JP2023065396A - 神経変性疾患における転倒および転倒頻度に関連する処置のための組成物および方法 - Google Patents

神経変性疾患における転倒および転倒頻度に関連する処置のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患などの神経変性疾患を抱える患者における転倒関連症状を処置するための方法と組成物を提供する。【解決手段】被験体におけるすくみ足歩行(FOG)を減らす方法であって、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それによりFOGが減少する、工程を含む、方法である。【選択図】図3

Description

本件は、神経変性疾患における転倒および転倒頻度に関連する処置のための組成物および方法に関する。
パーキンソン病(パーキンソン病(Parkinson disease)、パーキンソン(Parkinson’s)、特発性パーキンソニズム、原発性パーキンソン症候群、PD、または振戦麻痺としても知られる)は、中枢神経系の変性障害である。パーキンソン病は、黒質といった中脳領域におけるドーパミン含有細胞の死滅によって生じるものであり、細胞死の原因は不明である。疾患の過程の初期段階では、最も明白な症状とは移動やバランスに関連するものであり、振盪、硬直、転倒、すくみ足歩行、動作緩慢、およびウォーキングや歩行の困難が挙げられる。主な運動症状は総じて、パーキンソニズム、すなわち「パーキンソン症候群」と称される。この疾患の症状は、α-シヌクレインと呼ばれるタンパク質が、ニューロン中のレーヴィ体と呼ばれる包含物へと蓄積すること、および、中脳の部分のある種のニューロンにて産生されるドーパミンの形成と活性が不十分であることを特徴とする。
引用による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願がそれぞれ引用によって組み込まれるよう具体的かつ個々に示されるかのように、引用によって本明細書に組み込まれるものである。
本明細書には、転倒の危険がある被験体の転倒の頻度を減らす方法が記載され、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより転倒の頻度が減少する、工程を含む。転倒の危険がある被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている場合がある。中枢神経系疾患または障害は、パーキンソン病の場合がある。ニコチンまたはその塩は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達する剤形でもよい。ニコチンまたはその塩の投与量は、被験体に1日当たり1~6回投与される場合がある。投与量は、1mg以下、2mg以下、4mg以下、6mg以下、または8mg以下でもよい。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができ、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを7.5ng/mLより上にすることができ、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを5ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約45~約90分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約300分後に血漿レベルを1.0ng/mL以下にすることができる。ニコチンまたはその塩は、経口、局所、頬側、経皮、または吸入による投与のために製剤される場合がある。転倒の頻度は、少なくとも20%減らすことができる。転倒は、すくみ足歩行(FOG)とは無関係の場合がある。転倒は、FOGまたはレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に関連する場合がある。FOGが減らされる場合がある。被験体のジスキネジア、ウォーキング、歩行、バランス、または姿勢の制御が改善される場合がある。認知機能関連症状が改善される場合がある。認知機能関連症状は、痴呆に関連する場合がある。被験体は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを使用して評価され得る。被験体はさらに、UPDRS Part IIIの項目30を使用して評価され得る。UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、およびUPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walkingは、被験体において変更されず、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団は被験体において改善される場合がある。
本明細書には、被験体におけるすくみ足歩行(FOG)を減らす方法が記載され、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それによりFOGが減少する、工程を含む。被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている場合がある。中枢神経系疾患または障害は、パーキンソン病の場合がある。ニコチンまたはその塩は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達する剤形でもよい。ニコチンまたはその塩の投与量は、被験体に1日当たり1~6回投与される場合がある。投与量は、1mg以下、2mg以下、4mg以下、6mg以下、または8mg以下でもよい。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができ、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを7.5ng/mLより上にすることができ、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを5ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約45~約90分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約300分後に血漿レベルを1.0ng/mL以下にすることができる。ニコチンまたはその塩は、経口、局所、頬側、経皮、または吸入による投与のために製剤される場合がある。FOGは、少なくとも20%減らすことができる。転倒の頻度が減らされる場合がある。転倒が予防される場合がある。転倒関連の合併症が減らされる場合がある。
本明細書には、被験体における姿勢の安定性を改善する方法が記載され、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより姿勢の安定性が改善される、工程を含む。姿勢の安定性は、転倒、すくみ足歩行(FOG)、またはジスキネジアに関連する場合がある。
本明細書には、転倒の危険がある被験体の転倒の頻度を減らす方法が記載され、該方法は、前記被験体にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニストを1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより転倒の頻度が減少する、工程を含む。
本明細書には、被験体の転倒を予防する方法が記載され、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより転倒が予防される、工程を含む。被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている場合がある。中枢神経系疾患または障害は、パーキンソン病の場合がある。ニコチンまたはその塩は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達する剤形でもよい。
本明細書には、被験体の認知疾患または障害を処置する方法が記載され、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程を含む。前記方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない場合がある。
本明細書には、ニコチンまたはその塩を含む多重微粒子製剤が記載され、該製剤は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~約8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達し、被験体に投与される全用量は、1日当たり24mg以下である。前記製剤は、被験体に1日当たり1~6回投与される場合がある。前記製剤は、6時間ごとに1mg以下、6時間ごとに2mg以下、6時間ごとに4mg以下、または6時間ごとに6mg以下を送達する場合がある。製剤を投与した結果、製剤投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。製剤を投与した結果、製剤投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができる。製剤を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができ、次いで、製剤投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。製剤を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを7.5ng/mLより上にすることができ、次いで、製剤投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約5ng/mL未満にすることができる。製剤を投与した結果、製剤投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを5ng/mLより上にすることができる。製剤を投与した結果、製剤投与の約45~約90分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができる。製剤を投与した結果、製剤投与の約300分後に血漿レベルを1.0ng/mL以下にすることができる。
本明細書には、以下を含むキットが記載される:(a)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回投与するための、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1mg以下のニコチンまたはその塩が投与ごとに投与される、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩;(b)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回投与するための、1つ以上の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩が2回以下、投与ごとに投与される、1つ以上の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩;(c)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回投与するための、1つ以上の第2の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩が4回以下、投与ごとに投与される、1つ以上の第2の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩;(d)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~4回投与するための、1つ以上の第3の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩が6回以下、投与ごとに投与される、1つ以上の第3の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩;および(e)ニコチンまたはその塩の投与量漸増のための指示書;ここで、投与のための全投与量は1日当たり24mg以下である。前記キットは、4週間にわたり1日あたり4回投与するための、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩を含むことができる。前記キットは、112mgのニコチンまたはその塩の用量を含むことができる。ニコチンまたはその塩は、経口投与のために製剤される場合がある。ニコチンまたはその塩は、溶液形態でもよい。ニコチンまたはその塩は、固体形態でもよい。ニコチンまたはその塩は、液体、ゲル、半液体、半固体、または固体の形態でもよい。
本明細書には、以下を含むキットが記載される:(a)約1~約4週間の第1の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第1の投与量のニコチンまたはその塩であって、第1の投与量は約1mgである、第1の投与量のニコチンまたはその塩;(b)約1~約4週間の第2の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第2の投与量のニコチンまたはその塩であって、第2の投与量は約2mgである、第2の投与量のニコチンまたはその塩;(c)随意に、約1~約4週間の第3の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第3の投与量のニコチンまたはその塩であって、第3の投与量は約4mgである、第3の投与量のニコチンまたはその塩;(d)随意に、約1~約4週間の第4の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第4の投与量のニコチンまたはその塩であって、第4の投与量は約6mgである、第4の投与量のニコチンまたはその塩;および(e)ニコチンまたはその塩の投与量漸増のための指示書;ここで、投与のための全投与量は1日当たり24mg以下である。第1の投与量は、1日当たり1~6回投与される場合がある。第2の投与量は、1日当たり1~6回投与される場合がある。第3の投与量は、1日当たり1~6回投与される場合がある。第4の投与量は、1日当たり1~4回投与される場合がある。第1の期間と第2の期間との間の時間は、約1~約4週間でもよい。第2の期間と第3の期間との間の時間は、約1~約4週間でもよい。第3の期間と第4の期間との間の時間は、約1~約4週間でもよい。第1の期間と第4の期間との間の時間は、約10週間以下でもよい。
本明細書には、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する方法が記載され、該方法は、(a)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回、出発投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、出発投与量は約1mgである、工程;(b)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回、第1の漸増投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、第1の漸増投与量のニコチンまたはその塩は約2mgである、工程;(c)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回、第2の漸増投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、第2の漸増投与量のニコチンまたはその塩は約4mgである、工程;(d)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~4回、第3の漸増投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、第3の漸増投与量のニコチンまたはその塩は約6mgである、工程;および(e)1つ以上のパラメータを測定する工程を含み、ここで、投与のための全投与量は1日当たり24mg以下である。1つ以上のパラメータは有害事象の場合がある。被験体は、研究室検査、精神評価検査、または身体評価検査を用いて1つ以上のパラメータを測定される場合がある。前記方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない場合がある。
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲に説明される。本発明の特徴と利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを参照することによって得られる。
パーキンソン病を抱える被験体の転倒関連症状を検査および評価するための方法を例示する。 パーキンソン病を抱える被験体の転倒関連症状の処置におけるニコチンまたはその塩の有効性を評価するタイムラインを例示する。 経皮パッチ(15mg/16時間)、経頬ガム(4mg、1時間ごとの投与と仮定)、または経口錠剤(3mg、4mg、または6mg)によるものを含む、異なる様式でのニコチン投与の薬物動態プロファイルを例示する。 対照で処置したサルとニコチンで処置したサルにおけるY軸上のジスキネジアのレーティング/時点およびX軸上の時間(分)のグラフを例示する。 対照で処置したサルとニコチンで処置したサルにおけるOFF L-dopa(X軸上の左のバー)とON L-dopa(X軸上の右のバー)に対するパーキンソン病のレーティングのグラフを例示する。 第2相安全性および耐容性試験設計の概要を例示する。 第2相試験スケジュールの概要を例示する。 PH非依存性の多重微粒子剤形を例示する。コーティングの基質は、薬物含有層に白色で示される。速度制御ポリマーは、薬物含有層の上に重なって層をなしている。 即時放出(三角形)、遅延放出(正方形)、および2つのパルス薬物放出プロファイル(円形)の薬物放出プロファイルを例示する。 PKサンプリングスケジュールの概要を例示する。 即時放出(三角形)および遅延放出(正方形)の薬物放出プロファイルを例示する。 単回投与量のニコチンPKプロファイルのグラフを例示する。 2つのパルス修飾剤形の仮定上のニコチンPKプロファイルを例示する。 ニコチン修飾した放出カプセル12mg(6mgのIRと6mgのDR)の標的2-パルスPKプロファイルのグラフである。 ニコチンの遅延したインビトロ溶出パフォーマンスの評価のための決定木を例示する。 異なるタイプの身体活動を含む7日間の活動を例示する。 7日の期間中の非活動状態(sedentary)と活動運動を例示する。 軽度、中程度、活発、および非常に活発な活動などの様々な活動を含む7日間の活動レベルを例示する。 睡眠に関連する様々な活動を例示する。 処置期間(10週、x軸)の終わりにNP002(左のバー)またはプラセボ(右のバー)を投与された患者における、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)のPart IIにより評価される、すくみ足歩行(FOG)とは無関係の転倒の減少のグラフを例示する。Y軸は、転倒の減少を経験する患者のパーセンテージ(%)を示す。 処置期間(10週、x軸)の終わりにNP002(左のバー)またはプラセボ(右のバー)を投与された患者における、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)のPart IIにより評価される、すくみ足歩行(FOG)の減少のグラフを例示する。Y軸は、FOGの減少を経験する患者のパーセンテージ(%)を示す。 処置期間(10週、x軸の終わりにNP002左のバー)またはプラセボ(右のバー)を投与された患者における、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)サブテストのPart IIにより評価されるような歩行の減少のグラフを例示する。Y軸は、歩行の改善を示す。
本明細書で使用されるように、用語「姿勢の不安定性」(PI)は、バランス欠如を指す。
本明細書に記載されるように、用語「バランス」は、座っているまたは立っている間、および姿勢を変える間に身体を真っ直ぐ維持しようと務める、多重システム機能を指す。
本明細書で使用されるように、用語「ゼロ次放出」は、ある放出期間中に剤形からの薬物の放出の一定またはほぼ一定の速度、すなわち、剤形中の薬物の濃度とは無関係の放出速度を指す。ゼロ次放出プロファイルを持つ剤形は、本明細書で「ゼロ次剤形」と称する。どのゼロ次剤形にも、最大限の治療効果をもたらしつつ副作用を最小限にするという利点がある。
用語「経口投与」は、本明細書で使用されるように、被験体に薬物の剤形を送達する形態を指し、剤形は被験体の口の中に入れられて、飲み込まれる。
本明細書中の用語「経口送達可能」は、経口投与に適していることを意味する。
用語「腸溶コーティング」は、本明細書で使用されるように、被験体への経口投与後に、胃液に耐性があり、かつ、腸溶コーティングを備えた剤形が胃から排出された後に溶解する、錠皮を指す。
本明細書で使用されるような用語「治療効果」は、治療利益および/または予防利益を包含する。治療利益は、処置されている根本的な障害の根絶または改善を意味する。同様に、治療利益は、患者が依然として基礎疾患による影響を受け得るにもかかわらず、患者の改善が観察されるような、基礎疾患に関連する生理学的症状の1つ以上の根絶または寛解により達成される。予防利益に関して、組成物は、疾患の診断が行われなくとも、特定の疾患を進行させる危険のある患者に、または疾患の生理学的な症状を1つ以上報告する患者に投与され得る。予防効果は、疾患または疾病の出現を遅らせるか排除すること、疾患または疾病の症状の発症を遅らせるか排除すること、疾患または疾病の進行を遅らせるか、停止させるか、または逆転させること、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいる。
用語「賦形剤」は、本明細書で使用されるように、被験体に治療薬を送達するために担体またはビヒクルとして使用される、または、その取り扱い、保管、崩壊、分散、溶解、放出、または官能的な特性を改善するために医薬組成物に添加される、または、経口投与に適切なカプセルまたは錠剤などの別個の製品へと組成物の投与量単位を形成することを可能にまたは容易にする、任意の物質を意味するが、それ自体は治療薬ではない。賦形剤としては、非限定的な例として、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、潤滑剤、滑剤、不快な味や香りを隠したり中和させるために添加される物質、着香料、染料、香料、および組成物の外観を整えるために添加される物質が挙げられる。
用語「pH非依存性放出」は、剤形が見出される環境のpHが、例えば酸性pHからさらに高いpHに変化したときにも変化しない剤形からの、薬物の放出速度を指す。用語「pH依存性放出」は、剤形が見出される環境のpHが、例えば酸性pHからさらに高いpHにしたときに変化する剤形からの、薬物の放出速度を指す。
用語「NC001」および「NP002」は、本明細書で使用されるように、酒石酸水素ニコチンを指し、互換的に使用できる。
用語「約」は、別段の定めのない限り、または文脈から明白でない限り、本明細書で使用されるように、明示された数、およびその数の+/-10%、または、ある範囲の列挙された値に対して列挙された下限の10%以下および列挙された上限の10%以上を意味すると理解される、数または数の範囲を指す。
様々な態様において、本開示は、神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)およびPD関連障害、アルツハイマー病(AD)、痴呆、筋萎縮性側索硬化症(ALS)またはルー・ゲーリッグ病、ハンチントン病(HD)、多発性硬化症、脊髄小脳失調(SCA)、脊髄筋萎縮症(SMA)、運動ニューロン疾患(MND)、およびプリオン病に関連する疾患を抱える個体の転倒関連症状を処置するための化合物、組成物、および方法に関する。いくつかの実施形態において、本開示は、治療上有効な量のニコチンまたはその塩、またはニコチン受容体モジュレータを、前記疾患を患う個体に投与することにより達成される。いくつかの実施形態において、本開示はまた、前記疾患を患う個体に投与するために製剤される、ニコチンまたはその塩、またはニコチン受容体モジュレータと、医薬担体とを含む、組成物に関する。本明細書に開示されるように、神経変性疾患を抱える個体に、治療上有効な量のニコチンまたはその塩、またはニコチン受容体モジュレータを投与することで、転倒の頻度が減り、転倒に関連する怪我の頻度が減り、転倒に関連する怪我の重症度が減り、姿勢の安定性が改善し、静的バランスが改善し、および歩行が改善するなど、転倒関連症状が減る。いくつかの実施形態において、被験体は、パーキンソン病(PD)またはPD関連障害を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体はドーパミン作動薬処置を受けている。
転倒とパーキンソン病
神経変性疾患を抱えていると、多くの場合に転倒する。転倒、特に再発性の転倒は、PDなどの神経変性疾患における身体障害の主な原因である(Temlett and Thompson, “Reasons for admission to hospital for Parkinson’s disease”, Intern Med J 36:524-526, July 7, 2006; Johnell et al., “Fracture risk in patients with parkinsonism: a population-based study in Olmsted County, Minnesota”, Age Aging 21: 32-38, January 1992)。転倒は、運動の欠如と緩慢、および姿勢の安定性(バランス)欠如により生じる。PDの初期(診断後1~5年以内)における転倒、単回の転倒は通常、運動の欠如と緩慢から生じ、大抵はドーパミン作動薬(例えばレボドパ、ドーパミンアゴニスト、およびB型モノアミン酸化酵素阻害剤)に反応する。転倒、再発性転倒、怪我を伴う転倒は通常、後期(診断後5年以上)に生じる。
転倒は、パーキンソン病(PD)患者にとって主要な危険である。転倒の大半は、運動の欠如と緩慢、および姿勢の安定性またはバランスの欠如により生じる。近年の研究で、PDを抱える人々には、単回の転倒または再発性転倒が生じることが多いと示されている(Lieberman et al, “Comparison of Parkinson disease patients who fell once with patients who fell more than once (Recurrent fallers)”, J. Alzheimers Dis Parkinsonism, 4(2) , March 15, 2014; doi: 10.4172/2161-0460.1000140)。高齢者において年に1回生じる転倒などの単回転倒は、基礎疾患に関連し、または偶発的なものである場合がある。年に1回より多く生じる転倒などの再発性転倒は、基礎疾患に関連する可能性が高い。再発性転倒はまた、怪我を引き起こし、または転倒に関連する怪我の重症度を増大させる。
再発性転倒を引き起こす人と知られている再発性転倒者は、PDの持続期間と重症度において、単回転倒を引き起こすまたは転倒しない人としられる単回転倒者および非転倒者とは大きく異なっている。再発性転倒者はまた、すくみ足歩行(FOG)、姿勢の不安定性(例えば「引っ張り検査」)、および静的バランス(例えば、片足で3秒以上立つことができない)において、単回転倒者および非転倒者とは大きく異なっている。
PDを抱える人は、PDを抱えていない人よりも頻繁に転倒する。単回転倒は、診断の1~5年以内にPDを抱える人に共通する。通常、単回転倒は、ドーパミン作動薬、例えばレボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、B型モノアミン酸化酵素阻害剤、およびアマンタジンで処置され得る。再発性転倒は、少なくとも5年間PDを抱えると診断された人に共通する。
PD初期の転倒はおそらく、運動の欠如と緩慢に起因する。運動の緩慢はドーパミン作動薬により矯正され、従って、PD初期の転倒はこの種の薬物により減らされる。PD後期(診断後5年以上)では、再発性転倒はこの種の薬物を用いても生じてしまう。PD後期の転倒はおそらく姿勢の安定性の欠如が原因で生じるものであり、姿勢の安定性の欠如は、ドーパミン作動薬に反応せず、または該薬物により悪化する恐れもある(Chen R Paradoxical worsening of gait with levodopa in Parkinson disease Neurology 2012 78: 446- 447, Hely MA, Morris GL, Wayne GJ Sydney Multicenter Study of Parkinson’s Disease: Non L-Dopa Responsive Problems Dominate at 15 Years Movement Disorders 20; 2005: 190- 199)。場合によっては、PD後期に転倒する人は、再発性転倒を抱えてしまい、時折、ドーパミン作動薬での処置によって悪化する恐れもある。
再発性転倒者のPDはさらに長期におよび、身体障害がさらに重くなる。そして、単回転倒者よりもパーキンソン病評価尺度(UPDRS)スコアが高い。非限定的な例として、再発性転倒者は、片足で3秒未満しか立てない可能性がおそらく高い。場合によっては、3秒未満しか立てないという能力を用いて、すくみ足歩行を行う、または行わない患者の再発性転倒を予測できる。再発性転倒者は、すくみ足歩行を行う可能性がおそらく高く、このことは、片足で3秒未満しか立てないという能力ほどではないが、再発性転倒の優れた予測因子として役立つ場合がある。一体的に、片足で3秒未満しか立てないという能力、およびすくみ足歩行は、歩行のサブテストよりも再発性転倒、およびUPDRSの姿勢の安定性(「引っ張り検査」)を予測する可能性が高い。
片足での3秒未満の直立検査とすくみ足歩行検査とに加えて、バーロウ神経学研究所のバランス尺度が、特に再発性転倒の予測に際して有益なUPDRS尺度の有益な追加物となり得る。
転倒の重症度は、医師の治療を必要とする転倒、または医師の治療を必要としない転倒として分類できる。通常、重度の転倒は、医師の治療を必要とし、かつ以下の基準で定義可能なものである:1)意識を喪失することなく床の上で転倒し、四肢すべてまたは頭が地面に当たっている;2)転倒発生時に助けが必要となる;3)関節を捻ったり、骨折が継続している。通常、PDを抱える人は、救急処置室または救急ケアセンターを訪問する場合がある。
単回転倒は、重度ではあるが、PDに部分的にしか関連せず、または関連しない場合がある。しかし、PD転倒が繰り返し生じてしまう患者もいる(Lieberman et al, “Comparison of Parkinson disease patients who fell once with patients who fell more than once (Recurrent fallers)”, J. Alzheimers Dis Parkinsonism, 4(2), March 15, 2014; doi: 10.4172/2161-0460.1000140; Lieberman A, “Falls in Parkinson disease: the relevance of short steps”, J Nov Physiother 4(3), April 18, 2014; doi:10.4172/2165-7025.1000209)。これら検査において、姿勢の安定性の欠如における役割が強調された。姿勢の安定性の欠如の基礎となる機構は、知られていない。しかし、中枢神経系(CNS)コリン作動系に対して注意が向けられる(Chung KA, Lobb BM, Nutt JG, Horak FB, “Effects of a central cholinesterase inhibitor on reducing falls in Parkinson disease”, Neurology 2010 75: 1263- 1269; September, 1, 2010)。
運動、例えば短距離の歩みは、単回転倒者に対して再発性転倒者において大きく減らされ、非転倒者に対して単回転倒者においてはあまり減らされない。運動ではなくバランスの欠如が、PDにおける転倒の主要因である。任意の理論に縛られないが、前脳基底部および前脳脚核(pre-peduncular nucleus)(PPN)におけるコリン作用性中心に関連するコリン作用性機構は、姿勢の安定性を維持する重要な役割、および転倒を予防または改善する重要な役割を果たすことができる。
NP002、すなわち中央コリン作用性アゴニストは近年、2010年10月8日出願の米国特許出願第12/901,354号に開示されるように、PDにおけるレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に対して可能な処置として評価された。NP002は小分子であり、通常は、パーキンソン病症状に影響を及ぼすことなくLIDを減らすために前臨床試験に示されている、経口利用可能なニコチン受容体アゴニストである。NP002はまた、姿勢の安定性の欠如により転倒するPD患者に有用な場合がある。
姿勢不安定性とバランス
姿勢の不安定性(PI)、またはバランスの欠如は、特に疾患重症度が進行したとき、特発性パーキンソン病(IPD)などのPD患者において一般的である(Bronte-Stewart et al., “Postural instability in idiopathic Parkinson’s disease: the role of medication and unilateral pallidotomy”, Brain 125: 2100-2114, September 2002)。不完全なバランス機構は、転倒関連の怪我、歩行パターンの制限、および移動度の減少に寄与する場合がある。これら身体障害により、機能的自主性の損失と社会的隔離が生じる。
バランスは、外部摂動中、および支持面または環境が変化するときに、身体を適切な配向に保ちつつ、自発的活動を行うのに必要とされる。Horak et al. (Horak et al., “Postural inflexibility in parkinsonian subjects”, J Neurol Sci 111: 46-58; 1992)は、バランスまたは姿勢の安定性には3つの異なるプロセスが必要と提唱した:(i)方向感覚(体知覚、視覚、および前庭)がCNSに関与し、かつその中に統合される、感覚統合;(ii)調整され、かつ適切に計測された神経筋反応の実行を必要とする運動調整プロセス;および(iii)それを通じてパランスの変化が達成される、筋肉の背景音(background tone)。
方向感覚の統合は、適応性のある階層システムであると理解される。空間に対する体位の感覚表現に対して2つの主な基準フレームがある。より低いレベルでは、方向入力の加重組み合わせは、姿勢筋の活動を直接媒介し、主に重心の水平方向中心(COG)位置を調節する(ボトムアップ統合)。より高いレベルでは、前庭入力により方向基準が得られ、これに対して、支持面および視覚方向における矛盾が識別され、入力の組み合わせはタスク条件に適合される(トップダウン統合)。姿勢の安定性に関して、より低いレベルからの情報は、より高いレベルの慣性重力基準と一貫していなければならず、どの矛盾する配向入力も、内部基準に一致するものを優先して迅速に抑えられなければならない。ゆえに、成人において、感覚統合プロセスは、より高いレベルの適応プロセスにより、より低いレベルへの/からの感覚入力の迅速な加重と再加重により、状況に特異的である。
PDにおける姿勢制御の臨床的測定値は通常、統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)などの、標準的な臨床評価尺度における項目から導き出される(Fahn S, Elton RL, members of the UPDRS Development Committee. Unified Parkinson’s Disease Rating Scale. In: Fahn S, Marsden C, Calne D, editors. Recent developments in Parkinson’s disease. Florham Park (NJ): Macmillan Healthcare Information; 1987. P. 153-163)。一般的に容認された姿勢不安定性および歩行障害(PIGD)のサブスコアは、転倒、ウォーキング、および麻痺に関連する過去の質問、および、推進引っ張りの後方突進(retropulsive)中に姿勢を変え、歩き、かつ平衡を維持する患者の能力の客観的評価を含む(Lozano et al., “Effect of GPi pallidotomy on motor function in Parkinson’s disease”, Lancet 346: 1383-1387; 1995)。
姿勢安定性またはバランスの評価にはMDS-UPDRS運動尺度の制限があり、132点のうちの24点のみが軸試験または中線試験に当てられる。補足的な手法として、姿勢安定性またはバランスの問題をより良く反映する試験が、ロンベルグ試験、回転検査、単脚起立検査、および継ぎ足歩行検査を利用してさらに評価される場合がある。
姿勢の不安定性(PI)、またはバランスの欠如は、特に疾患重症度が進行したとき、特発性パーキンソン疾患(IPD)などのPD患者において一般的である(Bronte-Stewart et al., “Postural instability in idiopathic Parkinson’s disease: the role of medication and unilateral pallidotomy”, Brain 125: 2100-2114, September 2002)。不完全なバランス機構は、転倒関連の怪我、歩行パターンの制限、および移動度の減少に寄与する場合がある。これら身体障害により、機能的自主性の損失と社会的隔離が生じる。
認知機能障害
姿勢および歩行の注意と制御との関係は、パーキンソン病(PD)患者において広く説明されている。前脳基底部と前脳脚核(PPN)におけるコリン作用性中心に関連するコリン作用性機構は、姿勢の安定性を維持する重要な役割を果たすという証拠が存在する。それらはまた、転倒を予防または改善する重要な役割を果たす。微細な歩行障害は、老化、および顕著な運動障害では知られていない痴呆症の(前臨床)亜型において観察でき、これにより歩行と認知との密接な関係が支持される。これら痴呆症の一例は、軽度認知機能障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆症、前頭側頭部の軽度認知機能障害、および前頭側頭型認知症である。
脳神経画像検査の所見は、認知力、歩行、および転倒リスクに関連し、白質変化は、高齢者の姿勢不安定性、歩行障害、および転倒に関連する場合がある。認知機能の欠損が因果経路にあり、それらが転倒のリスクを悪化させ、または適切な代償機構を妨げる場合、認知機能の改善は、少なくともある態様において、特に実行機能に依存するより困難な条件下で、歩行を改善し、転倒のリスクを減らすことができる。
多くの調査研究により、バランス制御のすべての態様が認知機能障害の重症度の増大と共に低下し、かつ実行機能がバランス制御の重要な役割を果たすことを示す発見が示されている。歩行機能障害が認知力を予測し、認知機能障害がPDにおける転倒の危険因子であることが、実証されている。脳内の様々な認知作用動作は、個々の神経細胞学的経路において局在化された無傷のニューロンのニコチン性アセチルコリン受容体(ニューロンnAChR)の機能である。アルツハイマー病型の痴呆症は、難解な認知機能障害とニューロンnAChR機能の欠如との相関の例を提示する。ニコチンは、統合失調症をおそらく欠いている認知力に関与する領域からのACh放出を調節する。これらの受容体が脳内の正常な認知作用動作に関係するという多くの証拠が存在する。
ニコチンは、認知力を増強し、かつ神経保護をもたらす能力を提示する。nACHRアゴニストは、アルツハイマー病や統合失調症、最も著しくはパーキンソン病における認知機能障害を処置するための治療薬として作用できる。PDが進行するにつれ、認知機能障害などの非運動性症状の処置は、運動性症状の処置よりも優先される。PDに関連付けられる病的状態や死亡の多くは、認知力を含む非運動態様、歩行、およびバランスに関連する。転倒や姿勢の不安定性は、パーキンソン病(PD)における主要な問題であり、歩行とは異なりドーパミン作用性置換に対して大部分に反応がない。転倒、転倒に関連する怪我、および転倒のおそれは、PDにおける主要な問題を提起する。姿勢の安定性の改善、および転倒の減少は、PD患者の生活を改善する。
ニコチン
一態様において、本開示は、神経変性疾患、例えばパーキンソン病やパーキンソン病関連疾患を抱える被験体における転倒関連症状のほか、認知機能症状も処置するために、ニコチンまたはその塩を利用する方法と組成物を提供する。本開示の詳細を本明細書に記載する。
ニコチンは、自然に単離かつ精製され、または任意の様式で合成することができる。この用語「ニコチン」はまた、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩または重硫酸塩、リン酸塩または酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩または酸性クエン酸塩、酒石酸または酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、樟脳酸塩、およびパモ酸塩などの、薬理学的に許容可能なアニオンを含む、一般的に生じる塩を包含するように意図される。ニコチンは、162.23の分子量を有する、無色から淡黄色、強アルカリ性、油性、揮発性、および吸湿性の液体である。ニコチンの系統名は(S)-3-[1-メチルピロリジン-2-イル]ピリジンであり、その構造は下記のとおりである。
Figure 2023065396000002
他に具体的に明記されていない限り、用語「ニコチン」はさらに、ニコチンと同様の薬物療法特性を示す、ニコチンの任意の薬理学的に許容可能な誘導体または代謝物を含む。そのような誘導体、代謝物、および代謝物の誘導体は当該技術分野で既知であり、限定されないが、コチニン、ノルコチニン、ノルニコチン、ニコチンN-オキシド、コチニンN-オキシド、3-ヒドロキシコチニンおよび5-ヒドロキシコチニン、またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。多くの有用なニコチン誘導体が、Physician’s Desk Reference(最新版)のほか、Harrison’s Principles of Internal Medicineにも開示されている。ニコチン誘導体およびアナログの産生の方法は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第4,590,278号;4,321,387号;4,452,984号;4,442,292号;および4,332,945号を参照。
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有する場合がある。ラセミ混合物や純粋なエナンチオマーなどのジアステレオマー混合物を含む異性体はすべて、本発明の一部として考慮される。
任意の1つの理論に縛られないが、1つの作用機構は、ニコチン受容体アゴニストに長く晒した後、ニコチン受容体は脱感作され、ニコチン受容体アゴニストはニコチン受容体アンタゴニストとして機能し始めるという機構であり得る。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体アゴニストは、ドーパミン作動薬により誘導される副作用を減らす、または排除するためのアンタゴニストとして機能する。
いくつかの実施形態において、本開示は、ニコチンを動物に投与するための組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、例えば、少なくとも約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99、99.5、99.9、または99.99%のニコチンを含有するニコチンの経口送達のために、ニコチンを動物に投与して神経変性障害の症状を減らすための組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、例えば、少なくとも約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99、99.5、99.9、または99.99%のニコチンを含有するニコチンの経口送達のために、ニコチンを動物に投与してドーパミン作動薬の副作用を減らすための組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99、99.5、99.9、99.99、または100%以下のニコチンを含有するニコチンの経口送達のための組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-100%のニコチン、約10-100%のニコチン、約20-100%のニコチン、約50-100%のニコチン、約80%-100%のニコチン、約90-100%のニコチン、約95-100%のニコチン、または約99-100%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-90%のニコチン、約10-90%のニコチン、約20-90%のニコチン、約50-90%のニコチン、または約80-90%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-75%のニコチン、約10-75%のニコチン、約20-75%のニコチン、または約50-75%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-50%のニコチン、約10-50%のニコチン、約20-50%のニコチン、約30-50%のニコチン、または約40-50%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-40%のニコチン、約10-40%のニコチン、約20-40%のニコチン、または約30-40%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-30%のニコチン、約10-30%のニコチン、または約20-30%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-20%、または約10-20%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1-10%のニコチンを含有する組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、約1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、または99%のニコチンを含有する組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、ニコチンの濃度は、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%w/w、w/v、またはv/v未満である。
いくつかの実施形態において、ニコチンの濃度は、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25% 15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、1.25%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%w/w、w/v、またはv/vを超える。
いくつかの実施形態において、ニコチンの濃度は、およそ0.0001%~およそ50%、およそ0.001%~およそ40%、およそ0.01%~およそ30%、およそ0.02%~およそ29%、およそ0.03%~およそ28%、およそ0.04%~およそ27%、およそ0.05%~およそ26%、およそ0.06%~およそ25%、およそ0.07%~およそ24%、およそ0.08%~およそ23%、およそ0.09%~およそ22%、およそ0.1%~およそ21%、およそ0.2%~およそ20%、およそ0.3%~およそ19%、およそ0.4%~およそ18%、およそ0.5%~およそ17%、およそ0.6%~およそ16%、およそ0.7%~およそ15%、およそ0.8%~およそ14%、およそ0.9%~およそ12%、およそ1%~およそ10%w/w、w/v、またはv/vの範囲である。
いくつかの実施形態において、ニコチンの濃度は、およそ0.001%~およそ10%、およそ0.01%~およそ5%、およそ0.02%~およそ4.5%、およそ0.03%~およそ4%、およそ0.04%~およそ3.5%、およそ0.05%~およそ3%、およそ0.06%~およそ2.5%、およそ0.07%~およそ2%、およそ0.08%~およそ1.5%、およそ0.09%~およそ1%、およそ0.1%~およそ0.9%w/w、w/v、またはv/vの範囲である。
いくつかの実施形態において、ニコチンの量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001g以下である。
いくつかの実施形態において、ニコチンの量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5g、3g、3.5g、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10g以上である。
ニコチン受容体モジュレータ
いくつかの実施形態において、本開示は、例えばドーパミン作動薬処置に関連する副作用を減らす、または排除するためにニコチン受容体モジュレータを利用する組成物と方法を提供する。ニコチン受容体モジュレータはアゴニストであり、またはアンタゴニストでもある。本開示の詳細を本明細書に記載する。
一態様において、用語「アゴニスト」は、本明細書で使用されるように、標的ポリペプチドの生物機能を開始または増強する能力を持つ分子を指す。従って、用語「アゴニスト」は、標的ポリペプチドの生物学的な役割のコンテキストにおいて定義される。本明細書中の好ましいアゴニストは特異的に標的と相互作用する(例えば、結合する)が、標的ポリペプチドがその一員であるシグナル伝達経路の他の員との相互作用により標的ポリペプチドの生物活性を増強する分子も、この定義内で特異的に含まれている。アゴニストとしては、本明細書で定められるように、限定されないが、抗体、抗体誘導体、抗体フラグメントおよび免疫グロブリン変異体、ペプチド、ペプチド模倣薬、単純または複雑な有機分子または無機分子、アンチセンス分子、オリゴヌクレオチドデコイ、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ビタミン誘導体、炭水化物、および毒素が挙げられる。
用語「アンタゴニスト」は、本明細書で使用されるように、標的ポリペプチドの生物機能を阻害する能力を持つ分子を指す。したがって、用語「アンタゴニスト」は、標的ポリペプチドの生物学的な役割の状況において定義される。本明細書中の好ましいアンタゴニストは特異的に標的と相互作用する(例えば、結合する)が、標的ポリペプチドがその一員であるシグナル伝達経路の他の員との相互作用により標的ポリペプチドの生物活性を阻害する分子も、この定義内で特異的に含まれている。アンタゴニストとしては、本明細書で定められるように、限定されないが、抗体、抗体誘導体、抗体フラグメントおよび免疫グロブリン変異体、ペプチド、ペプチド模倣薬、単純または複雑な有機分子または無機分子、アンチセンス分子、オリゴヌクレオチドデコイ、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ビタミン誘導体、炭水化物、および毒素が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、脳のニコチン受容体を調節する。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、線条体または黒質におけるニコチン受容体を調節する。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、少なくとも1つのαサブユニットを含むニコチン受容体、または少なくとも1つのαサブユニットと少なくとも1つのβサブユニットとを含むニコチン受容体を調節する。いくつかの実施形態において、αサブユニットは、α2、α3、α4、α5、α6、α7、α8、α9、およびα10から成る群から選択され、βサブユニットはβ2、β3、およびβ4から成る群から選択される。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、α4β2、α6β2、α4α6β2、α4β5β2、α4α6β2β3、α6β2β3、およびα4α2β2から成る群から選択されたサブユニットを含むニコチン受容体を調節する。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、α4、α6、およびα7から成る群から選択される少なくとも1つのサブユニットを含むニコチン受容体を調節する。
本開示のニコチン受容体アゴニストは、ニコチン受容体に結合してそれを活性化することで生体応答をもたらす、任意のリガンドでもよい。ある物質がニコチン受容体アゴニストとして作用する可能性は、インビトロ結合アッセイおよび/または標準のインビボの機能検査を用いて、判定することができる。
他のニコチン受容体アゴニストとしては、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、アセチルコリンの局所濃度を増大する)、ニコチン受容体のニューロン型(ムスカリン受容体への結合が減少している)に特異的に結合し、かつ有害な副作用が減少している、エピバチジンの誘導体が挙げられる(例えば、Epidoxidine、ABT-154、ABT418、ABT-594;Abbott Laboratories (Damaj et al. (1998) J. Pharmacol Exp. Then 284:1058 65, 効力は等しいがニコチン受容体のニューロン型への特異性が高いエピバチジンの様々なアナログを記載)。さらに、対象のニコチン受容体アゴニストとしては、限定されないが、コリンのN-メチルカルバミルおよびN-メチルチ-O-カルバミルエステル(例えば、トリメチルアミノエタノール)(Abood et al. (1988) Pharmacol. Biochem. Behay. 30:403 8)や、アセチルコリン(ニコチン受容体の内在性リガンド)などが挙げられる。
多数のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は身体全体にわたり存在する。nAChRα1β1、α3β4、およびα7nAChRは、末梢神経系における主要な亜型であり、α4β2、α6β2、およびα7nAChRは脳における原発性亜型である。すべてのnAChRのほか、様々なβ2選択的薬物(A-85380、サゼチジン、TC-2696、TI-10165、TC-8831、およびTC-10600)にて作用するバレニクリンは、LIDを減らすことができる。同様に、ABT-089などの他のβ2選択アゴニスト、部分β2nAChRアゴニスト(Ki=17nM)、および完全β2アゴニストABT-894(Ki=0.3nM)は、LIDを減らすことができる。AZD1446、比較的低い親和性(Ki=30nM)のβ2nAChRアゴニストも、LIDを減らすことができるが、完全な高親和性β2nAChRアゴニストがより有効となる場合がある。加えて、α7nAChRアゴニストABT-107(Ki=0.5nM)およびAQW051(Ki=27nM)もLIDを減少することができ、LIDの最大減少は、ABT-894およびABT-107などの、より高い親和性(≧10nM)の完全nAChRアゴニストに関連する場合がある。より低い親和性を持つ部分アゴニストまたは薬物(バレニクリン、TC-8831、ABT-089、AZD1446、AQW051など)も、効果的な場合がある。重要な考慮事項は副作用であり、バレニクリンおよびTC-8831などの薬物は吐き気に関連し、ゆえに望ましくない場合がある。ニコチンの抗運動障害性効果は、β2およびα7のnAChR両方を介して受容体媒介されてもよく、LIDは、好ましくはβ2およびα7のnAChRにアゴニストを適用することで減らされてもよい。β2およびα7のnAChRは、場合によっては、他のnAChRサブユニットと対になる。β2およびα7のnAChRアゴニストは、3-ブロモシチジン、アセチルコリン、シチシン、エピバチジン、A-84,543、A-366,833、ABT-418、アルチニクリン、ジアニクリン、イスプロニクリン、ポザニクリン、リバニクリン、テバニクリン、TC-1827、サゼチジンA、N-(3-ピリジニル)-架橋二環式ジアミン、(+)-N-(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)ベンゾ[b]フラン-2-カルボキサミド、A-582941、AR-R17779、アミロイドβ、TC-1698、TC-5619、EVP-6124、GTS-21、PHA-543,613、PNU-282,987、PHA-709829、SSR-180,711、トロピセトロン、WAY-317,538、アナバシン、またはICH-3などの、既知のアゴニストから選択される。β2およびα7のnAChRアゴニストはまた、これら受容体を標的とするべく開発された新たなアゴニストである。
ドーパミン作動薬
いくつかの実施形態において、本開示は、ドーパミン作動薬の副作用を減らす、または排除するための組成物と方法を提供する。いくつかの実施形態において、前記組成物と方法は、ドーパミン作動薬の所望の効果、例えば抗パーキンソン症候群効果を保持または増強する。本開示の方法と組成物は、1つ以上の副作用を減らすことが望ましい任意のドーパミン作動薬に適用される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物と方法は、ドーパミン前駆体を利用する。いくつかの実施形態において、本開示の組成物と方法は、ドーパミンアゴニストを利用する。ドーパミン作動薬は、ドーパミン前駆体またはドーパミン受容体アゴニストを含む。ドーパミン作動薬の例として、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピノロール、アポモルヒネ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、B型モノアミン酸化酵素阻害剤、アマンタジン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示の組成物と方法は、治療効果を達成するべくドーパミン作動薬処置と組み合わせて、当該技術分野で使用される1つ以上の薬剤を利用する。例えば、1つの典型的な実施形態において、本発明の組成物と方法は、カルビドパなどの薬剤と組み合わせてレボドパを利用し、この薬剤は、血液中でのレボドパからドーパミンへの転換を遮断する。また他の典型的な実施形態において、本開示の組成物と方法は、ドーパミン作用性アゴニストと組み合わせてレボドパを利用する。また他の典型的な実施形態において、本開示の組成物と方法は、セレグリンなどのB型モノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害剤と組み合わせてレボドパを利用する。また他の典型的な実施形態において、本開示の組成物と方法は、アマンタジンと組み合わせてレボドパを利用する。また他の典型的な実施形態において、本開示の組成物と方法は、エンタカポンなどのCOMT阻害剤と組み合わせてレボドパを利用する。
レボドパ
レボドパ、すなわち芳香族アミノ酸は、水中でわずかに可溶性であり、分子量が197.2である、白色結晶性化合物である。これは、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンまたは(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸として指定される。その構造式は以下の通りである:
Figure 2023065396000003
レボドパは、パーキンソン病の処置に使用される。パーキンソン病は、骨格筋系の可動性および制御に影響を与える、錐体路外の神経系の進行性神経変性障害である。その特長は、静止振戦、硬直、および徐動動作を含む。現在の証拠は、パーキンソン病の症状が線条体中のドーパミンの枯渇に関連することを示している。ドーパミンの投与は外観上、パーキンソン病の処置において効果はなく、なぜならドーパミンは血液脳関門を横断しないからである。しかし、レボドパ、すなわちドーパミンの代謝前駆体は、血液脳関門を横断し、おそらく脳の中でドーパミンに変換される。これは、レボドパがパーキンソン病の症状を和らげる機構であると考えられる。
しかし、最初に非常に有効であっても、レボドパによる長期処置は多数の合併症を生じさせる。レボドパ処置は、吐き気、嘔吐、不随意運動(例えばジスキネジア)、精神異常、うつ病、意識喪失、および幻覚を引き起こす恐れがある。レボドパ副作用の正確な病態生理学的機構は依然として謎であるが、レボドパの投与後の脳ドーパミンの増加によるものと考えられている。先の研究では、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)が、D1、D2、および/または他のドーパミン受容体亜型の間欠刺激の増強により生じることが示されている。この結果、それぞれ直接および間接的なドーパミン作用性経路上のD1の活性とD2の阻害により、2つの主要な線条体の出力経路の活動に不均衡が生じるが、線条体の遠心神経間にある程度の重なりが生じる。近年のデータでは、D1受容体は、Gタンパク質結合の増強を介して、レボドパ誘発性ジスキネジアに関連する機能的過敏症においてより顕著な役割を果たすことができ、一方でD2受容体活性化は、ドーパミン作動薬の抗パーキンソン作用に密接に関連付けられる場合がある。
カルビドパ
カルビドパは、水中でわずかに可溶性であり、分子量が244.3である、白色結晶性化合物である。それは、(-)-L-α-ヒドラジノ-α-メチル-β-(3,4-ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸一水和物として化学的に指定される。その構造式は以下の通りである:
Figure 2023065396000004
カルビドパは、パーキンソン病を抱える人に与えられる薬物で、レボドパと協働して使用される。カルビドパとレポドパとの投与は、レボドパの血漿内半減期を50分から1時間半に増大することができる。カルビドパは通常、血液脳関門を横断せず、末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ(DOPAデカルボキシラーゼまたはDDC)を阻害できる。任意の理論に縛られないが、カルビドパは、レボドパの末梢性代謝を阻害し、レボドパからドーパミンへの転換を周辺的に妨げ、より高比率の末梢性レボドパが中枢神経性効果のために血液脳関門を横断するのを可能にすることで、周辺上でドーパミンにより引き起こされる副作用を減らすほか、脳のレボドパおよびドーパミンの濃度を増大させることができる。
カルビドパは一般的に、ドーパミンデカルボキシラーゼ、すなわち、周辺にてレボドパを分解してドーパミンに転換させると知られる酵素の活性を阻害するために使用される。この結果、血液脳関門を横断できないドーパミンが新たに形成される場合があり、レボドパ処置の効果は大きく減る。カルビドパは、ある反応を生成するのに必要なレボドパの量を約75%減らすことができ、レボドパと共に投与されると、レボドパの血漿レベルと血漿半減期の両方を増大させ、血漿、尿ドーパミン、およびホモバニリン酸を減少させる。カルビドパはまた、レボドパの半減期を約1.5時間省くことができる。
場合によっては、カルビドパとレボドパは、組み合わせた組成物において投与される。カルビドパ/レボドパの組み合わせの市販の薬剤の例として、商標Kinson、Sinemet、Parcopa、およびAtametが挙げられ、一方でStalevoはさらにエンタカポンを含み、これはカルビドパおよびレボドパの生物学的利用能を増強するものである。
ドーパミンアゴニスト
ドーパミンアゴニストは、その受容体の生理学的リガンド、すなわち神経伝達物質ドーパミンがない状態で、ドーパミン受容体を活性化する化合物である。ドーパミンアゴニストは、ドーパミン機能低下(低ドーパミン)疾病を処置できる。これらは通常、パーキンソン病、注意欠陥多動障害(覚せい剤の形態での処置)、および特定の下垂体部腫瘍(プロラクチノーマ)に対して使用され、不隠下肢症候群(RLS)に有用な場合がある。Requip(Ropinirole)とMirapex(Pramipexole)は共に、RLSの処置のためにFDAにより承認されている。また、SSRI誘導性の性機能障害およびSSRI後の性機能障害(PSSD)の症状の回復時のドーパミンアゴニストRequip(ropinirole)の有効性を試験するための臨床試験が、進行中である。
一部の薬物はドーパミンアゴニストとして作用できる。通常、2つの分類の市販のドーパミンアゴニストが、すなわち、部分アゴニストと、完全/未知の効果のアゴニストである。部分アゴニストの例として、限定されないが、アリピプラゾール、キンピロール、およびサルビノリンが挙げられる。完全/未知の効果のアゴニストの例として、限定されないが、アポモルヒネ、ブロモクリプチン、カベルゴリン、シラドーパ、ジヒドレキシジン、ジナプソリン、ドキサントリン、エピクリプチン、リスリド、ペルゴリド、ピリベディル、プラミペキソール、プロピルノルアポモルフィン、キナゴリド、ロピニロール、ロチゴチン、ロキシンドール、スマニロール、およびフェノルドパムが挙げられる。
アマンタジン
商業上シミトレル(Endo Pharmaceuticals)として知られるアマンタジンは、抗ウイルス剤および抗パーキンソン症候群薬物の両方として使用するための、米国食品医薬品局に承認された薬物である。これは、4つのメチン位置のうち1つにて置換されたアミノ(aminio)基を有する、アダマンタンバックボーン脊柱から成ることを意味する、有機化合物1-アダマンチルアミンまたは1-アミノアダマンタンである。その構造式は以下の通りである:
Figure 2023065396000005
リマンタジンは、同様の生物学的特性を持つアダマンタンの密接に関連した誘導体である。
アマンタジンは、NMDA型グルタミン酸受容体の弱いアンタゴニストである。これは、ドーパミン放出を増大し、ドーパミン再取込みを遮断し、かつ、パーキンソン病の治療薬となり得る。しかし、抗パーキンソンのように、これは単独療法薬として、またはレボドパと共に使用することで、臨床効果のレボドパ持続期間の短縮やレボドパ関連ジスキネジアなどの、レボドパ関連の運動変動を処置することができる。
モノアミンオキシダーゼB阻害剤
モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)は、モノアミンオキシダーゼ酵素ファミリーの活性を阻害する化学物質である。MAOIは、モノアミン神経伝達物質の分解を防ぎ、その利用可能能を増大させることができる。MAOIは、長い歴史において、うつ病、特に非定型うつ病、パーキンソン病、その他様々な障害の処置のために処方された薬剤として使用されている。
セレグリンなどのMAOIは通常、パーキンソン病の処置に使用される。MAOIはまた、特にMAO-Bを標的としてドーパミン作動性ニューロンに影響を及ぼすほか、片頭痛予防のための代替手段を提供することにより、パーキンソン病の処置において使用できる。
MAO-AおよびMAO-B両方の阻害も、臨床的うつ病および不安症の処置に使用される。MAOIは、特にパニック障害またはヒステリーに似た不快気分によって複雑になった「神経症性うつ病」を抱える外来患者に示されると考えられ、これは、拒絶感に応じた気持ちの抑制の繰り返しに関与する。
MAOIは、広場恐怖症、社交恐怖症、非定型うつ病、または混合型不安症、うつ病、過食症、および外傷後ストレス障害のほか、境界人格異常を伴うパニック障害の処置に有効であることが分かっている。MAOIは、近年の遡及的解析に従う双極性うつ病の管理に特に効果的と考えられている。場合によっては、MAOIは、強迫障害(OCD)、トリコチロマニー、奇形恐怖症、および回避性人格障害の処置に効果的な場合がある。
任意の理論に縛られないが、MAOIは、モノアミンオキシダーゼの活性を阻害し、ゆえにモノアミン神経伝達物質の分解を予防することでそれらの利用可能性を増大させることによって、作用する。モノアミンオキシダーゼの2つのアイソフォーム、MAO-AおよびMAO-Bが存在する。MAO-Aは優先的に、セロトニン、メラトニン、エピネフリン、およびノルエピネフリンを脱アミノ化する。MAO-Bは優先的に、フェニルエチルアミンおよび微量アミンを脱アミノ化する。ドーパミンは、両方の型により等しく脱アミノ化される。
副作用
ドーパミン作動薬の主要な有害反応として、頭痛、下痢、高血圧症、吐き気、嘔吐、不随意運動(例えばジスキネジア)、精神異常、うつ病、意識喪失、幻覚、および異常腎機能が挙げられる。
本開示は、ドーパミン作動薬処置に関連する副作用を減らす、または排除する、ニコチンまたはその塩、またはニコチン受容体モジュレータを利用する組成物と方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ドーパミン作動薬処置に関連するジスキネジアを減らす、または排除する、ニコチン受容体モジュレータを利用する組成物と方法を提供する。任意の理論に縛られないが、ニコチン受容体モジュレータは、線条体に発現されるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に作用することによってその効果を発揮するという可能性が存在する。ドーパミン作動性ニューロンと大きく一致する、線条体中の密なコリン作用性神経分布が存在する。生理学的条件下で、これらコリン作用性介在ニューロンは通常、アセチルコリンを放出し、アセチルコリンは、ドーパミンを放出するためにドーパミン作用性神経末端上でニコチン受容体を刺激する。同様に、ニコチンなどの薬剤を外因的に適用した結果、線条体末端からのドーパミンの放出が生じる。
処置の方法
一態様において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチンおよびその塩は、剤形において投与される。ニコチンまたはその塩の投与により、例えばパーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒の頻度を減らし、転倒に関連する怪我の頻度を減らし、および/または、神経変性疾患、転倒に関連する怪我の重症度を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体はパーキンソン病を抱えているが、LIDを抱えていない。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病であると診断される。いくつかの実施形態において、被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている。いくつかの実施形態において、被験体は、過去年において転倒したことがある、または再発性転倒がある。いくつかの実施形態において、前記方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない。
本明細書には、ニコチン剤形の投与方法が記載され、該投与の結果、前記剤形の投与後約120分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。前記剤形の投与の結果、前記剤形の投与後約180分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。薬物動態プロファイルは、投与後約180分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有することができる。薬物動態プロファイルは、投与後約120分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有することができる。薬物動態プロファイルは、投与後約45~90分で約5ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有することができる。薬物動態プロファイルは、投与後約60分で約15ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有することができる。
本明細書には、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置する方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。転倒関連症状は、転倒頻度を含む場合がある。ニコチンを含む剤形で処置された被験体の転倒頻度は、減少する場合がある。転倒関連症状は、すくみ足歩行(FOG)に関連する場合がある。転倒関連症状は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に関連する場合がある。転倒関連症状は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に関連しない場合がある。ニコチンまたはその塩を含む剤形で処置した被験体は、転倒頻度が減少し、すくみ足歩行(FOG)が減少し、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)が減少し、姿勢の安定性が改善され、またはそれらの組み合わせが生じる場合がある。転倒は、ニコチンまたはその塩を含む剤形で処置した被験体において予防することができる。転倒関連の合併症が減らされる場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、転倒頻度が減少し、すくみ足歩行(FOG)が減少し、およびレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)が減少する場合がある。転倒頻度の減少は、少なくとも10%の減少であり得る。転倒頻度の減少は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%を超える減少であり得る。すくみ足歩行(FOG)の減少は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%を超える減少であり得る。すくみ足歩行(FOG)の減少は、少なくとも10%の減少であり得る。すくみ足歩行(FOG)の減少は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%を超える減少であり得る。レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の減少は、少なくとも10%の減少であり得る。レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の減少は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%を超える減少であり得る。姿勢の安定性の改善は、少なくとも10%の改善であり得る。姿勢の安定性の改善は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%を超える改善であり得る。被験体は、転倒頻度が少なくとも0.5倍減少する場合がある。被験体は、転倒頻度が少なくともまたは約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0倍、または8.0倍より多く減少する場合がある。被験体は、すくみ足歩行(FOG)が少なくとも0.5倍減少する場合がある。被験体は、すくみ足歩行(FOG)が少なくともまたは約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0倍、または8.0倍より多く減少する場合がある。被験体は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)が少なくとも0.5倍減少する場合がある。被験体は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)が少なくともまたは約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0倍、または8.0倍より多く減少する場合がある。被験体は、姿勢の安定性が少なくとも0.5倍改善する場合がある。被験体は、姿勢の安定性が少なくともまたは約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0倍、または8.0倍より多く改善する場合がある。
転倒頻度の減少、すくみ足歩行(FOG)の減少、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の減少、姿勢の安定性の改善、またはそれらの組み合わせを、対照と比較できる。転倒は、ニコチンまたはその塩を含む剤形で処置した、対照と比較した被験体において予防することができる。転倒関連合併症は、ニコチンまたはその塩を含む剤形で処置した、対照と比較した被験体において減少することができる。対照は、ベースラインにある被験体、またはプラセボを投与した被験体でもよい。いくつかの例において、対照は突発性パーキンソン病を抱えている。対照はLIDを抱えている場合がある。対照は、レボドパのピーク「オン」状態の場合がある。
ニコチンまたはその塩は、ドーパミン作用性活性を変えない場合がある。ニコチンまたはその塩は、コリン作用性活性を増大することができる。転倒関連症状は、転倒に関連する怪我の頻度を含む場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、転倒関連の怪我の頻度が減少する場合がある。転倒関連症状は、怪我を伴う転倒の重症度を含む場合がある。ニコチンを含む剤形で処置された被験体は、怪我を伴う転倒の重症度が減少する場合がある。被験体は、再発性転倒を有する場合がある。被験体は、過去において少なくとも1回転倒したことがある。症状の改善は、以下から成る群から選択された評価試験の1つ以上を利用することを含む場合がある:統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価、Hoehn & Yahr重症度分類システム、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅および速度。統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を利用する評価は、以下から成る群から選択される場合がある:運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.12のWalking and Balance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.14のFreezing of Gait、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問32-35のDyskinesias、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問36-39のResponse Fluctuation、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問40のSleep Disturbance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の142点、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の軸、中線部分、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のGait Subtest、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のPostural Stability Subtest、および運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のFreezing of Gait Subtest (FOG)。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、および統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団を含む場合がある。症状の改善は、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価のReason for Fallを利用する評価を含む場合がある。症状の改善は、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価のSeverity of Fallを利用する評価を含む場合がある。被験体の評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、HoehnとYahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含み得る。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。
様々な実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置する方法を提供し、該方法は、ニコチン受容体モジュレータを含む組成物を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチン受容体アゴニストまたはアンタゴニストである。組成物の投与により、例えばパーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒の頻度を減らし、転倒に関連する怪我の頻度を減らし、および/または、神経変性疾患、転倒に関連する怪我の重症度を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体はLIDを抱えていない。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。前記方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない場合がある。いくつかの実施形態において、被験体は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体は、過去に転倒したことがある、または再発性転倒がある。いくつかの実施形態において、被験体は、過去に少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、またはそれ以上転倒したことがある。
本明細書には、神経変性疾患を抱える被験体における姿勢不安定性、静的バランス、運動障害、および歩行を処置する方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、姿勢安定性が改善される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、静的バランスが改善される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、運動能力が改善される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、歩行が改善される場合がある。症状の改善は、以下から成る群から選択された評価試験の1つ以上を利用することを含む場合がある:統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、BNI転倒評価、Hoehn & Yahr重症度分類システム、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅および速度。統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を利用する評価は、以下から成る群から選択される場合がある:運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.12のWalking and Balance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.14のFreezing of Gait、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問32-35のDyskinesias、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問36-39のResponse Fluctuation、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問40のSleep Disturbance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の142点、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の軸、中線部分、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のGait Subtest、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のPostural Stability Subtest、および運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のFreezing of Gait Subtest(FOG)。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、および統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団を含む場合がある。被験体は、パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、典型的なパーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも4年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも3年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも2年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも1年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている場合がある。ドーパミン作動薬は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせでもよい。被験体は、「オフ」期間において評価することができ、ここで、被験体は、ドーパミン作動薬処置を約16時間受けていない場合がある。「オフ」期間は、約2、4、6、8、10、12、14、16、18、または24時間の場合がある。「オン」期間の間、被験体は、ドーパミン作動薬処置の通常の午前の投与量を受けてから約1時間経過している場合がある。ここで、ドーパミン作用性処置は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせの場合がある。「オン」期間は、約0.5、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、または24時間の場合がある。「オフ」期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75時間、または75時間よりも長い場合がある。「オフ」期間は、多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75時間の場合がある。「オン」期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75時間、または75時間よりも長い場合がある。「オン」期間は、多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75時間の場合がある。被験体は、少なくとも26のMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを有する場合がある。被験体は、少なくともまたは約20、25、30、35、40、または40を超えるMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを有する場合がある。被験体は、以下から成る群から選択された障害を除外される場合がある:非定型パーキンソン、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、原発性すくみ足歩行(PFG)、大脳皮質基底核変性症、21未満のMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを伴う痴呆症、法的盲、股関節部または膝における整形外科的な問題、股関節部または膝の全置換術、起立性低血圧、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害、幻覚、精神病、妄想、脳深部刺激(DBS)介入、最近の脳卒中の履歴、および心筋梗塞の履歴。剤形は、ニコチン受容体アゴニストを含む場合がある。剤形は、6か月の期間にわたり少なくとも1~6mgのニコチンまたはその塩を含む場合があり、剤形は処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または12mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。剤形は、約2、4、6、12、18、または24mgのニコチンまたはその塩を含む場合がある。期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または12か月を超える場合がある。剤形はニコチンまたはその塩を含む場合があり、2週間の処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形はニコチンまたはその塩を含む場合があり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週、または12週を超える処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形は、12週間よりも長く投与される場合がある。剤形は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長く投与される場合がある。剤形は慢性の処置のために使用される場合がある。剤形はニコチンまたはその塩を含み、6時間毎に少なくとも1mg;6時間毎に少なくとも2mg;6時間毎に少なくとも4mg;6時間毎に少なくとも6mgを含む場合があり;投与量は、2週間の処置間隔において上方に漸増される場合があり;投与量は、6か月の処置期間の満了まで6時間毎に6mgで維持される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で24mg未満の量で投与される場合がある。場合によっては、ニコチンまたはその塩は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60mg、または60mgより多くの量で投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、約2、4、6、8、10、12、18、または24mgの量で投与される場合がある。場合によっては、ニコチンまたはその塩は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60時間、または60時間より長い期間で投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で少なくとも4回投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、または20回より多く投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で約6時間毎に投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23時間毎に投与される場合がある。処置期間は12週間より長い場合がある。処置期間は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長い場合がある。処置は慢性処置の場合がある。投与の治療有効性は、少なくとも2~14か月間、規則的に評価することができる。投与の治療有効性は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60か月、または60か月より長い期間にわたり、規則的に評価することができる。投与の治療有効性は、少なくとも6か月、規則的に評価することができる。評価は2か月毎に行われる場合がある。評価は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または12か月を超える期間毎に行うことができる。評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含み得る。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。剤形は、経口、静脈内、動脈内、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、または腹腔内投与のために製剤することができる。剤形は、経口投与のために製剤することができる。剤形は、単位剤形として製剤することができる。医薬組成物は、液体、ゲル、半液体、半固体、または固体の単位剤形として製剤することができる。剤形は、錠剤において製剤することができる。剤形は、カプセル剤において製剤することができる。単位剤形は、食品として製剤することができる。単位剤形は、飲料として製剤することができる。単位剤形は、栄養補助食品として製剤することができる。前記剤形の投与の結果、前記剤形の投与後約120分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬
物動態プロファイルをもたらすことができる。前記剤形の投与の結果、前記剤形の投与後約180分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。薬物動態プロファイルは、投与後約180分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約120分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約45~90分で約5ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約60分で約15ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有する場合がある。ニコチンまたはその塩の前記剤形の投与の結果、ニコチンまたはその塩に対する耐性または依存性を引き起こさない場合がある。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む場合がある。いくつかの実施形態において、被験体は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体はパーキンソン病を抱えているが、LIDを抱えていない。いくつかの実施形態において、被験体は、前年と比較して、過去の転倒頻度が増大している。いくつかの実施形態において、転倒の頻度は、過去に少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上増大している。いくつかの実施形態において、転倒の頻度は、過去に約1~1000倍増大している。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む場合がある。いくつかの実施形態において、被験体は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体はパーキンソン病を抱えているが、LIDを抱えていない。いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒の頻度を減らす方法を提供する。いくつかの実施形態において、転倒の頻度は、過去に少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上減少している。いくつかの実施形態において、転倒の頻度は、過去に約1~1000倍増大している。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む場合がある。いくつかの実施形態において、被験体は、前年と比較して、過去の転倒に関連する怪我の頻度が増大している。転倒に関連する怪我の頻度は、少なくとも1~1000倍である。いくつかの実施形態において、転倒に関連する怪我の頻度は、過去に約1~1000倍増大している。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む場合がある。いくつかの実施形態において、本開示は、転倒に関連する怪我の頻度を減らす方法を提供する。いくつかの実施形態において、転倒に関連する怪我の頻度は、少なくとも1~1000倍減少される。いくつかの実施形態において、転倒に関連する怪我の頻度は、過去に約1~1000倍増大している。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む場合がある。いくつかの実施形態において、被験体は、前年と比較して、過去の転倒に関連する怪我の重症度が増大している。いくつかの実施形態において、転倒に関連する怪我の重症度は、少なくとも1~1000倍増大する。いくつかの実施形態において、転倒に関連する怪我の重症度は、過去に約1~1000倍増大している。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状の処置のために、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体アゴニストを利用する。前記方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む場合がある。いくつかの実施形態において、本開示は、転倒に関連する怪我の重症度を減らす方法を提供する。いくつかの実施形態において、転倒の重症度は、過去に少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上減少している。いくつかの実施形態において、転倒に関連する怪我の重症度は、過去に約1~1000倍増大している。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の再発性転倒を予測する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチンおよびその塩は、剤形において投与される。ニコチンまたはその塩の投与により、例えばパーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒の頻度を減らし、転倒に関連する怪我の頻度を減らし、および/または、神経変性疾患、転倒に関連する怪我の重症度を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病であると診断される。いくつかの実施形態において、被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも1回転倒したことがある、および/または過去に再発性転倒がある。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。ニコチンまたはその塩の投与により、転倒を防ぐことができる。ニコチンまたはその塩の投与により、転倒に関連する合併症を減らすことができる。ニコチンまたはその塩の投与により、被験体における転倒の頻度を減らし、転倒に関連する怪我の頻度を減らし、および/または転倒に関連する怪我の重症度を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている。ドーパミン作動薬の非限定的な例として、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピノロール、アポモルヒネ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、B型モノアミン酸化酵素阻害剤、アマンタジン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、被験体は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせを受けている。
様々な実施形態において、本明細書には、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒関連症状を減らすための方法と組成物が開示され、前記被験体は、例えばレボドパ/カルビドパといったドーパミン作動薬処置を受けており、前記方法と組成物は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも1回転倒したことがある、または過去に再発性転倒がある。ドーパミン作動薬と組み合わせたニコチンまたはその塩の投与により、転倒関連症状、例えば転倒の頻度、転倒に関連する怪我の頻度、転倒に関連する怪我の重症度を減らすことができる。様々な実施形態において、開示された方法と組成物の利用により、ドーパミン作動薬処置に関連する副作用が減少し、例えば、ジスキネジアが減少し、反応変動:「ウェアリングオフ(wearing off and of off)」が改善される。
一態様において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の姿勢安定性と歩行を改善する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチンおよびその塩は、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与は、例えばパーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患などの神経変性疾患を抱える被験体における、姿勢安定性、静的バランス、運動能力、および/または歩行を改善する。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病であると診断される。いくつかの実施形態において、被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている。いくつかの実施形態において、被験体は、過去年において転倒したことがある、または再発性転倒がある。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体における姿勢安定性と歩行を改善する方法を提供し、該方法は、ニコチン受容体モジュレータを被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、剤形において投与される。様々な実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチン受容体アゴニストである。様々な実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチン受容体アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータの投与は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患などの神経変性疾患を抱える被検体における、姿勢安定性、静的バランス、運動能力、および/または歩行を改善する。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病であると診断される。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも1回転倒したことがある、または過去に再発性転倒がある。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の姿勢安定性を改善する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体アゴニストは、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与は、姿勢安定性を、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上改善する。いくつかの実施形態において、処置された被験体の姿勢安定性は、約1~1000倍改善される。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の静的バランスを改善する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体アゴニストは、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与は、静的バランスを、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上改善する。いくつかの実施形態において、処置された被験体の静的バランスは、約1~1000倍改善される。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の運動能力を改善する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体アゴニストは、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与は、運動能力を、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上改善する。いくつかの実施形態において、処置された被験体の運動能力は、約1~1000倍改善される。
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体のすくみ足歩行やつぎ足歩行などの歩行を改善する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体アゴニストは、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与は、すくみ足歩行やつぎ足歩行などの歩行を、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、またはそれ以上改善する。いくつかの実施形態において、処置された被験体のすくみ足歩行やつぎ足歩行などの歩行は、約1~1000倍改善される。
いくつかの実施形態において、被験体は 運動が欠如し、運動が緩慢であり、安定性が欠如し、すくみ足歩行(FOG)であり、姿勢が不安定であり、静的バランスに問題があり、バランスを喪失しており、歩行が不安定であり、および/または一歩が短い。ニコチンまたはその塩、あるいはニコチン受容体モジュレータを被験体に投与することで、運動、歩行、姿勢安定性、バランス、および/またはウォーキングを改善することができる。いくつかの実施形態において、被験体は、過去と比べて少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、50倍、100倍、100倍、またはそれ以上、運動、歩行、姿勢安定性、バランス、および/またはウォーキングが改善される。いくつかの実施形態において、被験体は、過去と比べて約1~1000倍、運動、歩行、姿勢安定性、バランス、および/またはウォーキングが改善される。
いくつかの実施形態において、転倒関連症状の改善は、標準検査の利用により評価される。典型的な検査は、統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価、Hoehn & Yahr重症度分類システム、Tinettiスコア、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅および速度である。
いくつかの実施形態において、本方法は、ドーパミン作動薬処置において神経変性疾患を抱える被験体を評価する工程を含み、前記方法は、(a)被験体がドーパミン作動薬処置を約16時間中止した「オフ」期間、および(b)被験体がドーパミン作動薬処置の通常の午前の投与を受けて約1時間経過している「オン」期間を含む。いくつかの実施形態において、被験体は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、B型モノアミンオキシダーゼ阻害剤、および/またはアマンタジンなどのドーパミン作動薬処置を受けている。いくつかの実施形態において、被験体は、パーキンソン病またはパーキンソン関連疾患を抱えている。
いくつかの実施形態において、被験体は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を用いて、評価される。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。
本明細書には、神経変性疾患を抱える被験体の認知機能関連症状を処置する方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む場合がある。認知機能関連症状は、空間視覚記憶、実行機能、短期記憶、作動記憶、長期記憶、注意、言語、放心、または空間識の機能障害である場合がある。症状の改善は、Montreal Cognitive Assessmentなどの評価試験のうち1つ以上の利用を含む場合がある。被験体は、パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、典型的なパーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも4年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも3年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも2年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも1年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている場合がある。ドーパミン作動薬は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせでもよい。被験体は、「オフ」期間において評価することができ、ここで、被験体は、ドーパミン作動薬処置を約16時間受けていない場合がある。「オン」期間で評価される場合、被験体は、ドーパミン作動薬処置の通常の午前の投与をうけてから約1時間経過している場合がある。ここで、ドーパミン作用性処置は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせの場合がある。「オフ」期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75時間、または75時間よりも長い場合がある。「オフ」期間は、多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75時間の場合がある。「オン」期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75時間、または75時間よりも長い場合がある。「オン」期間は、多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75時間の場合がある。被験体は、少なくとも26のMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを有する場合がある。剤形は、ニコチン受容体アゴニストを含む場合がある。剤形は、6か月の期間にわたり少なくとも1~6mgのニコチンまたはその塩を含む場合があり、剤形は処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または12mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または12か月を超える場合がある。剤形はニコチンまたはその塩を含む場合があり、2週間の処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形はニコチンまたはその塩を含む場合があり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週、または12週を超える処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形はニコチンまたはその塩を含み、6時間毎に少なくとも1mg;6時間毎に少なくとも2mg;6時間毎に少なくとも4mg;6時間毎に少なくとも6mgを含む場合があり;投与量は、2週間の処置間隔において上方に漸増される場合があり;投与量は、6か月の処置期間の満了まで6時間毎に6mgで維持される場合がある。剤形は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60mg、または60mgより多くのニコチンまたはその塩を含む場合がある。剤形は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60時間、または60時間より長い期間で投与される、ニコチンまたはその塩を含む場合がある。剤形は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週、または12週を超える処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形は、12週間よりも長く投与される場合がある。剤形は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長く投与される場合がある。剤形は慢性の処置のために使用される場合がある。投与量は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12mg、または12mgを超える量で維持することができる。投与量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、または24時間より長い期間毎に維持することができる。処置期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、または24時間より長くてもよい。処置期間は12週間より長い場合がある。処置期間は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長い場合がある。処置は慢性処置の場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で24mg未満の量で投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で少なくとも4回投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で約6時間毎に投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、または20回より多く投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で約6時間毎に投与される場合がある。ニコチンまたはその塩は、24時間の期間で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23時間毎に投与される場合がある。投与の治療有効性は、少なくとも2~14か月間、規則的に評価することができる。投与の治療有効性は、少なくとも6か月、規則的に評価することができる。投与の治療有効性は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60か月、または60か月より長い期間にわたり、規則的に評価することができる。評価は2か月毎に行われる場合がある。評価は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または12か月を超える期間毎に行うことができる。評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含み得る。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。前記剤形は、経口、静脈内、動脈内、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、または腹腔内投与のために製剤することができる。前記剤形は、経口投与のために製剤することができる。前記剤形は、単位剤形として製剤することができる。前記剤形は、液体、ゲル、半液体、半固体、または固体の単位剤形として製剤することができる。前記剤形は、錠剤において製剤することができる。前記剤形は、カプセル剤において製剤することができる。前記剤形は、食品として製剤することができる。前記剤形は、飲料として製剤することができる。前記剤形は、栄養補助食品として製剤することができる。前記剤形の投与の結果、前記剤形の投与後約120分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。前記剤形は、栄養補助食品として製剤することができる。前記剤形の投与の結果、前記剤形の投与後約180分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。薬物動態プロファイルは、投与後約180分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約120分で約5ng/ml未満のニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約45~90分で約5ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約60分で約15ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有する場合がある。剤形は多重微粒子製剤でもよい。剤形は、ドーパミン作動薬の投与の約2時間後、1ng/mL~20ng/mlの血漿濃度のニコチンを提供することができる。剤形は、ドーパミン作動薬の投与の約2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、または10時間後、1ng/mL~20ng/mlの血漿濃度のニコチンを提供することができる。剤形は、ドーパミン作動薬の投与の約1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に、1ng/mL~20ng/mlの血漿濃度のニコチンを提供することができる。剤形は、ドーパミン作動薬の投与の約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間より長い時間の経過後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35ng/mL、または35ng/mLより高い血漿濃度のニコチンを提供することができる。神経変性疾患は、パーキンソン病、統合失調症、軽度認知機能障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆症、前頭側頭部の軽度認知機能障害、および前頭側頭型痴呆症から成る群から選択される場合がある。
本明細書には、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置する方法が記載され、該方法は、被験体にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニストを含む剤形を投与する工程を含む場合がある。nAChRアゴニストは、nAChRのα7、β2、またはα7とβ2のサブユニットに特異的な場合がある。nAChRアゴニストは全的作動薬である場合がある。nAChRアゴニストは、バレニクリン、A-85380、サゼチジン、TC-2696、TI-10165、TC-8831、TC-10600、ABT-089、ABT-894、AZD1446、ABT-107、AQW051、ABT-894およびABT-107、3-ブロモシチジン、アセチルコリン、シチシン、エピバチジン、A-84,543、A-366,833、ABT-418、アルチニクリン、ジアニクリン、イスプロニクリン、ポザニクリン、リバニクリン、テバニクリン、TC-1827、サゼチジンA、N-(3-ピリジニル)-架橋二環式ジアミン、(+)-N-(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)ベンゾ[b]フラン-2-カルボキサミド、A-582941、AR-R17779、アミロイドβ、TC-1698、TC-5619、EVP-6124、GTS-21、PHA-543,613、PNU-282,987、PHA-709829、SSR-180,711、トロピセトロン、WAY-317,538、アナバシン、およびICH-3から選択される場合がある。nAChRアゴニストは、ABT-894、ABT-107、TC-8831、ABT-089、AZD1446、およびAQW051から選択される場合がある。nAChRアゴニストは、ABT-894およびABT-107から選択される場合がある。転倒関連症状は、転倒頻度を含む場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形で処置された被験体の転倒頻度は、減少する場合がある。転倒関連症状は、転倒に関連する怪我の頻度を含む場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形で処置した被験体は、転倒関連の怪我の頻度が減少する場合がある。転倒関連症状は、怪我を伴う転倒の重症度を含む場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形で処置された被験体は、怪我を伴う転倒の重症度が減少する場合がある。被験体は、再発性転倒を有する場合がある。被験体は、過去において少なくとも1回転倒したことがある。症状の改善は、以下から成る群から選択された評価試験の1つ以上を利用することを含む場合がある:統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価、Hoehn & Yahr重症度分類システム、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅および速度。統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を利用する評価は、以下から成る群から選択される場合がある:運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.12のWalking and Balance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.14のFreezing of Gait、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問32-35のDyskinesias、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問36-39のResponse Fluctuation、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問40のSleep Disturbance、
運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の142点、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の軸、中線部分、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のGait Subtest、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のPostural Stability Subtest、および運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のFreezing of Gait Subtest (FOG)。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、および統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団を含む場合がある。症状の改善は、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価のReason for Fallを利用する評価を含む場合がある。症状の改善は、バーロウ神経学研究所(BNI)転倒評価のSeverity of Fallを利用する評価を含む場合がある。
本明細書には、神経変性疾患を抱える被験体における姿勢不安定性、静的バランス、運動障害、および歩行を処置する方法が記載され、該方法は、被験体にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニストを含む剤形を投与する工程を含む。nAChRアゴニストは、nAChRのα7、β2、またはα7とβ2のサブユニットに特異的な場合がある。nAChRアゴニストは全的作動薬である場合がある。nAChRアゴニストは、バレニクリン、A-85380、サゼチジン、TC-2696、TI-10165、TC-8831、TC-10600、ABT-089、ABT-894、AZD1446、ABT-107、AQW051、ABT-894およびABT-107、3-ブロモシチジン、アセチルコリン、シチシン、エピバチジン、A-84,543、A-366,833、ABT-418、アルチニクリン、ジアニクリン、イスプロニクリン、ポザニクリン、リバニクリン、テバニクリン、TC-1827、サゼチジンA、N-(3-ピリジニル)-架橋二環式ジアミン、(+)-N-(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)ベンゾ[b]フラン-2-カルボキサミド、A-582941、AR-R17779、アミロイドβ、TC-1698、TC-5619、EVP-6124、GTS-21、PHA-543,613、PNU-282,987、PHA-709829、SSR-180,711、トロピセトロン、WAY-317,538、アナバシン、およびICH-3から選択される場合がある。nAChRアゴニストは、ABT-894、ABT-107、TC-8831、ABT-089、AZD1446、およびAQW051から選択される場合がある。nAChRアゴニストは、ABT-894およびABT-107から選択される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、姿勢安定性が改善される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、静的バランスが改善される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、運動能力が改善される場合がある。ニコチンを含む剤形で処置した被験体は、歩行が改善される場合がある。症状の改善は、以下から成る群から選択された評価試験の1つ以上を利用することを含む場合がある:統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、BNI転倒評価、Hoehn & Yahr重症度分類システム、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅および速度。統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を利用する評価は、以下から成る群から選択される場合がある:運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.12のWalking and Balance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.14のFreezing of Gait、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問32-35のDyskinesias、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問36-39のResponse Fluctuation、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問40のSleep Disturbance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の142点、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の軸、中線部分、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のGait Subtest、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のPostural Stability Subtest、および運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のFreezing of Gait Subtest (FOG)。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、および統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団を含む場合がある。被験体は、パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、典型的なパーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも4年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも3年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも2年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、少なくとも1年間パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている場合がある。ドーパミン作動薬は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせでもよい。被験体は、「オフ」期間において評価することができ、ここで、被験体は、ドーパミン作動薬処置を約16時間受けていない場合がある。「オン」期間で評価される場合、被験体は、ドーパミン作動薬処置の通常の午前の投与を受けてから約1時間経過している場合がある。ここで、ドーパミン作用性処置は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせの場合がある。「オフ」期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75時間、または75時間よりも長い場合がある。「オフ」期間は、多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75時間の場合がある。「オン」期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75時間、または75時間よりも長い場合がある。「オン」期間は、多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75時間の場合がある。被験体は、少なくとも26のMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを有する場合がある。被験体は、少なくともまたは約20、25、30、35、40、または40を超えるMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを有する場合がある。被験体は、以下から成る群から選択された障害を除外される場合がある:非定型パーキンソン、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、原発性すくみ足歩行(PFG)、大脳皮質基底核変性症、21未満のMontreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアを伴う痴呆症、法的盲、股関節部または膝における整形外科的な問題、股関節部または膝の全置換術、起立性低血圧、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害、幻覚、精神病、妄想、脳深部刺激(DBS)介入、最近の脳卒中の履歴、および心筋梗塞の履歴。剤形は、6か月の期間にわたり少なくとも1~6mgのnAChRアゴニストを含む場合があり、剤形は処置間隔において上方に漸増される場合がある。剤形は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または12mgを超えるnAChRアゴニストを含む場合がある。期間は、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または12か月を超える場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形、2週間の処置間隔において上方に漸増される場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週、または12週を超える処置間隔において上方に漸増される場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形は、12週間よりも長く投与される場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長く投与される場合がある。nAChRアゴニストを含む剤形は、慢性の処置のために使用される場合がある。処置期間は12週間より長い場合がある。処置期間は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長い場合がある。処置期間は慢性処置の場合がある。nAChRアゴニストは、24時間の期間で24mg未満の量で投与される場合がある。nAChRアゴニストは、少なくともまたは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60mg、または60mgより多くの量で投与される場合がある。nAChRアゴニストは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60時間、または60時間より長い期間で投与される場合がある。nAChRアゴニストは、24時間の期間で少なくとも4回投与される場合がある。nAChRアゴニストは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、または20回より多く投与される場合がある。nAChRアゴニストは、24時間の期間で約6時間毎に投与される場合がある。nAChRアゴニストは、24時間の期間で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23時間毎に投与される場合がある。投与の治療有効性は、少なくとも2~14か月間、規則的に評価することができる。投与の治療有効性は、少なくとも6か月、規則的に評価することができる。投与の治療有効性は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60か月、または60か月より長い期間にわたり、規則的に評価することができる。評価は2か月毎に行われる場合がある。評価は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、または12か月を超える期間毎に行うことができる。評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含み得る。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。剤形
は、経口、静脈内、動脈内、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、または腹腔内投与のために製剤することができる。剤形は、経口投与のために製剤することができる。剤形は、単位剤形として製剤することができる。組成物は、液体、ゲル、半液体、半固体、または固体の単位剤形として製剤することができる。剤形は、錠剤において製剤することができる。剤形は、カプセル剤において製剤することができる。剤形は、食品として製剤することができる。剤形は、飲料として製剤することができる。剤形は、栄養補助食品として製剤することができる。
本明細書には、転倒の頻度を減らす方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている場合がある。中枢神経系疾患または障害は、パーキンソン病の場合がある。さらに本明細書には、すくみ足歩行(FOG)を減らす方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。転倒の回数とFOGは、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に関連する場合がある。転倒の回数とFOGは、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に関連しない場合がある。前記方法は姿勢の安定性を改善することができる。転倒は、ニコチンまたはその塩を含む剤形で処置した被験体において予防することができる。転倒の頻度は、少なくとも10%減らすことができる。転倒の頻度は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多く減らすことができる。転倒の頻度は、少なくとも20%減らすことができる。FOGは、少なくとも10%減らすことができる。FOGは、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多く減らすことができる。FOGは、少なくとも20%減らすことができる。LIDは、少なくとも10%減らすことができる。LIDは、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多く減らすことができる。LIDは、少なくとも20%減らすことができる。姿勢の安定性の改善は、少なくとも10%の改善であり得る。姿勢の安定性の改善は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%を超える改善であり得る。被験体は、転倒の頻度が少なくとも0.5倍減少する場合がある。被験体は、転倒の頻度が少なくとも0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0、4.5、または5倍減少する場合がある。被験体は、FOGが少なくとも0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0、4.5、または5倍減少する場合がある。被験体は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)が少なくとも0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0、4.5、または5倍減少する場合がある。被験体は、姿勢の安定性が少なくとも0.5倍改善する場合がある。被験体は、姿勢の安定性が少なくともまたは約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0倍、または8.0倍より多く改善する場合がある。転倒とFOGは、独立して生じる場合がある。転倒はFOGに関連付けられる場合がある。
本明細書には、転倒のリスクがある被験体の転倒の頻度を減らす方法が記載され、被検体は、ニコチンまたはその塩を投与される。転倒の危険がある被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている。転倒のリスクがある被験体は、パーキンソン病を抱えている場合がある。
本明細書には、転倒を防ぐ方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、被験体は、nAChrアゴニストまたはアンタゴニストを投与される。例えば、転倒を防ぐ方法は、転倒の発生率を減らす。転倒の発生率は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多く減らすことができる。転倒の発生率は、少なくとも20%減らすことができる。
本明細書には、転倒関連合併症を減らす方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、被験体は、nAChrアゴニストまたはアンタゴニストを投与される。転倒関連合併症として、限定されないが、姿勢不安定性、異常な姿勢バランス、緩慢な応答時間、歩行依存性活動の欠如、日常活動の欠如、および怪我が挙げられる。転倒関連合併症は、少なくとも10%減らすことができる。転倒関連合併症は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多く減らすことができる。転倒関連合併症は、少なくとも20%減らすことができる。
本明細書には、認知機能関連症状を改善する方法が記載され、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を含む剤形を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、被験体は、nAChrアゴニストまたはアンタゴニストを投与される。認知機能関連症状は、神経変性疾患または障害に関連する場合がある。認知機能関連症状は、軽度認知機能障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆症、前頭側頭部の軽度認知機能障害、および前頭側頭型痴呆症に関連する場合がある。認知機能関連症状は、少なくとも10%改善することができる。認知機能関連症状は、少なくともまたは約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多く改善することができる。認知機能関連症状は、少なくとも20%減らすことができる。
転倒頻度の減少、すくみ足歩行(FOG)の減少、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の減少、転倒の予防、転倒関連合併症の減少、姿勢安定性の改善、認知機能関連症状の改善、またはそれらの組み合わせは、対照と比較することができる。対照は、ベースラインにある被験体、またはプラセボを投与した被験体でもよい。いくつかの例において、対照は突発性パーキンソン病を抱えている。対照はLIDを抱えている場合がある。対照は、レボドパのピーク「オン」状態の場合がある。ニコチンまたはその塩は、ドーパミン作用性活性を変えない場合がある。ニコチンまたはその塩は、コリン作用性活性を増大しない場合がある。被験体の評価は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。剤形は、経口投与のために製剤することができる。評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含み得る。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。
本明細書に記載されるような方法は、一定期間にわたり、ある投与量のニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、被験体は、nAChrアゴニストまたはアンタゴニストを投与される。方法は、転倒頻度の減少に関連する場合がある。方法は、すくみ足歩行(FOG)の減少に関連する場合がある。いくつかの実施形態において、方法は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の減少に関連する場合がある。方法は、転倒の予防に関連する場合がある。方法は、転倒関連合併症の減少に関連する場合がある。方法は、姿勢安定性の改善に関連する場合がある。方法は、認知機能関連症状の改善に関連する場合がある。本明細書に記載されるような方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない場合がある。被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている場合がある。被験体は、パーキンソン病を抱えている場合がある。被験体は、パーキンソン病を抱えている場合があるLIDs。
本明細書に記載されるような方法は、ニコチンまたはその塩を投与する工程を含み、1日当たり24mg以下の量のニコチンまたはその塩が投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の量または全投与量は、1日当たり24mgを超えてもよい。ニコチンまたはその塩の量または全投与量は、1日当たり約4mg、1日当たり6mg、1日当たり8mg、1日当たり10mg、1日当たり12mg、1日当たり14mg、1日当たり16mg、1日当たり18mg、1日当たり20mg、1日当たり22mg、1日当たり24mg、1日当たり26mg、1日当たり28mg、1日当たり30mg、1日当たり32mg、1日当たり34mg、1日当たり36mg、1日当たり38mg、1日当たり40mg、1日当たり42mg、1日当たり44mg、1日当たり46mg、1日当たり48mg以下であり、または1日当たり48mgを超えてもよい。ニコチンまたはその塩の量または全投与量は、1日当たり約1~24mg、1日当たり2~22mg、1日当たり3~20mg、1日当たり4~18mg、1日当たり5~16mg、1日当たり6mg~14mg、または1日当たり8~12mgの範囲でもよい。ニコチンまたはその塩の量または全投与量は、1日当たり約8~24mgの範囲でもよい。
いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩を投与するための方法は、経口投与量と同等の投与量のニコチンまたはその塩を含む。例えば、ニコチンまたはその塩は、1日当たり24mgの経口投与量と同等の投与量として投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、1日当たり少なくとも1mg、1日当たり2mg、1日当たり4mg、1日当たり6mg、1日当たり8mg、1日当たり10mg、1日当たり12mg、1日当たり14mg、1日当たり16mg、1日当たり18mg、1日当たり20mg、1日当たり22mg、1日当たり24mg、1日当たり26mg、1日当たり28mg、1日当たり30mg、1日当たり32mg、1日当たり34mg、1日当たり36mg、1日当たり38mg、1日当たり40mg、1日当たり42mg、1日当たり44mg、1日当たり46mg、1日当たり48mg、または1日当たり48mgよりも多くの経口投与量と同等の投与量として投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、1日当たり約1mg、1日当たり2mg、1日当たり4mg、1日当たり6mg、1日当たり8mg、1日当たり10mg、1日当たり12mg、1日当たり14mg、1日当たり16mg、1日当たり18mg、1日当たり20mg、1日当たり22mg、1日当たり24mg、1日当たり26mg、1日当たり28mg、1日当たり30mg、1日当たり32mg、1日当たり34mg、1日当たり36mg、1日当たり38mg、1日当たり40mg、1日当たり42mg、1日当たり44mg、1日当たり46mg、1日当たり48mg、または1日当たり48mgよりも多くの経口投与量と同等の投与量として投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、1日当たり多くとも1mg、1日当たり2mg、1日当たり4mg、1日当たり6mg、1日当たり8mg、1日当たり10mg、1日当たり12mg、1日当たり14mg、1日当たり16mg、1日当たり18mg、1日当たり20mg、1日当たり22mg、1日当たり24mg、1日当たり26mg、1日当たり28mg、1日当たり30mg、1日当たり32mg、1日当たり34mg、1日当たり36mg、1日当たり38mg、1日当たり40mg、1日当たり42mg、1日当たり44mg、1日当たり46mg、1日当たり48mg、または1日当たり48mgよりも多くの経口投与量と同等の投与量として投与される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与量は、異なる投与経路に対する投与量と同等である。例えば、投与経路は、静脈内、動脈内、経口、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、吸入、または腹腔内投与を対象とする場合がある。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、静脈内、動脈内、経口、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、吸入、または腹腔内投与のために製剤される、1日当たり多くとも1mg、1日当たり2mg 1日当たり4mg 1日当たり6mg、1日当たり8mg、1日当たり10mg、1日当たり12mg、1日当たり14mg、1日当たり16mg、1日当たり18mg、1日当たり20mg、1日当たり22mg、1日当たり24mg、1日当たり26mg、1日当たり28mg、1日当たり30mg、1日当たり32mg、1日当たり34mg、1日当たり36mg、1日当たり38mg、1日当たり40mg、1日当たり42mg、1日当たり44mg、1日当たり46mg、1日当たり48mg、または1日当たり48mgよりも多くの経口投与量と同等の投与量として投与される場合がある。
いくつかの実施形態において、複数の投与量が被験体に投与される。いくつかの実施形態において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる投与量のニコチンまたはその塩が投与される。ニコチンまたはその塩の投与量は、約1~約6mgでもよい。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えてもよい。投与量は、少なくとも、または約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えてもよい。投与量は、約0.1~約6mgの範囲でもよい。投与量は、約0.1~約1mg、約0.1~約2mg、約0.1~約2.5mg、約0.1~約3mg、約0.1~約3.5mg、約0.1~約4mg、約0.1~約4.5mg、約0.1~約5mg、または約0.1~約6mgの範囲でもよい。期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、または12週間を超えてもよい。期間は、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長い場合がある。ニコチンまたはその塩の投与量は、慢性処置に使用される場合がある。
本明細書に記載されるような方法は、少なくとも1日1回投与するために一定期間にわたりニコチンまたはその塩の投与量を提供する工程を含む場合がある。投与は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えてもよい。投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間ごとに行うことができる。
いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩を投与する方法は、処置間隔においてニコチンまたはその塩の投与量を上方に増加させる工程を含む。前記方法は、複数の投与量を提供することができる。前記方法は、ニコチンまたはその塩の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる投与量を提供することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、約1~約6mgでもよい。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えてもよい。投与量は、少なくとも、または約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えてもよい。投与量は、2週間の処置間隔において上方に漸増され得る。投与量は、1~4週間の処置間隔において上方に漸増され得る。投与量は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、または8週間を超える処置間隔において上方にされ得る。投与量は、適量が決定されるまで漸増され、その後、慢性処置も適量が使用される場合がある。
本明細書に記載されるような方法は、一定期間にわたりニコチンまたはその塩の出発投与量を提供する工程を含む場合があり、出発投与量は、第1の漸増投与量へと上方に漸増され得る。第1の漸増投与量は、出発投与量より1.5、1.75、または2倍多くてもよい。第1の漸増投与量は、出発投与量より1.5、2、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。いくつかの実施形態において、出発投与量は、第2の漸増投与量へと漸増される。第2の漸増投与量は、出発投与量より2.5、3.0、3.5、または4倍多くてもよい。第2の漸増投与量は、出発投与量より2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。いくつかの実施形態において、出発投与量は、第3の漸増投与量へと漸増される。第3の漸増投与量は、出発投与量より4.5、5.0、5.5、6.0、または6.5倍多くてもよい。第4の投与量は、出発投与量より4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。キットは、出発投与量から複数の漸増投与量を提供することができる。前記方法は、出発投与量から複数の異なる、または同じでない漸増投与量を提供することができる。異なる、または同じでない漸増投与量の数は、出発投与量からの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の漸増投与量でもよい。漸増投与量は、出発投与量より1.5、2、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。
本明細書に記載されるような方法は、少なくとも1日1回投与可能なニコチンまたはその塩の投与量を投与する工程を含む場合がある。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えて投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に約1、2、3、4、5、または6回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日1回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日2回投与することができる。投与間の時間は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間を超えてもよい。投与間の時間は、0~24時間、1~23時間、2~22時間、3~21時間、4~20時間、5~19時間、6~18時間、7~17時間、8~16時間、9~15時間、および10~12時間の範囲でもよい。投与間の時間は、約1~6時間、または約2~6時間の範囲でもよい。投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間ごとに行うことができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるような方法は、即時放出投与量のニコチンまたはその塩、その後、投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量を送達する、ニコチンまたはその塩の剤形を提供する。剤形は、即時放出投与量のニコチンまたはその塩、その後、投与の約1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に第2の即時放出投与量を送達することができる。いくつかの実施形態において、第2の即時放出投与量の後、投与の約8~16時間後に第3の即時放出投与量が送達される。いくつかの実施形態において、第3の即時放出投与量の後、投与の約16~24時間後に第4の即時放出投与量が送達される。ニコチンまたはその塩の投与量は、一定期間にわたり約1mg~約6mgでもよい。例えば、ニコチンまたはその塩の投与量は、6時間にわたって約1mg~約6mgでもよい。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mg、36mg、38mg、40mg、42mg、44mg、46mg、48mg、または48mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。期間は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間を超えてもよい。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えて投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に約1、2、3、4、5、または6回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日1回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日2回投与することができる。投与間の時間は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間を超え、またはそれらの時間に及ぶ範囲内にあってもよい。投与間の時間は、0~24時間、1~23時間、2~22時間、3~21時間、4~20時間、5~19時間、6~18時間、7~17時間、8~16時間、9~15時間、および10~12時間の範囲でもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるような方法は、一定期間にわたり1つ以上の即時放出投与量のニコチンまたはその塩を送達する、ニコチンまたはその塩の剤形を提供する。即時放出投与量のニコチンまたはその塩の数は、1、2、3、5、6、7、8、または8より多くの即時放出投与量でもよい。即時放出投与量のニコチンまたはその塩の数は、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4の即時放出投与量の範囲内にあってもよい。剤形は、投与の約1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に、即時放出投与量を提供することができる。剤形は、投与の約8~16時間、8~15時間、8~14時間、または8~12時間後に即時放出投与量を提供することができる。剤形は、投与の約16~24時間、16~22時間、16~20時間、または16~18時間後に即時放出投与量を提供することができる。
いくつかの実施形態において、前記方法は、遅延放出パルスのニコチンまたはその塩を送達する剤形を提供することができる。遅延放出パルスのニコチンまたはその塩は、一定期間にわたり送達することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は1日当たり24mg以下でもよい。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与量は、1日当たり24mgを超えてもよい。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mg、36mg、38mg、40mg、42mg、44mg、46mg、48mg、または48mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。期間は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、または24時間より長い時間、またはそれらの時間に及ぶ範囲内にあってもよい。
統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)
統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)は通常、パーキンソン病の経時的経過に従うために使用される。一般的に、UPDRSは5つのセクションから構成される:パートI:精神状態、行動、および気持ちの評価;パートII:発語、嚥下、筆跡、身なり、衛生、転倒、唾液の排出、寝返り、ウォーキング、および減食(cutting food)を含む日常生活動作(ADL)の自己評価;パートIII:臨床的に採点される、モニタリングされる運動の評価;パートIV:パーキンソン病の重症度のHoehn and Yahrの重症度分類;およびパートV:Schwab and EnglandのADL尺度。
これらのUPDRSセクションは、面会および臨床観察によって評価される。場合によっては、セクションは、四肢それぞれに割り当てられる多数の等級を必要とする場合がある。通常、臨床医、医療専門家、または研究者は、特に人のパーキンソン病の進行を追跡するために、UPDRSおよび運動セクションを使用することになる。例えば、研究には、ある治療からの利益を測定するためにそれが活用される場合がある。別の例として、医療専門家は、患者の症状の進行を追跡するために臨床診療においてそれを活用する場合がある。経時的にUPDRSスコアを追跡することで、患者の疾患進行に対する見識を提供することができる。通常、「精神状態、行動、および気持ち」は、この疾患における後の増加を採点する。
統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)は、パーキンソン病の患者の評価のために最も利用されてきた検査である。本来のUPDRSには、転倒に関する日常生活動作の疑問がある。この疑問は、運動障害疾患学会のUPDRS(MDS-UPDRS)の改訂版には存在しない。本来のUPDRSおよびMDS-UPDRSの両方には、「引っ張り検査」として知られる、バランス(姿勢不安定性)に対するサブ検査が1つだけ存在する。このサブテストは、合計132点のうち4点しか構築しておらず、これは、運動検査の約3%に該当し、パーキンソン病患者の転倒を評価するための小部分である。
運動障害疾患学会のUPDRS(MDS-UPDRS)改訂版
運動障害疾患学会(MDS)は、MDS-UPDRSとして知られるUPDRSの改訂版を公開した。この改訂版は、本来のUPDRSの限定事項を強調している。2つの主な限定事項として、サブスケール間の一貫したアンカー(anchor)の欠如、およびPDの非運動性特徴に対する強調の低さが挙げられる。UPDRSの修正版は、様々なサブスケールの再編成を伴う4つの尺度構造を保持している。尺度は次のようにタイトルを付けられている;(1)日常生活の非運動性経験(13項目)、(2)日常生活の運動経験(13項目)、(3)運動検査(18項目)、および(4)運動合併症(6項目)。ここで各サブスケールには、0-4のレーティングがあり、0=正常、1=僅か、2=軽度、3=中程度、および4=重度である。
Tinetti検査(TT)
Performance Oriented Mobility Assessment(POMA)としても知られるTinetti検査(TT)は、人の静的かつ動的なバランス能力を評価するための一般的な臨床検査である。この検査は2つの短いセクションにあり、1つは、着座と直立における静的バランス能力を調べるものであり、もう1つは歩行を調べるものである。場合によっては、2つのセクションは別々の検査として使用される場合がある。
バーロウ神経学研究所(BNI)
バランスの評価に通常使用されるTinettiスコアとは異なり、バーロウ神経学研究所(BNI)のバランス尺度は、パーキンソン病に焦点を置き、かつ、結果としてパーキンソン病における転倒をもたらす問題に対処するものである(Lieberman et al., “A quick and easy-to-use clinical scale to assess balance in Parkinson’s disease”, Journal of Parkinsonism & Restless Legs Syndrome, 2: 67-71, November 30, 2012)。結果としてパーキンソン病における転倒をもたらす問題の非限定的な例は、回転、手を伸ばしたり階段を上り下りしながらの片足での直立、および制限された空間でのウォーキングが挙げられる。加えて、BNIバランス尺度は、MDS-UPDRSの一部を再現しない。そのため、BNIバランス尺度は、MDS-UPDRSの補足物として使用できる。
BNIバランス尺度は、バランスの評価と転倒の予測のための、3つの主要なカテゴリーにおいて5つのサブセットを含む。BNIバランス尺度は、転倒に関連するパーキンソン病に適したサブ検査を組み込んでおり、回転と片足での直立のサブ検査は、Tinett(バランスセクションの項目8)およびBerg(項目11と14)の尺度のサブ検査である。患者は、回転、片足での直立、およびつぎ足歩行を評価される。患者パフォーマンスは、最大20点のスコアにより評価される。評価の詳細を本明細書に記載する。
回転検査を行う患者は、360度の回転を求められ、8点のスコアシステムに対して評価される(表1)。先ず、患者に右方向に回転するよう求め、4点と採点する。次に、患者に左方向に回転するよう求め、4点と採点する。一般的に、採点はBergと同様であるが、Bergでは4が標準または基線であり、BNIでは0が標準または基線である。
Figure 2023065396000006
片足での直立検査を行う患者は、片足を独立して持ち上げて、それを一定期間維持することを求められる。先ず、患者に右足だけで立つように求め、4点と採点する。次に、患者に左足だけで立つように求め、4点と採点する。足の持ち上げを維持する能力を、8点のスコアシステムに対して評価する(表2)。一般的に、採点はBergと同様であるが、Bergでは4が標準または基線であり、BNIでは0はが標準または基線である。
Figure 2023065396000007
一般的に、つぎ足歩行検査は、片足をもう片方の足の前に位置づけ、片足の踵がもう片方の足のつま先に触れるように、10歩進むことを患者に要求する。患者を、4点のスコアシステムに対して評価する(表3)。0点のスコアが標準または基線である。
Figure 2023065396000008
いくつかの実施形態において、転倒関連症状の改善は、バーロウ神経学研究所(BNI)の転倒評価からReason for Fallを利用することにより評価される。いくつかの実施形態において、転倒関連症状の改善は、バーロウ神経学研究所(BNI)の転倒評価からのSeverity of Fallを利用することにより評価される。
いくつかの実施形態において、神経系疾患を抱える被験体の転倒の可能性は、バーロウ神経学研究所(BNI)のバランス尺度を使用して予測される。非限定的な例として、試験前3か月の間に少なくとも3回転倒したことがある患者は、転倒者と考慮され、通常は、BNIの片足での直立検査に対して少なくとも3点、BNIの回転検査に対して少なくとも3点、およびBNIのつぎ足歩行検査に対して少なくとも2点と採点される。別の非限定的な例として、BNI質問に際してバランスが困難と報告された患者も、少なくとも2点のMDS-UPDRS姿勢安定性(PS)を有する場合があり、この患者は1か月に少なくとも3回転倒する場合がある。
いくつかの実施形態において、本開示は、本来のUPDRS、MDS-UPDRS、ロンベルグ検査、回転検査、片足での直立検査、およびつぎ足歩行検査で構成される、BNIバランス尺度の修正版を利用して、パーキンソン病またはパーキンソン関連疾患などの神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を評価する方法を提供する。典型的な検査として、本来のUPDRSからの質問32-35のDyskinesias、本来のUPDRSの質問36-39のResponse fluctuation、本来のUPDRSの質問40のSleep disturbance、Hoehn & Yahrの重症度分類システム(0V)、MDS-UPDRS132点、MDS-UPDRS24点の軸・中線部分、MDS-UPDRSのGait Subtest、MDS-UPDRSの「引っ張り検査」として知られる姿勢安定性、およびMDS-UPDRSからのすくみ足歩行(FOG)サブ検査が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン関連疾患などの神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を評価する方法を提供する。いくつかの実施形態において、被験体は、25フィート、すなわち7.62メートルに相当する距離を歩行する能力により評価される。25フィート、すなわち7.62メートルに相当する距離を歩行するために被験体がとる歩数を計数し、時間を測定する。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン関連疾患などの神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を評価する方法を提供する。いくつかの実施形態において、被験体は、FOGのMDS-UPDRSおよびMDS-UPDRSサブ検査のFOG質問2.13により、「オン」状態と「オフ」状態でのすくみ足歩行について評価される(Espay AJ, Fasano A, van Nuenen BFL, “On state freezing of gait in Parkinson’s disease: a paradoxical levodopa-induced complication”, Neuerology 78:454-457, January 18, 2012)。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置するための方法と組成物を提供し、該方法は、組成物を被験体に投与する工程、および処置に対する被験体の応答を評価する工程を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、6か月の期間にわたり被験体に投与される(Fahn S, Elton RL, Members of the UPDRS Development Committee Unified Parkinson’s Disease Rating Scale, Fahn S, Marsden CD, Calne D, Goldstein M, “Recent Developments in Parkinson’s Disease”, Macmillan Healthcare Information Florham Park NJ, pp 3-163, 1988)。処置の有効性は、「オンオフ(on off)」検査での被験体のパフォーマンスによって評価される。いくつかの実施形態において、評価は、最大6か月、2か月毎に実行される。6か月の期間の満了後、被験体にプラセボを投与し、クロスオーバーの2か月後に「オンオフ」検査により評価される。場合によっては、被験体は、処置の再滴定(treatment re-titration)をクロスオーバーの2か月後に与えられる。クロスオーバーおよび再滴定の期間後、「オンオフ」検査に対する被験体のパフォーマンスは、最大6か月間、2か月毎に評価される。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置するための方法と組成物を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を含む組成物を被験体に投与する工程、および処置に対する被験体の応答を評価する工程を含む。いくつかの実施形態において、プラセボは、6か月の期間にわたり被験体に投与される。処置の有効性は、「オンオフ(on off)」検査での被験体のパフォーマンスによって評価される。いくつかの実施形態において、評価は、最大6か月、2か月毎に実行される。6か月後、被験体は、ニコチンまたはその塩を含む組成物を投与され、自身の同一対照として役目を果たす。任意の理論に縛られないが、プラセボを受けている被験体は、本組成物の総量を許容することができず、被験体は、処置の別の滴定期間を受けている場合がある。クロスオーバーと再滴定が完了して2か月後、処置の有効性は、最大6か月間、2か月毎に、「オンオフ」検査に対する被験体のパフォーマンスにより評価される。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置するための方法と組成物を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を含む組成物を被験体に投与する工程、および処置に対する被験体の応答を評価する工程を含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、6か月の期間にわたり被験体に投与される。処置の有効性は、最大6か月間、2か月毎に、「オンオフ(on off)」検査での被験体のパフォーマンスによって評価される。6か月後、被験体はプラセボを投与され、自身の同一対照として役目を果たす。クロスオーバーと再滴定が完了して2か月後、処置の有効性は、最大6か月間、2か月毎に、「オンオフ」検査に対する被験体のパフォーマンスにより評価される。
いくつかの実施形態において、パーキンソン病またはパーキンソン病関連の疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置する有効性は、処置に対する被験体の応答を評価することにより規則的にモニタリングされる。評価は、人、家族、または地域へと系統的な方法で、保護的、治癒的、促進的、またはリハビリ的なヘルスケアサービスなどを提供する医療専門家により行うことができる。医療専門家は、医療従事者の場合がある。医療従事者の例として、医師、歯科医、薬剤師、医師助手、看護士(高度な実践看護師を含む)、外科医、外科医助手、外科技術者、助産師(産科医(obsterics))、栄養士、セラピスト、心理学者、脊柱指圧療法師、臨床士官、社会福祉士、採血者、理学療法士、呼吸療法士、作業療法士、聴覚訓練士、医療言語聴覚士、検眼士、救急救命士、救急医療隊員、薬品試験所科学者、医療義肢装具士、レントゲン技師、および、あらゆる種類のヘルスケアサービスを提供するよう訓練された多種多様なその他の人材が挙げられる。医療従事者は多くの場合、病院、保健所、および他のサービス提供拠点だけでなく、大学訓練研究所、および政府に勤めている。その一部は、自宅にいる患者にケアおよび処置のサービスを提供する。場合によっては、地域医療職員は、公的ヘルスケア機関の外部で働いている場合がある。医療従事者は一般的に、多数の専門職にグループ化される:医療(一般医および専門医を含む);看護(様々な専門の肩書を含む);助産(産科学);歯科;および、作業療法、薬学、理学療法、救急医療、呼吸療法、レントゲン技師、および他の多くの健康の専門家を含む、その他の健康の専門職。
いくつかの実施形態において、本方法と組成物を使用した転倒関連症状の処置の有効性は、「オンオフ」検査に際した被験体のパフォーマンスなど、処置に対する被験体の反応をモニタリングすることにより評価される。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも6~14か月間、2か月毎に評価される。いくつかの実施形態において、被験体は、6か月の期間にわたり少なくとも4回評価される。例えば、被験体は、最初の訪問として知られるような、処置を受けたとき、最初の処置を受けて2か月後;最初の処置を受けて4か月後;および最初の処置を受けて6か月後に、評価される。様々な実施形態において、被験体は、約2か月間、処置のクロスオーバーおよび再滴定を受ける。被験体は、「オンオフ」検査に対するパフォーマンスを評価される。再滴定期間の満了後、被験体は、少なくとも6か月間、2か月毎に評価される。いくつかの実施形態において、被験体は、処置のクロスオーバーおよび再滴定期間後、6か月の期間にわたり、少なくとも4回評価される。例えば、被験体は、処置のクロスオーバーおよび再滴定の完了時;処置のクロスオーバーと再滴定の完了の2か月後;処置のクロスオーバーと再滴定の完了の4か月後;および処置のクロスオーバーと再滴定の完了の6か月後に、評価される。
本開示はまた、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患などの神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を評価する、またはその再発性転倒を予測する方法を提供する。様々な実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病と診断されている。被験体は、30~83歳の男性または女性の場合がある。被験体は、Hoehn and Yahrの重症度分類II、III、IVの「オン」状態にあり、Montreal Cognitive Assessment(MOCA)スコア≧26を有している。いくつかの実施形態において、被験体は、過去に少なくとも1回転倒したことがある。被験体はまた、レボドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、および/またはモノアミンオキシダーゼB阻害剤の安定した投与量を受けている。
いくつかの実施形態において、神経変性疾患および転倒関連症状を抱える被験体は、本方法と組成物により処置することができる。被験体には、非定型パーキンソン病、または、稀ではあるが疾患の特に初期に多くの転倒をもたらす障害がない場合がある。これらの障害として、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、原発性すくみ足歩行(PFG)、および大脳皮質基底核変性症が挙げられる。被験体は、パーキンソン病および痴呆症を抱えていない場合がある。また、法定盲の被験体、股関節部や膝に大きな整形外科的問題を抱えている被験体、または股関節部や膝の置換術を必要とする患者は、除外される。自律神経系(ANS)の関与を反映する起立性低血圧はパーキンソン病の一部となる場合があるが、抗高血圧薬、利尿薬、選択された抗うつ剤、および脱水剤(dehydration)の使用に起因する場合がある。多くの場合、起立性低血圧による転倒が、ANSの機能障害、または薬物や脱水に起因するのかを判定するのは困難であるので、起立性低血圧を抱える被験体は除外される。また、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害、幻覚、精神病、または妄想の履歴がある被験体、脳深部刺激(DBS)介入が行われた被験体、および/または最近の脳卒中または心筋梗塞の履歴がある被験体は、除外される。
一態様において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の認知機能関連症状を処置する方法を提供し、該方法は、ニコチンまたはその塩を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ニコチンおよびその塩は、剤形において投与される。ニコチンまたはその塩の投与は、パーキンソン病、統合失調症、軽度認識障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆症、前頭側頭部の軽度認識障害、および前頭側頭型認知症などの神経変性疾患を抱える被験体の認知機能障害を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。いくつかの実施形態において、被験体は、少なくとも5年間パーキンソン病であると診断される。いくつかの実施形態において、被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている。いくつかの実施形態において、被験体は、過去に転倒したことがある、または再発性転倒がある。
様々な実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の認知機能関連症状を処置する方法を提供し、該方法は、ニコチン受容体モジュレータを含む組成物を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、剤形において投与される。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチン受容体アゴニストまたはアンタゴニストである。組成物の投与は、パーキンソン病、統合失調症、軽度認識障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆症、前頭側頭部の軽度認識障害、および前頭側頭型認知症などの神経変性疾患を抱える被験体の認知機能障害を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は一般的なパーキンソン病を抱えている。
いくつかの実施形態において、本開示は、パーキンソン病、統合失調症、軽度認識障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆、前頭側頭部の軽度認識障害、または前頭側頭型認知症を抱える被験体の認知機能関連症状を処置する方法を提供し、該方法は、被験体にニコチンまたはその塩を投与する工程を含む。ニコチンまたはその塩の投与は、認知機能障害を減らすことができる。いくつかの実施形態において、被験体は、ドーパミン作動薬処置を受けている。ドーパミン作動薬の非限定的な例として、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピノロール、アポモルヒネ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、B型モノアミン酸化酵素阻害剤、アマンタジン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、被験体は、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせを受けている。
様々な実施形態において、本明細書には、パーキンソン病、統合失調症、軽度認識障害、アルツハイマー病、血管認知機能障害、皮質下虚血性血管性痴呆症、前頭側頭部の軽度認識障害、または前頭側頭型認知症を抱える被験体の認知機能関連症状を減らす方法と組成物が開示され、前記被験体は、ドーパミン作動薬処置、例えばレボドパ/カルビドパを受けており、前記方法は、被験体にニコチンまたはその塩を投与する工程を含む。ニコチンまたはその塩をドーパミン作動薬と組み合わせて投与すると、認知機能関連症状を減らすことができる。様々な実施形態において、開示された方法と組成物の利用により、ドーパミン作動薬処置に関連する副作用が減少し、例えば、ジスキネジアが減少し、反応変動:「ウェアリングオフ(wearing off and of off)」が改善される。
医薬組成物
いくつかの実施形態において、本開示は、神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状および認知機能関連症状を処置するための、ニコチンまたはその塩を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書に記載される任意のニコチン含有組成物の場合がある。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、投与のための剤形において製剤される。関連する実施形態において、組成物は、本明細書に記載される、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体モジュレータを含む。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチン受容体アゴニストである。関連する実施形態において、剤形は、薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であり、その例は本明細書に記載されている。
経口投与に適している本発明の医薬組成物は、カプセル剤、カシェ剤、錠剤、液体、粉末として、または顆粒剤中に所定量の有効成分を各々含有しているエアロゾルスプレー、溶液、水溶液または非水溶液中の懸濁液、水中油型乳剤、または油中水型乳剤などの、別個の剤形として提供することができる。このような剤形は、薬学の方法のいずれかにより調製できるが、全ての方法は、有効成分を担体と混合する工程を含み、これにより1つ以上の必要な成分が構成される。
いくつかの実施形態において、組成物は、約0.001~1000mg、0.01~100mg、0.1~200mg、3~200mg、5~500mg、10~100mg、10~1000mg、50~200mg、または100~1000mgの量で、ニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.001mg、0.0.1mg、0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、18mg、20mg、24mg、25mg、50mg、100mg、200mg、500mg、1000mg、またはそれ以上のニコチンまたはその塩を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、約0.1mg~5mg、約1mg~3mg、約2mg~20mg、約10mg~25mg、約15mg~50mg、約20mg~200mg、約100mg~500mg、約150mg~1000mgの量で、ニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の量は、約1mg~24mgである。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の量は、約0.001mg、約0.01mg、約0.1mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約12mg、約14mg、約16mg、約18mg、約20mg、約25mg、約30mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約500mg、または約1000mgである。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の量は、約0.001mg未満、約0.01mg未満、約0.1mg未満、約1mg未満、約2mg未満、約3mg未満、約4mg未満、約5mg未満、約6mg未満、約7mg未満、約8mg未満、約9mg未満、約10mg未満、約12mg未満、約14mg未満、約16mg未満、約18mg未満、約20mg未満、約25mg未満、約30mg未満、約50mg未満、約100mg未満、約150mg未満、約200mg未満、約500mg未満、または約1000mg未満である。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、約1mgで存在する。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、約2mgで存在する。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、約4mgで存在する。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩は、約6mgで存在する。
製剤
いくつかの実施形態において、組成物は、被検体に投与するために製剤され、該組成物は、転倒関連症状を減らすのに有効な量でニコチンまたはその塩を含む。処置は、転倒頻度の減少、転倒に関連する怪我の減少、転倒に関連する怪我の重症度の減少、および、バランス、姿勢安定性、歩行の改善など、転倒関連症状の減少を含む場合がある。処置はまた、認知機能関連症状の減少を含む場合がある。処置はまた、FOGの減少を含む場合がある。処置はまた、LIDの減少を含む場合がある。組成物は剤形において製剤することができる。いくつかの実施形態において、組成物は、ニコチン受容体アゴニストなどのニコチン受容体モジュレータを含む剤形において製剤される。様々な実施形態において、組成物は、ドーパミン作動薬、例えばレボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジン、およびモノアミンオキシダーゼB阻害剤、またはそれらの組み合わせと組み合わせて投与するために製剤される。
様々な実施形態において、組成物は、約0.001~1000mg、0.01~100mg、0.1~200mg、3~200mg、5~500mg、10~100mg、10~1000mg、50~200mg、または100~1000mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.001mg、0.01mg、0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、2.0mg、100mg、200mg、500mg、1000mg、またはそれ以上のニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約2mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約4mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約6mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1~10mgの量のニコチンまたはその塩を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、有効成分として治療上有効な量の本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、または誘導体を提供するために製剤される。望ましい場合、医薬組成物は、その薬学的に許容可能な塩および/または配位化合物、および1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、不活性固形希釈剤および充填剤を含む担体、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、浸透促進剤、可溶化剤、およびアジュバントを含有している。
本明細書に開示される組成物は、経口、静脈内注射、および/または局所を介した投与のために製剤することができる。いくつかの実施形態において、開示された医薬組成物は、局所投与のために製剤される。
いくつかの実施形態において、組成物はさらに、静脈内、動脈内、経口、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、吸入、または腹腔内投与に適した担体を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、液体、ゲル、半液体、半固形、および/または固体の形態の単位剤形として製剤される。
いくつかの実施形態において、組成物は局所クリームとしてされる。
いくつかの実施形態において、組成物は食品において製剤される。いくつかの実施形態において、組成物は飲料において製剤される。いくつかの実施形態において、組成物は栄養補助食品において製剤される。
本明細書には多重微粒子製剤が記載され、該製剤は、即時放出投与量のニコチン、および、投与の約2~時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達することができる。製剤は、時間0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10で、即時放出投与量のニコチンを送達することができる。製剤は、投与の約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ上の時間の後に、第2の即時放出投与量のニコチンを送達することができる。製剤は、投与の1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に、即時放出投与量のニコチンを送達することができる。製剤は、投与の1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に、第2の即時放出投与量のニコチンを送達することができる。多重微粒子製剤は、ニコチンを含む薬物層で被覆された粒子の第1の集団;およびニコチンを含む薬物層で被覆されるとともに、遅延放出コーティングで被覆された第2の集団を含む場合がある。粒子の第1集団はさらに、即時放出コーティングで被覆されてもよい。即時放出コーティングは、Opadryコーティングでもよい。遅延放出コーティングは、ポリマー、可塑剤、および粘着防止剤を含む場合がある。ポリマー、可塑剤、および粘着防止剤は、6:1:3の比率で存在する場合がある。ポリマーは、Eudragit RSおよび/またはEudragit RLでもよい。可塑剤は、クエン酸トリエチルでもよい。粘着防止剤は、タルクでもよい。前記多重微粒子製剤の投与の結果、前記剤形の投与後約120分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。前記多重微粒子製剤の投与の結果、前記剤形の投与後約180分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。薬物動態プロファイルは、投与後約180分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約120分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約45~90分で約5ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有する場合がある。薬物動態プロファイルは、投与後約60分で約15ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有する場合がある。
本明細書には、ニコチンまたはその塩を含む製剤の使用に関連する製剤と方法が記載され、投与の結果、前記剤形の投与後約120分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。前記剤形の投与の結果、前記剤形の投与後約180分の時点で、約7.5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有する薬物動態プロファイルをもたらすことができる。薬物動態プロファイルは、投与後約180分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有することができる。薬物動態プロファイルは、投与後約120分で約5ng/ml未満の血漿ニコチンレベルを有することができる。薬物動態プロファイルは、投与後約45~90分で約5ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有することができる。薬物動態プロファイルは、投与後約60分で約15ng/mlを超える血漿ニコチンレベルを有することができる。
本明細書には、ニコチンまたはその塩を含む製剤の使用に関連する製剤と方法が提供される。本明細書に記載されるような製剤と方法は、転倒のリスクのある被験体の転倒の頻度を減らすことができる。本明細書に記載されるような製剤と方法は、転倒を予防することができる。本明細書に記載されるような製剤と方法は、FOGを減らすことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるような製剤と方法は、転倒関連症状を減らすことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるような製剤と方法は、転倒関連合併症の頻度を減らす。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるような製剤と方法は、転倒の頻度を減らし、転倒に関連する怪我の頻度を減らし、転倒に関連する怪我の重症度を減らし、姿勢安定性を改善し、静的バランスを改善し、または歩行を改善する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるような製剤と方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない。いくつかの実施形態において、被験体は、パーキンソン病(PD)またはPD関連障害を抱えている。
本明細書には、ニコチンまたはその塩を含む製剤の使用に関連する製剤と方法が記載され、ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15 ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0ng/mL~20ng/mL、1.0ng/mL~19ng/mL、1.5ng/mL~18ng/mL、2.0ng/mL~17ng/mL、2.5ng/mL~16ng/mL、3.0ng/mL~15ng/mL、3.5ng/mL~14ng/mL、4.0ng/mL~12ng/mL、4.5ng/mL~11ng/mL、5.0ng/mL~10ng/mL、6.0ng/mL~9ng/mL、6.5ng/mL~8.5ng/mL、または7.0ng/mL~8.0ng/mLの範囲にすることができる。投与の後の時点は、投与後約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分より長い時間、またはそれらの時間に及ぶ範囲内にある場合がある。
いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、血漿ニコチンレベルを、投与後のある時点で、約0ng/mL~20ng/mL、1.0ng/mL~19ng/mL、1.5ng/mL~18ng/mL、2.0ng/mL~17ng/mL、2.5ng/mL~16ng/mL、3.0ng/mL~15ng/mL、3.5ng/mL~14ng/mL、4.0ng/mL~12ng/mL、4.5ng/mL~11ng/mL、5.0ng/mL~10ng/mL、6.0ng/mL~9ng/mL、6.5ng/mL~8.5ng/mL、または7.0ng/mL~8.0ng/mLの範囲にすることができる。投与の後の時点は、投与後約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分より長い時間、またはそれらの時間に及ぶ範囲内にある場合がある。ピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約30分、40分、60分、75分、90分、120分、140分、150分、160分、180分、200分、240分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約25分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約25分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約25分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の25分後未満でもよい。時点は、投与の25分より後でもよい。時点は、投与の0~25分、5~20分、または10~15分後の範囲でもよい。投与の約25分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約30分、40分、60分、75分、90分、120分、140分、150分、160分、180分、200分、240分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約60分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約60分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約60分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の60分後未満でもよい。時点は、投与の60分より後でもよい。時点は、投与の0~60分、5~55分、10~50分、15~45分、20~40分、または25~30分後の範囲でもよい。投与の約60分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約65分、75分、90分、120分、140分、150分、160分、180分、200分、240分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約90分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約90分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約90分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の90分後未満でもよい。時点は、投与の90分より後でもよい。時点は、0~90分、5~85分、10~80分、15~75分、20~70分、25~65分、30~60分、35~55分、または40~50分の範囲でもよい。投与の約90分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約95分、100分、100分、120分、140分、150分、160分、180分、200分、240分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約120分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約120分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約120分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の120分後未満でもよい。時点は、投与の120分より後でもよい。時点は、0~120分、5~115分、10~110分、15~105分、20~100分、25~95分、30~90分、35~85分、40~75分、45~70分、または50~65分の範囲でもよい。投与の約120分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約130分、140分、150分、160分、180分、200分、240分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約180分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。 ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約180分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約180分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の180分後未満でもよい。時点は、投与の180分より後でもよい。時点は、0~180分、5~175分、10~170分、15~165分、20~160分、25~155分、30~150分、35~145分、40~140分、45~135分、50~130分、55~125分、60~120分、65~115分、70~110分、75~105分、または80~100分の範囲でもよい。投与の約180分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約185分、200分、240分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約240分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。 ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約240分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約240分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の240分後未満でもよい。時点は、投与の240分より後でもよい。時点は、0~240分、5~220分、10~200分、15~180分、20~170分、25~160分、30~150分、35~145分、40~140分、45~135分、50~130分、55~125分、60~120分、65~115分、70~110分、75~105分、または80~100分の範囲でもよい。投与の約240分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約250分、270分、300分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約300分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。 ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約300分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約300分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の300分後未満でもよい。時点は、投与の300分より後でもよい。時点は、0~300分、5~280分、10~260分、15~240分、20~220分、25~200分、30~180分、35~160分、40~140分、45~135分、50~130分、55~125分、60~120分、65~115分、70~110分、75~105分、または80~100分の範囲でもよい。投与の約300分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約310分、320分、350分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約360分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満にすることができる。投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約360分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLより上にすることができる。時点は、投与の360分後未満でもよい。投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを、投与の約360分後に、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLにすることができる。時点は、投与の360分後未満でもよい。時点は、投与の360分より後でもよい。時点は、0~360分、5~320分、10~280分、15~240分、20~200分、25~180分、30~160分、35~150分、40~140分、45~135分、50~130分、55~125分、60~120分、65~115分、70~110分、75~105分、または80~100分の範囲でもよい。投与の約360分後のピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後約370分、380分、390分、400分、500分、600分、または600分より長い時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下の場合がある。
本明細書には、ニコチンまたはその塩の投与が提供され、血漿ニコチンレベルは、特定の時間においてピーク血漿ニコチンレベルよりも低いパーセンテージである。血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い場合がある。血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い場合がある。血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも5%-100%、10%-95%、15%-90%、20%-85%、25%-80%、30%-75%、35%-70%、または40%-65%低い場合がある。特定の時間は、約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間、あるいはそれらの時間に及ぶ範囲内にある場合がある。例えば、血漿ニコチンレベルは、約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間で、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い場合がある。
いくつかの実施形態において、ピーク血漿レベルに到達後の特定の時間での血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い。いくつかの実施形態において、ピーク血漿レベルに到達後の特定の時間での血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い場合がある。ピーク血漿レベルに到達後の特定の時間での血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも5%-100%、10%-95%、15%-90%、20%-85%、25%-80%、30%-75%、35%-70%、または40%-65%低い場合がある。ある実施形態において、投与後の特定の時間での血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い場合がある。投与後の特定の時間でのニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い。投与後の特定の時間での血漿ニコチンレベルは、ピーク血漿ニコチンレベルよりも5%-100%、10%-95%、15%-90%、20%-85%、25%-80%、30%-75%、35%-70%、または40%-65%低い場合がある。特定の時間は、投与後約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間、あるいはそれらの時間に及ぶ範囲内にある場合がある。例えば、血漿ニコチンレベルは、投与後約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間で、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%低い場合がある。
いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルがもたらされ、ピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL未満、またはそれよりも上になる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルがもたらされ、ピーク血漿ニコチンレベルに続いて、血漿ニコチンレベルは、投与後のある時点で、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mLになる場合がある。ピーク血漿レベルは、投与のある時点で、0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下、またはそれ以上になる場合がある。投与の後の時点は、投与後約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、
140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分より長い時間、またはそれらの時間に及ぶ範囲内にある場合がある。
いくつかの実施形態において、ピーク血漿ニコチンレベルは経時的に変動する。例えば、ニコチンまたはその塩を投与した結果、投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを10ng/mLより上にすることができ、次いで、投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約7.5ng/mL未満にすることができる。ニコチンまたはその塩を投与した結果、投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルを7.5ng/mLより上にすることができ、次いで、投与の約180分後に血漿ニコチンレベルを約5ng/mL未満にすることができる。ピーク血漿ニコチンレベルは、本明細書に記載されるような投与後の任意の時点で、本明細書に記載されるような任意のピーク血漿ニコチンレベルを伴い変動する場合がある。
いくつかの実施形態において、ピーク血漿ニコチンレベルからベースラインまでの時間は、変動する。ピーク血漿ニコチンレベルからベースラインまでの時間は、約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間、あるいはそれらの時間に及ぶ範囲でもよい。ベースラインニコチンは、約3ng/mL未満の場合がある。ベースラインニコチンは、約0.25ng/mL、0.50ng/mL、0.75ng/mL、1.0ng/mL、1.25ng/mL、1.5ng/mL、1.75ng/mL、2.0ng/mL、2.25ng/mL、2.5ng/mL、2.75ng/mL、3.0ng/mL、3.25ng/mL、3.5ng/mL、3.75ng/mL、または4.0ng/mLの場合がある。ベースラインニコチンは、0.1ng/mL~3.0ng/mL、0.25ng/mL~2.75ng/mL、0.5ng/mL~2.5ng/mL、0.75ng/mL~2.25ng/mL、または1.0ng/mL~2ng/mLの範囲でもよい。
第1のピーク血漿ニコチンレベルから第2のピーク血漿ニコチンレベルまでの時間は、変動する場合がある。第1のピーク血漿ニコチンレベルまたは第2のピーク血漿ニコチンレベルは、約0.25ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、1.5ng/mL、2.0ng/mL、2.5ng/mL、3.0ng/mL、3.5ng/mL、4.0ng/mL、4.5ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、6.5ng/mL、7.0ng/mL、7.5ng/mL、8.0ng/mL、8.5ng/mL、9.0ng/mL、9.5ng/mL、10.0ng/mL、10.5ng/mL、11ng/mL、12ng/mL、13ng/mL、14ng/mL、15ng/mL、16ng/mL、17ng/mL、18ng/mL、19ng/mL、20ng/mL、21ng/mL、22ng/mL、23ng/mL、24ng/mL、または25ng/mL以下、またはそれ以上になる場合がある。第1のピーク血漿ニコチンレベルから第2のピーク血漿ニコチンレベルまでの時間は、約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間、あるいはそれらの時間に及ぶ範囲でもよい。第1のピーク血漿ニコチンレベルから第2のピーク血漿ニコチンレベルまでの時間は、少なくとも180分の場合がある。第1のピーク血漿ニコチンレベルから第2のピーク血漿ニコチンレベルまでの時間は、多くとも600分の場合がある。
ピーク血漿コチニンレベルは、ニコチンまたはその塩の投与後に変動する場合がある。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿コチニンレベルを、投与後のある時点で、約1.0ng/mL、2.0ng/mL、3.0ng/mL、4.0ng/mL、5.0ng/mL、6.0ng/mL、7.0ng/mL、8.0ng/mL、9.0ng/mL、10.0ng/mL、12ng/mL、14ng/mL、16ng/mL、18ng/mL、20ng/mL、22ng/mL、24ng/mL、26ng/mL、28ng/mL、30.0ng/mL、32ng/mL、34ng/mL、36ng/mL、38ng/mL、40ng/mL、42ng/mL、44ng/mL、46ng/mL、48ng/mL、50ng/mL、52ng/mL、54ng/mL、56ng/mL、58ng/mL、60ng/mL、10ng/mL、20ng/mL、30ng/mL、40ng/mL、50ng/mL、60ng/mL、70ng/mL、80ng/mL、90ng/mL、100ng/mL、160ng/mL、180ng/mL、200ng/mL、220ng/mL、240ng/mL、260ng/mL、280ng/mL、300ng/mL、32ng/mL、340ng/mL、360ng/mL、380ng/mL、400ng/mL、420ng/mL、440ng/mL、460ng/mL、480ng/mL、500ng/mL、520ng/mL、540ng/mL、560ng/mL、580ng/mL、600ng/mL、640ng/mL、700ng/mL、750ng/mL、800ng/mL、850ng/mL、900ng/mL、1000ng/mL、1100ng/mL、1200ng/mL、1400ng/mL、1600ng/mL、または1600ng/mL以下、またはそれ以上にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを約10ng/mL~約50ng/mLの範囲にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを約10ng/mL~約1100ng/mLの範囲にすることができる。ニコチンまたはその塩の投与の結果、ピーク血漿ニコチンレベルを約30ng/mL~約1200ng/mL、または約30ng/mL~約500ng/mLの範囲にすることができる。投与後の時点は、投与後約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間、あるいはそれらの時間に及ぶ範囲内でもよい。
いくつかの実施形態において、ピーク血漿コチニンレベルからベースラインまでの時間は、変動する。ピーク血漿コチニンレベルからベースラインまでの時間は、約5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、220分、240分、260分、280分、300分、320分、340分、360分、380分、400分、420分、440分、460分、480分、500分、520分、540分、560分、580分、600分、または600分を超える時間、あるいはそれらの時間に及ぶ範囲でもよい。ベースラインニコチンは、約1ng/mL未満の場合がある。ベースラインニコチンは、約0.25ng/mL、0.50ng/mL、0.75ng/mL、1.0ng/mL、1.25ng/mL、1.5ng/mL、1.75ng/mL、または2.0ng/mLの場合がある。ベースラインニコチンは、0.1ng/mL~1.0ng/mLの範囲でもよい。
経口投与のための医薬組成物
いくつかの実施形態において、本開示は、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体モジュレータ、および経口投与に適した医薬賦形剤を含む、経口投与用の医薬組成物を提供する。組成物は、固体、液体、ゲル、半液体、または半固体の形態である場合がある。いくつかの実施形態において、組成物は第2の薬剤を更に含む。
経口投与に適している本開示の医薬組成物は、カプセル剤、カシェ剤、錠剤、液体、粉末として、または顆粒剤中に所定量の有効成分を各々含有しているエアロゾルスプレー、溶液、水溶液または非水溶液中の懸濁液、水中油型乳剤、または油中水型乳剤などの、別個の剤形として提供することができる。そのような剤形は、薬学の方法の何れかにより調製することができ、これは通常、有効成分を担体と混合する工程を含む。一般に、組成物は、有効成分に液体担体、細かく分割された固形担体、またはその両方を均一かつ密接に混合させ、その後、必要に応じて生成物を所望の提供物へと成形することによって調製される。例えば、錠剤は、随意に1つ以上の副成分と共に圧縮または成型することによって調製することができる。圧縮錠剤は、限定されないが結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、および/または表面活性剤や分散剤などの賦形剤と随意に混合された、粉末または顆粒剤などの自由流動形態で有効成分を適切な機械の中で圧縮することによって、調製することができる。成型された錠剤は、不活性の液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械の中で成型することによって作成することができる。
本開示はさらに、有効成分を含む無水医薬組成物および剤形を含み、これは、水が一部の化合物の分解を容易にすることができるためである。例えば、水は、製剤の貯蔵期間または経時的な安定性などの特徴を判定するために、長期保管をシミュレートする手段として医薬技術において添加され得る(例えば5%)。本開示の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分、および低水分または低湿度の条件を使用して調製することができる。ラクトースを含有する本開示の医薬組成物および剤形は、製造、包装、および/または保管中に、水分および/または湿度との実質的な接触が予測される場合、無水で製造することができる。その無水の性質が維持されるように、無水医薬組成物を調製かつ保管することができる。したがって、無水組成物は、それらを適切な処方キットに含むことができるように、水への曝露を妨げるべく既知の物質を使用して包装することができる。適切なパッケージの例として、限定されないが、密封したホイルやプラスチック、単位投与量容器、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
有効成分は、従来の医薬品合成技術に従い、医薬担体との密接な混合において組み合わせることができる。担体は、投与に望ましい調製の形態に応じて種々様々な形態をとることができる。経口剤形用の組成物の調製において、通常の医薬媒体のいずれかを、経口液体調製物(懸濁液、溶液、およびエリキシル剤など)またはエアロゾル剤の場合には、例えば水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤、着色料などの担体として利用することができ;または、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤、顆粒状薬剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤などの担体を、ラクトースを利用しないいくつかの実施形態において、経口固形調製物の場合に使用することができる。例えば、適切な担体として、固形経口調製物を含む粉末、カプセル剤、および錠剤が挙げられる。望ましい場合、錠剤は、標準の水性または非水性の技術によって被覆することができる。
医薬組成物および剤形での使用に適した結合剤として、限定されないが、トウモロコシデンプンやジャガイモデンプンなどのデンプン、ゼラチン、天然および合成ガム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸などのアルギン酸塩、トラガント粉末、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、予めゼラチン化されたデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、およびそれらの混合物が挙げられる。
本明細書に開示される医薬組成物および剤形での使用に適切な充填剤の例として、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒剤または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、予めゼラチン化されたデンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。
水性環境にさらされると崩壊する錠剤を提供するために、崩壊剤が本開示の組成物に使用され得る。崩壊剤のあまりに多くが、ボトルの中で崩壊する恐れのある錠剤を生成する場合がある。ごく少数が崩壊の発生に不十分であり、ゆえに、剤形からの有効成分の放出の割合や程度が変更される場合がある。ゆえに、少なすぎる、または多すぎるあまり有効成分の放出を不利益に変更することができない十分な量の崩壊剤を、本明細書に開示される化合物の剤形を形成するために使用することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプや投与形態に基づいて変動し、当業者に容易に識別可能な場合がある。崩壊剤の約0.5~約15重量パーセント、または崩壊剤の約1~約5重量パーセントが、医薬組成物に使用されてもよい。本開示の医薬組成物および剤形を形成するために使用可能な崩壊剤として、限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、ナトリウムデンプングリコレート、ジャガイモまたはタピオカデンプンなどのデンプン、予めゼラチン化されたデンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、またはそれらの混合物が挙げられる。
本開示の医薬組成物および剤形を形成するために使用可能な潤滑剤として、限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコールなどのグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、またはそれらの混合物が挙げられる。追加の潤滑剤として、例えば、サイロイドシリカゲル、合成シリカの凝結エアロゾル、またはそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤は随意に、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で加えることができる。
水性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与に望ましいとき、その中の有効成分は、様々な甘味料または香味料、色素または染料、および望ましい場合、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびそれらの様々な組み合わせなどの希釈剤と一緒に、乳化剤および/または懸濁化剤と混合することができる。
様々な実施形態において、本開示は、パーキンソン病またはパーキンソン病関連疾患などの神経変性疾患を抱える被験体の転倒関連症状を処置するのに有効な量のニコチンまたはその塩を含む、カプセル剤または錠剤を含む剤形を提供する。カプセル剤と錠剤は、被覆されず、または、消化管中での分解と吸収を遅らせることで長期にわたる持続作用を提供するための既知の技術によって被覆することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延物質が、利用可能である。経口使用のための製剤はまた、有効成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される、ハードゼラチンカプセル剤として、または、有効成分が、水または油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン、またはオリーブオイルと混合される、ソフトゼラチンカプセル剤として提供することができる。
様々な実施形態において、本開示の剤形は、カプセル剤である。様々な実施形態において、剤形は、経口放出用に製剤される。いくつかの実施形態において、カプセル剤は、投与に際して第1の放出ピークを患者に提供するためにニコチンを含む粉末を含み、前記カプセル剤はさらに、投与に際して第2、第3、および第4の放出ピークを患者に大教するためにニコチンを含むビーズを含む。ビーズは、即時放出コーティングまたは遅延放出コーティングで被覆することができる。ビーズは、腸溶コーティングを施したビーズ、侵食可能なマトリクスビーズ、ワックスコーティングを施したビーズ、エチルセルロースコーティングを施したビーズ、シリコーンエラストマーコーティングを施したビーズ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。様々な実施形態において、前記カプセル剤は、水膨張性マトリクスを含むことで、胃の中での反復パルス放出を伴うが胃保持性(gastroretentive)の製剤を提供する。水膨張性マトリクスは、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびそれらの組み合わせを含む場合がある。パルス放出製剤は、ドーパミン作動薬の投与の約2時間後、1ng/mL~20ng/mlの血漿濃度のニコチンを提供することができる。
いくつかの実施形態において、剤形は錠剤である。様々な実施形態において、剤形は、経口放出用に製剤される。少なくとも1つのコーティングおよびコアを含む錠剤が包含され、ここで、最も外側のコーティングは第1のピークのニコチンを含み、前記コアは、前記第2、第3、および第4の放出ピークのニコチンを含む。様々な実施形態において、コーティングは、腸溶コーティング、侵食可能なマトリクスコーティング、ワックスコーティング、エチルセルロースコーティング、シリコーンエラストマーコーティング、およびそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態において、本開示は、即時放出層とパルス放出層とを含む、多層錠剤を含む。いくつかの実施形態において、即時放出層は、ニコチンまたは代謝産物を含む。いくつかの実施形態において、各パルス放出層は、ニコチンまたは代謝産物を含む。いくつかの実施形態において、即時放出層と各パルス放出層は、ニコチンまたは代謝産物を含む。
本発明の剤形の錠剤コアは、侵入時のパルス放出に適しており、かつ、胃の酸性環境からの錠剤の排出、および腸の高pH環境への侵入時のコーティングの溶解に追従する、薬物および水溶性のポリマーのマトリクスを含む場合がある。
錠剤コアは、溶剤を使用せずに従来の乾式造粒法方法によって調製することができる。通常、腸溶コーティングは、当該技術分野で既知の従来プロセスを使用して適用される。
いくつかの実施形態において、剤形は、腸溶性ポリマーを含む腸溶コーティングを含む。適切な腸溶性ポリマーとして、限定されないが、メタクリル酸/メタクリル酸エステルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸エステルコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、酢酸セルローストリメリテート、およびポリ酢酸ビニルフタレートが挙げられる。
本開示で使用するのに適した腸溶性ポリマーとして、限定されないが、商標Eudragit(商標)の下でRohm GmbHから入手可能なUSP/NFのタイプA、B、またはCといった、メタクリル酸/メタクリル酸エステルコポリマーまたはメタクリル酸/アクリル酸エステルコポリマーなどのポリアクリレートコポリマー;酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、および酢酸セルローストリメリテートなどのセルロース誘導体;および商標SURETERIC(登録商標)の下でColorconから入手可能なものなどのポリ酢酸ビニルフタレートが挙げられる。いくつかの実施形態において、腸溶性ポリマーは、ポリ酢酸ビニルフタレートである。
本開示の剤形中の腸溶コーティングに使用される適切な水溶性細孔形成剤として、限定されないが、ポビドンK30、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、またはナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;スクロース;キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルトース、キシロース、グルコース、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、クエン酸ナトリウム、または上記のいずれかの組み合わせが挙げられる。細孔形成剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むのが好ましい。
腸溶コーティングの組成物は、錠剤コアのコーティングの付着を確実にするように設計されるのが好ましい。圧縮錠剤に付着するコーティング組成物の選択のための方法が知られている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, 2nd ed., vol. 1, Lieberman et al., ed. (Marcel Dekker, Inc.; New York, N.Y.; 1989), pp. 266-271を参照されたい。加えて、コアは腸溶コーティングでの被覆前にサブコートする(subcoated)ことができる。サブコートは、コアの細孔が満たされてから腸溶性コートを被覆することで、コーティングの不備を防ぐ手段をとるように機能する。サブコートは、Opadry(Colorcon)、Opadry II(Colorcon)、AMT(Colorcon)、およびHPMCを含む、任意のフィルム形成製剤の例で構成することができる。
腸溶コーティングは、本発明の剤形の約10~約3重量%の場合がある。場合によっては、腸溶コーティングは、本開示の剤形の約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20重量%の場合がある。
いくつかの実施形態において、本開示の剤形の錠剤コアは、少なくとも1つの親水性ポリマーを含む。適切な親水性ポリマーとして、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、「HPMC」)、ヒドロキシプロピルセルロース、または、カルボキシルメチルセルロースナトリウムなどの他の水溶性または膨張性ポリマー、キサンタンガム、アカシア、トラガカントガム、グアーガム、カラヤガム、アルギネート、ゼラチン、およびアルブミンが挙げられる。親水性ポリマーは、システムの約5~95重量%に及ぶ量で存在する場合がある。いくつかの実施形態において、親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびそれらの混合物などのセルロースエーテルから成る群から選択される。
本開示の医薬組成物および剤形を形成するために使用可能な界面活性剤として、限定されないが、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が挙げられる。すなわち、親水性界面活性剤の混合物が利用され、親油性界面活性剤の混合物が利用され、または、少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤の混合物とが利用される場合がある。
適切な親水性界面活性剤には通常少なくとも10のHLB値があり、一方で適切な親油性界面活性剤には通常約10以下のHLB値がある場合がある。非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性と疎水性を特徴づけるために使用される経験的なパラメータは、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。低HLB値を持つ界面活性剤は、より親油性または疎水性であり、かつ油中の溶解度が大きく、一方で高HLB値を持つ界面活性剤は、より親水性であり、水溶液中の溶解度が大きい。親水性界面活性剤は通常、約10より大きいHLB値を持つ化合物の他、HLB尺度が一般的に適用可能でない陰イオン性化合物、陽イオン性化合物、または両性イオン化合物であると考慮される。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10以下のHLBを持つ化合物である。しかし、界面活性剤のHLB値は単に、工業用、医薬用、および化粧用乳剤の製剤を可能とするために通常使用される、ラフガイド(rough guide)である。
親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性の場合がある。適切なイオン性界面活性剤として、限定されないが、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水素化レシチン;リソレシチンおよび水素化リソレシチン;リン脂質およびその誘導体;リソリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルスルフェートの塩;脂肪酸塩;ナトリウムドクセート;アシルアクチレート;モノグリセリドおよびジグリセリドの、モノアセチル化およびジアセチル化された酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリドおよびジグリセリド;モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル;およびそれらの混合物が挙げられる。
前記の群の中で、イオン性界面活性剤として、例えば、レシチン、リソレシチン、リン脂質、リゾリン脂質、およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルスルフェートの塩;脂肪酸塩;ナトリウムドクセート;アシルアクチレート;モノグリセリドおよびジグリセリドの、モノアセチル化およびジアセチル化された酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセリドおよびジグリセリド;モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル;およびそれらの混合物が挙げられる。
イオン性界面活性剤は、レシチン、リソレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、リソホスファチジルグリセロール、リソフォスファチジン酸、リソホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレアート、リシノレート、リノレート、リノレナート、ステアレート、ラウリル硫酸塩、テラセシル硫酸塩、ドクセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、およびそれらの塩、および混合物のイオン化形態の場合がある。
親水性非イオン界面活性剤として、限定されないが、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸、およびステロールから成る群の少なくとも1つの員を有するポリオール親水性エステル交換反応産物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体およびアナログ;ポリオキシエチレン化ビタミンおよびその誘導体;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;およびそれらの混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、および、トリグリセリド、植物油、および硬化植物油から成る群の少なくとも1つの員を有するポリオールの親水性エステル交換反応産物が挙げられる。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、またはサッカライドの場合がある。
他の親水性非イオン界面活性剤として、限定されないが、PEG-10ラウレート、PEG-12ラウレート、PEG-20ラウレート、PEG-32ラウレート、PEG-32ジラウレート、PEG-12オレアート、PEG-15オレアート、PEG-20オレアート、PEG-20ジオレアート、PEG-32オレアート、PEG-200オレアート、PEG-400オレアート、PEG-15ステアレート、PEG-32ジステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-20ジラウレート、PEG-25トリオレイン酸グリセリル、PEG-32ジオレアート、PEG-20ラウリン酸グリセリル、PEG-30ラウリン酸グリセリル、PEG-20ステアリン酸グリセリル、PEG-20オレイン酸グリセリル、PEG-30オレイン酸グリセリル、PEG-30ラウリン酸グリセリル、PEG-40ラウリン酸グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50硬化ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40硬化ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油、PEG-6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG-8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ポリグルセリル-10ラウレート、PEG-30コレステロール、PEG-25ファイトステロール、PEG-30ダイズステロール、PEG-20トリオレアート、PEG-40ソルビタンオレアート、PEG-80ラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG-100スクシネート、PEG-24コレステロール、ポリグルセリル-10オレアート、Tween40、Tween60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、モノパルミチン酸スクロース、PEG10-100ノニルフェノールシリーズ、PEG15-100オクチルフェノールシリーズ、およびポロキサマーが挙げられる。
適切な親油性界面活性剤として、ほんの一例として:脂肪族アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸、およびステロールから成る群の少なくとも1つの員を持つポリオールの親水性エステル交換反応産物;脂溶性ビタミン/ビタミン誘導体;およびそれらの混合物が挙げられる。この群内で、好ましい親油性界面活性剤として、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびそれらの混合物が挙げられ、または、植物油、硬化植物油、およびトリグリセリドから成る群の少なくとも1つの員を持つポリオールの疎水性エステル交換反応産物が挙げられる。
一実施形態において、組成物は、本開示の化合物の良好な可溶化および/または溶解を確かなものにし、かつ本開示の化合物の沈澱反応を最小化するために可溶化剤を含む場合がある。これは特に、非経口用の組成物、例えば注入のための組成物に重要な場合がある。可溶化剤はまた、界面活性剤などの親水性薬物および/または他の成分の溶解度を増加させるために、または、安定したまたは均質な溶液または分散体として組成物を維持するために、加えることができる。
適切な安定剤の例として、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アルコールおよびポリオール、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体;約200~約6000の平均分子量を持つポリエチレングリコールのエーテル、例えばテトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEG;アミドおよび他の窒素含有化合物、例えば2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニルピロリドン;エステル、例えばプロピオン酸エチル、トリブチルシトラート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、モノ酢酸プロピレングリコール、ジ酢酸プロピレングリコール、ε-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バレロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体;および、当該技術分野で既知の他の可溶化剤、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン(monooctanoin)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水。
可溶化剤の混合物も使用される場合がある。例として、限定されないが、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200-100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが挙げられる。特に好ましい可溶化剤として、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、およびプロピレングリコールが挙げられる。
含めることが可能な可溶化剤の量は、特に限定されない。ある可溶化剤の量は、生物に許容可能な量に限定される場合があり、これは当業者によって容易に決定することができる。いくつかの状況において、例えば、薬物の濃度を最大限にするために、生物に許容可能な量を過度に超える量の可溶化剤を含むことが都合の良い場合もあり、過剰な可溶化剤は、蒸留または蒸発などの従来技術を使用して患者に組成物を提供する前に除去される。ゆえに、存在する場合、可溶化剤は、薬物および他の賦形剤の組み合わせた重量に基づいて、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または最大約200重量%の重量比の場合がある。望ましい場合、5%、2%、1%以下などの非常に小量の可溶化剤も使用することができる。通常、可溶化剤は、約1重量%~約100重量%、より一般的には約5重量%~約25重量%の量で存在することができる。
組成物は更に、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤および賦形剤を含む。そのような添加剤および賦形剤として、限定されないが、粘着防止剤(detackifiers)、抗起泡剤、緩衝化剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート化剤、粘度調節剤(viscomodulators)、等張化剤(tonicifiers)、香味料、着色料、油、着臭剤、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびこれらの混合物が挙げられる。
加えて、酸または塩基は、安定性を増強するなどの理由のために処理を促進するべく組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容可能な塩基の例として、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロカルサイト(hydrocalcite)、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが挙げられる。また、薬学的に許容可能な酸の塩である塩基として、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、pトルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸なども適切である。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸二水素ナトリウムなどの多塩基酸の塩も使用可能である。塩基が塩であると、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの、都合の良くて薬学的に許容可能な任意のカチオンの場合がある。例として、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムを挙げることができる。
適切な酸は、薬学的に許容可能な有機酸または無機酸である。適切な無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられる。適切な有機酸の例として、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、pトルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などが挙げられる。
注射用の医薬組成物
いくつかの実施形態において、本開示は、ニコチンまたはその塩などのニコチン受容体モジュレータ、および注射に適した医薬賦形剤を含む、注射用の医薬組成物を提供する。組成物中の薬剤の成分と量は、本明細書に記載されるとおりである。
本開示の新規性のある組成物が投与のために注射に組み込むことのできる形態として、ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、または落花生油の他、エリキシル剤、マンニトール、デキストロース、または無菌水溶液、および同様の医薬ビヒクルを含む、水性または油性懸濁液、またはエマルジョンが挙げられる。
生理食塩水中の水溶液も、注射のために従来から使用されている。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(およびそれらの適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、および植物油も、利用される場合がある。適切な流動性は、例えば、分散の場合に要求される粒径を維持するためにレシチンなどのコーティングを使用すること、および界面活性剤を使用することによって維持可能である。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤と抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によって引き起こされる場合がある。
滅菌注入可能な溶液は、上に列挙されるような様々な他の成分を含む適切な溶媒中に必要な量で本位開示の化合物を組み入れ、次いで必要に応じて滅菌によって、調製される。一般に、分散剤は、上に列挙されたものの塩基性分散媒と必要な他の成分とを含む滅菌ビヒクルに、様々な滅菌された有効成分を組み入れることにより調製される。滅菌注入可能な溶液を調製するための滅菌粉末の場合、特定の望ましい調製方法は、真空乾燥および冷凍乾燥の技術であり、これにより、以前に滅菌濾過された溶液の任意の追加の所望成分に加えて、有効成分の粉末をもたらす。
吸入用の医薬組成物
吸入または吹送のための組成物として、薬学的に許容可能な水性溶媒または有機溶媒中の溶液および懸濁液、またはその混合物、および粉末剤が挙げられる。液体または固体の組成物は、上述のような適切で薬学的に許容可能な賦形剤を含む場合がある。好ましくは、組成物は、局所効果または全身効果のために経口または経鼻の呼吸器経路によって投与される。好ましくは薬学的に許容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用により霧状されてもよい。霧状の溶液は、噴霧デバイスから直接吸入することができ、または、噴霧デバイスは、顔用マスクテント、または間欠的陽圧呼吸機に取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉末の組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから、好ましくは経口または経鼻で投与される場合がある。
他の医薬組成物
医薬組成物はさらに、本明細書に記載される組成物、および、舌下、頬側、直腸、骨内、眼内、鼻腔内、硬膜外、または脊髄内の投与に適切な1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤から調製することができる。そのような医薬組成物の調製は当技術分野で周知である。例えば、Anderson, Philip O.; Knoben, James E.;Troutman, William G, eds., Handbook of Clinical Drug Data, Tenth Edition, McGraw-Hill, 2002;Pratt and Taylor, eds., Principles of Drug Action, Third Edition, Churchill Livingston, New York, 1990;Katzung, ed., Basic and Clinical Pharmacology, Ninth Edition, McGraw Hill, 20037ybg;Goodman and Gilman, eds., The Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition, McGraw Hill, 2001;Remingtons Pharmaceutical Sciences, 20th Ed., Lippincott Williams & Wilkins., 2000;Martindale, The Extra Pharmacopoeia, Thirty-Second Edition (The Pharmaceutical Press, London, 1999)を参照し、これら全ては、その全体を参照により本明細書に組み込まれる。
食物
いくつかの態様において、開示された医薬組成物は、食物担体を含む食物組成物である。いくつかの実施形態において、食物組成物は、約0.001~1000mg、0.01~100mg、0.1~200mg、3~200mg、5~500mg、10~100mg、10~1000mg、50~200mg、または100~1000mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、約0.001mg、0.01mg、0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、100mg、200mg、500mg、1000mg、またはそれ以上のニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、約0.01~10mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、少なくとも約1mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、少なくとも約2mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、少なくとも約3mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、少なくとも約4mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、少なくとも約5mgのニコチンまたはその塩を含む。いくつかの実施形態において、食物組成物は、少なくとも約6mgのニコチンまたはその塩を含む。
開示された食物組成物の包装は、当業者により達成できる。任意の理論に縛られるものではないが、開示された食物組成物は、飲料、固形食、および/または半固形食として包装される場合がある。場合によっては、開示された食物組成物は、スナックバー、シリアル製品、ベーカリー製品、および乳製品から成る群の1つ以上の形態などの食物製品として包装される。
医薬成分
本開示の剤形はまた、緩衝液などの希釈剤、アスコルビン酸、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、グルコースを含む炭水化物、スクロース、またはデキストリンなどの抗酸化剤、EDTAなどのキレート化剤、グルタチオン、および他の安定化剤や賦形剤を含む場合がある。中性緩衝食塩水、または非特異的な血清アルブミンと混合された食塩水は、典型的で適切な希釈剤である。希釈剤を、剤形の錠剤コアに組み込むことができる。本発明の剤形、好ましくは錠剤コアマトリクス、は随意に、賦形剤として1つ以上の薬学的に許容可能な希釈剤を含む。適切な希釈剤の非限定的な例として、個々に、または組み合わせで、無水ラクトースおよびラクトース一水和物を含むラクトース;直接圧縮可能なデンプンおよび加水分解デンプン(例えばCelutab(商標)およびEmdex(商標))を含むデンプン;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えばCerelose(商標)2000)およびデキストロース一水和物;第二リン酸カルシウム二水和物;スクロースベースの希釈剤;粉砂糖;一塩基性硫酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;粒状乳酸カルシウム三水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解シリアル固体;アミロース;微結晶性セルロース、アモルファスセルロースの食品等級ソース(例えばRexcel(商標))、および粉末セルロースを含むセルロース;炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。そのような希釈剤は、存在する場合、合計約5~約99%を構成する。
本開示の別の実施形態において、胃に制限されるニコチンまたはその塩の剤形が提供される。典型的なポリマーとして、ポリエチレンオキシド、アルキル置換セルロース材料、およびそれらの組み合わせ、例えば、高分子量ポリエチレンオキシド、および高分子量または高粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース材料が挙げられる。この種の剤形の一例に関する詳細は、米国特許第5,972,389号、Shell, et al.の国際公開第9855107号、および米国特許第特許第8,192,756号に見出すことができ、その各々の内容は、全体において参照により組み込まれるものとする。
また別の実施形態において、二層、三層、または四層の錠剤は、ニコチンまたはその塩を、活性含有層から上部消化管に放出し、一方で他の層は、膨潤層または浮動層である。この用量の詳細は、Franz, et al.の米国特許第5,232,704号に見出すことができる。この剤形は、Wong, et al.の米国特許第6,120,803号に記載されるような不溶性物質の結合によって包まれる場合がある。
いくつかの実施形態において、ニコチンは、経口崩壊錠剤を使用して経口投与される。経口崩壊錠剤の例として、米国特許第7,282,217号;7,229,641号;6,368,625号;6,365,182号;6,221,392号;および6,024,981号に開示されているものなどが知られている。
本開示の別の実施形態は、ポリエチレンオキシドおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースで構成されるマトリクスを有する、胃に保持される膨張性錠剤を使用する。さらなる詳細は、米国特許第6,723,340号として特許となったGusler, et al. “Optimal Polymer Mixtures for Gastric Retentive Tablets”に見出すことができ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
治療用途のための薬学的に許容可能な担体は、医薬品業界において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A.R. Gennaro edit., 1985)に記載されている。防腐剤、安定化剤、染料、および他の付随的な薬剤が、医薬組成物に提供される場合がある。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが、防腐剤として添加される場合がある。加えて、抗酸化剤および懸濁化剤が使用されてもよい。
加えて、酸または塩基は、安定性を増強するなどの理由のために処理を促進するべく組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容可能な塩基の例として、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、およびケイ酸アルミニウムマグネシウムが挙げられる。
キット
本明細書にはキットが提供され、該キットは、ニコチン性アセチルコリン受容体モジュレータを含む医薬組成物を含むことができる。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチン受容体アゴニストである。いくつかの実施形態において、ニコチン受容体モジュレータは、ニコチンまたはその塩である。いくつかの実施形態において、キットは、ニコチンまたはその塩を含む。キットは、被験体の転倒関連症状を処置するために使用することができる。キットは、被験体の認知機能関連症状を処置するために使用することができる。キットは、転倒の頻度を減らすために使用することができる。キットは、転倒を予防するために使用することができる。キットは、FOGを減らすために使用することができる。キットは、姿勢安定性を改善するために使用することができる。いくつかの実施形態において、被験体は高齢である、または中枢神経系疾患または障害を抱えている。中枢神経系疾患または障害は、神経変性疾患の場合がある。神経変性疾患は、パーキンソン病の場合がある。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、投与のための剤形において製剤される。
キットは、1日当たりのニコチンまたはその塩の全投与量を提供することができる。ニコチンまたはその塩の全投与量は1日当たり約24mg以下でもよい。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の全投与量は、1日当たり24mgを超えてもよい。ニコチンまたはその塩の全投与量は、1日当たり約4mg、1日当たり6mg、1日当たり8mg、1日当たり10mg、1日当たり12mg、1日当たり14mg、1日当たり16mg、1日当たり18mg、1日当たり20mg、1日当たり22mg、1日当たり24mg、1日当たり26mg、1日当たり28mg、1日当たり30mg、1日当たり32mg、1日当たり34mg、1日当たり36mg、1日当たり38mg、1日当たり40mg、1日当たり42mg、1日当たり44mg、1日当たり46mg、1日当たり48mg以下であり、または1日当たり48mgを超えてもよい。ニコチンまたはその塩の全投与量は、1日当たり約1~24mg、1日当たり2~22mg、1日当たり3~20mg、1日当たり4~18mg、1日当たり5~16mg、1日当たり6mg~14mg、または1日当たり8~12mgの範囲でもよい。ニコチンまたはその塩の全投与量は、1日当たり約8~24mgの範囲でもよい。
キットは、一定期間にわたりニコチンまたはその塩の投与量を提供することができる。キットは、複数の投与量を提供することができる。キットは、ニコチンまたはその塩の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる投与量を提供することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、約1~約6mgでもよい。投与量は、少なくとも1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えてもよい。投与量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えてもよい。投与量は、少なくとも、または約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えてもよい。投与量は、約0.1~約6mgの範囲でもよい。投与量は、約0.1~約1mg、約0.1~約2mg、約0.1~約2.5mg、約0.1~約3mg、約0.1~約3.5mg、約0.1~約4mg、約0.1~約4.5mg、約0.1~約5mg、または約0.1~約6mgの範囲でもよい。期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、または12週間を超えてもよい。キットは、少なくとも1日1回投与するために一定期間にわたりニコチンまたはその塩の投与量を提供することができる。投与は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えてもよい。投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間ごとに行うことができる。例えば、2週間の期間にわたり1日4回投与されるニコチンまたはその塩の1mgの投与量では、ニコチンまたはその塩の総用量は56mgである。
キットは、一定期間にわたりニコチンまたはその塩の投与量を提供することができ、投与量は処置間隔において上方に漸増され得る。キットは、複数の投与量を提供することができる。キットは、ニコチンまたはその塩の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる投与量を提供することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、約1~約6mgでもよい。投与量は、少なくとも1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えてもよい。投与量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgを超えてもよい。投与量は、少なくとも、または約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えてもよい。期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、または12週間を超えてもよい。キットは、少なくとも1日1回投与するために一定期間にわたりニコチンまたはその塩の投与量を提供することができる。投与は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えてもよい。投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間ごとに行うことができる。投与量は、2週間の処置間隔において上方に漸増され得る。投与量は、1~4週間の処置間隔において上方に漸増され得る。投与量は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、または8週間を超える処置間隔において上方にされ得る。
キットは、一定期間にわたりニコチンまたはその塩の出発投与量を提供することができ、出発投与量は、第1の漸増投与量へと上方に漸増され得る。第1の漸増投与量は、出発投与量より1.5、1.75、または2倍多くてもよい。第1の漸増投与量は、出発投与量より1.5、2、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。いくつかの実施形態において、出発投与量は、第2の漸増投与量へと漸増される。第2の漸増投与量は、出発投与量より2.5、3.0、3.5、または4倍多くてもよい。第2の漸増投与量は、出発投与量より2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。いくつかの実施形態において、出発投与量は、第3の漸増投与量へと漸増される。第3の漸増投与量は、出発投与量より4.5、5.0、5.5、6.0、または6.5倍多くてもよい。第4の投与量は、出発投与量より4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。キットは、出発投与量から複数の漸増投与量を提供することができる。キットは、出発投与量から複数の異なる、または同じでない漸増投与量を提供することができる。異なる、または同じでない漸増投与量の数は、出発投与量からの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の漸増投与量でもよい。漸増投与量は、出発投与量より1.5、2、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、9.0、9.5、10、11、または12倍多くてもよい。例えば、出発投与量が1mgの場合、6倍多い漸増投与量は6.0mgである。
本明細書には、ニコチンまたはその塩の総用量を含むキットが提供される。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の総用量は、一定期間にわたり投与される。総用量は、約5mg、7mg、10mg、15mg、20mg、2mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、120mg、140mg、160mg、180mg、200mg、225mg、250mg、275mg 300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、または800mgを超えるニコチンまたはその塩でもよい。期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、または12週間を超えてもよい。キットは、少なくとも1日1回、ニコチンまたはその塩を投与することができる。投与は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えてもよい。投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間ごとに行うことができる。例えば、4週間の期間にわたり1日4回投与されるニコチンまたはその塩の6mgの投与量では、キットは、672mgのニコチンまたはその塩の総用量を提供する。
キットは、少なくとも1日1回投与可能なニコチンまたはその塩の投与量を提供することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えて投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に約1、2、3、4、5、または6回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日1回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日2回投与することができる。投与間の時間は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間を超えてもよい。投与間の時間は、0~24時間、1~23時間、2~22時間、3~21時間、4~20時間、5~19時間、6~18時間、7~17時間、8~16時間、9~15時間、および10~12時間の範囲でもよい。投与間の時間は、約1~6時間、または約2~6時間の範囲でもよい。投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間ごとに行うことができる。
キットは、即時放出投与量のニコチンまたはその塩、次いで投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量を送達する剤形を提供することができる。剤形は、即時放出投与量のニコチンまたはその塩、次いで、投与の約1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に第2の即時放出投与量を送達することができる。いくつかの実施形態において、第2の即時放出投与量の後、投与の約8~16時間後に第3の即時放出投与量が送達される。いくつかの実施形態において、第3の即時放出投与量の後、投与の約16~24時間後に第4の即時放出投与量が送達される。ニコチンまたはその塩の投与量は、一定期間にわたり約1mg~約6mgの場合がある。例えば、ニコチンまたはその塩の投与量は、6時間にわたり約1mg~約6mgの場合がある。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、または12mgより多くのニコチンまたはその塩を含む場合がある。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mg、36mg、38mg、40mg、42mg、44mg、46mg、48mg、または48mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。期間は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間を超えてもよい。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、または12回を超えて投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日に約1、2、3、4、5、または6回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日1回投与することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は、1日2回投与することができる。投与間の時間は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、または12時間を超えるか、またはその時間に及ぶ範囲内でもよい。投与間の時間は、0~24時間、1~23時間、2~22時間、3~21時間、4~20時間、5~19時間、6~18時間、7~17時間、8~16時間、9~15時間、および10~12時間の範囲でもよい。
いくつかの実施形態において、キットは、一定期間にわたり1つ以上の即時放出投与量のニコチンまたはその塩を送達する、ニコチンまたはその塩の剤形を提供する。即時放出投与量のニコチンまたはその塩の数は、1、2、3、5、6、7、8、または8より多くの即時放出投与量でもよい。即時放出投与量のニコチンまたはその塩の数は、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4の即時放出投与量の範囲内にあってもよい。剤形は、投与の約1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、2~8時間、2~7時間、2~6時間、2~5時間、または2~4時間後に、即時放出投与量を提供することができる。剤形は、投与の約8~16時間、8~15時間、8~14時間、または8~12時間後に即時放出投与量を提供することができる。剤形は、投与の約16~24時間、16~22時間、16~20時間、または16~18時間後に即時放出投与量を提供することができる。
前記キットは、遅延放出パルスのニコチンまたはその塩を送達する剤形を提供することができる。遅延放出パルスのニコチンまたはその塩は、一定期間にわたり送達することができる。ニコチンまたはその塩の投与量は1日当たり24mg以下でもよい。いくつかの実施形態において、ニコチンまたはその塩の投与量は、1日当たり24mgを超えてもよい。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。投与量は、少なくともまたは約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mg、36mg、38mg、40mg、42mg、44mg、46mg、48mg、または48mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。期間は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、または24時間より長い時間、またはそれらの時間に及ぶ範囲内にあってもよい。
本明細書には、長期処置に使用できるキットが提供される。処置期間は12週間より長い場合がある。処置期間は、1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、または8年よりも長い場合がある。
キットは、単位投与量として提供されるニコチンまたはその塩の投与量を含むことができる。キットは、1つ以上の単位投与量を含むことができる。1つ以上の単位投与量は、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。1つ以上の単位投与量は、少なくともまたは多くとも1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、または24mgを超えるニコチンまたはその塩を含む場合がある。キットは、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、24、26、28、30、35、40、45、50、または50を超える単位投与量を含む場合がある。キットは、異なる投与量であるニコチンまたはその塩の1つ以上の単位投与量を含む場合がある。多数の異なる、または同一でない投与量は、限定されないが、1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、または12より多くの異なる、または同一でない投与量のニコチンまたはその塩を含む場合がある。1つ以上の単位投与量は、経口、静脈内、動脈内、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、口腔粘膜、または腹腔内投与のために製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、経口、局所、頬側、経皮、または吸入による投与のために製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、経口投与のために製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、液体、ゲル、半液体、半固体、または固体の形態として製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、カプセル剤、カシェ剤、錠剤、液体、またはエアロゾルスプレーとして製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、錠剤として製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、カプセル剤として製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、食物として製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、飲料として製剤することができる。1つ以上の単位投与量は、栄養補助食品として製剤することができる。
キットはさらに、本明細書に記載される様々な方法と手法に従いキットを使用するための指示書を含む。指示書は、本明細書に記載されるような組成物の使用に関連する場合がある。指示書は、ニコチンまたはその塩の使用に関連する場合がある。例えば、指示書は、1日当たりの総投与量、一定期間にわたる総用量、投与間の時間、1日当たりの投与回数、投与の時間毎の投与量、投与の漸増、処置間隔、その指示は1日当たりの全線量に関係がある、用量の合計、ある期間にわたって、投与間の時間、取得される評価測定、またはそれらの組み合わせに関連する。指示書は、は医師による被験体の評価に関連する場合がある。被験体の評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含み得る。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。このようなキットはまた、科学文献、添付文書資料、臨床試験結果、および/またはこれらの概要などの情報を含む場合があり、これらは、組成物の活性および/または利点を示す、または確立し、および/または、投薬、投与、副作用、薬理相互作用、または医療従事者に有用なその他の情報を記載する。このような情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを必要とする実験動物を使用する研究、およびヒト臨床試験に基づく研究の結果に、基づく場合がある。本明細書に記載されるキットは、医師、看護士、薬剤師、薬局員(formulary officials)などを含む、医療提供者に提供、販売、および/または促進することができる。キットはまた、幾つかの実施形態において、消費者に直接販売される。キットはまた、吸入器、スプレー、ディスペンサー(例えば鼻内スプレー)、注射用シリンジ、または、カプセル剤、錠剤、または座薬用の圧縮パックなどの、活性薬剤製剤の投与を補助するものを含む場合がある。
いくつかの実施形態において、被験体はキットの使用後に評価される。被験体は、少なくとも1~14か月の期間、評価される場合がある。被験体は、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、8週間毎、またはそれ以上で評価される場合がある。被験体は、医師によって評価される場合がある。被験体は、適量を決定するために評価される場合がある。
いくつかの実施形態において、被験体は、キットの使用後に1つ以上のパラメータについて評価される。被験体は、有害事象について評価される場合がある。有害事象として、限定されないが、吐き気、めまい、便秘、嘔吐、疲労、疼痛、下痢、頭痛、四肢の疼痛、震え、悪夢、または不眠症が挙げられる。被験体の評価として、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を挙げることができる。研究室検査としては、限定されないが、尿検査、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学検査、化学検査、および妊娠検査が挙げられる。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を例証する目的で与えられ、あらゆる様式で本発明を制限することを意図していない。本明細書に記載される方法とともに、本実施例は、好ましい実施形態の代表例かつ典型であり、本発明の範囲を限定するものとして意図されない。特許請求の範囲によって定められる本発明の趣旨の中に包含される変更および他の用途が、当業者に想定される。
実施例1:転倒関連症状の処置および姿勢安定性の改善のための、ドーパミン作動薬と組み合わせたNP002
姿勢安定性(バランス)が欠如し、かつ転倒の経験がある、5年以上パーキンソン病を抱えている合計20人の患者を、介入研究に登録する。NP002の群、または、規則的なPDドーパミン作用性薬剤に加えてプラセボを受ける群に、患者を無作為に割り当てる。主な参加基準は以下のとおりである:1)典型的なパーキンソン病の臨床診断、2)30~83歳の男性または女性、3)Hoehn and Yahrの重症度分類II-IVにある一方、「オン」状態である、4)過去に1回より多く転倒したことがある、5)Montreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアが≧21である、6)レボドパ/カルビドパの安定した投与量を受けている。患者は、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB型阻害剤、またはアマンタジンを含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。図1を参照する。
以下の障害または症状を抱える患者を、登録から除外する。非定型パーキンソン病や、稀ではあるが疾患の特に初期に多くの転倒をもたらす障害を抱える患者を、除外する。これらの障害として、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、原発性すくみ足歩行(PFG)、および大脳皮質基底核変性症が挙げられる。痴呆症MOCA≧21を抱える患者を除外する。法的盲の患者を除外する。股関節部または膝に整形外科的な問題がある、または、股関節部または膝の置換術を必要とする患者を除外する。起立性低血圧を抱える患者を除外する。統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の履歴のある患者を除外する。幻覚、精神病、または妄想を抱える患者を除外する。脳深部刺激(DBS)介入を受けていた患者を除外する。近年に脳卒中または心筋梗塞の履歴のある患者を除外する。
試験は3段階で構成される:6か月の処置期間、2か月の処置再滴定期間、6か月のクロスオーバー処置期間。図2を参照する。被験体を無作為に割り当てて、ニコチンまたはその塩を含むNP002、またはプラセボのいずれかを受けさせる。全ての患者が、安定したレボドパ/カルビドパ処置を受ける。患者は、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB型阻害剤、またはアマンタジンを含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。患者を、レボドパ/カルビドパを16時間中止した「オフ」期間、次いでレボドパ/カルビドパの通常の午前の投与を受けて1時間後の「オン」期間に評価する。1:1の比率のNP002またはプラセボを、6か月間盲検様式で、次いでさらに6か月間クロスオーバーにおいて、1日4回、経口カプセルとして投与する。処置レジメンの間に、被験体を、2か月間の処置再滴定期間にさらす。投薬を6時間ごとに1mgで開始し、日用量の合計は4mgであり、以下のように2週間間隔で上方に漸増される:
2週間にわたり6時間毎に2mg、合計8mgの日用量。
2週間にわたり6時間毎に4mg、合計16mgの日用量。
2週間にわたり6時間毎に6mg、合計24mgの日用量。
患者は、クロスオーバーまで試験の次の数週間にわたり、この投与量を受け続ける。プラセボを受けている患者はニコチンにさらされていないので、本来の漸増スケジュールを繰り返す。
有害事象(AE)の発生、臨床検査、血清コチニン、ECG、およびバイタルサインの発生により、安全性を評価する。驚くべき症状は、Jay Modified Minnesota Impulsive Disorders Interview (JayMidi)を使用して評価される。禁断症状は、Minnesota Nicotine Withdrawal Scale(MNWS-R)を使用して評価される。
統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、バーロウ神経学研究所(BNI)の転倒評価、Hoehn & Yahrの重症度分類システム、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅、および速度、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.12のWalking and Balance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.14のFreezing of Gait、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問32-35のDyskinesias、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問36-39からのResponse Fluctuation、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問40のSleep Disturbance、運動障害疾患学会のパーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の142点、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の軸・中線部分、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のGait Subtest、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のPostural Stability Subtest、および運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のFreezing of Gait Subtest (FOG)を用いて、効果を評価する。
「オン」、「オフ」、または「オン」と「オフ」両方の期間での軸UPDRSサブテストの改善は、歩行サブテスト、引っ張りサブテスト、およびFOGサブテストの改善、回転、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅、および速度の改善、量的検査の改善を含む。
これらの患者のすべてまたは多くに、反応変動:「ウェアリングオフ」および/または「オンオフ」がある場合がある。これらの患者の一部には、すくみ足歩行(FOG)がある場合がある。
実施例2:ジスキネジアを軽減し、かつ反応変動を改善するための、ドーパミン作動薬と組み合わせたNP002
実施例1を繰り返す。これは、II相の単一施設、無作為化、二重盲検、プラセボ制御、効果、安全性、および耐容性の研究である。再発性転倒を伴う典型的なパーキンソン病を抱える合計20人の男性と女性を含める。試験は、初期評価、6か月間2か月毎の評価、クロスオーバー、および6か月間2か月毎の評価で構成される。
実施例3:パーキンソン病における歩行、姿勢安定性、および転倒に対する、NC001、中央コリン作用性アゴニストの効果
この研究の主な目的は、NC001対ドーパミン作動薬を加えたプラセボでの処置により、PD患者の姿勢安定性が改善され、かつ転倒および/またはその重症度が減少するかどうかを、判定することである。これは、「オン」、「オフ」、またはその両方の期間において、選択されたMDS-UPDRSサブ検査の改善を実証することにより達成される。サブ検査は、「歩行」および「引っ張り検査」を含む。この目的は、「片足での直立」および歩幅などのサブ検査に対する改善を実証することにより達成される。
上記の半定量的検査には制限があるため、それらは、Neurocomシステムを利用した運動制御時間(MCT)および姿勢摂動の検査によって、補足される。
選択されたPD患者集団は、PDが進行しており、レボドパを受けており、および「ウェアリングオフ」を有している。これら患者の一部は、ジスキネジアを抱えている場合がある。患者は、レボドパを16時間受けていない「オフ」期間に評価され、そのとき、患者はジスキネジアを抱えていない。ジスキネジアがない場合での歩行および姿勢安定性に対するNC001の効果を、測定する。次いで、患者を、レボドパの通常の一日量を受けて1時間後の「オン」期間に評価する。
このような評価に関する問題は、この評価のために、すくみ足歩行(FOG)や転倒の危険因子などの現象を含む、患者の歩行および姿勢安定性が、短期間にわたり捕捉されるということである。「オン」および「オフ」期間での患者の評価は、連続的にモニタリングして、FOG、姿勢安定性、および転倒をモニタリングする加速度計と比重計を組み込んだ着用可能なInertial Measuring Unitsを利用することによって、補足される。患者をIMUで最大3日間、モニタリングする。モニタリングを、患者がつけた日記により補足する。
試験集団には、少なくとも5年間PDを抱え、姿勢安定性が欠如し、年に少なくとも2回転灯したことがあり、レボドパを受けており、「ウェアリングオフ」を有している(および「オフ」の際によく転倒する)、20人の患者が含まれる。患者の半分をNC001に、残り半分をプラセボに無作為化する。群を6か月間処置し、次いで切り替える。
この研究の第2の目的は、ジスキネジアの減少、および反応変動:「ウェアリングオフ」の改善における、NC001の添加対プラセボの効果を評価することである。
歩行、姿勢安定性、および転倒に対する認知機能不全(痴呆症)の効果により、痴呆症を抱えている患者を除外した。
パーキンソン病は、黒質線条体のドーパミンニューロンの損失を特徴とする。ニコチン受容体は、線条体のほか、脚橋被蓋核および様々な視床核にも位置する。1:1の比率のNP001またはプラセボを、6か月間盲検様式で、次いでさらに6か月間クロスオーバーの後に、1日4回、経口カプセルとして投与する。二重盲検処置段階において、6時間毎に1mgから合計4mgの一日量まで、投薬を開始する。次いで、投与量を1日当たり24mgの全投与量へと漸増する。
実施例4:ヒト臨床試験に対するGMP物質の製剤と産生
主な製剤の目的は、ゼロ時間で即時放出ボーラスを送達し、かつ消化の約6時間後に第2の即時放出ボーラスのニコチンを送達する、2パルス製剤を開発することである。この2パルス剤形は、以前に第2相研究で評価されたPKプロファイルを模倣するために、1日に12時間の間隔を置いて(q12hr)2回2回投与されることを意図されている。経口摂取後の長期遅延時間の後の薬物のボーラス放出が達成される、多数の製剤方法が存在しており、このような方法は、文献(Sharma, G.S. et al., 2010)に特徴が記載されている。この方法は、多くの薬物開発プログラムにおいて上手く使用されており、Zohydro ER、Adderall XR、Ritalin LA、Moxatag、Carbatrol、Equetroなどを含む多重微粒子剤形として設計されている、米国や他の国々の市場で承認された薬物製品が存在している。それぞれの場合に、特定の製剤が、薬物製品のために分子、および標的薬物動態プロファイルに適合された。この製剤開発計画は、半透膜で被覆される多重微粒子の即時放出剤形に焦点を当てている。この膜を一回水和すると、水は剤形へと流れるが、薬物は膜を通って漏れることがない。活性薬物に加えて、剤形のコアは、有機塩、膨張可能な物質、または、水の摂取のための推進力をもたらすとともに、計画された薬物放出のタイミングの規定を補助する、超崩壊剤(superdisintegrants)を含む場合がある。
結合剤としてヒプロメロース(HPMC)、および有機酸改質剤としてコハク酸を含む、ニコチンの15%溶液を調製する。この溶液を、20%の固形物の重量増加がペレット剤上で達成されるまで、精密コーティング装置を取り付けた流動層乾燥機を使用して、ノンパレイルシード(nonpareil seed)上に被覆する。最終の薬剤層製剤は、5:3.5:1.5の比率でニコチン、HPMC、およびコハク酸を含んでいる。必要に応じて、代替的な結合剤を使用して、ノンパレイルシードへの薬物層の付着の質を改善することができる。このコアとなる薬物充填ペレットは、外観のためにOpadryなどの即時放出ポリマーで被覆され、複合剤形の即時放出成分として使用することができる。遅延放出ペレットに関しては、コアとなる薬物充填ペレットの別個の集団はさらに、別個の機能的なポリマーフィルムコーティングで被覆される。Eudragit RSの水溶液は、6:1:3の比率で粘着防止剤として機能する可塑剤としてクエン酸トリエチル、およびタルクで調製される。この溶液は、約70%の全固体の重量増加にまで精密度コーター(precision coater)を取り付けた流動層乾燥器を使用して、薬物充填ペレットへと被覆される。最適な重量増加は、フィードバック機構としてインビトロでの溶解を使用することにより実験的に決定される。Eudragit RLなどの代替的なポリマー材料も、遅延時間、または遅延放出ペレットからのニコチンの放出速度を修飾するために、ポリマーフィルムコーティング製剤に含まれる場合がある。
遅延時間の長さ、および薬物放出の強度は、コーティング製剤、およびコーティングの重量増加に基づいて調整される。初期の製剤開発実験は、小さな実験室規模の設備およびバッチサイズ(10-50g/バッチ)で行われる。これらのバッチは、実験室またはベンチトップの尺度で製造され、製造の指示と条件はノートブックに文書化される。この材料は、臨床用ではなくインビトロ検査に適している。
製剤の原型は、薬物製品の内容物アッセイの評価、不純物評価、用量ユニットの均一性、およびインビトロの薬物ニコチン放出速度の評価を含む、標準の薬物製品検査方法を使用して評価される。修飾された放出剤形を含む、固形の経口剤形の評価に重要なツールは、インビトロ溶解検査である。溶解検査は、全ての固形経口剤形、即時放出と修飾放出の両方の放出速度の評価のための、業界基準である。それは、開発中に原型の製剤のパフォーマンスを評価するために、そして慣例的な商用のバッチ放出中に患者に対して販売される製品の一貫性を確保するために使用され、かつ、インビボ/インビトロの相関(IVIVC)でインビボのパフォーマンスを予測するために使用できる。一旦IVIVCが確立されると、剤形の薬物動態プロファイルは、インビトロ放出速度の評価によって予測できる。溶解検査の条件は、胃腸管の条件を模倣し、見識を提供し、かつ時にインビボの薬物放出速度を予測するために、調整することができる。具体的には、即時放出製剤は、絶食した胃の条件を模倣するためにpHが1.1の希釈HClにおいて評価され、および、摂食された胃の条件を模倣するためにpH4.5の希釈HClにおいて評価される。遅延放出製剤は、胃から小腸への移動を模倣するために、pH6.8の培地への変化を伴う希釈HCl媒体において困難となる場合がある。
剤形の即時放出パルスおよび遅延放出成分のインビトロの評価は、37℃で50RPMにてパドルを回転させながら、溶解槽の中で行われる。利用される培地は、胃腔の条件を模倣するためにpH1.1の希釈HCl溶液、および、腸の条件を模倣するために使用されるpH6.8の50mMリン酸緩衝液である。成功的な即時放出製剤は、30分または45分以内に、標識された量のニコチンの少なくとも80%を放出する。遅延放出製剤は、6時間で放出される薬物の量(漏れ)、および、一旦薬物放出が開始すると薬物の全投与量はどのくらい早く放出されるのかにより、評価される。ニコチン濃度は、溶解管から経時的に取り除かれ、かつ、UV検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム上へとサンプルを注入する、培地のサンプル中で測定される。放出されるニコチンの量は、剤形に充填される標的薬物のパーセンテージとして測定される(すなわち、8mgの全投与量から放出される薬物の4mgは、50%の溶解結果を提供する)。成功的な遅延放出製剤は、最初の放出の6時間後に開始して約30-45分間にわたり、標識された量のニコチンの少なくとも80%を放出する。目標は、遅延放出製剤中の漏れの量を最小限にし、かつ、一旦放出が開始したときに薬物放出の速度を最大限にすることである。これにより薬物放出の強力なパルスがもたらされ、最初の投与の6時間後に投与される即時放出剤形と同様に実行されることが意図される。
異なる4つの製剤が、人体研究のためのGMPガイドラインの下で開発される。鉛(lead)製剤が選択されると、それらは、より大きな設備およびバッチサイズへとスケールアップされる。製造パラメータはさらに、設備の規模に対して開発され、これらの実験は実験室ノートブックにて文書化される。臨床試験材料(CTM)薬物製品は、それらの正確な質、同一性、強度、純度、および効力を確保するために試験される。次いで、CTMは、資格があり、かつ製造および品質管理に関する基準(GMP)に従って操作される施設の部門において産生される。GMPは、製品が品質規格に従って一貫して産生かつ制御されることを確実にするためのシステムである。これは、最終産物の検査を介して不要にすることができない、任意の医薬品産生に関与するリスクを最小限にするように設計される。GMPは、出発物質、敷地、および設備から、スタッフの訓練および個人衛生まで、産生の全ての態様を包含する。詳細には、書面での手順が、最終製品の質に影響を及ぼす場合がある各プロセスに不可欠である。正確な手順が製造プロセスの各工程において一貫して従われ、どの時点でも製品が製造されるという書面での証明を提供するためのシステムが、存在しなければならない。これらのバッチは、品質ユニットにより放出される物質を使用して製造され、製造の指示は、事前承認されたバッチ記録において指定される。これらのバッチは、適切な資格のある方法を用いて検査され、および、ヒト臨床試験での投与前に品質ユニットにより放出される。
実施例5:12時間の放出製剤に関する正常なヒトボランティアの研究。
最大4つの12時間の放出製剤を、ヒトにおいて検査する。12mgのパルス放出(PR)は、12時間にわたり2つのスパイクを提供するように意図される。この研究は、喫煙をしていない12人の正常な健康な男性と女性、現時点で3か月間禁煙中の喫煙者、または、研究期間中にタバコの使用を快く避けることのできる喫煙者における、生物学的同等性の第1相試験である。目標が、交絡因子からの干渉が最小である最高品質データを得ることであるため、健康な正常なボランティアを使用して研究を行う。健康なボランティアのPK研究は、集団におけるPK研究より優れていると示され、そこでは、一晩の滞在延長が困難であり、遵守率が低い。例えば、病気の被験体は食事を控えるのが困難であり、食物はデータの解釈に干渉しかねない。
即時放出の比較上のPK/生物学的利用能およびニコチンの4つの異なる12時間放出製剤:
強度/形態:
(A)即時放出(IR)6mg q6h×4の投与量。
(B)パルス放出(PR)12mg 形態1 q12h×2の投与量。
(C)パルス放出(PR)12mg 形態2 q12h×2の投与量。
(D)パルス放出(PR)12mg 形態3 q12h×2の投与量。
(E)パルス放出(PR)12mg 形態4 q12h×2の投与量。
各被験体は、次の期間に入る前に最低3日間のウォッシュアウト時間を有している。制限の時間は、-1日目から2日目の午前に至るまでを含む(各期間において2回の就寝)。
安全性評価は、スクリーニング、最初の投与前のバイタルサインと身体検査、ECGおよび標準臨床実験質検査を用いて研究に参加する全被験体が正常かつ健康であることを確実にすることに、焦点を当てている。研究中、被験体のレベルが各期間の開始時、および5回目の期間の終了時に正常範囲内にあることを確実にするためのPKサンプリングからの大量の血液量により、ヘモグロビンに細心の注意を払う。PKサンプリング:PKサンプリングスケジュールは各期間で同一であり、以下のとおりである:事前投与量(0時間)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、16、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、22、24。
分析物:ニコチンおよびコチニン。以前に生物分析で定量された、血漿または血清中のニコチンを、記述的統計を使用して分析し、処置および時点によりサンプル中の濃度を要約する。個々の被験体それぞれの、処置による濃度対時間のプロファイルを、非コンパートメント薬物動態(PK)方法を使用して分析し、対象のPKパラメータを導き出す。主な対象は、ピーク(Cmax)曝露、様々な処置レジメンに対して24時間の期間にわたる全体的な全身曝露(AUC)である。加えて、ピークまでの時間(Tmax)、24時間の間隔にわたる最小濃度、および半減期が、可能な場合に算出される。主な曝露パラメータは、2つの片側の同等な方法に従う分散分析(ANOVA)によって、統計的に比較される。結果は、提案された修飾放出ニコチンレジメンと即時放出製剤との間の幾何平均比率として提示され、平均における差異について対応する90%の信頼区間が含まれる。
実施例6:認知機能関連症状および認知機能障害の処置のための、ドーパミン作動薬と組み合わせたNP002
パーキンソン病を5年以上抱え、認知症状が欠如している、合計20人の患者を、介入研究に登録する。NP002の群、または、規則的なPDドーパミン作用性薬剤に加えてプラセボを受ける群に、患者を無作為に割り当てる。主な参加基準は以下のとおりである:1)典型的なパーキンソン病の臨床診断、2)30~83歳の男性または女性、3)「オン」状態でのHoehn and Yahr重症度分類がII-IV、および4)レボドパ/カルビドパの安定した投与量を受けている。患者は、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB型阻害剤、またはアマンタジンを含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。
試験は3段階で構成される:6か月の処置期間、2か月の処置再滴定期間、6か月のクロスオーバー処置期間。被験体を無作為に割り当てて、ニコチンまたはその塩を含むNP002、またはプラセボのいずれかを受けさせる。全ての患者が、安定したレボドパ/カルビドパ処置を受ける。患者は、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB型阻害剤、またはアマンタジンを含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。患者を、レボドパ/カルビドパを16時間中止した「オフ」期間、次いでレボドパ/カルビドパの通常の午前の投与を受けて1時間後の「オン」期間に評価する。1:1の比率のNP002またはプラセボを、6か月間盲検様式で、次いでさらに6か月間クロスオーバーにおいて、1日4回、経口カプセルとして投与する。処置レジメンの間に、被験体を、2か月間の処置再滴定期間にさらす。投薬を6時間ごとに1mgで開始し、日用量の合計は4mgであり、以下のように2週間間隔で上方に漸増される:
2週間にわたり6時間毎に2mg、合計8mgの日用量。
2週間にわたり6時間毎に4mg、合計16mgの日用量。
2週間にわたり6時間毎に6mg、合計24mgの日用量。
患者は、クロスオーバーまで試験の次の数週間にわたり、この投与量を受け続ける。プラセボを受けている患者はニコチンにさらされていないので、本来の漸増スケジュールを繰り返す。
有害事象(AE)の発生、臨床検査、血清コチニン、ECG、およびバイタルサインの発生により、安全性を評価する。驚くべき症状は、Jay Modified Minnesota Impulsive Disorders Interview (JayMidi)を使用して評価される。禁断症状は、Minnesota Nicotine Withdrawal Scale(MNWS-R)を使用して評価される。
Montreal Cognitive Assessment尺度を用いて効果を評価する。
実施例7:認知機能障害を減らすための、ドーパミン作動薬と組み合わせたNP002
実施例1を繰り返す。これは、II相の単一施設、無作為化、二重盲検、プラセボ制御、効果、安全性、および耐容性の研究である。認知機能障害を伴う典型的なパーキンソン病を抱える合計20人の男性と女性を含める。試験は、初期評価、6か月間2か月毎の評価、クロスオーバー、および6か月間2か月毎の評価で構成される。
実施例8:ニコチンは、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に作用することでLIDを減らす。
ニコチンは通常、nAChRに作用することでその効果を発揮する。複数の受容体が身体全体に存在しており、α1β1、α3β4、およびα7のnAChRは、末梢神経系における主要な亜型であり、α4β2、α6β2、およびα7のnAChRは脳における原発性亜型である。アスタリスク*は、受容体中の他のnAChRサブユニットの存在を意味する。ニコチンの抗運動障害効果に関連する受容体を判定するために、nAChR亜型に選択的な薬物を、片側性の6-ヒドロキシドーパミン病変を伴うラットにおいて検査し、該ラットはLIDのモデルである。すべてのnAChRのほか、様々なβ2選択的薬物(A-85380、サゼチジン、TC-2696、TI-10165、TC-8831、およびTC-10600)にて作用するバレニクリンは、LIDのこのパーキンソン病動物モデルにおいて様々な程度にLIDを減らすことができる。これらのデータは、nAChRに作用することでニコチンがLIDを減らすことを示す。遺伝子組み換えマウスを用いた研究はさらに、ニコチンがnAChRを介してその抗運動障害効果を媒介するという考えを支持している。L-dopaで処置したパーキンソン病のα6β2nAChRのヌル突然変異体マウスは、ベースラインのLIDにおいて50%の減少を示した。ニコチンは、α4β2nAChRのノックアウトマウスに抗運動障害効果を及ぼさなかった。対照的に、L-dopaで処置したパーキンソン病のα7nAChRノックアウトマウスには、LIDが増加した。故に、薬学研究および遺伝学研究により、ニコチンの抗運動障害効果は受容体媒介性であり、β2とα7両方のnAChRが重要な役割を果たすことが示された。
実施例9:nAChR薬物は、パーキンソン病非ヒト霊長類のLIDを減らす。
nAChR薬物は、パーキンソン病の非ヒト霊長類のLIDを減らす。薬理学的研究を行い、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)サル、すなわちPDと非常によく似た動物モデルにおける、nAChRの治療可能性を調べた。初期の作業は、一般的なnAChRアゴニストであるバレニクリン、およびβ2アゴニストTC-8831が、耐性を持たないサルにおいてLIDを~50%減らしたが、これらの薬物の制限は嘔吐の進行であったことを示した(表1)。そのため、他の様々なβ2選択的アゴニストを検査した(表4)。これらは、ABT-089、部分β2nAChRアゴニスト(Ki=17nM)、および完全β2アゴニストABT-894(Ki=0.3nM)であった。ABT-089は最大限にLIDを40%減らし、ABT-894はLIDを最大60%減らした(Zhang et al., 2014b)。これらの効果は数か月間持続したが、検出可能な副作用と嘔吐はなかった。どのアゴニストもパーキンソン症候群を悪化させなかった。AZD1446、すなわち比較的低い親和性のβ2nAChRアゴニスト(Ki=30nM)も検査した。これは最大限にLIDを30%減らした。完全な高親和性β2nAChRアゴニストが、より有効な場合もある。2つのα7nAChRアゴニストABT-107(Ki=0.5nM)およびAQW051(Ki=27nM)も、それらの親和性およびアゴニストの特性に関連する場合がある様々な効果により、パーキンソン病のサルのLIDを減らした。注目すべきは、LIDの最大の減少は、いずれか1つのnAChR薬物、またはβ2およびα7アゴニストとの併用治療では~60%であった(表4)。
サルのデータの要約(表4)は、LIDの最大の減少が、ニコチン、ABT-894、およびABT-107などの、より高い親和性(≧10nM)の完全なnAChRアゴニストに関連することを示す。より低い親和性を持つ部分アゴニストまたは薬物(バレニクリン、TC-8831、ABT-089、AZD1446、AQW051など)は、あまり効果を示さなかった。別の重要な事項は副作用である。バレニクリンおよびTC-8831などの薬物は、吐き気に関連付けることができ、ゆえに、場合によってはあまり望ましくないであろう。
Figure 2023065396000009
実施例10:転倒関連症状の処置および姿勢安定性の改善のための、ドーパミン作動薬と組み合わせたnAChRアゴニスト
姿勢安定性(バランス)が欠如し、かつ転倒の経験がある、5年以上パーキンソン病を抱えている合計20人の患者を、介入研究に登録する。患者を、β2またはα7の選択的なnAChRアゴニスト(ABT-894またはABT-107など)、または通常のPDのドーパミン作用性薬剤を加えた同一のプラセボへと無作為に割り当てる。主な参加基準は以下のとおりである:1)典型的なパーキンソン病の臨床診断、2)30~83歳の男性または女性、3)Hoehn and Yahrの重症度分類II-IVにある一方、「オン」状態である、4)過去に1回より多く転倒したことがある、5)Montreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアが≧21である、6)レボドパ/カルビドパの安定した投与量を受けている。患者は、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB型阻害剤、またはアマンタジンを含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。
以下の障害または症状を抱える患者を、登録から除外する。非定型パーキンソン病や、稀ではあるが疾患の特に初期に多くの転倒をもたらす障害を抱える患者を、除外する。これらの障害として、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、原発性すくみ足歩行(PFG)、および大脳皮質基底核変性症が挙げられる。痴呆症MOCA≧21を抱える患者を除外する。法的盲の患者を除外する。股関節部または膝に整形外科的な問題がある、または、股関節部または膝の置換術を必要とする患者を除外する。起立性低血圧を抱える患者を除外する。統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の履歴のある患者を除外する。幻覚、精神病、または妄想を抱える患者を除外する。脳深部刺激(DBS)介入を受けていた患者を除外する。近年に脳卒中または心筋梗塞の履歴のある患者を除外する。
試験は3段階で構成される:6か月の処置期間、2か月の処置再滴定期間、6か月のクロスオーバー処置期間。被験体を無作為に割り当てて、nAChRアゴニスト(ABT-894またはABT-107など)、またはプラセボのいずれかを受けさせる。全ての患者が、安定したレボドパ/カルビドパ処置を受ける。患者は、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB型阻害剤、またはアマンタジンを含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。患者を、レボドパ/カルビドパを16時間中止した「オフ」期間、次いでレボドパ/カルビドパの通常の午前の投与を受けて1時間後の「オン」期間に評価する。β2またはα7のいずれかの選択的nAChRアゴニスト(ABT-894またはABT-107など)、またはプラセボを、1:1の比率で、6か月間盲検様式で1日4回、経口カプセル剤として投与し、次いで、さらに6か月間クロスオーバーにおいて投与する。処置レジメンの間に、被験体を、2か月間の処置再滴定期間にさらす。投薬を6時間ごとに1mgで開始し、日用量の合計は4mgであり、以下のように2週間間隔で上方に漸増される:
2週間にわたり6時間毎に2mg、合計8mgの日用量。
2週間にわたり6時間毎に4mg、合計16mgの日用量。
2週間にわたり6時間毎に6mg、合計24mgの日用量。
患者は、クロスオーバーまで試験の次の数週間にわたり、この投与量を受け続ける。プラセボを受けている患者はABT-894またはABT-107などのnAChRアゴニストにさらされていなかったので、本来の漸増スケジュールが繰り返される。
有害事象(AE)の発生、臨床検査、血清コチニン、ECG、およびバイタルサインの発生により、安全性を評価する。驚くべき症状は、Jay Modified Minnesota Impulsive Disorders Interview (JayMidi)を使用して評価される。
統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、バーロウ神経学研究所(BNI)の転倒評価、Hoehn & Yahrの重症度分類システム、ロンベルグ試験、回転検査、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅、および速度、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.12のWalking and Balance、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の質問2.14のFreezing of Gait、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問32-35のDyskinesias、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問36-39からのResponse Fluctuation、本来の統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の質問40のSleep Disturbance、運動障害疾患学会のパーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の142点、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)の軸・中線部分、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のGait Subtest、運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のPostural Stability Subtest、および運動障害疾患学会の統合パーキンソン病評価尺度(MDS UPDRS)のFreezing of Gait Subtest (FOG)を用いて、効果を評価する。
「オン」、「オフ」、または「オン」と「オフ」両方の期間での軸UPDRSサブテストの改善は、歩行サブテスト、引っ張りサブテスト、およびFOGサブテストの改善、回転、片足での直立、つぎ足歩行、歩幅、および速度の改善、量的検査の改善を含む。これらの患者のすべてまたは多くに、反応変動:「ウェアリングオフ」および/または「オンオフ」がある場合があるこれらの患者の一部には、すくみ足歩行(FOG)がある場合がある。
実施例11.NC001製剤の開発
NC001(以前はNP002)酒石酸水素ニコチン)を、LIDを処置するために設計する。ニコチン(NC001)の製剤により、6時間の間隔を置いた4回の投与量としてニコチンを送達できるが、12時間毎に2つ以下の丸剤を摂取して送達できる。この製剤は、具体的にはニコチンが次のパルス前に血液系からほとんどなくなるように、系への薬物の短期間パルスを提供する。検査において、これは、ニコチンへの耐性の構築を回避すると示された。この製剤は、浸透性がコーティング中でのイオン相互作用を介して制御される有機イオン塩と組み合わせて、薬用ポリマー技術を使用する。
重要な技術目的
薬剤への遵守は、特にPDを抱える患者において困難な問題である。4-6時間毎の投与レジメンを必要とする薬剤は、睡眠障害を引き起こし、投与量が損なわれると、PDの場合、運動合併症の増大をもたらす。これは、服薬遵守に関する問題を最小限にするために開発されている複数の異なる新たなドーパミン製剤によって確認できるように、PDにいて確立されている。
好ましい吸収部位での薬物置換の制御放出は、治療濃度域内で有効成分の送達を最適化し(Stocchi F, et al. 1996)、治療利益を最大限にする。2つの別個の薬物放出パルスを伴う薬物製品は、LIDの処置の臨床試験における使用を意図されている。この製剤方法により、投薬頻度を減らし、先の第2相研究で評価された薬物動態(PK)プロファイルを提供できる。この製剤は、ニコチンの特有の薬物放出プロファイルを達成し、標的とされたPKプロファイルをもたらすために、特定の製造プロセスと組み合わせての、ニコチン薬物と賦形剤の組み合わせである。
2つのパルス製剤からの第1のパルスは、迅速な治療効果の達成を意図される、従来の即時放出である。これは、物質の効率的な適用のためにWursterカラムインサートを取り付けられた流動床乾燥器において、ニコチン薬物を微結晶性セルロース(MCC)のペレット基質上に層状にした薬物によって達成される。市販のMCCスフィアのブランドは、Celphereである。薬物を、ニコチンのペレットへの結合を補助する可溶性ポリマーと共に、MCCペレットへと噴霧する。次に、これに対し、外観のために異なる色で購入可能な追加の即時放出ポリマーを過剰被覆する。市販の審美的コーティングのブランドは、Opadryである。
第2のパルスは、即時放出成分として同じ様式で、ニコチンおよび可溶性ポリマーで薬物層とされる。遅延放出パルスはまた、コハク酸などの、薬物層中の有機酸塩を含む。その後、機能フィルムコーティングが、薬物充填ペレットに適用される。機能フィルムコーティングは、第四級アンモニウム基を伴うメタクリル酸エステルを含有するアクリル酸エチルとメタクリル酸メチルのコポリマー、および可塑剤としてのクエン酸トリエチルで、構成される。ポリマーと有機酸改質剤との比率は、遅延放出成分からの薬物の放出時間を決定する。市販のポリマーのブランドは、Eudragit RLおよびEudragit RSである。遅延放出成分の機能フィルムコーティングはまた、Wursterカラムが取り付けられた流動床乾燥器に適用される。有機酸改質剤は、水が製剤へと浸出し、かつ最終的には薬物が放出される孔を作成するために、コポリマーと相互作用する。
ペレットの両集団は、投与のためのカプセル剤へと充填され、追加の不活性成分と混合され、または錠剤へと形成することができる。両方の方法は、市販の薬物製品において使用されている。
このパルス製剤により、標的薬物送達が可能となり、より良い遵守を通じて疾患の管理が改善され、患者の利便性が向上する。これにより、PDを悪化させず、医師が最大限に有効なL-dopa治療レジメンをもってPDを処置できる、安全な薬物が提供される。
処置群における140人の患者とプラセボ群における140人の患者(計280人の患者)を、必要な患者の数として算出し、この数は、UDysRSの合計スコアにおけるNC001とプラセボとの差異を検出し、5%の有意レベルにて両側2サンプルt検定を仮定するのに十分な数である(90%の指数(power))。サンプルサイズの算出を、連続的な結果に基づいて行う。各処置群のベースラインおよび標準偏差からの平均変化を算出した。サンプルサイズの算出を、80%および90%の指数に対して行った。サンプルサイズの第1のセットは、片側α=0.05に基づき、第2のセットは両側α=0.05に基づく。サンプルサイズを算出し、2サンプルt検定を呈する。
ニコチンは、げっ歯類と霊長類のモデル両方のLIDを減らす。
ニコチンの抗運動障害の可能性を調べる論理的根拠は、群からの初期の基礎研究発見から生じた。ラットおよびマウスにおいて、経口投与、注射、および遅延放出ミニポンプを含む様々な方法のいずれか1つにより投与した時にニコチンはLIDを減らし、経時的な効果の減少はなかったことを見出した(Quik et al., 2007; Bordia et al., 2010; Huang et al., 2011a)。また、ニコチンが、パーキンソン病のサル、すなわちPDに観察される運動欠損を最もよく模倣する動物モデルのLIDを減らしたと確証されると、重大な発見が生じた(Bezard and Przedborski, 2011)。ニコチン(全ニコチン受容体に結合し、それを活性化する)は、パーキンソン症候群を悪化させることなくサルのLIDを60%減少させた(Quik et al., 2007; Bordia et al., 2008)(図4と図5)。図4は、NP002が、サルモデルのレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)を減らすことを示す。図5は、NP002が、オフのL-dopaまたはオンのL-dopaにおけるパーキンソン病の症状を増大させないことを示す。この減少は数カ月間持続し、耐性または効果の損失はなく、副作用は検出可能されなかった。
神経生物学的機構の基礎的なLIDは、あまり理解されていない。広範な研究は、ニコチンコリン作動性受容体(nAChR)を含む、多数の神経伝達物質システムに関係していた(Huot et al., 2013; Al Dakheel et al., 2014)。基底核におけるニコチンのコリン作用性およびドーパミン作用性のシステムの組織化と機能には、広範な重複が存在する(Quik and Wonnacott, 2011)。ニコチンは、ドーパミン放出に影響を及ぼし、かつ動物のドーパミン関連運動行動を変更すると知られている。ニコチンをジスキネジアの動物モデルに使用できるという所見は、ニコチンの臨床的使用のための経路を考慮するための第一歩にすぎなかった。ニコチンは安全に投与するのが難しく、研究では、むしろ高投与量かつ維持量のニコチンが神経保護に必要であったことが示唆されている(Belluardo N et al., 2000; Picciotto MR and Zoli M, 2008; Quik M et al., 2007b)。実際、ニコチンパッチを用いて、ニコチンへの連続的な暴露をもたらし、パーキンソン病症状を遅くする際に有用かもしれない、事例証拠が存在していた(現在では、初期段階のPD患者において神経保護のための高投与量のニコチンパッチを評価する、NIHが資金提供した大規模な研究が存在する)。しかし、ニコチン受容体の維持された活性化は、ジスキネジアの減少を提供するとは思えないと述べられた(処方箋なしで購入できるニコチンパッチを使用した、またはパッチを使用した神経保護試験が行われている、PDおよびLIDを抱える患者の未公表の臨床観察)。
nAChRでの主な困難は、ニコチンへの連続暴露により急速に脱感作されるようになるというものである。一旦脱感作されると、それらは、アゴニスト薬物に対する反応性をなくし、加えて、すべてではないが受容体は、同じ速度に脱感作される。そのため、例えば、心臓の受容体は、脳の受容体よりも徐々に脱感作される場合がある。これにより、ニコチンでの連続的な処置から、安全性、中毒、および退薬症状に関する多数の問題が生じる。臨床試験において、具体的にはニコチンが次のパルスの前に血液系から取り除かれるように、NP002(ニコチン)の短期間パルスを系に提供した投与レジメンを利用した。幸運にも、ニコチンは急速に吸収され、半減期は非常に短かった(Compton RF et al., 1997; Schneider NG et al., 2001; Hukkanen J et al., 2005)。呑み込まれ、急速に吸収され、約2時間以内に除去可能な経口製剤を開発することにより、この特性を利用しようと努めた。その後、6時間待機してから、別の投与量の薬剤を投与した。そのように、脳は、少なくとも4時間、ニコチン曝露が行われず、これは、nAChRの脱感作を回避するのに十分でなければならない。
結果:PDおよびLIDを用いた被験体における短時間作用型ニコチンの断続的投与量の第2相臨床試験
この研究(ClinicalTrials.gov識別子NCT00957918)を、LIDの処置のためのニコチンに承認される調節性を支持する2つの研究の1つとして使用されるように設計された、多重中心、プラセボ対照、安全性、耐容性、および探索的な効果研究としてFDAを用いて、IND(#105268)の下で行った。特発性PDを抱える被験体におけるニコチンの安全性および耐容性を、10週間6時間毎に送達されるニコチンの漸増投与量を使用して、有害事象(AE)、安全性研究所検査、身体検査、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、および原発性パーキンソン病の症状における変化によって評価した。研究を行った時点で(2009)、LIDの処置効果を測定するためのFDAに容認された手段は存在しなかった。それゆえ、様々な第2の目的を利用して、統合ジスキネジア評価尺度(UDysRS)を含む効果を評価した。この研究の完了以降、UDysRSは様々な研究で確認されており、FDAにより薬物が効果的かどうかを判定するための検証手段と考慮されている。
LIDを伴う特発性PDを抱える、計65人の男性と女性の被験体を、研究において無作為化した。研究は4段階で構成される(図6A):スクリーニング段階(最大3週間)、二重盲検処置段階(10週間)、減少(taper)段階(2週間)、および追跡段階(2週間)。各被験体に対する、およその研究期間は17週間であった。スクリーニング段階の後、研究被験体を無作為に割り当てて、1:1の比率でNP002による処置またはプラセボによる処置を受けさせて、10週間にわたり盲検様式で1日4回、経口カプセルを投与した。二重盲検処置段階中に、訪問0にて6時間毎に1mgの投薬を開始し(合計の一日量[TDD]=4mg/日)、次のように2週間間隔で上方に漸増させた:訪問1(2週目)で6時間毎に2mg(TDD=8mg/日);訪問2(4週目)で6時間毎に4mg(TDD=16mg/日);訪問3(6週目)で6時間毎に6mg(TDD=24mg/日);被験体を4週間、24mg/日で維持した。その後の減少段階(計2週間)、すなわち訪問4(10週目)の始めは、9日間の薬物減少、および訪問5(最後の安全性訪問)の前5日間の薬物中止で構成される。全ての被験体に対して、最後の安全性訪問の1週間後と2週間後に、追跡のための電話を行う。オンダンステロンは、スポンサーにより提供され、かつ、投与の開始または漸増後最初の4日間のみに吐き気や嘔吐についてそれを使用するための説明書と共に、各投与量漸増工程にて分配された。16mg/日のTDDに耐性はあるが、吐き気や嘔吐により24mg/日では耐性がない被験体は、調査者の選択時に、16mg/日の投与レベルにまで落とすことを認められた。他の投与量の下方滴定は認められなかった。表5を参照。
Figure 2023065396000010
重要なことに、計65人の被験体(35人はNP002群、30人はプラセボ群)を無作為化し、48人の被験体(25人はNP002群、23人はプラセボ群)が研究を終えた。無作為化の後、17人の被験体に研究を中止させた(10人の被験体はNP002群、7人の被験体はプラセボ群)。どの被験体も、研究薬物を摂取する前に研究を中止されなかった。中止する最も一般的な理由は、AE(n=11;6人の被験体がNP002群、5人の被験体がプラセボ群)、およびプロトコル違反(n=4; 2人の被験体がNP002群、2人の被験体がプラセボ群)であった。加えて、衝動や退薬症状に関する問題はなかった。重要なことに、UPDRS Part IIIも、Hoehn and Yahrの尺度も、研究中に何の悪化も示さず(かつ、僅かな改善を示す)、パーキンソン病症状は悪化しなかったことを実証した。それゆえ、ドーパミン薬剤で処置されていた、ニコチンを受けていない患者にニコチンを投与するための、安全で耐性が十分な方法を確立したことは、明らかであった(表6を参照)。
Figure 2023065396000011
NP002は、LIDおよび転倒の処置に効果的である。
NP002は、ALL患者および医師により評価される効果の評価においてプラセボより優れており、場合によっては統計的有意差を達成した。
プラセボと比較したときのニコチンの好ましい統計的有意差は、ジスキネジア身体障害(UDysRS part 3)および歩行(歩行およびバランスの改善を示す)、Lang-Fahn Activities of Daily Living (LF-ADL)尺度およびPatient Global Impression-Change (PGI-C)尺度に対する応答者のパーセンテージにおいて確認された。訪問4(10週目)では、LF-ADL応答者(ベースラインから≧25%の減少を伴う被験体)の数において、処置群間で統計的有意差があった(p=0.0453)。加えて、訪問4(10週目)では、PGI-C応答者(1、2、または3のスコアを伴う被験体)の数において、処置群間で統計的有意差があった(p=0.0048)。プラセボ群における9人(37.5%)の応答者に比べて、NP002群においては21人(77.8%)PGI-C応答者が存在した。この応答を裏付けると、訪問4では、PGI-C尺度の異なるカテゴリー(1から7)にある被験体の数において、処置群間で統計的有意差があった(p=0.0230)。重要なことに、ジスキネジアを評価するよう設計された尺度は全て、数的および/または統計的有意にプラセボより優れていた。加えて、UPDRSを使用すると、NP002は、PD症状を悪化させなかったことが実証された(プラセボに比べて好ましい傾向であり、PDの悪化はなく、僅かな改善が生じ得る)。それゆえ、結果として、ニコチンはLIDの処置に効果的であることが示される。
要するに、検査におけるニコチンのこの送達方法は、患者が治療を中止したときに、ニコチンに対する耐性および依存性の構築を回避すると示された。これは安全であり、かつ効果的である。これは、LIDの処置のための最終の成功的なニコチン産物の製剤において重要なものである。
イノベーション
6時間毎の投薬製剤の使用は、この患者集団に対する慣例的な臨床的使用において実行可能ではない。遵守が低い場合があるため、この使用は大規模な臨床研究に対して極めて困難であり、このせいでデータの解釈が複雑となる。患者および医師の面会は、患者がL-dopaに関して既に有意な薬物の問題を取り扱っていることを実証した。患者が多くの場合に、4-8時間毎にL-dopaを必要とするという事実にもかかわらず、多くの患者が不承諾者であり、このため、ケアにおける大きな問題が生じる。追加データの調査は、大規模な臨床研究(100人以上の患者)には、薬物を6時間毎に与えねばならないという主要な遵守に係る制約があることを示した。
手法
重要なことに、ニコチンの生物薬剤の特性は。投薬製剤の改善に向いている。ニコチンは、遊離塩基として、および様々な塩形態において利用可能である(Siegfried Ltd, 2009)。酒石酸水素ニコチン二水和物塩は、生理的pH範囲にわたって水性培地において自由に可溶性であり、医薬品等級の物質として市販で入手可能である。ニコチンは、皮膚を含むヒト組織を介して吸収される。ニコチンは胃腸管の中で十分に吸収され、経口の生物学的利用能は約30%(文献では20%~40%と報告)である(Hukkanen, J. et al. 2005)。ニコチンは初回通過代謝を受けて、コチニンへと広範囲に代謝され、報告された低くて可変的な絶対生物学的利用能の推定をもたらす。このような高溶解度と浸透性の特徴は、複数のボーラス放出プロファイルを含む修飾放出(パルス放出を含む)剤形の開発に向いている。
第1層の目標1
目標1は、固体、すなわち約6時間毎にヒトへニコチンの塊を送達できる経口剤形である。これは、ゼロ時間で即時放出ボーラスを送達し、かつ消化の約6時間後に第2の即時放出ボーラスのニコチンを送達する、2パルス製剤である。この2パルス剤形は、以前に第2相研究で評価されたPKプロファイルを模倣するために、1日に12時間の間隔を置いて(q12hr)2回投与される。この製剤は、半透膜で被覆される多重微粒子の即時放出剤形に焦点を当てている。この膜を一回水和すると、水は剤形へと流れるが、薬物は膜を通って漏れることがない。活性薬物に加えて、剤形のコアは、有機塩、膨張可能な物質、または、水の摂取のための推進力をもたらすとともに、計画された薬物放出のタイミングの規定を補助する、超崩壊剤を含む場合がある。多重微粒子製剤方法からの単一ペレットの例は、低投与量薬物に十分適しており、図7に示される。結合剤としてヒプロメロース(HPMC)、および有機酸改質剤としてコハク酸を含む、ニコチンの15%溶液を調製する。この溶液を、20%の固形物の重量増加がペレット剤上で達成されるまで、精密コーティング装置を取り付けた流動層乾燥機を使用して、ノンパレイルシード(nonpareil seed)上に被覆する。最終の薬剤層製剤は、5:3.5:1.5の比率でニコチン、HPMC、およびコハク酸を含んでいる。必要に応じて、代替的な結合剤を使用して、ノンパレイルシードへの薬物層の付着の質を改善することができる。このコアとなる薬物充填ペレットは、外観のためにOpadryなどの即時放出ポリマーで被覆され、複合剤形の即時放出成分として使用することができる。遅延放出ペレットに関しては、コアとなる薬物充填ペレットの別個の集団はさらに、別個の機能的なポリマーフィルムコーティングで被覆される。Eudragit RSの水溶液は、6:1:3の比率で粘着防止剤として機能する可塑剤としてクエン酸トリエチル、およびタルクで調製される。この溶液は、約70%の全固体の重量増加にまで精密度コーター(precision coater)を取り付けた流動層乾燥器を使用して、薬物充填ペレットへと被覆される。最適な重量増加は、フィードバック機構としてインビトロでの溶解を使用することにより実験的に決定される。Eudragit RLなどの代替的なポリマー材料も、遅延時間、または遅延放出ペレットからのニコチンの放出速度を修飾するために、ポリマーフィルムコーティング製剤に含まれる場合がある。
遅延時間の長さ、および薬物放出の強度は、コーティング製剤、およびコーティングの重量増加に基づいて調整することができる(Devane et al., 特許)。
製造施設
初期の製剤開発実験は、小さな実験室規模の設備およびバッチサイズ(10-50g/バッチ)で行われる。これらのバッチは、実験室またはベンチトップの尺度で製造され、製造の指示と条件はノートブックに文書化される。この材料は、臨床用ではなくインビトロ検査に適している。
製剤の評価
製剤の原型は、薬物製品の内容物アッセイの評価、不純物評価、用量ユニットの均一性、およびインビトロの薬物ニコチン放出速度の評価を含む、標準の薬物製品検査方法を使用して評価される。修飾された放出剤形を含む、固形の経口剤形の評価に重要なツールは、インビトロ溶解検査である。溶解検査は、全ての固形経口剤形、即時放出と修飾放出の両方の放出速度の評価のための、業界基準である。それは、開発中に原型の製剤のパフォーマンスを評価するために、そして慣例的な商用のバッチ放出中に患者に対して販売される製品の一貫性を確保するために使用され、かつ、インビボ/インビトロの相関(IVIVC)でインビボのパフォーマンスを予測するために使用できる。一旦IVIVCが確立されると、剤形の薬物動態プロファイルは、インビトロ放出速度の評価によって予測できる。溶解検査の条件は、胃腸管の条件を模倣し、見識を提供し、かつ時にインビボの薬物放出速度を予測するために、調整することができる。具体的には、即時放出製剤は、絶食した胃の条件を模倣するためにpHが1.1の希釈HClにおいて評価され、および、摂食された胃の条件を模倣するためにpH4.5の希釈HClにおいて評価される。遅延放出製剤は、胃から小腸への移動を模倣するために、pH6.8の培地への変化を伴う希釈HCl媒体において困難となる場合がある。図8は、即時放出剤形、6時間でのボーラス放出を伴う剤形、およびこれらの2つの剤形の2パルスの組み合わせに対する、理論的なインビトロ溶解プロファイルの例である。図8は、即時放出(三角形)、遅延放出(正方形)、および2パルス薬物放出プロファイル(円形)の薬物放出プロファイルを例示する。三角形は薬物の即時放出を示し、溶解を開始して1時間以内に完全な溶解を達成する。遅延放出成分は正方形で示され、即時放出速度に同様の放出を示すが、約6時間遅れている。第3のプロファイルは円で示され、2つの異なるペレット集団の複合体であり、結果として2パルス薬物放出プロファイルをもたらす。
成功のための製剤選択と基準
剤形の即時放出パルスおよび遅延放出成分のインビトロの評価は、37℃で50RPMにてパドルを回転させながら、溶解槽の中で行われる。利用される培地は、胃腔の条件を模倣するためにpH1.1の希釈HCl溶液、および、腸の条件を模倣するために使用されるpH6.8の50mMリン酸緩衝液である。成功的な即時放出製剤は、30分または45分以内に、標識された量のニコチンの少なくとも80%を放出する。遅延放出製剤は、6時間で放出される薬物の量(漏れ)、および、一旦薬物放出が開始すると薬物の全投与量はどのくらい早く放出されるのかにより、評価される。ニコチン濃度は、溶解管から経時的に取り除かれ、かつ、UV検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム上へとサンプルを注入する、培地のサンプル中で測定される。放出されるニコチンの量は、剤形に充填される標的薬物のパーセンテージとして測定される(すなわち、8mgの全投与量から放出される薬物の4mgは、50%の溶解結果を提供する)。成功的な遅延放出製剤は、最初の放出の6時間後に開始して約30-45分間にわたり、標識された量のニコチンの少なくとも80%を放出する。目標は、遅延放出製剤中の漏れの量を最小限にし、かつ、一旦放出が開始したときに薬物放出の速度を最大限にすることである。これにより薬物放出の強力なパルスがもたらされ、最初の投与の6時間後に投与される即時放出剤形と同様に実行されることが意図される。
第2層の目標1:GMP臨床試験物質の製造
異なる4つの製剤が、人体研究のためのGMPガイドラインの下で開発される。臨床試験材料(CTM)薬物製品は、それらの正確な質、同一性、強度、純度、および効力を確保するために試験される。次いで、CTMは、資格があり、かつ製造および品質管理に関する基準(GMP)に従って操作される施設の部門において産生される。これらのバッチは、品質ユニットにより放出される物質を使用して製造され、製造の指示は、事前承認されたバッチ記録において指定される。これらのバッチは、適切な資格のある方法を用いて検査され、および、ヒト臨床試験での投与前に品質ユニットにより放出される。
単一剤形からの第3のパルス、および場合によっては第4のパルスを送達する障害は、投与後12~18時間での剤形の位置に関連した、必要とされる薬物放出の遅延である。
多重微粒子剤形が摂取され、GI管を下って移動すると、ペレットまたは顆粒剤は腸で拡散し、可変的な胃内容排出事象が始まる。ペレットの小集団が胃を離れて、小腸と大腸に沿って拡散すると、薬物製品の溶解に利用可能な培地のpHや体積を含む、様々な条件にさらされることになる。これらの様々な条件により、異なる時間に薬物を放出する多重微粒子物の異なる集団がもたらされ、ボーラスがさらに弱くなる場合がある。単一的剤形方法の開発は、多重微粒子ペレットの拡散の問題に取り組む場合がある。
標準のヒトボランティアの研究
最大4つの12時間の放出製剤を、ヒトにおいて検査する。12mgのパルス放出(PR)は、12時間にわたり2つのスパイクを提供するように意図される。この研究は、喫煙をしていない12人の正常な健康な男性と女性、現時点で3か月間禁煙中の喫煙者、または、研究期間中にタバコの使用を快く避けることのできる喫煙者における、生物学的同等性の第1相試験である。目標が、交絡因子からの干渉が最小である最高品質データを得ることであるため、健康な正常なボランティアを使用する。健康なボランティアのPK研究は、集団におけるPK研究より優れていると示され、そこでは、一晩の滞在延長が困難であり、遵守率が低い。例えば、病気の被験体は食事を控えるのが困難であり、食物はデータの解釈に干渉しかねない。
研究設計
即時放出の比較上のPK/生物学的利用能およびニコチンの4つの異なる12時間放出製剤:
強度/形態:
(A)即時放出(IR)6mg q6h×4の投与量。
(B)パルス放出(PR)12mg 形態1 q12h×2の投与量。
(C)パルス放出(PR)12mg 形態2 q12h×2の投与量。
(D)パルス放出(PR)12mg 形態3 q12h×2の投与量。
(E)パルス放出(PR)12mg 形態4 q12h×2の投与量。
各被験体は、次の期間に入る前に最低3日間のウォッシュアウト時間を有している。制限の時間は、-1日目から2日目の午前に至るまでを含む(各期間において2回の就寝)。
安全性
安全性評価は、スクリーニング、最初の投与前のバイタルサインと身体検査、ECGおよび標準臨床実験質検査を用いて研究に参加する全被験体が正常かつ健康であることを確実にすることに、焦点を当てている。研究中、被験体のレベルが各期間の開始時、および5回目の期間の終了時に正常範囲内にあることを確実にするためのPKサンプリングからの大量の血液量により、ヘモグロビンに細心の注意を払う。PKサンプリング:PKサンプリングスケジュールは各期間で同一であり、以下のとおりである:事前投与量(0時間)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、16、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、22、24。図9を参照する。
分析アッセイおよび統計分析
分析物:ニコチンおよびコチニン。以前に生物分析で定量された、血漿または血清中のニコチンを、記述的統計を使用して分析し、処置および時点によりサンプル中の濃度を要約する。個々の被験体それぞれの、処置による濃度対時間のプロファイルを、非コンパートメント薬物動態(PK)方法を使用して分析し、対象のPKパラメータを導き出す。主な対象は、ピーク(Cmax)曝露、様々な処置レジメンに対して24時間の期間にわたる全体的な全身曝露(AUC)である。加えて、ピークまでの時間(Tmax)、24時間の間隔にわたる最小濃度、および半減期が、可能な場合に算出される。主な曝露パラメータは、2つの片側の同等な方法に従う分散分析(ANOVA)によって、統計的に比較される。結果は、提案された修飾放出ニコチンレジメンと即時放出製剤との間の幾何平均比率として提示され、平均における差異について対応する90%の信頼区間が含まれる。重要なことに、我々のチームは、前臨床的および臨床設定でのニコチンの使用に関する広範な専門的知識を有している。生物分析能力の組み合わせには、方法の開発、方法の移行、および、当該技術分野での大域的プラットフォーム上での最も敏感なニコチンアッセイ(LLOQ 0.2ng/mL)をアッセイの広範な概略が含まれる。表7は、利用可能な現行のニコチンアッセイのリストである。
Figure 2023065396000012
成功の基準
第2相の成功のベンチマークは、患者に1日1回または2回提供可能であり、かつ、第2相研究に使用されるNP002の投薬レジメンとほぼ同一のPKプロファイルを送達する、ニコチンの製剤の識別である。
実施例12.ニコチン製剤の開発
薬剤への遵守68-70は、特にPDを抱える患者において困難な問題である。4-6時間毎の投与レジメンを必要とする薬剤は、睡眠障害を引き起こし、投与量を損ない、これはPDの場合、運動合併症の増大をもたらす。これはPDに確立されており68-70、この場合、患者83の46%が薬剤への不承諾者であることが報告されている。それゆえ、各々が24mgの総一日量に対して2つのパルスを送達する、1日1回のカプセル投与により標的とされたPKプロファイルを提供する、新たな製剤を開発することが重要である。
好ましい吸収部位での薬物の制御放出は、治療可能時間域内で有効成分の送達を最適化し76,9、その治療効果を最大限にする。ニコチンの副作用は血漿Cmaxに関連するので、1日4回のパルスにわたる全投与量の拡散は、Cmaxを弱め、起こり得る副作用を減らす。患者は、睡眠中にLIDに悩むことはめったにないが、おそらくLIDの機構は睡眠中に停止することはない。それゆえ、ニコチンのQ6Hパルスを提供する1日2回のカプセル投与が、合理的な方法である。この製剤により、投薬頻度を減らし、先の第2相研究で評価された同じPKプロファイルを提供できる。薬物カプセル(2つのパルスで構成)からの第1のパルスは、迅速な治療効果の達成を意図される、従来の即時放出をもたらす。これは、物質の効率的な適用のためにWursterカラムインサートを取り付けられた流動床乾燥器において、ニコチン薬物を微結晶性セルロース(MCC)のペレット基質上に層状にすることによって達成される。市販のMCCスフィアのブランドは、Celphereである。薬物を、ニコチンのペレットへの結合を補助する可溶性ポリマーと共に、MCCペレットへと噴霧する。次に、これに対し、外観のために異なる色で購入可能な追加の即時放出ポリマーを過剰被覆する。市販の審美的コーティングのブランドは、Opadryである。
薬物カプセルの第2のパルス(時間放出)は、即時放出成分として同じ様式で、ニコチンおよび可溶性ポリマーで薬物層とされる。遅延放出パルスはまた、コハク酸などの、薬物層中の有機酸塩を含む。機能フィルムコーティングは、薬物充填ペレットに適用されるものであり、第四級アンモニウム基を伴うメタクリル酸エステルを含有するアクリル酸エチルとメタクリル酸メチルのコポリマー、および可塑剤としてのクエン酸トリエチルで、構成される。ポリマーと有機酸改質剤との比率は、遅延放出成分からの薬物放出の時間を決定する。この使用に適した、2つの商業上利用可能なポリマーは、Eudragit RLおよびEudragit RSである。遅延放出成分の機能フィルムコーティングはまた、Wursterカラムが取り付けられた流動床乾燥器に適用される。有機酸改質剤は、水が製剤へと浸出し、かつ最終的には薬物が放出される孔を作成するために、コポリマーと相互作用する。ペレットの両集団は、投与のためのカプセル剤へと充填され、追加の不活性成分と混合され、または錠剤へと形成することができる。
この2パルスの時間放出剤形は、標的とされた薬物輸送を可能とし、より良い遵守と患者利便性の強化を介して疾患管理を改善する。これにより、重要な受容体を脱感作せず、医師が最大限に有効なL-dopa治療レジメンをもってPDを処置できる、安全な薬物が提供される。
製品開発プロセスは、NDAを支援する必要がある。
この計画の大きな長所の1つは、商品化が計画されている投与量でのニコチンがすでに、安全であると証明されていることである。そのため、追加の前臨床安全性薬理学および毒性学、または長期的な臨床的安全性データなしにNDAを提出する機会は、505(b)(2)経路の使用を通じて実現可能である。この経路により、公有財産におけるデータの利用がNDAを支援できる場合がある。505(b)(2)は、完全な安全性と有効性の報告を含んでいるが、承認に必要な情報の一部が、申請者により、または申請者に対して実施されない研究から生じることを可能とする、新薬適用である。この方法は、従来の経路により求められる時間とコストの数分の1でNDAの申請を可能にする、新薬のより短い開発経路を可能とする。我々はFDAを満たし、NDAを支援するために単一の確証的な第3相人体研究を必要とすると理解している。FDAはまた、ニコチンの前臨床安全性に対する既存の公有財産データが、動物における薬物間相互作用に対する3か月間の反復投与毒性研究の必要性を例外として、我々のNDAを支援するのに十分であると述べた。これら要件に加えて、完全に改良されたCMCセクションも、既存のINDに提供することができる。ニコチンでの第2相データに基づいて、我々の本来のニコチン製剤、効果の大きさ、および標準偏差は、第2相に観察されたものと同様である。それゆえ、処置群における140人の患者とプラセボ群における140人の患者(計280人の患者)を必要と算出し、この数は、UDysRSの合計スコアにおけるNC001とプラセボとの差異を検出し、5%の有意レベルにて両側2サンプルt検定を仮定するのに十分な数である(90%の指数)。サンプルサイズの算出を、連続的な結果に基づいて行う。各処置群のベースラインおよび標準偏差からの平均変化を算出した。サンプルサイズの算出を、80%および90%の指数に対して行った。サンプルサイズの第1のセットは、片側α=0.05に基づき、第2のセットは両側α=0.05に基づく。サンプルサイズを算出し、2サンプルt検定を呈する。表8を参照。
Figure 2023065396000013
計画の全体的な重要性に対する非営利的な考慮の影響
PDは、黒質線条体のドーパミン作動性ニューロンの損失を特徴とする。ニコチン受容体は、線条体および脚橋被蓋核において位置する。これらは、ドーパミンの放出を調節する、リガンド依存性イオンチャネルである。これら受容体は、ニコチンおよびアセチルコリンによって刺激される。ニコチン受容体亜型は、主に、ドーパミン放出を調節するドーパミン作用性末端に局在化される。ニコチンは通常、多数の受容体が身体全体にわたって存在するnAChRにて作用することにより、その効果を発揮する11。ニコチンの抗運動障害効果に関連する受容体を理解するための方法として、多くのnAChR亜型アゴニストが診療所において検査されたが、いずれも、LID(以下を参照)の処置に効果は見出されず、歩行、バランス、および担当に対して何の効果もなかった。
科学的な観点から、2パルス(合計1日4回のパルス)でのLIDの処置の成功により、時間放出剤形のニコチン製剤は、歩行、姿勢安定性、転倒、およびLIDの根幹をなす機構に対する新たな見識をもたらす。これはLIDのより正確な評価をもたらすことができ、より重要なことに、LIDを減らすことに加えて、転倒を減らし、かつ、PD患者のケアにおける合併症の年間医療費として270億ドルを超える金額に対処する、安全で有効な薬物を取得できる。
ニコチンは長年にわたり、処方箋なしで購入できる薬物製品として入手可能であった。加えて、広範な事例証拠により、多くの神経学者が、PDの処置におけるニコチンの有用性を確信している。
市場分析
PD研究の重大な必要性の最終勧告としてアメリカ国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)議会78に提示された最優先事項は、PDのL-dopa耐性特徴に対する有効な処置を開発することである。これらは、転倒を引き起こす、ジスキネジア、歩行、および姿勢不安定性などの運動症状を含む。米国には、約150万人のパーキンソン病患者がいる。転倒に関連する損傷は、苦痛および経済的損失両方の観点から、PD患者を悩ませる。50-70%のPD範囲における年間転倒発生率、および再発性転倒は、身体障害の主な原因である。結果として生じる自立性の損失、および処置のコストは、実質的に、年間270億ドルと推測されるPDのヘルスケア支出に追加される79。このコストは、集団が年齢を重ねるにつれ、今後数十年で実質的に高くなる。転倒の減少において費用対効果の高い介入は、地域社会全体に対する主要な利益をもたらすことになる。第3相登録試験において、NC001(レボドパへの添加時)での処置が、ジスキネジアの軽減に加えて、歩行や姿勢安定性を改善し、転倒を減らすかどうかを判定する。LIDの発生は、レボドパでの処置の投与量と持続期間、および、疾患の重症度と持続期間に関連すると考えられる。加えて、より若い年齢でPDを進行させた患者は、LIDの発症と速度がより早くなる66。PD患者の数、および、上記の基準に述べられるような歩行、姿勢不安定性、ジスキネジア問題、および転倒に悩む患者のパーセンテージに基づいて、米国には、このような問題や、その他L-dopa関連の運動症状を抱える約750,000人のPD患者が存在すると結論を下した。国際的に、潜在市場は米国市場の少なくとも2倍である。
医師の行動:
ニコチンは現在、禁煙を補助するものとして多くの形態で入手可能である。これらの製品は通常、渇望を永続的に防ぐために一定期間にわたりニコチンの効果を維持するように製剤される(研究戦略を参照)。これらの製品(パッチおよびガム)は通常、渇望を永続的に防ぐために、ニコチンの持続的かつ連続的な血液レベルを送達するように製剤される(図3)。このように使用されるニコチンは、結果として受容体の脱感作をもたらし、かつ、耐性と依存性を引き起こすため、PD関連の歩行障害に対する利益を維持することができない。ニコチン耐性は、薬物がLIDの処置において効果的になるのを妨げる場合があり、NC001は、具体的にはニコチンが次のパルス前に少なくとも4時間にわたり脳にほぼ存在せず、故に受容体が脱感作されるのを妨げるように、薬物の短期間パルスをシステムに提供するように設計される。NC001は、4つのパルスを6時間別々に配達して、徐放性の投薬によって、特にこのプロファイルを達成する。我々の検査において、これは、ニコチンに対する耐性の構築を回避すると示され、患者が治療を中止したときには依存性に関する指標はなかった。これらの特質は、PDにおける歩行、姿勢不安定性、ジスキネジア、および転倒の減少の処置に対する成功的なニコチン生成物を製剤するのに重要なものであり、長年にわたり使用されている。
パーキンソン病(PD)における転倒を防ぐためのニコチン製剤の開発
試験の主要な目標は、脱感作を誘発する可能性をさらに減らし、4~2x/日の投薬に取り組むことで患者の遵守を増大させることになる、ニコチン(NC001)の時間放出製剤を検証することである。この時点で、放出製剤は、処置において執着を特に促進する、重要、現在40-60%ものPD患者がL-dopaの3-4x/日の投薬レジメン投与計画を忠実に守らないと仮定して、特に重要な処置における固守を奨励する。
ニコチンのパルス投与はLIDの処置に重要であった。薬物投与の遵守は、PD患者にとって重要な問題である。40-60%ものPD患者が、処方された薬剤を摂取しない。それゆえ、薬の投与を単純化し、かつ、かなり高い割合の遵守をもたらす薬物送達の方法を開発することが、不可欠である。ニコチンの第2相臨床試験前に、ニコチンの安全性プロファイルを改善して、脱感作を誘発することなく持続効果を維持するだけでなく、遵守を保証するために1日2回の修飾用量の製剤を開発する必要性に対する認識が欠如していた。
2回の投与で計24mg/日を送達する、ニコチンの2パルスの時間放出製剤は、必要とされる曝露および血液プロファイルを提供し;最大の有効性、安全性、および遵守を確保しつつ、受容体の脱感作および耐性の構築を回避する。
後述におけるヒトへの研究は、ニコチンには有意な抗LID活性があるが、より重要なことに、ニコチンはPD患者の転倒に関連する歩行障害に関連する症状を大幅に減少することを確認している。
予備的研究
LIDおよびPD関連の歩行障害に対する潜在的な治療剤としてニコチンを研究するための論理的根拠:転倒およびジスキネジアを減少するためにニコチンを使用する論理的根拠は、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6テトラヒドロピリジン(MPTP)によりパーキンソン病を付与されたげっ歯類およびサルでの研究から生じる。このモデルにおいて、経口投与されたニコチンは、ニコチン性アセチルコリンエステラーゼ受容体(n-AChR)の後シナプス刺激を介してLIDを減らした。この観察を通じて、LIDを抱えるPD患者への研究が行われた。n-AChRに関する問題は、ニコチンへの連続暴露により急速に脱感作され、一旦脱感作されると、反応性をなくすことである。これにより、特にニコチンパッチを利用する連続暴露からの退薬症状が引き起こされる場合がある。ニコチンは急速に吸収され、半減期が短く、かつ、急速に除去される場合がある(ニコチンの吸入時には早すぎる場合もあり、この経路は不適当となる)。ゆえに、臨床試験において、薬剤が先のパルスの血液から除去された後に経口的に投与されたニコチンの短期間パルスをもたらす、投与レジメンを使用した。1日2回の薬物(4回の短パルス)で経口投与されるニコチンには、ピーク効果がある。薬物の大半は、(各パルスにおいて)1時間以内に放出さえ、残存する薬物は受容体を脱感作する。この結果、少なくとも4時間にわたり脳にニコチンがなくなり、ニコチンへの連続暴露をもたらすニコチンパッチと共に生じるように、受容体の脱感作を妨げる。
ニコチンは、げっ歯類と霊長類のモデル両方のLIDを減らす。
ニコチンの抗運動障害の可能性を調べる最初の根拠は、動物様式での研究からの初期の基礎研究発見から生じた。ラットおよびマウスにおいて、経口適用、注射、および遅延放出ミニポンプを含む様々な方法のうちいずれか1つにより投与されたときにニコチンはLIDを減らし、経時的にその効果は減少しなかったことが分かった12-14。また、ニコチンが、パーキンソン病のサル、すなわちPD29に観察される運動欠損を最もよく模倣する動物モデルのLIDを減らしたと確証されると、重大な発見が生じた。ニコチン(すべてのニコチン受容体に結合し、それを活性化する)は、結果としてパーキンソン病を悪化させることなく、サルのLIDの60%の減少をもたらした12,15(図4と図5を参照)。この減少は数カ月間持続し、耐性または効果の損失はなく、副作用は検出可能されなかった。
どのようにしてニコチンは、PD関連のLID関連の歩行およびバランス症状の処置に対してヒトに安全かつ効率的に投与できるのか。
神経生物学的機構の基礎的なLIDは、あまり理解されていない。広範な試験は、ニコチンコリン作動性受容体(nAChR)を含む多数の神経伝達物質系に関係していた7,16。基底核におけるニコチンのコリン作用性およびドーパミン作用性のシステムの組織化と機能には、広範な重複が存在する18。ニコチンは、ドーパミン放出に影響を及ぼし、かつ動物のドーパミン関連運動行動を変更すると知られている。ニコチンはジスキネジアの動物モデルに有効できるという所見は、ニコチンの臨床的使用のための経路を考慮するための第一歩にすぎなかった。ニコチンは安全に投与するのが難しく、研究では、むしろ高投与量かつ持続投与量のニコチンが神経保護に必要であると示唆されている。診療所においてニコチンの使用方法を特定することと平行して、この分野は、ニコチン受容体の生物学に対する理解の中で実質的に進展した。nAChRでの主な困難は、ニコチンへの連続暴露により急速に脱感作されるようになるというものである。NC001は、1日2回の投与、4回の短パルスの送達のために設計され、および受容体を脱感作しない、ニコチンの新規な経口製剤である。ニコチンの他の製剤(パッチなど)は、ニコチンの持続かつ連続的な血液レベルを送達するように製剤されており、これは受容体の脱感作を引き起こすものである。一旦脱感作されると、これら受容体は、アゴニスト薬物に対する反応性を失い、加えて、すべての受容体が同じ速度で脱感作されるわけではなく、例えば、心臓の受容体は脳より遅く脱感作される場合がある。これにより、ニコチンでの連続的な処置から、安全性、中毒、および退薬症状に関する多数の問題が生じる。脱感作を回避する方法で分子を送達することが重要であった判断した(図3を参照)。
ニコチンは、禁煙を補助するものとして多くの形態で入手可能である。これら製品は通常、渇望を永続的に妨げるために、ニコチンの持続かつ連続的な血液レベルを送達するように製剤される。ニコチンには耐性および依存性を引き起こす可能性があるが、これは短期処置として規定されるので、さほど問題にならない。それゆえ、ニコチンは、複数の異なるタイプのドーパミン作用性治療薬で処置を受けているPD患者に安全に投与できること、および、投与量は、耐性および依存性を引き起こすことなくLIDを有効に処置するように送達されるものと見出すことができることを、確立するのが重要であった。
PD患者におけるニコチンの臨床検査
論理的根拠:我々の第2相臨床試験に対して図3に示されるデータを考慮すると、具体的にはニコチンが次のパルス前に血液システムから除去されるように、システムにニコチンの4回の短期間パルスを提供する薬物送達の方法が必要であった。幸運にも、経口送達されたニコチンは急速に吸収され、半減期は非常に短かった23-25。呑み込まれ、急速に吸収され、約2時間以内に実質的に除去可能な経口製剤を開発することにより、この特性を利用しようと努めた。投与間のタイミングは6時間であり、これは、AChR受容体機能を脱感作しないように各投与量を除去するのに十分な時間であった。また、この投薬方法は安全性プロファイルの改善をもたらす場合があると、仮定した。最後に、6時間毎に提供される製剤は、最適な市販の製剤である可能性は少ない一方で、ニコチンの短パルスがPD患者において臨床的に効果的であり、かつ、数週間にわたる投与量の上方調整を可能にするという仮定を検査するのに十分なものであることが認められ、薬物を安全かつ効率的に送達する方法が確立された(製剤、臨床試験物質、および安定性試験の詳細に関する添付IND Module 2.3PQOs CMCを参照)。後述のように、我々の試験は、この仮定が正しいことを証明した。
PDおよびLIDを抱える患者の第2相ニコチン研究
臨床試験の説明と、安全性の結果
この研究を、IND#105268の下で、LIDの処置用のニコチン(NP002)のための規制当局の承認を支持する2つの研究の1つとして使用されるように設計された、多中心、プラセボ対照、安全性、耐容性、漸増投与量、および探索的な効果研究として行った。特発性PDを抱える被験体におけるニコチンの安全性および耐容性を、10週間6時間毎に送達されるニコチンの漸増投与量を使用して、有害事象(AE)、安全性、研究所検査、身体検査、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、および原発性パーキンソン病の症状における変化によって評価した。PDにおける歩行、バランス、およびジスキネジアを評価する統合ジスキネジア評価尺度(UDysRS)、半定量的評価、FDA有効器機を用いて、効果を測定した。様々な臨床的部位からLIDを抱えているためレボドパを受けている、ニコチンを受けていない計65人の患者を、無作為化した。スクリーニングの後、患者を無作為に割り当てて、盲検様式で1日4回、1:1の比率でニコチンまたはプラセボを経口投与した。投薬は、6時間毎に1mgで行われ、1日に24mgの最終投与量となる。1日に少なくとも16mgの総一日量に耐容性があった患者は、研究を継続した。プラセボ群の6人の患者、およびニコチン群の5人の患者は、軽微かつ可逆的な副作用のため、研究を中止した。
被験体を4週間、24mg/日で維持した。その後の減少段階(計2週間)、すなわち訪問4(10週目)の始めは、9日間の薬物減少、および訪問5(最後の安全性訪問)の前5日間の薬物中止で構成される。全ての被験体に対して、安全性訪問の1週間後と2週間後に、追跡のための電話を行う。16mg/日に耐性はあるが、吐き気や嘔吐により24mg/日では耐性がない被験体は、調査者の選択時に、16mg/日の投与レベルにまで落とすことを認められた。他の下方滴定は認められなかった。重要なことに、計65人の被験体(35人はニコチン群、30人はプラセボ群)を無作為化し、48人の被験体(25人はニコチン群、23人はプラセボ群)が研究を終えた。無作為化の後、17人の被験体に研究を中止させた(10人の被験体はニコチン群、7人の被験体はプラセボ群)。どの被験体も、研究薬物を摂取する前に研究を中止されなかった。中止する最も一般的な理由は、AE(n=11;6人の被験体がニコチン群、5人の被験体がプラセボ群)、およびプロトコル違反(n=4;2人の被験体がニコチン群、2人の被験体がプラセボ群)であった。加えて、衝動や退薬症状に関する問題はなかった。重要なことに、UPDRS Part IIIも、Hoehn and Yahrの尺度も、研究中に何の悪化も示さず(かつ、僅かな改善を示す)、パーキンソン病症状は悪化しなかったことを実証した。それゆえ、ドーパミン薬剤で処置されていた、ニコチンを受けていない患者にニコチンを投与するための、安全で耐性が十分な方法を確立したことは、明らかであった(添付CSRを参照)。
第2相臨床試験の効果の評価:ニコチンは、6時間毎の投与による、歩行、姿勢安定性、およびLIDの処置に効果的である。
ニコチンは、すべての患者および医師による効果の評価においてプラセボよりも優れており、歩行、バランス、およびジスキネジアの減少の統計的有意差を達成した。プラセボと比較したときのニコチンの好ましい統計的有意差は、ジスキネジア身体障害(UDysRS part 3)および歩行(歩行およびバランスの改善を示す)、Lang-Fahn Activities of Daily Living(LF-ADL)尺度、およびPatient Global Impression-Change(PGI-C)尺度に対する応答者のパーセンテージにおいて確認された。訪問4(10週目)では、LF-ADL応答者(ベースラインから≧25%の減少を伴う被験体)の数において、処置群間で統計的有意差があった(p=0.0453)。加えて、訪問4(10週目)では、PGI-C応答者(1、2、または3のスコアを伴う被験体)の数において、処置群間で統計的有意差があった(p=0.0048)。プラセボ群における9人(37.5%)の応答者に比べて、ニコチン群においては21人(77.8%)PGI-C応答者が存在した。この応答を裏付けると、訪問4では、PGI-C尺度の異なるカテゴリー(1から7)にある被験体の数において、処置群間で統計的有意差があった(p=0.0230)。重要なことに、姿勢、歩行、およびジスキネジアを評価するよう設計された尺度はすべて、数的および/または統計的有意にプラセボより優れていた。加えて、UPDRSを使用して、ニコチンがPD症状の悪化を引き起こさなかったことを実証した。実際、プラセボに比べてニコチンが好ましい傾向が存在した。それゆえ、6mgのパルス投与(6時間毎)で送達されるニコチンは、LIDの処置に効果的かつ安全であり、脱感作を誘導しないことを、確立した。
臨床検査の概要:要するに、ニコチンを送達するこの方法は、患者が治療を中止したとき、ニコチンへの耐性(脱感作)および依存性の構築を回避する。これは、PDに関連付けられる歩行障害、およびLIDの処置に、完全かつ効果的である。
ニコチンは、患者および医師による効果の評価すべてにおいてプラセボより優れていた。ニコチンは、UDysRSの歩行サブ検査においてプラセボよりも統計的に優れており、このことは、歩行および姿勢安定性の改善を示している。これが、線条体および脳幹(脚橋被蓋核)におけるコリン作用性機構を介して歩行および姿勢安定性における主な改善によるものか、または、LIDの減少に付随するものなのかは、現時点で不明である。このことにより、6mgのパルス投与(6時間毎)で送達されたニコチンが、転倒を経験する可能性がより高いLIDおよび歩行障害を抱えるPD患者に使用するのに、安全かつ十分に許容される薬物であるという結論を下した。
方法:この提案の全体的な目標は、転倒につながる歩行およびバランス異常の調節に対するPD患者の臨床試験に使用するための第2相臨床試験において有効であると以前に示されている、ニコチンの経口製剤の時間放出製剤を開発することである。
論理的根拠:ニコチンの生物薬剤の特性は、投薬製剤の改善に向いている。ニコチンは遊離塩基として、および様々な塩形態で利用可能である26。酒石酸水素ニコチン二水和物塩は、生理的pH範囲にわたって水性培地において自由に可溶性であり、医薬品等級の物質として市販で入手可能である。ニコチンは、皮膚を含むヒト組織を介して吸収される。これは胃腸管の中で十分に吸収され、経口生物学的利用能は約30%(20%~40%)と報告されている。これらの高い溶解度および浸透性の特徴により、2-パルスの修飾剤形の開発を進めた。剤形は、6時間間隔で6mgのニコチンの二重パルスを送達する、12mgのニコチン形態である。この修飾されたニコチンの剤形を1日2回経口摂取することは、PDにおける歩行、姿勢安定性、およびジスキネジアの処置に対する成功的なニコチン製品の開発に重要であった。このような薬物は、患者の遵守を大幅に増大させ、PD患者の生活の質を改善するはずである。これは、ファストトラック(fast track)の第1-2相の提案である。
第1相:6時間間隔でニコチンの2パルスを送達するインビトロ溶解プロファイルを送達する半透膜で被覆される、様々な多重微粒子の即時放出ニコチン剤形を開発かつ選択する。第2相試験(NCT000957918)において、即時放出ニコチンは6時間毎に投与され、LIDの基準として総合的なUDysRSの改善をもたらした。酒石酸水素ニコチンを含有するカプセル剤の経口投与により、~90分のTmaxを伴う迅速な吸収がもたらされた。~6時間(360分)まで、ニコチンの血漿濃度はベースライン付近に戻る。第1相ニコチン製剤は、12時間毎で1日2回摂取される。目標は、この修飾剤形が、ニコチンの塊を即時に放出した後、約6時間後にニコチンの第2の塊を放出するということである。図11Bは、2-パルスの修飾剤形の単一カプセル剤の投与後の、標的ニコチンPKプロファイルを表す。この目標で生成された原型の製剤を、インビトロ溶解を用いて検査し、理想的な薬物放出プロファイルを図10に示した。図10は、即時放出(三角形)および遅延放出(正方形)の薬物放出プロファイルを例示する。三角形で示された薬物放出プロファイルは、溶解の開始1時間以内に完全な溶解を達成する薬物の即時放出を示す。正方形で示された遅延放出成分は、即時放出と同様の放出速度を示すが、初期の薬物放出は約6時間遅れる。
第2相、目標2では、第1相で作成された、最大3つの原型の2-パルス修飾剤形、および第2層の目標1で製造したGMPのパフォーマンスを検査する。健康なボランティアにこれらの製剤を投与し、理想的なPKプロファイルは、図11Aと図11Bに示されるものと同様である。図11Aは、単回投与量のニコチンPKプロファイルのグラフを例示する。図11Bは、2-パルス修飾剤形の仮定上のニコチンPKプロファイルを例示する。
上述のように、第1相で生成された剤形を、インビトロ溶解検査を用いて検査した。個々の成分および複合体における所望のインビトロ溶解プロファイルの例を、図12に示す。
ノンパレイルコアは、剤形への薬物層の適用のための基質である。図7を参照する。コアの均一なサイズと形状は、薬物層の機械的強度、および薬物製品の均一性に理想的なものである。薬物層は、活性な薬物、およびコアペレットへのニコチンを付着させるためのポリマーを含んでいる。ポリマーフィルム層は、薬物製品からのニコチンの溶解を調節する機能的フィルムコーティングである。機能的フィルムコーティングにより、水はコアペレットにゆっくり浸透することができ、この水浸入の速度は、フィルムコーティングの成分とフィルムコーティングの厚みによって規定される。十分に適切なコアペレットの一例を図7に示す。
図10に示される溶解プロファイルからの標的PKプロファイルを、図12に示す。
コアペレット製剤:結合剤としてヒプロメロース(HPMC)、および有機酸改質剤としてコハク酸を含む、酒石酸水素ニコチン二水和物の15%溶液を調製する(薬物の詳細に関しては添付IND CMCのセクション2.3を参照)。この溶液を、20%の固形物の重量増加がペレット剤上で達成されるまで、精密コーティング装置を取り付けた流動層乾燥機を使用して、ノンパレイルシード(nonpareil seed)上に被覆する。コアペレット製剤上の薬物層は、5:3.5:1.5の比率でニコチン、HPMC、およびコハク酸を含んでいる。必要に応じて、代替的なレベルのHPMCまたは結合剤を使用して、ノンパレイルシードへの薬物層の付着の質を改善することができる。最終的な薬物層を施したペレット製剤は、1)ペレットの目視観測、2)標的アッセイ値に対するペレット剤への薬物含量の特徴づけ、および3)各製剤の薬物放出特徴に基づいて選択される。コーティングは、顕微鏡評価の下で滑らかかつ均一でなければならず、これにより剤形の薬物含量の優れた均一性がもたらされる。加えて、追加の機能的フィルムコーティングのための滑らかな基質は、効率的なコーティングおよび許容可能な付着に望ましい。アッセイ値は、標的薬物含量の+/-5%以内でなければならない。視覚アッセイとアッセイ検査の両方は、製造工程の品質の指標である。薬物放出はコアペレットから急速に行われねばならず、15分で85%を超える標的が溶解される。
即時放出粒子製剤:このコアとなる薬物充填ペレットは、外観のためにOpadryなどの即時放出ポリマーで被覆され、複合剤形の即時放出成分として使用される。Opadry粉末は、複合薬物製品のための即時放出組成物を製造するべく、コアペレットへの適用のために約10%の懸濁液として再構成できる。この懸濁液は、上述のような精密度コーターを取り付けられた流動床乾燥器を使用して、コアペレット製剤上に被覆される。このコーティングは、透明、白色、または外観のために選択される他の色でもよい。
修飾放出粒子製剤:遅延放出ペレットに関しては、コアとなるペレットの別個の集団はさらに、別個の機能的なポリマーフィルムコーティングで被覆される。Eudragit RSの水性分散液は、6:1:3の比率で粘着防止剤として機能する可塑剤としてクエン酸トリエチル、およびタルクで調製される。この分散液は、約70%の全固体の重量増加にまで精密度コーターを取り付けた流動層乾燥器を使用して、薬物充填ペレットへと被覆される。最適な重量増加は、フィードバック機構としてインビトロでの溶解を使用することにより実験的に決定される。製剤は、その薬物放出プロファイルに基づき、さらなる評価のために選択される。製剤は、以下により区別することができる:1)薬物の放出を活性化するために製剤に含まれる有機塩の量および/またはタイプ、2)コアペレット上のポリマー製剤の重量増加、3)修飾放出ポリマーフィルムコーティング下で膨張可能な物質の包含、および4)Eudragit RLなどの代替的なポリマー物質。
有機塩の量は、水が製剤に進入するのを可能とするためにポリマーが水和する速度に影響を及ぼす場合がある。ポリマー重量増加はまた、水侵入の速度のほか、フィルムコーティングの強度を修飾する役目を果たす。より厚いコーティングにより、水取込速度が遅くなり、かつ、フィルムコーティングの強度が原因で薬物放出が遅延する。膨張可能な物質を添加して、フィルムコーティングへの圧力を増し、薬物放出の速度を速めることができる。他のポリマーを使用して、フィルムコーティングの浸透特徴を修飾することができる。Eudragit RLの追加により、Eudragit RSに対するフィルムコーティングの浸透性を増大させ、水取込速度を増大させ、薬物放出の遅延時間を減らすことができる。これら製剤の物質と条件を利用して、修飾放出ペレット剤からのニコチンの遅延時間または放出速度を修飾することができる。
複合体の、多重微粒子薬物製品:即時放出および修飾放出の粒子成分を、小型(#3)カプセルシェルに充填する。遅延時間の長さ、および薬物放出の強度は、コーティング製剤、およびコーティングの重量増加に基づいて調整することができる28。製剤の評価:初期の製剤開発実験は、小さなバッチサイズ(10-50g/バッチ)と共に小さな実験室規模の設備で行われる。これらのバッチは、実験室またはベンチトップの尺度で製造され、製造の指示と条件はノートブックに文書化される。この材料は、臨床用ではなくインビトロ検査に適している。製剤の原型を、内容物、不純物、用量単位の均一性、およびインビトロ薬物(ニコチン)放出速度の評価を含む、様々な方法を使用して評価する。含水量および微生物含有量などの他の特質を評価する。安定性試験は賦形剤適合性研究により支持できるが、室温(25℃/60%RH)および加速(40℃/75%RH)条件で実際の薬物製品に対し実証される。安定性プログラムは、ニコチン(アッセイおよび関連物質)の物理的安定性、および剤形のパフォーマンス(外観および溶解)を評価する。
溶解検査:溶解検査は、即時放出粒子と修飾放出粒子の両方のほか、原型カプセル製剤のパフォーマンスを評価するために開発中に使用される放出速度の評価に関する業界基準である。溶解サンプル濃度は、第2相研究で以前に評価された臨床検査物質の放出および安定性の検査に使用したものと同様の、UV検出を伴うHPLCを使用して測定される(本来の方法に関しては添付のIND section 2.3PQOS Assay, Content Uniformity and Related Substances of Nicotine in Nicotine Capsules by HPLC AC-AM-00337を参照されたいが、より多くの洗練された方法がここで利用可能である)。初期の原型が標的プロファイルを満たさない場合、製剤開発プロセスは、製剤修飾を誘導するために1回目の開発からのフィードバックを使用して反復される。原型の製剤は、絶食状態の胃を模倣するためにpH1.1の希釈HCl培地、同様に、腸状態を模倣するためにpH6.8の緩衝液における、薬物評価について評価される。加えて、主な原型も、シミュレートした腸液(FaSSIFおよびFeSSIF)のほか、摂食状態の胃を模倣するためにpH4.5の酢酸緩衝液において評価される。製剤方法は、培地のpHのとは関係なく実施できるように設計され、これにより、剤形の投与から生じるPKに対する最小の食効がもたらされる。
成功のための製剤選択基準
修飾放出粒子評価:遅延放出製剤は、最初の放出の6時間後に開始して約30-45分間にわたり、標識された量のニコチンの少なくとも90%を放出する。残り10%の薬物は受容体を脱感作しない。ニコチンは急速に除去されるので、このニコチン投与方法により、少なくとも4時間にわたり脳にニコチンがなくなり、受容体が脱感作されるのを防ぐ。標的目標は、遅延放出製剤中の漏れの量を最小限にし、かつ、一旦放出が開始したときに薬物放出の速度を最大限にすることである。これにより薬物放出の強力なパルスがもたらされ、最初の投与の6時間後に投与される即時放出剤形と同様に実行されることが意図される。修飾放出製剤は、6時間で放出される薬物の量(漏れ)、および、一旦薬物放出が開始すると薬物の全投与量はどのくらい早く放出されるのかにより、評価される。ニコチン濃度は、溶解管から経時的に取り除かれ、かつ、UV検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム上へとサンプルを注入する、培地のサンプル中で測定される。放出されるニコチンの量は、剤形に充填される標的薬物のパーセンテージとして測定される(すなわち、8mgの全投与量から放出される薬物の4mgは、50%の溶解結果を提供する)。ニコチンの遅延放出製剤のインビトロ溶解パフォーマンスを、図13に示される決定木に従い評価する。製剤原型はそれぞれ、これらの基準に対して評価され、およびPK研究投薬のために同定され、または溶解遅延時間と放散速度基準を満たすように修飾される。
インビトロ溶解検査から評価基準を満たす製剤を、ヒトにおけるインビボ薬物動態検査へと進めた。インビトロ溶解検査は、ヒトにおけるインビボパフォーマンスとは正確に相関しない場合がある。それゆえ、3つの原型の製剤を、初期のPK検査で評価する。これらの製剤は、機能的フィルムコーティングの標的の遅延時間および定性的組成において異なる。膨張可能なポリマーのポア形成および有機酸のレベルは、どの組み合わせがインビボ溶解で最も早いものをもたらすのかを評価するために修飾される。これらの構成要素の相互作用の理解は、臨床試験へと進むための最終薬物製品の原型の設計と選択の鍵となる。
GastroPlusモデリング:製剤パフォーマンスの評価と理解に使用可能な他のツールは、GastroPlusである。GastroPlusは、Advanced Compartmental Absorption and Transit(ACAT)モデルに基づく、市販のモデリングとシミュレーション用のソフトウェアプログラムである。これは、インビボの溶解および吸収を含む、製剤のインビボパフォーマンスの理解を提供できる、生理学ベースのPKモデルである。腸壁にわたる能動輸送の影響、運動性の変化、および薬物代謝も、このモデルに含めることができる。モデルはまた、製剤パフォーマンスに対する食物の影響の徹底的な把握のために、摂食または絶食状態の胃に基づいて開発される場合がある。モデルへの入力は、次のとおりである:薬物、物理的かつ化学的な特徴、および製剤溶解速度。IV投薬、経口溶液、または即時放出製剤からのPKデータも、モデルの開発に役立つ。FDAは、出願人のNDAの臨床薬理学的および生物薬剤的なパフォーマンスの評価におけるGastroPlusの使用を積極的に推奨している。
第2層の目標1:GMP臨床試験物質の製造:4つの製剤(ニコチン、および第1相で特定された3つの原型の製剤)を、人体研究のためのGMPガイドラインの下で製造する。この作業を、フロリダ州タンパのXcelienceで行う。Xcelienceには、製剤および分析方法の開発のほか、第1相および第2層の研究のためのGMP物質の製造と流通において、20年以上の経験がある。重要なことに、彼らには、ニコチン製剤開発活動に直接関与した経験がある。調査者はXcelienceにて直接作業を行い、同様の剤形製品を流通させた。製造パラメータはさらに、製造設備の規模に対して開発され、これらの実験は実験室ノートブックにて文書化される。
インビトロ溶解検査は、常にインビボパフォーマンスを予測するとは限らない。多重微粒子剤形が摂取され、GI管を下って移動すると、ペレットまたは顆粒剤は腸で拡散し、可変的な胃内容排出事象が始まる場合がある。ペレットの小集団が胃を離れて、小腸と大腸に沿って拡散すると、薬物製品の溶解に利用可能な培地のpHや体積を含む、様々な条件にさらされる場合がある。これらの様々な条件により、異なる時間に薬物を放出する多重微粒子物の異なる集団がもたらされ、ボーラスがさらに弱くなる場合がある。この起こり得る効果は、標的間隔(投薬後12時間または18時間)で強力なボーラス放出に対する障害をもたらす場合がある。しかし、一旦ヒトPKデータを備えると、2回目の製剤開発のためにより良いインビボ/インビトロの相関(IVIVC)を発達させることができる。この可能性に対して予算を立てた。
標準のヒトボランティアの研究:ニコチンのパルス製剤は、即時放出(IR)成分のほか、6時間の遅延放出(DR)成分も必要とする。両成分(IRおよびDR)の相対的な吸収は、同様である必要がある。これは、GI管中の性質および偏位に左右される。予備データをラットまたはサルから得ることができるが、胃内容排出および腸の偏位/吸収は、ヒトと比較するとラットおよびサルにおいて十分に異なっている。それゆえ、ヒトにおける単純なクロスオーバーPK研究は、製剤のパフォーマンスに関する迅速かつ決定的な情報を提供することになる。1日2回送達される、12mgで2-パルス(各々6mg)の、修飾投薬製剤は、12時間にわたり2つのスパイクを提供することを意図されている。ニコチンの副作用は血漿Cmaxに関連する。4回の毎日の投与にわたり全投与量を拡張することで、Cmaxは鈍くなり(blunts)、場合によっては副作用の可能性が減る。患者は、睡眠中にLIDに悩むことはめったにないが、おそらくLIDの機構は睡眠中に停止することはない。それゆえ、ニコチンのQ6Hパルスを提供する1日2回のカプセルは、ジスキネジアが最も顕著で無効であり、かつ受容体が一晩で感作されるのを可能にする、覚めている日を含む、合理的な方法である。この研究は、喫煙をしていない12人の正常な健康な男性と女性、現時点で3か月間禁煙中の喫煙者、または、研究期間中にタバコの使用を快く避けることのできる喫煙者における、生物学的同等性の第1相試験である。目標が、交絡因子からの干渉が最小である最高品質データを得ることであるため、健康な正常なボランティアを使用する。健康なボランティアのPK研究は、集団におけるPK研究より優れていると示され、そこでは、一晩の滞在延長が困難であり、遵守率が低い。例えば、病気の被験体は食事を控えるのが困難であり、食物はデータの解釈に干渉しかねない。胃内容排出による効果は患者により異なるので、各患者は自身の対照として行動する。
研究設計:即時放出および2-パルスの修飾剤形の比較用PK/生物学的利用能:
強度/形態:
A)即時放出(IR)6mg q6h×4の投与量。
B)2-パルスの修飾剤形(PR)12mgの原型形態1 q12h×2の投与量。
C)2-パルスの修飾剤形(PR)12mgの原型形態2 q12h×2の投与量。
D)2-パルスの修飾剤形(PR)12mgの原型形態3 q12h×2の投与量。
各被験体は、次の期間に入る前に最低3日間のウォッシュアウト時間を有している。制限の時間は、1日目から2日目の午前に至るまでを含む(各期間において2回の就寝)。
安全性:安全性評価は、スクリーニング、最初の投与前のバイタルサインと身体検査、ECGおよび標準臨床実験質検査を用いて、研究に参加する全被験体が正常かつ健康であることを保証にすることに、焦点を当てている。研究中、被験体のレベルが各期間の開始時、および5回目の期間の終了時に正常範囲内にあることを確実にするためのPKサンプリングからの大量の血液量により、ヘモグロビンに細心の注意を払う。
PKサンプリング:PKスケジュールは各期間で同一であり、以下のとおりである:事前投与量(0時間)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、16、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、22、24。
無作為な割り当て
分析アッセイ&統計分析:分析物:生物分析能力の組み合わせには、当該技術分野での大域的プラットフォーム上での最も敏感なニコチンアッセイ(LLOQ 0.2ng/mL)を含む、方法の開発、方法の移行、およびアッセイの広範な概略が含まれる。
一旦定量されると、血漿または血清中のニコチン濃度は、記述的統計を使用して、各時点で処置により要約される。個々の被験体それぞれの濃度対時間のプロファイルを、非コンパートメントPK方法を使用する処置により分析し、対象のPKパラメータを導き出す。主な対象は、24時間の投薬期間全体にわたる、および4つの6時間間隔の各々(0-6時間、6-12時間、12-18時間、および18-24時間)以内の、ピーク(Cmax)曝露および全体の全身曝露(AUC)である。曲線の形状を、他の様々なパラメータに加えて比較する。測定される追加のパラメータとして、以下が挙げられる:ピークまでの時間(Tmax)(全体で24時間、およびそれぞれ6時間間隔内)、24時間間隔にわたる最小濃度(Cmin)、および半減期(T1/2)。曝露パラメータは、2つの片側の同等な方法に従う分散分析(ANOVA)によって、統計的に比較される。結果は、提案された修飾放出ニコチンレジメンの各々と即時放出製剤との比較のためのパラメータ値の幾何平均比率として提示され、平均における差異について対応する90%の信頼区間が含まれる。重要なことに、チームには、前臨床および臨床設定でのニコチンの使用の広範な専門的知識、およびPKデータの解析における専門的知識がある。
成功の基準:第2相の成功のベンチマークは、患者に1日2回提供可能であり、かつ、第2相研究に使用されるニコチンの即時放出投薬レジメンとほぼ同一のPKプロファイルを送達する、ニコチンの製剤の識別である。曲線は、統計的出力の検討に加えて視覚的に比較される。生物学的等価研究における「標的」PKプロファイルは、ヒト血清、血漿、および尿に対してLC-MSを使用して同定できる。PKは、Cmax、Tmax、AUC0-24、Cmin、およびT1/2を含む全24時間の投薬間隔内で、および、Cmax0-6とTmax0-6とAUC0-6、Cmax6-12とTmax6-12とAUC6-12、Cmax12-18とTmax12-18とAUC12-18、Cmax18-24とTmax18-24とAUC18-24を含む、各6時間の「パルス」投与内で検査される。4つの検査パルス製剤の各々の2回の投与からのニコチンへの即時および遅い曝露は、対応する暴露パラメータについて6時間間隔および全体の各々においてIR基準製剤の4回の投与に比べて、評価される。他の計算を使用して、6時間毎に投与される4つの固有のIR間隔から綿密な(close match)暴露が存在するかどうかを判定できる。例えば、データに基づいて、デフォルト生物学的同等性(BE)基準(「同一」プロファイルに対する)、または、検査形態1、2、3、または4と、(0.80および1.25)の標準のBE境界内に含まれるIR製剤との間の各時間対応CmaxとAUCの比較のための幾何学的最小二乗手段(GMR)の比率周囲の90%の信頼区間(CI)などの別の予め指定された基準(「類似度」プロファイル)のいずれかを使用して、各間隔内の類似度を評価するほうが、適切な場合もある。しかし、より広域のCIは、予期される安全性および効果から正当なものと考慮される場合がある。すなわち、成功を、IR暴露の±30%以内の4つの間隔の各々におけるピークおよび全体の暴露と定める場合(間隔は一致)、(0.7と1.43)。加えて、各検査製剤からの薬物放出の2パルス、即時放出パルス、および6時間の遅延放出パルスを評価しているので、早いvs遅い放出特徴は、相対的なTmax値(例えば、遅い放出のTmaxとして、AMとPM両方の投与の組み合わせ(Tmax6-12およびTmax18-24)vs所定の製剤の早い放出(Tmax0-6およびTmax12-18))の非母数比較を用いて、各検査製剤内で比較される。
実施例13.パーキンソン病(PD)における歩行、姿勢安定性、ジスキネジア、および転倒の減少に対する、中央コリン作用性アゴニストNC001の効果
研究対象
この研究の主な目的は、NC001((以前はNP002)、酒石酸水素ニコチン塩)対ドーパミン作動薬を加えたプラセボでの処置が、ジスキネジアの軽減に加えて、姿勢安定性を改善し、かつ転倒を減らすのかどうかを判定することである。これは、「オン」または「オフ」、または「オンまたはオフ」の期間で、運動障害疾患学会統合パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)、および、MDS-UPDRSの選択されたサブ検査の、運動部分における改善を実証することにより、達成される。サブ検査は、「歩行」、「引っ張り検査」、および「すくみ足歩行(FOG)」のサブ検査を含む。これらは、「片足で直立」、「回転」、「つぎ足歩行」、「歩幅」、および「速度」を含む、バーロウ神経学研究所(BNI)Balance Scaleの選択されたサブ検査により補足される24。歩行および姿勢安定性の評価には、これらの半定量的なサブ検査に対する制限があるので、これらの検査は、自宅および診療所での定量的検査によって、補足される。診療所での検査はすべて、IMUを着用する患者に行われる。これにより、「オン」と「オフ」の両期間でのMDS-UPDRSの半定量的サブ検査からの情報を、定量的IMUからの情報と相関させることができる。
上記の情報は、Neurocom Equitestを利用する「オン」および「オフ」状態での静的および動的なバランスに関する情報、および、Slip-Simulatorを利用する「オン」および「オフ」状態での実際の転倒の情報により、完成されることになる。Neurocom EquitestおよびSlip-Simulator検査を受ける患者は、IMUを着用することになる。これにより、静的および動的なバランス検査、および実際の点灯検査からの情報を、転倒を予測可能な着用可能センサーの開発目標を伴うIMUからの情報と相関させることができる。
診療所での検査は、診療所で利用される同じ無線IMUを利用した3日間のモニタリングを含む、自宅での検査することにより補足される。加速度計およびジャイロスコープを組み込んだIMU技術製品は、歩行、静的・動的安定性、ジスキネジア、およびエネルギー消費を評価する。これは、ジスキネジアと転倒を文書化する、3日間の標準的な日記により裏付けられる。IMUは、現行の方法よりもジスキネジアの重症度および時間発生割合の、正確な評価を提供できる。6か月間のNC001補足は、歩行および姿勢安定性を改善し、転倒を減らし、LIDを減らすことができる。
研究設計
第2層の単中心、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、クロスオーバー、効果、安全性、および耐容性の研究を、提唱する。試験は、(年に2回より多くの)再発性転倒を伴う一般的なPDを抱える40人の男性と女声の患者の標的登録を含む。これら患者の30%である12人の患者には、LIDがある。1:1の比率のNP001またはプラセボを、6か月間盲検様式で、次いでさらに6か月間クロスオーバーの後に、1日4回、経口カプセルとして患者に投与する。補足前に、初期のベースライン評価を行う。その後、研究は、6か月間2か月毎の評価、クロスオーバー、およびその後の6か月間2か月毎の評価で構成される。効果は、Neurocom System、加速度計とジャイロスコープを備えた着用可能センサー、およびSlip-Simulatorを含む、転倒リスクに関連している一連の安定性、姿勢、歩行、および活動の測定器具により測定される。
この研究は、歩行、姿勢不安定性、転倒、およびLIDの根幹をなす機構への見識を提供する。これは、LIDのより正確な評価を提供することになる。脳深部刺激などのジスキネジアを軽減する他の手段を研究するのに有用な評価。患者の約30%にはLIDがあり、70%にはLIDがない。患者が「オン」状態にあり、かつ「オフ」状態にあるときにLIDが生じるので、LIDのない患者の70%、および、「オフ」状態にあるLIDを抱える患者の30%において、歩行(IMUにより測定)の改善、静的および動的な姿勢安定性(Neurocom Equitestにより測定)の改善、および転倒(Slip Simulatorにより測定)の減少は、患者すべてにLIDがないと、姿勢安定性の改善および転倒の減少が、(LIDの減少を通じて)NC001の主要効果または副次的効果なのかを確立することになる。このような区別は、転倒の減少対LIDの減少に関して、別々かつ別個のコリン作用性機構を示唆する。これ自体は重要な観察となる。
研究集団
被験体の数
この研究は、姿勢安定性が欠如し、かつ転倒を2年以上経験している、PD(サンプルサイズの決定を参照)を5年以上抱えている40人の被験体を、NC001、または、規則的なPDドーパミン作用性薬剤に加えて同一のプラセボへと無作為に割り当てる、介入的な研究である。すべての患者が、レボドパ/カルビドパを受けることになる。患者は、ドーパミンアゴニストおよび/またはモノアミンオキシダーゼB型阻害剤を含む追加のドーパミン作動薬を受けている場合がある。これらの患者のすべてまたは大半には、反応変動:「ウェアリングオフ」があるかもしれない。患者の一部には、すくみ足歩行(FOG)がある。患者の約30%が、LIDを抱える。
包含/除外基準
参加者は、バーロウ神経学研究所、セント・ジョゼフズ・ホスピタル・アンド・メディカルセンターのMuhammad Ali Parkinson Center partの患者集団からスクリーニングされる。
包含基準:
・患者は、機関内倫理委員会(IEC)/治験審査委員会(IRB)により承認されたインフォームドコンセントフォーム(ICF)に自発的に署名および日付を記入し。研究への任意の参加前に医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)(または他の適用可能なプライバシー調節)認証を与えられた。
・患者は男性または女性であり、年齢は30歳以上83歳以下である。
・「オン」状態においてHoehn and Yahr重症度分類がII、III。
・過去において2回より多く転倒したことがある。
・Montreal Cognitive Assessment(MOCA)スコアが24以上。
・レボドパ、ドーパミンアゴニストおよび/またはモノアミンオキシダーゼB阻害剤、アマンタジンの安定した、すなわち3か月間不変の投与を受けている。
・患者は歩行可能であり、補助装置の使用あり/なしで10メートル以上歩行できる。
除外基準:
・稀ではあるが疾患の特に初期に多くの転倒をもたらす非定型パーキンソン病を抱える患者。これらは、次のものを含む:進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、原発性すくみ足歩行(PFG)、および大脳皮質基底核変性症。
・痴呆症MOCAが23以下の患者。痴呆症はPDの一部であり、転倒のリスク要因となる場合があるが、PDと痴呆症を抱える患者の半分より多くに、介護者が少なくとも4時間付き添っておらず、すべての転倒を報告するかどうかが不確かである。
・心収縮(20pts)および心拡張(10pts)以上に血圧が低下した患者
・股関節部または膝に整形外科的な問題がある患者、および、股関節部または膝の置換術を必要とする患者。
・統合失調症、統合失調感情障害、または双極性障害を抱える患者。
・幻覚、精神病、または妄想を抱える患者。
・近年に脳卒中または心筋梗塞の履歴のある患者。
・ニコチンまたはニコチン含有製品に敏感であると分かった患者。
・最初の投与前に最低30日以内に、以下の薬剤または物質のいずれかを摂取する患者:ニコチンの任意の形態、研究期間中または予定していた研究薬物の最初の投与の30日以内のシトクロムP450 2A6(CYP2A6)誘導物質または阻害剤、神経抑制薬、抗コリン作用薬(吸入式の抗コリン作用薬、例えばイプラトロピウム、チオトロピウム(tiatropium)は例外)、または覚せい剤
・オンダンステロン(ニコチンの投与の初期に付随する場合がある吐き気の処置に使用)への禁忌によるアポモルヒネ
・ワーファリン
研究手順
患者は、静的・動的バランスを評価するNeurocom、実際の転倒への反応を評価するSlip-Simulator、および、診療所や家庭での歩行、姿勢安定性、およびジスキネジアを評価する着用可能センサーを含む、歩行、姿勢安定性、および転倒を定量的に評価するための検査を受ける。
患者は、ベースライン、2か月目、4か月目、および6か月目に確認される。各訪問時に、患者は、「オン」および「オフ」の検査に加え、血圧のモニタリングを受ける。6か月後の、各患者は自身の対照としての役目も果たすため、NC001を受けた患者をプラセボに変更し、プラセボを受けていた患者をNC001に変更する。クロスオーバー、「ウォッシュアウト」、および再滴定が完了した後、すべての患者が、「オン」と「オフ」両方の状態で評価を受ける。次いで、患者は、2か月目、4か月目25、および6か月目に確認され、初期の訪問はこれまで通り行われる。
NC001の投与と滴定
パーキンソン病は、黒質線条体のドーパミン作動性ニューロンの損失を特徴とする。ニコチン受容体は、線条体および脚橋被蓋核において位置する。これらは、ドーパミンの放出を調節する、リガンド依存性イオンチャネルである。これら受容体は、ニコチンおよびアセチルコリンによって刺激される。ニコチン受容体亜型は、主に、ドーパミン放出を調節するドーパミン作用性末端に局在化される。
1:1の比率のNP001またはプラセボを、6か月間盲検様式で、次いでさらに6か月間クロスオーバーの後に、1日4回、経口カプセルとして投与する。二重盲検の処置位相中、投与を6時間毎に1mgで始め、合計の一日量は4mgとなり、以下のように2週間間隔で上方に漸増される:
2週間にわたり6時間毎に2mg、合計8mgの日用量
2週間にわたり6時間毎に4mg、合計16mgの日用量
その後、6時間毎に6mg、合計24mgの日用量。
吐き気がある場合、オンダンステロンで処置する。
患者は、クロスオーバーまでの研究期間(6か月)中に、この投与量を維持される。プラセボを受けている患者はニコチンにさらされていないので、本来の漸増スケジュールを繰り返す。クロスオーバー時の2週間のウォッシュアウト期間は、9日の減少、および5日の薬物なしの期間で構成される。減少は、以下のように3日毎の割合での漸増の反対(reverse)である:
3日間16mg
3日間8mg
3日間4mg
検査のスケジュール
各訪問時にすべての患者は、転倒の頻度と重症度について質問され21,23、転倒した場合には電話するよう指示される。すべての患者は、電話をする、しないにかかわらず、週に1回電話を受けて、転倒に関する質問を受ける。診療所では、測定は、「歩行」、「すくみ足歩行(FOG)」、および「引っ張り検査」のサブ検査を含む、「オン」および「オフ」両方の状態でのUPDRSの運動性部分で構成される。測定は、「片足での直立検査」、「360度回転」、「つぎ足歩行」、10メートル歩行後の「歩幅と速度」を含む、BNIバランス検査のサブ検査で構成される。歩幅と速度は、患者の身長に対して補正され、着用可能センサーから算出される。試験は、「オン」および「オフ」状態の患者へのNeurocom Equitestの利用で構成される。Neurocom Equitestを使用して、摂動への反応の測定値である運動制御時間(MCT)を評価する。試験は、「オン」と「オフ」両方の状態におけるSlip Simulator上での歩行と滑りで構成される。診療所での全試験中、患者はIMUを着用する。これにより、半定量的臨床検査からの情報、Neurocom Equitestからの情報、およびSlip Simulatorからの情報を、IMUからの情報と相関させることができる。これは、歩行、姿勢安定性、ジスキネジア、および転倒をモニタリングする単一で単純な着用可能デバイスの開発に繋がる場合がある。
自宅では、測定は、加速度計およびジャイロスコープを組み込む着用可能センサーを利用する患者のモニタリングで構成される。これらのセンサーは、歩行、姿勢安定性、転倒、およびジスキネジアに関する情報を提供する。センサーからの情報は、標準的な3日間の日記と関連付けられる。
中止
参加者は、任意の時間に、何らかの理由により、研究を自由に中止できる。研究者が参加者を研究から除外したほうがよいと判断すれば、参加者は、感謝の印として日割りの保証金を受け取る。
分析法
歩行、姿勢安定性、および、姿勢偏位パターンと持続期間における病理変化を、健康/転倒リスク状況の指標として使用できる34,35。着用可能センサー、慣性計測装置(IMU)の使用は、人が原因で起こる歩行/姿勢のタイミング事象のエラーを減らし、現行の研究に十分に適している。3次元モーションキャプチャシステムから得られるものに対する、歩行、および着席状態から起立状態への姿勢移動における、時間事象と偏位段階IMUベースのシステムの併存的妥当性を試験した35。IMU信号のウェーブレットノイズ除去は、姿勢中心と運動神経に関する臨床情報をさらに提供した、姿勢事象および偏位期間を強調した36。さらに、IMUは、個体の毎日の動作のモニタリングにおいて効率的に使用でき36、動作の頻度と強度に関する情報を提供し、歩行と姿勢不安定性のより良い診断、および、自身の生活環境における環境と状況の中での転倒リスクの評価に繋がる場合がある。
独立変数:患者を、「オフ」期間(レボドパ/カルビドパを16時間中止)、次いで「オン」期間(レボドパ/カルビドパの通常の午前の投与を受けて1時間後)に評価する。
診療所内評価:従属変数:
転倒評価:患者の日記を含む、転倒の回数と重症度。
MDS UPDRS:MDS-UPDRSの運動部分、歩行、FOG、および引っ張りのサブ検査(質問3.9-3.14)。
BNIバランスサブテスト:360度回転、片足での直立、つぎ足歩行。患者はまた、10メートルの歩行能力について評価される。歩幅と速度は、着用可能センサーにより判定される。
FOGアンケート:MDS-UPDRSのFOG質問2.13、およびFOGのMDS-UPDRS運動サブ検査(3.11)。
TUG検査:タイムアップアンドゴー検査。
起立性低血圧症状評価の質問1
パーキンソン病の感情鈍麻のアンケート
UDysRS:統合ジスキネジア評価尺度
姿勢安定性:姿勢安定性は、日常生活動作を安全に実施することに寄与する重要なものである。実際、この制御システムの劣化は、転倒リスクの増加に関連付けられる。この研究において、安定性、および起こり得る転倒リスクを規定する評価項目は、揺れ領域(sway area)、安定性、および可能性としてリスクを属する、振動領域などのいくつかの尺度を含む、圧力中心(COP)速度、前後方向、側方揺れ範囲、および、近似エントロピーやサンプルエントロピーなどの様々な非線形測定など、様々な線形測定を含む。姿勢安定性の測定は、静かに直立した状態で行われ、足は正常な位置にあり、患者は、自身の側部にて腕と共に前方を見る。2つの視覚条件が実行される:目を開く(EO)、目を閉じる(EC)。各測定は30-60秒間持続し、各条件に対して3回繰り返される。測定間に3分の休止が提供される。
運動制御時間(MCT):Neurocomシステムを使用して、運動制御、または様々な姿勢摂動への反応時間を評価する。姿勢安定性は、バランスおよび配向の目的のために、空間内での全身の位置制御として規定される場合がある26。姿勢の配向は、身体と体節との適切な関連性を維持する能力であり、動作タスクの目標、および環境状況に左右される。
ヒトの姿勢安定性は、前庭、視覚的、自己受容性刺激の入力、および統合型の中央処理によって統制される。筋緊張活動のバックグラウンドレベルは、重力を中和するための特定の反重力姿勢筋において変化する。抗重力筋におけるこの活性の増加は、姿勢緊張として知られる。視覚入力および前庭系は、様々な筋肉の姿勢緊張に影響を及ぼす一方、偏位運動が行われる(例えば、着席状態から起立状態へ)。
動作に関連付けられる姿勢調整、先行随伴性姿勢調節(APA)は、中枢神経系(CNS)により事前に用意され、動作中に姿勢安定性への摂動を中和する32。言い換えれば、自発的な四肢の動きの前に、APAは、四肢の移動に関連付けられる力を不安定にすることを補うことで姿勢安定性を維持し、ゆえに、先の学習に基づいて姿勢要求のための感覚系と運動系を用意する。CNSは、独立しているが関連する筋肉を、筋肉相乗作用と呼ばれるユニットへと組み合わせ、これは、共に作用することで、CNSに対する要求を減らす。高レベルで、動作の安定性を最適化するためにCNSはどのようにしてAPAを管理するのかは知られていないが、低レベルでは、タスクの姿勢要求(起立状態から着席状態、着席状態から横になる、および他の日常活動)により連節された姿勢戦略は、Neurocom Equitestにより定量化され、かつ調べられる場合がある。この測定は、筋神経系の最終反応を示す。多くの研究者が、姿勢安定性を、高齢者におけるバランス、運動制御、および歩行の問題の理解にづけた26。姿勢不安定性の遅延は、姿勢障害に対してバランスを維持する際の困難さを引き起こし、転倒のリスクを増大させる場合がある。
歩行と姿勢の偏位の評価:患者は1分間歩き、二重課題を含む姿勢偏位動作を行う。歩行中のバランス制御と動的安定性に関連する、歩行と姿勢安定性の2つの要因は、安定性を改善する歩行調節を示す二重支持時間とウォーキング速度、および、転倒の増加に繋がる病状を示す長期の姿勢偏位時間である37,38。加えて、これらパラメータの1つまたは両方の変異性の増加は、特にバランス機構にストレスがかけられると、転倒しやすくなる場合がある。様々な歩行周期にわたる姿勢の二重支持時間および偏位態様を使用して、歩行および可動性の減少を評価する38。機能的可動性状態の代わりに、歩行速度と姿勢偏位の両方を測定する。歩行速度が選択される。これは、入院へとつながる転倒の独立予測因子であると示されたからである40,41。姿勢偏位パラメータは重要なものであり、これは、着席状態から起立状態への動作、および臥位から起き上がることは、日常生活に関連するとくに最も一般的な活動であり、日常活動動作の機能的なタスクを最も機械的に要求するものである42,43。PDを抱える人々は多くの場合、これら偏位中に転倒する。IMUを使用する姿勢偏位のモニタリングを使用して、転倒リスクを評価する。これらの偏位は、「起き上がりの遅さ」、「腕を使わずに膝高さの椅子から立ち上がることができない」である44
運動変異性の真の構造を覆う場合がある従来の線形ツールを避けるために、非線形の動的解析も、安定性の差、および処置条件に関連する転倒リスクを定量化するのに適用される。
動的安定は、局所的な摂動に対する個体の耐性を直接表すために選択され、それは、転倒しやすい成人の独立予測因子であると示されている45。ゆえに、IMUシステムを使用すると、高精度で個体の転倒リスク特徴を評価でき、かつモーションキャプチャ研究所に匹敵する生体力学的な変化が、測定される。分類化の手順の後、二重支持時間および姿勢偏位期間などの歩行および可動性のパラメータは、後述の方法を使用して算出される。
7分の活動中の直立、歩行、および他の様々な姿勢の間のTrunk Gyro-X(屈曲/伸長による胴の角速度)信号が、測定される。sternum TEMPOからの3秒間の歩行データはノイズ除去され、かかとが当たる、およびつま先が離れる事象が、特定される。二重支持時間を、地についている足によるかかとの当たりと、反対側の足のつま先の離れとの間の時間として算出する。胴の垂直加速は、踵が当たる事象の直後に生じる全身のCOMの偏位加速を表す45。姿勢偏位時間は、初期屈曲期-t1、中間偏位期-t2、および遅い伸長期-t3(姿勢持続期間=全ての段階の合計)を含む。歩行速度は、歩行プロトコル中にIMUを使用して、10メートルの歩行から算出される。
自宅での評価(3日連続):従属変数
この研究において、着座、臥床、起立、および歩行などの日常生活の活動に関連する可動性特徴を、評価する。加えて、着席状態から起立状態への動作などの姿勢偏位特徴を、自身の生活環境においてIMUを利用して評価する。さらに、活動の強度、エネルギー消費、睡眠の質/動作、および転倒頻度を、IMUシステムを使用して記録する。
身体活動:身体的に活動的であるということは、転倒リスクおよび身体障害を制限または予防する方法として徐々に認められつつある。身体活動に関する客観的で正確な情報は、この研究にとって基本的に重要である。事象検出前に、IMU信号は、明確に表示され、フィルタ処理されて、信号からのノイズや人為的な乱れを除去されなければならない。IMU信号は、非定常であり、ノイズ除去を必要とするものであり、非定常信号処理の効率的な技術は、ウェーブレット変換である。ウェーブレット変換は、時間-頻度のスケール面において信号の分解として使用できる。生の、および脱ノイズ化された信号を、測定する。ユーザーに特定された任意のパラメータがない、個体の日常生活に生じる姿勢事象を検出するための強固なアルゴリズムを、展開する。
歩行の検出:移動窓中央値(Moving window median)は、ジャイロ-yおよびジャイロ-z上で使用され、歩行閾値が確立される。中央窓は、歩行などの動的事象からの、直立から着座、着座から直立、着座から臥床、臥床から着座といった短い姿勢偏位を排除するのに役立つ。
臥床検出:臥床事象は、検出された動的事象が、0.5gを超えるacc-z、および0.5g未満のacc-yを登録するときに分類される。この閾値は、背臥の姿勢で横になっている時のIMUの、敏感なy方向から敏感なz方向への主な重力成分推移として使用される。
着座/起立事象の検出:着席状態から起立状態への事象、および起立状態から着席状態への事象は、歩行でも臥床でもないと分類される、動的事象として分類される。これは、歩行と臥床の事象が生じるデータ間隔を較正データポイントにより置き換え、かつ、トランケートされたacc-zおよびトランケートされたジャイロ-xにおける静的閾値を使用するで、行われる。
身体活動の評価項目:様々な身体活動を、3日連続で記録される。1日中の動作の非活動(Sedentary)部分と活動部分を記録する(図14および図15)。図14は、異なるタイプの身体活動を含む、7日間の活気を示す。
エネルギー消費:慣性計測装置(IMU)はエネルギー消費(EE)を定量化する。IMUは、3軸の加速度計で構成される。データをデバイスに記憶することで、3日間にわたりデータ収集が可能となり、かつ、非臨床環境でデータを捕捉できるので、被験体は、自身の環境で通常の日常活動を行うことができる。被験体は、日常身体活動を測定するためのデバイスの操作と取り付けの方法を指示される。デバイスは、腰回りのベルトに取り付けられた状態で背中に着用され(L5/S1)、身体活動(EEact)のEEが推定される3つの直交軸において1分ごとの加速を提供する。加速の出力、および被験体の身体特徴を利用して、このEEactを推定する(EEact=EE-安静時エネルギー消費量)。個々のパラメータを、各被験体の体質量、身長、性別、および年齢に対して一般化し、その結果、線形および非線形モデルと加速出力の使用により、EE、続いてEEactを予測できる(Chen et al., 1997)。被験体の毎分キロカロリー(4.19kJ/分)における安静時エネルギー消費量(REE)を、個々の身体特徴と予測方程式(1)および(2)によって判定する。
Figure 2023065396000014
Figure 2023065396000015
線形モデル:EEact(kJ/分)を、3つすべての方向(軸)の組み合わせた加速
Figure 2023065396000016
に基づいて算出する。V成分は、x軸とy軸から単離された、z軸の加速で構成される。軸を分離する背景にある論理的根拠は、z軸が重力の影響を受ける一方で、他の寸法はこの要因から解放されているという事実による。H成分は、x軸とy軸の二乗信号の合計の平方根
Figure 2023065396000017
として定義される。αとbの両方は、線形方程式において回帰母数を表し、kは時間(すなわち、k分のEEact)を含む。
Figure 2023065396000018
非線形モデル:非線形モデルにおいて、V信号とH信号を、2つの指数パラメータ(p1とp2)により適用することで、EEactと身体加速との非線形関係を判定する。これを測定したEEactと比較することで、エラーを判定し、最適化因子として使用することができる。さらなる情報は、Chen et al. (1997)の研究を参照されたい。
Figure 2023065396000019
最後に、エネルギー消費は、METレベルに従って分類され(軽度、中程度、活発、および非常に活発)、その日にわたる活動レベルを項目化する(図16)。図16は、軽度、中程度、活発、および非常に活発な活動などの、様々な活動を含む7日間に関連付けられる活動レベルを示す。
睡眠運動:不十分、または質の悪い睡眠は、嗜眠状態、および、転倒リスクを増大しかねない集中力の低下をもたらす場合がある。睡眠運動は、夜の休息に関連する動作情報を測定し、かつ分類する。動作強度を使用して、夜の休息中の偏位を識別する。各偏位の中で、規模および平均速度を、胴の傾斜の変化を用いて算出する。動作時間中の平均動作強度を算出して、例示する(図17)。夜の休息検出、起床、および睡眠中の異なる姿勢を、定量化する。図17は、睡眠に関連する様々な活動を示す。
すくみ足歩行(霧):FOGの客観的特定のために、脛骨IMUを利用するMoore et al.46により提唱された、FOG指標を使用する予定である。すくみ足歩行指数を定義するために、FOG中に3-8Hzの周波数帯域にある脚の動きの信号エネルギーにおける大幅な増加を探索する47。左の脛骨の垂直で線形の加速度の、6秒間隔でのパワースペクトル解析を使用する。時間tでのFOG指標は、運動帯域(0.5-3Hz)におけるスペクトル下面積の二乗で割られる、「麻痺」帯域におけるデータ(時間tにて集中)の6s窓の指数スペクトル下面積の二乗として定義される。閾値を定めるために、個々の較正を使用する。
統計の声明
MDS UPDRSスコアを使用した、必要なサンプルサイズの評価は、非転倒者と頻繁な転倒者とを区別することに関連付けられる、有意な効果における変異性の推定から生じる51。指数計算は、高確立で2つの群間のパラメータ差を決定するほど十分大きなサンプルサイズに焦点を置くことにより、ここで実行される。標準の両側t検定の利用:
Figure 2023065396000020
ここで、dは非中心的位置パラメータ、または、AとBの平均間の距離の測定値であり(13.4):
Figure 2023065396000021
ここで、sは、MDS UPDRSスコアの分布の標準偏差であり(最大SD=12.6)、nは、各群の被験体の数である。a=0.05と特定すると、15人の患者(クロスオーバー設計における)は、0.05のI型エラーおよび<0.20のII型エラーのリスクを伴う、歩行と姿勢のスコアにおいて特定された差異を検出するのに十分でなければならない(指数>0.80)。除外基準を考慮して、20人の参加者のデータを集める。
群の割り当て:研究助手は、任意の評価に関与するものではなく、参加者を処置群またはプラセボ群に割り当てる。選択バイアスをさらに制限し、かつ群が可能な限り同一となることを確認するために、適応性のある試験を利用し、それにより、ベースラインレベルの広がりを確立した後に、層化と無作為化を定める。被験体を、2つの群の一方に割り当てる。
遵守の保証:様々な工程は、処置手順が追従されることを保証する。まず、補足物を各診療所訪問時に被験体に分配し、その後の診療所訪問時に集める。次に、補足物のそれぞれの分配と収集の後に、研究助手がフォームに署名する。最後に、PIがフォームを調べて、遵守を監視する。従わない場合、参加者は、試験を完了する、および/または実験プロトコルを終える選択肢を与えられる。
データ処理および統計的考察:主要評価項目は、引っ張り検査、片足で立てる能力、および安定性の測定(姿勢の揺れ、運動制御時間、および動的安定性により定められる)である。副次的評価項目は、転倒リスクの判定時の対象の従属変数に関連する。
PIは、検査の技術的成功を確かなものにするために、参加者のデータを使用して全診療所訪問後に結果をモニタリングする。中間解析によるI型エラーの増加の問題を回避するために、必要なp値への補正を適用する。すべての統計的比較のために、通常は分配されないデータに対して変換を使用し、正常度の極端な違反が発見された場合にはノンパラメトリック検定法を利用する。分散仮定の均一性が違反された場合は、変換を適用する(ルビーン検定)。多数の追跡比較の補正を、ボンフェローニ補正を使用して行う。
検査の特定の目標および最適な投薬:線形混合効果モデルを、長手方向測定すべてに実行する。加えて、反復測定分散分析も実行する(脱落者がいない場合、および追加の感度分析として)。エンドポイント評価に関連付けられる測定を、最終モデルに使用する。主要エンドポイントは、検査の任意のバッテリーにおけるp<0.05のレベルに基づく。
成功のベンチマーク:試験の最初の3週間は、ベースライン条件の評価、および評価者の信頼度の確立に専念する。査定人の訓練は比較的簡潔(straight-forward)でなければならない。なぜなら、全評価項目が経験的に検証され、十分に発達した方法/指示、およびスコアリングシステムが備わっており、高い評価者間の信頼度の可能性を増大させるからである(Chohen’s Kappa)。次の6か月は、処置効果を検査するための試験で初期に実行された中間解析による、被験体の結果の評価に費やす。目標20人の参加者登録を達成するために、毎週動員目標を確認し、動員の努力が、目標登録の達成に必要な割合を10%下回った場合、研究チームは施設の追加について議論する。
有害事象
処置中に、介護者は、任意の問題または有害事象に遭遇したかどうかについて、アンケート上で報告する。診療所訪問時に、研究看護士は、問題または有害事象について問い合わせる。加えて、血圧と心拍数をモニタリングし、文書化してから検査を行う。有害事象が生じた場合、有害事象のタイプ、有害事象の程度(例えば、軽度/重度)、および有害事象が処置に関連するかどうかについての説明を含む、有害事象のフォームに記入する。各有害事象は、相談を受けて患者の補足を停止または中止すべきかどうかを判断するPIと共に議論される。重篤有害事象が生じた場合、事象、強度、入院が必要な場合には事象の結果(例えば、回復/進行中)、および取られた行動を説明する、特別な重篤有害事象のフォームに記入する。重篤有害事象が補足に関連すると評価された場合、PIとIRBは、さらなる判定が安全性に対して行うことができるまでに、試験全体を停止すべきかどうかを判断する。
実施例14:NP002は、パーキンソン病(PD)を抱える患者の転倒およびすくみ足歩行(FOG)を減らす
方法
特発性PDおよびレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)を抱える計65人の患者を無作為化した。患者の人口統計を表9に要約する。患者は、特発性のPDの診断を受け、Hoehn&Yahr重症度分類II-IV内にあり、一方でピーク「ON」状態(治療域におけるレボドパ)にあることを要求された。患者は、UPDRSのPart IIの質問32と33、かつ≧26のMini-Mental State Examinarion(MMSE)スコアにより判定されるように、起きている日の少なくとも25%にわたり中程度~重度の障害LIDを抱えていなければならない。非定型パーキンソンの障害、事前の脳深部刺激(DBS)、不安定狭心症、心室性不整脈の履歴、または活動的な消化性潰瘍、または統合失調症、分裂情動性障害、または双極性疾患の履歴のある患者を、除外した。積極的にたばこを吸った患者も除外した。
Figure 2023065396000022
研究期間は17週間であった。NP002またはプラセボによる10週間の積極的処置、偏位期間、および処置後期間。コンピュータ生成プログラムを使用して、PD患者を1:1の比率でNP002またはプラセボのいずれへと無作為に割り当てた。薬物、または外観およびパッケージにおいて同一のプラセボを、盲検様式で1日4回経口投与した。レボドパが治療域にあるとき、患者を「ON」状態の間に診察した。処置段階中に、6時間毎に1mgの投薬を開始し(合計の一日量=4mg/日)、次のように2週間間隔で上方に漸増させた:訪問1にて6時間毎に2mg;訪問2にて6時間毎に4mg;訪問3にて6時間毎に6mg。患者を4週間、24mg/日で維持した。すべての患者、現場の人員、評価者、および治験依頼者には、処置の割り当てを知らせなかった。
本来のUPDRS尺度を使用した。Part II(日常生活動作、ADL)およびPart III(運動検査)を、NP002での処置の前後に比較した。UPDRS Part IIにおいて、質問13は、麻痺とは無関係な転倒に関するものである。これは5点の項目であり、反応は、「0」(転倒なし)から「4」(1日1回より多くの転倒)まで及ぶ。35人のNP002患者のうち、20人(57%)は過去に転倒の経験があり、12人(34%)は月に少なくとも2回転倒している。27人のプラセボ患者のうち、14人(52%)は過去に転倒の経験があり、9人(30%)は月に少なくとも2回転倒している。Part IIにおいて、質問14は、歩行時の麻痺に関するものである。これは5点の項目であり、2つの様々な麻痺と転倒がある。35人のNP002患者のうち、13人(37%)に毎日FOGがあった。27人のプラセボ患者のうち、10人(37%)に毎日FOGがあった。Part II全体を、NP002とプラセボとの間で比較した(表10)。質問13と14を別々に比較した(表11)。引っ張り検査(UPDRS Part IIIの項目30)により評価される、後方突進、姿勢制御の測定も、NP002患者とプラセボ患者との間で比較した(表11)。
Figure 2023065396000023
Figure 2023065396000024
LIDを、UDysRS、LIDの主な測定によって評価した(表12)。血清コチニンレベルにより遵守を確認した(コチニンはニコチンの代謝産物である)。ニコチン禁断症状を、ニコチン禁断症状評価により確認した。処置に関連する可能性のある有害事象(AE)を、NP002患者とプラセボ患者における頻度の順で列挙した(表13)。試験は、ヘルシンキ宣言およびグッド・クリニカル・プラクティス・ガイドラインに従って行なわれた。施設内治験審査委員会および書面でのインフォームドコンセントの承認を受けた部位はすべて、参加前に各患者から得られる。
Figure 2023065396000025
Figure 2023065396000026
統計的手法
すべての仮説を、0.050レベルの有意水準にてαセットによる両側検定を使用して検査した。一般的に、効果のデータを処置群毎に要約し、安全性のデータを処置群毎と全体的に要約した。すべての解析において、正常度および等分散性などの仮定を、提案されたパラメータの統計的処理の実施前に検討した。カテゴリー変数を、Fisherの正確な両側検定により分析し、連続変数を2-サンプルt検定の下で検査した。分散の均等性をF検定により検討してから、2-サンプルt検定を行った。2つの群間の分散が大きく不均等等であった場合、t検定統計を調整した。
修飾処置意図(MITT)集団は、無作為化集団にあり、研究薬剤を少なくとも1回投与され、ベースラインがあり、かつベースライン評価後に少なくとも1回が予定されている患者すべてで構成される。効果の解析を、MITT集団を使用して行った。
サンプルサイズの計算は、以下の仮定に基づいていた:α=0.05のI型エラー、指数=70%、片側検定、プラセボ反応率=36.8%、プラセボと比較して30%の反応改善。初期のプロトコル指数計算は、Stata v10.1を使用した、2×2の表の指数の標準式に基づいていた。この計算は、N-Query Advisor6.01を使用した、等比率の2群のカイ二乗検定を使用することによって確認された。この計算は、片側検定を使用して、1つの腕当たり25の評価可能な被験体が、プラセボとNP002との差異を検出する可能性は70%であろうことを示した。
転倒(UPDRS Part II、質問13)について、5点の尺度を使用された:0:転倒なし~4:1日に2回より多く転倒。FOG(質問14)に関連するFOGおよび転倒について、5点の尺度を使用した:0:FOGなし~3または4:FOGによる頻繁な転倒。NP002患者とプラセボ患者との間の分布の比較を、-3(5点尺度で3点の改善)~+3(5点尺度で3点の悪化)に及ぶ分布を使用して行った。Fisherの正確な両側検定を分析に利用した。ベースラインより上の改善または悪化を、最後の処置訪問から算出した(表11)。
LIDに対する効果の変動は、UDysRS合計スコア;UDysRSサブスコアにおけるベースライン~10週間の平均変化であった(表12)。共分散分析(ANCOVA)は、退縮の特徴と分散分析(ANOVA)を組み合わせた。ベースラインからエンドポイントまでの各変動の記述的概要に加えて、各群における最小二乗(LS)平均の標準エラーと95%の信頼区間(CI)、および2つの処置群とその95%のCIとの間のLSの差が、示される。同様の解析が、UPDRS Part IIとUPDRS Part IIIとの比較に適用された。
結果
65人の患者を無作為化し、35人にNP002、30人にプラセボを割り当てた。転倒、FOG、および後方突進に関して、30人のNP002患者と27人のプラセボ患者には、分析に十分なデータがあった。NP002とプラセボとの間に、処置後のUPDRS Part II(ADL)およびPart III(運動検査)における有意差はなかった(表11)。
30人(47%)のNP002患者のうち14人には転倒の減少が生じ、12人には研究中に転倒が生じなかった。対照的に、27人(11%)のプラセボ患者のうち3人しか、転倒は減少しなかった。これらの差異は有意なものである(p=0.00857)(表11)。NP002患者の87%近くに、この研究の活動期中に転倒の減少または欠如のいずれかが生じた。対照的に、プラセボ患者の11%にしか、転倒の減少または欠如は生じなかった。30人(40%)のNP002患者のうち12人にはFOGの減少が生じ、10人には研究中にFOGは生じなかった。27人(14.8%)のプラセボ患者のうち5人には、FOGの減少が生じた。これらの差異は有意なものである(p=0.04301)(表11)。NP002患者の73%近くに、この研究の活動期中にFOGの減少または欠如のいずれかが生じた。対照的に、プラセボ患者の5%にしか減少は生じなかった。30人(33.3%)のNP002患者のうち10人に後方突進の減少が生じたが、27人(7.4%)プラセボ患者のうち2人にしか生じなかった。これらの差異は有意なものである(p=0.0228)(表11)。図18-20も参照。
UDysRS歩行サブ検査では、NP002患者には、歩行に対するLIDの効果が46%減少(改善)したのに対し、プラセボ患者には、歩行に対するLIDの効果が8.6%しか減少しなかった。これらの差異は、NP002に都合よく有意であった(p=0.011)。合計のUDysRSに関し、LID変化の主な測定にて、NP002ではLIDが39%減少し、プラセボでは17.2%しか減少しなかった。これらの差異は、NP002に都合良い有意差(p=0.092)に傾いていたが、それには達しなかった(表12)。
NP002またはプラセボにはニコチン退薬症状がなかった。血清コチニンレベルは、NP002患者のニコチンの投薬と同等であり、プラセボ患者には存在しなかった。頻度の順序における有害事象を、表13に報告する。NP002患者の中で最も頻繁な有害事象は、吐き気であった。これは通常、自然に、またはオンダンステロンにより解決される。プラセボ患者の中で最も頻繁な有害事象は、不眠症であった。より多くの有害事象(45)が、プラセボ患者よりもNP002の中で報告された(14)。11人の患者は、有害事象により研究を中止した。その中6人はNP002を、5人はプラセボを受けていた。
実施例15.個別の処置レジメン
個別の処置レジメンを被験体のために決定する。患者に、最大で許容される適量の、NP002の漸増投与量を投与する。1日当たり24mg以下を被験体に投与する。
典型的な投与量漸増スケジュールは、以下のとおりである:訪問0で1mg、および、次のように1週間~4週間の間隔で上方へ漸増する:訪問1で2mg、訪問2で4mg、訪問3で6mg、その結果、1日当たり24mg以下が投与される。例えば、図6Bを参照。NP002の投与量は、パルス様式において被験体に1日当たり1回~6回投与される。第1のパルスが被検体に投与され、その後、第2のパルスが、第1のパルスと第2のパルスとの間を少なくとも2時間空けて投与される。各パルス間の時間は、3~10時間の範囲の場合がある。
各訪問時に、医師は、1つ以上のパラメータについて被験体を検査する。評価は、研究室検査、併用薬の解析、身体検査、精神評価、身体評価、心電図(ECG)、バイタルサイン、衝動抑制の評価、ニコチン退薬症状、病徴の変化、小規模精神状態検査、Jay Midi尺度、UDysRS、Hoehn & Yahrの尺度、臨床世界印象尺度、患者世界印象尺度、Lang-Fahn日常活動尺度、および改定Minnesota Nicotine Withdrawal尺度(MNWS-R)を用いた検査を含む。実行される研究室検査は、血清コチニン解析、尿コチニン解析、血清ニコチン解析、血液学、化学、および妊娠検査を含む。
検査に基づいて、NP002の投与量を調整する。許容される適量を決定するまで、NP002の投与量を調整する。一旦適量を決定すると、NP002は長期的に使用される。
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、かつ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明白である。多数の変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法と構造は、それにより包含されることが、意図されている。

Claims (81)

  1. 転倒の危険がある被験体の転倒の頻度を減らす方法であって、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより転倒の頻度が減少する、工程を含む、方法。
  2. 転倒の危険がある被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている、請求項1に記載の方法。
  3. 中枢神経系疾患または障害はパーキンソン病である、請求項2記載の方法。
  4. ニコチンまたはその塩は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達する剤形である、請求項1に記載の方法。
  5. ニコチンまたはその塩の投与量は、被験体に1日当たり1~6回投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 投与量は、1mg以下、2mg以下、4mg以下、6mg以下、または8mg以下である、請求項5に記載の方法。
  7. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約7.5ng/mL未満になる、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  8. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になる、請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
  9. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になり、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約7.5ng/mL未満になる、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  10. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは7.5ng/mLより上になり、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約5ng/mL未満になる、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  11. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは5ng/mLより上になる、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  12. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約45~約90分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になる、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  13. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約300分後に血漿レベルは1.0ng/mL以下になる、請求項1から12のいずれか1つに記載の方法。
  14. ニコチンまたはその塩は、経口、局所、頬側、経皮、または吸入による投与のために製剤される、請求項1から13のいずれか1つに記載の方法。
  15. 転倒の頻度は、少なくとも20%減らされる、請求項1から14のいずれか1つに記載の方法。
  16. 転倒は、すくみ足歩行(FOG)とは無関係である、請求項1から15のいずれか1つに記載の方法。
  17. 転倒は、FOGまたはレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)に関連する、請求項1から15のいずれか1つに記載の方法。
  18. FOGが減らされる、請求項1から17のいずれか1つに記載の方法。
  19. 被験体のジスキネジア、ウォーキング、歩行、バランス、または姿勢の制御が改善される、請求項1から18のいずれか1つに記載の方法。
  20. 認知機能関連症状が改善される、請求項1から19のいずれか1つに記載の方法。
  21. 認知機能関連症状は、痴呆に関連する、請求項20に記載の方法。
  22. 被験体は、UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、UPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walking、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団、またはそれらの組み合わせを使用して評価される、請求項1に記載の方法。
  23. 被験体はさらに、UPDRS Part IIIの項目30を使用して評価される、請求項22に記載の方法。
  24. UPDRS Part II(日常生活動作(ADL))の質問13のFalling Unrelated to Freezing、およびUPDRS Part II(ADL)の質問14のFreezing When Walkingは、被験体において変更されず、統一ジスキネジア評定尺度(UDysRS)の歩行小集団は被験体において改善される、請求項22に記載の方法。
  25. 被験体におけるすくみ足歩行(FOG)を減らす方法であって、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それによりFOGが減少する、工程を含む、方法。
  26. 被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている、請求項25に記載の方法。
  27. 中枢神経系疾患または障害はパーキンソン病である、請求項26記載の方法。
  28. ニコチンまたはその塩は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達する剤形である、請求項25に記載の方法。
  29. ニコチンまたはその塩の投与量は、被験体に1日当たり1~6回投与される、請求項25に記載の方法。
  30. 投与量は、1mg以下、2mg以下、4mg以下、6mg以下、または8mg以下である、請求項29に記載の方法。
  31. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約7.5ng/mL未満になる、請求項25から30のいずれか1つに記載の方法。
  32. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になる、請求項25から30のいずれか1つに記載の方法。
  33. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になり、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約7.5ng/mL未満になる、請求項25から30のいずれか1つに記載の方法。
  34. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは7.5ng/mLより上になり、次いで、剤形投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約5ng/mL未満になる、請求項25から30のいずれか1つに記載の方法。
  35. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは5ng/mLより上になる、請求項25から30のいずれか1つに記載の方法。
  36. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約45~約90分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になる、請求項25から30のいずれか1つに記載の方法。
  37. ニコチンまたはその塩を投与した結果、剤形投与の約300分後に血漿レベルは1.0ng/mL以下になる、請求項25から36のいずれか1つに記載の方法。
  38. ニコチンまたはその塩は、経口、局所、頬側、経皮、または吸入による投与のために製剤される、請求項25から37のいずれか1つに記載の方法。
  39. FOGは、少なくとも20%減らされる、請求項25から38のいずれか1つに記載の方法。
  40. 転倒の頻度が減らされる、請求項25から39のいずれか1つに記載の方法。
  41. 転倒が予防される、請求項25から40のいずれか1つに記載の方法。
  42. 転倒関連の合併症が減らされる、請求項25から41のいずれか1つに記載の方法。
  43. 被験体における姿勢の安定性を改善する方法であって、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより姿勢の安定性が改善される、工程を含む、方法。
  44. 姿勢の安定性は、転倒、すくみ足歩行(FOG)、またはジスキネジアに関連する、請求項43に記載の方法。
  45. 転倒の危険がある被験体の転倒の頻度を減らす方法であって、該方法は、前記被験体にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニストを1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより転倒の頻度が減少する、工程を含む、方法。
  46. 被験体の転倒を防ぐ方法であって、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程であって、それにより転倒が予防される、工程を含む、方法。
  47. 被験体は、高齢者であり、または、中枢神経系疾患または障害を抱えている、請求項46に記載の方法。
  48. 中枢神経系疾患または障害はパーキンソン病である、請求項47記載の方法。
  49. ニコチンまたはその塩は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達する剤形である、請求項46から48のいずれか1つに記載の方法。
  50. 被験体の認知疾患または障害を処置する方法であって、該方法は、前記被験体にニコチンまたはその塩を1日当たり24mg以下の量で投与する工程を含む、方法。
  51. 前記方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない、請求項1から50のいずれか1つに記載の方法。
  52. ニコチンまたはその塩を含む多重微粒子製剤であって、該製剤は、即時放出投与量のニコチン、および投与の約2~約8時間後に第2の即時放出投与量のニコチンを送達し、被験体に投与される全用量は、1日当たり24mg以下である、多重微粒子製剤。
  53. 多重微粒子製剤は、被験体に1日当たり1~6回投与される、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  54. 前記多重微粒子製剤は、6時間ごとに1mg以下、6時間ごとに2mg以下、6時間ごとに4mg以下、6時間ごとに6mg以下を送達する、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  55. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約7.5ng/mL未満になる、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  56. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になる、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  57. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になり、次いで、多重微粒子製剤投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約7.5ng/mL未満になる、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  58. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは7.5ng/mLより上になり、次いで、多重微粒子製剤投与の約180分後に血漿ニコチンレベルは約5ng/mL未満になる、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  59. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約25~約50分後にピーク血漿ニコチンレベルは5ng/mLより上になる、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  60. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約45~約90分後にピーク血漿ニコチンレベルは10ng/mLより上になる、請求項52に記載の多重微粒子製剤。
  61. 多重微粒子製剤を投与した結果、多重微粒子製剤投与の約300分後に血漿レベルは1.0ng/mL以下になる、請求項52から47のいずれか1つに記載の多重微粒子製剤。
  62. キットであって、該キットは、
    (a)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回投与するための、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1mg以下のニコチンまたはその塩が投与ごとに投与される、1つの出発単位投与量のニコチンまたはその塩;
    (b)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回投与するための、1つ以上の第1の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩が2回以下、投与ごとに投与される、1つ以上の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩;
    (c)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回投与するための、1つ以上の第2の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩が4回以下、投与ごとに投与される、1つ以上の第2の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩;
    (d)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~4回投与するための、1つ以上の第3の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩であって、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩が6回以下、投与ごとに投与される、1つ以上の第3の漸増単位投与量のニコチンまたはその塩;および
    (e)ニコチンまたはその塩の投与量漸増のための指示書
    を含み;
    ここで、投与のための全投与量は1日当たり24mg以下である、キット。
  63. 前記キットは、4週間にわたり1日あたり4回投与するための、1つ以上の出発単位投与量のニコチンまたはその塩を含む、請求項62に記載のキット。
  64. 前記キットは、112mgのニコチンまたはその塩の用量を含む、請求項63に記載のキット。
  65. ニコチンまたはその塩は、経口投与のために製剤される、請求項62から64のいずれか1つに記載のキット。
  66. ニコチンまたはその塩は、溶液形態である、請求項62から65のいずれか1つに記載のキット。
  67. ニコチンまたはその塩は、固体形態である、請求項62から66のいずれか1つに記載のキット。
  68. ニコチンまたはその塩は、液体、ゲル、半液体、半固体、または固体の形態である、請求項62から67のいずれか1つに記載のキット。
  69. キットであって、該キットは、
    (a)約1~約4週間の第1の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第1の投与量のニコチンまたはその塩であって、第1の投与量は約1mgである、第1の投与量のニコチンまたはその塩;
    (b)約1~約4週間の第2の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第2の投与量のニコチンまたはその塩であって、第2の投与量は約2mgである、第2の投与量のニコチンまたはその塩;
    (c)随意に、約1~約4週間の第3の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第3の投与量のニコチンまたはその塩であって、第3の投与量は約4mgである、第3の投与量のニコチンまたはその塩;
    (d)随意に、約1~約4週間の第4の期間にわたる1つ以上の単位投与量の第4の投与量のニコチンまたはその塩であって、第4の投与量は約6mgである、第4の投与量のニコチンまたはその塩;および
    (e)ニコチンまたはその塩の投与量漸増のための指示書
    を含み;
    ここで、投与のための全投与量は1日当たり24mg以下である、キット。
  70. 第1の投与量は、1日当たり1~6回投与される、請求項69に記載のキット。
  71. 第2の投与量は、1日当たり1~6回投与される、請求項69または70に記載のキット。
  72. 第3の投与量は、1日当たり1~6回投与される、請求項69から71のいずれか1つに記載のキット。
  73. 第4の投与量は、1日当たり1~4回投与される、請求項69から72のいずれか1つに記載のキット。
  74. 第1の期間と第2の期間との間の時間は、約1~約4週間である、請求項69から73のいずれか1つに記載のキット。
  75. 第2の期間と第3の期間との間の時間は、約1~約4週間である、請求項69から74のいずれか1つに記載のキット。
  76. 第3の期間と第4の期間との間の時間は、約1~約4週間である、請求項69から75のいずれか1つに記載のキット。
  77. 第1の期間と第4の期間との間の時間は、約10週間以下である、請求項69から76のいずれか1つに記載のキット。
  78. ニコチンまたはその塩を被験体に投与する方法であって、該方法は、
    (a)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回、出発投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、出発投与量は約1mgである、工程;
    (b)約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回、第1の漸増投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、第1の漸増投与量のニコチンまたはその塩は約2mgである、工程;
    (c)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~6回、第2の漸増投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、第2の漸増投与量のニコチンまたはその塩は約4mgである、工程;
    (d)随意に、約1~約4週間にわたり1日当たり1~4回、第3の漸増投与量のニコチンまたはその塩を投与する工程であって、第3の漸増投与量のニコチンまたはその塩は約6mgである、工程;および
    (e)1つ以上のパラメータを測定する工程
    を含み、
    ここで、投与のための全投与量は1日当たり24mg以下である、方法。
  79. 1つ以上のパラメータは有害事象である、請求項78に記載の方法。
  80. 被験体は、研究室検査、精神評価検査、または身体評価検査を用いて1つ以上のパラメータを測定される、請求項78または79に記載の方法。
  81. 前記方法は、ニコチンまたはその塩への耐性または依存性をもたらさない、請求項78から80のいずれか1つに記載の方法。
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