JP2023079475A - 経口組成物 - Google Patents

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朋樹 秀島
Tomoki Hideshima
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Abstract

【課題】非重合体カテキン類及び甘味料を含有しながらも、渋味の後残りが抑制された一定硬度を有する経口組成物を提供すること。【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);(A)非重合体カテキン類 0.1~2質量%(B)甘味料(C)クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる1種以上、及び(D)ナトリウムイオンを含有し、成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]が0.01~0.24であり、当該組成物のゲル強度が1000~50000N/m2である、経口組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、経口組成物に関する。
非重合体カテキン類は、Camellia属の茶葉に含まれるポリフェノール化合物の1種であり、血圧上昇抑制、内臓脂肪低減等の生理活性を有することが知られており、生活習慣病の予防に対して有効とされている。そのため、日常の食生活において非重合体カテキン類を手軽に摂取するために、例えば、飲料やゼリーといった様々な製品形態の飲食品の開発が行われている。
例えば、手軽に非重合体カテキン類を摂取できるゼリー飲料として、少なくとも茶ポリフェノールにゲル化剤と甘味成分を含有させ、茶ポリフェノール濃度と、ゲル強度と、これらの質量比を一定に制御することで、苦渋味が抑制されると共に嗜好性が高めたゼリー状食品が提案されている(特許文献1)。また、非重合体カテキン類とゲル化剤を含有するゼリー状食品において、特定構造を有するフラボノール配糖体を含有させることで、容器から取り出し易く、食感が良好になるが、フラボノール配糖体を含まないと、容器から取り出し難いだけなく、食感が悪くなり、ゼリー状食品の体をなさないことが報告されている(特許文献2)。
特開2006-115783号公報 特開2012-85568号公報
本発明者は、非重合体カテキン類を高濃度で含み、一定の硬度を有する経口組成物において、嗜好性を高めるべく甘味料を含有させたところ、経口摂取した際に渋味が口腔内に残り、不快感を生じることがわかった。
本発明の課題は、非重合体カテキン類及び甘味料を含有しながらも、渋味の後残りが抑制された一定硬度を有する経口組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、特定濃度の非重合体カテキン類に、甘味料とともに、特定の有機酸と、ナトリウムイオンを含有させたうえで、有機酸とナトリウムイオンとの量比と、当該組成物のゲル強度を特定範囲内に制御することにより、渋味の後残りを抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔6〕を提供するものである。
〔1〕次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);
(A)非重合体カテキン類 0.1~2質量%
(B)甘味料
(C)クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる1種以上、及び
(D)ナトリウムイオン
を含有し、
成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]が0.01~0.24であり、
当該組成物のゲル強度が1000~50000N/m2である、
経口組成物。
〔2〕成分(B)のショ糖甘味換算量と、成分(C)の含有量との質量比[(C)/(B)]が0.01~0.3である、前期〔1〕記載の経口組成物。
〔3〕成分(B)のショ糖甘味換算量と、成分(D)の含有量との質量比[(D)/(B)]が0.001~0.035である、前記〔1〕又は〔2〕記載の経口組成物。
〔4〕成分(B)の含有量がショ糖換算甘味量で25質量%未満である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の経口組成物。
〔5〕成分(C)の含有量が0.1~8質量%である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の経口組成物。
〔6〕成分(D)の含有量が0.01~0.7質量%である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一に記載の経口組成物。
本発明によれば、非重合体カテキン類及び甘味料を含有しながらも、渋味の後残りが抑制された一定硬度を有する経口組成物を提供することができる。
本発明の経口組成物は、成分(A)、(B)、(C)及び(C)を含有し、成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]及び当該組成物のゲル強度が特定範囲内であることを特徴とするものである。以下、詳細に説明する。
本発明の経口組成物は、成分(A)として非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称である。本発明においては、上記8種のカテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
成分(A)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、茶抽出物等の非重合体カテキン類を含有する植物抽出物でもよい。なお、成分(A)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
本発明の経口組成物は、成分(A)の含有量が0.1~2質量%であるが、非重合体カテキン類の強化、生理効果を向上させる観点から、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、また渋味の後残りの抑制の観点から、1.8質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。そして、成分(A)の含有量は、本発明の経口組成物中に、好ましくは0.15~1.8質量%であり、より好ましくは0.15~1.0質量%であり、更に好ましくは0.2~0.5質量%である。なお、成分(A)の含有量は、上記8種の非重合体カテキン類の合計量に基づいて定義される。また、成分(A)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口組成物は、成分(B)として甘味料を含有する。成分(B)としては、飲食品に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、糖質系甘味料、高甘味度甘味料を挙げられる。ここで、本明細書において「高甘味度甘味料」とは、ショ糖と比べて数十倍から数百倍の甘味を有し、微量の添加で飲食品に甘味を付与することができる人工又は天然の甘味料を意味する。なお、成分(B)は、1種又は2種以上を含有することができる。
糖質系甘味料としては、例えば、果糖、ブドウ糖、タガトース、アラビノース、D-プシコース、D-アロース等の単糖;乳糖、トレハロース、麦芽糖、ショ糖、セロビオース等の二糖;エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元パラチノース、ラクチトール、還元デンプン糖化物等の糖アルコールが挙げられる。
また、高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア(ステビオシド、レバウディオサイド)、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、アリテーム、チクロ、ズルチン、ネオテーム、グリチルリチン、モネリン、ネオヘスペリジン、甘草、羅漢果、マビンリン、ブラゼイン等が挙げられる。
中でも、本発明の経口組成物の好適な実施態様が非重合体カテキン類による内臓脂肪低減等に有効な低カロリー健康食品であること、また、渋味の後残りを抑制する観点から、高甘味度甘味料が好ましく、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア(ステビオシド、レバウディオサイド)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
本発明の経口組成物中の成分(B)の含有量は、ショ糖甘味換算量により規定される。本明細書において「ショ糖甘味換算量」とは、ショ糖の甘味度を1としたときの相対的な甘味の強さを表す指標であり、本発明の経口組成物中の成分(B)の濃度と同一濃度の成分(B)水溶液の甘味を、ショ糖濃度に換算して求められる。具体的には、下記の表1に示す数式のxに、本発明の経口組成物中の成分(B)の含有量(質量%)を当て嵌めることにより、成分(B)のショ糖甘味換算量yを算出することができる。なお、表1に示す数式は、所定濃度のショ糖水溶液の甘味と同等の甘さを有する成分(B)の濃度を決定し、その操作を繰り返して、得られたショ糖濃度と成分(B)の濃度との測定値から最小二乗法により求めたものである。なお、表1に記載のない甘味料についても同様の操作により最小二乗法により数式を求め、被験甘味料のショ糖甘味換算量を算出することができる。なお、成分(B)を2種以上含有する場合、成分(B)のショ糖甘味換算量は、使用する各甘味料のショ糖甘味換算量の総和とする。
Figure 2023079475000001
本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制するために、甘味度を抑えて成分(B)を含有させることが好ましい。具体的には、成分(B)の含有量は、ショ糖甘味換算量で、25質量%未満が好ましく、23質量%以下がより好ましく、21質量%以下が更に好ましい。また、渋味の後残りを抑制する観点から、成分(B)の含有量は、10質量%以上が好ましく、14質量%以上がより好ましく、18質量%以上が更に好ましい。そして、成分(B)の含有量は、本発明の経口組成物中に、ショ糖甘味換算量で、好ましくは10質量%以上25質量%未満であり、より好ましくは14~23質量%であり、更に好ましくは18~21質量%である。なお、成分(B)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口組成物は、成分(C)としてクエン酸及びリンゴ酸から選ばれる1種以上を含有する。クエン酸及びリンゴ酸は適宜選択することが可能であり、併用しても構わない。
本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制する観点から、酸度を高めて成分(C)を含有させることが好ましい。具体的には、成分(C)の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、1.2質量%以上がより更好ましく、そして8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3.5質量%以下が更に好ましく、2質量%以下がより更好ましい。よって、成分(C)の含有量は、本発明の経口組成物中に、好ましくは0.1~8質量%であり、より好ましくは0.2~5質量%であり、更に好ましくは0.5~3.5質量%であり、より更に好ましくは1.2~2質量%である。なお、後述するナトリウムイオン源としてクエン酸及び/又はリンゴ酸のナトリウム塩を使用する場合、成分(C)の含有量は、当該組成物中に遊離したクエン酸及び/又はリンゴ酸の量との総和とする。また、成分(C)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口組成物は、成分(D)としてナトリウムイオンを含有する。ナトリウムイオンは、塩の形態で含有させも、配合成分に由来するものでもよく、ナトリウムイオン源は、2以上の成分に由来していても構わない。
塩の形態としては食品として許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、無機塩、有機酸塩を挙げることができる。無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムを挙げることができる。有機酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、アジピン酸、酪酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸等のナトリウム塩を挙げることができる。
本発明の経口組成物中の成分(D)の含有量は、渋味の後残りを抑制する観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上が更に好ましく、0.14質量%以上がより更に好ましく、また過度の塩味抑制の観点から、0.7質量%以下が好ましく、0.35質量%以下がより好ましく、0.28質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以下がより更に好ましい。そして、成分(D)の含有量は、本発明の経口組成物中に、好ましくは0.01~0.7質量%であり、より好ましくは0.04~0.35質量%であり、更に好ましくは0.07~0.28質量%であり、より更に好ましくは0.14~0.2質量%である。なお、成分(D)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、原子吸光光度計で分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制するために、成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]を特定範囲内に制御することを要する。具体的には、成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]は0.01~0.24であるが、より一層の渋味の後残りを抑制する観点から、0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.08以上が更に好ましく、0.1以上がより更に好ましく、そして0.21以下が好ましく、0.18以下がより好ましく、0.14以下が更に好ましい。よって、かかる質量比[(D)/(C)]は、好ましくは0.02~0.21であり、より好ましくは0.03~0.21であり、更に好ましくは0.08~0.18であり、より更に好ましくは0.1~0.14である。
また、本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制する観点から、成分(B)のショ糖甘味換算量と、成分(D)の含有量との質量比[(D)/(B)]が、0.001以上であることが好ましく、0.003以上がより好ましく、0.006以上が更に好ましく、0.008以上がより更に好ましく、そして0.035以下が好ましく、0.03以下がより好ましく、0.02以下が更に好ましく、0.013以下がより更に好ましい。よって、かかる質量比[(D)/(B)]は、好ましくは0.001~0.035であり、より好ましくは0.003~0.03であり、更に好ましくは0.006~0.02であり、より更に好ましくは0.008~0.013である。
更に、本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制する観点から、甘味度が抑えられ、酸度が高められていることが好ましい。具体的には、成分(B)のショ糖甘味換算量と、成分(C)の含有量との質量比[(C)/(B)]は、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.06以上が更に好ましく、そして0.3以下が好ましく、0.25以下がより好ましく、0.2以下が更に好ましく、0.17以下がより更に好ましく、0.1以下がより更に好ましい。よって、かかる質量比[(C)/(B)]は、好ましくは0.01~0.3であり、より好ましくは0.01~0.25であり、更に好ましくは0.03~0.2であり、より更に好ましくは0.03~0.17であり、より更に好ましくは0.06~0.1である。
本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制する観点から、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、0.8以上であることが好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上が更に好ましく、4以上がより更に好ましく、そして17以下が好ましく、14以下がより好ましく、11以下が更に好ましく、7以下がより更に好ましい。よって、かかる質量比[(C)/(A)]は、好ましくは0.8~17であり、より好ましくは1.5~14であり、更に好ましくは2~11であり、より更に好ましくは4~7である。
本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制する観点から、成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が、0.1以上であることが好ましく、0.2以上がより好ましく、0.4以上が更に好ましく、0.5以上がより更に好ましく、そして2以下が好ましく、1.4以下がより好ましく、0.9以下が更に好ましく、0.7以下がより更に好ましい。よって、かかる質量比[(D)/(A)]は、好ましくは0.1~2であり、より好ましくは0.2~1.4であり、更に好ましくは0.4~0.9であり、より更に好ましくは0.5~0.7である。
更に、本発明の経口組成物は、所望により、アミノ酸、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、香料、果汁、植物エキス、エステル、色素、乳化剤、乳成分、ココアパウダー、調味料、植物油脂、酸化防止剤、保存料、pH調整剤、品質安定剤、花蜜エキス、増粘剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明の経口組成物は、渋味の後残りを抑制するために、ゲル強度を特定範囲内に制御することを要する。具体的には、当該組成物のゲル強度は1000~50000N/m2であるが、より一層の渋味の後残りを抑制の観点から、1500N/m2以上が好ましく、2000N/m2以上がより好ましく、また食感の観点から、40000N/m2以下が好ましく、25000N/m2以下がより好ましい。そして、当該組成物のゲル強度は、好ましくは1500~40000N/m2であり、より好ましくは2000~25000N/m2である。ここで、「ゲル強度」とは、破断応力値、すなわち後掲の実施例に記載の方法にしたがって試料にプランジャーにより一定速度で圧力を加えた際に試料が破断される直前の瞬間応力値を指し、圧力を加えた部分の単位面積当たりの応力で表されるものである。
本発明の経口組成物のゲル強度は、配合成分やその配合量に応じて所望のゲル強度となるように、ゲル化剤の種類やその配合量、水分含量を調整すればよい。
ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギナン、グルコマンナン、グァーガム、ジェランガム、タラガム、トラガントガム、カードラン、ナタデココ、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、寒天を挙げることができる。ゲル化剤は、1種又は2種以上含有することができる。中でも、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギナンから選択される2以上を組み合わせると、弾性及び粘性が良好で、渋味の後残りを効果的に抑制することができる。
本発明の経口組成物は、20℃におけるpHが、渋味の後残りを抑制する観点から、2.4以上が好ましく、2.8以上がより好ましく、3.5以上が更に好ましく、そして5.2以下が好ましく、4.8以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましく、4.0以下がより更に好ましい。よって、かかるpHは、好ましくは2.4~5.2であり、より好ましくは2.4~4.8であり、更に好ましくは2.8~4.5であり、より更に好ましくは3.5~4.0である。
本明細書において「経口組成物」とは、そのまま経口摂取に供される製品をいう。本発明の経口組成物は、常温(25℃±10℃)において上記で説明したゲル強度を有するものであれば、その製品形態は特に限定されないが、例えば、ゼリー状を挙げることができる。ここで、本明細書において「ゼリー状」とは、分散媒である液体中に分散質が分散した系の状態であって、常温下、外力が付加されない限り流動性を示さない系の状態をいう。すなわち、「ゼリー状」には、常温においてその保形性が保持されていれば、比較的軟らかい物性を有する半固形状のものに限定されず、ストロー等で飲めるようなものも包含される。
本発明の経口組成物は、ポリエチレンテレフタレート、アルミ、ナイロン、ポリエチレン等を主成分とする成形容器(いわゆるパウチ容器)に充填して提供することができる。
また、本発明の経口組成物は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。
本発明の経口組成物は適宜の方法により製造することが可能であるが、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)、必要により他の成分を配合し、成分(A)の含有量、質量比[(D)/(C)]及びゲル強度を調整して製造することができる。
1.非重合体カテキン類の分析
ホモジナイズした試料7gに2mLのエタノールを加え、純水で20mLに定容する。定容した試料を遠心分離し、遠心分離した上清をメンブランフィルターによりろ過し、このろ液を高速液体クロマトグラフ(型式SCL-10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L-カラムODS、4.6mmφ×250mm 粒子径5μm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定する。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行う。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.甘味料の分析
(1)アセスルファムカリウム
試料に0.01mol/Lリン酸二水素アンモニウム及びメタノールの混液(容量比1:1)を加えてホモジナイズした後、溶解抽出後、遠心分離する。その後、メンブランフィルターで濾過後、定容する。得られた試料をサンプリングし、高速液体クロマトグラフィにて測定する。測定条件は、カラム;Cosmosil 5 NH2-MS(ナカライテスク(株))、カラム管;内径4.6mm、長さ250mm、カラム温度;40℃、移動相;アセトニトリル1vol%リン酸:リン酸混液(6:4)、流速;1.0mL/分、測定検出波長;230nmにて行う(平成12年3月30日付け衛化第15号 別添「第2版食品中の食品添加物分析法」より)。
(2)スクラロース
ホモジナイズした試料を水又はエタノールで中和後、超音波抽出を行い、抽出液を固相抽出カラム(例えば、Bond Elut C18(アジレント・テクノロジー株式会社))に通液後、メタノールで洗浄する。得られた洗浄液を濃縮、乾固し、水を加えて定容する。得られた試料をサンプリングして高速液体クロマトグラフィにて測定する。この際のHPLC測定条件は、カラム:Shodex Sugar SC1011(昭和電工(株))、カラム管:内径8.0mm、長さ300mm、カラム温度:80℃、移動相:10mM CaSO4溶液、流速:0.6mL/分、検出器:RIにて行う。
(3)ステビオシド
試料10gにメタノール-0.1%アンモニア(40:60)混液50mLを加えてホモジナイズした後、同混液にて全量を100mLとする。これを遠心分離器にかけ、得られた上清50mLに水150mL、1Mテトラブチルアンモニウムブロミド(TBA)1mLを添加した後、Bond Elut C18カートリッジに負荷する。このカートリッジを5mM TBAを添加した25%アセトン水溶液50mLで洗浄し、次いで水20mLで2回洗浄した後、アセトニトリル-0.1%(v/v)リン酸(80:20)混液で溶出させ、同混液で全量を10mLとしたものを高速液体クロマトグラフィにて測定する。測定条件は、カラム:Mightysil NH2(粒径5mm,4.6mm i.d.×250mm(関東化学(株))、移動相:アセトニトリル-0.1%リン酸(80:20)混液、流速:1.0mL/min、カラム温度:40℃、検出波長:210nmにて行う。
(4)ブドウ糖
ホモジナイズした試料1gに水5mLとエタノール20mLを加え撹拌後、超音波処理(15分間)し、さらに3,000rpmにて10分間遠心する。遠心後の上清をメンブランフィルターにより濾過し、高速液体クロマトグラフィにて測定する。測定条件は、以下の条件にて行う。
・カラム:Shodex NH2P-50 4E(昭和電工(株))
・溶出液:78%アセトニトリル
・流速:1.0mL/min
・カラム温度:30℃
・検出器:示差屈折計
3.クエン酸及びリンゴ酸(カルボン酸)の分析
ホモジナイズした試料10gに5%過塩酸5mLを加え、水で50mLに定容する。これを必要に応じて各種カルボン酸の検量線の範囲内に入るように水で希釈したものを試験溶液とする。試験溶液を高速液体クロマトグラフに注入し、電気伝導度を測定し、各種カルボン酸を検量線より算出する。
・分離カラム:Shim-pack SCR-102H(島津製作所製)
・移動相 :5mmol/L p-トルエンスルホン酸
・検出試薬 :5mmol/L p-トルエンスルホン酸、
100μmol/L EDTA、
20mmol/L Bis-Tris緩衝液
・注入量 :10μL
・流量 :0.8mL/分
・電気伝導度検出器:CDD-10AVP(島津製作所製)
・温度 :40℃
4.ナトリウムイオンの分析
ホモジナイズした試料2gに10%塩酸5mLを加え、水浴上で蒸発乾固する。さらに10%塩酸5mLを加え、加温した後、全量をメスフラスコに濾過し、水で定容する。1%塩酸を用いて、検量線の範囲内に入るように、適当な濃度に希釈し、20000ppmのストロンチウム液2.5mLを加え、定容したものを試験溶液とする。原子吸光光度計を用いて、試験溶液の吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線からナトリウムの定量を行う。
・原子吸光光度計:AA-7000(島津製作所製)
・フレーム:空気-アセチレン
・測定波長:589.0nm
5.ゲル強度の測定
ゲル強度は、EZ Test 小型卓上試験機(島津製作所製)を用いて、以下の条件にて測定した。
・プランジャー :直径20mm
・プランジャー移動速度 :10mm/秒
・試料サイズ :直径40mm、高さ15mmの容器に満量充填
・測定温度 :室温(20℃)
6.pHの測定
ホモジナイズした試料を20℃に温度調整し、pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、試料を20℃に温度調整をして測定した。
実施例1~5及び比較例1
表3に示す各成分を次の手順で配合し、経口組成物を製造した。適量のイオン交換水に非重合体カテキン類、甘味料、有機酸及び有機酸の塩を加えた後、ゲル化剤を少量ずつ加えながら攪拌した。この混合物をよく攪拌しながら95℃で30秒加熱してゲル化剤を溶解し、次いで、これを冷却することにより経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、下記の官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を表3に示す。
官能評価1
被験経口組成物の「渋味の後残り」について専門パネル3名が次の手順で官能試験を行った。
先ず、エピガロカテキンガレート(以下、「EGCg」とも称する。テアビゴ、太陽化学(株)製)試薬を用いて、「渋味」の強さを等間隔で10段階に予め濃度調整した「渋味標準水溶液1」を調製した。次いで、各専門パネルが各濃度の水溶液について、表2中に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネラーが「渋味標準水溶液1」においてEGCg濃度の低いものから順に摂取し、「渋味の後残り」を記憶した。次いで、各専門パネルが被験経口組成物を摂取した際の口腔内での「渋味の後残り」の程度を評価し、「渋味標準水溶液1」の中から「渋味の後残り」が最も近いものを決定した。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により最終評点を決定した。なお、評点は、数値が小さいほど、口腔内で渋味の後残りを生ずることを意味する。
Figure 2023079475000002
Figure 2023079475000003
実施例6~10
表4に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を比較例1の結果とともに表4に示す。
Figure 2023079475000004
実施例11~14及び比較例2、3
表5に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2023079475000005
比較例4、5
表6に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を実施例3、8及び比較例1の結果とともに表6に示す。
Figure 2023079475000006
実施例15~17及び比較例6~9
表7に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を実施例3、比較例1の結果とともに表7に示す。
Figure 2023079475000007
実施例18及び比較例10
表8に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を表8に示す。
Figure 2023079475000008
実施例19及び比較例11
表9に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、官能評価1にしたがって官能評価を行った。その結果を表9に示す。
Figure 2023079475000009
実施例20及び比較例12
表11に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により経口組成物を得た。そして、得られた経口組成物について分析を行い、下記の官能評価2にしたがって官能評価を行った。その結果を表11に示す。
官能評価2
被験経口組成物の「渋味の後残り」について専門パネル3名が次の手順で官能試験を行った。
先ず、EGCg試薬を用いて、「渋味」の強さを等間隔で10段階に予め濃度調整した「渋味標準水溶液2」を調製した。そして、官能評価1と同一の次の手順で官能評価を行った。即ち、各専門パネルが各濃度の水溶液について、表中に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネラーが「渋味標準水溶液2」においてEGCg濃度の低いものから順に摂取し、「渋味の後残り」を記憶した。次いで、各専門パネルが被験経口組成物を摂取した際の口腔内での「渋味の後残り」の程度を評価し、「渋味標準水溶液2」の中から「渋味の後残り」が最も近いものを決定した。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により最終評点を決定した。なお、評点は、数値が小さいほど、口腔内で渋味の後残りを生ずることを意味する。
Figure 2023079475000010
Figure 2023079475000011
表3~9、11から、特定濃度の非重合体カテキン類に、甘味料とともに、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる1種以上の有機酸と、ナトリウムイオンを含有させたうえで、有機酸とナトリウムイオンとの量比と、当該組成物のゲル強度を特定範囲内に制御することで、渋味の後残りを抑制できることがわかる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);
    (A)非重合体カテキン類 0.1~2質量%
    (B)甘味料
    (C)クエン酸及びリンゴ酸から選ばれる1種以上、及び
    (D)ナトリウムイオン
    を含有し、
    成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]が0.01~0.24であり、
    当該組成物のゲル強度が1000~50000N/m2である、
    経口組成物。
  2. 成分(B)のショ糖甘味換算量と、成分(C)の含有量との質量比[(C)/(B)]が0.01~0.3である、請求項1記載の経口組成物。
  3. 成分(B)のショ糖甘味換算量と、成分(D)の含有量との質量比[(D)/(B)]が0.001~0.035である、請求項1又は2記載の経口組成物。
  4. 成分(B)の含有量がショ糖甘味換算量で25質量%未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
  5. 成分(C)の含有量が0.1~8質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の経口組成物。
  6. 成分(D)の含有量が0.01~0.7質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の経口組成物。
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