JP2023087713A - 電動車両 - Google Patents

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真実 国広
Masamitsu Kunihiro
充弘 門田
Michihiro Kadota
裕一 國友
Yuichi Kunitomo
篤 北口
Atsushi Kitaguchi
知範 高田
Tomonori Takada
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Abstract

【課題】本発明の課題は、走行モータの回生電力を補機に供給することで電動車両の省エネルギー化を実現するとともに、走行モータの回生期間の開始または終了時に補機直流電圧が急激に変動することを防止することにある。【解決手段】本発明の電動車両は、第一の発電機12および第二の発電機41と、第一の直流ライン16と、走行モータ10と、第二の直流ラインと、蓄電デバイス31及び補機装置44と、DC/DCコンバータ21と、双方向DC/DCコンバータ32と、第二の発電機41を制御する補機電圧制御部53を備えている。補機電圧制御部53は、第一の電圧制御部60と、第二の電圧制御部70と、第三の電圧制御部80と、回生期間判定部54と、電圧指令設定部77とを備えており、電圧指令設定部77は、走行モータの回生期間の終了後に、第二の電圧指令値を第一の電圧指令値よりも低い値に設定する。【選択図】図11

Description

本発明は、電動車両、特にその回生制動システムに関する。
化石燃料の枯渇や地球環境問題の悪化を背景として、ハイブリッド自動車や電気自動車といった電動車両が普及している。鉱山現場における搬送用ダンプトラックのような大型作業車両においても電気駆動システムを用いる場合があり、エンジンで駆動される発電機の発電電力を利用して走行モータを駆動する。
電気駆動システムを搭載したダンプトラックでは、ブレーキ(制動)時に走行モータが生み出す回生電力を補機に供給するシステムを搭載することによって、省エネルギー化・燃料消費量低減を実現できると考えられる。以下では、このようなシステムを回生制動システムと記す。回生制動システムには、走行モータ用インバータが接続される直流ライン(以下、主機直流ラインと記す)の電圧を変換し、補機が接続される直流ライン(以下、補機直流ラインと記す)に出力するDC/DCコンバータが必要となる。
特許文献1には、ハイブリッド自動車や電気自動車の電気駆動システムを対象として、その主機系と補機系を接続するDC/DCコンバータが記載されている。上述の回生制動システムは、これをダンプトラックなどの大型作業車両に応用するものと言える。
特開2010-74913号公報
回生制動システムでは、走行モータが回生電力を生み出す回生期間において、DC/DCコンバータが補機に給電する。一方、他の期間では、エンジンにより駆動される補助発電機が補機に給電する。ここで、回生制動システムによって大きな省エネルギー効果を得るためには、回生期間において補助発電機の出力をゼロとし、DC/DCコンバータから補機の消費電力を全て供給することが望ましい。したがって、回生期間の開始または終了時に補機の電源切替が発生する。補助発電機の応答はDC/DCコンバータといった電力変換器に比べて遅いため、回生期間の開始または終了直後の過渡状態において、補機直流ラインの電圧(以下、補機直流電圧と記す)が急激に変動し、補機の動作に影響を及ぼす可能性がある。特に回生期間の終了直後では、補助発電機の出力をゼロから立ち上げるため、補機直流電圧の急激な低下が発生し得る。補機直流電圧の変動は、補機の正常な動作を妨げ、ひいては電気駆動システムの安定性を低下する原因となる。補機直流ラインに大容量の平滑コンデンサを接続して補機直流電圧の変動を抑える方法も考えられるが、システムの大型化・コストアップにつながると共に、起動時の初充電や停止時の放電に時間がかかるという問題も発生する。
本発明の一様態によると、エンジンによって駆動される第一の発電機および第二の発電機と、前記第一の発電機に接続される第一の直流ラインと、該第一の直流ラインに接続される少なくとも一つの走行モータと、前記第二の発電機に接続される第二の直流ラインと、該第二の直流ラインに接続される少なくとも一つの蓄電デバイス及び補機装置と、前記第一の直流ラインと前記第二の直流ラインとの間に接続されるDC/DCコンバータと、前記蓄電デバイスと前記第二の直流ラインとの間に接続される双方向DC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータと前記双方向DC/DCコンバータと前記第二の発電機を制御する制御装置と、を備えた電動車両であって、前記制御装置は、前記第二の直流ラインの電圧が第一の電圧指令値と一致するように制御演算を行い、前記第二の発電機の操作量を生成する第一の電圧制御部と、前記第二の直流ラインの電圧が第二の電圧指令値と一致するように制御演算を行い、前記双方向DC/DCコンバータの操作量を生成する第二の電圧制御部と、前記電動車両の車両走行状態に基づいて前記走行モータの回生期間であるか否かを示す回生期間判定信号を生成する回生期間判定部と、前記回生期間判定信号に基づいて前記第二の電圧指令値を生成する電圧指令設定部と、を備え、前記電圧指令設定部は、前記走行モータの回生期間の終了後に、前記第二の電圧指令値を前記第一の電圧指令値よりも低い値に設定することを特徴とする電動車両である。
本発明によれば、走行モータの回生電力を補機に供給することで電動車両の省エネルギー化を実現するとともに、走行モータの回生期間の終了時における補機直流電圧の急激な変動を抑制できる。
電動車両の電気駆動システムのハードウェア構成図である。 DC/DCコンバータの回路構成例である。 DC/DCコンバータの動作波形例である。 双方向DC/DCコンバータの回路構成例である。 双方向DC/DCコンバータの動作波形例である。 双方向DC/DCコンバータの動作波形例である。 実施例1における補機電圧制御部のブロック図である。 実施例1における回生期間判定部のフローチャートである。 実施例1におけるタイミングチャートである。 実施例1におけるタイミングチャートである。 実施例1における電圧指令設定部のフローチャートである。 実施例1における電圧指令設定部のフローチャートである。 実施例1における上限値設定部のブロック図である。 実施例2におけるタイミングチャートである。 実施例2における電圧指令設定部のフローチャートである。 実施例2における電圧指令設定部のフローチャートである。 ダンプトラックの構成図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る電力変換装置の実施の形態について説明する。なお、各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
(実施例1)
(電気駆動システムのハードウェア構成)
図1は、電動車両の電気駆動システムのハードウェア構成図である。主機発電機(第一の発電機)12と補機発電機(第二の発電機)41は、エンジン11に接続され、エンジン11によって駆動される。主機発電機12の出力は、主機整流回路(第一の整流回路)14の交流入力に接続される。主機整流回路14の直流出力は、主機直流ライン(第一の直流ライン)16を成す。主機直流電圧Vは、主機直流ライン16に発生する直流電圧であり、電圧検出器17によって検出される。走行モータ用インバータ13の直流入力は、主機直流ライン16に接続される。インバータ13の交流出力は、走行モータ10に接続される。走行モータ10は、図示しない電動車両の車輪を駆動し、電動車両を前進または後進させる。主機直流ライン16には、インバータ13の他に、電力消費装置15が接続される。電力消費装置15では、スイッチング素子とダイオードから成るチョッパに、抵抗が接続される。図1では省略したが、主機直流ライン16には、平滑コンデンサ及びその放電抵抗、バリスタやアレスタといったサージプロテクタが接続されていてもよい。また、主機直流ライン16には、ヒューズ、リレー、遮断器が挿入されていてもよい。
補機発電機41の出力は、補機整流回路(第二の整流回路)42の交流入力に接続される。補機整流回路42の直流出力は、補機直流ライン(第二の直流ライン)43を成す。補機整流回路42によって整流された後の補機発電機41の出力電流をIと定義する。以下では、Iを補機発電機41の出力電流と記す。補機直流電圧V(第二の直流ラインの電圧)は、補機直流ライン43に発生する直流電圧であり、電圧検出器45によって検出される。補機直流ライン43には、補機装置44が接続される。補機装置44の例として、エアコン用のインバータ及びコンプレッサモータシステム、機器冷却用のインバータ及びブロアモータシステムなどがある。図1では、これらを1個の等価インピーダンスにまとめて、補機装置44として記載した。補機装置44の消費電力(以下、補機消費電力)は可変であり、電動車両の走行状態によって変化する。補機装置44のインピーダンスもまた変化する。図1では省略したが、補機直流ライン43には、平滑コンデンサ及びその放電抵抗、バリスタやアレスタといったサージプロテクタが接続されていてもよい。また、補機直流ライン43には、ヒューズ、リレー、遮断器が挿入されていてもよい。
図1では、インバータ13、及び、電力消費装置15のスイッチング素子(以下、素子と略す場合がある。)としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を想定し、IGBTの回路記号を示した。しかし、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、サイリスタなど他種の素子を利用してもよい。また、主機整流回路14や補機整流回路42として、スイッチング素子を用いたAC/DCコンバータを利用してもよい。以下では、主機発電機12と補機発電機41がそれぞれ巻線励磁型の同期発電機であり、アクチュエータである励磁装置がそれぞれに付属されていると考える。しかし、上述のように整流回路としてAC/DCコンバータを利用し、永久磁石同期発電機など他種の発電機を適用してもよい。
DC/DCコンバータ21は、VをVに変換し、主機直流ライン16から補機直流ライン43へと電力を伝送する。DC/DCコンバータ21の出力電流をIと定義する。DC/DCコンバータ21の詳細な回路構成や動作については後述する。
図1の電気駆動システムは、蓄電デバイス31とその充放電装置として双方向DC/DCコンバータ32を備える。また、蓄電デバイス31の充放電電流Iを検出するための電流検出器33を備える。蓄電デバイス31は、電流検出器33を介して双方向DC/DCコンバータ32の一方の端子に接続される。双方向DC/DCコンバータ32の他方の端子は、補機直流ライン43に接続される。蓄電デバイス31と双方向DC/DCコンバータ32の接続については、電流検出器33の他に、ヒューズ、リレー、遮断器を挿入してもよい。Iの正負極性については、蓄電デバイス31が放電するときにIが正となるように定義する。蓄電デバイス31の電圧をVと定義する。
図1のように、双方向DC/DCコンバータ32が補機直流ライン43に出力する電流をI’と定義する。以下では、I’を双方向DC/DCコンバータ32の出力電流と記す。後述するように、双方向DC/DCコンバータ32の両端子にはそれぞれコンデンサが接続される。これらの静電容量が十分に大きく、かつ、双方向DC/DCコンバータ32の損失を無視できると仮定すれば、定常状態においてI’=I/Voが成り立つ。
蓄電デバイス31の例として、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池、または、電気二重層コンデンサやリチウムイオンキャパシタといったコンデンサがある。双方向DC/DCコンバータ32は、VをVに変換し、補機直流ライン43から蓄電デバイス31へと電力を伝送することによって蓄電デバイス31を充電する。また、VをVに変換し、蓄電デバイス31から補機直流ライン43へと電力を伝送することによって蓄電デバイス31を放電する。双方向DC/DCコンバータ32について、詳細な回路構成や動作については後述する。
以上から、図1の電気駆動システムでは、DC/DCコンバータ21、双方向DC/DCコンバータ32、補機発電機41の三点が補機装置44の電源となる。ここで、I、I’、Iの合成電流を補機電源電流I(=I+I’+I)と定義する。
制御装置50は、電圧検出器17からVを、電圧検出器45からVを、電流検出器33からIをそれぞれ検出する。また、制御装置50には、車両情報信号Sが入力される。Sは、電動車両の車体速度情報や、オペレータの操作入力情報(アクセルペダルの操作量SACやブレーキペダルの操作量SBRなど)といった複数の情報を含む。図1では省略したが、制御装置50は、インバータ13の交流出力電流、走行モータ10の回転速度、エンジン11の回転速度など、他の情報を検出してもよい。
制御装置50は、検出信号に基づいて上述の各機器に制御信号を出力し、電気駆動システム内のエネルギーフローを制御する。図1では、制御装置50からエンジン11、主機発電機12、インバータ13、電力消費装置15、DC/DCコンバータ21、双方向DC/DCコンバータ32、補機発電機41への制御信号を示した。主機発電機12と補機発電機41については、制御信号を励磁電圧または電流の指令値とする。各発電機の励磁装置は、指令値に従って励磁電圧または電流を制御するものとする。
制御装置50は、駆動制御部51、主機電圧制御部52、補機電圧制御部53を備える。駆動制御部51は、Sに含まれるSACやSBRにしたがってエンジン11とインバータ13に制御信号を出力する。
後述するように、Vは加速時において主機発電機12によって制御され、制動時において電力消費装置15によって制御される。主機電圧制御部52は、入力されるSから加速または減速(制動)を判定し、Vが所定の指令値と一致するように主機発電機12または電力消費装置15に制御信号を出力する。
は、補機発電機41、DC/DCコンバータ21、双方向DC/DCコンバータ32の三点の補機電源によって制御される。補機電圧制御部53は、Vが所定の指令値と一致するようにこれらの補機電源に対して制御信号を出力する。駆動制御部51や主機電圧制御部52と同様に、補機電圧制御部53にもSが入力される。本発明は、主に補機電圧制御部53に関するものであり、詳細な演算内容については後述する。
制御装置50は、後述するようにIを検出してこれを制御するが、Iの代わりにI’を検出及び制御してもよい。その場合、電流検出器33の接続位置を変更し、上述の関係式I’=I/Vを用いて電流指令値を変換すればよい。
制御装置50の実現方法については任意であるが、一例として基板上に電子回路として実装する方法がある。基板にはCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのデバイスが搭載される。後述する補機電圧制御部53の演算内容は、これらのデバイスに実装される。制御装置50は上述のように複数の演算ブロックを備えるため、各演算ブロックを別々の基板またはデバイスに実装してもよい。また、一つの演算ブロックを複数の基板またはデバイスに分割して実装してもよい。例えば、補機電圧制御部53は、補機発電機41、DC/DCコンバータ21、双方向DC/DCコンバータ32の制御信号を生成するが、各制御信号の生成を別の基板またはデバイスに割り当ててもよい。
(電気駆動システムのエネルギーフロー)
まず、加速時における電気駆動システムのエネルギーフローについて説明する。エンジン11により主機発電機12が駆動されると、主機発電機12が出力する交流電圧は主機整流回路14によって主機直流電圧Vに変換され、インバータ13に入力される。オペレータがアクセルペダルを踏み込むと、駆動制御部51にSACが入力される。駆動制御部51から出力された制御信号により、インバータ13から走行モータ10に交流電力が供給され、走行モータ10は車輪を駆動して車体を加速させる。この場合、Vは主機発電機12によって制御される。補機系のエネルギーフローについて説明する。エンジン11により補機発電機41が駆動されると、補機発電機41が出力する交流電圧は補機整流回路42によって直流に変換され、補機装置44に入力される。また、双方向DC/DCコンバータ32によって蓄電デバイス31を放電し、放電電力を補機装置44に供給することができる。
次に、制動時、すなわち、走行モータ10の回生期間におけるエネルギーフローについて説明する。オペレータがブレーキペダルを踏み込むと、駆動制御部51にSBRが入力され、駆動制御部51は制御信号を出力する。走行モータ10がインバータ13の出力周波数より速い速度で回転している場合、走行モータ10は車体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、インバータ13を介して主機直流ライン16へ回生電力を出力する。すなわち、走行モータ10は発電機として動作する。電力消費装置15は、回生電力を熱に変換し、Vが過大になることを防ぐ。したがって、この場合のVは電力消費装置15によって制御される。DC/DCコンバータ21は、Vを補機直流電圧Vに変換し、回生電力の一部を補機直流ライン43に出力する。補機直流ライン43に出力された電力は、補機装置44によって消費されるか、または、双方向DC/DCコンバータ32を介して蓄電デバイス31に蓄えられる。このように回生電力が消費されることで電気ブレーキがかかり、車体は減速する。なお、車体の制動には、電気ブレーキと図示しない機械ブレーキを併用してもよい。
制動時では、DC/DCコンバータ21が補機装置44に給電するため、その分だけ補機発電機41、ひいてはエンジン11の負荷が低減される。このような動作によって、制動時に発生する回生電力を補機で有効利用でき、その分だけダンプトラックの省エネルギー化・燃料消費量低減を実現できる。これが本発明における回生制動システムである。
(DC/DCコンバータ21の回路構成例と動作波形例)
図2は、DC/DCコンバータ21の回路構成例である。DC/DCコンバータであれば、他の回路構成を利用してもよい。DC/DCコンバータ21の入力端子は、インバータ22とコンデンサ23に接続される。図2では、インバータ22の回路方式として4個の素子(Q~Q)を備えるフルブリッジインバータ回路を示したが、他の回路方式であってもよい。インバータ22の交流出力端子は、トランス24の一次巻線に接続される。トランス24の二次巻線は、整流回路25の交流入力端子に接続される。図2では、整流回路25の回路方式として4個のダイオード(D~D)で構成されるフルブリッジ整流回路を示したが、他の回路方式であってもよい。整流回路25の直流出力端子は、チョークコイル26とコンデンサ27から成るフィルタ回路を介してDC/DCコンバータ21の出力端子に接続される。駆動制御装置28は、制御装置50から入力される制御信号に基づき、Q~Qの駆動電圧を出力する。
インバータ22は、DC/DCコンバータ21に入力される主機直流電圧Vを交流電圧Vtrに変換し、トランス24の一次巻線に印加する。トランス24は、DC/DCコンバータ21の入出力間を絶縁しつつ、一次巻線に印加された電圧を変圧して二次巻線に交流電圧を発生させる。この交流電圧は、整流回路25によって直流電圧に変換され、フィルタ回路を介してDC/DCコンバータ21から出力される。
図2では、素子Q~QをIGBTとしたが、MOSFETなど他種の素子を利用してもよい。DC/DCコンバータ21は以上の要素の他にも、ブレーカやリレーなどの制御部品、ヒューズやサージプロテクタなどの保護部品、ノイズフィルタを備えていてもよい。
図3は、図2に示したDC/DCコンバータ21の動作波形例である。図3では、素子Q~Qのスイッチング動作2周期分の動作波形を示した。図3の縦軸項目として、Q~Qの駆動信号(オン・オフ信号)、トランス24の一次巻線電圧Vtr、出力電流I、チョークコイル26の電流ILdを示した。IとILdについては重ねて示し、Iを破線とした。図3では、DC/DCコンバータ21の動作の概要を示すことを目的としており、回路の寄生容量や寄生インダクタンスが引き起こす電圧・電流振動、及び、素子の電圧降下を無視した。図示した期間においてVと補機直流電圧Vはそれぞれ一定とした。また、コンデンサ27の静電容量が十分大きいと仮定し、Iも同様に一定とした。
とQがオンの期間では、Vtrの絶対値はVと等しくなり、Vtrの極性は正となる。QとQがオンの期間では、Vtrの絶対値はVと等しくなるが、Vtrの極性は負となる。これらの期間ではILdが時間とともに増大する。全素子がオフの期間では、Vtrはゼロになり、ILdが時間とともに減少する。以上のようにILdは増減を繰り返し、その平均値がIとなる。図3のようにスイッチング周期をTswと定義し、QとQ(またはQとQ)のオン時間をToNと定義する。このとき、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)におけるデューティdは(2ToN)/Tswとなる。dを操作量することで、DC/DCコンバータ21の出力電圧を制御できる。Vが一定であれば、dを大きくするほどDC/DCコンバータ21の出力電圧は高くなる。
(双方向DC/DCコンバータ32の回路構成例と動作波形例)
図4は、双方向DC/DCコンバータ32の構成例である。双方向DC/DCコンバータであれば、他の回路構成を利用してもよい。双方向DC/DCコンバータ32は、2個の素子(Q~Q)による上下アーム(ハーフブリッジ回路)34、チョークコイル35、コンデンサ36と37を備える。駆動制御装置38は、制御装置50から入力される制御信号に基づき、Q~Qの駆動電圧を出力する。
図4では、素子Q~QをIGBTとしたが、MOSFETなど他種の素子を利用してもよい。双方向DC/DCコンバータ32は以上の要素の他にも、ブレーカやリレーなどの制御部品、ヒューズやサージプロテクタなどの保護部品、ノイズフィルタを備えていてもよい。
図5は、図4に示した双方向DC/DCコンバータ32の動作波形例である。図5では、素子Q~Qのスイッチング動作2周期分の動作波形を示した。図5の縦軸項目として、Q~Qの駆動信号(オン・オフ信号)、上下アーム34の出力電圧Vch、充放電電流I、チョークコイル35の電流ILbを示した。IとILbについては重ねて示し、Iを破線とした。図5では、回路の寄生容量や寄生インダクタンスが引き起こす電圧・電流振動、及び、素子の電圧降下を無視した。図示した期間において蓄電デバイス31の電圧Vと補機直流電圧Vはそれぞれ一定とした。また、コンデンサ36の静電容量が十分大きいと仮定し、Iも同様に一定とした。なお、図示については省略するが、コンデンサ37の静電容量も十分大きく、I’も一定になっていることを想定する。
図5(a)では、双方向DC/DCコンバータ32が蓄電デバイス31を放電する、すなわち、Iが正である場合の動作波形を示した。このとき、図4の回路において、コンデンサ36が接続される端子が入力側、コンデンサ37が接続される端子が出力側になる。Qは常時オフ状態である。Qがオンの期間では、Vchはゼロとなり、チョークコイル35に電圧Vが印加される。ILbが時間とともに増大し、チョークコイル35にエネルギーが蓄えられる。Qがオフの期間では、チョークコイル35に蓄えられたエネルギーがQの逆並列ダイオードを通して出力側へと放出され、ILbは時間とともに減少する。このとき、VchはVとなる。以上のようにILbは増減を繰り返し、その平均値がIとなる。図5(a)のようにスイッチング周期をTswと定義し、Qのオン時間をToN6と定義する。このとき、PWMにおけるデューティdB6はToN6/Tswとなる。dB6は、放電時における双方向DC/DCコンバータ32の操作量となる。Vを一定とすると、dB6を大きくするほどVは高くなる。
図5(b)では、双方向DC/DCコンバータ32が蓄電デバイス31を充電する、すなわち、Iが負である場合の動作波形を示した。このとき、図4の回路において、コンデンサ37が接続される端子が入力側、コンデンサ36が接続される端子が出力側になる。Qは常時オフ状態である。Qがオンとなり、VchがVとなる期間では、Qとチョークコイル35を介して、入力側から出力側へと電流が流れる。ILbの絶対値は時間とともに増大する。Qがオフになると、Qの逆並列ダイオードが導通してVchがゼロとなり、ILbの絶対値は時間とともに減少する。図5(b)のようにスイッチング周期をTswと定義し、Qのオン時間をToN5と定義する。このとき、PWMにおけるデューティdB5はToN5/Tswとなる。dB5は、充電時における双方向DC/DCコンバータ32の操作量となる。Vを一定とすると、dB5を大きくするほどVは高くなる。
なお、上述のdB5とdB6を1つにまとめ、正負極性を持つデューティdを定義する。駆動制御装置38には、制御装置50からの制御信号としてdが入力される。駆動制御装置38は、dが正の場合、dB6=dとして図5(a)のようにQをオン・オフ制御する。一方、dが負の場合、dB5=|d|として図5(b)のようにQをオン・オフ制御する。すなわち、正のdが放電を、負のdが充電を表す。
既に説明したように、定常状態ではILbの平均値がIとなる。図1では、制御装置50がIを検出する構成を示したが、Iの代わりにILbを検出して制御してもよい。
(補機電圧制御部53のブロック図)
図6は、実施例1における補機電圧制御部53のブロック図である。補機電圧制御部53は、補機直流電圧Vを制御するための電圧制御系60(第一の電圧制御系)、電圧制御系70(第二の電圧制御系)、電圧制御系80(第三の電圧制御系)を備える。電圧制御系60は、Vが第一の電圧指令値と一致するように補機発電機41を制御するための演算を行う。電圧制御系70は、Vが第二の電圧指令値と一致するように双方向DC/DCコンバータ32を制御するための演算を行う。電圧制御系80は、Vが第三の電圧指令値と一致するようにDC/DCコンバータ21を制御するための演算を行う。実施例1では、第一の電圧指令値がVに、第二の電圧指令値がVに、第三の電圧指令値がVにそれぞれ設定される。なお、Vには補機装置44が正常に動作するための許容範囲があり、V、V、Vは許容範囲内の値とする。
補機電圧制御部53は、回生期間の判定を行い、判定結果に基づいてDC/DCコンバータ21のオン・オフ制御を行う。回生期間判定部54は、車両情報信号Sに基づいて回生期間の判定を行い、回生期間判定信号Sを生成する。Sの例として、回生期間においてH(ハイ)レベル、回生期間ではない期間(以下、非回生期間)においてL(ロー)レベルとなるようなディジタル信号が考えられる。Sは、後述のオン・オフ切替部81(第二のオン・オフ切替部)と61(第一のオン・オフ切替部)、上限値設定部71(第一の上限値設定部)に出力される。前述の通り、Sには車体速度情報やオペレータの操作入力情報(アクセルペダルの操作量SACやブレーキペダルの操作量SBRなど)が含まれる。例えば、SBR、または、車体の減速といった情報から、回生期間であるか否かを判定できる。なお、図示については省略するが、走行モータ10の回転速度若しくはエンジン11の回転速度の減速といった情報から回生期間の判定を行ってもよい。あるいは、インバータ13の交流出力電流を検出して走行モータ10のトルクを計算し、これと走行モータ10の回転速度から回生電力を計算することによって、回生期間の判定を行ってもよい。このとき、回生電力が所定の閾値より大きい場合に、回生期間であると判定する。検出されたインバータ13の交流出力電流を利用する代わりに、駆動制御部51で演算される電流指令値を用いてもよい。以上から、回生期間判定部54には、Sだけでなく、回生期間の判定に必要な他の情報を入力してもよい。
オン・オフ切替部81は、DC/DCコンバータ21のオン・オフ制御に関連し、回生期間においてDC/DCコンバータ21を動作させる(オン状態とする)ようにオン・オフ信号Sを生成する。生成されたSは、後述のオン・オフ制御部82(第二のオン・オフ制御部)に出力される。Sの例として、オン状態においてHレベル、オフ状態においてLレベルとなるようなディジタル信号が考えられる。この場合、SはSと同じになる。以上から、回生期間判定部54によるオン・オフ切替のフローチャートは図7となる。補機電圧制御部53の演算をCPUに実装する場合、図7のフローチャートによるオン・オフ切替を周期的に実行する。
DC/DCコンバータ21の制御演算について説明する。電圧制御系80は、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部83にてDC/DCコンバータ21の操作量を計算してオン・オフ制御部82に出力する。具体的には、比例積分(PI:Proportional Integral)制御などの制御則に基づき、偏差が小さくなるように操作量を変化させる。図2と図3で説明したDC/DCコンバータ21の構成では、PWMのデューティdが操作量となる。オン・オフ制御部82はSに基づいて、オン状態であれば、電圧制御演算部83が生成した操作量をそのまま出力する。オフ状態であれば、操作量をゼロに変更して出力する。オン・オフ制御部82の出力は、制御信号としてDC/DCコンバータ21へと出力される。
補機発電機41の制御演算について説明する。電圧制御系60は、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部63にて補機発電機41の操作量を計算し、制御信号として補機発電機41へと出力する。前述の通り、補機発電機41として巻線励磁型の同期発電機を想定し、励磁電圧または電流の指令値を操作量とする。
双方向DC/DCコンバータ32の制御演算について説明する。電圧制御系70はマイナーループとして、蓄電デバイス31の充放電電流Iを制御するための電流制御系72を備える。前述のように、Iの代わりにI’やILbを制御してもよい。
電圧制御系70では、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部73にて電流指令値を生成する。この電流指令値をリミッタ前電流指令値(第一の電流指令値)IBref1と定義する。具体的には、PI制御などの制御則に基づき、偏差を小さくするようにIBref1を変化させる。IBref1は、後段の可変リミッタ76に入力される。可変リミッタ76には、後述される電流上限値IBmaxと電流下限値IBminも入力される。可変リミッタ76は、上限値と下限値をそれぞれIBmax、IBminとしてIBref1にリミッタ処理を施し、リミッタ後電流指令値(第二の電流指令値)IBref2を生成する。IBref2は電流制御系72に入力される。
電流制御系72では、IBref2とIの偏差(IBref2-I)を計算した後、電流制御演算部75にて双方向DC/DCコンバータ32の操作量を演算して出力する。具体的には、PI制御などの制御則に基づき、偏差を小さくするように操作量を変化させる。図4と図5で説明した双方向DC/DCコンバータ32の構成では、PWMのデューティdが操作量となる。電流制御演算部75が生成した操作量は、制御信号として双方向DC/DCコンバータ32へと出力される。上限値設定部71は、SからIBref1の上限値IBmaxを生成して可変リミッタ74に出力する。IBmaxの具体的な生成方法については、動作タイミングチャートともに後述する。
電圧指令設定部77では、回生期間判定信号Sに基づき、V maxとV minによりVの値を出力する。Vの具体的な生成方法については、動作タイミングチャートともに後述する。
図示については省略するが、DC/DCコンバータ21の電圧制御系80についても、電圧制御系70と同様にマイナーループとしての電流制御系を設け、DC/DCコンバータ21の出力電流Iや図2のILdを制御する構成としてもよい。
(回生期間開始時の動作タイミングチャート)
図8は、実施例1における電気駆動システムの動作タイミングチャートである。図8の縦軸項目は、アクセルペダルの操作量SAC、ブレーキペダルの操作量SBR、DC/DCコンバータ21のオン・オフ信号S、補機直流電圧V、DC/DCコンバータ21の出力電流I、蓄電デバイス31の充放電電流I、補機発電機41の出力電流Iである。実際のSACおよびSBRは、0から100%のアナログ量であり、アクセルペダルあるいはブレーキペダルを最大まで踏み込んだ状態を100%と定義する。ここでは説明を簡単化するため、SACおよびSBRを0%から100%のパルス波形とした。Iについては、電流上限値IBmaxと下限値IBminを点線にて示した。また、図示した期間において補機装置44に入力される電流は一定とし、その値をIとして図中に記載した。図8では、電圧や電流の変化の概形を示している。図8ではこれらが直線的に変化しているが、実際の電圧や電流は直線的に変化するとは限らない。
図8(a)は、回生期間開始時の動作タイミングチャートである。図8(a)のように時刻tとtを定義する。時刻tは、回生期間が開始するタイミングである。すなわち、回生期間判定部54は、tにて回生期間が開始したと判定している。ここでは、説明を簡単化するため、オン・オフ切替部81は車両情報信号Sに含まれるSBRを用いてSを生成するとした。この場合、SはSBRと同じとなる。なお、回生期間の判定に用いる情報によっては、SとSBRが一致しない場合も存在する。例えば走行モータ10の回転速度から回生期間の判定を行いSを生成する場合は、厳密にはSACおよびSBRにより生成されるトルク比率指令と走行モータ10のトルク指令はきれいな比例関係になるわけではないため、SBRが0%より大きい期間がSとなるわけではない。図8(a)では、SACおよびSBRが0%となる期間が存在するが、これはアクセルペダルおよびブレーキペダルいずれも操作されていない、惰性走行期間を表す。
以下では、図8(a)を用いて、t以前、t~t期間、t以降の動作について順に説明する。なお、図8(a)では、IとIBmaxがほぼ重なった状態となる。このことは、後述のように、Iが可変リミッタ74に制限されていることを意味する。なお、補機電圧制御部53は、全期間においてIBminを-Iに設定する。
(t以前)
時刻t以前では非回生期間であり、DC/DCコンバータ21がオフ状態、補機発電機41がオン状態である。DC/DCコンバータ21がオフ状態であるため、Iはゼロである。後述する理由によって、Vは補機発電機41によってVに制御されている。
上限値設定部71は、IBmaxをIに設定する。Iは正の値またはゼロである。すなわち、双方向DC/DCコンバータ32は蓄電デバイス31を放電できるが、放電電流IはIに制限される状態である。ここで、IがIに制御された場合、双方向DC/DCコンバータ32の出力電流I’はI’になると定義する。IとI’の相互変換については、既に説明しているため省略する。Iは、I’<Iを満たすように設定される。したがって、双方向DC/DCコンバータ32だけでは全ての補機電力を供給できない状態である。電力の不足分はI-I’である。
双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70は、VをVへと増大させるように動作する。しかし、電圧制御系70において、電圧制御演算部73がIBref1をいくら増大させても、可変リミッタ74によってIBref2はIBmax=Iに制限される。上述のように、蓄電デバイス31をIで放電させるだけでは全ての補機電力を供給できない。このように可変リミッタ76に掛かった状態、つまり充放電電流Iが可変リミッタ76によって電流上限値IBmaxに制限されている状態では、双方向DC/DCコンバータ32は定電流(CC:Constant Current)モードで動作することになり、VをVに制御することができない。定電流モードにおける電流指令値はIBmax=Iとなる。電流制御系72によってIはIに制御され、I’はI’となる。
補機発電機41用の電圧制御系60は、VをVに制御するように動作する。その結果、Vは補機発電機41によってVに制御される状態となり、Iは上述の不足電流I-I’となる。
図8(a)ではIBmaxをIで一定としたが、蓄電デバイス31の充電残量によってIBmaxを変化させてもよい。図1の電気駆動システムに対して、蓄電デバイス31の電圧Vを検出するための電圧検出器を追加すれば、Vの検出値から充電残量を計算できる。また、Iの積算によって充電残量を計算してもよい。充電残量が下限値に達している場合、IBmaxをゼロにしてもよい。IBmaxがゼロであれば、IはIとなり、補機発電機41だけで全ての補機電力を供給する状態となる。
(t~t期間)
時刻tにて回生期間が開始し、DC/DCコンバータ21はオン状態になる。DC/DCコンバータ21用の電圧制御系80は、VをVからVへと増大させるように動作し、出力電流Iを増大させる。一方、VがVより高くなると、補機発電機41用の電圧制御系60は、VをVへと減少させるように動作し、出力電流Iを減少させる。このように、DC/DCコンバータ21と補機発電機41の両方がVを制御しようとするが、V>Vであるため、DC/DCコンバータ21が優先して出力する状態となる。結果として、VはDC/DCコンバータ21によってVに制御され、Iはゼロまで減少する。すなわち、補機発電機41をオフ状態にせずとも、補機発電機41の出力を抑制することができる。
時刻t以降、上限値設定部71はIBmaxを負の値「-I」へと徐々に減少させる。I>0である点に注意されたい。図8(a)ではIBmaxを直線的に減少させたが、その限りではない。一方、双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70は、VをVへと減少させるように動作し、Iを徐々に減少させる。図8(a)では、IBmaxの減少と比較して、電圧制御系70によるIの減少が速い場合を示した。Iが正から負に反転すると、蓄電デバイス31は放電から充電へと転じる。ここでは、V>Vであることによって充電に転じる。なお、IがIBmaxより速く減少する場合、IBmaxを-Iまで減少させることなく、途中で(例えばゼロで)減少を停止させてもIの挙動は変わらない。Iの減少により、I’も合わせて減少する。ここで、Iが-Iに制御されるとき、I’は-I’になると定義する。
DC/DCコンバータ21は、上述のIとI’の減少に対して、補機電源電流I(=I+I’+I)がIと一致するようにIを徐々に増大させる。上述のようにIを徐々に減少させることによって、DC/DCコンバータ21の負荷変動が抑えられ、Vの過渡的な変動が小さくなる。なお、実際には、徐々に減少するIとI’が外乱となって、VはVより僅かに低くなる。図8(a)ではこれを無視し、VがVに一致するものとした。
(t以降)
時刻tにて、Iは-Iまで減少する。時刻t以降においても、双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70は、VをVへと減少させるように動作する。しかし、可変リミッタ76によって電流指令値IBref2はIBmin=-Iより小さくならないため、Iの減少もIBmin=-Iまでとなる。その際、上述の通り、I’は-I’になる。
はDC/DCコンバータ21によってVに制御される。IはI+I’に、Iは-Iに、Iはゼロになる。蓄電デバイス31は充電状態であり、充電電流の大きさはIである。このように、回生期間において、DC/DCコンバータ21は、補機消費電力を全て供給しつつ、双方向DC/DCコンバータ32が蓄電デバイス31を充電するための電力を供給する。回生期間の開始後、補機電源は補機発電機41からDC/DCコンバータ21に切替えられた。
図8(a)ではIBmaxを-Iで一定としたが、蓄電デバイス31の充電残量によってIBmaxを変化させてもよい。充電残量が上限値に達している場合、IBmaxをゼロにしてもよい。回生期間において蓄電デバイス31を充電することで、後述の放電に必要なエネルギーが蓄えられる。
(回生期間終了時の動作タイミングチャート)
図8(b)は、回生期間終了時の動作タイミングチャートである。図8(b)のように時刻t、t、tを定義する。時刻tは、回生期間が終了するタイミングを示す。説明を簡単化するため、ここでは、図8(a)と同様に、車両情報信号Sに含まれるSBRを用いてSを生成するとした。そのため、SはSBRと同じとなる。回生期間の判定に用いる情報によっては、SとSBRが一致しない場合も存在するが、図8(a)と同様になるため説明を省略する。図8(b)に示す全期間にわたり、SACは0%を維持しているため、時刻t以降すなわち回生期間の終了後、電動車両は惰性走行する。
以下では、図8(b)を用いて、t~t期間、t~t期間、t以降の動作について順に説明する。時刻t以前の動作については、それぞれ図8(a)のt以降と同様になるため説明を省略する。
(t~t期間)
時刻tにて回生期間が終了する。このとき、DC/DCコンバータ21はオフ状態となり、Iはゼロまで減少する。電圧指令設定部77は、回生期間判定部54から入力される回生期間判定信号Sに基づいて、双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70で用いるVをV maxに設定させる。V maxは、V max>Vとなるように設定される正の値である。前述の通り、Vは補機装置44が正常に動作するための許容範囲内の値である。
上限値設定部71は、IBmaxを正の値Iに変化させる。IBmaxが正になることで、双方向DC/DCコンバータ32は蓄電デバイス31を放電することが可能となる。ここで、IがIに制御された場合、I’はI’になると定義する。Iは、I’>Iとなるように設定される。すなわち、双方向DC/DCコンバータ32が単独で全ての補機電力を供給することを許容する。なお、IがI’に制御されるときのI’をIと定義する。I’>Iであるため、I’<Iである。
時刻tの直後では、VがVより低いため、双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70はVをVへと増大させるために、IBref2を正の値へと増大させる。電流制御系72の動作によってIは増大し、負から正へと反転する。すなわち、蓄電デバイス31は充電から放電へと転じる。Iと共にI’も負から正へと反転する。双方向DC/DCコンバータ32の出力が増大するまでの間は、Iに比べてI(=I+I’+I)が小さいため、VはVから減少する。I’がIまで増大し、双方向DC/DCコンバータ32が単独で補機電力を供給するようになると、VはVに制御される。
補機発電機41用の電圧制御系60は、VをVへと増大させるように動作し、これによってIが流れ始める。このように、Vの減少を防ぐために、双方向DC/DCコンバータ32と補機発電機41の両方が電流を出力する。しかし、双方向DC/DCコンバータ32に比べて補機発電機41の応答は遅いため、Iはほとんど増大することなく、ほぼI’のみによってVが増大へと転じる。
がVに達した後も、VがVより小さければ、双方向DC/DCコンバータ32はI’を増大させようとする。これによってVがVを上回ると、補機発電機41はIを減少させようとする。結果として、双方向DC/DCコンバータ32が単独で全ての補機電力を供給する状態となり、I’はIに、IはI’になる。また、Iはゼロまで減少する。この状態になると、Vは双方向DC/DCコンバータ32によってVに制御される。
このとき、双方向DC/DCコンバータ32は定電圧(CV:Constant Voltage)モードで動作する。以上から、電圧指令設定部77によるt~t期間におけるV切替のフローチャートは図9(a)となる。ここでは、検出したVoの値により双方向DC/DCコンバータ32単独による補機電力の供給を判断しているが、これがIによる判定でも同様の結果が得られることはその構成より自明である。その場合は、図9(a)のV検出がI検出になり、IがI1を出力する状態をもって双方向DC/DCコンバータが全補機電力を供給しているタイミングとする。
このように、補機発電機41と双方向DC/DCコンバータ32の両方がVを制御しようとするが、V>Vであるため、双方向DC/DCコンバータ32が優先して出力する状態となる。
(t~t期間)
回生期間の終了後、つまり、VがVに制御された時刻tから、電圧指令設定部77はVをV maxから徐々にV minまで低減させる。V minは、V min<Vとなるように設定される正の値である。つまり、電圧指令設定部77は、走行モータの回生期間の終了後にて、VをVよりも低い値に設定する。図8(b)ではVを直線的に減少させたが、その限りではない。
時刻tの直後では、双方向DC/DCコンバータ32がIをI’に制御することによってVをVに制御している。VはVの減少に伴い低減するが、V>Vであるため、双方向DC/DCコンバータ32が優先して出力する状態となる。VがVより小さくなると、補機発電機41用の電圧制御系60は、VをVへと増大させるように動作し、Iが流れ始める。Vおよびそれに追随するVを徐々に減少させているため、応答の遅い補機発電機41でも追従可能である。図8(b)では、VがV minに低減する時刻tまでの間に、補機発電機41がI出力を開始する状態を示している。V maxやV minの設定値およびVの減少方式によっては、時刻tの後に補機発電機41がI出力を開始する場合もある。
電圧指令設定部77の動作について説明する。時刻tの直後では、VがV maxとなる。電圧指令設定部77は、VをV maxから徐々にV minまで低減させるため、Vから一定値dVを低減した値を新たなVとして設定する。ここではVを直線的に減少させる例(図8(b))を説明するが、その限りではない。新たなVがV minよりも大きい場合は、検出したVがVと一致した後、Vから再度dVを低減する。新たなVがV minよりも小さい場合は、VをV minに設定する。上述の動作により、電圧指令設定部77はVをV maxから徐々にV minまで低減させる。以上から、電圧指令設定部77によるt~t期間におけるV切替のフローチャートは図9(b)となる。ここでは、検出したVoの値によりV低減のタイミングを設定しているが、これがIによる判定でも同様の結果が得られることは自明である。その場合は、図13のV検出がI検出になり、IがI1を出力する状態をもってV切替のタイミングとする。
(t以降)
補機発電機41はIを徐々に増大させてVをVに制御する。VがVを上回ると、双方向DC/DCコンバータ32はI’を減少させようとする。結果として、補機発電機41が単独で全ての補機電力を供給する状態となり、IはIとなる。また、Iはゼロまで減少する。図示は省略しているが、補機発電機41が補機電圧をVに維持した後、加速アシストなどの必要に応じて、時刻t1以前のように一部あるいは全補機電力を双方向DC/DC32が供給しても良い。その際、V=V>Vであると双方向DC/DCコンバータ32が出力する状態とならないため、電圧指令設定部77はVをV>Vに設定する必要がある。
(上限値設定部71のブロック図)
図10は、上限値設定部71のブロック図の一例である。図10を用いて、上限値設定部71における電流上限値IBmaxの生成過程を説明する。
上限値設定部71は、回生期間判定部54から入力される回生期間判定信号Sに基づいて電流上限値IBmaxを生成する。以下では、Sとその反転信号Sの値について、Hレベルの場合を1、Lレベルの場合を0と見なす。
上限値設定部71が出力するIBmaxは、以下で述べる回生期間用の電流上限値IBRと非回生期間用の電流上限値IBPを加算した後、立下り変化率リミッタ711を通して生成される。
BRは、Sに-Iを乗算することによって生成される。回生期間ではS=1であるため、IBR=-Iとなる。非回生期間ではS=0であるため、IBR=0となる。
BPは、Sに基づいて生成される。回生期間ではS=0であるため、IBP=0となる。非回生期間ではS=1であるため、IBP=Iとなる。立下り変化率リミッタ711は、入力されるIBR+IBPの立下りに対してのみ作用する変化率リミッタである。以上の構成と動作により、図8に示したようにIBmaxが生成される。
(効果)
本発明の実施例1により、回生期間の開始後、補機発電機41を停止せずとも、DC/DCコンバータ21を動作させることで補機発電機41の出力が抑制される。すなわち、補機発電機41の出力をゼロとし、補機電力を全てDC/DCコンバータ21から供給するようになる。これにより、回生制動システムの省エネルギー効果を高めることができる。補機発電機41を停止させない利点は以下の通りである。回生期間の開始時に補機発電機41を停止させる場合、この停止とDC/DCコンバータ21の動作開始に時間差が生じ得る。DC/DCコンバータ21の動作開始が遅れた場合、補機直流電圧VがVから低下する。実施例1では、DC/DCコンバータ21の動作によって補機発電機41の出力が抑制される。そのため、上述のようなVの低下は発生しない。このように、補機発電機41を停止させずに補機電源を切替えることで、Vの変動を防止できる。
回生期間の終了時では、双方向DC/DCコンバータ32による蓄電デバイス31の放電により、DC/DCコンバータの停止(すなわち補機電源の切替え)に伴う補機直流電圧Vが急激な減少を防止できる。このとき、電圧指令設定部77は、双方向DC/DCコンバータ32の電圧指令値Vを補機発電機41の電圧指令値Vより高く設定し、応答の速い双方向DC/DCコンバータ32に優先して出力させる。さらに、電圧指令値VをDC/DCコンバータ21の電圧指令値V(すなわち補機直流電圧V)より高く設定することで、電池放電出力を加速できる。双方向DC/DCコンバータ32が定電圧モードで動作することから、回生期間の終了後に補機電力が増減したとしても、電圧制御系70はこれに応じて電流指令値(IBref1、IBref2)を自動的に増減させ、VをVに制御することができる。このように、補機消費電力の変動があった場合でも、Vの急激な変動を防止できる。
がVに制御された後、電圧指令設定部77はVを減少させる。この結果、双方向DC/DCコンバータ32を停止せずとも、補機発電機41を動作させることができる。Vを徐々に減少させることで、補機発電機41がこれに追従して出力を増大させることが可能となり、2回目の補機電源の切替えに伴うVの急激な変動を防止できる。また、蓄電デバイス31は、V抑制に必要な最低限の放電を行えばよい。そのため、蓄電デバイス31の充電残量が少ない場合においても、効果的にVを抑制できる。
以上で述べたVの変動を抑える効果によって、補機直流ライン43に接続される平滑コンデンサの容量を低減することができる。これにより、システムの小型化・コストダウンが可能となり、さらに、起動時の初充電や停止時の放電にかかる時間を短縮できる。
本発明の実施例1では、蓄電デバイス31の放電を利用してVの変動を抑制する。放電に必要なエネルギーを充電する際は、走行モータ10の回生エネルギーを利用し、補機発電機41の出力、ひいてはエンジン11の出力を利用しない。さらに、蓄電デバイス31の容量が十分であれば、回生期間において蓄電デバイス31を充電しておき、非回生期間では蓄電デバイス31から補機に給電できる。このように、蓄電デバイス31と双方向DC/DCコンバータ32は、回生制動システムの省エネルギー効果を高めることにも貢献する。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に、図1に示した電気駆動システムを利用する。そのため、ハードウェア構成、エネルギーフロー、DC/DCコンバータと双方向DC/DCコンバータの回路構成、補機電圧制御の説明は省略する。
(回生期間終了時の動作タイミングチャート)
図11は、実施例2における電気駆動システムの回生期間終了時における動作タイミングチャートである。図11の縦軸項目は、実施例1の図8と同様である。実施例1の図8と同様に、補機装置44に入力される電流は一定とし、その値をIとして図中に記載した。図11では、電圧や電流の変化の概形を示している。図11ではこれらが直線的に変化しているが、実際の電圧や電流は直線的に変化するとは限らない。図11のように時刻t、t、tを定義する。時刻tは、回生期間が終了するタイミングである。ここでは、DC/DCコンバータ21のオン・オフ信号Sを、ブレーキペダルの操作量SBRにより生成している。回生期間の判定に用いる情報によっては、SとSBRが一致しない場合も存在するが、図8と同様になるため説明を省略する。図11に示す全期間にわたり、SACは0%を維持しているため、時刻t3以降すなわち回生期間の終了後、電動車両は惰性走行する。
以下では、t~t期間、t~t期間、時刻t以降の動作について順に説明する。回生期間開始時の動作、時刻t以前の動作については、実施例1の図8(a)と同様であるため説明を省略する。
(t~t期間)
時刻tにて回生期間が終了すると、DC/DCコンバータ21はオフ状態となり、Iはゼロまで減少する。実施例1と同様に、電圧指令設定部77は、回生期間判定部54から入力される回生期間判定信号Sに基づいて、双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70で用いるVをV maxに設定させる。V maxは、V max>Vとなるように設定される正の値である。
上限値設定部71の動作は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
時刻tの直後では、VがVより低いため、双方向DC/DCコンバータ32用の電圧制御系70はVをVへと増大させるために、IBref2を正の値へと増大させる。その際、電流制御系72の動作によってIは増大し、負から正へと反転する。すなわち、蓄電デバイス31は充電から放電へと転じる。Iと共にI’も負から正へと反転する。双方向DC/DCコンバータ32の出力が増大するまでの間は、Iに比べてI(=I+I’+I)が小さいため、VはVから減少する。I’がIまで増大し、双方向DC/DCコンバータ32が単独で補機電力を供給するようになると、この放電によってVは減少から増大へと転じる。回生期間の終了後(終了時点)とは、このVが増加に転じた時点である。
の増大を検知したタイミングで、電圧指令設定部77は、VをV(1)に設定させる。V(1)は、V max>V(1)となるように設定される正の値である。以上から、電圧指令設定部77によるt~t期間におけるV切替のフローチャートは図12(a)となる。
図11では、VがVより小さくなった時点において、既に双方向DC/DCコンバータ32が補機電力の供給を開始しているため、Iはゼロのままである。以上により、時刻tの時点で、VはV(1)に、IはI’に、IとIはゼロになる。
(t~t期間)
時刻t~tの期間において、電圧指令設定部77はVをV maxからV minまで低減させる。まず、時刻tにて、Vの上昇検知により、電圧指令設定部77はVをV(1)に設定する。ここでV(i)はi=0,…,Nまでの添え字からなる配列を指し、数値はV(i)>V(i+1)の関係を満たす。なお、V(0)はV max、V(N)はV minとそれぞれ同値である。ここでV minは、V min<Vとなるように設定される正の値である。また、Nは1以上の任意の整数であればよい。図11ではN=2のケースを図示している。ここではV(i)の値を電圧指令設定部77により生成しているが、これは事前に与えられた配列値であっても構わない。
時刻tの直後では、双方向DC/DCコンバータ32がIをI’に制御することによってVをV(1)に制御しようとする。図11では、V>V、V>Vであるため、双方向DC/DCコンバータ32の出力によりVは増大する。VがV(1)に制御されたタイミング(時刻t)で、電圧指令設定部77は、VをV(2)(すなわちV min)に設定させる。ここでは時刻tでVをV minに設定するが、設定したNの値によってはその限りではない。N>2の場合は、i=i+1とし、t~t期間に示した電圧指令設定部77の動作をi=Nまで(すなわちV=V minまで)繰り返す。以上から、電圧指令設定部77によるt~t期間におけるV切替のフローチャートは図12(b)となる。ここでは、検出したVの値によりV切替のタイミングを設定しているが、これがIによる判定でも同様の結果が得られることは自明である。その場合は、図12(b)のV検出がI検出になり、IがIを出力する状態をもってV切替のタイミングとする。
(t以降)
時刻tの直後では、Vの低下によりVoがVを上回る。そのため、双方向DC/DCコンバータ32は出力を低下させ、一時的にIが減少する。その後、VoがVに制御されるが、V>V minであるため、補機発電機41用の電圧制御系60は、VをVへと増大させるように動作し、Iが流れ始める。Vおよびそれに追随するVを徐々に減少させているため、応答の遅い補機発電機41でも追従可能である。VがVを上回ると、双方向DC/DCコンバータ32はI’を減少させようとする。結果として、補機発電機41が単独で全ての補機電力を供給する状態となり、IはIとなる。また、Iはゼロまで減少する。図示は省略しているが、実施例1と同様に、補機発電機41が補機電圧をVに維持した後、加速アシストなどの必要に応じて、時刻t1以前のように一部あるいは全補機電力を双方向DC/DC32が供給しても良い。
(効果)
本発明の実施例2では、実施例1と同様に、回生期間の終了時において電圧指令値Vを補機発電機41の電圧指令値Vより高く設定し、応答の速い双方向DC/DCコンバータ32に優先して出力させ、補機電源の切替えに伴う補機直流電圧Vが急激な減少を防止できる。実施例2は、Vの増大を検知したタイミングでVの値を低減するため、実施例1よりもV maxの値を高く設定できる。その際、Vが前述の許容範囲内の電圧値に収まることを前提に、V maxは許容範囲以上の値であっても構わない。これにより、実施例2は蓄電デバイスの放電を加速でき、実施例1に比べて回生期間終了後のVの低下を抑制できる。また、回生終了後のVがVに制御されるまでの時間を短縮できるため、蓄電デバイスの放電時間を短縮できる。
実施例2では、VをV maxからステップ状に低減する。そのため、Nが小さい条件においては、実施例1に比べて双方向DC/DCコンバータ32による電力供給量を低減できる。実施例2によれば、このように、最低限の蓄電デバイス放電によりVの変動を抑制できる。
なお、実施例1および実施例2に記載したV切替の方式は、それぞれの組み合わせを変更してもよい。例えば、回生終了後のDC/DCコンバータ21から双方向DC/DCコンバータ32に補機電源を切替える際には実施例1に記載のV切替制御を、双方向DC/DCコンバータ32から補機発電機41に補機電源を切替える際には実施例2に記載のV切替制御を行うといった組み合わせでも構わない。
(ダンプトラック外観)
全ての実施例に共通する構成として、図14を用いてダンプトラックの基本的な構成を説明する。ダンプトラックは、フレーム1上に土砂等を積載するためのボディ5が搭載され、両者がホイストシリンダ6により連結されている。またフレーム1には、図示しない機構部品を介して前輪2、後輪3、燃料タンク9などが取り付けられている。後輪3の回転軸部には、後輪3を駆動するための走行モータ10と、後輪3の回転数を調整する減速機が収められている。フレーム1にはさらに、オペレータが歩行可能なデッキが取り付けられている。デッキにはダンプトラックの操作を行うためにオペレータが搭乗するためのキャブ4、各種電力機器が収納されたコントロールキャビネット8、余剰エネルギーを熱として放散するための複数のグリッドボックス7が搭載されている。図1などに示した電力消費装置15の抵抗は、グリッドボックス7に収納される。また、図14で前輪2により隠れた部分には、エンジンおよび主に走行モータ用電力源としての主機発電機、主に補機類用電力源としての補機発電機、主に油圧機器用油圧源としての不図示のメインポンプなどが搭載されている。
次に、オペレータによるダンプトラックの操作方法について説明する。キャブ4内には不図示のアクセルペダル、ブレーキペダル、ホイストペダル、ハンドルが設置されている。また、オペレータはキャブ4内のアクセルペダル、ブレーキペダルの踏み込み量によりダンプトラックの加速力、制動力を制御することができる。その際、アクセルペダルの踏込量によってアクセルペダルの操作量SACが、ブレーキペダルの踏込量によってブレーキペダルの操作量SBRがそれぞれ生成されることは、前述の通りである。さらにオペレータはハンドルを左右に回転させることによって油圧駆動による操舵操作を行い、ホイストペダルを踏み込むことにより油圧駆動によるダンプ操作を行うが、操舵操作、ダンプ操作のシステムについては本発明において従来同様のため、詳述しない。ここでは、オペレータによるダンプトラックの操作方法について説明したが、遠隔操作あるいは自動運転によるダンプトラックの操作方法についても、遠隔のオペレータあるいは規定の動作パターンにより、アクセルペダル、ブレーキペダル、ホイストペダル、ハンドルが同様に操作されることは言うまでもない。
10・・・走行モータ、11・・・エンジン、12・・・主機発電機、13・・・インバータ(22も同様)、14・・・主機整流回路、15・・・電力消費装置、16・・・主機直流ライン、17・・・電圧検出器(45も同様)、21・・・DC/DCコンバータ、23・・・コンデンサ(27、36、37も同様)、24・・・トランス、25・・・整流回路、26・・・チョークコイル、28・・・駆動制御装置(38も同様)、31・・・蓄電デバイス、32・・・双方向DC/DCコンバータ、33・・・電流検出器、34・・・上下アーム、35・・・チョークコイル、41・・・補機発電機(第二の発電機)、42・・・補機整流回路、43・・・補機直流ライン、44・・・補機装置、50・・・制御装置、51・・・駆動制御部、52・・・主機電圧制御部、53・・・補機電圧制御部、54・・・回生期間判定部、60・・・電圧制御系(第一の電圧制御系:第一の電圧制御部)、63・・・電圧制御演算部、70・・・電圧制御系(第二の電圧制御系:第二の電圧制御部)、71・・・上限値設定部、72・・・電流制御系(電流制御部)、73・・・電圧制御演算部、75・・・電流制御演算部、76・・・可変リミッタ、77・・・電圧指令設定部、80・・・電圧制御系(第三の電圧制御系)、81・・・オン・オフ切替部、82・・・オン・オフ制御部、83・・・電圧制御演算部

Claims (7)

  1. エンジンによって駆動される第一の発電機および第二の発電機と、前記第一の発電機に接続される第一の直流ラインと、該第一の直流ラインに接続される少なくとも一つの走行モータと、前記第二の発電機に接続される第二の直流ラインと、該第二の直流ラインに接続される少なくとも一つの蓄電デバイス及び補機装置と、前記第一の直流ラインと前記第二の直流ラインとの間に接続されるDC/DCコンバータと、前記蓄電デバイスと前記第二の直流ラインとの間に接続される双方向DC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータと前記双方向DC/DCコンバータと前記第二の発電機を制御する制御装置と、を備えた電動車両であって、
    前記制御装置は、
    前記第二の直流ラインの電圧が第一の電圧指令値と一致するように制御演算を行い、前記第二の発電機の操作量を生成する第一の電圧制御部と、
    前記第二の直流ラインの電圧が第二の電圧指令値と一致するように制御演算を行い、前記双方向DC/DCコンバータの操作量を生成する第二の電圧制御部と、
    前記電動車両の車両走行状態に基づいて前記走行モータの回生期間であるか否かを示す回生期間判定信号を生成する回生期間判定部と、
    前記回生期間判定信号に基づいて前記第二の電圧指令値を生成する電圧指令設定部と、を備え、
    前記電圧指令設定部は、前記走行モータの回生期間の終了後に、前記第二の電圧指令値を前記第一の電圧指令値よりも低い値に設定することを特徴とする電動車両。
  2. 請求項1に記載の電動車両において、
    前記制御装置は、
    前記第二の直流ラインの電圧が第三の電圧指令値と一致するように制御演算を行い、前記DC/DCコンバータの操作量を生成する第三の電圧制御部を備え、
    前記電圧指令設定部は、前記走行モータの回生期間の終了時点にて前記第二の電圧指令値を前記第三の電圧指令値より高い値に設定することを特徴とする電動車両。
  3. 請求項2に記載の電動車両において、
    前記第一の電圧指令値は、前記第三の電圧指令値より低く設定されることを特徴とする電動車両。
  4. 請求項3に記載の電動車両において、
    前記第二の電圧制御部は、前記第二の直流ラインの電圧と前記第二の電圧指令値の偏差に基づいて前記第一の電流指令値を計算する電圧制御演算部を備えることを特徴とする電動車両。
  5. 請求項4に記載の電動車両において、
    前記制御装置は、
    前記回生期間判定信号に基づいて前記第一の電流指令値の電流上限値を生成する上限値設定部と、
    該電流上限値と予め設定された電流下限値とを用いて前記第一の電流指令値に対してリミッタ処理を施して前記第二の電流指令値を生成する可変リミッタと、
    前記蓄電デバイスの放電電流と前記第二の電流指令値との偏差に基づいて前記双方向DC/DCコンバータの操作量を演算する電流制御演算部と、を有し、
    前記上限値設定部は、前記回生期間の開始により前記第一の電流指令値を減少させ、前記回生期間の終了により前記第一の電流指令値を増大させることを特徴とする電動車両。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電動車両において、
    前記回生期間の終了後とは、前記第二の直流ラインの電圧が前記第二の電圧指令値と一致した時点であることを特徴とする電動車両。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電動車両において、
    前記回生期間の終了後とは、前記第二の直流ラインの電圧が増加に転じた時点であることを特徴とする電動車両。
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