JP2023067498A - エンジン - Google Patents

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Yutaka Masuda
健太 宮内
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Abstract

【課題】燃焼速度を速める。【解決手段】エンジン100は、燃焼室108と、燃焼室108と連通する吸気流路200または燃焼室108に設けられるアンモニア噴射弁112と、燃焼室108に設けられる非アンモニア燃料噴射弁114と、圧縮行程において非アンモニア燃料噴射弁114に第1燃料噴射を行わせ、第1燃料噴射の後に非アンモニア燃料噴射弁114に第2燃料噴射を行わせる2段噴射制御を実行する制御装置116と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、エンジンに関する。
従来、エンジンに関する種々の提案がなされている。例えば、特許文献1に開示されているように、エンジンの燃料としてアンモニアを用いる技術が提案されている。エンジンの燃料としてアンモニアを用いることによって、二酸化炭素の排出が抑制される。
特開2020-148198号公報
ところで、アンモニアは、他の燃料と比べると燃焼しにくい性質である難燃性を有する。ゆえに、エンジンの燃料としてアンモニアを用いる場合、燃焼速度が遅くなり、筒内圧が低くなってしまうおそれがある。よって、燃焼速度を速めることが望ましい。
本開示の目的は、燃焼速度を速めることが可能なエンジンを提供することである。
上記課題を解決するために、本開示のエンジンは、燃焼室と、燃焼室と連通する吸気流路または燃焼室に設けられるアンモニア噴射弁と、燃焼室に設けられる非アンモニア燃料噴射弁と、圧縮行程において非アンモニア燃料噴射弁に第1燃料噴射を行わせ、第1燃料噴射の後に非アンモニア燃料噴射弁に第2燃料噴射を行わせる2段噴射制御を実行する制御装置と、を備える。
制御装置は、吸気温度が基準温度より低い場合に、2段噴射制御を実行してもよい。
制御装置は、燃焼室への空気の供給量に対するアンモニアの供給量の比であるアンモニア当量比が基準当量比より低い場合に、2段噴射制御を実行してもよい。
制御装置は、2段噴射制御において、燃焼室での燃焼が不安定であると判定される場合、燃焼室での燃焼が不安定であると判定されない場合と比べて、第1燃料噴射および第2燃料噴射の少なくとも一方の噴射量を大きくしてもよい。
本開示によれば、燃焼速度を速めることができる。
図1は、本開示の実施形態に係るエンジンの構成を示す模式図である。 図2は、本開示の実施形態に係る制御装置が行う非アンモニア燃料噴射弁の制御モードの設定に関する第1の処理例の流れを示すフローチャートである。 図3は、本開示の実施形態に係る制御装置が行う非アンモニア燃料噴射弁の制御モードの設定に関する第2の処理例の流れを示すフローチャートである。 図4は、本開示の実施形態に係る2段噴射制御における非アンモニア燃料およびアンモニアの噴射タイミングの一例を示す図である。 図5は、本開示の実施形態に係る2段噴射制御が行われた場合の筒内圧の推移の一例を示す図である。 図6は、本開示の実施形態に係る制御装置が行う2段噴射制御における第1燃料噴射の噴射量の設定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態に係るエンジン100の構成を示す模式図である。図1では、理解を容易にするために、1つの気筒のみが示されている。ただし、エンジン100には、複数の気筒が設けられ得る。図1では、吸気ポート104a、排気ポート104b、アンモニア噴射弁112および非アンモニア燃料噴射弁114が、同一断面上に図示されている。ただし、吸気ポート104a、排気ポート104b、アンモニア噴射弁112および非アンモニア燃料噴射弁114は、同一断面上に位置しなくてもよい。
図1に示すように、エンジン100は、シリンダライナ102、シリンダヘッド104、および、ピストン106を備える。ピストン106は、シリンダライナ102内に収容される。シリンダライナ102、シリンダヘッド104およびピストン106によって、燃焼室108が形成される。
シリンダヘッド104には、吸気ポート104aおよび排気ポート104bが形成される。吸気ポート104aおよび排気ポート104bは、燃焼室108に開口する。吸気弁110aは、吸気ポート104aのうち、燃焼室108側の開口を開閉する。排気弁110bは、排気ポート104bのうち、燃焼室108側の開口を開閉する。吸気弁110aおよび排気弁110bの開閉動作は、不図示のカムシャフトの回転に伴って行われる。
吸気ポート104aには、吸気流路200を形成する配管が接続される。吸気流路200は、エンジン100の燃焼室108と連通する。吸気流路200には、燃焼室108に供給される空気である吸気が流通する。吸気流路200の上流側の端部には、空気が外部から取り込まれる不図示の吸気口が設けられる。吸気口から吸気流路200に取り込まれた吸気は、吸気ポート104aを介して、燃焼室108に流入する。吸気ポート104aは、吸気流路200のうちの下流側の端部に相当する。吸気ポート104aは、吸気流路200に含まれる。
排気ポート104bには、排気流路300を形成する配管が接続される。排気流路300は、エンジン100の燃焼室108と連通する。排気流路300には、燃焼室108から排出された排気ガスが流通する。排気流路300の下流側の端部には、排気ガスが外部に排出される不図示の排気口が設けられる。燃焼室108から排気ポート104bを介して排気ガスが排出される。排気ポート104bから排出された排気ガスは、排気流路300を流通し、排気口から排出される。排気ポート104bは、排気流路300のうちの上流側の端部に相当する。排気ポート104bは、排気流路300に含まれる。
アンモニア噴射弁112は、燃料として用いられるアンモニアの供給源と接続される。アンモニアの供給源は、例えば、不図示のアンモニアタンク等である。図1の例では、アンモニア噴射弁112は、吸気流路200のうち吸気ポート104aより上流側に設けられる。アンモニア噴射弁112の先端部は、吸気ポート104aに臨む。ただし、アンモニア噴射弁112は、吸気ポート104aに設けられてもよい。アンモニア噴射弁112は、アンモニアを燃料ガスとして吸気ポート104aに噴射する。アンモニア噴射弁112からは、気体のアンモニアが噴射される。このように、エンジン100は、アンモニアを燃料として用いるエンジンである。
ただし、アンモニア噴射弁112は、燃焼室108に設けられてもよい。この場合、アンモニア噴射弁112は、例えば、燃焼室108内に臨むようにシリンダヘッド104に設けられ、アンモニアを燃焼室108内に直接噴射する。この場合、アンモニア噴射弁112からは、気体または液体のアンモニアが噴射される。
非アンモニア燃料噴射弁114は、アンモニア以外の燃料である非アンモニア燃料の供給源と接続される。非アンモニア燃料としては、例えば、軽油が用いられる。この場合、非アンモニア燃料の供給源は、例えば、不図示の軽油タンク等である。ただし、非アンモニア燃料として重油等の軽油以外の燃料が用いられてもよい。非アンモニア燃料噴射弁114は、燃焼室108に設けられる。図1の例では、非アンモニア燃料噴射弁114は、燃焼室108内に臨むようにシリンダヘッド104に設けられ、非アンモニア燃料を燃焼室108内に直接噴射する。非アンモニア燃料噴射弁114からは、例えば、液体の非アンモニア燃料が噴射される。
アンモニアは、他の燃料と比べると燃焼しにくい性質である難燃性を有する。ゆえに、エンジン100では、燃焼室108における燃焼性を確保するために、燃料として、アンモニアに加えて非アンモニア燃料が用いられる。
エンジン100は、4サイクルエンジンである。吸気行程において、アンモニア噴射弁112からアンモニアが噴射され、吸気弁110aが開弁し、排気弁110bが閉弁した状態になる。ピストン106が下死点に向かい、吸気ポート104aから燃焼室108に吸気およびアンモニアが吸入される。圧縮行程において、吸気弁110aおよび排気弁110bが閉弁した状態になる。ピストン106が上死点に向かい、燃焼室108内の混合気が圧縮される。ピストン106が上死点近傍に到達したタイミングで、非アンモニア燃料噴射弁114から非アンモニア燃料が噴射され、燃焼室108における燃焼性が高められる。それにより、燃焼室108内の混合気が着火されて燃焼する。膨脹行程において、ピストン106が下死点側に押圧される。排気行程において、吸気弁110aが閉弁し、排気弁110bが開弁した状態になる。ピストン106が上死点に向かい、燃焼後の排気ガスが排気ポート104bを通って燃焼室108から排出される。
エンジン100では、吸気行程、圧縮行程、膨脹行程および排気行程からなる1燃焼サイクル中に非アンモニア燃料が上記のように1回噴射される1段噴射制御と、1燃焼サイクル中に非アンモニア燃料が2回噴射される2段噴射制御とが切り替えて実行される。2段噴射制御では、圧縮行程において、ピストン106が上死点近傍に到達するタイミングに加え、当該タイミングよりも前のタイミングで非アンモニア燃料が噴射される。本実施形態では、2段噴射制御が実行されることによって、後述するように、燃焼速度を速めることができる。
エンジン100は、制御装置116を備える。制御装置116は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む。制御装置116は、エンジン100の各装置の動作を制御する。例えば、制御装置116はアンモニア噴射弁112および非アンモニア燃料噴射弁114の動作を制御する。
また、制御装置116は、各センサから情報を取得する。例えば、吸気流路200には、吸気温度センサ202と、吸気圧力センサ204とが設けられる。吸気温度センサ202は、吸気流路200における吸気の温度である吸気温度を検出する。吸気温度は外気温と略一致するので、例えば、外気温を検出するセンサが吸気温度センサ202として用いられ得る。吸気温度センサ202は、吸気流路200に設けられてもよく、吸気流路200以外の箇所に設けられてもよい。吸気圧力センサ204は、吸気流路200における吸気の圧力である吸気圧力を検出する。例えば、吸気圧力センサ204は、吸気流路200のうち不図示のインテークマニホールド内に設けられ得る。
上述したように、制御装置116は、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを、1段噴射制御と2段噴射制御との間で切り替える。1段噴射制御では、制御装置116は、圧縮行程において、ピストン106が上死点近傍に到達するタイミングで非アンモニア燃料噴射弁114に燃料噴射を行わせる。2段噴射制御では、制御装置116は、圧縮行程において、ピストン106が上死点近傍に到達するタイミングに加え、当該タイミングよりも前のタイミングで非アンモニア燃料噴射弁114に燃料噴射を行わせる。2段噴射制御における1回目の燃料噴射を第1燃料噴射と呼び、2段噴射制御における2回目の燃料噴射を第2燃料噴射と呼ぶ。
制御装置116は、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくいと判断される場合に、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを2段噴射制御に設定し、2段噴射制御を実行する。一方、制御装置116は、燃焼室108内における燃料が着火しやすいと判断される場合には、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを1段噴射制御に設定し、1段噴射制御を実行する。以下、図2および図3を参照して、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードの設定に関する第1の処理例および第2の処理例を説明する。
図2は、本実施形態に係る制御装置116が行う非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードの設定に関する第1の処理例の流れを示すフローチャートである。例えば、図2に示される制御フローは、予め設定された時間間隔で繰り返し実行される。
図2に示される制御フローが開始されると、ステップS101において、制御装置116は、吸気温度を取得する。吸気温度は、例えば、吸気温度センサ202から取得され得る。
次に、ステップS102において、制御装置116は、吸気温度が基準温度より低いか否かを判定する。ここで、吸気温度が低いほど、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくくなる。基準温度は、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくいと判断できる程度に低い温度に設定される。吸気温度が基準温度より低い場合、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくい状況になる。
吸気温度が基準温度以上であると判定された場合(ステップS102/NO)、ステップS103に進む。ステップS103において、制御装置116は、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを1段噴射制御に設定し、図2に示される制御フローは終了する。
一方、吸気温度が基準温度より低いと判定された場合(ステップS102/YES)、ステップS104に進む。ステップS104において、制御装置116は、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを2段噴射制御に設定し、図2に示される制御フローは終了する。
図3は、本実施形態に係る制御装置116が行う非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードの設定に関する第2の処理例の流れを示すフローチャートである。例えば、図3に示される制御フローは、予め設定された時間間隔で繰り返し実行される。
図3の第2の処理例では、上述した図2の第1の処理例と比較して、ステップS101およびステップS102がステップS201およびステップS202に置き換えられている点が異なる。
図3に示される制御フローが開始されると、ステップS201において、制御装置116は、アンモニア当量比を取得する。アンモニア当量比は、エンジン100の燃焼室108への空気の供給量に対するアンモニアの供給量の比である。制御装置116は、例えば、吸気圧力センサ204の検出結果に基づいて、燃焼室108への空気の供給量を推定できる。よって、制御装置116は、燃焼室108への空気の供給量の推定結果と、アンモニア噴射弁112のアンモニア噴射量とに基づいて、アンモニア当量比を算出できる。なお、制御装置116は、例えば、エンジン100の出力に基づいて、アンモニア噴射量を決定する。このように決定したアンモニア噴射量が、アンモニア当量比の算出に用いられ得る。
次に、ステップS202において、制御装置116は、アンモニア当量比が基準当量比より低いか否かを判定する。ここで、アンモニア当量比が低いほど、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくくなる。基準当量比は、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくいと判断できる程度に低い当量比に設定される。アンモニア当量比が基準当量比より低い場合、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくい状況になる。
アンモニア当量比が基準当量比以上であると判定された場合(ステップS202/NO)、ステップS103に進む。ステップS103において、制御装置116は、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを1段噴射制御に設定し、図3に示される制御フローは終了する。
一方、アンモニア当量比が基準当量比より低いと判定された場合(ステップS202/YES)、ステップS104に進む。ステップS104において、制御装置116は、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードを2段噴射制御に設定し、図3に示される制御フローは終了する。
図4は、本実施形態に係る2段噴射制御における非アンモニア燃料およびアンモニアの噴射タイミングの一例を示す図である。図4では、1燃料サイクルにおける各行程の期間が、クランク角により示されている。図4の例では、吸気行程の期間は、クランク角度で大凡0°から180°までの期間である。圧縮行程の期間は、クランク角度で大凡180°から360°までの期間である。膨脹行程の期間は、クランク角度で大凡360°から540°までの期間である。排気行程の期間は、クランク角度で大凡540°から720°までの期間である。
図4中の期間T1が、アンモニア噴射弁112によるアンモニア噴射が行われる期間である。図4に示すように、制御装置116は、吸気行程中においてアンモニア噴射弁112にアンモニア噴射を行わせる。なお、期間T1は、例えば、非アンモニア燃料噴射弁114の制御モードが1段噴射制御である場合と、2段噴射制御である場合とで、共通である。
図4中の期間T2が、非アンモニア燃料噴射弁114による第1燃料噴射が行われる期間である。図4に示すように、制御装置116は、圧縮行程において非アンモニア燃料噴射弁114に第1燃料噴射を行わせる。期間T2は、例えば、圧縮行程の前半に含まれる期間である。例えば、期間T2は、クランク角度で大凡180°から270°までの期間に含まれる期間である。
図4中の期間T3が、非アンモニア燃料噴射弁114による第2燃料噴射が行われる期間である。図4に示すように、制御装置116は、第1燃料噴射の後に非アンモニア燃料噴射弁114に第2燃料噴射を行わせる。期間T3は、例えば、圧縮行程のうち、ピストン106が上死点近傍に到達するタイミングである。
制御装置116は、例えば、エンジン100の出力に基づいて、1燃焼サイクルにおける非アンモニア燃料の総噴射量の目標値を決定する。そして、制御装置116は、第1燃料噴射の噴射量と第2燃料噴射の噴射量との合計値が総噴射量の目標値と一致するように、第1燃料噴射の噴射量と、第2燃料噴射の噴射量とをそれぞれ決定する。ここで、第1燃料噴射の噴射量と、第2燃料噴射の噴射量との比率は、適宜設定され得る。例えば、第1燃料噴射の噴射量と、第2燃料噴射の噴射量との比率は、1:1であってもよい。
上記のように、本実施形態では、制御装置116は、圧縮行程において非アンモニア燃料噴射弁114に第1燃料噴射を行わせ、第1燃料噴射の後に非アンモニア燃料噴射弁114に第2燃料噴射を行わせる2段噴射制御を実行する。それにより、圧縮行程において、第1燃料噴射が行われることによって、燃焼室108内で、吸気およびアンモニアからなる混合気に対して非アンモニア燃料がさらに混合される。そして、第2燃料噴射で噴射される非アンモニア燃料を着火源として、燃焼室108内の混合気が着火されて燃焼する。このように、着火される燃焼室108内の混合気に非アンモニア燃料が含まれるようにしておくことで、混合気の燃焼性を高め、火炎の伝播にかかる時間を短縮できる。ゆえに、燃焼速度を速めることができる。
図5は、本実施形態に係る2段噴射制御が行われた場合の筒内圧の推移の一例を示す図である。図5では、図4と同様に、1燃料サイクルにおける各行程の期間が、クランク角により示されている。なお、図5中の破線は、1段噴射制御が行われた場合の筒内圧の推移の一例である。
上述したように、2段噴射制御が行われる場合、第2燃料噴射で噴射される非アンモニア燃料を着火源として、燃焼室108内の混合気が着火されて燃焼する。ゆえに、図5中で実線により示すように、筒内圧は、圧縮行程の終わり際から上昇し始める。そして、筒内圧は、膨張行程の開始直後付近でピークを取る。ここで、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくい状況において1段噴射制御が行われた場合、図5中で破線により示すように、筒内圧は、2段噴射制御が行われる場合と比べて、全体的になだらかに上昇および下降する。そして、筒内圧のピークは、2段噴射制御が行われる場合と比べて低くなる。
図5中で破線により示すように、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくい状況では、着火される燃焼室108内の混合気に非アンモニア燃料が含まれないと、燃焼速度が遅くなることに起因して筒内圧が低くなる。一方、本実施形態によれば、2段噴射制御が行われることによって、燃焼速度を速めることができるので、図5中で実線により示すように、筒内圧が高まる。
上述した図2の第1の処理例では、制御装置116は、吸気温度が基準温度より低い場合に、2段噴射制御を実行する。上述した図3の第2の処理例では、制御装置116は、アンモニア当量比が基準当量比より低い場合に、2段噴射制御を実行する。第1の処理例および第2の処理例のいずれの例においても、燃焼室108内における燃料の着火が起きにくいと判断される場合に、2段噴射制御が行われることによって、燃焼速度を速めることができる。一方、燃焼室108内における燃料が着火しやすいと判断される場合には、1段噴射制御が行われることによって、非アンモニア燃料の噴射量が不必要に多くなることが抑制される。それにより、二酸化炭素の排出量を低減できる。
なお、制御装置116は、2段噴射制御を実行する条件として、吸気温度が基準温度より低いこと、および、アンモニア当量比が基準当量比より低いことの双方を用いてもよい。例えば、制御装置116は、吸気温度が基準温度より低く、かつ、アンモニア当量比が基準当量比より低い場合に、2段噴射制御を実行してもよい。例えば、制御装置116は、吸気温度が基準温度より低いこと、および、アンモニア当量比が基準当量比より低いことのいずれか一方が満たされている場合に、2段噴射制御を実行してもよい。
上記では、図4を参照して、2段噴射制御において、第2燃料噴射が圧縮行程中に行われる例を説明した。ただし、第2燃料噴射は、膨張行程において行われてもよい。例えば、第2燃料噴射は、膨張行程のうち、ピストン106が上死点に到達した直後のタイミングで行われてもよい。
上記では、図4を参照して、第1燃料噴射が行われる期間T2の例を説明した。ここで、第1燃料噴射が行われる期間T2は、ピストン106が下死点に到達したタイミングから時間間隔を空けて開始されることが好ましい。それにより、第1燃料噴射により噴射された非アンモニア燃料がシリンダライナ102に付着し、燃焼室108内で過度に早いタイミングで着火が生じることが抑制される。なお、制御装置116は、第1燃料噴射のタイミングを、エンジン100の出力、吸気温度、または、吸気圧力等の各種パラメータに基づいて変化させてもよい。
ここで、制御装置116は、燃焼室108内での燃焼速度をさらに適正化するために、2段噴射制御における第1燃料噴射および第2燃料噴射の少なくとも一方の噴射量を調整する処理を行ってもよい。以下、図6を参照して、このような処理の例を説明する。
図6は、本実施形態に係る制御装置116が行う2段噴射制御における第1燃料噴射の噴射量の設定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、図6に示される制御フローは、上述した図2に示される制御フロー、または、図3に示される制御フローに対して、並列的または逐次的に実行される。例えば、図6に示される制御フローは、予め設定された時間間隔で繰り返し実行される。
図6に示される制御フローが開始されると、ステップS301において、制御装置116は、燃焼室108での燃焼が不安定であるか否かを判定する。例えば、制御装置116は、エンジン100の回転数または出力が過度に大きく変動している場合に、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定してもよい。例えば、制御装置116は、吸気温度が過度に低い場合に、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定してもよい。このように、制御装置116は、エンジン100の回転数もしくは出力等のエンジン100の運転状態、または、吸気温度に基づいて、燃焼室108での燃焼が不安定であるか否かを判定し得る。
燃焼室108での燃焼が不安定であると判定されない場合(ステップS301/NO)、ステップS302に進む。ステップS302において、制御装置116は、第1燃料噴射の噴射量を第1の量に設定し、図6に示される制御フローは終了する。
一方、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定された場合(ステップS301/YES)、ステップS303に進む。ステップS303において、制御装置116は、第1燃料噴射の噴射量を第2の量に設定し、図6に示される制御フローは終了する。
上記の第2の量は、上記の第1の量よりも大きい。例えば、第1燃料噴射の噴射量によらず第2燃料噴射の噴射量が一定である場合、第1燃料噴射の噴射量が第2の量に設定されている時の非アンモニア燃料の総噴射量は、第1燃料噴射の噴射量が第1の量に設定されている時の非アンモニア燃料の総噴射量と比べて大きくなる。
上記のように、図6の例では、制御装置116は、2段噴射制御において、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定される場合、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定されない場合と比べて、第1燃料噴射の噴射量を大きくする。それにより、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定される場合に、着火される燃焼室108内の混合気に含まれる非アンモニア燃料の量が多くなる。ゆえに、このような場合に、混合気の燃焼性をより高め、燃焼速度をより適切に速めることができる。
上記では、2段噴射制御において、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定される場合、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定されない場合と比べて、第1燃料噴射の噴射量が大きくなる例を説明した。ただし、制御装置116は、2段噴射制御において、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定される場合、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定されない場合と比べて、第1燃料噴射の噴射量ではなく第2燃料噴射の噴射量を大きくしてもよく、第1燃料噴射および第2燃料噴射の双方を大きくしてもよい。つまり、制御装置116は、2段噴射制御において、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定される場合、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定されない場合と比べて、第1燃料噴射および第2燃料噴射の少なくとも一方を大きくしてもよい。それにより、燃焼室108での燃焼が不安定であると判定される場合に、燃焼室108内に供給される非アンモニア燃料の量が多くなる。ゆえに、混合気の燃焼性をより高め、燃焼速度をより適切に速めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
本開示は、例えば、国際連合が主導する持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の目標7.「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する。」に貢献することができる。
100 エンジン
108 燃焼室
112 アンモニア噴射弁
114 非アンモニア燃料噴射弁
116 制御装置
200 吸気流路

Claims (4)

  1. 燃焼室と、
    前記燃焼室と連通する吸気流路または前記燃焼室に設けられるアンモニア噴射弁と、
    前記燃焼室に設けられる非アンモニア燃料噴射弁と、
    圧縮行程において前記非アンモニア燃料噴射弁に第1燃料噴射を行わせ、前記第1燃料噴射の後に前記非アンモニア燃料噴射弁に第2燃料噴射を行わせる2段噴射制御を実行する制御装置と、
    を備える、
    エンジン。
  2. 前記制御装置は、吸気温度が基準温度より低い場合に、前記2段噴射制御を実行する、
    請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記制御装置は、前記燃焼室への空気の供給量に対するアンモニアの供給量の比であるアンモニア当量比が基準当量比より低い場合に、前記2段噴射制御を実行する、
    請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 前記制御装置は、前記2段噴射制御において、前記燃焼室での燃焼が不安定であると判定される場合、前記燃焼室での燃焼が不安定であると判定されない場合と比べて、前記第1燃料噴射および前記第2燃料噴射の少なくとも一方の噴射量を大きくする、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のエンジン。
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