以下、本発明の一実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得ることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。或いは、後述の処理の一部は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜省略され得る。
図1は、本発明の一実施形態に係るクレーン車10の外観斜視図である。図2及び図3は、それぞれ、クレーン車10の平面図及び側面図であり、模式的に示されている。
本実施形態では、クレーン車10はラフテレーンクレーンである。但し、クレーン車10はオールテレーンクレーンであってもよい。
クレーン車10は、走行体11と、走行体11に設けられたアウトリガ装置80と、走行体11に搭載されたクレーン装置12及び運転室13と、を備える。
走行体11は、車体17と、車体17に懸架された車軸(不図示)とを備える。車体17は、原動機としてのエンジン15及び電源としてのバッテリ16(図6)を搭載している。上記車軸は車輪18を有し、車輪18はエンジン15により駆動される。エンジン15は、油圧ポンプ(不図示)を駆動して後述の油圧供給装置28(図4)を稼働させると共に、オルタネータを介してバッテリ16を充電する。
アウトリガ装置80は、前アウトリガ81及び後アウトリガ82を備える。前アウトリガ81の構成と後アウトリガ82の構成とは同じである。以下では、前アウトリガ81の構成について説明がされ、後アウトリガ82の構成についての説明は省略される。
図2が示すように、前アウトリガ81は、アウタービーム83と、左右一対のインナービーム84、85と、アウトリガシリンダ86、87と、左右一対のジャッキ88、89と、アウトリガセンサ91、92、93、94と、圧力センサ95、96(図4参照)とを備える。
アウタービーム83は、角筒状を呈し、クレーン車10の幅方向(左右方向)に沿って延びている。インナービーム84は、アウタービーム83の右部に位置しており、インナービーム85は、アウタービーム83の左部に位置している。インナービーム84、85は、アウタービーム83に格納された格納位置(図1参照)と、アウタービーム83から張り出した張出位置(図2参照)との間でスライドする。
アウトリガシリンダ86、87(図4参照)は、例えば油圧シリンダであり、油圧供給装置28(図4参照)から作動油を供給されて伸縮する。アウトリガシリンダ86、87は、伸長することによってインナービーム84、85をアウタービーム83から張り出させ、縮小することによってインナービーム84、85をアウタービーム83に格納させる。
ジャッキ88、89は、例えば油圧シリンダであり、油圧供給装置28(図4参照)から作動油を供給されて伸縮する。ジャッキ88は、一方のインナービーム84の先端部に固定されている。ジャッキ89は、他方のインナービーム85の先端部に固定されている。ジャッキ88、89は、上下方向に伸縮する。縮小状態にあるジャッキ88、89の下端は、車輪18の最下点よりも上方に位置する。ジャッキ88、89は、クレーン作業前にクレーン車10の姿勢を安定させる。すなわち、地面に敷板(不図示)が載置され、ジャッキ88、89は、敷板に当接するように伸長され、クレーン車10を持ち上げる。
アウトリガセンサ91、92、93、94(図4参照)は、例えば押圧部を有するリミットスイッチである。アウトリガセンサ91、92は、アウタービーム83の中央部に配置されている。アウトリガセンサ93、94は、アウタービーム83の先端部に配置されている。アウトリガセンサ91、92の押圧部は、格納位置にあるインナービーム84、85に押圧される。すなわち、アウトリガセンサ91、92は、インナービーム84、85が格納位置にある場合にオンの検知信号を出力し、インナービーム84、85が格納位置以外にある場合にオフの検知信号を出力する。制御プログラム74(図4参照)は、アウトリガセンサ91、92によって、インナービーム84、85が格納位置にあるか否かを検出する。
アウトリガセンサ93、94の押圧部は、張出位置にあるインナービーム84、85に押圧される。すなわち、アウトリガセンサ93、94は、インナービーム84、85が張出位置にある場合にオンの検知信号を出力し、インナービーム84、85が張出位置以外の位置にある場合にオフの検知信号を出力する。制御プログラム74(図4参照)は、アウトリガセンサ93、94によって、インナービーム84、85が張出位置にあるか否かを検出する。なお、前アウトリガ81が格納位置にあるか否か、及び張出位置にあるか否かを検知可能であれば、磁気センサなど、リミットスイッチ以外の種別のアウトリガセンサが用いられてもよい。
圧力センサ95(図4参照)は、ジャッキ88の接地圧に応じた圧力信号を出力するセンサである。ジャッキ88の接地圧とは、伸長されたジャッキ88の下端が敷板を押圧する圧力である。同様に、圧力センサ96は、ジャッキ89の接地圧に応じた圧力信号を出力するセンサである。制御プログラム74(図4参照)は、圧力センサ95、96によって、クレーン車10がクレーン作業を行い得る安定姿勢にあるか否かを検出する。
図4は、クレーン車10に搭載されたクレーン装置12の機能ブロック図である。
図3が示すように、クレーン装置12は、旋回台21、ブーム22、メインウインチ23、サブウインチ24、フックブロック30、及びサブフック33を備える。図4が示すように、クレーン装置12は、センサ群26、油圧アクチュエータ群27、油圧供給装置28、操縦装置29、制御モニタ75、監視モニタ78、及び制御装置70を備える。
旋回台21は、走行体11に支持されている(図3参照)。旋回台21は、旋回モータ51(図4参照)を介して所定の旋回中心軸(不図示)の周りに回転する。
係止部材14が旋回台21に設けられている。係止部材14は、クレーン車10の走行中にフックブロック30及びサブフック33が引っ掛けられる部材である。クレーン車10は、フックブロック30及びサブフック33が係止部材14に引っ掛けられた状態で作業現場まで走行する。
図3が示すように、ブーム22は、旋回台21に起伏可能に支持されている。ブーム22は、複数の筒体が入れ子状に配置されており、いわゆるテレスコピックを構成し、伸縮可能である。すなわち、ブーム22は、起伏可能、伸縮可能、かつ旋回可能である。ブーム22は、起伏シリンダ52によって起伏され、伸縮シリンダ53(図4参照)によって伸縮される。
メインウインチ23は、ブーム22の基端或いは旋回台21に取り付けられている。メインウインチ23は、メインドラム56及びシーブ57を有している。メインドラム56にメインワイヤロープ41(以下、「メインワイヤ41」と記載)が巻き付けられており、メインワイヤ41は、シーブ57に掛け回されている。メインドラム56は、油圧モータ54(図4参照)によって駆動(回転)される。メインドラム56が駆動されることにより、メインワイヤ41がメインドラム56に巻き取られ、或いはメインワイヤ41がメインドラム56から繰り出される。
サブウインチ24は、ブーム22の基端或いは旋回台21に取り付けられている。サブウインチ24は、サブドラム58及びシーブ59を有している。サブドラム58にサブワイヤロープ42(以下、「サブワイヤ42」と記載)が巻き付けられており、サブワイヤ42は、シーブ59に掛け回されている。サブドラム58は、油圧モータ55(図4参照)によって駆動(回転)される。サブドラム58が駆動されることにより、サブワイヤ42がサブドラム58に巻き取られ、或いはサブワイヤ42がサブドラム58から繰り出される。メインウインチ23及びサブウインチ24のいずれか一方は、特許請求の範囲に記載された「第1ウインチ」に相当し、他方は、特許請求の範囲に記載された「第2ウインチ」に相当する。
メインワイヤ41は、シーブ57に掛け回された後、ブーム22に沿ってブーム22の先端部まで引き出されている。ブーム22の先端部には、定滑車装置(不図示)が設けられている。定滑車装置は、フックブロック30とともに滑車装置を構成している。定滑車装置及びフックブロック30は、複数のシーブをそれぞれ有している。メインワイヤ41は、定滑車装置のシーブと、フックブロック30のシーブとに掛け回される。フックブロック30は、メインワイヤ41によってブーム22の先端部から吊り下げられている。ブーム22の先端部は、特許請求の範囲に記載された「吊下先端部」に相当する。
メインワイヤ41が掛け回された回数は、ワイヤ掛数とも称される。ワイヤ掛数が増加するにしたがって、クレーン装置12が安全に吊下可能な吊荷の重量(定格重量:本実施形態では最大吊荷重量)が増加する。すなわち、滑車装置は、クレーン装置12の性能を高める。
メインドラム56が巻き取るメインワイヤ41の長さ(以下、「巻上量」と記載)或いはメインドラム56が繰り出すメインワイヤ41の長さ(以下、「巻下量」と記載)と、フックブロック30の上昇距離(上昇量)或いは下降距離(下降量)との比は、ワイヤ掛数によって決まる。例えば、ワイヤ掛数が「1」の場合、ワイヤ41の巻上量或いは巻下量は、フックブロック30の上昇量或いは下降量と同じになる。ワイヤ掛数が「3」の場合、ワイヤ41の巻上量或いは巻下量は、フックブロック30の上昇量或いは下降量の3倍になる。
本実施形態では、ワイヤ掛数は、定格重量の算出などに用いられる。ワイヤ掛数は、例えばタッチセンサ77(図4参照)を通じてオペレータによって制御装置70に入力され、メモリ72に記憶される。或いは、ワイヤ掛数は、センサ群26が出力した検出値に基づいて制御装置70によって自動で特定され、メモリ72に記憶される。
フックブロック30は、上記シーブを収容するブロック本体31と、吊荷43に引っ掛けられるフック32とを有する。フック32は、ブロック本体31の下面から下向きに突出している。
サブワイヤ42は、ブーム22の先端に設けられたシーブ(不図示)に掛け回されており、その先端にサブフック33が設けられている。図3が示すように、サブフック33は、サブワイヤ42によってブーム22の先端部から吊り下げられている。なお、サブフック33は、滑車装置を介さずにサブワイヤ42に直接繋がれており、サブフック33のワイヤ掛数は常に「1」である。メインワイヤ41及びサブワイヤ42のいずれか一方は、特許請求の範囲に記載された「第1ワイヤ」に相当し、他方は、特許請求の範囲に記載された「第2ワイヤ」に相当する。フックブロック30及びサブフック33のいずれか一方は、特許請求の範囲に記載された「第1フック」に相当し、他方は、特許請求の範囲に記載された「第2フック」に相当する。
図4が示すように、油圧アクチュエータ群27は、旋回モータ51、起伏シリンダ52、伸縮シリンダ53、油圧モータ54、55、上記アウトリガシリンダ86、87、及びジャッキ88、89を有する。
旋回モータ51は、油圧供給装置28から供給された作動油を介して回転する油圧モータであり、旋回台21を旋回させる。起伏シリンダ52は、油圧供給装置28から供給された作動油を介して伸縮する油圧シリンダであり、ブーム22を起伏させる。伸縮シリンダ53は、油圧供給装置28から供給された作動油を介して伸縮する油圧シリンダであり、ブーム22を伸縮させる。油圧モータ54は、油圧供給装置28から供給された作動油を介して回転し、メインウインチ23のメインドラム56を回転させる。油圧モータ55は、油圧供給装置28から供給された作動油を介して回転し、サブウインチ24のサブドラム58を回転させる。
油圧供給装置28は、上記エンジン15によって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプと上記油圧アクチュエータ群27の旋回モータ51等とを繋ぐ配管と、この配管等に設けられた油圧切換弁等とを備える。油圧切換弁はいわゆる電磁弁であってもよく、制御装置70から入力される駆動信号によって作動する。油圧切換弁が作動することにより、旋回モータ51、起伏シリンダ52、伸縮シリンダ53、油圧モータ54、55、アウトリガシリンダ86、87、及びジャッキ88、89が駆動される。すなわち、制御装置70は、駆動信号を出力することにより、ブーム22を旋回、起伏、及び伸縮させ、メインワイヤ41やサブワイヤ42を巻き取り或いは繰り出し、アウトリガ81、82及びジャッキ88、89を駆動することができる。
なお、以下では、旋回モータ51を介して旋回台21を旋回させることを、「旋回台21を駆動」或いは「旋回台21の駆動」と記載する。また、起伏シリンダ52及び伸縮シリンダ53を介してブーム22を起伏及び伸縮させることを、「ブーム22を駆動」或いは「ブーム22の駆動」と記載する。また、油圧モータ54、55を介してドラム56、58を回転させることを、「ウインチ23、24を駆動」或いは「ウインチ23、24の駆動」と記載する。また、アウトリガシリンダ86、87及びジャッキ88、89を駆動させることを「アウトリガ装置80を駆動」或いは「アウトリガ装置80の駆動」と記載する。
センサ群26は、旋回角センサ61、ブーム長さセンサ62、起伏角度センサ63、ドラムセンサ64、65、吊荷重量センサ66、67、過巻検知センサ68、69、上記アウトリガセンサ91、92、93、94、上記圧力センサ95、96、及びカメラ44を有する。
旋回角センサ61は、例えばロータリエンコーダである。旋回角センサ61は、旋回台21の旋回角度に応じて、検出値であるパルス信号を出力する。単位時間当たりのパルス数は、旋回台21の旋回速度(角速度)を示す。総パルス数は、旋回台21の旋回角度を示す。なお、旋回台21の旋回角度を特定可能であれば、ロータリエンコーダに代えてレゾルバ等の他のセンサが旋回角センサ61として用いられてもよい。
ブーム長さセンサ62は、ブーム22の長さに応じた検出値を出力するセンサである。ブーム長さセンサ62は、各筒体の長さを直接検出するセンサであってもよいし、伸縮シリンダ53の伸縮長さや伸縮時間を検出するセンサであってもよい。要するに、ブーム長さセンサ62は、ブーム22の長さに応じた値を検出するセンサであればよい。
起伏角度センサ63は、本実施形態では、ブーム22の起伏角度を直接検出する。起伏角度センサ63は、水平面に対する角度を出力する傾斜センサや水平センサが採用され、ブーム22に取り付けられている。起伏角度センサ63は、ブーム22の起伏角度に応じた検出値を出力する。ただし、起伏角度センサ63は、起伏シリンダ52の伸長長さを検出するセンサであってもよい。要するに、起伏角度センサ63は、ブーム22の起伏角度に応じた物理量を検出するセンサであればよい。
メインドラムセンサ64は、例えば、メインウインチ23のメインドラム56の軸に取り付けられたロータリエンコーダである。メインドラムセンサ64は、メインドラム56の回転に応じて、検出値であるパルス信号を出力する。単位時間当たりのパルス数は、メインドラム56の回転速度(角速度)を示す。総パルス数は、メインドラム56の回転数或いは回転角度を示す。例えば、総パルス数に「メインドラム56のドラム半径に応じた値」が乗じられることにより、メインワイヤ41の巻上量や巻下量が算出される。すなわち、本実施形態では、メインドラムセンサ64は、メインワイヤ41の巻上量及び巻下量を検出するセンサとして機能する。
サブドラムセンサ65は、例えば、サブウインチ24のサブドラム58の軸に取り付けられたロータリエンコーダである。サブドラムセンサ65は、サブドラム58の回転に応じて、検出値であるパルス信号を出力する。単位時間当たりのパルス数は、サブドラム58の回転速度(角速度)を示す。総パルス数は、サブドラム58の回転数或いは回転角度を示す。例えば、総パルス数に「サブドラム58のドラム半径に応じた値」が乗じられることにより、サブワイヤ42の巻上量や巻下量が算出される。すなわち、本実施形態では、サブドラムセンサ65は、サブワイヤ42の巻上量及び巻下量を検出するセンサとして機能する。
メインドラムセンサ64及びサブドラムセンサ65のいずれか一方は、特許請求の範囲に記載された「第1センサ」に相当し、他方は、特許請求の範囲に記載された「第2センサ」に相当する。メインドラムセンサ64が出力するパルス信号及びサブドラムセンサ65が出力するパルス信号のいずれか一方は、特許請求の範囲に記載された「第1検出値」に相当し、他方は、特許請求の範囲に記載された「第2検出値」に相当する。
メイン吊荷重量センサ66は、例えばメインワイヤ41に加わるテンションを検出するテンションセンサ、又はメインウインチ23のメインドラム56を駆動させる油圧モータ54の油圧を検出する圧力センサが採用される。テンションセンサは、ブーム22の先端部やメインウインチ23に取り付けられる。テンションセンサや圧力センサが検出したテンションや圧力とワイヤ掛数とに基づいて、フックブロック30が吊るす吊荷43(図3参照)の重量が算出される。要するに、メイン吊荷重量センサ66は、メインワイヤ41によって吊り下げられる吊荷43の重量を算出可能な値を検出する。
サブ吊荷重量センサ67は、例えばサブワイヤ42に加わるテンションを検出するテンションセンサ、又はサブウインチ24のサブドラム58を駆動させる油圧モータ55の油圧を検出する圧力センサが採用される。テンションセンサは、ブーム22の先端部やサブウインチ24に取り付けられる。テンションセンサや圧力センサが検出したテンションや圧力とワイヤ掛数とに基づいて、サブフック33が吊るす吊荷の重量が算出される。要するに、サブ吊荷重量センサ67は、サブワイヤ42によって吊り下げられる吊荷の重量を算出可能な値を検出する。
メイン過巻検知センサ68は、メインワイヤ41の過巻を検知するセンサである。すなわち、メイン過巻検知センサ68は、メインワイヤ41の過巻によるフックブロック30とブーム22の先端部との接触、及びそれによる破損を防止するためのセンサである。
メイン過巻検知センサ68は、ブーム22の先端部に取り付けられている。メイン過巻検知センサ68は、メインワイヤ41の巻き上げによって上昇されたフックブロック30によってオン或いはオフされる。メイン過巻検知センサ68のオン/オフにより、フックブロック30がブーム22の先端部に接触する直前までメインワイヤ41が巻き上げられたことが検知される。
サブ過巻検知センサ69は、サブワイヤ42の過巻を検知するセンサである。すなわち、サブ過巻検知センサ69は、サブワイヤ42の過巻によるサブフック33とブーム22の先端部との接触、及びそれによる破損を防止するためのセンサである。
サブ過巻検知センサ69は、ブーム22の先端部に取り付けられている。サブ過巻検知センサ69は、サブワイヤ42の巻き上げによって上昇されたサブフック33によってオン或いはオフされる。サブ過巻検知センサ69のオン/オフにより、サブフック33がブーム22の先端部に接触する直前までサブワイヤ42が巻き上げられたことが検知される。
カメラ44は、下方を撮像範囲としてブーム22の先端部に取り付けられている(図3参照)。すなわち、カメラ44は、フックブロック30及びサブフック33と、これらに吊り下げられた吊荷とを撮像するカメラである。カメラ44は、いわゆる吊荷監視カメラとも称される。カメラ44が撮像した画像は、監視モニタ78(図7参照)に表示される。なお、フックブロック30やサブフック33が上記撮像範囲に含まれるならば、カメラ44は、斜め下を撮像範囲としていてもよい。すなわち、特許請求の範囲に記載された「下方」には、「斜め下」も含まれる。
カメラ44は、フックブロック30及び吊荷43、或いはサブフック33を上方から撮像して画像データを生成し、生成した画像データを出力する。以下では、カメラ44が撮像によって生成した画像データが「監視画像データ」と記載され、監視画像データが示す画像が「監視画像」と記載される。
センサ群26(図4参照)、すなわち旋回角センサ61、ブーム長さセンサ62、起伏角度センサ63、ドラムセンサ64、65、吊荷重量センサ66、67、過巻検知センサ68、69、アウトリガセンサ91、92、93、94、圧力センサ95、96、及びカメラ44は、不図示の信号線によって制御装置70と接続されている。センサ群26が出力した検出値及びカメラ44が出力した監視画像データは、制御装置70に入力される。
図5は、運転室13に設置された操縦装置29を示している。
同図が示すように、操縦装置29は、オペレータによって操作される操作レバー、フットペダル、スイッチ等を備える。操縦装置29は、不図示の信号線によって制御装置70と接続されている。オペレータは、操縦装置29を操作してクレーン装置12の操縦を行う。
図6は、運転室13に設置された制御モニタ75が表示する制御画面を示している。
制御モニタ75は、いわゆるMFD(Multi Function Display:多機能ディスプレイ)と称されるタッチパネルであって、ディスプレイ76と、ディスプレイ76に重畳された透明な板状のタッチセンサ77とを備える。制御モニタ75は、制御プログラム74が入力した制御画面データが示す制御画面を表示する。
図7は、運転室13に設置された監視モニタ78が表示する監視画像を示している。
監視モニタ78は、カメラ44が撮像した監視画像に、制御プログラム74が生成したオブジェクト35を重畳して表示する。なお、制御モニタ75と監視モニタ78とが1つのモニタとして構成されていてもよい。制御モニタ75及び監視モニタ78は、特許請求の範囲に記載された「表示装置」に相当する。
制御装置70は、中央演算処理装置であるCPU71と、メモリ72と、電源回路73と、不図示の通信バスとを備える。制御装置70は、プリント基板及び当該プリント基板に実装されたICやマイクロコンピュータや抵抗やダイオードやコンデンサ等によって実現される。すなわち、制御装置70は、制御基板である。制御装置70は、例えば、運転室13に配置された制御ボックス内に配置される。
CPU71、メモリ72、油圧供給装置28、センサ群26(旋回角センサ61等)、操縦装置29、制御モニタ75、及び監視モニタ78は、上記通信バスに接続されている。CPU71によって実行される制御プログラム74は、メモリ72からデータや情報を読み出し、メモリ72にデータや情報を記憶させ、油圧アクチュエータ群27の旋回モータ51等の駆動を制御し、センサ群26(旋回角センサ61等)が出力した検出値やカメラ44が出力した監視画像データを取得し、オペレータが操縦装置29に行った操作に応じた信号を取得し、制御モニタ75に制御画面を表示させ、監視モニタ78に監視画像を表示させることができる。
メモリ72は、CPU71によって実行される制御プログラム74、性能テーブル、制御画面フォーマット、オブジェクトフォーマットなどを予め記憶する。また、メモリ72は、オペレータによって入力された上記ワイヤ掛数、巻上リセット位置や巻下リセット位置を記憶する記憶領域を有している。
性能テーブルは、例えば旋回台21の旋回角度、ブーム22の長さ、ブーム22の起伏角度、ワイヤ掛数、及び定格重量を対応付けたテーブルである。制御プログラム74は、現在の旋回台21の旋回角度、ブーム22の長さ、ブーム22の起伏角度、及びワイヤ掛数と対応付けられた定格重量を上記テーブルに基づいて特定し、吊り下げ可能な吊荷43の重量を、特定した定格重量未満に制限する。或いは、制御プログラム74は、現在の吊荷43の重量及びワイヤ掛数に基づいて、旋回台21の旋回角度やブーム22の長さや起伏角度を制限する。なお、ブーム22の限界起伏角度や限界長さや定格重量などを特定可能であれば、性能テーブルに代えて演算式などがメモリ72に記憶されていてもよい。
制御画面フォーマットは、図6が示す制御画面を示す制御画面データを生成するためのフォーマットデータである。制御画面フォーマットは、複数の入力フィールドを有し、ブーム22の長さや起伏角度等が入力される。制御プログラム74は、ブーム長さセンサ62が検出したブーム22の長さや、起伏角度センサ63が検出したブーム22の起伏角度が制御画面フォーマットに入力されることにより、制御画面データを生成する。制御プログラム74は、生成した制御画面データを制御モニタ75のディスプレイ76に入力することにより、制御画面を制御モニタ75に表示させる。
制御画面は、複数のアイコン36を有する。例えば、一のアイコン36は、後述のリセット入力に用いられる。他の一のアイコン36は、ワイヤ掛数の入力に用いられる。その他、アイコン36の選択によって、種々の設定値等が制御装置70に入力される。
制御画面は、クレーン車10を示すクレーン車オブジェクト37、ブーム22の長さを示す数値、ブーム22の起伏角度を示す数値、及び旋回台21の旋回角度を示す数値等を表示する。図6に示す例では、ブーム22の長さを示す数値は「9.4」であり、ブーム22の起伏角度を示す数値は「21.0°」であり、旋回台21の旋回角度を示す数値は「0°」である。
制御画面は、フックブロック30或いはサブフック33を示すフックオブジェクト38、現在の吊荷重量を示す数値、及び定格重量を示す数値を表示する。同図に示す例では、吊荷重量を示す数値は「7.2」であり、定格重量を示す数値は「14.4」である。
制御画面は、フックブロック30或いはサブフック33を示すフックオブジェクト39、及びフックブロック30或いはサブフック33の移動距離(以下、「フック移動量」と記載する)を示す数値を表示する。フック移動量は、基準となる高さ位置からのフックブロック30或いはサブフック33の高さ方向における移動距離である。基準となる高さ位置は、アイコン36を用いたリセット入力によって設定され、巻上リセット位置や巻下リセット位置としてメモリ72に記憶される。
具体的には、オペレータは、フックブロック30或いはサブフック33が地面に当接しているときや、フックブロック30或いはサブフック33に吊り下げられた吊荷が地面から切り離された直後(いわゆる、「地切作業」後)に、アイコン36を用いて巻上リセット入力或いは巻下リセット入力を行う。
制御プログラム74は、リセット入力が行われたときのフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置を、ブーム長さセンサ62や起伏角度センサ63やドラムセンサ64、65等の検出値、及びワイヤ掛数等に基づいて特定し、特定した高さ位置を基準位置(巻上リセット位置/巻下リセット位置)としてメモリ72に記憶させる。なお、巻上リセット位置及び巻下リセット位置は、フックブロック30とサブフック33とのそれぞれに対して個別に設定可能であってもよい。
ブーム22の長さを示す数値、ブーム22の起伏角度を示す数値、旋回台21の旋回角度を示す数値、現在の吊荷重量を示す数値、定格重量を示す数値、及びフック移動量は、特許請求の範囲に記載された「制御情報」に相当する。
図8(A)は、制御プログラム74が生成して監視画像に重畳するオブジェクト35を示す。
メモリ72が記憶するオブジェクトフォーマット(図4参照)は、制御プログラム74がオブジェクト35の生成に用いる基本フォーマットデータである。
オブジェクト35は、縦グラフ(縦線等)を有する。また、オブジェクト35は、ブーム22の先端部を示す絵で(図形)あるブーム先端オブジェクト48と、フックブロック30或いはサブフック33を示す絵(図形)であるフックオブジェクト49とを有する。また、オブジェクト35は、巻上限界位置を示す数値と、上記フック移動量を示す数値と、地面の高さ位置を示す「0」の数値と、をさらに有する。図8(A)に示す例では、巻上限界位置を示す数値は「24.28」であり、フック移動量を示す数値は「14.38」である。巻上限界位置を示す数値及びフック移動量を示す数値は、縦グラフにおいて、数値の大きさに応じた位置に表示される。
フックブロック30のフック移動量を示すオブジェクト35は、特許請求の範囲に記載された「第1表示オブジェクト」或いは「第2表示オブジェクト」に相当する。サブフック33のフック移動量を示すオブジェクト35は、特許請求の範囲に記載された「第2表示オブジェクト」或いは「第1表示オブジェクト」に相当する。
メモリ72に記憶されたオブジェクトフォーマット(図4参照)は、縦グラフやブーム先端オブジェクト48やフックオブジェクト49の形状データを有する。また、オブジェクトフォーマットは、フック移動量や巻上限界位置などが入力される入力フィールドを有する。
巻上限界位置は、例えば、フックブロック30或いはサブフック33が過巻検知センサ68、69をオン或いはオフにする位置であって、「地上揚程」とも称される。制御プログラム74は、例えばブーム長さセンサ62及び起伏角度センサ63が検知したブーム22の長さ及び起伏角度からブーム22の先端部の高さ位置を特定する。制御プログラム74は、特定した高さ位置から所定距離だけ低い位置を巻上限界位置とする。当該所定距離は、クレーン車10の種別に応じた距離であって、メモリ72に予め記憶される。
制御プログラム74は、センサ群26が検出したブーム長さや起伏角度や巻上量(或いは巻下量)及びワイヤ掛数等に基づいて、上記リセット位置を基準としたフックブロック30或いはサブフック33の現在の高さ位置(フック移動量)を算出する。制御プログラム74は、算出したフック移動量や上記巻上限界位置を上記オブジェクトフォーマットの入力フィールドに入力することでオブジェクトデータを生成する。制御プログラム74は、生成したオブジェクトデータを監視画像データとともに監視モニタ78に入力し、オブジェクト35が重畳された監視画像(図7参照)を監視モニタ78に表示させる。
電源回路73は、バッテリ16から供給された直流電圧を、5Vや12Vなどの所定の電圧値の直流電圧に変換して出力する回路である。電源回路73は、例えば、DC/DCコンバータである電源ICやコンデンサや抵抗やダイオードやコイルなどによって実現される。電源回路73が出力する直流電圧は、CPU71や操縦装置29やセンサ群26や制御モニタ75や監視モニタ78などに供給される。図4では、電源回路73からセンサ群26等への給電線の図示は省略されている。
図9及び図10は、制御プログラム74が実行する表示処理のフローチャートである。以下、図9及び図10が参照されて表示処理が説明される。
クレーン車10が作業現場に到着した後、オペレータは、操縦装置29(図5参照)を操作して、アウトリガ81、82を張り出させ、かつジャッキ88、89を伸長させてクレーン車10の姿勢を安定させる。また、オペレータは、操縦装置29を操作して、フックブロック30及びサブフック33を係止部材14(図3参照)から取り外すブーム展開作業を実行する。詳しく説明すると、オペレータは、ブーム22の先端部が係止部材14の直上となる位置までブーム22を起立させつつ、ウインチ23、24を駆動してワイヤ41、42を繰り出す。その後、オペレータ或いは作業者は、フックブロック30及びサブフック33を係止部材14から取り外す。
制御プログラム74は、例えば操縦装置29に電源が投入されたことに基づいて、表示処理を開始する。まず、制御プログラム74は、センサ群26の各センサが出力する検出値を、数十m秒や数百m秒などの所定の時間間隔で取得する(S11)。また、制御プログラム74は、メモリ72に記憶されたワイヤ掛数を読み出して取得する(S11)。
フローチャートには示されていないが、制御プログラム74は、例えば取得した検出値に基づいてアウトリガ81、82及びジャッキ88、89が駆動されたと判断したことに基づいて、ブーム22やウインチ23、24の駆動の制限を解除する。また、制御プログラム74は、例えば取得した検出値に基づいてブーム22の先端部が係止部材14の直上となる位置までブーム22が起立されて展開作業が終了したと判断したことに基づいて、旋回台21の旋回の制限を解除する。
制御プログラム74は、ステップS11で取得した検出値に基づいて、制御画面に表示するための定格重量等の算出を実行する(S12からS15)。まず、制御プログラム74は、ステップS11で取得した検出値に基づいて、ブーム22の先端部からフックブロック30までのワイヤ41の長さである吊下長さL1、及びブーム22の先端部からサブフック33までのワイヤ42の長さである吊下長さL2を算出して取得する(S12)。
図11は、吊下長さL1及び吊下長さL2を示す図である。
吊下長さL1は、例えばブーム22の先端部からフック32の下端までの距離である。吊下長さL2は、例えば ブーム22の先端部からサブフック33の下端までの距離である。もっとも、ブーム22の先端部からフック32やサブフック33の上端や中間までの距離が吊下長さL1、L2とされてもよい。
制御プログラム74は、ブーム22が縮小され且つ倒伏された格納状態からのワイヤ41、42の繰り出し長さ(巻下量)を、当該格納状態から現時点までにドラムセンサ64、65が出力した総パルス数に基づいて算出する。そして、制御プログラム74は、ブーム長さセンサ62が検出したブーム長さと、起伏角度センサ63が検出したブーム22の起伏角度とに基づいて、吊下長さL1及び吊下長さL2を算出する。
次に、制御プログラム74は、図9が示すように、ステップS11で取得した検出値に基づいて、定格重量を特定して取得する(S12)。具体的には、制御プログラム74は、旋回角センサ61、ブーム長さセンサ62、及び起伏角度センサ63が検出した旋回角度、ブーム長さ、及び起伏角度と、ステップS11で取得したワイヤ掛数と、メモリ72に記憶された性能テーブルとを用いて、定格重量を特定して取得する。
次に、制御プログラム74は、巻上リセット位置及び巻下リセット位置をメモリ72から読み出す(S13)。巻上リセット位置及び巻下リセット位置は、ステップS19等においてフック移動量の算出に用いられる。また、巻上リセット位置及び巻下リセット位置は、後述のステップS34(図10参照)においてメモリ72に記憶される。なお、例えば地面を示す高さ位置が巻上リセット位置及び巻下リセット位置の初期値としてメモリ72に予め記憶される。
次に、制御プログラム74は、ステップS11で取得した検出値に基づいて、ブーム22の先端部の高さ位置を算出する(S14)。例えば、制御プログラム74は、ブーム22の基端(旋回台21の上面)を高さ位置の基準とする場合、ブーム長さセンサ62が検出したブーム長さにsinθに乗じてブーム22の先端部の高さ位置を算出する。「θ」は、起伏角度センサ63が検出したブーム22の起伏角度である。或いは、制御プログラム74は、ジャッキ88、89の当接位置(地面)を高さ位置の基準とする場合、ブーム長さセンサ62が検出したブーム長さにsinθに乗じて得た値に所定値を加算してブーム22の先端部の高さ位置を算出する。所定値は、ジャッキ88、89の下端からブーム22の基端までの高さに相当する値であり、クレーン車10の種類に応じた固有の値としてメモリ72に予め記憶される。ステップS14の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「位置取得処理」に相当する。
制御プログラム74は、算出したブーム22の先端部の高さ位置に基づいて巻上限界位置(地上揚程)を算出する(S14)。ステップS14の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「巻上限界位置特定処理」に相当する。
次に、制御プログラム74は、表示設定をメモリ72から読み出して取得する(S15)。表示設定は、例えば、フックブロック30のフック移動量の表示を指定する設定や、サブフック33のフック移動量の表示を指定する設定や、巻上リセット位置を基準としたフック移動量の表示を指定する設定や、巻下リセット位置を基準としたフック移動量の表示を指定する設定などである。
制御プログラム74は、取得した表示設定において、フックブロック30が指定されているか、サブフック33が指定されているかを判断する(S16)。制御プログラム74は、フックブロック30が指定されていると判断すると(S16:フックブロック)、ステップS16において取得した表示設定において、「巻上」が指定されているか、「巻下」が指定されているかを判断する(S17)。
制御プログラム74は、「巻上」が指定されていると判断すると(S17:巻上)、巻上リセット位置を基準とした現在のフックブロック30の高さ位置(フック移動量)を、読み出した巻上リセット位置と、ステップS12で算出した吊下長さL1、L2(図11参照)と、ステップS14で算出したブーム22の先端部の高さ位置とに基づいて算出する(S18)。
制御プログラム74は、ステップS11で取得した旋回台21の旋回角度、ブーム22の長さ、ブーム22の起伏角度、及び吊荷重量や、ステップS12で取得した定格重量や、ステップS18で算出したフック移動量を制御画面フォーマット(図4参照)に入力して制御画面データを生成する(S19)。
また、制御プログラム74は、ステップS13でメモリ72から読み出した巻上リセット位置及びステップS14で算出した巻上限界位置をオブジェクトフォーマット(図4参照)に入力し、オブジェクトデータを生成する(S20)。
制御プログラム74は、ステップS17において「巻下」が指定されていると判断すると(S17:巻下)、巻下リセット位置を基準とした現在のフックブロック30の高さ位置(フック移動量)を、読み出した巻下リセット位置と、ステップS12で算出した吊下長さL1、L2(図11参照)と、ステップS14で算出したブーム22の先端部の高さ位置とに基づいて算出する(S21)。
制御プログラム74は、ステップS19と同様にして制御画面データを生成する(S22)。また、制御プログラム74は、ステップS13でメモリ72から読み出した巻下リセット位置及びステップS14で算出した巻上限界位置をオブジェクトフォーマット(図4参照)に入力し、オブジェクトデータを生成する(S23)。ステップS20、S23の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第1表示オブジェクト生成処理」或いは「第2表示オブジェクト生成処理」に相当する。
制御プログラム74は、ステップS16においてサブフック33が指定されていると判断すると(S16:サブフック)、ステップS16において取得した表示設定において、「巻上」が指定されているか、「巻下」が指定されているかを判断する(S24)。
制御プログラム74は、「巻上」が指定されていると判断すると(S24:巻上)、巻上リセット位置を基準とした現在のサブフック33の高さ位置(フック移動量)を、読み出した巻上リセット位置と、ステップS12で算出した吊下長さL1、L2と、ステップS14で算出したブーム22の先端部の高さ位置とに基づいて算出する(S25)。
制御プログラム74は、ステップS19と同様にして制御画面データを生成する(S26)。また、制御プログラム74は、ステップS13でメモリ72から読み出した巻上リセット位置及びステップS14で算出した巻上限界位置をオブジェクトフォーマット(図4参照)に入力し、オブジェクトデータを生成する(S27)。
制御プログラム74は、ステップS24において「巻下」が指定されていると判断すると(S24:巻下)、巻下リセット位置を基準とした現在のサブフック33の高さ位置(フック移動量)を、読み出した巻下リセット位置と、ステップS12で算出した吊下長さL1、L2と、ステップS14で算出したブーム22の先端部の高さ位置とに基づいて算出する(S28)。
制御プログラム74は、ステップS19と同様にして制御画面データを生成する(S29)。ステップS19、S22、S26、S29の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「制御画面生成処理」に相当する。
また、制御プログラム74は、ステップS13でメモリ72から読み出した巻下リセット位置及びステップS14で算出した巻上限界位置をオブジェクトフォーマット(図4参照)に入力し、オブジェクトデータを生成する(S30)。ステップS27、S30の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第2表示オブジェクト生成処理」或いは「第1表示オブジェクト生成処理」に相当する。
制御プログラム74は、ステップS20、S23、S27、S30の実行後、図10が示すように、ステップS19或いはS22或いはS26或いはS29で生成した制御画面データを制御モニタ75のディスプレイ76に入力し、制御画面を制御モニタ75に表示させる(S31)。ステップS31の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第1表示処理」に相当する。
また、制御プログラム74は、ステップS20或いはS23或いはS27或いはS30で生成したオブジェクトデータを、カメラ44から入力した監視画像データとともに監視モニタ78に入力する(S32)。すなわち、制御プログラム74は、オブジェクト35が重ねられた監視画像を監視モニタ78に表示させる。オブジェクト35がフックブロック30についてのフック移動距離を示す場合、ステップS32の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第2表示処理」或いは「第3表示処理」に相当する。オブジェクト35がサブフック33についてのフック移動距離を示す場合、ステップS32の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第3表示処理」或いは「第2表示処理」に相当する。
一方、オペレータは、巻上リセット位置や巻下リセット位置の設定を行う場合、ウインチ23やウインチ24を操作してフックブロック30やサブフック33を所定の位置にした後、制御モニタ75のタッチセンサ77を通じてリセット入力を行う。
制御プログラム74は、リセット入力が行われたか否かを判断する(S33)。制御プログラム74は、リセット入力が行われたと判断すると(S33:Yes)、巻上リセット位置或いは巻下リセット位置を算出し、算出した巻上リセット位置或いは巻下リセット位置をメモリ72に記憶させる(S34)。具体的には、制御プログラム74は、ステップS12で取得した吊下長さL1、L2と、ステップS14で算出したブーム22の先端部の高さ位置とに基づいて、フックブロック30或いはサブフック33の高さ位置を算出し、算出した高さ位置を、オペレータによる「巻上」或いは「巻下」の指定に基づいて巻上リセット位置或いは巻下リセット位置とする。なお、ブーム22が伸縮及び起伏されずに固定された状態でウインチ23、24が駆動される場合、ブーム22の先端部の高さ位置は不変である。その場合、フックブロック30或いはサブフック33の高さ位置ではなく、リセット入力が行われたときまでにメインドラムセンサ64或いはサブドラムセンサ65がカウントしたパルス数がリセット位置(リセットカウント値)としてメモリ72に記憶されてもよい。制御プログラム74は、現在までにカウントした総パルス数とリセットカウント値との差に基づいて、フックブロック30或いはサブフック33の高さ位置の変化量(フック移動量)を算出する。
ステップS34の処理は、本発明の特許請求の範囲に記載された「基点取得処理」に相当する。リセット入力が行われたときのフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置は、本発明の特許請求の範囲に記載された「基点位置」に相当する。オペレータが「巻上」を指定した場合のフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第1基点位置」或いは「第2基点位置」に相当する。オペレータが「巻下」を指定した場合のフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第2基点位置」或いは「第1基点位置」に相当する。フックブロック30或いはサブフック33における巻上リセット位置を基準とした高さ位置(フック移動量)は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第1高さ位置」に相当する。フックブロック30或いはサブフック33における巻下リセット位置を基準とした高さ位置(フック移動量)は、本発明の特許請求の範囲に記載された「第2高さ位置」に相当する。
制御プログラム74は、ステップS33においてリセット入力が行われていないと判断すると(S33:No)、ステップS34の処理をスキップする。
オペレータは、巻上時のフック移動量から巻下時のフック移動量に表示を切り替えたり、使用するフックをフックブロック30からサブフック33に切り替えたりする場合、制御モニタ75のタッチセンサ77を通じて、表示設定を新たに設定する。
制御プログラム74は、表示設定が新たに設定されたか否かを判断する(S35)。制御プログラム74は、表示設定が新たに設定されたと判断すると(S35:Yes)、新たな表示設定をメモリ72に記憶させる(S36)。一方、制御プログラム74は、表示設定が新たに設定されていないと判断すると(S35:No)、ステップS36の処理をスキップする。
制御プログラム74は、制御モニタ75や監視モニタ78の表示を終了するか否かを判断する(S37)。制御プログラム74は、例えばエンジン15が停止されたり、操縦装置29の電源がオフにされたことなどに基づいて、表示を終了すると判断する。制御プログラム74は、表示を終了しないと判断すると(S37:No)、ステップS11(図9参照)以降の処理を再度実行する。すなわち、ステップS11以降の処理は、表示が終了するまで繰り返し実行される。例えば、数十m秒から数百m秒などの所定の時間間隔でステップS11以降の処理が繰り返し実行される。制御プログラム74は、表示を終了すると判断すると(S37:Yes)、表示処理を終了する(END)。
[実施形態の作用効果]
オペレータは、例えば制御画面に表示された吊荷重量や定格重量や現在のブーム22の長さや起伏角度や旋回角度などの制御情報を確認しながら旋回台21やブーム22を駆動させる。一方、オペレータは、ウインチ23、24を駆動させる場合、監視モニタ78に表示された監視画像によって、吊荷43の挙動をリアルタイムで視認(監視)しながら操縦装置29の操作を行う。オペレータは、吊荷がブーム22の先端部から大きく離れた場合、監視画像に表示されたオブジェクト35である縦グラフによって吊荷の詳細な高さ位置(フック移動量)を確認する。すなわち、オペレータは、吊荷の挙動をリアルタイムで監視しつつフックブロック30やサブフック33の詳細な高さ位置(フック移動量)を数値で確認することができる。その結果、安全で円滑なクレーン作業が可能となる。
制御プログラム74は、表示設定が「巻上」である場合、巻上リセット位置を基準としたフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)を監視画像に表示し、表示設定が「巻下」である場合、巻下リセット位置を基準としたフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)を監視画像に表示する。したがって、巻上リセット位置を基準としたフック移動量と、巻下リセット位置を基準としたフック移動量とのうち、オペレータが希望する方のフック移動量を監視画像に表示することができる。
フックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)と、巻上限界位置とが監視画像に表示されるから、あとどれくらいワイヤ41、42の巻き上げが可能であるかをオペレータは容易に認識することができる。
地面の高さ位置を示す数値「0」が監視画像に表示されるから、フックブロック30或いはサブフック33の高さ位置と地面との位置関係をオペレータは容易に認識することができる。
制御プログラム74は、表示設定が「フックブロック」である場合、リセット位置を基準としたフックブロック30の高さ位置(フック移動量)を監視画像に表示し、表示設定が「サブフック」である場合、リセット位置を基準としたサブフック33の高さ位置(フック移動量)を監視画像に表示する。したがって、フックブロック30のフック移動量と、サブフック33のフック移動量とのうち、オペレータが希望する方のフック移動量を監視画像に表示することができる。
[変形例]
本変形例では、図8(A)が示すオブジェクト35に代えて、図8(B)が示すオブジェクト45が監視画像に表示される。オブジェクト45は、巻上限界位置を示す数値と、フックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)を示す数値と、リセット位置を示す第1マーク46と、地面の高さ位置を示す第2マーク47と、地面を基準としたリセット位置の高さ位置を示す文字及び数値と、を有する。
図8(B)に示す例では、リセット位置を示す第1マーク46は、三角形の図形であり、リセット位置の高さ位置を示す文字及び数値は「リセット位置:-20.00m」である。
オペレータは、例えば、地面よりも20mだけ下方に載置された吊荷にフックブロック30或いはサブフック33が取り付けられた時にリセット入力を行う。制御プログラム74は、吊荷の載置位置を基準としたフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)を示す数値、及び吊荷の載置位置を示す第1マーク46を監視画像に表示させる。したがって、表示されるフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)が、どの位置を基準位置とした数値であるかをオペレータに容易に認識させることができる。また、リセット位置が地面を基準としてどの高さ位置になるかをオペレータに容易に認識させることができる。
[その他の変形例]
実施形態では、巻上リセット位置を基準としたフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)を制御画面及び監視画像に表示するか、巻下リセット位置を基準としたフックブロック30或いはサブフック33の高さ位置(フック移動量)を制御画面及び監視画像に表示するかの表示設定をオペレータが行う例が説明された。もっとも、巻上リセット位置と巻下リセット位置とのいずれを基準とした高さ位置(フック移動量)の表示を行うかを制御プログラム74が自動で決定してもよい。例えば、制御プログラム74は、ウインチ23、24がワイヤ41、42を巻き上げていることに応じて巻上リセット位置を基準としたフック移動量を制御画面及び監視画像に表示し、ウインチ23、24がワイヤ41、42を巻き下げていることに応じて巻下リセット位置を基準としたフック移動量を制御画面及び監視画像に表示する。
実施形態では、ドラムセンサ64、65によってワイヤ41、42の巻上量及び巻下量や、フックブロック30やサブフックの高さ位置などを検出及び算出する例が説明された。もっとも、ドラムセンサ64、65に代えて、カメラや3次元レーザセンサやドップラセンサなどの他の検出装置が用いられてもよい。当該他の検出装置は、例えば旋回台21や運転室13に取り付けられ、取付位置からフックブロック30或いはサブフック33までの距離や仰角など、フックブロック30やサブフックの高さ位置を算出可能な検出値を出力する。
クレーン車10は、ジブ19(図1参照)をさらに備えていてもよい。ジブ19は、ブーム22の側面及び先端部にそれぞれ着脱自在である。ジブ19は、必要に応じてブーム22の側面から取り外されてブーム22の先端部に取り付けられる。カメラ44は、ブーム22の先端部及びジブ19の先端部にそれぞれ着脱自在とされる。ジブ19がブーム22の先端部に装着された場合、フックブロック30及びサブフック33は、ジブ19の先端部から吊り下げられ、かつカメラ44がジブ19の先端部に取り付けられる。この場合、ジブ19の先端部は、本発明の特許請求の範囲に記載された「吊下先端部」に相当する。
実施形態では、クレーン車10がメインウインチ23とサブウインチ24との2つのウインチを備える例が説明された。もっとも、クレーン車10は、1つのウインチのみを備えていてもよい。
実施形態では、クレーン装置12が走行体11に搭載されてクレーン車として使用される例が説明された。もっとも、クレーン装置12は、作業現場に固定設置されてもよい。