合物を含み、当該有機化合物は
、ホスホン酸基またはその塩の基を有する。研磨用組成物中にホスホン酸基またはその塩
の基を有する有機化合物が存在しないと本発明の所期の効果を奏することはできない。な
お、本明細書において、ホスホン酸基またはその塩の基を有する有機化合物とは、1つ以
上のホスホン酸基またはその塩の基を有する、有機化合物である。前記有機化合物が、ホ
スホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基を有する場合も、当該有機化合物に
は、ホスホン酸基またはその塩の基が含まれているので、本発明の有機化合物の範疇であ
る。
本発明の一実施形態において、当該有機化合物は、1分子中に、例えば、1以上、2以
上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、あるいは、8以上の炭素原子を有する。
本発明の一実施形態において、当該有機化合物は、1分子中に、30以下、20以下、1
5以下、13以下、12以下、あるいは、11以下の炭素原子を有する。
本発明の一実施形態において、有機化合物が、窒素原子を有する。有機化合物が、ホス
ホン酸基またはその塩の基の他に、窒素原子を有することによって、本発明の所期の効果
を効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、有機化合物が、非置換の
炭素数1~5のアルキル基(好ましくは非置換の炭素数1~4のアルキル基、より好まし
くは非置換の炭素数1~3のアルキル基)を有する。有機化合物が、ホスホン酸基または
その塩の基の他に、非置換の炭素数1~5のアルキル基を有することによって本発明の所
期の効果を効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、有機化合物が、
水酸基を有する。有機化合物が、ホスホン酸基またはその塩の基の他に、水酸基を有する
ことによって本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。本発明の一実施形態に
おいて、有機化合物が、1分子中に、1~5個の窒素原子を有する。本発明の一実施形態
において、有機化合物が、1分子中に、1~4個の窒素原子を有する。本発明の一実施形
態において、有機化合物が、1分子中に、1~3個の窒素原子を有する。本発明の一実施
形態において、有機化合物が、1分子中に、1~7個、2~6個、あるいは、2~5個の
ホスホン酸基またはその塩の基(ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基
)を有する。本発明の一実施形態において、有機化合物が、1分子中に、非置換の炭素数
1~5のアルキル基および(ホスホン酸基またはその塩の基以外の)水酸基の少なくとも
一方を有する。
本発明の一実施形態において、前記有機化合物が、N(R)(R)(R)で表さ
れる化合物またはその塩、C(R)(R)(R)(R)で表される化合物または
その塩、あるいは、下記式(1)で表される化合物またはその塩である。
Figure 2023090708000001
およびYは、それぞれ独立して、炭素数1以上5以下の直鎖または分岐鎖のアル
キレン基を表し、nは、0以上4以下の整数であり、R~Rは、それぞれ独立して、
水素原子、水酸基、ホスホン酸基またはその塩の基、または、置換されているかもしくは
非置換の炭素数1以上5以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、この際、R~R
のうち、1個以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基または
その塩の基で置換されたアルキル基である。ここで、N(R)(R)(R)には、
およびRが存在しないので、「R~Rのうち、1個以上は、ホスホン酸基また
はその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基である
」は、「R~Rのうち、1個以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホ
スホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基である」と読み替えられるのは言う
までもない。同様に、C(R)(R)(R)(R)には、Rが存在しないので
、「R~Rのうち、1個以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホ
ン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基である」は、「R~Rのうち、1個
以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置
換されたアルキル基である」と読み替えられるのは言うまでもない。
本発明の一実施形態において、YおよびYとしての、炭素数1以上5以下の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキレン基としては、特に制限はなく、メチレン基、エチレン基、トリメ
チレン基、テトラメチレン基、プロピレン基等の直鎖または分岐鎖のアルキレン基がある
。これらのうち、炭素数1以上4以下の直鎖または分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭
素数1以上3以下の直鎖または分岐鎖のアルキレン基がより好ましい。さらに、炭素数1
または2のアルキレン基、すなわち、メチレン基、エチレン基がより好ましく、エチレン
基が特に好ましい。かような実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、
かつ、より高速に研磨できる。
上記式(1)中のnは、(-Y-N(R)-)の数を表し、0以上4以下の整数で
ある。nは、0以上2以下の整数であると好ましく、0または1であると特に好ましい。
かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨
できる。なお、nが2以上の場合、n個の(-Y-N(R)-)は、同じであっても
異なっていてもよい。
上記のR~Rとしての、置換されているかもしくは非置換の炭素数1以上5以下の
直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、特に制限はなく、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基等のアルキル基がある。これらのうち、置換されているかもしくは非置換の炭素数1以
上4以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、置換されているかもしくは非置換
の炭素数1以上3以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基がより好ましい。さらに、メチル
基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。かかる実施形態によって、2種
以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
ここで、アルキル基について「置換されているかもしくは非置換の」とは、アルキル基
の一以上の水素原子が他の置換基で置換されていても、置換されていなくてもよいことを
意味する。ここで、置換しうる置換基としては、特に限定されない。例えば、フッ素原子
(F);塩素原子(Cl);臭素原子(Br);ヨウ素原子(I);ホスホン酸基(-P
);リン酸基(-OPO);チオール基(-SH);シアノ基(-CN)
;ニトロ基(-NO);ヒドロキシ基(-OH);炭素数1以上10以下の直鎖または
分岐鎖のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基
、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等);炭素数6以上30以下のアリール基(例え
ば、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基);炭素数3以上20
以下のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基)などの置換基が挙げられる。
本発明の一実施形態において、上記のN(R)(R)(R)中、R~Rのう
ち、1個以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩
の基で置換されたアルキル基である。
本発明の一実施形態において、上記のC(R)(R)(R)(R)中、R
のうち、1個以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基また
はその塩の基で置換されたアルキル基である。
本発明の一実施形態において、上記式(1)中、R~Rのうち、1個以上は、ホス
ホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアル
キル基である。
ここで、「ホスホン酸基で置換されたアルキル基」とは、一以上のホスホン酸基で置換
された炭素数1以上5以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基であって、例えば、(モノ)
ホスホノメチル基、(モノ)ホスホノエチル基、(モノ)ホスホノ-n-プロピル基、(
モノ)ホスホノイソプロピル基、(モノ)ホスホノ-n-ブチル基、(モノ)ホスホノイ
ソブチル基、(モノ)ホスホノ-s-ブチル基、(モノ)ホスホノ-t-ブチル基、ジホ
スホノメチル基、ジホスホノエチル基、ジホスホノ-n-プロピル基、ジホスホノイソプ
ロピル基、ジホスホノ-n-ブチル基、ジホスホノイソブチル基、ジホスホノ-s-ブチ
ル基、ジホスホノ-t-ブチル基等が挙げられる。これらのうち、1個のホスホン酸基で
置換された炭素数1以上4以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、1個のホス
ホン酸基で置換された炭素数1以上3以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基がより好まし
い。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に
研磨できる。さらに、(モノ)ホスホノメチル基、(モノ)ホスホノエチル基がより好ま
しく、(モノ)ホスホノメチル基が特に好ましい。かかる実施形態によって、2種以上の
研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、前記有機化合物が、2つ以上のホスホン酸基またはその
塩の基、あるいは、2つ以上の、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基
を有する。このように、前記有機化合物が、2つ以上のホスホン酸基に由来する構造を有
することによって、本発明の所期の効果を効率的に奏する。
本発明の一実施形態において、上記のN(R)(R)(R)中、2個以上が、ホ
スホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたア
ルキル基であることが好ましく、3個全てが、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは
、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基であることがより好ましい。か
かる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨で
きる。
本発明の一実施形態において、上記のC(R)(R)(R)(R)中、2個以
上が、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換
されたアルキル基であることが好ましい。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象
物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。本発明の一実施形態において、上記の
C(R)(R)(R)(R)中、3個以下が、ホスホン酸基またはその塩の基、
あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基であることが好ましい
。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研
磨できる。本発明の一実施形態において、上記のC(R)(R)(R)(R)中
、1個以上が、水酸基を有することが好ましい。本発明の一実施形態において、上記のC
(R)(R)(R)(R)中、2個以下が、水酸基を有することが好ましい。か
かる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨で
きる。本発明の一実施形態において、上記のC(R)(R)(R)(R)中、1
個以上が、置換されているかもしくは非置換の炭素数1以上5以下の直鎖または分岐鎖の
アルキル基であることが好ましい。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同
様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。本発明の一実施形態において、上記のC(R
)(R)(R)(R)中、2個以下が、置換されているかもしくは非置換の炭素
数1以上5以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましい。かかる実施形態
によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、上記式(1)中、R~Rのうち、4個以上が、ホス
ホン酸基またはその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアル
キル基であるとより好ましい。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の
速度で、かつ、より高速に研磨できる。さらに、R~Rの全てが、ホスホン酸基また
はその塩の基、あるいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基である
と好ましく、R~Rおよびn個のRの全てが、ホスホン酸基またはその塩の基、あ
るいは、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基であると特に好ましい。
かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨
できる。
本発明の一実施形態において、塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などの
アルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの第2族元素の塩、アミン塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物中で、前記有機化合物の含有量が、0
.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好まし
く、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。かかる実施形態によって、2種以上
の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物中で、前記有機化合物の含有量が、5
質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以
下であることがさらに好ましい。かかる実施形態によって、2種以上の研磨対象物を同様
の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
なお、研磨用組成物中における有機化合物の含有量は、研磨用組成物が、後述するよう
な、所望のpHの下限、上限または範囲になるように適宜調整して設定すればよい。
[水溶性高分子]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、水溶性高分子をさらに含む。かかる実
施形態によって、3種以上の研磨対象物(例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素
(SiN)およびポリシリコン)を、同程度の速度で、高速で研磨をすることができる。
本発明の一実施形態において、水溶性高分子は、複数の水酸基を有する。かような水溶
性高分子としては、ビニルアルコールに由来する構造単位を有する高分子、セルロース誘
導体、デンプン誘導体等が挙げられる。中でも、ビニルアルコールに由来する構造単位を
有する高分子を含むと好ましい。かかる実施形態によって、3種以上の研磨対象物(例え
ば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)およびポリシリコン)を、同程度の
速度で、高速で研磨をすることができる。
本発明の一実施形態において、「ビニルアルコールに由来する構造単位を有する高分子
」とは、一分子中にビニルアルコール単位(-CH-CH(OH)-により表される構
造部分;以下「VA単位」ともいう。)を有する高分子をいう。本発明の一実施形態にお
いて、ビニルアルコールに由来する構造単位を有する高分子は、VA単位に加え、非ビニ
ルアルコール単位(ビニルアルコール以外のモノマーに由来する構造単位、以下「非VA
単位」ともいう。)を含む共重合体であってもよい。非VA単位の例としては、特に制限
されず、エチレンに由来する構造単位等が挙げられる。ビニルアルコールに由来する構造
単位を含むポリマーは、非VA単位を含む場合、一種類の非VA単位のみを含んでもよく
、二種類以上の非VA単位を含んでもよい。
本発明の一実施形態において、VA単位と非VA単位との含有比率(モル比)は特に制
限されず、例えば、VA単位:非VA単位(モル比)は、1:99~99:1であると好
ましく、95:5~60:40であるとより好ましく、97:3~80:30であるとさ
らに好ましく、98:2~85:15であるとよりさらに好ましい。
本発明の一実施形態において、ビニルアルコールに由来する構造単位を含むポリマーと
しては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール・エチレン共重合
体等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、ポリビニルアルコールのけん化度が、好ましくは60%
以上、より好ましくは70%、さらに好ましくは80%以上、よりさらに好ましくは90
%以上である。かかる実施形態によって、3種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、
より高速に研磨できる。本発明の一実施形態において、ポリビニルアルコールのけん化度
が、好ましくは99%以下である。かかる実施形態によって、3種以上の研磨対象物を同
様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、前記水溶性高分子は、スルホン酸と、カルボン酸との共
重合体(「スルホン酸/カルボン酸共重合体」とも称する)である。スルホン酸と、カル
ボン酸との共重合体は、スルホン酸基を有する単量体由来の構成単位と、カルボン酸基を
有する単量体由来の構成単位とを含有する。
本発明の一実施形態において、スルホン酸基を有する単量体の例としては、例えば特開
2015-168770号公報の段落「0019」~「0036」に記載のポリアルキレ
ングリコール系単量体(A)や、同公報の段落「0041」~「0054」に記載のスル
ホン酸基含有単量体(C)等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、カルボン酸基を有する単量体の例としては、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α-ヒドロキシアクリル酸、α-ヒドロキシメチ
ルアクリル酸、およびこれらの金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等の塩が挙げられ
る。
本発明の一実施形態において、スルホン酸/カルボン酸共重合体中のスルホン酸基を有
する単量体由来の構成単位とカルボン酸基を有する単量体由来の構成単位とのモル比は、
スルホン酸基を有する単量体由来の構成単位:カルボン酸基を有する単量体由来の構成単
位=10:90~90:10が好ましく、30:70~90:10がより好ましく、65
0:50~90:10がさらに好ましい。
本発明の一実施形態において、水溶性高分子の重量平均分子量は、研磨対象物が疎水性
膜である場合にその親水化の観点から、好ましい順に、1000以上、3000以上、6
000以上、8000以上である。本発明の一実施形態において、水溶性高分子の重量平
均分子量は、スラリー分散性の観点から、好ましい順に、150000以下、10000
0以下、80000以下、40000以下、20000以下、15000以下である。か
かる実施形態によって、3種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨で
きる。本発明の一実施形態において、前記水溶性高分子の重量平均分子量が、3000~
80000である。かかる実施形態によって、3種以上の研磨対象物を同様の速度で、か
つ、より高速に研磨できる。なお、本明細書中、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグ
ラフィ(GPC)によって分子量が既知のポリスチレンを基準物質として測定する。
本発明の一実施形態において、水溶性高分子の含有量は、研磨用組成物の総質量に対し
て、好ましい順に、0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、
0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上である。か
かる実施形態によって、研磨対象物が疎水性膜である場合、その親水化による研磨速度向
上の技術的効果がある。本発明の一実施形態において、スラリー分散性および研磨速度向
上の観点から水溶性高分子の含有量は、研磨用組成物の総質量に対して、好ましい順に、
10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、0.9質量%以下、0.
8質量%以下、0.7質量%以下、0.6質量%以下。かかる実施形態によって、3種以
上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態において、水溶性高分子は、単独重合体であっても、共重合体であ
ってもよい。共重合体である場合、その形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、
グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。
本発明の一実施形態において、前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールおよびアク
リル酸とスルホン酸の共重合体の少なくとも一方である。かかる実施形態によって、3種
以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
[液体キャリア]
本発明の一実施形態によれば、液体キャリアとしては、有機溶媒、水(特に純水)が考
えられるが、研磨対象物の汚染や他の成分の作用を阻害するという観点から、不純物をで
きる限り含有しない水が好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去
した後フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[研磨用組成物のpH]
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、7.0未満の酸性であっても、
7.0の中性であっても、7.0超の塩基性であってもよいが、好ましくは、7.0未満
である。かかる実施形態であることによって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、か
つ、より高速に研磨できる。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、6.
0未満である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、5.0未満である
。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、4.0未満である。本発明の一
実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、3.9以下である。本発明の一実施形態によ
れば、研磨用組成物のpHは、3.8以下である。本発明の一実施形態によれば、研磨用
組成物のpHは、3.7以下である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpH
は、3.6以下である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、3.5以
下である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、3.4以下である。本
発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、3.3以下である。本発明の一実施
形態によれば、研磨用組成物のpHは、3.2以下である。本発明の一実施形態によれば
、研磨用組成物のpHは、3.1以下である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成
物のpHは、3.0以下である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、
3.0未満である。かような実施形態であることによって、2種以上の研磨対象物を同様
の速度で、かつ、より高速に研磨できる。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物の
pHは、1.0以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、1.
2以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、1.3超である。
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、1.4以上である。本発明の一実
施形態によれば、研磨用組成物のpHは、1.6以上である。本発明の一実施形態によれ
ば、研磨用組成物のpHは、1.8以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組
成物のpHは、2.0以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは
、2.0超である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、2.1以上で
ある。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、2.2以上である。本発明
の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、2.2超である。本発明の一実施形態に
よれば、研磨用組成物のpHは、2.3以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨
用組成物のpHは、2.4以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のp
Hは、2.5以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、2.6
以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、2.8以上である。
かような実施形態であることによって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、よ
り高速に研磨できる。
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHが、2~6である。かかる実施形態
であることによって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨でき
る。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物のpHは、2.0超4.0未満である。
かかる実施形態であることによって、2種以上の研磨対象物を同様の速度で、かつ、より
高速に研磨できる。また、研磨用組成物のpHは、2.0未満であると、本発明の所期の
効果を効率的に奏することができない場合がある。本発明の一実施形態によれば、研磨用
組成物のpHは、2.0超3.9以下、2.1~3.7、2.2~3.5、2.3~3.
3、あるいは、2.4~3.1である。かかる実施形態であることによって、2種以上の
研磨対象物を同様の速度で、かつ、より高速に研磨できる。
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物は、pH調整剤を含む。本発明の一実施形
態によれば、pH調整剤は酸およびアルカリのいずれであってもよく、また、無機化合物
および有機化合物のいずれであってもよい。酸の具体例としては、例えば、硝酸、ホウ酸
、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸およびリン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、2-メチル酪酸、n-ヘキサン酸、3,3-ジメチル酪酸、2-エチル酪酸
、4-メチルペンタン酸、n-ヘプタン酸、2-メチルヘキサン酸、n-オクタン酸、2
-エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、クエン酸および乳酸などのカルボン酸等の有機酸、フィチン酸、ヒドロ
キシエチリデンジホスホン酸等の有機リン系の酸等の有機酸等が挙げられる。ただし、本
発明は、ホスホン酸基またはその塩の基を有する有機化合物を研磨用組成物中に含有させ
ることを特徴の一つとする。よって、本発明の一実施形態によれば、pH調整剤としての
酸が、ホスホン酸基またはその塩の基を有する有機化合物のみである。アルカリの具体例
としては、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、エチレンジアミン
およびピペラジンなどのアミン、ならびにテトラメチルアンモニウムおよびテトラエチル
アンモニウムなどの第4級アンモニウム塩が挙げられる。
[他の成分]
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物は、酸化剤、金属防食剤、防腐剤、防カビ
剤、難溶性の有機物を溶解するための有機溶媒等の他の成分をさらに含んでもよい。
本発明の一実施形態によれば、酸化剤は、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリ
ウム、オゾン水、銀(II)塩、鉄(III)塩、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸
、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸、過ギ酸、
過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、亜
塩素酸、過塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、ジクロロイソシアヌル等が
挙げられる。
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物は、実質的に、酸化剤を含まない。本発明
の一実施形態によれば、研磨用組成物は、実質的に、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過
酸化バリウム、オゾン水、銀(II)塩、鉄(III)塩、過マンガン酸、クロム酸、重
クロム酸、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸、
過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩
素酸、亜塩素酸、過塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸またはジクロロイソ
シアヌルである酸化剤を含まない。また、本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物は
、実質的に、ビス[(1-ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸を含まない。なお、
本明細書中、「実質的に含まない」とは、研磨用組成物中に全く含まない概念の他、研磨
用組成物中に、0.0001g/L以下含む場合を含む。
本発明の一実施形態によれば、酸化ケイ素の研磨速度/窒化ケイ素の研磨速度が、0.
6以上2.0未満、0.8~1.5、0.82~1.3、0.90~1.2、あるいは、
0.92~1.1であるように設計されている。本発明の実施形態の研磨用組成物を適用
することで、かような研磨速度比になりうる。また、本発明の実施形態においては、かよ
うな研磨速度比になりうるように、研磨用組成物の組成をさらに調整してもよい。
本発明の一実施形態によれば、ポリシリコンの研磨速度/(窒化ケイ素の研磨速度また
は酸化ケイ素の研磨速度)が、0.6~2.0未満、0.8~1.5、または、0.82
~1.3、0.90~1.2、あるいは、0.92~1.1であるように設計されている
。本発明の実施形態の研磨用組成物を適用することで、かような研磨速度比になりうる。
また、本発明の実施形態においては、かような研磨速度比になりうるように、研磨用組成
物の組成をさらに調整してもよい。
本発明の一実施形態によれば、窒化ケイ素の研磨速度と、酸化ケイ素の研磨速度と、ポ
リシリコンの研磨速度における最大値を最小値で除した値が、1以上2.0未満、1~1
.5、1~1.3、1~1.2、あるいは、1~1.15であるように設計されている。
本発明の実施形態の研磨用組成物を適用することで、かような研磨速度比になりうる。ま
た、本発明の実施形態においては、かような研磨速度比になりうるように、研磨用組成物
の組成をさらに調整してもよい。
本発明の一実施形態によれば、窒化ケイ素の研磨速度と、酸化ケイ素の研磨速度と、ポ
リシリコンの研磨速度における最大値を中間値で除した値が、1以上2.0未満、1~1
.3、1~1.2、あるいは、1~1.1であるように設計されている。本発明の実施形
態の研磨用組成物を適用することで、かような研磨速度比になりうる。また、本発明の実
施形態においては、かような研磨速度比になりうるように、研磨用組成物の組成をさらに
調整してもよい。
本発明の一実施形態によれば、窒化ケイ素の研磨速度と、酸化ケイ素の研磨速度と、ポ
リシリコンの研磨速度における中間値を最小値で除した値が、1以上2.0未満、1~1
.3、1~1.2、あるいは、1~1.1であるように設計されている。本発明の実施形
態の研磨用組成物を適用することで、かような研磨速度比になりうる。また、本発明の実
施形態においては、かような研磨速度比になりうるように、研磨用組成物の組成をさらに
調整してもよい。
[研磨用組成物の製造方法]
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、
上述の特定の砥粒と、ホスホン酸基またはその塩の基を有する有機化合物とを、液体キャ
リアで攪拌混合することにより得ることができる。各成分を混合する際の温度は特に制限
されないが、10~40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、
混合時間も特に制限されない。
[研磨方法]
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物は、窒化ケイ素および酸化ケイ素、あるい
は、窒化ケイ素、酸化ケイ素およびポリシリコンの研磨に好適に用いられる。よって、本
発明の一実施形態によれば、研磨方法は、上記の研磨用組成物を用いて、または、上記の
製造方法によって研磨用組成物を得、当該研磨用組成物を用いて、窒化ケイ素および酸化
ケイ素、あるいは、窒化ケイ素、酸化ケイ素およびポリシリコンを含む、研磨対象物を研
磨することを有する、研磨方法である。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能
なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有す
る一般的な研磨装置を使用することができる。
前記研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等
を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨用組成物が溜まるような溝
加工が施されていることが好ましい。
研磨条件にも特に制限はなく、例えば、研磨定盤の回転速度は、10~500rpmが
好ましく、キャリア回転速度は、10~500rpmが好ましく、研磨対象物を有する基
板にかける圧力(研磨圧力)は、0.1~10psiが好ましい。研磨パッドに研磨用組
成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用
される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆
われていることが好ましい。
[半導体基板の製造方法]
本発明の一実施形態によれば、上記の研磨方法を有する、半導体基板の製造方法も提供
される。かかる実施形態によって、半導体基板の生産効率が向上する。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明
の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「
%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実
施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)/相対湿度40~50%RHの条
件下で行われた。
[実施例1]
(研磨用組成物の調製)
液体キャリアとしての純水に、砥粒Aを最終の研磨用組成物100質量%に対し0.5
質量%となるような量で加え、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸を最終の研
磨用組成物のpHが2.5となるような量で加え、水溶性高分子としてのポリビニルアル
コール(分子量約1万:重合度220ケン化度99%以上)を最終の研磨用組成物に対し
て0.05質量%となるような量で加えることで、実施例1の研磨用組成物を調製した。
<シラノール基数の算出方法>
砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数(単位:個/nm)は、以下の測定方法ま
たは計算方法により、各パラメータを測定または算出した後、下記の方法により算出した
より具体的には、下記式中のCは、砥粒の合計質量を用い、下記式中のSは、砥粒のB
ET比表面積である。さらに具体的には、まず、固形分として1.50gの砥粒を200
mlビーカーに採取し、100mlの純水を加えてスラリーとした後、30gの塩化ナト
リウムを添加して溶解する。次に、1N 塩酸を添加してスラリーのpHを約3.0~3
.5に調整した後、スラリーが150mlになるまで純水を加える。このスラリーに対し
て、自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM-1700)使用して、25℃で0.1
N 水酸化ナトリウムを用いてpHが4.0になるよう調整し、さらに、pH滴定によっ
てpHを4.0から9.0に上げるのに要した0.1N 水酸化ナトリウム溶液の容量V
[L]を測定する。平均シラノール基密度(シラノール基数)は、下記式により算出でき
る。
Figure 2023090708000002
上記式中、
ρは、平均シラノール基密度(シラノール基数)(個/nm)を表わし;
cは、滴定に用いた水酸化ナトリウム溶液の濃度(mol/L)を表わし;
Vは、pHを4.0から9.0に上げるのに要した水酸化ナトリウム溶液の容量(L)
を表わし;
は、アボガドロ定数(個/mol)を表わし;
Cは、砥粒の合計質量(固形分)(g)を表わし;
Sは、砥粒のBET比表面積の加重平均値(nm/g)を表わす。
<粒子径の算出方法>
また、砥粒の平均一次粒子径は、マイクロメリティックス社製の“Flow Sorb
II 2300”を用いて測定されたBET法による砥粒の比表面積と、砥粒の密度と
から算出した。また、砥粒の平均二次粒子径は、日機装株式会社製 動的光散乱式粒子径
・粒度分布装置 UPA-UTI151により測定した。
<pHの測定方法>
研磨用組成物(液温:25℃)のpHは、pHメーター(株式会社 堀場製作所製 型
番:LAQUA)により確認した。
[実施例2~8および比較例1~3]
(研磨用組成物の調製)
各成分の種類および含有量、並びに研磨用組成物のpHを下記表1に示すように変更し
た以外は実施例1と同様に操作して、各研磨用組成物を調製した。
上記調製した各研磨用組成物について、下記方法に従って、研磨速度(Removal
Rate)(Å/min)を評価した。結果を下記表1に併せて示す。
<研磨試験>
各研磨用組成物を使用して、研磨対象物の表面を下記の条件で研磨した。研磨対象物と
しては、シリコン基板表面に形成した、膜厚2500Åの窒化ケイ素と、膜厚10000
ÅのTEOS(酸化ケイ素)と、膜厚4500Åのポリシリコンとをそれぞれ使用した。
[研磨装置および研磨条件]
研磨装置:卓上研磨機(日本エンギス社製 EJ-380IN)
研磨パッド:IC1000(ダウケミカル社製)
研磨圧力:3psi
研磨定盤の回転速度:60rpm
キャリアの回転速度:60rpm
研磨用組成物の供給量:50mL/min
研磨時間:60sec
In-situ dressing(その場ドレッシング)
ワークサイズ:30mm四方。
[評価]
各研磨用組成物について、下記項目について測定し評価を行った。
[研磨速度(研磨レート:Removal Rate)の測定]
研磨速度(Å/min)は、下記式(1)により計算した。
Figure 2023090708000003
なお、各膜厚を光干渉式膜厚測定装置によって求めて、研磨前後の膜厚の差を研磨時間
で除することによって評価した。評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2023090708000004
<考察>
実施例の研磨用組成物によれば、2種または3種の研磨速度がいずれもが150Å/m
in以上であり、酸化ケイ素の研磨速度/窒化ケイ素の研磨速度が、0.7以上2.0未
満となっており、本発明の所期の効果を達成している。これに対し、比較例の研磨用組成
物では、2種または3種の研磨速度のうち1種以上が150Å/min未満であり、また
酸化ケイ素の研磨速度/窒化ケイ素の研磨速度が、0.7未満か、あるいは、2.0以上
であり、本発明の所期の効果を達成していない。

Claims (16)

  1. 研磨対象物を研磨するために用いられる、研磨用組成物であって、
    砥粒と、有機化合物と、液体キャリアとを含み、
    前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数が、0個/nmを超えて2.5個/n
    以下であり、
    前記有機化合物が、ホスホン酸基またはその塩の基を有する、研磨用組成物。
  2. 前記砥粒の表面が、カチオン修飾されている、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記有機化合物が、非置換の炭素数1~5のアルキル基を有する、請求項1または2に
    記載の研磨用組成物。
  4. 前記有機化合物が、N(R)(R)(R)で表される化合物またはその塩、C(
    )(R)(R)(R)で表される化合物またはその塩、あるいは、下記式(1
    )で表される化合物またはその塩である、請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨用組
    成物:
    Figure 2023090708000005
    およびYは、それぞれ独立して、炭素数1以上5以下の直鎖または分岐鎖のアル
    キレン基を表し、
    nは、0以上4以下の整数であり、
    ~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ホスホン酸基またはその塩の基、水酸基
    、または、置換されているかもしくは非置換の炭素数1以上5以下の直鎖または分岐鎖の
    アルキル基を表し、
    この際、R~Rのうち、1個以上は、ホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、
    ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基である。
  5. 前記有機化合物が、2つ以上のホスホン酸基またはその塩の基、あるいは、2つ以上の
    、ホスホン酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基を有する、請求項1~4のいず
    れか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記砥粒が、シリカである、請求項1~5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. 水溶性高分子をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 前記水溶性高分子の重量平均分子量が、3000~80000である、請求項7に記載
    の研磨用組成物。
  9. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールおよびアクリル酸とスルホン酸の共重合体
    の少なくとも一方である、請求項7または8に記載の研磨用組成物。
  10. pHが、7.0未満である、請求項1~9のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  11. 前記研磨対象物が、窒化ケイ素および酸化ケイ素を含む、請求項1~10のいずれか1
    項に記載の研磨用組成物。
  12. 酸化ケイ素の研磨速度/窒化ケイ素の研磨速度が、0.7以上2.0未満であるように
    設計されている、請求項11に記載の研磨用組成物。
  13. 前記研磨対象物が、ポリシリコンをさらに含む、請求項11または12に記載の研磨用
    組成物。
  14. ポリシリコンの研磨速度/(窒化ケイ素の研磨速度または酸化ケイ素の研磨速度)が、
    0.6以上2.0未満であるように設計されている、請求項13に記載の研磨用組成物。
  15. 窒化ケイ素の研磨速度と、酸化ケイ素の研磨速度と、ポリシリコンの研磨速度とにおけ
    る最大値を最小値で除した値が、1以上2.0未満であるように設計されている、請求項
    13または14に記載の研磨用組成物。
  16. 窒化ケイ素の研磨速度と、酸化ケイ素の研磨速度と、ポリシリコンの研磨速度とにおけ
    る最大値を中間値で除した値が、1以上2.0未満であるように設計され、中間値を最小
    値で除した値が、1以上2.0未満であるように設計されている、請求項13~15のい
    ずれか1項に記載の研磨用組成物。
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