JP2023069525A - 電極材料の製造方法、電極材料及び二次電池 - Google Patents

電極材料の製造方法、電極材料及び二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質に対する導電助剤の量が少なくても優れた充放電特性を達成できる電極材料の製造方法、電極材料及び二次電池の提供。【解決手段】活物質粒子と、イオン性基を持つ第1の物質と、を含む第1の混合物と、カーボン粒子と、第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む第2の混合物と、を水中で混合することを含む、電極材料の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、電極材料の製造方法、電極材料及び二次電池に関する。
リチウムイオン電池等の二次電池は、モバイル機器、電気自動車等の様々な分野の電源に利用されている。近年、硫黄を正極活物質として用いる二次電池(リチウム硫黄電池)の研究が盛んに行われている。硫黄はリチウムイオン電池の正極活物質として一般的に用いられるレアメタル酸化物に比べて5倍以上の理論容量(1672mAhg-1)を有し、資源的にも豊富である。一方、硫黄を活物質として用いると、二次電池の充放電過程で反応中間体である多硫化リチウムが生じ、これが電解液に溶出することによるサイクル特性の低下が問題とされている。
硫黄を活物質として用いる二次電池のサイクル特性を改善する方策として、特許文献1には硫黄を炭素に化学結合させて固定したものを活物質として用いることにより電解液への硫黄成分の溶出を抑制することが提案されている。
特許第6441462号
特許文献1に記載された活物質を用いた二次電池はサイクル特性が改善される一方で、活物質の導電性を補うために炭素粉等の導電助剤を併用する必要がある。
二次電池のエネルギー密度を高めるためには、導電助剤の量を減らして活物質の電極に占める割合を増やすことが望ましい。そこで本開示は、活物質に対する導電助剤の量が少なくても優れた充放電特性を達成できる電極材料の製造方法、電極材料及び二次電池を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>活物質粒子と、イオン性基を持つ第1の物質と、を含む第1の混合物と、カーボン粒子と、第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む第2の混合物と、を水中で混合することを含む、電極材料の製造方法。
<2>前記活物質粒子及び前記カーボン粒子の少なくとも一方は界面活性剤で処理されている、<1>に記載の電極材料の製造方法。
<3>前記活物質粒子は硫黄を含む、<1>又は<2>に記載の電極材料の製造方法。
<4>前記活物質粒子は硫黄、炭素及び酸素を含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
<5>前記電極材料に含まれる前記活物質粒子と前記カーボン粒子との質量割合は50:50~95:5である、<1>~<4>のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
<6>活物質粒子と、カーボン粒子と、前記活物質粒子の表面に存在するイオン性基を持つ第1の物質と、前記カーボン粒子の表面に存在する第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む、電極材料。
<7>請求項6に記載の電極材料を含む、二次電池。
本開示によれば、活物質に対する導電助剤の量が少なくても優れた充放電特性を達成できる電極材料の製造方法、電極材料及び二次電池が提供される。
電極材料のゼータ電位測定データを示すグラフである。 実施例で得た電極のSEM画像である。 比較例で得た電極のSEM画像である。 評価用電池の充放電曲線を示すグラフである。 評価用電池の充放電曲線を示すグラフである。 評価用電池のサイクル安定性を示すグラフである。 評価用電池のサイクル安定性を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
<電極材料の製造方法>
本開示の電極材料の製造方法は、活物質粒子と、イオン性基を持つ第1の物質と、を含む第1の混合物と、カーボン粒子と、第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む第2の混合物と、を水中で混合することを含む。
上記方法により製造される電極材料は、導電助剤としてのカーボン粒子の活物質粒子に対する量が少なくても優れた充放電特性を発現する。この理由は下記のように推測される。
第1の混合物に含まれる活物質粒子の表面には、イオン性基を持つ第1の物質が付着しており、第2の混合物に含まれるカーボン粒子の表面には、第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質が付着している。このため、第1の混合物と第2の混合物とを水中で混合すると、活物質粒子の表面に付着している第1の物質のイオンと、カーボン粒子の表面に付着している第2の物質のイオンとの間で静電的な相互作用が生じ、活物質粒子の表面にカーボン粒子が静電吸着によって付着する。
上記方法によれば、活物質粒子にバインダー等を用いてカーボン粒子を付着させる方法に比べ、活物質粒子に効率よくカーボン粒子を付着させることができる。その結果、より少ない量のカーボン粒子で活物質粒子の導電性を向上でき(すなわち、電極に占める活物質粒子の割合を高くでき)、優れた電池性能を達成できる。
本発明者らの検討の結果、上記方法により製造された電極材料を二次電池に適用することで、二次電池のエネルギー密度を効果的に増大できることがわかった。さらに、上記方法によれば、導電性が低く高速で充放電できない活物質粒子であっても高速での充放電を可能にできることがわかった。
本開示の方法で使用する活物質粒子の種類は、特に制限されない。
活物質粒子として具体的には、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物、硫黄、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料、金属シリコン、ケイ素酸化物、高分子活物質などが挙げられる。
本開示の方法で使用する活物質粒子は、1種のみでも2種以上であってもよい。
本開示の方法によれば、導電性を持たないか、導電性が小さい活物質粒子にも効率よくカーボン粒子を付着させることができ、充放電特性を改善することができる。
活物質粒子は硫黄を含むものであってもよく、硫黄、炭素及び酸素を含むものであってもよい。
活物質粒子が硫黄を含んでいると、従来のリチウムイオン二次電池では達成できないような高容量の二次電池を得ることができる。
硫黄、炭素及び酸素を含む活物質粒子は、例えば、硫黄と有機化合物とを含む混合物を有機化合物が炭化する条件で熱処理して得ることができる。
上記方法により得られる活物質粒子は、有機化合物を熱処理して形成される炭化物の炭素と硫黄とが化学結合している状態である。このため、充放電時に生じる中間生成物の溶出が効果的に抑制され、優れたサイクル特性を達成できる。
本開示の方法で使用するカーボン粒子の種類は、活物質粒子の導電助剤として機能するものであれば特に制限されない。
カーボン粒子として具体的には、黒鉛、アセチレンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等が挙げられる。
本開示の方法で使用するカーボン粒子は、1種のみでも2種以上であってもよい。
本開示の方法で使用するイオン性基を持つ第1の物質及び第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質は、水中でイオンの状態になる物質であれば特に制限されない。
本開示において「イオン性基」とは、アニオン性基又はカチオン性基を意味する。「第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質」とは、第1の物質がカチオン性基を持つ場合にはアニオン性基を持つ物質を意味し、第1の物質がアニオン性基を持つ場合にはカチオン性基を持つ物質を意味する。
イオン性基を持つ物質が有するイオン性基の種類は、特に制限されない。
イオン性基として具体的には、スルホ基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、カルボキシ基等のアニオン性基、アミノ基、アンモニウム基等のカチオン性基、及びこれらの塩である基が挙げられる。
カチオン性基を持つ物質として具体的には、ポリ(ジアリルメチルアンモニウムクロリド)、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリ(ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルアクリル酸)共重合体等が挙げられる。
アニオン性基を持つ物質として具体的には、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの塩が挙げられる。
本開示の方法で使用するイオン性基を持つ物質の重量平均分子量は、特に制限されない。例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される重量平均分子量が5,000~500,000の範囲内であってもよく、10,000~300,000の範囲内であってもよく、50,000~250,000の範囲内であってもよい。
活物質粒子の表面に効率よくカーボン粒子を付着させる観点からは、イオン性基を持つ物質は高分子(ポリマー)であることが好ましい。
第1の混合物及び第2の混合物に含まれる活物質粒子及びカーボン粒子は、それぞれ独立に、界面活性剤で処理されたものであってもよい。
活物質粒子及びカーボン粒子を界面活性剤で処理することで、第1の混合物又は第2の混合物中の活物質粒子又はカーボン粒子の分散性が向上し、凝集、沈降等の発生を抑制できる。
界面活性剤として具体的には、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
第1の混合物及び第2の混合物を得る方法は、特に制限されない。
例えば、イオン性基を持つ物質を水に溶解し、得られた水溶液に活物質粒子又はカーボン粒子を混合して得てもよい。
第1の混合物及び第2の混合物は、それぞれ独立に、液状(ペースト状を含む)であっても固形状であってもよい。
第1の混合物と第2の混合物とを水中で混合する方法は、特に制限されない。
カーボン粒子を活物質粒子に効率よく付着させる観点からは、第1の混合物と第2の混合物との混合は、水中の固形分濃度が0.1質量%~5質量%となる範囲で行うことが好ましく、0.2質量%~3質量%となる範囲で行うことがより好ましく、0.25質量%~2質量%となる範囲で行うことがさらに好ましい。
第1の混合物に含まれる活物質粒子は、第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ物質であらかじめ処理されたものであってもよい。例えば、第1の混合物がカチオン性基を持つ物質を含む場合、活物質粒子はアニオン性基を持つ物質で処理されたものであってもよい。
第1の混合物に含まれる活物質粒子を第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ物質であらかじめ処理することで、活物質粒子の表面の電荷密度のムラを小さくでき、より均等にカーボン粒子を付着させることができる。
第2の混合物に含まれるカーボン粒子は、第2の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ物質であらかじめ処理されたものであってもよい。例えば、第2の混合物がアニオン性基を持つ物質を含む場合、カーボン粒子はカチオン性基を持つ物質であらかじめ処理されたものであってもよい。
カーボン粒子を第2の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ物質で処理することで、カーボン粒子の表面の電荷密度のムラを小さくでき、より均等に活物質粒子に付着させることができる。
本開示の方法において、電極材料に含まれる活物質粒子とカーボン粒子との質量比は、特に制限されない。例えば、活物質粒子とカーボン粒子との質量比(活物質粒子:カーボン粒子)は50:50~95:5であってもよく、60:40~90:10であってもよく、70:30~85:15であってもよい。
電極材料に含まれる活物質粒子とカーボン粒子との質量割合は、第1の混合物と第2の混合物との混合比等によって調整できる。
<電極材料>
本開示の電極材料は、活物質粒子と、カーボン粒子と、前記活物質粒子の表面に存在するイオン性基を持つ第1の物質と、前記カーボン粒子の表面に存在する第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む。
本開示の電極材料は、活物質粒子に対する導電助剤としてのカーボン粒子の量が少なくても優れた充放電特性を発現する。
本開示の電極材料に含まれる活物質粒子、カーボン粒子及びイオン性基を持つ物質の詳細及び好ましい態様は、上述した製造方法に使用される活物質粒子、カーボン粒子及びイオン性基を持つ物質の詳細及び好ましい態様と同様である。
本開示の電極材料は、例えば、上述した電極材料の製造方法によって製造できる。
<二次電池>
本開示の二次電池は、上述した本開示の電極材料を含む。
本開示において「二次電池」とは、充電を行うことにより繰り返し使用することができる電池全般を意味する。二次電池の種類は特に制限されず、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、アルミニウムイオン二次電池等が挙げられる。
本開示の二次電池において、電極材料は、例えば、結着材と混合した状態で金属箔等の集電体の上に電極層を形成するために用いる。
電極層中の電極材料の含有率は、特に制限されない。二次電池の高容量化の観点からは、電極層中の活物質粒子の含有率は60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
本開示の二次電池において、電極材料は正極の材料として用いられるものであっても負極の材料として用いられるものであってもよい。
ある実施態様では、本開示の二次電池は電極材料がリチウムイオンの正極活物質として用いられ、かつ硫黄を含む二次電池(リチウム硫黄電池)であってもよい。
以下、実施例により本開示をさらに具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例>
(1)活物質粒子の調製
特許第6441462号に記載の「実施例13」に従い、硫黄とポリエチレングリコールの炭化物とを含む活物質粒子(SPEG)を調製した。
(2)第1の混合物の調製
前処理として、SPEG(0.20344g)をデオキシコール酸ナトリウム水溶液(SDC、富士フィルム和光純薬(株)社、9.99mg/mL)(30mL)に投入し、スターラーで10分間撹拌した。その後10分間の超音波による分散を行い、遠心分離した後、上澄みを除去した。その後、蒸留水(30mL)の添加、撹拌、分散及び遠心分離からなる洗浄操作を2回繰り返した。
得られた固形物にポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液(PDDA、Sigma Aldrich社、重量平均分子量=100,000~200,000、9.60mg/mL)(30mL)を加え、撹拌、分散及び遠心分離を行い、上澄みを除去して第1の混合物を調製した。
(3)第2の混合物の調製
アセチレンブラック(AB、デンカ(株)社、プレス品)(0.04985g)に対し、第1の混合物と同様にSDC水溶液を用いて前処理を実施した。
次いで、得られた固形物にポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液(PDDA、Sigma Aldrich社、重量平均分子量=100,000~200,000、9.60mg/mL)(30mL)を加え、撹拌、分散及び遠心分離を行い、上澄みを除去した。
次いで、得られた固形物にポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)水溶液(PSS、Alfa Aesar社、重量平均分子量=70,000、10.07mg/mL)(30mL)を加え、撹拌、分散及び遠心分離を行い、上澄みを除去して第2の混合物を調製した。
(4)SPEG/AB複合体の調製
第1の混合物と第2の混合物を、電極中のSPEGとABの含有率が表1に記載の値となるように混合し、スターラーで1時間撹拌した。その後、遠心分離で上澄みを除去し、(2)と同様の洗浄操作を2回繰り返してSPEG/AB複合体を得た。
(5)表面電荷の測定
測定装置(堀場製作所、SZ-100)を用いて、第1の混合物に含まれるSPEG、第2の混合物に含まれるAB、及びSPEG/AB複合体のゼータ電位測定を行った。図1に示すように、第1の混合物に含まれるSPEGは正(73mV)に帯電し、第2の混合物に含まれるABは負(-128mV)に帯電していた。また、SPEG/AB複合体のゼータ電位は-40mVであった。このことから、SPEG/AB複合体はSPEGとABとが静電的に吸着した状態であることがわかった。
(6)電極の作製
SPEG/AB複合体及び結着剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を質量比9:1となるように配合し、蒸留水を加えて密閉した。その後、自公転式撹拌機(シンキー社製ARE-310)を用いて撹拌し、電極スラリーを得た。得られた電極スラリーをアルミニウム箔(厚さ20μm)の上に塗工し、50℃で12時間の減圧乾燥を行って、電極を得た。
電極の表面のSEM(走査電子顕微鏡)画像を図2に示す。SPEG粒子の表面にAB粒子が付着している様子と、SPEG粒子間の隙間をAB粒子が埋めるように付着している様子が観察された。
<比較例>
無処理の(上記(2)~(4)の処理を行っていない)SPEG及びABと、結着剤(ポリイミド樹脂)とを表1に示す割合となるように配合し、N-メチルピロリドン(NMP)を加えてボールミルで粉砕混合して電極スラリーを得た。得られた電極スラリーをアルミニウム箔(厚さ20μm)の上に塗工し、180℃で12時間の減圧乾燥を行って、比較例1~3の電極を得た。
比較例1で作製した電極の表面のSEM画像を図3に示す。図2と異なり、SPEG粒子の表面にAB粒子が付着している様子は観察されず、SPEG粒子間にもAB粒子は観察されなかった。
<充放電試験>
実施例及び比較例で作製した電極とリチウム金属をそれぞれ正極及び負極とし、電解液としてリチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)、テトラグライム(G4)及び1,1,2,2-テトラフルオロエチル 2,2,3,3-テトラフルオロプロピルエーテル(HFE)をモル比で1:1:4となるように混合した溶液を用い、セパレーターとしてポリプロピレンフィルムを用いて、CR2032型電池を作製した。作製した電池を用いて、温度30℃、電圧範囲1~3V、レート0.01C及び0.05C(1C=1672mA/g、定電流モード)の条件で充放電試験を行った(放電開始)。1サイクル目、2サイクル目、5サイクル目及び10サイクル目(実施例1は8サイクル目)の結果を表1に示す。
Figure 2023069525000002
表1に示すように、実施例で作製した電池の初期放電容量は、0.01Cのとき(実施例1)は922mAh/gであり、0.05Cのとき(実施例2)は444mAh/gであった。
無処理のSPEGを実施例の72質量%とほぼ同じ割合(75質量%)で含む比較例1の電池は、高速充放電の条件下(0.05C)では電池として作動しなかった。
無処理のSPEGを用いて実施例と同程度の初期放電容量を0.05Cの条件で達成するためには、SPEGの割合を46質量%まで減らす必要があった(比較例2)。
無処理のSPEGの割合を80質量%としたときの0.01Cでの初期放電容量は533mAh/g(比較例3)であり、SPEGの割合が実施例より大きいにも関わらず、実施例よりもエネルギー密度(平均電圧と電池容量の積から求められる)が小さかった。
実施例1と比較例2の5サイクル経過後の放電容量を用いて計算したエネルギー密度を比較すると、実施例1のエネルギー密度は比較例2の約3倍であった。
<電池性能の比較>
実施例1における1サイクル目と8サイクル目の充放電曲線を図4に示す。図4に示すように、1サイクル目の平均電圧(放電曲線と充電曲線の交点)は約1.9Vであった。また、電池の内部抵抗に起因する過電圧(分極)は、8サイクル経過後で約0.3Vであった。
比較例2における1サイクル目と10サイクル目の充放電曲線を図5に示す。図5に示すように、1サイクル目の平均電圧は約1.6Vであり、プラトー領域はほとんど見られなかった。放電容量は、実施例と比べると約半分であった。10サイクル経過後、平均電圧の上昇は見られたものの、放電容量は300mAh/g以下であった。また、電池の内部抵抗に起因する過電圧は約0.7Vであった。
<サイクル安定性及びレート特性の比較>
0.01Cで充放電を実施した実施例1及び比較例3のサイクル安定性を図6に示す。図6に示すように、実施例1の方が比較例3よりもSPEGの配合割合が少ないにも関わらず、エネルギー密度が大きかった。
0.05Cで充放電を実施した実施例2、比較例1及び比較例2のサイクル安定性を図7に示す。図7に示すように、実施例2と同量のSPEGを含む比較例1は電池として作動しなかった。

Claims (7)

  1. 活物質粒子と、イオン性基を持つ第1の物質と、を含む第1の混合物と、
    カーボン粒子と、第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む第2の混合物と、
    を水中で混合することを含む、電極材料の製造方法。
  2. 前記活物質粒子及び前記カーボン粒子の少なくとも一方は界面活性剤で処理されている、請求項1に記載の電極材料の製造方法。
  3. 前記活物質粒子は硫黄を含む、請求項1又は請求項2に記載の電極材料の製造方法。
  4. 前記活物質粒子は硫黄、炭素及び酸素を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
  5. 前記電極材料に含まれる前記活物質粒子と前記カーボン粒子との質量割合は50:50~95:5である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
  6. 活物質粒子と、
    カーボン粒子と、
    前記活物質粒子の表面に存在するイオン性基を持つ第1の物質と、
    前記カーボン粒子の表面に存在する第1の物質のイオン性基と反対のイオン性基を持つ第2の物質と、を含む、電極材料。
  7. 請求項6に記載の電極材料を含む、二次電池。
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