JP2023061848A - レーザセンサを備えた溶接ロボットの制御方法、制御装置、溶接システム、およびプログラム - Google Patents

レーザセンサを備えた溶接ロボットの制御方法、制御装置、溶接システム、およびプログラム Download PDF

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敦史 福永
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Abstract

【課題】レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行い、溶接作業の効率を向上させる。【解決手段】レーザセンサを備える溶接ロボットの制御方法であって、前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程と、前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程と、前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程と、前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程と、前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程と、を有する。【選択図】図5A

Description

本発明は、レーザセンサを備えた溶接ロボットの制御方法、制御装置、溶接システム、およびプログラムに関する。
従来、溶接ロボットを用いて、予め定めた位置に被溶接部材(以下、ワークとも称する)を準備し、ワークの溶接を行う。このとき、同種のワークの溶接の場合であっても、ワークごとに位置がずれたり、ワーク自体の開先精度が悪く、ワークごとに開先形状が微妙に異なったりすることがある。そのため、溶接ロボットを用いる場合は、ワークの溶接前に制御プログラムの補正を必要とする。例えば、レーザセンサ等を用いてワークを計測し、位置ズレや開先形状の変化を検出して、その検出結果に基づいて制御プログラムを補正することが行われている。
例えば、特許文献1では、サーチ動作により得られた測距データを元に、以後サーチ動作を行うことなく、異なる画像処理パラメータを適用した際の画像解析結果をティーチペンダント上で確認できる自動溶接機の位置検出システムを開示している。この位置検出システムにより、システム導入ないし新規教示における画像処理の調整時間を短縮可能としている。
特開2008-221281号公報
溶接は、多種多様な施工状況があり、例えば、複雑な開先形状、ワークの光沢、仮付け等の異物などはセンシング精度を低下させる要因となる。特許文献1は、これらの要因に対応するために必要となる、ワークごとにセンシングして最適な画像パラメータを探索するための作業の繰り返しを解消することを課題にしたものである。しかしながら、レーザセンサを適用する場合、上記のような要因によって、レーザセンサの計測エラーが発生する場合がある。エラー発生時の処理は、作業者が対応しなければならず、溶接作業の能率の低下を招くことになる。
特許文献1では、レーザセンサの計測エラーについては考慮されていない。また、特許文献1は作業者が確認するための画像解析結果の表示までしか開示されておらず、位置補正を自動的かつ効率的に、溶接ロボットの制御プログラム上に反映するかについては何ら考慮されていない。言い換えれば、計測エラーが発生した際に自動作業停止時の復帰作業のための作業者の介入を極力必要とせず、レーザセンシングによる位置補正から溶接までのプロセスを効率よく自動化できる方法が、溶接作業能率向上の観点から求められている。
本発明は、上記課題を解決するものであって、レーザセンサを用いて、より効率的に計測、位置補正を行うことを可能とする溶接ロボットの制御方法、制御装置、溶接システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、レーザセンサを備える溶接ロボットの制御方法であって、
前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程と、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程と、
前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程と、
前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程と、
を有する。
また、本発明の別の形態として以下の構成を有する。すなわち、レーザセンサを備える溶接ロボットの制御装置であって、
前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定手段と、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測手段と、
前記レーザセンサによる計測が成功したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記レーザセンサによる計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出手段と、
前記判定手段にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサによる計測をリトライさせるリトライ手段と、
を有する。
また、本発明の別の形態として以下の構成を有する。すなわち、レーザセンサと、溶接ロボットと、制御装置とを有する溶接システムであって、
前記制御装置は、
前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定手段と、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測手段と、
前記レーザセンサによる計測が成功したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記レーザセンサによる計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出手段と、
前記判定手段にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサによる計測をリトライさせるリトライ手段と、
を有することを特徴とする溶接システム。
また、本発明の別の形態として以下の構成を有する。すなわち、プログラムであって、
コンピュータに、
レーザセンサを備える溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程、
前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程、
前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程、
前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程、
とを実行させる。
本発明によれば、レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行うことができ、溶接作業の効率を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る溶接システムの構成例を示す概略図。 本発明の実施形態に係るレーザセンサによる計測範囲を説明するための説明図。 本発明の一実施形態に係るロボット制御装置の構成例を示す概略図。 本発明の一実施形態に係るレーザセンサによる計測を説明するための説明図。 本発明の一実施形態に係る計測結果の表示画面の構成例を示す図。 本発明の一実施形態に係る計測処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係るマニュアル操作に基づく計測処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る教示プログラムの構成例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る教示プログラムに基づく動作の例を説明するための説明図。 本発明の一実施形態に係る計測のリトライ時の計測開始位置を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出が発生する場合を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出が発生する場合を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出を考慮した補正処理を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出を考慮した補正処理を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出が発生する場合を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出が発生する場合を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出が発生する場合を説明するための説明図。 レーザセンサによる計測にて誤検出を考慮した補正処理を説明するための説明図。 誤検出を考慮した補正処理の際のレーザセンサによる検出結果の例を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を説明するための一実施形態であり、本発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
また、本発明に係る溶接挙動を計測する方法は溶接だけでなく、ガスシールドメタルアーク溶接法(GMAW:Gas-shielded Metal Arc Welding)を活用した付加製造技術、具体的には、金属積層造型技術(WAAM:Wire and Arc Additive Manufacturing)においても有用である。なお、付加製造という用語は、広義では積層造形またはラピットプロトタイピングの用語で用いられることがあるが、本発明においては、統一して付加製造の用語を用いる。本発明に係る手法を付加製造技術に活用する場合は、「溶接」を「溶着」、「付加製造」または「積層造形」等に言い換えられる。例えば、溶接として扱う場合は「溶接挙動」となるが、付加製造として本発明を活用する場合は、「溶着挙動」と言い換えたり、溶接として扱う場合は「溶接システム」となるが、付加製造として本発明を活用する場合は、「付加製造システム」と言い換えたりすることができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
[溶接システムの構成]
図1は、本実施形態に係る溶接システム1の構成例を示す。図1に示す溶接システム1は、溶接ロボット10、ロボット制御装置20、電源装置30、レーザセンサ40、および教示ペンダント50(以下、ティーチングペンダントとも称する)を含んで構成される。なお、本発明に係る手法を付加製造に適用して用いる場合は、例えば、溶接システム1を付加製造システム、溶接ロボット10を付加製造用ロボットと読み替えてもよい。
図1に示す溶接ロボット10は、6軸の多関節ロボットにより構成され、その先端部にはGMAW用の溶接トーチ11が取り付けられている。なお、GMAWには、例えばMIG(Metal InertGas)溶接やMAG(Metal Active Gas)溶接があり、本実施形態ではMAG溶接を例に挙げて説明する。なお、溶接ロボット10は6軸の多関節ロボットに限られたものではなく、例えば可搬型の小型ロボットを採用してもよい。
溶接トーチ11には、ワイヤ送給装置12から溶接ワイヤ13が供給される。溶接ワイヤ13は、溶接トーチ11の先端から溶接個所に向けて送り出される。電源装置30は、溶接ワイヤ13に電力を供給する。この電力により、溶接ワイヤ13とワークWとの間にはアーク電圧が印加され、アークが発生する。電源装置30には、溶接中の溶接ワイヤ13からワークWに流れる溶接電流を検出する不図示の電流センサ、および溶接ワイヤ13とワークWとの間のアーク電圧を検出する不図示の電圧センサが設けられている。
電源装置30は、不図示の処理部と記憶部を有する。処理部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。また、記憶部は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の揮発性や不揮発性のメモリにより構成される。処理部が、記憶部に記憶された電源制御用のコンピュータプログラムを実行することにより、溶接ワイヤ13に印加する電力を制御する。電源装置30は、ワイヤ送給装置12にも接続され、処理部が溶接ワイヤ13の送給速度や送給量を制御する。電源装置30は、溶接時の電流や電圧を検出するためにワークW側にも接続される。
溶接ワイヤ13の組成や種類は、溶接対象に応じて使い分けられればよい。溶接ワイヤ13の種類としては、例えば、ソリッドワイヤや、フラックスを含むフラックスワイヤなどが挙げられる。また、溶接ワイヤ13の材質としては、例えば、軟鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどが挙げられ、ワイヤ表面に銅などのメッキが施されていてもよい。更に、溶接ワイヤ13の径についても特に限定するものではない。本実施形態の場合、一例として、径の上限を1.6mm、下限を0.8mmとした溶接ワイヤを用いてよい。
レーザセンサ40は、例えば、光切断法を用いた2次元以上のレーザ変位計を用いることが可能である。その場合、レーザセンサ40は、帯状のレーザ光を対象物の表面に照射する照射部と、その反射光の変化をCMOS(Complementary MOS:相補型MOS)で受光する受光部とを備える。レーザセンサ40の配置は特に限定するものではなく、例えば、溶接ロボット10に直接取り付けてもよいし、溶接トーチ11と持ち替えて使用してもよい。また、レーザセンサ40は、複数台用いられてもよい。
図2は、本実施形態に係るレーザセンサ40の計測範囲を説明するための図であり、溶接トーチ11の近傍に配置した例を示す。この構成の場合、溶接トーチ11とレーザセンサ40が一体となって移動する。レーザセンサ40によるレーザ光の照射方向と、溶接トーチ11が溶接ワイヤ13を供給する方向は略平行しているものとする。図2において、Ldは、レーザ光の照射方向に沿って、計測が不可である範囲を示す。また、Laは、レーザ光の照射方向に沿って、計測が可能である範囲、すなわち、計測距離を示す。Waは、レーザ光の照射方向に直交する方向における計測が可能な範囲、すなわち、計測幅を示す。例えば、La=350mm、Ld=192mm、Wa=111mmとして設定可能である。
溶接トーチ11近傍にレーザセンサ40を一台配置し、Wa=111mmの計測幅の帯状のレーザ光を照射して、溶接前の対象物、すなわち、ワークWを計測し、開先位置、ギャップ幅、および開先形状等を検出する。検出データに基づいて、後述する基準位置に対する補正情報として出力したり、ギャップ幅の検出データから倣い位置、ウィービング補正量などを捉えたりすることができる。
溶接システム1を構成する各部位は、有線/無線の各種通信方式により、通信可能に接続される。ここでの通信方式は、1つに限定するものではなく、複数の通信方式を組み合わせて接続されてよい。
[ロボット制御装置の構成]
図3は、本実施形態に係る溶接ロボット10の動作を制御するロボット制御装置20の構成例を示す。ロボット制御装置20は、装置全体を制御するCPU201、データを記憶するメモリ202、複数のスイッチを含む操作パネル203、ロボット接続部205、および通信部206を含んで構成される。メモリ202は、例えば、ROM、RAM、HDDなどの揮発性や不揮発性の記憶装置により構成される。メモリ202には、溶接ロボット10の制御に用いられる制御プログラム202Aが記憶される。CPU201は、制御プログラム202Aを読み出して実行することにより、溶接ロボット10による各種動作やレーザセンサ40を用いた計測機能を制御する。なお、制御プログラム202Aは、溶接ロボット10の各種動作と個別の溶接に対応した教示プログラムを含む。この個別の溶接に対応する教示プログラムは更に、計測に係るプログラム(以下、センシングプログラムとも称する)と、溶接ロボット10による各種動作および溶接作業に係るプログラム(以下、溶接プログラムとも称する)を分けて構成すると、制御効率の観点で好ましい。この場合、センシングプログラムと溶接プログラムとの間で関連付けて構成してよい。本実施形態に係る個別の溶接に対応した教示プログラムの例については、図6を用いて後述する。
ロボット制御装置20に対する指示の入力には、主に教示ペンダント50が用いられる。教示ペンダント50は、通信部206を介して、ロボット制御装置20本体に接続される。オペレータは、教示ペンダント50を使用して、教示プログラムを入力することができる。ロボット制御装置20は、教示ペンダント50から入力された教示プログラムに従って溶接ロボット10の溶接動作を制御する。なお、教示プログラムは、例えば不図示のコンピュータを用いて、CAD(Computer-Aided Design)情報等に基づいて自動的に作成することも可能である。教示プログラムにて定義される動作内容は、特に限定するものではなく、溶接ロボット10の仕様や溶接方式などに応じて異なっていてよい。教示ペンダント50は、操作パネル203とは別に、不図示の操作部や表示部を備えており、例えば、図4Bを用いて後述する表示画面を表示可能である。
ロボット接続部205には、溶接ロボット10の不図示の駆動回路が接続されている。CPU201は、制御プログラム202Aに基づく制御信号を、ロボット接続部205を介して溶接ロボット10が備える不図示の駆動回路に出力することで、溶接ロボット10を動作させる。
通信部206は、有線又は無線通信用の通信モジュールである。通信部206は、電源装置30、レーザセンサ40、および教示ペンダント50などとのデータ通信に使用される。通信部206にて用いられる通信の方式や規格は特に限定するものではなく、複数の方式が組み合わされてもよい。電源装置30からは、例えば不図示の電流センサによって検出された溶接電流の電流値や、不図示の電圧センサによって検出されたアーク電圧の電圧値が通信部206を介してCPU201に与えられる。なお、不図示の電流センサや電圧センサにて検出された値は、電源装置30内でのフィードバック情報としても用いられてよい。
ロボット制御装置20は、溶接ロボット10の各軸の制御により、溶接トーチ11の移動速度や溶接トーチの狙い方向(溶接ワイヤの送給方向と言い換えても良い。)なども制御する。また、ロボット制御装置20は、設定された周期、振幅、溶接速度に応じて、溶接ロボット10のウィービング動作も制御する。ウィービング動作とは、溶接の進行方向に対して交差する方向に溶接トーチ11を交互に揺動させることをいう。ロボット制御装置20は、ウィービング動作と共に、溶接線倣い制御を実行する。溶接線倣い制御とは、溶接線に沿ってビードが形成されるように、溶接トーチ11の進行方向に対して左右の位置を制御する動作である。また、ロボット制御装置20は、電源装置30を介してワイヤ送給装置12を制御することで、溶接ワイヤ13の送給速度なども制御する。
(表示画面)
教示ペンダント50にて表示される表示画面の構成例について図4Aおよび図4Bを用いて説明する。図4Aは、レーザセンサ40にて、溶接対象であるワーク401にレーザ光402を照射して計測を行っている状態の例を示す。ここでは、画像の左右に位置するワーク401と、画像中央にルートギャップとしての開先400が位置する例を示している。
図4Bは、図4Aに示す溶接対象の計測結果を示す表示画面410の構成例を示す。表示画面410は、3つの表示領域411、412、413から構成される。表示領域411は、表示内容の概要等の情報を示す。本例では、表示画面410において、計測結果を示している旨のメッセージが表示されている。表示領域412は、計測結果をグラフ形式にて示す。なお、この計測結果は、マス幅で表示するとよい。マス幅とは開先概形を意味し、具体的には、開先概形をグラフ形式で表示する。ここでは、横軸は計測処理における幅方向に対応し、縦軸は計測処理における高さ方向に対応する。目盛りの単位として[mm]が示されているが、これは計測対象のサイズに応じて変化してよい。図4Aに示したように、計測対象の中央部に開先400が位置するため、それに対応する位置の高さが他の位置よりも低くなっていることが検出されている。表示領域413は、計測結果の詳細を示す。例えば、計測結果に基づいて解析した情報を表示してもよい。ここでは、開先形状、計測の成否、開先中央座標、ギャップ幅などの情報が表示されている。
開先形状としては、例えば、レ型開先、V型開先、フレア開先、T継手開先などの形状を検出可能であってよい。計測の成否は、計測処理が成功したか否かを示す。開先中央座標は、レーザセンサ40にて設定されている座標系(以下、レーザ座標系と称する)における原点を基準とした開先中央の位置を示す。ギャップ幅は、開先の底部の幅であってもよいし、最上部の幅であってもよいし、開先の高さ方向の中央位置の幅であってもよい。そのほかの情報が更に、表示領域413に表示されてもよいし、オペレータの操作や設定に基づいて、表示される項目や内容が切り替えられてもよい。なお、ここでは、レーザセンサ40による計測結果を示す画面構成の例を示したが、溶接時には異なる画面が教示ペンダント50の表示部にて表示されてよい。
また、後述する処理において計測時にエラーが発生した場合には、表示領域411にて、エラーの内容やオペレータによる確認を促すメッセージを表示してよい。また、計測の途中でエラーが発生した場合には、表示領域412において、途中までの計測結果を示すような構成であってもよい。また、エラーの発生時には、図4Bに示す表示画面410とは異なる構成の表示画面が用いられてもよい。
なお、レーザセンサ40による計測結果は、メモリ202等の記憶部に適時記憶される。このとき、計測結果に基づいて開先形状を特定し、その情報を計測結果に対応付けて記憶、管理されてよい。また、計測結果と開先形状の対応関係をパターンとして定義しておき、実際の計測結果から開先形状を特定する際に利用してもよい。
[処理シーケンス]
図5Aは、本実施形態に係る処理のフローチャートである。図5Aに示す処理フローは、溶接が開始される前に、レーザセンサ40により、溶接対象を計測するために行われる。本処理フローは、ロボット制御装置20のCPU201が、メモリ202に記憶された制御プログラム202Aに含まれる教示プログラムを読み込んで実行することで実現されてよい。また、本処理フローが開始される際に、溶接対象であるワークWは、溶接位置に設置されているものとする。
S501にて、CPU201は、教示プログラムのうちのセンシングプログラムを読み出し、これに基づいてレーザセンサ40によるワークWの計測を行う。レーザセンサ40による計測では、開先中央座標、ギャップ幅、形状認識のための特徴点などのデータが取得される。また、ここで取得されるデータは、レーザセンサ40にて3次元座標軸およびその原点が規定されたレーザ座標系に基づくものである。
S502にて、CPU201は、S501における計測が成功したか否かを判定する。ここでの成否の判定は、例えば、開先の中央位置が検出されたか否か、センシングプログラムにて定義された処理がすべて実行されたか否か、異常値が検出されたか否か、などに基づいて判定されてよい。成否の判定基準は予め規定されているものとする。計測が成功した場合(S502にてYES)、CPU201の処理はS503へ進む。一方、計測が失敗した場合(S502にてNO)、CPU201の処理はS513へ進む。
S503にて、CPU201は、センシングプログラムにおいて基準位置命令があるか否かを判定する。基準位置命令は、センシングプログラムに基づいて計測を行う際に、計測のための基準位置を設定するための命令である。基準位置命令がある場合(S503にてYES)、CPU201の処理はS504へ進む。一方、基準位置命令が無い場合(S503にてNO)、本処理フローを終了する。基準位置命令が無い場合には、計測結果に基づいて溶接プログラムに対する補正等が行われない流れとなる。
S504にて、CPU201は、センシングプログラムの基準位置命令において基準位置設定のパラメータがあるか否かを判定する。基準位置設定は、レーザセンサ40による計測動作を行う際の基準位置の座標を示す値である。本実施形態において、基準位置は、レーザセンサ40におけるレーザ座標系にて設定されているものとする。基準位置設定がある場合(S504にてYES)、CPU201の処理はS508へ進む。一方、基準位置設定が無い場合(S504にてNO)、CPU201の処理はS505へ進む。
S505にて、CPU201は、教示モードか否かを判定する。本実施形態において教示モードとは、各種設定値が未設定の場合に、溶接システム側で適切な設定値を自動的に設定することが可能なモードである。ここでは、教示モードにより、計測の基準位置の座標を溶接システム側で自動的に設定する機能が提供される。各種モードの設定は、オペレータにより予め行われていてよい。教示モードである場合(S505にてYES)、CPU201の処理は、S506へ進む。教示モードでない場合(S505にてNO)、本処理フローは終了する。
S506にて、CPU201は、所定の規則に基づいて基準位置を自動的に決定する。本実施形態では、S501におけるレーザセンサ40による計測で得られた開先中央位置を基準位置の座標として決定する。
S507にて、CPU201は、S506にて決定した基準位置を用いて、基準位置命令のパラメータを書き換える。つまり、S506にて決定した基準位置が溶接プログラムにて用いられる基準位置として設定される。その後、CPU201の処理はS508へ進む。
S508にて、CPU201は、溶接プログラムにおける基準位置設定の設定値と、S501におけるレーザセンサ40による計測で得られた実測値の差分に基づいて、補正量を算出する。このとき、設定値と実測値はいずれもレーザ座標系における値にて示される。このとき、レーザセンサ40による計測結果に計測誤差が含まれるものとして、予め規定された補正係数を用いて更に補正を行ってもよい。
S509にて、CPU201は、S508にて得られた補正量を、レーザ座標系から、溶接ロボット10にて用いられるロボット座標系の値に変換する。図2に示したように、溶接トーチ11に対するレーザセンサ40の配置に応じて基準となる座標系の関係が異なる。そこで、予め定められたロボット座標系の原点を基準として、レーザ座標系の原点までのオフセット量を設定しておき、このオフセット量を用いてレーザ座標系からロボット座標系への変換を行う。
S510にて、CPU201は、S509にて変換したデータをメモリ202に記憶する。
S511にて、CPU201は、S509にて変換したデータの値が、閾値の範囲に含まれるか否かを判定する。ここで用いられる閾値は、予め規定され、メモリ202にて保持される。データが閾値の範囲内である場合(S511にてYES)、CPU201は、本処理フローを終了する。この場合、レーザセンサ40による計測が正常に行われ、適切に計測処理が完了したことを意味する。データが閾値の範囲外である場合(S511にてNO)、CPU201の処理はS512へ進む。
S512にて、CPU201は、計測処理の結果として得られたデータが適切でない旨のエラーを発行する。ここでは、CPU201は、教示ペンダント50にてエラーを表示画面により表示することで、オペレータに通知してよい。そして、CPU201の処理はS516へ進む。
S513にて、CPU201は、計測が失敗した際のリトライ回数が上限値に達したか否かを判定する。リトライ回数の上限値はセンシングプログラム等により予め規定されているものとする。また、リトライ回数は、不図示のカウンタを用いてその数が管理されているものとする。リトライ回数が上限値に達した場合(S513にてYES)、CPU201の処理はS515へ進む。一方、リトライ回数が上限値に達していない場合(S513にてNO)、CPU201の処理はS514へ進む。
S514にて、CPU201は、レーザセンサ40による計測をリトライするための設定を行う。ここでの設定は、例えば、計測の開始位置を前回の計測とは異なる位置に設定するなどの調整を行う。調整内容は特に限定するものではないが、前回の計測が失敗した内容に応じて変更してよい。設定の例については、図8を用いて後述する。また、CPU201は、上述したリトライ回数を管理するためのカウンタの値を1増やす演算(インクリメント)をしてよい。その後、CPU201の処理は、S501に戻り、S514にて設定された設定値を用いてレーザセンサ40による計測がリトライされる。
S515にて、CPU201は、レーザセンサ40による計測のリトライ回数が上限値に達した旨のエラーを発行する。ここでは、CPU201は、教示ペンダント50にてエラーを表示画面により表示することで、オペレータに通知してよい。そして、CPU201の処理はS516へ進む。
S516にて、CPU201は、オペレータによるマニュアル操作に基づく計測処理を実行する。本工程の詳細については、図5Bを用いて後述する。S516による処理は、溶接システム1側でセンシングプログラムに基づいて計測処理を行った結果、オペレータによる確認作業が必要となった状態の処理に相当する。S516の処理の後、CPU201の処理はS503へ進み、処理を継続する。
図5Aに示す処理シーケンスでは、S511の判定処理の結果、導出したデータが所定の閾値の範囲外であった場合には、データエラーを発行してマニュアル操作に基づく計測に切り替えていた。しかし、この構成に限定するものではなく、計測のリトライ回数が上限値に達していない場合には、S514の工程に進み、リトライ用の設定を行った上でレーザセンサ40による自動計測を再度行うような構成であってもよい。
(マニュアル操作に基づく計測処理)
図5Bは、図5AのS516の工程の詳細を説明するためのフローチャートである。
S521にて、CPU201は、溶接システム1のオペレータにより計測のリトライ指示を受け付ける。この工程は、図5Aにて説明した処理の中でエラーの発生をオペレータに通知した後に行われるため、オペレータは、溶接対象であるワークWなどに対して、エラーの発生の原因となる要素の除去等を行っているものとする。オペレータによる作業としては、例えば、ワークWの表面の状態確認や研磨、異物の除去などが挙げられる。なお、オペレータによる作業の内容は特に限定するものではなく、溶接の状況や、ワークWの状態などに応じて異なる。また、リトライ指示は、教示ペンダント50を介して受付可能であり、このとき、リトライ用の設定を併せて受け付けてもよい。
S522にて、CPU201は、S521にて受け付けたリトライ指示に基づき、計測の開始位置へレーザセンサ40を移動させる。ここでの移動は、エラーが発生した位置を再度計測するようにレーザセンサ40の位置を後進させてもよいし、新たな開始位置から計測するように移動させてもよい。
S523にて、CPU201は、レーザセンサ40による計測を行う。ここでの計測は、図5AのS501の計測と動作内容が同じであってよい。
S524にて、CPU201は、S524にて行ったレーザセンサ40による計測が成功したか否かを判定する。ここでの判定は、図5AのS502の判定基準と同じ判定基準を用いて行われてもよいし、異なる判定基準を用いてもよい。計測が成功した場合(S524にてYES)、CPU201の処理はS525へ進む。一方、計測が失敗した場合(S524にてNO)、CPU201の処理はS526へ進む。
S525にて、CPU201は、マニュアル操作による計測制御から、センシングプログラムに基づく自動計測制御に切り替える。このとき、CPU201は、教示ペンダント50にてマニュアル操作による計測が成功した旨、および、自動計測制御へ切り替わる旨を表示してよい。そして、本処理フローを終了する。本処理フローが終了すると、CPU201の処理は、図5AのS503へ進む。
S526にて、CPU201は、レーザセンサ40による計測が失敗した旨のエラーを発行する。このとき、CPU201は、教示ペンダント50にて、エラーの内容と併せて、ワークWの状態の確認を再度促す。そして、オペレータにより再度計測が失敗した原因となる要素の除去等が行われた後、S521にて計測のリトライ指示を受け付けることで、マニュアル操作に基づく計測処理を繰り返す。
[プログラム構成]
図6は、本実施形態に係る溶接の際に用いられる教示プログラムの構成例を示す。ここでの教示プログラムは、オペレータ等により予め設定され、制御プログラム202Aの一部として保持される。なお、ここに示す教示プログラムの構成は一例であり、これに限定するものではない。溶接対象の形状や構成などに応じて、更に多くの命令やタスクが用いられてよい。
本実施形態に係る教示プログラムは、センシングプログラム600と、溶接プログラム610とから構成される。センシングプログラム600は、図5A、図5Bにて示した処理にて用いられる。溶接プログラム610は、センシングプログラム600の処理結果に基づいて、実際に溶接を行う際に用いられる。
図6に示すセンシングプログラム600の例では、命令601~604の4つから構成されている。命令602は、図5AのS503の処理にて用いられる基準位置命令に対応する。また、命令602においては、図5AのS504の処理にて用いられる基準位置設定に対応するパラメータ602aが設定されている。ここでは基準位置設定のパラメータ602aとして、レーザ座標系の3次元座標系の値が、X=a、Y=b、Z=cにて設定されている。更に、命令602においては、開先のギャップ幅を取得したり、補正量を取得したりするためのタスク「No1」が指定されている。このような各種動作をするためのタスクは、「No1」といった識別情報と併せて予め定義され、制御プログラム202Aの一部として含まれる。識別情報をセンシングプログラム600に含まれる各命令の引数にて指定することで、その識別情報に対応するタスクを実行させることができる。「V001」や「C001」は、指定したタスクの処理結果の格納先を示し、本例では「V001」は補正量の格納先を示し、「C001」はギャップ幅の格納先を示す。なお、パラメータ602aの値が未設定である場合には、図5AのS504の処理にてNOと判定されることとなる。
本例における溶接プログラム610は、命令611~615の5つから構成されている。命令611は、センシングプログラム600の命令602にて取得された補正量を用いて、溶接動作のパラメータを補正する命令611aが指定されている。つまり、センシングプログラム600にて計測され、算出された補正量に基づいて、溶接プログラム610の溶接位置や溶接条件が補正される。命令612では、直線移動と共に、溶接に関する溶接条件が読み出すことが指定されている。このとき、読み出される溶接条件は、センシングプログラム600にて算出された補正量や計測結果に応じて、異なる溶接条件が読み出されてよい。また、命令614は、命令611aにて適用された補正量を解除する命令614aが指定されている。補正量の反映を解除することで、溶接プログラム610を様々な溶接に用いるように汎用的に扱うことが可能となる。
図7は、図6に示した各種プログラムに基づいて、ワーク周りにおける溶接トーチ11の動きを説明するための図である。本例では、図2に示したように、レーザセンサ40は溶接トーチ11の近傍に配置され、ほぼ同じ動きをするものとして説明する。図7に示す「P」は、図6の各プログラムに含まれる命令に対応しているものとする。図7において、溶接対象である左右のワーク701と、ワーク701の間に構成された開先700、および、ワーク701に対する当て金702を示している。開先700は、本例の場合、図7の奥行方向に進むにつれて徐々に開先のギャップ幅が大きくなっている例を示している。
図7に示す「P1」~「P9」は、図6に示した教示プログラムに含まれる各命令に対応する。「P1」~「P4」は、センシングプログラム600を構成する命令601~604それぞれに対応し、計測の際の位置を示す。また、「P5」~「P9」は、溶接プログラム610を構成する命令611~615それぞれに対応し、溶接の際の位置を示す。
まず、センシングプログラム600に基づく計測の流れについて説明する。命令601より、溶接トーチ11の位置は、図7の「P1」にて示す位置に「直線移動」を行う。次に、命令602により、溶接トーチ11は、「P1」にて示す位置から「P2」にて示す位置に「直線移動」を行う。更に、基準位置をX=a、Y=b、Z=cとして、タスク「No1」を開始させる。上述したように、タスク「No1」は、レーザセンサ40よる計測である。
命令603により、溶接トーチ11は、「P2」にて示す位置から「P3」にて示す位置に「直線移動」を行う。つまり、「P2」の位置から「P3」の位置までレーザセンサ40による計測が行われる。「P3」に示す位置に達した際に計測が終了する。そして、命令603にて指定されたプログラムが読み出される。ここで読み出されるプログラムは、例えば、計測結果に基づいて、溶接、すなわち、溶接プログラム610の実行時に用いる溶接条件を決定して設定するための溶接条件設定プログラムである。本実施形態では、溶接条件として、様々な制御項目に対するパラメータ群が予め複数組定義されている。そして、複数の溶接条件の中から、計測結果に応じて溶接に適した溶接条件が決定される。命令604により、溶接トーチ11は、図7の「P4」にて示す位置に「直線移動」を行う。本例では、「P1」と「P4」は同じ位置にて示すが、異なっていてもよい。
次に、溶接プログラム610に基づく動作について説明する。命令611により、溶接トーチ11は、「P5」に示す位置に「直線移動」を行う。本例では、「P1」と「P5」は同じ位置にて示すが、異なっていてもよい。更に、センシングプログラム600の命令602にて検出された補正量が制御パラメータに反映される。
命令612により、溶接トーチ11は、溶接開始位置となる「P6」に示す位置に「直線移動」を行う。本例では、「P2」と「P6」は同じ位置にて示すが、補正量が反映された場合には、補正量に基づいて、「P6」は異なる位置となる。更に、センシングプログラム600の命令603にて設定された溶接条件が読み出される。上述したように、ここで読み出す溶接条件は、センシングプログラム600による計測結果に応じて変更されてよい。更に、アークをONにし、溶接が開始される。
命令613により、溶接トーチ11は、「P7」に示す位置に「直線移動」を行う。すなわち、「P6」の位置から「P7」の位置まで、溶接が行われる。命令614により、溶接トーチ11は、「P8」に示す位置に「直線移動」を行う。すなわち、「P7」の位置から「P8」の位置まで、更に溶接が行われる。命令613と命令614のように、1の命令において溶接する長さが所定の閾値以上となった場合に、異なる命令に分けて制御するような構成であってよい。また、図7の例では、開先のギャップ幅の大きさが変化しているため、「P6」~「P7」までの溶接と、「P7」~「P8」までの溶接において、溶接条件を切り替えてもよい。その後、アークをOFFにし、溶接を終了させる。更に、命令611にて反映させた補正量を解除させる。命令615により、溶接トーチ11は、「P9」に示す位置に「直線移動」を行う。「P9」に示す位置は、特に限定するものでは無いが、例えば、動作の開始位置である「P1」と同じであってもよいし、次の溶接動作の開始位置に基づく位置であってもよい。また、アークONからアークOFFの間の溶接区間では、アークセンサを用いて、トーチ位置を自動的に修正してもよい。なお、アークセンサとは、溶接電流等を適用して、開先の位置を検出し,それに追従して溶接を行える仕組みであって、溶接するワークのずれやばらつき、または溶接中に熱歪みが生じても、トーチの狙い位置が開先からずれることなく溶接を行うことができるものとなる。
(計測リトライ時の位置制御)
図8は、レーザセンサ40による計測のリトライを行う際の計測開始位置を説明するための図である。図5Aの処理において、レーザセンサ40による計測が失敗した場合、S514の工程にてリトライ用の設定を行う。計測が失敗した際に、その際の計測の開始位置と同じ開始位置から計測を再度行った場合、再度失敗する可能性が高い。そこで、本実施形態では、計測のリトライ時には、計測の開始位置を変化させる。
図8において、横軸は位置を示し、左から右に向けて計測が行われているものとする。位置801は、前回の計測を開始した位置を示す。位置802は、レーザセンサ40による計測が失敗したと判定された位置を示す。レーザセンサ40による計測が失敗した場合、位置801から、予め規定されたシフト量Sの分だけ計測の進行方向に移動させた位置を計測のリトライ時の開始位置として設定する。位置803は、計測のリトライ時の開始位置を示す。位置804は、計測のリトライ時の終了位置を示す。なお、計測の終了位置は、計測の失敗の発生の有無にかかわらず同じであってよいし、異なっていてもよい。例えば、図7の例の場合、計測対象となる範囲は「P2」の位置から「P3」の位置であるが、計測が失敗した場合には、この範囲以外の範囲に対して計測を行うように開始位置の変更を行ってよい。
なお、本実施形態では、前回の計測の開始位置を基準としてリトライ時の開始位置を決定したが、これに限定するものではない。例えば、計測が失敗したと判定された位置を基準として、リトライ時の開始位置を決定してもよい。図8の例の場合、位置802を基準として、リトライ時の開始位置を決定してもよい。また、本実施形態において、リトライ時には、開始位置を変更する例を示したがこれに限定するものではない。例えば、レーザセンサ40におる計測条件を切り替えるような構成であってもよい。レーザセンサ40における計測条件としては、例えば、レーザの照射角度、照射強度、フィルタ値、サンプリング数などが挙げられる。
また、本実施形態では、計測が失敗した場合にリトライする回数を予め規定しておき、この上限値を超えない範囲でリトライを行っていた。しかし、この構成に限定するものではなく、計測に要する時間の上限値を予め規定しておき、この上限値を超えない範囲でリトライを行うような構成であってもよい。
また、本実施形態では、溶接システム1における検出手段としてレーザセンサ40を備える構成を示したがこれに限定するものではない。例えば、レーザセンサ40に加え、カメラなどの視覚センサやタッチセンサを更に備えていてもよい。この場合、エラーが発生した際には、レーザセンサ40に替えて、視覚センサやタッチセンサにより計測を行ってもよい。そして、視覚センサやタッチセンサによる計測により正常にデータが取得された場合には、自動計測を継続したり、溶接プログラムによる動作を行ったりするような構成であってもよい。
以上、本実施形態により、レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行うことができ、溶接の作業効率を向上させることが可能となる。
[変形例]
上記の実施形態では、計測処理においてエラーが発生した場合には、オペレータによるマニュアル操作に基づく計測処理を行うように切り替えていた。このとき、レーザセンサ40の計測結果の内容をより細かく判断して自動計測が継続できる状態であれば溶接システム1側で自動復旧させてもよい。つまり、エラーの発生自体を抑制することで、自動計測を継続させることが可能である。その結果、オペレータによるマニュアル操作の頻度を抑制することができる。そこで、自動復旧により自動計測の継続するための構成を変形例として説明する。
例えば、レーザセンサ40による計測においてエラーを生じさせる要因としては、溶接対象表面の光沢によるレーザ光の多面反射、溶接対象の表面にゴミや仮付け等による異物の存在、溶接対象の開先の複雑さによる誤検知が挙げられる。そのほか、エラーの要因としては、教示プログラムの設定ミス、機器の異常などが挙げられる。機器の異常としては、溶接の際に生じるスパッタやヒューム等によってレーザセンサ40の保護ガラスが汚れ、レーザ光が照射または受光できない状態を含んでもよい。このような、事象を溶接システム側で特定し、自動計測を継続可能であると判断できれば、オペレータの作業を要することなく、計測を自動復旧させることが可能である。
以下、エラーの要因となりうる各事象を考慮した処理について説明する。なお、ここでは、上記の要因の一部の例を挙げて説明する。したがって、その他の要因に対しても同様の処理を適用することでエラーの発生を抑制することが可能である。
(多面反射)
溶接対象であるワークの表面に光沢がある場合、その表面にレーザ光を照射すると、レーザ光の反射が生じ、正確にワークの形状を計測できないことがある。溶接が行われるワーク間に構成されるルートギャップとしての開先の形状などによって、反射の程度は様々であり、従来検出されない位置を表面として検出してしまう場合もある。
図9Aは、図9Bに示すようなワーク901の表面の計測を行った結果の例を示す。ここでは、ワーク901は、比較的光沢を有する材質の例を示す。点群910は、レーザセンサ40により検出された点群を示す。線911は、計測により得られた点群910に基づいて導出されたワーク901のエッジを示す。位置912は、計測により得られた結果に基づいて特定された開先の中央位置を示す。このとき、ワーク901の光沢によりレーザ光の反射が生じてしまい、点910aや点910bのようなノイズが検出されてしまう。そのため、点910aや点910bの影響によりワーク901の形状や開先の中央位置を正しく検出できない場合が生じる。
図9Bは、図9Aの計測結果を概略的に示したものである。図9Bに示す矢印は、レーザセンサ40によりレーザ光を照射する向きを示している。図9Bに示すように、反射により、ワーク901の表面とは異なる位置にて点910aや点910bがノイズとして検出されている。
上記のようなワーク表面の反射を考慮し、例えば、ノイズに対するフィルタを用いて計測結果を補正する。ここでのフィルタは、例えば、他の点群と一定以上の距離がある、すなわち、不連続な点を除去するようなフィルタであってよい。図9Cは、図9Aに示す計測結果に対してノイズ除去のフィルタを適用して、ワーク901のエッジを導出した例を示す。点群920は、レーザセンサ40により検出された点群に対して、フィルタを適用した後の点群を示す。また、線921は、フィルタ適用後の点群920に基づいて導出されたワーク901のエッジを示す。また、位置922は、フィルタ適用後の点群920に基づいて特定された開先の中央位置を示す。
図9Dは、図9Cのフィルタ適用後の状態を概略的に示したものである。図9Dの矢印は、レーザセンサ40によりレーザ光を照射する向きを示している。図9Dに示すように、反射により生じていたノイズである点910aや点910bが除去されている。その結果、ワーク901の形状が適切に計測でき、計測時のエラーの発生を抑制することができる。
なお、本処理は、例えば、図5AのS502の工程にて計測が失敗したと判定された際に、計測結果に対し、フィルタリング処理を行って再度判定してもよいし、計測結果を最初からフィルタリング処理を行った上で判定を行ってもよい。例えば、溶接対象に光沢があり、多面反射することが予め想定される場合には、計測結果に対して最初からフィルタリング処理を行ってから、計測が成功したか否かを判定してよい。
(異物)
計測の際に溶接対象の表面において付着し得る異物は、溶接ワイヤの切れ端などのゴミをはじめとして様々なものが挙げられる。また、ワーク表面の仮付けの形状などが異物として検出され得る。溶接品質を向上させるためにはゴミは除去する必要があるが、仮付けなどは溶接の過程において消失したりするため、問題とならず除去する必要はない。つまり、異物として検出された場合でも、オペレータによる作業が必要な場合とそうでない場合がある。この切り分けができれば、エラーの発生を抑制し、自動計測の継続が可能となる。
図10Aは、溶接対象であるワーク1001とその間に開先1002が構成されている例を示す。ここでの開先1002の実測のギャップは3mmとする。また、開先1002の付近に溶接ワイヤの切れ端である異物1003が存在している。
図10Bは、図10Aに示したワーク1001に対し、レーザセンサ40によりレーザ光1004を照射して計測を行っている状態を示している。このとき、レーザ光1004は、異物1003が存在する位置を計測しているものとする。
図10Cは、図10に示した状態において計測を行った結果の例を示す。点群1020は、レーザセンサ40により検出された点群を示す。また、開先1021は、計測により得られた点群1020に基づいて導出された開先を示す。また、位置1022は、開先1021の上部の中心位置を示す。このとき、破線1023にて示す開先1021の上部の長さが、20.39mmにて計測されていた例を示している。つまり、ワーク1001の表面に異物1003が存在したことにより、本来の開先1021のギャップ幅である3mmではなく、異物1003の端部の位置を開先1021の端部の位置としたギャップ幅を検出してしまっている。その結果、開先1021に示すように、本来の開先とは異なる範囲が誤検出されてしまう。正しくは、点群1020aの辺りがワーク1001のエッジ部分に相当する。
上記のような異物に起因する誤検知に対し、一定の範囲をレーザセンサ40により計測し、異常値、すなわち、異物が存在する範囲の値を特定する。図10Dは、異物の判定のために、レーザセンサ40により、範囲1030を矢印の方向に沿って計測している状態を示す。このとき、異物1003の範囲とは異なる範囲を含むように計測することが好ましい。つまり、異物が含まれていたことに起因して計測が失敗した場合、リトライ時には、異物の周辺領域の計測結果に基づいて計測が成功したか否かを判定してよい。このとき、異物の種類によって、エラーとして扱うか否かを切り替えてもよい。例えば、1回目の計測結果に基づいて、異物が仮付けかその他のゴミであるかを判定し、仮付けの場合にはエラーを発生させず、その他のゴミである場合にはエラーを発生させる、すなわち、人手による作業を要求するような構成であってもよい。
図11は、図10Dによる計測を行って得られた値を示す。つまり、ワーク1001の表面上に人手による除去が必要な異物である溶接ワイヤが存在する状態で計測を行った結果を示す。図11において、縦軸は検出された開先のギャップ幅[mm]を示し、横軸はデータの取得番号を示す。ここでのデータ取得番号とは、レーザセンサ40により、所定の間隔ごとに計測を行った位置を示す。所定の間隔は予め規定されているものとする。
本例では、図10Dに示した範囲1030の長さを10[mm]、計測速度を60[cm/min]、データ取得周期を30[Hz]に設定した例を示す。なお、計測条件は上記に限定するものではなく、他の値が用いられてよい。図11においてデータ取得番号「1」~「11」、および、「18」~「31」の位置については、ギャップ幅が3mm程度であるのに対し、データ取得番号「12」~「17」については、急激にギャップ幅が増加し、データ取得番号[13]にてピーク値となる29mm程度となっている。
例えば、仮付けの場合には、開先の延伸方向に沿って一定範囲が同じ幅で検出される可能性が高い。そのため、図11に示すような一部の範囲で極端な値が検出される場合には、仮付けではなく、ゴミが存在するものとして識別することが可能である。言い換えると、計測結果に基づいて異物の形状や種類を特定し、オペレータによる作業が必要な異物か、存在を無視して自動計測が可能なものかを識別してよい。
更に、データ取得番号全体の範囲を考慮すると、データ取得番号「1」~「11」、および、「18」~「31」の範囲を開先に対する検出結果として扱うことができ、この位置の値に基づいて、ギャップ幅を導出することができる。図11の例では、ギャップ幅は3.3mmが導出でき、実際の開先におけるギャップ幅に近い値が検出されている。
また、教示プログラムの設定ミスや機器の異常についても、レーザセンサ40による検出結果から明らかな異常が特定された場合などに基づいて特定してもよい。
以上のように、レーザセンサ40の計測結果に対するフィルタ処理を行うことや、異常を検出した際のリトライ時に計測範囲を切り替えて異常の内容の判定処理を行うことも可能である。このようにすることで、オペレータによる作業を促すエラーの発生を抑制して、自動計測を継続することが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明において、上述した1以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
また、1以上の機能を実現する回路によって実現してもよい。なお、1以上の機能を実現する回路としては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) レーザセンサを備える溶接ロボットの制御方法であって、
前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程と、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程と、
前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程と、
前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程と、
を有することを特徴とする溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行うことができ、溶接作業の効率を向上させることが可能となる。
(2) 前記リトライ工程では、リトライ回数が上限値を超えない範囲にて前記計測工程による計測をリトライさせる、ことを特徴とする(1)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、自動計測の際のリトライについて、回数に基づく上限値を設定することで、無駄な計測のリトライの発生を抑制することができる。
(3) 前記リトライ工程では、計測の所要時間が上限値を超えない範囲にて前記計測工程による計測をリトライさせる、ことを特徴とする(1)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、自動計測の際のリトライについて、時間に基づく上限値を設定することで、無駄な計測のリトライの発生を抑制することができる。
(4) 前記計測工程による計測が前記上限値を超える場合、前記計測の失敗、および、ユーザ操作を促す旨の通知を行う通知工程を更に有する、ことを特徴とする(2)または(3)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサによる計測にて失敗が発生した際に、オペレータに対し適切に作業の実行を促す通知を行うことが可能となる。
(5) 前記判定工程において前記計測工程による計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサにより計測された溶接対象の形状に基づいて、前記失敗の原因を特定する特定工程を更に有し、
前記リトライ工程では、前記特定工程にて特定した原因に基づいて前記計測工程による計測をリトライさせるか否を決定する、
ことを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサによる計測にて失敗が発生した際に、その失敗の内容に応じて、自動計測をリトライするか、オペレータによるマニュアル操作に切り替えるかを決定することができる。そのため、自動計測が継続できるか否かを失敗の原因に基づいて判定し、自動計測が継続できると判定した場合には、オペレータによる操作を抑制することが可能となる。
(6) 前記特定工程では、前記計測工程による計測結果に基づいて計測対象に含まれる異物の種類を特定し、
前記リトライ工程では、前記異物の種類に応じて、前記計測工程による計測をリトライさせるか否かを決定する、
ことを特徴とする(5)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサによる計測にて異物を検出した際に、その異物の種類に応じて、自動計測をリトライするか、オペレータによるマニュアル操作に切り替えるかを決定することができる。そのため、自動計測が継続できるか否かを異物の種類に基づいて判定し、自動計測が継続できると判定した場合には、オペレータによる操作を抑制することが可能となる。
(7) 前記失敗の原因は、多面反射、異物、設定ミス、機器の異常、のうち少なくとも一つから特定される、ことを特徴とする(5)または(6)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサによる計測結果に基づいて、計測の失敗に係る様々な原因を特定でき、自動計測の継続が可能か否かをより詳細に判別することが可能となる。
(8) 前記判定工程では、前記計測工程による計測結果に対するフィルタリング処理の結果に基づいて、前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する、ことを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、例えば、溶接対象の表面における多面反射などに起因してレーザセンサの計測結果にノイズが含まれる場合でも、ノイズを除去でき、その結果、より精度の高い計測が可能となる。
(9) 前記リトライ工程では、前記計測工程による計測をリトライさせる際に、前記レーザセンサによる計測条件を再設定する、ことを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、計測をリトライした際の計測条件を変更することで、再度の計測の失敗を抑止して、効率的に計測を行うことが可能となる。
(10) 前記リトライ工程では、前記計測条件として、リトライごとに、予め定めた位置、またはエラー位置に基づいて算出した位置に、前記レーザセンサによる計測の開始位置または終了位置を変更する、ことを特徴とする(9)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、計測の位置を変更して再計測を行うことで、計測に失敗した場合でもその後、効率的に再計測を行うことが可能となる。
(11) 前記リトライ工程では、前記計測条件として、リトライごとに、計測角度、レーザの強度、レーザセンサのフィルタ値、サンプリング数、のうち少なくとも一つを変更する、ことを特徴とする(9)に記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、計測の位置を変更して再計測を行うことで、計測に失敗した場合でもその後、効率的に再計測を行うことが可能となる。
(12) 前記算出工程では、前記基準位置と前記計測工程における計測結果との差分に基づいて前記補正量を算出し、
前記補正量は、前記レーザセンサの座標系から前記溶接ロボットの座標系へ変換され、
前記変換された補正量に基づいて、前記制御プログラムが少なくとも変更される、ことを特徴とする(1)~(11)のいずれかに記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサによるレーザ座標系と、溶接ロボットによるロボット座標系が異なる場合でも、レーザセンサによる計測結果に基づいて適切に制御プログラムを切り替えることが可能となる。
(13) 前記溶接ロボットは視覚センサまたはタッチセンサを更に備え、
前記判定工程において前記計測工程による計測が失敗したと判定された場合、前記視覚センサまたは前記タッチセンサを用いて計測を行う、ことを特徴とする(1)~(12)のいずれかに記載の溶接ロボットの制御方法。
この構成によれば、レーザセンサによる計測が失敗した場合でも、視覚センサやタッチセンサによる自動計測を行うことで、オペレータによる作業を発生させることなく、効率的に溶接を行うことが可能となる。
(14) レーザセンサを備える溶接ロボットの制御装置であって、
前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定手段と、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測手段と、
前記レーザセンサによる計測が成功したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記レーザセンサによる計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出手段と、
前記判定手段にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサによる計測をリトライさせるリトライ手段と、
を有することを特徴とする溶接ロボットの制御装置。
この構成によれば、レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行うことができ、溶接作業の効率を向上させることが可能となる。
(15) レーザセンサと、
溶接ロボットと、
制御装置と
を有する溶接システムであって、
前記制御装置は、
前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定手段と、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測手段と、
前記レーザセンサによる計測が成功したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記レーザセンサによる計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出手段と、
前記判定手段にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサによる計測をリトライさせるリトライ手段と、
を有することを特徴とする溶接システム。
この構成によれば、レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行うことができ、溶接作業の効率を向上させることが可能となる。
(16) コンピュータに、
レーザセンサを備える溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程、
前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程、
前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程、
前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程、
前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程、
とを実行させるためのプログラム。
この構成によれば、レーザセンサを用いてより効率的に計測、位置補正を行うことができ、溶接作業の効率を向上させることが可能となる。
1 溶接システム
10 溶接ロボット
11 溶接トーチ
12 ワイヤ送給装置
13 溶接ワイヤ
20 ロボット制御装置
30 電源装置
40 レーザセンサ
50 教示ペンダント
201 CPU(Central Processing Unit)
202 メモリ
202A 制御プログラム
203 操作パネル
205 ロボット接続部
206 通信部

Claims (16)

  1. レーザセンサを備える溶接ロボットの制御方法であって、
    前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程と、
    前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程と、
    前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程と、
    前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程と、
    を有することを特徴とする溶接ロボットの制御方法。
  2. 前記リトライ工程では、リトライ回数が上限値を超えない範囲にて前記計測工程による計測をリトライさせる、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接ロボットの制御方法。
  3. 前記リトライ工程では、計測の所要時間が上限値を超えない範囲にて前記計測工程による計測をリトライさせる、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接ロボットの制御方法。
  4. 前記計測工程による計測が前記上限値を超える場合、前記計測の失敗、および、ユーザ操作を促す旨の通知を行う通知工程を更に有する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の溶接ロボットの制御方法。
  5. 前記判定工程において前記計測工程による計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサにより計測された溶接対象の形状に基づいて、前記失敗の原因を特定する特定工程を更に有し、
    前記リトライ工程では、前記特定工程にて特定した原因に基づいて前記計測工程による計測をリトライさせるか否を決定する、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の溶接ロボットの制御方法。
  6. 前記特定工程では、前記計測工程による計測結果に基づいて計測対象に含まれる異物の種類を特定し、
    前記リトライ工程では、前記異物の種類に応じて、前記計測工程による計測をリトライさせるか否かを決定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の溶接ロボットの制御方法。
  7. 前記失敗の原因は、多面反射、異物、設定ミス、機器の異常、のうち少なくとも一つから特定される、ことを特徴とする請求項5または6に記載の溶接ロボットの制御方法。
  8. 前記判定工程では、前記計測工程による計測結果に対するフィルタリング処理の結果に基づいて、前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の溶接ロボットの制御方法。
  9. 前記リトライ工程では、前記計測工程による計測をリトライさせる際に、前記レーザセンサによる計測条件を再設定する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の溶接ロボットの制御方法。
  10. 前記リトライ工程では、前記計測条件として、リトライごとに、予め定めた位置、またはエラー位置に基づいて算出した位置に、前記レーザセンサによる計測の開始位置または終了位置を変更する、ことを特徴とする請求項9に記載の溶接ロボットの制御方法。
  11. 前記リトライ工程では、前記計測条件として、リトライごとに、計測角度、レーザの強度、レーザセンサのフィルタ値、サンプリング数、のうち少なくとも一つを変更する、ことを特徴とする請求項9に記載の溶接ロボットの制御方法。
  12. 前記算出工程では、前記基準位置と前記計測工程における計測結果との差分に基づいて前記補正量を算出し、
    前記補正量は、前記レーザセンサの座標系から前記溶接ロボットの座標系へ変換され、
    前記変換された補正量に基づいて、前記制御プログラムが少なくとも変更される、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の溶接ロボットの制御方法。
  13. 前記溶接ロボットは視覚センサまたはタッチセンサを更に備え、
    前記判定工程において前記計測工程による計測が失敗したと判定された場合、前記視覚センサまたは前記タッチセンサを用いて計測を行う、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の溶接ロボットの制御方法。
  14. レーザセンサを備える溶接ロボットの制御装置であって、
    前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定手段と、
    前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測手段と、
    前記レーザセンサによる計測が成功したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記レーザセンサによる計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出手段と、
    前記判定手段にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサによる計測をリトライさせるリトライ手段と、
    を有することを特徴とする溶接ロボットの制御装置。
  15. レーザセンサと、
    溶接ロボットと、
    制御装置と
    を有する溶接システムであって、
    前記制御装置は、
    前記溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定手段と、
    前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測手段と、
    前記レーザセンサによる計測が成功したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記レーザセンサによる計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出手段と、
    前記判定手段にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記レーザセンサによる計測をリトライさせるリトライ手段と、
    を有することを特徴とする溶接システム。
  16. コンピュータに、
    レーザセンサを備える溶接ロボットの制御プログラムにおける、前記レーザセンサによる計測の基準位置の設定を含む設定情報を決定する決定工程、
    前記設定情報に基づく前記制御プログラムにより、前記レーザセンサを用いて溶接対象の計測を行わせる計測工程、
    前記計測工程における計測が成功したか否かを判定する判定工程、
    前記判定工程にて前記計測が成功と判定された場合、前記基準位置と前記計測工程における計測結果に基づき、前記溶接ロボットの制御パラメータに対する補正量を算出する算出工程、
    前記判定工程にて前記計測が失敗したと判定された場合、前記計測工程による計測をリトライさせるリトライ工程、
    とを実行させるためのプログラム。
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